説明

直流接続装置

【課題】太陽光発電や家庭用燃料電池などの直流配電システムに適し、プラグとコンセントを着脱する際のアークの発弧を防止することが可能な直流接続装置を提供する。
【解決手段】コンセント(第1コネクタ)10は、プラグ(第2コネクタ)20の第1接続端子21,22と接続される第2接続端子11,12と、直流電源2と第2接続端子11の間に直列接続された半導体スイッチ13と、第2接続端子11,12に対する第1接続端子21,22の相対的な位置関係を検出する接続状態検出装置14と、接続状態検出装置14による検出結果に応じて半導体スイッチ13をオン又はオフさせる制御回路15を備え、制御回路15は、第1接続端子21,22と第2接続端子11,12が確実に電気的接続された状態にあるときに、半導体スイッチ13をオン及びオフさせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽光発電や家庭用燃料電池などの直流配電システムに適する直流接続装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、太陽光発電や家庭用燃料電池などの直流配電システムが一般家庭などにおいても普及しつつあり、これら直流配電システムの電源電圧は400V前後であり、従来からの交流配電システムの電源電圧である100V又は200V等と比べて高圧である。周知のように、電源の電圧が高くなると、コネクタやコンセントなどの接続装置を着脱する際にアークが発弧する。特に、直流電源の場合、接続装置を切り離す際にアークが発弧すると、電流が容易には遮断されず、負荷に電流が流れ続けるため、安全性に問題がある。そこで、本出願人は、例えば特許文献1に示されているように、直流接続用プラグの端子間にコンデンサを接続し、プラグをコンセントから抜き取る際のアークの発生を防止した直流接続装置を提案している。この直流接続装置によれば、プラグをコンセントから抜き取る際、コンデンサ時充電された電荷が放電され、その放電電流によってプラグの端子電圧をコンセントの端子電圧とほぼ同電位にして、アークの発弧を抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−146783号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記直流接続装置は構造が簡単であるため、小型で低コストの直流接続装置を提供することができるが、専ら負荷側に用いられるプラグにのみコンデンサが設けられているため、プラグをソケットに挿入する際のアークの発弧を防止することができない。そこで、本発明は、上記従来例の問題を解決するためになされたものであり、プラグとコンセントを着脱する際のアークの発弧を防止することが可能な直流接続装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために発明の一態様に係る直流接続装置は、直流電源側又は負荷側と接続される第1コネクタと、前記第1コネクタに接続される第2コネクタからなり、前記第1コネクタ又は前記第2コネクタは、少なくとも一方の端子の一部が他方の端子に接触したことが検出されたときにオンされ、前記一方の端子が前記他方の端子から完全に離れる前にオフされる半導体スイッチを備えたことを特徴とする。
【0006】
また、発明の他の一態様に係る直流接続装置は、直流電源側又は負荷側と接続される第1コネクタと、前記第1コネクタに接続される第2コネクタからなる直流接続装置であって、前記第1コネクタは一対の第1接続端子を備え、前記第2コネクタは、前記第1接続端子と電気的に接続される1対の第2接続端子を備え、前記第1コネクタは、前記直流電源側又は前記負荷側と前記1対の第1接続端子のいずれか一方の第1接続端子の間に直列接続された半導体スイッチと、前記第1接続端子に対する前記第2接続端子の相対的な位置関係を検出する接続状態検出装置と、前記接続状態検出装置による検出結果に応じて前記半導体スイッチをオン又はオフさせる制御回路を備え、前記接続状態検出装置は、前記第1接続端子に対する前記第2接続端子の相対的な位置の変化を検出し、前記制御回路は、前記第1接続端子に対する前記第2接続端子の相対的な位置が、前記第1接続端子と前記第2接続端子が確実に電気的接続された状態にあるときに、前記半導体スイッチをオン及びオフさせることを特徴とする。
【0007】
上記構成において、前記第1接続端子と前記第2接続端子が確実に電気的接続された状態とは、前記第1接続端子に対して前記第2接続端子が相対的にそれ以上変位できなくなった位置にあること又はその手前近傍の位置にあることが好ましい。
【0008】
また、前記制御回路は、前記第1接続端子に対する前記第2接続端子の相対的な位置が、前記第1接続端子と前記第2接続端子が電気的に完全に接続された状態から、逆方向に変位され、かつ、前記第1接続端子と前記第2接続端子が電気的に完全に非接続になる状態までの間に、前記半導体スイッチをオフさせることが好ましい。
【0009】
また、前記接続状態検出装置は、前記第1接続端子に対して前記第2接続端子が相対的にそれ以上変位できなくなった位置又はその手前近傍の位置に設けられ、前記第2接続端子に接触する機械スイッチを含むことが好ましい。
【0010】
または、前記接続状態検出装置は、前記第1接続端子に対して前記第2接続端子が相対的にそれ以上変位できなくなった位置又はその手前近傍の位置に設けられ、前記第2接続端子の存在を検出する発光素子及び受光素子を備えた光学センサを含むことが好ましい。
【0011】
または、前記接続状態検出装置は、前記第1コネクタの本体に設けられ、前記第1コネクタの本体に前記第2コネクタの本体が接触したことを検出するセンサ又はスイッチを含むことが好ましい。
【0012】
