説明

移動体通信システムおよびその方法

【課題】 移動体通信システムにおいて、具体的な位置を指定して通信相手を選択することができるようにする。
【解決手段】サーバは、移動局22それぞれの位置情報(緯度・経度)を記憶・管理する。移動局22が、サーバ12に通信相手の位置的範囲の指定および提供する情報を含むメールを送信すると、サーバ12は、移動局22それぞれの位置情報と、メール内の範囲(中心の緯度・経度と半径)とに基づいて、各移動局22がこの範囲に入っているか否かを判断し、この範囲内にいる全ての移動局22のユーザ名(電話番号)を得る。範囲内にいる移動局22の数が多い場合には、サーバ12は、ユーザの属性等に基づいて移動局22の数の絞り込みを行い、最終的に得られた移動局22それぞれに対して、提供する情報を含むメールを送信する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一定の範囲内に位置する携帯電話端末・PHS端末に対して、時間帯等を指定して発呼し、あるいは、情報の提示を行う移動体通信システムおよびその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】携帯電話・PHS等が盛んに利用されている。また、携帯電話・PHSの移動端末が、いずれの基地局の通話エリア内にいるか等の情報に基づいて、移動端末の位置を知らせるサービス等が実用化されている。また、例えば、特開平10−326241号公報、特開平8−256142号公報、特開平10−322397号公報および特開平9−91358号公報は、データベースに記憶された各端末の属性に基づいて、通信相手とする端末を選択する方法を開示する。また、特開平10−234071号公報は、3つの基地局と移動端末との間の信号強度・位相を測定して、移動端末の位置を特定する方法を開示する。
【0003】しかしながら、通話エリアと移動端末の位置とを対応づけただけでは、必ずしも具体的な位置を指定して通信相手を選択することはできない。例えば、通話エリアA内に鉄道駅B,Cが含まれる場合、「通話エリアA内の移動端末」と指定して通信相手を選択すると、選択された移動端末には、B駅およびC駅の両駅の近くの移動端末が通信相手として選ばれてしまい、B駅の近くの移動端末だけを通信相手として選択することはできない。
【0004】逆に、D駅が通話エリアE,Fの両方に含まれる場合、D駅の近くの端末を通信相手に選択しようとすると、通話エリアE用の基地局と通信している移動端末だけを通信相手として選択することはできるが、D駅の近くにいて通話エリアF用の基地局と通信している移動端末を通信相手として選択することはできない。移動局が存在する通話エリアをデータベースに加え、通信相手の移動端末を選択しようとしても、このような問題は解消しない。
【0005】また、検出した移動端末の位置に基づいて通話相手の位置的範囲および時間帯を指定して通信相手を選んだり、通話相手の属性(趣味・年齢など)をさらに指定して通信相手を選んだりすることは、従来、できなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、具体的な位置を指定して通信相手を選択することができる移動体通信システムおよびその方法を提供することを目的とする。また、本発明は、具体的な位置を指定し、さらに、時間帯や属性をさらに指定して通信相手を選ぶことができる移動体通信システムおよびその方法を提供する。
【0007】
【課題を達成するための手段】[第1の移動体通信システム]上記目的を達成するために、本発明にかかる第1の移動体通信システムは、指定された呼び出し範囲内に位置する1つ以上の移動局に対して発呼を行う移動体通信システムであって、複数の前記移動局それぞれの位置を記憶する位置記憶手段と、少なくとも前記呼び出し範囲の指定を受け入れる指定受入手段と、受け入れられた前記呼び出し範囲と、記憶された前記移動局それぞれの位置とに基づいて、発呼先の前記移動局を選択する移動局選択手段と、発呼先として選択された前記移動局に対して発呼を行う発呼手段とを有する。
【0008】好適には、指定された呼び出し範囲内に位置する1つ以上の移動局に対して、少なくとも指定された時間帯に発呼を行う移動体通信システムであって、前記指定受入手段は、少なくとも前記時間帯の指定をさらに受け入れ、前記移動局選択手段は、受け入れられた前記呼び出し範囲および前記時間帯と、記憶された前記移動局それぞれの位置とに基づいて、発呼先の前記移動局を選択する。
【0009】好適には、前記複数の移動局と無線回線を介して接続される基地局と、前記位置記憶手段、前記指定受入手段、前記移動局選択手段および発呼手段を含み、前記基地局を介して前記複数の移動局それぞれに対して発呼する発呼装置を含む移動体通信システムであって、前記移動局それぞれは、移動局の位置を検出する位置検出手段と、検出された前記移動局の位置を前記発呼装置に対して通知する位置通知手段とを有する。
【0010】[第1の移動体通信システムの作用]第1の移動体通信システムは、1つの基地局の通信エリアの半径が数km程度の携帯電話網を利用して実現され、ある基地局の通信エリア内に入っている移動局に対して呼び出しを行うのではなく、絶対的な位置的範囲の指定を受け、指定された範囲内に存在する移動局に対して呼び出しを行う。
【0011】例えば、第1の移動体通信システムの移動局それぞれは、GPS(Global Positioning System)装置を内蔵し、このGPS装置を用いて移動体それぞれの位置(緯度・経度)を測定し、移動体通信網およびインターネット等を介して、サーバ装置に通知する。
[位置検出手段]例えば、移動局において、位置検出手段は、上述したGPS装置であって、例えば、周期的に、あるいは、サーバ装置からの要求に応じて、移動局の位置(緯度・経度)を測定する。
【0012】[位置通知手段]例えば、移動局において、位置通知手段は、周期的に、あるいは、サーバ装置からの要求に応じて、上述のように検出された移動局の位置を、例えば、PDA装置・携帯電話機相互間の文字通信の方法として一般的なショートメールの形式で、サーバ装置に通知する。
【0013】[位置記憶手段]例えば、サーバ装置において、位置記憶手段は、移動局からショートメールの形式(あるいはインターネットと移動体通信網とを接続するゲートウェイにおいてショートメールを通常のメール(インターネットメール)に変換する場合には通常のメールの形式)で通知された移動局それぞれの位置を示すデータ(緯度・経度あるいはこれらに対応する座標等)を記憶し、管理する。つまり、位置記憶手段は、移動局それぞれの位置を記憶・管理するデータベースとしての役割を果たす。
【0014】[指定受入手段]例えば、サーバ装置において、指定受入手段は、移動局を呼び出そうとする位置的範囲(緯度・経度あるいはこれらに対応する座標等)の指定を受け入れ、さらに、移動局を呼び出す時間帯の指定を受け入れる。
【0015】[移動局選択手段]例えば、サーバ装置において、移動局選択手段は、データベースを検索して、受け入れられた位置的範囲内に存在する移動局を選択する。
【0016】[発呼手段]例えば、サーバ装置において、発呼手段は、指定された時間帯に、選択された移動局に対する発呼処理を行う。サーバ装置は、発呼先の移動局との間に通信路が設定された場合には、その端末に対して情報の提供等をさらに行う。
【0017】[第2の移動体通信システム]また、本発明にかかる第2の移動体通信システムは、指定された範囲内に位置する1つ以上の移動局に対して情報の提示を行う移動体通信システムであって、前記移動局それぞれは、少なくとも前記範囲の指定を受け入れる指定受入手段と、受け入れられた前記範囲の指定を含む情報を、他の移動局に対して送信する情報送信手段と、送信された前記情報を受信する情報受信手段と、移動局の位置を検出する位置検出手段と、検出された前記移動局の位置が、受信された前記情報に含まれる前記範囲内である場合に、情報を提示する情報提示手段とを有する。
【0018】[第2の移動体通信システムの作用]第2の移動体通信システムは、例えば、第1の移動体通信システムとは異なり、1つの基地局の通信エリアが半径100m程度のPHS通信網、あるいは、PHS通信網と携帯電話システムとを併用して実現され、サーバ装置なしに、移動局同士で直接、通信を行うことができる場合に好適なシステムであって、移動局のひとつが他の移動局に対して、位置的範囲を指定して情報を送信し、他の移動局それぞれは、自らが指定された位置的範囲に含まれるかを判断し、位置的範囲に含まれている場合には受信した情報を表示する。
【0019】[指定受入手段]情報を送信しようとする移動局において、指定受入手段は、情報の送り先の移動局の位置的範囲(緯度・経度あるいはこれらに対応する座標等)の指定を受け入れる。
【0020】[情報送信手段]情報を送信しようとする移動局において、情報送信手段は、送ろうとする情報と、位置的範囲を指定する情報とを、例えば、ショートメールの形式で、他の移動局それぞれに対して送信する。
【0021】[情報受信手段]移動局それぞれにおいて、情報受信手段は、送ろうとする情報と、位置的範囲を指定する情報とを含むショートメールを受信する。
【0022】[位置検出手段]移動局それぞれにおいて、位置検出手段は、例えば、上述したGPS装置であって、移動局それぞれの位置(緯度・経度あるいはこれらに対応する座標等)を検出する。
