説明

研磨布のドレッシング方法およびドレッシング装置

【課題】バッチごとにほぼ一定した研磨速度が得られ、精度よくワークの研磨が行え、また修正砥石を用いるドレッシングの回数を減らせることから、作業性よく、また研磨布の寿命も長くできる研磨布のドレッシング方法を提供する。
【解決手段】回転する定盤14、15の研磨布上にワークを押接し、研磨布上に研磨液を供給しつつワーク表面の研磨を行った後の、該研磨布の表面状態を砥石を用いて調整する研磨布のドレッシング方法において、ワーク研磨後、研磨布上に高圧洗浄水を供給して研磨布を洗浄する洗浄工程中で、目立て砥石26を研磨布の径方向に研磨布の凹凸面に追従させて移動させて研磨布の目立てドレッシングを行う工程を含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は研磨布のドレッシング方法およびドレッシング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウェーハ等のワークの研磨は、研磨布を貼設した定盤の該研磨布表面にワークの被研磨面を押接して、研磨布上に研磨液を供給しつつ定盤を回転させることによって行っている。
そして研磨終了後、研磨布には研磨屑や研磨液が染み込んでいて研磨レートが劣化することから、通常研磨の1バッチごとに研磨布に高圧洗浄水を噴射して、染み込んだ研磨屑や研磨液を洗い流すようにしている(特許文献1)。また、研磨の1バッチごとに研磨布を洗浄しても、通常7バッチ程度も研磨すると研磨布が波打ち(凹凸面)、平坦度が低下して、研磨速度が低下する。
【0003】
そこで、7バッチ程度研磨したら、ワークのキャリアを研磨装置から取り外し、代わりにドレッシングキャリアを装着し、ドレッシングキャリアの4つの各透孔に、リング状の修正砥石を収納して、このリング状の修正砥石により、上下定盤の研磨布を研削して研磨布を平坦にするドレッシングを行うようにしている。4つのリング状の修正砥石のうちの2つは下定盤の研磨布のドレッシング用に、他の2つのリング状の修正砥石は上定盤の研磨布のドレッシング用に用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−9340
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、研磨の1バッチごとに高圧洗浄水を噴射して研磨布の洗浄を行っても、バッチごとに次第に研磨布に凹凸面が生じ、ワークの研磨速度が低下する。そして、7バッチ研磨後、修正砥石により研磨布を研削して平坦にすることにより、研磨速度が復活するが、研磨速度が一定せず、研磨時間により研磨度を調整することになり、制御が厄介であり、精度のよい研磨が行い難いという課題がある。また、7バッチ研磨後に、キャリアをドレッシングキャリアに交換してドレッシングを行うのにその都度15分〜20分程度の時間を要し、作業性も劣るという課題がある。さらには、7バッチ研磨後ごとに、研磨布を修正砥石で研削するドレッシングを行うので、研磨布の寿命も短いという課題がある。
【0006】
そこで本発明は上記課題を解決すべくなされたもので、その目的とするところは、バッチごとにほぼ一定した研磨速度が得られ、精度よくワークの研磨が行え、また修正砥石を用いるドレッシングの回数を減らせることから、作業性よく、また研磨布の寿命も長くできる研磨布のドレッシング方法およびドレッシング装置を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、本発明は次の構成を備える。
すなわち、本発明にかかる研磨布のドレッシング方法は、回転する定盤の研磨布上にワークを押接し、研磨布上に研磨液を供給しつつワーク表面の研磨を行った後の、該研磨布の表面状態を砥石を用いて調整する研磨布のドレッシング方法において、前記ワーク研磨後、研磨布上に高圧洗浄水を供給して研磨布を洗浄する洗浄工程中で、目立て砥石を研磨布の径方向に研磨布の凹凸面に追従させて移動させて研磨布の目立てドレッシングを行う工程を含むことを特徴とする。