また、前記第1コネクタは、前記負荷側に流れる電流を検出するための電流検出回路を備え、それに応じて前記制御回路には、少なくとも1つの電流閾値が設定され、前記制御回路は、前記電流検出回路により検出された電流値が前記閾値を超えたときに前記半導体スイッチをオフし、電流値が前記閾値以下になったときに前記半導体スイッチをオンすることが好ましい。
【0013】
また、前記第1コネクタは、前記負荷側に印加される電圧を検出するための電圧検出回路を備え、それに応じて前記制御回路には、少なくとも1つの電圧閾値が設定され、前記制御回路は、前記電圧検出回路により検出された電圧値が前記閾値を超えたときに前記半導体スイッチをオフし、電圧値が前記閾値以下になったときに前記半導体スイッチをオンすることが好ましい。
【0014】
または、前記第1コネクタは、前記負荷側に流れる電流を検出するための電流検出回路及び前記負荷側に印加される電圧を検出するための電圧検出回路を備え、それに応じて前記制御回路には、少なくとも1つの電流閾値及び少なくとも1つの電圧閾値が設定され、前記半導体スイッチは、2つのFETが、そのソース及びドレインが互いに逆向きとなるように直列接続されてなり、前記制御回路は、前記電流検出回路により検出された電流値が前記閾値を超えたときに前記2つのFETのうち一方のFETをオフし、電流値が前記閾値以下になったときに該前記一方のFETをオンし、前記電圧検出回路により検出された電圧値が前記閾値を超えたときに前記2つのFETのうち他方のFETをオフし、電圧値が前記閾値以下になったときに該他方のFETをオンすることが好ましい。
【0015】
または、前記第1コネクタは、前記負荷側に流れる電流を検出するための電流検出回路及び前記負荷側に印加される電圧を検出するための電圧検出回路を備え、それに応じて前記制御回路には、少なくとも1つの電流閾値及び少なくとも1つの電圧閾値が設定され、前記半導体スイッチは、GaN/AlGaNを用いた横型トランジスタ構造を有する双方向スイッチ素子であり、前記制御回路は、前記電流検出回路により検出された電流値が前記閾値を超えたとき又は前記電圧検出回路により検出された電圧値が前記閾値を超えたときに前記双方向スイッチ素子をオフし、前記電流値が前記閾値以下になったときに又は前記電圧値が前記閾値以下になったときに前記双方向スイッチ素子をオンすることが好ましい。
【0016】
また、前記制御回路は、タイマーを備え、それに応じて時間閾値が設定されており、前記制御回路は、前記タイマーによって前記電流検出回路により検出された電流値が前記閾値を超えている時間を検出し、さらに超過時間が前記時間閾値を超えたときに、前記半導体スイッチをオフすることが好ましい。
【0017】
また、前記第1コネクタは、前記第1接続端子と前記半導体スイッチの間に直列接続された有接点開閉装置をさらに備えたことが好ましい。
【0018】
また、前記制御回路は、前記第1接続端子と前記第2接続端子が完全に電気的に接続された状態となり、かつ、前記有接点開閉装置のオン動作完了後に、前記半導体スイッチをオンさせることが好ましい。
【0019】
また、前記制御回路は、前記第1接続端子に対する前記第2接続端子の相対的な位置が、前記第1接続端子と前記第2接続端子が電気的に完全に接続された状態から、逆方向に変位され、かつ、前記第1接続端子と前記第2接続端子が電気的に完全に非接続になる状態までの間であって、さらに、前記半導体スイッチをオフさせた後に、前記有接点開閉装置をオフさせることが好ましい。
【0020】
また、前記第1接続端子に対する前記第2接続端子の変位は、直線動作及び回転動作のいずれか一方又は直線動作及び回転動作の両方を含み、前記制御回路は、前記第1接続端子に対して前記第2接続端子が相対的にそれ以上変位できなくなった後に、前記有接点開閉装置をオンさせることが好ましい。
【0021】
また、前記第1コネクタは、前記第1接続端子に対して前記第2接続端子が相対的にそれ以上変位できなくなった状態をロックするロック機構をさらに備え、前記制御回路は、前記ロック機構が前記第1接続端子及び前記第2接続端子をロックしている間に、前記有接点開閉装置をオン及びオフさせることが好ましい。
【0022】
また、前記第1コネクタは、交流電源側又は前記負荷側に接続される1対の第3接続端子をさらに備えたことが好ましい。
【0023】
また、前記第1コネクタは、前記交流電源側と前記1対の第3接続端子のいずれか一方の第3接続端子の間に直列接続された交流回路遮断機と、前記交流電源側と前記負荷側又は他の負荷側の間の交流回路に流れる地絡電流を検出する交流地絡電流検出回路と、前記直流電源側と前記負荷側の間の直流回路に流れる地絡電流を検出する直流地絡電流検出回路をさらに備え、前記制御回路は、前記直流地絡電流検出回路又は前記交流地絡電流検出回路のいずれか一方が地絡電流を検出すると、前記直流電源側に接続された半導体スイッチ及び前記交流電源側に接続された交流回路遮断機の両方をオフすることが好ましい。
【0024】
また、前記直流地絡電流検出回路及び前記交流地絡電流検出回路の少なくとも一部が共通であることが好ましい。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、第1コネクタの端子(第1接続端子)の一部が、必ず第2コネクタの端子(第2接続端子)に接触した状態で半導体スイッチがオンオフされる。例えば第1コネクタ(例えばコンセント)に第2コネクタ(例えばプラグ)に接続するときは、第1コネクタの端子と第2コネクタの端子が電気的に接続されるまで半導体スイッチはオンされず、第1コネクタの端子と第2コネクタの端子の間にアークは発弧しない。また、第1コネクタを第2コネクタから切り離すときも、先に半導体スイッチがオフされてから第1コネクタの端子が第2コネクタの端子から離反するので、第1コネクタの端子と第2コネクタの端子の間にアークは発弧しない。第1コネクタの端子と第2コネクタの端子の接触状態は、例えば第2コネクタに設けられたセンサなどにより検出可能である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施形態に係る直流接続装置の基本構成を示すブロック図。
