省エネモードを搭載した装置及びその制御方法
【課題】 情報処理装置が省エネモードを備える他の装置と通信するにあたって、他の装置が省エネモードであった場合でも、省エネモードからの復帰時間を考慮してより効率よく通信することができるようにする。
【解決手段】 利用していないモジュールへの電力供給を制限する省エネモードを実施する省エネモード搭載装置は、省エネモードへの移行前に、当該省エネモードからの復帰時間を特定可能な情報を、ネットワークを介して接続される情報処理装置へ通知する。情報処理装置は、省エネモード搭載装置へ起動要求を送信した後、前記復帰時間の経過後に、処理要求を省エネモード搭載装置へ送信する。
【解決手段】 利用していないモジュールへの電力供給を制限する省エネモードを実施する省エネモード搭載装置は、省エネモードへの移行前に、当該省エネモードからの復帰時間を特定可能な情報を、ネットワークを介して接続される情報処理装置へ通知する。情報処理装置は、省エネモード搭載装置へ起動要求を送信した後、前記復帰時間の経過後に、処理要求を省エネモード搭載装置へ送信する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、省エネモードを搭載した装置及びその制御方法関する。特に、画像形成装置と検索ユーティリティと印刷クライアントとから構成される印刷システムに関するものである。かかる画像形成装置は、外部から自機宛てのネットワークを介するパケットの受信によって停止状態から待機状態へ復帰する省エネモードを搭載する。
【背景技術】
【0002】
近年は、画像形成装置を含むあらゆる製品において、待機状態にある機器の電力消費を抑制する省エネモードの搭載が求められている。このような省エネモードが搭載された装置が接続されるネットワークシステムで、省エネモードが有効になっている装置に対してパーソナルコンピュータ(以下、PC)などからネットワーク経由で装置の接続状態及び動作状態の検索を行う場合がある。その場合、まずPCは最初に起動用の起動パケットを装置に送信して装置の省エネモードを解除し、その後に検索用の検索パケットを装置に送信する。(例えば特許文献1参照)
【特許文献1】特開2006−39940
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、効果の高い省エネモード程、製品内部で電力供給を停止しているモジュール数が多い。このため、省エネモードからの復帰にも多くの時間を要する。又、この機能は製品を構成するハードウェアモジュールとソフトウェアモジュールとが密接に関係することから、機種毎に(同一機種であってもユーザが設定した省エネモードのレベルによって)復帰時間が異なっている。
【0004】
このような背景から、オフィス環境などの複数の装置が接続されたネットワークにおいて、装置の接続状態や動作状態を検索する検索クライアント(PC)で、検索応答時間の上限であるタイムアウト時間を一意に決定することが出来ない。仮に検索クライアントのタイムアウト時間を短く固定してしまうと、タイムアウト時間内に省エネモードから復帰できなかった装置が検索結果に表示されなくなってしまう。逆にタイムアウト時間を長く設定すると、検索対象の装置が本当に存在しなかった場合に、それを判定するまでの時間が余計にかかってしまう。
【0005】
本発明は、上記従来の問題点に鑑み、情報処理装置が省エネモードを備える他の装置と通信するにあたって、他の装置が省エネモードであった場合でも、省エネモードからの復帰時間を考慮してより効率よく通信することができるようにする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する為に、本発明の省エネモード搭載装置は、利用していないモジュールへの電力供給を制限する省エネモードを実施する省エネモード実施手段と、省エネモードへの移行前に、当該省エネモードからの復帰時間を特定可能な情報を、ネットワークを介して接続される情報処理装置へ通知する通知手段と、前記情報処理装置から送信されたデータを受信するのに応じて、前記省エネモードからの復帰を開始する復帰手段と、前記省エネモードから復帰した後、前記情報処理装置からの要求に応じた処理を実行する実行手段とを有することを特徴とする。
【0007】
ここで、前記実行手段は、前記情報処理装置からデータが送信されてから前記復帰時間の経過以降に送信される前記情報処理装置からの要求に応じて、処理を実行する。また、前記省エネモード実施手段は複数の復帰時間の異なる省エネモードを有し、前記通知手段は実施する省エネモードに対応する復帰時間を通知する。また、前記省エネモード搭載装置は画像形成装置を含む。また、前記情報処理装置からの要求は、画像形成要求であり、前記実行手段は、当該要求に応じて画像形成を実行する。また、前記情報処理装置からの要求は、前記省エネモード搭載装置のステータスを問い合わせる要求であり、前記実行手段は、当該要求に応じてステータスを前記情報処理装置に送信する。また、ネットワーク上の情報処理装置のアドレスを記憶する記憶手段を更に有し、前記通知手段は、前記記憶手段に記憶されるアドレス宛てに、前記省エネモードからの復帰時間を特定可能な情報を通知する。また、前記通知手段は、前記省エネモードからの復帰時間を特定可能な情報を、前記ネットワーク上にブロードキャスト送信する。
【0008】
又、本発明の情報処理装置は、利用していないモジュールへの電力供給を制限する省エネモードを有する省エネモード搭載装置から、省エネモードからの復帰時間を特定可能な情報を受信する受信手段と、前記受信手段で受信した情報に基づいて、省エネモード搭載装置と当該省エネモード搭載装置の省エネモードからの復帰時間を記憶する記憶手段と、前記省エネモード搭載装置へデータを送信する第1送信手段と、前記第1送信手段によってデータを送信してから、前記記憶手段に記憶される省エネモードからの復帰時間が経過した後、前記省エネモード搭載装置へ処理要求を送信する第2送信手段とを有することを特徴とする。
【0009】
ここで、前記処理要求は、前記省エネモード搭載装置のステータスを問い合わせる要求である。また、前記処理要求は、画像形成要求である。また、前記第2送信手段は、前記第1送信手段によってデータを送信してから前記復帰時間の経過以降まで、ネットワークを介して前記省エネモード搭載装置へ処理要求を繰返し送信する。また、前記省エネモード搭載装置を含む複数の装置から返信されたステータスに基づいて、使用可能な装置の一覧を表示する一覧表示手段と、前記一覧からのユーザの選択指示に対応して、選択された装置へ処理開始を要求する処理要求手段とを更に有する。また、前記第1送信手段によって送信されるデータは、前記省エネモード搭載装置に対して省エネモードからの復帰を指示するデータである。また、前記記憶手段は、複数の省エネモード搭載装置夫々に対応する復帰時間を記憶する。また、前記情報処理装置はパーソナルコンピュータを含む。
【0010】
又、本発明の省エネモード搭載装置の制御方法は、利用していないモジュールへの電力供給を制限する省エネモードを実施する省エネモード実施工程と、省エネモードへの移行前に、当該省エネモードからの復帰時間を特定可能な情報を、ネットワークを介して接続される情報処理装置へ通知する通知工程と、前記情報処理装置から送信されたデータを受信するのに応じて、前記省エネモードからの復帰を開始する復帰工程と、前記省エネモードから復帰した後、前記情報処理装置からの要求に応じた処理を実行する実行工程とを有することを特徴とする。
【0011】
又、本発明の情報処理装置の制御方法は、利用していないモジュールへの電力供給を制限する省エネモードを有する省エネモード搭載装置から、省エネモードからの復帰時間を特定可能な情報を受信する受信工程と、前記受信工程で受信した情報に基づいて、省エネモード搭載装置と当該省エネモード搭載装置の省エネモードからの復帰時間を記憶する記憶工程と、前記省エネモード搭載装置へデータを送信する第1送信工程と、前記第1送信工程でデータを送信してから、前記記憶工程で記憶された省エネモードからの復帰時間が経過した後、前記省エネモード搭載装置へ処理要求を送信する第2送信工程とを有することを特徴とする。
【0012】
又、本発明のコンピュータ実行可能なプログラムは、省エネモード搭載装置の制御方法を実現するコンピュータ実行可能なプログラムであって、利用していないモジュールへの電力供給を制限する省エネモードを実施する省エネモード実施工程と、省エネモードへの移行前に、当該省エネモードからの復帰時間を特定可能な情報を、ネットワークを介して接続される情報処理装置へ通知する通知工程と、前記情報処理装置から送信されたデータを受信するのに応じて、前記省エネモードからの復帰を開始する復帰工程と、前記省エネモードから復帰した後、前記情報処理装置からの要求に応じた処理を実行する実行工程とを有することを特徴とする。
【0013】
又、情報処理装置の制御方法を実現するコンピュータ実行可能なプログラムであって、利用していないモジュールへの電力供給を制限する省エネモードを有する省エネモード搭載装置から、省エネモードからの復帰時間を特定可能な情報を受信する受信工程と、前記受信手段で受信した情報に基づいて、省エネモード搭載装置と当該省エネモード搭載装置の省エネモードからの復帰時間を記憶する記憶工程と、前記省エネモード搭載装置へデータを送信する第1送信工程と、前記送信手段によってデータを送信してから、前記記憶工程で記憶された省エネモードからの復帰時間が経過した後、前記省エネモード搭載装置へ処理要求を送信する第2送信工程とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように、本発明により、情報処理装置が省エネモードを備える他の装置と通信するにあたって、他の装置が省エネモードであった場合でも、省エネモードからの復帰時間を考慮してより効率よく通信することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。尚、以下の実施形態では、クライアント装置としてのパーソナルコンピュータ(PC)と、省エネモードを搭載した装置としての画像形成装置とがネットワークに接続されたシステムを例に説明するが、本発明はこれに限定されない。画像形成装置は、省エネモードからの復帰時間が比較的長く、復帰時間の異なる複数の省エネモードを有する、本発明を適用可能な典型的な装置例として取り上げたに過ぎない。従って、他の省エネモードを有する装置にも適用可能であり、これらも本発明に含まれる。
【0016】
<本実施形態の省エネモードを搭載した装置を含むシステム構成例>
図1は、本実施形態におけるネットワーク構成例を示す図である。
【0017】
画像形成装置101,102は、どちらもネットワーク100に接続されている。クライアント装置103も同じくネットワーク100に接続されており、画像形成装置101,102に対して検索や印刷を行なうことができる。又、画像形成装置101,102は、省エネモードを搭載している。そして、操作パネルなどを直接操作した場合以外にもネットワーク100からARP(Address Resolution Protocol)パケット105や自機宛てのパケット106,107を受信することによって、省エネモードから通常モードに復帰する。
【0018】
<本実施形態の画像形成装置の構成例>
図2Aは、本実施形態における画像形成装置の概略構成例を示すブロック図である。本実施形態では、画像形成装置として、プリント機能とスキャン機能とを有する複合機である場合を説明するが、プリンタ、スキャナ、ファックス、複写機等のその他の装置であってもよい。
【0019】
スキャナ制御部202は、スキャナエンジン201を制御する。エンジン制御部 205は、プリンタエンジン204を制御する。203は、ブートプログラムなどの固定プログラムや固定パラメータを格納するROMである。206は、プログラムやデータを記憶するHDDである。207は、本画像形成装置をプログラムを実行して制御する演算制御用のCPUである。208は、CPU207が一時記憶部として使用するRAMである。NVRAM209は、パネルから設定された値などを保持しておく不揮発性のRAMである。
【0020】
I/O制御ユニット211は、タッチパネル216やボタン217、ランプ218といったユーザインタフェース部を制御する。ネットワーク制御部212は、ネットワーク100を介する通信の制御を行なう。RTC213は、リアルタイムクロック(Real Time Clock)であり省エネモード中も動作して、電源制御部210に対して復帰時刻の通知を行なう。バス214には、上記各要素が接続している。
【0021】
装置を制御するプログラムは、主にHDD206内に格納されている。電源が投入されると、CPU207はROM203からブートプログラムを読み出し、ブートプログラムの制御にしたがって装置のブートを実行する。CPU207はブートプログラムにしたがって、HDD206から装置の制御プログラムをRAM208に展開し、RAM208上に展開された装置の制御プログラムを読み出すことによって、装置の制御を実行することになる。
【0022】
本実施形態における省エネモードは、電源制御部210が、これら各機能部のうちの破線枠220内にある各機能部への電源供給を停止することによって実現される。即ち、画像形成装置のCPU207への電源供給を停止することによって、スキャナエンジン201やプリンタエンジン204のみの電源供給を停止する場合に比べて、より高い省エネ効果が達成できる。ただし、スキャナエンジン201やプリンタエンジン204のみの電源供給を停止する場合に比べて、省エネモードからの復帰にかかる時間が多くなる。
【0023】
電源制御部210は、省エネモード状態でもI/O制御部211、ネットワーク制御部212、RTC213の各ユニットから、省エネモードからの復帰要求となるPower_On信号221を受信できる。この信号を受信すると、電源制御部210は破線枠220の範囲のユニットから必要なモジュールを選択した上で電源を投入し、省エネモードから復帰する。ネットワーク制御部212がPower_On信号221を発生して省エネモードからの復帰を要求するのは、データを受信した場合である。受信するデータは、例えば自機宛てのネットワークパケットやARPパケット等である。また、I/O制御部211がPower_On信号221を発生して省エネモードからの復帰を要求するのは、ユーザがタッチパネル216やボタン217を操作した場合である。
