説明

神経ペプチドレセプターモジュレーター

本発明は、NPY Y1の新規レセプターアンタゴニストである化合物だけでなく、このような化合物を調製する方法を開示している。別の実施態様では、本発明は、このようなNPY Y1レセプターアンタゴニストを含有する医薬組成物だけでなく、それらを使用して、肥満、代謝障害、摂食障害(例えば、過食症および糖尿病)を治療する方法を開示している。これらの化合物は、構造式1(化学式は、ここでは、書類形式での要約書に現れるように、挿入すべきである)で表わされるか、それらのプロドラッグ、または該化合物または該プロドラッグの任意の薬学的に受容可能な塩、溶媒和物またはラセミ混合物である:ここで、R1、R15、A、B、L、XおよびR18は、本明細書中で定義されている。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、摂食障害および代謝障害の治療で有用な神経ペプチドY Y1レセプタアンタゴニスト、これらの化合物を含有する医薬組成物、およびこれらの化合物を使用する治療方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
神経ペプチドY(NPY)は、36アミノ酸神経ペプチドであり、これは、中枢および末梢神経系に広く分布している。NPYは、膵臓ポリペプチド系統のメンバーとであり、これには、また、ペプチドYYおよび膵臓ポリペプチドが挙げられる(非特許文献1)。NPYは、Y1,Y2,Y3,Y4,Y5およびY6と命名される少なくとも6種のレセプター亜型の活性化により、その生理学的効果を誘発する(非特許文献2;非特許文献3)。NPYを動物に中枢投与すると、食物摂取の著しい増加およびエネルギー消費の減少を引き起こす(非特許文献4;非特許文献5)。これらの効果は、少なくとも一部、NPY Y1レセプター亜型の活性化により媒介されると考えられている。
【0003】
代謝障害および摂食障害の治療に加えて、NPY Y1レセプターアンタゴニストは、疼痛、性的機能障害、鬱血性心不全、脳出血、不安、鬱病、癲癇性発作、睡眠障害、片頭痛およびアレルギー性鼻炎の領域において、強力な治療有用性を有する。それゆえ、NPY Y1およびその調節経路は、特に、広範囲の治療法(肥満治療法の開発)の強力な標的となる。
【0004】
一酸化窒素(NO)の形成に対して活性を有する置換フェニル化合物は、特許文献1で報告されている。次式を有する化合物が開示されている:
【0005】
【化39】

ここで、種々の要素は、この公報中で定義されている。この系列の例証的な化合物は、以下である:
【0006】
【化40】

【特許文献1】特開平10−101658号公報
【非特許文献1】Wahlestedt,C.およびReis,D.、Ann.Rev.Toxicol.(1993)32,309
【非特許文献2】Gehlert,D.、Proc.Soc.Exp.Biol.Med.(1998)218,7
【非特許文献3】Michel,M.ら、Pharmacol.Rev.,50,143,1998
【非特許文献4】Stanley,B.およびLeibowitz,S.、Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1985)82:3940
【非特許文献5】Billingtonら、Am J.Physiol.(1991)260,R321
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
(発明の要旨)
その多くの実施態様では、本発明は、新規種類のNPY Y1アンタゴニスト、このような化合物を調製する方法、1種またはそれ以上のこのような化合物を含有する医薬組成物、1種またはそれ以上のこのような化合物を含有する医薬処方を調製する方法、およびこのような化合物または医薬組成物を使用してNPY経路に関連した1種またはそれ以上の疾患を治療、予防、阻止または改善する方法を提供する。
【0008】
1実施態様では、本発明は、NPY Y1レセプターアンタゴニスト活性を有する新規化合物、それらのプロドラッグ、あるいは該化合物の薬学的に受容可能な塩または溶媒和物を提供する。これらの化合物は、一部には、構造式1で表わされるか、あるいはそれらの薬学的に受容可能な塩または溶媒和物である:
【0009】
【化41】

ここで:
は、ヘテロアリール、N−アリールアミノカルボニル、N−ヘテロアリールアミノカルボニル、ベンゾイミダゾリルまたはベンゾチアゾリルであり、ここで、該ベンゾイミダゾリルおよびベンゾチアゾリルは、それぞれ、必要に応じて、別個に、非置換であるか、または1個〜5個の置換基で置換されており、そして各置換基は、別個に、以下からなる群から選択される:ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アルキルスルホニル、チオ、アルコキシアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、−OR20、−CN、−NO、−NR2021、−C(O)R20、−C(O)OR20、−C(O)NR2021、−S(O)0〜2NR2021、−CF、−OCF、−CFCF、−C(=N−OR20)R21、−N(R20)S(O)0〜221、−N(R20)C(O)(R21)、−N(R20)C(O)NR2122、−C(O)N(R20)(R21)、−SO20および−SON(R20)(R21);
20、R21およびR22は、別個に、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり、ここで、各アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリールおよびヘテロアリールは、非置換であるか、または必要に応じて、別個に、1個〜5個の置換基で置換されており、該置換基は、同一または異なり、そして別個に、以下からなる群から選択される:ハロゲン、−CF、−CN、−COOH、−C(O)Oアルキル、−C(O)Oシクロアルキル、−C(O)O−アリールアルキル、−C(O)O−ヘテロアリールアルキル、−C(O)NH、−C(O)N(H)(アルキル)、−C(O)N(H)(アリールアルキル)、−C(O)N(H)(ヘテロアリールアルキル)、−C(O)N(H)(シクロアルキル)、−C(O)N(H)(アリール)、−C(O)N(H)(ヘテロアリール)、−C(O)N(H)(アリールアルキル)、−C(O)N(H)(ヘテロアリールアルキル)、−C(O)N(アルキル)(アルキル)、−C(O)N(アルキル)(アリール)、−C(O)N(アルキル)(ヘテロアリール)、−S−アルキル、−S−アリール、−S−アリールアルキル、−S−ヘテロアリールアルキル、−S(O)(アルキル)、−S(O)(アリール)、−S(O)(アリールアルキル)、−S(O)(ヘテロアリール)、−S(O)(ヘテロアリールアルキル)、−S(O)(シクロアルキル)、−S(O)N(H)(ヘテロシクロアルキル)、−S(O)NH、−S(O)N(アルキル)(アルキル)、−S(O)N(H)(アルキル)、−S(O)N(H)(アリール)、−S(O)N(アルキル)(アルキル)、−S(O)NH、−S(O)N(H)(アルキル)、−S(O)N(H)(アリール)、−S(O)N(H)(アリールアルキル)、−S(O)N(H)(ヘテロアリールアルキル)、−S(O)N(H)(シクロアルキル)、−S(O)N(アルキル)(アリール)、−S(O)N(アルキル)(アルキル)、OH、−O(C〜C)アルキル、−O−シクロアルキル、−O−ヘテロシクロアルキル、−O−シクロアルキルアルキル、−O−ヘテロシクロアルキルアルキル、−O−アリールアルキル、−O−ヘテロアリールアルキル、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、−NH、−N(H)(アルキル)、−N(H)(アリール)、−N(H)(ヘテロアリール)、−N(H)アリールアルキル、−N(H)(ヘテロアリールアルキル)、−N(アルキル)(アルキル)、−N(アリールアルキル)(アリールアルキル)、−N(ヘテロアリールアルキル)(アリールアルキル)、−N(H)C(O)−アルキル、−N(H)C(O)−アリールアルキル、−N(H)C(O)−ヘテロアリールアルキル、−N(H)C(O)−ヘテロアリール、−N(H)C(O)−アリール、−N(H)C(O)NH、−N(H)C(O)N(H)(アルキル)、−N(H)C(O)N(アルキル)(アルキル)、−N(アルキル)C(O)N(H)(アルキル)、−N(アルキル)C(O)N(アルキル)(アルキル)、−N(H)S(O)−アルキル、−N(H)S(O)−アリールアルキル、−N(H)S(O)−ヘテロアリールアルキル、−N(H)S(O)−アリール、−N(H)S(O)−ヘテロアリール、−N(H)S(O)N(H)(アルキル)、−N(H)S(O)N(アルキル)(アルキル)、−N(アルキル)S(O)N(H)(アルキル)および−N(アルキル)S(O)N(アルキル)(アルキル);
Xは、−CHまたはNである;
Lは、脂肪族またはヘテロ脂肪族リンカー鎖であり、該鎖は、必要に応じて、別個に、以下からなる群から選択される1個またはそれ以上で連結される:アルキル、アリール、シクロアルキル、スピロアルキル、ヘテロアリールおよびそれらの組み合わせ;
15は、存在しているか、または存在しておらず、もし存在しているなら、H、アリール、アルキル、アリールアルキル、ヘテロシクロアルキルまたはヘテロアリールアルキルである;
18は、H、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、−OR20、−CN、−NO、−NR2021、−C(O)R20、−C(O)OR20、−C(O)NR2021、−S(O)0〜2NR2021、−CF、−OCF、−CFCF、−C(=N−OR20)R21、−N(R20)S(O)0〜221、−N(R20)C(O)(R21)、−N(R20)C(O)NR2122、−C(O)N(R20)(R21)、−SO20またはSON(R20)(R21)である;
Aは、構造式2で表わされる:
【0010】
【化42】

14は、存在しているか、または存在しておらず、もし存在しているなら、H、アリール、アルキル、アリールアルキル、カルボキシル、アルキルアリール、アシル、アルケニル、ヘテロアリールアルキル、アルコキシカルボニル、ヘテロアリール、シクロアルキル、アルケニルまたはアリールカルボニルである;または
14は、R16またはR16’と一緒になって、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、ヘテロシクレニル、ヘテロアリールシクロアルケニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロシクロアルケニルアリール、ヘテロシクロアルキルアリール、ヘテロアリールシクロアルキル、シクロアルキルヘテロアリールまたはヘテロシクロアルキルヘテロアリールである;
16およびR16’は、別個に、存在しているか、または存在しておらず、同一または異なり、そして別個に、以下からなる群から選択される:H、アリール、アルキル、アリールアルキル、ヘテロアリール、カルボキシル、置換カルボキシル、アロイル、ヘテロアリールアルキル、シクロヘキサニル、シクロアルキル、アルキルチオ、アルコキシカルボニル、シクロアルキルアルキル、アルキルアミノカルボニル、ハロアリール、ハロアルキル、フェニルアルキル、アルコキシ、アシル、アロイル、アルキルカルボキシル、アルキルシクロアルキル、アルキルアミノ、アダマンチル、アルキルチオエーテル、ビフェニル、アルカノール、イソシアン酸ジアルキルおよびアルキルイミダゾールであるが、但し、R16およびR16’の少なくとも1個は、存在している;または
16およびR16’は、一緒になって、スピロアルキル基、ヘテロスピロアルキル基または=Oを形成する;
Yは、S、O、NまたはCであるが、但し、(1)YがNであるとき、Nは、非置換であるか、またはアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アルケニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニルまたは以下からなる群から選択される置換基で置換されている:
【0011】
【化43】

または(2)YがNであるとき、Nの該置換基は、Zと一緒になって、ヘテロシクロアルキル部分を形成するか、または(3)YがCであるとき、Cは、非置換であるか、または必要に応じて、別個に、1個または2個の置換基で置換されており、該置換基は、同一または異なり、そして別個に、以下からなる群から選択される:アルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリールおよびヘテロアリール;
Zは、存在しているか、または存在していないか、いずれかであり、もし存在しているなら、H、アリール、アルキル、アルコキシ、アリールアルキル、フェニルアルキル、シクロアルキル、スピロアルキル、アルキルアリール、アルキルアミノカルボニル、ハロアリール、ハロアルキル、(CHNC(O)−、アルキルカルボキシル、アシル、ヘテロアリールアルキル、アルコキシカルボニル、カルボキシル、アルキルシクロアルキル、アルキルアミノ、アルキルチオエーテル、ビフェニル、アルカノール、イソシアン酸ジアルキル、アルキルイミダゾールまたは=Oである;または
Zは、R16と一緒になって、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクレニル、ヘテロシクロアルキル、アリールシクロアルケニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、シクロアルケニルアリール、アリールシクロアルキル、シクロアルキルアリール、ヘテロアリールシクロアルキルまたはシクロアルキルヘテロアリールである;または
Zは、Yと一緒に連結されて、ヘテロシクロアルキルである;
Bは、6員環である;そして
nは、1、2または3である;
但し、条件(i)または条件(ii)のいずれかが満たされるとき、R16、R16’、R18およびZの少なくとも1個は、存在しており、そしてH以外の置換基である;
条件(i)は、式1の化合物が以下であるとき、満たされる:
【0012】
【化44】

ここで、Rは、以下の構造から選択される:
【0013】
【化45】

qは、1または2である;
pは、1〜5の整数である;そして
S’は、別個に、以下からなる群から選択される:H、アルキル、ハロゲン、メトキシ、カルボキシアミノメチル、アルコキシカルボニルおよびアルカノイルアミノメチル;
条件(ii)は、式1の化合物が以下であるとき、満たされる:
【0014】
【化46】

ここで、Rは、必要に応じて、置換または非置換であり、そして以下の構造から選択される:
【0015】
【化47】

mは、は、1〜5の整数である;そして
S’は、別個に、以下からなる群から選択される:H、アルキル、ハロゲン、メトキシ、カルボキシアミノメチル、アルコキシ、カルボニルおよびアルカノイルアミノメチル。
【0016】
本発明のさらに他の特徴は、少なくとも1種の薬学的に受容可能な担体または賦形剤と共に、活性成分として、式1の少なくとも1種の化合物を含有する医薬組成物である。
【0017】
本発明はまた、式1の化合物を調製する方法だけでなく、NPY経路に関連した1種またはそれ以上の疾患を治療、予防、阻止または改善する方法を提供する。これらの治療方法は、NPY経路に関連した疾患に罹った患者に、式1の少なくとも1種の化合物、あるいは式1の少なくとも1種の化合物を含有する医薬組成物の治療有効量を投与する工程を包含する。
【0018】
NPY経路に関連した1種またはそれ以上の疾患を治療する医薬を製造するための式1の化合物の使用もまた、開示されている。
【0019】
NPY経路に関連した1種またはそれ以上の疾患を治療する方法もまた開示されており、該方法は、本発明の1種またはそれ以上の化合物の治療有効量を投与する工程を包含する。
【0020】
C型肝炎の1つまたはそれ以上の症状を治療、予防または改善する方法もまた開示されており、該方法は、本発明の1種またはそれ以上の化合物の治療有効量を投与する工程を包含する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
(詳細な説明)
本発明は、構造式1で表わされる化合物、それらのプロドラッグ、薬学的に受容可能な塩または溶媒和物に関し、ここで、種々の部分は、上記のとおりである。
【0022】
式1の化合物は、ラセミ混合物または鏡像異性的に純粋な化合物であり得る。
【0023】
式1の化合物の1実施態様では、Aは、以下からなる群から選択される:
【0024】
【化48】