【図2】上記直流接続装置における接続状態検出装置の具体的構成を示す図。
【図3】上記直流接続装置における接続状態検出装置の別の具体的構成を示す図。
【図4】上記直流接続装置における接続状態検出装置のさらに別の具体的構成を示す図。
【図5】上記直流接続装置の変形例の構成を示すブロック図。
【図6】FETを用いた半導体スイッチの回路構成例を示す図。
【図7】2つのFETに代えて、GaN/AlGaNを用いた横型トランジスタ構造を有する双方向スイッチ素子を用いた半導体スイッチの回路構成例を示す図。
【図8】双方向スイッチ素子(シングルゲート)の構成を示す平面図。
【図9】図8における範囲Aの拡大図。
【図10】図8におけるB−B断面図。
【図11】双方向スイッチ素子(デュアルゲート)の構成を示す平面図。
【図12】図11におけるC−C断面図。
【図13】上記直流接続装置の他の変形例の構成を示すブロック図。
【図14】第2コネクタ(コンセント)に対する第1コネクタ(プラグ)の着脱方法の一例を示す図。
【図15】第1コネクタ(プラグ)を第2コネクタ(コンセント)にロックする機構の一例を示す図。
【図16】上記直流接続装置のさらに他の変形例を示すブロック図。
【図17】上記直流接続装置のさらに他の変形例を示すブロック図。
【図18】上記直流接続装置のさらに他の変形例を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の一実施形態に係る直流接続装置について説明する。直流接続装置は、直流電源側又は負荷側と接続される第1コネクタと、第1コネクタに接続される第2コネクタからなり、第1コネクタは一対の第1接続端子を備え、第2コネクタは、第1接続端子と電気的に接続される1対の第2接続端子を有している。第1コネクタ及び第2コネクタの形状や用途は特に限定されず、また第1接続端子及び第2接続端子の形状や凹凸関係も特に限定されない。便宜上、以下に説明するように、半導体スイッチと、接続状態検出装置と、制御回路を備えたものを第1コネクタと称し、これらを備えていないものを第2コネクタと称する。
【0028】
図1は、本実施形態に係る直流接続装置1の基本構成を示すブロック図である。図1では、第1コネクタを、例えば建築物の壁面4に設けられたコンセント10とし、第2コネクタをソケット20として例示する。コンセント10は直流電源2に接続され、プラグ20は直流駆動される負荷3に、例えばケーブルを介して接続されている。プラグ20は、プラグ本体20aから突出する一対の第2接続端子21及び22を備えている。コンセント10は、プラグ20の第2接続端子21,22と電気的に接続される1対の第1接続端子11及び12と、直流電源2と1対の第1接続端子11,12のいずれか一方の第1接続端子11の間に直列接続された半導体スイッチ(SW)13を備えている。また、コンセント10は、第1接続端子11,12に対する第2接続端子21,22の相対的な位置関係を検出する接続状態検出装置14と、接続状態検出装置14による検出結果に応じて半導体スイッチ13をオン又はオフさせる制御回路15を備えている。
【0029】
半導体スイッチ13は、例えばFET(電界効果トランジスタ)などの半導体スイッチ素子であり、制御回路15は、接続状態検出装置14による検出結果に応じてこのFETのゲート電圧を制御する。接続状態検出装置14の構成は特に限定されるものではなく、プラグ20をコンセント10に対して着脱する際に、コンセント10の第1接続端子11,12に対するプラグ20の第2接続端子21,22の相対的な位置の変化が検出できればよい。
【0030】
図2に示すように、接続状態検出装置14は、第1接続端子11,12に対して第2接続端子21,22が相対的にそれ以上変位できなくなった位置又はその手前近傍の位置に設けられ、第2接続端子21,22に接触する機械スイッチ31で構成されていてもよい。
【0031】
プラグ20をコンセント10に接続させる場合、第1接続端子11.12に対して第2接続端子21,22が相対的にそれ以上変位できなくなるか又はその直前に第2接続端子21,22が機械スイッチ31に接触し、機械スイッチ31がオン又はオフする。それによって、制御回路15は、第1接続端子11,12と第2接続端子21,22が確実に電気的接続された状態にあると判断できるので、半導体スイッチ13をオンさせればよい。すなわち、プラグ20をソケット10に接続させる(差し込む)際、プラグ20の第2接続端子21,22とコンセント10の第1接続端子11,12の電位差が小さいので、第1接続端子11,12と第2接続端子21,22の間で放電は発生しない。
【0032】
一方、プラグ20をコンセント10から離脱させる(引き抜く)場合、第1接続端子11,12に対して第2接続端子21,22を逆方向に若干変位させると、第2接続端子21,22が機械スイッチ31から離れ、機械スイッチ31がオフ又はオンする。この段階で、第1接続端子11,12と第2接続端子21,22は電気的に接続された状態にある。そのため、第1接続端子11,12と第2接続端子21,22が電気的に完全に非接続になる状態までの間に、制御回路15は速やかに半導体スイッチ13をオフさせればよい。すなわち、プラグ20をコンセント10から離脱させる(引き抜く)際、先に半導体スイッチ13がオフし、第1接続端子11,12と第2接続端子21,22が同電位になっているので、第1接続端子11,12と第2接続端子21,22の間で放電は発生しない。
【0033】
