説明

監視システムの管理サーバ

【課題】一般的なウェブ端末を監視システムの監視端末として用いるための環境構築を容易にする監視システムの管理サーバを提供する。
【解決手段】管理サーバ10、ウェブ端末群20、及び設定対象機機器群30を備え、設定対象機器群30の監視を行う監視システムXの管理サーバ10を用いる。管理サーバ10は、ウェブ端末群20の各端末用の設定項目データ103及び設定項目書込プログラム104を備えている。この上で、管理サーバ10は、ウェブ端末群20の各端末の環境構築を行う際、設定項目データ103及び設定項目書込プログラム104を送信することを特徴とする。ウェブ端末群20では、この設定項目書込プログラム104によりインストールをすることで、各種コーデック等も容易にインストールできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視システムの管理サーバに係り、特に一般的なウェブ端末を監視システムの監視端末として用いるための監視システムの管理サーバに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、セキュリティ(安全)意識の高まりや警備の省力化の要求から、ネットワーク化された監視システムが注目されている。
監視システムは、ホテル、ビル、コンビニエンスストア、金融機関、ダム、又は道路のように、不特定多数の人が訪れる施設等に防犯・防災用に設置された監視カメラの画像等を、管理室等にいる監視者が監視し、目的や必要に応じて注意を喚起するシステムである。
【0003】
近年、これらの監視システムとして、例えば、監視カメラ(以下、カメラと称する)、カメラの画像を記憶するネットワーク・デジタル・レコーダ(以下、NDRと称する)等と、監視画像を表示するビューワを備えた端末装置をネットワークに接続し、監視カメラの稼働状況や撮像状況等をネットワーク上で管理する管理サーバ(制御サーバ)を加えた監視システムが用いられてきている。
【0004】
ここで、従来の技術として特許文献1を参照すると、ネットワークカメラ及び監視端末を用いた遠隔監視システムにおいて、監視対象の画像を配信する複数の前記ネットワークカメラと、前記ネットワークカメラからの画像を表示する監視端末と、遠隔監視システム全体のシステム情報及び前記ネットワークカメラ個別のカメラ情報を集中管理する制御サーバとを備え、前記監視端末が前記制御サーバから取得した前記カメラ情報及び前記システム情報に基づき監視端末の初期化を行うことを特徴とする遠隔監視システムが開示されている(以下、従来技術1とする。)。
従来技術1によると、制御サーバに集中管理されているシステム情報やカメラ情報に基づき監視端末を初期化することにより、各監視端末毎に格納されている情報に差異が生じることなく、複数台の監視端末の初期化を容易に行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−94076号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来技術1は、そもそも一般のPC(Personal Computer)や携帯電話やスマートフォンのようなウェブブラウザを備えた一般の端末(以下、ウェブ端末と称する。)を監視端末として使用することは想定されていなかった。これらのウェブ端末を監視端末として動作させるためには、監視用のアプリケーション・ソフトウェア(以下、アプリケーションと称する。)を備える必要があるからである。
つまり、初期の環境構築を行っておらず、アプリケーションをまだ実行できない状況では、そもそも、従来技術1のようなカメラ情報及びシステム情報を転送することはできなかった。
【0007】
このため、従来技術1においては、監視システムを構成するウェブ端末の環境構築を行う場合、ウェブ端末毎に複数の設定項目を一つ一つ設定する必要があるという問題があった。
また、ウェブ端末が多数ある場合、設定間違い等の不具合が発生する確率が高まることや、環境構築に多くの時間が必要になるという問題があった。
よって、従来技術1は、監視端末の環境構築に手間がかかっていた。
【0008】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、上述の課題を解消することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の監視システムの管理サーバは、管理サーバ、設定対象機器、及びウェブ端末を備え、該設定対象機器の監視を行う監視システムの管理サーバにおいて、前記ウェブ端末用の設定項目データ及び設定項目書込プログラムと、前記ウェブ端末の環境構築を行う際、前記設定項目データ及び前記設定項目書込プログラムを送信する送信手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、監視システムの管理サーバが設定項目データ及び設定項目書込プログラムをウェブ端末に送信し、設定対象項目を一度に設定するため、設定間違いが少なくなり、