盗電防止機能付給電システム
【課題】 給電中に権原ある電力消費体に代えて無権原の電力消費体へのプラグ差し換えが試みられた場合、確実に給電用電路を遮断することができない不具合、あるいは、もともと盗電を十分には防止できないという不具合があった。
【解決手段】 給電用電路25の途中に設けられて給電用電路25を開閉する電磁継電器27、電磁継電器27を制御する電路開閉器制御手段29、電気車両EVから出力される信号を入力するマイクロコンピュータ35を備え、給電中に電気車両EVへの接続が中断され、連続して入力すべき信号がマイクロコンピュータ35に入力されない場合には、電路開閉器制御手段29が電磁継電器27を制御して給電用電路25を遮断することにより不正な給電を防止する。
【解決手段】 給電用電路25の途中に設けられて給電用電路25を開閉する電磁継電器27、電磁継電器27を制御する電路開閉器制御手段29、電気車両EVから出力される信号を入力するマイクロコンピュータ35を備え、給電中に電気車両EVへの接続が中断され、連続して入力すべき信号がマイクロコンピュータ35に入力されない場合には、電路開閉器制御手段29が電磁継電器27を制御して給電用電路25を遮断することにより不正な給電を防止する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、電気車両、電気車両用バッテリの蓄電装置、自動販売機のいずれか1つから出力される信号を用いて、不正なプラグ差し換えによる盗電を防止する盗電防止機能付給電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電気車両の普及に伴い、今後、家庭、ビル等に設置されたコンセントから盗電されたり、自動販売機などのプラグを差し替えられたりして盗電されることが予想される。また、ショッピングセンター、駐車場等において、充電スタンドの設置が始まっているが、盗電対策は十分とはいえず、盗電を防止する技術は、その社会的需要が増大すると考えられる。そこで、盗電を防止するコンセント、電気車両に充電する充電スタンド、充電装置などが開発されている。
【0003】
例えば、自宅のガレージで使用する場合において、充電時に抜け落ち防止用のロック機構を設け、充電中の抜け落ちによる充電コード等の破損を防止する充電装置が公開されている。上記充電装置は、電気車両の充電用コネクタと、充電装置との間が充電コードで接続される。(例えば、特許文献1)。
【0004】
しかしながら、この引例のロック機構は、そもそも、抜け落ち防止用のものであり、不正なプラグ差し換えによる盗電を防止することができないという不具合を有する。なお、この引例のロック機構を、盗電を防止可能なロック機構とした場合でも、電気車両側においてもロック機構に対応する構成を必要とするために、この構成を有さない電気車両には有効に機能せず、不正なプラグ差し換えによる盗電を防止することができないという不具合を有する。
【0005】
また、不正なプラグ差し換え防止に関する従来技術として、電源コンセント部のPLCブロックと、電源プラグ部のPLCブロックとの間で電力線搬送通信を行い、電力線搬送通信が確立されないか、電源プラグの挿入が検出されない場合には、通電を停止する電源供給装置が公開されている。(例えば、特許文献2)
【0006】
しかしながら、この引例は、コンセントと電気機器との間を1本の電源ケーブルで接続する形態では、給電中に、電源ケーブルの電気機器側で無権原な電気機器へのプラグ差し換えがあったとしても通電を停止することができず、不正なプラグ差し換えによる盗電を防止することができないという不具合を有する。
【0007】
また、不正なプラグ差し換え防止に関する従来技術として、電力供給後、電力消費量が予め記憶された電気使用量(時間当たりの電気使用量、最大値、時間や季節による変化のパターンなど)から大幅に逸脱した場合には、三つ又ソケット等を経由して盗電があったものと判断し、監視制御装置がスイッチを制御して電力を遮断することができる盗電防止システムが公開されている。(例えば、特許文献3)
【0008】
しかしながら、この引例は、もともと不正なプラグ差し換え防止するためのものではなく、更に上述のような電気使用量が大幅に逸脱したか否かで不正なプラグ差し換えの有無を検出する構成では、権原ある電気製品から無権原の電気製品等へ不正なプラグ差し換えにより不正な給電が行われる場合でも、一般的には電気使用量は記憶された電気使用量から大幅には逸脱せず、このために不正なプラグ差し換えを十分に検出することができないという不具合を有する。
【0009】
また、不正なプラグ差し換え防止に関する従来技術として、住宅内に設けられた認証管理機器と、充電先との間で認証を行い、認証が成立したことを条件に、蓄電池への充電を許可する充電システムが特許権利化されている。(例えば、特許文献4)
【0010】
しかしながら、この引例は、不正なプラグ差し換えを検出して給電側(コンセント側)で電力を遮断するものではなく、不正なプラグ差し換えによる盗電を防止することができないという不具合を有する。
【0011】
なお、特許文献1乃至特許文献4の従来技術は、電力消費体から出力される信号を用いて盗電防止をすること、あるいは電力消費体から出力される信号を用いて電力の供給、停止を自由に制御することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開平10−262303号公報
【特許文献2】特開2009−284749号公報
【特許文献3】特開2010−68601号公報
【特許文献4】特許2006−236912号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上述した従来技術では、給電中に権原ある電力消費体に代えて無権原の電力消費体へのプラグ差し換えが試みられた場合、確実に給電用電路を遮断することができない不具合、あるいは、もともと盗電を十分には防止できないという不具合があった。本願発明は、上記点に鑑み、プラグ差し換えによる不正な給電を十分に防止できる盗電防止機能付給電システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本願発明は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、権原ある電力消費体に代えて無権原の電力消費体へ不正な給電が行われることを防止する盗電防止機能付給電システムにおいて;
給電用電路の途中に設けられて給電用電路を開閉する電路開閉器と、
電路開閉器を制御する電路開閉器制御手段と、
給電用電路から供給される電力を権原ある電力消費体に送電する送電線、権原ある電力消費体から出力される連続信号を所定の信号入力部に送信する信号線の両線が設けられた配線器具と、
配線器具を経由して送信される連続信号を入力する所定の信号入力部と、
を備えており、
接続器具に設けられたプラグの接続が中断され、接続中に入力すべき連続信号が信号入力部に入力されない場合には、電路開閉器制御手段が電路開閉器を制御して給電用電路を遮断することによりプラグの差し換えによる不正な給電を防止するように構成されたことを特徴とする。
【0015】
これによれば、接続中、権原のない使用者が盗電を試みて、プラグの接続を中断すると、連続信号の送信が遮断される。そして、信号入力部に連続信号が入力されなくなると、電路開閉器制御手段が、電路開閉器を制御して給電用電路を遮断する。つまり、請求項1に記載の発明は、プラグの接続が中断された場合に、確実に給電を停止する構成であるために、従来技術の不具合、すなわち、給電中に権原ある電力消費体に代えて無権原の電力消費体へのプラグ差し換えが試みられた場合に確実に給電用電路を遮断することができない不具合、あるいは、もともと盗電を十分には防止できない不具合を解消することできる。
【0016】
その結果、プラグ差し換えによる不正な給電を十分に防止できる盗電防止機能付給電システムを提供することができる。
【0017】
なお、上記構成によれば、権原ある電力消費体から送信される連続信号に基づいて電路開閉器を制御する盗電防止機能付給電システムを提供することができる。
【0018】
請求項2に記載の発明では、請求項1において、権原ある電力消費体に接続されるプラグが、送電線により送電される電力を伝送する電源側コイルと、信号線に接続されて所定の光信号を受信する受信部とを有しており、
権原ある電力消費体が、電源側コイルと磁気的に接続される受電側コイルと、連続信号を所定の光信号に変換して送信する送信部とを有しており、
電源側コイルと受電側コイルとで非接触電力伝送を行うように構成され、さらに連続信号の送信が、送信部、受信部を一部信号送信経路とするように構成されていることを特徴とする。
【0019】
これによれば、給電を行うに際して、雨天時に配線器具の接続部が雨水に濡れて感電する危険性を回避することができる。また、光信号を用いているので、PLCを使用した際の不具合、すなわち、漏洩電波の影響が懸念される場合には、医療機器、無線通信機器の近くで使用できない不具合を解消することができる。
【0020】
請求項3に記載の発明では、請求項1において、送電が、権原ある電力消費体に接続されるプラグに設けられた電源側コイルと、権原ある電力消費体に設けられて電源側コイルと磁気的に接続される受電側コイルとで非接触電力伝送を行う非接触電力伝送手段により行われるように構成されており、
連続信号の送信が、非接触電力伝送手段を一部信号送信経路とする電力線通信により行われることを特徴とする。
【0021】
これによれば、給電を行うに際して、雨天時に配線器具の接続部が雨水に濡れて感電する危険性を回避することができる。また、電力線通信を用いているので、接続部分の構成が複雑化しない。
【0022】
請求項4に記載の発明では、請求項1乃至請求項3のいずれか1つにおいて、連続信号が、送電線が接続された状態で電路開閉器の遮断、接続を制御する給電用制御信号であり、
電路開閉器制御手段が給電用制御信号に基づいて電路開閉器の遮断、接続を制御することを特徴とする。
【0023】
これによれば、権原ある電力消費体側からの給電用制御信号に基づいて給電、給電停止をすることができる高機能な盗電防止機能付給電システムを提供することができる。
【0024】
請求項5に記載の発明のように、請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載の盗電防止機能付給電システムにおいて、連続信号に代えて、所定の間欠信号であってもよい。
【0025】
請求項6に記載の発明のように、請求項1乃至請求項5のいずれか1つにおいて、請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載の盗電防止機能付給電システムが、電気車両に給電して充電を行う充電スタンドおよび電気車両に給電する給電システムのいずれか1つであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】第1の実施形態による盗電防止機能付給電システムの正面図である。
【図2】第1の実施形態による盗電防止機能付給電システムの構成図である。
【図3】第1の実施形態による盗電防止機能付給電システムの制御フローチャートである。
【図4】第1の実施形態による盗電防止機能付給電システムの作動図である。
【図5】第2の実施形態による盗電防止機能付給電システムの構成図である。
【図6】第2の実施形態による盗電防止機能付給電システムの制御フローチャートである。
【図7】第3の実施形態による盗電防止機能付給電システムの構成図である。
【図8】第3の実施形態による盗電防止機能付給電システムの制御フローチャートである。
【図9】第4の実施形態による盗電防止機能付給電システムにおける充電用ECU、マイクロコンピュータ、電磁継電器の第1の作動図である。
