説明

神経血管構造を保護するためのシステムおよび方法

本発明においては、脊柱(2)の周囲の神経血管構造を保護するためのを処置するためのデバイスおよび方法が提供される。本発明の一実施形態においては、神経保護ステントまたは神経保護デバイス(36)を具備し、このデバイスは、脊柱(2)の椎間穴(26)内に配置され得るとともに、周囲構造からの押圧力に抵抗し得るものとされている。デバイスは、さらに、フランジ(140)を備えており、これにより、椎間穴内へのデバイスの挿入が容易なものとされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、神経血管構造を機械的に保護するためのデバイスおよび方法に関するものであり、特に、脊柱の内部にあるいは脊柱の周囲に位置した神経構造を機械的に保護するためのデバイスおよび方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
脊柱に関する外傷や炎症や変性障害は、激痛と運動性の損失とをもたらすこととなる。研究によると、背中および脊髄に関連する筋骨格的な機能障害は、米国においては、労働生産性を失う主要原因である。いくつかのタイプの脊髄障害の結果としての痛みの原因は、様々な病理学的状況や様々な臨床的状況であるかもしれない。痛みに関する最大の共通原因のいくつかは、椎間板ヘルニアと脊髄狭窄とに関連している。
【0003】
椎間板ヘルニアは、脊椎どうしの間に存在する椎間板材料のいくらかが位置ズレを起こし脊髄管内へと膨出した祭に、起こる。椎間板ヘルニアは、多くの場合、老化によって椎間板材料が脆弱化するに伴って起こる。しかしながら、椎間板ヘルニアは、また、外傷や、遺伝要因や、これら要因や他の要因の組合せ、によっても起こる。結果として生じる痛みは、衝撃領域に局在化することもあるし、また、衝撃を受けた神経によって支配されている生体部位にまで分布することもある。椎間板ヘルニアを治療するための一般的な外科手術においては、ヘルニア部分を除去する。外科手術においては、また、大部分の椎間板材料を除去するとともに骨グラフトを配置することもある。これにより、2つの脊椎の間で融合を促進させて、脊柱のその部分を安定化させることができる。また、骨グラフトと一緒にあるいは単独でもって、外科手術ネジやロッドやスペーサを使用することにより、脊椎を融合させることができる。
【0004】
脊髄狭窄は、脊髄の1つまたは複数の部分に対してあるいは脊髄から延出した神経に対して脊柱の骨部分が圧力を印加しているという一連の状況を備えている。圧力は、それら神経によって支配されている身体領域において、痛みや麻痺を引き起こすこともあり得る。脊髄狭窄の1つの態様においては、脊柱から延出した神経または神経根を含有している骨管が狭小化する。骨管すなわち穴は、脊柱のうちの互いに隣接した2つの脊椎がなす骨構造によって形成されており、様々な理由のために狭くなり得る。これら理由には、限定するものではないけれども、穴内への骨棘の成長や、椎骨椎間板の劣化に基づく2つの脊椎間の間隔の減少や、外傷または骨粗鬆症に基づく骨折や、脊椎どうしが互いに結合しているところにおける椎間関節の破損に基づく骨折、がある。脊髄狭窄の治療に際しては、多くの場合、外科手術を行って、椎骨の一部を除去し、神経のためのより大きなスペーサを形成する必要がある。このような骨の除去は、脊椎融合と組み合わせたり、あるいは、椎間板の部分的な除去と組み合わせたり、することができる。神経に対する衝撃(あるいは、干渉)を引き起こし得る他のより一般的ではない状況には、脊柱の炎症による機能障害や、脊椎内における腫瘍、がある。
【0005】
上記にもかかわらず、脊柱を処置するための、改良された方法およびデバイスが要望されている。なお、本出願人の知る限りにおいては、本出願に関連性を有する先行技術文献は存在しない。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明においては、脊柱回りの神経血管構造を保護するためのデバイスおよび方法が、提供される。本発明の1つの実施形態は、神経保護ステントまたは神経保護デバイスを具備している。このデバイスは、脊柱の椎間穴内へと配置され得るものとされ、周囲構造からの押圧力または衝撃力に対して抵抗し得るものとされている。ステントまたはデバイスは、さらに、フランジまたはヒンジ領域を備えることができる。これにより、脊椎に対してのデバイスの取付を容易なものとすることができ、また、椎間穴へのデバイスの挿入を容易なものとすることができる。
【0007】
本発明の1つの実施形態は、脊柱を処置するためのデバイスであって、第1端部と、第2端部と、非潤滑性表面と、潤滑性表面と、管腔と、第1エッジと、第2エッジと、ヒンジ領域と、を備えてなるチューブ状ボディを具備し、チューブ状ボディが、椎間穴内に配置され得るものとされている。デバイスは、さらに、フランジを備えることができ、フランジは、骨ネジを受領し得るものとされた1つまたは複数の貫通穴を有することができる。いくつかの実施形態においては、チューブ状ボディは、ポリマーと、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)と、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)と、ポリエチレンと、フッ素系ポリマーと、エラストマーと、セラミクスと、酸化ジルコニウムと、アルミナと、窒化ケイ素と、金属と、チタンと、チタン合金と、コバルトクロミウムと、ステンレススチールと、これら材料の組合せと、からなるグループの中から選択された材料を備えている。1つの実施形態においては、ヒンジ領域は、チューブ状ボディ上において、壁厚さが薄いものとされた少なくとも1つの領域を備えている。
【0008】
