説明

監視制御システム

【課題】制御対象の配置状態に合わせて最適化された状態に、制御モジュール間をデータ通信路で接続することができるようにする。
【解決手段】離れた拠点に配置されている制御対象Aおよび制御対象Bの制御を、各々,信号配線104および信号配線124で接続する制御装置A101および制御装置B121で制御する。制御装置A101および制御装置B121を構成している各制御モジュール間は、イーサネットによりネットワーク接続する。制御装置A101および制御装置B121の各々においては、複数の制御モジュールをコネクタ接続し、離れて配置されている制御装置A101および制御装置B121の間は、制御モジュール群の端部の制御モジュールに設けられたアダプタを用いて通信ケーブルで接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワーク接続された複数の制御モジュールを用いて複数の制御対象を制御する監視制御システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ビルなどの建築物に設けられている設備やプラント設備の監視制御では、ネットワークで接続された監視制御システムが用いられている。このようなシステムでは、アプリケーションソフトウェアを実行して情報収集機能や制御機能などの各種機能を提供する制御機器などの制御モジュールを用いている(特許文献1参照)。また、制御モジュールを用いた制御対象の制御では、複数の制御モジュールをデータ通信路を介して相互接続し、これら制御モジュール間で各種情報をやり取りすることにより、各制御モジュールで個々の設備(制御対象)を監視制御している。各制御モジュールは、ネットワークの中のノードとなる。
【0003】
このようなネットワークを用いた監視制御システムにおいて、制御モジュール間でより高速なデータ通信を行うため、通信方式としてイーサネット(Ethernet/IEEE802.3u:100BASE-T:登録商標)が用いられるようになってきている(特許文献2参照)。監視制御のためのネットワークシステムでは、各制御モジュールに2つのポートを設け、UTP(Unshielded Twist Pair cable)などの通信ケーブルを介して各制御モジュールをリング状に接続するリング型イーサネットが用いられている(特許文献3参照)。このリング型イーサネットは、データ通信路内に存在するリングトポロジーによる通信エラーを回避するSTP(Spanning Tree Protocol/IEEE 802.1D)機能や、これを改良したRSTP(Rapid Spanning Tree Protocol/IEEE 802.1w)機能などのネットワーク制御機能を用いて、システムの冗長化を実現することが可能となる。
【0004】
図11は、上述したリング型イーサネットシステムにより制御モジュール間を接続した制御装置の構成例である。図12は、従来のリング型のイーサネットシステムによる複数の制御モジュール間の接続例である。ここでは、DINレールなどの架台に並べて取り付けられた6つの制御モジュールN1〜N6が、通信ケーブルLUでリング接続されており、制御モジュールN4のうち制御モジュールN3側のポートでブロッキングが行われている。
【0005】
このブロッキングにより、リングトポロジーからなる元のリングから、ルート制御モジュールN1から制御モジュールN2→制御モジュールN3および制御モジュールN5→制御モジュールN4までの2つの枝経路を持つツリートポロジーが構築される。これにより、物理的にリングトポロジーを形成しているネットワークであっても、データループの発生が回避される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−148214号公報
【特許文献2】特表2008−544658号公報
【特許文献3】特開2005−109846号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した監視制御システムでは、通信ケーブルからなるデータ通信路を介して各制御モジュール間を接続してリング型のイーサネットを構築しているため、制御モジュール間接続に要するハードウェアが複雑化して、ネットワーク全体の製品コストが増大するとともに、メンテナンスの作業負担が増大するという問題点があった。
【0008】
図13は、上述したような制御モジュール間接続回路の要部を示すブロック図である。イーサネットの場合、各制御モジュールNの物理レイヤ部PHYに設けられている送信回路および受信回路は、UTPなどの通信ケーブルLUを介して、他の制御モジュールの物理レイヤ部PHYに設けられている受信回路および送信回路と相互に接続されている。この際、送信回路および受信回路は、所定の通信経路長で一定の通信品質を得るため、トランスを介してコネクタ部に接続されており、これらコネクタ部が通信ケーブルLUで接続される。
【0009】
したがって、例えば一方の制御モジュールN1の送信回路から出力された信号は、トランス−コネクタ部−通信ケーブルLU−コネクタ部−トランスを介して、他方の制御モジュールN2の受信回路で受信される。このため、図12に示したように、同一架台に隣接設置されているような通信経路長が極めて短い制御モジュール間であっても、データ通信のための多くの回路要素を備えることになり、制御モジュール自体、さらにはネットワーク全体の製品コストが増大する。
