移動体検出システム
【課題】送信すべき情報に基づく電界を電界伝達媒体に誘起させるとともに電界伝達媒体に誘起された電界を検出して情報の送受信を行うトランシーバを利用することにより、移動体の位置を正確に検出することができる移動体検出システムを提供する。
【解決手段】移動体検出システム100は、複数の発信装置110i(i=a,…,n)、検出装置120、及び観測装置130を備えており、自動車の移動方向に対して複数の発信装置110i及び検出装置120を適宜間隔をおいて路面に設置し、該路面上を通過する自動車を検出して、該自動車の長さを測定するコンピュータシステムである。これは、トランシーバ9を用いることにより、自動車10のタイヤが路面上の発信装置110i及び検出装置120の電極に同時に接しているときは、発信装置110iと検出装置120間の自動車10を介した通信路が成立することによるものである。
【解決手段】移動体検出システム100は、複数の発信装置110i(i=a,…,n)、検出装置120、及び観測装置130を備えており、自動車の移動方向に対して複数の発信装置110i及び検出装置120を適宜間隔をおいて路面に設置し、該路面上を通過する自動車を検出して、該自動車の長さを測定するコンピュータシステムである。これは、トランシーバ9を用いることにより、自動車10のタイヤが路面上の発信装置110i及び検出装置120の電極に同時に接しているときは、発信装置110iと検出装置120間の自動車10を介した通信路が成立することによるものである。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動体の位置を検出して長さや速度を求める移動体検出システムに関し、特に、送信すべき情報に基づく電界を電界伝達媒体に誘起させるとともに電界伝達媒体に誘起された電界を検出して情報の送受信を行うトランシーバを用いて移動体の位置を検出して長さや速度を求める移動体検出システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯端末の小型化および高性能化によりウェアラブルコンピュータが注目されているが、図13はこのようなウェアラブルコンピュータを人間に装着して使用する場合の例を示している。同図に示すように、ウェアラブルコンピュータ7はそれぞれトランシーバ9を介して人間の腕、肩、胴体などに装着されて互いにデータの送受信を行うとともに、更に手足の先端で触れられるよう壁や床に設けられたトランシーバ9a、9bとケーブルとを介して外部に設けられたパソコン(PC)8と通信を行うようになっている。
【0003】
そして、このようなウェアラブルコンピュータ7間、およびウェアラブルコンピュータ7とPC8とのデータ通信に使用されるトランシーバ9は、レーザ光と電気光学結晶を用いた電気光学的手法による信号検出技術を利用していて、送信すべき情報に基づく電界を電界伝達媒体である生体に誘起させ、この誘起した電界を用いて情報の送受信を行っている。
【0004】
ところで、従来、例えば、自動車などの移動体を検出する方法としては、光センサ、マイクロ波等のセンサを利用し、電磁波の遮断又は反射により移動体を検出する方法がある。
【0005】
尚、この出願に関連する先行技術文献情報としては、次のものがある。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−352298公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来のセンサを用いる方法においては、計測対象物の同一性の判別が困難な場合が多く、移動体の位置を的確に検出できず、移動体の長さや速度を正確に測定できないという問題がある。特に、電磁波等の反射や遮断を検知する方法では、周囲の影響、例えば、対向車の存在や渋滞状況などの影響を受けやすく正確な測定ができないという問題がある。
【0008】
本発明は、上記の事情を鑑みたものであり、送信すべき情報に基づく電界を電界伝達媒体に誘起させるとともに電界伝達媒体に誘起された電界を検出して情報の送受信を行うトランシーバを利用することにより、移動体の位置を正確に検出することができる移動体検出システムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の本発明は、送信すべき情報に基づく電界を電界伝達媒体に誘起させるとともにこの誘起した電界を検出して情報の送受信を行うトランシーバを前記電界伝達媒体である移動体が移動する経路上の該移動体の移動方向に適宜間隔をおいて複数設置して、前記移動体を介した前記トランシーバ間の通信が成立する状態に基づいて前記移動体の位置を検出する移動体検出システムであって、前記経路上の表面に設置され、前記移動体が触れる第1の電極と、前記第1の電極に接続された送信用の前記トランシーバと、自己の識別情報を前記送信用の前記トランシーバを介して発信する発信器と、を備える複数の発信装置と、前記経路上の表面に設置され、前記移動体が触れる第2の電極と、前記第2の電極に接続された受信用の前記トランシーバと、前記移動体が前記第1の電極及び前記第2の電極のいずれにも触れている場合には、前記発信器から発信された前記識別情報を前記受信用の前記トランシーバを介して受信する検出器と、を備える検出装置と、前記発信器から発信された前記識別情報に基づいて前記移動体の長さを算出する観測装置と、を有することを要旨とする。
【0010】
請求項1記載の本発明にあっては、複数の発信装置の発信器がそれぞれ自己の識別情報をトランシーバを介して発信し、移動体が第1の電極及び第2の電極のいずれにも触れている場合には、検出装置の検出器が移動体及びトランシーバを介して識別情報を受信し、観測装置はこの識別情報から移動体の長さを算出する。これにより、周囲の影響を受けずに、移動体の位置を的確に検出して、移動体の長さを正確に求めることができる。
【0011】
請求項2記載の本発明は、請求項1記載の発明において、前記観測装置は、前記検出器が同時に2以上の前記識別情報を受信した場合には、前記検出装置から最も遠い位置に配置された前記発信装置の前記識別情報に基づいて前記移動体の長さを算出することを要旨とする。
【0012】
請求項3記載の本発明は、送信すべき情報に基づく電界を電界伝達媒体に誘起させるとともにこの誘起した電界を検出して情報の送受信を行うトランシーバを前記電界伝達媒体である移動体が移動する経路上の該移動体の移動方向に適宜間隔をおいて複数設置して、前記移動体を介した前記トランシーバ間の通信が成立する状態に基づいて前記移動体の位置を検出する移動体検出システムであって、前記経路上の表面に設置され、前記移動体が触れる第1の電極と、前記第1の電極に接続された送信用の前記トランシーバと、所定の信号を前記送信用の前記トランシーバを介して発信する発信器と、を備える発信装置と、前記経路上の表面に設置され、前記移動体が触れる第2の電極と、前記第2の電極に接続された受信用の前記トランシーバと、前記移動体が前記第1の電極及び前記第2の電極のいずれにも触れている場合には、前記発信器から発信された前記所定の信号を前記受信用の前記トランシーバを介して受信し、自己の識別情報を発信する検出器と、を備える複数の検出装置と、前記検出器から発信された前記識別情報に基づいて前記移動体の長さを算出する観測装置と、を有することを要旨とする。
【0013】
請求項3記載の本発明にあっては、発信装置の発信器が所定の信号をトランシーバを介して発信し、移動体が第1の電極及び第2の電極のいずれにも触れている場合には、複数の検出装置の検出器が移動体及びトランシーバを介して所定の信号を受信し、自己の識別情報を送信するので、観測装置はこの識別情報から移動体の長さを算出する。これにより、周囲の影響を受けずに、移動体の位置を的確に検出して、移動体の長さを正確に求めることができる。
【0014】
請求項4記載の本発明は、請求項3記載の発明において、前記観測装置は、同時に2以上の前記識別情報を受信した場合には、前記発信装置から最も遠い位置に配置された前記検出装置の前記識別情報に基づいて前記移動体の長さを算出することを要旨とする。
【0015】
請求項5記載の本発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の発明において、前記観測装置は、前記識別情報を前記第1の電極及び前記第2の電極の電極間距離と対応させて記憶している距離情報記憶手段を参照することを要旨とする。
【0016】
請求項6記載の本発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の発明において、前記識別情報は、前記第1の電極及び前記第2の電極の電極間距離であることを要旨とする。
【0017】
請求項7記載の本発明は、送信すべき情報に基づく電界を電界伝達媒体に誘起させるとともにこの誘起した電界を検出して情報の送受信を行うトランシーバを前記電界伝達媒体である移動体が移動する経路上の該移動体の移動方向に適宜間隔をおいて3つ設置して、前記移動体を介した前記トランシーバ間の通信が成立する状態に基づいて前記移動体の位置を検出する移動体検出システムであって、前記経路上の表面に設置され、前記移動体が触れる第1の電極と、前記第1の電極に接続された送信用の前記トランシーバと、自己の識別番号を前記送信用の前記トランシーバを介して発信する発信器と、を備える2つの発信装置と、それぞれの前記第1の電極と前記通信が成立するように前記経路上の表面に設置され、前記移動体が触れる第2の電極と、前記第2の電極に接続された受信用の前記トランシーバと、前記移動体が前記第1の電極及び前記第2の電極のいずれにも触れている場合には、前記発信器から発信された前記識別情報を前記受信用の前記トランシーバを介して受信する検出器と、を備える検出装置と、前記発信器からのそれぞれの識別情報を受信した時刻及び前記第1の電極間の距離に基づいて前記移動体の速度を算出する観測装置と、を有することを要旨とする。
【0018】
請求項7記載の本発明にあっては、2つの発信装置の発信器がそれぞれ自己の識別情報をトランシーバを介して発信し、移動体が第1の電極及び第2の電極のいずれにも触れている場合には、検出装置の検出器が移動体及びトランシーバを介してそれぞれの識別情報を受信し、観測装置はそれぞれの識別情報を受信した時刻及び第1の電極間の距離から移動体の速度を算出する。これにより、周囲の影響を受けずに、移動体の位置を的確に検出して、移動体の速度を正確に求めることができる。