本発明の他の実施形態においては、脊柱を処置するためのデバイスが提供され、このデバイスは、第1端部と、第2端部と、非潤滑性表面と、潤滑性表面と、管腔と、第1エッジと、第2エッジと、を備えてなるチューブ状ボディを具備し、チューブ状ボディが、椎間穴内に配置され得るものとされ、第1エッジおよび第2エッジが、インターロック構成を有している。デバイスは、さらに、ロック部材を備えることができ、第1エッジおよび第2エッジのそれぞれのインターロック構成が、互いに位置合わせされる複数の開口を有し、これら開口が、ロック部を受領する。
【0009】
本発明の1つの実施形態においては、脊柱を処置するためのデバイスが提供され、このデバイスは、第1端部と、第2端部と、非潤滑性表面と、潤滑性表面と、神経を受領し得るものとされた管腔と、第1エッジと、第2エッジと、を備えてなるチューブ状ボディを具備し、チューブ状ボディが、椎間穴内に配置され得るものとされ、チューブ状ボディが、ポリマーと、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)と、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)と、ポリエチレンと、フッ素系ポリマーと、エラストマーと、セラミクスと、酸化ジルコニウムと、アルミナと、窒化ケイ素と、金属と、チタンと、チタン合金と、コバルトクロミウムと、ステンレススチールと、これら材料の組合せと、からなるグループの中から選択された材料を備えている。チューブ状ボディは、さらに、ヒンジ領域を備えることができる。いくつかの実施形態においては、第1エッジおよび第2エッジは、インターロック構成を有している。1つの実施形態においては、チューブ状ボディの第1エッジは、フレアー状の形状を有している。
【0010】
本発明の1つの実施形態においては、脊柱を処置するための他のデバイスが提供され、このデバイスは、第1端部と、第2端部と、非潤滑性表面と、潤滑性表面と、神経を受領し得るものとされた管腔と、第1エッジと、第2エッジと、これら第1および第2エッジの間に形成された長手方向開口と、を備えてなるチューブ状ボディと;スペーサと;を具備し、チューブ状ボディが、椎間穴内に配置され得るものとされている。1つの実施形態においては、スペーサは、第1エッジを受領する第1グルーブと、第2エッジを受領する第2グルーブと、を備えている。
【0011】
本発明の他の実施形態においては、脊柱を処置するためのデバイスが提供され、このデバイスは、第1端部と、第2端部と、非潤滑性表面と、潤滑性表面と、神経を受領し得るものとされた管腔と、第1エッジと、第2エッジと、を備えてなるチューブ状ボディを具備し、チューブ状ボディが、椎間穴内に配置され得るものとされ、チューブ状ボディが、脊柱構造からの押圧力に抵抗し得るものとされている。チューブ状ボディは、ステント構造とすることができる。脊柱構造は、椎間板および/または脊椎骨を備えることができる。
【0012】
本発明の1つの実施形態は、脊柱を処置するための方法であって、この方法においては、椎間穴内に配置され得るものとされたチューブ状ボディを準備し、この際、このチューブ状ボディを、脊柱構造からの押圧力に抵抗し得るものとし;チューブ状ボディを椎間穴内へと挿入する。この方法においては、さらに、スペーサを準備し;椎間穴内へとスペーサを挿入し;チューブ状ボディを拡径させることができる。本発明のさらなる実施形態においては、チューブ状ボディを、ステントとして準備する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の構造および動作は、添付図面を参照しつつ、本発明の実施形態に関する以下の詳細な説明を読むことにより、明瞭となるであろう。
【0014】
図1は、脊柱の一部を示す側面図である。
【0015】
図2は、2個の腰椎を概略的に示す背面図である。
【0016】
図3は、1個の腰椎を概略的に示す平面図である。
【0017】
図4は、腰部の脊椎の一部を概略的に示す側面図であって、椎間板ヘルニア内の脊髄神経も示されている。
【0018】
図5は、脊柱を概略的に示す横断面図であって、椎間板によって神経が衝撃を受けている様子を示している。
【0019】
図6は、図5と同様に脊柱を概略的に示す横断面図であって、脊椎間穴内に本発明の一実施形態が配置された様子を示している。
【0020】
図7は、円筒形チューブ状ボディを備えてなる本発明の一実施形態を示す図である。
【0021】
図8は、湾曲したチューブ状ボディを備えてなる本発明の他の実施形態を示す図である。
【0022】
図9は、テーパー状かつチューブ状ボディを備えてなる本発明の他の実施形態を示す図である。
【0023】
図10は、2つのフレアー状部分を有したチューブ状ボディを備えてなる本発明の他の実施形態を示す図である。
【0024】
図11は、円形の管腔を有しかつ三角形の外形横断面形状を有したチューブ状ボディを備えてなる本発明の他の実施形態を示す図である。
【0025】
図12は、丸められたエッジを有してなる本発明の一実施形態を示す横断面図である。
【0026】
図13は、互いに相補的な2つのエッジを有してなる本発明の他の実施形態を示す横断面図である。
【0027】
図14は、径方向外向きに突出したリップを形成する2つのエッジを有してなる本発明の他の実施形態を示す横断面図である。
【0028】
図15は、互いにインターロックされる2つのエッジを有してなる本発明の他の実施形態を示す横断面図である。
【0029】
図16Aおよび図16Bは、ロック部材が使用されるような本発明の一実施形態を示す斜視図である。
【0030】
図17は、フランジを有してなるデバイスの一実施形態を示す図である。
【0031】
図18は、一体的ヒンジを有してなるデバイスの一実施形態を示す図である。
【0032】
図19Aおよび図19Bは、スペーサが使用されるような神経保護デバイスを示す図である。
【0033】
図20は、スペーサとデバイスとがインターロックされるような本発明の一実施形態を示す断面図である。
