説明

石炭粉砕装置の制御装置

【課題】目的に叶う精度にて出炭量の推定を可能とした石炭粉砕装置の制御装置を提供する。
【解決手段】石炭粉砕装置により石炭を粉砕し、該粉砕した微粉炭をボイラに出炭する出炭量を推定する石炭粉砕装置の制御装置において、前記制御装置は、前記ボイラ若しくは該ボイラに接続された発電機からの検出データに基づいて給炭量に関連する指令信号を演算する主演算回路を有するとともに、前記石炭粉砕装置に予め設定された標準の出炭量パターンと、現在の出炭量パターンとの偏差を算出する追加制御部を備え、該追加制御部による算出結果を補正信号として前記主演算回路に加える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固形燃料を粉砕して微粉化した微粉燃料を、搬送空気とともにボイラに送給する石炭粉砕装置の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、様々な種類の石炭を燃料として使用するボイラにおいては、石炭の硬さを示す指標であるハードグローブ粉砕性指数(HGI)や水分率等の石炭性状が異なるため、ミルでの粉砕性や搬送性が大幅に異なる。ボイラの負荷変動のため、石炭の供給機からミルへの給炭量を変化させた場合、石炭性状が異なるためにミルからの出炭量の遅れが各々の炭種によって異なり、ボイラの蒸気温度や蒸気圧力制御の外乱となっていた。
【0003】
このようなボイラの運転を適正化する方法として、例えば、特許文献1(特許第3746528号公報)には、火炉の吸収熱量推定値を算出する第1の推定手段と、最終再燃器の吸収熱量推定値を算出する第2の推定手段とを備えて、火炉の吸収熱量推定値と最終再燃器の吸収熱量推定値の比に基づいてボイラの燃焼特性を把握する構成が開示されている。また、特許文献2(特許第3785088号公報)には、ボイラに付設された石炭粉砕装置(ミル)に供給される給炭量に応じて、回転分級器の回転数における基準値を算出し、該回転数の制御に与える影響を正規化した第1補正係数と、ボイラ運転中に推定された石炭の固さ指標値から得られる第2補正係数とを前記基準値に加算し、出力された回転数に基づいて回転分級器の回転数制御を行うようにした構成が開示されている。
【0004】
ここで、従来の制御系について以下に具体例を示す。
図7は、ミル給炭量指令を算出する回路を備えた制御装置の構成を示すブロック図である。同図に示すように、FX1、FX2及びFX3は関数発生器であり、発電機出力指令値による先行信号で切替スイッチTに入力される。切替スイッチTは、収熱比又は収熱比推定信号によって自動又は手動にて選択先が切り替わる。不完全微分回路はいわゆるボイラ加速信号(BIR)で、この信号も切替スイッチTによって収熱比により選択先が切り替わる。3つの不完全微分回路はゲインや時定数等が相違する。図7は循環ボイラの場合を示しており、ドラム圧力偏差が制御系に入力されている。制御系は例えばPID制御等である。貫流ボイラの場合は、ドラム圧力偏差に変わって主蒸気温度偏差が制御系に入力される。
【0005】
ここで算出されたミル出炭量指令に基づいて、図8に示す制御装置によりミルの制御信号を演算する。図8は従来のMRS回転数指令を算出する回路を備えた制御装置の構成を示すブロック図である。同図において、FX11はミル給炭量指令値に基づく先行信号を与える関数発生器である。FX12は、ミル給炭量指令値に対する標準のミル電流を与える関数発生器である。粉砕されにくい石炭の場合は、この標準のミル電流よりも大きくなる。偏差は制御器に入力されるが、制御器は、例えば比例制御器である。先行信号と制御系の出力信号の和がMRS回転数指令信号となる。
【0006】
また、他の例として、図9は従来のミル加圧装置油圧設定を算出する回路を備えた制御装置の構成を示すブロック図である。FX21はミル給炭量指令値に基づく先行信号を与える関数発生器である。FX22は、ミル給炭量指令値に対するミルロールリフトを与える関数発生器である。偏差は制御器に入力されるが、制御器は、例えば比例制御器等である。先行信号と制御系の出力信号の和がミル加圧装置油圧設定信号となる。
【0007】
【特許文献1】特許第3746528号公報