【0010】
また、制御モジュール間ごとに通信ケーブルLUが必要となり、制御モジュールと通信ケーブルLUとの接続不良やケーブル外れなどに対応するためのメンテナンス作業が増大する。さらには、誤配線の可能性も高くなる。このように、上述した制御モジュール間の接続では、同一架台に配置されるような非常に近くに配置される複数の制御モジュールであっても、通信ケーブルLUを用いて接続するために複雑になりコストの上昇を招くなどの問題があり、制御モジュールの配置環境に適合させた最適な状態で、制御モジュール間が接続されていないという問題があった。
【0011】
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、制御対象の配置状態に合わせて最適化された状態に、制御モジュール間をデータ通信路で接続することができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る監視制御システムは、データ通信路を介して接続された複数の制御モジュールからなる少なくとも複数の制御モジュール群と、各制御モジュール群と信号線を解して接続する複数の制御対象を備える監視制御システムにおいて、制御モジュール群における各制御モジュールは、各々が備えるコネクタ部同士を接続することで隣接する制御モジュールを接続してネットワークを構成し、これら制御モジュールの中の端部の制御モジュールが、各々アダプタを備え、異なる制御モジュール群の間は、端部の制御モジュールが備えるアダプタ同士を通信ケーブルを介して接続してネットワークを構成している。
【0013】
上記監視制御システムにおいて、コネクタ部は、制御モジュールの物理レイヤ部の送受信ポートを隣接する制御モジュールと接続する通信線と、容量素子を介しての物理レイヤ部の送受信ポートを隣接する制御モジュールと接続する通信線とを含んでいるようにすればよい。
【0014】
また、本発明に係る監視制御システムは、データ通信路を介して接続された複数の制御モジュールからなる少なくとも第1の制御モジュール群および第2の制御モジュール群と、第1の制御モジュール群および第2の制御モジュール群とを備え、第1の制御対象および第2の制御対象との各々が信号線を介して接続された監視制御システムにおいて、制御モジュールは、当該制御モジュールの一方に隣接する第1の隣接制御モジュールと当該制御モジュールとを電気的に接続する第1のコネクタ部と、当該制御モジュールの他方に隣接する第2の隣接制御モジュールと当該制御モジュールとを電気的に接続する第2のコネクタ部とを備え、第1のコネクタ部は、当該制御モジュールの第1の物理レイヤ部の受信ポート(送信ポート)を第1の隣接制御モジュールと接続する第1の通信線と、容量素子を介して第1の物理レイヤ部の送信ポート(受信ポート)を第1の隣接制御モジュールと接続する第2の通信線とを含み、第2のコネクタ部は、当該制御モジュールの第2の物理レイヤ部の受信ポート(送信ポート)を第2の隣接制御モジュールと接続する第3の通信線と、容量素子を介して第2の物理レイヤ部の送信ポート(受信ポート)を第2の隣接制御モジュールと接続する第4の通信線とを含み、第1のコネクタ部は、第1の隣接制御モジュールの第2のコネクタ部と接続することにより、当該制御モジュールの第1の通信線を当該第1の隣接制御モジュールの第4の通信線と接続するとともに、当該制御モジュールの第2の通信線を当該第1の隣接制御モジュールの第3の通信線と接続し、第1のコネクタ部は、第1の物理レイヤ部の送信ポート(受信ポート)を第1の隣接制御モジュールと接続する第5の通信線をさらに含み、第2のコネクタ部は、第2の物理レイヤ部の送信ポート(受信ポート)を第2の隣接制御モジュールと接続する第6の通信線をさらに含み、データ通信路を構成する通信ケーブルを接続するための第1のケーブルコネクタを含み、制御モジュールの第1のコネクタ部と接続することにより、当該制御モジュールの第1および第5の通信線を、それぞれ別個の終端トランスを介した通信線で当該第1のケーブルコネクタと接続する第1のアダプタと、データ通信路を構成する他の通信ケーブルを接続するための第2のケーブルコネクタを含み、制御モジュールの第2のコネクタ部と接続することにより、当該制御モジュールの第3および第6の通信線とを、それぞれ別個の終端トランスを介した通信線で当該第2のケーブルコネクタと接続する第2のアダプタとを備え、第1の制御モジュール群の第1のアダプタと第2の制御モジュール群の第2のアダプタとが通信ケーブルで接続されている。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように、本発明によれば、各制御モジュールは、各々が備えるコネクタ部同士を接続することで隣接する制御モジュールを接続し、これら制御モジュールの中の端部の制御モジュールが、各々アダプタを備え、異なる制御モジュール群の間は、端部の制御モジュールが備えるアダプタ同士を通信ケーブルを介して接続するので、制御対象の配置状態に合わせて最適化された状態に、制御モジュール間をデータ通信路で接続することができるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態における監視制御システムの構成を示す構成図である。
【図2】制御モジュール間を接続するネットワークシステム1の構成を示す構成図である。