【0023】[情報検出手段]移動局それぞれにおいて、情報提示手段は、上述のように検出された移動局の位置(緯度・経度あるいはこれらに対応する座標等)が、受信したショートメールに含まれる位置的範囲(緯度・経度あるいはこれらに対応する座標等)に含まれる場合には、受信したショートメールに含まれる情報本体を、表示装置に表示してユーザに対して提示する。反対に、情報提示手段は、その移動局の位置が、ショートメールに含まれる範囲から外れる場合には、情報本体をユーザに対して提示しない。
【0024】[第1の移動体通信方法]また、本発明にかかる移動体通信方法は、指定された呼び出し範囲内に位置する1つ以上の移動局に対して発呼を行う移動体通信方法であって、複数の前記移動局それぞれの位置を記憶し、少なくとも前記呼び出し範囲の指定を受け入れ、受け入れられた前記呼び出し範囲と、記憶された前記移動局それぞれの位置とに基づいて、発呼先の前記移動局を選択し、発呼先として選択された前記移動局に対して発呼を行う。
【0025】[第2の移動体通信方法]また、指定された範囲内に位置する1つ以上の移動局に対して情報の提示を行う移動体通信方法であって、前記移動局それぞれは、少なくとも前記範囲の指定を受け入れ、受け入れられた前記範囲の指定を含む情報を、他の移動局に対して送信し、送信された前記情報を受信し、移動局の位置を検出し、検出された前記移動局の位置が、受信された前記情報に含まれる前記範囲内である場合に、情報を提示する。
【0026】[第1の記録媒体]また、本発明にかかる第1の記録媒体は、前記複数の移動局と無線回線を介して接続される基地局と、前記位置記憶手段、前記指定受入手段、前記移動局選択手段および発呼手段を含み、前記基地局を介して前記複数の移動局それぞれに対して発呼する発呼装置を含む移動体通信システムの前記移動局それぞれにおいて、移動局の位置を検出するステップと、検出された前記移動局の位置を前記発呼装置に対して通知するステップとをコンピュータに実行させるプログラムを記憶する。
【0027】[第2の記録媒体]また、本発明にかかる第2の記録媒体は、指定された範囲内に位置する1つ以上の移動局に対して情報の提示を行う移動体通信システムの前記移動局それぞれにおいて、少なくとも前記範囲の指定を受け入れるステップと、受け入れられた前記範囲の指定を含む情報を、他の移動局に対して送信するステップと、送信された前記情報を受信するステップと、移動局の位置を検出するステップと、検出された前記移動局の位置が、受信された前記情報に含まれる前記範囲内である場合に、情報を提示するステップとをコンピュータに実行させるプログラムを記憶する。
【0028】
【発明の実施の形態】[第1実施形態]以下、本発明の第1の実施形態を説明する。
【0029】[通信システム1]図1は、本発明にかかる第1の移動体通信方法が適用される第1の通信システム1の構成を例示する図である。図1に例示するように、通信システム1は、携帯電話システム2、サーバ12、インターネット100およびゲートウェイ102から構成される。携帯電話システム2は、有線通信網200、複数の基地局202−1〜202−i〜202−n(以下、特定せずにいずれかを示す場合には基地局202と記す)および複数の携帯電話移動局22−1〜22−j〜22−m(以下、特定せずにいずれかを示す場合には移動局202と記す)を含む。なお、以下、携帯電話移動局22を、サーバ12と対比させる場合には、「クライアント」とも記す。
【0030】通信システム1は、これらの構成部分により、基地局202の通信エリア(通話エリア)に関係ない位置的な範囲の指定を受けて、この指定された範囲内にいる携帯電話移動局22に対して発呼を行い、例えばショートメール(以下、特に断らない限り、メールは電子メールを意味する)の配信等のサービスを行うことができるようになっている。
【0031】[インターネット100]インターネット100は、サーバ12とゲートウェイ102との間でデータを伝送する。
【0032】[ゲートウェイ102]ゲートウェイ102は、携帯電話システム2から、携帯電話システム2内部の伝送に適合した形式のショートメールのデータを受信し、受信したショートメールのデータを、インターネット100において伝送可能な形式の通常のメール(インターネットメール)のデータに変換し、インターネット100に対して送信する処理、および、これと逆の処理等を行い、携帯電話システム2とインターネット100との間でデータを双方向に伝送する。
【0033】[基地局202]基地局202は、携帯電話移動局22と有線通信網200との間を、数キロメートルの無線通信回線で接続し、これらの間で双方向に音声データおよびショートメールのデータ等を伝送する。
【0034】[有線通信網200]有線通信網200は、交換機等を含み、携帯電話の通信に必要な機能を提供する。つまり、有線通信網200は、インターネット100側からゲートウェイ102を介して入力されるデータを基地局202を介して携帯電話移動局22に対して送信し、逆に、携帯電話移動局22から基地局202を介して受信されたデータを、ゲートウェイ102を介してインターネット100側に送信する。また、有線通信網200は、基地局202相互間に通信路を設定し、基地局202相互間で音声データおよびショートメールのデータ等を伝送する。
【0035】[サーバ12]図2は、図1に示した通信システム1のサーバ12の構成を例示する図である。図2R>2に示すように、サーバ12は、マイクロプロセッサ、メモリおよびこれらの周辺回路等を含むCPU122、マウスおよびキーボード等を含む入力装置124、CRTディスプレイあるいは液晶表示装置(LCD)等の表示装置、モデムあるいはターミナルアダプタ(TA)等のインターネット100に適合した通信装置128、および、ハードディスク装置、CDROMドライブおよび光磁気ディスク(MO)等の記憶媒体120に対してデータを読み書きする記憶装置130から構成される。つまり、サーバ12は、通信機能を有するコンピュータとしての構成部分を有している。
【0036】図3は、図1,2に示したサーバ12が実行するサーバプログラム14の構成を示す図である。図3R>3に示すように、サーバプログラム14は、OS140、通信部142、位置情報処理部150、検索部152およびデータベース(DB)部16から構成される。DB部16は、位置DB160、個人DB162および送信情報(時空間情報)DB164を含む。通信部142は、送信部144および受信部146を含む。
【0037】サーバプログラム14は、例えば、記憶媒体120(図2)に記録されてサーバ12に供給され、記憶装置130からCPU122のメモリ(図示せず)にロードされ、実行される。サーバプログラム14は、これらの構成部分により、携帯電話移動局22それぞれから送られてくる位置データ、および、携帯電話移動局22それぞれを用いるユーザの個人情報をデータベースに記憶し、指定された時間帯に、指定された位置的範囲内にある1つ以上の携帯電話移動局22に対して発呼し、ショートメールデータ等を配信する。
【0038】[OS140]OS140は、ウィンドウズ(マイクロソフト社商標)およびOS/2(IBM社商標)等のオペレーティングシステムであって、他のソフトウェアモジュールの実行を管理する。また、OS140は、指定された時間帯に携帯電話移動局22に発呼するする処理を実現するために用いられるカレンダーおよび時間情報を、他のソフトウェアモジュールに対して供給する。
【0039】また、140は、入力装置124(図2)等をユーザ(オペレータ)が操作して入力した操作入力、および、オペレータにより指定され、入力装置124あるいは記憶装置130等から入力され、受信先の携帯電話移動局22の表示・入力装置226に表示され、ユーザに対して提示される提示データを受け入れ、サーバプログラム14の構成部分(送信部144等)に対して送信する。なお、図示の簡略化のために、OS140と他の構成部分との間で入出力されるデータは、図3において適宜、省略されている。
【0040】[受信部146]通信部142の受信部146は、携帯電話移動局22それぞれから、インターネット100等を介して送られてきたメールを受信し、メールに含まれている携帯電話移動局22それぞれの位置情報(緯度・経度あるいはこれらに対応する座標等)を示すGPSデータ等を分離し、位置情報処理部150に対して出力する。
【0041】[送信部144]送信部144は、検索部152から入力される検索結果に含まれる携帯電話移動局22のユーザ名、および、OS140を介して入力される提示情報等の情報(第1実施形態においては、具体的には、図7を参照して後述する送信情報テーブル(時間と送信先の位置的範囲の両方を含むので時空間情報テーブルとも記す)の1項目に含まれる情報;以下、単に時空間情報と記す)をそれぞれ含む1通以上のメールを生成し、インターネット100等を介して、配信先として選択された携帯電話移動局22に対して送信する。
【0042】[位置情報処理部150]図4は、サーバプログラム14の位置情報処理部150およびOS140が、DB部16に情報を設定する処理を例示するシーケンス図である。位置情報処理部150は、図4に例示するように、受信部144から入力される携帯電話移動局22それぞれのGPSデータが示す位置情報と、携帯電話移動局22それぞれのユーザ名とを対応付けてDB部16の位置DB160に対して出力し、位置DB160は、位置情報処理部150にACKを返す。