【0008】
研磨の1バッチ終了ごとに、研磨布の洗浄と目立てドレッシングとを行うようにすると好適である。
また、例えば、研磨の20バッチ終了後に、修正砥石を用いて、研磨布の凹凸面を研削して平坦にする修正ドレッシングを行うようにする。
【0009】
また本発明に係る研磨布のドレッシング装置は、回転する定盤の研磨布上にワークを押接し、研磨布上に研磨液を供給しつつ、ワーク表面の研磨を行った後の、該研磨布の表面状態を砥石を用いて調整する研磨布のドレッシング装置において、前記研磨布の径方向に移動自在に設けられた移動体、および該移動体上に設けられ、研磨布に向けて高圧洗浄水を噴射するノズルを備えた洗浄装置と、前記研磨布の径方向に移動自在に設けられた移動体、および該移動体上に設けられ、研磨布の凹凸面に追従して移動し、研磨布の目立てを行う目立て砥石を備えたドレッシング装置と、前記洗浄装置による研磨布の洗浄工程中に前記ドレッシング装置により研磨布の目立てドレッシングを行うように、前記洗浄装置と前記ドレッシング装置の駆動を制御する制御部とを具備することを特徴とする。
【0010】
前記洗浄装置の移動体とドレッシング装置の移動体とを共通の移動体とすることにより装置をコンパクトにすることができる。
また、前記移動体の上面側および下面側にそれぞれノズルおよび目立て砥石を設けることにより、下定盤と上定盤とを有する両面研磨装置のそれぞれの研磨布を同時に洗浄および目立てドレッシングを行うようにすることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、バッチごとにほぼ一定した研磨速度が得られ、精度よくワークの研磨が行え、また修正砥石を用いるドレッシングの回数を減らせることから、作業性よく、また研磨布の寿命も長くできる研磨布のドレッシング方法およびドレッシング装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】研磨装置とドレッシング装置の部分平面図である。
【図2】研磨装置とドレッシング装置の部分正面図である。
【図3】移動体の正面図である。
【図4】移動体の側面図である。
【図5】移動体を直線移動させる機構の平面図である。
【図6】目立て砥石の支持部の側面図である。
【図7】目立て砥石の支持部の正面図である。
【図8】従来のドレッシングを行った場合のワークの研磨速度と、本実施の形態のドレッシングを行った場合のワークの研磨速度の比較を示すグラフである。
【図9】従来のドレッシングを行った場合のワークの平坦度と、本実施の形態のドレッシングを行った場合のワークの平坦度の比較を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は両面研磨装置10の研磨布のドレッシング装置12の平面図、図2はその正面図である。
両面研磨装置10は、上面にポリウレタン等からなる研磨布(図示せず)が貼付された下定盤14、下面に研磨布(図示せず)が貼付された上定盤15、ピンギアからなるギアを備えた太陽ギア16、ピンギアからなるギアを備えたインターナルギア17、太陽ギア16およびインターナルギア17に噛合するキャリア18を有する。
【0014】
キャリア18には、半導体ウェーハ等のワーク(図示せず)が収納される透孔19が形成されている。キャリア18は、太陽ギア16およびインターナルギア17が回転されることによって、太陽ギア16の周りを公転するとともに自転するようになっている。また、ワークの研磨の際は、下定盤14および上定盤15は互いに反対方向に等速で回転される。
両面研磨装置10は、下定盤14、上定盤15、太陽ギア16、インターナルギア17を回転させる機構、上定盤15を上下動させる機構、下定盤14の研磨布上に研磨液を供給する機構などを有するが、これらは公知の機構なので、図示を省略した。
【0015】
ワークを研磨するには次のようになされる。
すなわち、キャリア18の透孔19内にワークを収納し、上定盤15を下降して、ワークを上下定盤14、15の研磨布間に挟み込み、この状態で、研磨液を供給しつつ、キャリア18を自公転させ、上下定盤14、15を回転させることによってワークの研磨を行える。