【特許文献2】特許第3785088号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記したように、多炭種の石炭の場合、HGIや水分率等の石炭性状が異なるため、石炭粉砕装置での粉砕性や搬送性が大幅に異なり、またボイラの負荷変動のために給炭量を変化させた場合に石炭粉砕装置からの出炭量の遅れがボイラの蒸気温度や蒸気圧力制御の外乱となって、安定した制御を行うことができなかった。また、同一炭種でもHGIや水分率はかなりバラツキがあり同様の状態であった。
また、従来は石炭の性状に応じた制御をリアルタイムで行うことができなかったため、ボイラの安定した運転が困難であった。
従って、本発明は上記従来技術の問題点に鑑み、目的に叶う精度にて出炭量の推定を可能とした石炭粉砕装置の制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで、本発明はかかる課題を解決するために、石炭粉砕装置により石炭を粉砕し、該粉砕した微粉炭をボイラに出炭する出炭量を推定する石炭粉砕装置の制御装置において、
前記制御装置は、前記ボイラ若しくは該ボイラに接続された発電機からの検出データに基づいて給炭量に関連する指令信号を演算する主演算回路を有するとともに、
前記石炭粉砕装置に予め設定された標準の出炭量パターンと、現在の出炭量パターンとの偏差を算出する追加制御部を備え、該追加制御部による算出結果を補正信号として前記主演算回路に加えるようにしたことを特徴とする。
このように本発明によれば、石炭性状が変化しても、現在運転中の出炭量パターンと目標とする予め設定された標準の出炭量のパターンとの偏差を小さくする運転をすることにより、安定したミル出炭量制御ができ、安定した対応制御が可能となる。
【0010】
また、前記追加制御部は、前記石炭粉砕装置からの検出データ、前記ボイラからの検出データ、及び前記発電機からの検出データのうち少なくとも何れかを用いて微粉炭の出炭量を推定する出炭量推定部を備え、
前記出炭量推定部にて、前記石炭粉砕装置の静定中又は変化中の何れかを選択し、該選択された側の出炭量推定値に基づいて前記追加制御部にて前記補正信号を算出することを特徴とする。
【0011】
このとき、前記主演算回路に入力される検出データ及び前記給炭量に関連する指令信号としては、以下のものが挙げられる。
第1に、前記主演算回路に入力される検出データが発電機出力指令値と主蒸気圧力偏差又は主蒸気温度偏差であり、且つ前記給炭量に関連する指令信号が給炭量指令値であることを特徴とする。
第2に、前記主演算回路に入力される検出データが給炭量指令値と石炭粉砕装置電流値であり、且つ前記給炭量に関連する指令信号が前記石炭粉砕装置の回転数指令値であることを特徴とする。
【0012】
第3に、前記主演算回路に入力される検出データが給炭量指令値とロールリフト圧力値であり、且つ前記給炭量に関連する指令信号が前記石炭粉砕装置が備える油圧荷重装置の圧力設定値であることを特徴とする。
また、前記予め設定された標準の出炭量パターンを、石炭発熱量、石炭水分率等の石炭性状により補正する補正回路を備えることが好適である。
【発明の効果】
【0013】
以上記載のごとく本発明によれば、石炭性状が変化しても、現在運転中の出炭量パターンと目標とする予め設定された標準の出炭量のパターンとの偏差を小さくする運転をすることにより、安定したミル出炭量制御ができ、安定した対応制御が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
【0015】
まず最初に、本実施形態に用いられる石炭粉砕装置(ローラミル)の一例を図6を参照して説明する。
図6に示すように、ローラミル1は実質的に密閉したケーシング2と、該ケーシング2内に設けられた各構成部材からなる。ケーシング2内には、ケーシング内部に繋がる石炭供給手段3と、該石炭供給手段3の投入口下方に設けられた回転テーブル4と、該回転テーブル4上面に摺動する複数のローラ5と、ケーシング2上面に設けられた微粉出口管6とが収容されている。
【0016】
前記ローラミル1において、回転テーブル4は不図示の駆動機構により回転駆動され、ローラ5が回転テーブル4の上面に押し付けられ、回転テーブル4の回転に伴い摺動するようになっている。石炭は石炭供給手段3から回転テーブル4上面に供給され、ここで回転テーブル4とローラ5に挟まれて押しつぶし粉砕される。
一方、粉砕された微粉炭は、ケーシング2の下方から導入される搬送空気8によって微粉炭を分級した後に排出させる。