短時間で環境構築をすることができ、よって、容易に一般的なウェブ端末を監視システムの監視端末として用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態に係る監視システムXのシステム構成図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る管理サーバ10の制御構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る設定処理のフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態に係る設定処理の画面例である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<実施の形態>
〔監視システムXの制御構成〕
以下で、本発明の実施の形態に係る監視システムXの制御構成について、図面を参照して詳しく説明する。
図1を参照すると、本実施形態の監視システムXは、管理サーバ10と、ウェブ端末群20と、設定対象機器群30とが、ネットワーク5にて接続されて構成されている。
【0013】
ネットワーク5は、インターネットや専用線ネットワークや携帯電話網等のネットワークである。
このネットワーク5を介して、各装置は、TCP/IPやUDP等の各種のプロトコルのデータをパケット単位で送受信可能である。
【0014】
管理サーバ10は、カメラ等の機器を制御する管理サーバである。管理サーバ10は、ウェブ端末群20の各端末からアクセスされるWWW(World Wide Web)のウェブサーバ等と、設定対象機器群を検索して設定するための制御プログラム、インストーラ等を備えている。
具体的には、管理サーバ10は、PC/AT互換機や専用機等を用いたサーバであり、CPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)やGPU(Graphics Processing Unit)等の制御部、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)やHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等の記憶部、ネットワーク5に接続するLANカードや無線LANカード等のネットワーク接続部を備えている。更に、管理サーバ10は、キーボードやポインティングデバイス等の入力部、監視の状況を示す液晶ディスプレイ、LED(Light Emitting Diode)、プロジェクタ等の表示部等を備えることもできる。
また、管理サーバ10は、Windows(登録商標)サーバやLinux(登録商標)等のOS(Operating System)等を備えており、ネットワーク5のようなIPネットワークに各種プロトコルで接続・通信可能である。
【0015】
ウェブ端末群20は、ネットワーク5を介して管理サーバ10にアクセスし、監視用の画像を閲覧するためのPC/AT互換機やMAC規格等であるPC、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話、スマートフォン等の、ウェブブラウザを備えたウェブ端末である。ウェブ端末群20は、例えば、異なる構成のウェブ端末201、ウェブ端末202を含んで構成される。ウェブ端末群20は、下記で説明する処理の制御を行うCPU、MPU、DSP、GPU、画像データと画像データの属性と一時データとを含んで記憶するRAM、ROM、HDD、フラッシュメモリ等の記憶部とを備えている。
ウェブ端末群20の各端末は、設定対象機器群30の各機器の画像データ等を、液晶ディスプレイやCRT等のディスプレイモニタに画面表示し、監視画像の閲覧や検索等を行うことができる。またウェブ端末群20の各端末は、キーボードやマウスやタッチパネル等のユーザ入力部を備え、画像の再生操作や動画表示、人物に関する画像検索の実行操作や結果表示等を行うことができる。
ここで、ウェブ端末群20の各端末は、Webブラウザ等の一般的なビューワを用いて、画像検索や閲覧や設定を行う。このため、OSをインストールしたままの初期環境では、設定対象機器群30の各機器に対応する画像・音声コーデックやセキュリティ設定等がインストールされていないことがある。また、初期状態では、各機器のIPアドレスやその他の対象項目の設定もされていない。よって、ウェブ端末群20の各端末は、管理サーバ10からダウンロードした、後述する設定項目書込プログラム104と設定項目データ103とを用いてこれらの設定を行う。
【0016】
設定対象機器群30は、監視システムXにより監視制御し、設定を行うための機器であり、カメラ301、ENC302、NDR303等の機器を含んで構成される。これらの機器は、管理サーバ10が設定したID(Identification)と、ネットワーク5経由のコマンドにより制御する。