【0043】[位置DB160]図5は、図3に示したサーバプログラム14の位置DB160が管理する位置情報テーブルを例示する図であり、図6は、個人DB162が管理する個人情報テーブルを例示する図であり、図7は、時空間DB164が管理する送信情報テーブル(時空間情報テーブル)を例示する図である。DB部16の位置DB160は、位置情報処理部150から入力された携帯電話移動局22の位置情報と、入力装置124あるいは記憶装置130等からOS140を介して入力され、その携帯電話移動局22のユーザ名とを対応づけて、図5に示すような位置管理テーブルを作成し、記憶・管理する。
【0044】なお、ユーザ名は、携帯電話システム2における携帯電話移動局22の携帯電話番号であって、メールアドレスとしても用いられる。例えば、あるユーザの携帯電話移動局22の携帯電話番号が、「XXX-XXXX-XXXX」である場合には、その携帯電話移動局22のメールアドレスは、例えば、「XXXXXXXXXXX@ABC.ne.jp(ABCはプロバイダ名)」のように付与される。
【0045】[個人DB162]個人DB162は、OS140を介して入力される携帯電話移動局22のユーザ名と、同様にOS140を介して入力され、その携帯電話移動局22のユーザの趣味・嗜好等の個人情報とを対応付けて、図6に示すような個人情報テーブル(以下、個人情報テーブルの1項目を、単に個人情報とも記す)を作成し、記憶・管理する。個人DB162も、位置DB160と同様な手順で情報の設定を受け付ける。
【0046】[時空間DB164]時空間DB164は、OS140を介して入力される各情報(メッセージID、カテゴリ、有効時刻、有効範囲指定法、有効範囲、最大受信者数、コンテンツ)とを対応づけて、図7に示すような送信情報テーブル(時空間情報テーブル)を作成し、記憶・管理する。時空間DB164も、位置DB160と同様な手順で情報の設定を受け付ける。なお、送信情報テーブル(時空間情報テーブル)において、ユーザ名と対応づけられる各情報の内容は、以下の通りであり、送信情報テーブル(時空間情報テーブル)の各項目(各行;時空間情報)に含まれる情報が、ショートメールの内容としてサーバ12と携帯電話移動局22との間で伝送される。
【0047】[時空間情報テーブルの内容]以下、送信情報テーブル(時空間情報テーブル;図7)の内容を説明する。[作成者]は、送信情報(時空間情報)を作成したユーザのユーザ名を示す。「メッセージID」は、発信先の位置的範囲および発信時間帯を指定して携帯電話移動局22に提示する時空間情報それぞれを識別するために、ユーザ名ごとにユニークに付される番号である。この「メッセージID」は、携帯電話移動局22において、受信した時空間情報を管理するために用いられる。
【0048】「カテゴリ」は、例えば、下記「有効範囲」内に、「最大受信者数」を超える数の携帯電話移動局22がある場合に、送信情報(時空間情報)の配信先を絞り込むときに用いられる属性を示し、例えば、ユーザそれぞれの趣味・嗜好に対応する記号などが設定される。
【0049】「有効時刻」は、8桁の数字で示され、これらの数字は、月日時分をそれぞれ2つの数字で表し、例えば、「有効時刻」に「aabbccdd」の8桁の数字が設定された場合には、aa月bb日cc時dd分を表す。「有効時刻」は、送信情報(時空間情報)が無効化される日時を示す。つまり、各時空間情報は、設定されてから「有効時刻」が示す日時までの時間帯に送信され、それ以降は送信されなくなる。
【0050】「有効範囲指定法」は、送信情報(時空間情報)を含むショートメールの配信先の位置的範囲を指定する方法を示す。例えば、有効範囲指定法の項目に1が設定されると、絶対的な有効範囲指定法が採られることが示され、2が設定されると、相対的な有効範囲指定法が採られることが示される。
【0051】「有効範囲」は、上記「有効範囲指定法」により指定された方法でショートメールの配信先の位置的範囲を示す数値が設定される。つまり、「有効範囲指定法」に1(絶対的は有効範囲指定法)が設定されると、「有効範囲」には、メールの配信先の位置的範囲の中心の緯度・経度および半径を示す3個一組の数値が設定される。また、「有効範囲指定法」に2(相対的は有効範囲指定法)が設定されると、「有効範囲」には、メールの配信先の位置的範囲の中心にいる携帯電話移動局22のユーザ名(携帯電話番号)および範囲の半径を示す2個一組の数値が設定される。
【0052】なお、有効範囲の中心の緯度・経度および範囲の半径の指定を受けて、携帯電話移動局22それぞれの位置が、この有効範囲に入るか否かの判断は、例えば、「日本測量協会」発行の「精密測地網一次基準点測量作業規定」に記載された方法に基づいて行うことができる。
【0053】例えば、品物の提供を行う内容の提示情報(下記コンテンツ)を流すときに、品物の数に限りがあるような場合には、無制限に多い携帯電話移動局22に提示情報を流すより、提示情報を流す携帯電話移動局22の数を限定する方が望ましいことがある。「受信者最大数」は、このような場合に、提示情報を限定して送信する場合の携帯電話移動局22の最大数を示す。なお、例えば、受信者最大数に0が設定された場合には、提示情報を流す携帯電話移動局22の数を限定しないことを示す。
【0054】「コンテンツ」は、配信先の携帯電話移動局22の表示・入力装置226(図5を参照して後述)等に表示される提示情報の内容(コンテンツ)を示す。
【0055】[検索部152]図8は、サーバプログラム14(図3)の検索部152が、DB部16に記憶・管理された情報を検索する処理を例示するシーケンス図である。検索部152は、図8に示すように、処理の進行に従って、時空間DB164に対してデータ獲得要求を出して、時空間DB164が記憶・管理する送信情報テーブル(時空間情報テーブル;図7)に含まれる送信情報(時空間情報)を受ける。
【0056】その時点でOS140からのデータが示す時刻が、時空間DB164が記憶・管理する送信情報テーブル(時空間情報テーブル)のいずれかの項目(送信情報(時空間情報))の「有効時刻」が示す時間帯に含まれる場合には、位置DB160が記憶・管理する情報(図5)を検索し、その項目の「有効範囲」が示す位置的範囲にあるユーザ名(ユーザ名A)を選択する。
【0057】さらに、検索部152は、図8に示すように、個人DB162が記憶・管理する情報(図6)を検索し、提示情報(時空間情報(図7)のコンテンツ)の送信先をさらに限定する目的で別途入力される個人情報と、個人情報が一致する項目のユーザ名(ユーザ名B)を選択する。検索部152は、これらのユーザ名(ユーザ名Aおよびユーザ名B)の両方に含まれるユーザ名を、最終的な提示情報(時空間情報(図7)のコンテンツ)の配信先の携帯電話移動局22のユーザのユーザ名として選択し、送信部144に対して出力する。
【0058】図9は、図1に示した通信システム1の携帯電話移動局22の構成を例示する図である。図10は、図1,9に示した携帯電話移動局22が実行するクライアントプログラム24の構成を示す図である。図9に示すように、携帯電話移動局22は、CPU220、フラッシュメモリ222、キーボード(テンキー)224、表示・入力装置226、通信装置228、および、GPS装置230を有する。つまり、携帯電話移動局22は、音声通話機能に加え、ショートメール通信機能を有する携帯電話に、GPS装置230を加えた構成を採る。
【0059】[CPU220]CPU220は、いわゆるワンチップマイクプロセッサ等であって、携帯電話用のプログラム(図示せず)を実行して、一般的な携帯電話としての機能、つまり、音声通話機能とショートメール通信機能を実現する。また、CPU220は、携帯電話移動局22の各構成部分の不揮発性メモリ(フラッシュメモリ222)に記憶されたクライアントプログラム24(図10を参照して後述)を実行し、本発明にかかる移動体通信方法を実現する。
【0060】[表示・入力装置226]表示・入力装置226は、LCD表示装置およびその画像表示面に張り付けられた透明な入力用タブレットとから構成され、LCD表示装置に表示したGUI画像に対してユーザがスタイラスなどを用いて行う操作を受け入れ、CPU220(クライアントプログラム24)に対して出力する。また、表示・入力装置226は、キーボード224および表示・入力装置226に入力された情報、および、受信したショートメールに含まれる提示情報(時空間情報(図7)のコンテンツ)を表示してユーザに提示する。
【0061】[GPS装置230]GPS装置230は、人工衛星からの信号を受信して携帯電話移動局22の位置を検出し、携帯電話移動局22の位置を示すGPSデータ(緯度・経度あるいはこれらに対応する座標)を生成してCPU220(クライアントプログラム24)に対して出力する。
【0062】[通信装置228]通信装置228は、アンテナ、マイクおよびスピーカ等を含み、音声通話機能を実現する。また、通信装置228は、CPU220(クライアントプログラム24)と、他の22あるいはサーバ12との間で、基地局202、有線通信網200、ゲートウェイ102およびインターネット100を介してショートメールの送受信を行い、ショートメール通信機能を実現する。
【0063】[クライアントプログラム24]図10に示すように、クライアントプログラム24は、OS24、通信部242、GPS制御部254、位置情報処理部250から構成され、通信部242は、送信部244、受信部246DB部260を含む。なお、上述したように、図10においては、本発明にかかる移動体通信方法に関係がない音声通話機能等を実現するプログラムは省略されている。
