説明

皮膚外用剤

【課題】べたつき感がなく、さっぱりとした感触を有し、肌なじみが良く、かつ、優れた閉塞性を実現した皮膚外用剤を提供する。
【解決手段】次の成分(A)〜(C):
(A)アルキル基又はアルケニル基の炭素数が20〜24で、エチレンオキサイドの平均付加モル数が1.5〜4であるポリオキシエチレンアルキル又はアルケニルエーテル、
(B)水溶性高分子、及び
(C)皮膚活性成分
を含有する皮膚外用剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、のびの良さ、さっぱり感に優れた使用感を持ちながら、閉塞効果、経時安定性に優れた皮膚外用剤に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚に潤いを付与し、柔軟性を与える皮膚外用剤として、一般に乳液、美容液、クリーム等のスキンケア化粧料が広く使用されている。これらの皮膚外用剤には、主に多価アルコール、抱水性水溶性高分子や油分が配合されており、多価アルコールや抱水性水溶性高分子自体の抱水力により、皮膚上に水分を長時間保持させることにより、又は油分などが皮膚上で形成する薄膜により、皮膚から蒸散する水分を外気中に放出させず、皮膚上に留める効果により、保湿効果を得ようとしているものである。
【0003】
多価アルコール等の効果を高めるためには、多価アルコールを多量に添加しなければ効果が低いという問題があった。しかし、多価アルコールの含有量を増加させると、乳化系の不安定化要因となり易く、安定性の確保が困難になる傾向があった。抱水性水溶性高分子を利用した例として、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンを構成モノマーとする重合体又は共重合体、抱水ポリマー等の水溶性高分子や、ヒドロキシアルキルセルロースを化粧料に用いることで、水分の閉塞効果の高い化粧料が提案されている(特許文献1、2参照)。しかし、充分な保湿効果を得ようとして、その配合量を増やすとやはり、べたつき感の増加やゲル化を生じたり、肌上で伸ばしたとき剥離した高分子の凝集物がカスとなって発生したりする問題があった。さらに、水溶性高分子による抱水力のある皮膜でも、水分蒸散抑制効果が十分でなく、効果として満足できるものではなかった。
【0004】
一方、油分を配合する場合、油分の閉塞性はワセリン、流動パラフィンなどの非極性油が大きく、エステル油など極性が高くなるに従ってその力は小さくなることが知られている。このため、閉塞効果の高い皮膚外用剤として、ワセリンが配合されたものが市販されている。
【0005】
しかしながら、ワセリンや流動パラフィンなどの非極性油は、一般に皮脂となじみにくいため、塗付後も皮膚上で上滑りし、ぬるつき感があり、さらに触れた衣服や紙などに油分が移ってしまうなどの問題があった。また、それらに粉体を配合したファンデーションなどの化粧料の場合には、塗付した肌が衣服に触れたときに、粉体が容易に衣服に移ってしまうという問題もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−22047号公報
【特許文献2】特表2006−509718号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、本発明の課題は、べたつき感がなく、さっぱりとした感触を有し、肌なじみが良く、かつ、優れた閉塞性を実現した皮膚外用剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記課題を解決するため検討した結果、アルキル基又はアルケニル基の炭素数が20〜24で、エチレンオキサイドの平均付加モル数が1.5〜4であるポリオキシエチレンアルキル又はアルケニルエーテルと水溶性高分子とを組み合わせて用いることにより、ポリオキシエチレンアルキル又はアルケニルエーテルの疎水基(アルキル基又はアルケニル基)と親水基(エチレンオキサイド基)との相互作用により、水分蒸散が抑えられ、優れた閉塞性が得られることを見い出した。さらにこれに植物抽出物やγ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸等の皮膚活性成分を併用した場合、それらの成分の有する効果が相乗的に高まることを見い出した。
【0009】
すなわち、本発明は、次の成分(A)〜(C)を含有する皮膚外用剤である。
(A)アルキル基又はアルケニル基の炭素数が20〜24で、エチレンオキサイドの平均付加モル数が1.5〜4であるポリオキシエチレンアルキル又はアルケニルエーテル
(B)水溶性高分子、及び
(C)皮膚活性成分
【発明の効果】
【0010】
本発明の皮膚外用剤は、水分蒸散抑制効果が高く、かつ使用後の塗膜の閉塞効果に優れたものである。皮膚上で水分を長時間安定に保持するため、植物抽出物やγ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸等の皮膚活性成分の皮膚への浸透性が高まり、これら皮膚活性成分の有する保湿効果、抗炎症効果等の効果が相乗的に高まる。
また、少量のポリオキシエチレンアルキル又はアルケニルエーテルの添加により、高い水分蒸散抑制効果及び閉塞効果が発現することから、剤形の制限がなく、使用感に影響を与えることがほとんどない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】試験4における角層水分量の変化を示すグラフである。
【図2】試験4における経皮水分蒸散量の変化を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に用いる(A)ポリオキシエチレンアルキル又はアルケニルエーテルは、アルキル基又はアルケニル基の炭素数が20〜24で、エチレンオキサイドの平均付加モル数が1.5〜4である。
【0013】
ポリオキシエチレンアルキルエーテルのアルキル基又はアルケニル基は、直鎖でも分岐鎖でもよく、その構造を問わないが、好ましくは直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、より好ましくは直鎖のアルキル基である。アルキル基又はアルケニル基の炭素数は20〜24であり、好ましくは炭素数が21〜23であり、最も好適には炭素数が22のベヘニル基である。アルキル基又はアルケニル基の炭素数が20未満の場合には、水分蒸散抑制効果及び閉塞効果が低いため、好ましくない。また、アルキル基又はアルケニル基の炭素数が24を超える場合には、水相に溶解し難くなるため、製剤上好ましくない。
【0014】
アルキル又はアルケニルエーテルのエチレンオキシドの平均付加モル数は、1.5〜4の範囲であり、好ましくは1.5〜3であり、さらに好ましくは1.5〜2.5である。平均付加モル数が1.5未満の場合には結晶性が高く、水相に溶解し難いため、好ましくない。また、平均付加モル数が4を超える場合は、水分蒸散抑制効果及び閉塞効果が著しく低下するため、好ましくない。一般的に入手可能なポリオキシエチレンアルキル又はアルケニルエーテルは、エチレンオキシドの付加モル数に関しては、所望の重合度を中心として極めて幅広く分布した混合物であるが、平均付加モル数が上記範囲内であることが本発明においては重要である。
【0015】
本発明に用いられるポリオキシエチレンアルキル又はアルケニルエーテル(以下、単にポリオキシエチレンアルキルエーテル、POEアルキルエーテルということもある)としては、ポリオキシエチレン(2)アラキルエーテル、ポリオキシエチレン(3)アラキルエーテル、ポリオキシエチレン(4)アラキルエーテル、ポリオキシエチレン(2)ベヘニルエーテル、ポリオキシエチレン(3)ベヘニルエーテル、ポリオキシエチレン(4)ベヘニルエーテル、ポリオキシエチレン(2)カルナービルエーテル、ポリオキシエチレン(3)カルナービルエーテル、ポリオキシエチレン(4)カルナービルエーテル等が挙げられ、好ましくはポリオキシエチレン(2)ベヘニルエーテル、ポリオキシエチレン(3)ベヘニルエーテル、ポリオキシエチレン(4)ベヘニルエーテルが挙げられ、特に好ましくはポリオキシエチレン(2)ベヘニルエーテルが挙げられる。尚、用いられるポリオキシエチレンアルキルエーテルの平均付加モル数が上記範囲内であれば、これら例示されたポリオキシエチレンアルキルエーテル以外のものを併用することも可能である。
【0016】
本発明の皮膚外用剤中のポリオキシエチレンアルキルエーテルの含有量は、組成物全量に対し、0.05〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜20質量%であり、特に好ましくは0.1〜10質量%である。当該範囲内であれば、水分蒸散抑制効果及び閉塞効果が高く、水相へ容易に配合可能であり、好ましい。
【0017】
本発明の皮膚外用剤には、(B)水溶性高分子が用いられる。水溶性高分子は、(A)ポリオキシエチレンアルキルエーテルを水相中に安定に分散保持させ、水分蒸散抑制効果及び閉塞効果に寄与する。
【0018】
本発明に用いる水溶性高分子としては、水溶性のカチオン性高分子、アニオン性高分子、非イオン性高分子、及び、両性高分子又は双極性高分子等が挙げられる。
【0019】
カチオン性高分子としては、具体的には、ポリ(ジメチルジアリルアンモニウムハライド)型カチオン性ポリマー、ジメチルジアリルアンモニウムハライドとアクリルアミドの共重合体カチオン性ポリマー、第4級窒素含有セルロースエーテル、ビニルピロリドン・ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体カチオン化物、又はポリエチレングリコール、エピクロルヒドリン、プロピレンアミン及び牛脂脂肪酸より得られるタロイルアミンもしくはココイルアミンの縮合生成物等が挙げられる。ポリ(ジメチルジアリルアンモニウムハライド)型カチオン性高分子としては、マーコート100(Merquat100)という商品名で米国メルク社(Merck &Co.Inc.) から販売されているものなどを挙げることができる。ジメチルジアリルアンモニウムハライドとアクリルアミドの共重合体型カチオン性ポリマーとしてはマーコート550(Merquat 550)[米国メルク社(Merquat &Co.,Inc.)]などを挙げることができる。ポリエチレングリコール、エピクロルヒドリン、プロピレンアミン及びタロイルアミンもしくはココイルアミンの縮合生成物の例としては、ポリコートH(Polyquat H)という商品名で、西独ヘンケル社(Henkel International Co.)から販売されているものなどを挙げることができる。第4級窒素含有セルロースエーテルは、ポリマーJR-400(Polymer JR-400)、ポリマーJR-125(Polymer JR-125)、ポリマーJR-30M(Polymer JR-30M)という商品名で、米国ユニオンカーバイト社(Union Carbide Corp. )から販売されているものなどである。ビニルピロリドン・ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体カチオン化物はガフコート755 (Gafquat 755 )、ガフコート734 (Gafquat734) という商品名で米国GAF社(GAFCorp. )から販売されているもの等である。