別の実施態様では、R14は、存在しているか、または存在しておらず、もし存在しているなら、以下からなる群から選択される:H、
【0025】
【化49】

別の実施態様では、R14および/またはR15は、Hである。
【0026】
別の実施態様では、R16およびR16’は、以下からなる群から選択される:H、
【0027】
【化50】

【0028】
【化51】

または
16およびR16’は、一緒になって、
【0029】
【化52】

である;
または
16およびR16’は、一緒になって、
【0030】
【化53】

である。
【0031】
追加実施態様では、R16およびR16’は、以下からなる群から選択される:H、
【0032】
【化54】

または
16およびR16’は、一緒になって、
【0033】
【化55】

である;
または
16およびZは、一緒になって、
【0034】
【化56】

である。
【0035】
別の実施態様では、Zは、存在しているか、または存在しておらず、もし存在しているなら、以下からなる群から選択される:H、
【0036】
【化57】

【0037】
【化58】

追加実施態様では、Zは、以下からなる群から選択される:H、
【0038】
【化59】

追加実施態様では、Yは、SまたはCである;nは、0、1または2である;Lは、アルキルであるか、さらに具体的には、Lは、−CHCH−である;Xは、−CHであり、そしてR18は、Hである。
【0039】
さらに別の追加実施態様では、Rは、
【0040】
【化60】

である。
【0041】
10およびR10’は、同一または異なり、そして別個に、以下からなる群から選択される:H、ハロゲン、アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、チオ、アルキルカルボニル、アルキルスルホニルおよびアルコキシ;そして
Wは、S、OまたはNであり、WがNであるとき、Nは、非置換であるか、またはアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリールまたはヘテロアリールで置換されている。さらに特定の実施態様は、WがS’である化合物を包含する。
【0042】
10は、以下からなる群から選択される:H
【0043】
【化61】

さらに特定すると、R10’がHまたはClであるものである。
【0044】
さらなる追加実施態様では、構造式3の化合物である:
【0045】
【化62】

ここで、R、R15およびAは、本明細書中で定義したとおりである。
【0046】
さらなる追加実施態様では、構造式の化合物である:
【0047】
【化63】

ここで、R10は、以下からなる群から選択される:H、ハロゲン;アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、チオ、アルキルカルボニル、アルキルスルホニルおよびアルコキシ;そして
Wは、S、OまたはNであるが、但し、WがNであるとき、Nは、H、アルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリールまたはヘテロアリールで置換されている。
【0048】
さらなる追加実施態様では、構造式5の化合物である:
【0049】
【化64】

ここで、R10およびR16は、本明細書中で定義したとおりである。さらに特定すると、R16は、以下からなる群から選択される:CH
【0050】
【化65】

さらなる追加実施態様では、構造式6の化合物である:
【0051】
【化66】

ここで、R10およびR16は、本明細書中で定義したとおりである。さらに特定すると、R16は、以下である:
【0052】
【化67】

さらなる追加実施態様では、Rは、
【0053】
【化68】

であり、そしてR11は、以下からなる群から選択される:H、ハロゲン、アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、チオおよびアルキルカルボニル。
【0054】
さらなる追加実施態様では、構造式7の化合物である:
【0055】
【化69】

そして
11は、以下からなる群から選択される:H、ハロゲン、アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、チオおよびアルキルカルボニル。
【0056】
さらに追加実施態様では、構造式8で表わされる化合物である:
【0057】
【化70】

ここで:
10は、H、−OCH、−CH、ClまたはFである;
10’は、HまたはClである;そして
Aは、以下の構造から選択される:
【0058】
【化71】

さらに特定の実施態様は、構造式9、10および11の化合物である:
【0059】
【化72】

さらに追加実施態様は、式1の化合物であって、但し、条件(iii)または条件(iv)が満たされるとき、R16、R16’、R18およびZの少なくとも1個は、存在しており、そしてH以外の置換基である;
条件(iii)は、式1の化合物が以下であるとき、満たされる、:
【0060】
【化73】

ここで、Rは、以下の構造から選択される:
【0061】
【化74】

qは、1または2である;
pは、1〜5の整数である;そして
S’は、別個に、以下からなる群から選択される:H、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルコキシ、チオ、アルキルスルホニル、アルコキシアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、−OR20、−CN、−NO、−NR2021、−C(O)R20、−C(O)OR20、−C(O)NR2021、−S(O)0〜2NR2021、−CF、−OCF、−CFCF、−C(=N−OR20)R21、−N(R20)S(O)0〜221、−N(R20)C(O)(R21)、−N(R20)C(O)NR2122、−C(O)N(R20)(R21)、−SO20および−SON(R20)(R21);
条件(iv)は、式1の化合物が以下であるとき、満たされる:
【0062】
【化75】

ここで、Rは、必要に応じて、置換されているか、または非置換であり、そして以下の構造から選択される:
【0063】
【化76】

mは、1〜5の整数である;そして
S’は、別個に、以下からなる群から選択される:H、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルコキシ、チオ、アルキルスルホニル、アルコキシアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、−OR20、−CN、−NO、−NR2021、−C(O)R20、−C(O)OR20、−C(O)NR2021、−S(O)0〜2NR2021、−CF、−OCF、−CFCF、−C(=N−OR20)R21、−N(R20)S(O)0〜221、−N(R20)C(O)(R21)、−N(R20)C(O)NR2122、−C(O)N(R20)(R21)、−SO20および−SON(R20)(R21)。さらに特定の実施態様は、構造式12、13、14、15および16の化合物である。
【0064】
【化77】

【0065】
特に明記しない限り、本明細書および請求の範囲を通じて、以下の定義を適用する。これらの定義は、用語が単独で使用されているか他の用語と併用されているかとは無関係に、適用される。それゆえ、「アルキル」との定義は、「アルキル」だけでなく、「ヘテロアリールアルキル」、「−N(R)C(O)Oアルキル」などの「アルキル」部分にも適用される。
【0066】
本発明の化合物のプロドラッグおよび溶媒和物もまた、本明細書中で考えられる。「プロドラッグ」との用語は、本明細書中で使用するとき、薬剤前駆体である化合物を意味し、これは、被験体に投与すると、代謝または化学プロセスにより化学変換を受けて、式1の化合物またはその塩および/または溶媒和物を生じる。プロドラッグの論述は、T.Higuchi and V.Stella,Pro−drugs as Novel Delivery Systems(1987) Volume 14 of the A.C.S.Symposium Seriesおよびin Bioreversible.Carriers in Drug Design,(1987) Edward B.Roche著、American Pharmaceutical Association and Pergamon Pressで提供されており、両文献の内容は、本明細書中で参考として援用されている。
【0067】
式1の化合物ならびに式1の化合物の塩、溶媒和物およびプロドラッグの多形形状は、本発明に含まれると解釈される。
【0068】
「患者」は、ヒトおよび他の動物の両方を含む。
【0069】
「哺乳動物」とは、ヒトおよび他の哺乳動物を意味する。
【0070】
「スピロアルキル」とは、少なくとも1個の炭素原子が環および親部分により共有されているようなアルキル環系を意味する。このスピロアルキル基は、必要に応じて、1個またはそれ以上の「環系置換基」で置換でき、これは、同一または異なり得、そして本明細書中で定義したとおりである。
【0071】
「カルボニル」とは、カルボニル炭素原子を介して親部分に連結されたカルボニル部分(これらは、必要に応じて、アルキル、アリール、または他の部分で置換されている)を意味する。
【0072】
「インシュリン」(経口的に生物利用可能なインシュリン製剤を含めて)、インシュリンミメティック、メトホルミン、アカルボース。
【0073】
「希釈剤」とは、通常、組成物または剤形の主要部分を構成する物質を意味する。適当な希釈剤には、糖(例えば、ラクトース、スクロース、マンニトールおよびソルビトール);コムギ、トウモロコシ、コメおよびジャガイモに由来のデンプン;およびセルロース(例えば、微結晶セルロース)が挙げられる。組成物中の希釈剤の量は、その全組成の約10〜約90重量%、好ましくは、約25〜約75重量%、さらに好ましくは、約30〜約60重量%、さらにより好ましくは、約12〜約60重量%の範囲であり得る。
【0074】
「アルキル」とは、脂肪族炭化水素基を意味し、これは、直鎖または分枝であり得、その鎖の中に、約1個〜約20個の炭素原子を含有する。好ましいアルキル基は、その鎖の中に、約1個〜約12個の炭素原子を含有する。さらに好ましいアルキル基は、その鎖の中に、約1個〜約6個の炭素原子を含有する。分枝とは、直鎖状のアルキル鎖に、1個またはそれ以上の低級アルキル基(例えば、メチル、エチルまたはプロピル)が結合されることを意味する。「低級アルキル」とは、その鎖内に、約1個〜約6個の炭素原子を有する基を意味し、直鎖または分枝であり得る。「置換アルキル」との用語は、このアルキル基が、1個またはそれ以上の置換基(これらは、同一または異なり得る)で置換され得ることを意味し、各置換基は、別個に、ハロ、アルキル、アリール、シクロアルキル、シアノ、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキルチオ、アミノ、−NH(アルキル)、−NH(シクロアルキル)、−N(アルキル)、カルボキシ、−C(O)O−アルキルおよび−S(アルキル)からなる群から選択される。適当なアルキル基の非限定的な例には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、ヘプチル、ノニル、デシル、フルオロメチル、トリフルオロメチルおよびシクロプロピルメチルが挙げられる。
【0075】
「アルケニル」とは、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を含有する脂肪族炭化水素基を意味し、これは、直鎖または分枝であり得、その鎖の中に、約2個〜約15個の炭素原子を含有する。好ましいアルケニル基は、その鎖の中に、約2個〜約12個の炭素原子を有する;さらに好ましくは、その鎖の中に、約2個〜約6個の炭素原子を有する。分枝とは、直鎖状のアルキル鎖に、1個またはそれ以上の低級アルケニル基(例えば、メチル、エチルまたはプロピル)が結合されることを意味する。「低級アルケニル」とは、その鎖内に、約2個〜約6個の炭素原子を有する基を意味し、直鎖または分枝であり得る。「置換アルケニル」との用語は、このアルケニル基が、1個またはそれ以上の置換基(これらは、同一または異なり得る)で置換され得ることを意味し、各置換基は、別個に、ハロ、アルキル、アリール、シクロアルキル、シアノ、アルコキシおよび−S(アルキル)からなる群から選択される。適当なアルケニル基の非限定的な例には、エテニル、プロペニル、n−ブテニル、3−メチルブト−2−エニル、n−ペンテニル、オクテニルおよびデセニルが挙げられる。
【0076】
「アルキニル」とは、少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を含有する脂肪族炭化水素基を意味し、これは、直鎖または分枝であり得、その鎖の中に、約2個〜約15個の炭素原子を含有する。好ましいアルキニル基は、その鎖の中に、約2個〜約12個の炭素原子を有する;さらに好ましくは、その鎖の中に、約2個〜約4個の炭素原子を有する。分枝とは、直鎖状のアルキニル鎖に、1個またはそれ以上の低級アルキル基(例えば、メチル、エチルまたはプロピル)が結合されることを意味する。「低級アルキニル」とは、その鎖内に、約2個〜約6個の炭素原子を有する基を意味し、直鎖または分枝であり得る。適当なアルキニルの非限定的な例には、エチニル、プロピニルおよび2−ブチニルが挙げられる。「置換アルキニル」との用語は、このアルキニル基が、1個またはそれ以上の置換基(これらは、同一または異なり得る)で置換され得ることを意味し、各置換基は、別個に、アルキル、アリールおよびシクロアルキルからなる群から選択される。
【0077】
「アルキレン」とは、上で定義されたアルキル基からの1つの水素原子の除去によって得られる、二官能性基を意味する。アルキレンの非限定的な例としては、メチレン、エチレンおよびプロピレンが挙げられる。
【0078】
「アリール」(これは、時には、「Ar」と略される)とは、芳香族の一環式または多環式の環系を意味し、これは、約6個〜約14個の炭素原子、好ましくは、約6個〜約10個の炭素原子を含有する。このアリール基は、必要に応じて、1個またはそれ以上の「環系置換基」で置換でき、これらの置換基は、同一または異なり得、そして本明細書中で定義したとおりである。適当なアリール基の非限定的な例には、フェニルおよびナフチルが挙げられる。
【0079】
「ヘテロアリール」とは、芳香族の一環式または多環式の環系を意味し、これは、約5個〜約14個の炭素原子、好ましくは、約5個〜約10個の炭素原子を含有し、ここで、その環原子の1個またはそれ以上は、炭素以外の元素(例えば、窒素、酸素またはイオウ)単独またはその組合せである。好ましいヘテロアリールは、約5個〜約6個の環原子を含有する。この「ヘテロアリール」は、必要に応じて、1個またはそれ以上の「環系置換基」で置換でき、これは、同一または異なり得、そして本明細書中で定義したとおりである。このヘテロアリール根本名称の前の接頭辞アザ、オキサまたはチアは、それぞれ、環原子として、少なくとも、窒素原子、酸素原子またはイオウ原子が存在していることを意味している。ヘテロアリールの窒素原子は、必要に応じて、対応するN−オキシドに酸化できる。適当なヘテロアリールの非限定的な例には、ピリジル、ピラジニル、フラニル、チエニル、ピリミジニル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、フラザニル、ピロリル、ピラゾリル、トリアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、ピラジニル、ピリダジニル、キノキサリニル、フタラジニル、イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、イミダゾ[2,1−b]チアゾリル、ベンゾフラニル、インドリル、アザインドリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチエニル、キノリニル、イミダゾリル、チエノピリジル、キナゾリニル、チエノピリミジル、ピロロピリジル、イミダゾピリジル、イソキノリニル、ベンゾアザインドリル、1,2,4−トリアジニル、ベンゾチアゾリルなどが挙げられる。
【0080】
「アラルキル」または「アリールアルキル」とは、アリール−アルキル基を意味し、ここで、このアリールおよびアルキルは、先に定義したとおりである。好ましいアラルキルは、低級アルキル基を含有する。適当なアラルキル基の非限定的な例には、ベンジル、2−フェネチルおよびナフテニルメチルが挙げられる。その親部分への結合は、アルキルを介している。
【0081】
「アルキルアリール」とは、アルキル−アリール基を意味し、ここで、このアリールおよびアルキルは、先に記述したとおりである。好ましいアルキルアリールは、低級アルキル基を含有する。適当なアルキルアリール基の非限定的な例には、o−トリル、p−トリルおよびキシリルが挙げられる。その親部分への結合は、アリールを介している。
【0082】
「アルキルアミノ」は、その窒素上の水素原子の1個またはそれ以上を上で定義したアルキル基で置き換えた−NH基または−NH基を意味する。
【0083】
「アルキルアミノカルボニル」とは、カルボニル基を介して隣接部分に連結された上で定義したアルキルアミノ基を意味する。アルキルアミノカルボニルは、必要に応じて、その環上の利用可能な水素を1個またはそれ以上の置換基で置き換えることにより、その環上で置換でき、これらの置換基は、同一または異なり得、各々は、別個に、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、アルキルアリール、アラルケニル、ヘテロアラルキル、アルキルヘテロアリール、ヘテロアラルケニル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アラルコキシ、アシル、アロイル、ハロ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アラルコキシカルボニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、ヘテロアリールスルフィニル、アルキルチオ、アリールチオ、ヘテロアリールチオ、アラルキルチオ、ヘテロアラルキルチオ、シクロアルキル、シクロアルケニルおよびヘテロシクロアルキルからなる群から選択される。
【0084】
「アリールアミノ」は、その窒素上の水素原子の1個またはそれ以上を上で定義したアリール基で置き換えた−NH基または−NH基を意味する。
【0085】
「アリールアミノカルボニル」とは、カルボニル基を介して隣接部分に連結された上で定義したアリールアミノ基を意味する。アリールアミノカルボニルは、必要に応じて、その環上の利用可能な水素を1個またはそれ以上の置換基で置き換えることにより、その環上で置換でき、これらの置換基は、同一または異なり得、各々は、別個に、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、アルキルアリール、アラルケニル、ヘテロアラルキル、アルキルヘテロアリール、ヘテロアラルケニル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アラルコキシ、アシル、アロイル、ハロ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アラルコキシカルボニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、ヘテロアリールスルフィニル、アルキルチオ、アリールチオ、ヘテロアリールチオ、アラルキルチオ、ヘテロアラルキルチオ、シクロアルキル、シクロアルケニルおよびヘテロシクロアルキルからなる群から選択される。アリールアミノカルボニルの非限定的な例には、N−アリールアミノカルボニルがある。
【0086】
「ヘテロアリールアミノ」とは、アミノ基を介して隣接部分に連結された上で定義したヘテロアリール基を意味する。ヘテロアリールアミノは、必要に応じて、その環上の利用可能な水素を1個またはそれ以上の置換基で置き換えることにより、その環上で置換でき、これらの置換基は、同一または異なり得、各々は、別個に、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、アルキルアリール、アラルケニル、ヘテロアラルキル、アルキルヘテロアリール、ヘテロアラルケニル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アラルコキシ、アシル、アロイル、ハロ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アラルコキシカルボニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、ヘテロアリールスルフィニル、アルキルチオ、アリールチオ、ヘテロアリールチオ、アラルキルチオ、ヘテロアラルキルチオ、シクロアルキル、シクロアルケニルおよびヘテロシクロアルキルからなる群から選択される。
【0087】
「ヘテロアリールアミノカルボニル」とは、カルボニル基を介して隣接部分に連結された上で定義したヘテロアリールアミノ基を意味する。ヘテロアリールアミノカルボニルは、必要に応じて、その環上の利用可能な水素を1個またはそれ以上の置換基で置き換えることにより、その環上で置換でき、これらの置換基は、同一または異なり得、各々は、別個に、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、アルキルアリール、アラルケニル、ヘテロアラルキル、アルキルヘテロアリール、ヘテロアラルケニル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アラルコキシ、アシル、アロイル、ハロ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アラルコキシカルボニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、ヘテロアリールスルフィニル、アルキルチオ、アリールチオ、ヘテロアリールチオ、アラルキルチオ、ヘテロアラルキルチオ、シクロアルキル、シクロアルケニルおよびヘテロシクロアルキルからなる群から選択される。ヘテロアリールアミノカルボニルの非限定的な例には、N−ヘテロアリールアミノカルボニルがある。
【0088】
「シクロアルキル」とは、非芳香族の一環式または多環式環系を意味し、これは、約3個〜約10個の炭素原子、好ましくは、約5個〜約10個の炭素原子を含む。好ましいシクロアルキル環は、約5個〜約7個の環原子を含有する。このシクロアルキルは、必要に応じて、1個またはそれ以上の「環系置換基」(これらは、同一または異なり得、そして上で定義したとおりである)で置き換えることにより、置換できる。適当な単環式シクロアルキルの非限定的な例には、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどが挙げられる。適当な多環式シクロアルキルの非限定的な例には、1−デカリン、ノルボルニル、インダニル、アダマンチルなどが挙げられる。「cy」との略語は、シクロヘキシルを表わす。
【0089】
「ハロ」とは、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基またはヨード基を意味する。フルオロ、クロロまたはブロモが好ましく、フルオロおよびクロロがさらに好ましい。
【0090】
「ハロゲン」とは、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を意味する。フッ素、塩素または臭素が好ましく、フッ素および塩素がさらに好ましい。
【0091】
「ハロアルキル」とは、アルキル基上の1個またはそれ以上のハロゲン原子をハロ基(これは、上で定義した)で置き換えたアルキル(これは、上で定義した)を意味する。
【0092】
「ハロアリール」とは、アルキル基上の1個またはそれ以上のハロゲン原子をハロ基(これは、上で定義した)で置き換えたアリール(これは、上で定義した)を意味する。
【0093】
「環系置換基」とは、芳香族または非芳香族環系に結合した置換基を意味し、これは、例えば、その環系上の利用可能な水素を置き換える。環系置換基は、同一または異なり得、各々は、別個に、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、アルキルアリール、OCF、OCOアルキル、OCOアリール、CFアラルケニル、ヘテロアラルキル、アルキルヘテロアリール、ヘテロアラルケニル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アラルコキシ、アシル、アロイル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アラルコキシカルボニル、ケトン、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、ヘテロアリールスルフィニル、アルキルチオ、アリールチオ、ヘテロアリールチオ、アラルキルチオ、ヘテロアラルキルチオ、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、YN−、YN−アルキル−、YNC(O)−およびYNSO−からなる群から選択され、ここで、YおよびYは、同一または異なり得、各々は、別個に、水素、アルキル、アリールおよびアラルキルからなる群から選択される。「環系置換基」はまた、3個〜7個の環原子を有する環状環を意味し、そのうちの1個〜2個は、ヘテロ原子であり得、アルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルまたはヘテロシクロアルキル上の2個の環水素原子を同時に置換することにより、該アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキルまたはヘテロシクレニル環に結合される。非限定的な例には、以下が挙げられる:
【0094】
【化78】

