説明

磁性半導体用基板、磁性半導体用基板の製造方法及び磁性半導体用基板の製造装置

【課題】基板への磁性原子の導入時間を短縮することができるとともに、室温でも使用可能な磁性半導体を実現する磁性半導体用基板、磁性半導体用基板の製造方法及び磁性半導体用基板の製造装置を提供する。
【解決手段】レーザが照射される照射面に磁性原子の薄膜が形成される半導体の被拡散層103と、被拡散層の照射面とは反対の面に接し、被拡散層よりも熱伝導性が低い熱伝導抑制層102とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は磁性半導体の製造に利用する磁性半導体用基板、磁性半導体用基板の製造方法及び磁性半導体用基板の製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来は非磁性半導体が主流であったが、近年、SiやGaAsなどの非磁性半導体にMn等の磁性原子を導入した磁性半導体の開発が進められている。非磁性半導体は、キャリアの電荷の自由度を用いて情報の伝達や記憶を行なうものであるのに対し、磁性半導体はキャリアのスピン自由度を制御することによりメモリや偏光LEDなど新しい機能も実現できる可能性がある。このような磁性半導体を利用して半導体デバイスを作れば、不揮発性メモリ、磁気センサ等の機能を全て半導体で実現可能となり、デバイスを集積化することができる。
【0003】
例えば、磁性半導体として基板に半絶縁のガリウム砒素GaAsを用い、低温分子エピタキシャル成長によりインジウムマンガン砒素(In0.97Mn0.03)Asの磁性半導体層を形成する例がある(例えば、非特許文献1参照)。
【0004】
しかしながら、低温分子エピタキシャル成長では、磁性原子であるマンガンの偏析や第二相の析出を抑制するため、250℃程度の温度で行なわれる。低分子エピタキシャル成長は固溶度以上の磁性原子を導入することができるが、このように、成長温度が低いため、結晶品質が悪くなる問題がある。したがって、低分子エピタキシャル成長で生成された磁性半導体は室温では動作せず、低温にしないと動作しない問題があった。
【0005】
そのため、半導体表面に磁性原子をイオン注入し、イオン注入した半導体表面をエキシマレーザアニールによって溶融し、再結晶化し磁性原子を半導体層に均一に導入する方法もある(例えば、非特許文献2参照)。
【0006】
この非特許文献2に記載される方法は、パルスレーザアニールという急過熱、急冷却プロセスを用いた非平衡プロセスであるため、固溶限界を超えた磁性原子を半導体内に分散させるには非常に有用な手法である。しかしながら、GaAsを溶融させると、Asの蒸気圧が大気圧より高いためにAsが蒸発し、表面の結晶化が悪化する問題もある。そのため、この方法で作成された磁性半導体は低温において磁性特性を示しているが、室温では磁性特性を示していない。また、10%以上の濃度の磁性原子を導入するためには、必要な注入時間が長い問題もある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】「半導体スピントロニクス素子・材料のスピン制御」 大野裕三, 大野英男, FED Review, vol.1, No.23, 14 March 2002
【非特許文献2】「Doping and defect control of ferromagnetic semiconductors formed by ion implantation and pulsed laser melting」 O.D Dubon, M.A Scarpulla, R.Farshchi, K.M Yu, Physica B 376-377 (2006) 630-634
【非特許文献3】「Atom-by-atom substitution of Mn in GaAs and visualization of their hole-mediated interactions」 Dale Kitchen, et al, NATURE, vol.442|27 July 2006, P436-439
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したように、従来は、磁性半導体(磁性半導体用基板)の製造に時間がかかる問題があった。また、そのようにして磁性半導体を製造しても、室温では使用することができない問題があった。
【0009】