【0064】クライアントプログラム24は、例えば、記録媒体120に記録されて携帯電話移動局22に供給され、携帯電話移動局22に接続可能な記憶装置130を介してフラッシュメモリ222に設定され、CPU220により実行される。クライアントプログラム24は、これらの構成部分により、サーバ12(クライアントプログラム24)からの要求に応じて、携帯電話移動局22の位置を示すGPSデータをサーバ12に対してショートメールの形式で送信し、また、サーバ12から送られてきたショートメールに含まれる提示情報(時空間情報(図7)のコンテンツ)を、表示・入力装置226に表示する。
【0065】[OS240]OS240は、携帯電話端末あるいはPDA装置に適したウィンドウズCE(マイクロソフト社商品名)等のオペレーティングシステムであって、クライアントプログラム24の各構成部分の実行管理等を行う。また、OS240は、ユーザがキーボード224および表示・入力装置226に対して行った操作入力、および、その他、クライアントプログラム24の実行に必要な情報を、各構成部分に対して出力する。なお、図示の簡略化のために、OS240と他の構成部分との間で入出力されるデータは、図10において適宜、省略されている。
【0066】[GPS制御部254]GPS制御部254は、GPS装置230(図9)の動作を制御し、GPS装置230から入力されるデータから、携帯電話移動局22の位置(緯度・経度等)を示すGPSデータを生成して位置情報処理部250に対して出力する。
【0067】[受信部246]通信部242は、基地局202との間で数km程度の無線通信回線を設定し、通信部242の受信部246は、サーバ12からインターネット100等を介して送られてきたショートメールを受信し、ショートメールに含まれるデータを位置情報処理部250に対して出力する。また、受信部246は、受信したショートメールに含まれる提示情報(時空間情報(図7)のコンテンツ)を表示・入力装置226に表示し、ユーザに提示する。また、受信部246は、受信したショートメールに含まれる時空間情報を、DB部260に対して出力する。
【0068】[DB部260]DB部260は、受信部246から入力される送信情報(時空間情報)を記憶・管理し、携帯電話移動局22のユーザの操作に応じて、送信情報(時空間情報;図7)に含まれる提示情報(コンテンツ)を表示・入力装置226に表示する。また、DB部260は、送信情報(時空間情報)に含まれるメッセージID等の情報に基づいて、携帯電話移動局22が複数回、同じ時空間情報を含むショートメールを受信しても、同じ情報が重複して携帯電話移動局22に記憶されることを防止する重複受信防止処理等をさらに行う。なお、受信部246からDB部260への送信情報(時空間情報)の出力、および、DB部260から受信部246への応答(ACK返送)は、図4に示したように行われる。
【0069】[位置情報処理部250]位置情報処理部250は、サーバ12(サーバプログラム14)からの要求に応じて、GPS制御部254からGPSデータを取得して送信部244に対して出力し、サーバ12(サーバプログラム14)に対して、クライアントプログラム24の位置(緯度・経度等)を通知させる。
【0070】[送信部244]通信部242の送信部244は、位置情報処理部250から入力されるGPSデータを含むショートメールを生成し、インターネット100等を介してサーバ12に対して送信する。また、送信部244は、ユーザのキーボード224および表示・入力装置226に対する操作に応じて、他の携帯電話移動局22に配信しようとする提示情報(時空間情報(図7R>7)のコンテンツ)を作成し、さらに、作成した提示情報および位置的範囲の指定等(時空間情報)を含むショートメールを生成し、サーバ12に対して送信する。また、送信部244は、必要に応じて、サーバ12側において、個人情報テーブル(図6)を用いた配信先の携帯電話移動局22(ユーザ名)の絞り込みに用いる個人情報をさらに受け入れ、時空間情報とともにショートメールに付加して送信する。
【0071】[通信システム1の動作]以下、以下の各図をさらに参照して、通信システム1(図1)の動作を説明する。
【0072】[メール通信動作]まず、通信システム1におけるメール通信処理を説明する。図11は、通信システム1(図1)におけるメール通信処理を示すシーケンス図である。図11に示すように、携帯電話移動局22(図1,9;クライアント)が、携帯電話システム2における伝送に適合した形式のショートメールを送信すると、送信されたショートメールは、基地局202および有線通信網200を介してゲートウェイ102により受信される。ゲートウェイ102は、受信したショートメールを、インターネット100における伝送に適合した通常のメール(インターネットメール)の形式に変換し、インターネット100を介してサーバ12に対して送信する。サーバ12は、ゲートウェイ102から送られてきたインターネットメールを受信する。
【0073】逆に、サーバ12がインターネットメールを送信すると、送信されたインターネットメールは、インターネット100を介してゲートウェイ102により受信される。ゲートウェイ102は、受信したインターネットメールを、ショートメールの形式に変換し、有線通信網200および基地局202を介して携帯電話移動局22に対して送信する。携帯電話移動局22は、サーバ12から送られてきたショートメールを受信する。
【0074】[位置情報収集処理]次に、図12を参照して、サーバ12(図1,2)が携帯電話移動局22それぞれの位置(緯度・経度等)を示す位置情報を収集する処理を説明する。図12は、通信システム1(図1)における位置情報収集処理を示すフローチャートである。図12に示すように、携帯電話移動局22(図1,9)において、位置情報処理部250(図10)は、例えば、周期的に、あるいは、携帯電話移動局22がサーバ12から位置情報を要求する旨のショートメールを受信した場合に、GPS制御部254に対してGPSデータを要求する。
【0075】GPS制御部254は、GPS装置230を制御して、携帯電話移動局22の位置(緯度・経度)を測定させ、測定の結果として得られ、携帯電話移動局22の位置を示すGPSデータを受け、受けたGPSデータを含むショートメールをサーバ12に対して送信する。サーバ12は、携帯電話移動局22からのショートメールを受信し、ショートメールに含まれるユーザ名と位置情報(緯度・経度等)を対応付けて、位置情報テーブル(図5)に記憶・管理する。
【0076】[時空間情報送信処理]次に、図13を参照して、携帯電話移動局22からサーバ12に対して送信情報(図7;時空間情報)を送信する処理を説明する。図13は、通信システム1(図1)において、ユーザが送信情報(時空間情報;図7)を作成し、サーバ12に対して送信する処理を示すシーケンス図である。
【0077】図13に示すように、ユーザは、例えば、携帯電話移動局22(図1,9)のキーボード224および表示・入力装置226を用いて送信情報(時空間情報)を作成し、さらに、携帯電話移動局22に対して、作成した送信情報(時空間情報)の送信を要求する操作を行うと、携帯電話移動局22は、サーバ12(図1,2)に対して、ユーザが作成した送信情報(時空間情報;図7)を含むショートメールを送信する。
【0078】携帯電話移動局22が送信したショートメールは、サーバ12によりインターネットメールの形式で受信され、このインターネットメールに含まれた送信情報(時空間情報)は、サーバ12において、時空間DB164に、送信情報テーブル(時空間情報テーブル;図7)の項目の1つとして記憶・管理される。
【0079】[個人情報送信処理]次に、図14を参照して、携帯電話移動局22からサーバ12に対して個人情報(図6)を送信する処理を説明する。図14は、通信システム1(図1)において、ユーザが個人情報(図6R>6)を作成し、サーバ12に対して送信する処理を示すシーケンス図である。
【0080】図14に示すように、ユーザは、例えば、携帯電話移動局22(図1,9)のキーボード224および表示・入力装置226を介して、自分の好み等、その属性を示す個人情報を作成し、さらに、携帯電話移動局22に対して、作成した個人情報の送信を要求する操作を行うと、携帯電話移動局22の送信部244(図10R>0)は、サーバ12(図1,2)に対して、ユーザが作成した個人情報(図6)を含むショートメールを送信する。携帯電話移動局22が送信したショートメールは、サーバ12によりインターネットメールの形式で受信され、このインターネットメールに含まれた個人情報は、サーバ12において、個人DB162に、個人情報テーブル(図6)の項目の1つとして記憶・管理される。
【0081】[第1の時空間情報送信処理]次に、図15R>5および図16をさらに参照して、携帯電話移動局22(図1,図9)のいずれかがサーバ12(図1,2)に対して送信情報(時空間情報;図7)を含むショートメールを送信した場合(図13)に、サーバ12から携帯電話移動局22に対してショートメールを送信する処理(第1の時空間情報送信処理)を説明する。図15は、通信システム1(図1)における第1の時空間情報送信処理を示すフローチャートである。図16は、通信システム1(図1)における第1の時空間情報送信処理を示すシーケンス図である。
