説明

移動体への電子メール送信方法および通信端末装置

【課題】 携帯電話のパケット通信サービスを利用するデータ通信中でも、電子メールの伝達を迅速かつ確実に行う。
【解決手段】 自動車などの移動体5に搭載される通信端末装置4は、携帯電話8を利用して管理センタ20とパケット通信網3を介するデータ通信を行う。通信事業者1が提供する電子メールサービス2を利用する場合は、メールサーバ6に電子メールを送信すると同時に、パケット通信網3を介して、送信を通知するメッセージデータを携帯電話8に対して送信する。メール送信検出手段11がメッセージを検出すると、音声メッセージ再生手段によってメッセージが音声化され、運転者等の操作で、パケット通信が中断され、電子メールの読取りが行われる。送信を通知するメッセージデータに時間データを含ませ、電子メールの内容に応じて中断する時間を設定し、制御手段10によって自動的に電子メールの読出しを行わせることもできる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、携帯電話のパケット通信網を介してデータ通信を行う車両などの移動体への電子メール送信方法および通信端末装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、自動車などの移動体に通信端末を搭載し、管理センタとの間で無線通信しながら、移動体の動態管理などが行われている。動態管理のシステムは、たとえばタクシーなどの乗客からの要求に応じて適切に配車を行ったり、宅配便の配送車を適切に誘導したりするために、必要となる。自動車の動態管理では、複数の車両に対し、各車両の現在位置や状態などを管理センタで把握しておくために、各車両と管理センタとの間で、頻繁に無線通信を行う必要がある。このような無線通信には、予め割当てられる周波数および変調形式の電波が使用される。
【0003】近年、携帯電話の普及が目覚ましく、利用可能な地域が広がり、電話通話ばかりではなく、データ通信にも便宜が図られるようになってきている。たとえば、NTTドコモ各社は、DoPaと称する無線パケットサービスを、携帯電話のデータ通信用に提供している。DoPaでは、一般の携帯電話が9.6kbpsの帯域のPDC(Personal Digital Cellular)であるのに対し、その3チャネル分をまとめて最大28.8kbpsを利用可能にしている。さらに、課金は伝送されるパケット単位で行われ、通話のように接続されている時間には対応しないので、常時接続している状態で、低コストでデータ通信を行うことができる。しかも、通信可能な圏外に出ても、パケット通信網側に対策が施され、接続状態が直ぐには切断されず、圏内に戻ればデータ通信が再開される。このような携帯電話の無線パケットサービスは、車両の動態管理などでも利用可能である。携帯電話を利用すれば、新たに無線通信設備を設置することなく、効率的な動態管理などが可能になる。
【0004】携帯電話では、電子メールも利用可能である。電子メールは、送信側と受信側とが同時に通信する必要はなく、送信側は実際にはサーバに向けて送信し、受信側はサーバに蓄積された電子メールを読出せばよく、お互いに都合がよいタイミングで送付を行うことができる。車載の通信端末装置でも、運転者が車両を走行させている際には、電子メールを読むことはできず、運転者が車両を停車させた状態で電子メールの読出しが行われる。これに対して、電話連絡であれば、運転者側の都合に関係なく、運転者はリアルタイムで応答しなければならない。また、電子メールであれば、送付された文章等を表示させておくこともできるので、伝達される各種情報を全部完全に覚える必要はない。電話での通信では、聞いた情報を記憶しておかなければならない。ただし、一般の電子メールの送受信では、受信側がサーバにアクセスしないと、電子メールが到着しているか否かが判らない。
【0005】電子メールなどの送信を、受信側に通知するようにすれば、受信側は電子メールなどが到着していることを知ることができる。特開2000−299745号公報には、サーバの指定されたメールアドレスに対して電子メールを送信すると、そのメールアドレスに対応した宛先に対し、電子メールを送信した旨を、ISDN(Integrated Services Digital Network)を用いて通知したり、その通知に応じて電子メールを受信する技術が開示されている。また特開平6−188982号公報には、音声蓄積サービスを行うボイスメールシステムで、メッセージに緊急度のランクを付し、緊急度が最高ランクのメッセージに対しては、メッセージが再生されるまで、所定の間隔でメッセージ受信の通知を繰返して、再生を繰返し要求したり、強制的に再生する技術が開示されている。
