磁気ベアリング、回転段及び反射型電子ビームリソグラフィ装置
回転軸を持つ磁気ベアリングが、強磁性材料を有する円筒状ローターであって、上記円筒状ローターが、対称軸を持ち、上記円筒状ローターは、内側半径を持ち、上記円筒状ローターが、上部を持つ、円筒状ローターと、静的なハブであって、上記静的なハブが、該静的なハブから突出し、上記上部に隣接して配置されるオーバーハングを持つ、静的なハブと、上記第1の面と上記オーバーハングとの間の距離を制御するリフト磁気アクチュエータ装置と、上記内側半径と上記回転軸との間の距離を制御する半径方向の磁気アクチュエータ装置とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気ベアリングの設計に関し、特に電子ビームリソグラフィ及び電子ビーム計測学のための回転段の設計に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気ベアリングは、ローターを支持するため磁力を用いるベアリングである。磁気ベアリングを用いる利点は、摩耗する機械部分が存在しない点にある。磁気ベアリングの不利な点は、ローターを浮揚させるのに電流を必要とする点にある。高速時に、磁気アクチュエータの磁場を通過するローターの異なる部分に起因するローターでの渦電流は、エネルギー減少をもたらす可能性がある。
【0003】
米国特許第6,191,513B1号は、磁気ヒステリシスによりもたらされる加熱及びレスポンス磁石の制御における遅延に起因して出力損失を生じさせる渦電流を減らすため、シリコン鋼積層の使用を開示する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ウェーハ検査デバイスにおいて及び半導体産業に関する電子ビームリソグラフィシステムにおいて、一般に線形段が用いられる。しかしながら、線形段を備えるウェーハをスキャンするのに必要な時間は、これらのシステムに関するウェーハスループットに関する制限となる。Paul Petric, Chris Bevis, Allen Carroll, Henry Percy, Marek Zywno, Keith Stanford, Alan Brodie, Boah Bareket及びLuca Grallaによる記事Journal of Vacuum Science and Technology B volume 27, pages 161 through 166(以下Petricと記載する)において、Reflective Electron Beam Lithography (REBL)システムが開示される。これは、複数のシリコンウエハに関する回転段の使用を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、独立請求項に記載の磁気ベアリング、回転段、反射型電子ビームリソグラフィ装置、磁気アクチュエータ及び円筒状ローターを提供する。本発明の実施形態は、従属項に与えられる。
【0006】
本発明の実施形態は、渦電流を減らす強磁性材料をローターに用いることにより、上述した問題を処理する。ある実施形態では、軟磁複合鉄が、円筒状ローターにおいて用いられる。別の実施形態では、シリコン鋼といった強磁性積層体が、渦電流を制限するために用いられる。
【0007】
円筒状ローターを構築するために積層を用いる不利な点は、高速時に、いわゆる積層ノイズが生み出される可能性がある点にある。積層ノイズは、積層が大きな磁場に急に露出されることに起因する。積層ノイズは、階段状の磁場変化に露出されるとき、強磁性積層により放出されるノイズとして本書では規定される。積層ノイズのよく知られている例は、いくつかの変圧器により生み出される雑音である。雑音は、ワイヤの振動によるものである。しかし、これは変圧器を構築するのに使用される強磁性プレートの振動によってももたらされる。リソグラフィ又は計測学に関する回転段における積層ノイズは、望ましくない。このノイズは、この段における小さな音響振動を引き起こす可能性があり、この振動は、リソグラフィ処理又は計測学と干渉する可能性がある。
【0008】
本発明の実施形態は、ベアリングが回転するとき、磁場が各積層にわたり一様に増加しないよう、積層の方向及び/又は磁気アクチュエータの方向を調整することにより、積層ノイズの問題を処理する。本発明の一実施形態において、アクチュエータを有し、円筒状ローターに隣接する強磁性物質の角及びエッジが、丸くされる。これは、磁場の急速な増加を防ぎ、積層ノイズも減らす。
【0009】
本発明の実施形態は、重力に対抗して円筒状ローターを支持する又は部分的に支持するための永久磁石を用いることにより、磁気ベアリングを作動するのに必要な電気エネルギーの量を減らす。
【0010】
本発明の実施形態は、回転軸を持つ磁気ベアリングを提供する。磁気ベアリングは、強磁性材料を備える円筒状ローターを有する。円筒状ローターは、対称軸を持ち、円筒状ローターは、内側半径を持つ。円筒状ローターは、上部を持つ。磁気ベアリングが回転軸を持つので、この磁気ベアリングは重力場において機能する点を理解されたい。磁気ベアリングは更に、静的なハブを有する。静的なハブは、この静的なハブから突出し、上部に隣接して配置されるオーバーハングを持つ。円筒状ローターの上部は、重力場により規定される上面にある。磁気ベアリングは更に、第1の表面とオーバーハングとの間の距離を制御するリフト磁気アクチュエータ装置を有する。リフト磁気アクチュエータは、永久磁石、電磁石又は電気及び永久磁石の組合せを有することができる。磁気ベアリングは更に、内側半径と回転軸との間の距離を制御する半径方向の磁気アクチュエータ装置を有する。半径方向の磁気アクチュエータ装置も、永久磁石、電磁石又は電磁石及び永久磁石の組合せを有することができる。
【0011】
この構成は有利である。なぜなら、磁気ベアリングは、静的なハブに吊り下げることが可能である円筒状ローターを持つからである。円筒状ローターは、強磁性材料を有し、任意の磁石を含まない。いくつかの実施形態では、リフト磁気アクチュエータは、重力に対抗して円筒状ローターを支持することが可能であり、このリフトは、それが揺れるのを防止することにより円筒状ローターの回転を安定させる。
【0012】
リフト磁気アクチュエータは、第1の表面とオーバーハングとの間の距離を制御し、回転軸と対称軸とを同じ方向に揃える。半径方向の磁気アクチュエータ装置は、それらが同軸にあるよう対称軸及び回転軸を揃える。この実施形態によれば、回転軸及び対称軸は、わずかにそれることができる。回転軸が水平である場合、円筒状ローターを持ち上げるために、半径方向の磁気アクチュエータが使用されることができる。
【0013】
円筒状ローターは、ジャイロスコープのように振る舞う。円筒状ローターと、ローターに接続され、ローターと共に回転する任意の構造との質量は、回転慣性のモーメントを持つ。小さな振動又は摂動がある場合、回転慣性は、円筒状ローターにおける運動量を減らす傾向を持つ。これは、ベアリングが、電子ビームリソグラフィ又は電子ビーム計測学といった用途において、安定した段を提供するのに非常に有益であることを意味する。
【0014】
別の実施形態では、リフト磁気アクチュエータ装置は、重力に対抗して円筒状ローターを支持することができる少なくとも1つの永久磁石を有する。この実施形態は有利である。なぜなら、少なくとも1つの永久磁石が、円筒状ローターを支持するので、その結果、ローターを支持するために電磁石に必要な出力がより少ないからである。これは、磁気ベアリングを作動するのに必要な電気出力を減らす。
【0015】
別の実施形態では、回転軸は、垂直回転軸である。垂直回転軸は、重力と揃えられる。
【0016】
別の実施形態では、回転軸は、水平回転軸である。
【0017】
別の実施形態では、半径方向の磁気アクチュエータ装置及び/又はリフト磁気アクチュエータ装置は、少なくとも1つのハイブリッド磁石を有する。ハイブリッド磁石は、強磁性コアを有する。強磁性コアは、コア内部で断面がE形状であるようカットされる2つのスロットを持つ。2つのスロットの間には中間セクションが存在し、この中間セクションは、法線が強磁性コアから離れた方を指す外側表面を持つ。ハイブリッド磁石は更に、電流がワイヤを通過するとき、磁場を生成するよう構成されるワイヤのコイルを有する。このコイルは、2つのスロット内に、かつ中間セクションの周りに配置される。ハイブリッド磁石は更に、外側表面に配置される永久磁石を有する。永久磁石の磁化は、外側表面の法線に揃えられる。この実施形態は有利である。なぜなら、永久磁石は、円筒状ローターを浮揚させるのに必要な磁場の一部を提供することができるからである。すると、電磁石は、永久磁石の磁気場を強化する又は弱めることが可能である。