【図10】第4の実施形態による盗電防止機能付給電システムにおける充電用ECU、マイクロコンピュータ、電磁継電器の第2の作動図である。
【図11】第5の実施形態による盗電防止機能付給電システムの構成図である。
【図12】第6の実施形態による盗電防止機能付給電システムの構成図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
最初に、本願発明に用いる用語について説明する。電力消費体には、電源ケーブルが一体に設けられたもの、電源ケーブルが着脱可能に設けられているものがある。電源ケーブルが一体に設けられたものは電源ケーブルを含めて電力消費体と称するものとする。電源ケーブルが着脱可能に設けられているものは、この電源ケーブルを除いて電力消費体と称するものとする。電力消費体とは、電気車両、電気車両用バッテリの蓄電装置、自動販売機のいずれか1つを言う。
【0028】
また、権原ある電力消費体とは、正当な使用者が使用する電力消費体であることが特定された電力消費体を言う。また、プラグとは、電源ケーブルの端部に形成される接続部を言い、後述する電源プラグ、コネクタを例示することができる。このプラグは、後述するように、非接触電力伝送を行うコイルを内蔵していてもよい。また、電力消費体へのプラグ差し換えとは、電力消費体との接続部のプラグを含む、電源ケーブルの各接続部におけるプラグ差し換えを含む概念である。なお、上述した権限ある電力消費体が、電気車両である場合、本願発明の盗電防止機能付給電システムは、電気車両に充電を行う充電システムとして機能する。
【0029】
(第1の実施形態)
盗電防止機能付給電システム11を、家庭、集合住宅等のコンセントに適用した実施形態である。図1に示すように、コンセント13、盗電防止部15、入力装置17を備え、電源ケーブル19を介して、電気車両EV側から出力される連続信号に基づいて盗電を防止する。
【0030】
コンセント13は、図2に示すように、端子台21を備えている。上記端子台21には、後述する電源プラグ53を接続、保持するプラグ受け23が設けられている。プラグ受け23には、電力を供給する給電用電路25が接続されている。
【0031】
盗電防止部15は、電磁継電器27、電路開閉器制御手段29、直流電源31、設定変更手段33を備えている。
【0032】
電磁継電器27は、給電のオン/オフを行うもので、給電用電路25の途中に配置されている。コイル27aに直流電源が給電され、コイル27aが励磁されると、機械接点27bが閉じ、継電を行う。電磁継電器27は、本願発明の電路開閉器の一例を構成する。電磁継電器27は、盗電防止部15の上流側に設けられてもよい。なお、本願発明の電路開閉器は、電磁継電器に限定されるものではない。例えば、SSR(ソリッドステートリレー)、スイッチであってもよい。
【0033】
電路開閉器制御手段29は、マイクロコンピュータ35、インターフェース37、ドライバ39、タイマ回路41を備えている。マイクロコンピュータ35内のメモリ43には、後述する電気車両EVの充電用ECU55から送信される連続信号の入力状況、充電用ECU55から送信される暗号鍵の照合結果などから電磁継電器27を制御する制御プログラム、暗号鍵が書き込まれている。この制御プログラムに従い、作動することにより、不正なプラグ差し換えによる盗電を防止する。なお、第1の実施形態では、マイクロコンピュータ35が本願発明の信号入力部を兼ねている。連続信号は、一旦、所定の入出力インターフェースで受けた後に、マイクロコンピュータ35に入力するようにしてもよい。
【0034】
インターフェース37は、電磁継電器27のコイル27aを作動させるための信号伝達回路である。ドライバ39は、インターフェース37の励磁信号に基づいて、電磁継電器27のコイル27aを励磁する。設定変更手段33は、後述するプラグセット許容時間T1、給電許容時間T2を変更する機能を有している。
【0035】
上述した盗電防止機能付給電システム11は、商用電源、太陽光発電などから、所定の電力が供給される。所定の電力は、電磁継電器27、端子台21を経由して、プラグ受け23に供給される。所定の電力は、電磁継電器27の上流において分岐され、直流電源31に供給される。
【0036】
また、入力装置17は、操作部45を備えている。操作部45は、スタートボタン、設定完了ボタン、停止ボタン、給電ランプ、給電停止ランプ、認証完了ランプを備えており、制御開始、設定、停止など、各種操作、表示を行うことができる。
【0037】
次に、プラグセット許容時間T1、給電許容時間T2について説明する。プラグセット許容時間T1とは、盗電防止制御を行うまでの許容時間である。給電許容時間T2とは、給電を行う許容時間である。なお、プラグセット許容時間T1は、電源プラグのセットを完了できる程度の短い時間に設定する。
【0038】
電源ケーブル19は、例えば、カーボン等の被覆材の中に電力線47、信号線49が収納された1本のケーブル部品であり、端部にコネクタ51、電源プラグ53が設けられている。信号線49は、ノイズ環境に対処するために、ツイストペア(撚対線)とし、さらに電磁シール機能を備えた被覆構造とすることで、所定のシールド効果を備えている。電源ケーブル19、電力線47、信号線49は、それぞれ本願発明の本願発明の配線器具の一例、送電線の一例、本願発明の信号線の一例を構成する。
【0039】
また、電気車両EVには、充電用コネクタEV1、充電用ECU(Electronic Contorol Unit)55、CAN(Controller Area Network)57が設けられている。充電用ECU55内のメモリ59には充電監視用の制御プログラムが書き込まれている。充電用ECU55は、この充電監視用の制御プログラムに従い作動することにより、バッテリ(図示せず)の充電監視状態(充電中か否か)や充電量監視(バッテリ残量確認)等の処理を行う。
【0040】
コネクタ51、電源プラグ53が、それぞれ、電気車両EVの充電用コネクタEV1、コンセント13に接続されると、所定の手順を経て、充電用ECU55の通信回路61から連続信号が出力される。出力された連続信号は、CAN57、信号線49、信号線63を経由し、マイクロコンピュータ35に入力される。マイクロコンピュータ35は、連続信号の入力があるか否かを判定する。マイクロコンピュータ35に連続信号が入力されると、マイクロコンピュータ35は、これを受けて、電磁継電器27のコイル27aを励磁状態にする指令信号を出力し、インターフェース37、ドライバ39を経由してコイル27aを励磁状態にする。その際、機械接点27bが閉じて、プラグ受け23への給電を開始する。プラグ受け23への給電が開始されると、電力が、電源ケーブル19の電力線47を経由して電気車両EVに送電され、電気車両EVの図示しない車載充電器またはバッテリに給電される。
【0041】
次に、第1の実施形態の制御手順について説明する。図3に、第1の実施形態における盗電防止機能付給電システム11の制御手順の一例を示す。
【0042】
ステップS10では、操作部45のスタートボタンを押す。スタートボタンを押すと、給電停止ランプが点灯する。
【0043】
ステップS20では、プラグセット許容時間T1、給電許容時間T2を初期化するとともに、電磁継電器27をオフに制御する。タイマ回路41が計時を開始する。
【0044】
ステップS30では、プラグセット許容時間T1が経過したか否かを判定する。プラグセット許容時間T1が経過した場合、ステップS40に進む。プラグセット許容時間T1が経過していない場合、待機する。権原ある利用者は、プラグセット許容時間T1内に、電源ケーブル19のコネクタ51、電源プラグ53を、それぞれ、電気車両EVの充電用コネクタEV1、コンセント13に接続する。
【0045】
ステップS40では、暗号鍵が一致するか否かを判定する。暗号鍵が、信号線49、信号線63を経由して送信され、電路開閉器制御手段29のマイクロコンピュータ35で照合される。照合の結果、暗号鍵が一致した場合にはステップS50に進む。暗号鍵が一致しない場合には、ステップS100に進む。
【0046】
ステップS50では、認証ランプが点灯する。制御後ステップS60に進む。
【0047】
ステップS60では、電磁継電器27をオンに制御する。マイクロコンピュータ35が、電磁継電器27のコイル27aを励磁状態にする指令信号を出力し、インターフェース37、ドライバ39を経由してコイル27aを励磁状態にする。その際、機械接点27bが閉じて、プラグ受け23への給電を開始する。処理後、ステップS70に進む。
【0048】
ステップS70では、給電停止ランプが消灯し、給電ランプが点灯する。処理後、ステップS80に進む。
【0049】
ステップS80では、給電許容時間T2が経過したか否かをする。給電許容時間T2が経過した場合には、ステップS100に進む。給電許容時間T2が経過していない場合には、ステップS90に進む。
【0050】
ステップS90では、マイクロコンピュータ35が連続信号を入力しているか否かを判定する。マイクロコンピュータ35が連続信号を入力している場合には、電源プラグ53とコンセント13との間が接続されているものとして、給電を維持する。マイクロコンピュータ35に連続信号が入力されない場合には、権原ある電気車両EVに代えて、電源プラグ53の差し換えによる無権原の電力消費体への不正な給電が試みられた可能性があると判断し、ステップS100に進む。
【0051】
ステップS100では、電磁継電器27をオフに制御する。マイクロコンピュータ35が、電磁継電器27のコイル27aを非励磁状態にする指令信号を出力し、インターフェース37、ドライバ39を経由してコイル27aを非励磁状態にする。その際、機械接点27bが開いて、プラグ受け23への給電を停止する。処理後、ステップS110に進む。
【0052】
ステップSS110では、制御を停止する。
【0053】
ここで、充電用ECU55、マイクロコンピュータ35、電磁継電器27の作動を、図4を用いて説明する。
【0054】
(1)A点において、連続信号が出力されると、電路開閉器制御手段29に連続信号が入力される。マイクロコンピュータ35は、これを受けて、電磁継電器27のコイル27aを励磁状態にする指令信号を出力し、インターフェース37、ドライバ39を経由してコイル27aを励磁状態にする。その際、機械接点27bが閉じて、プラグ受け23への給電を開始する。
(2)B点において、給電中に、コネクタ51、電源プラグ53の少なくとも1つが取外されると、電路開閉器制御手段29に連続信号が入力されなくなる。マイクロコンピュータ35は、これを受けて、電磁継電器27のコイル27aを非励磁状態にする指令信号を出力し、インターフェース37、ドライバ39を経由してコイル27aを非励磁状態にする。その際、機械接点27bが開いて、プラグ受け23への給電を停止する。これにより、不正なプラグ差し換えによる盗電を防止する。
【0055】
上記構成によれば、接続中、権原のない使用者が盗電を試みて、コネクタ51と充電用コネクタEV1、電源プラグ53とプラグ受け23との接続を中断すると、権原ある電気車両EVから出力される連続信号の送信が遮断される。そして、マイクロコンピュータ33に連続信号が入力されなくなると、電路開閉器制御手段29は、これを受けて、電磁継電器27を制御して給電用電路25を遮断することができる。つまり、プラグの接続が中断された場合に、確実に給電を停止する構成であるために、従来技術の不具合、すなわち、給電中に権原ある電気車両に代えて無権原の電力消費体へのプラグ差し換えが試みられた場合に確実に給電用電路を遮断することができない不具合、あるいは、もともと盗電を十分には防止できない不具合を解消することできる。
【0056】
その結果、本願発明は、上記点に鑑み、プラグ差し換えによる不正な給電を十分に防止できる盗電防止機能付給電システムを提供することができる。
【0057】