あるいは、図3に示すように、接続状態検出装置14は、同様の位置に設けられ、発光素子32a及び受光素子32bを備えた光学センサ32などで構成されていてもよい。この場合、第1接続端子11,12に対して第2接続端子21,22が相対的にそれ以上変位できなくなるか又はその直前に第2接続端子21,22が発光素子32aからの光を遮るので、受光素子32bの出力信号がハイレベルからローレベルに変化する。それによって、制御回路15は、第1接続端子11,12と第2接続端子21,22が確実に電気的接続される位置に存在していると判断できるので、半導体スイッチ13をオンさせればよい。一方、プラグ20をコンセント10から離脱させる(引き抜く)場合、第1接続端子11,12に対して第2接続端子21,22を逆方向に若干変位させると、発光素子32aから出力された光が受光素子32bに入射する。そして、受光素子32bの出力信号がローレベルからハイレベルに変化するので、制御回路15は、半導体スイッチ13をオフさせればよい。
【0034】
あるいは、図4に示すように、接続状態検出装置14は、プラグ20の本体20aに設けられた突起23と、コンセント10側に設けられたプッシュオンスイッチ33などで構成されていてもよい。この場合、プラグ20をコンセント10に接続し、コンセント10の本体10aにプラグ20の本体20aが接触すると、突起23によってプッシュオンスイッチ33がオンされる。それによって、制御回路15は、第1接続端子11,12と第2接続端子21,22が確実に電気的接続される位置に存在していると判断できるので、半導体スイッチ13をオンさせればよい。なお、プラグ20の本体20aに突起を設けずに、プッシュオンスイッチ33の先端部をコンセント10の本体10aから突出させるように構成してもよいが、幼児によるいたずらなどを考慮すると、図示した構成の方が好ましい。
【0035】
図5は、本実施形態に係る直流接続装置1の変形例を示す。この変形例では、コンセント10は、負荷3に流れる電流を検出するための電流検出回路(A)41と負荷3に印加される電圧を検出するための電圧検出回路(V)42をさらに備えている。それに応じて制御回路15には、少なくとも1つの電流閾値及び少なくとも1つの電圧閾値が設定されている。制御回路15は、電流検出回路41により検出された電流値が閾値を超えたときに半導体スイッチ13をオフし、電流値が閾値以下になったときに半導体スイッチ13をオンするように制御する。直流電源によって駆動される負荷の種類によっては、電源投入時に過大な電流(突入電流)が流れる。半導体スイッチ13として、例えばFET(電界効果トランジスタ)を用いた場合、この半導体スイッチ13、電流検出回路41及び制御回路15で突入電流防止回路を構成することができる。制御回路15は、FETのオンデューティ比を制御することにより、突入電流を抑制することができる。また、制御回路15は、電圧検出回路42により検出された電圧値が閾値を超えたときに半導体スイッチ13をオフし、電圧値が閾値以下になったときに半導体スイッチ13をオンするように制御する。例えば、直流電源2に他のコンセントなどを介して他の負荷が接続され電源電圧が低下した場合や、直流電源が停止した場合、瞬間的に負荷3側の電圧が高くなり、負荷3側から直流電源4側に逆電流が流れる。半導体スイッチ13として、例えばFETを用いた場合、この半導体スイッチ13、電圧検出回路42及び制御回路15で逆電流防止回路を構成することができる。逆過電圧発生時に半導体スイッチ13をオフすることによって、負荷3側から直流電源4側に逆電流が流れるのを防止することができる。なお、電流検出回路41と電圧検出回路42の両方を備えている必要はなく、いずれか一方のみを備えていてもよい。
【0036】
図6は、半導体スイッチ13としてFETを用いた回路構成例を示す。半導体スイッチ13は、2つのFET131及び132が、そのソース及びドレインが互いに逆向きとなるように直列接続されて構成されている。また、制御回路15は、電流検出回路41とFET131のゲート制御回路が一体化されたIC141と、電圧検出回路42とFET132のゲート制御回路が一体化されたIC142で構成されている。このように、半導体スイッチとして2つのFETを逆向きに接続し、それぞれを独立して制御することにより、過電流(突入電流)防止及び逆電流防止の両方を同時に行うことができる。また、IC141に、さらにタイマー機能を設け、さらに時間閾値を設定してもよい。IC141(制御回路)は、タイマーによって電流検出回路により検出された電流値が閾値を超えている時間を検出し、さらに超過時間が前記時間閾値を超えたときに、FET131をオフする。それによって、負荷の短絡などによる過電流から直流配電システムを保護することができる。
【0037】
図7は、半導体スイッチ13として、上記2つのFETに代えて、GaN/AlGaNを用いた横型トランジスタ構造を有する双方向スイッチ素子100を用いた回路構成例を示す。FETは、ダイオード構造を有しているため、ゲート電圧にかかわらず、ダイオードの順方向に電圧がかかると電流が流れる性質を有している。そのため、上記のように、ダイオード構造が逆向きとなるように2つのFETを直列接続しなければならない。それに比べて、この双方向スイッチ素子はダイオード構造を有していないため、1つの素子で同様の機能を行うことができる。さらに、GaN/AlGaNを用いた横型トランジスタ構造を有する双方向スイッチ素子は、ダイオード構造による損失がなく、FETに比べて低損失であり、かつ制御回路の一体化が図れるというメリットを有している。すなわち、電流検出回路41と電圧検出回路42と制御回路15と、タイマーを一体化したIC143で制御することができる。
【0038】