【0024】
(画像形成装置の記憶構成例)
図2Bは、本実施形態の画像処理装置の記憶構成例を示す図である。図2Bでは、図2AのHDD206, RAM208, NVRAM209に記憶される情報を示す。尚、図2Bには、本実施形態1及び2に関連するプログラムやデータを示しており、他のプログラムやデータは省かれている。これら情報の配置は図2Bに限定されず、HDD206、NVRAM209、RAM208への振り分けは一例であって限定されるものではない。
【0025】
図2Bで、206aは、OSなどを含むシステムプログラムである。206bは、本実施形態でCPU207あるいは電源制御部210が実行する電源制御に関連するプログラムであり、図3B及び図3Cにその内容が示されている。尚、電源制御関連プログラム206bの内、省エネモード実行時(CPU207やHDD206の電源オフ時)のプログラムはNVRAM209に記憶されるのが望ましい。206cは、本画像形成装置が処理する画像ファイルを保管する画像ファイル記憶領域である。
【0026】
209aは、本実施形態で画像形成装置が実施する省エネモードを記憶する省エネモード・テ−ブルである。当該画像形成装置が実施可能な省エネモード(図では省エネモードA,Bなど)と、それぞれの復帰時間、どのモジュールへの電源供給を停止するかのデータが記憶される。209bは、ネットワークに接続されているクライアント装置の情報を記憶するクライアント情報テーブルである。当該画像形成装置にARPパケットを送信したクライアント装置(すなわち、ネットワークに接続され起動しているPC)と、それぞれのPCのステータス情報、IPアドレス/MACアドレスなどのネットワークアドレスなどが記憶される。
【0027】
又、209cは、現在当該画像形成装置が実施している省エネモードの識別情報と共に、ユーザがタッチパネル216やボタン217から設定した省エネに関する設定情報を記憶する領域である。209dは、当該画像形成装置の現在のステータス情報を記憶する領域である。ここでは詳細に説明しないが、ステータス情報には当該画像形成装置がビジーか否かと共に、搭載されている機能が使用可能か否かなどが含まれる。
【0028】
208aは、当該画像形成装置からクライアント装置にパケット送信される送信メッセージである。208bは、クライアント装置からパケット送信されて当該画像形成装置が受信した受信メッセージである。208cは、受信メッセージ208bから抽出された送信元アドレスであり、クライアント情報テーブル209bに保持される。
【0029】
208dは、スキャナエンジン201により読み込まれた画像データを記憶する領域である。208eは、プリンタエンジン204により出力される画像データを記憶する領域である。208fは、タッチパネル216に表示される、例えば省エネ設定画面などの表示画面データを記憶する領域である。208gは、CPU207が実行するプログラムをHDD206からロードするプログラムロード領域である。
【0030】
<本実施形態の画像形成装置の動作例>
(画像形成装置のソフトウエア構成例)
図3A及び図3Bは、本実施形態の画像形成装置のソフトウェア構成例を示すブロック図である。
【0031】
ソフト側の電源制御部301は、省エネモードへの移行と復帰処理の制御を行う。かかる電源制御部301は、図3Bのように、通常動作モードから省エネモードへの移行を制御する「移行処理3011」と、省エネモードから通常動作モードへの復帰を制御する「復帰処理3014」とを有する。ここで、「移行処理3011」は、各モジュールを常時監視して、省エネモードへの移行条件が満たされたか判定する「判定モジュール3012」と、判定条件が満たされた場合にハード依存のソフトを停止させ、ハード側の電源制御部210へ電源供給の停止を依頼する「停止依頼モジュール3013」とから構成される。一方、「復帰処理3014」の復帰は、ハード側の電源制御部210が復帰条件をPower_On信号221で検知すると、電源供給を再開するとともにこれをソフト側の電源制御部301へ通知することで開始される。この後、ハード側の電源制御部210による電源供給の再開を監視する「復帰監視モジュール3015」と、停止させていたソフトの初期化処理を実行する「初期化モジュール3016」との処理により、省エネモードから復帰する。
【0032】
図3Aに戻る。省エネモードの移行条件は、省エネ機能に関連したユーザ設定や、画像形成装置に装着されたオプションパーツの種類などによって異なる。省エネモードへ移行するための条件が満たされたら、検索応答制御部302を通じて、自らの省エネモード設定情報を各クライアント装置へ送信する。通知完了後は、ハードウェアに依存したアプリケーションへの停止を指示し、アプリケーションの停止が完了したら、ハードウェア側の電源制御部210へ電源供給の停止を依頼する。
【0033】
検索応答制御部302は、(1)省エネモード設定情報の通知に対応したクライアント装置の識別、(2)対応クライアント装置への省エネモード設定情報の通知、(3)省エネモードから復帰した後の画像形成装置のステータス通知の3つの役割を持つ。(1)の検索クライアント識別処理は、ARPパケット送信元に対して省エネモード設定情報800を送信し、応答810を返したクライアント装置のMACアドレスを保持することで実現する。(2)の省エネモード設定情報800の通知は、(1)から得たMACアドレスに対して行なう。尚、省エネモード設定情報の通知は、特定のクライアント装置宛てではなく、ネットワーク上のブロードキャスト送信することによって、複数の宛先に送信しても良いし、これらを併用してもよい。省エネモード設定情報を受信したクライアント装置はARPパケット送信後、省エネモード設定情報で通知した復帰処理期間だけ待機してから、ステータス取得のメッセージ900を送信してくるので、これらの機器に対しては、確実にステータス通知910を返せる。尚、上記送受信されるメッセージ情報の例については、以下の図8〜図10で説明する。
【0034】
印刷制御部303は、印刷クライアントから受信したメッセージから印刷データを取得して展開処理を行うとともに、プリンタ制御205を通じて印刷処理を行なう。
【0035】
ネットワーク通信ドライバ308は、ネットワーク制御部212を制御し、ネットワークとのデータ送受信の制御を行う。TCP/IPプロトコル制御部307は、TCP/IPプロトコルを制御するモジュールを備え、ネットワーク通信ドライバ308を使用してTCP/IPプロトコルに則ったデータ送受信制御を行なう。HTTPサーバ制御部306は、HTTP(HyperText Transfer Protocol)と称されるプロトコルの全般を制御するモジュールである。HTTPサーバ制御部306は、クライアントから受信したHTTPリクエストパケットを解析し適切な処理を行い、データをSOAP制御部305や印刷制御部303などの上位アプリケーションに渡す。又、上位アプリケーションの指示によりHTTPレスポンスパケットをクライアントに返送する制御を行なう。
【0036】
SOAP制御部305は、SOAP(Simple Object Access Protocol)と呼ばれるプロトコルを制御するモジュールである。SOAP制御部305は、クライアントから受信したXML(eXtensible Markup Language)形式のデータをXMLパーサ304を使用して解析し、印刷制御部303や検索応答制御部302の適切なモジュールを呼び出す。又、クライアントに返すべきデータをXMLデータに変換し、HTTPサーバ制御部306を介してクライアントに返信する制御を行なう。XMLパーサ304は、XML形式データを入力とし解析結果を出力するモジュールである。
【0037】
(画像形成装置の動作手順例)
図3Cは、本実施形態の画像形成装置の省エネ移行処理の手順例を示すフローチャートである。
【0038】
まず、CPU207は、ステップS31でNetwork制御部212がARPパケットを受信したか否かを判定する。ARPパケットを受信した場合にはステップS32へと進み、受信していない場合にはステップS36へ進む。ステップS32において、CPU207は現在画像形成装置に設定されている省エネモードを選別する。省エネモードの種類として、例えば、上記一定時間内の画像形成の開始を条件とする場合には、10分無ければ高熱部品を待機の状態(一定の温度低下)にし、30分無ければ回転部品の停止と制御部への通電停止をするなどの種々の条件が考えられる。
【0039】
ステップS33で、CPU207は、ステップS32の省エネモードの設定に対応して、省エネモード・テーブル209aから省エネモード設定情報を作成する。省エネ設定情報には、少なくとも設定された省エネモードから復帰するためにかかる復帰時間が含まれる。この省エネモードから復帰するためにかかる復帰時間は、省エネモードの種類によって異なる。従って、CPU207は、この時設定されている省エネモードに基づいて、復帰時間を算出し、省エネモード設定情報を作成する。尚、省エネモード・テーブル209aは、例えば、出荷時に記憶されているデフォルトのモードに加え、上記のように省エネ機能に関連したユーザ設定や、画像形成装置に装着されたオプションパーツの種類などに対応して新たに作成される。
【0040】
ステップS34において、CPU207は、ネットワーク制御部212を介し、ステップS33で作成された省エネ設定情報をARPパケット送信元のPCへ送信する。ステップS35で、CPU207は、この送信への応答があったクライアント、すなわち現在起動中のネットワーク上のPCのMACアドレス(あるいは、IPアドレス)を獲得して、クライアント情報テーブル209に保持する。
【0041】
ステップS36において、CPU207は、省エネモードへ移行するための条件を満足したか否かを判定する。省エネモードへ移行するための条件は、機種や部品、その時点で装着されているオプションパーツの種類などで異なるが、例えば、一定時間内に画像形成指示を受信しない、或いは画像形成が開始しない場合などが考えられる。この条件は、ユーザが任意に変更、設定できてもよい。ステップS36において、条件を満足していると判定された場合にはステップS37へと進み、満足していないと判定された場合にはステップS31へ戻る。
【0042】
ステップS37において、CPU207は、HDD206等に記憶された図2Bの中の、クライアント情報テーブル209bに、クライアント装置のアドレスが登録されているか否かを判定する。即ち、ステップS35において記憶したクライアント装置が存在するか否かを判定する。ステップS37において、アドレスが記憶されていると判定された場合にはステップS38へと進み、記憶されていない場合にはステップS39へと進む。
【0043】
ステップS38において、CPU207は、Network制御部212を介し、省エネモード設定情報をステップS35において記憶したアドレス宛てに送信する。ステップS39では、CPU207は、Network制御部212を介し、省エネモード設定情報をネットワーク上にブロードキャストで送信する。ステップS38,S39で送信される省エネモード設定情報は、ステップS33で作成された省エネモード設定情報である。尚、ステップS38において、省エネモード設定情報を所定のアドレス宛てに送信した場合には、ステップS39におけるブロードキャスト送信を省略してもよい。
【0044】
ステップS40において、CPU207は、ステップS32において選別された省エネモードに入るべく、ハードウエアの電源制御部210に省エネモードとするモジュールへの電源供給停止を依頼して、停止する。
【0045】
尚、上記フローチャートは、省エネ移行処理の一例であって、省エネモード設定情報を送信するPCの選択などの手順はこれに限定されない。例えば、省エネモード設定情報の送信先となるPCを予めユーザが画像形成装置に登録しておいてもよい。
【0046】
図3Dは、本実施形態の画像形成装置の省エネ復帰処理の手順例を示すフローチャートである。尚、図2Aに示すように、省エネ復帰は、タッチパネル216やボタン217からのローカル指示やRTC213からの復帰時刻指示によっても起動するが、以下では本例のPCよりのネットワークを介したリモートアクセスの場合を示す。
【0047】
まず、Network制御部212自機宛てのパケット(例えば、ステータスの問い合わせや印刷ジョブなどを含む)を受信すると、パケットが受信されたことを電源制御部210に通知する。電源制御部210は、Network制御部212から、パケット受信の通知を受けると、省エネモードからの復帰指示であると判断する(ステップS41)。次のステップS42における装置の各モジュールへの省エネ復帰の指示は、電源制御部210が、省エネ移行時に省エネ設定情報209cに設定された省エネモードに対応して行う。
【0048】
電源制御部210が各モジュールへの省エネ復帰(電源の再供給)を行なっている間に、CPU207が動作可能となれば復帰監視モジュール3015の処理を開始する。CPU207は、各モジュールの電源復帰に応答して、ステップS43で初期化モジュール3016により初期化を行なう。CPU207は、ネットワーク制御部212を介して省エネ開始時にPCに送信した復帰時間経過後に該PCからステータスの問い合わせを受信するので(図5CのS63参照)、ステップS44からS45に進む。CPU207は、ステップS45で、ステータス情報209dを含む送信メッセージをPCに返信する(図5CのS64,S66参照)。
【0049】
<本実施形態のPCの構成例>
図4Aは、本実施形態の検索・印刷クライアントとなる情報処理装置(PC)のハードウェア構成例を示すブロック図である。尚、情報処理装置(PC)は汎用コンピュータであっても専用コンピュータであってもよい。
【0050】
401は、本PCをプログラムを実行して制御する演算制御用のCPUである。402は、ブートプログラムなどの固定プログラムや固定パラメータを格納するROMである。403は、CPU207が一時記憶部として使用するRAMである。404は、プログラムやデータを記憶するHDDである。NVRAM405は、パネルから設定された値などを保持しておく不揮発性のRAMである。
【0051】
ネットワーク制御部406は、ネットワーク100を介する通信の制御を行なう。I/O制御ユニット407は、キーボードやポインティングデバイス、表示画面といったユーザインタフェース部を制御する。バス408には、上記各要素が接続している。
