説明

真空紫外線モニタ及びそれを用いた真空紫外線照射装置

【課題】
本発明は、減圧される環境であると共に熱源の近傍の真空紫外線の照度を測定する真空紫外線モニタ及びそれを用いた真空紫外線照射装置を提供することを目的とする。
【解決手段】
本発明に係る真空紫外線モニタは、真空紫外線を透過する部材からなり一方が封止され他方が開放された外管と、前記外管内に配置され前記外管の封止部に近い一端開口から前記真空紫外線を導入し他端開口へ導く管状のライトガイドと、前記ライトガイドの前記他端開口に臨むように設けられた真空紫外線センサとを有し、前記ライトガイドの前記一端開口又はその近傍に、前記外管から入射する前記真空紫外線を反射して前記真空紫外線センサに送る反射面が設けられ、前記外管の他方の開放部には第1のガス流路が連結され、前記ライトガイドの前記他端開口には第2のガス流路が連結されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空紫外線を測定する真空紫外線モニタに関する。特に、減圧された環境における真空紫外線の光量を測定する真空紫外線モニタに関する。
【背景技術】
【0002】
これまで、半導体集積回路デバイスの層間絶縁膜にSiOが利用されていた。半導体集積回路の電気信号の遅れは、配線を取り巻く層間絶縁膜の誘電率(k値)に比例する。このため、近年の半導体集積回路デバイスの高速化に伴い、SiOより誘電率(k値)の低いLow−k材が層間絶縁膜として利用されている。
【0003】
Low−k材を用いた半導体集積回路デバイスの製造工程には、Low−k材を硬化させる工程が必要である。Low−k材は、熱や真空紫外線によって硬化される。このため、半導体集積回路デバイスの層間絶縁膜であるLow−k材を硬化させる装置は、特許文献1に記載される真空紫外線照射装置が用いられる。
【0004】
図14は、半導体集積回路デバイスWの層間絶縁膜であるLow−k材を硬化させる真空紫外線照射装置1の説明図である。図14は、エキシマランプ31の管軸方向に沿った断面図である。
また、図15は、図14の真空紫外線照射装置1の真空紫外線センサ35によるエキシマランプ31のフィードバック回路352の説明図である。図15は図14の真空紫外線照射装置1の一部を拡大した図であり、エキシマランプ31の管軸方向に沿った断面図である。
【0005】
真空紫外線照射装置1は、処理室2(図14の真空紫外線照射装置1の下方)とランプハウス3(図14の真空紫外線照射装置1の上方)で構成される。処理室2とランプハウス3の境界には、合成石英ガラスからなる光照射窓4が配置される。
処理室2内には、処理台21が光照射窓4に平行になるように配置される。処理台21上には被処理物Wが光照射窓4に対向するように載置される。
ランプハウス3内には、エキシマランプ31が光照射窓4に対向すると共に平行するように配置される。図14のエキシマランプ31の上側(光照射窓4に対向しない側)にはアルミニウムからなる冷却ブロック32が配置される。冷却ブロック32にはエキシマランプ31からの光を通す貫通孔34が形成される。冷却ブロック32に形成された貫通孔34を塞ぐように、真空紫外線センサ35が配置される。
【0006】
真空紫外線センサ35には演算手段3521が電気的に接続され、演算手段3521には制御手段3522が電気的に接続される。演算手段3521はエキシマランプ31に接続された高周波電源5に電気的に接続される。
真空紫外線センサ35は、高周波電源5によって点灯されたエキシマランプ31からの真空紫外線の光量を検出する。その検出値に基いて、演算手段3521によって演算処理される。次に、演算結果に基いて、制御手段3522は高周波電源5からエキシマランプ31に対して供給される入力電力を制御する。これにより、真空紫外線センサ35によって検出される真空紫外線の光量が一定となるようにフィードバック回路352する。
【0007】
真空紫外線照射装置1に用いられるエキシマランプ31には、例えば特許文献2や特許文献3に記載のエキシマランプが挙げられる。
【0008】
ランプ31点灯時、エキシマランプ31は真空紫外線を照射する。真空紫外線は大気中の酸素に吸収される。このため、ランプハウス3内の大気を窒素で置換することにより、真空紫外線の吸収による光量低下を防止する。
【0009】
被処理物Wとして半導体集積回路デバイスWが処理台に載置される。半導体集積回路デバイスWを加熱するため、処理台21には図示しないヒータが設置される。
処理室2内に酸素があると、Low−k材は硬化時に酸素と反応し、誘電率(k値)が上昇する。このため、処理室2内は図示しない真空ポンプなどによって減圧され、酸素濃度を低下させる。
【0010】
ランプ31点灯時、エキシマランプ31から照射された真空紫外線が光照射窓4を通り、被処理物Wである半導体集積回路デバイスWに照射される。半導体集積回路デバイスWの層間絶縁膜であるLow−k材は図示しないヒータで加熱されると共に、エキシマランプ31からの真空紫外線を照射される。Low−k材は加熱と真空紫外線の照射によって硬化される。
【特許文献1】特開2004−041843公報
【特許文献2】特許3161126号公報
【特許文献3】特開2005−100934公報
【特許文献4】特開2002−093377公報
【特許文献5】特開2000−332324公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
Low−k材の硬化時、処理台21の図示しないヒータは処理台21上の半導体集積回路デバイスWを加熱すると共に、その上方にある光照射窓4も加熱する。
特許文献4には、合成石英ガラスは温度上昇に伴い172nmの光透過率を低下させることが記載されている。
温度上昇に伴う合成石英ガラスの光透過率は、波長172nmより短い波長になるに伴い合成石英ガラスの光透過率の低下が急峻になる。つまり、真空紫外線が合成石英ガラスを通ると、合成石英ガラスの透過率は、真空紫外線の200nm以下の波長域が均一に低下するのではなく、例えば波長200nmより波長100nmの真空紫外線の方が大きく低下している。
【0012】
ランプハウス3内の真空紫外線センサ35はエキシマランプ31の照度を測定し、ランプハウス3内での照度低下に対応して、ランプ31電力を制御している。もし、光照射窓4を通る真空紫外線が均一に照度低下するのであれば、ランプハウス3内の真空紫外線センサ35によってランプ31電力を増加させ、被処理物W面での真空紫外線の所期の光量を実現できる。
