説明

磁気共鳴造影法用のターゲティングナノ粒子

幾つかの実施形態では、本発明は磁気共鳴造影法(MRI)のための新規なターゲティング造影剤に関する。本発明はまた、かかるターゲティングMRI造影剤の製造方法、及びかかるMRI造影剤の使用方法にも関する。通例、かかるターゲティングMRI造影剤は、向上した緩和性、改善された信号雑音比、ターゲティング能、及び凝集抵抗性を提供する。かかるMRI造影剤の製造方法は通例より良好な粒径制御をもたらし、かかるMRI造影剤の使用方法は通例向上した血液クリアランス速度及び体内分布をもたらす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広義には画像診断用のナノ粒子に関し、具体的には磁気共鳴造影法で造影剤として使用するためのターゲティング部分で官能化ナノ粒子に関する。
【背景技術】
【0002】
画像診断法及び造影剤は体内の臓器、組織及び病気の検査に使用される。イメージング技術の一例とし磁気共鳴(MR)があり、これは強い磁場と無線信号を使用して身体内部の組織及び臓器の精巧な垂直、断面及び三次元画像を作出する技術である。潜在的に有害な放射線(X線)を使用する従来のX線撮影及びコンピューター断層撮影(CT)法とは異なり、磁気共鳴造影法(MRI)は原子の磁気的性質に基づいている。MRIは、脳、内臓、腺、血管及び関節のような水を含む組織及び臓器の画像を得るのに最も効果的である。集束した電磁波パルスが対象の組織内の磁気によって整列した水素原子に入射されると、それらの水素原子はプロトン緩和の結果として信号を返す。様々な身体組織からの信号の僅かな差により、MRIで、臓器を識別し、良性と悪性の組織を潜在的に対照させることができる。MRIは腫瘍、出血、動脈瘤、損傷、閉塞、感染、関節損傷などを検出するのに有用である。
【0003】
造影剤はそれが占める組織の緩和時間を変化させる。MRI用の造影剤は通例、造影剤と水のプロトンとの磁気モーメント間の時間依存性の磁気双極子相互作用に起因して近距離の水のプロトンの緩和時間を増す磁性材料である。プロトンの緩和時間を短縮する効率は、緩和性(relaxivity)(R1=1/T1、R2=1/T2)として定義される。MRI造影剤は、それが占める組織を輝かせる陽性剤(T1剤)であるか、又は組織をより暗く見えるようにする陰性剤(T2剤)である。インビボ診断の場合、MRIでは良好な解像特性(およそ2mm)が得られるが、他のイメージング技術と比較したとき感度が悪い。造影剤を投与すると、造影感度が大幅に改良される。Gd−DTPA(例えば、MAGNEVIST(登録商標))のような常磁性ガドリニウム(Gd)種(T1剤)がMRIで造影剤として臨床的に使用されている。
【0004】
超常磁性酸化鉄ナノ粒子(SPIO)は医学においてMRI造影剤として評価されている。これらの製品の幾つか、例えばFeridex IV(登録商標)及びLumirem(登録商標)は、肝臓及び脾臓の画像診断用に臨床用途で使用される造影剤として市販されている。超常磁性剤はそのおよそ1000倍高い磁気モーメントに起因して常磁性剤で磁化することができ、このため、より高い緩和性が得られる(Andre E.Merbach及びEva Toth(Eds.)、The Chemistry of Contrast Agents in Medicinal Magnetic Resonance Imaging、Wiley、New York、2001、p.38、ISBN 0471607789)。超常磁性酸化鉄結晶性構造は、一般式[Fe3+[Fe3+(M2+O)]1−xを有する。式中、1≧x≧0であり、M2+は鉄、マンガン、ニッケル、コバルト、マグネシウム、銅又はこれらの組合せのような二価金属イオンでよい。金属イオン(M2+)が第一鉄イオン(Fe2+)で、x=0の場合、SPIO剤はマグネタイト(Fe)であり、x=1の場合、SPIO剤はマグヘマイト(γ−Fe)である。超常磁性は、不対スピンの結晶含有領域が、磁区といわれる熱力学的に独立した単一のドメイン粒子とみなすことができる程度に十分に大きいときに生じる。かかる磁区は、その個々の不対電子の和より大きい正味の磁気双極子である。磁場が印加されていないときは、すべての磁区がランダムに配向されていて正味の磁化はない。外部磁場はすべての磁区の双極子モーメントを再配向させ、その結果正味の磁気モーメントが生じる。T1、T2及びT2緩和プロセスはSPIOにより短縮される。室温及び1.5テスラの磁場で、R2緩和性は40〜60mM−1−1の範囲であり、R1緩和性は10〜20mM−1−1の範囲である。緩和性は、R2が4mM−1−1で、R1が3mM−1−1であるGd−DTPAのような常磁性剤より実質的に大きい。SPIOの緩和性は、粒径、組成物、コーティング化学、表面電荷及び粒子安定性のような様々な要因に依存する。緩和性の比R2/R1は、一般に、SPIOで生じたコントラストの型を定量化するのに使用される。R2/R1値が10未満のとき、SPIOのT1(陽性)効果はT1加重配列を使用して強調することができる。R2/R1値が10より大きいときはT2効果が優勢であり、この剤はT2/T2剤である。最近、SPIO標識細胞を可視化するために陽性コントラスト技術が使用されている(Mag.Res.Medicine 2005:53:999−1005、C.H.Cunningham et al)。このように、SPIO剤は、陽性又は陰性剤としてのその使用において多大な多用性を提供する。
【0005】
造影剤の特異性は、対象の部位における信号雑音比を高め、造影法による機能性情報を提供するための望ましい性質である。造影剤の通常の体内分布は粒度、電荷、表面化学及び投与経路に依存する。造影剤は健常組織又は損傷部位に集中し、正常組織と損傷とのコントラストを増大するし得る。コントラストを増大するためには、その剤を対象の部位に集中させ、緩和性を増大する必要がある。加えて、健常細胞に対して病気の細胞による剤の摂取を増大することも望ましい。
【0006】
殆どの造影剤は、肝臓又は腎臓のいずれかによって分泌されることに起因して幾らか臓器特異的である。ガドリニウムキレートを受容体指向剤として用いた初期の研究では、大きく低下した緩和のために高レベルの造影剤が必要であった(Eur.Radiol.2001.11:2319−2331、Y.−X.J.Wang、S.M.Hussain、G.P.Krestin)。ガドリニウムキレートと比較して、マグネタイト粒子は約2〜3オーダー大きい磁化率を有している(Eur.Radiol.2001.11:2319−2331、Y.−X.J.Wang、S.M.Hussain、G.P.Krestin)。従って、酸化鉄造影剤は、ガドリニウムキレートより低い用量でそれより強い信号を提供する可能性がある。酸化鉄剤のより高い感度は、所与の組織内で結合するのに利用可能な標的の数が限られていることに起因して追加の利点を提供する。
【0007】