「シクロアルケニル」とは、約3個〜約10個の炭素原子、好ましくは約5個〜約10個の炭素原子を含む、非芳香族の単環式または多環式の環系を意味し、これは、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含む。好ましいシクロアルケニル環は、約5個〜約7個の環原子を含む。シクロアルケニルは、必要に応じて、1個またはそれ以上の「環系置換基」(これらは、同一または異なり得、上で定義されている)で置換できる。適当な単環式シクロアルケニルの非限定的な例には、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニルなどが挙げられる。適切な多環式シクロアルケニルの非限定的な例は、ノルボルニレニルである。
【0095】
「ヘテロシクレニル」とは、非芳香族の単環式または多環式環系を意味し、これは、約3個〜約10個の環原子(好ましくは、約5個〜約10個の環原子)を含み、ここで、その環系内の原子の1個またはそれ以上は、炭素以外の元素(例えば、窒素、酸素またはイオウ原子)単独またはその組合せであり、そして少なくとも1個の炭素−炭素二重結合または炭素−窒素二重結合を含有する。この環系には、隣接した酸素原子および/またはイオウ原子は存在しない。好ましいヘテロシクレニル環は、約5個〜約6個の環原子を有する。そのヘテロシクレニル基礎名称の前のアザ、オキサまたはチアとの接頭語とは、環原子として、少なくとも、窒素原子、酸素原子またはイオウ原子がそれぞれ存在していることを意味する。このヘテロシクレニルは、必要に応じて、1個またはそれ以上の環系置換基で置換でき、ここで、「環系置換基」は、上で定義したとおりである。このヘテロシクレニルの窒素原子またはイオウ原子は、必要に応じて、対応するN−オキシド、S−オキシドまたはS,S−ジオキシドに酸化できる。適当な単環式アザヘテロシクレニル基の非限定的な例には、1,2,3,4−テトラヒドロピリジン、1,2−ジヒドロピリジル、1,4−ジヒドロピリジル、1,2,3,6−テトラヒドロピリジン、1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン、2−ピロリニル、3−ピロリニル、2−イミダゾリニル、2−ピラゾリニルなどが挙げられる。適当なオキサヘテロシクレニル基の非限定的な例には、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン、ジヒドロフラニル、フルオロジヒドロフラニルなどが挙げられる。適当な多環式オキサヘテロシクレニル基の非限定的な例は、7−オキサビシクロ[2.2.1]へプテニルである。適当な単環式チアヘテロシクレニル環の非限定的な例には、ジヒドロチオフェニル、ジヒドロチオピラニルなどが挙げられる。
【0096】
「ヘテロシクロアルキル」(またはヘテロシクリル)とは、非芳香族の一環式または多環式環系を意味し、これは、約3個〜約10個の炭素原子、好ましくは、約5個〜約10個の炭素原子を含み、ここで、その環系内の原子の1個またはそれ以上は、炭素以外の元素(例えば、窒素、酸素またはイオウ)単独またはその組合せである。この環系には、隣接した酸素原子および/またはイオウ原子は存在しない。好ましいヘテロシクリル環は、約5個〜約6個の環原子を含有する。そのヘテロシクリル基礎名称の前のアザ、オキサまたはチアとの接頭語とは、環原子として、少なくとも、窒素原子、酸素原子またはイオウ原子がそれぞれ存在していることを意味する。このヘテロシクリルは、必要に応じて、1個またはそれ以上の「環系置換基」(これは、炭素原子および/またはヘテロ原子上にて、同一または異なり得、そして本明細書中で定義したとおりである)で置換できる。このヘテロシクリルの窒素原子またはイオウ原子は、必要に応じて、対応するN−オキシド、S−オキシドまたはS,S−ジオキシドに酸化できる。適当な一環式ヘテロシクリル環の非限定的な例には、ピペリジル、ピロリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、チアゾリジニル、1,3−ジオキソラニル、1,4−ジオキソラニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロチオピラニルなどが挙げられる。
【0097】
「アリールシクロアルケニル」とは、そのシクロアルケニル部分から水素原子を除去することにより、縮合したアリールおよびシクロアルケニル(これは、本明細書中で定義した)から誘導された基を意味する。好ましいアリールシクロアルケニルには、アリールがフェニルでありシクロアルケニルが約5個〜約6個の環原子からなるものがある。このアリールシクロアルケニルは、必要に応じて、1個またはそれ以上の環系置換基で置換でき、ここで、「環系置換基」は、上で定義されている。適当なアリールシクロアルケニルの非限定的な例には、1,2−ジヒドロナフタレン、インデンなどが挙げられる。その親部分への結合は、非芳香族炭素原子を介している。
【0098】
「シクロアルケニルアリール」とは、そのアリール部分から水素原子を除去することにより、縮合したアリールシクロアルケニル(これは、本明細書中で定義した)から誘導された基を意味する。適当なシクロアルケニルアリールの非限定的な例は、その親部分への結合が芳香族炭素原子を介していること以外は、アリールシクロアルケニルについて本明細書中で記述したとおりである。
【0099】
「アリールシクロアルキル」とは、そのシクロアルキル部分から水素原子を除去することにより、縮合したアリールおよびシクロアルキル(これは、本明細書中で定義した)から誘導された基を意味する。好ましいアリールシクロアルキルには、アリールがフェニルでありシクロアルキルが約5個〜約6個の環原子からなるものがある。アリールシクロアルキルは、必要に応じて、1個またはそれ以上の環系置換基で置換でき、ここで、「環系置換基」は、上で定義されている。適当なアリールシクロアルキルの非限定的な例には、インダニル、1,2,3,4−テトラヒドロナフチルなどが挙げられる。その親部分への結合は、非芳香族炭素原子を介している。
【0100】
「シクロアルキルアリール」とは、そのアリール部分から水素原子を除去することにより、縮合したアリールシクロアルキル(これは、本明細書で定義した)から誘導された基を意味する。適当なシクロアルキルアリールの非限定的な例には、その親部分への結合が芳香族炭素原子を介していること以外は、アリールシクロアルキル基について本明細書中で記述したとおりである。
【0101】
「ヘテロアリールシクロアルキル」とは、そのシクロアルキル部分から水素原子を除去することにより、縮合したヘテロアリールおよびシクロアルキル(これは、本明細書で定義した)から誘導された基を意味する。好ましいヘテロアリールシクロアルキルには、それらのヘテロアリールが約5個〜約6個の環原子からなりシクロアルキルが約5個〜約6個の環原子からなるものがある。このヘテロアリールの前の接頭辞アザ、オキサまたはチアは、それぞれ、環原子として、少なくとも、窒素原子、酸素原子またはイオウ原子が存在していることを意味している。このヘテロアリールシクロアルキルは、必要に応じて、1個またはそれ以上の環系置換基で置換でき、ここで、「環系置換基」は、上で定義されている。このヘテロアリールシクロアルキルのヘテロアリール部分の窒素原子は、必要に応じて、対応するN−オキシドに酸化できる。適当なヘテロアリールシクロアルキルの非限定的な例には、5,6,7,8−テトラヒドロキノリニル、5,6,7,8−テトラヒドロイソキノリニル、5,6,7,8−テトラヒドロキノキサリニル、5,6,7,8−テトラヒドロキナゾリル、4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ベンズイミダゾリル、4,5,6,7−テトラヒドロベンゾキサゾリル、1H−4−オキサ−1,5−ジアザナフタレン−2−オニル、1,3−ジヒドロイミダゾール−[4,5]−ピリジン−2−オニルなどが挙げられる。その親部分への結合は、非芳香族炭素原子を介している。
【0102】
「シクロアルキルヘテロアリール」とは、そのヘテロアリール部分から水素原子を除去することにより、縮合したヘテロアリールシクロアルキル(これは、本明細書中で定義した)から誘導された基を意味する。適当なシクロアルキルヘテロアリールの非限定的な例は、その親部分への結合が芳香族炭素原子を介していること以外は、ヘテロアリールシクロアルキルについて本明細書中で記述したとおりである。
【0103】
「アラルケニル」とは、アリール−アルケニル基を意味し、ここで、このアリールおよびアルケニルは、先に定義したとおりである。好ましいアラルケニルは、低級アルケニル基を含有する。適当なアラルケニル基の非限定的な例には、2−フェネテニルおよび2−ナフチルエテニルが挙げられる。その親部分への結合は、このアルケニルを介している。
【0104】
「アラルキニル」とは、アリール−アルキニル基を意味し、ここで、このアリールおよびアルキニルは、先に定義したとおりである。好ましいアラルキニルは、低級アルキニル基を含有する。その親部分への結合は、このアルキニルを介している。適当なアラルキニル基の非限定的な例には、フェナセチレニルおよびナフチルアセチレニルが挙げられる。
【0105】
「ヘテロアラルキル」とは、ヘテロアリール−アルキル基を意味し、ここで、このヘテロアリールおよびアルキルは、先に定義したとおりである。好ましいヘテロアラルキルは、低級アルキル基を含有する。適当なアラルキル基の非限定的な例には、ピリジルメチル、2−(フラン−3−イル)エチルおよびキノリン−3−イルメチルが挙げられる。その親部分への結合は、このアルキルを介している。
【0106】
「ヘテロアラルケニル」とは、ヘテロアリール−アルケニル基を意味し、ここで、このヘテロアリールおよびアルケニルは、先に定義したとおりである。好ましいヘテロアラルケニルは、低級アルケニル基を含有する。適当なヘテロアラルケニル基の非限定的な例には、2−(ピリド−3−イル)エテニルおよび2−(キノリン−3−イル)エテニルが挙げられる。その親部分への結合は、このアルケニルを介している。
【0107】
「アシル」は、H−C(O)−基、アルキル−C(O)−基、アルケニル−C(O)−基、アルキニル−C(O)−基、シクロアルキル−C(O)−基、シクロアルケニル−C(O)−基またはシクロアルキニル−C(O)−基を意味し、ここで、種々の基は、上記のとおりである。親部分に対する結合は、カルボニルを介する。好ましいアシルは、低級アルキルを含む。適切なアシル基の非限定的な例としては、ホルミル、アセチル、プロパノイル、2−メチルプロパノイル、ブタノイルおよびシクロヘキサノイルが挙げられる。
【0108】
「アロイル」は、アリール−C(O)−基を意味し、ここで、アリール基は、上記のとおりである。親部分に対する結合は、カルボニルを介する。適切な基の非限定的な例としては、ベンゾイルならびに1−ナフトイルおよび2−ナフトイルが挙げられる。
【0109】
「アルコキシ」は、アルキル−O−基を意味し、ここで、アルキル基は、上記のとおりである。適切なアルコキシ基の非限定的な例としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシおよびヘプトキシが挙げられる。親部分に対する結合は、エーテル酸素を介する。
【0110】
「アリールオキシ」は、アリール−O−基を意味し、ここで、アリール基は、上記のとおりである。適切なアリールオキシ基の非限定的な例としては、フェノキシおよびナフトキシが挙げられる。親部分に対する結合は、エーテル酸素を介する。
【0111】
「アルキルアミノ」は、その窒素上の水素原子の1個またはそれ以上を上で定義したアルキル基で置き換えた−NH基または−NH基を意味する。
【0112】
「アリールアミノ」は、その窒素上の水素原子の1個またはそれ以上を上で定義したアリール基で置き換えた−NH基または−NH基を意味する。
【0113】
「アルキルチオ」は、アルキル−S−基を意味し、ここで、アルキル基は、上記のとおりである。適切なアルキルチオ基の非限定的な例としては、メチルチオ、エチルチオ、i−プロピルチオおよびヘプチルチオが挙げられる。親部分に対する結合は、イオウを介してである。
【0114】
「アリールチオ」は、アリール−S−基を意味し、ここで、アリール基は上記のとおりである。適切なアリールチオ基の非限定的な例としては、フェニルチオおよびナフチルチオが挙げられる。親部分に対する結合は、イオウを介してである。
【0115】
「アラルキルチオ」は、アラルキル−S−基を意味し、ここで、アラルキル基は、上記のとおりである。適切なアラルキルチオ基の非限定的な例は、ベンジルチオである。親部分に対する結合は、イオウを介してである。
【0116】
「アルコキシカルボニル」は、アルキル−O−CO−基を意味する。適切なアルコキシカルボニル基の非限定的な例としては、メトキシカルボニルおよびエトキシカルボニルが挙げられる。親部分に対する結合は、カルボニルを介してである。
【0117】
「アリールオキシカルボニル」は、アリール−O−C(O)−基を意味する。適切なアリールオキシカルボニル基の非限定的な例としては、フェノキシカルボニルおよびナフトキシカルボニルが挙げられる。親部分に対する結合は、カルボニルを介してである。
【0118】
「アラルコキシカルボニル」は、アラルキル−O−C(O)−基を意味する。適切なアラルコキシカルボニル基の非限定的な例は、ベンジルオキシカルボニルである。親部分に対する結合は、カルボニルを介してである。
【0119】
「アルキルスルホニル」は、アルキル−S(O)−基を意味する。アルキル基が低級アルキルである基が好ましい。親部分に対する結合は、スルホニルを介してである。
【0120】
「アルキルスルフィニル」は、アルキル−S(O)−基を意味する。アルキル基が低級アルキルである基が好ましい。親部分に対する結合は、スルフィニルを介してである。
【0121】
「アリールスルホニル」は、アリール−S(O)−基を意味する。親部分に対する結合は、スルホニルを介してである。
【0122】
「アリールスルフィニル」は、アリール−S(O)−基を意味する。親部分に対する結合は、スルフィニルを介してである。
【0123】
「必要に応じて置換した」との用語は、利用可能な位置における、特定の基、ラジカルまたは部分での任意の置換を意味する。
【0124】
当業者は、「神経変性疾患」との用語が、その一般的に受け入れられた医学的な意味を有し、そして神経の異常な機能(神経細胞の死、および神経伝達物質または神経毒性物質の異常な放出)から生じる疾患および病気を記述することを理解する。この場合、それはまた、異常なレベルのβ−アミロイドタンパク質から生じる全ての疾患を含む。このような疾患の例には、アルツハイマー病、年齢関連痴呆、大脳または全身のアミロイド症、アミロイド症を伴う遺伝性脳出血、およびダウン症候群が挙げられるが、これらに限定されない。
【0125】
環系の中へと引かれた線、例えば、は、指定した結合が置換可能環炭素原子のいずれにも結合できることを意味する。
【0126】
当該技術分野で周知であるように、特定の原子から引き出された結合(ここで、その結合の末端の部分は、描写されていない)は、その原子への結合を介して結合されたメチル基を示す。例えば:
【0127】
【化79】