上記課題に鑑み、本発明は、基板への磁性原子の導入時間を短縮することができるとともに、室温でも使用可能な磁性半導体を実現することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、レーザが照射される照射面に磁性原子の薄膜が形成される半導体の被拡散層と、前記被拡散層の前記照射面とは反対の面に接し、前記被拡散層よりも熱伝導性が低い熱伝導抑制層とを備える。
【0011】
また、請求項2の発明は、前記熱伝導抑制層は、SOI基盤、ガラス基板又はセラミックス基板であることを特徴とする。
【0012】
また、請求項3の発明は、前記薄膜は、Fe、Mn、Co、Ni又はCrのいずれかであることを特徴とする。
【0013】
また、請求項4の発明は、前記被拡散層は、IV族元素の単結晶であることを特徴とする。
【0014】
また、請求項5の発明は、半導体の被拡散層を、前記半導体の被拡散層よりも熱伝導性が低い熱伝導抑制層上に形成するステップと、前記被拡散層上に、磁性原子の薄膜を形成するステップと、前記薄膜が生成された基板にレーザ光を照射して前記磁性原子を前記被拡散層中に拡散させるステップとを有することを特徴とする。
【0015】
また、請求項6の発明は、レーザが照射される照射面に磁性原子の薄膜が形成される半導体の被拡散層と、前記被拡散層の前記照射面とは反対の面に接し、前記被拡散層よりも熱伝導性が低い熱伝導抑制層とを備える半導体用基板を載置するステージと、前記ステージに載置される基板にレーザ光を照射して前記磁性原子を前記被拡散層中に拡散させるレーザ光源とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、基板への磁性原子の導入を短縮することができるとともに、室温でも使用可能な磁性半導体を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る磁性半導体の製造装置の構成図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る磁性半導体の製造方法を説明する図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る磁性半導体の表面温度の測定データである。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る磁性半導体のX線回折データである。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る磁性半導体のラマンデータである。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る磁性半導体のSIMSデータである。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る磁性半導体のSQUIDデータである。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る磁性半導体の製造方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
〈第1の実施形態〉
図1に示すように、本発明の第1の実施形態に係る磁性半導体用基板の製造装置1は、レーザ光源11、光学系12及びステージ13を備えている。
【0019】
ステージ13は、磁性半導体の製造に利用する半導体用基板が取り付けられるものである。このステージ13は、移動機構(図示せず)によって移動することができる。
【0020】
レーザ光源11は、ステージ13に載置された半導体用基板の表面を加熱するためにレーザ光を照射するものである。このレーザ光により、ステージ13に載置された半導体基板の表面が溶融され、その後、再結晶される。例えば、レーザ光源13は、エキシマレーザ装置や、YAGレーザ装置等である。
【0021】
光学系12は、レーザ光源11から照射されるレーザ光を所定の形状に整形してステージ13上の半導体用基板に導くものである。図1に示す例では、光学系12は、短軸整形部12a、長軸整形部12b、ビーム重畳部12c、重ね合わせ部12d、落射ミラー12e及び照射レンズ12fによって構成されている。
【0022】
図2を用いて、第2の実施形態に係る磁性半導体用基板の製造方法について説明する。まず、図2(a)に示すように、磁性半導体用基板の製造に利用する基板を用意する。ここで使用する基板は、ウェハ101上に熱伝導性(熱伝導度)が低い熱伝導抑制層102が形成される基板であって、図2(a)に示すように、この熱伝導抑制層102上に半導体の被拡散層103を形成する。
【0023】