【図3】制御モジュールおよびアダプタのコネクタ配置例である。
【図4】ネットワークシステム1における制御モジュール間の接続形態を示す説明図である。
【図5】ネットワークシステム1における制御モジュールとアダプタとの接続形態を示す説明図である。
【図6】ネットワークシステム1における制御モジュールとアダプタとの他の接続形態を示す説明図である。
【図7】通信ケーブルを用いた制御モジュール群間の接続例を示す構成図である。
【図8】図7の接続例に基づくネットワークシステムの構成例を示す構成図である。
【図9】コネクタと通信線との接続形態を示す説明図である。
【図10】コネクタと通信線との他の接続形態を示す説明図である。
【図11】従来のリング型イーサネットシステムの構成例である。
【図12】従来のリング型のイーサネットシステムの接続例である。
【図13】従来のモジュール間接続回路の要部を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態における監視制御システムの構成を示す構成図である。このシステムは、制御装置A(第1の制御モジュール群)101および制御装置B(第2の制御モジュール群)121を備える。制御装置A101は、制御モジュール102a,102b,102c,102dを備え、信号配線104を介して接続する制御対象A105を制御する。同様に、制御装置B121は、制御モジュール122a,122b,122c,122dを備え、信号配線124を介して接続する制御対象B125を制御する。
【0018】
また、制御装置A101において、制御モジュール102a,102b,102c,102dは、各々が備えるコネクタ部(不図示)同士を接続することで、隣接する制御モジュールを接続してネットワークを構成している。制御装置B121においても、制御モジュール122a,122b,122c,122dは、各々が備えるコネクタ部(不図示)同士を接続することで、隣接する制御モジュールを接続してネットワークを構成している。コネクタ部は、制御モジュールの物理レイヤ部の送受信ポートを隣接する制御モジュールと接続する通信線と、容量素子を介しての物理レイヤ部の送受信ポートを隣接する制御モジュールと接続する通信線とを含んでいる。
【0019】
また、制御装置A101において、制御モジュール102aが、アダプタ103aを備え、制御モジュール102dが、アダプタ103bを備える。制御装置B121においても、制御モジュール122aが、アダプタ123aを備え、制御モジュール122dが、アダプタ123bを備える。
【0020】
各制御装置においては、複数の制御モジュールからなる制御モジュール群の端部の制御モジュールに設けられたアダプタと、他の制御装置の制御モジュール群の端部の制御モジュールに設けられたアダプタとを、通信ケーブル106を介して接続することで、ネットワークを構成している。図1では、制御モジュール102dのアダプタ103bと、制御モジュール123aのアダプタ123aとを、通信ケーブル106で接続し、制御モジュール102a,102b,102c,102dおよび制御モジュール122a,122b,122c,122dを、イーサネットによるネットワークを構成している。
【0021】
なお、制御装置および制御対象の数は、上述した2組に限るものではなく、3組以上の場合であっても同様である。また、各制御装置における制御モジュールの数も、4ユニットに限るものではなく、2ユニットおよび3ユニットであってもよく、また、5ユニット以上であってもよい。
【0022】
上述したように、本実施の形態では、各制御モジュール間をイーサネットによりネットワーク接続するなかで、離れた拠点に配置されている制御対象Aおよび制御対象Bの制御を、各々,制御装置A101および制御装置B121で制御する構成としたところに特徴がある。制御装置A101および制御装置B121の各々においては、複数の制御モジュールをコネクタ接続し、離れて配置されている制御装置A101および制御装置B121の間は、制御モジュール群の端部の制御モジュールに設けられたアダプタを用いて通信ケーブルで接続している。
【0023】
このように、本実施の形態では、同一拠点において近設できる制御モジュールの間はコネクタ接続し、離れた制御モジュール群の間は、アダプタを用いて通信ケーブルで接続する所に特徴がある。このように構成しているので、制御対象の配置状態に合わせて最適化された状態に、制御モジュール間をデータ通信路で接続することができるようになる。
【0024】
この結果、全ての制御モジュール間を通信ケーブルを用いて接続する場合に比較して、制御モジュール間を結ぶ配線を簡略化することが可能となり、配線工事やメンテナンスの作業負担を低減することができる。また、各制御対象に対応する制御モジュール群は、制御対象ごとに配置しているので、制御モジュール群と制御対象とを接続する信号配線を、長距離に渡って敷設する必要が無いなどの効果が得られる。
【0025】
次に、上述した制御モジュールおよび制御モジュール間のイーサネット接続について、一例を用いてより詳細に説明する。
【0026】
図2は、制御モジュール間を接続するネットワークシステム1の構成を示す構成図である。このネットワークシステム1は、ビル設備やプラント設備を監視制御する監視制御システムなどのネットワークシステムとして用いられ、アプリケーションソフトウェアを実行して情報収集機能や制御機能などの各種機能を提供する制御モジュール10(10A,10B,10C,…)を、データ通信路Lを介してリング状に接続する全二重イーサネットシステムである。