【0034】
図21は、スペーサとデバイスとがインターロックされるような本発明の他の実施形態を示す断面図である。
【0035】
図22Aおよび図22Bは、テーパー状スペーサと拡径ギャップ領域付きデバイスとを示す斜視図である。
【0036】
図23および図24は、螺旋デバイスを備えてなる他の実施形態を示す図である。
【0037】
本発明は、脊柱の状況の処置に関するものである。本発明のいくつかの実施形態においては、従来技術による脊柱の外科手術や脊柱埋設ハードウェアとは異なり、処置によって、患者は、脊柱の治療部位のところにおいて、移動可能性を維持することができる。例えば、特定の実施形態においては、神経構造上へと印加される圧力を機械的に除去または低減することにより、神経のためのスペースを取り戻して保護することができる。これにより、神経に対する衝撃(あるいは、干渉)に関連した痛みを低減または除去することができる。いくつかの実施形態においては、デバイスは、痛みを引き起こし得る構造を囲むことによって、押圧されないように神経を遮蔽する。1つの実施形態においては、デバイスは、介在バリアを提供することによって、患者の脊髄神経と他の脊髄組織との間において、術後癒着または瘢痕組織の進展を発展を防止する。また、本発明の一実施形態を使用することにより、血管やリンパ管も含めて神経血管束内における他の構造を保護することもできる。
【0038】
また、本発明の一実施形態は、discectomy手術の付属物としても、使用することができる。椎間板において再度ヘルニアが起こった場合には、デバイスは、脊髄神経に対して衝撃を与えかねない椎間板材料からの保護を提供することができる。
【0039】
A.脊柱の解剖学
図1および図2に示すように、脊柱2は、互いに交互に配置された、一連をなす複数の脊椎4と、身体の上部に対する軸線方向の支持と運動とをもたらす線維状ディスク6と、を備えている。脊柱2は、典型的には、33個の脊椎4から構成され、7個の頸椎(C1〜C7)と、12個の胸椎(T1〜T12)と、5個の腰椎(L1〜L5)と、5個の融合仙椎(S1〜S5)と、4個の融合尾椎と、を備えている。各脊椎は、前方ボディ8と、後方アーチ10と、を備えている。図2および図3に示すように、後方アーチ10は、2つの茎12と、棘突起16を形成し得るよう後方において連結される2つの薄片14と、を備えている。後方アーチ10の両側から突出しているものは、側方突起18と、上方関節突起20と、下方関節突起22と、である。図3は、脊椎管24を示している。脊椎管24は、脊髄(図示せず)を含有しており、茎12と薄片14とによって囲まれている。図1に示すように、隣接した脊椎4がなす各対の茎12は、椎間穴26を形成する。
【0040】
図4は、脊柱2の一部を示しており、脊髄神経28が、隣接した脊椎4の茎12によって形成された椎間穴26から延出している。図5は、椎間穴26を横断して示すような、脊椎2の横断面図である。この図においては、椎間板6は、一方サイドにおいて、後方側へと膨出したヘルニアすなわち膨出部30を有しており、脊髄32から延出している脊髄神経根に対して衝撃を与えている。図6に示すように、衝撃を受けた椎間穴26内に神経保護デバイス34を配置することにより、デバイス34は、椎間板6の膨出部30によって神経根28に対して印加された圧力を軽減することができ、神経に対する衝撃に関連した炎症および痛みを低減することができる。椎間板ヘルニア30または骨刺激から神経根28を保護することに加えて、デバイス34は、さらに、他の脊柱手術から進展する術後癒着または瘢痕組織から神経根28を保護することもできる。術後癒着または瘢痕組織は、神経衝撃または神経刺激を引き起こしかねないものである。
【0041】
図7に示すように、本発明の1つの実施形態においては、神経保護デバイス36は、チューブ状ボディ38を備えている。チューブ状ボディ38は、チューブ状ボディ38の長手方向部分44に沿って延在するような、管腔40と長手方向シームまたは長手方向開口42とを有している。1つの実施形態においては、チューブ状ボディ38は、ステント構造を備えている。チューブ状ボディ38は、第1端部46と、第2端部48と、非潤滑性表面(あるいは、非円滑性表面)50と、潤滑性表面(あるいは、円滑性表面)52と、外径54と、内径56と、長手方向開口42に関しての第1エッジ58および第2エッジ60と、を有している。いくつかの実施形態においては、デバイス36は、約0.5mm〜約10mmという範囲の外径54を有しており、好ましくは、約3mm〜約5mmという範囲の外径54を有している。デバイス36の内径56は、約0.4mm〜約9.9mmという範囲とされ、好ましくは、約2mm〜約4mmという範囲とされる。
【0042】
神経保護デバイス36は、図7に示すように、全体的に直線状の形状を有することができる。あるいは、神経保護デバイス36は、非直線状の形状を有することができる。図8は、非直線状構成の一例を示しており、湾曲したチューブ状ボディ62を備えてなる1つの実施形態を示している。非直線状のデバイスは、特定の患者の解剖学的構造に対しては、直線状のデバイス36よりも、より良好に適合することができる。
【0043】