【0052】
検索・印刷処理をを制御するプログラムはHDD404内に格納されており、電源が投入されると、CPU401はROM402からブートプログラムを読み出し、ブートプログラムの制御にしたがって、クライアントのブート処理を実行する。CPU401は、ブートプログラムにしたがって、HDD404からクライアント制御プログラムをRAM403に展開し、RAM403上に展開された制御プログラムを読み出すことによって、クライアントの制御を実行する。
【0053】
PCは、同じネットワークに接続する上記画像形成装置から省エネモードに移行する前に送信されて来た、省エネモードとその復帰時間とを含む省エネモード設定情報を、デバイス単位でNVRAM405に記憶しておく。PCは、デバイスのステータスを問い合わせる場合、あるいは印刷ジョブなどを送信する場合、省エネモードに移行しているデバイスに対しては、省エネモードからの復帰開始後にNVRAM405に記憶されている復帰時間だけ待機する。そして、PCは、復帰時間経過後の復帰したデバイスにステータスの問い合わせや印刷ジョブなどの送信を行なう。ことで、画像形成装置側で送信データが取りこぼされることなく、より確実にデータ通信を行うことができる。
【0054】
(PCの記憶構成例)
図4Bは、本実施形態のPCの記憶構成例を示す図である。図4Bでは、図4AのHDD206, RAM208, NVRAM209に記憶される情報を示す。尚、図4Bには、本実施形態1及び2に関連するプログラムやデータを示しており、他のプログラムやデータは省かれている。これら情報の配置は図4Bに限定されず、HDD206、NVRAM209、RAM208への振り分けは一例であって限定されるものではない。
【0055】
図4Bで、404aは、OSなどを含むシステムプログラムである。404bは、本実施形態でCPU401が実行するデバイス制御に関連するプログラムであり、図5B及び図5Cにその内容が示されている。404cは、本PCが処理する画像ファイルを保管する画像ファイル記憶領域である。
【0056】
405aは、本実施形態でPCがネットワークを介して接続する画像形成装置を含む各デバイスのアドレスやステータス、復帰時間を含む省エネモード設定情報などを記憶するデバイス情報テ−ブルである。デバイス情報テ−ブル405aには、例えばデバイス名、デバイスの種別情報、IPアドレス/MACアドレス、デバイスのステータス情報、デバイスから省エネモードに移行する前に受信した復帰時間を含む省エネモード設定情報などのデータが記憶される。405bは、ネットワークに接続されているデバイスの内から(マニュアルで、又はオートで)選択されたデバイスを記憶するデバイス選択情報である。本例では、複数の画像形成装置から印刷したい画像データが印刷可能な機能を有する画像形成装置が、表示一覧からオペレータによって、あるいはPCによって自動的に選択される。
【0057】
403aは、当該PCから画像形成装置にパケット送信される送信メッセージである。403bは、画像形成装置からパケット送信されて当該PCが受信した受信メッセージである。403cは、受信メッセージ403bから抽出された送信元アドレスであり、デバイス情報テーブル405aに保持される。
【0058】
403dは、画像形成装置と送受信される画像データを記憶する領域である。403eは、表示画面に表示される、例えばデバイス選択画面などの表示画面データを記憶する領域である。403fは、CPU401が実行するプログラムをHDD402からロードするプログラムロード領域である。
【0059】
<本実施形態の画像形成装置の動作例>
(画像形成装置のソフトウエア構成例)
図5Aは、本実施形態の検索・印刷クライアント(PC)のソフトウェア構成例を示すブロック図である。
【0060】
印刷アプリケーション501は、同一ネットワークのプリンタを検索し、検索結果からプリンタを選択して印刷する手段と、既に登録されているプリンタに対して直接印刷する手段との2つを提供する。
【0061】
前者は、検索アプリケーション502で最新の利用可能なプリンタを検索し、利用可能なプリンタを選択してから印刷処理を行う。処理シーケンスは、以下に図6に基づいて説明する。後者は、印刷アプリケーション501が既知のプリンタに直接印刷する(検索によるリスト更新は行なわない)。処理シーケンスは、以下に図7に基づいて説明する。
【0062】
印刷データの生成は、プリンタドライバ503、生成したデータの転送はSOAP制御部505を通じて行なう。プリンタの検索は、検索アプリケーション502を経由して行なう。検索アプリケーション502は、同一ネットワーク上の画像形成装置から通知された省エネ設定情報を内部に保持する。この情報は、検索アプリケーション502が検索処理を行う場合に利用するだけでなく、SOAP制御部505へも提供される。SOAP制御部505では、省エネ設定情報を送信先のTimeOut判定に用いる。プリンタドライバ503は、印刷アプリケーション501から渡された印刷データを送信先のプリンタが処理可能なPDL言語に変換し、SOAP制御部505に渡す。
【0063】
ネットワーク通信ドライバ508は、ネットワーク制御部406を制御し、ネットワークとのデータ送受信の制御を行う。TCP/IPプロトコル制御部507は、TCP/IPプロトコルを制御するモジュールを備え、ネットワークドライバ508を使用してTCP/IPプロトコルに則ったデータ送受信制御を行なう。HTTPサーバ制御部506は、HTTP(HyperText Transfer Protocol)と称されるプロトコルの全般を制御するモジュールである。HTTPサーバ制御部506は、クライアントから受信したHTTPリクエストパケットを解析し適切な処理を行い、データをSOAP制御部505,検索アプリ303,印刷アプリなどの上位アプリケーションに渡す。又、上位アプリケーションの指示によりHTTPレスポンスパケットをクライアントに返送する制御を行なう。
【0064】
SOAP制御部505は、SOAP(Simple Object Access Protocol)と呼ばれるプロトコルを制御するモジュールである。SOAP制御部505は、クライアントから受信したXML(eXtensible Markup Language)形式のデータをXMLパーサ504を使用して解析し、印刷アプリや検索アプリの適切なモジュールを呼び出す。又、クライアントに返すべきデータをXMLデータに変換し、HTTPサーバ制御部506を介してクライアントに返信する制御を行なう。XMLパーサ504は、XML形式データを入力とし解析結果を出力するモジュールである。
【0065】
(PCの動作手順例)
図5Bは、PCが画像形成装置からの省エネモード設定情報を受信して保管する処理手順例を示すフローチャートである。
【0066】
まず、CPU401は、ステップS51で、ネットワークに接続されたいずれかの画像形成装置からのパケット受信があったかを、ネットワーク制御部406を介して判断する(図3CのS36参照)。無ければリターンする。パケット受信があると、CPU401は、ステップS52で受信したパケットが省エネモード設定情報を含むか否かを判定する。省エネモード設定情報が無ければリターンして他の処理をする。
【0067】
省エネモード設定情報が有れば、CPU401は、ステップS53で省エネモード設定情報をデバイス名に対応して、デバイス種別、IPアドレス、MACアドレスなどと共に、デバイス情報テーブル405aに保管する。
【0068】
図5Cは、PCが画像形成装置へアクセスする処理手順例を示すフローチャートである。尚、図5Cでは、省エネモードに移行している画像形成装置へのアクセスのみについて説明するが、実際には、省エネモードに移行していない画像形成装置も存在する。省エネモードに移行していない画像形成装置については、待機なしにステータスを問い合わせる。
【0069】
まず、ステップS61で、CPU401は、画像形成装置宛てのパケットをネットワークに送信する(図3DのS41参照)。このパケットは、例えばARPパケット、SNMPプロトコルによる検索パケット、SLPプロトコルによるマルチキャストパケット等であり、Wakeup Packetと呼ぶ。このWakeup Packetを受信した画像形成装置は省エネモードからの復帰を開始する。
【0070】
ステップS62-1〜S62-nで、CPU401は、t1〜tnの復帰時間をそれぞれ待機する。本例では、複数の省エネモードに移行しているデバイスを1〜nとし、復帰時間としてt1<t2...<Tnがデバイス情報テーブル405aに記憶されていると仮定する。
【0071】
それぞれ復帰時間t1、t2、...、tnの経過後に、その復帰時間を有する省エネモードのデバイスi、j、...、nにステータスを問い合わせる。それぞれの問い合わせ時刻には、問い合わせ対象のデバイスは、故障などが無ければ省エネモードから復帰して、処理を待機中である。
【0072】
CPU401は、ステップS64でデバイスからの応答であるステータス情報の受信を待ち、受信があればステップS65でステータス情報をデバイス情報テーブルに保管する。最も復帰時間の長い最後のデバイスからのステータス情報の受信(S66)と保管(S67)が終われば、ステップS68でレディー状態のデバイスの一覧表示を行なう。この一覧表示には、各デバイスの能力や機能、設置しているオプションパーツの種類などが同時に表示される。
【0073】
CPU401は、ステップS69で、オペレータからの使用するデバイスの選択を待って、ステップS70で選択されたデバイスに処理を指示する。本例では、画像の印刷あるいは画像の読み込みを指示する。尚、上述のように、デバイスの選択はオペレータによるマニュアル選択でなく、PCが画像データの種類とデバイス能力とから自動的に選択してもよい。
【0074】
<本実施形態のシステムの動作シーケンス例>
(画像形成装置を選択する例)
図6では、各画像形成装置が省エネモード移行前に、それぞれの省エネモード設定情報とスリープ復帰時間を通知、検索クライアントはその通知情報に基づいて、装置検索時のTime Out時間(ステータス問い合わせまでの待機時間)を変更するシーケンスを示す。
【0075】
ステップS601〜S604で、画像形成装置101,102が省エネモードへ移行する際に、装置の省エネモードに関する情報を検索クライアント(PC)103に対して通知する。通知方法としては、画像形成装置に既に登録されているアドレスに基づいて通知する方法や、ブロードキャストによってネットワーク上の複数のPCに通知する方法を用いる。
【0076】
画像形成装置の使用が必要になると、検索アプリケーション502は、ステップS605で印刷アプリケーション501からの要求に基づき、ARPを送信、ネットワーク上にある画像形成装置101,102の省エネ復帰処理を開始させる。検索アプリケーション502は、ステップS606で事前に上記ステップS601〜S604で画像形成装置から通知された省エネモード設定情報800に基づき、検索対象毎に通知された省エネモード復帰時間だけ待機し、個別に装置の状況を確認するメッセージ900を送信する(S609,S611)。
【0077】
検索アプリケーション502は、ステップS610で、応答メッセージ910が返された場合のみ、装置が存在すると判定し、応答が無い場合は、TimeOut(つまり、装置がネットワーク上から消えた)と判断、装置リストを更新する。印刷クライアント103は、ステップS611までの結果に基づき、ステップS612で印刷処理を依頼する画像形成装置101を選択、ステップS614で印刷データ1000を送信する。ステップS612において選択された画像形成装置101は、ステップS615で受信データの印刷を実行する。
【0078】
(既知の画像形成装置の例)
図7に、印刷アプリケーションが、画像形成装置からの省エネモード設定情報を考慮し、印刷を行なう場合のシーケンスを示す。図6の場合と同様に、画像形成装置101,102は省エネモードへ移行する際に、画像形成装置の省エネモードに関する情報を印刷クライアント103に対して通知する(S701, S702)。通知方法としては、画像形成装置に既に登録されているアドレスに基づいて通知する方法や、ブロードキャストによってネットワーク上の複数のPCに通知する方法を用いる。
【0079】
画像形成装置101の使用が要求されると、ステップS703で、印刷アプリケーション501は、印刷データを生成すると共に、検索アプリケーション502に印刷を依頼する画像形成装置101の現在の省エネモードに関する情報を問い合わせる。しかしながら、データ送信時のTimeOut時間を画像形成装置101が事前に通知した省エネ復帰処理時間803よりも長く設定する。
【0080】
印刷クライアントはステップS704で印刷データの送信を開始する。この送信データがトリガとなって、画像形成装置101は、省エネモードからの復帰処理を開始する(S705)。送信処理自体は接続エラーが繰り返され、画像形成装置の復帰処理が完了した時点で、ステップS706,S707へ進む。
【0081】
ステップS706では、送信データの受信完了通知が画像形成装置101から返され、ステップS707では、受信データの印刷処理が行われる。
【0082】
このように、事前に通知された省エネ設定情報をもとにTimeOut時間を調整することにより、印刷アプリケーションが実際には存在する画像形成装置をTimeOutと判定してしまうことを防止できる。
【0083】
(ネットワーク上を送受信されるメッセージ構成例)
図8に、画像形成装置がクライアント装置(PC)に、自機の省エネ設定情報を通知する通知メッセージの例を示す。
【0084】
画像形成装置は、省エネモードへ移行前に、過去に自機を利用したクライアントに対して、現在の省エネモードに関する通知メッセージ800で通知し、省エネモードへ移行する。印刷・検索クライアントは応答メッセージ810を返す。通知メッセージ800は、ユーザによって設定されたユーザ設定を示すデータ801、省エネ設定を無効にするオプションを示すデータ802、機種毎に固定の省エネ性能を示すデータ803から構成される。
【0085】
