説明

研磨用組成物

【課題】
半導体デバイス製造工程における銅配線膜の平坦化研磨に用いる研磨剤を提供する。
【解決手段】 砥粒(A)、シアヌル酸(B1)又はその塩(B2)、ホウ酸(C1)又はその塩(C2)、酸化剤(D)、及び水(E)を含有する半導体デバイス製造における化学機械的研磨用組成物。砥粒(A)は、金属酸化物粒子(A1)、有機高分子粒子(A2)、又はその組み合わせである。ホウ酸(C1)が、メタホウ酸、四ホウ酸、五ホウ酸、八ホウ酸、又はその組み合わせである。被研磨材料が、銅、アルミニウム、タングステン、タンタル、及びそれらの合金、酸化ケイ素、並びに低誘電率絶縁膜からなら群より選ばれた少なくとも1種の物質である。
金属配線、バリアメタル、又は絶縁膜がパターン状に形成された基板を研磨する工程を含む半導体装置の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、砥粒、シアヌル酸、ホウ酸塩、酸化剤及び水等を含有する半導体デバイス製造における金属用化学的機械研磨組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体集積回路(LSI)技術の急速な進展により集積回路の益々超微細化及び多層配線化が行われている。このために多層配線基板の金属配線や層間絶縁膜を平坦化する加工技術が開発されている。その1つの技術として、CMP(ケミカルメカニカルポリシング:Chemical Mechanical Polishing)と通常称されている化学機械的研磨による半導体デバイス製造工程における平坦化研磨工程がある。
最近ではLSIを高性能化するために、配線材料に銅及び銅合金を利用する傾向が強まってきている。銅及び銅合金配線の下層には、層間絶縁膜中への銅の拡散防止のため、タンタル、タンタル合金及び窒化タンタル等のバリア層が形成されている。そのため、CMPによる銅配線の平坦化工程は、銅又は銅合金膜を研磨して段差解消する一次研磨工程とバリア層を研磨して除去する二次研磨工程が検討されている。そのうち一次研磨工程で使用する研磨用組成物(一次研磨用組成物とも呼ぶ。)は銅及び銅合金の研磨速度が速く、一方タンタル、タンタル合金及び窒化タンタルのバリア層の研磨速度が遅い方が好ましい。逆に二次研磨工程で使用する研磨用組成物(ニ次研磨用組成物とも呼ぶ。)は、タンタル、タンタル合金及び窒化タンタルのバリア層の研磨速度が速く、一方銅及び銅合金がほとんど研磨されない方が好ましい。
銅用の研磨用組成物としては、シアヌル酸を含有した銅、タンタルの研磨剤が開示されている(特許文献1)。
しかしながら、特許文献1に記載されているpHが7.7の研磨用組成物は、銅膜の研磨速度が遅く、一方バリア層であるタンタル膜がかなり研磨され、銅/タンタルの研磨速度の比が6.4以下であり一次研磨用組成物としては好ましくない。
またpHが5.0の研磨用組成物は、銅膜の研磨速度が速く、しかも銅/タンタルの研磨速度の比が11.2であるが、pH5.0の弱酸性であるため銅膜の腐食が危惧される。
【0003】
砥粒、酸化剤、ベンゾトリアゾール、ホウ酸アンモニウムからなる銅、タングステン用研磨剤が開示されている(特許文献2)。しかしながら、ここではホウ酸アンモニウムは防食剤として作用している。
酸化鉄(111)及び酸化鉄(111)、アルミナ、セリア、シリカ、チタニア、及びゲルマニアから選ばれた少なくとも1種との複合材料よりなる群から選ばれた少なくとも1種からなる研磨材、アンモニア又はアンモニウム塩から選ばれた少なくとも1種からなる研磨助剤、及び水を含有する金属用研磨剤が開示されている(特許文献3)。しかしながら、酸化鉄(111)粒子を使用するため鉄イオンの汚染が懸念される。
【特許文献1】国際公表WO 01/30928号公報(特許請求の範囲、実施例)
【特許文献2】US6551935号公報(特許請求の範囲、実施例)
【特許文献3】特開2002−43259号公報(特許請求の範囲、実施例)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願発明の研磨用組成物は、半導体基板上の銅及び銅合金、アルミニウム、タングステン等の金属膜を高速に研磨し、かつ段差部の平坦性やウェハーの面内均一性を向上し、また研磨用組成物の分散性を向上し、被研磨材料面のスクラッチなどの欠陥を抑制しようとするものである。
更に、銅及び銅合金の研磨速度が速く、一方タンタル、タンタル合金及び窒化タンタルのバリア層がほとんど研磨されないという特性を持った一次研磨工程で使用する研磨用組成物(一次研磨用組成物)を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は第1観点として、(A)成分:砥粒、(B)成分:シアヌル酸(B1)、その塩(B2)、又はそれらの混合物、(C)成分:ホウ酸(C1)、その塩(C2)、又はそれらの混合物、(D)成分:酸化剤、及び(E)成分:水を含有する半導体デバイス製造における化学機械的研磨用組成物、