本発明のいくつかの実施形態においては、デバイス36は、図7に示すように、全体的に円筒形状のものとされ、長手方向部分44に沿って、全体的に一定とされた外径54および内径56を有している。他の実施形態においては、デバイス36の外径54および内径56の一方または双方は、長手方向部分44に沿って、場所によって変化したものとすることができる。図9は、テーパー形状をなす外径を有しているようなデバイス64の1つの実施形態を示している。この場合、第1端部46のところにおける外径66が、第2端部48のところにおける外径68と比較して、より小さいものとされている。このような形状は、穴26内へのデバイス64の挿入を容易なものとすることができる。デバイス64の第1端部46のところにおける内径70および第2端部48のところにおける内径72は、外径66,68の変化比率に応じて変化するものとも、あるいは、そうではないものとも、することができる。デバイスの壁厚さ74は、デバイス64に沿ったすべての部分において一定である必要はない。本発明のいくつかの実施形態においては、壁厚さ74は、保護対象をなす神経28に対して衝撃を及ぼし得る方向の変形力に対しての構造的抵抗性を増大させ得るように、変化したものとすることができる。図10に示す本発明の他の実施形態においては、チューブ状ボディ76は、中央部分78と、第1端部86と、第2端部88と、を有しており、中央部分78の外径80が、第1端部86のところにおける外径82よりも、また、第2端部88のところにおける外径84よりも、小さいものとされている。フレアー状をなす第1端部86および第2端部88は、穴26に対してのチューブ状ボディ76の位置ズレやスリップに対して抵抗性を有していることにより、チューブ状ボディ76の位置を安定化させることを補助することができる。
【0044】
図7に示すデバイス36の全体的な横断面形状は、円形のC字形状ではあるけれども、デバイス36の横断面形状は、任意の様々な形状とすることができ、例えば、三角形状や、卵形形状や、四角形状や、多角形状や、台形形状や、他の任意の形状、とすることができる。デバイスの全体的な横断面形状は、デバイスの長手方向部分に沿って異なるものとすることができ、外径および管腔の全体的な横断面形状は、長手方向に沿って一定である必要はない。図11は、三角形状の外形横断面形状92と円形横断面形状の管腔94とを有してなる直線状の神経保護デバイス90を示している。
【0045】
本発明のいくつかの実施形態においては、図7に示すように、チューブ状ボディ38の第1エッジ58および第2エッジ60は、正方形をなすものすなわちフラットなものとすることができる。しかしながら、他の実施形態においては、チューブ状ボディの第1エッジおよび第2エッジは、任意の様々な形状のものとすることができる。図12は、本発明の1つの実施形態を断面図によって示しており、この場合、チューブ状ボディ96は、丸められた第1エッジ98および第2エッジ100を有している。形状は、第1エッジ98および第2エッジ100の双方において同一である必要はなく、チューブ状ボディ96の長手方向において変わることができる。本発明のいくつかの実施形態においては、チューブ状ボディ96の構成および材質は、埋設後にチューブ状ボディ96の長手方向に沿っての長手方向シームすなわち開口42の狭小化または閉鎖に対して、チューブ状ボディ96が抵抗し得るように、選択される。本発明の他の実施形態においては、チューブ状ボディ96は、埋設後に部分的に曲げられ得るように構成される。これにより、チューブ状ボディ96の第1エッジ98および第2エッジ100は、シームまたは開口42の長手方向の少なくとも一部に沿って接触することができる。
【0046】
図13に示すように、いくつかの実施形態においては、チューブ状ボディ106の第1エッジ102および第2エッジ104は、相補的な形状を有することができる。これら相補的な形状は、インターロックを形成し得るものとされる。これにより、第1エッジ102および第2エッジ104の間の圧潰やスリップに対して抵抗することができる。図13は、デバイスの第2エッジ104が、チューブ状ボディ106の尖った第1エッジ102を受領し得るよう構成されたY字形状横断面を備えているような、1つの実施形態を示している。第2エッジ104のY字形状横断面は、より幅広い接触表面積を提供する。これにより、押圧力によって長手方向開口42の狭小化または閉塞が引き起こされた際に第1エッジ102が第2エッジ104から逸脱してスリップしてしまうというリスクを低減することができる。当業者であれば、チューブ状ボディ96の第1エッジ102および第2エッジ104の一方または双方を、エッジどうしの間のスリップというリスクを低減し得るような、また、チューブ状ボディ96の全体的な圧潰に抵抗し得るような、任意の様々な相補的形状として構成し得ることは、理解されるであろう。いくつかの実施形態においては、ロック係合は、チューブ状ボディの第1エッジおよび第2エッジによって形成することもできる。
【0047】
チューブ状ボディ108の1つの実施形態においては、図14に示すように、チューブ状ボディ108の第1エッジ110および第2エッジ112は、各エッジ110,112から径方向外向きに延出されたリップ114,116を備えている。これらリップは、各エッジ110,112に対して、より大きなかつより安定した接触表面積を付与する。
リップ114,116の幅は、一方のエッジ110,112が他方のエッジ110,112から逸脱してスリップしてしまうというリスクを、さらに低減する。リップ114,116は、長手方向開口42の長さ全体に沿って存在する必要はない。付加的には、リップ114,116に、対をなす開口を設けることができる。これにより、両リップ114,116を、ネジまたは他のファスナーを使用して、互いに固定することができる。
【0048】
図15は、本発明の1つの実施形態を示している。この実施形態においては、第1エッジ118が、オス型部材124を有しており、かつ、第2エッジ120が、オス型部材124を受領するためのメス型受領サイト126を有している。これにより、チューブ状ボディ122の第1エッジ118と第2エッジ120との間において、相補的インターロック嵌合が形成されるようになっている。
【0049】