【0016】
次に研磨布のドレッシング装置12について説明する。
ドレッシング装置12は、図3、図4に示すように、研磨布の径方向に移動自在に設けられた移動体20、および該移動体20上に設けられ、研磨布に向けて高圧洗浄水を噴射するノズル22を備えた洗浄装置24と、研磨布の径方向に移動自在に設けられた移動体20、および該移動体上に設けられ、研磨布の凹凸面に追従して移動し、研磨布の目立てを行う目立て砥石26を備えたドレッシング装置28と、洗浄装置24による研磨布の洗浄工程中にドレッシング装置28により研磨布の目立てドレッシングを行うように、洗浄装置24とドレッシング装置28の駆動を制御する制御部(図示せず)とを具備する。
【0017】
図1、図2に示すように、移動体20は、中空シャフト30の先端に固定されている。中空シャフト30の後端は、軸受31を介して軸線を中心に回転自在に走行体32に固定されている。中空シャフト30上にはタイミングギア33が固定され、このタイミングギア33と、ロータリーアクチュエータ34の回転軸に設けられたタイミングギア35との間にタイミングベルト36が掛け渡されている。ロータリーアクチュエータ34はエア駆動される。
【0018】
このロータリーアクチュエータ34によって、タイミングベルト36を介して、中空シャフト30は軸線を中心として水平面内で約90°の角度範囲で往復回動可能になっている。これにより、中空シャフト30の先端に固定されている移動体20も水平面内で約90°の角度範囲で回動する。移動体20には、ノズル22や目立て砥石26が固定され、使用状態で縦長の形状となっている。この縦長の形状のままでは、移動体20を上下定盤14,15の外側位置から上下定盤14、15間に移動させるとき、インターナルギア17のピンギアが邪魔となる。そこで、シャフト30、したがって移動体20を軸線を中心として90°の角度で回転させて、横長の状態とする。これにより、上下定盤14、15間にスムーズに移動させることができる。使用状態にするには、シャフト30を回転させて縦長の状態とする。
【0019】
図5に示すように、走行体32は、ガイドレール38によって、研磨装置10に対して接離方向に移動自在にガイドされている。また走行体32にはボールねじ40が螺合され、このボールねじ40がモータ41によって回転駆動されることによって、走行体32はガイドレール38に沿って移動可能となっている。
【0020】
次に、図3、図4によって、洗浄装置24とドレッシング装置28とをさらに詳細に説明する。
ノズル22および目立て砥石26は、移動体20の上面側および下面側にそれぞれ設けられている。ノズル22には、中空シャフト30内を挿通する高圧ホース23が接続されて、3〜15MPa程度の高圧水が噴出可能となっている。ノズル22は、上下にそれぞれ1個ずつ配設されているがこれに限定されるものではなく、複数個配設してもよい。また、ノズル22から噴出される高圧水が周囲に飛び散らないように、ノズル22の周りに、飛散防止用のブラシ(図示せず)を設けるようにしてもよい。
なお、研磨布に対して目立てドレッシングが洗浄に先行して行われるようにノズル22および目立て砥石26が移動体20に配置されるようにするとよい。
【0021】
本実施の形態において、目立て砥石26は、図6、図7に示すように、断面が四角形の柱状に形成され、その4面が共に砥石面に形成されている。砥石面には、ダイヤモンド砥粒が電着されることによって砥石面に形成されている。
目立て砥石26は、コの字状をなすステー43(図7)にその端がねじによって固定され、ステー43への取り付け位置を変えることによって、柱状砥石の各面を順次砥石面として用いることができるようになっている。
なお、柱状の目立て砥石26の各面と面との角部はR面に形成され、研磨布が引っかからないようになっているが、砥石の形状はこれに限定されない。
【0022】