【0020】
アニオン性高分子としては、具体的には、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロース、カラゲーナン、キサンタンガム、ポリスチレンスルホネート、寒天、ガッチガム、カラヤガム、ペクチン、アルギネート塩、ポリ(アクリル酸)及びアクリル酸、メタクリル酸のアルカリ金属及びアンモニウム塩などのアクリル酸又はメタクリル酸誘導体が挙げられる。
【0021】
非イオン性高分子としては、具体的には、セルロースエーテル(ヒドロキシブチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロール、エチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等)、プロピレングリコールアルギネート、ポリアクリルアミド、(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、ポリ(エチレンオキシド)、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルグアーゴム、ローカストビーンゴム、アミロース、ヒドロキシエチルアミロース、ヒアルロン酸又はそのアルカリ金属塩、澱粉、澱粉誘導体及びこれらの混合物などが挙げられる。
【0022】
両性高分子又は双極性高分子として、具体的には、オクチルアクリルアミド/アクリレート/ブチルアミノエチルメタクリレートコポリマー、ポリクオタニウム−47、ポリクオタニウム−43などが挙げられる。
【0023】
これらの水溶性高分子は、1種又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。様々な剤形への応用のしやすさから、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、キサンタンガム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリアクリルアミド、(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、ヒアルロン酸及びそのアルカリ金属塩が好ましく挙げられる。
【0024】
本発明で用いる水溶性高分子の含有量は、組成物全量に対し、0.01〜5質量%が好ましく、より好ましくは0.05〜3質量%である。当該範囲内であれば、製剤の安定性が保たれ、優れた水分蒸散抑制効果及び閉塞効果が得られ、好ましい。
【0025】
本発明で用いられる成分(C)皮膚活性成分とは、皮膚に対して何らかの活性、例えば保湿効果、皮膚柔軟効果、美白効果、抗炎症効果、抗酸化効果、血行促進効果、抗老化効果(抗シワ効果)、皮脂分泌抑制効果等を有するものである。かかる活性成分としては、通常の化粧品、医薬部外品、医薬品等に用いられる各種の活性成分であれば特に制限されない。例えば、植物抽出物、抗炎症剤、保湿剤、アミノ酸類、美白剤、一重項酸素消去剤、抗酸化剤、血行促進剤、皮脂分泌抑制剤、抗菌剤、角解剤等が挙げられる。
【0026】
上述したように、アルキル基又はアルケニル基の炭素数が20〜24で、エチレンオキサイドの平均付加モル数が1.5〜4であるポリオキシエチレンアルキル又はアルケニルエーテルと水溶性高分子とを組み合わせて用いることにより、ポリオキシエチレンアルキル又はアルケニルエーテルの疎水基(アルキル基又はアルケニル基)と親水基(エチレンオキサイド基)との相互作用により、水分蒸散が抑えられ、優れた閉塞性が発現し、本発明の(C)皮膚活性成分の浸透を促進するので、皮膚活性成分の保湿効果、肌荒れの予防・改善効果、肌のはり・弾力の衰え、顔色のくすみ等の予防・改善効果、過剰皮脂、菌や角化異常に起因する毛穴の目立ちやにきび等の予防・改善効果、シワ形成の予防・改善効果、シミ・ソバカスの予防・改善効果、過剰皮脂に起因する毛穴の目立ちやにきび等の予防・改善、シワ形成の予防・改善効果等が相乗的に高められ、更に、使用感に優れた皮膚外用剤が得られる。
【0027】
これらの皮膚活性成分うち、本発明は水分蒸散抑制効果が高い点から、皮膚上に親水性の皮膚活性成分が長時間保持され、皮膚活性成分の浸透を促進することから、親水性皮膚活性成分を使用するのが好ましい。
【0028】
以下に、皮膚活性成分の具体例について例示するが、複数の機能を有する成分については、重複して記載しているものも存在している。これらはあくまで例示であり、限定されるものではない。
【0029】
本発明で用いられる(C)皮膚活性成分のうち、植物抽出物としては、皮膚に対して薬効を有する植物抽出物ならば特に制限なく用いることができる。保湿性、ハリ感の優れた植物抽出物として、アブラナ科、イネ科、オトギリソウ科、ゴマノハグザ科、ショウガ科、スイカズラ科、バラ科、マメ科、ミカン科、モクレン科、ユキノシタ科及び海藻に属する植物からの抽出物から選ばれる1種又は2種以上を用いることが好ましい。
【0030】
本発明においては、植物の用いる部位に関して限定されず、花部、茎部、葉部、種子、果実、果皮等を含む地上部、根、地下茎等の地下部等をそれぞれ単独又は混合して用いることができる。また、抽出に際しては、植物それ自身を用いてもよいし、乾燥或いは細切、粉砕など加工した加工物を使用しても良い。
【0031】
植物抽出物を得る際に使用する溶媒としては、極性溶媒として、水、低級アルコール、高級アルコール、炭化水素類、或はその誘導体などの有機溶媒を例示することができる。また、非極性溶媒としては、石油エーテル、或は炭素数4〜8の脂肪族炭化水素、炭素数1〜2の脂肪族炭化水素のハロゲン化物、炭素数6〜7の芳香族炭化水素等を例示することが出来る。また、抽出方法は特に限定されない。これらの植物抽出物のうち、好ましくは極性溶媒で抽出したものであり、特に、水又は水とメタノール、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコールとの混合物を用いて抽出することが好ましい。その場合の水と低級アルコールの比率は、低級アルコール/水が0/100〜70/30(V/V:体積比)であることが好ましく、より好ましくは0/100〜40/60である。
【0032】
この植物抽出液はそのまま用いても、あるいは希釈液としたり、濃縮エキスとしてもよく、また、凍結乾燥などにより乾燥粉末物としたり、ペースト状に調製してもよい。また、それらを発酵物としたものを用いても良い。乾燥粉末に調製した場合には、水又は水を含むメタノール、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコールにあらかじめ溶解して用いるか、あるいは水を含む組成物中で可溶化して用いるのが好ましい。
【0033】
アブラナ科の植物としては特に限定されないが、好ましくは、アブラナ属(Brassica)としては、タアサイ(B. campestris var. narinosa)、セイヨウカラシナ(B. juncea)、カラシナ(B.juncea)タカナ(B. juncea var. integlifolia)、ルタバガ(B. napobrassica)、セイヨウアブラナ(B. napus)、ミズナ(B. nipposinica)、クロカラシ(B.nigra)、ハゴロモカンラン(B. oleracea var. acephala)、ハボタン(B. oleracea var. acephala)、カイラン(B. oleracea var. allbograbra)、カリフラワー(B. oleracea var. botrytis)、ロマネスコ(B. oleracea var. botrytis)、キャベツ(B. oleracea var. capitata)、メキャベツ(B. oleracea var. gemmifera)、コールラビ(B. oleracea var. gongylodes)、ブロッコリー(B. oleracea var. italica)、チンゲンサイ(B. rapa var. chinensis)、パクチョイ(B. rapa var. chinensis)、ノザワナ(B. rapa var. hakabura)、ミズナ(B. rapa var. lancinifolia)、アブラナ(B. rapa var. nippo-oleifera)、ハクサイ(B. rapa var. pekinensis)、コマツナ(B. rapa var. peruviridis)、カブ(B. rapa var. rapa);アマナズナ属(Camelina)としては、アマナズナ(C. sativa);アラセイトウ属(Matthiola)としては、アラセイトウ(M. incana);イオノプシディウム属(Ionopsidium)としては、イオノプシディウム・アカウレ(I. acaule);イヌガラシ属(Rorippa)としては、ミチバタガラシ(R. dubia)、イヌガラシ(R. indica)、スカシタゴボウ(R. islandica);イヌナズナ属(Draba)としては、ハリイヌナズナ(D. aizoidas)、イヌナズナ(D. nemorosa);イワナズナ属(Aurinia)としては、イワナズナ(A. saxatilis);エダウチナズ属(Diplotaxis)としては、セルバチコ(D. muralis);オオアラセイトウ属(Orychophragmus)としては、オオアラセイトウ(O. violaceus);オランダガラシ属(Nasturtium)としては、オランダガラシ(N. officinale);カラクサナズナ属(Coronopus)としては、カラクサナズナ(C. didymus)、ハマガラシ(C. integrifolis);キバナスズシロ属(Eruca)としては、キバナスズシロ(E. vesicaria);キハナハタザオ属(Sisymbrium)としては、ホソエガラシ(S. irio)、ホコバガラシ(S. loeselii)、カキネガラシ(S. officinale)、イヌカキネガラシ(S. orientale);グンバイナズナ属(Thlaspi)としては、グンバイナズナ(T. arvense);ゴウダソウ属(Lunaria)としては、ゴウダソウ(L. annua);シロイヌナズナ属(Arabidopsis)としては、シロイヌナズナ(A. thaliana);セイヨウワサビ属(Armoracia)としては、セイヨウワサビ(A. rusticana);ダイコンモドキ属(Hirschfedia)としては、ダイコンモドキ(H. incana);ダイコン属(Raphanus)としては、ダイコン(R. sativus)、ハツカダイコン(R. s. var. radicula)、ハマダイコン(R. s. var. raphanistroides);タネツケバナ属(Cardamine)としては、タネツケバナ(C. flexuosa)、ジャニンジン(C. impatiens)、ヒメタネツケバナ(C. parviflora)、;ナズナ属(Capsella)としては、ナズナ(C. bursa-pastoris);ニワナズナ属(Lobularia)としては、ニワナズナ(L. maritima);ハナダイコン属(Hesperis)としては、ハナダイコン(H. matronalis);マガリバナ属(Iberis)としては、イベリス・アマラ(I. amara)、トキワナズナ(I. sempervirens)、キャンディタフト(I. umbellata);マメグンバイナズナ属(Lepidium)としては、ヒメグンバイナズナ(L. apetalum)、マカ(L. meyenii)、コシミノナズナ(L. perfoliatum)、コショウソウ(L. sativum)、マメグンバイナズナ(L. virginicum);マルコルミア属(Malcolmia)としては、バージニアストック(M. maritima);ミヤガラシ属(Rapistrum)としては、ミヤガラシ(R. rugosum);ミヤマナズナ属(Alyssum)としては、ミヤマナズナ(A. alpestre)、アレチナズナ(A. alyssoides)、ヤマナズナ(A. montanum);ワサビ属(Wasabia)としては、ワサビ(W. japonica)などを挙げることができる。