しかし、加熱された合成石英ガラスからなる光照射窓4を通った真空紫外線の波長域の光透過率の低下量が均一では無いため、ランプハウス3内に配置された真空紫外線センサ35では処理室2内の真空紫外線の波長域の光量分布が分からず、処理室内の真空紫外線が所期の光量になるようにランプ31電力を制御することができなかった。このため、Low−k材へ真空紫外線の所期の光量を照射することが実現できなかった。
【0013】
処理室内の真空紫外光の光量を検出する技術として特許文献5があった。特許文献5には、処理室の外部に配置した真空紫外線センサを、測定時に処理室内に送って測定することが記載されている。
しかし、特許文献5の処理室は酸素を含む環境であったのに対し、本願の処理室は減圧されている。減圧された環境で測定できる真空紫外線センサがなく、また真空紫外線センサは加熱により破損するので、特許文献5の技術は減圧された環境及び熱源の近傍で使うことはできない。
【0014】
そこで、本発明は、減圧される環境であると共に熱源の近傍の真空紫外線の照度を測定する真空紫外線モニタ及びそれを用いた真空紫外線照射装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
請求項1に記載の真空紫外線モニタは、真空紫外線を透過する部材からなり一方が封止され他方が開放された外管と、前記外管内に配置され前記外管の封止部に近い一端開口から前記真空紫外線を導入し他端開口へ導く管状のライトガイドと、前記ライトガイドの前記他端開口に臨むように設けられた真空紫外線センサとを有し、前記ライトガイドの前記一端開口又はその近傍に、前記外管から入射する前記真空紫外線を反射して前記真空紫外線センサに送る反射面が設けられ、前記外管の他方の開放部には第1のガス流路が連結され、前記ライトガイドの前記他端開口には第2のガス流路が連結されていることを特徴とする。
【0016】
請求項2に記載の真空紫外線モニタは、真空紫外線を透過する窓を有し一方が封止され他方が開放された外管と、前記外管内に配置され前記外管の封止部に近い一端開口から前記真空紫外線を導入し他端開口へ導く管状のライトガイドと、前記ライトガイドの前記他端開口に臨むように設けられた真空紫外線センサとを有し、前記ライトガイドの前記一端開口又はその近傍に、前記窓から入射する前記真空紫外線を反射して前記真空紫外線センサに送る反射面が設けられ、前記外管の他方の開放部には第1のガス流路が連結され、前記ライトガイドの前記他端開口には第2のガス流路が連結されていることを特徴とする。
【0017】
請求項3に記載の真空紫外線モニタは、前記ライトガイドの管内面に反射層を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の真空紫外線モニタである。
【0018】
請求項4に記載の真空紫外線照射装置は、加熱手段を有し被処理物が載置される処理台と、前記処理台が設けられ処理雰囲気に保たれる処理室と、前記処理室に真空紫外線を取り込む光照射窓と、前記真空紫外線を照射するランプとからなる真空紫外線照射装置において、請求項1又は2に記載の真空紫外線モニタを、前記反射面が前記処理室内に位置するように配置したことを特徴とする。
【0019】
請求項5に記載の真空紫外線照射装置は、前記真空紫外線モニタの真空紫外線センサの検出値と予め定められた目標値とを比較演算する演算手段と、前記演算手段の演算結果に基いて、ランプを点灯する電源を制御する制御手段とからなるフィードバック回路を有することを特徴とする請求項4に記載の真空紫外線照射装置である。
【発明の効果】
【0020】
請求項1に記載の真空紫外線モニタは、真空紫外線を透過する部材からなり一方が封止され他方が開放された外管と、前記外管内に配置され前記外管の封止部に近い一端開口から前記真空紫外線を導入し他端開口へ導く管状のライトガイドと、前記ライトガイドの前記他端開口に臨むように設けられた真空紫外線センサとを有し、前記外管の他方の開放部には第1のガス流路が連結され、前記ライトガイドの前記他端開口には第2のガス流路が連結されることにより、真空紫外線モニタ内にガスを流すことができ、真空紫外線モニタを冷却することができる。このため、真空紫外線モニタを熱源の近くに配置することができる。さらに、真空紫外線モニタ内に流すガスとして真空紫外線の吸収が無い又は真空紫外線の吸収が酸素より少ないガスを流すことにより、真空紫外線モニタ内に取り込んだ真空紫外線の光量が低下することを防止することができる。
また、前記ライトガイドの前記一端開口又はその近傍に、前記外管から入射する前記真空紫外線を反射して前記真空紫外線センサに送る反射面が設けられることにより、外管から真空紫外線モニタに入射された真空紫外線を反射面によって真空紫外線センサへ導くことができ、前記外管内に配置され前記外管の封止部に近い一端開口から前記真空紫外線を導入し他端開口へ導く管状のライトガイドによって真空紫外線センサは真空紫外線の光量を検出することができる。
【0021】
請求項2に記載の真空紫外線モニタは、真空紫外線を透過する窓を有し一方が封止され他方が開放された外管と、前記外管内に配置され前記外管の封止部に近い一端開口から前記真空紫外線を導入し他端開口へ導く管状のライトガイドと、前記ライトガイドの前記他端開口に臨むように設けられた真空紫外線センサとを有し、前記外管の他方の開放部には第1のガス流路が連結され、前記ライトガイドの前記他端開口には第2のガス流路が連結されることにより、真空紫外線モニタ内にガスを流すことができ、真空紫外線モニタを冷却することができる。このため、真空紫外線モニタを熱源の近くに配置することができる。さらに、真空紫外線モニタ内に流すガスとして真空紫外線の吸収が無い又は真空紫外線の吸収が酸素より少ないガスを流すことにより、真空紫外線モニタ内に取り込んだ真空紫外線の光量が低下することを防止することができる。
また、前記ライトガイドの前記一端開口又はその近傍に、前記窓から入射する前記真空紫外線を反射して前記真空紫外線センサに送る反射面が設けられることにより、窓から真空紫外線モニタに入射された真空紫外線を反射面によって真空紫外線センサへ導くことができ、前記外管内に配置され前記外管の封止部に近い一端開口から前記真空紫外線を導入し他端開口へ導く管状のライトガイドによって真空紫外線センサは真空紫外線の光量を検出することができる。
【0022】
請求項3に記載の真空紫外線モニタは、前記ライトガイドの管内面に反射層を設けたことにより、ライトガイド内に導入した真空紫外線はライトガイドの管内面から透過されることなく反射されるので、ライトガイド内に導入した真空紫外線の光量の低下を防止することができ、真空紫外線センサは真空紫外線の光量を良好に検出することができる。