【0018】
別の実施形態では、強磁性材料は、円筒状ローターの回転の間、渦電流を減らすために、軟磁複合物を有する。渦電流が、ベアリングの回転と対向する損失及び減衰力を作成するので、軟磁複合物の使用は有益である。
【0019】
別の実施形態では、強磁性材料は、渦電流ストリーム回転を減らすため、Somaloyを有する。Somaloyは、軟磁複合物の一種である。軟磁複合物を用いる利益は、既に述べた通りである。
【0020】
別の実施形態では、強磁性材料は、磁気ベアリングの回転の間の渦電流を減らすため、強磁性積層を有する。積層は、円筒状ボリュームを構築するよう、対称軸の周りの円形通路に積み重ねられる。積層の使用は、渦電流が減らされるという利益を持つ。
【0021】
別の実施形態では、対称軸が積層の各々に対して横たわる平面が存在する。積層の各々は、第1の横断軸を持つ。0から60度の間、好ましくは0.1から15度の間の第1の角度により、その第1の横断軸の周りで平面から回転されるよう、各々の積層は構成される。角度の測定は、絶対項で与えられる。第1の角度は、負又は正でありえる。この実施形態は有利である。なぜなら、半径方向の磁気アクチュエータ装置の磁場のリーディングエッジに対するわずかな角度での積層を持つことは、積層ノイズが減らされることを可能にするからである。多くの実施形態において、円筒状ローターが半径方向の平面に配置されので、半径方向の磁気アクチュエータを傾けることは容易でない。第1の角度により積層を回転させることにより、半径方向の磁気アクチュエータは、回転される必要はない。
【0022】
別の実施形態では、対称軸が横たわる平面が存在する。積層の各々は、長手方向第1の軸を持つ。ここで、0から60度の間、好ましくは0.1から15度の間の第2の角度によりその第1の長手軸の周りで平面から回転されるよう、積層の各々は構成される。角度の測定は、絶対項で与えられる。第2の角度は、負又は正でありえる。長手軸の周りでこれらの積層を回転させることは有益である。なぜなら、積層は、リフト磁気アクチュエータ装置の磁場に対するわずかな角度を持つことができるからである。積層が第1の角度により回転するとき、これは上述されたのと同じ利益を持つ。
【0023】
別の実施形態では、積層は、第1の角度及び第2の角度で回転される。この実施形態において、積層は、リフト磁気アクチュエータ装置と半径方向の磁気アクチュエータ装置との両方に対して制御された角度を持つ。
【0024】
別の実施形態では、リフトアクチュエータ装置は、少なくとも1つの第1のハイブリッド磁石を有する。第1のハイブリッド磁石は、第2の長手軸及び第2の横断軸を持ち、長手軸及び第2の横断軸の両方と交差する半径が存在する。第2の横断軸は、半径との0から60度の間、好ましくは0.1から15度の間の第3の角度を囲む。角度の測定は、絶対項で与えられる。第3の角度は、負又は正でありえる。この実施形態は有利である。なぜなら、リフト磁気アクチュエータ装置に対する強磁性積層の方向が、積層ノイズを減らすために調整されることができるからである。
【0025】
別の実施形態では、半径方向のリフト装置は、少なくとも1つの第2のハイブリッド磁石(132、542、1399)を有する。長手軸及び回転軸に対して直交する平面は、半径との0から60度の間、好ましくは0.1から15度の間の第4の角度を囲む。この実施形態は有利である。なぜなら、半径方向の磁気アクチュエータ装置に対する強磁性積層の方向が、積層ノイズを減らすために調整されることができるからである。
【0026】
別の実施形態では、リフト磁気アクチュエータ装置及び/又は半径方向の磁気アクチュエータ装置は、少なくとも1つの強磁性コアを有する。強磁性コアは、法線が回転軸の周りで円形通路のタンジェントとの鋭角を形成する2つ又はこれ以上の第2の表面を持ち、ここで、少なくとも1つの第2の表面の少なくとも1つのエッジは、積層ノイズを減らすために丸くされる。この実施形態は有利である。なぜなら、これは円筒状ローターに隣接する角を除去するからである。強磁性コアの鋭いエッジを持つことは、磁場をより滑らかにし、こうして積層ノイズを減らす。
【0027】
別の実施形態では、磁気ベアリングは更に、回転軸に対する内側半径の距離を測定する半径方向のセンサシステムを有する。磁気ベアリングは更に、第1の表面とオーバーハングとの間の距離を測定するリフトセンサを有する。磁気ベアリングは更に、リフトセンサからの信号を受信し、第1の表面とオーバーハングとの間の第1の所定の距離が維持されるよう、リフト磁気アクチュエータ装置を制御するよう構成される制御システムを有する。制御システムは更に、軸方向のセンサシステムからの信号を受信し、内側半径と回転軸との間の第2の所定の距離が維持されるよう、軸方向の磁気アクチュエータ装置を制御するよう構成される。
【0028】
別の側面において、本発明は、回転段を提供する。回転段は、本発明のある実施形態による磁気ベアリングを有する。回転段は更に、磁気ベアリングを回転させるよう構成される駆動システムを有する。回転段は、少なくとも1つのワークピースを保持するよう構成されるプラッタを有する。プラッタは、円筒状モータにより駆動される。回転段は更に、磁気ベアリングの方向の角度を決定するエンコーダを有する。この実施形態は有利である。なぜなら、斯かる回転段は、電子ビームリソグラフィに使用され、更に電子ビーム計測学装置にも用いられることができるからである。斯かる回転段は、エネルギーストレージのためのフライホイールといった安定した回転運動が必要とされる他の用途に用いられることができる。
【0029】
別の実施形態では、リフト磁気アクチュエータ装置は、重力に対して円筒状ローター及びプラッタを支持することができる少なくとも1つの永久磁石を有する。この実施形態は、磁気ベアリング単独での実施形態に関して前述されたのと同じ利益を持つ。
【0030】
別の側面において、本発明は、本発明のある実施形態による回転段を有する反射型電子ビームリソグラフィ装置を提供する。反射型電子ビームリソグラフィ装置の設計及び使用は、Petricに説明される。
【0031】
別の側面において、本発明は、磁気ベアリングにおける円筒状ローターと静的なハブとの間の距離を制御する磁気アクチュエータを提供する。磁気アクチュエータは、強磁性コアを有し、強磁性コアは、リーディング表面と、積層ノイズを減らすための1つ又は複数の丸いエッジを持つトレーリング表面とを持つ。この実施形態の利益は、以前に述べられた通りである。
【0032】
別の側面において、本発明は、強磁性体物質を有する円筒状ローターを提供する。円筒状ローターは、対称軸を持ち、強磁性材料は、円筒状ローターの回転の間の渦電流を減らす強磁性積層を有する。積層は、円筒状ボリュームを構築するよう、対称軸の周りの円形通路において積み重ねられる。対称軸が積層の各々に関して横たわる平面が存在し、積層の各々は、第1の横断軸(1182)を持つ。0から60度の間、好ましくは0.1から15度の間の第1の角度(1184)により、その第1の横断軸の周りで平面から回転するよう、積層の各々は構成される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の実施形態の機能ダイヤグラムを示す図である。
【図2】本発明による磁気ベアリングの実施形態の断面を示す図である。
【図3】本発明のある実施形態による円筒状ローターの斜視表示を示す図である。
【図4】本発明のある実施形態による円筒状ローターの部分のクローズアップした上端表示を示す図である。
【図5】本発明のある実施形態によるハイブリッド磁石のアセンブリの様子を示す図である。
【図6】本発明のある実施形態によるハイブリッド磁石を用いる利益を示すイラストを示す図である。
【図7】本発明のある実施形態によるハイブリッド磁石及び円筒状ローターの断面を示す図である。
【図8】円筒状ローターを除去した状態の、本発明のある実施形態による磁気ベアリングの透視表示を示す図である。
【図9】本発明のある実施形態による磁気ベアリングの透視表示を示す図である。