【0027】
各制御モジュール10は、RSTP(Rapid Spanning Tree Protocol)に基づいて、データ通信路に対する冗長化制御処理を行う機能を有している。データ通信路Lは、全二重イーサネットに基づくデータ通信を実現するリング状の通信経路であり、各制御モジュール10間でデータ送受信を並行して実行するため、データ通信路Lには2つの独立した通信線Lx,Lyが設けられている。
【0028】
制御モジュール10には、主な機能部として、物理レイヤ部(PHY:第1の物理レイヤ部)11、物理レイヤ部(PHY:第2の物理レイヤ部)12、リング接続制御部13、アプリケーション処理部14、コネクタ部(第1のコネクタ部)21、およびコネクタ部(第2のコネクタ部)22が設けられている。
【0029】
物理レイヤ部11は、データ通信路Lxの受信ポートP1rとデータ通信路Lyの送信ポートP1tとを含む専用の通信回路からなり、当該制御モジュール10の一方に隣接する隣接制御モジュール(第1の隣接制御モジュール)とデータ通信路Lを介して物理レイヤにおけるデータ送受信を行う機能を有している。
【0030】
物理レイヤ部12は、データ通信路Lyの受信ポートP2rとデータ通信路Lxの送信ポートP2tとを含む専用の通信回路からなり、当該制御モジュール10の他方に隣接する隣接制御モジュール(第2の隣接制御モジュール)とデータ通信路Lを介して物理レイヤにおけるデータ送受信を行う機能を有している。
【0031】
リング接続制御部13は、物理レイヤ部11,12を介して他の制御モジュール10との間のデータ通信を行う機能と、RSTPに基づいて、データ通信路Lに対する冗長化制御処理を行う機能とを有している。
【0032】
アプリケーション処理部14は、リング接続制御部13を介して他の制御モジュールNと上位レイヤにおけるデータ通信を行うことにより、例えばビル設備やプラント設備を監視制御するための各種アプリケーション処理を行う機能を有している。
【0033】
コネクタ部21は、当該制御モジュールの一方に隣接する隣接制御モジュールと当該制御モジュールとのデータ通信路を電気的に接続する機能を有している。コネクタ部22は、当該制御モジュールの他方に隣接する隣接制御モジュールと当該制御モジュールとのデータ通信路を電気的に接続する機能を有している。
【0034】
これにより、例えば制御モジュール10A〜10CがDINレールなどの架台に隣接設置された際、制御モジュール10Bのコネクタ部21が、一方の隣接制御モジュール(第1の隣接制御モジュール)10Aのコネクタ部22と接続するとともに、制御モジュール10Bのコネクタ部22が、他方の隣接制御モジュール(第2の隣接制御モジュール)10Cのコネクタ部22と接続する。
【0035】
ネットワークシステム1は、まず、コネクタ部21に、当該制御モジュールの物理レイヤ部11の受信ポートP1rを一方の隣接制御モジュールと接続する通信線L1と、コンデンサ(容量素子)C1を介して物理レイヤ部11の送信ポートP1tを一方の隣接制御モジュールと接続する通信線L2とを含む。また、コネクタ部22に、当該制御モジュールの物理レイヤ部12の受信ポートP2rを他方の隣接制御モジュールと接続する通信線L3と、コンデンサ(容量素子)C2を介して物理レイヤ部12の送信ポートP2tを他方の隣接制御モジュールと接続する通信線L4とを含む。このように構成した中で、コネクタ部21で、一方の隣接制御モジュールのコネクタ部22と接続することにより、当該制御モジュールの通信線L1を一方の隣接制御モジュールの通信線L4と接続するとともに、当該制御モジュールの通信線L2を一方の隣接制御モジュールの通信線L3と接続するようにしたものである。
【0036】
次に、図2を参照して、ネットワークシステム1および制御モジュール10の構成および動作について詳細に説明する。なお、図2において、1対の通信線L1〜L10は、1本の線で省略して表示されている。
【0037】
コネクタ部21には、コネクタCN1、コンデンサC1、および通信線L1,L2,L5が設けられている。コネクタCN1は、当該制御モジュール10の一方に隣接する隣接制御モジュールと当該制御モジュール10とのデータ通信路Lを電気的に接続するためのコネクタである。コンデンサC1は、当該制御モジュール10と隣接制御モジュールのデータ通信路L3の直流電位差を絶縁する絶縁用のコンデンサである。通信線L1は、コネクタCN1と物理レイヤ部11の受信ポートP1rとを接続するデータ通信路Lx用の通信線である。通信線L2は、コンデンサC1を介してコネクタCN1と物理レイヤ部11の送信ポートP1tとを接続するデータ通信路Ly用の通信線である。通信線L3は、コネクタCN1と物理レイヤ部11の送信ポートP1tとを接続するデータ通信路Ly用の通信線である。
【0038】
コネクタ部22には、コネクタCN2、コンデンサC2、および通信線L3,L4,L6が設けられている。コネクタCN2は、当該制御モジュール10の他方に隣接する隣接制御モジュールと当該制御モジュール10とのデータ通信路Lを電気的に接続するためのコネクタである。コンデンサC2は、当該制御モジュール10と隣接制御モジュールのデータ通信路L1の直流電位差を絶縁する絶縁用のコンデンサである。通信線L4は、コネクタCN1と物理レイヤ部12の受信ポートP2rとを接続するデータ通信路Ly用の通信線である。通信線L5は、コンデンサC2を介してコネクタCN2と物理レイヤ部12の送信ポートP2tとを接続するデータ通信路Lx用の通信線である。通信線L6は、コネクタCN2と物理レイヤ部12の送信ポートP2tとを接続するデータ通信路Lx用の通信線である。