なお、第1の実施形態では、電源ケーブル19のコネクタ51、電源プラグ53を、それぞれ、電気車両EVの充電用コネクタEV1、コンセント13に接続した後、充電用ECU55と、マイクロコンピュータ35との間で自動認証を行うようにしているので、権原のない電力消費体を確実に排除できる。
【0058】
(第2の実施形態)
盗電防止機能付給電システム11を、充電スタンド(充電ステーション)に適用した実施形態である。第2の実施形態は、第1の実施形態に記載の電源ケーブル19の接続部分を変更し、さらに、自動認証から手動認証に変更した構成であり、同様の部分は、同一符号を付して、詳細な説明は省略する。
【0059】
図5に示すように、充電スタンドJSには、電源ケーブル19が一体に設けられており、この電源ケーブル19の一端にはコネクタ51が設けられている。充電スタンドJSには、給電用電路25を開閉する電磁継電器27、電磁継電器27を制御する電路開閉器制御手段29、直流電源31、設定変更手段33、RFID(Radio Frequency IDentification)リード/ライト装置65が設けられている。
【0060】
また、電路開閉器制御手段29のうち、マイクロコンピュータ35内のメモリ43には、RFIDリード/ライト装置65によって読み取られたRFIDタグ67の識別情報の照合結果、充電用ECU55から送信される連続信号の入力状況等によって電磁継電器27を制御する制御プログラムが書き込まれている。この制御プログラムに従い、作動することにより、盗電を防止する。
【0061】
RFIDタグ67は、電磁誘導方式により、RFIDリード/ライト装置65からの電波をエネルギー源として動作するパッシブタグである。RFIDタグ67は、例えば、携帯電話Tに配置される。なお、RFIDタグ67は、携帯電話Tの他に、自動車のキー、カード、携帯情報端末、時計、ぬいぐるみなど、移動自在な構造体に配置してもよい。RFIDリード/ライト装置65は、RFIDタグ67に対して、識別情報などの読み出し、データの書き込みなどを行うことができる。上述したRFIDタグ67は、アクティブタグ、セミアクティブタグであってもよい。識別情報の認証は、セキュリティの観点から相互認証としてもよい。
【0062】
コネクタ51が電気車両EVの充電用コネクタEV1に接続されると、所定の手順を経て、充電用ECU55の通信回路61から連続信号が送信される。送信された連続信号は、駆動モータを制御するモータ制御ECUの他に、CAN57、信号線49、信号線63を経由し、マイクロコンピュータ35に送信される。マイクロコンピュータ35は、連続信号の入力があるか否かを判定する。マイクロコンピュータ35に連続信号が入力されると、マイクロコンピュータ35は、これを受けて、電磁継電器27のコイル27aを励磁状態にする指令信号を出力し、インターフェース37、ドライバ39を経由してコイル27aを励磁状態にする。その際、機械接点27bが閉じて、プラグ受け23への給電を開始する。プラグ受け23への給電が開始されると、電力が、電源ケーブル19の電力線47を経由して電気車両EVに送電され、電気車両EVの図示しない車載充電器またはバッテリに給電される。
【0063】
給電中に、コネクタ51が取外されると、マイクロコンピュータ35に連続信号が入力されなくなる。そして、マイクロコンピュータ35に連続信号が入力されなくなると、権原ある電気車両EVに代えて、コネクタ51の差し換えによる無権原の電力消費体への不正な給電が試みられた可能性があると判断し、電路開閉器制御手段29が電磁継電器27を制御して、プラグ受け23への給電を停止する。これにより、不正なプラグ差し換えによる盗電を防止することができる。
【0064】
次に、第2の実施形態の制御手順について説明する。図6に、第2の実施形態における盗電防止機能付給電システム11の制御手順の一例を示す。
【0065】
ステップS10では、操作部45のスタートボタンを押す。スタートボタンを押すと、給電停止ランプが点灯する。制御後、ステップS20に進む。
【0066】
ステップS20では、識別情報入力許容時間T3、プラグセット許容時間T1、給電許容時間T2を初期化するとともに、電磁継電器27をオフに制御する。タイマ回路41が計時を開始する。制御後、ステップS30に進む。
【0067】
ステップS30では、識別情報入力許容時間T3が経過したか否かを判定する。権原ある使用者が、識別情報入力許容時間T3が終了する前に、RFIDタグ67が内蔵された携帯電話TをRFIDリード/ライト装置65に近づけ、認証動作を行う。識別情報入力許容時間T3が経過した場合には、ステップS110に進む。識別情報入力許容時間T3が経過していない場合には、ステップS40に進む。
【0068】
ステップS40では、識別情報を照合する。照合の結果、識別情報が認証された場合にはステップS50に進む。識別情報が認証されない場合には、ステップS110に進む。
【0069】
ステップS50では、認証完了ランプが点灯する。制御後ステップS60に進む。
【0070】
ステップS60では、プラグセット許容時間T1が経過したか否かを判定する。プラグセット許容時間T1内である場合、待機する。プラグセット許容時間T1が経過した場合には、ステップS70に進む。権原ある利用者は、プラグセット許容時間T1内に、コネクタ51電気車両EVの充電用コネクタEV1に差し込むようにする。なお、ステップS50終了後、プラグセット許容時間T1が経過していない場合でも、プラグセットが完了し、操作部45の設定完了ボタンを押した場合には、即座に割り込み処理を行い、ステップ70に進む。
【0071】
ステップS70では、給電停止ランプが消灯し、給電ランプが点灯する。処理後、ステップS80に進む。
【0072】
ステップS80では、給電許容時間T2が経過したか否かを判定する。給電許容時間T2が経過した場合には、ステップS110に進む。給電許容時間T2が経過していない場合には、ステップS90に進む。
【0073】
ステップS90では、コネクタ51と充電用コネクタEV1との間が接続されているか否かを判定する。マイクロコンピュータ35に連続信号が入力されている場合には、コネクタ51と充電用コネクタEV1との間が接続されているものと判定して、ステップS100に進む。マイクロコンピュータ35が連続信号を検出できない場合には、権原ある電気車両EVに代えて、コネクタ51の差し換えによる無権原の電力消費体への不正な給電が試みらた可能性があると判断し、ステップS110に進む。
【0074】
ステップS100では、電磁継電器27をオンに制御する。マイクロコンピュータ35が、電磁継電器27のコイル27aを励磁状態にする指令信号を出力し、インターフェース37、ドライバ39を経由してコイル27aを励磁状態にする。その際、機械接点27bが閉じて、プラグ受け23に給電する。処理後、ステップS80に進む。
【0075】
ステップS110では、電磁継電器27をオフに制御する。マイクロコンピュータ35が、電磁継電器27のコイル27aを非励磁状態にする指令信号を出力し、インターフェース37、ドライバ39を経由してコイル27aを非励磁状態にする。その際、機械接点27bが開いて、プラグ受け23への給電を停止する。処理後、ステップS120に進む。
【0076】
ステップS120では、制御を停止する。
【0077】
上記構成によれば、電気車両用の充電スタンドにおいて、プラグ差し換えによる不正な給電を十分に防止できる盗電防止機能付給電システムを提供することができる。
【0078】
なお、RFIDタグを用いた手動認証とすることで、電気車両ごとに自動認証手段を設けずともよい利点がある。
【0079】
(第3の実施形態)
電力消費体が自動販売機である場合の実施形態である。第3の実施形態では、第1の実施形態と同様に、自動認証するようにした。第1の実施形態と同様の部分は、同一符号を付して、詳細な説明は省略する。
【0080】
図7に示すように、自動販売機VMには、電源ケーブル19が一体に設けられている。電源ケーブル19には、電力線47、信号線49が設けられており、端部に電源プラグ53が配置されている。また、自動販売機VMには、直流電源69、制御装置71が設けられており、制御装置71には、メモリ73、通信回路75が設けられている。
【0081】
電源ケーブル19がコンセント13に接続されると、自動販売機VMの直流電源69に給電され、制御装置71を駆動することができる。メモリ73には、自動販売機VMの各種動作を制御する制御プログラムおよび暗号鍵が書き込まれている。
【0082】
一方、コンセント13には、電源プラグ53をコンセント13に差し込んだ際に、電源プラグ53の栓刃を検出する刃検出センサ77が設けられている。電源プラグ53をコンセント13に差し込むと、刃検出センサ77が電源プラグ53の栓刃を検出する。
【0083】
次に、第3の実施形態の制御手順について説明する。図8に、第3の実施形態における盗電防止機能付給電システム11の制御手順の一例を示す。
【0084】
ステップS10では、操作部45のスタートボタンを押す。スタートボタンを押すと、給電ランプが点灯する。
【0085】
ステップS20では、プラグセット許容時間T1、給電許容時間T2、識別情報入力許容時間T3を初期化するとともに、電磁継電器27をオフに制御する。タイマ回路41が計時を開始する。
【0086】
ステップS30では、プラグセット許容時間T1が経過したか否かを判定する。プラグセット許容時間T1が経過した場合、ステップS40に進む。プラグセット許容時間T1が経過していない場合、待機する。権原ある利用者は、プラグセット許容時間T1内に、電源ケーブル19のコネクタ51、電源プラグ53を、それぞれ、自動販売機VMのコネクタVM1、コンセント13に接続する。
【0087】
ステップS40では、電源プラグ53の栓刃がプラグ受け23に差し込まれたか否かを判定する。刃検出センサ77が電源プラグ53の栓刃を検出した場合には、ステップS50に進む。刃検出センサ77が電源プラグ53の栓刃を検出できない場合には、ステップS100に進む。
【0088】
ステップS50では、給電を開始する。マイクロコンピュータ35が、電磁継電器27のコイル27aを励磁状態にする指令信号を出力し、インターフェース37、ドライバ39を経由してコイル27aを励磁状態にする。その際、機械接点27bが閉じて、プラグ受け23への給電を開始する。処理後、ステップS60に進む。
【0089】
ステップS60では、給電停止ランプが消灯し、給電ランプが点灯する。処理後、ステップS70に進む。
【0090】
ステップS70では、識別情報が一致するか否かを判定する。自動販売機VMに電力が供給されると、制御装置71に電力が供給される。この際、メモリ73から識別情報が読み出され、通信回路75から識別情報が送信される。識別情報は、信号線49、信号線63を経由して送信され、電路開閉器制御手段29のマイクロコンピュータ33で照合される。照合の結果、識別情報が一致した場合にはステップS80に進む。識別情報が一致しない場合には、ステップS100に進む。
【0091】
ステップS80では、認証完了ランプが点灯する。制御後ステップS90に進む。
【0092】
ステップS90では、マイクロコンピュータ35が連続信号を入力しているか否かを判定する。マイクロコンピュータ35が連続信号を入力している場合には、電源プラグ53とコンセント13との間が接続されているものとして、給電を維持する。マイクロコンピュータ35に連続信号が入力されない場合には、権原ある自動販売機VMに代えて、電源プラグ53の差し換えによる無権原の電力消費体への不正な給電が試みられた可能性があると判断し、ステップS100に進む。
【0093】
ステップS100では、電磁継電器27をオフに制御する。マイクロコンピュータ35が、電磁継電器27のコイル27aを非励磁状態にする指令信号を出力し、インターフェース37、ドライバ39を経由してコイル27aを非励磁状態にする。その際、機械接点27bが開いて、プラグ受け23への給電を停止する。処理後、ステップS110に進む。