【0017】
本実施形態では、上記したような石炭粉砕装置1の給炭量を適切に制御する制御装置に関し、具体的な制御装置の構成については以下の第1実施形態から第5実施形態に示す。
【0018】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る制御装置の構成を示すブロック図である。かかる発明は、標準のミル出炭量パターンと現在運転中のミル出炭量パターンの偏差を用いた制御系の出力信号を従来の制御系の基本信号に補正信号として付加することにより、より安定したミル出炭量制御を行うようにしており、第1実施形態は給炭量に関連する指令信号として給炭量指令値を用いた構成としている。
【0019】
図1において、第1実施形態の制御装置は、従来の制御系である主制御器10と、追加制御部20と、ミル出炭量推定部30とからなる。
前記ミル出炭量推定部30は、既設の検出端であるミル火炉差圧(ΔP)31と空気流量(Fa)32を計測して、ミル出炭量を推定する。ミル火炉差圧31は固気混合流体の圧損であり、空気流量32とで下記式(1)を用いて出炭量の概略値を求めることができる。
Fc=KFa(ΔP/ΔPa(Fa)−1) ・・・(1)
ここで、Fcは出炭量、Kは係数、ΔPaは流体が空気のみの時のミル火炉差圧であり、空気流量の関数である。空気流量Faと流体が空気のみの時のミル火炉差圧ΔPaの関係は、試運転時等で決定される。従って、係数Kが求められれば、ミル出炭量推定値35が得られる。
【0020】
係数Kは、水分率の相違やHGIの相違に基づく微粉度の相違により、あるいは空気の湿度等によっても変化すると考えられる。係数Kは、ミル給炭管の抵抗係数であり、理論的に決定することは困難であるが、ミルの安定した運転時(完全静定時)には、ミル給炭量と出炭量とは必ず一致することにより求めることができる。
【0021】
前記出炭量推定部30のスイッチ36には、給炭量33と出炭量推定値35との偏差信号と、零信号が入力され、ミル変化中は後者が、ミル静定中は前者が出力される。このスイッチ36の出力信号は積分器34に入力されゆっくり積分動作を行う。この積分器34の出力が係数Kを与える。
ミル変化中は、出炭量は給炭量より遅れるため両者は一致しない。従って、積分器34の入力を零として係数K演算を停止させる。
係数Kの演算はミル静定中のみ行うが、このミル静定中の信号は、給炭量やその他のミル廻りの状態量の変動が収まってから一定時限後等で定義する。
以上の動作により、ミル静定中は係数Kが常時更新されるため、炭種が変化したり、同一炭でも水分率等が変化した場合でもミル出炭量の概略値を推定できる。
【0022】
前記追加制御部20の関数発生器22は、目標とするミル出炭量パターン23を与える関数である。このパターンとミル出炭量推定信号の差が制御部24に入力される。制御部24は、例えば比例制御器等である。この追加制御部20の出力信号が、従来の制御信号に付加されて給炭量指令13となる。
目標とするミル出炭量の時間的パターンは、試運転時にある代表の炭(標準炭)によってボイラ応答として最も望ましいパターンとして決定されたものである。
【0023】
このように、石炭性状が変化しても、現在運転中のミル出炭量パターンと目標とするミル出炭量のパターンとの偏差を小さくする運転をすることにより、安定したミル出炭量制御ができ、良好な対応制御が可能となる。
尚、本第1実施形態では、目標とする出炭量パターンを1つの関数で表示したが、実際には運用される発電機出力変化のパターン、例えば変化開始前の負荷、変化幅、変化率等に対応した関数とするか、又は関数発生器と等価な機能を有するロジックを用いるとよい。
【0024】
(第2実施形態)
図2は、本発明の第2実施形態に係る制御装置の構成を示すブロック図である。
第2実施形態では、給炭量に関連する指令信号として、石炭粉砕装置のMRS回転数を用いた構成としている。
図2において、第2実施形態の制御装置は、従来の制御系である主制御器10と、追加制御部20と、ミル出炭量推定部30とからなる。
【0025】
前記ミル出炭量推定部30及び前記追加制御部20は、第1実施形態と同一のものである。
前記主制御器10には、ミル給炭量指令14とミル電流15が入力され、これらに基づいて演算処理されてMRS回転数指令値16が求められる。このとき、前記前記ミル出炭量推定部30及び前記追加制御部20により得られたMRS回転数指令補正値25が従来のMRS回転数指令値に付加される。前記制御部24は、例えば比例制御器等である。