ステー43には、2本の支持棒44が固定されている。この2本の支持棒44は支持台45を貫通して頭部が逆側に突出し、この突出している支持棒44の先端に規制板46がねじ止めされている。
ステー43と支持台45との間には、支持棒44が貫通するコイルスプリング47が介装され、規制板46が支持台45の面に当接するまでステー43、したがって目立て砥石26を支持台45から離れる方向に付勢している。
【0023】
支持台45は、図3、図4に示されるように、柱状の目立て砥石26がシャフト30と平行な方向となるように、移動体20内に固定される。
支持台45は、片側2本ずつのねじ50a、50bによって、移動体20の側壁板20a、20bに、ねじ50bを中心として、図3上、紙面に平行な方向、すなわち、柱状の目立て砥石26が延びる方向と平行な方向に所要角度傾動自在に設けられている。これにより、長さ数cm程度の柱状の目立て砥石26は、研磨布の凹凸面に追従して傾動可能となっている。
なお、側壁板20a、20bをねじ50aが貫通する孔は長孔(図示せず)に形成されていて、この長孔の範囲で支持台45が傾動するようになっているのである。
【0024】
本実施の形態における研磨布のドレッシング装置12は上記のように形成されている。
研磨布のドレッシングは次のようにしてなされる。
ワークの研磨終了後、上定盤15を上方に引き上げ、キャリアからワークを取り出す。キャリアは研磨装置10から取り外す必要はない。
次に、ロータリーアクチュエータ34を駆動してシャフト30を回転させ、移動体20を横長の状態にする。
次に、モータ41を駆動して走行体32をガイドレール38に沿わせて移動させて、移動体20を上下定盤14、15間に進入させる。
【0025】
移動体20は横長の状態となっているから、インターナルギア17のピンギアに邪魔されることなく、上下定盤14、15間に進入する。なお、移動体20は、研磨布上であって、キャリアとキャリアとの間の隙間に位置するところを移動させるようにする(図1参照)。すなわち、研磨終了後、キャリアの位置を上記位置となるように調整する。
次に、ロータリーアクチュエータ34を駆動してシャフト30をもとの位置まで回動し、移動体20を縦長の状態とする。
【0026】
次に、上定盤15を下降し、上下定盤14、15の研磨布によって移動体20の上下面側の目立て砥石26を挟み込むようにする。
目立て砥石26はコイルスプリング47によって支持台45から突出する方向に付勢されている。したがって、上下面の目立て砥石26が上下定盤14、15の研磨布によって挟み込まれると、目立て砥石26はコイルスプリング47の付勢力に抗して、支持棒44が支持台45に突入する方向に移動される。これにより、目立て砥石26は、圧縮されたコイルスプリング47によって、常に一定の力で研磨布に当接することになる。
【0027】
上記によって、ドレッシングの準備が完了する。
次いで、図示しない制御部により各部を制御して、ノズル22から高圧水を研磨布に向けて噴出させ、上下定盤14、15を互いに逆方向に回転させ、モータ41を駆動させてシャフト30を移動させる。これにより、目立て砥石26は研磨布上を研磨布の径方向に移動し、研磨布の洗浄と目立てが同時に行われる。目立て砥石26は移動体20に傾動可能に設けられているので、研磨布の凹凸面に追随して移動可能である。
このように、目立て砥石26によって上流側で研磨布の目立てを行いつつ、下流側で、目立ての終わった研磨布上に、ノズル22から高圧水を噴出させることによって、研磨布の洗浄と、研磨布の目立てを同時に行うことができる。
移動体20は、研磨布上を径方向に適宜往復動させて、研磨布を万遍なく洗浄、目立てを行うようにするとよい。
【0028】
目立て砥石26は、長さが数cm程度のものが用いられ、研磨布の凹凸面に追随して研磨布の径方向に移動するものであるから、リング状の修正砥石のように、研磨布の径方向全体に接触して研削し、これにより研磨布の凹凸面を平坦なものにするようなドレッシングは行わない。
目立て砥石26は、研磨布の凹凸面に追従して移動し、凹凸面の表面状態を調整する(多少の研削と、表面の目立て)作用をするのである。