【0006】以上のような電子メールの送信通知は、電子メールを伝送する通信経路とは異なる通信経路を用いて行われる。そのような異なる通信経路を切替えながらデータの送受信を行う技術としては、たとえば特開10−164256号公報に、WWW(World Wide Web)システムで、WWWブラウザがHTML(Hyper TextMarkup Language)を用いてホームページに記述された電話番号を読取り、その相手先に公衆網を介してアクセスする技術が開示されている。WWWブラウザによるホームページの読取りは、インターネット網に接続して行い、公衆網を介する電話番号へのアクセスは、一旦、インターネット網への接続を切断してから行い、アクセス終了後、再びインターネット網に接続してWWWブラウザの使用に戻るようにしている。
【0007】電子メールの受信確認については、特開平11−336359号公報や特開2000−181817号公報などに電子メールで返信する技術が開示されている。特開平11−336359号公報には、立体駐車場の出庫管理システムに電子メールを利用し、使用者が待ち時間なく自動車を出庫することができるように、予め電子メールを受信して出庫スケジュールを作成し、電子メールの受信に対しては受信確認の電子メールを返信する技術が開示されている。特開2000−181817号公報には、電子メールサーバが、返送要求情報が付加された電子メールを受信側のクライアントが受信すると、受信確認メールを生成して送信側に返送する技術が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】車両などの移動体と管理センタとの間で、現在位置や車両状態などを逐次連絡するために携帯電話のパケット通信サービスを利用している場合に、電子メールも利用可能であれば、運転者への連絡などを有効かつ確実に行うことができる。しかし、電子メールは一方的な送信であり、相手方が受信して読んだか否かを通常確認することはできない。従来からの方法で、送信を通知することはできても、受信を確認することができるタイミングは、次の2つの場合が多い。■相手方が受信した結果、返事の電子メールを返してくるとき。■相手先のメールアドレスを誤って記載し、受信者不明のエラー通知を受けるとき。
【0009】すなわち、相手方から返事があるときを除いて、相手先のメールアドレスが正しい場合には、「正常に届いて読んでくれる。」という期待をする以外に方法がない。
【0010】また、現状、NTTドコモ各社から提供されるDoPaなどのパケット通信サービスとiモードなどの電子メールサービスとは、同時に利用することはできない制約がある。移動体側がDoPa網などを介するパケット通信中であれば、パケット通信を終了して、電子メール受信操作を行う必要がある。しかしながら、パケット通信の終了は、電子メールの到着を知らなければ行うことができない。したがって、所定のパケット通信が終了してから電子メール受信操作が行われるので、受信操作が行われるまで、電子メールを送信してからかなり時間が経過してしまうこともあり得る。車両の運転者などへ電子メールを送信するのは、その時点の現在位置に近い場所への移動指示など、リアルタイムに受信することが必要な内容である可能性が高く、受信に時間がかかると、適切な時期を逸してしまうおそれもある。
【0011】本発明の目的は、携帯電話のパケット通信サービスを利用するデータ通信中でも、電子メールの伝達を迅速かつ確実に行うことができる移動体への電子メール送信方法および通信端末装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、携帯電話のサービスを提供する通信事業者が、電子メールをサーバに蓄積して配信する電子メールサービスとともに、データ通信用のパケット通信網を利用可能にしている場合に、パケット通信網を介してデータ伝送を行う通信端末装置を搭載する移動体に、電子メールを送信する移動体への電子メール送信方法であって、電子メールの送信側は、電子メール通信網を介して電子メールをサーバに送信するとともに、パケット通信網を介して通信端末装置に、電子メール送信を通知するデータを送付し、移動体側は、パケット通信網を介してのデータ伝送中に、通信端末装置が電子メール送信を通知するデータを受信すると、パケット通信網を介してのデータ伝送を一時中断して、電子メール通信網のサーバから、送信された電子メールを読出すことを特徴とする移動体への電子メール送信方法である。