【0023】
請求項4に記載の真空紫外線照射装置は、加熱手段を有し被処理物が載置される処理台と、前記処理台が設けられ処理雰囲気に保たれた処理室と、前記処理室に真空紫外線を取り込む光照射窓と、前記真空紫外線を照射するランプとからなる真空紫外線照射装置において、請求項1又は2に記載の真空紫外線モニタを、前記反射面が前記処理室内に位置するように配置したことにより、加熱手段によって加熱された光照射窓から透過された真空紫外線を処理室内に位置するように配置した真空紫外線モニタの反射面によって真空紫外線センサへ導くことができ、真空紫外線センサは真空紫外線の光量を検出することができる。
【0024】
請求項5に記載の真空紫外線照射装置は、前記真空紫外線モニタの真空紫外線センサの検出値と予め定められた目標値とを比較演算する演算手段と、前記演算手段の演算結果に基いて、ランプを点灯する電源を制御する制御手段とからなるフィードバック回路を有することにより、処理台に載置される被処理物に真空紫外線の所期の光量を照射することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明に係る真空紫外線照射装置1及び真空紫外線モニタ6の第1の実施例について、図1ないし図7を用いて説明する。
【0026】
図1及び図2は本実施例に係る真空紫外線照射装置1の説明図であり、本発明に係る真空紫外線照射装置1の一例である。図1はエキシマランプ31の管軸方向に沿った真空紫外線照射装置1の断面図であり、図2は図1の真空紫外線照射装置1のエキシマランプ31の管軸方向に対して垂直方向の断面図(図1のA−A断面図)である。なお、図14に示したものと同じものには同一の符号が付されている。
【0027】
真空紫外線照射装置1は箱状の処理室2(図1の真空紫外線照射装置1の下方)と箱状のランプハウス3(図1の真空紫外線照射装置1の上方)とからなる。処理室2とランプハウス3の境界には、合成石英ガラスからなる板状の光照射窓4が境界に沿うように配置される。
【0028】
処理室2内には、被処理物Wを載置する処理台21が配置される。処理台21は、光照射窓4に対向されると共に、光照射窓4に平行になるように配置される。これにより、光照射窓4を透過した真空紫外線が処理台21上に配置される被処理物Wを均一に照射される。処理台21には、被処理物Wを加熱する加熱手段として図示しないヒータが設けられる。
【0029】
処理室2を構成する壁には排気路23が設けられる。排気路23の途中には、排気路23を開閉する弁231が設けられる。排気路23には図示しない真空ポンプが接続されることにより、処理室2内は酸素が排出されて減圧される。処理室2を構成する壁には、窒素ガスを導入する導入路22が設けられている。導入路22の途中には、導入路22を開閉する弁221が設けられており、弁221を用いて処理室2内を所期の圧力にする。
また、処理室2を構成する壁の外面には、真空紫外線モニタ6の固定部材を保持するフランジが設けられる。真空紫外線モニタ6の外管611の管軸方向の端部が被処理物Wの近傍に配置される。外管611の管軸方向の端部には、後述する真空紫外線の光路を変える反射面が設けられており、図示しない反射面が処理室2内に配置される。
【0030】
ランプハウス3内には、複数本のエキシマランプ31(例えば図2に示すように本実施例では5本のエキシマランプ31)が配置される。複数本のエキシマランプ31は、光照射窓4に対向すると共に、光照射窓4に平行になるように配置される。
【0031】
複数本のエキシマランプ31に対して光照射窓4の反対側(図1及び図2においてエキシマランプ31の上方)に、冷却ブロック32がエキシマランプ31に接するように配置され、冷却ブロック32は光照射窓4と平行に配置された保持部材33によって保持される。冷却ブロック32には、断面(図1のA−A断面図である図2における断面)が複数の半円状の溝(例えば図2では5本)が、エキシマランプ31の管軸方向に沿うように形成される。冷却ブロック32の溝は、エキシマランプ31の外形に適合するように形成され、エキシマランプ31の半円周と接するように配置される。冷却ブロック32の内部には図示しない流路が形成され、ランプ31点灯時に冷却水が流路に流されることにより、点灯熱によって加熱されるエキシマランプ31を冷却する。
冷却ブロック32と保持部材33には、エキシマランプ31の管軸方向に対して垂直方向に伸びる貫通孔34が形成される。真空紫外線センサ35は貫通孔34を塞ぐように配置される。真空紫外線センサ35の図示しない受光部351は各エキシマランプ31と対向させ、ランプ31点灯時の各エキシマランプ31の真空紫外線の光量を検出する。
【0032】
ランプハウス3を構成する壁には、不活性ガスとして例えば窒素ガスをランプハウス3内に導入する導入路36が設けられる。また、ランプハウス3の壁には、ランプハウス3内の大気を排気する排気路37が設けられる。
【0033】
図3は真空紫外線照射装置に用いられるエキシマランプ31の説明図であり、本発明に係るエキシマランプ31の一例である。図3(a)はエキシマランプ31の管軸方向に沿った断面図であり、(b)は(a)のB−B断面図(エキシマランプ31の管軸方向に対して垂直方向の断面図)である。なお、図1に示したものと同じものには同一の符号が付されている。
【0034】
エキシマランプ31は、エキシマ発光用ガスを封入した放電管311と,内側電極3113と,外側電極3114とからなる。
円筒状の内側管3111の外周に、円筒状の外側管3112が同軸上に配置される。管軸方向の両端にある外側管3112と内側管3111を接合させることにより、中空円筒状の放電管311が形成される。
放電管311の内部3115(図3(b)の内側管3111と外側管3112との間の輪状の空間)にエキシマ発光用ガスとして例えば、キセノンガスが封入される。内側管3111と外側管3112は、真空紫外線を透過させる例えば合成石英ガラスで形成される。
中空円筒状の放電管311の内周面には、円筒状の内側電極3113が接するように配置される。中空円筒状の放電管311の外周面には、網状の外側電極3114が接するように配置される。
内側電極3113と外側電極3114には、高周波電源5が電気的に接続される。
【0035】
図4はランプハウス内の真空紫外線センサ35のフィードバック回路352の説明図である。図4は図1の真空紫外線照射装置1の一部を拡大した図であり、エキシマランプ31の管軸方向に沿った断面図である。なお、図1に示したものと同じものには同一の符号が付されている。