【0094】
ステップSS110では、制御を停止する。
【0095】
(第4の実施形態)
上述した第1の実施形態では、連続信号を接続検出手段として用いたが、送電線が接続された状態で給電および給電停止を制御する給電用制御信号として用いてもよい。第4の実施形態における装置構成は、第1の実施形態で説明した図2と同様であるものとして、充電用ECU55、マイクロコンピュータ35、電磁継電器27の作動を、図9を用いて説明する。
【0096】
(1)電源プラグ19が接続された状態において、A点にて連続信号(給電用制御信号)が出力されると、マイクロコンピュータ35に連続信号(給電用制御信号)が入力される。マイクロコンピュータ35は、これを受けて、電磁継電器27のコイル27aを励磁状態にする指令信号を出力し、インターフェース37、ドライバ39を経由してコイル27aを励磁状態にする。その際、機械接点27bが閉じて、プラグ受け23への給電を開始する。
(2)B点にて連続信号(給電用制御信号)の出力が停止されると、マイクロコンピュータ35に連続信号(給電用制御信号)が入力されなくなる。マイクロコンピュータ35は、これを受けて、電磁継電器27のコイル27aを非励磁状態にする指令信号を出力し、インターフェース37、ドライバ39を経由してコイル27aを非励磁状態にする。その際、機械接点27bが開いて、プラグ受け23への給電を停止する。
(3)C点にて連続信号(給電用制御信号)が出力されると、マイクロコンピュータ35は、これを受けて、上述した(1)項と同様の手順により、給電を再開する。
(4)給電中、コネクタ51が電気車両EVの充電用コネクタEV1から外された場合、または電源プラグ53がコンセント13から外された場合には、マイクロコンピュータ35に連続信号(給電用制御信号)が入力されなくなる。マイクロコンピュータ35は、これを受けて、上述した(2)項と同様の手順により、給電を停止する。これにより、不正なプラグ差し換えによる盗電を防止することができる。
【0097】
上記構成によれば、権原ある電気車両EV側から給電を制御することができる高機能な盗電防止機能付給電システムを提供することができる。また、電源プラグ19が接続された状態で、権原ある電気車両EVから電磁継電器27の遮断、接続を自在に制御することができるので、漏電などの不具合があった場合に即座に連続信号(給電用制御信号)を遮断して、感電の防止すること、権原ある電気車両EVへの損傷を最小限に押さえることも可能である。
【0098】
なお、連続信号は、複数の連続信号(給電用制御信号)を用いてもよい。例えば、給電中に出力される給電中信号、給電を停止する停止中信号(いずれも連続信号であるものとする)のいずれかが出力される構成とし、これら信号のいずれかが出力されているにも関わらず、マイクロコンピュータ35が入力を確認できない場合、給電を停止するようにしてもよい。図10に、充電用ECU55、マイクロコンピュータ35、電磁継電器27の作動を示す。
【0099】
(第5の実施形態)
第1の実施形態乃至第4の実施形態では、連続信号を有線により送信するようにしたが、電気車両EVと電源ケーブルとの接続部において、連続信号を光信号に変換して送信するようにしてもよい。
【0100】
図11に示すように、電気車両EVの充電用コネクタEV1に連続信号を光信号に変換して送信する送信部79を設け、コネクタ51に光信号を受信する受信部81を設けた。送信部79には、連続信号を光信号に変調する変調部、光信号を送信する赤外線LEDが設けられており、受信部81には、赤外線LEDから送信された光信号を受光する受光部、受光した光信号を復調する復調部が設けられている。充電用ECU55から出力された連続信号は送信部79の変調部で変調され、赤外線LEDから赤外線として受信部81に送信される。赤外線LEDから送信された赤外線は、受光部で受光され、復調部で電気信号に復調されて、信号線49を介してマイクロコンピュータ35に送信される。
【0101】
なお、光信号の光源は赤外線に限らず、いわゆる光無線送信に使用される領域の電磁波を用いてもよく、具体的には、レーザー、可視光線であってもよい。また、電気車両EVの充電用コネクタEV1に投光部を設け、コネクタに受光センサを設けて連続信号を送受してもよい。
【0102】
(第6の実施形態)
上述した第5の実施形態では、送電は有線で行われたが、非接触電力伝送により行ってもよい。図12に示すように、コネクタ51に電源側コイル(1次コイル)83を設け、電気車両EVに、受電側コイル(2次コイル)85を設け、両者の間で磁気的に接続する非接触電力伝送により行ってもよい。
【0103】
上記構成によれば、コネクタ51の着脱が容易となり、有線接続のような接続作業の煩わしさ、接続部の摩耗などを回避することができ、給電を行うに際して、雨天時に給電部が雨水に濡れて感電する危険性も回避することができる。
【0104】
(第7の実施形態)
第6の実施形態では、権原ある電力消費体とプラグとの間で連続信号を光信号に変換して送受するようにしたが、連続信号の送信を、光信号を用いずに、電源側コイル(1次コイル)83と、受電側コイル(2次コイル)85とを信号送信経路とする電力線通信により行われるようにしてもよい。充電用ECU55から出力される連続信号を重畳して、受電側コイル(2次コイル)85から電源側コイル(1次コイル)83に送信した後、連続信号を取り出すように構成する。
【0105】
なお、第5の実施形態では、光信号を用い、第7の実施形態では、電力線通信により、無線で連続信号を送信するようにしたが、これに限らず、権原ある電力消費体とプラグとの間で連続信号を無線にて送信するようにしてもよい。
【0106】
(第8の実施形態)
第1の実施形態乃至第7の実施形態では、権原ある電力消費体から出力される信号は、連続信号であったが、これに限定されるものではない。例えば、権原ある電力消費体から電路開閉器をオンするパルス信号あるいはオフするパルス信号(間欠信号)を出力する構成とし、給電中に入力すべきパルス信号が信号入力部に入力されない場合には、電路開閉器制御手段が電路開閉器を制御して給電用電路を遮断するようにしてもよい。上述したパルス信号は、必ずしも、一定間隔でなくともよい。パルス信号の出力間隔は、無権限の者がプラグ差し換えを行うプラグ差し換え時間TSより短い時間に設定される。
【0107】
なお、パルス信号の出力間隔が、プラグ差し換え時間TSより長い時間である可能性がある場合には、給電中に電源プラグ、コネクタなど接続部分が取り外されたことをセンサ等により検出して、給電用電路を遮断する機能を付加すると、確実に盗電を防止することができる。
【0108】
(その他の実施形態)
上述した実施形態では、電気車両、自動販売機を例示して説明したが、電気車両用バッテリの蓄電装置であってもよい。また、第2の実施形態で説明した充電スタンドは、いわゆる急速充電に対応するタイプの充電スタンドであってもよい。
【0109】
また、上述した実施形態では、認証する方法として、RFIDタグ、RFIDリード/ライト装置を用いたが、暗証番号をキー入力するようにしてもよい。また、所定の信号(所定の暗号、暗号鍵、盗電防止制御を開始する制御信号など)を、赤外線および電波のいずれかによって送信するようにしてもよい。また、指紋を読み取るようにしてもよい。また、磁気カードおよび磁気カードの磁気情報を読み取るようにしてもよい。
【0110】
また、盗電防止機能付給電システムを複数設け、上位コンピュータで、盗電防止状況を把握できるようにしてもよい。
【0111】
また、コンセントの形状は、抜止形、引掛形、露出形、埋込形であってもよく、電源プラグ差込口に遮蔽扉を備えたものであってもよい。
【0112】
また、上述したコンセントに、防雨、防滴、感電防止などを目的としたカバーを設けてもよい。
【0113】
なお、本明細書において説明した各実施形態は本願発明の一実施形態であり、特許請求の範囲を満足する限りにおいて、これに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0114】
11・・・ 盗電防止機能付給電システム
13・・・コンセント
15・・・盗電防止装置
17・・・入力装置
19・・・電源ケーブル
23・・・プラグ受け
25・・・給電用電路
27・・・電磁継電器(電路開閉器)
27a・・・コイル
27b・・・機械接点
29・・・電路開閉器制御手段
31・・・直流電源
35・・・マイクロコンピュータ
43・・・メモリ
47・・・電力線(電力搬送手段)
49・・・信号線(制御信号線)
51・・・コネクタ
53・・・電源プラグ
55・・・充電用ECU
59・・・メモリ
61・・・通信回路
EV・・・電気車両
EV1・・・充電用コネクタ
【技術分野】
【0001】
本願発明は、電気車両、電気車両用バッテリの蓄電装置、自動販売機のいずれか1つから出力される信号を用いて、不正なプラグ差し換えによる盗電を防止する盗電防止機能付給電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電気車両の普及に伴い、今後、家庭、ビル等に設置されたコンセントから盗電されたり、自動販売機などのプラグを差し替えられたりして盗電されることが予想される。また、ショッピングセンター、駐車場等において、充電スタンドの設置が始まっているが、盗電対策は十分とはいえず、盗電を防止する技術は、その社会的需要が増大すると考えられる。そこで、盗電を防止するコンセント、電気車両に充電する充電スタンド、充電装置などが開発されている。
【0003】
例えば、自宅のガレージで使用する場合において、充電時に抜け落ち防止用のロック機構を設け、充電中の抜け落ちによる充電コード等の破損を防止する充電装置が公開されている。上記充電装置は、電気車両の充電用コネクタと、充電装置との間が充電コードで接続される。(例えば、特許文献1)。
【0004】
しかしながら、この引例のロック機構は、そもそも、抜け落ち防止用のものであり、不正なプラグ差し換えによる盗電を防止することができないという不具合を有する。なお、この引例のロック機構を、盗電を防止可能なロック機構とした場合でも、電気車両側においてもロック機構に対応する構成を必要とするために、この構成を有さない電気車両には有効に機能せず、不正なプラグ差し換えによる盗電を防止することができないという不具合を有する。
【0005】
また、不正なプラグ差し換え防止に関する従来技術として、電源コンセント部のPLCブロックと、電源プラグ部のPLCブロックとの間で電力線搬送通信を行い、電力線搬送通信が確立されないか、電源プラグの挿入が検出されない場合には、通電を停止する電源供給装置が公開されている。(例えば、特許文献2)
【0006】
しかしながら、この引例は、コンセントと電気機器との間を1本の電源ケーブルで接続する形態では、給電中に、電源ケーブルの電気機器側で無権原な電気機器へのプラグ差し換えがあったとしても通電を停止することができず、不正なプラグ差し換えによる盗電を防止することができないという不具合を有する。
【0007】
また、不正なプラグ差し換え防止に関する従来技術として、電力供給後、電力消費量が予め記憶された電気使用量(時間当たりの電気使用量、最大値、時間や季節による変化のパターンなど)から大幅に逸脱した場合には、三つ又ソケット等を経由して盗電があったものと判断し、監視制御装置がスイッチを制御して電力を遮断することができる盗電防止システムが公開されている。(例えば、特許文献3)
【0008】
しかしながら、この引例は、もともと不正なプラグ差し換え防止するためのものではなく、更に上述のような電気使用量が大幅に逸脱したか否かで不正なプラグ差し換えの有無を検出する構成では、権原ある電気製品から無権原の電気製品等へ不正なプラグ差し換えにより不正な給電が行われる場合でも、一般的には電気使用量は記憶された電気使用量から大幅には逸脱せず、このために不正なプラグ差し換えを十分に検出することができないという不具合を有する。