第2観点として、(A)成分の砥粒が、金属酸化物粒子(A1)、有機高分子粒子(A2)、又はその組み合わせである第1観点に記載の研磨用組成物、
第3観点として、金属酸化物粒子(A1)が、シリカ、アルミナ、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化チタンからなる群より選ばれた少なくとも1種である第2観点に記載の研磨用組成物、
第4観点として、有機高分子粒子(A2)が、ポリ塩化ビニル、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸誘導体、ポリスチレン、ポリスチレン誘導体からなる群より選ばれた少なくとも1種である第2観点に記載の研磨用組成物、
第5観点として、(A)成分の砥粒が酸化ジルコニウムである第1観点乃至第4観点のいずれか一つに記載の研磨用組成物、
第6観点として、シアヌル酸(B1)が、シアヌル酸、イソシアヌル酸、又はその組み合わせである第1観点乃至第5観点のいずれか一つに記載の研磨用組成物、
第7観点として、シアヌル酸塩(B2)が、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩又はそれらの組み合わせである第1観点乃至第6観点のいずれか一つに記載の研磨用組成物、
第8観点として、ホウ酸(C1)が、メタホウ酸、四ホウ酸、五ホウ酸、八ホウ酸、又はその組み合わせである第1観点乃至第7観点のいずれか一つに記載の研磨用組成物、
第9観点として、ホウ酸塩(C2)が、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩又はそれらの組み合わせである第1観点乃至第8観点のいずれか一つに記載の研磨用組成物、
第10観点として、(D)成分の酸化剤が、過酸化水素、過ヨウ素酸、過ヨウ素酸塩、ヨウ素酸、ヨウ素酸塩、過硫酸塩、又はその組み合わせである第1観点乃至第9観点のいずれか一つに記載の研磨用組成物、
第11観点として、更にベンゾトリアゾール又はその誘導体を含有するものである第1観点乃至第10観点のいずれか一つに記載の研磨用組成物、
第12観点として、被研磨材料が、銅、アルミニウム、タングステン、及びそれらの合金、タンタル、タンタル合金、タンタル化合物、酸化ケイ素、並びに低誘電率絶縁膜からなる群より選ばれた少なくとも1種の物質である第1観点乃至第11観点のいずれか一つに記載の研磨用組成物、及び
第13観点として、第1観点乃至第12観点のいずれか一つに記載の研磨用組成物で金属配線、バリアメタル、又は絶縁膜がパターン状に形成された基板を研磨する工程を含む半導体装置の製造方法である。
【発明の効果】
【0006】
本願発明の研磨用組成物は、研磨助剤としてシアヌル酸及びホウ酸塩等の両方を含有し、更に過酸化水素、過沃素酸カリウム、沃素酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等の酸化剤、ベンゾトリアゾール等の保護膜形成剤及び水を含有する研磨用組成物が半導体デバイス製造における金属配線用化学機械的研磨用組成物として優れていることを見出した。
更に、シリカ、アルミナ、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン等の無機物砥粒、ポリ塩化ビニル、ポリアクリル、ポリスチレン等の高分子砥粒を含み金属配線用化学的機械研磨用組成物として優れている。
【0007】
本願発明の研磨用組成物は、半導体基板上の銅及び銅合金、アルミニウム、タングステン等の金属膜を高速に研磨し、かつ段差部の平坦性やウェハーの面内均一性を向上し、また研磨用組成物の分散性を向上し、被研磨材料面のスクラッチなどの欠陥を抑制することができる。
更に本願発明の研磨用組成物は、銅及び銅合金の研磨速度が速く、一方タンタル、タンタル合金及び窒化タンタルからなるバリア層が研磨されないという特性を持ち、一次研磨工程で使用する研磨用組成物(一次研磨用組成物)である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明は、(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分、及び(E)成分を含有する半導体デバイス製造における化学機械的研磨用組成物である。即ち、(A)成分:砥粒、(B)成分:シアヌル酸(B1)、その塩(B2)、又はそれらの混合物、(C)成分:ホウ酸(C1)、その塩(C2)、又はそれらの混合物、(D)成分:酸化剤、及び(E)成分:水を含有する半導体デバイス製造における化学機械的研磨用組成物。