【0019】
請求項8記載の本発明は、請求項7記載の発明において、前記観測装置は、前記検出器が同時に2以上の識別情報を受信した場合には、前記発信器からのそれぞれの識別情報の受信開始時刻に基づいて前記移動体の速度を算出することを要旨とする。
【0020】
請求項9記載の本発明は、請求項7記載の発明において、前記観測装置は、前記検出器が同時に2以上の識別情報を受信した場合には、前記発信器からのそれぞれの識別情報の受信終了時刻に基づいて前記移動体の速度を算出することを要旨とする。
【0021】
請求項10記載の本発明は、送信すべき情報に基づく電界を電界伝達媒体に誘起させるとともにこの誘起した電界を検出して情報の送受信を行うトランシーバを前記電界伝達媒体である移動体が移動する経路上の該移動体の移動方向に適宜間隔をおいて3つ設置して、前記移動体を介した前記トランシーバ間の通信が成立する状態に基づいて前記移動体の位置を検出する移動体検出システムであって、前記経路上の表面に設置され、前記移動体が触れる第1の電極と、前記第1の電極に接続された送信用の前記トランシーバと、所定の信号を前記送信用の前記トランシーバを介して発信する発信器と、を備える発信装置と、前記第1の電極と前記通信が成立するように前記経路上の表面に設置され、前記移動体が触れる第2の電極と、前記第2の電極に接続された受信用の前記トランシーバと、前記移動体が前記第1の電極及び前記第2の電極のいずれにも触れている場合には、前記発信器から発信された前記所定の信号を前記受信用の前記トランシーバを介して受信し、自己の識別情報を発信する検出器と、を備える2つの検出装置と、前記検出器から発信されたそれぞれの前記識別情報を受信した時刻及び前記第2の電極間の距離に基づいて前記移動体の速度を算出する観測装置と、を有することを要旨とする。
【0022】
請求項10記載の本発明にあっては、発信装置の発信器が所定の信号をトランシーバを介して発信し、移動体が第1の電極及び第2の電極のいずれにも触れている場合には、2つの検出装置の検出器が移動体及びトランシーバを介して所定の信号を受信し、それぞれ自己の識別情報を送信するので、観測装置はこの識別情報から移動体の速度を算出する。これにより、周囲の影響を受けずに、移動体の位置を的確に検出して、移動体の速度を正確に求めることができる。
【0023】
請求項11記載の本発明は、請求項10記載の発明において、前記観測装置は、同時に2以上の前記識別情報を受信した場合には、前記検出器からのそれぞれの識別情報の受信開始時刻に基づいて前記移動体の速度を算出することを要旨とする。
【0024】
請求項12記載の本発明は、請求項10記載の発明において、前記観測装置は、同時に2以上の前記識別情報を受信した場合には、前記検出器からのそれぞれの識別情報の受信終了時刻に基づいて前記移動体の速度を算出することを要旨とする。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
【0026】
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施形態に係る移動体検出システム100の概略構成図である。移動体検出システム100は、複数の発信装置110i(i=a, …,n)、検出装置120、及び観測装置130を備えており、自動車の移動方向に対して複数の発信装置110i及び検出装置120を適宜間隔をおいて路面に設置し、該路面上を通過する自動車を検出して、該自動車の長さを測定するコンピュータシステムである。
【0027】
発信装置110iは、路面上に配置されて測定対象物である自動車のタイヤが触れる部分となっている電極1i(i=a, …,n)、該電極1iに接続されているトランシーバ9i(i=a, …,n)、及びトランシーバ9iを介して、常時自己の識別データIDi(i=a, …,n)を発信している発信器2i(i=a, …,n)を有する構成となっている。
【0028】
ここで、トランシーバ9i(i=a, …,n)及び後述するトランシーバ9zは、詳しくは、図2(トランシーバ9a〜9n及び9zの構成及び機能は同一であるため、トランシーバ9として記述)に示すように、コンピュータ(本実施の形態においては、発信器2i)からの送信データを入出力(I/O)回路901を介して受け取ると、この送信データを送信部902を介して送受信電極903に供給し、該送受信電極903および絶縁膜904を介して電界伝達媒体(本実施の形態においては、自動車10)に電界を誘起させ、この電界を電界伝達媒体の他の部位に伝達させるようになっている。また、電界伝達媒体に誘起されて伝達されてくる電界を絶縁膜904を介して送受信電極903で検出し、この電界を電界検出光学部905に結合して電気信号に変換するようになっている。そして、この電気信号は、信号処理回路906で増幅、雑音除去などの信号処理を施され、更に波形整形回路907で波形整形されてから、入出力(I/O)回路901を介してコンピュータ(本実施の形態においては、検出器3)に出力されるようになっている。
【0029】
検出装置120は、路面に配置されて測定対象物である自動車のタイヤが触れる部分となっている電極1z、該電極1zに接続されているトランシーバ9z、及びトランシーバ9zを介して、発信器2iの識別データIDiを受信する検出器3を有する構成となっている。
【0030】
観測装置130は、検出器3を介して識別データIDiを受け取ると、識別データIDiの値から自動車の長さ(正確には、自動車の車軸間距離)を算出する装置である。これは、具体的には、識別データIDiの値をそれぞれの発信装置110iと検出装置120間の電極間距離と対応させて記憶している長さテーブル135から、識別データIDiの値に応じて電極間距離に関するデータを取得し、この長さを通過する自動車の長さとするものである。
【0031】
従って、移動体検出システム100においては、自動車10のタイヤが路面上のいずれかの発信装置110iの電極1i及び検出装置120の電極1zに同時に接しているときは、発信装置110iと検出装置120間の自動車10の車体を介した通信路が成立するので、これにより、観測装置130が受信した識別データIDiから自動車10の長さを測定できるようになっている。
【0032】
次に、本実施の形態に係る移動体検出システム100の動作について、図3を用いて説明する。ここで、図3は、発信装置110i、検出装置120及び観測装置130間の通信のやりとりを示しているシーケンス図である。
【0033】
それぞれの発信装置110iは、常時、識別データIDiを発信しているので、自動車10がいずれかの発信装置110i上の電極1i及び検出装置120上の電極1zに接しているときは、検出装置120は、識別データIDiを電界伝達媒体である自動車10を介して受信し、観測装置130に該識別データIDiを送信する(ステップS1〜S4)。識別データIDiを受信した観測装置130は、識別データIDiに基づいて長さテーブル135を参照して自動車の長さを算出する(ステップS5〜S7)。
【0034】
従って、本実施の形態の移動体検出システム100によれば、送信すべき情報に基づく電界を電界伝達媒体に誘起させるとともに電界伝達媒体に誘起された電界を検出して情報の送受信を行うトランシーバ9を利用することにより、周囲の影響を受けずに、自動車の位置を的確に検出して、該自動車の長さを正確に求めることができる。
【0035】
さらに、測定した自動車の長さに測定時刻を付加したデータを時系列的に収集することにより、大型車や小型車など自動車の大きさごとの通行台数が正確に計測されるので、季節、曜日および時間帯別ごとの道路利用状況を正確に把握することができ、以て、より良い道路整備計画に役立てることができる。
【0036】
尚、本実施の形態においては、発信器2iは識別データIDiを発信していたが、距離データ(例えば、1m,2m,3mなどの距離データ)そのものを発信して、該距離データを受信することにより、自動車の長さを算出するようにしてもよい。そして、この場合には、観測装置130は長さテーブ135を備える必要がなくなる。
【0037】
(第2の実施の形態)
図4は本発明の第2の実施形態に係る移動体検出システム200の概略構成図である。移動体検出システム200は、発信装置210、複数の検出装置220i(i=a, …,n)、及び観測装置130を備えており、自動車の移動方向に対して発信装置210及び複数の検出装置220iを適宜間隔をおいて路面に設置し、該路面上を通過する自動車を検出して、該自動車の長さを測定するコンピュータシステムである。尚、本実施の形態においては、第1の実施の形態と異なる構成及び機能のみ説明し、その他の構成及び機能に関しては同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0038】
発信装置210は、路面に配置されて測定対象物である自動車のタイヤが触れる部分となっている電極1z、該電極1zに接続されているトランシーバ9z、及びトランシーバ9zを介して、常時、所定の信号(例えば、矩形波などの単純な信号)を発信している発信器4を有する構成となっている。
【0039】
検出装置220i(i=a, …,n)は、路面に配置されて測定対象物である自動車のタイヤが触れる部分となっている電極1i(i=a, …,n)、該電極1iに接続されているトランシーバ9i(i=a, …,n)、及びトランシーバ9iを介して、発信器4の所定の信号を受信すると自己の識別データIDi(i=a, …,n)を観測装置130に送信する検出器5i(i=a, …,n)を有する構成となっている。
【0040】
観測装置130は、検出器5iを介して識別データIDiを受け取ると、識別データIDiの値から自動車の長さ(正確には、自動車の車軸間距離)を算出する装置である。
【0041】
従って、移動体検出システム200においては、移動体検出システム100と同様に、自動車10のタイヤが路面上の発信装置210及びいずれかの検出装置220iの電極に同時に接しているときは、発信装置210と検出装置220i間の自動車10の車体を介した通信路が成立するので、これにより、観測装置130が受信した識別データIDiから自動車10の長さを測定できるようになっている。
【0042】
次に、本実施の形態に係る移動体検出システム200の動作について、図5を用いて説明する。ここで、図5は、発信装置210、検出装置220i及び観測装置130間の通信のやりとりを示しているシーケンス図である。
【0043】