マグネトデンドリマー、マグネトリポソーム及び(デキストラン、ポリビニルアルコールなどの)ポリマー被覆ナノ粒子(これらは有機コーティング内に埋め込まれた結晶性超常磁性酸化鉄ナノ粒子から構成されている)のような様々な磁気ナノ粒子がある。これらのナノ粒子は磁選、細胞追跡及び造影法用に広く評価されている。幾つかは目下、肝臓及び脾臓造影法、腸管コントラスト並びにMR血管造影法のような臨床用途が試験されている。これらの剤の水力直径(D)は一般に約20〜約400nmの範囲であり、これらの剤の殆どは細網内皮系(RES)の摂取により急速に血液から消失する。これらは主として、RES系を構成する臓器、具体的には肝臓の造影剤である。その他の臓器を撮像するためには一般により小さい粒径が必要である。
【0008】
商業的造影剤(D=80〜150nm)、及び第3相試験(D=20〜80nm)にあるものの殆どはデキストラン又はデキストラン誘導体系のものであり、比較的小さい粒度の粒子が使用されている。しかし、デキストランコーティングは、粒子合成のアルカリ性条件で不安定であるとされており、従ってそれらの化学組成には疑問がある。その上、デキストランに誘発されるアナフィラキシー反応は潜在的な問題を呈する(R.Weissleder、米国特許第5492814号)。
【0009】
従来、酸化鉄ナノ粒子はデキストランのような水溶性有機分子の存在下でアルカリ性水溶液から合成・沈殿させられており、かかるナノ粒子は一般に有機コーティングを有している。かかる方法で得られたナノ粒子は広い粒度分布の超常磁性酸化鉄を有する傾向があり、その結果、被覆粒子も広い粒度分布を示す。加えて、この方法ではコーティングの程度を殆ど制御できないので、単一の剤内に複数の酸化鉄ナノ粒子を含有する粒子が得られる。所望の粒径を得るには、複数の精製及び粒度分離段階を含めて広範な製造技術が必要である。粒径、並びに有機コーティングの組成は、ナノ粒子の薬物動態学に直接影響するので非常に重要である。酸化鉄の粒度は超常磁性及び剤の緩和性に直接関連する。従って、広い粒度分布は一般に平均的な感度になる。
【0010】
従来の方法を用いて得られたナノ粒子はまた低レベルの結晶化度を有しており、これは造影剤の感度に大きく影響する。さらに、ナノ粒子はその高い界面エネルギーに起因して凝集する傾向があり、これは合成及び精製段階中に直面する大きな問題である。かかる凝集は粒子の粒度を増大させ、急速な血液クリアランスをもたらすと共にターゲティング効率を低下させ、また緩和性の低下を生じ得る。粒度、血液循環時間及び有機コーティングはいろいろな点でターゲティング効率に影響する。大きい粒子を使用する場合、粒子がRESを活性化するのに十分な大きさになる前はほんの僅かな標的リガンドが結合し得るのみであり、殆ど即時に血液からクリアランスされると共にその剤は意図した標的に達することができない。小さめの粒径は、バイオマーカーとリガンドの認識が起こる部位でずっと「粘着性」である可能性がある。コーティングが球状である場合、一般にリガンド結合を意図した反応性部位が妨害されるので、結合効率が低下する。加えて、一旦結合したら、リガンドは球状コーティングの内部に存在し得、バイオマーカーへの容易な接近が妨げられる。
【0011】
現在の造影剤及び様式は主として解剖学的情報を提供する。しかし、根底にある疾病状態は、表面的な身体症状が現れるずっと前に病気を広める生化学的プロセスである。病気の早期段階で生化学的経路を撮像できるか、又はその経路の特異的マーカー(バイオマーカー又は生理学的変化)があれば、機能性情報が得られるであろう。これは「ターゲティング分子造影法」ということができる。例えば、アテローム性動脈硬化の場合、プラーク形成のずっと前に、一連の化学的事象に起因して脂肪の縞又は病変が形成される。さらにまた、これに適応するために、身体は、脈管構造壁の外径を増大させて、蓄積するプラークを覆い隠すようにする。プラークが検出可能になるのは、臨界のサイズに達し、その結果血流が遮断されるか、又はそれが破裂したときである(これは血栓(血餅)形成を招き、急性心筋梗塞又は死に至ることもある)。
【0012】
決定的な化学的バイオマーカーの増大した存在を検出することにより特異的な疾病状態の早期の存在に関する生化学的情報を提供することができる特定の分子マーカーに対してターゲティングされる造影剤が必要とされている。病気の早期の診断及び治療に対する医学的必要性に対処するために、活動性の炎症の部位を標的とすることができ、病変の生理学的痕跡に応答することができる分子造影剤が必要である。造影剤の分子造影法及びターゲティング送達における主要な開発上の必要性の1つはバイオマーカーの同定である。しかし、造影剤は、低い感度、低い信号雑音比、大きい粒径、急速な血液クリアランス、リガンド結合の低い効率及びバイオマーカーの標的に対するリガンドの接近可能性のような、ターゲティング効率を制限する固有の問題を有している。
【0013】
造影剤のターゲティング送達の以前の例では、架橋デキストラン被覆酸化鉄ナノ粒子を用い、その後抗体又はペプチドを添加した(Kelly、K.A.、Allport、J.R.、Tsourkas、A.、Shinde−Patil、V.R.、Josephson、L.、及びWeissleder、R.(2005)Circ Res 96、327−336; Wunderbaldinger、P.、Josephson、L.、及びWeissleder、R.(2002)Bioconjug Chem 13、264−268)。分子の結合及び対象の部位への剤の送達は達成されたが、この剤は、生体結合(bioconjugation)の際に非常に大きくなり(>65nm)、非常に低い血中半減期(<50分)を示し、ヒトにおける効力に対して劇的な影響を及ぼす可能性があった。別の一例には、単分散の9nm酸化鉄コアを2,3−ジメルカプトコハク酸(DMSA)でイオン性官能化し、マレイミド官能化Her2−特異的抗体をDMSA−ナノ粒子に結合するものがある(Huh、Y.M.、Jun、Y.W.、Song、H.T.、Kim、S.、Choi、J.S.、Lee、J.H.、Yoon、S.、Kim、K.S.、Shin、J.S.、Suh、J.S.、及びCheon、J.(2005)J Am Chem Soc 127、12387−12391; Jun、Y.W.、Huh、Y.M.、Choi、J.S.、Lee、J.H.、Song、H.T.、Kim、S.、Yoon、S.、Kim、K.S.、Shin、J.S.、Suh、J.S.、and Cheon、J.(2005)J Am Chem Soc 127、5732−5733)。得られた非共有結合的に生体結合したナノ粒子は、水和直径が28nmであり、インビボで癌細胞に対するターゲティングを示した。この技術の主要な制限は、これらの剤の測定Msat値が4〜6nmのコアナノ粒子の場合43〜60emu/gであることである。これらの比較的低いMsat値は、これらの粒子が対象の病気部位に局在化するときこれらの粒子の画像処理に対する深刻な暗示となるであろう。その上、DMSA−ナノ粒子相互作用はイオン性であって、共有結合性ではなく、注射後ターゲティング分子がナノ粒子と結合したままでいる能力を低下させ得る。要約すると、10nm未満の直径のコアを有する極めて高い磁気(>60emu/g)の単分散ナノ粒子にターゲティング分子を共有結合的に結合させる新規な方策を同定することは重要な価値があるであろう。
【特許文献1】米国特許第5492814号
【非特許文献1】Andre E.Merbach及びEva Toth(Eds.)、The Chemistry of Contrast Agents in Medicinal Magnetic Resonance Imaging、Wiley、New York、2001、p.38、ISBN 0471607789