カメラ301は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等を用いて、ネットワーク5に接続して画像データを送信可能な、いわゆるIPカメラやネットワークカメラ等の撮像装置である。カメラ301は、上述の検出事象を検出するための、例えば人感センサや動きセンサやマイク等も備えていてもよい。
ENC302は、通常のテレビジョンカメラを接続し、アナログの画像・音声信号を、デジタルデータに変換し、ネットワーク5に接続して送信可能な画像・音声エンコーダである。ENC302についても、各種センサ用のI/Oを備えていてもよい。
NDR303は、カメラ301やENC302からの画像・音声データやセンサのデータを、ネットワーク5経由で記録するネットワーク・デジタル・レコーダ等の装置である。NDR303は、CPU等の制御部/演算部と、内蔵のDRAMやフラッシュメモリ等の記憶部とを備えており、データをHDD等の記録媒体に記録する。監視システムXにおいて、ウェブ端末群20の指示により、NDR303から画像を読み出す場合、IDと時刻情報を指定することで、該当する画像を読み出すことができる。
この他に、設定対象機器群30には、画像や音声データのDEC(Decoder、デコーダ)、スイッチャー、音声出力装置、警備用ロボット、関係機関への通報装置等を別途備えていてもよい。
【0017】
〔管理サーバ10の制御構成〕
次に、図2を参照して、管理サーバ10のより詳しい制御構成について説明する。
管理サーバ10は、設定制御部101(送信手段)、ウェブ端末プログラム102、設定項目データ103、設定項目書込プログラム104のような機能部位を含んで構成することができる。
【0018】
設定制御部101は、WWWのウェブサーバと、各種設定用の制御を行う、管理サーバ10の主プログラムを含む部位である。
設定制御部101は、サーバ機能をインストール後、設定対象機器群30の各機器を検索し、設定する対象項目を取得する。この上で、管理者がウェブ端末プログラム102を用いてこの対象項目の変更や設定の指示を行うと、設定制御部101は、この指示を取得する。そして、設定制御部101は、設定対象機器群30の各機器にアクセスして、検索された設定対象機器群30の各機器の対象項目を設定する。
その後、設定制御部101は、この対象項目の設定内容を基に、設定項目データ103と、設定項目書込プログラム104とを作成する。
また、設定制御部101は、ウェブ端末群20の各端末からアクセスされると、設定項目データ103と、設定項目書込プログラム104とをダウンロードさせ、各端末で使用可能とする。
これにより、設定制御部101は、ウェブ端末群20に向けて、画像・音声データやセンサのデータを送信して閲覧させるようにすることができる。
加えて、設定制御部101は、管理サーバ10自身の環境構築を行う際に使用するインストーラの機能も含ませることができる。
【0019】
ウェブ端末プログラム102は、ウェブ端末群20の各端末と同様の機能を備えたウェブブラウザ等である。
ウェブ端末プログラム102は、設定制御部101のウェブサーバにアクセスできる。これにより、設定制御部101が取得した対象項目がある場合、これらの設定を変更指示することができる。
【0020】
設定項目データ103は、設定対象機器群30の各機器の設定項目を示すデータである。
図2を参照して、この設定項目データ103について説明する。具体的に設定する必要がある対象項目としては、まず、設定対象機器群30の各機器のIPアドレスを設定することができる。さらに、対象項目として、画像コーデック、音声コーデックについてのデータが変更可能な場合には、変更することが可能である。
また、その他の対象項目として、各機器の稼働時間、録画時間間隔、情報を取得するセンサの設定、ズーム倍率等の対象項目を設定することもできる。
【0021】
設定項目書込プログラム104は、ウェブ端末群20の各ウェブ端末201、202等に、監視システムXの端末として使用可能にするためのウェブ端末群20用のインストーラを含むプログラムである。
設定項目書込プログラム104は、設定制御部101がウェブ端末プログラム102を用いて作成する。この際、設定項目書込プログラム104は、設定制御部101が取得したウェブ端末群20の各端末の機種や構成に合わせて、複数種類を用意することができる。
また、設定項目書込プログラム104は、ウェブブラウザを用いていても、起動すると管理サーバ10に接続して監視システムの端末として機能させるような、専用プログラムとして提供することができる。
また、設定項目書込プログラム104は、初期環境構築のためのインストーラとして、各種画像コーデック、音声コーデック、暗号通信を可能にする鍵データ等のインストールも行うことができる。
【0022】
なお、上述の各部位は、管理サーバ10の制御部がプログラムを実行することで実現しても、ハードウェアの回路にて実現することもできる。
さらに、各部位は、1つの物理的なサーバ装置上にあっても、複数の物理的なサーバ装置に分散して備えられていてもよい。
【0023】
〔監視システムXによる設定処理〕
次に、本発明の実施の形態に係る監視システムXによる設定処理について説明する。