さらに、ここで、上で列挙した置換基は、共に組み合わせて連結でき、1個の置換基が形成される。例えば、アリールシクロアルキル基なら、シクロアルキル基を介して親部分に結合されたアリール基を含む置換基となる。他の例には、アリールチオアミノ基があり、これは、アミノ基に結合されたチオ基に結合されたアルキル基であり、ここで、このアルキルチオアミノ置換基は、アミノ基を介して、その親部分に連結される。また、上記定義は、用語が単独で使用されているか他の用語と併用されているかとは無関係に、適用される。それゆえ、「アルキル」との定義は、「アルキル」だけでなく、「アルコキシ」、「シクロアルキル」などの「アルキル」部分にも適用される。
【0128】
化合物中の部分(例えば、置換基、基または環)の数に関連して、特に明記しない限り、「1個またはそれ以上」および「少なくとも1個」との語句は、化学的に許容されるだけの数の部分が存在できることを意味し、このような部分の最大数の決定は、当業者の知見の範囲内である。
【0129】
本明細書中で使用する「組成物」との用語は、特定量で特定の成分を含有する生成物だけでなく、特定量の特定成分の組合せから直接的または間接的に得られる任意の生成物を包含すると解釈される。
【0130】
結合としての
【化79−2】

は、一般に、可能な立体異性体(これは、例えば、(R)−および(S)−立体配置を含む)の混合物またはいずれかを示す。例えば、
【0131】
【化80】

環系の中へと引かれた線、例えば、
【0132】
【化81】

は、指定した線(結合)が置換可能環炭素原子のいずれにも結合できることを意味する。
【0133】
当該技術分野で周知であるように、特定の原子から引き出された結合(ここで、その結合の末端の部分は、描写されていない)は、その原子への結合を介して結合されたメチル基を示す。例えば:
【0134】
【化82】

本明細書中の本文、スキーム、実施例、構造式およびいずれかの表における満たされていない原子価を有する任意の炭素またはヘテロ原子は、それらの原子価を満たすのに必要な水素原子を有すると想定されることに注目すべきである。
【0135】
本発明の化合物のプロドラッグおよび溶媒和物もまた、本明細書中で考慮される。「プロドラッグ」との用語は、本明細書中で使用するとき、薬剤前駆体である化合物を意味し、これは、被験体に投与すると、代謝または化学プロセスにより化学変換を受けて、式1の化合物またはその塩および/または溶媒和物を生じる。プロドラッグの論述は、T.Higuchi and V.Stella,Pro−drugs as Novel Delivery Systems(1987) Volume 14 of the A.C.S.Symposium Seriesおよびin Bioreversible.Carriers in Drug Design,(1987) Edward B.Roche著、American Pharmaceutical Association and Pergamon Pressで提供されており、両文献の内容は、本明細書中で参考として援用されている。
【0136】
本発明の化合物の溶媒和物もまた、本明細書中で考慮される。「溶媒和物」とは、1種またはそれ以上の溶媒分子による本発明の化合物の物理的会合を意味する。この物理的会合には、種々の程度のイオン結合および共有結合(水素結合を含めて)が関与している。ある場合には、この溶媒和物は、例えば、1種またはそれ以上の溶媒分子を結晶性固形物の結晶格子に取り込むとき、単離できる。「溶媒和物」は、溶液相および単離可能溶媒の両方を包含する。適当な溶媒和物の非限定的な例には、エタノレート、メタノレートなどが挙げられる。「水和物」とは、その溶媒分子がHOである溶媒和物である。
【0137】
「有効量」または「治療有効量」とは、Y Y1により媒介される疾患または病気に罹った哺乳動物(例えば、ヒト)を治療するのに有効な(それにより、所望の治療効果を生じる)本発明の化合物の量を意味する。
【0138】
式1の化合物は、塩を形成し、これらもまた、本発明の範囲内である。本明細書中での式1の化合物の言及は、特に明記しない限り、その塩の言及を含むことが分かる。「塩」との用語は、本明細書中で使用するとき、無機酸および/または有機酸で形成された酸性塩だけでなく、無機塩基および/または有機塩基で形成された塩基性塩基を意味する。それに加えて、式1の化合物が塩基性部分(例えば、ピリジンまたはイミダゾール(これらに限定されないが))または酸性部分(例えば、カルボン酸(これに限定されないが))の両方を含有するとき、両性イオン(「内部塩」)が形成され得、これは、本明細書中で使用する「塩」との用語に含まれる。薬学的に受容可能な(すなわち、非毒性で生理学的に受容可能な)塩が好ましいものの、他の塩もまた、有用である。式1の化合物の塩は、例えば、式1の化合物を、この塩が沈殿する媒体または水性媒体中にて、一定量(例えば、当量)の酸または塩基と反応させることに続いて、凍結乾燥することにより、形成され得る。塩基性(または酸性)医薬品化合物から薬学的に有用な塩を形成するのに適当と一般に考えられている酸(および塩基)は、例えば、S.Bergeら、Joumal of Pharmaceutical Sciences(1977)66(1)1−19;P.Gould,International J.of Pharmaceutics(1986)33 201−217;Andersonら、The Practice of Medicinal Chemistry(1996),Academic Press,New York;in The Orange Book(Food & Drug Administration,Washington,D.C.on their website);and P.Heinrich Stahl,Camille G.Wermuth(Eds.),Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use,(2002)Int’I.Union of Pure and Applied Chemistry,pp.330−331で論述されている。これらの開示内容は、本明細書中で参考として援用されている。
【0139】
代表的な酸付加塩には、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、ショウノウ塩、ショウノウスルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン塩酸、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、硫酸メチル、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、ペクチニン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバリン酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、スルホン酸塩(例えば、本明細書中で言及したもの)、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トルエンスルホン酸塩(これはまた、トシレートとしても知られている)、ウンデカン酸塩などが挙げられる。
【0140】
代表的な塩基性塩には、アンモニウム塩、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩、リチウム塩およびカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウム塩およびマグネシウム塩、アルミニウム塩、亜鉛塩)、有機塩基(例えば、有機アミン)を備えた塩(例えば、ベンザチン、ジシクロヘキシルアミン、ヒドラバミン(これは、N,N−ビス(デヒドロアビエチル)エチレンジアミンで形成される)、N−メチル−D−グルカミン、N−メチル−D−グルカミド、t−ブチルアミン、ピペラジン、フェニルシクロヘキシルアミン、コリン、トロメタミン、およびアミノ酸を備えた塩(例えば、アルギニン、リシンなど))が挙げられる。塩基性窒素含有基は、以下のような試薬で四級化され得る:低級アルキルハロゲン化物(例えば、塩化、臭化およびヨウ化メチル、エチル、プロピルおよびブチル)、硫酸ジアルキル(例えば、硫酸ジメチル、ジエチル、ジブチルおよびジアミル)、長鎖ハロゲン化物(例えば、塩化、臭化およびヨウ化デシル、ラウリル、ミリスチルおよびステアリル)、ハロゲン化アラルキル(例えば、臭化ベンジルおよびフェネチル)など。
【0141】
このような酸塩および塩基塩の全ては、本発明の範囲内で、薬学的に受容可能な塩であると解釈され、全ての酸塩および塩基塩は、本発明の目的のために、対応する化合物の遊離形状と等価であると考えられる。
【0142】
式1の化合物、その塩、溶媒和物およびプロドラッグは、それらの互変異性形状(例えば、アミドまたはイミノエーテル)の形状で存在し得る。このような互変異性形状の全ては、本明細書中では、本発明の一部であると考慮される。
【0143】
本発明の化合物(これらの化合物の塩、溶媒和物およびプロドラッグだけでなく、これらのプロドラッグの塩およびプロドラッグを含めて)の全ての立体異性体(例えば、種々の置換基上の非対称炭素が原因で存在し得るもの)は、鏡像異性体(これは、非対称炭素なしで存在し得る)、回転異性体、アトロプ異性体およびジアステレオマー形状を含めて、本発明の範囲内であると考慮される。本発明の化合物の個々の立体異性体は、例えば、他の異性体を実質的に含み得ないか、例えば、ラセミ体として混合され得るか、他の全ての立体異性体または他の選択した立体異性体であり得る。本発明のキラル中心は、IUPAC 1974 Recommendationsにより定義されるSまたはR立体配置を有し得る。「塩」、「溶媒和物」、「プロドラッグ」などの用語の使用は、本発明の化合物の鏡像異性体、立体異性体、回転異性体、互変異性体またはラセミ体の塩、溶媒和物およびプロドラッグにも、同様に適用すると解釈される。
【0144】
式1の化合物ならびに式1の化合物の塩、溶媒和物およびプロドラッグの多形形状は、本発明に含まれると解釈される。
【0145】
「置換した」とは、指定原子、部分、基または分子上の1個またはそれ以上の水素が指示された基からの選択で置き換えられたことを意味するが、但し、既存状況下での指定原子の通常の原子価を超えず、その置換は、安定な化合物を生じる。置換基および/または変数の組合せは、このような組合せが安定な化合物を生じる場合にのみ、許容される。「安定な化合物」または「安定な構造」とは、反応混合物からの有用な純度までの単離および有効な治療剤への処方に耐えるのに十分に頑丈であることを意味する。
【0146】
化合物内の部分(例えば、置換基、基または環)の数に関連して、特に定義しない限り、「1個またはそれ以上」および「少なくとも1個」との用語は、化学的に許容されるできるだけ多くの部分が存在できることを意味し、このような部分の最大数の決定は、当業者の知見の範囲内である。
【0147】
本明細書および/または請求の範囲における満たされていない原子価を有する任意の式、化合物、部分または化学図式は、それらの原子価を満たすのに必要な水素原子を有すると想定されることに注目すべきである。
【0148】
任意の変数(例えば、アリール、複素環、Rなど)が、任意の構成要素または式1において、1回より多く現れるとき、各出現例でのその定義は、いずれの他の出現例でのその定義とも無関係である。また、置換基および/または変数の組合せは、このような組合せが安定な化合物を生じる場合にのみ、許容される。
【0149】
その多くの実施態様では、本発明は、代謝障害(例えば、肥満)および摂食障害(過食症)を治療する医薬組成物に関する。1局面では、本発明はまた、肥満を治療する医薬組成物に関し、これは、式1の化合物の肥満治療量を含有する:
【0150】
【化83】