【0034】
これらのアブラナ科の植物のうち、アブラナ属、オランダガラシ属、マメグンバイナズナ属、セイヨウワサビ属、ワサビ属が好ましい。
【0035】
イネ科の植物としては特に限定されないが、好ましくは、カモジグサ属(Agropyron)としては、ジバムギ(A.repens)、アオカモジグサ(A. ciliare var. minus)、カモジグサ(A. tsukushiense var. transiens);オオムギ属(Horudeum)としては、オオムギ(H. vulgare)、ムギクサ(H. murinum);コムギ属(Triticum)としては、コムギ(T. aestivum)、デュラムコムギ(T. durum);ライムギ属(Secale)としては、ライムギ(S. cereale);カラスムギ属(Avena)としては、オートムギ(A.sativa)、ハダカエンバク(A. nuda);イネ属(Oryza)としては、イネ(O. sativa);ジュズダマ属(Coix)としては、ハトムギ(C. lacryma-jobi var. ma-yuen);ススキ属(Miscanthus)としては、オギ(M. sacchariflorus)、ススキ(M. sinensis);キビ属(Panicum)としては、ヌカキビ(P. bisulcatum)、ホウキヌカキビ(P. scoparium);ヨシ属(Phragmites)としては、クサヨシ(P. arundinacea)、ヨシ(P. communis);マダケ属(Phyllostachys)としては、モウソウチク(P. pubescens);サトウキビ属(Saccharum)としては、サトウキビ(S. officinarum);ササ属(Sasa)としては、チマキザサ(S. palmata);エノコログサ属(Setaria)としては、エノコログサ(S. virides)、ハマエノコロ(S. viridis);トウモロコシ属(Zea)としては、トウモロコシ(Z. meys);マコモ属(Zizania)としては、マコモ(Z. latifolia)等が挙げられる。
【0036】
これらのイネ科の植物のうち、好ましくはコムギ属、オオムギ属、ライムギ属、イネ属、トウモロコシ属が好ましい。
【0037】
オトギリソウ科の植物としては特に限定されないが、好ましくは、オトギリソウ属(Hypericum)として、オトギリソウ(H. erectum)、セントジョーンズワート(H. perforatum)、ビヨウヤナギ(H. monogynum)、キンシバイ(H. patulum);フクギ属(Garcinia)としては、マンゴスチン(G. mangostana)、グルグル(G. atroviridis Griff.ex T. Anders.)、バンカマンギス(G. bancana Miq.)、コバノマンギス(G. brevirostris Scheff.)、ゴラカ(G. cambogia Desr.)、セレベスマンゴスチン(G. celebicaLinn.)、コーワガンボジ(G. cowa Roxb.)、ムムンジン(G. dioicaBlume.)、オオバノマンゴスチン(G. dulcis. Kurz.)、アカミカンジス(G. forbesii King.)、カンジス(G. globulosa Rindl.)、キミノマンギス(G. hgriffithii T. Anders.)、ガンボジ(G. hauburyi Hook. f.)、ハママンゴスチン(G. hombroniana Pierre)、メルギーカンジス(G. merguensis Wight)、インドガムボジ(G. morella Desr.)、ツノミマンギス(G. nigrolineata Planch.ex T. Anders.)、コバノカンジス(G. parvifolia Miq.)、ボタンマンゴスチン(G. prainiana King)、フクギ(G. subelliptica Merrill)、キヤニモモ(G. xanthochymus Hookf.)等が挙げられる。
【0038】
これらのオトギリソウ科の植物のうち、好ましくはオトギリソウ属、フクギ属が挙げられる。
【0039】
ゴマノハグサ科の植物としては特に限定されないが、好ましくは、アンゲロニア属(Angelonia)としては、アンゲロニア(A. salicariifolia);ツルウリクサ属(Torenia)としては、ツルウリクサ(T. concolor var. formosana)、ハナウリクサ(T. fournieri);ジオウ属(Rehmannia)としては、アカヤジオウ(R. glutinosa Liboschitz Var.purpurea Makino)カイケイジオウ(R. glutinosa Liboschitz)、テンモクジオウ(R. piasezkii);モウズイカ属(Verbascum)としては、ビロードモウズイカ(V. thapsus)等が挙げられる。
【0040】
これらのゴマノハグサ科の植物のうち、好ましくはツルウリクサ属、ジオウ属が挙げられる。
【0041】
ショウガ科の植物としては特に限定されないが、好ましくは、ショウガ属(Zingiber)として、ショウガ(Z. officinale (Willd.) Roscoe)、ミョウガ(Z. mioga (Thumb.) Roscoe);ハナミョウガ属(Alpinia)として、ハナミョウガ(A. Japonia(Thumb.) Miq)、アオノクマタケラン(A. intermedia Gagnep.)、イリオモテクマタケラン(A. flabellate Ridl.)、タマタケラン(A. formosana K. Schum.)、ゲットウ(A. speciosa(Wendl.) K.Schum.)、シマクマタケラン(A. boninensis Makino)、イオウクマタケラン(A. nakaiana Tuyama)、ヤクチ(A. oxyphylla Miq.);クルクマ属(Curcuma)として、ウコン(C. longa)、ガジュツ(C. zedonaria Rosc.)、ムラサキガジュツ(C. aeruginosa Roxb.)、クルクマ・アリスマティフォリア(C. alismatifolia Gagnep.);カルダモン属(Elettaria)として、カルダモン(E. cardamomum Maton)等が挙げられる。
【0042】
これらのショウガ科の植物のうち、好ましくはショウガ属、ハナミョウガ属、クルクマ属が挙げられる。
【0043】
スイカズラ科の植物としては特に限定されないが、好ましくは、ツクバネウツギ属(Abelia)としては、コツクバネウツギ(A. serrata)、ツクバネウツギ(A. spathulata);スイカズラ属(Lonicera)としては、ネムロブシダマ(L. chrysantha var. crassipes)、ウグイスカグラ(L. gracilipes var. glabra)、ミヤマウグイスカグラ(L. gracilipes var. glandulosa)、スイカズラ(L. japonica)、キンギンボク(L. morrowii)、ツキヌキニンドウ(L. sempervirens);ニワトコ属(Sambucus)としては、ソクズ(S. chinensis)、セイヨウニワトコ(S. nigra)、セイヨウアカミニワトコ(S. racemosa)、ニワトコ(S. racemosa ssp. sieboldiana);ガマズミ属(Viburnum)としては、サンゴジュ(V. awabuki)、ガマズミ(V. dilatum)、コバノガマズミ(V. erosum var. punctatum)、オオカメノキ(V. furcatum)、カンボク(V. opulus var. calvescens)、ヤブデマリ(V. pilicatum var. tomentosum)、ヤマシグレ(V. urceolatum)、ミヤマガマズミ(V. wrghtii);タニウツギ属(Weigela)としては、ヤブウツギ(W. floribunda)、タニウツギ(W. hortensis);イワツクバネウツギ属(Zabelia)としては、イワツクバネウツギ(Z. integrifolia)等が挙げられる。
【0044】
これらのスイカズラ科の植物のうち、好ましくはスイカズラ属、ニワトコ属が挙げられる。
【0045】