本発明の実施の形態に係る監視システムXにおいては、ウェブ端末201やウェブ端末202のようなウェブ端末群20の各端末から、設定対象機器群30等の各機器の制御をしようとした場合、機器の制御要求を管理サーバ10に対して送信する。
つまり、各ウェブ端末は、全て同じ管理サーバ10に対する通信処理を行う。
その為、監視システムXを環境構築する際には、ウェブ端末201、202のようなウェブ端末群20の各端末の設定は、同一機種については、ほぼ同一の設定となる。
このため、本実施形態の設定処理においては、管理サーバ10が、インストーラである設定項目書込プログラム104と、設定項目データ103とをウェブ端末群20の各端末にダウンロードさせ、同一設定のコピーを行う。
この設定処理の詳細について、以下で、図3のフローチャートを参照して説明する。
【0024】
ステップS101において、管理サーバ10の設定制御部101は、サーバ機能インストール処理を行う。
具体的には、設定制御部101は、管理サーバ10をサーバとして使用できるように、各種インストールを行う。
このインストールの手順としては、例えば、管理サーバ10のディスクドライブ等に、DVDやBD等の光学記録媒体(図示せず)等が挿入されたことを検知すると、管理サーバ10の制御部は、この記録媒体に記録された設定制御部101を読み込み、RAMやHDD等に記録する。この上で、管理サーバ10に記憶された設定制御部101が、制御部により実行され、初期設定処理を行う。
具体的には、設定制御部101の初期設定処理としては、ウェブサーバ等のウェブ端末群20の各端末からアクセスする際のサービス(デーモン)等の構築を行う。また、設定制御部101のは、ウェブ端末プログラム102と、設定項目データ103と、設定項目書込プログラム104の元データをHDD等に展開する。さらに、暗号化通信に関するユニーク鍵等を作成し、これも記憶する。
この上で、設定制御部101は、設定対象機器群30の各機器で設定する対象項目をネットワーク5上から検索し、ウェブ端末プログラム102を起動する。
【0025】
ステップS102において、ウェブ端末プログラム102は、ウェブ端末プログラム設定処理を行う。
具体的には、起動されたウェブ端末プログラム102は、「コンフィグレーション」のウェブページを設定制御部101のウェブサーバにリクエストし、これを受信してブラウザ上に表示する。
図4を参照して「コンフィグレーション」のウェブページの画面例について説明する。ウェブ端末プログラム102は、各設定対象機器群30の各機器のID毎に、設定する対象項目をウェブページにて表示する。これにより、この「コンフィグレーション」のウェブページでは、各機器と、設定する対象項目とをブラウザ上に表示し、管理者により設定するように促す。
管理者がチェックボックスやラジオボタン等のインターフェイスで選択を行って、「設定」ボタンを押下したことを検知すると、ウェブ端末プログラム102は、この指示内容を設定制御部101に送信する。
なお、ウェブ端末プログラム102は、「クリア」ボタンを押下したことを検知すると、設定する対象項目の内容を初期設定に戻すこともできる。
【0026】
ステップS103において、設定制御部101は、設定項目データ作成処理を行う。
設定制御部101は、管理者がウェブ端末プログラム102のユーザーインターフェイスを用いて設定の指示をした設定の対象項目の各値を取得する。そして、設定制御部101は、この各値を、設定項目データ103として、例えばデータベース形式やファイル形式で記憶する。
つまり、管理サーバ10自身により、対象項目の設定を行うことができる。
なお、このような設定対象機器群30の設定は、ウェブ端末群20からも変更可能である。この際にも、ウェブ端末群20の端末から、管理者がパスワード等を入力することで、この「コンフィグレーション」のウェブページを表示可能である。
【0027】
また、設定制御部101は、設定項目データ103を基に、設定項目書込プログラム104を、元ファイルを組み合わせて作成する。この際に、ウェブ端末群20の各端末の構成をいくつか想定して、複数の組み合わせの設定項目書込プログラム104を作成する。
設定制御部101は、設定項目書込プログラム104についても、データベース形式やファイル形式で記憶することができる。
【0028】
ステップS104において、設定制御部101は、ウェブ端末接続処理を行う。
ここで、ウェブ端末群20の各端末には、上述したように一般的なウェブブラウザが搭載されている。このウェブブラウザを用いて、管理サーバ10のURL(Uniform Resource Locator)やIPアドレス等を指定することで、ウェブ端末群20の各端末は、管理サーバ10に接続することができる。
【0029】
ステップS105において、設定制御部101は、設定項目送信処理を行う。
具体的には、設定制御部101は、接続されたウェブ端末群20の各端末の設定がされていない場合、設定項目書込プログラム104と設定項目データ103を送信し、それらをインストールさせる。