図4は、真空紫外線センサ35のフィードバック回路352を図示した点で図1と相違する。
【0036】
真空紫外線センサ35の受光部351は、ランプ31点灯時にエキシマランプ31からの真空紫外線の光量を検出する。真空紫外線センサ35からの検出値に基いて演算する演算手段3521が、真空紫外線センサ35に接続される。演算手段3521からの演算結果に基いて高周波電源5を制御する制御手段3522が、演算手段3521と高周波電源5に接続される。真空紫外線センサ35の受光部351,演算手段3521,制御手段3522及び高周波電源5からなるフィードバック回路352は各エキシマランプ31の光量を均一にするためにあるので、フィードバック回路352は各エキシマランプ31の光量を検出する各真空紫外線センサ35の受光部351に設けられる。
【0037】
本発明に係る真空紫外線モニタ6を図5及び図6を用いて説明する。
図5は真空紫外線モニタ6の説明図であり、本発明に係る真空紫外線モニタ6の一例である。図5は図1の真空紫外線照射装置1の一部を拡大した図であり、真空紫外線モニタ6の外管611の中心軸に沿った断面図である。図5(b)は、外管611の中心軸に対して垂直方向の断面図((a)のC−C断面図)である。なお、図1に示したものと同じものには同一の符号が付されている。
【0038】
真空紫外線モニタ6は、外管611,ライトガイド612,真空紫外線センサ62及び反射面63により構成されている。
外管611及びライトガイド612は円筒状の例えば合成石英ガラス,CaF又はMgFからなる。外管611は、管軸方向の一方が封止され他方が管軸方向に開放されたものであり、真空紫外線を透過する部材よりなることから、外管611の内部に真空紫外線を取り込むことができる。ライトガイド612は、外管611の内部に配置され、外管611の封止部に近い管軸方向の一端が垂直方向に開口し、他端が管軸方向に開口する。これにより、外管内に透過された真空紫外線は、ライトガイド612の管軸方向の一端の垂直方向に開口した開口部6121から導入され、ライトガイド612の管軸方向の他端開口へ導光される。
【0039】
真空紫外線センサ62は、ライトガイド612の他端開口に臨むように設けられる。真空紫外線センサ62は受光部621を有し、受光部621は真空紫外線を検出する。このため、真空紫外線センサ62の受光部621はライトガイド612の他端開口に臨むように配置される。さらに、真空紫外線モニタ6内を流れるガスの流路を形成するため、真空紫外線センサ62とライトガイド612の他端開口側の端面との間は離間されるように配置される。
【0040】
ライトガイド612の一端開口(ライトガイド612の管軸方向に一端に設けた垂直方向の開口部6121)に、ライトガイド612の管軸方向に対して傾斜した端面を設け、その端面に例えば酸化アルミニウム(Al)からなる反射面63が形成される。端面は、反射面63が外管611を透過した真空紫外線を真空紫外線センサ62に送るように傾斜される。これにより、傾斜した反射面63と真空紫外線センサ62は対向される。
【0041】
外管611の外周面には外管611を固定する外管固定部材64が配置され、ライトガイド612の外周面にはライトガイド612を固定するライトガイド固定部材65が配置され、真空紫外線センサ62の外面には真空紫外線センサ62の受光部621の真空紫外線の検出を妨げないように真空紫外線センサ62を固定するセンサ固定部材66が配置される。
ライトガイド固定部材65は外管固定部材64と一部離間されることで、ガスの流れる第1のガス流路652が設けられる。第1のガス流路652は外管611の他方の開放部に連結されることにより、外管611から第1のガス流路652につながるガスの流路が形成される。
さらに、ライトガイド固定部材65とセンサ固定部材66が一部離間されることで、ガスの流れる第2のガス流路651が設けられる。第2のガス流路651はライトガイド612の他端開口に連結されることにより、ライトガイド612から第2のガス流路652につながるガスの流路が形成される。
外管固定部材64,ライトガイド固定部材65及びセンサ固定部材66は図示しない固定手段によって固定されることで、図5(b)に示すように外管611の内周面とライトガイド612の外周面が長手方向に亘って離間されるように配置される。これにより、外管611とライトガイド612の間にガスの流路が形成される。また、外管611の管軸方向の端部を熱源に配置しても、外管611とライトガイド612は長手方向に亘って離間されるので、熱源によって加熱された外管611の熱をライトガイド612に伝熱することを防止することができる。
真空紫外線モニタ6を真空紫外線照射装置に配置するための固定手段として、外管固定部材64の端部にはフランジ641が配置される。処理室を構成する壁の外面に設けられたフランジ641に、固定部材のフランジ641を螺合させる等して固定する。
【0042】
図6はライトガイド612の一端開口に設けられた反射面63の説明図であり、本発明に係る真空紫外線モニタ6の一例である。図6(a)ライトガイド612の管軸方向に沿った断面図であり、(b)は(a)のY方向(開口部6121)から見たライトガイド612の図であり、(c)は(a)のX方向(ライトガイド612の内部)から見たライトガイド612の図である。なお、図5に示したものと同じものには同一の符号が付されている。
【0043】
ライトガイド612の管軸方向の端部に形成された垂直方向の開口部6121は、真空紫外線を取り込むため、図6(a)に示すように、ライトガイド612の一端開口に設けられた楕円状の端面は、ライトガイド612の管軸方向に対して傾斜され、楕円状の端面のライトガイド612の内部に向かった面に反射面63が形成される。これにより、開口部6121に対応した位置に反射面63が形成されるため、開口部6121から反射面63が見ることができ、図6(b)に示すように楕円状の反射面63の全体が見える程度に開口すれば、開口部から取り込んだ真空紫外線を反射面63で好適に反射させることができる。さらに、ライトガイド612の一端開口に設けられた反射面63は、ライトガイド612の他端開口に臨むように設けられた図示しない真空紫外線センサに送るように傾斜させて設けられるので、図6(c)に示すようにライトガイド612の他端開口側から見ると反射面63が見えることができる。