バラ科の植物としては特に限定されないが、好ましくは、キンミズヒキ属(Agrimonia)として、ヒメキンミズヒキ(A. nipponica)、キンミズヒキ(A. pilosa var. japonica);ピラカンサ属(Pyracantha)として、タチバナモドキ(P. angustifolia)、トキワサンザシ(P. coccinea)、ヒマラヤトキワサンザシ(P. crenulata)、タイトウサンザシ(P. koidzumii)火棘(P. fortuneana);シモツケ属(Spiraea)として、ホザキシモツケ(S. salicifolia)、マルバシモツケ(S. betulifolia Pall. var. betulifolia)、エゾノシロバナシモツケ(S. miyabei Koidz.)シモツケ(S. japonica)ユキヤナギ(S. thunbergii Siebold ex Blume)、シジミバナ(S. prunifolia Siebold et Zucc.)、ケナシアイズシモツケ(S. chamaedryfolia L. var. chamaedryfolia)、エゾシモツケ(S. media F.W.Schmidt var. sericea (Turcz.) Regel ex Maxim.)イワシモツケ(S. nipponica Maxim. var. nipponica)、イブキシモツケ(S. dasyantha Bunge)、コデマリ(S. cantoniensis Lour.)、イワガサ(S. blumei G.Don);キジムシロ属(Potentilla)としては、ハイキジムシロ(P. anglica)、カワラサイコ(P. chinensis)、ツチグリ(P. discolor)、タチキジムシロ(P. erecta)、キンロバイ(P. fruticosa var. rigida)、ミヤマキンバイ(P. matsumurae)、メアカンキンバイ(P. miyabie)、オヘビイチゴ(P. sundaica var. robusta);イチゴ属(Fragaria)としては、ノウゴウイチゴ(F. iinumae)、シロバナノヘビイチゴ(F. nipponica)、ベニバナヘビイチゴ(F. nipponica f. rosea)、ヤクシマシロバナヘビイチゴ(F. nipponica var. yakusimensis)、エゾヘビイチゴ(F. vesca)、エゾクサイチゴ(F. yezoensis)、オランダイチゴ(F. × ananassa)、チリイチゴ(F. chiloensis)、バージニアイチゴ(F. virginiana);ダイコンソウ属(Geum)としては、ミヤマダイコンソウ(G. calthaefolium var. nipponicum)、チングルマ(G. pentapetalum)、ダイコンソウ(G. japonicum)、イワダイコンソウ(G. montanum);ヘビイチゴ属(Duchesnea)としては、ヘビイチゴ(D. chrysantha)、ヤブヘビイチゴ(D. indica);キイチゴ属(Rubus)としては、フユイチゴ(R. buergeri)、ホロムイイチゴ(R. chamaemorus)、クマイチゴ(R. crataegifolius)、ビロードイチゴ(R. corchorifolius)、セイヨウヤブイチゴ(R. fruticosus)、ブラックベリー(R. spp.)、クサイチゴ(R. hirsutus)、ナガバモミジイチゴ(R. palmatus var. palmatus)、ナワシロイチゴ(R. parvifoius)、コバノフユイチゴ(R. pectinellus)、ハスノハイチゴ(Rhubus peltatus)、コジキイチゴ(R. sumatranus)、カジイチゴ(R. trifidus);ワレモコウ属(Sanguisorba)としては、カライトソウ(S. hakusanensis)、ワレモコウ(S. officinalis)、ナガボノシロワレモコウ(S. tenuifolia var. alba)、チシマワレモコウ(S. tenuifolia var. grandiflora;バラ属(Rosa)として、西洋バラ(R. centifolia(Rosaceae))、ハイブリッドローズ(R. Hybrida(Rosaceae))、エイジツ(R. multiflora Thunberg(Rosaceae))、ナニワイバラ(Rosa laevigata)、モッコウバラ(Rosa.banksiae)、ノイバラ(Rosa multiflora)、ハマナス(Rosa rugosa)、ヤマイバラ(Rosa sambucina)、ロサ ポミフェラ(Rosa pomifera)、ロサ モスカータ(Rosa moschata)、イヌバラ(Rosa canina);サクラ属(prunus)として、モモ(P. persica batsch)、アンズ(P. armeniaca l.)、ウメ(P. mume)、ヤマザクラ(P. jamasakura)、エドヒガン(P. pendula f. ascendens);サンザシ属(Crataegus)としては、サンザシ(C. cuneata)、オオサンザシ(C. pinnatifida)、セイヨウサンザシ(C. oxyacantha);ビワ属(Eriobotrya)として、ビワ(E. japonica);ボケ属(Chaenomeles)として、カリン(C. sinensis);リンゴ属(Malus)として、リンゴ(Malus pumila(Rosaceae))、ハナカイドウ(M. halliana)、ヤマブキ属(Kerria)としては、ヤマブキ(K. japonica);ナナカマド属(Sorbus)としては、アズキナシ(S. alnifolia)、セイヨウナナカマド(S. aucuparia)、ナナカマド(S. commixta)、ウラジロノキ(S. japonica)、ウラジロナナカマド(S. matsumurana)、タカネナナカマド(S. sambucifolia)が挙げられる。
【0046】
これらのバラ科の植物のうち、好ましくはキンミズヒキ属、ワレモコウ属、サンザシ属、サクラ属が挙げられる。
【0047】
マメ科の植物としては、ダイズ属(Glycine)としては、ダイズ(G. max subsp. max)、ツルマメ(G. max subsp. soja);レンリソウ属(Lathyrus)としては、ハマエンドウ(L. japonicus)、スイートピー(L. odoratus)、シュクコンスイートピー(L. latifolius);ネムノキ属(Albizia)としては、ネムノキ(A. julibrissin);クララ属(Sophora)としては、クララ(S. flavewscens)、イソフジ(S. tomentosa);ストロンギドン属(Strongylodon)としては、ヒスイカズラ(S. macrobotrys);エンジュ属(Styphnolobium)としては、エンジュ(S. japonicum)、シダレエンジュ(S. japonicum var. pendulum);シャジクソウ属(Trifolium)としては、ベニバナツメクサ(T. incarnatum)、ムラサキツメクサ(T. pratense)、シロツメクサ(T. repens)、カトレアクローバー(T. burchellianum); ソラマメ属(Vicia)としては、ヤハズエンドウ(Vicia angustifolia)、ソラマメ(V. faba)、スズメノエンドウ(V. hirsuta)、カスマグサ(V. tetrasperma)、ナンテンハギ(V. unijuga);ササゲ属(Vigna)としては、リョクトウ(V. radiata)、アズキ(V. angularis);フジ属(Wisteria)としては、ヤマフジ(W. brachybotrys)、フジ(W. floribunda);ラッカセイ属(Arachis)としては、ラッカセイ(A. hypogaea);ヒヨコマメ属(Cicer)としては、ヒヨコマメ(C. arietinum);アスパラトゥス属(Aspalathus)としては、ルイボス(A. linearis);カンゾウ属(Glycyrrhiza)としては、スペインカンゾウ(G. glabra)、ウラルカンゾウ(G. uralensis);ゲンゲ属(Astragalus)としては、キバナオウギ(A. membranaceus)、レンゲ(A. sinicus);ヒラマメ属(Lens)としては、レンズマメ(L. culinaris);エンドウ属(Pisum)としては、エンドウ(P. sativum);インゲン属(Phaseolus)としては、ベニバナインゲン(P. coccineus)、ライマメ(P. lunatus)、インゲンマメ(P. vulgaris); クズ属(Pueraria)としては、クズ(P. lobata)、プエラリア(P. mirifica)等が挙げられる。
【0048】
これらのマメ科の植物のうち、好ましくはダイズ属、レンリソウ属、ソラマメ属、カンゾウ属、ササゲ属、エンドウ属、インゲン属が挙げられる。
【0049】
ミカン科の植物としては、ミカン属(Citrus)のウンシュウミカン(C. unshiu Marcov)、オオベニミカン(C. tangerina Tanaka)、コベニミカン(C.s erythrosa Tanaka)、ミカン(C. aurantium L subsp.nobilis Makino),ダイダイ(C. aurantium L.,var.daidai Makino)、マルブシュカン(C. medica L)、ナツミカン(C. Natsudaidai Hayata)、ザボン(C. grandis Osbeck)、ユズ(C. Junos Tanaka)、ポンカン(C. reticulata Blanco)、レモン(C. limon Burmann)、カラタチ(C. trifoliata L)、グレープフルーツ(C. paradisi Macf.);キンカン属(Fortunella)としては、マルキンカン(F. japonica swingle);サンショウ属(Xanthoxyum)としては、サンショウ(X. piperitum DC.);ゴシュユ属(Euodia)としては、ゴシュユ(Euodia rutaecarpa Hook.fil et Thoms.);イヌザンショウ属(Fragara)としては、イヌザンショウ(F. mante churica Honda);コクサギ属(Orixa)としては、コクサギ(O. japonica Thunb);ミヤマシキミ属(Skimmia)としては、ミヤマキシミ(S. japonica Thunb);カラタチ属(Poncirus)としては、カラタチ(P. trifoliata)等が挙げられる。
【0050】
これらのミカン科の植物のうち、好ましくはミカン属、キンカン属が挙げられる。
【0051】
モクレン科の植物としては、ユリノキ属(Liriodendron)としては、ユリノキ(L. tulipifera);モクレン属(Magnolia)として、ハクモクレン(M. denudata)、タイサンボク(M. grandiflora)、モクレン(M. liliflora)、コブシ(M. kobus)、ホオノキ(M. obovata)、タムシバ(M. salicifolia)、シデコブシ(M. stellata);オガタマノキ属(Michelia)としては、オガタマノキ(M. compressa)、カラタネオガタマ(M. figo)等が挙げられる。
【0052】
これらのモクレン科の植物のうち、好ましくはユリノキ属、モクレン属が挙げられる。
【0053】