【図10】本発明のある実施形態による磁気ベアリングの断面透視表示を示す図である。
【図11】その第1の横断軸の周りでの強磁性積層の回転を示す図である。
【図12】その第1の長手軸の周りでの強磁性積層の回転を示す図である。
【図13】静的なハブにおけるハイブリッド磁石の回転を示す図である。
【図14】本発明による回転段の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の好ましい実施形態が、図面を参照して、例示に過ぎないものを用いて説明される。
【0035】
これらの図において、同様な番号の要素は、同一の要素であるか、又は同じ機能を実行する。機能が同一である場合、以前に登場した要素が後の図において必ずしも説明されるわけではない。
【0036】
図1は、本発明の実施形態の概念図を示す。回転ディスクの透視図100及び同じ回転ディスクの側面図102がある。ディスクは、回転軸106の周りで回転する。回転ディスク100、102を支持する磁気ベアリング108がある。矢印112は、半径方向の磁気アクチュエータ装置による安定化を示し、矢印110は、リフト磁気アクチュエータ装置による安定化及び上昇を示す。本発明のいくつかの実施形態は、重力に対してディスク102、100及び磁気ベアリング108を支持する。矢印104は、回転の方向を示す。
【0037】
この実施形態の鍵となる特徴は、以下の通りである。
【0038】
図1におけるディスク100、102は、電気モータで回転される。ある実施形態では、モータ(固定子)の静止した部分が、回転ディスクと共に構築されるそのローターと磁気的に相互作用する。ローター及び固定子を結合する機械的なベアリングシステムは存在しない。別の実施形態では、磁気(magnet)ベアリングを回す機械的な駆動システムが存在する。
【0039】
軸方向では、重力に対する磁気浮上が必要とされる。これらの軸方向の磁気浮上ユニット(又は、リフト磁気アクチュエータ装置)は、磁気ベアリングにおけるエアギャップを安定させるために能動的に制御される。
【0040】
半径方向では、磁気浮上ユニット(又は、半径方向の磁気アクチュエータ装置)が、回転ディスクを適所に保持する。半径方向の磁気浮上ユニットは、静的なプレロードを供給し、及び能動的に距離を制御する。ある実施形態において、静的なプレロードは、永久磁石を用いて供給される。
【0041】
図2は、本発明による磁気ベアリングの実施形態の断面側面図を示す。静的なハブ120があり、回転軸106がある。静的なハブ120から延在するオーバーハング122がある。回転軸106の周りでの回転に適合される円筒状ローター116がある。円筒状ローター116は、対称軸114を持つ。処理の間、対称軸114及び回転軸106は揃えられることができる。円筒状ローター116は、外側カラー134及び強磁性材料118を有する。強磁性材料は、リフト磁気アクチュエータ装置130と隣接する上部128を持つ。リフト磁気アクチュエータ装置130は、オーバーハング122に接続される。リフト磁気アクチュエータ装置は、重力に対して円筒状ローター116を支持することができる。リフト磁気アクチュエータ130は、第1の側面128とオーバーハング122との間の距離も制御する。これは、図において距離126により示される。内側半径124と回転軸106との間の距離を制御する半径方向の磁気アクチュエータ装置132が存在する。この距離は、図において矢印136により示される。
【0042】
図3は、円筒状ローター116の実施形態を示す。図で分かるように、このローターは、対称軸114に対して対称形である。強磁性材料118のシリンダーを囲むカラー134が存在する。本実施形態における強磁性材料118は、個別の強磁性積層338に含まれる。1つの強磁性積層の位置は、図において長方形338により示される。
【0043】
図4は、図3に示される円筒状ローターの断面側面図のクローズアップを示す。ここでも、カラー134が存在する。図4において、強磁性材料が、強磁性積層440のスタックに含まれることが分かる。
【0044】
図5は、ハイブリッド磁石542の実施形態を示す。ハイブリッド磁石542は、永久磁石544、コイル546及び強磁性コア548から構築される。強磁性コア548は、2つのスロット550を持つ。外側表面554を持つ中間セクション552が存在する。コイル546は、2つのスロット550に適合し、中間セクション552の周りに配置される。永久磁石544がその後、外側表面554に付けられる。矢印556が、外側表面554に垂直な方向を示し、ハイブリッド磁石542により生み出される磁化と同じ方向にも配置される。
【0045】
図6は、永久磁石を有するハイブリッド磁石を用いる利益を示す図を示す。この図において、円筒状ローターの電磁力への引力664が示される。ハイブリッド磁石と円筒状ローターとの間の力664は、コイルを通る電流の面積に比例し、2つの間のギャップの面積に反比例する。軸664は、力を示し、軸662は電磁石の電流を示す。力666は、円筒状ローターを持ち上げるのに必要な力である。円筒状ローターを持ち上げるため、力が必要である。しかしながら、これは、永久磁石により供給されることができる。符号668は、永久磁石により置換されることができる電流量を示す。永久磁石は、ローターを持ち上げ、電磁石は、オーバーハングに対する円筒状ローターの位置を調整するために力を増減するためだけに必要である。矢印670は、磁石の力がどのように電磁石により変化されることができるかを示す。
【0046】
図7は、動作時のハイブリッド磁石の例を示す断面図を示す。ハイブリッド磁石542及び円筒状ローター116が存在する。ハイブリッド磁石542は、以前に説明されたハイブリッド磁石及びハイブリッド磁石マウント674を有する。円筒状ローター116は、強磁性材料118を有する。永久磁石544は、強磁性材料118と隣接する。この図において、コイル546に起因する磁場線676があることが分かる。電磁石546は、永久磁石544を強化する及び弱めるものとして機能する。曲線678は、磁場線676により誘導される小さな渦電流の経路を示す。
【0047】
図8は、本発明のある実施形態による静的なハブ120の実施形態を示す。静的なハブ120は、オーバーハング122を持つ。オーバーハング122の下側に取り付けられるリフト磁気アクチュエータ装置130が存在し、静的なハブ120上でオーバーハング122の下に取り付けられる半径方向の磁気アクチュエータ装置132が存在する。
【0048】
図9は、本発明のある実施形態による磁気ベアリングのアセンブリ図面を示す。静的なハブ120があり、その上に円筒状ローター116が取り付けられる。円筒状ローターは、外側に金属134を有し、内側には強磁性材料118がある。リフト磁気アクチュエータ装置130も見える。リフト磁気アクチュエータ装置130は、オーバーハング122と円筒状ローター116の上部128との間にある。
【0049】
図8及び図9において、回転磁気浮上の考慮される態様が示される。図9に示される円筒状ローター116は、システムの回転部分に接続される。このディスクは、同様に電気モータのローターに接続されることができる。
【0050】
リフト130及び半径方向の磁気アクチュエータ装置132が、図8及び9に示される。リフト130及び半径方向の磁気アクチュエータ132は、E形状の核、(オフセットされた場又はプレロードを作成するための)永久磁石及びコイルを有する。この場合、それは、抵抗アクチュエータである。別の実施形態では、別の種類のアクチュエータが用いられることもできる。
【0051】
リフト磁気アクチュエータ装置130により生成される永久磁場は、重力に対して垂直方向に回動負荷を引きつける。コイルは、ギャップ変動を、従ってシステムの安定性を制御する。
【0052】
図8において、半径方向のアクチュエータ装置が示される。これは、永久磁石に起因する特定のプレロードを作成する。このプレロードは、半径方向のユニットのプレロードより弱くなる可能性がある。
【0053】
図10は、図9及び図10に示される磁気ベアリングの断面斜視図を示す。高速時において、高速に変化する磁場が、鋼における渦電流を誘導する。渦電流は、回転に対向する損失及び減衰力を作成する。鋼鉄回転ディスクは、半径方向及び軸方向の両方において、可変磁場に明確に露出される。この効果を除去する(最小化する)ため、鋼は、軟磁複合鉄から作られることができる。軟磁複合物の例は、Somaloyである。図10において、低損失(低電気抵抗)物質を有するべきであるディスクの部分の断面が、オレンジ色になっている。