一群の代表的な化合物および関連したKi値は、以下の表1に記載されている:
【0151】
【化84】

【0152】
【化85】

式1の化合物は、肥満を治療するのに有用な高選択性で高親和性のNPY Y1 レセプタアンタゴニストとして、有用であり得る。
【0153】
このNPY Y1 レセプタに対する本発明の化合物の「直接」効果に加えて、体重減少の恩恵を受ける疾患および病気(例えば、インシュリン抵抗、弱くなったグルコース耐性、II型糖尿病、高血圧症、高脂血症、心臓病、胆石、ある種の癌、および睡眠時無呼吸)がある。
【0154】
式1の化合物は、高選択性で高親和性のNPY Y1 レセプタアンタゴニストとして有用であり得、NPY Y1 レセプタアンタゴニストとしても有用である他の「異なる」化合物を含めた他の化合物と併用され得る。「異なる」との用語を使用するとき、他の化合物は、式1の化合物と化学的に異なると解釈される。
【0155】
本発明の別の局面は、NPY Y1レセプターアンタゴニストにより媒介される疾患または病気に罹った哺乳動物(例えば、ヒト)に、式1の化合物あるいは該化合物の薬学的に受容可能な塩または溶媒和物の治療有効量を投与することにより、該哺乳動物を治療する方法である。
【0156】
本発明の別の局面は、肥満を治療する方法に関し、該方法は、このような治療を必要とする哺乳動物に、式1の化合物あるいは該化合物の薬学的に受容可能な塩または溶媒和物の治療有効量を投与する工程を包含する。
【0157】
本発明の別の局面は、摂食障害および代謝障害(例えば、多食症、過食症および拒食症)を治療する方法に関し、該方法は、哺乳動物に、式1の化合物あるいは該化合物の薬学的に受容可能な塩または溶媒和物の治療有効量を投与する工程を包含する。
【0158】
本発明の別の局面は、高脂血症を治療する方法に関し、該方法は、哺乳動物に、式1の化合物あるいは該化合物の薬学的に受容可能な塩または溶媒和物の治療有効量を投与する工程を包含する。
【0159】
本発明の別の局面は、セリュライトおよび脂肪蓄積を治療する方法に関し、該方法は、哺乳動物に、式1の化合物あるいは該化合物の薬学的に受容可能な塩または溶媒和物の治療有効量を投与する工程を包含する。
【0160】
本発明の別の局面は、II型糖尿病を治療する方法に関し、該方法は、哺乳動物に、式1の化合物あるいは該化合物の薬学的に受容可能な塩または溶媒和物の治療有効量を投与する工程を包含する。
【0161】
本発明はまた、医薬組成物に関し、該医薬組成物は、式1の少なくとも1種の化合物あるいは該化合物の薬学的に受容可能な塩または溶媒和物と、少なくとも1種の薬学的に受容可能な担体とを含有する。
【0162】
本発明はまた、肥満を治療するための医薬組成物に関し、該医薬組成物は、式1の少なくとも1種の化合物あるいは該化合物の薬学的に受容可能な塩または溶媒和物と、少なくとも1種の薬学的に受容可能な担体とを含有する。
【0163】
本発明はまた、医薬組成物に関し、該医薬組成物は、式1の少なくとも1種の化合物あるいは該化合物の薬学的に受容可能な塩または溶媒和物と、少なくとも1種の薬学的に受容可能な担体とを含有する。
【0164】
本発明はまた、肥満を治療するための医薬組成物に関し、該医薬組成物は、式1の少なくとも1種の化合物あるいは該化合物の薬学的に受容可能な塩または溶媒和物と、少なくとも1種の薬学的に受容可能な担体とを含有する。
【0165】
本発明のさらに別の局面は、式1の化合物と、該化合物の薬学的に受容可能な塩または溶媒和物と、下記の他の化合物との組み合わせである。
【0166】
本発明の1つのこのような局面は、肥満を治療する方法であり、該方法は、哺乳動物(例えば、ヒトの女性または男性)に、以下を投与する工程を包含する:
a.一定量の少なくとも1種の第一化合物であって、該第一化合物は、式1の化合物あるいは該化合物の薬学的に受容可能な塩または溶媒和物である;および
b.一定量の少なくとも1種の第二化合物であって、該第二化合物は、少なくとも1種の抗肥満薬および/または食欲抑制薬(例えば、該第一化合物とは異なるβアゴニスト、スリオミメティック薬、食欲抑制薬またはNPYアンタゴニスト)であり、
ここで、該第一化合物および第二化合物の量は、治療効果を生じる。
【0167】
本発明のさらに別の局面は、式1の化合物と、該化合物の薬学的に受容可能な塩または溶媒和物と、下記の他の化合物との組み合わせである。
【0168】
本発明はまた、組み合わせ医薬組成物に関し、この組成物は、以下を含有する:治療有効量の組成物であって、該組成物は、以下を含有する:
a.少なくとも1種の第一化合物であって、該第一化合物は、式1の化合物あるいは該化合物の薬学的に受容可能な塩または溶媒和物である;
b.少なくとも1種の第二化合物であって、該第二化合物は、肥満抑制薬および/または食欲抑制薬(例えば、該第一化合物とは異なるβアゴニスト、スリオミメティック薬、食欲抑制薬またはNPYアンタゴニスト);および
c.必要に応じて、薬学的に受容可能な担体、ビヒクルまたは希釈剤。
【0169】
本発明の他の局面は、キットであり、該キットは、以下を含む:
a.第一単位剤形での第一量の式1の化合物または該化合物の薬学的に受容可能な塩または溶媒和物および薬学的に受容可能な担体、ビヒクルまたは希釈剤;
b.第二単位剤形での一定量の肥満抑制薬および/または食欲抑制薬(例えば、該第一化合物とは異なるβアゴニスト、スリオミメティック薬、食欲抑制薬またはNPYアンタゴニスト)および薬学的に受容可能な担体、ビヒクルまたは希釈剤;および
c.該第一および第二剤形を含有させる手段であって、ここで、該第一および第二化合物の量は、治療効果を生じる。
【0170】
本発明の別の局面は、糖尿病を治療する方法であり、この方法は、哺乳動物(例えば、ヒトの女性または男性)に以下を投与する工程を包含する:
a.一定量の第一化合物であって、この第一化合物は、式1の化合物、または該化合物の薬学的に受容可能な塩または溶媒和物である;および
b.一定量の第二化合物であって、この第二化合物は、アルドース還元酵素阻害薬、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害薬、ソルビトール脱水素酵素阻害薬、プロテインチロシン脱リン酸酵素1B阻害薬、ジペプチジルタンパク質分解酵素阻害薬、インシュリン(経口用生物学的利用可能インシュリン調製物を含む)、インシュリンミメティック、メトホルミン、アカルボース、PPAR−γ配位子(例えば、トログリタゾン、ロサグリタゾン、ピオグリタゾンまたはGW−1929)、スルホニル尿素、グリパジド、グリブリドおよびクロルプロパミドであり、ここで、ここで、該第一および第二化合物の量は、治療効果を生じる。
【0171】
本発明はまた、組み合わせ医薬組成物に関し、この組成物は、以下を含有する:治療有効量の組成物であって、該組成物は、以下を含有する:
第一化合物であって、該第一化合物は、式1の化合物、または該化合物の薬学的に受容可能な塩または溶媒和物である;
第二化合物であって、該第二化合物は、アルドース還元酵素阻害薬、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害薬、ソルビトール脱水素酵素阻害薬、プロテインチロシン脱リン酸酵素1B阻害薬、ジペプチジルタンパク質分解酵素阻害薬、インシュリン(経口用生物学的利用可能インシュリン調製物を含む)、インシュリンミメティック、メトホルミン、アカルボース、PPAR−γ配位子(例えば、トログリタゾン、ロサグリタゾン、ピオグリタゾンまたはGW−1929)、スルホニル尿素、グリパジド、グリブリドまたはクロルプロパミドである;および必要に応じて、薬学的なキャリア、ビヒクルまたは希釈剤。
【0172】
本発明の別の局面は、キットであり、このキットは、以下を含む:
a.第一単位剤形である一定量の式1の化合物、または該化合物の薬学的に受容可能な塩または溶媒和物
b.第二単位剤形である一定量のアルドース還元酵素阻害薬、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害薬、ソルビトール脱水素酵素阻害薬、プロテインチロシン脱リン酸酵素1B阻害薬、ジペプチジルタンパク質分解酵素阻害薬、インシュリン(経口用生物学的利用可能インシュリン調製物を含む)、インシュリンミメティック、メトホルミン、アカルボース、PPAR−γ配位子(例えば、トログリタゾン、ロサグリタゾン、ピオグリタゾンまたはGW−1929)、スルホニル尿素、グリパジド、グリブリドまたはクロルプロパミド、および薬学的に受容可能な担体、ビヒクルまたは希釈剤;および
c.該第一および第二剤形を含有させる手段であって、ここで、該第一および第二化合物の量は、治療効果を生じる。
【0173】
本発明のさらに別の局面は、代謝障害、摂食障害または糖尿病を治療する方法であり、該方法は、このような治療を必要とする哺乳動物に、構造式1で表わされる少なくとも1種の化合物の治療有効量を投与する工程を包含する:
【0174】
【化86】