【0009】
また、不正なプラグ差し換え防止に関する従来技術として、住宅内に設けられた認証管理機器と、充電先との間で認証を行い、認証が成立したことを条件に、蓄電池への充電を許可する充電システムが特許権利化されている。(例えば、特許文献4)
【0010】
しかしながら、この引例は、不正なプラグ差し換えを検出して給電側(コンセント側)で電力を遮断するものではなく、不正なプラグ差し換えによる盗電を防止することができないという不具合を有する。
【0011】
なお、特許文献1乃至特許文献4の従来技術は、電力消費体から出力される信号を用いて盗電防止をすること、あるいは電力消費体から出力される信号を用いて電力の供給、停止を自由に制御することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開平10−262303号公報
【特許文献2】特開2009−284749号公報
【特許文献3】特開2010−68601号公報
【特許文献4】特許2006−236912号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上述した従来技術では、給電中に権原ある電力消費体に代えて無権原の電力消費体へのプラグ差し換えが試みられた場合、確実に給電用電路を遮断することができない不具合、あるいは、もともと盗電を十分には防止できないという不具合があった。本願発明は、上記点に鑑み、プラグ差し換えによる不正な給電を十分に防止できる盗電防止機能付給電システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本願発明は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、権原ある電力消費体に代えて無権原の電力消費体へ不正な給電が行われることを防止する盗電防止機能付給電システムにおいて;
給電用電路の途中に設けられて給電用電路を開閉する電路開閉器と、
電路開閉器を制御する電路開閉器制御手段と、
給電用電路から供給される電力を権原ある電力消費体に送電する送電線、権原ある電力消費体から出力される連続信号を所定の信号入力部に送信する信号線の両線が設けられた配線器具と、
配線器具を経由して送信される連続信号を入力する所定の信号入力部と、
を備えており、
接続器具に設けられたプラグの接続が中断され、接続中に入力すべき連続信号が信号入力部に入力されない場合には、電路開閉器制御手段が電路開閉器を制御して給電用電路を遮断することによりプラグの差し換えによる不正な給電を防止するように構成されたことを特徴とする。
【0015】
これによれば、接続中、権原のない使用者が盗電を試みて、プラグの接続を中断すると、連続信号の送信が遮断される。そして、信号入力部に連続信号が入力されなくなると、電路開閉器制御手段が、電路開閉器を制御して給電用電路を遮断する。つまり、請求項1に記載の発明は、プラグの接続が中断された場合に、確実に給電を停止する構成であるために、従来技術の不具合、すなわち、給電中に権原ある電力消費体に代えて無権原の電力消費体へのプラグ差し換えが試みられた場合に確実に給電用電路を遮断することができない不具合、あるいは、もともと盗電を十分には防止できない不具合を解消することできる。
【0016】
その結果、プラグ差し換えによる不正な給電を十分に防止できる盗電防止機能付給電システムを提供することができる。
【0017】
なお、上記構成によれば、権原ある電力消費体から送信される連続信号に基づいて電路開閉器を制御する盗電防止機能付給電システムを提供することができる。
【0018】
請求項2に記載の発明では、請求項1において、権原ある電力消費体に接続されるプラグが、送電線により送電される電力を伝送する電源側コイルと、信号線に接続されて所定の光信号を受信する受信部とを有しており、
権原ある電力消費体が、電源側コイルと磁気的に接続される受電側コイルと、連続信号を所定の光信号に変換して送信する送信部とを有しており、
電源側コイルと受電側コイルとで非接触電力伝送を行うように構成され、さらに連続信号の送信が、送信部、受信部を一部信号送信経路とするように構成されていることを特徴とする。
【0019】
これによれば、給電を行うに際して、雨天時に配線器具の接続部が雨水に濡れて感電する危険性を回避することができる。また、光信号を用いているので、PLCを使用した際の不具合、すなわち、漏洩電波の影響が懸念される場合には、医療機器、無線通信機器の近くで使用できない不具合を解消することができる。
【0020】
請求項3に記載の発明では、請求項1において、送電が、権原ある電力消費体に接続されるプラグに設けられた電源側コイルと、権原ある電力消費体に設けられて電源側コイルと磁気的に接続される受電側コイルとで非接触電力伝送を行う非接触電力伝送手段により行われるように構成されており、
連続信号の送信が、非接触電力伝送手段を一部信号送信経路とする電力線通信により行われることを特徴とする。
【0021】
これによれば、給電を行うに際して、雨天時に配線器具の接続部が雨水に濡れて感電する危険性を回避することができる。また、電力線通信を用いているので、接続部分の構成が複雑化しない。
【0022】
請求項4に記載の発明では、請求項1乃至請求項3のいずれか1つにおいて、連続信号が、送電線が接続された状態で電路開閉器の遮断、接続を制御する給電用制御信号であり、
電路開閉器制御手段が給電用制御信号に基づいて電路開閉器の遮断、接続を制御することを特徴とする。
【0023】
これによれば、権原ある電力消費体側からの給電用制御信号に基づいて給電、給電停止をすることができる高機能な盗電防止機能付給電システムを提供することができる。
【0024】
請求項5に記載の発明のように、請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載の盗電防止機能付給電システムにおいて、連続信号に代えて、所定の間欠信号であってもよい。
【0025】
請求項6に記載の発明のように、請求項1乃至請求項5のいずれか1つにおいて、請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載の盗電防止機能付給電システムが、電気車両に給電して充電を行う充電スタンドおよび電気車両に給電する給電システムのいずれか1つであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】第1の実施形態による盗電防止機能付給電システムの正面図である。
【図2】第1の実施形態による盗電防止機能付給電システムの構成図である。
【図3】第1の実施形態による盗電防止機能付給電システムの制御フローチャートである。
【図4】第1の実施形態による盗電防止機能付給電システムの作動図である。
【図5】第2の実施形態による盗電防止機能付給電システムの構成図である。
【図6】第2の実施形態による盗電防止機能付給電システムの制御フローチャートである。
【図7】第3の実施形態による盗電防止機能付給電システムの構成図である。
【図8】第3の実施形態による盗電防止機能付給電システムの制御フローチャートである。
【図9】第4の実施形態による盗電防止機能付給電システムにおける充電用ECU、マイクロコンピュータ、電磁継電器の第1の作動図である。
【図10】第4の実施形態による盗電防止機能付給電システムにおける充電用ECU、マイクロコンピュータ、電磁継電器の第2の作動図である。
【図11】第5の実施形態による盗電防止機能付給電システムの構成図である。
【図12】第6の実施形態による盗電防止機能付給電システムの構成図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
最初に、本願発明に用いる用語について説明する。電力消費体には、電源ケーブルが一体に設けられたもの、電源ケーブルが着脱可能に設けられているものがある。電源ケーブルが一体に設けられたものは電源ケーブルを含めて電力消費体と称するものとする。電源ケーブルが着脱可能に設けられているものは、この電源ケーブルを除いて電力消費体と称するものとする。電力消費体とは、電気車両、電気車両用バッテリの蓄電装置、自動販売機のいずれか1つを言う。
【0028】
また、権原ある電力消費体とは、正当な使用者が使用する電力消費体であることが特定された電力消費体を言う。また、プラグとは、電源ケーブルの端部に形成される接続部を言い、後述する電源プラグ、コネクタを例示することができる。このプラグは、後述するように、非接触電力伝送を行うコイルを内蔵していてもよい。また、電力消費体へのプラグ差し換えとは、電力消費体との接続部のプラグを含む、電源ケーブルの各接続部におけるプラグ差し換えを含む概念である。なお、上述した権限ある電力消費体が、電気車両である場合、本願発明の盗電防止機能付給電システムは、電気車両に充電を行う充電システムとして機能する。
【0029】
(第1の実施形態)
盗電防止機能付給電システム11を、家庭、集合住宅等のコンセントに適用した実施形態である。図1に示すように、コンセント13、盗電防止部15、入力装置17を備え、電源ケーブル19を介して、電気車両EV側から出力される連続信号に基づいて盗電を防止する。
【0030】
コンセント13は、図2に示すように、端子台21を備えている。上記端子台21には、後述する電源プラグ53を接続、保持するプラグ受け23が設けられている。プラグ受け23には、電力を供給する給電用電路25が接続されている。
【0031】
盗電防止部15は、電磁継電器27、電路開閉器制御手段29、直流電源31、設定変更手段33を備えている。
【0032】
電磁継電器27は、給電のオン/オフを行うもので、給電用電路25の途中に配置されている。コイル27aに直流電源が給電され、コイル27aが励磁されると、機械接点27bが閉じ、継電を行う。電磁継電器27は、本願発明の電路開閉器の一例を構成する。電磁継電器27は、盗電防止部15の上流側に設けられてもよい。なお、本願発明の電路開閉器は、電磁継電器に限定されるものではない。例えば、SSR(ソリッドステートリレー)、スイッチであってもよい。
【0033】
電路開閉器制御手段29は、マイクロコンピュータ35、インターフェース37、ドライバ39、タイマ回路41を備えている。マイクロコンピュータ35内のメモリ43には、後述する電気車両EVの充電用ECU55から送信される連続信号の入力状況、充電用ECU55から送信される暗号鍵の照合結果などから電磁継電器27を制御する制御プログラム、暗号鍵が書き込まれている。この制御プログラムに従い、作動することにより、不正なプラグ差し換えによる盗電を防止する。なお、第1の実施形態では、マイクロコンピュータ35が本願発明の信号入力部を兼ねている。連続信号は、一旦、所定の入出力インターフェースで受けた後に、マイクロコンピュータ35に入力するようにしてもよい。
【0034】
インターフェース37は、電磁継電器27のコイル27aを作動させるための信号伝達回路である。ドライバ39は、インターフェース37の励磁信号に基づいて、電磁継電器27のコイル27aを励磁する。設定変更手段33は、後述するプラグセット許容時間T1、給電許容時間T2を変更する機能を有している。
【0035】
上述した盗電防止機能付給電システム11は、商用電源、太陽光発電などから、所定の電力が供給される。所定の電力は、電磁継電器27、端子台21を経由して、プラグ受け23に供給される。所定の電力は、電磁継電器27の上流において分岐され、直流電源31に供給される。
【0036】
また、入力装置17は、操作部45を備えている。操作部45は、スタートボタン、設定完了ボタン、停止ボタン、給電ランプ、給電停止ランプ、認証完了ランプを備えており、制御開始、設定、停止など、各種操作、表示を行うことができる。