以下で、ウェブ端末群20のウェブ端末201が管理サーバ10に接続する例について説明する。
まず、設定制御部101のウェブサーバは、ウェブ端末201から、機種情報等を取得する。
次に、設定制御部101は、所定のプロトコルで接続を試みる等により、監視システムXの端末として用いることができる状態にあるのか否かを判断する。すなわち、ウェブ端末201に設定項目書込プログラム104がインストールされているか否か、バージョンや設定項目データ103の内容が最新であるか否かについて判断する。
【0030】
まだ設定項目書込プログラム104がインストールされていないか、設定項目データ103の内容が最新でない場合、設定制御部101は、ウェブ端末201がこれらをダウンロードするようにファイル等を指定する。
この際に、設定制御部101は、ウェブ端末201の機種情報により、最適な手法を用いて、必要なファイルを送信することができる。たとえば、ウェブ端末201がWindows(登録商標)を備えたPC/AT互換機であった場合、ウェブブラウザのActive X(登録商標)機能を用いた設定項目書込プログラム104と、設定項目データ103とを送信する。また、Linux(登録商標)系のOSの場合、FTP(File Transfer Protocol)や、apt−get等を用いてインストールさせるように構成することもできる。その他の各手法も用いることができる。
これにより、Web上で使用されるJava(登録商標)のApplet、Flash、Java(登録商標)Script等の単なるウェブ・プログラムと異なり、OSの構成の変更まで含むインストールを行うことができる。
すなわち、設定対象機器群30の構成に合わせて、映像・音声のコーデックのインストールや暗号化鍵のインストールといった処理を行うことが可能になる。さらに、設定項目データ103に合わせて、一括して、設定対象機器群を制御・アクセスする際の設定を、各ウェブ端末群に対して行うことができる。
なお、設定項目書込プログラム104が既にインストールされ、設定項目データ103の内容が最新の場合、設定制御部101は処理をスキップする。
【0031】
ステップS106において、設定制御部101は、ウェブ端末群20の他の端末を設定するか否かについて判定する。
Yesの場合、設定制御部101は、処理をステップS104に戻して、その端末の設定を同様に行う。たとえば、設定制御部101は、ウェブ端末202においても、ウェブ端末201と同様に、設定項目書込プログラム104と、設定項目データ103をダウンロードさせ、インストールさせる。これにより、ウェブ端末201と同様の設定が反映される。
Noの場合、設定制御部101は、処理をステップS107に進める。
【0032】
ステップS107において、設定制御部101は、制御アクセス処理を行う。
具体的に、設定制御部101は、ウェブ端末群20の各端末からの指示を受信し、この上で、設定対象機器群30の各機器に対して各種制御を行う。
より具体的には、ウェブ端末群20からのウェブサーバへのリクエストやアクセス等により、設定対象機器群30の各機器に対して、画像・音声の配信、再生、設定、といった制御を行う。
これにより、設定項目データ103に従って、ウェブ端末群20から、設定対象機器群30の各機器の制御や設定を簡便に行うことができる。
【0033】
なお、ウェブ端末群20の各端末が変更した設定対象機器群30の設定を、管理サーバ10の設定制御部101が受信し、設定項目データ103を更新して記憶することも可能である。設定制御部101は、この更新された設定項目データ103に従い、設定項目書込プログラム104も更新し、ウェブ端末群20の各端末に送信することもできる。
以上により、設定処理を終了する。
【0034】
以上のように構成することで、以下のような効果を得ることができる。
まず、従来、監視システムを構成する管理サーバや、ウェブ端末の環境構築作業は、一つ一つの項目を作業員が設定して行う必要があった。
これに対して、本発明の実施の形態に係る監視システムXにおいては、管理サーバ10から、同一の設定を、ウェブ端末群20の各端末にインストールさせることができる。
これにより、監視システムXを構成するウェブ端末群20の環境構築を行う場合、ウェブ端末毎に複数の設定項目を一つ一つ設定する必要がなくなる。このため、作業が効率化し、作業者の負担を少なくすることができる。
また、本実施形態の監視システムXにおいては、管理サーバ10のウェブ端末プログラム102により、設定対象機器群30の設定を行う。このため、このウェブ端末群20に必要な設定内容を、当該ウェブ端末群20に必要な形式で、複数のウェブ端末に一括してコピーし、設定する事ができる。このため、設定間違い等の不具合の発生を減らすことができ、作業を効率化することができる。
【0035】
また、従来技術1においては、既に端末にて監視システムのアプリケーションが実行できる環境になっている場合に、そのアプリケーションを介して、サーバとの通信が可能な状況において、情報の変更等を行う方法が記載されている。しかしながら、従来技術1においては、端末に監視システムとして用いるための環境が構築されていない場合については、想定していなかった。