図2は、ウェハ101としてSiウェハを利用した一例である。ウェハ101上に形成される熱伝導抑制層102には、被拡散層103よりも熱伝導性が低い物質を利用する。具体的には、熱伝導抑制層102は、熱伝導度が1〜2W/m・K程度であることが望ましく、例えば、SOI基板(SiO2基板)、SiOG基板(ガラス基板)、セラミックスの基板等を利用することができる。
【0024】
被拡散層103は、熱伝導抑制層102よりも熱伝導性が高く、単結晶のSi、Ge等のIV族半導体や、GaAs等のIII-V族半導体で形成され、結晶の面方位は、(100)、(110)又は(111)のいずれかである。なお、図2に示す例では、SiO2基板の熱伝導抑制層102上にSiの被拡散層103が形成された基板を利用した場合を例に説明する。
【0025】
熱伝導抑制層102上に被拡散層103が形成されると、図2(b)に示すように、被拡散層103上に遷移金属の薄膜である遷移金属層104を形成する。遷移金属には、Fe、Mn、Co、Ni、Cr等を利用することができるが、図2(b)に示す例では、遷移金属としてFeを使用した場合を例に説明する。またここで生成される薄膜の膜厚は、10nm以下であることが望ましく、薄膜の形成方法には、真空蒸着法、スパッタリング法、イオン注入法等を利用することができる。
【0026】
被拡散層103上に遷移金属層104が形成されると遷移金属層104が形成された基板を、磁性半導体用基板の製造装置1のステージ13上に載置する。磁性半導体用基板の製造装置1では、ステージ13上に載置された基板上に図2(c)に示すようにレーザ光を照射し、超急加熱、超急冷するレーザアニール処理を行なう。
【0027】
図2(c)に示すように基板にレーザ光を照射することで、被拡散層103を構成するSiを溶融させ、被拡散層103のレーザの照射面側に形成される遷移金属層104のFeを被拡散層103であるSi中にドーピングさせることができる。Siは溶融凝固するが、凝固速度が極めて速いため、遷移金属であるFeはSiの結晶構造の状態で導入される。また、図2(c)に示すように、熱伝導抑制層102のSiO2は被拡散層103よりも熱伝導性が低いために冷却速度が速く熱伝導を抑制する。また、被拡散層103のSiは、熱伝導性が高いために冷却速度が遅いことにより、遷移金属層104のFeは被拡散層103のSiに単結晶の状態でドーピングされて拡散層105となる。
【0028】
なお、遷移金属は偏析係数が極めて小さいため、通常の熱平衡での溶融凝固のプロセスで固体中に導入させることは困難であるが、レーザアニール法は超急加熱・超急冷という非平衡プロセスである。そのため、レーザアニール法を利用した場合、固体中に高濃度で遷移金属を導入させることができる。また、レーザアニール法を利用することで、遷移金属の導入を短時間で行なうこともできる。なお、遷移金属の濃度は、被拡散層103を形成するSiの溶融深さにより制御することができる。例えば、レーザ光源11として固体パルスグリーンレーザを使用する場合、被拡散層103は、300nm〜500nmであることが望ましい。
【0029】
またこのとき、磁性半導体用基板の製造装置1では、光学系12(ビーム重畳部12c)によってレーザ光を線状ビームに整形し、ステージ13を移動(走査)させたりすることで、基板上を広く処理することが可能となるとともに、面積の大きな基板の処理を容易にすることができる。
【0030】
《実験例》
レーザ光源11として固体パルスグリーンレーザ(527nm、1kHz、パルス幅120ns)を用いて、SOI基板を熱伝導抑制層102とし、このSOI基板上の被拡散層103に遷移金属としてFeをドーピングして生成した磁性半導体用基板について説明する。以下で説明する例は、SOI基板の面方位は(100)であり、Feの膜圧は5nmの場合である。
【0031】
図3は、通常のSi基板(Siウェハ)と本発明に係る磁性半導体用基板の製造方法で製造されるSiO2上にSiの層を形成したSOI基板(SOIウェハ)とに約600〜1600mJcm-2の範囲でレーザ光を照射した場合のSiの表面温度を比較した一例を示している。なお、このSiウェハもSOIウェハと同様、Feの薄膜が形成されている。また、このFe薄膜の膜厚も5nmである。
【0032】
通常のSiウェハの場合、熱伝導性が高いために表面温度が高くなりにくく、Siの融点(1412℃)に達しない。これに対し、SOIウェハのSiO2はSiよりも熱伝導性が低く、SOIウェハにレーザ光を照射すると、このSiO2によって熱伝導が抑制されるためにSiO2上のレーザ照射面であるSiの表面温度を高くすることができ、Siの融点に達する。