【0054】
図11は、第1の横断軸1182の周りで回転されるとき、積層の位置がどのようになるかを示すのに使用される。図11は、円筒状ローターの対称軸114を示す。対称軸114が横たわる平面1180が存在する。平面1180が、各積層1188に対して描画されることができる。回転前の積層の位置は、点線1186によりマークされる。積層1188は、第1の横断軸1182を持つ。第1の横断軸1182も、平面1180にある。第1の横断軸1182も、対称軸114に対して垂直である。積層は、第1の角度1184で第1の横断軸1182の周りで回転される。
【0055】
図12は、その第1の長手軸1290の周りでの強磁性積層118の回転を示す。図11において、平面1180に存在する対称軸114を見ることができる。この図において、強磁性積層1288は、第2の角度1284で平面1286におけるその位置から回転される。第1の長手軸1290は、平面1180に存在し、同一方向にあるが、対称軸114と同軸ではない。これは、それが第1の横断軸1182に対しても垂直であることを意味する。積層の方向は、図10及び図11に示されるように第1の角度1184及び第2の角度1284での回転により特定されることができる。
【0056】
図13は、回転され、静的なハブ120上でスキュー角に置かれた後のハイブリッド磁石1399の方向を示す。図13は、静的なハブ120の底面図を示す。ハイブリッド磁石1399が、オーバーハング122に取り付けられて示される。回転の前の位置は、点線1398として示される。ハイブリッド磁石1399は、第2の長手軸1394及び第2の横断軸1396を持つ。これは底面図であるので、回転軸106の位置は点106として示される。垂直回転軸106から第2の長手軸1394及び第2の横断軸1396の交差点へと延在する半径が存在する。回転の後、第2の横断軸1396及び半径1392は、第3の角度1393を囲む。
【0057】
図14は、本発明による回転段1401の実施形態を示す。図13に示される回転段は、図2に以前に示された磁気ベアリングを組み込む。円筒状ローター116に取り付けられて示されるプラッタ1403が存在する。磁気ベアリングを回転させるため、モータ1407が存在する。これは、機械的な駆動システムとすることができるか、又は、それは磁気ローターとすることもできる。プラッタ1403の回転位置を正確に測定するためのエンコーダ1411が存在する。プラッタ1403の上に、2つの基板1405が示される。基板1405の例は、半導体製作に関するシリコンウエハ又はマスクである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気ベアリングの設計に関し、特に電子ビームリソグラフィ及び電子ビーム計測学のための回転段の設計に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気ベアリングは、ローターを支持するため磁力を用いるベアリングである。磁気ベアリングを用いる利点は、摩耗する機械部分が存在しない点にある。磁気ベアリングの不利な点は、ローターを浮揚させるのに電流を必要とする点にある。高速時に、磁気アクチュエータの磁場を通過するローターの異なる部分に起因するローターでの渦電流は、エネルギー減少をもたらす可能性がある。
【0003】
米国特許第6,191,513B1号は、磁気ヒステリシスによりもたらされる加熱及びレスポンス磁石の制御における遅延に起因して出力損失を生じさせる渦電流を減らすため、シリコン鋼積層の使用を開示する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ウェーハ検査デバイスにおいて及び半導体産業に関する電子ビームリソグラフィシステムにおいて、一般に線形段が用いられる。しかしながら、線形段を備えるウェーハをスキャンするのに必要な時間は、これらのシステムに関するウェーハスループットに関する制限となる。Paul Petric, Chris Bevis, Allen Carroll, Henry Percy, Marek Zywno, Keith Stanford, Alan Brodie, Boah Bareket及びLuca Grallaによる記事Journal of Vacuum Science and Technology B volume 27, pages 161 through 166(以下Petricと記載する)において、Reflective Electron Beam Lithography (REBL)システムが開示される。これは、複数のシリコンウエハに関する回転段の使用を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、独立請求項に記載の磁気ベアリング、回転段、反射型電子ビームリソグラフィ装置、磁気アクチュエータ及び円筒状ローターを提供する。本発明の実施形態は、従属項に与えられる。
【0006】
本発明の実施形態は、渦電流を減らす強磁性材料をローターに用いることにより、上述した問題を処理する。ある実施形態では、軟磁複合鉄が、円筒状ローターにおいて用いられる。別の実施形態では、シリコン鋼といった強磁性積層体が、渦電流を制限するために用いられる。
【0007】
円筒状ローターを構築するために積層を用いる不利な点は、高速時に、いわゆる積層ノイズが生み出される可能性がある点にある。積層ノイズは、積層が大きな磁場に急に露出されることに起因する。積層ノイズは、階段状の磁場変化に露出されるとき、強磁性積層により放出されるノイズとして本書では規定される。積層ノイズのよく知られている例は、いくつかの変圧器により生み出される雑音である。雑音は、ワイヤの振動によるものである。しかし、これは変圧器を構築するのに使用される強磁性プレートの振動によってももたらされる。リソグラフィ又は計測学に関する回転段における積層ノイズは、望ましくない。このノイズは、この段における小さな音響振動を引き起こす可能性があり、この振動は、リソグラフィ処理又は計測学と干渉する可能性がある。
【0008】
本発明の実施形態は、ベアリングが回転するとき、磁場が各積層にわたり一様に増加しないよう、積層の方向及び/又は磁気アクチュエータの方向を調整することにより、積層ノイズの問題を処理する。本発明の一実施形態において、アクチュエータを有し、円筒状ローターに隣接する強磁性物質の角及びエッジが、丸くされる。これは、磁場の急速な増加を防ぎ、積層ノイズも減らす。
【0009】
本発明の実施形態は、重力に対抗して円筒状ローターを支持する又は部分的に支持するための永久磁石を用いることにより、磁気ベアリングを作動するのに必要な電気エネルギーの量を減らす。
【0010】
本発明の実施形態は、回転軸を持つ磁気ベアリングを提供する。磁気ベアリングは、強磁性材料を備える円筒状ローターを有する。円筒状ローターは、対称軸を持ち、円筒状ローターは、内側半径を持つ。円筒状ローターは、上部を持つ。磁気ベアリングが回転軸を持つので、この磁気ベアリングは重力場において機能する点を理解されたい。磁気ベアリングは更に、静的なハブを有する。静的なハブは、この静的なハブから突出し、上部に隣接して配置されるオーバーハングを持つ。円筒状ローターの上部は、重力場により規定される上面にある。磁気ベアリングは更に、第1の表面とオーバーハングとの間の距離を制御するリフト磁気アクチュエータ装置を有する。リフト磁気アクチュエータは、永久磁石、電磁石又は電気及び永久磁石の組合せを有することができる。磁気ベアリングは更に、内側半径と回転軸との間の距離を制御する半径方向の磁気アクチュエータ装置を有する。半径方向の磁気アクチュエータ装置も、永久磁石、電磁石又は電磁石及び永久磁石の組合せを有することができる。
【0011】
この構成は有利である。なぜなら、磁気ベアリングは、静的なハブに吊り下げることが可能である円筒状ローターを持つからである。円筒状ローターは、強磁性材料を有し、任意の磁石を含まない。いくつかの実施形態では、リフト磁気アクチュエータは、重力に対抗して円筒状ローターを支持することが可能であり、このリフトは、それが揺れるのを防止することにより円筒状ローターの回転を安定させる。
【0012】