【0009】
本願発明の研磨用組成物は、固形分が0.5〜20質量%、好ましくは1〜5質量%である。ここで固形分とは、研磨用組成物の全成分から水を除いたものである。
【0010】
本願発明の研磨用組成物のpHは5.5〜11、好ましくは6.5〜10である。
【0011】
本願発明に用いられる(A)成分の砥粒は、金属酸化物粒子(A1)、及び有機高分子粒子(A2)が挙げられ、それらを単独で用いることも、それらを組み合わせて用いることもできる。(A)成分の砥粒は、この砥粒を含有する水性ゾルの形態で使用することが好ましい。
金属酸化物粒子(A1)は、シリカ、アルミナ、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン等の金属酸化物が挙げられ、それらを単独で用いることも、2種以上組み合わせて用いることもできる。
有機高分子粒子(A2)は、ポリ塩化ビニル、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸誘導体、ポリスチレン、ポリスチレン誘導体等が挙げられ、それらを単独で用いることも、2種類以上組み合わせて用いることもできる。ポリアクリル酸誘導体としては、ポリアクリル酸アルキル(炭素数1〜6)エステル、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸アルキル(炭素数1〜6)エステルが挙げられる。
本願発明で使用する砥粒(A)は、ガス吸着法(BET法)による比表面積から換算した粒子径は、個々の粒子の一次粒子径の平均値が観測されるものである。また、電子顕微鏡観察による粒子径は、個々の粒子の一次粒子径が観測される。
【0012】
そして、レーザー回折法はMASTERSIZER(MALVERN社製)等の装置によって測定され、レーザー回折法ではゾル中の粒子の粒子径が観測され、凝集や癒着があるときはそれらの粒子径(二次粒子径)の平均値が観測される。また、動的光散乱法粒子径は、濃厚系試料で動的光散乱法粒子径を測定できる装置、例えばFPAR1000(大塚電子(株)製)等によって測定され、動的光散乱法もゾル中の粒子の粒子径が観測され、凝集や癒着があるときはそれらの粒子径(二次粒子径)の平均値が観測される。
上記の(A)成分の砥粒は、その砥粒を含む水性ゾルとして用いた場合に砥粒の粒子径としては、一次粒子径の平均値が100nm以下、通常は5〜100nmであり、且つ二次粒子径の平均値が200nm以下、通常は40〜200nmである。
これらの粒子径範囲を有することでCMPによる研磨時に発生するスクラッチ等の欠陥を抑制できるため好ましい。
本願発明では酸化ジルコニウム粒子を例とすれば、透過型電子顕微鏡(TEM)観察での一次粒子径の平均値で5〜50nm、ガス吸着法(BET法)により比表面積値を測定し、球体粒子として換算した粒子径はBET法換算粒子径と呼ばれ、5〜50nmであり、レーザー回折法の平均粒子径で90〜110nm、d99(ただし、d99はこの粒子径以下の粒子数が全粒子数の99%であることを意味する粒子径を表す。)が170〜250nmであり、250nm以上の二次粒子径を有する粒子は存在しない。この酸化ジルコニウム粒子の動的光散乱法での平均粒子径は、30〜120nmを有している。
この酸化ジルコニウム粒子を本願発明における研磨用組成物とした場合でも、その研磨組成物をレーザー回折法で測定すると平均粒子径が90〜120nmであり、500nm以上の二次粒子径がなく、また動的光散乱法で測定すると平均粒子径は50〜200nmである。そのため(A)成分の砥粒のみを水性媒体に分散して測定した粒子径の値と、(A)成分の砥粒を用い研磨組成物にして測定した場合の粒子径の値に大きな差はなく、研磨用組成物中での(A)成分の砥粒の分散性は非常に良好である。従って、長時間放置しても粒子の沈降固結性がなく軽い攪拌や振とう等で容易に製造時の分散状態に戻り、常温に保存しても半年以上安定である。
【0013】
また、本願発明に用いられる酸化ジルコニウム粒子は、例えば110℃で乾燥して、X線回折パターンを測定したところ、回折角度2θ=28.6°、47.5°及び56.4°に主ピークを有し、ASTMカードNo.34−394に記載の単斜系の結晶性の高い酸化ジルコニウム粒子が挙げられる。
【0014】