ユキノシタ科の植物としては、チダケサシ属(Astilbe)としては、チダケサシ(A. microphylla)、アカショウマ(A. thunbergii var. thunbergii)、トリアシショウマ(A. thunbergii var. congesta);ヒマラヤユキノシタ属(Bergenia)としては、ヒマラヤユキノシタ(B. stracheyi)、岩白菜(B. emeiensis)、シベリアユキノシタ(B. cordifolia)、厚葉岩白菜(B. crassifolia)、印度岩白菜(B. purpurascens)、地白菜(B. scopulosa);ネコノメソウ属(Chrysosplenium)としては、シロバナネコノメソウ(C. album)、ボタンネコノメソウ(C. kiotense)、キンシベボタンネコノメソウ(C. kiotense forma xanthandrum)、ネコノメソウ(C. grayanum)、ヤマネコノメソウ(C. japonicum);ウツギ属(Deutzia)としては、ウツギ(D. crenata)、サラサウツギ(D. crenata f. plenta)、ヒメウツギ(D. gracilis)、マルバウツギ(D. seabra);アジサイ属(Hydrangea)としては、アメリカノリノキ(H. arborescens)、コアジサイ(H. hirta)、コガクウツギ(H. luteovenosa)、アジサイ(H. macrophylla)、ノリウツギ(H. paniculata)、ツルアジサイ(H. petiolaris)、ガクウツギ(H. scandens)、ヤマアジサイ(H. serrata);チャルメルソウ属(Mitella)としては、コチャルメルソウ(M. pauciflora);ウメバチソウ属(Parnassia)としては、シラヒゲソウ(P. foliosa var. nummularia)、ウメバチソウ(P. palustris var. multiseta)、エゾウメバチソウ(P. palustris var. palustris);タコノアシ属(Penthorum)としては、タコノアシ(P. chinense);バイカウツギ属(Philadelphus)としては、バイカウツギ(P. satsumi);スグリ属(Ribes)としては、ヤシャビシャク(R. ambiguum)、ヤブサンザシ(R. fasciculatum)、コマガタケスグリ(R. japonicum);ヤグルマソウ属(Rodgersia)としては、ヤグルマソウ(R. podophylla);ユキノシタ属(Saxifraga)としては、サクシフラガ・アイゾイデス(S. aizoides)、サクシフラガ・アスペラ(S. aspera)、ナメラダイモンジソウ(S. fortunei var. suwoensis)、サクシフラガ・ステラリス(S. stellaris)、ユキノシタ(S. stolonifera);イワガラミ属(Schixophragma)としては、イワガラミ(S. hydrangeoides)等が挙げられる。
【0054】
これらのユキノシタ科の植物のうち、好ましくはヒマラヤユキノシタ属、ユキノシタ属が挙げられる。主に根と茎が使用される。
【0055】
海藻としては、アオサ科(Ulvaceae)に属する海藻としてはアオサ属(Ulva)、アオノリ属(Enteromorpha)、クロヒトエ属(Ulvaria)等が用いられ、好ましくはアオサ属、アオノリ属である。本発明に用いられるオゴノリ科(Gracilariaceae)に属する海藻としてはオゴノリ属(Gracilaria)、ツルシラモ属(Gracilariopsis)、ナミイワタケ属(Tylotus)、テングサモドキ属(Gelidiopsis)等が用いられ、好ましくはオゴノリ属、ツルシラモ属である。本発明に用いられるテングサ科(Gelidiaceae)に属する海藻としてはマクサ属(Gelidium)、ヒラクサ属(Beckerella)、オバクサ属(Pterocladia)、ユイキリ属(Acanthopeltis)等が用いられ、好ましくはマクサ属である。本発明に用いられるミリン科(Solieriaceae)に属する海藻としてはキリンサイ属(Eucheuma)、トサカノリ(Meristotheca)、ミリン属(Solieria)、エゾナメシ属(Turnerella)等が用いられ、好ましくはキリンサイ属、トサカノリ属である。本発明に用いられるコンブ科(Laminariaceae)に属する海藻としてはコンブ属(Laminaria)、トロロコンブ属(Kjellmaniella)、カジメ属(Ecklonia)、アラメ属(Eisenia)、アントクメ属(Eckloniopsis)、アナメ属(Agarum)、スジメ属(Costaria)、ネコアシコンブ属(Arthrothamnus)、クロシオメ属(Hedophyllum)等が用いられ、好ましくはコンブ属、トロロコンブ属、カジメ属、アラメ属、アントクメ属である。本発明に用いられるアイヌワカメ科(Alariaceae)に属する海藻としてはワカメ属(Undaria)、アイヌワカメ属(Alaria)等が用いられる。本発明に用いられるホンダワラ科(Sargassaceae)に属する海藻としてはヒジキ属(Hizikia)、ホンダワラ属(Sargassum)、ラッパモク属(Turbinaria)、ヤバネモク属(Cystoseira)、ジョロモク属(Myagropsis)、スギモク属(Coccophora)等が用いられ、好ましくはヒジキ属、ホンダワラ属である。本発明に用いられるヒバマタ科(Fucaceae)に属する海藻としてはアスコフィラム属(Ascophyllum)、ヒバマタ属(Fucus)、エゾイシゲ属(Pelvetia)等が用いられ、好ましくはアスコフィラム属、ヒバマタ属である。本発明に用いられるフノリ科(Gloiopeltidaceae)に属する海藻としてはフノリ属(Gloiopeltis)が用いられる。本発明に用いられるヒトエグサ科(Monostromataceae)に属する海藻としてはヒトエグサ属(Monostroma)、モツキヒトエ属(Kornmannia)等が用いられ、好ましくはヒトエグサ属である。本発明に用いられるミル科(Codiaceae)に属する海藻としてはミル属(Codium)等が用いられる。本発明に用いられるウシケノリ科(Bangiaceae)に属する海藻としてはアマノリ属(Porphyra)、ウシケノリ属(Bangia)等が用いられ、好ましくはアマノリ属である。本発明に用いられるスギノリ科(Gigartinaceae)に属する海藻としてはスギノリ属(Gingartina)、アカバギンナンソウ属(Rhodoglossum)、ツノマタ属(Chondrus)等が用いられ、好ましくはスギノリ属、ツノマタ属である。本発明に用いられるカギノリ科(Bonnemaisoniaceae)に属する海藻としてはカギケノリ(Asparagopsis)、カギノリ属(Bonnemaisonia)等が用いられ、好ましくはカギケノリ属である。本発明に用いられるイバラノリ科(Hypneaceae)に属する海藻としてはイバラノリ属(Hypnea)等が用いられる。本発明に用いられるナガマツモ科(Chordariaceae)に属する海藻としてはマツモ属(Analipus)、オキナワモヅク属(Cladosiphon)等が用いられる。本発明に用いられるモヅク科(Nemacystaceae)に属する海藻としてはモヅク属(Nemacystis)等が用いられる。本発明に用いられるダービリア科(Durvilleaceae)に属する海藻としてはダービリア属(Durvillea)等が用いられる。本発明に用いられるレッソニア科(Lessoniaceae)に属する海藻としてはレッソニア属(Lessonia)、マクロシスティス属(Macrocystis)等が用いられる。本発明に用いられるダルス科(Rhodymeniaceae)に属する海藻としてはダルス属(Rhodymenia)等が用いられる。
【0056】
これらの植物抽出物は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。本発明で用いる植物抽出物の含有量は、組成物全量に対し、固形分換算量として0.0001〜5質量%が好ましく、より好ましくは0.002〜3質量%、さらに好適には、0.003〜1質量%である。当該範囲内であれば、成分(A)及び(B)を含有する組成物の閉塞性との相乗効果により、植物抽出物の効果が十分に発揮されるため、好ましい。
【0057】
本発明で用いられる(C)皮膚活性成分のうち、抗炎症剤としては、γ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸又はその塩、γ−アミノ酪酸又はその塩、L−カルニチン又はその塩、グリチルリチン酸又はその塩、グリチルレチン酸又はその塩、イソプロピルアミノカプロン酸又はその塩、アラントイン、塩化リゾチーム、グアイアズレン、サリチル酸メチル、γ−オリザノール等が挙げられる。これらのうち、好ましくは、γ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸又はその塩、γ−アミノ酪酸又はその塩、L−カルニチン又はその塩、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、グリチルリチン酸又はその塩、グリチルレチン酸又はその塩、アラントイン、塩化リゾチーム、サリチル酸メチルであり、特にγ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸又はその塩、γ−アミノ酪酸又はその塩、L−カルニチン又はその塩、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、グリチルリチン酸又はその塩が好ましい。
【0058】
塩としては特に限定されず、例えば、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛などの無機塩、あるいはアンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機アミンや、アルギニン、リジン等の塩基性アミノ酸などの有機塩が挙げられ、これらのうち1種又は2種以上を混合して使用することができる。市場での入手の容易性から、ナトリウム、カリウム、トリエタノールアミン、アルギニンの塩が好ましい。
【0059】
本発明の皮膚外用剤中のこれらの抗炎症剤の含有量は、組成物全量に対し、0.001〜5質量%が好ましく、より好ましくは0.01〜2質量%、特に好ましくは0.01〜1質量%である。当該範囲内であれば、荒れ肌改善効果、水分蒸散抑制効果及び閉塞効果が高く、水相へ容易に配合可能であり好ましい。
【0060】
発明で用いられる(C)皮膚活性成分のうち、保湿剤としては、例えば、N−メチル−L−セリン、コンドロイチン硫酸又はその塩、コラーゲン(平均分子量:5万〜600万)、水溶性コラーゲン、加水分解コラーゲン(平均分子量:100〜9000)、ローヤルゼリーエキス、乳酸又はその塩、エラスチン、キチン、キトサン、尿素、ピロリドンカルボン酸又はその塩等が挙げられる。これらのうち、好ましくは、N−メチル−L−セリン、コンドロイチン硫酸又はその塩、水溶性コラーゲン、加水分解コラーゲン(平均分子量:100〜9000)、ローヤルゼリーエキス、乳酸又はその塩であり、特にN−メチル−L−セリン、水溶性コラーゲン、加水分解コラーゲン(平均分子量:100〜9000)が好ましい。
【0061】