【非特許文献2】Mag.Res.Medicine 2005:53:999−1005、C.H.Cunningham et al
【非特許文献3】Eur.Radiol.2001.11:2319−2331、Y.−X.J.Wang、S.M.Hussain、G.P.Krestin
【非特許文献4】Kelly、K.A.、Allport、J.R.、Tsourkas、A.、Shinde−Patil、V.R.、Josephson、L.、及びWeissleder、R.(2005)Circ Res 96、327−336
【非特許文献5】Wunderbaldinger、P.、Josephson、L.、及びWeissleder、R.(2002)Bioconjug Chem 13、264−268
【非特許文献6】Huh、Y.M.、Jun、Y.W.、Song、H.T.、Kim、S.、Choi、J.S.、Lee、J.H.、Yoon、S.、Kim、K.S.、Shin、J.S.、Suh、J.S.、及びCheon、J.(2005)J Am Chem Soc 127、12387−12391
【非特許文献7】Jun、Y.W.、Huh、Y.M.、Choi、J.S.、Lee、J.H.、Song、H.T.、Kim、S.、Yoon、S.、Kim、K.S.、Shin、J.S.、Suh、J.S.、and Cheon、J.(2005)J Am Chem Soc 127、5732−5733
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
MRI検査により、検出限界を向上させ、解像度を上昇させ、全身画像を提供し、分子レベルの情報を取得し、早期段階で病気を検出し、生理学的情報を取得することに対する非常に大きなニーズが存在している。かかる挑戦には、造影剤の感度、選択性、血液循環時間の改良が必要であり、またバイオマーカーと標的リガンドの特徴付けも必要とされる。
【0015】
以上の結果、ナノ粒子により、向上した緩和性、信号雑音比及びターゲティング性能と共に凝集抵抗性が得られ、また粒径、血液クリアランス速度及び体内分布を制御する能力が得られる方法及び/又は組成物があれば極めて有用であろう。
【課題を解決するための手段】
【0016】
幾つかの実施形態では、本発明は、磁気共鳴造影法(MRI)用の新規なターゲティング造影剤に関する。本発明はまた、かかるターゲティングMRI造影剤の製造方法、及びかかるMRI造影剤の使用方法にも関する。通例、かかるターゲティングMRI造影剤により、向上した緩和性、改善された信号雑音比、ターゲティング能、及び凝集抵抗性が得られる。かかるMRI造影剤の製造方法では通例より良好な粒径制御が、またかかるMRI造影剤の使用方法では通例向上した血液クリアランス速度及び体内分布が得られる。
【0017】
幾つかの実施形態では、本発明は、(a)無機系磁性コアと、(b)上記無機系磁性コアの周囲に配置されて該磁性コアと結合した有機系非磁性コーティングであって、磁性コアと非磁性コーティングが全体としてコア/シェルナノ粒子を与える、有機系非磁性コーティングと、(c)上記コア/シェルナノ粒子と結合したターゲティング種であって、コア/シェルナノ粒子とターゲティング種とが全体としてターゲティングMRI造影剤を与える、ターゲティング種とを含んでなるターゲティングMRI造影剤に関する。
【0018】
幾つかの実施形態では、本発明は、上記のようなターゲティングMRI造影剤の製造方法に関し、この方法は、a)ナノ粒子のコアを合成し、b)ナノ粒子のシェルを、ナノ粒子のコアが当該シェルで実質的に被覆されるように合成し、c)ナノ粒子のシェルにターゲティング分子を結合させる段階を含む。
【0019】
幾つかの実施形態では、本発明は、上記ターゲティング造影剤をMRIのようなイメージング技術で使用する方法に関する。かかる使用は、インビトロにおける細胞への送達及び/又はインビボにおける哺乳類の被検体への送達を含むことができる。
【0020】
以上は、以下の発明の詳細な説明がより良く理解できるように、本発明の特徴をやや広く概要したものである。特許請求の範囲の主題を構成する本発明の追加の特徴と利点は以下に記載する。
【0021】
本発明及びその利点のより完全な理解のために、添付の図面と併せて以下の記載を参照する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
幾つかの実施形態では、本発明は、磁気共鳴造影法(MRI)用の新規なターゲティング造影剤に関する。本発明はまた、かかるターゲティングMRI造影剤の製造方法、及びかかるMRI造影剤の使用方法にも関する。通例、かかるターゲティングMRI造影剤は、向上した緩和性、改善された信号雑音比、ターゲティング能、及び凝集抵抗性を提供する。かかるMRI造影剤の製造方法は通例より良好な粒径制御を提供し、かかるMRI造影剤の使用方法は通例向上した血液クリアランス速度及び体内分布をもたらす。
【0023】
1.ターゲティングコア/シェルナノ粒子系MRI造影剤
一般に、本明細書に記載するターゲティングMRI造影剤はコア/シェルナノ粒子に基づく。従って、幾つかの実施形態では、本発明は、(a)無機系磁性コアと、(b)上記無機系磁性コアの周囲に配置されて該磁性コアと結合した有機系非磁性コーティングであって、磁性コアと非磁性コーティングが全体としてコア/シェルナノ粒子を与える、有機系非磁性コーティングと、(c)上記コア/シェルナノ粒子と結合したターゲティング種であって、コア/シェルナノ粒子とターゲティング種とが全体としてターゲティングMRI造影剤を与える、ターゲティング種とを含んでなるターゲティングMRI造影剤に関する。
【0024】
ターゲティングMRI剤に関する幾つかの実施形態では、上記無機系磁性コアは、遷移金属、合金、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属ホウ化物、及びこれらの組合せからなる群から選択される物質を含む。幾つかのかかる実施形態では、無機系磁性コアは超常磁性材料を含む。幾つかのかかる実施形態では、無機系磁性コアは酸化鉄を含む。かかる無機系物質を構成する物質は特に限定されるものではないが、かかる磁性コアは一般に造影剤として使用したときにMRIを高めるのに適切な物質を含んでいなくてはならない。かかる 無機系磁性コアは一般にナノ粒子であり、一般に約100nm未満、通例約50nm未満、より典型的には約30nm未満の直径である。本明細書で使用する場合、用語「無機系」とは、主として炭化水素ではない物質をいう。一般に、ポリマー性物質は除外される。
【0025】