リフト磁気アクチュエータは、第1の表面とオーバーハングとの間の距離を制御し、回転軸と対称軸とを同じ方向に揃える。半径方向の磁気アクチュエータ装置は、それらが同軸にあるよう対称軸及び回転軸を揃える。この実施形態によれば、回転軸及び対称軸は、わずかにそれることができる。回転軸が水平である場合、円筒状ローターを持ち上げるために、半径方向の磁気アクチュエータが使用されることができる。
【0013】
円筒状ローターは、ジャイロスコープのように振る舞う。円筒状ローターと、ローターに接続され、ローターと共に回転する任意の構造との質量は、回転慣性のモーメントを持つ。小さな振動又は摂動がある場合、回転慣性は、円筒状ローターにおける運動量を減らす傾向を持つ。これは、ベアリングが、電子ビームリソグラフィ又は電子ビーム計測学といった用途において、安定した段を提供するのに非常に有益であることを意味する。
【0014】
別の実施形態では、リフト磁気アクチュエータ装置は、重力に対抗して円筒状ローターを支持することができる少なくとも1つの永久磁石を有する。この実施形態は有利である。なぜなら、少なくとも1つの永久磁石が、円筒状ローターを支持するので、その結果、ローターを支持するために電磁石に必要な出力がより少ないからである。これは、磁気ベアリングを作動するのに必要な電気出力を減らす。
【0015】
別の実施形態では、回転軸は、垂直回転軸である。垂直回転軸は、重力と揃えられる。
【0016】
別の実施形態では、回転軸は、水平回転軸である。
【0017】
別の実施形態では、半径方向の磁気アクチュエータ装置及び/又はリフト磁気アクチュエータ装置は、少なくとも1つのハイブリッド磁石を有する。ハイブリッド磁石は、強磁性コアを有する。強磁性コアは、コア内部で断面がE形状であるようカットされる2つのスロットを持つ。2つのスロットの間には中間セクションが存在し、この中間セクションは、法線が強磁性コアから離れた方を指す外側表面を持つ。ハイブリッド磁石は更に、電流がワイヤを通過するとき、磁場を生成するよう構成されるワイヤのコイルを有する。このコイルは、2つのスロット内に、かつ中間セクションの周りに配置される。ハイブリッド磁石は更に、外側表面に配置される永久磁石を有する。永久磁石の磁化は、外側表面の法線に揃えられる。この実施形態は有利である。なぜなら、永久磁石は、円筒状ローターを浮揚させるのに必要な磁場の一部を提供することができるからである。すると、電磁石は、永久磁石の磁気場を強化する又は弱めることが可能である。
【0018】
別の実施形態では、強磁性材料は、円筒状ローターの回転の間、渦電流を減らすために、軟磁複合物を有する。渦電流が、ベアリングの回転と対向する損失及び減衰力を作成するので、軟磁複合物の使用は有益である。
【0019】
別の実施形態では、強磁性材料は、渦電流ストリーム回転を減らすため、Somaloyを有する。Somaloyは、軟磁複合物の一種である。軟磁複合物を用いる利益は、既に述べた通りである。
【0020】
別の実施形態では、強磁性材料は、磁気ベアリングの回転の間の渦電流を減らすため、強磁性積層を有する。積層は、円筒状ボリュームを構築するよう、対称軸の周りの円形通路に積み重ねられる。積層の使用は、渦電流が減らされるという利益を持つ。
【0021】
別の実施形態では、対称軸が積層の各々に対して横たわる平面が存在する。積層の各々は、第1の横断軸を持つ。0から60度の間、好ましくは0.1から15度の間の第1の角度により、その第1の横断軸の周りで平面から回転されるよう、各々の積層は構成される。角度の測定は、絶対項で与えられる。第1の角度は、負又は正でありえる。この実施形態は有利である。なぜなら、半径方向の磁気アクチュエータ装置の磁場のリーディングエッジに対するわずかな角度での積層を持つことは、積層ノイズが減らされることを可能にするからである。多くの実施形態において、円筒状ローターが半径方向の平面に配置されので、半径方向の磁気アクチュエータを傾けることは容易でない。第1の角度により積層を回転させることにより、半径方向の磁気アクチュエータは、回転される必要はない。
【0022】
別の実施形態では、対称軸が横たわる平面が存在する。積層の各々は、長手方向第1の軸を持つ。ここで、0から60度の間、好ましくは0.1から15度の間の第2の角度によりその第1の長手軸の周りで平面から回転されるよう、積層の各々は構成される。角度の測定は、絶対項で与えられる。第2の角度は、負又は正でありえる。長手軸の周りでこれらの積層を回転させることは有益である。なぜなら、積層は、リフト磁気アクチュエータ装置の磁場に対するわずかな角度を持つことができるからである。積層が第1の角度により回転するとき、これは上述されたのと同じ利益を持つ。
【0023】
別の実施形態では、積層は、第1の角度及び第2の角度で回転される。この実施形態において、積層は、リフト磁気アクチュエータ装置と半径方向の磁気アクチュエータ装置との両方に対して制御された角度を持つ。
【0024】
別の実施形態では、リフトアクチュエータ装置は、少なくとも1つの第1のハイブリッド磁石を有する。第1のハイブリッド磁石は、第2の長手軸及び第2の横断軸を持ち、長手軸及び第2の横断軸の両方と交差する半径が存在する。第2の横断軸は、半径との0から60度の間、好ましくは0.1から15度の間の第3の角度を囲む。角度の測定は、絶対項で与えられる。第3の角度は、負又は正でありえる。この実施形態は有利である。なぜなら、リフト磁気アクチュエータ装置に対する強磁性積層の方向が、積層ノイズを減らすために調整されることができるからである。
【0025】
別の実施形態では、半径方向のリフト装置は、少なくとも1つの第2のハイブリッド磁石(132、542、1399)を有する。長手軸及び回転軸に対して直交する平面は、半径との0から60度の間、好ましくは0.1から15度の間の第4の角度を囲む。この実施形態は有利である。なぜなら、半径方向の磁気アクチュエータ装置に対する強磁性積層の方向が、積層ノイズを減らすために調整されることができるからである。
【0026】
別の実施形態では、リフト磁気アクチュエータ装置及び/又は半径方向の磁気アクチュエータ装置は、少なくとも1つの強磁性コアを有する。強磁性コアは、法線が回転軸の周りで円形通路のタンジェントとの鋭角を形成する2つ又はこれ以上の第2の表面を持ち、ここで、少なくとも1つの第2の表面の少なくとも1つのエッジは、積層ノイズを減らすために丸くされる。この実施形態は有利である。なぜなら、これは円筒状ローターに隣接する角を除去するからである。強磁性コアの鋭いエッジを持つことは、磁場をより滑らかにし、こうして積層ノイズを減らす。
【0027】
別の実施形態では、磁気ベアリングは更に、回転軸に対する内側半径の距離を測定する半径方向のセンサシステムを有する。磁気ベアリングは更に、第1の表面とオーバーハングとの間の距離を測定するリフトセンサを有する。磁気ベアリングは更に、リフトセンサからの信号を受信し、第1の表面とオーバーハングとの間の第1の所定の距離が維持されるよう、リフト磁気アクチュエータ装置を制御するよう構成される制御システムを有する。制御システムは更に、軸方向のセンサシステムからの信号を受信し、内側半径と回転軸との間の第2の所定の距離が維持されるよう、軸方向の磁気アクチュエータ装置を制御するよう構成される。
【0028】
別の側面において、本発明は、回転段を提供する。回転段は、本発明のある実施形態による磁気ベアリングを有する。回転段は更に、磁気ベアリングを回転させるよう構成される駆動システムを有する。回転段は、少なくとも1つのワークピースを保持するよう構成されるプラッタを有する。プラッタは、円筒状モータにより駆動される。回転段は更に、磁気ベアリングの方向の角度を決定するエンコーダを有する。この実施形態は有利である。なぜなら、斯かる回転段は、電子ビームリソグラフィに使用され、更に電子ビーム計測学装置にも用いられることができるからである。斯かる回転段は、エネルギーストレージのためのフライホイールといった安定した回転運動が必要とされる他の用途に用いられることができる。
【0029】
別の実施形態では、リフト磁気アクチュエータ装置は、重力に対して円筒状ローター及びプラッタを支持することができる少なくとも1つの永久磁石を有する。この実施形態は、磁気ベアリング単独での実施形態に関して前述されたのと同じ利益を持つ。
【0030】
別の側面において、本発明は、本発明のある実施形態による回転段を有する反射型電子ビームリソグラフィ装置を提供する。反射型電子ビームリソグラフィ装置の設計及び使用は、Petricに説明される。