発信装置210は、常時、所定の信号を発信しているので、自動車10が発信装置210上の電極1z及びいずれかの検出装置220i上の電極1iに接しているときは、自動車に接している検出装置220iは、所定の信号を電界伝達媒体である自動車10を介して受信し、自己の識別データIDiを観測装置130に送信する(ステップS11〜S14)。識別データIDiを受信した観測装置130は、識別データIDiに基づいて長さテーブル135を参照して自動車の長さを算出する(ステップS15〜S16)。
【0044】
従って、本実施の形態の移動体検出システム200によれば、第1の実施の形態と同様な効果を得ることができる。
【0045】
また、本実施の形態においても、検出器5iは識別データIDiを発信していたが、第1の実施の形態と同様に、距離データそのものを発信して、該距離データを観測装置130が受信することにより、自動車の長さを算出するようにしてもよい。この場合には、観測装置130は、長さテーブル135を備える必要がなくなる。
【0046】
尚、第1及び第2の実施の形態に係る移動体検出システム100及び200は、自動車を検出して、該自動車の長さを測定するシステムであったが、本発明の移動体検出システムにおいて長さが測定される移動体は自動車に限定されず、その他の移動体にも適用することができる。
【0047】
例えば、図6は、第1の実施の形態の変形例を示すものであるが、移動体検出システム101は、ベルトコンベア上の物体の長さを測定するようになっている。これは、物体20が発信装置110iの電極付きローラ1iのいずれかと検出装置120の電極付きローラ1zに同時に接しているときは、発信装置110iと検出装置120間の物体20を介した通信路が成立するので、これにより、観測装置131が、受信した識別データIDiからベルトコンベア上を移動する物体20の長さを測定するものである。尚、この場合においては、複数の発信装置110iと検出装置120との間で同時に通信路が成立する場合があるので、検出装置120から最も遠い発信装置110iの識別データIDiから物体20の長さを算出する。
【0048】
(第3の実施の形態)
図7は本発明の第3の実施形態に係る移動体検出システム300の概略構成図である。移動体検出システム300は、2つの発信装置310a及び310b、検出装置320、並びに観測装置330を備えており、自動車の移動方向に対して2つの発信装置310a及び310b、並びに検出装置320を適宜間隔をおいて路面に設置し、該路面上を通過する自動車を検出して、該自動車の速度を測定するコンピュータシステムである。尚、本実施の形態においては、上記実施の形態と異なる構成及び機能のみ説明し、その他の構成及び機能に関しては同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0049】
発信装置310i(i=a,b)は、路面に配置されて測定対象物である自動車のタイヤが触れる部分となっている電極1i(i=a,b)、該電極1iに接続されているトランシーバ9i(i=a,b)、及びトランシーバ9iを介して、常時自己の識別データIDi(i=a,b)を発信している発信器2i(i=a,b)を有する構成となっている。
【0050】
検出装置320は、路面に配置されて測定対象物である自動車のタイヤが触れる部分となっている電極6、該電極6に接続されているトランシーバ9c、及びトランシーバ9cを介して発信器2iの識別データIDiを受信する検出器3を有する構成となっている。ここで、電極6は、自動車10の後輪(前輪)が電極1aに接しているとき、及び電極1bに接しているときはいずれも、同時に自動車10の前輪(後輪)が電極6に接するように、所定の長さ及び電極1iまでの所定の距離を有して配置されている。
【0051】
観測装置330は、検出器3を介してそれぞれの発信器2iの識別データIDiを受け取ると、受け取ったそれぞれの時刻t1及びt2を記憶し、また、電極1aと電極1bの電極間距離データl1を取得して、時刻データt1及びt2及び電極間距離データl1から自動車の速度(l1/(t2−t1))を算出する装置である。
【0052】
従って、移動体検出システム300においては、自動車10のタイヤが路面上のそれぞれの発信装置310iの電極1i及び検出装置320の電極6に同時に接しているときは、それぞれの発信装置310iと検出装置320間の自動車10を介した通信路が成立するので、これにより、観測装置330がそれぞれの識別データIDiを受信した時刻及び電極間距離から自動車10の速度を測定できるようになっている。
【0053】
次に、本実施の形態に係る移動体検出システム300の動作について、図8を用いて説明する。ここで、図8は、発信装置310i、検出装置320及び観測装置330間の通信のやりとりを示しているシーケンス図である。
【0054】
それぞれの発信装置310iは、常時、識別データIDiを発信しているので、自動車10が発信装置310a上の電極1a及び検出装置320上の電極6に接しているときは、検出装置320は発信器2aの識別データIDaを電界伝達媒体である自動車10を介して受信し、観測装置330に該識別データIDaを送信する(ステップS21〜S24)。識別データIDaを受信した観測装置330は、識別データIDaを受信した時刻t1を記憶する(ステップS25,S26)。同様にして、自動車が発信装置310b上の電極1b及び検出装置320上の電極6に接しているときに受信した発信器2bの識別データIDbの受信時刻t2を記憶する(ステップS28,S21〜S26)。そして、2つの識別データIDa及びIDbを受信したときには、時刻データt1及びt2、並びに電極間距離データl1から速度を算出する(ステップS28,S30)。
【0055】
従って、本実施の形態の移動体検出システム300によれば、送信すべき情報に基づく電界を電界伝達媒体に誘起させるとともに電界伝達媒体に誘起された電界を検出して情報の送受信を行うトランシーバ9を利用することにより、周囲の影響を受けずに、自動車の位置を的確に検出して、該自動車の速度を正確に求めることができる。
【0056】
さらに、測定した自動車の速度に測定時刻を付加したデータを時系列的に収集することにより、季節、曜日および時間帯別ごとの渋滞などの道路混雑状況を正確に把握することができ、以て、より良い道路整備計画に役立てることができる。
【0057】
尚、本実施の形態の移動体検出システム300は、進行方向を問わず自動車の速度を測定することができるので、一車線の道路においても、双方向の速度データを収集することが可能となる。
【0058】
(第4の実施の形態)
図9は本発明の第4の実施形態に係る移動体検出システム400の概略構成図である。移動体検出システム400は、発信装置410、2つの検出装置420a及び420b、並びに観測装置330を備えており、自動車の移動方向に対して発信装置410、並びに2つの検出装置420a及び420bを適宜間隔をおいて路面に設置し、該路面上を通過する自動車を検出して、該自動車の速度を測定するコンピュータシステムである。尚、本実施の形態においては、上記実施の形態と異なる構成及び機能のみ説明し、その他の構成及び機能に関しては同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0059】
発信装置410は、路面に配置されて測定対象物である自動車のタイヤが触れる部分となっている電極6、該電極6に接続されているトランシーバ9c、及びトランシーバ9cを介して常時、所定の信号(例えば、矩形波などの単純な信号)を発信している発信器4を有する構成となっている。
【0060】
検出装置420i(i=a,b)は、路面に配置されて測定対象物である自動車のタイヤが触れる部分となっている電極1i(i=a,b)、該電極1iに接続されているトランシーバ9i(i=a,b)、及びトランシーバ9iを介して発信器4の所定の信号を受信すると自己の識別データIDi(i=a,b)を観測装置330に送信する検出器5i(i=a,b)を有する構成となっている。
【0061】
観測装置330は、検出器5iを介してそれぞれの識別データIDiを受け取ると、受け取ったそれぞれの時刻t1及びt2を記憶し、また、電極1aと電極1bの電極間距離データl1を取得して、該時刻データt1及びt2及び電極間距離データl1から自動車の速度(l1/(t2−t1))を算出する装置である。
【0062】
従って、移動体検出システム400においては、移動体検出システム300と同様に、自動車10のタイヤが路面上の発信装置410の電極6及びそれぞれの検出装置420iの電極1iに同時に接しているときは、発信装置410とそれぞれの検出装置420i間の自動車10を介した通信路が成立するので、これにより、観測装置330がそれぞれの識別データIDiを受信した時刻及び電極間距離から自動車10の速度を測定できるようになっている。
【0063】
次に、本実施の形態に係る移動体検出システム400の動作について、図10を用いて説明する。ここで、図10は、発信装置410、検出装置420i及び観測装置330間の通信のやりとりを示しているシーケンス図である。
【0064】
発信装置410は、常時、所定の信号を発信しているので、自動車10が検出装置420a上の電極1a及び発信装置410上の電極6に接しているときは、検出装置420aは発信器4の所定の信号を電界伝達媒体である自動車10を介して受信し、自己の識別データIDaを観測装置330に送信する(ステップS41〜S44)。識別データIDaを受信した観測装置330は、識別データIDaを受信した時刻t1を記憶する(ステップS45,S46)。同様にして、自動車10が検出装置420b上の電極1b及び発信装置410上の電極6に接しているときに受信した検出器5bの識別データIDbの受信時刻t2を記憶する(ステップS48,S41〜S46)。そして、2つの識別データIDa及びIDbを受信したときには、時刻データt1及びt2、並びに電極間距離データl1から速度を算出する(ステップS48,S50)。
【0065】
従って、本実施の形態の移動体検出システム400によれば、第3の実施の形態と同様な効果を得ることができる。
【0066】
尚、第3及び第4の実施の形態に係る移動体検出システム300及び400は、自動車を検出して、該自動車の速度を測定するシステムであったが、本発明の移動体検出システムにおいて速度が測定される移動体は自動車に限定されず、その他の移動体にも適用することができる。