【0082】図15および図16に示すように、ステップ101(S101)において、例えば、携帯電話移動局22−mが、サーバ12に対して送信情報(時空間情報;図7)を含むショートメールを送信する。
【0083】ステップ102(S102)において、サーバ12において動作するサーバプログラム14(図3R>3)の受信部144は、図11に示したように、サーバ12から送られてきたメールを受信し、時空間DB164は、受信したメールに含まれる送信情報(時空間情報)を、送信情報テーブル(時空間情報テーブル;図7R>7)に記憶し、管理する。
【0084】ステップ103において、サーバ12で動作するサーバプログラム14(図3)の検索部152は、受信したメールに含まれる送信情報(時空間情報)の有効範囲指定法(図7)を参照し、この項目の値が1で有効範囲が絶対的な位置により指定されているのでS105の処理に進み、これ以外の場合には、有効範囲が携帯電話移動局22のいずれかの位置に対して相対的に指定されているのでS104の処理に進む。
【0085】ステップ104(S104)において、検索部152は、メールに含まれる送信情報(時空間情報)の有効範囲の第1の数値(ユーザ名を示す。例えば、図7の第2の項目の有効範囲の第1の数値(ユーザ名)090456789012)を用いて、位置DB160が記憶・管理する位置情報テーブル(図5)を検索し、検索の結果得られ、有効範囲の中心として指定された携帯電話移動局22の位置情報(この場合、北緯36度32分10秒、東経139度03分35秒)を得る。
【0086】ステップ105(S105)において、検索部152は、送信情報(時空間情報)において直接、指定され、あるいは、S104の処理により得られた有効範囲の中心の位置情報を用いて、位置DB160に記憶されている位置情報テーブル(図5)を検索し、有効範囲の中心から指定された半径の範囲内に存在する携帯電話移動局22(該当携帯電話移動局22)の全てのユーザ名を得る。
【0087】ステップ106(S106)において、検索部152は、S105の処理により得られた、有効範囲内に位置する携帯電話移動局22(該当する携帯電話移動局22)の数が、送信情報(時空間情報)が指定する最大受信者数より大きいか否かを判断し、該当する携帯電話移動局22の数が最大受信者数より大きい場合にはS107の処理に進み、これ以外の場合にはS109の処理に進む。
【0088】ステップ107(S107)において、検索部152は、該当する携帯電話移動局22の数が、指定された最大受信者数と同じか否かを判断し、これらの数が同じ値の場合にはS111の処理に進み、これ以外の場合にはS108の処理に進む。
【0089】ステップ108(S108)において、検索部152は、送信情報(時空間情報)のカテゴリの項目を用いて、個人DB162が記憶・管理する個人情報テーブル(図6)を参照し、カテゴリの項目と一致する個人情報が設定された携帯電話移動局22のユーザ名を得ることにより、ユーザ名の数を減少させ、最大受信者数以下になるように絞り込みを行う。
【0090】ステップ109(S109)において、検索部152は、時空間DB164が記憶・管理する送信情報テーブル(時空間情報テーブル;図7)の対応する項目の最大受信者数を、S105の処理において求められたユーザ数に合わせて値を減らし、値を減らした新たな情報を該当する項目に設定する(S110)。
【0091】ステップ111(S111)において、検索部152は、ここまでの処理により、提示情報(時空間情報のコンテンツ;図7)の配信先として選択された携帯電話移動局22のユーザ名を送信部144に対して出力する。
【0092】ステップ112(S112)において、送信部144は、検索部152から入力されたユーザ名それぞれを宛先とし、受信した送信情報(時空間情報)を内容とするショートメールを作成し、配信先として選択された携帯電話移動局22に対して送信する。
【0093】以下、サーバ12が受信したショートメールに含まれた送信情報(時空間情報)に含まれる作成者が09045678901、メッセージIDが2001、カテゴリがC、有効時刻が08221900、有効範囲指定が1(絶対)、有効範囲が(35度17分00秒、139度11分00秒、10000m)、最大受信者数が2の場合を具体例として、第1の時空間情報送信処理をさらに説明する。
【0094】ステップ103において、サーバ12(図1R>1,2)は、送信情報(時空間情報)の有効範囲指定法の値が1(絶対)なのでS105の処理に進む。
【0095】ステップ105(S105)において、サーバ12は、送信情報(時空間情報)において直接、指定された有効範囲(35度17分00秒、139度11分00秒、1000m)を用いて、位置情報テーブル(図5)を検索し、該当する3つの携帯電話移動局22のユーザ名(09012345678,09023456789.09034567890)を得る。
【0096】ステップ106(S106)において、サーバ12は、S105の処理により得られた携帯電話移動局22の数が、最大受信者数2より大きいのでS107の処理に進む。
【0097】ステップ107(S107)において、サーバ12は、該当する携帯電話移動局22の数が、指定された最大受信者数と同じでないのでS108の処理に進む。
【0098】ステップ108(S108)において、サーバ12は、個人情報テーブル(図6)を検索して、カテゴリCの携帯電話移動局22のユーザ名を探し、ユーザ名の数を2つ(09012345678,09034567890)に絞り込み、S111の処理に進む。
【0099】ステップ111(S111)において、サーバ12は、提示情報(時空間情報のコンテンツ;図7R>7)の配信先としてユーザ名(09012345678,09034567890)を選択する。
【0100】ステップ112(S112)において、サーバ12は、選択したユーザ名(09012345678,09034567890)それぞれを宛先とし、受信した送信情報(時空間情報)を内容とするショートメールを作成し、配信先として選択された携帯電話移動局22に対して送信する。
【0101】[第2の時空間情報送信処理]次に、図17R>7および図18をさらに参照して、携帯電話移動局22(図1,図9)のいずれかが、図12あるいは図14に示したように、サーバ12(図1,2)に対して位置情報(GPSデータ)あるいは個人情報を送信した場合に、サーバ12から携帯電話移動局22に対してショートメールを送信する処理(第2の時空間情報送信処理)を説明する。図17は、通信システム1(図1)における第2の時空間情報送信処理を示すフローチャートである。図18は、通信システム1(図1)における第2の時空間情報送信処理を示すシーケンス図である。
【0102】図17および図18に示すように、ステップ201(S201)において、携帯電話移動局22で動作するクライアントプログラム24(図10)の位置情報処理部250は、図12に示したように、周期的にGPS制御部254に対して携帯電話移動局22の位置の測定を要求し、GPS制御部254は、GPS装置230を制御し、携帯電話移動局22の位置(緯度・経度)を示すGPSデータを生成する。あるいは、送信部244は、図14に示したように、ユーザの操作に応じて個人情報を生成する。
【0103】ステップ202(S202)において、GPS制御部254は、生成したGPSデータを送信部244に対して出力し、送信部244は、入力されたGPSデータを含むショートメールをサーバ12に対して送信する。あるいは、送信部244は、生成された個人データを含むショートメールを、サーバ12に対して送信する。
【0104】ステップ203(S203)において、サーバ12において動作するサーバプログラム14(図3R>3)の送信部144は、携帯電話移動局22から送られてきたメールを受信し、位置情報処理部150に対して出力する。
【0105】ステップ204(S204)において、位置情報処理部150は、メールに含まれるGPSデータまたは個人情報を用いて、位置DB160が記憶・管理する位置情報テーブル(図5)の内、または、個人DB162が記憶・管理する個人情報テーブルの内、メールを送信した携帯電話移動局22に対応する項目を更新する。
【0106】ステップ205(S205)において、検索部152は、更新された位置情報または個人情報を用いて時空間DB164が記憶・管理する送信情報テーブル(時空間情報テーブル;図7)を検索する。
【0107】ステップ206(S206)において、検索部152は、携帯電話移動局22が移動した結果、携帯電話移動局22の位置が送信情報テーブルの項目のいずれか1つ以上の有効範囲に入ったか否かを判断し、入った場合には、移動した携帯電話移動局22に対して送信すべき送信情報(時空間情報)の全てを判定して、S207の処理に進む。また、検索部152は、携帯電話移動局22のユーザの個人情報が変更された結果、携帯電話移動局22に対していずれかの送信情報を送信する必要が生じたか否かを判断し、送信する必要が生じた送信情報(時空間情報)の全てを判定し、S207の処理に進む。サーバプログラム14は、これ以外の場合には処理を終了する。
【0108】ステップ207(S207)において、検索部152は、S206の処理において送信する必要が生じたと判定した送信情報(時空間情報)のいずれか1つを送信部144に対して出力し、送信部144は、位置情報あるいは個人情報に変更が生じた携帯電話移動局22に対して入力された送信情報(時空間情報)を含むメールを送信する。