図8〜11を用いて、GaN/AlGaNを用いた横型トランジスタ構造を有する双方向スイッチ素子100の詳細について説明する。図8は双方向スイッチ素子100の構成を示す平面図であり、図9は範囲Aの拡大図、図10はB−B断面図である。なお、この双方向スイッチ素子100は、2つの電極D1及びD2間にゲートGが1つだけ設けられているので、シングルゲート型と呼ばれている。
【0039】
図10に示すように、双方向スイッチ素子100の基板101は、導体層101aと、導体層101aの上に積層されたGaN層2b及びAlGaN層101cで構成されている。この実施形態では、チャネル層としてAlGaN/GaNヘテロ界面に生じる2次元電子ガス層を利用している。図8に示すように、基板101の表面101dには、直流電源2及び負荷3に対してそれぞれ直列に接続された第1電極D1及び第2電極D2と、第1電極D1の電位及び第2電極D2の電位に対して中間電位となる中間電位部Sが形成されている。さらに、中間電位部Sの上には、制御電極(ゲート)Gが積層形成されている。制御電極Gとして、例えばショットキ電極を用いる。第1電極D1及び第2電極D2は、それぞれ互いに平行に配列された複数の電極部111,112,113・・・及び121,122,123・・・を有する櫛歯状であり、櫛歯状に配列された電極部同士が互いに対向するように配置されている。中間電位部S及び制御電極Gは、櫛歯状に配列された電極部111,112,113・・・及び121,122,123・・・の間にそれぞれ配置されており、電極部の間に形成される空間の平面形状に相似した形状(略魚背骨状)を有している。
【0040】
次に、双方向スイッチ素子100を構成する横型のトランジスタ構造について説明する。図9に示すように、第1電極D1の電極部111と第2電極D2の電極部121は、それらの幅方向における中心線が同一線上に位置するように配列されている。また、中間電位部S及び制御電極Gは、それぞれ第1電極D1の電極部111及び第2電極D2の電極部121の配列に対して平行に設けられている。上記幅方向における第1電極D1の電極部111と第2電極D2の電極部121と中間電位部S及び制御電極Gの距離は、所定の耐電圧を維持しうる距離に設定されている。上記幅方向に直交する方向、すなわち第1電極D1の電極部111と第2電極D2の電極部121の長手方向においても同様である。また、これらの関係は、その他の電極部112及び122,113及び123・・・についても同様である。すなわち、中間電位部S及び制御電極Gは、第1電極D1及び第2電極D2に対して所定の耐電圧を維持しうる位置に配置されている。
【0041】
そのため、第1電極D1が高電位側、第2電極D2が低電位側である場合、双方向スイッチ素子100がオフのとき、少なくとも第1電極D1と、制御電極G及び中間電位部Sの間で、電流は確実に遮断される(制御電極(ゲート)Gの直下で電流が阻止される)。一方、双方向スイッチ素子100がオンのとき、すなわち制御電極Gに所定の閾値以上の電圧の信号が印加されたときは、図中矢印で示すように、第1電極D1(電極部111・・・)、中間電位部S、第2電極D2(電極部121・・・)の経路で電流が流れる。逆の場合も同様である。その結果、制御電極Gに印加する信号の閾値電圧を必要最低限のレベルまで低下させても、双方向スイッチ素子100を確実にオン/オフさせることができ、低オン抵抗を実現することができる。また、第1電極D1の電極部111,112,113・・・及び第2電極D2の電極部121,122,123・・・を櫛歯状に配列することができ、双方向スイッチ素子100のチップサイズを大きくすることなく、大電流を取り出すことができる。
【0042】
図11及び12は、GaN/AlGaNを用いた横型トランジスタ構造を有する他の双方向スイッチ素子300の構成を示す。図11は双方向スイッチ素子300の構成を示す平面図であり、図12はC−C断面図である。なお、この双方向スイッチ素子300は、2つの電極D1及びD2間に2つのゲートG1及びG2が設けられているので、デュアルゲート型と呼ばれている。
【0043】
図11及び12に示すように、横型のデュアルゲートトランジスタ構造の主スイッチ素子300は、耐圧を維持する箇所を1箇所とした損失の少ない双方向素子を実現する構造である。すなわち、ドレイン電極D1及びD2はそれぞれGaN層に達するように形成され、ゲート電極G1及びG2はそれぞれAlGaN層の上に形成されている。ゲート電極G1,G2に電圧が印加されていない状態では、ゲート電極G1,G2の直下のAlGaN/GaNヘテロ界面に生じる2次元電子ガス層に電子の空白地帯が生じ、電流は流れない。一方、ゲート電極G1,G2に電圧が印加されると、ドレイン電極D1からD2に向かって(又はその逆に)AlGaN/GaNヘテロ界面に電流が流れる。ゲート電極G1とG2の間は、耐電圧を必要とし、一定の距離を設ける必要があるが、ドレイン電極D1とゲート電極G1の間及びドレイン電極D2とゲート電極G2の間は耐電圧を必要としない。そのため、ドレイン電極D1とゲート電極G1及びドレイン電極D2とゲート電極G2とが、絶縁層Inを介して重複していてもよい。なお、この構成の素子はドレイン電極D1,D2の電圧を基準として制御する必要があり、2つのゲート電極G1,G2にそれぞれ駆動信号を入力する必要がある(そのため、デュアルゲートトランジスタ構造と呼ぶ)。
【0044】