図16Aおよび図16Bは、本発明の一実施形態を示している。この実施形態においては、互いに相補的な交互に位置した複数の突起134が設けられている。これにより、チューブ状ボディ132の第1エッジ128と第2エッジ130との間において、相補的インターロック嵌合が形成されるようになっている。突起134は、互いに接触した際には位置合わせされ、これにより、長手方向を向いた管腔136を形成し得るものとされている。個別的な部材とされたロック部材138を、エッジ128,130を互いに分離させないよう、管腔136を通して挿入することができる。本発明のさらなる実施形態においては、チューブ状ボディは、2つの長手方向シームによって分離された2つの長手方向部分を有している。各部分は、他方の部分に対してインターロック係合を形成することができる。
【0050】
本発明のいくつかの実施形態においては、図17に示すように、1つまたは複数のフランジ140を、デバイス36の非潤滑性表面50に沿って設けることができる。各フランジ140は、チューブ状ボディ38の所定の周縁の全部または一部を占有することができる。他の実施形態においては、フランジは、異なる向きとすることができる。これにより、デバイス36を、脊椎骨4の横突起または他の構造上へと取り付けることができる。各フランジ140は、チューブ状ボディ38の長手方向に沿った任意の位置に配置することができる。しかしながら、好ましくは、穴26内へのチューブ状ボディ38の予想挿入深さを提供する位置に配置される。これにより、フランジ140は、穴26内の所望位置にチューブ状ボディ38を配置することに関して、外科医を補助することができる。いくつかの実施形態においては、フランジ140は、1つまたは複数の貫通穴142を備えている。このような貫通穴142は、例えば骨ネジといったような固定部材を受領することができ、これにより、骨表面に対してデバイス36を取り付けることができる。いくつかの実施形態においては、フランジ140は、いくらかのソフトさを提供する材質または形状を備えている。これにより、フランジ140は、取付対象をなす骨構造に対して少なくとも部分的に適応(あるいは、弾性変形)することができる。本発明のいくつかの実施形態においては、貫通穴を設けなくてもフランジ140だけで、所望の位置にデバイス36を十分に維持することができる。
【0051】
図18に示すように、本発明のいくつかの実施形態においては、デバイス36のチューブ状ボディ38は、壁厚さが薄いものとされた1つまたは複数の領域144を有することができる。これにより、長手方向開口42の少なくとも部分的な狭小化または押し広げを容易なものとすることができる。典型的には、壁厚さが薄いものとされた1つまたは複数の領域は、チューブ状ボディ38の非潤滑性表面50および/または潤滑性表面52上において、長手方向全体にわたるヒンジまたはグルーブ144を備えている。ヒンジまたはグルーブ144は、長手方向開口42に対して、ほぼ180°だけ反対側の位置に設けられている。しかしながら、他の実施形態においては、壁厚さが薄いものとされた1つまたは複数の領域は、チューブ状ボディ38の長手方向の一部だけに設けられる、および/または、チューブ状ボディ38の長手方向開口42に対して180°未満の位置に配置される。本発明の他の実施形態においては、チューブ状ボディ38は、デバイス36の長手方向に沿って、機械的ヒンジを備えている。これにより、長手方向開口42の少なくとも部分的な開閉を行うことができる。
【0052】
本発明の他の実施形態においては、図19Aおよび図19Bに示すように、デバイス36は、さらに、スペーサ146を備えている。スペーサ146は、デバイス36の長手方向開口42内へと挿入し得るものであって、これにより、管腔40のサイズを増大させ得るとともに、神経根28の周囲により多くのスペースを提供することができる。スペーサ146は、デバイス36が椎間穴26内に配置された後に、挿入することができる。1つの実施形態においては、スペーサ146は、通常はH字形状横断面を有した長尺ボディ148と、外縁高さ150と、エッジ間高さ152と、内縁高さ154と、第1エッジグルーブ156と、第2エッジグルーブ158と、挿入端部160と、追従端部162と、を備えている。スペーサ146のエッジ間高さ152は、デバイス36のエッジ58,60の間の離間距離を決定する。いくつかの実施形態においては、長尺ボディ148の外縁高さ150は、長尺ボディ148の内縁高さ154とほぼ同じものとされる。他の実施形態においては、内縁高さ154は、外縁高さ150とは異なるものとされ、好ましくは、小さなものとされる。これにより、デバイス36の管腔40内においてスペーサ146が占有する体積を低減させることができる。いくつかの実施形態においては、第1エッジグルーブ156および第2エッジグルーブ158の一方または双方は、デバイス36のそれぞれ対応する第1エッジ58および第2エッジ60の横断面形状に対して相補的な横断面形状を有したものとして構成される。これにより、デバイス36に対してのスペーサ146の適合性を改良することができる。いくつかの実施形態においては、デバイス36とスペーサ146との相補的な構成は、インターロック構成とされる。
【0053】
図20は、デバイス36とスペーサ166とのインターロック構成に関しての1つの実施形態を示している。この実施形態においては、インターロック構成は、デバイス36の非潤滑性表面50に突起168を有しており、さらに、スペーサ166上に相補的なトラック170を有している。図21は、他の実施形態を示している。この実施形態においては、デバイス122の第1エッジ118上のオス型部材124が、デバイス122の第2エッジ120に対してスナップ嵌合を行うことができる、あるいは、付加的には、スペーサ172に対してスナップ嵌合すなわちスライド式インターロックを行うことができる。その場合、スペーサ172は、デバイス122の第1エッジ118のオス型部材124に対して相補的なものとされたメス型受領サイト174と、デバイス122の第2エッジ120のメス型受領サイト126と相補的なものとされたオス型部材176と、を備えている。当業者であれば、本発明においては、デバイス122とスペーサ172との間において、任意の様々なインターロック構成やインターロックサイトを使用し得ることは、理解されるであろう。