【0067】
例えば、図11及び図12は、第3の実施の形態の変形例を示すものであるが、移動体検出システム301及び302は、雪面上でスキーヤーの滑走速度を測定するようになっている。尚、この場合においては、複数の発信装置310iと検出装置320との間で同時に通信路が成立する場合があるので、図11においては、識別データIDbを受信し始めた時刻をt1、識別データIDaを受信し始めた時刻をt2として、速度を算出し、図12R>2においては、識別データIDaの信号が途絶えた時刻をt1、識別データIDbの信号が途絶えた時刻をt2として、速度を算出する。
【0068】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の移動体検出システムによれば、送信すべき情報に基づく電界を電界伝達媒体に誘起させるとともに電界伝達媒体に誘起された電界を検出して情報の送受信を行うトランシーバを移動体が移動する経路上の移動方向に適宜間隔をおいて複数設置することにより、移動体を介したトランシーバ間の通信が成立するので、周囲の影響を受けずに、移動体の位置を正確に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る移動体検出システムの概略構成図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る移動体検出システムに用いられるトランシーバの構成である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る移動体検出システムの動作を説明するシーケンス図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る移動体検出システムの概略構成図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る移動体検出システムの動作を説明するシーケンス図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る移動体検出システムの変形例を説明する図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態に係る移動体検出システムの概略構成図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態に係る移動体検出システムの動作を説明するシーケンス図である。
【図9】本発明の第4の実施の形態に係る移動体検出システムの概略構成図である。
【図10】本発明の第4の実施の形態に係る移動体検出システムの動作を説明するシーケンス図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態に係る移動体検出システムの変形例を説明する図である。
【図12】本発明の第3の実施の形態に係る移動体検出システムの変形例を説明する図である。
【図13】トランシーバを介してウェアラブルコンピュータを人間に装着して使用する場合の例を示す説明図である。
【符号の説明】
1a…1n,6 電極
2a…2n,4 発信器
3,5a…5n 検出器
7 ウェアブルコンピュータ
8 PC
9 トランシーバ
10 自動車
20 物体
30 スキー板
100,101,200,300,301,302,400 移動体検出システム
110a…110n,210,310a,310b,410 発信装置
120,220a…220n,320,420a,420b 検出装置
130,131,330,331,332 観測装置
135 長さテーブル
901 I/O回路
902 送信部
903 送受信電極
904 絶縁膜
905 電界検出光学部
906 信号処理回路
907 波形整形回路
910 受信部
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動体の位置を検出して長さや速度を求める移動体検出システムに関し、特に、送信すべき情報に基づく電界を電界伝達媒体に誘起させるとともに電界伝達媒体に誘起された電界を検出して情報の送受信を行うトランシーバを用いて移動体の位置を検出して長さや速度を求める移動体検出システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯端末の小型化および高性能化によりウェアラブルコンピュータが注目されているが、図13はこのようなウェアラブルコンピュータを人間に装着して使用する場合の例を示している。同図に示すように、ウェアラブルコンピュータ7はそれぞれトランシーバ9を介して人間の腕、肩、胴体などに装着されて互いにデータの送受信を行うとともに、更に手足の先端で触れられるよう壁や床に設けられたトランシーバ9a、9bとケーブルとを介して外部に設けられたパソコン(PC)8と通信を行うようになっている。
【0003】
そして、このようなウェアラブルコンピュータ7間、およびウェアラブルコンピュータ7とPC8とのデータ通信に使用されるトランシーバ9は、レーザ光と電気光学結晶を用いた電気光学的手法による信号検出技術を利用していて、送信すべき情報に基づく電界を電界伝達媒体である生体に誘起させ、この誘起した電界を用いて情報の送受信を行っている。
【0004】
ところで、従来、例えば、自動車などの移動体を検出する方法としては、光センサ、マイクロ波等のセンサを利用し、電磁波の遮断又は反射により移動体を検出する方法がある。
【0005】
尚、この出願に関連する先行技術文献情報としては、次のものがある。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−352298公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来のセンサを用いる方法においては、計測対象物の同一性の判別が困難な場合が多く、移動体の位置を的確に検出できず、移動体の長さや速度を正確に測定できないという問題がある。特に、電磁波等の反射や遮断を検知する方法では、周囲の影響、例えば、対向車の存在や渋滞状況などの影響を受けやすく正確な測定ができないという問題がある。
【0008】
本発明は、上記の事情を鑑みたものであり、送信すべき情報に基づく電界を電界伝達媒体に誘起させるとともに電界伝達媒体に誘起された電界を検出して情報の送受信を行うトランシーバを利用することにより、移動体の位置を正確に検出することができる移動体検出システムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の本発明は、送信すべき情報に基づく電界を電界伝達媒体に誘起させるとともにこの誘起した電界を検出して情報の送受信を行うトランシーバを前記電界伝達媒体である移動体が移動する経路上の該移動体の移動方向に適宜間隔をおいて複数設置して、前記移動体を介した前記トランシーバ間の通信が成立する状態に基づいて前記移動体の位置を検出する移動体検出システムであって、前記経路上の表面に設置され、前記移動体が触れる第1の電極と、前記第1の電極に接続された送信用の前記トランシーバと、自己の識別情報を前記送信用の前記トランシーバを介して発信する発信器と、を備える複数の発信装置と、前記経路上の表面に設置され、前記移動体が触れる第2の電極と、前記第2の電極に接続された受信用の前記トランシーバと、前記移動体が前記第1の電極及び前記第2の電極のいずれにも触れている場合には、前記発信器から発信された前記識別情報を前記受信用の前記トランシーバを介して受信する検出器と、を備える検出装置と、前記発信器から発信された前記識別情報に基づいて前記移動体の長さを算出する観測装置と、を有することを要旨とする。
【0010】
請求項1記載の本発明にあっては、複数の発信装置の発信器がそれぞれ自己の識別情報をトランシーバを介して発信し、移動体が第1の電極及び第2の電極のいずれにも触れている場合には、検出装置の検出器が移動体及びトランシーバを介して識別情報を受信し、観測装置はこの識別情報から移動体の長さを算出する。これにより、周囲の影響を受けずに、移動体の位置を的確に検出して、移動体の長さを正確に求めることができる。
【0011】
請求項2記載の本発明は、請求項1記載の発明において、前記観測装置は、前記検出器が同時に2以上の前記識別情報を受信した場合には、前記検出装置から最も遠い位置に配置された前記発信装置の前記識別情報に基づいて前記移動体の長さを算出することを要旨とする。
【0012】
請求項3記載の本発明は、送信すべき情報に基づく電界を電界伝達媒体に誘起させるとともにこの誘起した電界を検出して情報の送受信を行うトランシーバを前記電界伝達媒体である移動体が移動する経路上の該移動体の移動方向に適宜間隔をおいて複数設置して、前記移動体を介した前記トランシーバ間の通信が成立する状態に基づいて前記移動体の位置を検出する移動体検出システムであって、前記経路上の表面に設置され、前記移動体が触れる第1の電極と、前記第1の電極に接続された送信用の前記トランシーバと、所定の信号を前記送信用の前記トランシーバを介して発信する発信器と、を備える発信装置と、前記経路上の表面に設置され、前記移動体が触れる第2の電極と、前記第2の電極に接続された受信用の前記トランシーバと、前記移動体が前記第1の電極及び前記第2の電極のいずれにも触れている場合には、前記発信器から発信された前記所定の信号を前記受信用の前記トランシーバを介して受信し、自己の識別情報を発信する検出器と、を備える複数の検出装置と、前記検出器から発信された前記識別情報に基づいて前記移動体の長さを算出する観測装置と、を有することを要旨とする。
【0013】
請求項3記載の本発明にあっては、発信装置の発信器が所定の信号をトランシーバを介して発信し、移動体が第1の電極及び第2の電極のいずれにも触れている場合には、複数の検出装置の検出器が移動体及びトランシーバを介して所定の信号を受信し、自己の識別情報を送信するので、観測装置はこの識別情報から移動体の長さを算出する。これにより、周囲の影響を受けずに、移動体の位置を的確に検出して、移動体の長さを正確に求めることができる。
【0014】
請求項4記載の本発明は、請求項3記載の発明において、前記観測装置は、同時に2以上の前記識別情報を受信した場合には、前記発信装置から最も遠い位置に配置された前記検出装置の前記識別情報に基づいて前記移動体の長さを算出することを要旨とする。
【0015】