図13は、本実施形態に係る直流接続装置1の他の変形例を示す。この変形例では、コンセント10は、第1接続端子11,12と半導体スイッチ13の間に直列接続された有接点開閉装置16をさらに備えている。制御回路15は、第1接続端子11,12と第2接続端子21,22が完全に電気的に接続された状態となり、かつ、有接点開閉装置16のオン動作完了後に、半導体スイッチ13をオンさせる。また、制御回路15は、第1接続端子11,12に対する第2接続端子21,22の相対的な位置が、第1接続端子11,12と第2接続端子21,22が電気的に完全に接続された状態から逆方向に変位され、かつ、第1接続端子11,12と第2接続端子21,22が電気的に完全に非接続になる状態までの間であって、さらに、半導体スイッチ13をオフさせた後に、有接点開閉装置16をオフさせる。有接点開閉装置16として、例えばリレーやブレーカなどを用いることができる。このように、プラグ20がコンセント10に接続されていない状態では、有接点開閉装置16の接点が開離し、コンセント10の第1接続端子11,12は物理的に直流電源2から遮断される。そのため、万一、半導体スイッチ13が破壊されても、安全性を確保することができる。また、プラグ20をコンセント10に着脱する際に、チャッタリングが発生したとしても、第1接続端子11,12と第2接続端子21,22の間での放電発生を防止することができる。
【0045】
コンセント10に対するプラグ20の着脱方法、すなわち、第1接続端子11,12に対する第2接続端子21,22の変位は、一般的な抜き差しである直線動作だけでなく、例えば図14に示すように、回転動作及び直線動作と回転動作の組み合わせが可能である。制御回路15は、プラグ20をコンセント10に接続を完了した後、すなわち、第1接続端子11,12に対して第2接続端子21,22が相対的にそれ以上変位できなくなった後に、有接点開閉装置16をオンさせ、その後に半導体スイッチ13をオンさせる。また、有接点開閉装置16を有していない場合は、制御回路15は、第1接続端子11,12に対して第2接続端子21,22が相対的にそれ以上変位できなくなった後に、半導体スイッチ13をオンさせればよい。
【0046】
さらに、図15に示すように、プラグ20をコンセント10に装着した後、プラグ20をコンセント10にロックする機構を備えていてもよい。例えば、プラグ20の本体20aの側部に係止フック24が設けられ、コンセント10の本体10aに係止穴17が設けられている。さらに、コンセント10の本体10aの内部で、係止穴17の近傍にスイッチ34を設けられている。プラグ20をコンセント10に装着する(差し込む)と、係止フック24が樹脂の弾性により変形して係止穴17に嵌合され、弾性復元力により係止フック24が係止穴17に係止される。それによって、プラグ20がコンセント10にロックされる。同時に、係止フック24の先端部がスイッチ34に当接し、スイッチ34がオンされる。制御回路15は、スイッチ34がオンした後、有接点開閉装置16をオンさせ、さらにその後、半導体スイッチ13をオンさせる。コンセント10からプラグ20を取り外すには、ユーザが両方の係止フック24をそれぞれ本体20a側に押しつけて変形させる。そうすると、係止フック24の先端部がスイッチ34から離れ、スイッチ34がオフされる。制御回路15は、スイッチ34がオフすると、直ちに半導体スイッチ13をオフさせ、さらにその後、有接点開閉装置16をオフさせる。ユーザは、その状態でプラグ20をソケット10から引き抜けばよい。なお、ロック機構は図示したものに限定されず、その他の構造であってもよい。換言すれば、制御回路15は、ロック機構が第1接続端子11,12及び第2接続端子21,22をロックしている間に、有接点開閉装置16をオン及びオフさせるように構成されていればよい。
【0047】
図16は、本実施形態に係る直流接続装置1のさらに他の変形例を示す。この変形例では、上記直流配電と交流配電を1つのコンセント10で行いうるハイブリッド仕様に構成されている。太陽光発電や家庭用燃料電池の普及により、直流電源で直接駆動されるエアコンや冷蔵庫などの電気機器が開発されると考えられる。ところが、太陽光発電の場合、天候や季節の影響を受けやすく、発電量は不安定であり、また、日没後は発電されない。そのため、一般的には二次電池を併用し、二次電池に充電された電力が使用される。しかしながら、二次電池に充電された電力で全ての電気機器の消費電力をまかなえるとは限らず、エアコンや冷蔵庫など消費電力の大きな電気機器は、従来からの交流電源をバックアップ電源として使用可能なように、ハイブリッド仕様で設計されると予想される。従って、図16に示すコンセント10には、交流電源5に接続された1対の第3接続端子18,19が設けられている。第3接続端子18,19には、交流プラグ50の端子51,52が接続される。交流電源5の電圧は、例えば100V又は200Vであるが、直流配電システムと異なり、交流配電システムの場合は、プラグ50をコンセント10から引き抜く際にアーク放電が発生しても、容易に消弧できるため、半導体スイッチは特に設けられていない。
【0048】
例えばリレーやブレーカなどで構成された上記有接点開閉装置16は、交流電源5と1対の第3接続端子18,19(いずれか一方でもよい)の間に直列接続され、交流回路遮断機としても機能する。あるいは、上記有接点開閉装置16とは別に、交流電源5と1対の第3接続端子18,19の間に交流回路遮断機を接続してもよい。また、コンセント10には、直流電源2と負荷3の間の直流回路に流れる地絡電流を検出する直流地絡電流検出回路(A’)43と、交流電源5と負荷3の間の交流回路に流れる地絡電流を検出する交流地絡電流検出回路(A”)44が設けられている。直流地絡電流検出回路43としては、例えばホール素子などを用いることができる。また、交流地絡電流検出回路44としては、例えば零相変流器(ZCT)などを用いることができる。あるいは、図17に示すように、直流回路と交流回路を同一のコアに通し、直流地絡電流検出回路43と交流地絡電流検出回路44の一部を共通化してもよい。それによって、コンセント10の小型化及び低コスト化を実現することができる。
【0049】