かかる第2実施形態では、給炭量に関連する指令信号として、石炭粉砕装置のMRS回転数を用いているが、該MRS回転数はミル出炭量を変化させる因子の一つであるため、これを用いることで簡単に給炭量に関連する指令信号を演算で求めることが可能である。
【0026】
(第3実施形態)
図3は、本発明の第3実施形態に係る制御装置の構成を示すブロック図である。
第3実施形態では、給炭量に関連する指令信号として、石炭粉砕装置が備える油圧荷重装置の荷重圧力を用いた構成としている。荷重圧力とは、石炭粉砕装置にてローラに加える圧力を示すものである。
図3において、第3実施形態の制御装置は、従来の制御系である主制御器10と、追加制御部20と、ミル出炭量推定部30とからなる。
【0027】
前記ミル出炭量推定部30及び前記追加制御部20は、第1実施形態と同一のものである。
前記主制御器10には、ミル給炭量指令17とロールリフト18が入力され、これらに基づいて演算処理されて油圧荷重装置圧力設定値19が求められる。このとき、前記前記ミル出炭量推定部30及び前記追加制御部20により得られた油圧荷重装置圧力設定値補正26が従来のMRS回転数指令値に付加される。前記制御部24は、例えば比例制御器等である。
かかる第3実施形態では、給炭量に関連する指令信号として、石炭粉砕装置が備える油圧荷重装置の荷重圧力を用いているが、該荷重圧力はミル出炭量を変化させる因子の一つであるため、これを用いることで簡単に給炭量に関連する指令信号を演算で求めることが可能である。
【0028】
(第4実施形態)
図4は、本発明の第4実施形態に係る制御装置の構成を示すブロック図である。
かかる第4実施形態は、上記した第1実施形態乃至第3実施形態に適用することができるが、一例として第1実施形態に適用した場合につき示す。
ここでは、目標とする出炭量パターンを、石炭発熱量、石炭水分率等の石炭性状で補正する補正回路を備えた構成となっている。
図4に示すように、補正回路29は、目標出炭量パターン23を決定した時の石炭の発熱量と、現在の石炭の発熱量の比を目標パターンに乗じるなどの補正処理を行っている。
このように、石炭性状によって補正信号をさらに補正することにより、石炭性状の異なる複数種類の石炭にも対応でき、高精度の出炭量制御が可能となる。
【0029】
(第5実施形態)
図5は、本発明の第5実施形態に係る制御装置の構成を示すブロック図である。
かかる第5実施形態は、上記した第1実施形態乃至第4実施形態に適用することができるが、一例として第1実施形態に適用した場合につき示す。
ここでは、石炭性状によらず、なるべく目標出炭量パターンに近い出炭量特性が得られることを目的として、補正信号を作成している。この出炭量特性の改善は、ミルの変化中(特に変化開始直後)のみに必要であって、ミル静定中は不必要である。ミル静定中も補正動作を継続することは場合によってはむしろ従来制御の外乱となることも考えられる。本第5実施形態では、それを回避するものである。
【0030】
図5に示すように、制御部24の出力部に乗算器201を設ける。該乗算器201のもう一方の入力は1次遅れ回路202の出力信号である。ミル変化中は、1次遅れ回路202の入力xは1、時定数Tdは0か略0が入力される。ミル変化中がOFFの時は、xは0で、Tdは大きな値が入力される。
上記回路により、ミル変化が開始されると、給炭量補正指令値21は、直ちに制御部24の出力とし、ミル変化が終了すると、ゆっくり給炭量指令補正を零とする。ゆっくり零にするのは、給炭量指令21の急劇な変化を回避するためである。