上記の酸化ジルコニウムを(A)成分とする砥粒は、市販の酸化ジルコニウム砥粒を好ましく用いることができる。また、オキシ炭酸ジルコニウムを600〜850℃程度の温度で5〜40時間の焼成を行い、得られた酸化ジルコニウム粉末を水性媒体中でボールミル、サンドミル等の粉砕器により湿式粉砕により得られる酸化ジルコニウム水性ゾルを用いることができる。焼成された酸化ジルコニウムを湿式粉砕する時に、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、及びその塩(例えば、アンモニウム塩)を粉砕助剤として、酸化ジルコニウムに対して1.0〜10質量%の範囲で添加することにより、分散性の高い水性酸化ジルコニウムゾルが得られる。
研磨用組成物中の(A)成分の砥粒は、金属酸化物粒子(A1)の濃度、有機高分子粒子(A2)の濃度、又は金属酸化物粒子(A1)と有機高分子粒子(A2)を合計した濃度は、それぞれ0.01〜20質量%、又は0.1〜10質量%である。(A)成分の砥粒の濃度が0.01質量%未満では、研磨速度が遅くなり過ぎ、20質量%以上になると、CMP時に発生するスクラッチ等の欠陥が多くなり好ましくない。
シアヌル酸(B1)は、シアヌル酸とその異性体であるイソシアヌル酸を用いることができる。本願発明ではシアヌル酸(B1)で用いることも、シアヌル酸塩(B2)として用いることもできる。シアヌル酸塩(B2)として用いる場合は、それらのナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、及びアンモニウム塩が挙げられ、それらを単独で用いることもそれらの組み合わせを用いることもできる。
これらシアヌル酸(B1)又はその塩(B2)は、例えばシアヌル酸、イソシアヌル酸、イソシアヌル酸ナトリウム、イソシアヌル酸カリウム、イソシアヌル酸カルシウム、イソシアヌル酸マグネシウム、イソシアヌル酸アンモニウムが例示される。
研磨組成物中でシアヌル酸(B1)の濃度、シアヌル酸塩(B2)の濃度、又はシアヌル酸(B1)とシアヌル酸塩(B2)を合計した濃度は、それぞれ0.1〜1.5質量%、好ましくは0.2 〜1.0質量%である。
ホウ酸(C1)は、メタホウ酸、四ホウ酸、五ホウ酸、及び八ホウ酸が挙げられる。また、ホウ酸(C1)はその塩であるホウ酸塩(C2)として用いることができる。ホウ酸塩(C2)は、上記ホウ酸(C1)のナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩又はそれらの組み合わせである。
本願発明で用いられるホウ酸(C1)及びホウ酸塩(C2)は、例えばメタホウ酸、四ホウ酸、五ホウ酸、八ホウ酸、メタホウ酸アニモニウム、四ホウ酸アンモニウム、五ホウ酸アンモニウム、八ホウ酸アンモニウム、メタホウ酸カリウム、四ホウ酸カリウム、五ホウ酸カリウム、六ホウ酸カリウム、八ホウ酸カリウム、メタホウ酸ナトリウム、ニホウ酸ナトリウム、四ホウ酸ナトリウム、五ホウ酸ナトリウム、六ホウ酸ナトリウム、八ホウ酸ナトリウム等が挙げられる。その中でも、四ホウ酸アンモニウム、五ホウ酸アンモニウム、八ホウ酸アンモニウムが好ましい。
研磨組成物中でホウ酸(C1)の濃度、ホウ酸塩(C2)の濃度、又はホウ酸(C1)とホウ酸塩(C2)を合計した濃度は、それぞれ1.0〜5.0質量%である。これが1.0質量%未満では研磨助剤としての添加効果が小さく、また水に対する溶解性の関係で5.0質量%以上にすることは困難である。
本願発明の研磨用組成物に含有する(D)成分の酸化剤は、過酸化水素、過ヨウ素酸、過ヨウ素酸塩、ヨウ素酸、ヨウ素酸塩、過硫酸塩、又はその組み合わせである。これらの中で、塩類はカリウム塩又はアンモニウム塩が用いられる。上記(D)成分の酸化剤は、例えば過酸化水素、過ヨウ素酸カリウム、ヨウ素酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウムがあり、その中で過酸化水素が特に好ましい。研磨用組成物中に含有する酸化剤濃度は、0.01〜20.0質量%が好ましい。酸化剤濃度が0.01質量%未満では、研磨速度が遅くなり過ぎ、また20.0質量%以上にしても研磨速度の促進効果は小さくなる。
本願発明に用いられるベンゾトリアゾール及びその誘導体は、ベンゾトリアゾール及びその誘導体であるトリルトリアゾール、ベンゾトリアゾール−4−カルボン酸、ナフトトリアゾールが挙げられる。ベンゾトリアゾール及びその誘導体は保護膜形成剤として作用し、研磨用組成物中の含有量は50ppm以下、例えば1〜50ppmで用いられる。これら保護膜形成剤の含有量1ppm未満では銅又は銅合金のエッチングが激しくなり好ましくない。またこれらの保護膜形成剤の含有量が50ppmより多くなると銅又は銅合金の研磨速度が低下して好ましくない。
本願発明の研磨用組成物には、アクリル酸重合体及びそのアンモニウム塩、メタクリル酸重合体及びそのアンモニウム塩等の水溶性高分子類、オレイン酸アンモニウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸アンモニウム等の陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性を含有することができる。