ユーザ設定データ801には、選択可能な省エネレベルsleep_level、省エネモードへの移行条件である、本体操作パネルの未使用期間lui_wait_time、Network経由での本体未使用期間net_wait_timeなどが含まれる。オプションデータ802には、Faxボードの装着など、省エネモードが無効化される要因がある場合のみ、listとして記載される。省エネ性能データ803には、装置が省エネから復帰する為に必要な時間wake_up_timeや、設定可能な省エネモードのレベルallowed_sleep_levelが記載される。検索アプリケーション 502 は、通知メッセージ800を受信後、その応答メッセージ810を返し、画像形成装置へ受信完了を通知する。
【0086】
図9に、印刷アプリ501・検索アプリケーション502が画像形成装置に対して、現在のステータスを問い合わせ時に送信するメッセージ900と、それに対する画像形成装置からの応答メッセージ910の例を示す。
【0087】
クライアント(PC)側は、問い合わせメッセージ900のデータ901で確認したいステータス情報を指定する。画像形成装置は、データ901で指定された内容をデータ911として格納し、応答メッセージ910を返信する。
【0088】
図10に、印刷アプリケーションが画像形成装置へ印刷処理を依頼する時のSOAP/XMLメッセージを示す。
【0089】
印刷クライアントは、事前にデータを送付する画像形成装置を選択してメッセージを送信する。この時に送信する依頼メッセージ1000である。依頼メッセージ1000は、SOAP Messages with Attachments形式で送付される。データ1001は、印刷先となるプリンタのネットワーク情報、データ1002は、印刷データおよび印刷データに対する署名データへの参照ポインタ、データ1003には、データ1002で指定されたデータをMIME形式でエンコードしたデータが添付される。画像形成装置は、データ1003の印刷データを取得し、署名を検証した後に印刷処理を行なう。
【0090】
尚、最初にも述べたように、本実施形態では省エネモードを有する装置として、省エネモードからの復帰時間が比較的長く、復帰時間の異なる複数の省エネモードを有する画像形成装置を、本発明を適用する典型的な装置例として取り上げた。しかし、他の省エネモードを有する装置にも適用可能であり、同様の効果を奏する。
【0091】
又、本発明の目的は、実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給する。そして、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される。
【0092】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0093】
又、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、CD、DVD、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。CDやDVDとしては、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RWを用いることができる。又、プログラムコードをネットワークを介してダウンロードしてもよい。
【0094】
又、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上記実施の形態の機能が実現されるだけではない。そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0095】
更に、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。その後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0096】
又、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した各実施の形態の機能が実現されるだけではない。そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOSなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した各実施の形態の機能が実現される場合も、本発明に含まれることは言うまでもない。
【0097】
この場合、上記プログラムは、該プログラムを記憶した記憶媒体から直接供給される。又、インターネット、商用ネットワーク、若しくはローカルエリアネットワーク等に接続された不図示の他のコンピュータやデータベース等からダウンロードすることにより供給される。
【0098】
上記プログラムの形態は、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラムコード、OS(オペレーティングシステム)に供給されるスクリプトデータ等の形態から成ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本実施形態の画像形成装置と検索・印刷クライアントがLANに接続されたシステムの概略図である。
【図2A】本実施形態の画像形成装置のハードウェアの概略図である。
【図2B】図2Aのメモリの記憶構成例を示す図である。
【図3A】本実施形態の画像形成装置のソフトウェアの概略図である。
【図3B】図3Aの電源制御部の構成例を示す図である。
【図3C】本実施形態の画像形成装置の省エネ移行処理の処理手順例を示す図である。
【図3D】本実施形態の画像形成装置の省エネ復帰処理の処理手順例を示す図である。
【図4A】本実施形態の検索・印刷クライアント(PC)のハードウェアの概略図である。
【図4B】図4Aのメモリの記憶構成例を示す図である。
【図5A】本実施形態の検索・印刷クライアント(PC)のソフトウェアの概略図である。
【図5B】本実施形態の検索・印刷クライアント(PC)の省エネ設定情報取得の処理手順例を示す図である。
【図5C】本実施形態の検索・印刷クライアント(PC)のデバイスアクセス処理の処理手順例を示す図である。
【図6】本実施形態の予告復帰時間を利用した検索処理のシーケンスの例を示す図である。
【図7】本実施形態の予告復帰時間を利用した印刷処理のシーケンスの例を示す図である。
【図8】本実施形態で画像形成装置が検索・印刷クライアントへ省エネ設定情報を通知する場合のSOAP/XMLメッセージの例を示す図である。
【図9】本実施形態で検索・印刷クライアントが画像形成装置へ最新のステータス情報を要求する場合のSOAP/XMLメッセージの例を示す図である。
【図10】本実施形態で検索・印刷クライアントが画像形成装置へ印刷データを転送する場合のSOAP/XMLメッセージの例を示す図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、省エネモードを搭載した装置及びその制御方法関する。特に、画像形成装置と検索ユーティリティと印刷クライアントとから構成される印刷システムに関するものである。かかる画像形成装置は、外部から自機宛てのネットワークを介するパケットの受信によって停止状態から待機状態へ復帰する省エネモードを搭載する。
【背景技術】
【0002】
近年は、画像形成装置を含むあらゆる製品において、待機状態にある機器の電力消費を抑制する省エネモードの搭載が求められている。このような省エネモードが搭載された装置が接続されるネットワークシステムで、省エネモードが有効になっている装置に対してパーソナルコンピュータ(以下、PC)などからネットワーク経由で装置の接続状態及び動作状態の検索を行う場合がある。その場合、まずPCは最初に起動用の起動パケットを装置に送信して装置の省エネモードを解除し、その後に検索用の検索パケットを装置に送信する。(例えば特許文献1参照)
【特許文献1】特開2006−39940
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、効果の高い省エネモード程、製品内部で電力供給を停止しているモジュール数が多い。このため、省エネモードからの復帰にも多くの時間を要する。又、この機能は製品を構成するハードウェアモジュールとソフトウェアモジュールとが密接に関係することから、機種毎に(同一機種であってもユーザが設定した省エネモードのレベルによって)復帰時間が異なっている。
【0004】
このような背景から、オフィス環境などの複数の装置が接続されたネットワークにおいて、装置の接続状態や動作状態を検索する検索クライアント(PC)で、検索応答時間の上限であるタイムアウト時間を一意に決定することが出来ない。仮に検索クライアントのタイムアウト時間を短く固定してしまうと、タイムアウト時間内に省エネモードから復帰できなかった装置が検索結果に表示されなくなってしまう。逆にタイムアウト時間を長く設定すると、検索対象の装置が本当に存在しなかった場合に、それを判定するまでの時間が余計にかかってしまう。
【0005】
本発明は、上記従来の問題点に鑑み、情報処理装置が省エネモードを備える他の装置と通信するにあたって、他の装置が省エネモードであった場合でも、省エネモードからの復帰時間を考慮してより効率よく通信することができるようにする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する為に、本発明の省エネモード搭載装置は、利用していないモジュールへの電力供給を制限する省エネモードを実施する省エネモード実施手段と、省エネモードへの移行前に、当該省エネモードからの復帰時間を特定可能な情報を、ネットワークを介して接続される情報処理装置へ通知する通知手段と、前記情報処理装置から送信されたデータを受信するのに応じて、前記省エネモードからの復帰を開始する復帰手段と、前記省エネモードから復帰した後、前記情報処理装置からの要求に応じた処理を実行する実行手段とを有することを特徴とする。
【0007】
ここで、前記実行手段は、前記情報処理装置からデータが送信されてから前記復帰時間の経過以降に送信される前記情報処理装置からの要求に応じて、処理を実行する。また、前記省エネモード実施手段は複数の復帰時間の異なる省エネモードを有し、前記通知手段は実施する省エネモードに対応する復帰時間を通知する。また、前記省エネモード搭載装置は画像形成装置を含む。また、前記情報処理装置からの要求は、画像形成要求であり、前記実行手段は、当該要求に応じて画像形成を実行する。また、前記情報処理装置からの要求は、前記省エネモード搭載装置のステータスを問い合わせる要求であり、前記実行手段は、当該要求に応じてステータスを前記情報処理装置に送信する。また、ネットワーク上の情報処理装置のアドレスを記憶する記憶手段を更に有し、前記通知手段は、前記記憶手段に記憶されるアドレス宛てに、前記省エネモードからの復帰時間を特定可能な情報を通知する。また、前記通知手段は、前記省エネモードからの復帰時間を特定可能な情報を、前記ネットワーク上にブロードキャスト送信する。
【0008】
又、本発明の情報処理装置は、利用していないモジュールへの電力供給を制限する省エネモードを有する省エネモード搭載装置から、省エネモードからの復帰時間を特定可能な情報を受信する受信手段と、前記受信手段で受信した情報に基づいて、省エネモード搭載装置と当該省エネモード搭載装置の省エネモードからの復帰時間を記憶する記憶手段と、前記省エネモード搭載装置へデータを送信する第1送信手段と、前記第1送信手段によってデータを送信してから、前記記憶手段に記憶される省エネモードからの復帰時間が経過した後、前記省エネモード搭載装置へ処理要求を送信する第2送信手段とを有することを特徴とする。
【0009】
ここで、前記処理要求は、前記省エネモード搭載装置のステータスを問い合わせる要求である。また、前記処理要求は、画像形成要求である。また、前記第2送信手段は、前記第1送信手段によってデータを送信してから前記復帰時間の経過以降まで、ネットワークを介して前記省エネモード搭載装置へ処理要求を繰返し送信する。また、前記省エネモード搭載装置を含む複数の装置から返信されたステータスに基づいて、使用可能な装置の一覧を表示する一覧表示手段と、前記一覧からのユーザの選択指示に対応して、選択された装置へ処理開始を要求する処理要求手段とを更に有する。また、前記第1送信手段によって送信されるデータは、前記省エネモード搭載装置に対して省エネモードからの復帰を指示するデータである。また、前記記憶手段は、複数の省エネモード搭載装置夫々に対応する復帰時間を記憶する。また、前記情報処理装置はパーソナルコンピュータを含む。
【0010】
又、本発明の省エネモード搭載装置の制御方法は、利用していないモジュールへの電力供給を制限する省エネモードを実施する省エネモード実施工程と、省エネモードへの移行前に、当該省エネモードからの復帰時間を特定可能な情報を、ネットワークを介して接続される情報処理装置へ通知する通知工程と、前記情報処理装置から送信されたデータを受信するのに応じて、前記省エネモードからの復帰を開始する復帰工程と、前記省エネモードから復帰した後、前記情報処理装置からの要求に応じた処理を実行する実行工程とを有することを特徴とする。
【0011】
又、本発明の情報処理装置の制御方法は、利用していないモジュールへの電力供給を制限する省エネモードを有する省エネモード搭載装置から、省エネモードからの復帰時間を特定可能な情報を受信する受信工程と、前記受信工程で受信した情報に基づいて、省エネモード搭載装置と当該省エネモード搭載装置の省エネモードからの復帰時間を記憶する記憶工程と、前記省エネモード搭載装置へデータを送信する第1送信工程と、前記第1送信工程でデータを送信してから、前記記憶工程で記憶された省エネモードからの復帰時間が経過した後、前記省エネモード搭載装置へ処理要求を送信する第2送信工程とを有することを特徴とする。
【0012】
又、本発明のコンピュータ実行可能なプログラムは、省エネモード搭載装置の制御方法を実現するコンピュータ実行可能なプログラムであって、利用していないモジュールへの電力供給を制限する省エネモードを実施する省エネモード実施工程と、省エネモードへの移行前に、当該省エネモードからの復帰時間を特定可能な情報を、ネットワークを介して接続される情報処理装置へ通知する通知工程と、前記情報処理装置から送信されたデータを受信するのに応じて、前記省エネモードからの復帰を開始する復帰工程と、前記省エネモードから復帰した後、前記情報処理装置からの要求に応じた処理を実行する実行工程とを有することを特徴とする。
【0013】