【0037】
次に、プラグセット許容時間T1、給電許容時間T2について説明する。プラグセット許容時間T1とは、盗電防止制御を行うまでの許容時間である。給電許容時間T2とは、給電を行う許容時間である。なお、プラグセット許容時間T1は、電源プラグのセットを完了できる程度の短い時間に設定する。
【0038】
電源ケーブル19は、例えば、カーボン等の被覆材の中に電力線47、信号線49が収納された1本のケーブル部品であり、端部にコネクタ51、電源プラグ53が設けられている。信号線49は、ノイズ環境に対処するために、ツイストペア(撚対線)とし、さらに電磁シール機能を備えた被覆構造とすることで、所定のシールド効果を備えている。電源ケーブル19、電力線47、信号線49は、それぞれ本願発明の本願発明の配線器具の一例、送電線の一例、本願発明の信号線の一例を構成する。
【0039】
また、電気車両EVには、充電用コネクタEV1、充電用ECU(Electronic Contorol Unit)55、CAN(Controller Area Network)57が設けられている。充電用ECU55内のメモリ59には充電監視用の制御プログラムが書き込まれている。充電用ECU55は、この充電監視用の制御プログラムに従い作動することにより、バッテリ(図示せず)の充電監視状態(充電中か否か)や充電量監視(バッテリ残量確認)等の処理を行う。
【0040】
コネクタ51、電源プラグ53が、それぞれ、電気車両EVの充電用コネクタEV1、コンセント13に接続されると、所定の手順を経て、充電用ECU55の通信回路61から連続信号が出力される。出力された連続信号は、CAN57、信号線49、信号線63を経由し、マイクロコンピュータ35に入力される。マイクロコンピュータ35は、連続信号の入力があるか否かを判定する。マイクロコンピュータ35に連続信号が入力されると、マイクロコンピュータ35は、これを受けて、電磁継電器27のコイル27aを励磁状態にする指令信号を出力し、インターフェース37、ドライバ39を経由してコイル27aを励磁状態にする。その際、機械接点27bが閉じて、プラグ受け23への給電を開始する。プラグ受け23への給電が開始されると、電力が、電源ケーブル19の電力線47を経由して電気車両EVに送電され、電気車両EVの図示しない車載充電器またはバッテリに給電される。
【0041】
次に、第1の実施形態の制御手順について説明する。図3に、第1の実施形態における盗電防止機能付給電システム11の制御手順の一例を示す。
【0042】
ステップS10では、操作部45のスタートボタンを押す。スタートボタンを押すと、給電停止ランプが点灯する。
【0043】
ステップS20では、プラグセット許容時間T1、給電許容時間T2を初期化するとともに、電磁継電器27をオフに制御する。タイマ回路41が計時を開始する。
【0044】
ステップS30では、プラグセット許容時間T1が経過したか否かを判定する。プラグセット許容時間T1が経過した場合、ステップS40に進む。プラグセット許容時間T1が経過していない場合、待機する。権原ある利用者は、プラグセット許容時間T1内に、電源ケーブル19のコネクタ51、電源プラグ53を、それぞれ、電気車両EVの充電用コネクタEV1、コンセント13に接続する。
【0045】
ステップS40では、暗号鍵が一致するか否かを判定する。暗号鍵が、信号線49、信号線63を経由して送信され、電路開閉器制御手段29のマイクロコンピュータ35で照合される。照合の結果、暗号鍵が一致した場合にはステップS50に進む。暗号鍵が一致しない場合には、ステップS100に進む。
【0046】
ステップS50では、認証ランプが点灯する。制御後ステップS60に進む。
【0047】
ステップS60では、電磁継電器27をオンに制御する。マイクロコンピュータ35が、電磁継電器27のコイル27aを励磁状態にする指令信号を出力し、インターフェース37、ドライバ39を経由してコイル27aを励磁状態にする。その際、機械接点27bが閉じて、プラグ受け23への給電を開始する。処理後、ステップS70に進む。
【0048】
ステップS70では、給電停止ランプが消灯し、給電ランプが点灯する。処理後、ステップS80に進む。
【0049】
ステップS80では、給電許容時間T2が経過したか否かをする。給電許容時間T2が経過した場合には、ステップS100に進む。給電許容時間T2が経過していない場合には、ステップS90に進む。
【0050】
ステップS90では、マイクロコンピュータ35が連続信号を入力しているか否かを判定する。マイクロコンピュータ35が連続信号を入力している場合には、電源プラグ53とコンセント13との間が接続されているものとして、給電を維持する。マイクロコンピュータ35に連続信号が入力されない場合には、権原ある電気車両EVに代えて、電源プラグ53の差し換えによる無権原の電力消費体への不正な給電が試みられた可能性があると判断し、ステップS100に進む。
【0051】
ステップS100では、電磁継電器27をオフに制御する。マイクロコンピュータ35が、電磁継電器27のコイル27aを非励磁状態にする指令信号を出力し、インターフェース37、ドライバ39を経由してコイル27aを非励磁状態にする。その際、機械接点27bが開いて、プラグ受け23への給電を停止する。処理後、ステップS110に進む。
【0052】
ステップSS110では、制御を停止する。
【0053】
ここで、充電用ECU55、マイクロコンピュータ35、電磁継電器27の作動を、図4を用いて説明する。
【0054】
(1)A点において、連続信号が出力されると、電路開閉器制御手段29に連続信号が入力される。マイクロコンピュータ35は、これを受けて、電磁継電器27のコイル27aを励磁状態にする指令信号を出力し、インターフェース37、ドライバ39を経由してコイル27aを励磁状態にする。その際、機械接点27bが閉じて、プラグ受け23への給電を開始する。
(2)B点において、給電中に、コネクタ51、電源プラグ53の少なくとも1つが取外されると、電路開閉器制御手段29に連続信号が入力されなくなる。マイクロコンピュータ35は、これを受けて、電磁継電器27のコイル27aを非励磁状態にする指令信号を出力し、インターフェース37、ドライバ39を経由してコイル27aを非励磁状態にする。その際、機械接点27bが開いて、プラグ受け23への給電を停止する。これにより、不正なプラグ差し換えによる盗電を防止する。
【0055】
上記構成によれば、接続中、権原のない使用者が盗電を試みて、コネクタ51と充電用コネクタEV1、電源プラグ53とプラグ受け23との接続を中断すると、権原ある電気車両EVから出力される連続信号の送信が遮断される。そして、マイクロコンピュータ33に連続信号が入力されなくなると、電路開閉器制御手段29は、これを受けて、電磁継電器27を制御して給電用電路25を遮断することができる。つまり、プラグの接続が中断された場合に、確実に給電を停止する構成であるために、従来技術の不具合、すなわち、給電中に権原ある電気車両に代えて無権原の電力消費体へのプラグ差し換えが試みられた場合に確実に給電用電路を遮断することができない不具合、あるいは、もともと盗電を十分には防止できない不具合を解消することできる。
【0056】
その結果、本願発明は、上記点に鑑み、プラグ差し換えによる不正な給電を十分に防止できる盗電防止機能付給電システムを提供することができる。
【0057】
なお、第1の実施形態では、電源ケーブル19のコネクタ51、電源プラグ53を、それぞれ、電気車両EVの充電用コネクタEV1、コンセント13に接続した後、充電用ECU55と、マイクロコンピュータ35との間で自動認証を行うようにしているので、権原のない電力消費体を確実に排除できる。
【0058】
(第2の実施形態)
盗電防止機能付給電システム11を、充電スタンド(充電ステーション)に適用した実施形態である。第2の実施形態は、第1の実施形態に記載の電源ケーブル19の接続部分を変更し、さらに、自動認証から手動認証に変更した構成であり、同様の部分は、同一符号を付して、詳細な説明は省略する。
【0059】
図5に示すように、充電スタンドJSには、電源ケーブル19が一体に設けられており、この電源ケーブル19の一端にはコネクタ51が設けられている。充電スタンドJSには、給電用電路25を開閉する電磁継電器27、電磁継電器27を制御する電路開閉器制御手段29、直流電源31、設定変更手段33、RFID(Radio Frequency IDentification)リード/ライト装置65が設けられている。
【0060】
また、電路開閉器制御手段29のうち、マイクロコンピュータ35内のメモリ43には、RFIDリード/ライト装置65によって読み取られたRFIDタグ67の識別情報の照合結果、充電用ECU55から送信される連続信号の入力状況等によって電磁継電器27を制御する制御プログラムが書き込まれている。この制御プログラムに従い、作動することにより、盗電を防止する。
【0061】
RFIDタグ67は、電磁誘導方式により、RFIDリード/ライト装置65からの電波をエネルギー源として動作するパッシブタグである。RFIDタグ67は、例えば、携帯電話Tに配置される。なお、RFIDタグ67は、携帯電話Tの他に、自動車のキー、カード、携帯情報端末、時計、ぬいぐるみなど、移動自在な構造体に配置してもよい。RFIDリード/ライト装置65は、RFIDタグ67に対して、識別情報などの読み出し、データの書き込みなどを行うことができる。上述したRFIDタグ67は、アクティブタグ、セミアクティブタグであってもよい。識別情報の認証は、セキュリティの観点から相互認証としてもよい。
【0062】
コネクタ51が電気車両EVの充電用コネクタEV1に接続されると、所定の手順を経て、充電用ECU55の通信回路61から連続信号が送信される。送信された連続信号は、駆動モータを制御するモータ制御ECUの他に、CAN57、信号線49、信号線63を経由し、マイクロコンピュータ35に送信される。マイクロコンピュータ35は、連続信号の入力があるか否かを判定する。マイクロコンピュータ35に連続信号が入力されると、マイクロコンピュータ35は、これを受けて、電磁継電器27のコイル27aを励磁状態にする指令信号を出力し、インターフェース37、ドライバ39を経由してコイル27aを励磁状態にする。その際、機械接点27bが閉じて、プラグ受け23への給電を開始する。プラグ受け23への給電が開始されると、電力が、電源ケーブル19の電力線47を経由して電気車両EVに送電され、電気車両EVの図示しない車載充電器またはバッテリに給電される。
【0063】
給電中に、コネクタ51が取外されると、マイクロコンピュータ35に連続信号が入力されなくなる。そして、マイクロコンピュータ35に連続信号が入力されなくなると、権原ある電気車両EVに代えて、コネクタ51の差し換えによる無権原の電力消費体への不正な給電が試みられた可能性があると判断し、電路開閉器制御手段29が電磁継電器27を制御して、プラグ受け23への給電を停止する。これにより、不正なプラグ差し換えによる盗電を防止することができる。
【0064】
次に、第2の実施形態の制御手順について説明する。図6に、第2の実施形態における盗電防止機能付給電システム11の制御手順の一例を示す。
【0065】
ステップS10では、操作部45のスタートボタンを押す。スタートボタンを押すと、給電停止ランプが点灯する。制御後、ステップS20に進む。
【0066】
ステップS20では、識別情報入力許容時間T3、プラグセット許容時間T1、給電許容時間T2を初期化するとともに、電磁継電器27をオフに制御する。タイマ回路41が計時を開始する。制御後、ステップS30に進む。
【0067】