【0013】本発明に従えば、電子メールを送信する移動体は、携帯電話のサービスを提供する通信事業者が、電子メールをサーバに蓄積して配信する電子メールサービスとともに、データ通信用のパケット通信網を利用可能にしている場合に、パケット通信網を介してデータ伝送を行う通信端末装置を搭載する。電子メールの送信側は、電子メール通信網を介して電子メールをサーバに送信するとともに、パケット通信網を介して、電子メール送信を通知するデータを移動体が搭載する通信端末装置に送付するので、パケット通信のセッション中でも、電子メールの送信を確実に通知することができる。移動体側では、メール送信を通知するデータを受信すると、パケット通信網を介してのデータ伝送を一時中断して、電子メール通信網のサーバから、送信された電子メールを読出すので、送信後迅速に電子メールを受信して読出すことができる。
【0014】また本発明は、前記通信端末装置に、音声メッセージ読上げ機能を設けておき、前記電子メール送信を通知するデータを受信すると、電子メール有りを示す音声メッセージを読上げることを特徴とする。
【0015】本発明に従えば、電子メール送信を通知するデータの受信は、電子メール有りを示す音声メッセージの読上げで移動体側に知らされるので、車両の運転者などが運転操作中であっても、電子メールの到着を確実に知ることができる。
【0016】また本発明で、前記通信端末装置に、前記電子メール送信を通知するデータを受信すると、前記パケット通信網を介してのデータの伝送を一時的に中断して、前記電子メール通信網のサーバから電子メールを読取る機能を設けておくことを特徴とする。
【0017】本発明に従えば、電子メールの送信を通知するデータを受信すると、車両の運転者などが直接操作しないでも、パケット通信のセッションが一時中断され、電子メールの読取りが行われるので、電子メールの受信を迅速かつ確実に行うことができる。
【0018】また本発明で、前記電子メール送信を通知するデータは、時間データを含み、前記通信端末装置は、該時間データに従って、前記データの伝送の中断を行う時間を設定することを特徴とする。
【0019】本発明に従えば、電子メール送信を通知するデータに含まれる時間データに応じてパケット通信のセッションを中断し、電子メールの読取りを行うことができるので、電子メールに画像情報等が含まれて読出しに時間がかかるときであっても、内容に沿った時間を設定することができる。
【0020】また本発明で、前記データの伝送の中断を行う時間は、前記パケット通信網を介して送付するデータを追加して、更新が可能であることを特徴とする。
【0021】本発明に従えば、パケット通信のセッションを中断する時間は、データを追加して更新が可能であるので、画一的な時間設定を変更することができる。
【0022】また本発明は、前記電子メールをサーバから読取ると、前記送信側に電子メール受信を通知することを特徴とする。
【0023】本発明に従えば、電子メールの送信側に受信確認を通知することができるので、送信側で電子メールが移動体側に受信されたことを、確認することができる。
【0024】さらに本発明は、携帯電話のサービスを提供する通信事業者が、電子メールをサーバに蓄積して配信する電子メールサービスとともに、データ通信用のパケット通信網を利用可能にしている場合に、移動体に搭載されて、パケット通信網を介してデータ伝送を行う通信端末装置であって、パケット通信網を介するデータ通信中に、受信されるデータ中から、予め定める電子メールの送信を通知するデータを検出するメール送信検出手段と、メール送信検出手段が電子メールの送信を通知するデータを検出するとき、該データ通信を一時的に中断して、送信された電子メールをサーバから読取るように制御する制御手段とを含むことを特徴とする通信端末装置である。