本願発明の研磨用組成物には、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース類を含有することができる。
更に、本願発明の研磨用組成物には、市販の抗菌剤、防腐剤を含有することもできる。
本願発明の研磨用組成物は半導体装置製造過程で金属配線、バリアメタル、又は絶縁膜をパターン状に形成させるための、金属配線、バリアメタル、又は絶縁膜を研磨する工程に使用される。金属配線材料としては銅、アルミニウム、タングステン、又はこれらの合金である。バリアメタルとしてはタンタル、若しくはその合金、又はこれらの窒化物等の化合物である。絶縁膜は酸化ケイ素、又は低誘電率絶縁膜である。
【実施例】
【0015】
合成例1
アドバンスド・マテリアル・リソーシズ(ADVANCED MATERIAL RESOURCES LTD)製のオキシ炭酸ジルコニウム粉末68kgを電気炉に仕込み740℃で20時間焼成した。得られた焼成粉を粉末X線回折法で測定したところ、回折角度2θ=28.6°、47.5°及び56.4°に主ピークを有し、ASTMカード34−394に記載の斜方晶系の結晶性酸化ジルコニウムの特性ピークと一致した。また、酸化ジルコニウム粒子のガス吸着法(BET法)による比表面積値は13m/gで、ガス吸着法による比表面積から換算した粒子径として82nmであった。
得られた酸化ジルコニウム焼成粉369gと40%のポリアクリル酸アンモニウム溶液(花王(株)製)18.5gと純水730.7gを1mmφジルコニアビーズ3800gを仕込んである3Lボールミル容器に入れ、回転数60rpmで48時間湿式粉砕した。水押ししてビーズ分離することにより固形分21.8質量%、pH9.1、電気伝導度2.54mS/cm、粘度1.3mPa・sの水性ゾルが得られた。この水性ゾルを450℃で乾燥して得られた酸化ジルコニウム粒子のガス吸着法(BET法)による比表面積値は26m/gで、ガス吸着法による比表面積から換算した粒子径として41nmであった。更にMASTERSIZER2000(MARVERN社製)で測定したレーザー回折法のd50粒子径(平均粒子径)は93nmで、d90粒子径は135nmであった。またFPAR1000(大塚電子(株)製)で測定した動的光散乱法の平均粒子径は91nmであった。また透過型電子顕微鏡で観察した粒子の一次粒子径の平均値は60nmであった。この水性ゾルは長時間静置しても沈降物がほとんど無かった。
【0016】
合成例2
アドバンスド・マテリアル・リソーシズ(ADVANCED MATERIAL RESOURCES LTD)社製のオキシ炭酸ジルコニウム粉末179kgを電気炉に仕込み530℃で10時間焼成した。得られた焼成粉を粉末X線回折法で測定したところ、回折角度2θ=28.6°、47.5°及び56.4°に主ピークを有し、ASTMカード34−394に記載の斜方晶系の結晶性酸化ジルコニウムの特性ピークと一致した。また、酸化ジルコニウム粒子のガス吸着法(BET法)による比表面積値は30m/gで、ガス吸着法による比表面積から換算した粒子径として36nmであった。
得られた酸化ジルコニウム焼成粉369g、40%のポリアクリル酸水溶液(商品名:ジュリマーAC−10SL、日本純薬(株)製)35.1g、25%アンモニア水12.7gと純水701.0gを0.5mmφジルコニアビーズ3800gを仕込んである3Lボールミル容器に入れ、回転数60rpmで60時間湿式粉砕した。水押ししてビーズ分離することにより固形分21.8質量%、pH9.3、電気伝導度4.68mS/cm、粘度1.5mPa・sの水性ゾルが得られた。この水性ゾルを450℃で乾燥して得られた酸化ジルコニウム粒子のガス吸着法(BET法)による比表面積値は45m/gで、ガス吸着法による比表面積から換算した粒子径として24nmであった。更にMASTERSIZER2000(MARVERN社製)で測定したレーザー回折法のd50粒子径(平均粒子径)は92nmで、d90粒子径は133nmであった。またFPAR1000(大塚電子(株)製)で測定した動的光散乱法の平均粒子径は58nmであった。また透過型電子顕微鏡で観察した粒子の一次粒子径の平均値は25nmであった。この水性ゾルは長時間静置しても沈降物は全く無かった。
(研磨用組成物の製造方法)
酸化ジルコニウム水性ゾルに、シアヌル酸及び五ホウ酸アンモニウム、過酸化水素水、必要によりヒドロキシエチルセルロース(商品名:サンヘック−L(SANHEC−L) 三晶(株)製)、及びベンゾトリアゾールを添加して研磨用組成物(A)を製造した。
(研磨物性の評価)