ターゲティングMRI剤に関する幾つかの実施形態では、上記有機系非磁性コーティングはポリマーコーティングを含む。幾つかのかかる実施形態では、ポリマーコーティングはシラン変性ポリエチレンイミン(PEI)を含む。ターゲティングMRI剤に関する幾つかの又はその他の実施形態では、上記有機系非磁性コーティングは非ポリマーコーティングを含む。幾つかのかかる後者の実施形態では、非ポリマーコーティングはアミノプロピルシランである。一般に、これらのコーティングは、直接に又はリンカー種を介してターゲティング種の結合が可能であるという点で機能性である。本明細書で使用する場合、用語「有機系」は、炭化水素系化学種を記載するために使用されているが、かかる炭化水素は置換されてさらに1種以上の機能性部分(例えば、ハロゲン、アミノ基、シラン基など)を含むことができることに留意されたい。幾つかの実施形態では、かかる有機系非磁性コーティングは、複数のリガンド結合が可能であるか、及び/又は得られるコア/シェルナノ粒子の直径が無機系磁性コアの直径を大きく超えて増大することがないように選択される。幾つかの又はその他の実施形態では、有機系非磁性コーティングによって、ナノ粒子コアの安定性が得られ、また治療剤の組み込みが可能になる。
【0026】
上に記載したように、ターゲティングMRI造影剤はコア/シェルナノ粒子を含んでいる。図1を参照すると、コア101とシェル102を含む理想的なコア/シェルナノ粒子100が描かれている。かかるコア/シェルナノ粒子は通例約100nm未満の総直径を有する。当業者には了解されるように、かかる球状形態は理想的なものであり、かかるコア/シェルナノ粒子は一般に不規則な形状である。幾つかのかかる実施形態では、かかるコア/シェルナノ粒子は単分散である。さらに、幾つかの実施形態では、シェルは複数のサブシェルを含み、すなわち多層シェルからなることが分かる。代表的なかかるコア/シェルナノ粒子はBonitatebusらの米国特許第6797380号及びBonitatebusらの米国特許出願第10/208945号に記載されている。
【0027】
上に記載したように、ターゲティングMRI造影剤は、コア/シェルナノ粒子に加えて、さらにターゲティング種を含んでおり、このターゲティング種はコア/シェルナノ粒子に結合している。通例、かかる結合は共有結合であり(もっとも、非共有結合性結合も許容できる)、かかるターゲティングMRI造影剤の代表的な実施形態が図2に描かれている。ここで、図2を参照すると、かかるターゲティングMRI造影剤200は、図1に描かれているコア/シェルナノ粒子100と、リンカー種202を介してコア/シェルナノ粒子100のシェル102に結合したターゲティング種201とを含む。
【0028】
一般に、ターゲティング種は、MRI造影剤を特異的臓器又は病気の部位に向かわせるリガンドその他の部分である。幾つかの実施形態では、ターゲティング分子はペプチドである。適切なペプチドとしては、限定されることはないが、AEPVYQYELDSYLRSYY(配列番号1)、AEFFKLGPNGYVYLHSA(配列番号2)、AELDLSTFYDIQYLLRT(配列番号3)、AESTYHHLSLGYMYTLN(配列番号4)、及びこれらの組合せがある。幾つかの又はその他の実施形態では、ターゲティング分子は、タンパク質、オリゴヌクレオチド、小さい有機分子、ペプチド核酸、及びこれらの組合せからなる群から選択される。
【0029】
幾つかの実施形態では、ターゲティング種は1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド炭化水素(EDC)のようなリンカー種を介してコア/シェルナノ粒子に結合している。リンカーは、第1の部分を介してターゲティング種をナノ粒子に結合するいかなる連結部分であることもできる。リンカーは炭素1個のように短いものでも、又はポリエチレングリコール、ポリリジン若しくはその他かかる剤の薬物動態学及び体内分布特性を調節するために製薬産業で通常使用されるポリマー性種のような長いポリマー性種のものであることもできる。様々な長さのその他のリンカーとしては、酸素、イオウ、窒素、及びリンから選択される1種以上のヘテロ原子を有し、場合によりハロゲン原子で置換されていてもよいC−C250の長さのものがある。特定の実施形態では、リンカーは、天然又は合成のモノマーで構成されるオリゴマー性又はポリマー性種、薬理学的に許容可能なオリゴマー又はポリマー組成物から選択されるオリゴマー性又はポリマー性部分、オリゴ−若しくはポリ−アミノ酸、ペプチド、糖、ヌクレオチド、並びに1〜250個の炭素原子を有する有機部分の個別又はこれらの組合せの1種以上を含む。1〜250個の炭素原子を有する有機部分は酸素、イオウ、窒素、及びリンのような1種以上のヘテロ原子を含有していてもよいし、場合によりハロゲン原子により1以上の位置で置換されていてもよい。
【0030】
第1の部分は、リンカー上の反応性種とナノ粒子上の反応性基との反応により形成されるリンカーの伸長部であり得る。反応性種及び反応性基の例としては、限定されることはないが、活性化エステル(例えば、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、ペンタフルオロフェニルエステル)、カルボジイミド、ホスホルアミダイト、イソシアネート、イソチオシアネート、アルデヒド、酸塩化物、塩化スルホニル、マレイミド、ハロゲン化アルキル、アミン、ホスフィン、ホスフェート、アルコール、カルボン酸、又はチオールがある。但し、これらの反応性種と反応性基は、共有結合したコンジュゲートを生成する反応をするように適合していなければならない。
【0031】
2.コア/シェルナノ粒子系ターゲティングMRI造影剤の製造方法
幾つかの実施形態では、上記ターゲティングMRI造影剤の製造方法は、図3に描かれているように、a)ナノ粒子のコアを合成する段階301と、b)ナノ粒子のコアが実質的にシェルで被覆されるようにナノ粒子のシェルを合成する段階302と、c)ターゲティング分子をナノ粒子のシェルに結合させる段階303とを含む。
【0032】
幾つかの実施形態では、無機系磁性コアは改善された結晶化度により改善された磁化を有する。この改善された結晶化度は主にコアの製造法の関数である。コアの粒度の制御は、例えば、金属酸化物コアの粒度と粒度分布の制御により、また既知の長さの予め形成されたポリマーを用いることによるシェルの厚さの制御により、達成される。磁性金属酸化物コアは、例えば、安定化用界面活性剤シェルのオリゴマー化/重合及びポリマー鎖と安定化用界面活性剤シェルの共有結合によって安定化し凝集を防止することができる。かかるコーティング化学によって、特定の部位及び目的のための粒子の設計において極性、電荷、応答性及び柔軟性を制御することが可能になる。
【0033】
3.コア/シェルナノ粒子系ターゲティングMRI造影剤の使用方法
幾つかの実施形態では、本発明は、上記ターゲティングMRI造影剤の使用方法に関する。幾つかのかかる実施形態では、造影剤をインビトロで細胞へ送達し、かかる造影剤の細胞への送達をモニターすることができる。幾つかのかかる実施形態では、造影剤をインビボで被検体へ送達し、かかる造影剤の被検体への送達は同様にモニターすることができる。幾つかのかかる後者の実施形態では、造影剤の送達のモニターは限定されることはないがMRI、光学イメージング(例えば、光干渉断層撮影)、コンピューター断層撮影、陽電子放射断層撮影及びこれらの組合せを始めとするイメージング技術によって行われる。
【0034】