ステップS30では、識別情報入力許容時間T3が経過したか否かを判定する。権原ある使用者が、識別情報入力許容時間T3が終了する前に、RFIDタグ67が内蔵された携帯電話TをRFIDリード/ライト装置65に近づけ、認証動作を行う。識別情報入力許容時間T3が経過した場合には、ステップS110に進む。識別情報入力許容時間T3が経過していない場合には、ステップS40に進む。
【0068】
ステップS40では、識別情報を照合する。照合の結果、識別情報が認証された場合にはステップS50に進む。識別情報が認証されない場合には、ステップS110に進む。
【0069】
ステップS50では、認証完了ランプが点灯する。制御後ステップS60に進む。
【0070】
ステップS60では、プラグセット許容時間T1が経過したか否かを判定する。プラグセット許容時間T1内である場合、待機する。プラグセット許容時間T1が経過した場合には、ステップS70に進む。権原ある利用者は、プラグセット許容時間T1内に、コネクタ51電気車両EVの充電用コネクタEV1に差し込むようにする。なお、ステップS50終了後、プラグセット許容時間T1が経過していない場合でも、プラグセットが完了し、操作部45の設定完了ボタンを押した場合には、即座に割り込み処理を行い、ステップ70に進む。
【0071】
ステップS70では、給電停止ランプが消灯し、給電ランプが点灯する。処理後、ステップS80に進む。
【0072】
ステップS80では、給電許容時間T2が経過したか否かを判定する。給電許容時間T2が経過した場合には、ステップS110に進む。給電許容時間T2が経過していない場合には、ステップS90に進む。
【0073】
ステップS90では、コネクタ51と充電用コネクタEV1との間が接続されているか否かを判定する。マイクロコンピュータ35に連続信号が入力されている場合には、コネクタ51と充電用コネクタEV1との間が接続されているものと判定して、ステップS100に進む。マイクロコンピュータ35が連続信号を検出できない場合には、権原ある電気車両EVに代えて、コネクタ51の差し換えによる無権原の電力消費体への不正な給電が試みらた可能性があると判断し、ステップS110に進む。
【0074】
ステップS100では、電磁継電器27をオンに制御する。マイクロコンピュータ35が、電磁継電器27のコイル27aを励磁状態にする指令信号を出力し、インターフェース37、ドライバ39を経由してコイル27aを励磁状態にする。その際、機械接点27bが閉じて、プラグ受け23に給電する。処理後、ステップS80に進む。
【0075】
ステップS110では、電磁継電器27をオフに制御する。マイクロコンピュータ35が、電磁継電器27のコイル27aを非励磁状態にする指令信号を出力し、インターフェース37、ドライバ39を経由してコイル27aを非励磁状態にする。その際、機械接点27bが開いて、プラグ受け23への給電を停止する。処理後、ステップS120に進む。
【0076】
ステップS120では、制御を停止する。
【0077】
上記構成によれば、電気車両用の充電スタンドにおいて、プラグ差し換えによる不正な給電を十分に防止できる盗電防止機能付給電システムを提供することができる。
【0078】
なお、RFIDタグを用いた手動認証とすることで、電気車両ごとに自動認証手段を設けずともよい利点がある。
【0079】
(第3の実施形態)
電力消費体が自動販売機である場合の実施形態である。第3の実施形態では、第1の実施形態と同様に、自動認証するようにした。第1の実施形態と同様の部分は、同一符号を付して、詳細な説明は省略する。
【0080】
図7に示すように、自動販売機VMには、電源ケーブル19が一体に設けられている。電源ケーブル19には、電力線47、信号線49が設けられており、端部に電源プラグ53が配置されている。また、自動販売機VMには、直流電源69、制御装置71が設けられており、制御装置71には、メモリ73、通信回路75が設けられている。
【0081】
電源ケーブル19がコンセント13に接続されると、自動販売機VMの直流電源69に給電され、制御装置71を駆動することができる。メモリ73には、自動販売機VMの各種動作を制御する制御プログラムおよび暗号鍵が書き込まれている。
【0082】
一方、コンセント13には、電源プラグ53をコンセント13に差し込んだ際に、電源プラグ53の栓刃を検出する刃検出センサ77が設けられている。電源プラグ53をコンセント13に差し込むと、刃検出センサ77が電源プラグ53の栓刃を検出する。
【0083】
次に、第3の実施形態の制御手順について説明する。図8に、第3の実施形態における盗電防止機能付給電システム11の制御手順の一例を示す。
【0084】
ステップS10では、操作部45のスタートボタンを押す。スタートボタンを押すと、給電ランプが点灯する。
【0085】
ステップS20では、プラグセット許容時間T1、給電許容時間T2、識別情報入力許容時間T3を初期化するとともに、電磁継電器27をオフに制御する。タイマ回路41が計時を開始する。
【0086】
ステップS30では、プラグセット許容時間T1が経過したか否かを判定する。プラグセット許容時間T1が経過した場合、ステップS40に進む。プラグセット許容時間T1が経過していない場合、待機する。権原ある利用者は、プラグセット許容時間T1内に、電源ケーブル19のコネクタ51、電源プラグ53を、それぞれ、自動販売機VMのコネクタVM1、コンセント13に接続する。
【0087】
ステップS40では、電源プラグ53の栓刃がプラグ受け23に差し込まれたか否かを判定する。刃検出センサ77が電源プラグ53の栓刃を検出した場合には、ステップS50に進む。刃検出センサ77が電源プラグ53の栓刃を検出できない場合には、ステップS100に進む。
【0088】
ステップS50では、給電を開始する。マイクロコンピュータ35が、電磁継電器27のコイル27aを励磁状態にする指令信号を出力し、インターフェース37、ドライバ39を経由してコイル27aを励磁状態にする。その際、機械接点27bが閉じて、プラグ受け23への給電を開始する。処理後、ステップS60に進む。
【0089】
ステップS60では、給電停止ランプが消灯し、給電ランプが点灯する。処理後、ステップS70に進む。
【0090】
ステップS70では、識別情報が一致するか否かを判定する。自動販売機VMに電力が供給されると、制御装置71に電力が供給される。この際、メモリ73から識別情報が読み出され、通信回路75から識別情報が送信される。識別情報は、信号線49、信号線63を経由して送信され、電路開閉器制御手段29のマイクロコンピュータ33で照合される。照合の結果、識別情報が一致した場合にはステップS80に進む。識別情報が一致しない場合には、ステップS100に進む。
【0091】
ステップS80では、認証完了ランプが点灯する。制御後ステップS90に進む。
【0092】
ステップS90では、マイクロコンピュータ35が連続信号を入力しているか否かを判定する。マイクロコンピュータ35が連続信号を入力している場合には、電源プラグ53とコンセント13との間が接続されているものとして、給電を維持する。マイクロコンピュータ35に連続信号が入力されない場合には、権原ある自動販売機VMに代えて、電源プラグ53の差し換えによる無権原の電力消費体への不正な給電が試みられた可能性があると判断し、ステップS100に進む。
【0093】
ステップS100では、電磁継電器27をオフに制御する。マイクロコンピュータ35が、電磁継電器27のコイル27aを非励磁状態にする指令信号を出力し、インターフェース37、ドライバ39を経由してコイル27aを非励磁状態にする。その際、機械接点27bが開いて、プラグ受け23への給電を停止する。処理後、ステップS110に進む。
【0094】
ステップSS110では、制御を停止する。
【0095】
(第4の実施形態)
上述した第1の実施形態では、連続信号を接続検出手段として用いたが、送電線が接続された状態で給電および給電停止を制御する給電用制御信号として用いてもよい。第4の実施形態における装置構成は、第1の実施形態で説明した図2と同様であるものとして、充電用ECU55、マイクロコンピュータ35、電磁継電器27の作動を、図9を用いて説明する。
【0096】
(1)電源プラグ19が接続された状態において、A点にて連続信号(給電用制御信号)が出力されると、マイクロコンピュータ35に連続信号(給電用制御信号)が入力される。マイクロコンピュータ35は、これを受けて、電磁継電器27のコイル27aを励磁状態にする指令信号を出力し、インターフェース37、ドライバ39を経由してコイル27aを励磁状態にする。その際、機械接点27bが閉じて、プラグ受け23への給電を開始する。
(2)B点にて連続信号(給電用制御信号)の出力が停止されると、マイクロコンピュータ35に連続信号(給電用制御信号)が入力されなくなる。マイクロコンピュータ35は、これを受けて、電磁継電器27のコイル27aを非励磁状態にする指令信号を出力し、インターフェース37、ドライバ39を経由してコイル27aを非励磁状態にする。その際、機械接点27bが開いて、プラグ受け23への給電を停止する。
(3)C点にて連続信号(給電用制御信号)が出力されると、マイクロコンピュータ35は、これを受けて、上述した(1)項と同様の手順により、給電を再開する。
(4)給電中、コネクタ51が電気車両EVの充電用コネクタEV1から外された場合、または電源プラグ53がコンセント13から外された場合には、マイクロコンピュータ35に連続信号(給電用制御信号)が入力されなくなる。マイクロコンピュータ35は、これを受けて、上述した(2)項と同様の手順により、給電を停止する。これにより、不正なプラグ差し換えによる盗電を防止することができる。
【0097】
上記構成によれば、権原ある電気車両EV側から給電を制御することができる高機能な盗電防止機能付給電システムを提供することができる。また、電源プラグ19が接続された状態で、権原ある電気車両EVから電磁継電器27の遮断、接続を自在に制御することができるので、漏電などの不具合があった場合に即座に連続信号(給電用制御信号)を遮断して、感電の防止すること、権原ある電気車両EVへの損傷を最小限に押さえることも可能である。
【0098】
なお、連続信号は、複数の連続信号(給電用制御信号)を用いてもよい。例えば、給電中に出力される給電中信号、給電を停止する停止中信号(いずれも連続信号であるものとする)のいずれかが出力される構成とし、これら信号のいずれかが出力されているにも関わらず、マイクロコンピュータ35が入力を確認できない場合、給電を停止するようにしてもよい。図10に、充電用ECU55、マイクロコンピュータ35、電磁継電器27の作動を示す。
【0099】
(第5の実施形態)
第1の実施形態乃至第4の実施形態では、連続信号を有線により送信するようにしたが、電気車両EVと電源ケーブルとの接続部において、連続信号を光信号に変換して送信するようにしてもよい。
【0100】
図11に示すように、電気車両EVの充電用コネクタEV1に連続信号を光信号に変換して送信する送信部79を設け、コネクタ51に光信号を受信する受信部81を設けた。送信部79には、連続信号を光信号に変調する変調部、光信号を送信する赤外線LEDが設けられており、受信部81には、赤外線LEDから送信された光信号を受光する受光部、受光した光信号を復調する復調部が設けられている。充電用ECU55から出力された連続信号は送信部79の変調部で変調され、赤外線LEDから赤外線として受信部81に送信される。赤外線LEDから送信された赤外線は、受光部で受光され、復調部で電気信号に復調されて、信号線49を介してマイクロコンピュータ35に送信される。
【0101】
なお、光信号の光源は赤外線に限らず、いわゆる光無線送信に使用される領域の電磁波を用いてもよく、具体的には、レーザー、可視光線であってもよい。また、電気車両EVの充電用コネクタEV1に投光部を設け、コネクタに受光センサを設けて連続信号を送受してもよい。