【0031】
別の側面において、本発明は、磁気ベアリングにおける円筒状ローターと静的なハブとの間の距離を制御する磁気アクチュエータを提供する。磁気アクチュエータは、強磁性コアを有し、強磁性コアは、リーディング表面と、積層ノイズを減らすための1つ又は複数の丸いエッジを持つトレーリング表面とを持つ。この実施形態の利益は、以前に述べられた通りである。
【0032】
別の側面において、本発明は、強磁性体物質を有する円筒状ローターを提供する。円筒状ローターは、対称軸を持ち、強磁性材料は、円筒状ローターの回転の間の渦電流を減らす強磁性積層を有する。積層は、円筒状ボリュームを構築するよう、対称軸の周りの円形通路において積み重ねられる。対称軸が積層の各々に関して横たわる平面が存在し、積層の各々は、第1の横断軸(1182)を持つ。0から60度の間、好ましくは0.1から15度の間の第1の角度(1184)により、その第1の横断軸の周りで平面から回転するよう、積層の各々は構成される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の実施形態の機能ダイヤグラムを示す図である。
【図2】本発明による磁気ベアリングの実施形態の断面を示す図である。
【図3】本発明のある実施形態による円筒状ローターの斜視表示を示す図である。
【図4】本発明のある実施形態による円筒状ローターの部分のクローズアップした上端表示を示す図である。
【図5】本発明のある実施形態によるハイブリッド磁石のアセンブリの様子を示す図である。
【図6】本発明のある実施形態によるハイブリッド磁石を用いる利益を示すイラストを示す図である。
【図7】本発明のある実施形態によるハイブリッド磁石及び円筒状ローターの断面を示す図である。
【図8】円筒状ローターを除去した状態の、本発明のある実施形態による磁気ベアリングの透視表示を示す図である。
【図9】本発明のある実施形態による磁気ベアリングの透視表示を示す図である。
【図10】本発明のある実施形態による磁気ベアリングの断面透視表示を示す図である。
【図11】その第1の横断軸の周りでの強磁性積層の回転を示す図である。
【図12】その第1の長手軸の周りでの強磁性積層の回転を示す図である。
【図13】静的なハブにおけるハイブリッド磁石の回転を示す図である。
【図14】本発明による回転段の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の好ましい実施形態が、図面を参照して、例示に過ぎないものを用いて説明される。
【0035】
これらの図において、同様な番号の要素は、同一の要素であるか、又は同じ機能を実行する。機能が同一である場合、以前に登場した要素が後の図において必ずしも説明されるわけではない。
【0036】
図1は、本発明の実施形態の概念図を示す。回転ディスクの透視図100及び同じ回転ディスクの側面図102がある。ディスクは、回転軸106の周りで回転する。回転ディスク100、102を支持する磁気ベアリング108がある。矢印112は、半径方向の磁気アクチュエータ装置による安定化を示し、矢印110は、リフト磁気アクチュエータ装置による安定化及び上昇を示す。本発明のいくつかの実施形態は、重力に対してディスク102、100及び磁気ベアリング108を支持する。矢印104は、回転の方向を示す。
【0037】
この実施形態の鍵となる特徴は、以下の通りである。
【0038】
図1におけるディスク100、102は、電気モータで回転される。ある実施形態では、モータ(固定子)の静止した部分が、回転ディスクと共に構築されるそのローターと磁気的に相互作用する。ローター及び固定子を結合する機械的なベアリングシステムは存在しない。別の実施形態では、磁気(magnet)ベアリングを回す機械的な駆動システムが存在する。
【0039】
軸方向では、重力に対する磁気浮上が必要とされる。これらの軸方向の磁気浮上ユニット(又は、リフト磁気アクチュエータ装置)は、磁気ベアリングにおけるエアギャップを安定させるために能動的に制御される。
【0040】
半径方向では、磁気浮上ユニット(又は、半径方向の磁気アクチュエータ装置)が、回転ディスクを適所に保持する。半径方向の磁気浮上ユニットは、静的なプレロードを供給し、及び能動的に距離を制御する。ある実施形態において、静的なプレロードは、永久磁石を用いて供給される。
【0041】
図2は、本発明による磁気ベアリングの実施形態の断面側面図を示す。静的なハブ120があり、回転軸106がある。静的なハブ120から延在するオーバーハング122がある。回転軸106の周りでの回転に適合される円筒状ローター116がある。円筒状ローター116は、対称軸114を持つ。処理の間、対称軸114及び回転軸106は揃えられることができる。円筒状ローター116は、外側カラー134及び強磁性材料118を有する。強磁性材料は、リフト磁気アクチュエータ装置130と隣接する上部128を持つ。リフト磁気アクチュエータ装置130は、オーバーハング122に接続される。リフト磁気アクチュエータ装置は、重力に対して円筒状ローター116を支持することができる。リフト磁気アクチュエータ130は、第1の側面128とオーバーハング122との間の距離も制御する。これは、図において距離126により示される。内側半径124と回転軸106との間の距離を制御する半径方向の磁気アクチュエータ装置132が存在する。この距離は、図において矢印136により示される。
【0042】
図3は、円筒状ローター116の実施形態を示す。図で分かるように、このローターは、対称軸114に対して対称形である。強磁性材料118のシリンダーを囲むカラー134が存在する。本実施形態における強磁性材料118は、個別の強磁性積層338に含まれる。1つの強磁性積層の位置は、図において長方形338により示される。
【0043】
図4は、図3に示される円筒状ローターの断面側面図のクローズアップを示す。ここでも、カラー134が存在する。図4において、強磁性材料が、強磁性積層440のスタックに含まれることが分かる。
【0044】
図5は、ハイブリッド磁石542の実施形態を示す。ハイブリッド磁石542は、永久磁石544、コイル546及び強磁性コア548から構築される。強磁性コア548は、2つのスロット550を持つ。外側表面554を持つ中間セクション552が存在する。コイル546は、2つのスロット550に適合し、中間セクション552の周りに配置される。永久磁石544がその後、外側表面554に付けられる。矢印556が、外側表面554に垂直な方向を示し、ハイブリッド磁石542により生み出される磁化と同じ方向にも配置される。
【0045】
図6は、永久磁石を有するハイブリッド磁石を用いる利益を示す図を示す。この図において、円筒状ローターの電磁力への引力664が示される。ハイブリッド磁石と円筒状ローターとの間の力664は、コイルを通る電流の面積に比例し、2つの間のギャップの面積に反比例する。軸664は、力を示し、軸662は電磁石の電流を示す。力666は、円筒状ローターを持ち上げるのに必要な力である。円筒状ローターを持ち上げるため、力が必要である。しかしながら、これは、永久磁石により供給されることができる。符号668は、永久磁石により置換されることができる電流量を示す。永久磁石は、ローターを持ち上げ、電磁石は、オーバーハングに対する円筒状ローターの位置を調整するために力を増減するためだけに必要である。矢印670は、磁石の力がどのように電磁石により変化されることができるかを示す。
【0046】
図7は、動作時のハイブリッド磁石の例を示す断面図を示す。ハイブリッド磁石542及び円筒状ローター116が存在する。ハイブリッド磁石542は、以前に説明されたハイブリッド磁石及びハイブリッド磁石マウント674を有する。円筒状ローター116は、強磁性材料118を有する。永久磁石544は、強磁性材料118と隣接する。この図において、コイル546に起因する磁場線676があることが分かる。電磁石546は、永久磁石544を強化する及び弱めるものとして機能する。曲線678は、磁場線676により誘導される小さな渦電流の経路を示す。
【0047】
図8は、本発明のある実施形態による静的なハブ120の実施形態を示す。静的なハブ120は、オーバーハング122を持つ。オーバーハング122の下側に取り付けられるリフト磁気アクチュエータ装置130が存在し、静的なハブ120上でオーバーハング122の下に取り付けられる半径方向の磁気アクチュエータ装置132が存在する。