【0033】
すなわち、本発明に係る磁性半導体基板の製造方法で製造されるSOIウェハでは、熱伝導抑制層102のSiO2によって熱伝導を抑制するため、被拡散層103のSiが融点に達して溶解する。したがって、SOIウェハのように熱伝導抑制層102を有するウェハを磁性半導体用基板として利用すれば、表面のSiが溶融するため、遷移金属層104のFeを被拡散層103のSi中に拡散させることができる。また、この被拡散層103のSiは、熱伝導性が比較的高いために冷却速度が遅く、Feを単結晶化しやすい。
【0034】
図4(a)はSOIウェハのX線回折データであり、図4(b)は本発明に係る製造方法でFeがドープされたSOIウェハのX線回折データを示している。図4(a)と図4(b)のデータを比較すると、図4(b)に示すデータでは図4(a)に示すデータには現れていないFeのピークが現れており、本発明に係る磁性半導体用基板では、FeがSiに置換されていることが分かる。
【0035】
また、図4(c)はFeによって表面がシリサイド化された2種類のSiウェハのX線回折データを示している。図4(c)と図4(b)のデータを比較すると、図4(b)に示すデータでは図4(c)に示す各データでみられるFeのピークは存在せず、本発明の第1の実施形態に係る磁性半導体では、従来のような反応が起こっておらず、FeがSiに置換されていないことが分かる。
【0036】
図5(a)は本発明に係る製造方法でFeがドープされたSOIウェハのラマンデータであり、図5(b)はFeによって表面がシリサイド化されたSiウェハのラマンデータを示している。図5(a)と図5(b)のデータを比較すると、図5(a)に示すデータにはSiの結晶構造を確認することができるが、図5(b)に示すデータでは図5(a)には現れていないピークが現れており、FeがSiに置換されずに、他の結晶構造が形成されたことが分かる。
【0037】
続いて、図6は、SOIウェハにFeをドーピングした磁性半導体用基板のSi、O、Feの深さ方向の分布のSIMS(二次イオン質量分析)の測定データを示している。この測定データからは、半導体用基板中で、Feは表面から約10〜60nmの範囲に多く存在させることが可能であって、Si中に30〜50mm程度の範囲で分布させることができることが分かる。
【0038】
図7は、SOIウェハにFeをドーピングした磁性半導体用基板の磁化特性の温度依存性を測定したSQUID(超伝導量子干渉型磁束計)のデータを示している。この測定結果によると、SOIウェハは室温である300K付近でも磁性を有していることが分かる。
【0039】
上述したように、第1の実施形態に係る磁性半導体用基板の製造方法では、熱伝導性の低い熱伝導抑制層、半導体の被拡散層、光ビームが照射される遷移金属層を有する基板に光ビームを照射する。これにより、光ビームで加えられる熱の熱伝導を熱伝導抑制層で抑制して被拡散層を溶解し、被拡散層に遷移金属を結晶の状態で拡散させた拡散層を形成することができる。このようにして形成された磁性半導体用基板は、磁性体を結晶の状態で半導体中に拡散させることができるため、室温であっても磁性特性を有する。したがって、第1の実施形態に係る半導体用基板を利用した場合、室温でも磁性特性を有し、デバイスの集積化を実現することができる。また、第1の実施形態に係る磁性半導体用基板の製造方法では、レーザアニール法を利用することで、短時間で磁性半導体用基板を製造することもできる。
【0040】
〈第2の実施形態〉
第2の実施形態に係る磁性半導体用基板の製造方法では、予めゲート絶縁膜である酸化膜を生成し、その後に遷移金属をドーピングして磁性半導体用基板を製造する。なお、第2の実施形態に係る磁性半導体用基板の製造方法におけるレーザアニール処理では、図1を用いて上述した磁性半導体用基板の製造装置1を利用する。
【0041】
第2の実施形態に係る磁性半導体用基板の製造方法では、図8(a)に示すように、まず、磁性半導体用基板の製造に利用する基板としてウェハ101上に熱伝導性(熱伝導度)が低い熱伝導抑制層102を有する基盤を用意し、熱伝導抑制層102上に半導体の被拡散層103を形成する。また、被拡散層103が形成されると、この被拡散層103上にゲート絶縁膜である酸化膜106を形成する。
【0042】
ここで、熱伝導抑制層102の熱伝導度は、第1の実施形態で上述した例と同様に、1〜2W/m・K程度であって、例えば、SOI基板(SiO2基板)、SiOG基板(ガラス基板)、セラミックスの基板等を利用することができる。また、被拡散層103には、第1の実施形態で上述した例と同様に、熱伝導層抑制層102よりも熱伝導性の高い単結晶のSi、Ge、GaAs等の半導体を利用する。