【0109】ステップ208(S208)において、位置情報あるいは個人情報に変更が生じた携帯電話移動局22は、サーバ12からのショートメールを受信する。
【0110】ステップ209(S209)において、検索部152は、時空間DB164に記憶・管理されている送信情報(時空間情報)の最大受信者数の値を1減じる。
【0111】ステップ210(S210)において、検索部152は、S209の処理において減らした最大受信者数の値が0になったか否かを判断し、0になった場合にはS211の処理に進み、これ以外の場合にはS212の処理に進む。
【0112】ステップ211(S211)において、検索部152は、最大受信者数の値が0になった送信情報(時空間情報)を消去する。
【0113】ステップ212(S212)において、検索部152は、位置情報または個人情報に変更が生じた携帯電話移動局22に対して、送信すべき全ての送信情報(時空間情報)の送信を終了したか否かを判断し、終了した場合には処理を終了し、これ以外の場合にはS207の処理に戻る。
【0114】[サーバ12の時空間情報消去]以下、図1919を参照して、サーバ12(図1,2)が、有効時刻を過ぎた送信情報(時空間情報)を消去する処理を説明する。図19は、サーバ12(図1,2)において、有効時刻を過ぎた送信情報(時空間情報)が消去される処理を示すフローチャートである。
【0115】図19に示すように、ステップ301(S301)において、サーバ12において動作するサーバプログラム14(図3)の時空間DB164は、OS140により周期的(例えば、1分ごと)に起動され、起動された時空間DB164は、OS140からその時点の時刻を取得する。
【0116】ステップ302(S302)において、時空間DB164は、記憶・管理している送信情報テーブル(時空間情報テーブル;図7)から項目(送信情報(時空間情報))を1つ取り出し、処理対象とする。
【0117】ステップ303(S303)において、時空間DB164は、処理対象とした送信情報(時空間情報)の有効時刻の部分を取り出す。
【0118】ステップ304(S304)において、時空間DB164は、分離した有効時刻が示す時刻と、S301の処理において取得した時刻(現在の時刻)とを比較し、有効時刻を過ぎていたらS305の処理にすすみ、これ以外の場合にはS305の処理に進む。
【0119】ステップ305(S305)において、時空間DB164は、S304の処理において有効時刻を過ぎていると判断した送信情報(時空間情報)を消去する。
【0120】ステップ306(S306)において、時空間DB164は、全ての送信情報(時空間情報)を処理したかか否かを判断し、全てを処理した場合には処理を終了し、これ以外の場合にはS302の処理に戻る。
【0121】
【0122】[携帯電話移動局22の時空間情報消去]以下、図20および図21を参照して、携帯電話移動局22(図1,9)が、有効時刻を過ぎた送信情報(時空間情報)を消去する処理を説明する。図20は、携帯電話移動局22(図1,9)において、有効時刻を過ぎた送信情報(時空間情報)が消去される処理を示すフローチャートである。図21は、携帯電話移動局22(図1R>1,9)において、有効時刻を過ぎた送信情報(時空間情報)が消去される処理を示すシーケンス図である。
【0123】図20および図21に示すように、ステップ401(S401)において、携帯電話移動局22において動作するクライアントプログラム24(図10)のDB部260は、OS240により周期的(例えば、1分ごと)に起動され、起動されたDB部260は、OS240からその時点の時刻を取得する。
【0124】ステップ402(S402)において、DB部260は、位置情報処理部250に対して、その時点の携帯電話移動局22の位置(緯度・経度)を示すGPSデータを要求し、位置情報処理部250は、GPS制御部254からGPSデータを得てDB部260に対して出力する。
【0125】ステップ403(S403)において、DB部260は、記憶・管理している送信情報(時空間情報)を1つ取り出し、処理対象とする。
【0126】ステップ404(S404)において、DB部260は、OS240からその時点の時刻(現在時刻)を得て、処理の対象とした送信情報(時空間情報)の有効時刻と現在時刻とを比較し、その時点で有効時刻が過ぎているか否かを判断する。DB部260は、有効時刻が過ぎている場合にはS405の処理に進み、これ以外の場合にはS406の処理に進む。
【0127】ステップ405(S405)において、DB部260は、処理の対象としている送信情報(時空間情報)を消去する。
【0128】ステップ406(S406)において、DB部260は、処理の対象としている送信情報(時空間情報)に含まれる有効範囲指定方法の値が1(絶対的位置範囲指定)であるか否かを判断し、絶対的位置範囲指定である場合にはS409の処理に進み、これ以外(相対的位置範囲指定)の場合にはS409の処理に進む。
【0129】ステップ407(S407)において、DB部260は、相対的位置範囲の指定に用いられている携帯電話移動局22のその時点の位置情報(緯度・経度)を要求するショートメールをサーバ12に対して送信する。。
【0130】ステップ408(S408)において、サーバ12(図1,2)が位置情報を要求するメールを受信すると、サーバプログラム14(図3)の検索部152は、位置DB160が記憶・管理する位置情報テーブルを検索し、相対的位置範囲の中心となる携帯電話移動局22の位置情報(緯度・経度)を含むメールを、要求を出した携帯電話移動局22に対して送信する。携帯電話移動局22が、サーバ12から位置情報(緯度経度)を含むショートメールを受信すると、DB部260は、受信されたショートメールに含まれる位置情報(緯度・経度)を得る。
【0131】ステップ409(S409)において、DB部260は、S402の処理で得たGPSデータが示す緯度・経度が、処理の対象となっている送信情報(時空間情報)の有効範囲の範囲内に入っているか否かを判断し、範囲内に入っている場合にはS411の処理に進み、これ以外の場合にはS410の処理に進む。
【0132】ステップ405(S405)において、DB部260は、処理の対象としている送信情報(時空間情報)を消去する。
【0133】[変形例]なお、インターネット100(図1)と携帯電話システム2とを、別々に設ける必要は必ずしもなく、インターネット100と携帯電話システム2とを一体不可分に構成してもよい。また、送信情報(時空間情報;図7)の設定は、携帯電話移動局22を介して行うだけでなく、サーバ12に対して直接行うようにしてもよい。また、個人情報(図6)の設定は、携帯電話移動局22を介して行うだけでなく、サーバ12に対して直接行うようにしてもよい。また、有効時刻の定め方は、例えば、時間帯の開始時刻および終了時刻の両方を、送信情報テーブル(時空間情報テーブル;図7R>7)に設定するようにしたり、さらに年まで設定できるようにたり、あるいは、時間帯の開始時刻と時間長とを設定するようにしてもよい。
【0134】[効果]以上のように通信システム1を構成すると、基地局202の通信エリアに関わらず、例えば、A駅から半径200mの範囲内にいる携帯電話移動局22に対して提示情報(送信情報(時空間情報)のコンテンツ)を送信するなど、絶対的な位置範囲を指定して提示情報を各携帯電話移動局22に対してブロードキャスト配信できる。
【0135】また、通信システム1においては、相対的に有効範囲の指定ができるので、例えば、携帯電話移動局22が自動車等に乗っていて移動している場合であっても、有効範囲を動的に変更して、提示情報をブロードキャスト配信することができる。
【0136】また、さらに、提示情報の配信先の携帯電話移動局22の数を限定したり、また、ユーザの属性によって提示情報を配信したり、配信しなかったりを指定できるので、ユーザに対して柔軟かつきめ細かい提示情報の配信が可能である。
【0137】[第2実施形態]以下、本発明の第2の実施形態を説明する。
【0138】[通信システム3]図22は、本発明にかかる第2の移動体通信方法が適用される第2の通信システム3の構成を例示する図である。図23は、図22に示した携帯電話・PHS移動局32の構成を示す図である。図24は、図22に示した携帯電話・PHS移動局32が、基地局202を介して通信する際の接続関係を示す図である。図25は、図22に示した携帯電話・PHS移動局32相互が直接的に通信する際の接続関係を示す図である。
【0139】図22に示すように、通信システム3は、図1に示したサーバ12、インターネット100、ゲートウェイ102および携帯電話システム2と、携帯電話・PHS移動局32−1〜32−n(以下、いずれかを特定せずに示す場合には携帯電話・PHS移動局32と記す)とを含む。図23に示すように、携帯電話・PHS移動局32は、図9等に示した携帯電話移動局22に、PHS用通信装置320を付加した構成を採る。図2222,24に示すように、携帯電話・PHS移動局32は、通信距離数km程度の携帯電話移動局22の機能により、基地局202およびサーバプログラム14を介して相互に音声通話およびショートメール通信を行う他、図22,25に示すように、基地局202等を介さずに、携帯電話・PHS移動局32相互間で直接、通信を行うことができるように構成されている。