【0039】
また、ネットワークシステム1では、隣接配置された制御モジュール10の両端に、アダプタ31,32が接続される。
【0040】
アダプタ31には、コネクタCN11,CN12、終端トランス(Transformer)T1x,T1y、および通信線L7,L8が設けられている。コネクタCN11は、当該アダプタ31が接続される制御モジュール10とのデータ通信路Lを電気的に接続するためのコネクタである。コネクタCN(第1のケーブルコネクタ)12は、例えばRJ−45などのコネクタからなり、データ通信路Lを構成する通信ケーブル(第1の通信ケーブル)LU1を接続するためのケーブルコネクタである。終端トランスT1x,T1yは、当該制御モジュール10と通信ケーブルLU1のデータ通信路Lx,Lyの直流電位差をそれぞれ絶縁するとともに、インピーダンスをそれぞれ整合して終端するための終端トランスである。通信線L7は、終端トランスT1xを介してコネクタCN11とケーブルコネクタCN12とを接続するデータ通信路Lx用の通信線である。通信線L8は、終端トランスT1yを介してコネクタCN11とケーブルコネクタCN12とを接続するデータ通信路Ly用の通信線である。
【0041】
アダプタ32には、コネクタCN21,CN22、終端トランス(Transformer)T2x,T2y、および通信線L9,L10が設けられている。コネクタCN21は、当該アダプタ32が接続される制御モジュール10とのデータ通信路Lを電気的に接続するためのコネクタである。コネクタCN22(第2のケーブルコネクタ)は、例えばRJ−45などのコネクタからなり、データ通信路Lを構成する通信ケーブル(第2の通信ケーブル)LU2を接続するためのケーブルコネクタである。終端トランスT2x,T2yは、当該制御モジュール10と通信ケーブルLU2のデータ通信路Lx,Lyの直流電位差をそれぞれ絶縁するとともに、インピーダンスをそれぞれ整合して終端するための終端トランスである。通信線L9は、終端トランスT2yを介してコネクタCN21とケーブルコネクタCN22とを接続するデータ通信路Ly用の通信線である。通信線L10は、終端トランスT2xを介してコネクタCN21とケーブルコネクタCN22とを接続するデータ通信路Lx用の通信線である。
【0042】
図3は、制御モジュールおよびアダプタのコネクタ配置例である。ここでは、各制御モジュール10の背面部の左右両側端部10L,10Rに、接続端子がそれぞれの隣接制御モジュール側を向くように横向きにコネクタCN1,CN2が配置されている。これにより、図2に示したように、制御モジュール10A,10B,10Cを隣接配置した場合、制御モジュール10BのコネクタCN1が制御モジュール10AのコネクタCN2と勘合するとともに、制御モジュール10BのコネクタCN2が制御モジュール10CのコネクタCN1と勘合する。これにより、通信ケーブルを用いることなく隣接制御モジュール10間が接続される。
【0043】
また、アダプタ31の背面部の右側端部31Rに、接続端子が隣接制御モジュール側を向くように横向きにコネクタCN11が配置されており、アダプタ32の背面部の左側端部32Lに、接続端子が隣接制御モジュール側を向くように横向きにコネクタCN21が配置されている。これにより、図2に示したように、隣接配置された制御モジュール10A,10B,10Cの一端に位置する制御モジュール10Aにアダプタ31を隣接配置するとともに、他端に位置する制御モジュール10Cにアダプタ32を隣接配置した場合、アダプタ31のコネクタCN11が制御モジュール10AのコネクタCN1と勘合し、アダプタ32のコネクタCN21が制御モジュール10CのコネクタCN2と勘合する。これにより、制御モジュール10Aが通信ケーブルLU1と接続され、制御モジュール10Cが通信ケーブルLU2と接続されて、隣接配置された制御モジュール10A,10B,10Cのデータ通信路Lが、離れた場所に配置されている他の制御モジュールと通信ケーブルLU1,LU2を介して接続される。
【0044】
図4は、ネットワークシステム1における制御モジュール間の接続形態を示す説明図であり、図2の制御モジュール10A,10B間の接続形態が例として示されている。図4に示すように、制御モジュール10A,10Bが隣接配置された場合、制御モジュール10AのコネクタCN2と制御モジュール10BのコネクタCN1とが接続されて、制御モジュール10Aの通信線L4と制御モジュール10Bの通信線L1が接続されるとともに、制御モジュール10Aの通信線L3と制御モジュール10Bの通信線L2が接続される。
【0045】
これにより、制御モジュール10Aの物理レイヤ部12に設けられた送信回路TRの送信ポートP2tは、通信線L6の絶縁用コンデンサC2を介して、制御モジュール10Bの物理レイヤ部11に設けられた受信回路RVの受信ポートP1rと接続され、データ通信路Lx用の1対の通信路が形成される。