ターゲティングMRI造影剤は、かかる造影剤を標的部位に集中させるために生体認識(bio-recognition)プロセスを利用し、従って信号をその標的部位で増幅し、その領域の画像を増強するすることによって、受容体を指向させることができる。幾つかの実施形態では、これにより、診断分子造影又は治療の目的で、ウロキナーゼ受容体(uPAR)又はその他の病気バイオマーカーのアップレギュレーションに関連する病気の部位に新規なMRI造影剤を特異的にターゲティングさせることが可能である。病気のバイオマーカーとしては、限定されることはないが、ペプチド、タンパク質、小さい分子及び核酸がある。uPARに特異的なペプチド(すなわち、ターゲティング種)とコア/シェルナノ粒子の結合によって、uPARのアップレギュレーションの領域により特徴付けられる病気の部位にMRI造影剤をターゲティングすることが可能になる。uPARに特異的なナノ粒子が結合したペプチドはまた、uPA:uPARのビトロネクチン又はインテグリンへの結合を阻害することもできる。具体的には、ペプチドTYHHLSLGYMYTLN(配列番号4)はuPARと結合することができ、インテグリンの結合を阻害することができる(米国特許第6794358号)。ペプチドAEPVYQYELDSYLRSYY(配列番号1)、AEFFKLGPNGYVYLHSA(配列番号2)、AELDLSTFYDIQYLLRT(配列番号3)は、uPARと結合することができ、ビトロネクチンの結合を阻害することができる(米国特許第6794358号)。さらに、ウロキナーゼ−型プラスミノーゲン活性化剤及びウロキナーゼ−型プラスミノーゲン活性化剤受容体はプラスミノーゲンをプラスミンに変換するが、これは局在化した細胞表面タンパク質分解活性を担う(Ellisら、J.Biol.Chem.、264:2185−2188(1989))。これは正常及び腫瘍細胞の移行中に起こる。
【0035】
MRI造影剤は、限定されることはないが癌並びに慢性関節リウマチ(RA)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)及び多発性硬化症(MS)のような炎症性疾患を始めとする幾つかの病気の診断のための造影法によって摂取をモニターするすることができる。
【0036】
本明細書に記載したターゲティングMRI造影剤の製造方法は、非凝集構造、非凝集結晶、粒子当たりの均一で向上した磁気的性質、より長い血中半減期及び細網内皮系(RES)の一部ではない臓器及び組織の造影法のための小さい開口を介する接近、血液プール剤又は部位特異的造影剤として使用される選択肢、水拡散のためのより大きい有効容積並びに信号強度及びコントラストを高める水分子の超常磁性酸化物(SPMO)コアに対するより近い近接性、向上したターゲティング能及び病気の早期段階の検出の任意の組合せを含むコア/シェルナノ粒子系ターゲティングMRI造影剤を提供する。
【実施例】
【0037】
以下の実施例は本発明の特定の実施形態を実証するために挙げるものである。当業者には分かるように、以下の実施例に開示する方法は単に本発明の代表的な実施形態を示すだけである。しかし、当業者には、本開示に照らして、本発明の思想と範囲から逸脱することなく、記載された特定の実施形態で多くの変更をなすことができ、それでも類似又は同様の結果を得ることができることが了解されるであろう。
【0038】
実施例1
本実施例では、SPIOナノ粒子の合成と特徴付け及びPEI−シラン被覆SPIOナノ粒子の調製を例証する。
【0039】
5nmのSPIOナノ粒子の合成
25mLの3ツ首Schlenkフラスコに、130mmのVigreuxカラムの上部に重ねた凝縮器と、熱電対を取り付けた。凝縮器に窒素導入口を取り付け、この系を通して窒素を流した。SchlenkフラスコとVigreuxカラムはグラスウールで断熱した。トリメチルアミン−N−オキシド(Aldrich、0.570g、7.6mmol)とオレイン酸(Aldrich:99+%、0.565g、2.0mmol)を10mLのジオクチルエーテル(Aldrich:99%)に分散させた。この分散液を約20℃/分の速度で80℃に加熱した。混合物がおよそ80℃に達したところで、265μLのFe(CO)(Aldrich:99.999%、2.0mmol)を、Schlenkジョイントを通して撹拌溶液中に急速に注入した。溶液は即座に黒くなり、白い「雲」が激しく生成した。この溶液をおよそ120〜140℃まで急速に加熱した。6〜8分以内に反応ポットを100℃まで冷却し、75分間維持すると共に撹拌した。およそ100℃で75分間撹拌した後、温度を約20℃/minの速度でおよそ280℃まで上昇させた。この溶液を75分間撹拌した後、加熱マントとグラスウールを除去し、反応液を室温に戻した。室温になったところで、動的光散乱(DLS)を用いた粒度測定、透過型電子顕微鏡法(TEM)を用いた画像解析、及びエネルギー分散型X線解析(EDX)を用いた元素分析のために、標本を取り出し、トルエン中に溶解させた。
【0040】
振動試料マグネトメーター解析及び元素分析用の試料を調製するために、ほぼ5〜10mLの粗製反応溶液を20mLのイソプロパノールに加え、この溶液を10分間3000rpmで遠心分離した。上清をデカントし、追加の20mLのイソプロパノールを加え、再度遠心分離により沈殿を集めた。沈殿した酸化鉄ナノ粒子を一晩風乾して、黒い磁性粉末を得た。
【0041】
飽和磁化
沈殿したSPIOナノ粒子の飽和磁化(Msat)を、振動試料マグネトメーター(VSM)を用いて測定した。磁性粉末に対して元素分析を行ってFeの濃度を決定し、各試料についてMsatをemu/gFe単位で計算した。バルクのγ−Fe及びFeに対するMsatはそれぞれおよそ104emu/gFe及びおよそ127emu/gFeであることが知られている。幾つかの反応ではMsat値が100emu/gFeより低いSPIO剤が生成したが、開示されたSPIO剤のMsat値は通例約100〜約120emu/gFeの範囲である(表1)。
【0042】
【表1】

PEI−シラン被覆SPIOナノ粒子の調製
テトラヒドロフラン中に3.25mgFe/mLの5nmSPIO(4.0mL、13mgFe、0.232mmol)を含有するバイアルに、テトラヒドロフラン(10mL)、続いてイソプロピルアルコール(2.0mL)中の50%PEIシランを加え、得られた曇った溶液を2時間超音波処理した。次に、イソプロパノール(4.0mL)を加え、溶液を追加の16時間超音波処理した。次いで、濃縮NHOH(1.0mL、14.8mmol)を加え、溶液を室温で4時間撹拌した。次に、この溶液をHO(10mL)で希釈し、ヘキサン(3×10mL)及びetoleic acid(3×10mL)で抽出した。水性層中に残留するあらゆる有機物を真空中で除去した。得られた均質な水溶液を200nm、次いで100nmのシリンジフィルターに通した。次いで、この溶液をHO(全容積10mL)で希釈し、100kDaのMWカットオフフィルターを用いて精製した(2680×g、およそ3mLの溶液が残るまで)。遠心ろ過プロセスは合計6時間行った。必要に応じ濃HClを用いて溶液の最終pHを約7.4〜約7.7に調節した。
【0043】
実施例2
この実施例では、PEI被覆シロキサンコア/シェルナノ粒子へのペプチドの結合を例証する。ポリエチレンイミン被覆シロキサンコア/シェルナノ粒子を、EDCを利用してN−アセチル化ペプチドに結合する。反応は、図4の合成式に示されているように、0.1MのMES中、pH4.5〜5で行う。ポリエチレンイミン(PEI)被覆コア/シェルナノ粒子はN−アセチル化ペプチドとカップリングさせるのに利用可能な多数の第二アミンを有しており、結合の量は図5に示されているように生物学的標的に対して最大の結合効率が達成されるように制御する。