真空紫外線モニタ6の反射面63は、被処理物の近傍に配置される。反射面63はライトガイド612の管軸方向に対して傾斜した端面に設けられるため、図6(a)に示すY方向から入射された真空紫外線は内管612の開口部6121から取り込まれ、反射面63によって反射されることで、X方向の逆方向に真空紫外線の光路が変更される。X方向の逆方向に光路が変更された真空紫外線は、ライトガイド612の内部を通って図示しない真空紫外線センサの受光部を照射する。このとき、真空紫外線はライトガイド612の内周面を照射するものがあるが、真空紫外線がライトガイド612に対して臨界角以下で入射するとライトガイド612は真空紫外線を反射して図示しない真空紫外線センサの受光部へ導光することができる。
【0044】
図7は、図1に示した真空紫外線照射装置1のランプ31点灯時の説明図であり、真空紫外線モニタ6のフィードバック回路67の説明図である。図7はエキシマランプ31の管軸方向に沿った断面図である。なお、図1に示したものと同じものには同一の符号が付されている。
図7は、真空紫外線モニタ6のフィードバック回路67を図示した点と、真空紫外線Vの照射方向を図示した点で、図1と相違する。
【0045】
真空紫外線モニタ6の真空紫外線センサ62の受光部621は、ランプ31点灯時にエキシマランプ31からの真空紫外線の光量を検出する。真空紫外線センサ62からの検出値に基いて演算する演算手段671が、真空紫外線センサ62に接続される。演算手段671からの演算結果に基いて高周波電源5を制御する制御手段672が、演算手段671と高周波電源5に接続される。
【0046】
上述の真空紫外線照射装置1のランプハウス3は、図1示すように導入路36から不活性ガスとして窒素ガスが導入され、排気路37からランプハウス3内の大気が排気される。これにより、ランプハウス3内は窒素ガスで置換される。ランプ31点灯時のエキシマランプ31の熱を取り除くため、ランプハウス3内に配置された冷却ブロック32の図示しない流路には冷却水が流される。
真空紫外線照射装置1の処理室2内の処理台21上に、層間絶縁膜にLow−k材を用いた半導体集積回路Wが被処理物Wとして載置される。Low−k材としてSiOより誘電率(k値)の低く、加熱及び真空紫外線の照射により硬化される例えばSiOCHが用いられる。
処理室2は、図示しない真空ポンプによって排気路23から処理室2内の大気が排気され、処理室2内が減圧される。処理室2内の大気が排気されることにより、被処理物Wは処理時の酸化を防止される。処理室2内は所期の圧力があり、処理室2の壁に設けられた導入路22から不活性ガスとして窒素ガスが導入され、処理室2内の圧力が調整される。
処理室2内の処理台22上に被処理物Wである半導体集積回路デバイスWを載置させ、処理台21の図示しないヒータは始動されることで、半導体集積回路デバイスWを加熱する。
【0047】
上述の真空紫外線モニタ6は、図5に示すように第2のガス流路651から真空紫外線の吸収が無い又は真空紫外線の吸収が酸素より少ないガスとして窒素ガスを導入し、ライトガイド612の管軸方向に開口した他端開口からライトガイド612の内部に取り込まれる。ライトガイド612の内部に導入された窒素ガスは、ライトガイド612の垂直方向に開口された開口部6121から流出し、外管611とライトガイド612の間の流路に流れる。外管611と内管612の間の流路に流れた窒素ガスは、外管611の管軸方向に開口した他方の開口部につながる第1のガス流路652から排出される。真空紫外線モニタ6は、外管611とライトガイド612とが離間した二重管構造であると共に、外管611とライトガイド612の開口が第1のガス流路及び第2のガス流路に連結されることにより、真空紫外線モニタ6の内部は窒素ガスの流れる流路が形成され、窒素ガスで置換することができる。
【0048】
図7に示すようにランプ31点灯時、高周波電源5から給電されることにより、エキシマランプ31は点灯される。エキシマランプ31からは、エキシマ発光ガスがキセノンガスの場合、波長172nmの真空紫外線が照射される。ランプハウス3内は窒素ガスによって置換されているのでエキシマランプ31から照射された真空紫外線は減衰されることなく、光照射窓4に向かって照射される。光照射窓4は例えば合成石英ガラスのような真空紫外線を透過させる部材によって形成されているので照射された真空紫外線を透過する。減圧された処理室2内で透過された真空紫外線は減衰されることなく、真空紫外線は被処理物Wを照射する。光照射窓4から透過された真空紫外線は、被処理物Wを照射する照射面より大きな範囲で照射するように設定されている。このため、被処理物Wの近傍に配置された真空紫外線モニタ6の外管611の管軸方向の端部及び反射面63も真空紫外線によって照射される。
【0049】
図5に示すように、真空紫外線を照射された外管611は例えば合成石英ガラスのような真空紫外線を透過する部材によって形成されているので、照射された真空紫外線を外管611の内部に透過できる。外管61の内部は窒素に置換されているので、透過された真空紫外線が減衰されることを防止できる。反射面63が図示しない処理室内に配置されると共に、外管611の内部に配置された内管612の管軸方向の一端に、垂直方向に開口した開口部6121を形成することにより、外管611から透過された真空紫外線を減衰することなくライトガイド612の内部に取り込むことができる。ライトガイド612の内部に取り込まれた真空紫外線は、図示しない処理室内に配置された反射面63によってライトガイド612の管軸方向の他端開口に配置された真空紫外線センサ62の受光部621に送るように反射することができる。反射面63に反射された真空紫外線は、ライトガイド612によって導光され、真空紫外線センサ62の受光部621を照射することができ、受光部621は真空紫外線を検出できる。
【0050】
図4に示すフィードバック回路67によって、冷却ブロック32の貫通孔34から照射される真空紫外線を真空紫外線センサ35の受光部351によって検出し、検出値が目標値の範囲にあることを演算手段3521によって確認する。受光部351が検出した光量が目標値の範囲に無い場合は、目標値に対して過不足値を演算手段3521で確認する。目標値に対する光量の過不足値を基に、演算手段3521は光量を目標値にするための電力を演算する。演算結果に基いて、制御手段3522は高周波電源5からエキシマランプ31に対して供給される電力を制御する。各エキシマランプ31には真空紫外線センサ35が配置されているため、各エキシマランプ31は目標値の範囲の光量になるように制御し、被処理物Wに対する照射面が均一になるように高周波電源5を制御する。