また、制御モジュール10Bの物理レイヤ部11に設けられた送信回路TRの送信ポートP1tは、通信線L3の絶縁用コンデンサC1を介して、制御モジュール10Aの物理レイヤ部12に設けられた受信回路RVの受信ポートP2rと接続され、データ通信路Ly用の1対の通信路が形成される。
【0046】
このようにして、隣接する制御モジュール10間が、それぞれコネクタ部21,22により接続されて、2つの独立したデータ通信路Lx,Lyが形成される。これにより、通信ケーブルを用いることなく、隣接配置された各制御モジュール10をデイジーチェーン状に結ぶ全二重イーサネットシステムが構築される。
【0047】
図5は、ネットワークシステム1における制御モジュールとアダプタとの接続形態を示す説明図であり、図2の制御モジュール10Aとアダプタ31との間の接続形態が例として示されている。
【0048】
図5に示すように、制御モジュール10Aとアダプタ31とが隣接配置された場合、制御モジュール10AのコネクタCN1とアダプタ31のコネクタCN11とが接続されて、制御モジュール10Aの通信線L1とアダプタ31の通信線L7が接続されるとともに、制御モジュール10Aの通信線L5とアダプタ31の通信線L8が接続される。
【0049】
これにより、制御モジュール10Aの物理レイヤ部11に設けられた受信回路RVの受信ポートP1rは、通信線L1から通信線L7の終端トランスT1xを介して、アダプタ31のケーブルコネクタCN12と接続され、データ通信路Lx用の通信路が形成される。また、制御モジュール10Aの物理レイヤ部11に設けられた送信回路TRの送信ポートP1tは、通信線L2から通信線L8の終端トランスT1yを介して、アダプタ31のケーブルコネクタCN12と接続され、データ通信路Ly用の通信路が形成される。
【0050】
図6は、ネットワークシステム1における制御モジュールとアダプタとの他の接続形態を示す説明図であり、図2の制御モジュール10Cとアダプタ32との間の接続形態が例として示されている。
【0051】
図6に示すように、制御モジュール10Cとアダプタ32とが隣接配置された場合、制御モジュール10CのコネクタCN2とアダプタ32のコネクタCN21とが接続されて、制御モジュール10Cの通信線L3とアダプタ32の通信線L9が接続されるとともに、制御モジュール10Cの通信線L6とアダプタ32の通信線L10が接続される。
【0052】
これにより、制御モジュール10Cの物理レイヤ部12に設けられた送信回路TRの送信ポートP2tは、通信線L6から通信線L10の終端トランスT2xを介して、アダプタ32のケーブルコネクタCN22と接続され、データ通信路Lx用の通信路が形成される。また、制御モジュール10Cの物理レイヤ部12に設けられた受信回路RVの受信ポートP2rは、通信線L3から通信線L9の終端トランスT2yを介して、アダプタ32のケーブルコネクタCN22と接続され、データ通信路Ly用の通信路が形成される。
【0053】
このようにして、隣接する制御モジュール10Aがコネクタ部21によりアダプタ31と接続されて、2つの独立したデータ通信路Lx,Lyが通信ケーブルLU1と接続される。また、隣接する制御モジュール10Cがコネクタ部22によりアダプタ32と接続されて、2つの独立したデータ通信路Lx,Lyが通信ケーブルLU2と接続される。
【0054】
図7は、通信ケーブルを用いた制御モジュール群間の接続例である。図8は、図7の接続例に基づくネットワークシステムの構成例である。ここでは、図2に示したように隣接配置された制御モジュールN1,N2,N3からなる制御モジュール群と、同じく隣接配置された制御モジュールN4,N5,N6からなる制御モジュール群のうち、制御モジュールN1に接続されたアダプタA1と制御モジュールN6に接続されたアダプタA3とが通信ケーブルLU1を介して接続され、制御モジュールN3に接続されたアダプタA2と制御モジュールN4に接続されたアダプタA4とが通信ケーブルLU2を介して接続されている。
【0055】
これにより、図8に示すように、離れた場所に配置された複数の制御モジュール群が通信ケーブルLU1,LU2を介して接続され、これら制御モジュールN1〜N6をリング状に結ぶ全二重イーサネットシステムが構築される。
【0056】
図9は、コネクタと通信線との接続形態を示す説明図である。図9に示すように、制御モジュール10のコネクタCN1,CN2とアダプタ31のコネクタCN11では、データ通信路Lx,Lyの通信線数より多い接続端子を用いている。図4〜図6で示したように、データ通信路Lx,Lyはそれぞれ1対の通信線から構成されているため、2組の通信線、すなわち合計4本の通信線が必要となる。これに対して本実施の形態では、コネクタCN1,CN2,CN11では、4組の通信線、すなわち合計8本の通信線を接続する4つの接続端子組J1〜J4が設けられている。なお、図9では、1対の通信線を1本の線で省略して表示している。
【0057】
具体的には、コネクタCN1には、いずれの通信線も接続されておらず電気的に開放状態の接続端子組J1、通信線L1が接続された接続端子組J2、コンデンサC1を含む通信線L3が接続され接続端子組J3、および通信線L5が接続された接続端子組J4が設けられている。
また、コネクタCN2には、通信線L6が接続された接続端子組J1、コンデンサC2を含む通信線L4が接続され接続端子組J2、通信線L3が接続された接続端子組J3、および開放状態の接続端子組J4が設けられている。