【0025】本発明に従えば、移動体に搭載される通信端末装置は、携帯電話のサービスを提供する通信事業者が、電子メールをサーバに蓄積して配信する電子メールサービスとともに、データ通信用のパケット通信網を利用可能にしている場合に、移動体に搭載されて、パケット通信網を介してデータ伝送を行う。通信端末装置は、メール送信検出手段と制御手段とを含む。メール送信検出手段は、パケット通信網を介するデータ通信中に、受信されるデータ中から、予め定める電子メールの送信を通知するデータを検出するので、パケット通信のセッション中でも、パケット通信網を介してメール送信の通知を行えば、メール送信通知を検出することができる。制御手段は、メール送信検出手段が電子メールの送信を通知するデータを検出するとき、データ通信を一時的に中断して、送信された電子メールをサーバから読取るように制御するので、パケット通信のセッションを一時中断して、電子メールを読取らせることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態として、移動体への電子メール送信方法を実現するシステム構成を示す。本実施形態は、携帯電話のサービスを提供する通信事業者1が、iモード網などの電子メールをサーバに蓄積して配信する電子メールサービス2とともに、DoPa網などのデータ通信用のパケット通信網3を利用可能にしている場合に、パケット通信網3を介してデータ伝送を行う通信端末装置4を自動車などの移動体5に搭載していることが前提となる。電子メールサービス2には、メールサーバ6が設けられ、電子メールを送受信する際の接続となる。パケット通信網3には、メールサーバ6とは異なる通信サーバ7が設けられ、パケット通信のセッションを仲介する。データ通信は、パケット通信網3で接続を保持したまま行う。この状態で電子メールを移動体5側の携帯電話8に送っても、現状のしくみでは、携帯電話8が電子メールの受信通知を受けることはできない。電子メールサービス2とパケット通信網3とは、接続先のサーバが異なるためである。
【0027】通信端末装置5は、無線通信手段としての携帯電話8と、車載端末9とを含む。車載端末9は、たとえば動態管理の端末として利用され、制御手段10、メール通信検出手段11、音声メッセージ再生手段12および操作手段13などを含む。制御手段10は、予め作成されているプログラムに従って、車載端末9および携帯電話8の制御を行う。車載端末9が動態管理を行うためのデータは、たとえばGPS(Global Positioning System)などの機能を搭載して、収集することができる。操作手段13への入力操作で、収集するデータも動態管理に利用される。
【0028】メール送信検出手段11は、パケット通信網3を介するデータ通信中に、受信されるデータ中から、予め定める電子メールの送信を通知するデータを検出するので、パケット通信のセッション中でも、パケット通信網3を介してメール送信の通知を行えば、メール送信通知を検出することができる。制御手段10は、メール送信検出手段11が電子メールの送信を通知するデータを検出するとき、データ通信を一時的に中断して、送信された電子メールをメールサーバ6から読取るように制御するので、パケット通信のセッションを一時中断して、電子メールを読取らせることができる。
【0029】メール送信通知は、音声メッセージ再生手段12から「電子メール有り」を示す音声メッセージを再生して行うこともできる。この音声メッセージを聞いた車両の運転者などは、運転の都合がよいタイミングで、操作手段13を操作し、データ通信のセッションを一時的に中断して、電子メールの読取りを行うことができる。なお、パケット通信のセッション中断から電子メールの読取りを、制御手段10による自動的な制御で行うか、操作手段13に対する手動操作で行うかは、操作手段13への操作で予め設定しておく。
【0030】移動体がタクシーや、宅配便の配送車や、コンビニエンスストアなどへの商品配達車などの場合、通信端末装置4は、車両の動態管理のためのデータを収集し、パケット通信網3を介して収集したデータを管理センタ20に送信する。管理センタ20には、管理コンピュータ21やディスプレイ装置22などが備えられ、パケット通信網3を介して受信されるデータに従って、車両の現在位置などに基づく管理や、指示を行う。管理センタ21から移動体5である車両への指示は、電子メールの送信によって行われる。管理コンピュータ21から電子メールサービス2のメールサーバ6への電子メールの送信と、パケット通信網3を介するデータ通信とを円滑に行うため、ルータ23が設けられる。
【0031】図1に示すようなシステム構成では、管理センタ20などの電子メールの送信側は、電子メールサービス2などのメールサーバ6に電子メールを送信するとともに、パケット通信網3を介して通信端末装置4に、電子メール送信を通知するデータを送付する。移動体5側は、パケット通信網3を介してのデータ伝送中に、通信端末装置4が電子メール送信を通知するデータを受信すると、パケット通信網3を介してのデータ伝送を一時中断して、電子メールサービス2のメールサーバ6から、送信された電子メールを読出すことによって、送信側から移動体5側への電子メール送信が行われる。