一方、図7に示すように、真空紫外線モニタ6の真空紫外線センサ62の図示しない受光部が検出した真空紫外線Vの光量が、目標値の範囲にあることを演算手段671で確認する。受光部621が検出した真空紫外線Vの光量が目標値の範囲に無い場合は、目標値に対して過不足値を演算手段671で確認する。目標値に対する真空紫外線Vの光量の過不足値を基に、演算手段671は真空紫外線Vの光量を目標値にするための電力を演算する。演算結果に基いて、制御手段672は高周波電源5からのエキシマランプ31に対して供給される電力を制御する。このように、受光部621が検出した真空紫外線Vの光量を基にエキシマランプ31をフィードバック回路67し、被照射物Wの照射される真空紫外線Vの光量を所期の目標値にすることができるので、真空紫外線モニタ6のフィードバック回路67によって被処理物Wへの真空紫外線Vの所期の光量が得られるように高周波電源5を制御する。
高周波電源5は、図4に示すフィードバック回路352の制御結果と図7に示すフィードバック回路67の制御結果を受けて、各エキシマランプ31の照度を均一になるように制御すると共に、被処理物Wに対する所期の光量を実現できるようにエキシマランプ31に給電を行なう。
【0051】
被処理物Wである半導体集積回路Wの層間絶縁膜であるLow−k材は、処理台21の図示しないヒータによって加熱されると共に、真空紫外線の所期の光量を照射されることにより、充分に硬化させることができる。
【0052】
本発明に係る真空紫外線モニタ6は、真空紫外線を透過する部材からなり一方が封止され他方が開放された外管611と、外管611内に配置され前記外管611の封止部に近い一端開口から真空紫外線を導入し他端開口へ導く管状のライトガイド612と、ライトガイド612の他端開口に臨むように設けられた真空紫外線センサ62とを有し、外管611の他方の開放部には第1のガス流路652が連結され、ライトガイド612の他端開口には第2のガス流路651が連結されることにより、真空紫外線モニタ6内にガスを流すことができ、真空紫外線モニタ6を冷却することができる。このため、真空紫外線モニタ6を熱源の近くに配置することができる。さらに、真空紫外線モニタ内に流すガスとして真空紫外線の吸収が無い又は真空紫外線の吸収が酸素より少ないガスを流すことにより、真空紫外線モニタ6内に取り込んだ真空紫外線の光量が低下することを防止することができる。
また、ライトガイドの一端開口に、外管から入射する真空紫外線を反射して真空紫外線センサに送る反射面が設けられることにより、外管から真空紫外線モニタに入射された真空紫外線を反射面によって真空紫外線センサへ導くことができ、外管内に配置され外管の封止部に近い一端開口から真空紫外線を導入し他端開口へ導く管状のライトガイドによって真空紫外線センサは真空紫外線の光量を検出することができる。
本発明に係る真空紫外線照射装置1は、加熱手段を有し被処理物Wが載置される処理台21と、処理台21が設けられ処理雰囲気に保たれた処理室2と、処理室2に真空紫外線を取り込む光照射窓4と、真空紫外線を照射するランプ31とからなり、上述の真空紫外線モニタ6を、反射面63が処理室2内に位置するように配置したことにより、図示しない加熱手段によって加熱された光照射窓4から透過された真空紫外線を処理室内に位置するように配置した真空紫外線モニタ6の反射面63によって真空紫外線センサ62へ導くことができ、真空紫外線センサ6は真空紫外線の光量を検出することができる。
さらに、真空紫外線照射装置1は、真空紫外線モニタ6の真空紫外線センサ62の検出値と予め定められた目標値とを比較演算する演算手段671と、前記演算手段671の演算結果に基いて、ランプ31を点灯する電源5を制御する制御手段672とからなるフィードバック回路67を有することにより、処理台に載置される被処理物に真空紫外線の所期の光量を照射することができる。
したがって、ヒータによる加熱手段と真空紫外線の所期の光量により、被処理物Wである半導体集積回路デバイスWの層間絶縁膜であるLow−k材を硬化することができる。
【0053】
なお、内管612の内周面に、ディッピング等により、例えば酸化アルミニウム(Al)を塗布することにより、内管612の内部を通る真空紫外線を内周面の酸化アルミニウムで反射することができる。真空紫外線モニタ6は、ライトガイド612の管内面に反射層を設けたことにより、ライトガイド612内に導入した真空紫外線はライトガイド612の内周面から透過されることなく反射されるので、ライトガイド612内に導入した真空紫外線の光量の低下を防止することができ、真空紫外線センサ62は真空紫外線の光量を良好に検出することができる。
【0054】
図8は、本発明に係る紫外線モニタ6の別の実施例である。図8(a)は外管611の中心軸に沿った断面図であり、(b)は外管611の管軸方向に対して垂直方向の断面図((a)のD−D断面図)である。なお、図5に示したものと同じものには同一の符号が付されている。
【0055】
図8に示す真空紫外線モニタ6はサポータ68を用いた点で、図5と相違する。
サポータ68は輪状の例えば合成石英ガラスからなり、サポータ68はサポータ68の中心軸にライトガイド612の外周に適合する穴を有し、外管611の内周面に適合する外形を有する。サポータ68には不活性ガスである窒素ガスを通す貫通孔部681が形成される。
ライトガイド612は固定部材により一方の端部が固定されるが、ライトガイド612が長尺になるとライトガイド固定部材65により固定されていない一端開口側にモーメントがかかり破損する問題があるが、ライトガイド612の外周にサポータ68を配置することにより、ライトガイド612の破損を防止することができる。
【0056】
図9は、本発明に係る真空紫外線モニタ6の別の実施例である。図9(a)は外管611の中心軸に沿った断面図であり、(b)は外管611の管軸方向に対して垂直方向の断面図((a)のE−E断面図)である。なお、図5に示したものと同じものには同一の符号が付されている。
図9と図5は、ライトガイド612の形状が異なる点と、ライトガイド611の一端開口の開口する方向が異なる点と、反射面63を反射ブロック631に設けた点で相違する。図9は、図5との相違点について説明する。
【0057】