式1の化合物は、NPY Y1レセプタをアンタゴナイズする活性を示し得、これは、摂食障害(例えば、肥満および過食症)および糖尿病を治療するための医薬活性と相関している。
【0175】
式1の化合物は、NPY Y1レセプタアンタゴニスト活性を立証するように設計された試験手順において、薬理活性を示す。これらの化合物は、医薬治療用量において、非毒性である。
【0176】
好ましい肥満抑制薬および/または食欲抑制薬は、(単独で、またはそれらの任意の組み合わせで)、上記組み合わせ方法、組み合わせ組成物および組み合わせキットにおいて、以下である:
フェニルプロパノールアミン、エフェドリン、シュードエフェドリン、フェンテルミン、コレシストキニンA(本明細書中の以下で、CCK−Aと呼ばれる)アゴニスト、モノアミン再取り込みインヒビター(例えば、シブトラミン)、交感神経作用性薬剤、セロトニン作用性薬剤(例えば、デキシフェンフルラミンまたはフェンフルラミン)、ドパミンアゴニスト(例えば、ブロモクリプチン)、メラノサイト刺激ホルモンレセプターアゴニストもしくは模倣物、メラノサイト刺激ホルモンアナログ、カンナビノイドレセプターアンタゴニスト、メラニン濃縮ホルモンアンタゴニスト、OBタンパク質(本明細書中の以下で、「レプチン」と呼ぶ)、レプチンアナログ、レプチンレセプターアゴニスト、ガラニンアンタゴニストまたはGIリパーゼインヒビターもしくは減少物質(例えば、オーリスタット)。他の食欲抑制薬としては、ボンベシンアゴニスト、デヒドロエピアンドロステロンもしくはそのアナログ、糖質コルチコイドレセプターアゴニストおよびアンタゴニスト、オレキシンレセプターアンタゴニスト、ウロコルチン結合タンパク質アンタアゴニスト、グリコーゲン様ペプチド1レセプターのアゴニスト(例えば、Exendin)ならびに毛様体神経栄養因子(例えば、Axokine)が挙げられる。
【0177】
本発明により記述された化合物から医薬組成物を調製するためには、不活性で薬学的に受容可能な担体は、固体または液体のいずれかであり得る。固体製剤には、粉末、錠剤、分散性顆粒、カプセル、カシュ剤および座剤が挙げられる。これらの粉末および錠剤は、約5%〜約95%の式1の化合物から構成され得る。適当な固体担体は、当該技術分野で公知であり、例えば、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ショ糖またはラクトースがある。錠剤、粉末、カシュ剤およびカプセルは、経口投与に適当な固形投薬形態として、使用できる。薬学的に受容可能な担体および種々の組成物の製造方法の例は、A.Gennaro(著),Remington’s Pharmaceutical Sciences,18版、(1990),Mack Publishing Co.,Easton,Pennsylvaniaで見られ得る。
【0178】
液状製剤には、溶液、懸濁液および乳濁液が挙げられる。一般的液状製剤には、非経口注入用に、水または水−プロピレングリコール溶液が挙げられ、また、経口溶液、懸濁液および乳濁液用に、甘味料および乳白剤の添加が挙げられる。液状製剤には、また、鼻腔内投与用の溶液が挙げられ得る。
【0179】
吸入に適当なエアロゾル製剤には、溶液および粉末形状固体が挙げられ得、これは、薬学的に受容可能な担体(例えば、不活性圧縮気体(例えば、窒素))と組み合わせられ得る。
【0180】
また、使用直前に、経口投与または非経口投与のいずれか用の液状製剤に転化され得る固形製剤も含まれる。このような液体形状には、溶液、懸濁液および乳濁液が挙げられる。
【0181】
本発明の化合物はまた、経皮的に送達可能であり得る。これらの経皮組成物は、クリーム、ローション、エアロゾルおよび/または乳濁液の形状をとり得、この目的のために当該技術分野で通常のマトリックス型またはレザバ型の経皮パッチに含まれ得る。
【0182】
本発明の化合物はまた、皮下的に送達され得る。
【0183】
好ましくは、この化合物は、経口投与される。
【0184】
好ましくは、この医薬製剤は、単位投薬形状である。このような形状では、この製剤は、適当な量(例えば、所望の目的を達成する有効量)の活性成分を含有する適当なサイズの単位用量に細分される。
【0185】
単位用量の製剤中の活性化合物の量は、特定の用途に従って、約1mg〜約1000mg、好ましくは、約1mg〜約50mg、さらに好ましくは、約1mg〜約25mgで変えられるか調整され得る。
【0186】
有用な投薬量は、約0.001〜100mg/体重1kg/日の式1の化合物である。好ましい投薬量は、約0.01〜25mg体重1kg/日の式1の化合物あるいは該化合物の薬学的に受容可能な塩または溶媒和物である。
【0187】
使用する本発明の化合物の実際の投薬量は、患者の要求および治療する病気の重症度に依存して、変えられ得る。特定の状況に適当な投薬レジメンの決定は、当該技術の範囲内である。便宜上、全1日投薬量は、必要な日にわたって、分割して少しずつ投与され得る。
【0188】
本発明の化合物および/またはそれらの薬学的に受容可能な塩を投与する量および頻度は、患者の年齢、状態および体格だけでなく治療する症状の重症度のような因子を考慮して、担当医(医師)の判断に従って、調節される。経口投与に典型的な推奨投薬レジメンは、2回〜4回に分割した用量で、約1mg/日〜約300mg/日、好ましくは、1mg/日〜50mg/日の範囲の範囲であり得る。
【0189】
本発明の別の実施態様は、本明細書中で開示された化合物を製造する方法を開示する。これらの化合物は、当該技術分野で公知のいくつかの技術により、調製され得る。次いで、本明細書中で開示された発明は、代表的な調製実施例と、そこから製造された追加例化合物により例示されるが、これらは、添付の請求の範囲で規定される本発明の範囲を限定すると解釈すべきではない。もし、適用可能であるなら、以下の表で示す化合物のKi値は、以下のように格付けされる:1000ナノモル(nM)未満のKi値について「A」、1000nMを含めてそれより高く10,000nMを含めてそれより低いKi値について「B」、そして10,000nMより高いKi値について「C」。(出発物質は、公知方法および/または調製において記述された方法により、調製される)。代替的な機械的経路および類似の構造は、当業者に明らかである。例えば、式1の化合物は、以下の反応スキーム、調製および下記の実施例で示したように、溶液相合成または固相合成のいずれかを使用して、当業者に公知のプロセスにより、生成できる。式1の化合物の組み合わせライブラリもまた、以下の手順で示した固相化学反応を使用して、調製できる。
【0190】
全てのNMRデータは、特に明記しない限り、400MHzのNMR分光器で集めた。LC−Electrospray−Mass spectroscopyを使用して、分子質量および保持時間を測定した。LCMSデータは、5%〜95%MeCN(水中)で溶出するC−18カラムを使って、獲得した。
【0191】
以下の成分、溶媒および試薬は、括弧内の略語で呼ぶ場合がある:
ADDP(1,1’−(アゾジカルボニル)ジピペリジン);
Boc(第三級ブトキシカルボニル);
CHNH(メチルアミン);
CHCN(アセトニトリル);
CHCl(二塩化メチレン);
DBU(1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカ−7−エン);
DCM(ジクロロメタン);
DIEA ジイソプロピルエチルアミン;
DIPEA(N,N’−ジイソプロピルエチルアミン);
DME(1,2−ジメトキシエタン);
DMF(N,N’−ジメチルホルムアミド);
EDCl(1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩);
eq(当量);
EtOAc(酢酸エチル);
EtN(トリエチルアミン);
Fmoc(9−フルオレニルメトキシカルボニル);
g(グラム);
h(時間)
HOAc(酢酸);
MeOH(メタノール);
mL(ミリリットル);
Min(分間);
mg(ミリグラム);
MW(分子量);
NaBH(OAc)(トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム);
NaSO(硫酸ナトリウム);
NaHCO(炭酸水素ナトリウム);
NMP(1−メチル−2−ピロリジノン);
(保持時間);
rt(室温);
TEA(トリエチルアミン);
TFA(トリフルオロ酢酸);
TLC(薄層クロマトグラフィー);
THF(テトラヒドロフラン);および
TMAD(N,N,N’,N’,−テトラメチルアゾジカルボキサミド)。
【0192】
【化87】

は、固相合成のための樹脂を表わす。
【実施例】
【0193】
(調製実施例のための一般的な合成スキームおよび手順)
式1の追加化合物は、以下の手順により、調製できる:
(手順A)
【0194】
【化88】

(手順A、工程1)
無水DMF(37.5mL)に懸濁したp−ニトロフェノールカーボネートWang樹脂(5g、0.89mmol/g)に、NMP(13.35mL、26.7mmol、6当量)中の6−フルオロ−2−アミノベンゾチアゾール(44.5mmol、10当量)および2Mジイソプロピルエチルアミンを加えた。その混合物を、60℃で、一晩振盪した。この樹脂をDMF(4×)で洗浄し、次いで、CHOH:DMF溶媒混合物中の5%DBUで処理した(3×5分間)。この樹脂をDMF(4×)、DCM中の5%HOAc(3×)、DMF:HOの1:1溶媒混合物(3×)、CHOH(3×)、THF(3×)およびDCM(3×)で洗浄し、樹脂A2(ここで、R10は、6−フルオロであり、そしてR10’は、Hである)を得た。
【0195】
(手順A、工程2)
樹脂A2(ここで、R10は、6−フルオロであり、そしてR10’は、Hである)(17.8mmol)を、無水THF:DCMの1:1溶媒混合物(310mL)に懸濁した。この懸濁液に、p−アミノフェネチルアルコール(12.21g、89mmol)およびトリフェニルホスフィン(23.32g、89mmol)を加えた。全てのトリフェニルホスフィンが溶解するまで、その反応混合物をかき混ぜた。この懸濁液に、N(g)下にて、1,1’−(アゾジカルボニル)ジピペラジン(22.5g、89mmol)のDCM(50mL)溶液を滴下した。この反応混合物を一晩振盪した。この樹脂を無水THF:DCMの1:1溶媒混合物(4×)で洗浄し、次いで、無水THF:DCMの1:1溶媒混合物中の5%HOAcで処理した。1時間後、この樹脂を、DMF(1×)、3:1のDMF:THF溶媒混合物中の5%ジイソプロピルエチルアミン、DMF(3×)、THF(3×)、CHOH(3×)およびDCM(3×)でリンスして、樹脂A3(ここで、R10は、6−フルオロであり、R10’は、Hであり、そしてR15は、Hである)を得た。
【0196】
(手順A、工程3)
無水DCM中で予め膨潤した樹脂A3(R10は、6−フルオロであり、R10’は、Hであり、そしてR15は、Hである)に、イソチオシアン酸2−クロロエチル(3当量)を加えた。その反応混合物を一晩かき混ぜた。この樹脂を、THF(4×)およびDCM(4×)で洗浄した。この樹脂を、DCM中の50%TFAで開裂し(2時間)、その濾液を濃縮して、A4(ここで、R10は、6−フルオロであり、R10’は、Hであり、R15は、Hであり、R16は、Hであり、R16’は、Hであり、そしてZは、Hである)を得た。
【0197】
類似の方法を使用して、以下の化合物を調製した:
【0198】
【化89】

【0199】
【化90】


【0200】
(手順B)
【0201】
【化91】

(手順B、工程1)
DCM(6mL)に懸濁した樹脂B1(R10は、Hであり、そしてR10’は、Hである)(500mg)に、イソチオシアン酸エチルオキシカルボニル(295mg、2.25mmol)を加えた。その混合物を、室温で、一晩振盪した。この樹脂をTHF(5×)およびDCM(5×)で洗浄して、B2(ここで、R10は、Hであり、R10’は、Hであり、そしてYは、NHCOCHCHである)を得た。
【0202】
(手順B、工程2)
NMP(2mL)中のB2(R10は、Hであり、R10’は、Hであり、そしてYは、NHCOCHCHである)(100mg)に、アミノエタノール(16.3mg、0.267mmol)およびトリエチルアミン(50μL、0.36mmol)を加えた。その混合物に1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(51.2mg、0.267mmol)を加え、この反応物を一晩振盪した。この樹脂を、DMF(3×)、THF(4×)およびDCM(4×)で洗浄した。無水THF:DCMの1:1混合物(0.5mL)に懸濁した樹脂(50mg)に、トリフェニルホスフィン(58mg、0.22mmol)を加え、固形物が溶解するまで、その混合物を振盪した。THF:DCMの1:1混合物(0.5mL)中のTMAD(38mg、0.22mmol)の溶液を加え、その反応混合物を振盪した。5時間後、この樹脂を、DMF(3×)、THF(4×)およびDCM(4×)で洗浄した。この樹脂を、1.5時間にわたって、DCM中の50%TFAで開裂した。その濾液を濃縮して、B3(R10は、Hであり、R10’は、Hであり、R14は、Hであり、Zは、Hであり、R16は、Hであり、R16’は、Hであり、そしてYは、NHCOCHCHである)を得た。
【0203】
類似の方法を使用して、以下の化合物を調製した:
【0204】
【化92】

【0205】
【化93】


【0206】
(手順C)
【0207】
【化94】

(手順C、工程1)
NMP(3mL)中のB2(R10は、Hであり、R10’は、Hであり、そしてYは、NHCOCHCHである)(140mg)に、アラニンメチルエステル塩酸塩(52.2mg、0.37mmol)およびトリエチルアミン(138μL、0.992mmol)を加えた。その混合物を15分間振盪した。EDCl(71.5mg、0.374mmol)を加え、この反応物を一晩振盪した。この樹脂を、DMF(4×)、THF(4×)およびDCM(4×)で洗浄した。DCM(1mL)に懸濁した樹脂(70mg)に、ナトリウムエトキシド/エタノール(9μL、0.02mmol)の21%DCM(1.0mL)溶液を加えた。5時間振盪した後、この樹脂を、DCM(1×)、HO(1×)、THF(4×)およびDCM(5×)で洗浄した。この樹脂を、2時間にわたって、DCM中の20%TFAで開裂し、その濾液を濃縮して、C2(R10は、Hであり、R10’は、Hであり、R14は、Hであり、R16は、Hであり、R16’は、Hであり、そしてYは、NHCOCHCHである)を得た。
【0208】
類似の方法を使用して、以下の化合物を調製した:
【0209】
【化95】

【0210】
【化96】

【0211】
【化97】

【0212】
【化98】


【0213】
(手順D)
【0214】
【化99】

(手順D、工程1)
DCM(2mL)で予め膨潤した樹脂A3(R10は、Hであり、R10’は、Hであり、そしてR15は、Hである)(500mg)に、無水ピリジン(0.35mL、4.45mmol)を加えた。チオホスゲン(0.1mL、1.34mmol)を加え、その反応物を2時間振盪した。この樹脂を無水DCMで洗浄し、そして乾燥して、D2(R10は、Hであり、そしてR10’は、Hである)を得た。
【0215】
(手順D、工程2)
DCM(2mL)に懸濁した樹脂D2(R10は、Hであり、そしてR10’は、Hである)(250mg)に、アミノアセトアルデヒドジメチルアセタール(1mL、9.2mmol)を加えた。その反応物を、室温でかき混ぜた。この樹脂を、DCM中の30%TFAで開裂した。その濾液をシリカゲルのプラグで濾過し、そして濃縮して、D3(R10は、Hであり、R10’は、Hであり、R16は、Hであり、R16’は、Hであり、そしてZは、Hである)を得た。
【0216】
【化100】


【0217】
(手順E)
【0218】
【化101】

(手順E、工程1)
DCMで予め膨潤した樹脂D2(R10は、Hであり、そしてR10’は、Hである)(60mg)に、2−アミノ−1−フェニルエタノール(100mg)を加え、そして室温で、一晩振盪した。この樹脂を、DCM(4×)、THF(4×)およびDCM(4×)で洗浄した。この樹脂を、2時間にわたって、DCM中の20%TFAで開裂した。その濾液を蒸発させ、得られた物質を、一晩にわたって、100%TFAで処理した。この溶液を蒸発させ、その物質を、一晩にわたって、100%TFAでもう1回処理した。もし、この化合物が依然として環化されていないなら、次いで、この化合物を、100%TFAと共に、70〜80℃で、一晩加熱した。この溶液を濃縮して、生成物E2(R10は、Hであり、R10’は、Hであり、R14は、Hであり、R16は、Hであり、R16’は、Hであり、Zは、フェニルであり、そしてnは、2である)を得た。
【0219】
類似の方法を使用して、以下の化合物を調製した:
【0220】
【化102】