研磨面の洗浄は、研磨が1バッチ終了するごとに行う。したがって、目立て砥石26による目立てドレッシングも、研磨の1バッチが終了するごとに行われることになる。
【0029】
図8は、従来のドレッシングを行った場合のワークの研磨速度と、本実施の形態のドレッシングを行った場合のワークの研磨速度の比較を示すグラフである。従来は、1バッチ終了ごとに研磨布の洗浄をするのみである。図8からわかるように、従来では、研磨の7バッチ終了時点で研磨速度が大幅に低下する。そのため、研磨時間を次第に伸ばして一定の研磨量を確保していた。また、7バッチ終了時点で、キャリアを取り外し、ドレスキャリアと交換して、リング状の修正砥石を用いて修正ドレッシングして、研磨布の平坦化を行う必要があった。
【0030】
これに対して、本実施の形態では、洗浄と目立てドレッシングを研磨の1バッチ終了ごとに行うことで、図8に明瞭なように、1バッチ終了後のワークの研磨速度がそれほど落ちず、均一な研磨速度を維持できることがわかる。20バッチ終了後で、修正ドレッシングが必要となる程度である。したがって、時間のかかる修正ドレッシングをする回数を減らすことができ、研磨効率を向上させることができる。また、研磨速度の変化が少ないことから、研磨量の制御が容易となり、精度のよい研磨を行うことが可能となる。また、修正ドレッシングの回数を減らすことができるから、研磨布の寿命も長くすることができる。
【0031】
図9は、従来のドレッシングを行った場合のワークの平坦度と、本実施の形態のドレッシングを行った場合のワークの平坦度の比較を示すグラフである。図9からわかるように、従来の場合、研磨後のワークの平坦度の変化が激しいのに対し、本実施の形態の場合、均一な平坦度が維持され、品質が安定していることがわかる。これは、図8にも示されるように、研磨布の状態が安定して維持されることからくるものである。
【0032】
上記実施の形態では、洗浄装置24と目立てドレッシング装置28とを同一の移動体20上に設けたが、洗浄装置と目立てドレッシング装置とは別に設けてもよい。しかし、この場合も、研磨布の洗浄と目立てドレッシングを同時に行う。
また、上記実施の形態では、両面研磨装置における研磨布のドレッシングについて説明したが、片面研磨装置の研磨布のドレッシングに適用することもできる。片面研磨装置では、ワーク保持ヘッド下面にワークを保持して、下定盤の研磨布上にワークを押接して、ワークの片面を研磨する。研磨終了後、研磨布上に上記目立てドレッシング装置を用いて、研磨布の洗浄と目立てドレッシングとを同時に行うようにするのである。この場合、上定盤が存在しないので、適宜な押圧機構(図示せず)によって、目立てドレッシング装置を下定盤上に押圧する必要がある。
【符号の説明】
【0033】
10 研磨装置
12 研磨布のドレッシング装置
14 下定盤
15 上定盤
16 太陽ギア
17 インターナルギア
18 キャリア
19 透孔
20 移動体
22 ノズル
24 洗浄装置
26 目立て砥石
28 ドレッシング装置
30 シャフト
31 軸受
32 走行体
34 ロータリーアクチュエータ
36 タイミングベルト
38 ガイドレール
40 ボールねじ
41 モータ
43 ステー
44 支持棒
45 支持台
47 コイルスプリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転する定盤の研磨布上にワークを押接し、研磨布上に研磨液を供給しつつワーク表面の研磨を行った後の、該研磨布の表面状態を砥石を用いて調整する研磨布のドレッシング方法において、
前記ワーク研磨後、研磨布上に高圧洗浄水を供給して研磨布を洗浄する洗浄工程中で、目立て砥石を研磨布の径方向に研磨布の凹凸面に追従させて移動させて研磨布の目立てドレッシングを行う工程を含むことを特徴とする研磨布のドレッシング方法。
【請求項2】
研磨の1バッチ終了ごとに、研磨布の洗浄と目立てドレッシングとを行うことを特徴とする請求項1記載の研磨布のドレッシング方法。
【請求項3】