【0032】図2は、図1のシステム構成で電子メールの送信を行う場合の全体的な手順を示す。ステップs0から手順を開始し、ステップs1では、送信側から移動体5の携帯電話8に電子メールを送信する。電子メールは、実際上、電子メールサービス2のメールサーバ6に、移動体5に搭載される携帯電話8を宛先として蓄積される。ステップs2では、移動体5に対して、たとえば、「電子メールを確認してください」などのメッセージを、パケット通信網3を介して送信する。ステップs3では、パケット通信網3を介して送信されたメッセージがメール送信検出手段11によって検出される。送信メッセージ検出手段11は、パケット通信網3を介するデータ伝送のセッション中でも、メッセージを検出することができる。データ伝送のセッション中でなければ、メッセージのみが送信されるので、容易に検出することができる。
【0033】ステップs4では、送信メッセージ検出手段11が検出したメッセージは、音声メッセージ再生手段12によって、検出されたメッセージの内容に従って音声化される。車両の運転者等は、音声メッセージを聞き、ステップs5での操作手段13への操作で、パケット通信網3との接続を切断する。ステップs6では、車両の運転者等が、操作手段13に対し、電子メールサービス2のメールサーバ6から電子メールを読取る操作を行う。ステップs7では、車両の運転者等が、操作手段13に対して、電子メールの送信側に向けて、受信確認を示すメールを送信する。次のステップs8では、パケット通信網3との接続を再設定し、ステップs9で手順を終了する。
【0034】本実施形態では、ステップs4で、電子メール送信を通知するデータの受信は、電子メール有りを示す音声メッセージの読上げで移動体側に知らされるので、車両の運転者などが運転操作中であっても、電子メールの到着を確実に知ることができる。運転者などは、運転操作に支障がないときに、操作手段13を操作し、ステップs5〜ステップs8の手順を実行すればよい。なお、この手順は、制御手段10によって自動的に行うように制御することもできる。すなわち、通信端末装置4には、電子メール送信を通知するデータを受信すると、パケット通信網3を介してのデータの伝送を一時的に中断して、メールサーバ6から電子メールを読取る機能も設けてある。操作手段13からこの機能を利用するようにすれば、電子メールの送信を通知するデータを受信すると、車両の運転者などが直接操作しないでも、パケット通信のセッションが一時中断され、電子メールの読取りが行われるので、電子メールの受信を迅速かつ確実に行うことができる。
【0035】また、自動的に制御する場合、電子メール送信を通知するデータに時間データを含めておき、通信端末装置4は、時間データに従ってデータの伝送の中断を行う時間を設定するようにすることもできる。電子メール送信を通知するデータに含まれる時間データに応じてパケット通信のセッションを中断し、電子メールの読取りを行うことができるので、電子メールに画像情報等が含まれて読出しに時間がかかるときであっても、内容に沿った時間を設定することができる。
【0036】またデータの伝送の中断を行う時間は、パケット通信網3を介して送付するデータを追加して、更新が可能であるようにすることもできる。パケット通信のセッションを中断する時間は、データを追加して更新が可能となるので、画一的な時間設定を変更することができる。
【0037】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、パケット通信網を介するデータ通信のセッション中でも、電子メールの送信を確実に通知し、移動体側で、パケット通信のセッションを一時中断して、送信後迅速に電子メールを受信して読出すことができる。
【0038】また本発明によれば、電子メール送信を、音声メッセージの読上げで知らされるので、車両の運転者などが運転操作中であっても、電子メールの到着を確実に知ることができる。
【0039】また本発明によれば、車両の運転者などが直接操作しないでも、パケット通信のセッションが一時中断されて電子メールの読取りが行われるので、電子メールの受信を迅速かつ確実に行うことができる。
【0040】また本発明によれば、電子メールの内容に沿った時間を設定して、パケット通信のセッションを中断し、電子メールを受信することができる。
【0041】また本発明によれば、パケット通信のセッションを中断する時間を更新して、画一的な時間設定を変更することができる。
【0042】また本発明によれば、受信確認の通知で、送信側は電子メールが移動体側に受信されたことを確認することができる。