【0221】
【化103】

【0222】
【化104】

【0223】
【化105】

【0224】
【化106】

【0225】
【化107】

【0226】
【化108】

【0227】
【化109】

【0228】
【化110】

【0229】
【化111】

【0230】
【化112】

【0231】
【化113】

【0232】
【化114】

【0233】
【化115】

【0234】
【化116】

【0235】
【化117】

【0236】
【化118】

【0237】
【化119】

【0238】
【化120】

【0239】
【化121】

【0240】
【化122】

【0241】
【化123】

【0242】
【化124】

【0243】
【化125】

【0244】
【化126】

【0245】
【化127】

【0246】
【化128】

【0247】
【化129】

【0248】
【化130】

【0249】
【化131】

【0250】
【化132】

【0251】
【化133】

【0252】
【化134】


【0253】
(手順F)
【0254】
【化135】

(手順F、工程1)
E2(R10は、Hであり、R10’は、Hであり、R14は、Hであり、R16は、Hであり、R16’は、Hであり、Zは、フェニルであり、そしてnは、2である)の合成(手順E、工程1)について記述されたものと類似の手順により、F2(R10は、Hであり、R10’は、Hであり、R14は、Hであり、R16は、Hであり、そしてR16’は、Hである)を合成した。
【0255】
類似の方法を使用して、以下の化合物を調製した:
【0256】
【化136】

【0257】
【化137】

【0258】
【化138】

【0259】
【化139】

【0260】
【化140】

【0261】
【化141】

【0262】
【化142】

【0263】
【化143】

【0264】
【化144】

【0265】
【化145】


【0266】
(手順G)
【0267】
【化146】

(手順G、工程1)
樹脂A3(R10は、Hであり、R10’は、Hであり、そしてR15は、Hである)(1g)に、Fmocイソシアネート(1.25g、4.45mmol)を加えた。その反応物を一晩振盪した。この樹脂を、THF(5×)およびDCM(5×)で洗浄した。この樹脂を、DMF中の20%ピペリジンで処理した(20分間×3)。この樹脂を、DMF(3×)、THF(3×)、CHOH(3×)およびDCM(3×)で洗浄し、そして乾燥して、G2(R10は、Hであり、R10’は、Hであり、そしてR15は、Hである)を得た。
【0268】
(手順G、工程2)
予め膨潤させた樹脂G2(R10は、Hであり、R10’は、Hであり、そしてR15は、Hである)(60mg)に、ピリジン(0.5mL、6.2mmol)を加えた。2−ブロモアセトフェノン(100mg、0.50mmol)をDCM(0.5mL)に溶解し、この懸濁液に加えた。その反応物を一晩振盪した。この樹脂を、DMF(3×)、CHOH(3×)、DCM:CHOHの3:1溶媒混合物中の10%HOAc(2×10分間)、CHOHおよびTHF(交互の洗浄サイクル 3×)、CHOH(2×)およびDCM(4×)で洗浄した。この樹脂を、1.5時間にわたって、DCM中の20%TFAで開裂し、その濾液を濃縮して、G3(R10は、Hであり、R10’は、Hであり、R15は、Hであり、R16は、フェニルであり、そしてZは、Hである)を得た。
【0269】
類似の方法を使用して、以下の化合物を調製した:
【0270】
【化147】

【0271】
【化148】

【0272】
【化149】

【0273】
【化150】

【0274】
【化151】


【0275】
(手順H)
【0276】
【化152】

(手順H、工程1)
G3(R10は、Hであり、R10’は、Hであり、R15は、Hであり、R16は、フェニルであり、そしてZは、Hである)(手順G、工程2)の合成について記述したものと類似の手順により、H2(R10は、Hであり、R10’は、Hであり、R15は、Hであり、そしてZは、フェニルである)を調製した。
【0277】
類似の方法を使用して、以下の化合物を調製した:
【0278】
【化153】

【0279】
【化154】


【0280】
(手順I)
【0281】
【化155】

(手順I、工程1)
11(R10は、Hであり、そしてR10’は、Hである)(1当量)および12(R16は、フェニルであり、R16’は、Hであり、Zは、Hであり、そしてnは、3である)(1当量)の混合物を、75℃で、トルエン中にて、10分間加熱した。この混合物に、四塩化チタンの1Nトルエン(2当量)溶液を滴下した。4時間後、TLCにより、生成物が存在しないことが明らかとなり、結果として、ジイソプロピルエチルアミン6当量を加え、その混合物を、75℃で、一晩加熱した。この溶液を、酢酸エチル、およびHOと飽和NaHCO溶液との1:1混合物で希釈した。固形物が沈殿した。その懸濁液をセライトで濾過し、その濾液を、HOと飽和NaHCO溶液との1:1混合物(2×)およびブラインで洗浄した。この溶液を無水NaSOで乾燥し、そして濃縮して、13(R10は、Hであり、R10’は、Hであり、R16は、フェニルであり、R16’は、Hであり、Zは、Hであり、そしてnは、3である)を得た。
【0282】
類似の方法を使用して、以下の化合物を調製した:
【0283】
【化156】


【0284】
(cAMPアッセイ)
Y1レセプター亜型を発現するHEK−293を、湿潤5%CO雰囲気下にて、ダルベッコ改変イーグル培地(Gico−BRL)(これは、10%のFCS(ICN)、1%のペリシリン−ストレプトマイシンおよび200μg/mlのGeneticin(GibcoBRL #11811−031)で補足した)中で維持した。アッセイの2日前、細胞溶解液(1X;非酵素的[Sigma #C−5914])を使用して、T−175組織培養フラスコから細胞を解離し、1ウェルあたり15,000個〜20,000個の細胞密度で、96ウェル平底組織培養プレートに播種した。約48時間後、その細胞単分子層を、37℃で、対象アンタゴニスト化合物と共にまたはそれなしで、1mMの3−イソブチル−1−メチルキサンチン([IBMX]Sigma #1−5879)を含有するハンクス平衡塩類溶液(HBSS)でリンスし、次いで、約150μl/ウェルのアッセイ緩衝液(4mMのMgCl、10mMのHEPES、0.2%のBSA[HH]で補足した)でプレインキュベートした。20分後、その1mMのIBMX−HHアッセイ緩衝液(±アンタゴニスト化合物)を除去し、1濃度の対象アンタゴニスト化合物の存在下または非存在下にて、1.5μMのフォルスコリン(Sigma #F−6886)および種々の濃度のNPYを含有するアッセイ緩衝液で置き換えた。10分間の終わりに、この培地を除去し、これらの細胞単層を75μlのエタノールで処理した。これらの組織培養プレートを、プラットフォーム振盪機上で15分間かき混ぜ、その後、エタノールを蒸発させるために、これらのプレートを温水浴に移した。全てのウェルを乾燥させると、その細胞残留物を250μlのFlashPlate(登録商標)アッセイ緩衝液で再溶解した。各ウェル中のcAMPの量を、[125I]−cAMP FlashPlate(登録商標)キット(NEN #SMP−001)を使用して、業者が提供したプロトコルに従って、定量した。データは、pmol cAMP/mlまたは対照の割合のいずれかで表わした。全てのデータ点は、3通りで決定し、非線形(S字形)回帰式(GraphPad Prism(商標))を使用して算出した。このアンタゴニスト化合物のKは、次式を使用して概算した:
=[B]/(1−{[A‘]/[A]})
ここで、
[A]は、アンタゴニストの非存在下でのアゴニスト(NPY)のEC50である;
[A‘]は、アンタゴニストの存在下でのアゴニスト(NPY)のEC50である;そして
[B]は、このアンタゴニストの濃度である。
【0285】
(NPYレセプタ結合アッセイ)
ヒトNPY Y1レセプターをCHO細胞中で発現した。50mM HRPES(pH7.2)、5mM CaCl、1mM MgClおよび0.1% BSA(これは、200μlの全容量中に、5〜10μgの膜タンパク質および0.1nMの125I−ペプチドYYを含有する)中で、結合アッセイを実行した。1μMのNPYの存在下にて、非特異的結合を決定した。これらの反応混合物を、室温で、90分間インキュベートし、次いで、Millipore MAFCガラス繊維プレート(これは、0.5%ポリエチレンイミンに予め浸漬した)で濾過した。これらのフィルターをリン酸緩衝生理食塩水で洗浄し、そしてPackard TopCountシンチレーションカウンタで放射活性を測定した。
【0286】
もし、適用可能であるなら、以下の表で示す化合物のKi値は、以下のように格付けされる:1000ナノモル(nM)未満のKi値について「A」、1000nMを含めてそれより高く10,000nMを含めてそれより低いKi値について「B」、そして10,000nMより高いKi値について「C」。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造式1で表わされる化合物、あるいはそれらの薬学的に受容可能な塩または溶媒和物:
【化1】

ここで:
は、ヘテロアリール、N−アリールアミノカルボニル、N−ヘテロアリールアミノカルボニル、ベンゾイミダゾリルまたはベンゾチアゾリルであり、ここで、該ベンゾイミダゾリルおよびベンゾチアゾリルは、それぞれ、必要に応じて、別個に、非置換であるか、または1個〜5個の置換基で置換されており、そして各置換基は、別個に、以下からなる群から選択される:ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アルキルスルホニル、チオ、アルコキシアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、−OR20、−CN、−NO、−NR2021、−C(O)R20、−C(O)OR20、−C(O)NR2021、−S(O)0〜2NR2021、−CF、−OCF、−CFCF、−C(=N−OR20)R21、−N(R20)S(O)0〜221、−N(R20)C(O)(R21)、−N(R20)C(O)NR2122、−C(O)N(R20)(R21)、−SO20および−SON(R20)(R21);
20、R21およびR22は、別個に、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり、ここで、各アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリールおよびヘテロアリールは、非置換であるか、または必要に応じて、別個に、1個〜5個の置換基で置換されており、該置換基は、同一または異なり、そして別個に、以下からなる群から選択される:ハロゲン、−CF、−CN、−COOH、−C(O)Oアルキル、−C(O)Oシクロアルキル、−C(O)O−アリールアルキル、−C(O)O−ヘテロアリールアルキル、−C(O)NH、−C(O)N(H)(アルキル)、−C(O)N(H)(アリールアルキル)、−C(O)N(H)(ヘテロアリールアルキル)、−C(O)N(H)(シクロアルキル)、−C(O)N(H)(アリール)、−C(O)N(H)(ヘテロアリール)、−C(O)N(H)(アリールアルキル)、−C(O)N(H)(ヘテロアリールアルキル)、−C(O)N(アルキル)(アルキル)、−C(O)N(アルキル)(アリール)、−C(O)N(アルキル)(ヘテロアリール)、−S−アルキル、−S−アリール、−S−アリールアルキル、−S−ヘテロアリールアルキル、−S(O)(アルキル)、−S(O)(アリール)、−S(O)(アリールアルキル)、−S(O)(ヘテロアリール)、−S(O)(ヘテロアリールアルキル)、−S(O)(シクロアルキル)、−S(O)N(H)(ヘテロシクロアルキル)、−S(O)NH、−S(O)N(アルキル)(アルキル)、−S(O)N(H)(アルキル)、−S(O)N(H)(アリール)、−S(O)N(アルキル)(アルキル)、−S(O)NH、−S(O)N(H)(アルキル)、−S(O)N(H)(アリール)、−S(O)N(H)(アリールアルキル)、−S(O)N(H)(ヘテロアリールアルキル)、−S(O)N(H)(シクロアルキル)、−S(O)N(アルキル)(アリール)、−S(O)N(アルキル)(アルキル)、OH、−O(C〜C)アルキル、−O−シクロアルキル、−O−ヘテロシクロアルキル、−O−シクロアルキルアルキル、−O−ヘテロシクロアルキルアルキル、−O−アリールアルキル、−O−ヘテロアリールアルキル、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、−NH、−N(H)(アルキル)、−N(H)(アリール)、−N(H)(ヘテロアリール)、−N(H)アリールアルキル、−N(H)(ヘテロアリールアルキル)、−N(アルキル)(アルキル)、−N(アリールアルキル)(アリールアルキル)、−N(ヘテロアリールアルキル)(アリールアルキル)、−N(H)C(O)−アルキル、−N(H)C(O)−アリールアルキル、−N(H)C(O)−ヘテロアリールアルキル、−N(H)C(O)−ヘテロアリール、−N(H)C(O)−アリール、−N(H)C(O)NH、−N(H)C(O)N(H)(アルキル)、−N(H)C(O)N(アルキル)(アルキル)、−N(アルキル)C(O)N(H)(アルキル)、−N(アルキル)C(O)N(アルキル)(アルキル)、−N(H)S(O)−アルキル、−N(H)S(O)−アリールアルキル、−N(H)S(O)−ヘテロアリールアルキル、−N(H)S(O)−アリール、−N(H)S(O)−ヘテロアリール、−N(H)S(O)N(H)(アルキル)、−N(H)S(O)N(アルキル)(アルキル)、−N(アルキル)S(O)N(H)(アルキル)および−N(アルキル)S(O)N(アルキル)(アルキル);
Xは、−CHまたはNである;
Lは、脂肪族またはヘテロ脂肪族リンカー鎖であり、該鎖は、必要に応じて、別個に、以下からなる群から選択される1個またはそれ以上で連結される:アルキル、アリール、シクロアルキル、スピロアルキル、ヘテロアリールおよびそれらの組み合わせ;
15は、存在しているか、または存在しておらず、もし存在しているなら、H、アリール、アルキル、アリールアルキル、ヘテロシクロアルキルまたはヘテロアリールアルキルである;
18は、H、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、−OR20、−CN、−NO、−NR2021、−C(O)R20、−C(O)OR20、−C(O)NR2021、−S(O)0〜2NR2021、−CF、−OCF、−CFCF、−C(=N−OR20)R21、−N(R20)S(O)0〜221、−N(R20)C(O)(R21)、−N(R20)C(O)NR2122、−C(O)N(R20)(R21)、−SO20またはSON(R20)(R21)である;
Aは、構造式2で表わされる:
【化2】