又、情報処理装置の制御方法を実現するコンピュータ実行可能なプログラムであって、利用していないモジュールへの電力供給を制限する省エネモードを有する省エネモード搭載装置から、省エネモードからの復帰時間を特定可能な情報を受信する受信工程と、前記受信手段で受信した情報に基づいて、省エネモード搭載装置と当該省エネモード搭載装置の省エネモードからの復帰時間を記憶する記憶工程と、前記省エネモード搭載装置へデータを送信する第1送信工程と、前記送信手段によってデータを送信してから、前記記憶工程で記憶された省エネモードからの復帰時間が経過した後、前記省エネモード搭載装置へ処理要求を送信する第2送信工程とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように、本発明により、情報処理装置が省エネモードを備える他の装置と通信するにあたって、他の装置が省エネモードであった場合でも、省エネモードからの復帰時間を考慮してより効率よく通信することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。尚、以下の実施形態では、クライアント装置としてのパーソナルコンピュータ(PC)と、省エネモードを搭載した装置としての画像形成装置とがネットワークに接続されたシステムを例に説明するが、本発明はこれに限定されない。画像形成装置は、省エネモードからの復帰時間が比較的長く、復帰時間の異なる複数の省エネモードを有する、本発明を適用可能な典型的な装置例として取り上げたに過ぎない。従って、他の省エネモードを有する装置にも適用可能であり、これらも本発明に含まれる。
【0016】
<本実施形態の省エネモードを搭載した装置を含むシステム構成例>
図1は、本実施形態におけるネットワーク構成例を示す図である。
【0017】
画像形成装置101,102は、どちらもネットワーク100に接続されている。クライアント装置103も同じくネットワーク100に接続されており、画像形成装置101,102に対して検索や印刷を行なうことができる。又、画像形成装置101,102は、省エネモードを搭載している。そして、操作パネルなどを直接操作した場合以外にもネットワーク100からARP(Address Resolution Protocol)パケット105や自機宛てのパケット106,107を受信することによって、省エネモードから通常モードに復帰する。
【0018】
<本実施形態の画像形成装置の構成例>
図2Aは、本実施形態における画像形成装置の概略構成例を示すブロック図である。本実施形態では、画像形成装置として、プリント機能とスキャン機能とを有する複合機である場合を説明するが、プリンタ、スキャナ、ファックス、複写機等のその他の装置であってもよい。
【0019】
スキャナ制御部202は、スキャナエンジン201を制御する。エンジン制御部 205は、プリンタエンジン204を制御する。203は、ブートプログラムなどの固定プログラムや固定パラメータを格納するROMである。206は、プログラムやデータを記憶するHDDである。207は、本画像形成装置をプログラムを実行して制御する演算制御用のCPUである。208は、CPU207が一時記憶部として使用するRAMである。NVRAM209は、パネルから設定された値などを保持しておく不揮発性のRAMである。
【0020】
I/O制御ユニット211は、タッチパネル216やボタン217、ランプ218といったユーザインタフェース部を制御する。ネットワーク制御部212は、ネットワーク100を介する通信の制御を行なう。RTC213は、リアルタイムクロック(Real Time Clock)であり省エネモード中も動作して、電源制御部210に対して復帰時刻の通知を行なう。バス214には、上記各要素が接続している。
【0021】
装置を制御するプログラムは、主にHDD206内に格納されている。電源が投入されると、CPU207はROM203からブートプログラムを読み出し、ブートプログラムの制御にしたがって装置のブートを実行する。CPU207はブートプログラムにしたがって、HDD206から装置の制御プログラムをRAM208に展開し、RAM208上に展開された装置の制御プログラムを読み出すことによって、装置の制御を実行することになる。
【0022】
本実施形態における省エネモードは、電源制御部210が、これら各機能部のうちの破線枠220内にある各機能部への電源供給を停止することによって実現される。即ち、画像形成装置のCPU207への電源供給を停止することによって、スキャナエンジン201やプリンタエンジン204のみの電源供給を停止する場合に比べて、より高い省エネ効果が達成できる。ただし、スキャナエンジン201やプリンタエンジン204のみの電源供給を停止する場合に比べて、省エネモードからの復帰にかかる時間が多くなる。
【0023】
電源制御部210は、省エネモード状態でもI/O制御部211、ネットワーク制御部212、RTC213の各ユニットから、省エネモードからの復帰要求となるPower_On信号221を受信できる。この信号を受信すると、電源制御部210は破線枠220の範囲のユニットから必要なモジュールを選択した上で電源を投入し、省エネモードから復帰する。ネットワーク制御部212がPower_On信号221を発生して省エネモードからの復帰を要求するのは、データを受信した場合である。受信するデータは、例えば自機宛てのネットワークパケットやARPパケット等である。また、I/O制御部211がPower_On信号221を発生して省エネモードからの復帰を要求するのは、ユーザがタッチパネル216やボタン217を操作した場合である。
【0024】
(画像形成装置の記憶構成例)
図2Bは、本実施形態の画像処理装置の記憶構成例を示す図である。図2Bでは、図2AのHDD206, RAM208, NVRAM209に記憶される情報を示す。尚、図2Bには、本実施形態1及び2に関連するプログラムやデータを示しており、他のプログラムやデータは省かれている。これら情報の配置は図2Bに限定されず、HDD206、NVRAM209、RAM208への振り分けは一例であって限定されるものではない。
【0025】
図2Bで、206aは、OSなどを含むシステムプログラムである。206bは、本実施形態でCPU207あるいは電源制御部210が実行する電源制御に関連するプログラムであり、図3B及び図3Cにその内容が示されている。尚、電源制御関連プログラム206bの内、省エネモード実行時(CPU207やHDD206の電源オフ時)のプログラムはNVRAM209に記憶されるのが望ましい。206cは、本画像形成装置が処理する画像ファイルを保管する画像ファイル記憶領域である。
【0026】
209aは、本実施形態で画像形成装置が実施する省エネモードを記憶する省エネモード・テ−ブルである。当該画像形成装置が実施可能な省エネモード(図では省エネモードA,Bなど)と、それぞれの復帰時間、どのモジュールへの電源供給を停止するかのデータが記憶される。209bは、ネットワークに接続されているクライアント装置の情報を記憶するクライアント情報テーブルである。当該画像形成装置にARPパケットを送信したクライアント装置(すなわち、ネットワークに接続され起動しているPC)と、それぞれのPCのステータス情報、IPアドレス/MACアドレスなどのネットワークアドレスなどが記憶される。
【0027】
又、209cは、現在当該画像形成装置が実施している省エネモードの識別情報と共に、ユーザがタッチパネル216やボタン217から設定した省エネに関する設定情報を記憶する領域である。209dは、当該画像形成装置の現在のステータス情報を記憶する領域である。ここでは詳細に説明しないが、ステータス情報には当該画像形成装置がビジーか否かと共に、搭載されている機能が使用可能か否かなどが含まれる。
【0028】
208aは、当該画像形成装置からクライアント装置にパケット送信される送信メッセージである。208bは、クライアント装置からパケット送信されて当該画像形成装置が受信した受信メッセージである。208cは、受信メッセージ208bから抽出された送信元アドレスであり、クライアント情報テーブル209bに保持される。
【0029】
208dは、スキャナエンジン201により読み込まれた画像データを記憶する領域である。208eは、プリンタエンジン204により出力される画像データを記憶する領域である。208fは、タッチパネル216に表示される、例えば省エネ設定画面などの表示画面データを記憶する領域である。208gは、CPU207が実行するプログラムをHDD206からロードするプログラムロード領域である。
【0030】
<本実施形態の画像形成装置の動作例>
(画像形成装置のソフトウエア構成例)
図3A及び図3Bは、本実施形態の画像形成装置のソフトウェア構成例を示すブロック図である。
【0031】
ソフト側の電源制御部301は、省エネモードへの移行と復帰処理の制御を行う。かかる電源制御部301は、図3Bのように、通常動作モードから省エネモードへの移行を制御する「移行処理3011」と、省エネモードから通常動作モードへの復帰を制御する「復帰処理3014」とを有する。ここで、「移行処理3011」は、各モジュールを常時監視して、省エネモードへの移行条件が満たされたか判定する「判定モジュール3012」と、判定条件が満たされた場合にハード依存のソフトを停止させ、ハード側の電源制御部210へ電源供給の停止を依頼する「停止依頼モジュール3013」とから構成される。一方、「復帰処理3014」の復帰は、ハード側の電源制御部210が復帰条件をPower_On信号221で検知すると、電源供給を再開するとともにこれをソフト側の電源制御部301へ通知することで開始される。この後、ハード側の電源制御部210による電源供給の再開を監視する「復帰監視モジュール3015」と、停止させていたソフトの初期化処理を実行する「初期化モジュール3016」との処理により、省エネモードから復帰する。
【0032】
図3Aに戻る。省エネモードの移行条件は、省エネ機能に関連したユーザ設定や、画像形成装置に装着されたオプションパーツの種類などによって異なる。省エネモードへ移行するための条件が満たされたら、検索応答制御部302を通じて、自らの省エネモード設定情報を各クライアント装置へ送信する。通知完了後は、ハードウェアに依存したアプリケーションへの停止を指示し、アプリケーションの停止が完了したら、ハードウェア側の電源制御部210へ電源供給の停止を依頼する。
【0033】
検索応答制御部302は、(1)省エネモード設定情報の通知に対応したクライアント装置の識別、(2)対応クライアント装置への省エネモード設定情報の通知、(3)省エネモードから復帰した後の画像形成装置のステータス通知の3つの役割を持つ。(1)の検索クライアント識別処理は、ARPパケット送信元に対して省エネモード設定情報800を送信し、応答810を返したクライアント装置のMACアドレスを保持することで実現する。(2)の省エネモード設定情報800の通知は、(1)から得たMACアドレスに対して行なう。尚、省エネモード設定情報の通知は、特定のクライアント装置宛てではなく、ネットワーク上のブロードキャスト送信することによって、複数の宛先に送信しても良いし、これらを併用してもよい。省エネモード設定情報を受信したクライアント装置はARPパケット送信後、省エネモード設定情報で通知した復帰処理期間だけ待機してから、ステータス取得のメッセージ900を送信してくるので、これらの機器に対しては、確実にステータス通知910を返せる。尚、上記送受信されるメッセージ情報の例については、以下の図8〜図10で説明する。
【0034】
印刷制御部303は、印刷クライアントから受信したメッセージから印刷データを取得して展開処理を行うとともに、プリンタ制御205を通じて印刷処理を行なう。
【0035】
ネットワーク通信ドライバ308は、ネットワーク制御部212を制御し、ネットワークとのデータ送受信の制御を行う。TCP/IPプロトコル制御部307は、TCP/IPプロトコルを制御するモジュールを備え、ネットワーク通信ドライバ308を使用してTCP/IPプロトコルに則ったデータ送受信制御を行なう。HTTPサーバ制御部306は、HTTP(HyperText Transfer Protocol)と称されるプロトコルの全般を制御するモジュールである。HTTPサーバ制御部306は、クライアントから受信したHTTPリクエストパケットを解析し適切な処理を行い、データをSOAP制御部305や印刷制御部303などの上位アプリケーションに渡す。又、上位アプリケーションの指示によりHTTPレスポンスパケットをクライアントに返送する制御を行なう。
【0036】
SOAP制御部305は、SOAP(Simple Object Access Protocol)と呼ばれるプロトコルを制御するモジュールである。SOAP制御部305は、クライアントから受信したXML(eXtensible Markup Language)形式のデータをXMLパーサ304を使用して解析し、印刷制御部303や検索応答制御部302の適切なモジュールを呼び出す。又、クライアントに返すべきデータをXMLデータに変換し、HTTPサーバ制御部306を介してクライアントに返信する制御を行なう。XMLパーサ304は、XML形式データを入力とし解析結果を出力するモジュールである。
【0037】
(画像形成装置の動作手順例)
図3Cは、本実施形態の画像形成装置の省エネ移行処理の手順例を示すフローチャートである。
【0038】
まず、CPU207は、ステップS31でNetwork制御部212がARPパケットを受信したか否かを判定する。ARPパケットを受信した場合にはステップS32へと進み、受信していない場合にはステップS36へ進む。ステップS32において、CPU207は現在画像形成装置に設定されている省エネモードを選別する。省エネモードの種類として、例えば、上記一定時間内の画像形成の開始を条件とする場合には、10分無ければ高熱部品を待機の状態(一定の温度低下)にし、30分無ければ回転部品の停止と制御部への通電停止をするなどの種々の条件が考えられる。
【0039】
ステップS33で、CPU207は、ステップS32の省エネモードの設定に対応して、省エネモード・テーブル209aから省エネモード設定情報を作成する。省エネ設定情報には、少なくとも設定された省エネモードから復帰するためにかかる復帰時間が含まれる。この省エネモードから復帰するためにかかる復帰時間は、省エネモードの種類によって異なる。従って、CPU207は、この時設定されている省エネモードに基づいて、復帰時間を算出し、省エネモード設定情報を作成する。尚、省エネモード・テーブル209aは、例えば、出荷時に記憶されているデフォルトのモードに加え、上記のように省エネ機能に関連したユーザ設定や、画像形成装置に装着されたオプションパーツの種類などに対応して新たに作成される。