塩としては特に限定されず、例えば、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛などの無機塩、あるいはアンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機アミンや、アルギニン、リジン等の塩基性アミノ酸などの有機塩が挙げられ、これらのうち1種又は2種以上を混合して使用することができる。市場での入手の容易性から、ナトリウム、カリウム、トリエタノールアミン、アルギニンの塩が好ましい。
【0062】
本発明の皮膚外用剤中のこれらの抗炎症剤の含有量は、組成物全量に対し、0.001〜20質量%が好ましく、より好ましくは、0.01〜15質量%、特に好ましくは0.01〜10質量%である。当該範囲内であれば、保湿効果、水分蒸散抑制効果及び閉塞効果が高く、水相へ容易に配合可能であり好ましい。
【0063】
本発明で用いられる(C)皮膚活性成分のうち、アミノ酸又はその塩としては、例えば、オルニチン、トリプトファン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、カナバニン、グルタミン酸、アスパラギン酸、セリン、アラニン、グリシン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、スレオニン、バリン、メチオニン、シスチン、システイン、ハイドロキシプロリン、フェニルアラニン、チロシン、ヒドロキシリジン、トリメチルグリシン、アスパラギン酸ナトリウム、アスパラギン酸カリウム、アスパラギン酸マグネシウム、アスパラギン酸カルシウム、グルタミン酸ナトリウム、グルタミン酸カリウム、グルタミン酸マグネシウム、グルタミン酸カルシウム、グルタミン酸塩酸塩、システイン塩酸塩、ヒスチジン塩酸塩、ヒスチジン酢酸塩、ヒスチジン燐酸塩、リジン塩酸塩、リジン酢酸塩、オルニチン塩酸塩、オルニチン酢酸塩、トリプトファン塩酸塩、アルギニン−グルタミン酸塩、オルニチン−グルタミン酸塩、リジン−グルタミン酸塩、リジン−アスパラギン酸塩、オルニチン−アスパラギン酸塩、ε−アミノカプロン酸等が挙げられる。これらのうち、アルギニン、リジン、ヒドロキシリジン、ヒスチジン又はそれらの塩が好ましく、特にアルギニン又はその塩が好ましい。
【0064】
これらのアミノ酸又はその塩は、1種又は2種以上を組合わせて用いることができ、本発明の皮膚外用剤中に0.0001〜15質量%含有させるのが好ましく、特に0.001〜10質量%、更に0.01〜8質量%含有させると、保湿効果、シワ形成の予防・改善効果、肌荒れ
の予防・改善効果、使用感及び安定性により優れるので好ましい。
【0065】
本発明で用いられる(C)皮膚活性成分のうち、美白剤としては、通常の化粧料に用いられるものであれば特に制限されず、例えばL−アスコルビン酸又はその誘導体、ロドデンドロール又はその誘導体、アルブチン、トラネキサム酸又はその誘導体、4−メトキシサリチル酸又はその塩等が挙げられる。
【0066】
アスコルビン酸又はその誘導体としては、特に限定されるものではなく、例えば、アスコルビン酸又はその塩、アスコルビン酸エステル又はその塩、アスコルビン酸リン酸エステル又はその塩、アスコルビン酸硫酸エステル又はその塩、アスコルビン酸グルコシド(2−O−α−D−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸)又はその塩、アスコルビン酸グルコサミン、デヒドロアスコルビン酸又はその塩等を挙げることができる。これらのうち、好ましくはアスコルビン酸又はその塩、アスコルビン酸エステル又はその塩、アスコルビン酸リン酸エステル又はその塩、アスコルビン酸硫酸エステル又はその塩、アスコルビン酸2グルコシド(2−O−α−D−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸)又はその塩であり、特にアスコルビン酸又はその塩、アスコルビン酸2グルコシド(2−O−α−D−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸)が好ましい。
【0067】
ロドデンドロール又はその誘導体としては、特に限定されるものではなく、例えば、ロドデンドロール[4−(p−ヒドロキシフェニル)−2−ブタノール]、アセチルロドデンドロール、ヘキサノイルロドデンドロール、オクタノイルロドデンドロール、ドデカノイルロドデンドロール、テトラデカノイルロドデンドロール、ヘキサデカノイルロドデンドロール、オクタデカノイルロドデンドロール、4−(3−アセトキシブチル)フェニルアセテート、4−(3−プロパノイルオキシブチル)フェニルプロパノエート、4−(3−オクタノイルオキシブチル)フェニルオクタノエート、4−(3−パルミトイルオキシブチル)フェニルパルミテート等のアシル化ロドデンドロール、4−(3−メトキシブチル)フェノール、4−(3−エトキシブチル)フェノール、4−(3−オクチルオキシブチル)フェノール等のロドデンドロールアルキルエーテル体、ロドデンドロール−D−グルコシド(α又はβ体)、ロドデンドロール−D−ガラクトシド(α又はβ体)、ロドデンドロール−D−キシロシド(α又はβ体)、ロドデンドロール−D−マルトシド(α又はβ体)等のロドデンドロール配糖体等が挙げられる。これらのうち、好ましくは、ロドデンドロール、アシル化ロドデンドロールであり、特にロドデンドロールが好ましい。
【0068】
トラネキサム酸又はその誘導体としては、特に限定されるものではなく、例えば、トラネキサム酸又はその塩、塩酸トランス−4−(トランス−アミノメチルシクロヘキサンカルボニル)アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸、トランス−4−アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸4’−ヒドロキシフェニルエステル、2−(トランス−4−アミノメチルシクロヘキシルカルボニルオキシ)−5−ヒドロキシ安息香酸又はその塩、トランス−4−アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸メチルアミド又はその塩、トランス−4−(P−メトキシビンゾイル)アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸又はその塩、トランス−4−グアニジノメチルシクロヘキサンカルボン酸又はその塩等が挙げられる。これらのうち、トラネキサム酸又はその塩が好ましい。
【0069】
塩としては特に限定されず、例えば、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛などの無機塩、あるいはアンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機アミンや、アルギニン、リジン等の塩基性アミノ酸などの有機塩が挙げられ、これらのうち1種又は2種以上を混合して使用することができる。市場での入手の容易性から、ナトリウム、カリウム、トリエタノールアミン、アルギニンの塩が好ましい。
【0070】
これらの美白剤は、1種又は2種以上を組合わせて用いることができ、美白効果、乳化安定性及び使用感の点から、本発明の皮膚外用剤中に0.01〜30質量%含有させるのが好ましく、特に0.01〜10質量%、更に0.01〜5質量%含有させると、充分な美白効果が得られると共に、使用感及び安定性により優れ、好ましい。
【0071】
本発明で用いられる成分(C)のうち、一重項酸素消去剤又は抗酸化剤としては、例えばαカロチン、βカロチン、γカロチン、リコピン、クリプトキサンチン、ルテイン、ゼアキサンチン、イソゼアキサンチン、ロドキサンチン、カプサンチン、クロセチン等のカロチノイド;1,4−ジアザシクロオクタン、2,5−ジメチルフラン、2−メチルフラン、2,5−ジフェニルフラン、1,3−ジフェニルイソベンゾフラン、αトコフェロール、βトコフェロール、γトコフェロール、dトコフェロール、ヒスチジン、トリプトファン、メチオニン、アラニン又はそのアルキルエステル;ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、アスコルビン酸、タンニン酸、エピカテキン、エピカロカテキン、エピカテキンガレート、エピカロカテキンガレート等のタンニン類、ルチン等のフラボノイド等が挙げられる。これらのうち、カロチン、アスコルビン酸、タンニン酸、エピカテキンガレート、エピカロカテキンガレートが好ましい。
【0072】
これらの一重項酸素消去剤又は抗酸化剤は1種又は2種以上を組合わせて用いることができ、本発明の皮膚外用剤中に0.001〜5質量%含有させるのが好ましく、特に0.01〜2質量%、更に0.01〜1質量%含有させると、高いシワ形成予防・改善効果が得られ、また使用感及び安定性の点で好ましい。
【0073】
本発明で用いられる成分(C)皮膚活性成分のうち、血行促進剤としては、αトコフェロール、βトコフェロール、γトコフェロール、dトコフェロール、ニコチン酸アミド、ニコチン酸メチル等が挙げられる。これらのうち、特にニコチン酸アミド、ニコチン酸メチルが好ましい。
【0074】
これらの血行促進剤は、1種又は2種以上を組合わせて用いることができ、本発明の皮膚外用剤中に0.001〜10質量%含有させるのが好ましく、特に0.01〜5質量%、更に0.05〜3質量%含有させると、肌のはり、弾力の衰え、顔色のくすみ等の予防・改善効果、保湿効果、肌荒れの予防・改善効果、シワ形成の予防・改善効果、シミ・ソバカスの予防・改善効果が高まると共に、使用感及び安定性により優れ、好ましい。
【0075】
本発明で用いられる成分(C)皮膚活性成分のうち、皮脂分泌抑制剤としては、オキセンドロン、17−α−メチル−β−ノルテストステロン、クロマジノンアセテート、サイプロテロンアセテート、スピロノラクトン、ヒドロキシフルタミド、エストラジオール、エチニルエストラジオール、スルホ石炭酸亜鉛、酸化亜鉛、アルミニウムヒドロキシクロライド、アラントインジヒドロキシアルミニウム、ビタミンB6 、13−シス−レチノイン酸、ビタミンE、グリチルレチン酸、サリチル酸、ニコチン酸、パントテン酸カルシウム、アゼライン酸ジカリウム、10−ヒドロキシウンデカン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等が挙げられる。これらのうち、好ましくは、ビタミンB6 、グリチルレチン酸、サリチル酸、ニコチン酸、パントテン酸カルシウム、アゼライン酸ジカリウムであり、特にビタミンB6 、グリチルレチン酸、サリチル酸、ニコチン酸が好ましい。
【0076】
これらの皮脂分泌抑制剤は、1種又は2種以上を組合わせて用いることができ、本発明の皮膚外用剤中に0.01〜10質量%含有させるのが好ましく、特に0.1〜5質量%含有させると、ニキビ予防・改善効果、毛穴の目立ち抑制効果、美肌効果が高まると共に、使用感及び安定性により優れ、好ましい。
【0077】