14は、存在しているか、または存在しておらず、もし存在しているなら、H、アリール、アルキル、アリールアルキル、カルボキシル、アルキルアリール、アシル、アルケニル、ヘテロアリールアルキル、アルコキシカルボニル、ヘテロアリール、シクロアルキル、アルケニルまたはアリールカルボニルである;または
14は、R16またはR16’と一緒になって、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、ヘテロシクレニル、ヘテロアリールシクロアルケニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロシクロアルケニルアリール、ヘテロシクロアルキルアリール、ヘテロアリールシクロアルキル、シクロアルキルヘテロアリールまたはヘテロシクロアルキルヘテロアリールである;
16およびR16’は、別個に、存在しているか、または存在しておらず、同一または異なり、そして別個に、以下からなる群から選択される:H、アリール、アルキル、アリールアルキル、ヘテロアリール、カルボキシル、置換カルボキシル、アロイル、ヘテロアリールアルキル、シクロヘキサニル、シクロアルキル、アルキルチオ、アルコキシカルボニル、シクロアルキルアルキル、アルキルアミノカルボニル、ハロアリール、ハロアルキル、フェニルアルキル、アルコキシ、アシル、アロイル、アルキルカルボキシル、アルキルシクロアルキル、アルキルアミノ、アダマンチル、アルキルチオエーテル、ビフェニル、アルカノール、イソシアン酸ジアルキルおよびアルキルイミダゾールであるが、但し、R16およびR16’の少なくとも1個は、存在している;または
16およびR16’は、一緒になって、スピロアルキル基、ヘテロスピロアルキル基または=Oを形成する;
Yは、S、O、NまたはCであるが、但し、(1)YがNであるとき、Nは、非置換であるか、またはアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アルケニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニルまたは以下からなる群から選択される置換基で置換されている:
【化3】

または(2)YがNであるとき、Nの該置換基は、Zと一緒になって、ヘテロシクロアルキル部分を形成するか、または(3)YがCであるとき、Cは、非置換であるか、または必要に応じて、別個に、1個または2個の置換基で置換されており、該置換基は、同一または異なり、そして別個に、以下からなる群から選択される:アルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリールおよびヘテロアリール;
Zは、存在しているか、または存在していないか、いずれかであり、もし存在しているなら、H、アリール、アルキル、アルコキシ、アリールアルキル、フェニルアルキル、シクロアルキル、スピロアルキル、アルキルアリール、アルキルアミノカルボニル、ハロアリール、ハロアルキル、(CHNC(O)−、アルキルカルボキシル、アシル、ヘテロアリールアルキル、アルコキシカルボニル、カルボキシル、アルキルシクロアルキル、アルキルアミノ、アルキルチオエーテル、ビフェニル、アルカノール、イソシアン酸ジアルキル、アルキルイミダゾールまたは=Oである;または
Zは、R16と一緒になって、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクレニル、ヘテロシクロアルキル、アリールシクロアルケニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、シクロアルケニルアリール、アリールシクロアルキル、シクロアルキルアリール、ヘテロアリールシクロアルキルまたはシクロアルキルヘテロアリールである;または
Zは、Yと一緒に連結されて、ヘテロシクロアルキルである;
Bは、6員環である;そして
nは、1、2または3である;
但し、条件(i)または条件(ii)のいずれかが満たされるとき、R16、R16’、R18およびZの少なくとも1個は、存在しており、そしてH以外の置換基である;
条件(i)は、式1の化合物が以下であるとき、満たされる:
【化4】

ここで、Rは、以下の構造から選択される:
【化5】

qは、1または2である;
pは、1〜5の整数である;そして
S’は、別個に、以下からなる群から選択される:H、アルキル、ハロゲン、メトキシ、カルボキシアミノメチル、アルコキシカルボニルおよびアルカノイルアミノメチル;
条件(ii)は、式1の化合物が以下であるとき、満たされる:
【化6】

ここで、Rは、必要に応じて、置換または非置換であり、そして以下の構造から選択される:
【化7】

mは、は、1〜5の整数である;そして
S’は、別個に、以下からなる群から選択される:H、アルキル、ハロゲン、メトキシ、カルボキシアミノメチル、アルコキシ、カルボニルおよびアルカノイルアミノメチル。
【請求項2】
Aが、以下からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物:
【化8】

【請求項3】
14が、存在しているか、または存在しておらず、もし存在しているなら、以下からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物:H、
【化9】

【請求項4】
14が、Hである、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
15が、Hである、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
16およびR16’が、以下からなる群から選択される:H、
【化10】

【化11】

【化12】

または
16およびR16’が、一緒になって、
【化13】

である;
または
16およびR16’が、一緒になって、
【化14】

である、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
16およびR16’が、以下からなる群から選択される:H、
【化15】

または
16およびR16’が、一緒になって、
【化16】

である;
または
16およびZが、一緒になって、
【化17】

である、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
Zが、存在しているか、または存在しておらず、もし存在しているなら、以下からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物:H、
【化18】

【化19】

【請求項9】
Zが、以下からなる群から選択される、請求項8に記載の化合物:H、
【化20】

【請求項10】
Yが、Sである、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
Yが、Cである、請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
nが、0である、請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
nが、1である、請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
nが、2である、請求項1に記載の化合物。
【請求項15】
Lが、アルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項16】
Lが、−CHCH−である、請求項1に記載の化合物。
【請求項17】
Xが、−CHである、請求項1に記載の化合物。
【請求項18】
18が、Hである、請求項1に記載の化合物。
【請求項19】
構造式3で表わされる、請求項1に記載の化合物:
【化21】

ここで、R、R15およびAは、本明細書中で定義したとおりである
【請求項20】
構造式4で表わされる、請求項2に記載の化合物:
【化22】

ここで、R10は、以下からなる群から選択される:H、ハロゲン;アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、チオ、アルキルカルボニル、アルキルスルホニルおよびアルコキシ;そして
Wは、S、OまたはNであるが、但し、WがNであるとき、Nは、H、アルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリールまたはヘテロアリールで置換されている、
化合物。
【請求項21】
構造式5で表わされる、請求項20に記載の化合物:
【化23】

ここで、R10およびR16は、本明細書中で定義したとおりである、
化合物。
【請求項22】
16が、以下からなる群から選択される、請求項21に記載の化合物:CH
【化24】

【請求項23】
構造式6で表わされる、請求項20に記載の化合物:
【化25】

ここで、R10およびR16は、本明細書中で定義したとおりである、
化合物。
【請求項24】
16が、以下である、請求項23に記載の化合物:
【化26】

【請求項25】
が、
【化27】

であり、そして
11が、以下からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物:H、ハロゲン、アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、チオおよびアルキルカルボニル。
【請求項26】
構造式7で表わされる、請求項1に記載の化合物:
【化28】

そして
11は、以下からなる群から選択される:H、ハロゲン、アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、チオおよびアルキルカルボニル。
【請求項27】
が、
【化29】

であり、
10およびR10’が、同一または異なり、そして別個に、以下からなる群から選択される:H、ハロゲン、アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、チオ、アルキルカルボニル、アルキルスルホニルおよびアルコキシ;そして
Wが、S、OまたはNであり、WがNであるとき、Nが、非置換であるか、またはアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリールまたはヘテロアリールで置換されている、請求項1に記載の化合物。
【請求項28】
Wが、Sである、請求項27に記載の化合物。
【請求項29】
10が、以下からなる群から選択される、請求項27に記載の化合物:H
【化30】

【請求項30】
10’が、HまたはClである、請求項27に記載の化合物。
【請求項31】
構造式8で表わされる、請求項1に記載の化合物:
【化31】

ここで:
10は、H、−OCH、−CH、ClまたはFである;
10’は、HまたはClである;そして
Aは、以下の構造から選択される:
【化32】

【請求項32】
以下の構造式9、10および11で表わされる、請求項1に記載の化合物:
【化33】

【請求項33】
請求項1に記載の化合物であって、但し、条件(iii)または条件(iv)が満たされるとき、R16、R16’、R18およびZの少なくとも1個は、存在しており、そしてH以外の置換基である;
条件(iii)は、式1の化合物が以下であるとき、満たされる、:
【化34】

ここで、Rは、以下の構造から選択される:
【化35】

qは、1または2である;
pは、1〜5の整数である;そして
S’は、別個に、以下からなる群から選択される:H、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルコキシ、チオ、アルキルスルホニル、アルコキシアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、−OR20、−CN、−NO、−NR2021、−C(O)R20、−C(O)OR20、−C(O)NR2021、−S(O)0〜2NR2021、−CF、−OCF、−CFCF、−C(=N−OR20)R21、−N(R20)S(O)0〜221、−N(R20)C(O)(R21)、−N(R20)C(O)NR2122、−C(O)N(R20)(R21)、−SO20および−SON(R20)(R21);
条件(iv)は、式1の化合物が以下であるとき、満たされる:
【化36】

ここで、Rは、必要に応じて、置換されているか、または非置換であり、そして以下の構造から選択される:
【化37】

mは、1〜5の整数である;そして
S’は、別個に、以下からなる群から選択される:H、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルコキシ、チオ、アルキルスルホニル、アルコキシアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、−OR20、−CN、−NO、−NR2021、−C(O)R20、−C(O)OR20、−C(O)NR2021、−S(O)0〜2NR2021、−CF、−OCF、−CFCF、−C(=N−OR20)R21、−N(R20)S(O)0〜221、−N(R20)C(O)(R21)、−N(R20)C(O)NR2122、−C(O)N(R20)(R21)、−SO20および−SON(R20)(R21)。
【請求項34】
構造式12、13、14、15および16で表わされる、化合物:
【化38】

【請求項35】
NPY Y1レセプターアンタゴニストにより媒介される疾患または病気に罹った哺乳動物に、請求項1に記載の少なくとも1種の化合物あるいは該化合物の薬学的に受容可能な塩または溶媒和物の治療有効量を投与することにより、該哺乳動物を治療する方法。
【請求項36】
少なくとも1種の薬学的に受容可能な担体と組み合わせて、請求項1に記載の少なくとも1種の化合物の治療有効量を含有する、医薬組成物。
【請求項37】
代謝障害、摂食障害または糖尿病を治療する方法であって、このような治療を必要とする哺乳動物に、請求項1に記載の少なくとも1種の化合物または該化合物の薬学的に受容可能な塩または溶媒和物の治療有効量を投与する工程を包含する、方法:
【請求項38】
少なくとも1種の薬学的に受容可能な担体と組み合わせて、請求項33に記載の少なくとも1種の化合物の治療有効量を含有する、医薬組成物。
【請求項39】
代謝障害、摂食障害または糖尿病を治療する方法であって、このような治療を必要とする哺乳動物に、請求項33に記載の少なくとも1種の化合物または該化合物の薬学的に受容可能な塩の治療有効量を投与する工程を包含する、方法:
【請求項40】
前記摂食障害が、過食症である、請求項37に記載の方法。
【請求項41】
前記代謝障害が、肥満である、請求項37に記載の方法。
【請求項42】
肥満に関連した障害を治療する方法であって、このような治療を必要とする哺乳動物に、請求項1に記載の少なくとも1種の化合物あるいは該化合物の薬学的に受容可能な塩または溶媒和物の治療有効量を投与する工程を包含する、方法。
【請求項43】
前記肥満に関連した障害が、II型糖尿病、インシュリン抵抗、高脂血症および高血圧症である、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
以下の治療有効量を含有する、医薬組成物:
第一化合物であって、該第一化合物は、請求項1に記載の化合物あるいは該化合物の薬学的に受容可能な塩または溶媒和物である;
第二化合物であって、該第二化合物は、肥満抑制薬および/または食欲抑制薬であり、該肥満抑制薬および/または食欲抑制薬は、該第一化合物とは異なるβアゴニスト、スリオミメティック薬、食欲抑制薬またはNPYアンタゴニストからなる群から選択される;および
薬学的に受容可能な担体。
【請求項45】
摂食障害を治療する方法であって、該方法は、このような治療を必要とする哺乳動物に、以下を投与する工程を包含する:
一定量の第一化合物であって、該第一化合物は、請求項1に記載の化合物あるいは該化合物の薬学的に受容可能な塩または溶媒和物である;
第二化合物であって、該第二化合物は、肥満抑制薬および/または食欲抑制薬であり、該肥満抑制薬および/または食欲抑制薬は、該第一化合物とは異なるβアゴニスト、スリオミメティック薬、食欲抑制薬またはNPYアンタゴニストからなる群から選択される;
ここで、該第一および第二化合物の量は、治療効果を生じる、
方法。
【請求項46】
医薬組成物であって、該医薬組成物は、以下の治療有効量を含有する:
第一化合物であって、該第一化合物は、請求項1に記載の化合物または該化合物の薬学的に受容可能な塩または溶媒和物である;
第二化合物であって、該第二化合物は、アルドース還元酵素阻害薬、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害薬、ソルビトール脱水素酵素阻害薬、プロテインチロシン脱リン酸酵素1B阻害薬、ジペプチジルタンパク質分解酵素阻害薬、インシュリン、インシュリンミメティック、メトホルミン、アカルボース、トログリタゾン、ロサグリタゾン、ピオグリタゾン、GW−1929、スルホニル尿素、グリパジド、グリブリドおよびクロルプロパミドからなる群から選択される;および
薬学的に受容可能な担体。
【請求項47】
請求項33に記載の少なくとも1種の化合物と少なくとも1種の薬学的に受容可能な担体とを含有する医薬組成物を製造する方法。
【請求項48】
代謝障害、摂食障害または糖尿病を治療する方法であって、このような治療を必要とする哺乳動物に、請求項1の構造式1で表わされる少なくとも1種の化合物あるいは該化合物の薬学的に受容可能な塩または溶媒和物の治療有効量を投与する工程を包含する、方法。

【公表番号】特表2007−535549(P2007−535549A)
【公表日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−510953(P2007−510953)
【出願日】平成17年4月28日(2005.4.28)
【国際出願番号】PCT/US2005/014518
【国際公開番号】WO2005/111031
【国際公開日】平成17年11月24日(2005.11.24)
【出願人】(596129215)シェーリング コーポレイション (785)
【氏名又は名称原語表記】Schering Corporation
【Fターム(参考)】