【0040】
ステップS34において、CPU207は、ネットワーク制御部212を介し、ステップS33で作成された省エネ設定情報をARPパケット送信元のPCへ送信する。ステップS35で、CPU207は、この送信への応答があったクライアント、すなわち現在起動中のネットワーク上のPCのMACアドレス(あるいは、IPアドレス)を獲得して、クライアント情報テーブル209に保持する。
【0041】
ステップS36において、CPU207は、省エネモードへ移行するための条件を満足したか否かを判定する。省エネモードへ移行するための条件は、機種や部品、その時点で装着されているオプションパーツの種類などで異なるが、例えば、一定時間内に画像形成指示を受信しない、或いは画像形成が開始しない場合などが考えられる。この条件は、ユーザが任意に変更、設定できてもよい。ステップS36において、条件を満足していると判定された場合にはステップS37へと進み、満足していないと判定された場合にはステップS31へ戻る。
【0042】
ステップS37において、CPU207は、HDD206等に記憶された図2Bの中の、クライアント情報テーブル209bに、クライアント装置のアドレスが登録されているか否かを判定する。即ち、ステップS35において記憶したクライアント装置が存在するか否かを判定する。ステップS37において、アドレスが記憶されていると判定された場合にはステップS38へと進み、記憶されていない場合にはステップS39へと進む。
【0043】
ステップS38において、CPU207は、Network制御部212を介し、省エネモード設定情報をステップS35において記憶したアドレス宛てに送信する。ステップS39では、CPU207は、Network制御部212を介し、省エネモード設定情報をネットワーク上にブロードキャストで送信する。ステップS38,S39で送信される省エネモード設定情報は、ステップS33で作成された省エネモード設定情報である。尚、ステップS38において、省エネモード設定情報を所定のアドレス宛てに送信した場合には、ステップS39におけるブロードキャスト送信を省略してもよい。
【0044】
ステップS40において、CPU207は、ステップS32において選別された省エネモードに入るべく、ハードウエアの電源制御部210に省エネモードとするモジュールへの電源供給停止を依頼して、停止する。
【0045】
尚、上記フローチャートは、省エネ移行処理の一例であって、省エネモード設定情報を送信するPCの選択などの手順はこれに限定されない。例えば、省エネモード設定情報の送信先となるPCを予めユーザが画像形成装置に登録しておいてもよい。
【0046】
図3Dは、本実施形態の画像形成装置の省エネ復帰処理の手順例を示すフローチャートである。尚、図2Aに示すように、省エネ復帰は、タッチパネル216やボタン217からのローカル指示やRTC213からの復帰時刻指示によっても起動するが、以下では本例のPCよりのネットワークを介したリモートアクセスの場合を示す。
【0047】
まず、Network制御部212自機宛てのパケット(例えば、ステータスの問い合わせや印刷ジョブなどを含む)を受信すると、パケットが受信されたことを電源制御部210に通知する。電源制御部210は、Network制御部212から、パケット受信の通知を受けると、省エネモードからの復帰指示であると判断する(ステップS41)。次のステップS42における装置の各モジュールへの省エネ復帰の指示は、電源制御部210が、省エネ移行時に省エネ設定情報209cに設定された省エネモードに対応して行う。
【0048】
電源制御部210が各モジュールへの省エネ復帰(電源の再供給)を行なっている間に、CPU207が動作可能となれば復帰監視モジュール3015の処理を開始する。CPU207は、各モジュールの電源復帰に応答して、ステップS43で初期化モジュール3016により初期化を行なう。CPU207は、ネットワーク制御部212を介して省エネ開始時にPCに送信した復帰時間経過後に該PCからステータスの問い合わせを受信するので(図5CのS63参照)、ステップS44からS45に進む。CPU207は、ステップS45で、ステータス情報209dを含む送信メッセージをPCに返信する(図5CのS64,S66参照)。
【0049】
<本実施形態のPCの構成例>
図4Aは、本実施形態の検索・印刷クライアントとなる情報処理装置(PC)のハードウェア構成例を示すブロック図である。尚、情報処理装置(PC)は汎用コンピュータであっても専用コンピュータであってもよい。
【0050】
401は、本PCをプログラムを実行して制御する演算制御用のCPUである。402は、ブートプログラムなどの固定プログラムや固定パラメータを格納するROMである。403は、CPU207が一時記憶部として使用するRAMである。404は、プログラムやデータを記憶するHDDである。NVRAM405は、パネルから設定された値などを保持しておく不揮発性のRAMである。
【0051】
ネットワーク制御部406は、ネットワーク100を介する通信の制御を行なう。I/O制御ユニット407は、キーボードやポインティングデバイス、表示画面といったユーザインタフェース部を制御する。バス408には、上記各要素が接続している。
【0052】
検索・印刷処理をを制御するプログラムはHDD404内に格納されており、電源が投入されると、CPU401はROM402からブートプログラムを読み出し、ブートプログラムの制御にしたがって、クライアントのブート処理を実行する。CPU401は、ブートプログラムにしたがって、HDD404からクライアント制御プログラムをRAM403に展開し、RAM403上に展開された制御プログラムを読み出すことによって、クライアントの制御を実行する。
【0053】
PCは、同じネットワークに接続する上記画像形成装置から省エネモードに移行する前に送信されて来た、省エネモードとその復帰時間とを含む省エネモード設定情報を、デバイス単位でNVRAM405に記憶しておく。PCは、デバイスのステータスを問い合わせる場合、あるいは印刷ジョブなどを送信する場合、省エネモードに移行しているデバイスに対しては、省エネモードからの復帰開始後にNVRAM405に記憶されている復帰時間だけ待機する。そして、PCは、復帰時間経過後の復帰したデバイスにステータスの問い合わせや印刷ジョブなどの送信を行なう。ことで、画像形成装置側で送信データが取りこぼされることなく、より確実にデータ通信を行うことができる。
【0054】
(PCの記憶構成例)
図4Bは、本実施形態のPCの記憶構成例を示す図である。図4Bでは、図4AのHDD206, RAM208, NVRAM209に記憶される情報を示す。尚、図4Bには、本実施形態1及び2に関連するプログラムやデータを示しており、他のプログラムやデータは省かれている。これら情報の配置は図4Bに限定されず、HDD206、NVRAM209、RAM208への振り分けは一例であって限定されるものではない。
【0055】
図4Bで、404aは、OSなどを含むシステムプログラムである。404bは、本実施形態でCPU401が実行するデバイス制御に関連するプログラムであり、図5B及び図5Cにその内容が示されている。404cは、本PCが処理する画像ファイルを保管する画像ファイル記憶領域である。
【0056】
405aは、本実施形態でPCがネットワークを介して接続する画像形成装置を含む各デバイスのアドレスやステータス、復帰時間を含む省エネモード設定情報などを記憶するデバイス情報テ−ブルである。デバイス情報テ−ブル405aには、例えばデバイス名、デバイスの種別情報、IPアドレス/MACアドレス、デバイスのステータス情報、デバイスから省エネモードに移行する前に受信した復帰時間を含む省エネモード設定情報などのデータが記憶される。405bは、ネットワークに接続されているデバイスの内から(マニュアルで、又はオートで)選択されたデバイスを記憶するデバイス選択情報である。本例では、複数の画像形成装置から印刷したい画像データが印刷可能な機能を有する画像形成装置が、表示一覧からオペレータによって、あるいはPCによって自動的に選択される。
【0057】
403aは、当該PCから画像形成装置にパケット送信される送信メッセージである。403bは、画像形成装置からパケット送信されて当該PCが受信した受信メッセージである。403cは、受信メッセージ403bから抽出された送信元アドレスであり、デバイス情報テーブル405aに保持される。
【0058】
403dは、画像形成装置と送受信される画像データを記憶する領域である。403eは、表示画面に表示される、例えばデバイス選択画面などの表示画面データを記憶する領域である。403fは、CPU401が実行するプログラムをHDD402からロードするプログラムロード領域である。
【0059】
<本実施形態の画像形成装置の動作例>
(画像形成装置のソフトウエア構成例)
図5Aは、本実施形態の検索・印刷クライアント(PC)のソフトウェア構成例を示すブロック図である。
【0060】
印刷アプリケーション501は、同一ネットワークのプリンタを検索し、検索結果からプリンタを選択して印刷する手段と、既に登録されているプリンタに対して直接印刷する手段との2つを提供する。
【0061】
前者は、検索アプリケーション502で最新の利用可能なプリンタを検索し、利用可能なプリンタを選択してから印刷処理を行う。処理シーケンスは、以下に図6に基づいて説明する。後者は、印刷アプリケーション501が既知のプリンタに直接印刷する(検索によるリスト更新は行なわない)。処理シーケンスは、以下に図7に基づいて説明する。
【0062】
印刷データの生成は、プリンタドライバ503、生成したデータの転送はSOAP制御部505を通じて行なう。プリンタの検索は、検索アプリケーション502を経由して行なう。検索アプリケーション502は、同一ネットワーク上の画像形成装置から通知された省エネ設定情報を内部に保持する。この情報は、検索アプリケーション502が検索処理を行う場合に利用するだけでなく、SOAP制御部505へも提供される。SOAP制御部505では、省エネ設定情報を送信先のTimeOut判定に用いる。プリンタドライバ503は、印刷アプリケーション501から渡された印刷データを送信先のプリンタが処理可能なPDL言語に変換し、SOAP制御部505に渡す。
【0063】
ネットワーク通信ドライバ508は、ネットワーク制御部406を制御し、ネットワークとのデータ送受信の制御を行う。TCP/IPプロトコル制御部507は、TCP/IPプロトコルを制御するモジュールを備え、ネットワークドライバ508を使用してTCP/IPプロトコルに則ったデータ送受信制御を行なう。HTTPサーバ制御部506は、HTTP(HyperText Transfer Protocol)と称されるプロトコルの全般を制御するモジュールである。HTTPサーバ制御部506は、クライアントから受信したHTTPリクエストパケットを解析し適切な処理を行い、データをSOAP制御部505,検索アプリ303,印刷アプリなどの上位アプリケーションに渡す。又、上位アプリケーションの指示によりHTTPレスポンスパケットをクライアントに返送する制御を行なう。
【0064】
SOAP制御部505は、SOAP(Simple Object Access Protocol)と呼ばれるプロトコルを制御するモジュールである。SOAP制御部505は、クライアントから受信したXML(eXtensible Markup Language)形式のデータをXMLパーサ504を使用して解析し、印刷アプリや検索アプリの適切なモジュールを呼び出す。又、クライアントに返すべきデータをXMLデータに変換し、HTTPサーバ制御部506を介してクライアントに返信する制御を行なう。XMLパーサ504は、XML形式データを入力とし解析結果を出力するモジュールである。
【0065】
(PCの動作手順例)
図5Bは、PCが画像形成装置からの省エネモード設定情報を受信して保管する処理手順例を示すフローチャートである。
【0066】
まず、CPU401は、ステップS51で、ネットワークに接続されたいずれかの画像形成装置からのパケット受信があったかを、ネットワーク制御部406を介して判断する(図3CのS36参照)。無ければリターンする。パケット受信があると、CPU401は、ステップS52で受信したパケットが省エネモード設定情報を含むか否かを判定する。省エネモード設定情報が無ければリターンして他の処理をする。
【0067】
省エネモード設定情報が有れば、CPU401は、ステップS53で省エネモード設定情報をデバイス名に対応して、デバイス種別、IPアドレス、MACアドレスなどと共に、デバイス情報テーブル405aに保管する。
【0068】
図5Cは、PCが画像形成装置へアクセスする処理手順例を示すフローチャートである。尚、図5Cでは、省エネモードに移行している画像形成装置へのアクセスのみについて説明するが、実際には、省エネモードに移行していない画像形成装置も存在する。省エネモードに移行していない画像形成装置については、待機なしにステータスを問い合わせる。
【0069】
まず、ステップS61で、CPU401は、画像形成装置宛てのパケットをネットワークに送信する(図3DのS41参照)。このパケットは、例えばARPパケット、SNMPプロトコルによる検索パケット、SLPプロトコルによるマルチキャストパケット等であり、Wakeup Packetと呼ぶ。このWakeup Packetを受信した画像形成装置は省エネモードからの復帰を開始する。
【0070】
ステップS62-1〜S62-nで、CPU401は、t1〜tnの復帰時間をそれぞれ待機する。本例では、複数の省エネモードに移行しているデバイスを1〜nとし、復帰時間としてt1<t2...<Tnがデバイス情報テーブル405aに記憶されていると仮定する。
【0071】
それぞれ復帰時間t1、t2、...、tnの経過後に、その復帰時間を有する省エネモードのデバイスi、j、...、nにステータスを問い合わせる。それぞれの問い合わせ時刻には、問い合わせ対象のデバイスは、故障などが無ければ省エネモードから復帰して、処理を待機中である。