これに対して、本実施形態の監視システムXにおいては、「設定項目書込プログラム104」と「設定項目データ103」をウェブ端末群20に送信し、受信したウェブ端末群20の各端末により、インストールを実行することにより、項目の設定を行う。
すなわち、一般的なウェブ端末であるウェブ端末群20に、初期の環境構築を行っていない状況でも、設定項目書込プログラム104と設定項目データ103を実行することで、監視システムXの監視端末として用いる環境を簡単に構築できる。
【0036】
また、本発明の実施の形態に係る監視システムXは、管理サーバ10、ウェブ端末群20、設定対象機器群30等で構成される監視システムにおいて、監視システムXの環境構築に使用するインストーラとなる設定制御部101にて、管理サーバ10に対し設定を行う際に、同時にウェブ端末群20と同様のブラウザ等であるウェブ端末プログラム102としての設定も行う。これにより、管理サーバ10は、ウェブ端末群20用の設定項目書込プログラム104と設定項目データ103をローカルフォルダに保存し、ウェブ端末群20に対し、環境構築を行う際、設定項目書込プログラム104と設定項目データ103のコピーを送信し、ウェブ端末がそれらを受信してインストールすることで、設定対象機器群30の対象項目の設定をすることができる。
【0037】
また、本発明の実施の形態に係る監視システムXの管理サーバ10は、管理サーバ10、設定対象機器群30、及びウェブ端末群20を備え、該設定対象機器群30の監視を行う監視システムXの管理サーバ10において、前記ウェブ端末群20用の設定項目データ103及び設定項目書込プログラム104と、前記ウェブ端末群20の環境構築を行う際、前記設定項目データ103及び前記設定項目書込プログラム104を送信する送信手段とを備えることを特徴とする。
【0038】
また、本発明の実施の形態に係る監視システムXは、前記設定制御部101は、更に、前記ウェブ端末群20の各端末から設定情報を取得し、該設定情報に従った設定項目書込プログラム104と、前記設定項目データ103とを送信することを特徴とする。
【0039】
また、本発明の実施の形態に係る監視システムXは、前記設定制御部101は、更に、前記ウェブ端末群20により、前記設定対象機器群30の設定が変更された際に、前記設定項目データ103を更新することを特徴とする。
【0040】
また、本発明の実施の形態に係る監視システムXは、前記設定制御部101は、前記監視システムXの環境構築に使用するインストーラを備え、前記管理サーバ10の設定を行う際に、前記ウェブ端末プログラム102としての設定も行うことを特徴とする。
【0041】
また、本発明の実施の形態に係る監視システムXは、前記設定制御部101は、前記設定対象機器群30の設定をする対象項目を検索して、前記対象項目に従った設定項目データ103を作成することを特徴とする。
【0042】
また、本発明の実施の形態に係る監視システムXは、前記ウェブ端末群20は、前記設定制御部101から受信した前記設定項目書込プログラム104を実行することで、前記対象項目の設定を行うことを特徴とする。
【0043】
なお、上記実施の形態の構成及び動作は例であって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して実行することができることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0044】
5 ネットワーク
10 管理サーバ
20 ウェブ端末群
30 設定対象機器群
101 設定制御部
102 ウェブ端末プログラム
103 設定項目データ
104 設定項目書込プログラム
201、202 ウェブ端末
301 カメラ
302 ENC
303 NDR
X 監視システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理サーバ、設定対象機器、及びウェブ端末を備え、該設定対象機器の監視を行う監視システムの管理サーバにおいて、
前記ウェブ端末用の設定項目データ及び設定項目書込プログラムと、
前記ウェブ端末の環境構築を行う際、前記設定項目データ及び前記設定項目書込プログラムを送信する送信手段とを備える
ことを特徴とする監視システムの管理サーバ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−119967(P2012−119967A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−268270(P2010−268270)
【出願日】平成22年12月1日(2010.12.1)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.FLASH
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】