【0043】
基板上に酸化膜106が形成されると、図8(b)に示すように、この基板上に遷移金属の薄膜である遷移金属層104を形成する。遷移金属には、第1の実施形態で上述した例と同様に、Fe、Mn、Co、Ni、Cr等を用いることもできる。また、遷移金属層104の膜厚は、10nm以下である事が望ましい。また、遷移金属層104の形成方法には、真空蒸着法、スパッタリング法、イオン注入法等を利用することができる。
【0044】
また、基板上に遷移金属層104が形成されると、磁性半導体用基盤の製造装置1のステージ13上に遷移金属層104が形成された基板を載置して、ステージ13上に載置された基盤上に図8(c)に示すようにレーザ光を照射し、レーザアニール処理を行なう。図8(c)に示すように基板にレーザ光を照射することで、半導体に磁性体の遷移金属がドープされた拡散層105を形成することができる。
【0045】
上述したように、第2の実施形態に係る磁性半導体用基板の製造方法では、熱伝導性の低い熱伝導抑制層、半導体の被拡散層、光ビームが照射される遷移金属層を有する基板に光ビームを照射する。これにより、光ビームで加えられる熱の熱伝導を熱伝導抑制層で抑制して被拡散層を溶解し、被拡散層に遷移金属を結晶の状態で拡散させた拡散層を形成することができる。このようにして形成された磁性半導体用基板は、磁性体を結晶の状態で半導体中に拡散させることができるため、室温であっても磁性特性を有する。したがって、第2の実施形態に係る半導体用基板を利用した場合、室温でも磁性特性を有し、デバイスの集積化を実現することができる。また、第2の実施形態に係る磁性半導体用基板の製造方法では、レーザアニール法を利用することで、短時間で磁性半導体用基板を製造することもできる。
【符号の説明】
【0046】
1…製造装置
11…レーザ光源
12…光学系
12a…短軸整形部
12b…長軸整形部
12c…ビーム重畳部
12d…部
12e…落射ミラー
12f…照射レンズ
13…ステージ
101…ウェハ
102…熱伝導抑制層
103…被拡散層
104…遷移金属層(薄膜)
105…拡散層
106…酸化膜(ゲート絶縁膜)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザが照射される照射面に磁性原子の薄膜が形成される半導体の被拡散層と、
前記被拡散層の前記照射面とは反対の面に接し、前記被拡散層よりも熱伝導性が低い熱伝導抑制層と、
を備える特徴とする磁性半導体用基板。
【請求項2】
前記熱伝導抑制層は、SOI基板、ガラス基板又はセラミックス基板であることを特徴とする請求項1に記載の磁性半導体用基板。
【請求項3】
前記薄膜は、Fe、Mn、Co、Ni又はCrのいずれかあるいはその化合物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の磁性半導体用基板。
【請求項4】
前記被拡散層は、IV族半導体あるいは化合物半導体の単結晶であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載の磁性半導体用基板。
【請求項5】
半導体の被拡散層を、前記半導体の被拡散層よりも熱伝導性が低い熱伝導抑制層上に形成するステップと、
前記被拡散層上に、磁性原子の薄膜を形成するステップと、
前記薄膜が生成された基板にレーザ光を照射して前記磁性原子を前記被拡散層中に拡散させるステップと、
を有することを特徴とする磁性半導体用基板の製造方法。
【請求項6】
レーザが照射される照射面に磁性原子の薄膜が形成される半導体の被拡散層と、前記被拡散層の前記照射面とは反対の面に接し、前記被拡散層よりも熱伝導性が低い熱伝導抑制層とを備える半導体用基板を載置するステージと、
前記ステージに載置される基板にレーザ光を照射して前記磁性原子を前記被拡散層中に拡散させるレーザ光源と、
を有することを特徴とする磁性半導体用基板の製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−4231(P2012−4231A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−136256(P2010−136256)
【出願日】平成22年6月15日(2010.6.15)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】