請求項5記載の本発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の発明において、前記観測装置は、前記識別情報を前記第1の電極及び前記第2の電極の電極間距離と対応させて記憶している距離情報記憶手段を参照することを要旨とする。
【0016】
請求項6記載の本発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の発明において、前記識別情報は、前記第1の電極及び前記第2の電極の電極間距離であることを要旨とする。
【0017】
請求項7記載の本発明は、送信すべき情報に基づく電界を電界伝達媒体に誘起させるとともにこの誘起した電界を検出して情報の送受信を行うトランシーバを前記電界伝達媒体である移動体が移動する経路上の該移動体の移動方向に適宜間隔をおいて3つ設置して、前記移動体を介した前記トランシーバ間の通信が成立する状態に基づいて前記移動体の位置を検出する移動体検出システムであって、前記経路上の表面に設置され、前記移動体が触れる第1の電極と、前記第1の電極に接続された送信用の前記トランシーバと、自己の識別番号を前記送信用の前記トランシーバを介して発信する発信器と、を備える2つの発信装置と、それぞれの前記第1の電極と前記通信が成立するように前記経路上の表面に設置され、前記移動体が触れる第2の電極と、前記第2の電極に接続された受信用の前記トランシーバと、前記移動体が前記第1の電極及び前記第2の電極のいずれにも触れている場合には、前記発信器から発信された前記識別情報を前記受信用の前記トランシーバを介して受信する検出器と、を備える検出装置と、前記発信器からのそれぞれの識別情報を受信した時刻及び前記第1の電極間の距離に基づいて前記移動体の速度を算出する観測装置と、を有することを要旨とする。
【0018】
請求項7記載の本発明にあっては、2つの発信装置の発信器がそれぞれ自己の識別情報をトランシーバを介して発信し、移動体が第1の電極及び第2の電極のいずれにも触れている場合には、検出装置の検出器が移動体及びトランシーバを介してそれぞれの識別情報を受信し、観測装置はそれぞれの識別情報を受信した時刻及び第1の電極間の距離から移動体の速度を算出する。これにより、周囲の影響を受けずに、移動体の位置を的確に検出して、移動体の速度を正確に求めることができる。
【0019】
請求項8記載の本発明は、請求項7記載の発明において、前記観測装置は、前記検出器が同時に2以上の識別情報を受信した場合には、前記発信器からのそれぞれの識別情報の受信開始時刻に基づいて前記移動体の速度を算出することを要旨とする。
【0020】
請求項9記載の本発明は、請求項7記載の発明において、前記観測装置は、前記検出器が同時に2以上の識別情報を受信した場合には、前記発信器からのそれぞれの識別情報の受信終了時刻に基づいて前記移動体の速度を算出することを要旨とする。
【0021】
請求項10記載の本発明は、送信すべき情報に基づく電界を電界伝達媒体に誘起させるとともにこの誘起した電界を検出して情報の送受信を行うトランシーバを前記電界伝達媒体である移動体が移動する経路上の該移動体の移動方向に適宜間隔をおいて3つ設置して、前記移動体を介した前記トランシーバ間の通信が成立する状態に基づいて前記移動体の位置を検出する移動体検出システムであって、前記経路上の表面に設置され、前記移動体が触れる第1の電極と、前記第1の電極に接続された送信用の前記トランシーバと、所定の信号を前記送信用の前記トランシーバを介して発信する発信器と、を備える発信装置と、前記第1の電極と前記通信が成立するように前記経路上の表面に設置され、前記移動体が触れる第2の電極と、前記第2の電極に接続された受信用の前記トランシーバと、前記移動体が前記第1の電極及び前記第2の電極のいずれにも触れている場合には、前記発信器から発信された前記所定の信号を前記受信用の前記トランシーバを介して受信し、自己の識別情報を発信する検出器と、を備える2つの検出装置と、前記検出器から発信されたそれぞれの前記識別情報を受信した時刻及び前記第2の電極間の距離に基づいて前記移動体の速度を算出する観測装置と、を有することを要旨とする。
【0022】
請求項10記載の本発明にあっては、発信装置の発信器が所定の信号をトランシーバを介して発信し、移動体が第1の電極及び第2の電極のいずれにも触れている場合には、2つの検出装置の検出器が移動体及びトランシーバを介して所定の信号を受信し、それぞれ自己の識別情報を送信するので、観測装置はこの識別情報から移動体の速度を算出する。これにより、周囲の影響を受けずに、移動体の位置を的確に検出して、移動体の速度を正確に求めることができる。
【0023】
請求項11記載の本発明は、請求項10記載の発明において、前記観測装置は、同時に2以上の前記識別情報を受信した場合には、前記検出器からのそれぞれの識別情報の受信開始時刻に基づいて前記移動体の速度を算出することを要旨とする。
【0024】
請求項12記載の本発明は、請求項10記載の発明において、前記観測装置は、同時に2以上の前記識別情報を受信した場合には、前記検出器からのそれぞれの識別情報の受信終了時刻に基づいて前記移動体の速度を算出することを要旨とする。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
【0026】
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施形態に係る移動体検出システム100の概略構成図である。移動体検出システム100は、複数の発信装置110i(i=a, …,n)、検出装置120、及び観測装置130を備えており、自動車の移動方向に対して複数の発信装置110i及び検出装置120を適宜間隔をおいて路面に設置し、該路面上を通過する自動車を検出して、該自動車の長さを測定するコンピュータシステムである。
【0027】
発信装置110iは、路面上に配置されて測定対象物である自動車のタイヤが触れる部分となっている電極1i(i=a, …,n)、該電極1iに接続されているトランシーバ9i(i=a, …,n)、及びトランシーバ9iを介して、常時自己の識別データIDi(i=a, …,n)を発信している発信器2i(i=a, …,n)を有する構成となっている。
【0028】
ここで、トランシーバ9i(i=a, …,n)及び後述するトランシーバ9zは、詳しくは、図2(トランシーバ9a〜9n及び9zの構成及び機能は同一であるため、トランシーバ9として記述)に示すように、コンピュータ(本実施の形態においては、発信器2i)からの送信データを入出力(I/O)回路901を介して受け取ると、この送信データを送信部902を介して送受信電極903に供給し、該送受信電極903および絶縁膜904を介して電界伝達媒体(本実施の形態においては、自動車10)に電界を誘起させ、この電界を電界伝達媒体の他の部位に伝達させるようになっている。また、電界伝達媒体に誘起されて伝達されてくる電界を絶縁膜904を介して送受信電極903で検出し、この電界を電界検出光学部905に結合して電気信号に変換するようになっている。そして、この電気信号は、信号処理回路906で増幅、雑音除去などの信号処理を施され、更に波形整形回路907で波形整形されてから、入出力(I/O)回路901を介してコンピュータ(本実施の形態においては、検出器3)に出力されるようになっている。
【0029】
検出装置120は、路面に配置されて測定対象物である自動車のタイヤが触れる部分となっている電極1z、該電極1zに接続されているトランシーバ9z、及びトランシーバ9zを介して、発信器2iの識別データIDiを受信する検出器3を有する構成となっている。
【0030】
観測装置130は、検出器3を介して識別データIDiを受け取ると、識別データIDiの値から自動車の長さ(正確には、自動車の車軸間距離)を算出する装置である。これは、具体的には、識別データIDiの値をそれぞれの発信装置110iと検出装置120間の電極間距離と対応させて記憶している長さテーブル135から、識別データIDiの値に応じて電極間距離に関するデータを取得し、この長さを通過する自動車の長さとするものである。
【0031】
従って、移動体検出システム100においては、自動車10のタイヤが路面上のいずれかの発信装置110iの電極1i及び検出装置120の電極1zに同時に接しているときは、発信装置110iと検出装置120間の自動車10の車体を介した通信路が成立するので、これにより、観測装置130が受信した識別データIDiから自動車10の長さを測定できるようになっている。
【0032】
次に、本実施の形態に係る移動体検出システム100の動作について、図3を用いて説明する。ここで、図3は、発信装置110i、検出装置120及び観測装置130間の通信のやりとりを示しているシーケンス図である。
【0033】
それぞれの発信装置110iは、常時、識別データIDiを発信しているので、自動車10がいずれかの発信装置110i上の電極1i及び検出装置120上の電極1zに接しているときは、検出装置120は、識別データIDiを電界伝達媒体である自動車10を介して受信し、観測装置130に該識別データIDiを送信する(ステップS1〜S4)。識別データIDiを受信した観測装置130は、識別データIDiに基づいて長さテーブル135を参照して自動車の長さを算出する(ステップS5〜S7)。
【0034】
従って、本実施の形態の移動体検出システム100によれば、送信すべき情報に基づく電界を電界伝達媒体に誘起させるとともに電界伝達媒体に誘起された電界を検出して情報の送受信を行うトランシーバ9を利用することにより、周囲の影響を受けずに、自動車の位置を的確に検出して、該自動車の長さを正確に求めることができる。
【0035】
さらに、測定した自動車の長さに測定時刻を付加したデータを時系列的に収集することにより、大型車や小型車など自動車の大きさごとの通行台数が正確に計測されるので、季節、曜日および時間帯別ごとの道路利用状況を正確に把握することができ、以て、より良い道路整備計画に役立てることができる。
【0036】
尚、本実施の形態においては、発信器2iは識別データIDiを発信していたが、距離データ(例えば、1m,2m,3mなどの距離データ)そのものを発信して、該距離データを受信することにより、自動車の長さを算出するようにしてもよい。そして、この場合には、観測装置130は長さテーブ135を備える必要がなくなる。
【0037】
(第2の実施の形態)
