説明

硬化性組成物、該硬化性組成物を用いた光学フィルム、該光学フィルムを用いた偏光板及び画像表示装置

【課題】経時又は高温条件下でのブリードアウト、接触媒体へのシリコーン成分の転写、これらに伴う性能の劣化、製造ラインの汚染等が少なく、素材の滑り性を向上させることのできる硬化性組成物を提供すること。また、防汚性、耐擦傷性、及び密着性に優れ、大量生産に適した塗布型の光学フィルムを提供すること。
【解決手段】(A)ポリシロキサン構造を主鎖または側鎖に含む構成単位を特定の割合で有し、かつ、水酸基含有モノマーに基づく重合単位を有する共重合体、(B)ポリシロキサン構造を主鎖または側鎖に含む構成単位を特定の割合で有し、かつ、水酸基含有モノマーに基づく重合単位を有する含フッ素共重合体、(C)水酸基と反応可能な硬化剤、(D)硬化触媒、(E)オルガノシラン化合物、該オルガノシラン化合物の加水分解物及びその部分縮合物の少なくともいずれかを含有する組成物、(F)無機微粒子、(G)重合開始剤、を特定の割合で含有する硬化性組成物。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の成分(A)を0.1〜40質量部、(B)〜(E)を合わせて10〜100質量部、(F)〜(G)を合わせて0〜100質量部含有する硬化性組成物:
(A) 下記一般式(1)で表されるポリシロキサン構造を主鎖または側鎖に含む構成単位を、成分(A)における全構成単位に対し質量分率で40(%)以上100(%)未満有し、かつ、水酸基含有モノマーに基づく重合単位を有する共重合体、
(B) 下記一般式(1)で表されるポリシロキサン構造を主鎖または側鎖に含む構成単位を、成分(B)における全構成単位に対し質量分率で0(%)以上20(%)以下有し、かつ、水酸基含有モノマーに基づく重合単位を有する含フッ素共重合体、
(C) 水酸基と反応可能な硬化剤、
(D) 硬化触媒、
(E) オルガノシラン化合物、該オルガノシラン化合物の加水分解物及びその部分縮合物の少なくともいずれかを含有する組成物0〜100質量部、
(F) 無機微粒子、
(G) 重合開始剤。
一般式(1):
【化1】

(一般式(1)中、R11、R12は、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、又はアリール基を表す。pは10〜500の整数を表す。)
【請求項2】
前記(A)共重合体が、下記一般式(2)で表される共重合体である請求項1に記載の硬化性組成物。
一般式(2):
【化2】

(一般式(2)中、Xは前記一般式(1)で表されるポリシロキサン構造を主鎖または側鎖に含む構成単位を表す。Yは任意のビニルモノマーに基づく重合単位を表し、単一種であっても複数種で構成されていてもよい。R21は水素原子又はメチル基を表し、L21は単結合又は2価の連結基を表す。y、zは、全構成単位から構成単位Xを除いた残りの構成単位を100(%)としたときの各構成単位のモル分率(%)を表し、0≦y<100、0<z≦100、を満たす値を表す。xは構成単位Xの、全構成単位に対する質量分率を表し、40≦x<100の関係を満たす。)
【請求項3】
前記(A)共重合体が、下記一般式(3)で表される共重合体である請求項1に記載の硬化性組成物。
一般式(3):
【化3】

(一般式(3)中、Rf11は炭素数1〜5のペルフルオロアルキル基を表し、Rf12は炭素数1〜30の直鎖、分岐又は脂環構造を有する含フッ素アルキル基を表し、エーテル結合を有していてもよい。Bは水酸基含有モノマーに基づく重合単位を表す。Aは任意のビニルモノマーに基づく重合単位を表し、単一種であっても複数種で構成されていてもよい。Sは前記一般式(1)で表されるポリシロキサン構造を主鎖または側鎖に含む構成単位を表し、単一種であっても複数種で構成されていてもよい。a〜dは、全構成単位から構成単位Sを除いた残りの構成単位を100(%)としたときの各構成単位のモル分率(%)を表し、0≦a≦90、0≦b≦70、0≦c≦50、0<d、を満たす値を表す。eは構成単位Sの、全構成単位に対する質量分率(%)を表し、40≦e<100の関係を満たす。)
【請求項4】
前記(B)含フッ素共重合体が、下記一般式(4)で表される含フッ素共重合体である請求項1〜請求項3のいずれかに記載の硬化性組成物。
一般式(4):
【化4】