制御回路15は、直流地絡電流検出回路43又は交流地絡電流検出回路44のいずれか一方が地絡電流を検出すると、直流電源2に接続された半導体スイッチ13及び交流電源5に接続された有接点開閉装置16(又は交流回路遮断機)の両方をオフする。なお、この場合は、直流回路側に接続された有接点開閉装置16をオフするタイミングよりも、半導体スイッチ13をオフするタイミングを早くすることはいうまでもない。
【0050】
なお、本発明は、上記実施形態の説明に限定されるものではなく、様々な変形及び応用が可能である。図18は、負荷3側にもコンセント10’を設け、直流電源2側のコンセント10とケーブル36で接続した構成例を示す。負荷3側のコンセント10’は負荷3の内部電源(DC/DCコンバータ又はインバータ)35に接続されている。ケーブル36の両端には、それぞれプラグ20及び20’が接続されている。この場合、プラグ20の第2接続端子21,22とプラグ20’の第2接続端子21’,22’の凹凸は逆である。同様に、コンセント10の第1接続端子11,12とコンセント10’の第1接続端子11’,12’の凹凸も逆である。このように、第1コネクタであるコンセント10,10’は必ずしも、直流電源2に接続されるものではなく、負荷3又は負荷3側の内部電源35に接続される場合もある。あるいは、直流電源に接続された配電盤の回路遮断機などに接続される場合もある。さらに、第2コネクタであるプラグ20,20’は、必ずしも負荷3に直接接続されるものではなく、直流電源2と負荷3を接続するケーブル36に接続される場合もある。
【符号の説明】
【0051】
1 直流接続装置
2 直流電源
3 負荷
5 交流電源
10 コンセント
11,12 第2接続端子
13 半導体スイッチ
14 接続状態検出装置
15 制御回路
16 有接点開閉装置
17 係止穴(ロック機構)
18,19 第3接続端子
20 プラグ
21,22 第1接続端子
24 係止フック(ロック機構)
41 電流検出回路
42 電圧検出回路
43 直流地絡電流検出回路
44 交流地絡電流検出回路
100,300 双方向スイッチ素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流電源側又は負荷側と接続される第1コネクタと、前記第1コネクタに接続される第2コネクタからなり、前記第1コネクタ又は前記第2コネクタは、少なくとも一方の端子の一部が他方の端子に接触したことが検出されたときにオンされ、前記一方の端子が前記他方の端子から完全に離れる前にオフされる半導体スイッチを備えたことを特徴とする直流接続装置。
【請求項2】
直流電源側又は負荷側と接続される第1コネクタと、前記第1コネクタに接続される第2コネクタからなる直流接続装置であって、
前記第1コネクタは一対の第1接続端子を備え、
前記第2コネクタは、前記第1接続端子と電気的に接続される1対の第2接続端子を備え、
前記第1コネクタは、前記直流電源側又は前記負荷側と前記1対の第1接続端子のいずれか一方の第1接続端子の間に直列接続された半導体スイッチと、前記第1接続端子に対する前記第2接続端子の相対的な位置関係を検出する接続状態検出装置と、前記接続状態検出装置による検出結果に応じて前記半導体スイッチをオン又はオフさせる制御回路を備え、
前記接続状態検出装置は、前記第1接続端子に対する前記第2接続端子の相対的な位置の変化を検出し、
前記制御回路は、前記第1接続端子に対する前記第2接続端子の相対的な位置が、前記第1接続端子と前記第2接続端子が確実に電気的接続された状態にあるときに、前記半導体スイッチをオン及びオフさせることを特徴とする直流接続装置。
【請求項3】
前記第1接続端子と前記第2接続端子が確実に電気的接続された状態とは、前記第2接続端子に対して前記第1接続端子が相対的にそれ以上変位できなくなった位置にあること又はその手前近傍の位置にあることを特徴とする請求項2に記載の直流接続装置。
【請求項4】
前記制御回路は、前記第2接続端子に対する前記第1接続端子の相対的な位置が、前記第1接続端子と前記第2接続端子が電気的に完全に接続された状態から、逆方向に変位され、かつ、前記第1接続端子と前記第2接続端子が電気的に完全に非接続になる状態までの間に、前記半導体スイッチをオフさせることを特徴とする請求項3に記載の直流接続装置。
【請求項5】
前記接続状態検出装置は、前記第2接続端子に対して前記第1接続端子が相対的にそれ以上変位できなくなった位置又はその手前近傍の位置に設けられ、前記第1接続端子に接触する機械スイッチを含むことを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれか一項に記載の直流接続装置。
【請求項6】
前記接続状態検出装置は、前記第2接続端子に対して前記第1接続端子が相対的にそれ以上変位できなくなった位置又はその手前近傍の位置に設けられ、前記第1接続端子の存在を検出する発光素子及び受光素子を備えた光学センサを含むことを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれか一項に記載の直流接続装置。
【請求項7】
前記接続状態検出装置は、前記第1コネクタの本体に設けられ、前記第1コネクタの本体に前記第2コネクタの本体が接触したことを検出するセンサ又はスイッチを含むことを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれか一項に記載の直流接続装置。
【請求項8】
前記第1コネクタは、前記負荷側に流れる電流を検出するための電流検出回路を備え、それに応じて前記制御回路には、少なくとも1つの電流閾値が設定され、
前記制御回路は、前記電流検出回路により検出された電流値が前記閾値を超えたときに前記半導体スイッチをオフし、電流値が前記閾値以下になったときに前記半導体スイッチをオンすることを特徴とする請求項2乃至請求項7のいずれか一項に記載の直流接続装置。
【請求項9】