図4は本発明の第2の実施形態に係る移動体検出システム200の概略構成図である。移動体検出システム200は、発信装置210、複数の検出装置220i(i=a, …,n)、及び観測装置130を備えており、自動車の移動方向に対して発信装置210及び複数の検出装置220iを適宜間隔をおいて路面に設置し、該路面上を通過する自動車を検出して、該自動車の長さを測定するコンピュータシステムである。尚、本実施の形態においては、第1の実施の形態と異なる構成及び機能のみ説明し、その他の構成及び機能に関しては同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0038】
発信装置210は、路面に配置されて測定対象物である自動車のタイヤが触れる部分となっている電極1z、該電極1zに接続されているトランシーバ9z、及びトランシーバ9zを介して、常時、所定の信号(例えば、矩形波などの単純な信号)を発信している発信器4を有する構成となっている。
【0039】
検出装置220i(i=a, …,n)は、路面に配置されて測定対象物である自動車のタイヤが触れる部分となっている電極1i(i=a, …,n)、該電極1iに接続されているトランシーバ9i(i=a, …,n)、及びトランシーバ9iを介して、発信器4の所定の信号を受信すると自己の識別データIDi(i=a, …,n)を観測装置130に送信する検出器5i(i=a, …,n)を有する構成となっている。
【0040】
観測装置130は、検出器5iを介して識別データIDiを受け取ると、識別データIDiの値から自動車の長さ(正確には、自動車の車軸間距離)を算出する装置である。
【0041】
従って、移動体検出システム200においては、移動体検出システム100と同様に、自動車10のタイヤが路面上の発信装置210及びいずれかの検出装置220iの電極に同時に接しているときは、発信装置210と検出装置220i間の自動車10の車体を介した通信路が成立するので、これにより、観測装置130が受信した識別データIDiから自動車10の長さを測定できるようになっている。
【0042】
次に、本実施の形態に係る移動体検出システム200の動作について、図5を用いて説明する。ここで、図5は、発信装置210、検出装置220i及び観測装置130間の通信のやりとりを示しているシーケンス図である。
【0043】
発信装置210は、常時、所定の信号を発信しているので、自動車10が発信装置210上の電極1z及びいずれかの検出装置220i上の電極1iに接しているときは、自動車に接している検出装置220iは、所定の信号を電界伝達媒体である自動車10を介して受信し、自己の識別データIDiを観測装置130に送信する(ステップS11〜S14)。識別データIDiを受信した観測装置130は、識別データIDiに基づいて長さテーブル135を参照して自動車の長さを算出する(ステップS15〜S16)。
【0044】
従って、本実施の形態の移動体検出システム200によれば、第1の実施の形態と同様な効果を得ることができる。
【0045】
また、本実施の形態においても、検出器5iは識別データIDiを発信していたが、第1の実施の形態と同様に、距離データそのものを発信して、該距離データを観測装置130が受信することにより、自動車の長さを算出するようにしてもよい。この場合には、観測装置130は、長さテーブル135を備える必要がなくなる。
【0046】
尚、第1及び第2の実施の形態に係る移動体検出システム100及び200は、自動車を検出して、該自動車の長さを測定するシステムであったが、本発明の移動体検出システムにおいて長さが測定される移動体は自動車に限定されず、その他の移動体にも適用することができる。
【0047】
例えば、図6は、第1の実施の形態の変形例を示すものであるが、移動体検出システム101は、ベルトコンベア上の物体の長さを測定するようになっている。これは、物体20が発信装置110iの電極付きローラ1iのいずれかと検出装置120の電極付きローラ1zに同時に接しているときは、発信装置110iと検出装置120間の物体20を介した通信路が成立するので、これにより、観測装置131が、受信した識別データIDiからベルトコンベア上を移動する物体20の長さを測定するものである。尚、この場合においては、複数の発信装置110iと検出装置120との間で同時に通信路が成立する場合があるので、検出装置120から最も遠い発信装置110iの識別データIDiから物体20の長さを算出する。
【0048】
(第3の実施の形態)
図7は本発明の第3の実施形態に係る移動体検出システム300の概略構成図である。移動体検出システム300は、2つの発信装置310a及び310b、検出装置320、並びに観測装置330を備えており、自動車の移動方向に対して2つの発信装置310a及び310b、並びに検出装置320を適宜間隔をおいて路面に設置し、該路面上を通過する自動車を検出して、該自動車の速度を測定するコンピュータシステムである。尚、本実施の形態においては、上記実施の形態と異なる構成及び機能のみ説明し、その他の構成及び機能に関しては同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0049】
発信装置310i(i=a,b)は、路面に配置されて測定対象物である自動車のタイヤが触れる部分となっている電極1i(i=a,b)、該電極1iに接続されているトランシーバ9i(i=a,b)、及びトランシーバ9iを介して、常時自己の識別データIDi(i=a,b)を発信している発信器2i(i=a,b)を有する構成となっている。
【0050】
検出装置320は、路面に配置されて測定対象物である自動車のタイヤが触れる部分となっている電極6、該電極6に接続されているトランシーバ9c、及びトランシーバ9cを介して発信器2iの識別データIDiを受信する検出器3を有する構成となっている。ここで、電極6は、自動車10の後輪(前輪)が電極1aに接しているとき、及び電極1bに接しているときはいずれも、同時に自動車10の前輪(後輪)が電極6に接するように、所定の長さ及び電極1iまでの所定の距離を有して配置されている。
【0051】
観測装置330は、検出器3を介してそれぞれの発信器2iの識別データIDiを受け取ると、受け取ったそれぞれの時刻t1及びt2を記憶し、また、電極1aと電極1bの電極間距離データl1を取得して、時刻データt1及びt2及び電極間距離データl1から自動車の速度(l1/(t2−t1))を算出する装置である。
【0052】
従って、移動体検出システム300においては、自動車10のタイヤが路面上のそれぞれの発信装置310iの電極1i及び検出装置320の電極6に同時に接しているときは、それぞれの発信装置310iと検出装置320間の自動車10を介した通信路が成立するので、これにより、観測装置330がそれぞれの識別データIDiを受信した時刻及び電極間距離から自動車10の速度を測定できるようになっている。
【0053】
次に、本実施の形態に係る移動体検出システム300の動作について、図8を用いて説明する。ここで、図8は、発信装置310i、検出装置320及び観測装置330間の通信のやりとりを示しているシーケンス図である。
【0054】
それぞれの発信装置310iは、常時、識別データIDiを発信しているので、自動車10が発信装置310a上の電極1a及び検出装置320上の電極6に接しているときは、検出装置320は発信器2aの識別データIDaを電界伝達媒体である自動車10を介して受信し、観測装置330に該識別データIDaを送信する(ステップS21〜S24)。識別データIDaを受信した観測装置330は、識別データIDaを受信した時刻t1を記憶する(ステップS25,S26)。同様にして、自動車が発信装置310b上の電極1b及び検出装置320上の電極6に接しているときに受信した発信器2bの識別データIDbの受信時刻t2を記憶する(ステップS28,S21〜S26)。そして、2つの識別データIDa及びIDbを受信したときには、時刻データt1及びt2、並びに電極間距離データl1から速度を算出する(ステップS28,S30)。
【0055】
従って、本実施の形態の移動体検出システム300によれば、送信すべき情報に基づく電界を電界伝達媒体に誘起させるとともに電界伝達媒体に誘起された電界を検出して情報の送受信を行うトランシーバ9を利用することにより、周囲の影響を受けずに、自動車の位置を的確に検出して、該自動車の速度を正確に求めることができる。
【0056】
さらに、測定した自動車の速度に測定時刻を付加したデータを時系列的に収集することにより、季節、曜日および時間帯別ごとの渋滞などの道路混雑状況を正確に把握することができ、以て、より良い道路整備計画に役立てることができる。
【0057】
尚、本実施の形態の移動体検出システム300は、進行方向を問わず自動車の速度を測定することができるので、一車線の道路においても、双方向の速度データを収集することが可能となる。
【0058】
(第4の実施の形態)
図9は本発明の第4の実施形態に係る移動体検出システム400の概略構成図である。移動体検出システム400は、発信装置410、2つの検出装置420a及び420b、並びに観測装置330を備えており、自動車の移動方向に対して発信装置410、並びに2つの検出装置420a及び420bを適宜間隔をおいて路面に設置し、該路面上を通過する自動車を検出して、該自動車の速度を測定するコンピュータシステムである。尚、本実施の形態においては、上記実施の形態と異なる構成及び機能のみ説明し、その他の構成及び機能に関しては同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0059】
発信装置410は、路面に配置されて測定対象物である自動車のタイヤが触れる部分となっている電極6、該電極6に接続されているトランシーバ9c、及びトランシーバ9cを介して常時、所定の信号(例えば、矩形波などの単純な信号)を発信している発信器4を有する構成となっている。
【0060】
検出装置420i(i=a,b)は、路面に配置されて測定対象物である自動車のタイヤが触れる部分となっている電極1i(i=a,b)、該電極1iに接続されているトランシーバ9i(i=a,b)、及びトランシーバ9iを介して発信器4の所定の信号を受信すると自己の識別データIDi(i=a,b)を観測装置330に送信する検出器5i(i=a,b)を有する構成となっている。
【0061】