(一般式(4)中、Rf11は炭素数1〜5のペルフルオロアルキル基を表し、Rf12は炭素数1〜30の直鎖、分岐又は脂環構造を有する含フッ素アルキル基を表し、エーテル結合を有していてもよい。Bは水酸基含有モノマーに基づく重合単位を表す。Aは任意のビニルモノマーに基づく重合単位を表し、単一種であっても複数種で構成されていてもよい。Sは前記一般式(1)で表されるポリシロキサン構造を主鎖または側鎖に含む構成単位を表し、単一種であっても複数種で構成されていてもよい。a〜dは、全構成単位から構成単位Sを除いた残りの構成単位を100(%)としたときの各構成単位のモル分率(%)を表し、0≦a≦90、0≦b≦70、0≦c≦50、0<d、を満たす値を表す。eは構成単位Sの、全構成単位に対する質量分率(%)を表し、0≦e≦20の関係を満たす。)
【請求項5】
前記一般式(3)において、全構成単位から構成単位Sを除いた残りの構成単位を100(%)としたときの、水酸基含有モノマーに基づく重合単位Bのモル分率(%)dが、20≦d≦60である請求項3に記載の含フッ素共重合体。
【請求項6】
前記一般式(4)において、全構成単位から構成単位Sを除いた残りの構成単位を100(%)としたときの、水酸基含有モノマーに基づく重合単位Bのモル分率(%)dが、20≦d≦50である請求項4または請求項5に記載の含フッ素共重合体。
【請求項7】
前記(C)水酸基と反応可能な硬化剤が、窒素原子に隣接し、且つアルコキシ基で置換された炭素原子を、1分子中に2個以上有する化合物である請求項1〜請求項6のいずれかに記載の硬化性組成物。
【請求項8】
前記(D)硬化触媒が熱酸発生剤である請求項1〜請求項7のいずれかに記載の硬化性組成物。
【請求項9】
前記(E)オルガノシラン化合物が、下記一般式(5)で表される請求項1〜請求項8のいずれかに記載の硬化性組成物。
一般式(5):
【化5】

(一般式(5)において、R32は、水素原子、メチル基、メトキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、フッ素原子又は塩素原子を表す。U31は、単結合、エステル基、アミド基、エーテル基又はウレア基を表す。L31は、2価の連結鎖を表す。m2は0又は1を表す。m2として好ましくは0である。R30は、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基を表す。X31は水酸基または加水分解可能な基を表す。X31が複数存在するとき、複数のX31は、それぞれ同じであっても異なっていてもよい)
【請求項10】
前記(F)無機微粒子が、シリカ微粒子である請求項1〜請求項9のいずれかに記載の硬化性組成物。
【請求項11】
前記シリカ微粒子が、平均粒子径が30nmから150nmの中空シリカ微粒子である請求項10に記載の硬化性組成物。
【請求項12】
前記(G)重合開始剤が熱及び/又は電離放射線硬化性の開始剤である請求項1〜請求項11のいずれかに記載の硬化性組成物。
【請求項13】
請求項1〜請求項12のいずれかに記載の硬化性組成物を硬化させることによって形成される機能層を有する光学フィルム。
【請求項14】
前記機能層が低屈折率層であり、前記光学フィルムが光学干渉による反射防止機能及び/又は防眩機能を有する請求項13に記載の光学フィルム。
【請求項15】
請求項13または請求項14に記載の光学フィルムが、偏光板における偏光膜の2枚の保護フィルムのうちの一方に用いられている偏光板。
【請求項16】
請求項13もしくは請求項14に記載の光学フィルム、または請求項15に記載の偏光板がディスプレイの最表面に用いられている画像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−291372(P2007−291372A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−89232(P2007−89232)
【出願日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】