【0054】
図22Aおよび図22Bに示すように、いくつかの実施形態においては、スペーサ146のエッジ間高さ152は、スペーサ146の少なくとも挿入端部160のところにおいては、テーパー形状とされる。これにより、スペーサ146が長手方向シーム42内へと挿入されるにつれて、デバイス36の第1エッジ58および第2エッジ60の漸次的な離間を容易に行うことができる。1つの実施形態においては、デバイス36の第2端部48のところにおいて、長手方向シーム42の少なくとも一部は、長手方向シーム42内へのスペーサ146の挿入を容易なものとし得るよう、テーパー形状のギャップ部分178を有している。
【0055】
図23は、本発明の他の実施形態を示している。この実施形態においては、螺旋状のすなわちコイル状の神経保護デバイス180が使用される。デバイス180は、挿入端部182と、追従端部184と、を備えており、椎間穴26内へと挿入され得るものとして構成されている。デバイス180の各螺旋188どうしの間の間隔186は、穴26内においてデバイス180を捻るにつれて個別の神経根28が間隔186を通り抜け得るように、構成されている。図24は、デバイス180を穴26内へと挿入して神経根28上へと配置する際の様子を示している。螺旋188のターン半径および各螺旋188どうしの間の間隔186は、デバイス180の長手方向に沿って一様である必要はない。本発明の好ましい実施形態においては、デバイス180の挿入端部182と追従端部184との一方または双方のところにおけるターン半径は、椎間穴26内におけるデバイス180の維持を補助し得るよう、より大きなものとされる。
【0056】
デバイス36は、例えばポリエーテルエーテルケトン(PEEK)やポリエーテルケトンケトン(PEKK)やフッ素系ポリマーといったようなポリマー;エラストマー;例えば酸化ジルコニウムやアルミナや窒化ケイ素といったようなセラミック;例えばチタンやチタン合金やコバルトクロミウムやステンレススチールといったような金属;あるいは、これら材料の任意の組合せ;を備えることができる。1つの実施形態においては、デバイスは、チューブ状ポリマー構造内に嵌め込まれた金属フレームを備えている。放射線に対して透過性の材料を備えてなるデバイス36の実施形態においては、放射線不透過性マーカーを、デバイス36内にまたはデバイス36上に、嵌め込むことができる。これにより、X線撮影によるデバイス36の設置または観測を補助することができる。他の実施形態においては、デバイス36は、当業者に公知であるような生体吸収性材料すなわち生分解性材料を備えることができる。当業者であれば、チューブ状ボディ38として特定の構成および材質を選択することにより、デバイス36を、望ましい弾性を有したものとして形成することができる。
【0057】
本発明のいくつかの実施形態においては、デバイス36の外面50は、1つまたはそれ以上の特徴点を提供するように構成することができる。1つの実施形態においては、チューブ状ボディ38の非潤滑性表面50の少なくとも一部は、デバイス36内への骨の内方成長を可能とし得るよう、多孔質層を備えることができる。多孔質層は、デバイス36の外表面上へと、焼結ビーズを適用することによって、あるいは、プラズマを噴霧することによって、形成することができる。他の実施形態においては、非潤滑性表面50を、レーザー処理することができるあるいは機械的に粗面化することができる。これにより、不規則な表面を形成することができる、あるいは、突起またはギザギザを有した表面を形成することができる。これにより、デバイス36に対して接触している骨表面に対してのスライドに関して抵抗することができる。他の実施形態においては、潤滑性表面50は、研磨することができるあるいは微小研磨することができる。これにより、穴26内へのデバイスの挿入を容易とすることができる。研磨されたデバイス36は、穴26内におけるデバイス36の固定のために、1つまたは複数のフランジ118を使用することができる。デバイス36の内表面52は、外表面と同様に処理することができる。しかしながら、好ましい実施形態においては、内表面52は、研磨または微小研磨される。これにより、デバイス36の管腔40内の神経構造を損傷してしまうというリスクを低減することができる。
【0058】
デバイス36は、さらに、1つまたは複数の処理薬剤を付帯した少なくとも1つの薬剤溶出領域を備えることができる。処理薬剤は、当業者に公知であるような任意の様々な処理薬剤とすることができ、限定するものではないけれども、抗菌剤や、抗炎症剤や、増殖防止剤、とすることができる。
【0059】
デバイスの1つの実施形態においては、当業者には公知であるように、切開手順を使用して、椎間穴26に対してアクセスする。いくつかの実施形態においては、穴26を形成する脊椎4を、長手方向軸線に沿って除去する。神経構造28を孤立させて、デバイス36を、椎間穴26内において、長手方向シーム42を挿通させつつ神経構造28上に被せる。必要であれば、デバイス36の配置に際して、脊柱の整形外科手術を併用することができる。デバイス36が、少なくとも1つのフランジ118と開口120とを有している場合には、デバイス36は、付加的に、1つまたは複数の脊椎4に対して取り付けられる。必要であれば、脊椎4から押圧力を除去し、そして、手術部位を閉塞する。
【0060】
他の実施形態においては、椎間穴26は、低侵襲的にアクセスされる。1つの実施形態においては、放射線不透過性染料を注入することにより、脊椎4と、穴26と、神経構造28と、を特定する。他の実施形態においては、位置決めマーカーを、脊柱2の周囲に配置することができ、これにより、脊柱構造の局在化を補助することができる。穴26を形成している脊椎4は、付加的に、外科手術時には、穴26を大きくし得るよう、長手方向軸線に沿って引っ張られる。神経構造28を孤立化させ、デバイス36を、椎間穴26内において、長手方向シーム42を挿通させつつ神経構造28上に被せる。必要であれば、他の任意の脊柱の整形外科手術を併用することができる。デバイス36が、少なくとも1つのフランジ118と開口120とを有している場合には、デバイス36は、付加的に、1つまたは複数の脊椎4に対して取り付けられる。必要であれば、脊椎4から押圧力を除去し、そして、手術部位を閉塞する。