観測装置330は、検出器5iを介してそれぞれの識別データIDiを受け取ると、受け取ったそれぞれの時刻t1及びt2を記憶し、また、電極1aと電極1bの電極間距離データl1を取得して、該時刻データt1及びt2及び電極間距離データl1から自動車の速度(l1/(t2−t1))を算出する装置である。
【0062】
従って、移動体検出システム400においては、移動体検出システム300と同様に、自動車10のタイヤが路面上の発信装置410の電極6及びそれぞれの検出装置420iの電極1iに同時に接しているときは、発信装置410とそれぞれの検出装置420i間の自動車10を介した通信路が成立するので、これにより、観測装置330がそれぞれの識別データIDiを受信した時刻及び電極間距離から自動車10の速度を測定できるようになっている。
【0063】
次に、本実施の形態に係る移動体検出システム400の動作について、図10を用いて説明する。ここで、図10は、発信装置410、検出装置420i及び観測装置330間の通信のやりとりを示しているシーケンス図である。
【0064】
発信装置410は、常時、所定の信号を発信しているので、自動車10が検出装置420a上の電極1a及び発信装置410上の電極6に接しているときは、検出装置420aは発信器4の所定の信号を電界伝達媒体である自動車10を介して受信し、自己の識別データIDaを観測装置330に送信する(ステップS41〜S44)。識別データIDaを受信した観測装置330は、識別データIDaを受信した時刻t1を記憶する(ステップS45,S46)。同様にして、自動車10が検出装置420b上の電極1b及び発信装置410上の電極6に接しているときに受信した検出器5bの識別データIDbの受信時刻t2を記憶する(ステップS48,S41〜S46)。そして、2つの識別データIDa及びIDbを受信したときには、時刻データt1及びt2、並びに電極間距離データl1から速度を算出する(ステップS48,S50)。
【0065】
従って、本実施の形態の移動体検出システム400によれば、第3の実施の形態と同様な効果を得ることができる。
【0066】
尚、第3及び第4の実施の形態に係る移動体検出システム300及び400は、自動車を検出して、該自動車の速度を測定するシステムであったが、本発明の移動体検出システムにおいて速度が測定される移動体は自動車に限定されず、その他の移動体にも適用することができる。
【0067】
例えば、図11及び図12は、第3の実施の形態の変形例を示すものであるが、移動体検出システム301及び302は、雪面上でスキーヤーの滑走速度を測定するようになっている。尚、この場合においては、複数の発信装置310iと検出装置320との間で同時に通信路が成立する場合があるので、図11においては、識別データIDbを受信し始めた時刻をt1、識別データIDaを受信し始めた時刻をt2として、速度を算出し、図12R>2においては、識別データIDaの信号が途絶えた時刻をt1、識別データIDbの信号が途絶えた時刻をt2として、速度を算出する。
【0068】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の移動体検出システムによれば、送信すべき情報に基づく電界を電界伝達媒体に誘起させるとともに電界伝達媒体に誘起された電界を検出して情報の送受信を行うトランシーバを移動体が移動する経路上の移動方向に適宜間隔をおいて複数設置することにより、移動体を介したトランシーバ間の通信が成立するので、周囲の影響を受けずに、移動体の位置を正確に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る移動体検出システムの概略構成図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る移動体検出システムに用いられるトランシーバの構成である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る移動体検出システムの動作を説明するシーケンス図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る移動体検出システムの概略構成図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る移動体検出システムの動作を説明するシーケンス図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る移動体検出システムの変形例を説明する図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態に係る移動体検出システムの概略構成図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態に係る移動体検出システムの動作を説明するシーケンス図である。
【図9】本発明の第4の実施の形態に係る移動体検出システムの概略構成図である。
【図10】本発明の第4の実施の形態に係る移動体検出システムの動作を説明するシーケンス図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態に係る移動体検出システムの変形例を説明する図である。
【図12】本発明の第3の実施の形態に係る移動体検出システムの変形例を説明する図である。
【図13】トランシーバを介してウェアラブルコンピュータを人間に装着して使用する場合の例を示す説明図である。
【符号の説明】
1a…1n,6 電極
2a…2n,4 発信器
3,5a…5n 検出器
7 ウェアブルコンピュータ
8 PC
9 トランシーバ
10 自動車
20 物体
30 スキー板
100,101,200,300,301,302,400 移動体検出システム
110a…110n,210,310a,310b,410 発信装置
120,220a…220n,320,420a,420b 検出装置
130,131,330,331,332 観測装置
135 長さテーブル
901 I/O回路
902 送信部
903 送受信電極
904 絶縁膜
905 電界検出光学部
906 信号処理回路
907 波形整形回路
910 受信部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信すべき情報に基づく電界を電界伝達媒体に誘起させるとともにこの誘起した電界を検出して情報の送受信を行うトランシーバを前記電界伝達媒体である移動体が移動する経路上の該移動体の移動方向に適宜間隔をおいて複数設置して、前記移動体を介した前記トランシーバ間の通信が成立する状態に基づいて前記移動体の位置を検出する移動体検出システムであって、
前記経路上の表面に設置され、前記移動体が触れる第1の電極と、前記第1の電極に接続された送信用の前記トランシーバと、自己の識別情報を前記送信用の前記トランシーバを介して発信する発信器と、を備える複数の発信装置と、
前記経路上の表面に設置され、前記移動体が触れる第2の電極と、前記第2の電極に接続された受信用の前記トランシーバと、前記移動体が前記第1の電極及び前記第2の電極のいずれにも触れている場合には、前記発信器から発信された前記識別情報を前記受信用の前記トランシーバを介して受信する検出器と、を備える検出装置と、
前記発信器から発信された前記識別情報に基づいて前記移動体の長さを算出する観測装置と、
を有することを特徴とする移動体検出システム。
【請求項2】
前記観測装置は、前記検出器が同時に2以上の前記識別情報を受信した場合には、前記検出装置から最も遠い位置に配置された前記発信装置の前記識別情報に基づいて前記移動体の長さを算出することを特徴とする請求項1記載の移動体検出システム。
【請求項3】
送信すべき情報に基づく電界を電界伝達媒体に誘起させるとともにこの誘起した電界を検出して情報の送受信を行うトランシーバを前記電界伝達媒体である移動体が移動する経路上の該移動体の移動方向に適宜間隔をおいて複数設置して、前記移動体を介した前記トランシーバ間の通信が成立する状態に基づいて前記移動体の位置を検出する移動体検出システムであって、
前記経路上の表面に設置され、前記移動体が触れる第1の電極と、前記第1の電極に接続された送信用の前記トランシーバと、所定の信号を前記送信用の前記トランシーバを介して発信する発信器と、を備える発信装置と、
前記経路上の表面に設置され、前記移動体が触れる第2の電極と、前記第2の電極に接続された受信用の前記トランシーバと、前記移動体が前記第1の電極及び前記第2の電極のいずれにも触れている場合には、前記発信器から発信された前記所定の信号を前記受信用の前記トランシーバを介して受信し、自己の識別情報を発信する検出器と、を備える複数の検出装置と、
前記検出器から発信された前記識別情報に基づいて前記移動体の長さを算出する観測装置と、
を有することを特徴とする移動体検出システム。
【請求項4】
前記観測装置は、同時に2以上の前記識別情報を受信した場合には、前記発信装置から最も遠い位置に配置された前記検出装置の前記識別情報に基づいて前記移動体の長さを算出することを特徴とする請求項3記載の移動体検出システム。
【請求項5】
前記観測装置は、前記識別情報を前記第1の電極及び前記第2の電極の電極間距離と対応させて記憶している距離情報記憶手段を参照することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の移動体検出システム。
【請求項6】
前記識別情報は、前記第1の電極及び前記第2の電極の電極間距離であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の移動体検出システム。
【請求項7】
送信すべき情報に基づく電界を電界伝達媒体に誘起させるとともにこの誘起した電界を検出して情報の送受信を行うトランシーバを前記電界伝達媒体である移動体が移動する経路上の該移動体の移動方向に適宜間隔をおいて3つ設置して、前記移動体を介した前記トランシーバ間の通信が成立する状態に基づいて前記移動体の位置を検出する移動体検出システムであって、
前記経路上の表面に設置され、前記移動体が触れる第1の電極と、前記第1の電極に接続された送信用の前記トランシーバと、自己の識別番号を前記送信用の前記トランシーバを介して発信する発信器と、を備える2つの発信装置と、
それぞれの前記第1の電極と前記通信が成立するように前記経路上の表面に設置され、前記移動体が触れる第2の電極と、前記第2の電極に接続された受信用の前記トランシーバと、前記移動体が前記第1の電極及び前記第2の電極のいずれにも触れている場合には、前記発信器から発信された前記識別情報を前記受信用の前記トランシーバを介して受信する検出器と、を備える検出装置と、