また、コネクタCN11には、開放状態の接続端子組J1,J3、終端トランスT1xを含む通信線L7が接続された接続端子組J2、終端トランスT1yを含む通信線L8が接続された接続端子組J4が設けられている。
【0058】
これにより、一方の制御モジュール10のコネクタCN1に対して他方の制御モジュール10のコネクタCN2が接続された場合、コネクタCN1の接続端子組J1とコネクタCN2の接続端子組J4とが開放状態であることから、コネクタCN1の接続端子組J2,J3がコネクタCN2の接続端子組J2,J3と接続される。したがって、一方の制御モジュール10の通信線L1,L3が他方の制御モジュール10の通信線L4,L3とそれぞれ接続されるため、図4に示したように、コンデンサC1,C2により直流電位差が絶縁された状態で制御モジュール10間が接続される。
【0059】
一方、制御モジュール10のコネクタCN1に対してアダプタ31のコネクタCN11が接続された場合、コネクタCN11の接続端子組J1,J3が開放状態であることから、コネクタCN1の接続端子組J2,J4がコネクタCN11の接続端子組J2,J4と接続される。したがって、制御モジュール10の通信線L1,L5がアダプタ31の通信線L7,L8とそれぞれ接続されるため、図5に示したように、終端トランスT1x,T1yにより直流電位差が絶縁された状態で制御モジュール10とアダプタ31とが接続される。
【0060】
これにより、制御モジュール10に対して他の制御モジュール10を接続した場合にのみ、両者間を結ぶデータ通信路Lx,LyのそれぞれにコンデンサC1,C2が挿入される。また、制御モジュール10に対してアダプタ31を接続した場合には、両者間を結ぶデータ通信路Lx,Lyから、通信ケーブルとの接続に不要なコンデンサC1,C2が排除され、通信ケーブルとの接続に必要となる終端トランスT1x,T1yのみがデータ通信路Lx,Lyのそれぞれに挿入される。
【0061】
したがって、回路切替用のスイッチを必要とすることなく、制御モジュール10のコネクタCN1に対して、他の制御モジュール10のコネクタCN2とアダプタ31のコネクタCN11とを共通に接続することができる。
【0062】
図10は、コネクタと通信線との他の接続形態を示す説明図である。図10に示すように、アダプタ31と同様にアダプタ32のコネクタCN11でも、データ通信路Lx,Lyの通信線数より多い接続端子を用いている。これにより、コネクタCN21においても、4組の通信線、すなわち合計8本の通信線を接続する4つの接続端子組J1〜J4が設けられている。なお、図10では、1対の通信線を1本の線で省略して表示している。
【0063】
具体的には、コネクタCN21には、終端トランスT2xを含む通信線L10が接続された接続端子組J1、終端トランスT2yを含む通信線L9が接続された接続端子組J3、開放状態の接続端子組J2,J4が設けられている。なお、コネクタCN1,CN2の接続端子組J1〜J4については、図9と同様である。
【0064】
これにより、一方の制御モジュール10のコネクタCN2に対して他方の制御モジュール10のコネクタCN1が接続された場合、コネクタCN1の接続端子組J1とコネクタCN2の接続端子組J4とが開放状態であることから、コネクタCN1の接続端子組J2,J3がコネクタCN2の接続端子組J2,J3と接続される。したがって、一方の制御モジュール10の通信線L4,L3が他方の制御モジュール10の通信線L1,L2とそれぞれ接続されるため、図4に示したように、コンデンサC1,C2により直流電位差が絶縁された状態で制御モジュール10間が接続される。
【0065】
一方、制御モジュール10のコネクタCN2に対してアダプタ32のコネクタCN21が接続された場合、コネクタCN21の接続端子組J2,J4が開放状態であることから、コネクタCN2の接続端子組J1,J3がコネクタCN21の接続端子組J1,J3と接続される。したがって、制御モジュール10の通信線L6,L3がアダプタ32の通信線L10,L9とそれぞれ接続されるため、図6に示したように、終端トランスT2x,T2yにより直流電位差が絶縁された状態で制御モジュール10とアダプタ32とが接続される。
【0066】
これにより、制御モジュール10に対して他の制御モジュール10を接続した場合にのみ、両者間を結ぶデータ通信路Lx,LyのそれぞれにコンデンサC1,C2が挿入される。また、制御モジュール10に対してアダプタ32を接続した場合には、両者間を結ぶデータ通信路Lx,Lyから、通信ケーブルとの接続に不要なコンデンサC1,C2が排除され、通信ケーブルとの接続に必要となる終端トランスT2x,T2yのみがデータ通信路Lx,Lyのそれぞれに挿入される。
【0067】
したがって、回路切替用のスイッチを必要とすることなく、制御モジュール10のコネクタCN2に対して、他の制御モジュール10のコネクタCN1とアダプタ32のコネクタCN21とを共通に接続することができる。
【0068】
なお、各制御モジュール10に、当該制御モジュール10を通過してコネクタ部21とコネクタ部22とを直接接続する2本の制御モジュールバイパス用の通信線を設けるようにしてもよい。これらの通信線は、各々対の通信線から構成されており、制御モジュール10の物理レイヤ部11,12などの回路部とは接続されていない。これにより、例えばモジュール10Bのコネクタ部21に設けられたコネクタCN1とモジュール10Aのコネクタ部22に設けられたコネクタCN2とを接続した場合、モジュール10Bのバイパス用の通信線が、モジュール10Aのバイパス用の通信線と接続される。このようにすることで、バイパス用の通信線を、データ通信路Lx,Lyの冗長経路として利用できる。