【0061】
本発明のいくつかの実施形態を特に参照して上述したけれども、当業者であれば、本発明の範囲を逸脱することなく、上記実施形態を様々なに変更し得ることは、理解されるであろう。上記すべての実施形態に関し、方法をなす各ステップは、必ずしも順次的に実施される必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】脊柱の一部を示す側面図である。
【図2】2個の腰椎を概略的に示す背面図である。
【図3】1個の腰椎を概略的に示す平面図である。
【図4】腰部の脊椎の一部を概略的に示す側面図であって、椎間板ヘルニア内の脊髄神経も示されている。
【図5】脊柱を概略的に示す横断面図であって、椎間板によって神経が衝撃を受けている様子を示している。
【図6】図5と同様に脊柱を概略的に示す横断面図であって、脊椎間穴内に本発明の一実施形態が配置された様子を示している。
【図7】円筒形チューブ状ボディを備えてなる本発明の一実施形態を示す図である。
【図8】湾曲したチューブ状ボディを備えてなる本発明の他の実施形態を示す図である。
【図9】テーパー状かつチューブ状ボディを備えてなる本発明の他の実施形態を示す図である。
【図10】2つのフレアー状部分を有したチューブ状ボディを備えてなる本発明の他の実施形態を示す図である。
【図11】円形の管腔を有しかつ三角形の外形横断面形状を有したチューブ状ボディを備えてなる本発明の他の実施形態を示す図である。
【図12】丸められたエッジを有してなる本発明の一実施形態を示す横断面図である。
【図13】互いに相補的な2つのエッジを有してなる本発明の他の実施形態を示す横断面図である。
【図14】径方向外向きに突出したリップを形成する2つのエッジを有してなる本発明の他の実施形態を示す横断面図である。
【図15】互いにインターロックされる2つのエッジを有してなる本発明の他の実施形態を示す横断面図である。
【図16A】ロック部材が使用されるような本発明の一実施形態を示す斜視図である。
【図16B】ロック部材が使用されるような本発明の一実施形態を示す斜視図である。
【図17】フランジを有してなるデバイスの一実施形態を示す図である。
【図18】一体的ヒンジを有してなるデバイスの一実施形態を示す図である。
【図19A】スペーサが使用されるような神経保護デバイスを示す図である。
【図19B】スペーサが使用されるような神経保護デバイスを示す図である。
【図20】スペーサとデバイスとがインターロックされるような本発明の一実施形態を示す断面図である。
【図21】スペーサとデバイスとがインターロックされるような本発明の他の実施形態を示す断面図である。
【図22A】テーパー状スペーサと拡径ギャップ領域付きデバイスとを示す斜視図である。
【図22B】テーパー状スペーサと拡径ギャップ領域付きデバイスとを示す斜視図である。
【図23】螺旋デバイスを備えてなる他の実施形態を示す図である。
【図24】螺旋デバイスを備えてなる他の実施形態を示す図である。
【符号の説明】
【0063】
2 脊柱
4 脊椎
6 椎間板
26 椎間穴
28 脊髄神経、神経根
34 神経保護デバイス
36 神経保護デバイス
38 チューブ状ボディ
40 管腔
42 長手方向開口
46 第1端部
48 第2端部
50 非潤滑性表面
52 潤滑性表面
58 第1エッジ
60 第2エッジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
脊柱を処置するためのデバイスであって、
第1端部と、第2端部と、非潤滑性表面と、潤滑性表面と、管腔と、第1エッジと、第2エッジと、ヒンジ領域と、を備えてなるチューブ状ボディを具備し、
前記チューブ状ボディが、椎間穴内に配置され得るものとされていることを特徴とするデバイス。
【請求項2】
請求項1記載のデバイスにおいて、
さらに、フランジを備えていることを特徴とするデバイス。
【請求項3】
請求項2記載のデバイスにおいて、
前記フランジが、骨ネジを受領し得るものとされた1つまたは複数の貫通穴を有していることを特徴とするデバイス。
【請求項4】
請求項1記載のデバイスにおいて、
前記チューブ状ボディが、ポリマーと、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)と、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)と、ポリエチレンと、フッ素系ポリマーと、エラストマーと、セラミクスと、酸化ジルコニウムと、アルミナと、窒化ケイ素と、金属と、チタンと、チタン合金と、コバルトクロミウムと、ステンレススチールと、これら材料の組合せと、からなるグループの中から選択された材料を備えていることを特徴とするデバイス。
【請求項5】
請求項1記載のデバイスにおいて、
前記ヒンジ領域が、前記チューブ状ボディ上において、壁厚さが薄いものとされた少なくとも1つの領域を備えていることを特徴とするデバイス。
【請求項6】
脊柱を処置するためのデバイスであって、
第1端部と、第2端部と、非潤滑性表面と、潤滑性表面と、管腔と、第1エッジと、第2エッジと、を備えてなるチューブ状ボディを具備し、
前記チューブ状ボディが、椎間穴内に配置され得るものとされ、
前記第1エッジおよび前記第2エッジが、インターロック構成を有していることを特徴とするデバイス。
【請求項7】
請求項6記載のデバイスにおいて、
さらに、ロック部材を備え、
前記第1エッジおよび前記第2エッジのそれぞれの前記インターロック構成が、互いに位置合わせされる複数の開口を有し、