前記発信器からのそれぞれの識別情報を受信した時刻及び前記第1の電極間の距離に基づいて前記移動体の速度を算出する観測装置と、
を有することを特徴とする移動体検出システム。
【請求項8】
前記観測装置は、前記検出器が同時に2以上の識別情報を受信した場合には、前記発信器からのそれぞれの識別情報の受信開始時刻に基づいて前記移動体の速度を算出することを特徴とする請求項7記載の移動体検出システム。
【請求項9】
前記観測装置は、前記検出器が同時に2以上の識別情報を受信した場合には、前記発信器からのそれぞれの識別情報の受信終了時刻に基づいて前記移動体の速度を算出することを特徴とする請求項7記載の移動体検出システム。
【請求項10】
送信すべき情報に基づく電界を電界伝達媒体に誘起させるとともにこの誘起した電界を検出して情報の送受信を行うトランシーバを前記電界伝達媒体である移動体が移動する経路上の該移動体の移動方向に適宜間隔をおいて3つ設置して、前記移動体を介した前記トランシーバ間の通信が成立する状態に基づいて前記移動体の位置を検出する移動体検出システムであって、
前記経路上の表面に設置され、前記移動体が触れる第1の電極と、前記第1の電極に接続された送信用の前記トランシーバと、所定の信号を前記送信用の前記トランシーバを介して発信する発信器と、を備える発信装置と、
前記第1の電極と前記通信が成立するように前記経路上の表面に設置され、前記移動体が触れる第2の電極と、前記第2の電極に接続された受信用の前記トランシーバと、前記移動体が前記第1の電極及び前記第2の電極のいずれにも触れている場合には、前記発信器から発信された前記所定の信号を前記受信用の前記トランシーバを介して受信し、自己の識別情報を発信する検出器と、を備える2つの検出装置と、
前記検出器から発信されたそれぞれの前記識別情報を受信した時刻及び前記第2の電極間の距離に基づいて前記移動体の速度を算出する観測装置と、
を有することを特徴とする移動体検出システム。
【請求項11】
前記観測装置は、同時に2以上の前記識別情報を受信した場合には、前記検出器からのそれぞれの識別情報の受信開始時刻に基づいて前記移動体の速度を算出することを特徴とする請求項10記載の移動体検出システム。
【請求項12】
前記観測装置は、同時に2以上の前記識別情報を受信した場合には、前記検出器からのそれぞれの識別情報の受信終了時刻に基づいて前記移動体の速度を算出することを特徴とする請求項10記載の移動体検出システム。
【請求項1】
送信すべき情報に基づく電界を電界伝達媒体に誘起させるとともにこの誘起した電界を検出して情報の送受信を行うトランシーバを前記電界伝達媒体である移動体が移動する経路上の該移動体の移動方向に適宜間隔をおいて複数設置して、前記移動体を介した前記トランシーバ間の通信が成立する状態に基づいて前記移動体の位置を検出する移動体検出システムであって、
前記経路上の表面に設置され、前記移動体が触れる第1の電極と、前記第1の電極に接続された送信用の前記トランシーバと、自己の識別情報を前記送信用の前記トランシーバを介して発信する発信器と、を備える複数の発信装置と、
前記経路上の表面に設置され、前記移動体が触れる第2の電極と、前記第2の電極に接続された受信用の前記トランシーバと、前記移動体が前記第1の電極及び前記第2の電極のいずれにも触れている場合には、前記発信器から発信された前記識別情報を前記受信用の前記トランシーバを介して受信する検出器と、を備える検出装置と、
前記発信器から発信された前記識別情報に基づいて前記移動体の長さを算出する観測装置と、
を有することを特徴とする移動体検出システム。
【請求項2】
前記観測装置は、前記検出器が同時に2以上の前記識別情報を受信した場合には、前記検出装置から最も遠い位置に配置された前記発信装置の前記識別情報に基づいて前記移動体の長さを算出することを特徴とする請求項1記載の移動体検出システム。
【請求項3】
送信すべき情報に基づく電界を電界伝達媒体に誘起させるとともにこの誘起した電界を検出して情報の送受信を行うトランシーバを前記電界伝達媒体である移動体が移動する経路上の該移動体の移動方向に適宜間隔をおいて複数設置して、前記移動体を介した前記トランシーバ間の通信が成立する状態に基づいて前記移動体の位置を検出する移動体検出システムであって、
前記経路上の表面に設置され、前記移動体が触れる第1の電極と、前記第1の電極に接続された送信用の前記トランシーバと、所定の信号を前記送信用の前記トランシーバを介して発信する発信器と、を備える発信装置と、
前記経路上の表面に設置され、前記移動体が触れる第2の電極と、前記第2の電極に接続された受信用の前記トランシーバと、前記移動体が前記第1の電極及び前記第2の電極のいずれにも触れている場合には、前記発信器から発信された前記所定の信号を前記受信用の前記トランシーバを介して受信し、自己の識別情報を発信する検出器と、を備える複数の検出装置と、
前記検出器から発信された前記識別情報に基づいて前記移動体の長さを算出する観測装置と、
を有することを特徴とする移動体検出システム。
【請求項4】
前記観測装置は、同時に2以上の前記識別情報を受信した場合には、前記発信装置から最も遠い位置に配置された前記検出装置の前記識別情報に基づいて前記移動体の長さを算出することを特徴とする請求項3記載の移動体検出システム。
【請求項5】
前記観測装置は、前記識別情報を前記第1の電極及び前記第2の電極の電極間距離と対応させて記憶している距離情報記憶手段を参照することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の移動体検出システム。
【請求項6】
前記識別情報は、前記第1の電極及び前記第2の電極の電極間距離であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の移動体検出システム。
【請求項7】
送信すべき情報に基づく電界を電界伝達媒体に誘起させるとともにこの誘起した電界を検出して情報の送受信を行うトランシーバを前記電界伝達媒体である移動体が移動する経路上の該移動体の移動方向に適宜間隔をおいて3つ設置して、前記移動体を介した前記トランシーバ間の通信が成立する状態に基づいて前記移動体の位置を検出する移動体検出システムであって、
前記経路上の表面に設置され、前記移動体が触れる第1の電極と、前記第1の電極に接続された送信用の前記トランシーバと、自己の識別番号を前記送信用の前記トランシーバを介して発信する発信器と、を備える2つの発信装置と、
それぞれの前記第1の電極と前記通信が成立するように前記経路上の表面に設置され、前記移動体が触れる第2の電極と、前記第2の電極に接続された受信用の前記トランシーバと、前記移動体が前記第1の電極及び前記第2の電極のいずれにも触れている場合には、前記発信器から発信された前記識別情報を前記受信用の前記トランシーバを介して受信する検出器と、を備える検出装置と、
前記発信器からのそれぞれの識別情報を受信した時刻及び前記第1の電極間の距離に基づいて前記移動体の速度を算出する観測装置と、
を有することを特徴とする移動体検出システム。
【請求項8】
前記観測装置は、前記検出器が同時に2以上の識別情報を受信した場合には、前記発信器からのそれぞれの識別情報の受信開始時刻に基づいて前記移動体の速度を算出することを特徴とする請求項7記載の移動体検出システム。
【請求項9】
前記観測装置は、前記検出器が同時に2以上の識別情報を受信した場合には、前記発信器からのそれぞれの識別情報の受信終了時刻に基づいて前記移動体の速度を算出することを特徴とする請求項7記載の移動体検出システム。
【請求項10】
送信すべき情報に基づく電界を電界伝達媒体に誘起させるとともにこの誘起した電界を検出して情報の送受信を行うトランシーバを前記電界伝達媒体である移動体が移動する経路上の該移動体の移動方向に適宜間隔をおいて3つ設置して、前記移動体を介した前記トランシーバ間の通信が成立する状態に基づいて前記移動体の位置を検出する移動体検出システムであって、
前記経路上の表面に設置され、前記移動体が触れる第1の電極と、前記第1の電極に接続された送信用の前記トランシーバと、所定の信号を前記送信用の前記トランシーバを介して発信する発信器と、を備える発信装置と、
前記第1の電極と前記通信が成立するように前記経路上の表面に設置され、前記移動体が触れる第2の電極と、前記第2の電極に接続された受信用の前記トランシーバと、前記移動体が前記第1の電極及び前記第2の電極のいずれにも触れている場合には、前記発信器から発信された前記所定の信号を前記受信用の前記トランシーバを介して受信し、自己の識別情報を発信する検出器と、を備える2つの検出装置と、
前記検出器から発信されたそれぞれの前記識別情報を受信した時刻及び前記第2の電極間の距離に基づいて前記移動体の速度を算出する観測装置と、
を有することを特徴とする移動体検出システム。
【請求項11】
前記観測装置は、同時に2以上の前記識別情報を受信した場合には、前記検出器からのそれぞれの識別情報の受信開始時刻に基づいて前記移動体の速度を算出することを特徴とする請求項10記載の移動体検出システム。
【請求項12】
前記観測装置は、同時に2以上の前記識別情報を受信した場合には、前記検出器からのそれぞれの識別情報の受信終了時刻に基づいて前記移動体の速度を算出することを特徴とする請求項10記載の移動体検出システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2004−258742(P2004−258742A)
【公開日】平成16年9月16日(2004.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−45860(P2003−45860)
【出願日】平成15年2月24日(2003.2.24)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成16年9月16日(2004.9.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成15年2月24日(2003.2.24)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
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