研磨の複数バッチ終了後に、修正砥石を用いて、研磨布の凹凸面を研削して平坦にする修正ドレッシングを行う工程を含むことを特徴とする請求項1または2記載の研磨布のドレッシング方法。
【請求項4】
研磨布の凹凸面に追従して傾動可能に設けた目立て砥石を用いることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の研磨布のドレッシング方法。
【請求項5】
目立て砥石に、断面四角形の柱状の目立て砥石を用い、該柱状砥石の各面を順次砥石面として用いることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の研磨布のドレッシング方法。
【請求項6】
高圧水を噴出するノズルと目立て砥石が移動体に搭載されたドレッシング装置を用い、移動体を研磨布の径方向に移動させて研磨布の洗浄と目立てドレッシングを行うことを特徴とする請求項1〜5いずれか1項記載の研磨布のドレッシング方法。
【請求項7】
研磨布の目立てドレッシングを研磨布の洗浄に先行して行うことを特徴とする請求項1〜6いずれか1項記載の研磨布のドレッシング方法。
【請求項8】
下定盤と上定盤を有する両面研磨装置の研磨布を、同時に洗浄および目立てドレッシングを行うことを特徴とする請求項1〜7いずれか1項記載の研磨布のドレッシング方法。
【請求項9】
回転する定盤の研磨布上にワークを押接し、研磨布上に研磨液を供給しつつ、ワーク表面の研磨を行った後の、該研磨布の表面状態を砥石を用いて調整する研磨布のドレッシング装置において、
前記研磨布の径方向に移動自在に設けられた移動体、および該移動体上に設けられ、研磨布に向けて高圧洗浄水を噴射するノズルを備えた洗浄装置と、
前記研磨布の径方向に移動自在に設けられた移動体、および該移動体上に設けられ、研磨布の凹凸面に追従して移動し、研磨布の目立てを行う目立て砥石を備えたドレッシング装置と、
前記洗浄装置による研磨布の洗浄工程中に前記ドレッシング装置により研磨布の目立てドレッシングを行うように、前記洗浄装置と前記ドレッシング装置の駆動を制御する制御部とを具備することを特徴とするドレッシング装置。
【請求項10】
前記洗浄装置の移動体とドレッシング装置の移動体とが共通の移動体であることを特徴とする請求項9記載の研磨布のドレッシング装置。
【請求項11】
前記移動体の上面側および下面側にそれぞれノズルおよび目立て砥石を有し、
下定盤と上定盤とを有する両面研磨装置のそれぞれの研磨布を同時に洗浄および目立てドレッシングを行うことを特徴とする請求項10記載の研磨布のドレッシング装置。
【請求項12】
研磨布に対して目立てドレッシングが洗浄に先行して行われるようにノズルおよび目立て砥石が移動体に配置されていることを特徴とする請求項9〜11いずれか1項記載の研磨布のドレッシング装置。
【請求項13】
目立て砥石が研磨布に押接されるように、付勢部材により目立て砥石が移動体に研磨布方向に付勢して設けられていることを特徴とする請求項9〜12いずれか1項記載の研磨布のドレッシング装置。
【請求項14】
目立て砥石が研磨布の凹凸面に追随して移動可能なように、目立て砥石が移動体に傾動可能に設けられていることを特徴とする請求項9〜13いずれか1項記載の研磨布のドレッシング装置。
【請求項15】
目立て砥石に、断面四角形の柱状の目立て砥石を用い、該柱状砥石の各面を順次砥石面として用いることを特徴とする請求項9〜14いずれか1項記載の研磨布のドレッシング装置。
【請求項16】
前記移動体が水平面に対して90°反転可能に設けられていることを特徴とする請求項9〜15いずれか1項記載の研磨布のドレッシング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−741(P2012−741A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−140995(P2010−140995)
【出願日】平成22年6月21日(2010.6.21)
【出願人】(000236687)不二越機械工業株式会社 (48)
【Fターム(参考)】