【0102】
(第6の実施形態)
上述した第5の実施形態では、送電は有線で行われたが、非接触電力伝送により行ってもよい。図12に示すように、コネクタ51に電源側コイル(1次コイル)83を設け、電気車両EVに、受電側コイル(2次コイル)85を設け、両者の間で磁気的に接続する非接触電力伝送により行ってもよい。
【0103】
上記構成によれば、コネクタ51の着脱が容易となり、有線接続のような接続作業の煩わしさ、接続部の摩耗などを回避することができ、給電を行うに際して、雨天時に給電部が雨水に濡れて感電する危険性も回避することができる。
【0104】
(第7の実施形態)
第6の実施形態では、権原ある電力消費体とプラグとの間で連続信号を光信号に変換して送受するようにしたが、連続信号の送信を、光信号を用いずに、電源側コイル(1次コイル)83と、受電側コイル(2次コイル)85とを信号送信経路とする電力線通信により行われるようにしてもよい。充電用ECU55から出力される連続信号を重畳して、受電側コイル(2次コイル)85から電源側コイル(1次コイル)83に送信した後、連続信号を取り出すように構成する。
【0105】
なお、第5の実施形態では、光信号を用い、第7の実施形態では、電力線通信により、無線で連続信号を送信するようにしたが、これに限らず、権原ある電力消費体とプラグとの間で連続信号を無線にて送信するようにしてもよい。
【0106】
(第8の実施形態)
第1の実施形態乃至第7の実施形態では、権原ある電力消費体から出力される信号は、連続信号であったが、これに限定されるものではない。例えば、権原ある電力消費体から電路開閉器をオンするパルス信号あるいはオフするパルス信号(間欠信号)を出力する構成とし、給電中に入力すべきパルス信号が信号入力部に入力されない場合には、電路開閉器制御手段が電路開閉器を制御して給電用電路を遮断するようにしてもよい。上述したパルス信号は、必ずしも、一定間隔でなくともよい。パルス信号の出力間隔は、無権限の者がプラグ差し換えを行うプラグ差し換え時間TSより短い時間に設定される。
【0107】
なお、パルス信号の出力間隔が、プラグ差し換え時間TSより長い時間である可能性がある場合には、給電中に電源プラグ、コネクタなど接続部分が取り外されたことをセンサ等により検出して、給電用電路を遮断する機能を付加すると、確実に盗電を防止することができる。
【0108】
(その他の実施形態)
上述した実施形態では、電気車両、自動販売機を例示して説明したが、電気車両用バッテリの蓄電装置であってもよい。また、第2の実施形態で説明した充電スタンドは、いわゆる急速充電に対応するタイプの充電スタンドであってもよい。
【0109】
また、上述した実施形態では、認証する方法として、RFIDタグ、RFIDリード/ライト装置を用いたが、暗証番号をキー入力するようにしてもよい。また、所定の信号(所定の暗号、暗号鍵、盗電防止制御を開始する制御信号など)を、赤外線および電波のいずれかによって送信するようにしてもよい。また、指紋を読み取るようにしてもよい。また、磁気カードおよび磁気カードの磁気情報を読み取るようにしてもよい。
【0110】
また、盗電防止機能付給電システムを複数設け、上位コンピュータで、盗電防止状況を把握できるようにしてもよい。
【0111】
また、コンセントの形状は、抜止形、引掛形、露出形、埋込形であってもよく、電源プラグ差込口に遮蔽扉を備えたものであってもよい。
【0112】
また、上述したコンセントに、防雨、防滴、感電防止などを目的としたカバーを設けてもよい。
【0113】
なお、本明細書において説明した各実施形態は本願発明の一実施形態であり、特許請求の範囲を満足する限りにおいて、これに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0114】
11・・・ 盗電防止機能付給電システム
13・・・コンセント
15・・・盗電防止装置
17・・・入力装置
19・・・電源ケーブル
23・・・プラグ受け
25・・・給電用電路
27・・・電磁継電器(電路開閉器)
27a・・・コイル
27b・・・機械接点
29・・・電路開閉器制御手段
31・・・直流電源
35・・・マイクロコンピュータ
43・・・メモリ
47・・・電力線(電力搬送手段)
49・・・信号線(制御信号線)
51・・・コネクタ
53・・・電源プラグ
55・・・充電用ECU
59・・・メモリ
61・・・通信回路
EV・・・電気車両
EV1・・・充電用コネクタ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
権原ある電力消費体に代えて無権原の電力消費体へ不正な給電が行われることを防止する盗電防止機能付給電システムにおいて;
給電用電路の途中に設けられて前記給電用電路を開閉する電路開閉器と、
前記電路開閉器を制御する電路開閉器制御手段と、
前記給電用電路から供給される電力を前記権原ある電力消費体に送電する送電線、前記権原ある電力消費体から出力される連続信号を所定の信号入力部に送信する信号線の両線が設けられた配線器具と、
前記配線器具を経由して送信される連続信号を入力する前記所定の信号入力部と、
を備えており、
前記接続器具に設けられたプラグの接続が中断され、接続中に入力すべき連続信号が前記信号入力部に入力されない場合には、前記電路開閉器制御手段が前記電路開閉器を制御して前記給電用電路を遮断することにより前記プラグの差し換えによる不正な給電を防止するように構成されたことを特徴とする盗電防止機能付給電システム。
【請求項2】
前記権原ある電力消費体に接続されるプラグが、前記送電線により送電される電力を伝送する電源側コイルと、前記信号線に接続されて所定の光信号を受信する受信部とを有しており、
前記権原ある電力消費体が、前記電源側コイルと磁気的に接続される受電側コイルと、前記連続信号を前記所定の光信号に変換して送信する送信部とを有しており、
前記電源側コイルと前記受電側コイルとで非接触電力伝送を行うように構成され、さらに前記連続信号の送信が、前記送信部、前記受信部を一部信号送信経路とするように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の盗電防止機能付給電システム。
【請求項3】
前記送電が、前記権原ある電力消費体に接続されるプラグに設けられた電源側コイルと、前記権原ある電力消費体に設けられて前記電源側コイルと磁気的に接続される受電側コイルとで非接触電力伝送を行う非接触電力伝送手段により行われるように構成されており、
前記連続信号の送信が、前記非接触電力伝送手段を一部信号送信経路とする電力線通信により行われることを特徴とする請求項1に記載の盗電防止機能付給電システム。
【請求項4】
前記連続信号が、前記送電線が接続された状態で前記電路開閉器の遮断、接続を制御する給電用制御信号であり、
前記電路開閉器制御手段が前記給電用制御信号に基づいて前記電路開閉器の遮断、接続を制御することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載の盗電防止機能付給電システム。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載の盗電防止機能付給電システムにおいて、前記連続信号に代えて、所定の間欠信号であることを特徴とする盗電防止機能付給電システム。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか1つに記載の盗電防止機能付給電システムが、電気車両に給電して充電を行う充電スタンドおよび前記電気車両に給電する給電システムのいずれか1つであることを特徴とする盗電防止機能付給電システム。
【請求項1】
権原ある電力消費体に代えて無権原の電力消費体へ不正な給電が行われることを防止する盗電防止機能付給電システムにおいて;
給電用電路の途中に設けられて前記給電用電路を開閉する電路開閉器と、
前記電路開閉器を制御する電路開閉器制御手段と、
前記給電用電路から供給される電力を前記権原ある電力消費体に送電する送電線、前記権原ある電力消費体から出力される連続信号を所定の信号入力部に送信する信号線の両線が設けられた配線器具と、
前記配線器具を経由して送信される連続信号を入力する前記所定の信号入力部と、
を備えており、
前記接続器具に設けられたプラグの接続が中断され、接続中に入力すべき連続信号が前記信号入力部に入力されない場合には、前記電路開閉器制御手段が前記電路開閉器を制御して前記給電用電路を遮断することにより前記プラグの差し換えによる不正な給電を防止するように構成されたことを特徴とする盗電防止機能付給電システム。
【請求項2】
前記権原ある電力消費体に接続されるプラグが、前記送電線により送電される電力を伝送する電源側コイルと、前記信号線に接続されて所定の光信号を受信する受信部とを有しており、
前記権原ある電力消費体が、前記電源側コイルと磁気的に接続される受電側コイルと、前記連続信号を前記所定の光信号に変換して送信する送信部とを有しており、
前記電源側コイルと前記受電側コイルとで非接触電力伝送を行うように構成され、さらに前記連続信号の送信が、前記送信部、前記受信部を一部信号送信経路とするように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の盗電防止機能付給電システム。
【請求項3】
前記送電が、前記権原ある電力消費体に接続されるプラグに設けられた電源側コイルと、前記権原ある電力消費体に設けられて前記電源側コイルと磁気的に接続される受電側コイルとで非接触電力伝送を行う非接触電力伝送手段により行われるように構成されており、
前記連続信号の送信が、前記非接触電力伝送手段を一部信号送信経路とする電力線通信により行われることを特徴とする請求項1に記載の盗電防止機能付給電システム。
【請求項4】
前記連続信号が、前記送電線が接続された状態で前記電路開閉器の遮断、接続を制御する給電用制御信号であり、
前記電路開閉器制御手段が前記給電用制御信号に基づいて前記電路開閉器の遮断、接続を制御することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載の盗電防止機能付給電システム。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載の盗電防止機能付給電システムにおいて、前記連続信号に代えて、所定の間欠信号であることを特徴とする盗電防止機能付給電システム。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか1つに記載の盗電防止機能付給電システムが、電気車両に給電して充電を行う充電スタンドおよび前記電気車両に給電する給電システムのいずれか1つであることを特徴とする盗電防止機能付給電システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−178913(P2012−178913A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−39718(P2011−39718)
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【特許番号】特許第4953147号(P4953147)
【特許公報発行日】平成24年6月13日(2012.6.13)
【出願人】(306009592)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【特許番号】特許第4953147号(P4953147)
【特許公報発行日】平成24年6月13日(2012.6.13)
【出願人】(306009592)
【Fターム(参考)】
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