ライトガイド612の一端及び他端は管軸方向に開口し、外管611の長手方向に沿って配置される。外管611の封止部には、外管611の封止部の内部形状に一致した円柱状の反射ブロック631が配置される。ライトガイド612の一端開口に臨む反射ブロック631の端部には、ライトガイド612の管軸方向に対して傾斜した端面が設けられ、その端面に例えば酸化アルミニウム(Al)からなる反射面63が形成される。端面は、反射面63が外管611を透過した真空紫外線を真空紫外線センサ62に送るように傾斜される。これにより、傾斜した反射面63と真空紫外線センサ62は対向される。反射ブロック631の外管611と接する面には、耐熱性の接着材が塗布され、外管611の封止された端部に反射ブロック631が固定される。
ライトガイド612は筒状であり、断面が四角形である。ライトガイド612は例えばステンレスで形成される。
本発明に係る真空紫外線モニタ6の反射面63は図9に示すように反射ブロック631に設けてもかまわない。また、内管612の形状は筒状であれば用いることができる。
【0058】
図9に示すように、反射ブロック631の反射面63が、ライトガイド612の一端開口に臨むように設けられることにより、ライトガイド612の他端に設けた真空紫外線センサに真空紫外線に送ることができる。このため、反射面63がライトガイド631の一端開口の近傍に設けられることにより、図5に示すライトガイド612の一端開口に反射面を設けた真空紫外線モニタ6と同様の効果が得られる。
また、ライトガイド612の形状は筒状であれば良く、図9に示すような断面が四角形のものであってもかまわない。
【0059】
図10及び図11は、本発明に係る外管611の別の実施例である。図10(a)は外管611の中心軸に沿った断面図であり、(b)は外管611の管軸方向に対して垂直方向の断面図((a)のF−F断面図)である。図11(a)は外管611の中心軸に沿った断面図であり、(b)は外管611の管軸方向に対して垂直方向の断面図((a)のG−G断面図)である。なお、図5に示したものと同じものには同一の符号が付されている。
図10はライトガイド612が例えば合成石英ガラスからなる中空ファイバーからなり、図5のライトガイド612に比べて内径の小さいものである。
図11は図10の中空ファイバーを複数本束ねたものである。
ライトガイド612の内部に導出する真空紫外線を受光できるように、図5に示すようにライトガイド612の管軸方向の断面において、少なくともライトガイド612の中心軸に真空紫外線センサ62の受光部621があればよい。このため、図10に示すようにライトガイド612は内径の小さいものであってもかまわなく、図11に示すようにライトガイド612を複数本設けてもかまわない。
【0060】
図12は、本発明に係る真空紫外線モニタ6の別の実施例である。図12(a)は外管611の管軸方向に沿った断面図であり、(b)は外管611の管軸方向に対して垂直方向の断面図((a)のH−H断面図)である。なお、図5に示したものと同じものには同一の符号が付されている。
図12に示す真空紫外線モニタ6は、真空紫外線センサ62及びセンサ固定部材66に貫通孔部622を設けてガスの流路となる第1のガス流路622を形成した点で図5と相違する。
図12に示すように、ライトガイド612の内部につながる貫通孔部622を真空紫外線センサ62及びセンサ固定部材66に設ければ、貫通孔部622からライトガイド612の内部に不活性ガスである窒素ガスを導入できる。このため、第1のガス流路651は、真空紫外線センサ62及びセンサ固定部材66を貫通する貫通孔部622を設けた図12のようなものであってもかまわない。
【0061】
〔第2の実施例〕
真空紫外線モニタ6のライトガイド61の第2の実施例について図13を用いて説明する。
図13は真空紫外線モニタ6の説明図であり、(a)は外管611の管軸方向に沿った断面図であり、(b)は外管611の管軸方向に対して垂直方向の断面図である。なお、図5に示したものと同じものには同一の符号が付されている。
【0062】
図13の真空紫外線モニタ6は、外管611に窓69を設けた点で図5と相違する。
本実施例に係る真空紫外線モニタ6の外管611は例えばステンレスからなり、管状で垂直方向の断面が四角形である。また、外管611は、ライトガイド612の垂直方向に開口した開口部6121に対応する位置に窓69が設けられる。外管611を例えばステンレスのような真空紫外線を透過しない部材で形成しても、内管612の垂直方向の開口に対応した位置に設けた窓69を例えば合成石英ガラス,CaF又はMgFからなる真空紫外線を透過する部材で形成すれば、ライトガイド612内に真空紫外線を取り込むことができる。
ライトガイド612の一端開口(ライトガイド612の管軸方向に一端に設けた垂直方向の開口部6121)に、ライトガイド612の管軸方向に対して傾斜した端面を設け、その端面に例えば酸化アルミニウム(Al)からなる反射面63が形成される。端面は、反射面63が窓から入射した真空紫外線を真空紫外線センサ62に送るように傾斜される。これにより、傾斜した反射面63と真空紫外線センサ62は対向される。
【0063】
本発明に係る真空紫外線モニタ6は、真空紫外線を透過する窓69を有し一方が封止され他方が開放された外管611と、外管611内に配置され外管611の封止部に近い一端開口から真空紫外線を導入し他端開口へ導く管状のライトガイド612と、ライトガイド612の他端開口に臨むように設けられた真空紫外線センサ62とを有し、外管611の他方の開放部には第1のガス流路652が連結され、ライトガイド612の他端開口には第2のガス流路651が連結されることにより、真空紫外線モニタ6内にガスを流すことができ、真空紫外線モニタ6を冷却することができる。このため、真空紫外線モニタ6を熱源の近くに配置することができる。さらに、真空紫外線モニタ6内に流すガスとして真空紫外線の吸収が無い又は真空紫外線の吸収が少ないガスを流すことにより、真空紫外線モニタ6内に取り込んだ真空紫外線の光量が低下することを防止することができる。
また、ライトガイド612の一端開口に、窓69から入射する真空紫外線を反射して真空紫外線センサ62に送る反射面63が設けられることにより、窓69から真空紫外線モニタ6に入射された真空紫外線を反射面63によって真空紫外線センサ62へ導くことができ、外管611内に配置され外管611の封止部に近い一端開口から真空紫外線を導入し他端開口へ導く管状のライトガイド612によって真空紫外線センサ62は真空紫外線の光量を検出することができる。