【0044】
実施例3
この実施例は細胞摂取研究の例証である。NHSエステル−Cypher5E色素をPEI被覆ナノ粒子に共有結合させた。これらのアミン結合色素は、食細胞中へのこれらのナノ粒子の摂取を示し、(ペプチドなどに対するカップリング化学と同様な)NHSエステル化学を用いる結合に対するPEIコーティングの遊離アミンの有用性を実証する。ペプチドは、診断用の対象のバイオマーカーを発現する非食細胞の疾病特異的細胞における摂取の場合と同様に、これらの粒子と結合することができる。図6は、本発明の幾つかの実施形態に従って、PEI被覆ナノ粒子に共有結合させたNHSエステル−Cypher5E色素を含んでおり、Cell Tracker Green色素で染色した食細胞に送達されたMRI造影剤の顕微鏡写真である。
【0045】
ペプチド官能化カチオン性ナノ粒子はまた、治療又は診断目的で疾病特異的部位にオリゴヌクレオチドを送達することもできよう。
【0046】
実施例4
この実施例はuPARを標的とするペプチドの設計と合成を例証する。uPARと結合するペプチドは、uPARと結合するタンパク質のペプチド断片又はPhage Displayのようなコンビナトリアルライブラリーを始めとする様々な供給源に由来し得る。この結合はまた潜在的にuPARの活性を阻害し得、そのため阻害剤でもあり得る。かかるペプチドの一例はインテグリン断片AEPVYQYELDSYLRSYY−NH2(国際公開第97/35969号)である。標準的なペプチド化学のように、上記配列は、固相ペプチド合成を用い、N−末端に標識を組み込んで合成することができる。この標識は上記配列中のアラニンAに結合することができよう。
【0047】
標準的な固相技術を用い、25μmoleスケールで2,4−ジメトキシベンズヒドリルアミン樹脂(Rink Amide AM)を使用して、Nα−Fmoc保護アミノ酸でペプチドを合成した(Fmoc=フルオレニルメトキシカルボニル)。ペプチドはRainin/Protein Technology Symphony固相ペプチド合成機(Woburn、MA)を用いて合成した。あらゆる化学の前に、樹脂を塩化メチレン中で1時間膨潤させ、その後DMF(ジメチルホルムアミド)を用いて半時間以上にわたって交換した。各カップリング反応は5当量のアミノ酸を用いてDMF中室温で行った。反応時間は通例45分であったが、カップリングさせるのが難しいと予想された残基(例えば、IPP配列中のイソロイシンIとプロリンPのカップリング)については1時間の反応時間とした。使用したカップリング試薬は、HBTU(O−ベンゾトリアゾリル−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート)と、塩基としてのNMM(N−メチルモルホリン)であった。各段階で、カップリング剤を推定樹脂受容能に対して5当量のスケールで供給し、反応は2.5mLのDMF中0.4MのNMM溶液中で行った。反応はアミノ酸の側鎖に影響しなかったが、反応性基が存在する場合アミノ酸は通例酸不安定性基で保護した。一般に、チロシン、スレオニン及びセレンの側鎖は対応するtert−ブチルエーテルとして保護した。グルタミン酸の側鎖は対応するtert−ブチルエステルとして保護した。リジン及びオルニチンの側鎖はBoc保護した。グルタミンの側鎖はγ−トリフェニルメチル誘導体として保護し、アルギニンの側鎖は2,2,5,7,8−ペンタメチル−クロマン−6−スルホニル誘導体として保護した。
【0048】
各カップリング反応の後、N−末端のFmoc保護アミンを、DMF20%ピペリジンを用いて室温でほぼ15分ずつ二回脱保護した。最後の残基の添加後、樹脂がまだペプチド合成機内にあるうちにDMF及び塩化メチレンで十分濯いだ。
【0049】
5(6)−カルボキシフルオレセインのようなフルオレセイン色素をペプチドのN−末端にカップリングさせるために、色素、HBTU及びNMMをアミノ酸と同様にして樹脂に加えた。反応後、樹脂をDMF及び塩化メチレンで十分に洗浄し、窒素流下で乾燥した。ペプチドリガンドの場合は、蛍光色素をアミノ酸配列KKGG(K=リジン、G=グリシン)を介してペプチドのN−末端に結合した。これによって、柔軟性に加えて可溶性が得られた。抗体標的生成に使用したペプチドの場合、フルオレセインをカルボキシビオチンに換えた。
【0050】
ペプチドを樹脂から開裂するための、1mLのTFA、2.5%のTSP(トリイソプロピルシラン)及び2.5%の水からなる混合液を使用した。樹脂と混合液を室温でほぼ3〜4時間撹拌した。グラスウールを用いて樹脂ビーズをろ過し、続いて2〜3mLのTFAで濯いだ。ペプチドを40mLの氷冷エーテルで沈殿させ、沈殿が遠心管の底でペレットを形成するまで3000〜4000rpmで遠心分離した。エーテルをデカントし、ペレットを冷エーテル(40mL)中に再懸濁し、再度遠心分離した。このプロセスを二〜三回繰り返した。最終洗浄中、10mLの精製水(例えば、MilliporeのAnalyzer Feed Systemで生成したもの)を30mLの冷エーテルに加え、混合物を再度遠心分離した。エーテルをデカントした。粗製ペプチドを含有する水性層を凍結乾燥用の丸底フラスコに移した。ペプチド合成の粗収率は通常ほぼ90%であった。未標識ペプチドは通例観察されなかった。
【0051】
環式ペプチドは、システインを含有する粗製ペプチドを水溶液(1mg/2〜3mL)中で20%DMSOと共に一晩撹拌することによって生成した。
【0052】
ペプチドをC4−シリカカラムによる逆相半調製用又は調製用HPLC(Vydac、Hesperia、CA)によって精製したした。ペプチドクロマトグラムを220nmでモニターした。これはアミド発色団の吸収に相当する。ペプチド上のフルオレセイン色素の存在を確実にするために、495nmも観察した。CHCN/TFA(アセトニトリル/トリフルオロ酢酸;100:0.01)及びHO/TFA(水/トリフルオロ酢酸;100:0.01)溶離液の溶媒系を、半調製用及び調製用にそれぞれ3mL/min及び10mL/minの流量で使用した。精製水(例えば、MilliporeのAnalyzer Feed Systemで生成したもの)中の溶解した粗製ペプチドを、半調製用又は調製用にそれぞれ1.5mg及び5〜10mgのペプチドのスケールで注入した。クロマトグラムの形状を解析して良好な解像度とピーク形状を確保した。すべてのペプチドの勾配条件は通例30分で5〜50%のCHCN/TFA(100:0.01)であった。精製したペプチドの種類はマトリックス支援レーザー脱離飛行時間型質量分析で確認した。ペプチドの環化の結果通例、HPLCのよる保持時間とMALDI−TOFによる異なる質量が両方とも変化した。
【0053】
実施例5