前記第1コネクタは、前記負荷側に印加される電圧を検出するための電圧検出回路を備え、それに応じて前記制御回路には、少なくとも1つの電圧閾値が設定され、
前記制御回路は、前記電圧検出回路により検出された電圧値が前記閾値を超えたときに前記半導体スイッチをオフし、電圧値が前記閾値以下になったときに前記半導体スイッチをオンすることを特徴とする請求項2乃至請求項8のいずれか一項に記載の直流接続装置。
【請求項10】
前記第1コネクタは、前記負荷側に流れる電流を検出するための電流検出回路及び前記負荷側に印加される電圧を検出するための電圧検出回路を備え、それに応じて前記制御回路には、少なくとも1つの電流閾値及び少なくとも1つの電圧閾値が設定され、
前記半導体スイッチは、2つのFETが、そのソース及びドレインが互いに逆向きとなるように直列接続されてなり、
前記制御回路は、前記電流検出回路により検出された電流値が前記閾値を超えたときに前記2つのFETのうち一方のFETをオフし、電流値が前記閾値以下になったときに該前記一方のFETをオンし、前記電圧検出回路により検出された電圧値が前記閾値を超えたときに前記2つのFETのうち他方のFETをオフし、電圧値が前記閾値以下になったときに該他方のFETをオンすることを特徴とする請求項2乃至請求項7のいずれか一項に記載の直流接続装置。
【請求項11】
前記第1コネクタは、前記負荷側に流れる電流を検出するための電流検出回路及び前記負荷側に印加される電圧を検出するための電圧検出回路を備え、それに応じて前記制御回路には、少なくとも1つの電流閾値及び少なくとも1つの電圧閾値が設定され、
前記半導体スイッチは、GaN/AlGaNを用いた横型トランジスタ構造を有する双方向スイッチ素子であり、
前記制御回路は、前記電流検出回路により検出された電流値が前記閾値を超えたとき又は前記電圧検出回路により検出された電圧値が前記閾値を超えたときに前記双方向スイッチ素子をオフし、前記電流値が前記閾値以下になったときに又は前記電圧値が前記閾値以下になったときに前記双方向スイッチ素子をオンすることを特徴とする請求項2乃至請求項7のいずれか一項に記載の直流接続装置。
【請求項12】
前記制御回路は、タイマーを備え、それに応じて時間閾値が設定されており、
前記制御回路は、前記タイマーによって前記電流検出回路により検出された電流値が前記閾値を超えている時間を検出し、さらに超過時間が前記時間閾値を超えたときに、前記半導体スイッチをオフすることを特徴とする請求項8、請求項10及び請求項11のいずれか一項に記載の直流接続装置。
【請求項13】
前記第1コネクタは、前記第2接続端子と前記半導体スイッチの間に直列接続された有接点開閉装置をさらに備えたことを特徴とする請求項2乃至請求項12のいずれか一項に記載の直流接続装置。
【請求項14】
前記制御回路は、前記第1接続端子と前記第2接続端子が完全に電気的に接続された状態となり、かつ、前記有接点開閉装置のオン動作完了後に、前記半導体スイッチをオンさせることを特徴とする請求項13に記載の直流接続装置。
【請求項15】
前記制御回路は、前記第2接続端子に対する前記第1接続端子の相対的な位置が、前記第1接続端子と前記第2接続端子が電気的に完全に接続された状態から、逆方向に変位され、かつ、前記第1接続端子と前記第2接続端子が電気的に完全に非接続になる状態までの間であって、さらに、前記半導体スイッチをオフさせた後に、前記有接点開閉装置をオフさせることを特徴とする請求項14に記載の直流接続装置。
【請求項16】
前記第2接続端子に対する前記第1接続端子の変位は、直線動作及び回転動作のいずれか一方又は直線動作及び回転動作の両方を含み、
前記制御回路は、前記第2接続端子に対して前記第1接続端子が相対的にそれ以上変位できなくなった後に、前記有接点開閉装置をオンさせることを特徴とする請求項13乃至請求項15のいずれか一項に記載の直流接続装置。
【請求項17】
前記第1コネクタは、前記第2接続端子に対して前記第1接続端子が相対的にそれ以上変位できなくなった状態をロックするロック機構をさらに備え、
前記制御回路は、前記ロック機構が前記第1接続端子及び前記第2接続端子をロックしている間に、前記有接点開閉装置をオン及びオフさせることを特徴とする請求項13乃至請求項16のいずれか一項に記載の直流接続装置。
【請求項18】
前記第1コネクタは、交流電源側又は前記負荷側に接続された1対の第3接続端子をさらに備えたことを特徴とする請求項2乃至請求項17のいずれか一項に記載の直流接続装置。
【請求項19】
前記第1コネクタは、前記交流電源側と前記1対の第3接続端子のいずれか一方の第3接続端子の間に直列接続された交流回路遮断機と、前記交流電源側と前記負荷側又は他の負荷側の間の交流回路に流れる地絡電流を検出する交流地絡電流検出回路と、前記直流電源側と前記負荷側の間の直流回路に流れる地絡電流を検出する直流地絡電流検出回路をさらに備え、
前記制御回路は、前記直流地絡電流検出回路又は前記交流地絡電流検出回路のいずれか一方が地絡電流を検出すると、前記直流電源側に接続された半導体スイッチ及び前記交流電源側に接続された交流回路遮断機の両方をオフすることを特徴とする請求項18に記載の直流接続装置。
【請求項20】
前記直流地絡電流検出回路及び前記交流地絡電流検出回路の少なくとも一部が共通であることを特徴とする請求項19に記載の直流接続装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−64419(P2012−64419A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−207251(P2010−207251)
【出願日】平成22年9月15日(2010.9.15)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】