【0048】
図9は、本発明のある実施形態による磁気ベアリングのアセンブリ図面を示す。静的なハブ120があり、その上に円筒状ローター116が取り付けられる。円筒状ローターは、外側に金属134を有し、内側には強磁性材料118がある。リフト磁気アクチュエータ装置130も見える。リフト磁気アクチュエータ装置130は、オーバーハング122と円筒状ローター116の上部128との間にある。
【0049】
図8及び図9において、回転磁気浮上の考慮される態様が示される。図9に示される円筒状ローター116は、システムの回転部分に接続される。このディスクは、同様に電気モータのローターに接続されることができる。
【0050】
リフト130及び半径方向の磁気アクチュエータ装置132が、図8及び9に示される。リフト130及び半径方向の磁気アクチュエータ132は、E形状の核、(オフセットされた場又はプレロードを作成するための)永久磁石及びコイルを有する。この場合、それは、抵抗アクチュエータである。別の実施形態では、別の種類のアクチュエータが用いられることもできる。
【0051】
リフト磁気アクチュエータ装置130により生成される永久磁場は、重力に対して垂直方向に回動負荷を引きつける。コイルは、ギャップ変動を、従ってシステムの安定性を制御する。
【0052】
図8において、半径方向のアクチュエータ装置が示される。これは、永久磁石に起因する特定のプレロードを作成する。このプレロードは、半径方向のユニットのプレロードより弱くなる可能性がある。
【0053】
図10は、図9及び図10に示される磁気ベアリングの断面斜視図を示す。高速時において、高速に変化する磁場が、鋼における渦電流を誘導する。渦電流は、回転に対向する損失及び減衰力を作成する。鋼鉄回転ディスクは、半径方向及び軸方向の両方において、可変磁場に明確に露出される。この効果を除去する(最小化する)ため、鋼は、軟磁複合鉄から作られることができる。軟磁複合物の例は、Somaloyである。図10において、低損失(低電気抵抗)物質を有するべきであるディスクの部分の断面が、オレンジ色になっている。
【0054】
図11は、第1の横断軸1182の周りで回転されるとき、積層の位置がどのようになるかを示すのに使用される。図11は、円筒状ローターの対称軸114を示す。対称軸114が横たわる平面1180が存在する。平面1180が、各積層1188に対して描画されることができる。回転前の積層の位置は、点線1186によりマークされる。積層1188は、第1の横断軸1182を持つ。第1の横断軸1182も、平面1180にある。第1の横断軸1182も、対称軸114に対して垂直である。積層は、第1の角度1184で第1の横断軸1182の周りで回転される。
【0055】
図12は、その第1の長手軸1290の周りでの強磁性積層118の回転を示す。図11において、平面1180に存在する対称軸114を見ることができる。この図において、強磁性積層1288は、第2の角度1284で平面1286におけるその位置から回転される。第1の長手軸1290は、平面1180に存在し、同一方向にあるが、対称軸114と同軸ではない。これは、それが第1の横断軸1182に対しても垂直であることを意味する。積層の方向は、図10及び図11に示されるように第1の角度1184及び第2の角度1284での回転により特定されることができる。
【0056】
図13は、回転され、静的なハブ120上でスキュー角に置かれた後のハイブリッド磁石1399の方向を示す。図13は、静的なハブ120の底面図を示す。ハイブリッド磁石1399が、オーバーハング122に取り付けられて示される。回転の前の位置は、点線1398として示される。ハイブリッド磁石1399は、第2の長手軸1394及び第2の横断軸1396を持つ。これは底面図であるので、回転軸106の位置は点106として示される。垂直回転軸106から第2の長手軸1394及び第2の横断軸1396の交差点へと延在する半径が存在する。回転の後、第2の横断軸1396及び半径1392は、第3の角度1393を囲む。
【0057】
図14は、本発明による回転段1401の実施形態を示す。図13に示される回転段は、図2に以前に示された磁気ベアリングを組み込む。円筒状ローター116に取り付けられて示されるプラッタ1403が存在する。磁気ベアリングを回転させるため、モータ1407が存在する。これは、機械的な駆動システムとすることができるか、又は、それは磁気ローターとすることもできる。プラッタ1403の回転位置を正確に測定するためのエンコーダ1411が存在する。プラッタ1403の上に、2つの基板1405が示される。基板1405の例は、半導体製作に関するシリコンウエハ又はマスクである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸を持つ磁気ベアリングであって、
強磁性材料を有する円筒状ローターであって、前記円筒状ローターが、対称軸を持ち、
前記円筒状ローターは、内側半径を持ち、前記円筒状ローターが、前記対称軸に対して直交する平面にある上部を持つ、円筒状ローターと、
静的なハブであって、前記静的なハブが、該静的なハブから突出し、前記上部に隣接して配置されるオーバーハングを持つ、静的なハブと、
前記上部と前記オーバーハングとの間の距離を制御するリフト磁気アクチュエータ装置と、
前記内側半径と前記回転軸との間の距離を制御する半径方向の磁気アクチュエータ装置とを有し、
前記リフト磁気アクチュエータ装置が、前記重力に対して前記円筒状ローターを支持することができる少なくとも1つの永久磁石を有し、前記半径方向の磁気アクチュエータ装置及び/又は前記リフト磁気アクチュエータ装置は、少なくとも1つのハイブリッド磁石を有し、
前記ハイブリッド磁石が、
強磁性コアであって、該強磁性コアが、断面がE型となるようカットされる2つのスロットを持ち、前記2つのスロットの間に中間のセクションがあり、前記中間のセクションが、外側表面を持ち、前記外側表面の法線が、前記強磁性コアから離れる方を指す、強磁性コアと、
電流がワイヤを通過するとき、磁場を生成するよう構成される前記ワイヤのコイルであって、前記コイルが、前記2つのスロット内で前記中間のセクションの周りに配置される、ワイヤのコイルと、
前記外側表面に配置される永久磁石であって、前記磁化が、前記外側表面の法線と揃えられる、永久磁石とを有する、磁気ベアリング。
【請求項2】
前記強磁性材料が、前記円筒状ローターの回転の間、渦電流を減らすため、軟磁複合物及びSomaloyのいずれかを有する、請求項1に記載の磁気ベアリング。
【請求項3】
前記強磁性材料が、前記円筒状ローターの回転の間、渦電流を減らすための強磁性積層を有し、前記積層は、円筒状ボリュームを構築するため、前記対称軸の周りの円形通路において積み重ねられる、請求項1又は2に記載の磁気ベアリング。
【請求項4】
前記対称軸が前記積層の各々に対して横たわる平面が存在し、前記積層の各々は、第1の横断軸を持ち、0から60度の間、好ましくは0.1から15度の間の第1の角度により、前記第1の横断軸の周りで前記平面から回転されるよう、前記積層の各々が構成される、請求項3に記載の磁気ベアリング。
【請求項5】
前記対称軸が前記積層の各々に対して存在する平面があり、
前記積層の各々は、第1の長手軸を持ち、
0から60度の間、好ましくは0.1から15度の間の第2の角度により、前記第1の長手軸の周りで前記平面から回転されるよう、前記積層の各々が構成される、請求項3又は4に記載の磁気ベアリング。
【請求項6】
前記リフトアクチュエータ装置が、少なくとも1つの第1のハイブリッド磁石を有し、前記第1のハイブリッド磁石は、第2の長手軸及び第2の横断軸を持ち、前記第2の長手軸及び前記第2の横断軸と交差する第1の半径があり、前記第2の横断軸及び前記半径は、前記半径との0から60度の間、好ましくは0.1から15度の間の第3の角度を囲み、及び/又は、前記半径方向のリフト装置が、少なくとも1つの第2のハイブリッド磁石を有し、前記長手軸及び前記回転軸に直交する平面は、前記半径との0から60度の間、好ましくは0.1から15度の間の第4の角度を囲む、請求項3、4又は5に記載の磁気ベアリング。
【請求項7】