【0043】さらに本発明によれば、移動体に搭載される通信端末装置は、パケット通信網を介するデータ通信中でも、パケット通信網を介してメール送信の通知を行えば、パケット通信のセッションを一時中断して、電子メールを読取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態である移動体への電子メール送信方法を実現するシステム構成を示すブロック図である。
【図2】図1の実施形態での全体的な電子メール送信手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 通信事業者
2 電子メールサービス
3 パケット通信網
4 通信端末装置
5 移動体
6 メールサーバ
7 通信サーバ
8 携帯電話
9 車載端末
10 制御手段
11 メール送信検出手段
12 音声メッセージ再生手段
13 操作手段
20 管理センタ
21 管理コンピュータ
22 ディスプレイ装置
23 ルータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】 携帯電話のサービスを提供する通信事業者が、電子メールをサーバに蓄積して配信する電子メールサービスとともに、データ通信用のパケット通信網を利用可能にしている場合に、パケット通信網を介してデータ伝送を行う通信端末装置を搭載する移動体に、電子メールを送信する移動体への電子メール送信方法であって、電子メールの送信側は、電子メール通信網を介して電子メールをサーバに送信するとともに、パケット通信網を介して通信端末装置に、電子メール送信を通知するデータを送付し、移動体側は、パケット通信網を介してのデータ伝送中に、通信端末装置が電子メール送信を通知するデータを受信すると、パケット通信網を介してのデータ伝送を一時中断して、電子メール通信網のサーバから、送信された電子メールを読出すことを特徴とする移動体への電子メール送信方法。
【請求項2】 前記通信端末装置に、音声メッセージ読上げ機能を設けておき、前記電子メール送信を通知するデータを受信すると、電子メール有りを示す音声メッセージを読上げることを特徴とする請求項1記載の移動体への電子メール送信方法。
【請求項3】 前記通信端末装置に、前記電子メール送信を通知するデータを受信すると、前記パケット通信網を介してのデータの伝送を一時的に中断して、前記電子メール通信網のサーバから電子メールを読取る機能を設けておくことを特徴とする請求項1または2記載の移動体への電子メール送信方法。
【請求項4】 前記電子メール送信を通知するデータは、時間データを含み、前記通信端末装置は、該時間データに従って、前記データの伝送の中断を行う時間を設定することを特徴とする請求項3記載の移動体への電子メール送信方法。
【請求項5】 前記データの伝送の中断を行う時間は、前記パケット通信網を介して送付するデータを追加して、更新が可能であることを特徴とする請求項4記載の移動体への電子メール送信方法。
【請求項6】 前記電子メールをサーバから読取ると、前記送信側に電子メール受信を通知することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の移動体への電子メール送信方法。
【請求項7】 携帯電話のサービスを提供する通信事業者が、電子メールをサーバに蓄積して配信する電子メールサービスとともに、データ通信用のパケット通信網を利用可能にしている場合に、移動体に搭載されて、パケット通信網を介してデータ伝送を行う通信端末装置であって、パケット通信網を介するデータ通信中に、受信されるデータ中から、予め定める電子メールの送信を通知するデータを検出するメール送信検出手段と、メール送信検出手段が電子メールの送信を通知するデータを検出するとき、該データ通信を一時的に中断して、送信された電子メールをサーバから読取るように制御する制御手段とを含むことを特徴とする通信端末装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2003−8655(P2003−8655A)
【公開日】平成15年1月10日(2003.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−186898(P2001−186898)
【出願日】平成13年6月20日(2001.6.20)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】