調整した研磨用組成物の銅膜とタンタル膜の研磨速度及び研磨面の欠陥観察は、下記のように研磨した研磨面からを求めた。
【0017】
研磨機はテクノライズ(株)製、研磨布は独立発泡ポリウレタン樹脂製研磨布IC−1000/不織布suba400の2層タイプ(ニッタ・ハース(株)製)、被研磨物は8インチシリコンウェハー上に形成した銅の無電解メッキ膜を20×20mmにダイシングしたチップと、8インチシリコンウェハー上に形成したスパッター法で作成したタンタル膜を20×20mmにダイシングしたチップを用いた。
そして研磨条件は、回転数:150rpm、研磨圧力:167g/cm、研磨用組成物の供給量は100ml/分、研磨時間は1分間で行った。
【0018】
銅膜の研磨速度は、研磨前後の銅膜厚をシート抵抗測定装置(VR−120S、日立国際アルファ(株)製)で測定して求めた。
タンタル膜の研磨速度は、研磨前後のタンタル膜厚をシート抵抗測定装置(VR−120S、日立国際アルファ(株)製)で測定して研磨速度(nm/分)を求めた。更に銅膜の研磨速度とタンタル膜の研磨速度の比を計算した。銅膜の研磨面の欠陥評価は光学顕微鏡観察によって行った。
実施例1
研磨用組成物(A)を作成した。その配合組成は、合成例1で得られた酸化ジルコニウム1.0質量%、シアヌル酸0.2質量%、五ホウ酸アンモニウム2.0質量%、過酸化水素0.9質量%を含有し、pH7.8であった。レーザー回折法で測定された平均粒子径は94nm、また、レーザー回折法の測定では500nm以上の粒子は存在しなかった。
銅膜の研磨速度は300nm/分、タンタル膜の研磨速度は36nm/分、銅/タンタルの研磨速度比は8.3、銅膜の研磨面の欠陥は観察されなかった。
【0019】
実施例2
研磨用組成物(B)を作成した。その配合組成は、合成例1で得られた酸化ジルコニウム1.0質量%、シアヌル酸0.4質量%、五ホウ酸アンモニウム2.0質量%、過酸化水素0.9質量%を含有し、pH7.6であった。レーザー回折法で測定された平均粒子径は95nm、また、レーザー回折法の測定では500nm以上の粒子は存在しなかった。
銅膜の研磨速度は560nm/分、タンタル膜の研磨速度は40nm/分、銅/タンタルの研磨速度比は14.0、銅膜の研磨面の欠陥は観察されなかった。
【0020】
実施例3
研磨用組成物(C)を作成した。その配合組成は、合成例1で得られた酸化ジルコニウム1.0質量%、シアヌル酸0.6質量%、五ホウ酸アンモニウム2.0質量%、過酸化水素0.9質量%を含有し、pH7.5であった。レーザー回折法で測定された平均粒子径は94nm、また、レーザー回折法の測定では500nm以上の粒子は存在しなかった。
銅膜の研磨速度は580nm/分、タンタル膜の研磨速度は45nm/分、銅/タンタルの研磨速度比は12.9、銅膜の研磨面の欠陥は観察されなかった。
【0021】
実施例4
研磨用組成物(D)を作成した。配合組成は、合成例1で得られた酸化ジルコニウム1.0質量%、シアヌル酸0.8質量%、五ホウ酸アンモニウム2.0質量%、過酸化水素0.9質量%を含有し、pH7.4であった。レーザー回折法で測定された平均粒子径は95nm、また、レーザー回折法の測定では500nm以上の粒子は存在しなかった。
銅膜の研磨速度は590nm/分、タンタル膜の研磨速度は48nm/分、銅/タンタルの研磨速度比は12.6、銅膜の研磨面の欠陥は観察されなかった。
【0022】
実施例5
研磨用組成物(E)を作成した。配合組成は、合成例1で得られた酸化ジルコニウム1.0質量%、シアヌル酸0.4質量%、五ホウ酸アンモニウム1.0質量%、過酸化水素0.9質量%、ヒドロキシエチルセルロース0.5質量%を含有し、pH7.6であった。レーザー回折法で測定された平均粒子径は94nm、また、レーザー回折法の測定では500nm以上の粒子は存在しなかった。
銅膜の研磨速度は340nm/分、タンタル膜の研磨速度は36nm/分、銅/タンタルの研磨速度比は9.4、銅膜の研磨面の欠陥は観察されなかった。
【0023】
実施例6
研磨用組成物(F)を作成した。配合組成は、合成例1で得られた酸化ジルコニウム1.0質量%、シアヌル酸0.4質量%、五ホウ酸アンモニウム2.0質量%、過酸化水素0.9質量%、ヒドロキシエチルセルロース0.5質量%を含有し、pH7.6であった。レーザー回折法で測定された平均粒子径は99nm、また、レーザー回折法の測定では500nm以上の粒子は存在しなかった。
銅膜の研磨速度は435nm/分、タンタル膜の研磨速度は40nm/分、銅/タンタルの研磨速度比は10.9、銅膜の研磨面の欠陥は観察されなかった。
【0024】
実施例7
研磨用組成物(G)を作成した。配合組成は、合成例1で得られた酸化ジルコニウム1.0質量%、シアヌル酸0.6質量%、五ホウ酸アンモニウム2.0質量%、過酸化水素0.9質量%、ヒドロキシエチルセルロース0.5質量%を含有し、pH7.5であった。レーザー回折法で測定された平均粒子径は94nm、また、レーザー回折法の測定では500nm以上の粒子は存在しなかった。