【0140】図26は、図22,23に示した携帯電話・PHS移動局32において実行されるえクライアントプログラム34の構成を示す図である。図26に示すように、クライアントプログラム34は、クライアントプログラム24(図10)に、提示情報処理部340を付加した構成を採る。クライアントプログラム34は、これらの構成部分により、第1の実施形態におけるクライアントプログラム24と同様に、サーバ12と協働してショートメールの配信を行う他に、クライアントプログラム34相互間で直接、有効範囲等を指定したショートメールの配信を行う。なお、クライアントプログラム34も、例えば、記録媒体120に記録された状態で携帯電話・PHS移動局32に供給され、携帯電話・PHS移動局32の携帯電話移動局22(図9)内部のフラッシュメモリ222等に記憶され、実行される。
【0141】[提示情報処理部340]提示情報処理部340は、他の携帯電話・PHS移動局32から受信した送信情報(時空間情報;図7)を、時刻およびGPSデータ(携帯電話・PHS移動局32の位置(緯度・経度))に基づいて処理し、携帯電話・PHS移動局32の位置および時刻が指定された範囲内にある場合に、受信された送信情報(時空間情報)に含まれる提示情報(コンテンツ)を、携帯電話移動局22の表示・入力装置226に表示する。
【0142】[時空間情報送信処理]以下、図28および図29を参照して、通信システム3における送信情報(時空間情報)送信動作を説明する。図27は、通信システム3(図22)における時空間情報送信処理を示すフローチャートである。図28は、通信システム3(図2222)における時空間情報送信処理を示すシーケンス図である。
【0143】図27および図28に示すように、ステップ501(S501)において、ある携帯電話・PHS移動局32(例えば携帯電話・PHS移動局32−1)のクライアントプログラム34(図26)の送信部144は、他の携帯電話・PHS移動局32に配信しようとする提示情報をコンテンツとする送信情報(時空間情報)を含むショートメールを、他の携帯電話・PHS移動局32(例えば携帯電話・PHS移動局32−2)に対して送信する。
【0144】ステップ502(S502)において、携帯電話・PHS移動局32−2のクライアントプログラム34の受信部144は、携帯電話・PHS移動局32−1から送られてきたショートメールを受信し、送信情報(時空間情報)を分離して提示情報処理部340に対して出力する。
【0145】ステップ503(S503)において、携帯電話・PHS移動局32−2の提示情報処理部340は、OS240からその時点の時刻(現在時刻)を得る。
【0146】ステップ504(S504)において、携帯電話・PHS移動局32−2の提示情報処理部340は、位置情報処理部250に対してその時点での携帯電話・PHS移動局32の位置(緯度・経度)を示すGPSデータを要求し、位置情報処理部250は、要求に応じてGPSデータを返し、提示情報処理部340は、GPSデータを得る。
【0147】ステップ505(S505)において、携帯電話・PHS移動局32−2の提示情報処理部340は、受信された送信情報(時空間情報)に含まれる有効時刻と、S503の処理により得た現在時刻とを比較し、その時点で有効時刻を過ぎている場合にはS506の処理に進み、これ以外の場合にはS507の処理に進む。
【0148】ステップ506(S506)において、携帯電話・PHS移動局32−2の提示情報処理部340は、受信された送信情報(時空間情報)を消去する。
【0149】ステップ507(S507)において、携帯電話・PHS移動局32−2の提示情報処理部340は、受信された送信情報(時空間情報)の有効範囲指定法の値が1(絶対的な有効範囲指定)であるか否かを判断し、絶対的な有効範囲指定が指定されている場合にはS510の処理に進み、これ以外の場合にはS508の処理に進む。
【0150】ステップ508(S508)において、携帯電話・PHS移動局32−2の提示情報処理部340は、有効範囲の中心として設定された携帯電話・PHS移動局32(例えば携帯電話・PHS移動局32−3)に対してGPSデータの送信を要求するショートメールを送信する。この要求に応じて、携帯電話・PHS移動局32−3のクライアントプログラム34は、携帯電話・PHS移動局32−3の位置(緯度・経度)を示すGPSデータを含むショートメールを携帯電話・PHS移動局32−2に返す。
【0151】ステップ509(S509)において、携帯電話・PHS移動局32−2の受信部144は、携帯電話・PHS移動局32−3からのショートメールを受信し、このショートメールに含まれるGPSデータを提示情報処理部340に対して出力する。提示情報処理部340は、このGPSデータを得る。
【0152】ステップ510(S510)において、携帯電話・PHS移動局32−2の提示情報処理部340は、携帯電話・PHS移動局32−2の位置が、受信されたショートメールに含まれている送信情報(時空間情報)の有効範囲内であるか否かを判断し、携帯電話・PHS移動局32−2が有効範囲内である場合にはS512の処理に進み、これ以外の場合にはS511の処理に進む。
【0153】ステップ511(S511)において、提示情報処理部340は、受信された送信情報(時空間情報)を消去する。
【0154】ステップ512(S512)において、提示情報処理部340は、受信された送信情報(時空間情報)の最大受信数の値を1減らしてDB部260に対して出力する。DB部260は、提示情報処理部340から入力された送信情報(時空間情報)を記憶・管理する。
【0155】ステップ513(S513)において、提示情報処理部340は、1減らした最大受信数の値が0であるか否かを判断し、値が0の場合には処理を終了し、これ以外の場合にはS515の処理に進む。
【0156】ステップ514(S514)において、提示情報処理部340は、送信情報(時空間情報)を送信部244に対して出力し、送信部244は、入力された送信情報(時空間情報)を含むショートメールを、他の携帯電話・PHS移動局32(例えば携帯電話・PHS移動局32−4)に対して送信する。
【0157】[時空間情報の消去]クライアントプログラム34(図26)は、図20および図21に示したクライアントプログラム24の処理と同様に、有効時刻を過ぎた送信情報(時空間情報)を消去する。
【0158】[変形例]図29は、図22に示した通信システム3の変形例を示す図である。なお、第2の実施形態に示したクライアントプログラム34から通信装置228を削除したPHS移動局42を複数(PHS移動局42−1〜42−3)用いて、基地局202を介した通信を行わずに、PHS移動局42相互間の直接通信のみを行い、配信先を位置的範囲を指定した提示情報の配信を行ってもよい。
【0159】
【発明の効果】以上説明したように、本発明にかかる移動体通信システムおよびその方法によれば、具体的な位置を指定して通信相手を選択することができる。また、本発明にかかる移動体通信システムおよびその方法によれば、具体的な位置を指定し、さらに、時間帯や属性をさらに指定して通信相手を選ぶことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる第1の移動体通信方法が適用される第1の通信システムの構成を例示する図である。
【図2】図1に示した通信システム1のサーバの構成を例示する図である。
【図3】図1,2に示したサーバが実行するサーバプログラムの構成を示す図である。
【図4】サーバプログラムの位置情報処理部およびOSが、DB部に情報を設定する処理を例示するシーケンス図である。
【図5】図3に示したサーバプログラムの位置DBが管理する位置情報テーブルを例示する図である。
【図6】個人DB(図3)が管理する個人情報テーブルを例示する図である。
【図7】時空間DB(図3)が管理する送信情報テーブル(時空間情報テーブル)を例示する図である。
【図8】サーバプログラム(図3)の検索部が、DB部に記憶・管理された情報を検索する処理を例示するシーケンス図である。
【図9】図1に示した通信システムの携帯電話移動局の構成を例示する図である。
【図10】図1,9に示した携帯電話移動局が実行するクライアントプログラムの構成を示す図である。
【図11】通信システム(図1)におけるメール通信処理を示すシーケンス図である。
【図12】通信システム(図1)における位置情報収集処理を示すフローチャートである。
【図13】通信システム(図1)において、ユーザが送信情報(時空間情報;図7)を作成し、サーバに対して送信する処理を示すシーケンス図である。
【図14】通信システム(図1)において、ユーザが個人情報(図6)を作成し、サーバ12に対して送信する処理を示すシーケンス図である。
【図15】通信システム(図1)における第1の時空間情報送信処理を示すフローチャートである。
【図16】通信システム(図1)における第1の時空間情報送信処理を示すシーケンス図である。
【図17】通信システム(図1)における第2の時空間情報送信処理を示すフローチャートである。
【図18】通信システム(図1)における第2の時空間情報送信処理を示すシーケンス図である。
【図19】サーバ(図1,2)において、有効時刻を過ぎた送信情報(時空間情報)が消去される処理を示すフローチャートである。
【図20】携帯電話移動局(図1,9)において、有効時刻を過ぎた送信情報(時空間情報)が消去される処理を示すフローチャートである。
【図21】携帯電話移動局(図1,9)において、有効時刻を過ぎた送信情報(時空間情報)が消去される処理を示すシーケンス図である。