【0069】
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、当分野において通常の知識を有する者により、多くの変形が実施可能であることは明白である。例えば、ループ接続ではないデージーチェーンにより各制御モジュールを接続してもよい。
【符号の説明】
【0070】
101…制御装置A、102a,102b,102c,102d…制御モジュール、103a,103b…アダプタ、104…信号配線、105…制御対象A、106…通信ケーブル、121…制御装置B、122a,122b,122c,122d…制御モジュール、123a,123b…アダプタ、124…信号配線、125…制御対象B。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ通信路を介して接続された複数の制御モジュールからなる少なくとも複数の制御モジュール群と、各制御モジュール群と信号線を解して接続する複数の制御対象を備える監視制御システムにおいて、
前記制御モジュール群における各制御モジュールは、各々が備えるコネクタ部同士を接続することで隣接する制御モジュールを接続してネットワークを構成し、これら制御モジュールの中の端部の制御モジュールが、各々アダプタを備え、
異なる前記制御モジュール群の間は、端部の前記制御モジュールが備える前記アダプタ同士を通信ケーブルを介して接続してネットワークを構成している
ことを特徴とする監視制御システム。
【請求項2】
請求項1記載の監視制御システムにおいて、
前記コネクタ部は、前記制御モジュールの物理レイヤ部の送受信ポートを隣接する前記制御モジュールと接続する通信線と、容量素子を介しての物理レイヤ部の送受信ポートを隣接する前記制御モジュールと接続する通信線とを含んでいる
ことを特徴とする監視制御システム。
【請求項3】
データ通信路を介して接続された複数の制御モジュールからなる少なくとも第1の制御モジュール群および第2の制御モジュール群と、前記第1の制御モジュール群および前記第2の制御モジュール群とを備え、第1の制御対象および第2の制御対象との各々が信号線を介して接続された監視制御システムにおいて、
前記制御モジュールは、当該制御モジュールの一方に隣接する第1の隣接制御モジュールと当該制御モジュールとを電気的に接続する第1のコネクタ部と、当該制御モジュールの他方に隣接する第2の隣接制御モジュールと当該制御モジュールとを電気的に接続する第2のコネクタ部とを備え、
前記第1のコネクタ部は、
当該制御モジュールの第1の物理レイヤ部の受信ポート(送信ポート)を前記第1の隣接制御モジュールと接続する第1の通信線と、
容量素子を介して前記第1の物理レイヤ部の送信ポート(受信ポート)を前記第1の隣接制御モジュールと接続する第2の通信線と
を含み、
前記第2のコネクタ部は、
当該制御モジュールの第2の物理レイヤ部の受信ポート(送信ポート)を前記第2の隣接制御モジュールと接続する第3の通信線と、
容量素子を介して前記第2の物理レイヤ部の送信ポート(受信ポート)を前記第2の隣接制御モジュールと接続する第4の通信線と
を含み、
前記第1のコネクタ部は、前記第1の隣接制御モジュールの前記第2のコネクタ部と接続することにより、当該制御モジュールの前記第1の通信線を当該第1の隣接制御モジュールの前記第4の通信線と接続するとともに、当該制御モジュールの前記第2の通信線を当該第1の隣接制御モジュールの前記第3の通信線と接続し、
前記第1のコネクタ部は、前記第1の物理レイヤ部の送信ポート(受信ポート)を前記第1の隣接制御モジュールと接続する第5の通信線をさらに含み、
前記第2のコネクタ部は、前記第2の物理レイヤ部の送信ポート(受信ポート)を前記第2の隣接制御モジュールと接続する第6の通信線をさらに含み、
前記データ通信路を構成する通信ケーブルを接続するための第1のケーブルコネクタを含み、前記制御モジュールの前記第1のコネクタ部と接続することにより、当該制御モジュールの第1および第5の通信線を、それぞれ別個の終端トランスを介した通信線で当該第1のケーブルコネクタと接続する第1のアダプタと、
前記データ通信路を構成する他の通信ケーブルを接続するための第2のケーブルコネクタを含み、前記制御モジュールの前記第2のコネクタ部と接続することにより、当該制御モジュールの第3および第6の通信線とを、それぞれ別個の終端トランスを介した通信線で当該第2のケーブルコネクタと接続する第2のアダプタと
を備え、
前記第1の制御モジュール群の前記第1のアダプタと前記第2の制御モジュール群の前記第2のアダプタとが通信ケーブルで接続されている
ことを特徴とする監視制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−101222(P2011−101222A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−254837(P2009−254837)
【出願日】平成21年11月6日(2009.11.6)
【出願人】(000006666)株式会社山武 (1,808)
【Fターム(参考)】