本発明で用いられる(C)皮膚活性成分のうち、抗菌剤としては、例えばイオウ、トリクロサン、トリクロロカルバニリド、塩酸クロルヘキシン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム、アルキルリン酸ベンザルコニウム、イソプロピルメチルフェノール、安息香酸、感光素201号及びレゾルシンが挙げられる。これらのうち、特にイソプロピルメチルフェノールが好ましい。これらの抗菌剤を用いる場合には、本発明の皮膚外用剤中に0.0001〜5質量%、特に0.001〜2質量%、更に0.01〜1質量%含有させるのが好ましい。
【0078】
本発明で用いられる成分(C)皮膚活性成分のうち、角解剤としては、例えば、サリチル酸、N−アセチルシステイン、乳酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、アルキルアミンオキサイド及び過酸化ベンゾイルが挙げられる。これらのうち、特にサリチル酸、クエン酸が好ましい。これらの角解剤を用いる場合には、本発明の皮膚外用剤中に0.01〜10質量%、特に0.1〜1質量%含有させるのが好ましい。
【0079】
本発明の皮膚外用剤は、水分蒸散抑制効果及び良好な使用感を得る点から、水相が連続相である組成物、例えば水溶液組成物、連続相に水を含む水中油型乳化組成物、W/O/W型乳化組成物等が好ましい。
【0080】
本発明の皮膚外用剤中の水分量は、水溶液又は連続相が水相のO/W系やW/O/W系の乳化系を形成できる量であればよく、10質量%以上が好ましく、15質量%以上がより好ましく、20質量%以上が特に好ましい。
【0081】
本発明の皮膚外用剤には、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの水相への溶解性を高めるため、多価アルコールをさらに併用することが好ましい。好ましい多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール(平均分子量1000未満)、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール(平均分子量:1000未満)、イソプレングリコール、1,3−ブチレングリコール等のグリコール類;グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等を挙げることができる。
【0082】
本発明の皮膚外用剤には、前記の必須成分以外に、本発明の目的を損なわない範囲で、高級アルコール類、脂肪酸類、エステル類、ステロール類、ステロール脂肪酸エステル類、炭化水素類、油脂類、シリコーンオイル、酸化防止剤、防菌防腐剤、昆虫忌避剤、塩類、キレート剤、中和剤、pH調整剤、香料等を配合することができる。
【0083】
本発明の皮膚外用剤の剤形は、特に制限されず、液状、エマルション、ジェル状、スプレー状、ムース状等のものとして調製される。
【0084】
本発明の皮膚外用剤の用途としては、特に制限がなく、化粧料、医薬品、医薬部外品等に好適に用いることができる。具体的には、シャンプー、リンス、コンディショナーなどの毛髪化粧料、洗顔料、クレンジング化粧料、ローション、乳液、美容クリーム、下地化粧料、日焼け止め化粧料、パック、マッサージ化粧料などの皮膚化粧料、各種薬剤を含有する軟膏、クリーム等の外用医薬品として好適に利用できる。特に本発明の皮膚外用剤は、水分の閉塞効果が高いことから、洗い流さず、皮膚に保持するタイプの皮膚外用剤として用いることが好ましい。使用感の良い保湿コート用の化粧料としての利用に適している。
【実施例】
【0085】
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。尚、各成分の量%は、質量%である。
以下の実施例で用いた植物抽出物につき、説明する。
【0086】
火棘抽出物
バラ科ピラカンサ属に属する、火棘の果実の抽出物である。火棘抽出物の製造方法としては、火棘の乾燥果実5.00gを90℃の熱水50mLに浸漬し、3時間煮沸の後に濾過し、得られた抽出液をダイヤイオンHP−20(三菱化成工業(株)製)のカラム(φ3cm×11cm,Vt=80mL)に負荷後、800mLの10%エタノ−ル水溶液で洗浄した。ついで、400mLの40%エタノ−ル水溶液で溶出し、溶出液を減圧濃縮した後、凍結乾燥して固形物1.02gを得た。この固形物に対し、グリセリン17.34g、精製水2.04gを加え、固形分含量が5%の抽出液を得た。
【0087】
厚葉岩白菜抽出物
ユキノシタ科ヒマラヤユキノシタ属に属する、厚葉岩白菜の根茎の抽出物である。厚葉岩白菜の製造方法としては、厚葉岩白菜の根茎50gを水250mLに温度40〜50℃で温浸して濾別した後、再び残渣を同様に温浸することを数回繰り返し、抽出液1.5Lを得た。これを減圧濃縮した残留物に精製水を100mL加え、1週間熟成した後、不溶物を濾別した。この抽出液を再び減圧濃縮し、次いで1,3−ブチレングリコールを加えて調整し、固形分含量が1質量%の抽出溶液を得た。
【0088】
ホオノキ抽出物
モクレン科モクレン属に属する、ホオノキの樹皮(コウボク)の抽出物である。ホオノキ抽出物として、一丸ファルコス社製のホオノキリキッドK(固形分含量0.175%)を用いた。
【0089】
ダイダイ抽出物
ミカン科ミカン属に属する、ダイダイの果皮(トウヒ)の抽出物である。ダイダイ抽出物としては、一丸ファルコス社製のトウヒリキッドB(固形分含量2%)を用いた。
【0090】
ハトムギ抽出物
イネ科ジュズダマ属に属する、ハトムギの種皮をのぞいた種子(ヨクイニン)の抽出物である。ハトムギ抽出物としては、丸善製薬社製のヨクイニン抽出液BG−S(固形分含量0.3%)を用いた。
【0091】
小麦胚芽抽出物
イネ科コムギ属に属する、コムギの胚芽の抽出物である。コムギ胚芽抽出物としては、Silab社製のクラリスキン(固形分含量11.7%)を用いた。
【0092】
ダイズ抽出物
マメ科ダイズ属に属する、ダイズ(豆乳)の乳酸菌発酵物である。ダイズ抽出物としては、三省製薬社製の豆乳発酵液(固形分含量2%)を用いた。
【0093】
オトギリソウ抽出物
オトギリソウ科オトギリソウ属に属する、オトギリソウの抽出物である。オトギリソウ抽出物としては、一丸ファルコス社製のファルコレックス、オトギリソウB(固形分含量0.85%)を用いた。
【0094】
ジオウ抽出物
ゴマノハグサ科ジオウ属のアカヤジオウ及びカイケイジオウの根の抽出物である。ジオウ抽出物としては、ジオウ抽出液BG−J(固形分含量3%)を用いた。
【0095】
ゲットウ抽出物
ショウガ科ハナミョウガ属に属する、ゲットウの葉(月桃葉)の抽出物である。ゲットウ抽出物としては、丸善製薬社製の月桃葉抽出液BG(固形分含量3%)を用いた。
【0096】
海藻抽出物
ヒバマタ科ヒバマタ属、コンブ科コンブ属、スギノリ科ツノマタ属、スギノリ属に属する海藻の混合抽出物である。海藻抽出物としては、丸善製薬社製の海藻エキスM(固形分含量5.9%)を用いた。
【0097】
アンズ抽出物
バラ科サクラ属に属するアンズの種子(キョウニン)の抽出物である。アンズ抽出物としては、キョウニン抽出液LA(固形分含量1.7%)を用いた。
【0098】
スイカズラ抽出物
スイカズラ科スイカズラ属に属するスイカズラの花蕾の抽出物である。スイカズラ抽出物としては、丸善製薬社製のキンギンカ抽出液−J(固形分含量3.5%)を用いた。
【0099】
オランダカラシ抽出物
アブラナ科オランダガラシ属に属する、オランダカラシの抽出物である。オランダカラシ抽出物としては、Silab社製のWaterCress−KB(固形分換算3%)を用いた。
【0100】
〔試験1〕閉塞効果試験
表1、表2記載の参考例1〜7、参考比較例1〜4、実施例1、比較例1、2の製剤をそれぞれ100μlずつ、親水性メンブランフィルター(MF−ミリポア GSWP02500、日本ミリポア社製;孔径0.22μm、フィルター直径15mmにカットして利用)を添加し、37℃のホットプレート上で十分に乾燥させ、試料乾燥膜フィルターを作成した。セルに純水5gを入れ、前記試料乾燥膜フィルターにより蓋をし、湿度30%、温度30℃下での1、3、5、7、12、18、24時間経過後の試料の重量変化を測定した。その重量変化の傾きを最小二乗法により算出される(nX+m;Xは時間h)のnを水分蒸散速度(単位:mg/h)とし、絶対値としてプロットした。各試料計3回の平均値を求めた。尚、水分蒸散速度が小さいほど、蒸散を抑制したことになる。試験結果を表1、表2に合わせて示す。表1、表2より、アルキル基又はアルケニル基の炭素数が20〜24で、エチレンオキサイドの平均付加モル数が1.5〜4のポリオキシエチレンアルキル又はアルケニルエーテル、特にエチレンオキサイドの平均付加モル数が2のポリオキシエチレンベヘニルエーテルと水溶性高分子の併用により、優れた閉塞効果が得られることがわかる。
また、皮膚活性成分を併用した場合においても水分蒸散抑制効果が維持されていることがわかる。
【0101】
【表1】

【0102】
【表2】

【0103】
〔試験2〕POEアルキルエーテルと皮膚活性成分との併用試験
表3〜8記載の実施例2〜29、比較例3〜30の製剤を試験1と同様の条件で試料の重量変化を測定し、水分蒸散速度を求めた。また、専門パネラーを評価項目ごとに5名ずつ用意し、パネラーが製剤を実際に使用し、「塗布後の保湿感」、「翌朝のはり感」、「塗布時のべたつきのなさ」に関して、下記評価基準に従って評価を行い、平均点数を記載した。
また、実施例19〜29、比較例20〜30の製剤については、1日2回(朝・夜)、2月間の連用評価もあわせて行った。「肌荒れの予防・改善効果」、「毛穴の目立ちやにきび等の予防、改善効果」、「シミ、ソバカスの予防・改善効果」に関して、下記評価基準に従って評価を行い、平均点数を記載した。
その結果を合わせて、表3〜表8に記載する。表3〜表8より、成分(A)と成分(B)に加えて、皮膚活性成分を配合することにより、閉塞効果、保湿感、はり感、べたつきのなさ等が相乗的に向上することがわかる。
【0104】
〔パネラー評価基準〕
評価基準 点数
効果が高いように感じられる 5
効果が感じられる 4
効果がやや感じられる 3
効果がわずかしか感じられない 2
効果が感じられない 1
【0105】
【表3】

【0106】
【表4】

【0107】
【表5】

【0108】
【表6】

【0109】
【表7】

【0110】
【表8】

【0111】
〔試験3〕POEアルキルエーテルの閉塞効果の濃度依存性
表9記載の実施例30〜35、比較31〜34の製剤を試験1と同様の条件で試料の重量変化を測定し、水分蒸散速度を求めた。また、試験2と同様にして、「塗布後の保湿感」、「翌朝のはり感」、「塗布時のべたつきのなさ」に関する官能評価を行った。その結果を合わせて表9に示す。表9より、成分(A)と成分(B)に加えて、皮膚活性成分を配合することにより、閉塞効果、保湿感、はり感、べたつきのなさ等が相乗的に向上することがわかる。尚、比較例33、34においては、POEアルキルエーテルの析出が認められため、官能評価を行っていない。
【0112】
【表9】

【0113】
〔試験4〕重ね付けによる角層水分量、経皮水分蒸散量の変化