この実施例は癌細胞系RKO(ATCC CRL 2577)におけるuPAR特異的ペプチドのスクリーニングを例証する。uPARを過剰発現するRKO癌細胞を、6ウェルプレート内の適当な培地で>80%コンフルエントになるまで培養した。フルオレセイン標識ペプチドを濃度を上げながら(0〜0.15nM)十分な培地中の生細胞に加え、6時間インキュベートした。インキュベーション後、トリプシンを用いて細胞をウェルから取り出し、1mLのリン酸緩衝生理食塩水で三回洗浄し、1%グルタルアルデヒドを用いて固定した。次いで、細胞を共焦点顕微鏡法による解析のためにスライドに載せた。図7は、フルオレセイン標識AESTYHHLSLGYMYTLN−NH2と共にインキュベーションした後のRKO癌細胞の80X倍率の顕微鏡写真である。
【0054】
0.015nM以上のペプチドの濃度でuPARペプチドを受容する細胞は全細胞に対するペプチドの観察可能な結合を示した。また、当業者は、96ウェルプレートで蛍光性分子の摂取を測定することができるより高いスループットの光学的分析器(InCell 1000、Amersham Bioscience/GEHC)を利用することができよう。
【0055】
実施例6
この実施例は他のバイオマーカーを標的とするペプチドの設計と合成を例証する。インテグリンαβと結合するペプチドを設計する例は、Wadih Arap、Renata Pasqualini、Erkki Ruoslahti、SCIENCE 279:377(January 16、1998)に見られる。Arapらでは、ファージディスプレイライブラリーを用いたペプチド配列のインビボ選択を用いて、腫瘍血管に特異的なものを単離した。これらのペプチドのうちの2つ、すなわち1つはavインテグリン結合性Arg−Gly−Aspモチーフを含有し、もう1つはAsn−Gly−Argモチーフを含有するものは、腫瘍の脈管構造のαβを有効に標的とした。
【0056】
その他のバイオマーカーを標的とするのに使用するペプチド配列が上記方法を用いて合成することができる。
【0057】
実施例7
この実施例はコア/シェルナノ粒子系ターゲティングMRI造影剤の従来技術のものと比べた利点を例証する。
【0058】
表2に示したコア/シェルナノ粒子に対する分析データには、本明細書に記載した複数のコア/シェル粒子の水力粒径、表面電荷、Siを含有するナノ粒子に対するSi/Fe質量比、並びに緩和性値(R1、R2、及びR2/R1)が含まれている。D、表面電位(ζ)、及びSi/Fe質量比(シランを主体とするコーティングを有する試料)の測定はバッチ品質と純度を決定するために行った標準的な分析である。
【0059】
【表2】

凝集
ナノ粒子の凝集を測定するための1つの分析パラメーターは水溶液中で動的光散乱(DLS)により測定される水力粒径である。5nmのSPIO PEI−シラン被覆粒子の場合、約30nmより大きいD値は粒子の凝集を示す。5nm粒子をPEIシランで官能化すると、15nm未満の水和直径と10%未満の分散度を有する被覆ナノ粒子が得られる。この被覆粒子にさらにターゲティング分子を添加すると、粒度が、例えば限定されることはないが25〜30nmまで増大する。1つの実施形態では、最終の官能化ターゲティングナノ粒子は30nm未満の直径とおよそ10%の分散度を有する。
【0060】
緩和性
5nmの非官能化SPIO PEI−シラン被覆粒子はR2/R1比が3.3である。この値はT1及びT2特性を有する造影剤を示し、従来技術で記載されている粒子と比べて増大した緩和性を実証している。
【0061】
ターゲティング
被覆ナノ粒子上の入手可能・利用可能な官能性を用いて、ターゲティング分子を疾病の特異的マーカーに結合して、その粒子が対象の疾病部位を標的とするようにすることができる。例えば、ウロキナーゼ受容体(uPAR)を過剰発現する腫瘍にナノ粒子をターゲティングさせると、造影法によって腫瘍の生物学的活性と位置に関する本質的な情報を得ることができるであろう。これを達成するためには、ターゲティング分子を上記方法で被覆ナノ粒子に結合させ、その標的に対して特異的かつ強固に結合する(Kd<1mM)その能力を保持する。
【0062】
血液クリアランス及び体内分布
直径30nm未満の凝集してない単分散のターゲティングナノ粒子は、好ましいことに、ヒトで12時間未満であるが1時間より長い血中半減期を有する。これは、対象の部位(疾病部位)で最大の摂取を提供し得ると共に脈管構造中に残留する粒子に起因してバックグランド信号を低減し得る。これらのターゲティングナノ粒子の物理的特性は、これら粒子がRESを逃れ、対象の部位を有効に標的とすることを可能にする。より小さい粒度(およそ30nm)及び単分散度は、粒子が身体内に分布することを可能にし、疾病部位に蓄積する前に非特異的に肝臓及び脾臓に移行しないようにする。
【0063】
信号
ターゲティングナノ粒子を被検体に投与したら、投与後最適の時点で造影法を実施する。このようにして、ナノ粒子の蓄積に起因する信号変化を、最適化された造影法プロトコルを用いて観察する。1つの例では、造影法を注入後24時間で実施することができよう。この時点で、残留するナノ粒子はもはや血液中には見られず、ターゲティングナノ粒子は疾病部位(すなわち、アテローム動脈硬化性病変、腫瘍など)に局在化している。T2−特異的パルス配列を用いた造影法の結果、蓄積された粒子が周囲の組織のバックグランド信号より10%超低い正味の信号損失を生じる画像が得られる。こうして、必要とされる臨床情報が得られる。
【0064】
実施例8
この実施例は、ペプチド官能化カチオン性ナノ粒子がオリゴヌクレオチドを治療目的で疾病特異的部位に送達する、官能化ナノ粒子による治療剤の送達を例証する。この実施例で、ポリエチレンイミン(PEI)のような機能性シェルを有するカチオン性ナノ粒子は、利用可能な官能基を利用して、カチオン性表面を完全に中和することなくターゲティング分子と共有結合することができる。次いで、遊離のオリゴヌクレオチドを、ターゲティングカチオン性ナノ粒子に加えることができよう。正の表面電荷は負に荷電したオリゴヌクレオチドの可逆的結合を可能にするであろう。このターゲティング複合体が形成されたら、この複合体を細胞又は哺乳類被検体に投与し得る。ターゲティング複合体は対象の細胞標的を位置付け、複合体の内部取り込みの際に、オリゴヌクレオチドを放出して細胞へ送達するであろう。
【0065】
実施例9
この実施例は、コア/シェルナノ粒子系ターゲティングMRI造影剤の被検体へのインビボ投与を例証する。動物を磁気共鳴造影法で走査して、ラット解剖の「注入前」のT2−加重したMR画像を生成した。対象の特定の領域(ROI)は肝臓であった。次に、滅菌したコア/シェルナノ粒子系ターゲティングMRI造影剤を尾静脈注入により雌のSprague−Dawleyラットに1mgFe/kg体重又は5mgFe/kg体重の用量で全注入容積600マイクロリットルを投与した。
【0066】
実施例10
この実施例はコア/シェルナノ粒子系ターゲティングMRI造影剤のインビボでのモニターを例証する。コア/シェルナノ粒子系ターゲティングMRI造影剤の最初の投与後、動物を24時間ケージに移し、次いで再度撮像して、ラット解剖の「注入後」T2−加重したMR画像を生成した。肝臓を対象の領域(ROI)とし、幾つかの画像を得た。
【0067】