これら開口が、前記ロック部を受領することを特徴とするデバイス。
【請求項8】
脊柱を処置するためのデバイスであって、
第1端部と、第2端部と、非潤滑性表面と、潤滑性表面と、神経を受領し得るものとされた管腔と、第1エッジと、第2エッジと、を備えてなるチューブ状ボディを具備し、
前記チューブ状ボディが、椎間穴内に配置され得るものとされ、
前記チューブ状ボディが、ポリマーと、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)と、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)と、ポリエチレンと、フッ素系ポリマーと、エラストマーと、セラミクスと、酸化ジルコニウムと、アルミナと、窒化ケイ素と、金属と、チタンと、チタン合金と、コバルトクロミウムと、ステンレススチールと、これら材料の組合せと、からなるグループの中から選択された材料を備えていることを特徴とするデバイス。
【請求項9】
請求項8記載のデバイスにおいて、
前記チューブ状ボディが、さらに、ヒンジ領域を備えていることを特徴とするデバイス。
【請求項10】
請求項8記載のデバイスにおいて、
前記第1エッジおよび前記第2エッジが、インターロック構成を有していることを特徴とするデバイス。
【請求項11】
請求項8記載のデバイスにおいて、
前記チューブ状ボディの前記第1エッジが、フレアー状の構成を有していることを特徴とするデバイス。
【請求項12】
脊柱を処置するためのデバイスであって、
第1端部と、第2端部と、非潤滑性表面と、潤滑性表面と、神経を受領し得るものとされた管腔と、第1エッジと、第2エッジと、これら第1および第2エッジの間に形成された長手方向開口と、を備えてなるチューブ状ボディと;
スペーサと;
を具備し、
前記チューブ状ボディが、椎間穴内に配置され得るものとされていることを特徴とするデバイス。
【請求項13】
請求項12記載のデバイスにおいて、
前記スペーサが、前記第1エッジを受領する第1グルーブと、前記第2エッジを受領する第2グルーブと、を備えていることを特徴とするデバイス。
【請求項14】
脊柱を処置するためのデバイスであって、
椎間穴内に配置され得るものとされたチューブ状ボディを具備し、
前記チューブ状ボディが、脊柱構造からの押圧力に抵抗し得るものとされていることを特徴とするデバイス。
【請求項15】
請求項14記載のデバイスにおいて、
前記チューブ状ボディが、ステント構造であることを特徴とするデバイス。
【請求項16】
請求項14記載のデバイスにおいて、
前記チューブ状ボディが、椎間板からの押圧力に抵抗し得るものとされていることを特徴とするデバイス。
【請求項17】
請求項14記載のデバイスにおいて、
前記チューブ状ボディが、脊椎骨からの押圧力に抵抗し得るものとされていることを特徴とするデバイス。
【請求項18】
脊柱を処置するための方法であって、
椎間穴内に配置され得るものとされたチューブ状ボディを準備し、この際、このチューブ状ボディを、脊柱構造からの押圧力に抵抗し得るものとし;
前記チューブ状ボディを椎間穴内へと挿入する;
ことを特徴とする方法。
【請求項19】
請求項18記載の方法において、
さらに、
スペーサを準備し;
椎間穴内へと前記スペーサを挿入し;
前記チューブ状ボディを拡径させる;
ことを特徴とする方法。
【請求項20】
請求項18記載の方法において、
前記チューブ状ボディを、ステントとすることを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16A】
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【図16B】
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【図17】
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【図18】
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【図19A】
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【図19B】
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【図20】
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【図21】
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【図22A】
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【図22B】
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【図23】
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【図24】
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【公表番号】特表2007−521925(P2007−521925A)
【公表日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−553298(P2006−553298)
【出願日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【国際出願番号】PCT/US2005/004511
【国際公開番号】WO2005/077113
【国際公開日】平成17年8月25日(2005.8.25)
【出願人】(506166653)スパイナル・エレメンツ・インコーポレーテッド (8)
【Fターム(参考)】