専門パネラー8名に対し、前腕内側部に2×4cmにマーキングを行い、事前に市販の同じ基礎化粧品3品(化粧水、乳液、クリーム)を塗布し、その後、ナイトパック化粧料(試験品、下記表10)を1.25μl/cm2塗布した。尚、無塗布、化粧品3品のみ塗布したものを比較として試験した。
これらの塗布前、塗布30分後、塗布3時間後、塗布7時間後における角層水分量を、Skicon-200EX(IBS社製)、経皮水分蒸散量をTewameter MPA580(Courage+Khazaka製 )にて測定を行った(測定条件:22±1℃、RH50%±5%)。
これらの結果をそれぞれ図1、図2に示す。尚、図1、2中の無塗布は、基礎化粧品、ナイトパック化粧料のいずれも塗布していないもの、3品は、基礎化粧品3品のみを塗布したもの、3品+ナイトパックは、基礎化粧品3品を塗布し、その後、ナイトパック化粧料を塗布したものを示す。
【0114】
〔表10〕
成分 質量%
ポリオキシエチレン(2)ベヘニルエーテル 1
グリセリン 10
ジプロピレングリコール 10
ポリエチレングリコール4000 5
スクワラン 7
1,3−ブチレングリコール 2
(カプリル/カプリン/ミリスチン/ステアリン酸)トリグリセリル 1
PEG−60水添ヒマシ油 1
カルボキシビニルポリマー ※1 0.4
キサンタンガム ※2 0.2
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
10%水酸化カリウム 2
ダイズ抽出物(三省製薬社製:豆乳発酵液) 0.1
スイカズラ抽出物(丸善製薬社製:キンギンカ抽出液−J) 0.1
オランダカラシ抽出物(Silab社製:WaterCress−KB) 0.1
ゲットウ抽出物(丸善製薬社製:月桃葉抽出液BG) 0.1
海藻抽出物(丸善製薬社製:海藻エキスM) 0.1
エデト酸塩 0.03
フェノキシエタノール 0.35
水 残 量
※1:シンタレンK(和光純薬工業社製)
※2:ケルトロール(ケルコ社製)
【0115】
通常の礎化粧品3品(化粧水、乳液、クリーム)による手入れの後、本発明の成分(A)、成分(B)及び成分(C)を配合するナイトパック化粧料を用いることで、塗布後7時間後も高い角層水分量が保持できることが分かった。
【0116】
〔試験5〕人工荒れ肌に対する角層水分量の変化
専門パネラー10名に対し、川島ら(日皮会誌、117(3)、275〜284頁、2007年)の方法に従い、人工荒れ肌を作成した(前腕屈側部にカップ(直径3.5cm)を装着し、アセトン:エーテル(含有質量比1:1)を6ml添加する。20分後溶媒を除き、揮発させる。その後、10mlの蒸留水を添加し、5分後に水を除く。翌日、同部位に同様の処置を行った。)。
人工荒れ肌部位にマーキングを行い、表11に記載のクリームを、1日2回(朝・夜)、適量を人工荒れ肌作成後、6日間塗布を行った。
これらの荒れ肌作成前・荒れ肌作成後(2日目)、クリーム使用3日目、クリーム使用6日目における角層水分量を、Skicon-200EX(IBS社製)にて測定を行った(測定条件:22±1℃、RH50%±5%)。荒れ肌作成後の角層水分量測定値を基準に、クリーム使用3、6日目のそれぞれの角層水分量との差分を角層水分量変化量(ΔμS)とする。これらの結果を表11に合わせて示す。角層水分量変化量(ΔμS)は、値が大きいほど、改善効果が高いことを示す。
【0117】
【表11】

【0118】
成分(A)と成分(B)に加えて、成分(C)であるγ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸を配合することにより、角層水分量が相乗的に向上することがわかる。特に、角層水分量については、成分(A)を用いることで、成分(C)を配合した製剤に比べて、有意な改善効果が見られた。これは、人工荒れ肌処置により表皮脂質及び水溶性成分が強制的に除去された状態において、成分(C)が肌内部で作用し、肌内部で作られた水分を、成分(A)が表皮表面を覆い蒸散を防ぐことにより、肌状態をより良い状態に導いていくことが考えられる。
【0119】
以下に本発明の皮膚外用剤の処方例を挙げる。いずれも優れた閉塞性、皮膚活性成分の相乗効果が期待される。
【0120】
処方例1(ローション)
成分 質量%
ポリオキシエチレン(2)ベヘニルエーテル 1
ジプロピレングリコール 10
PEG−60水添ヒマシ油 0.2
カルボキシビニルポリマー ※1 0.2
キサンタンガム ※2 0.2
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
10%水酸化カリウム 1
L−カルニチン(金剛化学社製) 0.5
ロドデンドロール(高砂香料工業社製) 2.0
イソプロピルメチルフェノール(大阪化成社製:ビオゾール) 0.1
火棘抽出物(サントリー社製:火棘) 0.1
スイカズラ抽出物(丸善製薬社製:キンギンカ抽出液−J) 0.1
オランダカラシ抽出物(Silab社製:WaterCress−KB) 0.1
ゲットウ抽出物(丸善製薬社製:月桃葉抽出液BG) 0.1
オウバクエキス(丸善製薬社製:オウバク抽出液J) 0.1
キョウニンエキス(丸善製薬社製:キョウニン抽出液LA)
エデト酸塩 0.03
フェノキシエタノール 0.35
水 残 量
【0121】
処方例2(美容液)
成分 質量%
ポリオキシエチレン(2)ベヘニルエーテル 1
1,3ブチレングリコール 10
PEG−60水添ヒマシ油 0.5
カルボキシビニルポリマー ※1 0.4
キサンタンガム ※2 0.2
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
10%水酸化カリウム 2
γ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸(科研製薬社製:バイサミン) 0.5
ロドデンドロール(高砂香料工業社製) 2.0
N−メチル−L−セリン(高砂香料工業社製) 0.5
ダイズ抽出物(三省製薬社製:豆乳発酵液) 0.1
スイカズラ抽出物(丸善製薬社製:キンギンカ抽出液−J) 0.1
オランダカラシ抽出物(Silab社製:WaterCress−KB) 0.1
ゲットウ抽出物(丸善製薬社製:月桃葉抽出液BG) 0.1
海藻抽出物(丸善製薬社製:海藻エキスM) 0.1
エデト酸塩 0.03
フェノキシエタノール 0.35
水 残 量
【0122】
処方例3(乳液)
成分 質量%
ポリオキシエチレン(2)ベヘニルエーテル 1
1,3ブチレングリコール 10
PEG−60水添ヒマシ油 1.0
スクワラン 5.0
ダイマージリノール酸(フィトステロール/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)(日本精化社製:Plandool−H) 2.0
マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステリル(日本精化社製:YOFCO MAS )
1.5
カルボキシビニルポリマー ※1 0.4
キサンタンガム ※2 0.2
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
10%水酸化カリウム 2
γ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸(科研製薬社製:バイサミン) 0.5
ロドデンドロール(高砂香料工業社製) 2.0
ナイアシンアミド(ロンザジャパン社製) 0.5
ダイズ抽出物(三省製薬社製:豆乳発酵液) 0.1
スイカズラ抽出物(丸善製薬社製:キンギンカ抽出液−J) 0.1
オランダカラシ抽出物(Silab社製:WaterCress−KB) 0.1
ゲットウ抽出物(丸善製薬社製:月桃葉抽出液BG) 0.1
海藻抽出物(丸善製薬社製:海藻エキスM) 0.1
酵母エキス(ペンタファーム社製:ディスムチンBTJ) 0.1
エデト酸塩 0.02
フェノキシエタノール 0.4
水 残 量

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)〜(C):
(A)アルキル基又はアルケニル基の炭素数が20〜24で、エチレンオキサイドの平均付加モル数が1.5〜4であるポリオキシエチレンアルキル又はアルケニルエーテル、
(B)水溶性高分子、及び
(C)皮膚活性成分
を含有する皮膚外用剤。
【請求項2】
成分(C)が、植物抽出物である請求項1に記載の皮膚外用剤。
【請求項3】
前記(C)植物抽出物が、アブラナ科、イネ科、オトギリソウ科、ゴマノハグザ科、ショウガ科、スイカズラ科、バラ科、マメ科、ミカン科、モクレン科、ユキノシタ科及び海藻に属する植物からの抽出物からなる群から選択される1種又は2種以上である請求項2に記載の皮膚外用剤。
【請求項4】
成分(C)が、抗炎症剤、保湿剤、アミノ酸類、美白剤、一重項酸素消去剤、抗酸化剤、血行促進剤、皮脂分泌抑制剤、抗菌剤及び角解剤から選択される1種又は2種以上である請求項1に記載の皮膚外用剤。
【請求項5】
成分(C)が、γ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸又はその塩、グリチルリチン酸又はその塩、γ−アミノ酪酸又はその塩、L−カルニチン又はその塩、ロドデンドロール、N−メチル−L−セリン、ナイアシンアミド、アスコルビン酸2グルコシド及びイソプロピルメチルフェノールからなる群から選択される皮膚活性成分の1種又は2種以上である請求項1に記載の皮膚外用剤。
【請求項6】
前記(A)ポリオキシエチレンアルキル又はアルケニルエーテルが、エチレンオキサイドの平均付加モル数が1.5〜3のポリオキシエチレンアルキル又はアルケニルエーテルである請求項1〜5のいずれか1項に記載の皮膚外用剤。
【請求項7】
前記(A)ポリオキシエチレンアルキル又はアルケニルエーテルを組成物全量に対して、0.5〜20質量%含有する請求項1〜6のいずれか1項に記載の皮膚外用剤。
【請求項8】
前記(B)水溶性高分子が、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、キサンタンガム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリアクリルアミド及び(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーからなる群から選択される1種又は2種以上である請求項1〜7のいずれか1項に記載の皮膚外用剤。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−1527(P2012−1527A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−254185(P2010−254185)
【出願日】平成22年11月12日(2010.11.12)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】