【0072】
CPU401は、ステップS64でデバイスからの応答であるステータス情報の受信を待ち、受信があればステップS65でステータス情報をデバイス情報テーブルに保管する。最も復帰時間の長い最後のデバイスからのステータス情報の受信(S66)と保管(S67)が終われば、ステップS68でレディー状態のデバイスの一覧表示を行なう。この一覧表示には、各デバイスの能力や機能、設置しているオプションパーツの種類などが同時に表示される。
【0073】
CPU401は、ステップS69で、オペレータからの使用するデバイスの選択を待って、ステップS70で選択されたデバイスに処理を指示する。本例では、画像の印刷あるいは画像の読み込みを指示する。尚、上述のように、デバイスの選択はオペレータによるマニュアル選択でなく、PCが画像データの種類とデバイス能力とから自動的に選択してもよい。
【0074】
<本実施形態のシステムの動作シーケンス例>
(画像形成装置を選択する例)
図6では、各画像形成装置が省エネモード移行前に、それぞれの省エネモード設定情報とスリープ復帰時間を通知、検索クライアントはその通知情報に基づいて、装置検索時のTime Out時間(ステータス問い合わせまでの待機時間)を変更するシーケンスを示す。
【0075】
ステップS601〜S604で、画像形成装置101,102が省エネモードへ移行する際に、装置の省エネモードに関する情報を検索クライアント(PC)103に対して通知する。通知方法としては、画像形成装置に既に登録されているアドレスに基づいて通知する方法や、ブロードキャストによってネットワーク上の複数のPCに通知する方法を用いる。
【0076】
画像形成装置の使用が必要になると、検索アプリケーション502は、ステップS605で印刷アプリケーション501からの要求に基づき、ARPを送信、ネットワーク上にある画像形成装置101,102の省エネ復帰処理を開始させる。検索アプリケーション502は、ステップS606で事前に上記ステップS601〜S604で画像形成装置から通知された省エネモード設定情報800に基づき、検索対象毎に通知された省エネモード復帰時間だけ待機し、個別に装置の状況を確認するメッセージ900を送信する(S609,S611)。
【0077】
検索アプリケーション502は、ステップS610で、応答メッセージ910が返された場合のみ、装置が存在すると判定し、応答が無い場合は、TimeOut(つまり、装置がネットワーク上から消えた)と判断、装置リストを更新する。印刷クライアント103は、ステップS611までの結果に基づき、ステップS612で印刷処理を依頼する画像形成装置101を選択、ステップS614で印刷データ1000を送信する。ステップS612において選択された画像形成装置101は、ステップS615で受信データの印刷を実行する。
【0078】
(既知の画像形成装置の例)
図7に、印刷アプリケーションが、画像形成装置からの省エネモード設定情報を考慮し、印刷を行なう場合のシーケンスを示す。図6の場合と同様に、画像形成装置101,102は省エネモードへ移行する際に、画像形成装置の省エネモードに関する情報を印刷クライアント103に対して通知する(S701, S702)。通知方法としては、画像形成装置に既に登録されているアドレスに基づいて通知する方法や、ブロードキャストによってネットワーク上の複数のPCに通知する方法を用いる。
【0079】
画像形成装置101の使用が要求されると、ステップS703で、印刷アプリケーション501は、印刷データを生成すると共に、検索アプリケーション502に印刷を依頼する画像形成装置101の現在の省エネモードに関する情報を問い合わせる。しかしながら、データ送信時のTimeOut時間を画像形成装置101が事前に通知した省エネ復帰処理時間803よりも長く設定する。
【0080】
印刷クライアントはステップS704で印刷データの送信を開始する。この送信データがトリガとなって、画像形成装置101は、省エネモードからの復帰処理を開始する(S705)。送信処理自体は接続エラーが繰り返され、画像形成装置の復帰処理が完了した時点で、ステップS706,S707へ進む。
【0081】
ステップS706では、送信データの受信完了通知が画像形成装置101から返され、ステップS707では、受信データの印刷処理が行われる。
【0082】
このように、事前に通知された省エネ設定情報をもとにTimeOut時間を調整することにより、印刷アプリケーションが実際には存在する画像形成装置をTimeOutと判定してしまうことを防止できる。
【0083】
(ネットワーク上を送受信されるメッセージ構成例)
図8に、画像形成装置がクライアント装置(PC)に、自機の省エネ設定情報を通知する通知メッセージの例を示す。
【0084】
画像形成装置は、省エネモードへ移行前に、過去に自機を利用したクライアントに対して、現在の省エネモードに関する通知メッセージ800で通知し、省エネモードへ移行する。印刷・検索クライアントは応答メッセージ810を返す。通知メッセージ800は、ユーザによって設定されたユーザ設定を示すデータ801、省エネ設定を無効にするオプションを示すデータ802、機種毎に固定の省エネ性能を示すデータ803から構成される。
【0085】
ユーザ設定データ801には、選択可能な省エネレベルsleep_level、省エネモードへの移行条件である、本体操作パネルの未使用期間lui_wait_time、Network経由での本体未使用期間net_wait_timeなどが含まれる。オプションデータ802には、Faxボードの装着など、省エネモードが無効化される要因がある場合のみ、listとして記載される。省エネ性能データ803には、装置が省エネから復帰する為に必要な時間wake_up_timeや、設定可能な省エネモードのレベルallowed_sleep_levelが記載される。検索アプリケーション 502 は、通知メッセージ800を受信後、その応答メッセージ810を返し、画像形成装置へ受信完了を通知する。
【0086】
図9に、印刷アプリ501・検索アプリケーション502が画像形成装置に対して、現在のステータスを問い合わせ時に送信するメッセージ900と、それに対する画像形成装置からの応答メッセージ910の例を示す。
【0087】
クライアント(PC)側は、問い合わせメッセージ900のデータ901で確認したいステータス情報を指定する。画像形成装置は、データ901で指定された内容をデータ911として格納し、応答メッセージ910を返信する。
【0088】
図10に、印刷アプリケーションが画像形成装置へ印刷処理を依頼する時のSOAP/XMLメッセージを示す。
【0089】
印刷クライアントは、事前にデータを送付する画像形成装置を選択してメッセージを送信する。この時に送信する依頼メッセージ1000である。依頼メッセージ1000は、SOAP Messages with Attachments形式で送付される。データ1001は、印刷先となるプリンタのネットワーク情報、データ1002は、印刷データおよび印刷データに対する署名データへの参照ポインタ、データ1003には、データ1002で指定されたデータをMIME形式でエンコードしたデータが添付される。画像形成装置は、データ1003の印刷データを取得し、署名を検証した後に印刷処理を行なう。
【0090】
尚、最初にも述べたように、本実施形態では省エネモードを有する装置として、省エネモードからの復帰時間が比較的長く、復帰時間の異なる複数の省エネモードを有する画像形成装置を、本発明を適用する典型的な装置例として取り上げた。しかし、他の省エネモードを有する装置にも適用可能であり、同様の効果を奏する。
【0091】
又、本発明の目的は、実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給する。そして、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される。
【0092】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0093】
又、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、CD、DVD、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。CDやDVDとしては、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RWを用いることができる。又、プログラムコードをネットワークを介してダウンロードしてもよい。
【0094】
又、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上記実施の形態の機能が実現されるだけではない。そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0095】
更に、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。その後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0096】
又、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した各実施の形態の機能が実現されるだけではない。そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOSなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した各実施の形態の機能が実現される場合も、本発明に含まれることは言うまでもない。
【0097】
この場合、上記プログラムは、該プログラムを記憶した記憶媒体から直接供給される。又、インターネット、商用ネットワーク、若しくはローカルエリアネットワーク等に接続された不図示の他のコンピュータやデータベース等からダウンロードすることにより供給される。
【0098】
上記プログラムの形態は、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラムコード、OS(オペレーティングシステム)に供給されるスクリプトデータ等の形態から成ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本実施形態の画像形成装置と検索・印刷クライアントがLANに接続されたシステムの概略図である。
【図2A】本実施形態の画像形成装置のハードウェアの概略図である。
【図2B】図2Aのメモリの記憶構成例を示す図である。
【図3A】本実施形態の画像形成装置のソフトウェアの概略図である。
【図3B】図3Aの電源制御部の構成例を示す図である。
【図3C】本実施形態の画像形成装置の省エネ移行処理の処理手順例を示す図である。
【図3D】本実施形態の画像形成装置の省エネ復帰処理の処理手順例を示す図である。
【図4A】本実施形態の検索・印刷クライアント(PC)のハードウェアの概略図である。
【図4B】図4Aのメモリの記憶構成例を示す図である。
【図5A】本実施形態の検索・印刷クライアント(PC)のソフトウェアの概略図である。
【図5B】本実施形態の検索・印刷クライアント(PC)の省エネ設定情報取得の処理手順例を示す図である。
【図5C】本実施形態の検索・印刷クライアント(PC)のデバイスアクセス処理の処理手順例を示す図である。
【図6】本実施形態の予告復帰時間を利用した検索処理のシーケンスの例を示す図である。
【図7】本実施形態の予告復帰時間を利用した印刷処理のシーケンスの例を示す図である。
【図8】本実施形態で画像形成装置が検索・印刷クライアントへ省エネ設定情報を通知する場合のSOAP/XMLメッセージの例を示す図である。
【図9】本実施形態で検索・印刷クライアントが画像形成装置へ最新のステータス情報を要求する場合のSOAP/XMLメッセージの例を示す図である。
【図10】本実施形態で検索・印刷クライアントが画像形成装置へ印刷データを転送する場合のSOAP/XMLメッセージの例を示す図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用していないモジュールへの電力供給を制限する省エネモードを実施する省エネモード実施手段と、
省エネモードへの移行前に、当該省エネモードからの復帰時間を特定可能な情報を、ネットワークを介して接続される情報処理装置へ通知する通知手段と、
前記情報処理装置から送信されたデータを受信するのに応じて、前記省エネモードからの復帰を開始する復帰手段と、
前記省エネモードから復帰した後、前記情報処理装置からの要求に応じた処理を実行する実行手段とを有することを特徴とする省エネモード搭載装置。
【請求項2】
前記実行手段は、前記情報処理装置からデータが送信されてから前記復帰時間の経過以降に送信される前記情報処理装置からの要求に応じて、処理を実行することを特徴とする請求項1に記載の省エネモード搭載装置。
【請求項3】
前記省エネモード実施手段は複数の復帰時間の異なる省エネモードを有し、前記通知手段は実施する省エネモードに対応する復帰時間を通知することを特徴とする請求項1又は2に記載の省エネモード搭載装置。
【請求項4】
前記省エネモード搭載装置は画像形成装置を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の省エネモード搭載装置。
【請求項5】
前記情報処理装置からの要求は、画像形成要求であり、前記実行手段は、当該要求に応じて画像形成を実行することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の省エネモード搭載装置。
【請求項6】
前記情報処理装置からの要求は、前記省エネモード搭載装置のステータスを問い合わせる要求であり、前記実行手段は、当該要求に応じてステータスを前記情報処理装置に送信することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の省エネモード搭載装置。
【請求項7】
ネットワーク上の情報処理装置のアドレスを記憶する記憶手段を更に有し、前記通知手段は、前記記憶手段に記憶されるアドレス宛てに、前記省エネモードからの復帰時間を特定可能な情報を通知することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の省エネモード搭載装置。