上記実施形態の上記構造、機能、及び作用の幾つかは本発明の実施に必要ではなく、単に代表的な1つ以上の実施形態の完全のために説明に入れたものであることを理解されたい。加えて、上記で引用した特許及び刊行物に記載の特定の構造、機能、及び作用は、本発明に関連して実施することができるが、本発明の実施に必須ではないものと理解されたい。従って、本発明は、特許請求の範囲に定義される本発明の思想と範囲から実際に逸脱することなく、特に記載したものとは別に実施することができるものと了解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】図1は、本発明の幾つかの実施形態に係るターゲティングMRI造影剤に利用されるコア/シェルナノ粒子の理想的な断面図を描いたものである。
【図2】図2は、本発明の幾つかの実施形態に係るターゲティングMRI造影剤の理想的な断面図を描いたものである。
【図3】図3は、本発明の幾つかの実施形態に係るターゲティングMRI造影剤の製造方法をフローチャートの形態で描いたものである。
【図4】図4は、本発明の幾つかの実施形態に係るターゲティング部分をナノ粒子に結合させるための合成経路を描いたものである。
【図5】図5は、本発明の幾つかの実施形態に係るN−アセチル化ペプチドとカップリングさせるための多数の利用可能な第二アミンを有するポリエチレンイミン(PEI)被覆ナノ粒子を描いたものである。
【図6】図6は、本発明の幾つかの実施形態に従って、PEI被覆ナノ粒子に共有結合的に結合したNHSエステル−Cypher5E色素を含んでおり、Cell Tracker Green色素で染色した食細胞に送達されたMRI造影剤の顕微鏡写真である。
【図7】図7は、本発明の幾つかの実施形態に係るフルオレセイン標識AESTYHHLSLGYMYTLN−NH2と共にインキュベーションした後のRKO細胞の顕微鏡写真である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)無機系磁性コア、
b)シランを含む有機系非磁性コーティングであって、上記無機系磁性コアの周囲に配置されて該磁性コアと結合し、磁性コアと非磁性コーティングが全体としてコア/シェルナノ粒子を与える、有機系非磁性コーティング、及び
c)上記コア/シェルナノ粒子と結合したターゲティング種であって、コア/シェルナノ粒子とターゲティング種とが全体としてターゲティングMRI造影剤を与える、ターゲティング種
を含んでなる、ターゲティングMRI造影剤。
【請求項2】
前記無機系磁性コアが、遷移金属、合金、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属ホウ化物及びこれらの組合せからなる群から選択される物質を含む、請求項1記載のターゲティングMRI造影剤。
【請求項3】
前記無機系磁性コアが超常磁性材料を含む、請求項1記載のターゲティングMRI造影剤。
【請求項4】
前記無機系磁性コアが式[Fe3+[Fe3+1−xの酸化鉄を含む(式中、1≧x≧0である。)、請求項3記載のターゲティングMRI造影剤。
【請求項5】
前記無機系磁性コアが、5nmの無機系磁性コアについて約60emu/gFe以上のMsat値を有する、請求項4記載のターゲティングMRI造影剤。
【請求項6】
前記シランが、シラン変性ポリエチレンイミン、アミノプロピルシラン、2−カルボキシエチルシラン、N−ヨードアセチル アミノプロピルシラン、3−イソシアナトプロピルシラン、5,6−エポキシヘキシルトリエトキシシラン、3−イソチオシアナトプロピルシラン及び3−アジドプロピルシランからなる群から選択される、請求項1記載のターゲティングMRI造影剤。
【請求項7】
前記有機系非磁性コーティングがポリマーである、請求項1記載のターゲティングMRI造影剤。
【請求項8】
前記ポリマーがシラン変性ポリエチレンイミンを含む、請求項7記載のターゲティングMRI造影剤。
【請求項9】
前記有機系非磁性コーティングが非ポリマーである、請求項1記載のターゲティングMRI造影剤。
【請求項10】
前記非ポリマーがアミノプロピルシランである、請求項9記載のターゲティングMRI造影剤。
【請求項11】
前記コア/シェルナノ粒子が約100nm未満の水力直径を有する、請求項1記載のターゲティングMRI造影剤。
【請求項12】
前記コア/シェルナノ粒子が約50nm未満の水力直径を有する、請求項1記載のターゲティングMRI造影剤。
【請求項13】
前記コア/シェルナノ粒子が約30nm未満の水力直径を有する、請求項1記載のターゲティングMRI造影剤。
【請求項14】
前記ターゲティング種が、共有結合を介して、直接又はリンカー種を介してコア/シェルナノ粒子と結合している、請求項1記載のターゲティングMRI造影剤。
【請求項15】
前記ターゲティング種が、ペプチド、タンパク質、オリゴヌクレオチド、低分子量有機分子、ペプチド核酸及びこれらの組合せからなる群から選択される、請求項1記載のターゲティングMRI造影剤。
【請求項16】
前記ペプチドが、AEPVYQYELDSYLRSYY(配列番号1)、AEFFKLGPNGYVYLHSA(配列番号2)、AELDLSTFYDIQYLLRT(配列番号3)、AESTYHHLSLGYMYTLN(配列番号4)及びこれらの組合せからなる群から選択される、請求項15記載のターゲティングMRI造影剤。
【請求項17】
当該ターゲティングMRI造影剤が、
a)ナノ粒子のコアを合成し、
b)ナノ粒子のシェルを、ナノ粒子のコアがシェルで実質的に被覆されるように合成し、
c)ターゲティング分子をナノ粒子のシェルに結合させる
段階を含む方法によって製造される、請求項1記載のターゲティングMRI造影剤。
【請求項18】
a)i)無機系磁性コアと、
ii)シラン変性ポリエチレンイミン及びアミノプロピルシランからなる群から選択される有機系非磁性コーティングであって、、無機系磁性コアの周囲に配置されて該磁性コアと結合し、磁性コアと非磁性コーティングが全体としてコア/シェルナノ粒子を与える、有機系非磁性コーティングと、
ii)コア/シェルナノ粒子に結合したターゲティング種と
を含んでなる組成物を準備し、
b)組成物をMRIの造影剤として使用する
段階を含んでなる方法。
【請求項19】
前記造影剤をインビトロで細胞に送達する、請求項18記載の方法。
【請求項20】
前記造影剤の細胞への送達をモニターする、請求項19記載の方法。
【請求項21】
前記造影剤をインビボで被検体に送達する、請求項18記載の方法。
【請求項22】
前記造影剤の被検体への送達をモニターする、請求項21記載の方法。
【請求項23】
前記造影剤の送達のモニタリングが、MRI、光学イメージング、光干渉断層撮影、コンピューター断層撮影、陽電子放射断層撮影及びこれらの組合せからなる群から選択されるイメージング技術によって達成される、請求項22記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2009−519316(P2009−519316A)
【公表日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−545131(P2008−545131)
【出願日】平成18年12月12日(2006.12.12)
【国際出願番号】PCT/IB2006/003584
【国際公開番号】WO2007/069040
【国際公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】