前記リフト磁気アクチュエータ装置及び/又は半径方向の磁気アクチュエータ装置が、少なくとも1つの強磁性コアを有し、前記強磁性コアは、2つ又はこれ以上の第2の表面を持ち、該第2の平面の法線が、前記回転軸の周りの円形通路のタンジェントとの鋭角を形成し、少なくとも1つの第2の表面の少なくとも1つのエッジは、積層ノイズを減らすため丸くされる、請求項3乃至6の何れか一項に記載の磁気ベアリング。
【請求項8】
前記磁気ベアリングが更に、前記回転軸に対する前記内側半径の距離を測定する半径方向のセンサシステムを有し、前記磁気ベアリングは更に、前記上部と前記オーバーハングとの間の距離を測定するリフトセンサシステムを有し、前記磁気ベアリングが更に、前記リフトセンサシステムからの信号を受信し、前記上部と前記オーバーハングとの間の第1の所定の距離が維持される態様で、前記リフト磁気アクチュエータ装置を制御するよう構成される制御システムを有し、前記制御システムは更に、前記半径方向のセンサシステムからの信号を受信し、前記内側半径と前記回転軸との間の第2の所定の距離が維持される態様で、前記半径方向の磁気アクチュエータ装置を制御するよう構成される、請求項1乃至7の何れか一項に記載の磁気ベアリング。
【請求項9】
回転段であって、
請求項1乃至8のいずれか一項に記載の磁気ベアリングと、
前記磁気ベアリングを回転させるよう構成される駆動システムと、
少なくとも1つのワークピースを保持するよう構成されるプラッタであって、前記プラッタが、前記円筒状ローターにより支持される、プラッタと、
前記磁気ベアリングの角方向を決定するエンコーダとを有する、回転段。
【請求項10】
前記リフト磁気アクチュエータ装置が、重力に対して前記円筒状ローター及び前記プラッタを支持することができる少なくとも1つの永久磁石を有する、請求項9に記載の回転段。
【請求項11】
請求項9又は10に記載の回転段を有する反射型電子ビームリソグラフィ装置であって、前記ワークピースが基板である、反射型電子ビームリソグラフィ装置。
【請求項1】
回転軸を持つ磁気ベアリングであって、
強磁性材料を有する円筒状ローターであって、前記円筒状ローターが、対称軸を持ち、
前記円筒状ローターは、内側半径を持ち、前記円筒状ローターが、前記対称軸に対して直交する平面にある上部を持つ、円筒状ローターと、
静的なハブであって、前記静的なハブが、該静的なハブから突出し、前記上部に隣接して配置されるオーバーハングを持つ、静的なハブと、
前記上部と前記オーバーハングとの間の距離を制御するリフト磁気アクチュエータ装置と、
前記内側半径と前記回転軸との間の距離を制御する半径方向の磁気アクチュエータ装置とを有し、
前記リフト磁気アクチュエータ装置が、前記重力に対して前記円筒状ローターを支持することができる少なくとも1つの永久磁石を有し、前記半径方向の磁気アクチュエータ装置及び/又は前記リフト磁気アクチュエータ装置は、少なくとも1つのハイブリッド磁石を有し、
前記ハイブリッド磁石が、
強磁性コアであって、該強磁性コアが、断面がE型となるようカットされる2つのスロットを持ち、前記2つのスロットの間に中間のセクションがあり、前記中間のセクションが、外側表面を持ち、前記外側表面の法線が、前記強磁性コアから離れる方を指す、強磁性コアと、
電流がワイヤを通過するとき、磁場を生成するよう構成される前記ワイヤのコイルであって、前記コイルが、前記2つのスロット内で前記中間のセクションの周りに配置される、ワイヤのコイルと、
前記外側表面に配置される永久磁石であって、前記磁化が、前記外側表面の法線と揃えられる、永久磁石とを有する、磁気ベアリング。
【請求項2】
前記強磁性材料が、前記円筒状ローターの回転の間、渦電流を減らすため、軟磁複合物及びSomaloyのいずれかを有する、請求項1に記載の磁気ベアリング。
【請求項3】
前記強磁性材料が、前記円筒状ローターの回転の間、渦電流を減らすための強磁性積層を有し、前記積層は、円筒状ボリュームを構築するため、前記対称軸の周りの円形通路において積み重ねられる、請求項1又は2に記載の磁気ベアリング。
【請求項4】
前記対称軸が前記積層の各々に対して横たわる平面が存在し、前記積層の各々は、第1の横断軸を持ち、0から60度の間、好ましくは0.1から15度の間の第1の角度により、前記第1の横断軸の周りで前記平面から回転されるよう、前記積層の各々が構成される、請求項3に記載の磁気ベアリング。
【請求項5】
前記対称軸が前記積層の各々に対して存在する平面があり、
前記積層の各々は、第1の長手軸を持ち、
0から60度の間、好ましくは0.1から15度の間の第2の角度により、前記第1の長手軸の周りで前記平面から回転されるよう、前記積層の各々が構成される、請求項3又は4に記載の磁気ベアリング。
【請求項6】
前記リフトアクチュエータ装置が、少なくとも1つの第1のハイブリッド磁石を有し、前記第1のハイブリッド磁石は、第2の長手軸及び第2の横断軸を持ち、前記第2の長手軸及び前記第2の横断軸と交差する第1の半径があり、前記第2の横断軸及び前記半径は、前記半径との0から60度の間、好ましくは0.1から15度の間の第3の角度を囲み、及び/又は、前記半径方向のリフト装置が、少なくとも1つの第2のハイブリッド磁石を有し、前記長手軸及び前記回転軸に直交する平面は、前記半径との0から60度の間、好ましくは0.1から15度の間の第4の角度を囲む、請求項3、4又は5に記載の磁気ベアリング。
【請求項7】
前記リフト磁気アクチュエータ装置及び/又は半径方向の磁気アクチュエータ装置が、少なくとも1つの強磁性コアを有し、前記強磁性コアは、2つ又はこれ以上の第2の表面を持ち、該第2の平面の法線が、前記回転軸の周りの円形通路のタンジェントとの鋭角を形成し、少なくとも1つの第2の表面の少なくとも1つのエッジは、積層ノイズを減らすため丸くされる、請求項3乃至6の何れか一項に記載の磁気ベアリング。
【請求項8】
前記磁気ベアリングが更に、前記回転軸に対する前記内側半径の距離を測定する半径方向のセンサシステムを有し、前記磁気ベアリングは更に、前記上部と前記オーバーハングとの間の距離を測定するリフトセンサシステムを有し、前記磁気ベアリングが更に、前記リフトセンサシステムからの信号を受信し、前記上部と前記オーバーハングとの間の第1の所定の距離が維持される態様で、前記リフト磁気アクチュエータ装置を制御するよう構成される制御システムを有し、前記制御システムは更に、前記半径方向のセンサシステムからの信号を受信し、前記内側半径と前記回転軸との間の第2の所定の距離が維持される態様で、前記半径方向の磁気アクチュエータ装置を制御するよう構成される、請求項1乃至7の何れか一項に記載の磁気ベアリング。
【請求項9】
回転段であって、
請求項1乃至8のいずれか一項に記載の磁気ベアリングと、
前記磁気ベアリングを回転させるよう構成される駆動システムと、
少なくとも1つのワークピースを保持するよう構成されるプラッタであって、前記プラッタが、前記円筒状ローターにより支持される、プラッタと、
前記磁気ベアリングの角方向を決定するエンコーダとを有する、回転段。
【請求項10】
前記リフト磁気アクチュエータ装置が、重力に対して前記円筒状ローター及び前記プラッタを支持することができる少なくとも1つの永久磁石を有する、請求項9に記載の回転段。
【請求項11】
請求項9又は10に記載の回転段を有する反射型電子ビームリソグラフィ装置であって、前記ワークピースが基板である、反射型電子ビームリソグラフィ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公表番号】特表2012−524879(P2012−524879A)
【公表日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−506610(P2012−506610)
【出願日】平成22年4月14日(2010.4.14)
【国際出願番号】PCT/IB2010/051598
【国際公開番号】WO2010/122450
【国際公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月14日(2010.4.14)
【国際出願番号】PCT/IB2010/051598
【国際公開番号】WO2010/122450
【国際公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】
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