銅膜の研磨速度は650nm/分、タンタル膜の研磨速度は46nm/分、銅/タンタルの研磨速度比は14.1、銅膜の研磨面の欠陥は観察されなかった。
【0025】
実施例8
研磨用組成物(H)を作成した。配合組成は、合成例1で得られた酸化ジルコニウム1.0質量%、シアヌル酸0.6質量%、五ホウ酸アンモニウム2.0質量%、過酸化水素0.9質量%、ヒドロキシエチルセルロース0.5質量%、ベンゾトリアゾール0.002質量%を含有し、pH7.5であった。レーザー回折法で測定された平均粒子径は96nm、また、レーザー回折法の測定では500nm以上の粒子は存在しなかった。
銅膜の研磨速度は540nm/分、タンタル膜の研磨速度は40nm/分、銅/タンタルの研磨速度比は13.5、銅膜の研磨面の欠陥は観察されなかった。
実施例9
研磨用組成物(I)を作成した。配合組成は、合成例2で得られた酸化ジルコニウム1.0質量%、シアヌル酸0.6質量%、五ホウ酸アンモニウム2.0質量%、過酸化水素0.9質量%、ヒドロキシエチルセルロース0.5質量%を含有し、pH7.5であった。レーザー回折法で測定された平均粒子径は93nm、また、レーザー回折法の測定では500nm以上の粒子は存在しなかった。
銅膜の研磨速度は600nm/分、タンタル膜の研磨速度は40nm/分、銅/タンタルの研磨速度比は15.0、銅膜の研磨面の欠陥は観察されなかった。
【0026】
比較例1
研磨用組成物(J)を作成した。配合組成は、合成例1で得られた酸化ジルコニウム1.0質量%、五ホウ酸アンモニウム2.0質量%、過酸化水素0.9質量%を含有し、pH8.6であった。レーザー回折法で測定された平均粒子径は220nm、また、レーザー回折法の測定では500nm以上の粒子は全粒子中に26質量%存在していた。銅膜の研磨速度は210nm/分、銅の研磨面にはスクラッチが多数観察された。
【0027】
比較例2
研磨用組成物(K)を作成した。配合組成は、合成例1で得られた酸化ジルコニウム1.0質量%、シアヌル酸0.4質量%、過酸化水素2.9質量%、ヒドロキシエチルセルロース0.5質量%を含有し、pH7.9であった。レーザー回折法で測定された平均粒子径は94nm、また、レーザー回折法の測定では500nm以上の粒子は存在しなかった。
銅膜の研磨速度は20nm/分、タンタル膜は研磨できなかった。銅膜の研磨面の欠陥は観察されなかった。
【0028】
(段差を有するパターンウェハーの銅膜の平坦化)
表面に60nmの熱酸化珪素膜がついた8インチのシリコンウェハー基板上にレジストを形成し、マスクを介して露光後、現像してレジストパターンを形成した。次にエッチングによりレジストのない部分の酸化珪素膜をエッチング後、レジストを除去した。形成されたパターンウェハーのトレンチ深さは560nmであった。このパターンウェハーにスパッター法でタンタル膜を10nm形成する。更に無電解メッキにより銅膜を1050nm形成し、銅膜の段差(段差560nm)があるパターン付きウェハーを作成した。
そして、研磨用組成物(H)及び(I)で以下の研磨条件で研磨を行った。
【0029】
研磨機はストラスバー(株)製6EG、研磨布は独立発泡ポリウレタン樹脂製研磨布IC−1000/不織布suba400の2層タイプ(ニッタ・ハース(株)製)、定盤回転数は53rpm、ヘッド回転数は47rpm、研磨圧力は2.5psi、研磨用組成物の供給量は100ml/分、研磨時間は240秒で行った。
研磨用組成物(H)及び(I)を用い240秒研磨した後、表面形状測定装置デクタック6M(商品名DECTAK6M、(株)アルバック製)でウェハー中の100μm/100μmのラインアンドスペース部の段差量を測定したところ段差は10nm以下で、段差が解消されており、段差除去性が良好なことが分った。
比較例1の研磨用組成物(J)のようにシアヌル酸を含有していない場合、レーザー法の平均粒子径が大きく、500nm以上の大きさの粒子が26%もあり、大きく凝集した砥粒を含む研磨用組成物であることが分かる。このため銅研磨面にスクラッチ等の欠陥が発生したと考えられる。
比較例2の研磨用組成物(K)のようにホウ酸アンモニムを含有していない場合、研磨用組成物の分散性は良いが、銅膜及タンタル膜の研磨速度が非常に小さいことが分る。
【0030】
このため本願発明の研磨用組成物(A)〜(I)ように、シアヌル酸、ホウ酸アンモニウムの両者を含有している研磨用組成物は、銅膜の研磨速度が速く、銅膜/タンタル膜の研磨速度比も大きいことが分る。
【0031】