これにより、石炭性状によらず目標出炭量パターンに近い出炭量特性を得ることが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明の石炭粉砕装置の制御装置は、目的に叶う精度にて微粉燃料の送出量を推定することができ、安定した制御を可能として多種類の固形燃料に適用可能であるため、石炭焚きボイラなどに好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の第1実施形態に係る制御装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第2実施形態に係る制御装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第3実施形態に係る制御装置の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第4実施形態に係る制御装置の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第5実施形態に係る制御装置の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明が適用される石炭粉砕装置の概略構成図である。
【図7】従来のミル給炭量指令を算出する回路を備えた制御装置の構成を示すブロック図である。
【図8】従来のMRS回転数指令を算出する回路を備えた制御装置の構成を示すブロック図である。
【図9】従来のミル加圧装置油圧設定を算出する回路を備えた制御装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0033】
1 石炭粉砕装置
4 回転テーブル
5 ローラ
10 主制御器(主演算回路)
11 発電機出力指令
12 ドラム圧力偏差
13 給炭量指令
14 ミル給炭量指令
15 ミル電流
16 MRS回転数指令
17 ミル給炭量指令
18 ロールリフト
20 追加制御部
22 関数発生器
23 目標出炭量パターン
24 制御部
25 MRS回転数指令補正
26 圧力設定値補正
27 石炭水分率
28 石炭発熱量
29 補正回路
30 ミル出炭量推定部
31 ミル火炉差圧
32 微粉炭搬送空気流量
33 給炭量
34 積分器
35 出炭量推定値
36 スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
石炭粉砕装置により石炭を粉砕し、該粉砕した微粉炭をボイラに出炭する出炭量を推定する石炭粉砕装置の制御装置において、
前記制御装置は、前記ボイラ若しくは該ボイラに接続された発電機からの検出データに基づいて給炭量に関連する指令信号を演算する主演算回路を有するとともに、
前記石炭粉砕装置に予め設定された標準の出炭量パターンと、現在の出炭量パターンとの偏差を算出する追加制御部を備え、該追加制御部による算出結果を補正信号として前記主演算回路に加えるようにしたことを特徴とする石炭粉砕装置の制御装置。
【請求項2】
前記追加制御部は、前記石炭粉砕装置からの検出データ、前記ボイラからの検出データ、及び前記発電機からの検出データのうち少なくとも何れかを用いて微粉炭の出炭量を推定する出炭量推定部を備え、
前記出炭量推定部にて、前記石炭粉砕装置の静定中又は変化中の何れかを選択し、該選択された側の出炭量推定値に基づいて前記追加制御部にて前記補正信号を算出することを特徴とする請求項1記載の石炭粉砕装置の制御装置。
【請求項3】
前記主演算回路に入力される検出データが発電機出力指令値と主蒸気圧力偏差又は主蒸気温度偏差であり、且つ前記給炭量に関連する指令信号が給炭量指令値であることを特徴とする請求項1記載の石炭粉砕装置の制御装置。
【請求項4】
前記主演算回路に入力される検出データが給炭量指令値と石炭粉砕装置電流値であり、且つ前記給炭量に関連する指令信号が前記石炭粉砕装置の回転数指令値であることを特徴とする請求項1記載の石炭粉砕装置の制御装置。
【請求項5】
前記主演算回路に入力される検出データが給炭量指令値とロールリフト圧力値であり、且つ前記給炭量に関連する指令信号が前記石炭粉砕装置が備える油圧荷重装置の圧力設定値であることを特徴とする請求項1記載の石炭粉砕装置の制御装置。
【請求項6】
前記予め設定された標準の出炭量パターンを、石炭発熱量、石炭水分率等の石炭性状により補正する補正回路を備えたことを特徴とする請求項1記載の石炭粉砕装置の制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−104939(P2010−104939A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−281099(P2008−281099)
【出願日】平成20年10月31日(2008.10.31)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】