本発明に係る真空紫外線照射装置1は、加熱手段を有し被処理物Wが載置される処理台21と、処理台21が設けられ処理雰囲気に保たれた処理室2と、処理室2に真空紫外線を取り込む光照射窓4と、真空紫外線を照射するランプ31とからなり、上述の真空紫外線モニタ6を、反射面63が処理室2内に位置するように配置したことにより、図示しない加熱手段によって加熱された光照射窓4から透過された真空紫外線を処理室内に位置するように配置した真空紫外線モニタ6の反射面63によって真空紫外線センサ62へ導くことができ、真空紫外線センサ6は真空紫外線の光量を検出することができる。
さらに、真空紫外線照射装置1は、前記真空紫外線モニタ6の真空紫外線センサ62の検出値と予め定められた目標値とを比較演算する演算手段671と、前記演算手段671の演算結果に基いて、ランプ31を点灯する電源5を制御する制御手段672とからなるフィードバック回路67を有することにより、処理台に載置される被処理物に真空紫外線の所期の光量を照射することができる。
したがって、ヒータによる加熱手段と真空紫外線の所期の光量により、被処理物Wである半導体集積回路デバイスWの層間絶縁膜であるLow−k材を硬化することができる。
【0064】
第2の実施例に係る真空紫外線モニタ6においても、図8に示すサポータ68を用いることができ、図9に示す反射ブロック631を用いることができ、図10又は図11の一又は複数の中空ファイバーを内管612として用いることができ、図12に示すように内管612の内部につながる貫通孔部681を真空紫外線センサ62及びセンサ固定部材に設けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明に係る真空紫外線照射装置の説明図である。
【図2】本発明に係る真空紫外線照射装置の説明図である。
【図3】本発明に係るエキシマランプの説明図である。
【図4】本発明に係る真空紫外線照射装置のランプハウス内の真空紫外線センサのフィードバック回路の説明図である。
【図5】本発明に係る真空紫外線モニタの説明図である。
【図6】本発明に係る真空紫外線モニタの説明図である。
【図7】本発明に係る真空紫外線照射装置の説明図である。
【図8】本発明に係る真空紫外線モニタの説明図である。
【図9】本発明に係る真空紫外線モニタの説明図である。
【図10】本発明に係る真空紫外線モニタの説明図である。
【図11】本発明に係る真空紫外線モニタの説明図である。
【図12】本発明に係る真空紫外線モニタの説明図である。
【図13】本発明に係る真空紫外線モニタの説明図である。
【図14】従来の真空紫外線照射装置の説明図である。
【図15】従来の真空紫外線照射装置のランプハウス内の真空紫外線センサのフィードバック回路の説明図ある。
【符号の説明】
【0066】
1 真空紫外線照射装置
2 処理室
21 処理台
22 導入路
221 弁
23 排気路
231 弁
3 ランプハウス
31 エキシマランプ
311 放電管
3111 内側管
3112 外側管
3113 内側電極
3114 外側電極
3115 放電管の内部
32 冷却ブロック
33 保持部材
34 貫通孔
35 真空紫外線センサ
351 受光部
352 フィードバック回路
3521 演算手段
3522 制御手段
36 導入路
37 排気路
4 光照射窓
5 高周波電源
6 真空紫外線モニタ
611 外管
612 ライトガイド
6121 開口部
62 真空紫外線センサ
621 受光部
622 貫通孔部
63 反射面
631 反射ブロック
64 外管固定部材
641 フランジ
65 ライトガイド固定部材
651 第2のガス流路
652 第1のガス流路
66 センサ固定部材
67 フィードバック回路
671 演算手段
672 制御手段
68 サポータ
681 貫通孔部
69 窓
I 窒素ガス
V 真空紫外線
W 被照射物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空紫外線を透過する部材からなり一方が封止され他方が開放された外管と、
前記外管内に配置され前記外管の封止部に近い一端開口から前記真空紫外線を導入し他端開口へ導く管状のライトガイドと、
前記ライトガイドの前記他端開口に臨むように設けられた真空紫外線センサと
を有し、
前記ライトガイドの前記一端開口又はその近傍に、前記外管から入射する前記真空紫外線を反射して前記真空紫外線センサに送る反射面が設けられ、
前記外管の他方の開放部には第1のガス流路が連結され、
前記ライトガイドの前記他端開口には第2のガス流路が連結されている
ことを特徴とする真空紫外線モニタ。
【請求項2】
真空紫外線を透過する窓を有し一方が封止され他方が開放された外管と、
前記外管内に配置され前記外管の封止部に近い一端開口から前記真空紫外線を導入し他端開口へ導く管状のライトガイドと、
前記ライトガイドの前記他端開口に臨むように設けられた真空紫外線センサと
を有し、
前記ライトガイドの前記一端開口又はその近傍に、前記窓から入射する前記真空紫外線を反射して前記真空紫外線センサに送る反射面が設けられ、
前記外管の他方の開放部には第1のガス流路が連結され、
前記ライトガイドの前記他端開口には第2のガス流路が連結されている
ことを特徴とする真空紫外線モニタ。
【請求項3】
前記ライトガイドの管内面に反射層を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の真空紫外線モニタ。
【請求項4】
加熱手段を有し被処理物が載置される処理台と、
前記処理台が設けられ処理雰囲気に保たれる処理室と、
前記処理室に真空紫外線を取り込む光照射窓と、
前記真空紫外線を照射するランプと
からなる真空紫外線照射装置において、
請求項1又は2に記載の真空紫外線モニタを、前記反射面が前記処理室内に位置するように配置した
ことを特徴とする真空紫外線照射装置。
【請求項5】
前記真空紫外線モニタの真空紫外線センサの検出値と予め定められた目標値とを比較演算する演算手段と、
前記演算手段の演算結果に基いて、ランプを点灯する電源を制御する制御手段と
からなるフィードバック回路を有する
ことを特徴とする請求項4に記載の真空紫外線照射装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2008−192709(P2008−192709A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−23545(P2007−23545)
【出願日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【出願人】(000102212)ウシオ電機株式会社 (1,414)
【Fターム(参考)】