【請求項8】
前記通知手段は、前記省エネモードからの復帰時間を特定可能な情報を、前記ネットワーク上にブロードキャスト送信することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の省エネモード搭載装置。
【請求項9】
利用していないモジュールへの電力供給を制限する省エネモードを有する省エネモード搭載装置から、省エネモードからの復帰時間を特定可能な情報を受信する受信手段と、
前記受信手段で受信した情報に基づいて、省エネモード搭載装置と当該省エネモード搭載装置の省エネモードからの復帰時間を記憶する記憶手段と、
前記省エネモード搭載装置へデータを送信する第1送信手段と、
前記第1送信手段によってデータを送信してから、前記記憶手段に記憶される省エネモードからの復帰時間が経過した後、前記省エネモード搭載装置へ処理要求を送信する第2送信手段とを有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項10】
前記処理要求は、前記省エネモード搭載装置のステータスを問い合わせる要求であることを特徴とする請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記処理要求は、画像形成要求であることを特徴とする請求項9記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記第2送信手段は、前記第1送信手段によってデータを送信してから前記復帰時間の経過以降まで、ネットワークを介して前記省エネモード搭載装置へ処理要求を繰返し送信することを特徴とする請求項9乃至11のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記省エネモード搭載装置を含む複数の装置から返信されたステータスに基づいて、使用可能な装置の一覧を表示する一覧表示手段と、
前記一覧からのユーザの選択指示に対応して、選択された装置へ処理開始を要求する処理要求手段とを更に有することを特徴とする請求項9乃至12のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記第1送信手段によって送信されるデータは、前記省エネモード搭載装置に対して省エネモードからの復帰を指示するデータであることを特徴とする請求項9乃至13のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記記憶手段は、複数の省エネモード搭載装置夫々に対応する復帰時間を記憶することを特徴とする請求項9乃至14のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記情報処理装置はパーソナルコンピュータを含むことを特徴とする請求項9乃至15のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項17】
利用していないモジュールへの電力供給を制限する省エネモードを実施する省エネモード実施工程と、
省エネモードへの移行前に、当該省エネモードからの復帰時間を特定可能な情報を、ネットワークを介して接続される情報処理装置へ通知する通知工程と、
前記情報処理装置から送信されたデータを受信するのに応じて、前記省エネモードからの復帰を開始する復帰工程と、
前記省エネモードから復帰した後、前記情報処理装置からの要求に応じた処理を実行する実行工程とを有することを特徴とする省エネモード搭載装置の制御方法。
【請求項18】
利用していないモジュールへの電力供給を制限する省エネモードを有する省エネモード搭載装置から、省エネモードからの復帰時間を特定可能な情報を受信する受信工程と、
前記受信工程で受信した情報に基づいて、省エネモード搭載装置と当該省エネモード搭載装置の省エネモードからの復帰時間を記憶する記憶工程と、
前記省エネモード搭載装置へデータを送信する第1送信工程と、
前記第1送信工程でデータを送信してから、前記記憶工程で記憶された省エネモードからの復帰時間が経過した後、前記省エネモード搭載装置へ処理要求を送信する第2送信工程とを有することを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項19】
省エネモード搭載装置の制御方法を実現するコンピュータ実行可能なプログラムであって、
利用していないモジュールへの電力供給を制限する省エネモードを実施する省エネモード実施工程と、
省エネモードへの移行前に、当該省エネモードからの復帰時間を特定可能な情報を、ネットワークを介して接続される情報処理装置へ通知する通知工程と、
前記情報処理装置から送信されたデータを受信するのに応じて、前記省エネモードからの復帰を開始する復帰工程と、
前記省エネモードから復帰した後、前記情報処理装置からの要求に応じた処理を実行する実行工程とを有することを特徴とするプログラム。
【請求項20】
情報処理装置の制御方法を実現するコンピュータ実行可能なプログラムであって、
利用していないモジュールへの電力供給を制限する省エネモードを有する省エネモード搭載装置から、省エネモードからの復帰時間を特定可能な情報を受信する受信工程と、
前記受信手段で受信した情報に基づいて、省エネモード搭載装置と当該省エネモード搭載装置の省エネモードからの復帰時間を記憶する記憶工程と、
前記省エネモード搭載装置へデータを送信する第1送信工程と、
前記送信手段によってデータを送信してから、前記記憶工程で記憶された省エネモードからの復帰時間が経過した後、前記省エネモード搭載装置へ処理要求を送信する第2送信工程とを有することを特徴とするプログラム。
【請求項1】
利用していないモジュールへの電力供給を制限する省エネモードを実施する省エネモード実施手段と、
省エネモードへの移行前に、当該省エネモードからの復帰時間を特定可能な情報を、ネットワークを介して接続される情報処理装置へ通知する通知手段と、
前記情報処理装置から送信されたデータを受信するのに応じて、前記省エネモードからの復帰を開始する復帰手段と、
前記省エネモードから復帰した後、前記情報処理装置からの要求に応じた処理を実行する実行手段とを有することを特徴とする省エネモード搭載装置。
【請求項2】
前記実行手段は、前記情報処理装置からデータが送信されてから前記復帰時間の経過以降に送信される前記情報処理装置からの要求に応じて、処理を実行することを特徴とする請求項1に記載の省エネモード搭載装置。
【請求項3】
前記省エネモード実施手段は複数の復帰時間の異なる省エネモードを有し、前記通知手段は実施する省エネモードに対応する復帰時間を通知することを特徴とする請求項1又は2に記載の省エネモード搭載装置。
【請求項4】
前記省エネモード搭載装置は画像形成装置を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の省エネモード搭載装置。
【請求項5】
前記情報処理装置からの要求は、画像形成要求であり、前記実行手段は、当該要求に応じて画像形成を実行することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の省エネモード搭載装置。
【請求項6】
前記情報処理装置からの要求は、前記省エネモード搭載装置のステータスを問い合わせる要求であり、前記実行手段は、当該要求に応じてステータスを前記情報処理装置に送信することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の省エネモード搭載装置。
【請求項7】
ネットワーク上の情報処理装置のアドレスを記憶する記憶手段を更に有し、前記通知手段は、前記記憶手段に記憶されるアドレス宛てに、前記省エネモードからの復帰時間を特定可能な情報を通知することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の省エネモード搭載装置。
【請求項8】
前記通知手段は、前記省エネモードからの復帰時間を特定可能な情報を、前記ネットワーク上にブロードキャスト送信することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の省エネモード搭載装置。
【請求項9】
利用していないモジュールへの電力供給を制限する省エネモードを有する省エネモード搭載装置から、省エネモードからの復帰時間を特定可能な情報を受信する受信手段と、
前記受信手段で受信した情報に基づいて、省エネモード搭載装置と当該省エネモード搭載装置の省エネモードからの復帰時間を記憶する記憶手段と、
前記省エネモード搭載装置へデータを送信する第1送信手段と、
前記第1送信手段によってデータを送信してから、前記記憶手段に記憶される省エネモードからの復帰時間が経過した後、前記省エネモード搭載装置へ処理要求を送信する第2送信手段とを有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項10】
前記処理要求は、前記省エネモード搭載装置のステータスを問い合わせる要求であることを特徴とする請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記処理要求は、画像形成要求であることを特徴とする請求項9記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記第2送信手段は、前記第1送信手段によってデータを送信してから前記復帰時間の経過以降まで、ネットワークを介して前記省エネモード搭載装置へ処理要求を繰返し送信することを特徴とする請求項9乃至11のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記省エネモード搭載装置を含む複数の装置から返信されたステータスに基づいて、使用可能な装置の一覧を表示する一覧表示手段と、
前記一覧からのユーザの選択指示に対応して、選択された装置へ処理開始を要求する処理要求手段とを更に有することを特徴とする請求項9乃至12のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記第1送信手段によって送信されるデータは、前記省エネモード搭載装置に対して省エネモードからの復帰を指示するデータであることを特徴とする請求項9乃至13のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記記憶手段は、複数の省エネモード搭載装置夫々に対応する復帰時間を記憶することを特徴とする請求項9乃至14のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記情報処理装置はパーソナルコンピュータを含むことを特徴とする請求項9乃至15のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項17】
利用していないモジュールへの電力供給を制限する省エネモードを実施する省エネモード実施工程と、
省エネモードへの移行前に、当該省エネモードからの復帰時間を特定可能な情報を、ネットワークを介して接続される情報処理装置へ通知する通知工程と、
前記情報処理装置から送信されたデータを受信するのに応じて、前記省エネモードからの復帰を開始する復帰工程と、
前記省エネモードから復帰した後、前記情報処理装置からの要求に応じた処理を実行する実行工程とを有することを特徴とする省エネモード搭載装置の制御方法。
【請求項18】
利用していないモジュールへの電力供給を制限する省エネモードを有する省エネモード搭載装置から、省エネモードからの復帰時間を特定可能な情報を受信する受信工程と、
前記受信工程で受信した情報に基づいて、省エネモード搭載装置と当該省エネモード搭載装置の省エネモードからの復帰時間を記憶する記憶工程と、
前記省エネモード搭載装置へデータを送信する第1送信工程と、
前記第1送信工程でデータを送信してから、前記記憶工程で記憶された省エネモードからの復帰時間が経過した後、前記省エネモード搭載装置へ処理要求を送信する第2送信工程とを有することを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項19】
省エネモード搭載装置の制御方法を実現するコンピュータ実行可能なプログラムであって、
利用していないモジュールへの電力供給を制限する省エネモードを実施する省エネモード実施工程と、
省エネモードへの移行前に、当該省エネモードからの復帰時間を特定可能な情報を、ネットワークを介して接続される情報処理装置へ通知する通知工程と、
前記情報処理装置から送信されたデータを受信するのに応じて、前記省エネモードからの復帰を開始する復帰工程と、
前記省エネモードから復帰した後、前記情報処理装置からの要求に応じた処理を実行する実行工程とを有することを特徴とするプログラム。
【請求項20】
情報処理装置の制御方法を実現するコンピュータ実行可能なプログラムであって、
利用していないモジュールへの電力供給を制限する省エネモードを有する省エネモード搭載装置から、省エネモードからの復帰時間を特定可能な情報を受信する受信工程と、
前記受信手段で受信した情報に基づいて、省エネモード搭載装置と当該省エネモード搭載装置の省エネモードからの復帰時間を記憶する記憶工程と、
前記省エネモード搭載装置へデータを送信する第1送信工程と、
前記送信手段によってデータを送信してから、前記記憶工程で記憶された省エネモードからの復帰時間が経過した後、前記省エネモード搭載装置へ処理要求を送信する第2送信工程とを有することを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2007−290178(P2007−290178A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−118440(P2006−118440)
【出願日】平成18年4月21日(2006.4.21)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年4月21日(2006.4.21)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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