研磨用組成物(F)〜(G)及び(I)にあるように、ヒドロキシエチルセルロースを含有していても研磨用組成物の分散性及び研磨特性は、良好であることが分る。
研磨用組成物(H)にあるように、ヒドロキシエチルセルロース及びベンゾトリアゾールを含有していても研磨用組成物の分散性及び研磨特性は、良好であることが分る。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本願発明の研磨用組成物は、CMP(ケミカルメカニカルポリッシング)と通常称される半導体デバイス製造工程における平坦化研磨に用いる研磨剤として好適である。特に、銅配線膜にダメージを与えることなく精密に研磨することができるため、銅配線を含有した基板の平坦化工程に用いる研磨剤として有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)成分:砥粒、(B)成分:シアヌル酸(B1)、その塩(B2)、又はそれらの混合物、(C)成分:ホウ酸(C1)、その塩(C2)、又はそれらの混合物、(D)成分:酸化剤、及び(E)成分:水を含有する半導体デバイス製造における化学機械的研磨用組成物。
【請求項2】
(A)成分の砥粒が、金属酸化物粒子(A1)、有機高分子粒子(A2)、又はその組み合わせである請求項1に記載の研磨用組成物。
【請求項3】
金属酸化物粒子(A1)が、シリカ、アルミナ、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化チタンからなる群より選ばれた少なくとも1種である請求項2に記載の研磨用組成物。
【請求項4】
有機高分子粒子(A2)が、ポリ塩化ビニル、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸誘導体、ポリスチレン、ポリスチレン誘導体からなる群より選ばれた少なくとも1種である請求項2に記載の研磨用組成物。
【請求項5】
(A)成分の砥粒が酸化ジルコニウムである請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の研磨用組成物。
【請求項6】
シアヌル酸(B1)が、シアヌル酸、イソシアヌル酸、又はその組み合わせである請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の研磨用組成物。
【請求項7】
シアヌル酸塩(B2)が、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩又はそれらの組み合わせである請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の研磨用組成物。
【請求項8】
ホウ酸(C1)が、メタホウ酸、四ホウ酸、五ホウ酸、八ホウ酸、又はその組み合わせである請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の研磨用組成物。
【請求項9】
ホウ酸塩(C2)が、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩又はそれらの組み合わせである請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の研磨用組成物。
【請求項10】
(D)成分の酸化剤が、過酸化水素、過ヨウ素酸、過ヨウ素酸塩、ヨウ素酸、ヨウ素酸塩、過硫酸塩、又はその組み合わせである請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の研磨用組成物。
【請求項11】
更にベンゾトリアゾール又はその誘導体を含有するものである請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の研磨用組成物。
【請求項12】
被研磨材料が、銅、アルミニウム、タングステン、及びそれらの合金、タンタル、タンタル合金、タンタル化合物、酸化ケイ素、並びに低誘電率絶縁膜からなる群より選ばれた少なくとも1種の物質である請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載の研磨用組成物。
【請求項13】
請求項1乃至請求項12のいずれか1項に記載の研磨用組成物で金属配線、バリアメタル、又は絶縁膜がパターン状に形成された基板を研磨する工程を含む半導体装置の製造方法。

【公開番号】特開2008−78233(P2008−78233A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−253291(P2006−253291)
【出願日】平成18年9月19日(2006.9.19)
【出願人】(000003986)日産化学工業株式会社 (510)
【Fターム(参考)】