【図22】本発明にかかる第2の移動体通信方法が適用される第2の通信システムの構成を例示する図である。
【図23】図22に示した携帯電話・PHS移動局の構成を示す図である。
【図24】図22に示した携帯電話・PHS移動局が、基地局を介して通信する際の接続関係を示す図である。
【図25】図22に示した携帯電話・PHS移動局相互が直接的に通信する際の接続関係を示す図である。
【図26】図22,23に示した携帯電話・PHS移動局において実行されるえクライアントプログラムの構成を示す図である。
【図27】通信システム(図22)における時空間情報送信処理を示すフローチャートである。
【図28】通信システム(図22)における時空間情報送信処理を示すシーケンス図である。
【図29】図22に示した通信システムの変形例を示す図である。
【符号の説明】
1,3・・・通信システム
100・・・インターネット
102・・・ゲートウェイ
12・・・サーバ
120・・・記録媒体
122・・・CPU
124・・・入力装置
126・・・表示装置
128・・・通信装置
130・・・記憶装置
14・・・サーバプログラム
140・・・OS
142・・・通信部
144・・・送信部
146・・・受信部
150・・・位置情報処理部
152・・・検索部
16・・・DB部
160・・・位置DB
162・・・個人DB
164・・・時空間DB
2・・・携帯電話システム
200・・・有線通信網
202,202−1〜202−n・・・基地局
22−1〜22−m,22・・・携帯電話移動局
32−1〜32−4・・・携帯電話・PHS移動局
42−1〜42−3・・・PHS移動局
220・・・CPU
222・・・フラッシュメモリ
224・・・キーボード
226・・・表示・入力装置
228・・・通信装置
230・・・GPS装置
320・・・PHS用通信装置
24,34・・・クライアントプログラム
240・・・OS
242・・・通信部
244・・・送信部
246・・・受信部
250・・・位置情報処理部
254・・・GPS制御部
260・・・DB部
340・・・提示情報処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】指定された呼び出し範囲内に位置する1つ以上の移動局に対して発呼を行う移動体通信システムであって、複数の前記移動局それぞれの位置を記憶する位置記憶手段と、少なくとも前記呼び出し範囲の指定を受け入れる指定受入手段と、受け入れられた前記呼び出し範囲と、記憶された前記移動局それぞれの位置とに基づいて、発呼先の前記移動局を選択する移動局選択手段と、発呼先として選択された前記移動局に対して発呼を行う発呼手段とを有する移動体通信システム。
【請求項2】指定された呼び出し範囲内に位置する1つ以上の移動局に対して、少なくとも指定された時間帯に発呼を行う移動体通信システムであって、前記指定受入手段は、少なくとも前記時間帯の指定をさらに受け入れ、前記移動局選択手段は、受け入れられた前記呼び出し範囲および前記時間帯と、記憶された前記移動局それぞれの位置とに基づいて、発呼先の前記移動局を選択する請求項1に記載の移動体通信システム。
【請求項3】前記複数の移動局と無線回線を介して接続される基地局と、前記位置記憶手段、前記指定受入手段、前記移動局選択手段および発呼手段を含み、前記基地局を介して前記複数の移動局それぞれに対して発呼する発呼装置を含む移動体通信システムであって、前記移動局それぞれは、移動局の位置を検出する位置検出手段と、検出された前記移動局の位置を前記発呼装置に対して通知する位置通知手段とを有する請求項1に記載の移動体通信システム。
【請求項4】指定された範囲内に位置する1つ以上の移動局に対して情報の提示を行う移動体通信システムであって、前記移動局それぞれは、少なくとも前記範囲の指定を受け入れる指定受入手段と、受け入れられた前記範囲の指定を含む情報を、他の移動局に対して送信する情報送信手段と、送信された前記情報を受信する情報受信手段と、移動局の位置を検出する位置検出手段と、検出された前記移動局の位置が、受信された前記情報に含まれる前記範囲内である場合に、情報を提示する情報提示手段とを有する移動体通信システム。
【請求項5】指定された呼び出し範囲内に位置する1つ以上の移動局に対して発呼を行う移動体通信方法であって、複数の前記移動局それぞれの位置を記憶し、少なくとも前記呼び出し範囲の指定を受け入れ、受け入れられた前記呼び出し範囲と、記憶された前記移動局それぞれの位置とに基づいて、発呼先の前記移動局を選択し、発呼先として選択された前記移動局に対して発呼を行う移動体通信方法。
【請求項6】指定された範囲内に位置する1つ以上の移動局に対して情報の提示を行う移動体通信方法であって、前記移動局それぞれは、少なくとも前記範囲の指定を受け入れ、受け入れられた前記範囲の指定を含む情報を、他の移動局に対して送信し、送信された前記情報を受信し、移動局の位置を検出し、検出された前記移動局の位置が、受信された前記情報に含まれる前記範囲内である場合に、情報を提示する移動体通信方法。
【請求項7】前記複数の移動局と無線回線を介して接続される基地局と、前記位置記憶手段、前記指定受入手段、前記移動局選択手段および発呼手段を含み、前記基地局を介して前記複数の移動局それぞれに対して発呼する発呼装置を含む移動体通信システムの前記移動局それぞれにおいて、移動局の位置を検出するステップと、検出された前記移動局の位置を前記発呼装置に対して通知するステップとをコンピュータに実行させるプログラムを記憶した記憶媒体。
【請求項8】指定された範囲内に位置する1つ以上の移動局に対して情報の提示を行う移動体通信システムの前記移動局それぞれにおいて、少なくとも前記範囲の指定を受け入れるステップと、受け入れられた前記範囲の指定を含む情報を、他の移動局に対して送信するステップと、送信された前記情報を受信するステップと、移動局の位置を検出するステップと、検出された前記移動局の位置が、受信された前記情報に含まれる前記範囲内である場合に、情報を提示するステップとをコンピュータに実行させるプログラムを記憶した記憶媒体。

【図2】
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【図12】
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【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図8】
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【図14】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図11】
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【図13】
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【図10】
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【図16】
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【図18】
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【図19】
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【図25】
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【図15】
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【図17】
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【図21】
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【図22】
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【図20】
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【図23】
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【図24】
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【図26】
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【図28】
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【図29】
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【図27】
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【公開番号】特開2000−270358(P2000−270358A)
【公開日】平成12年9月29日(2000.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平11−63844
【出願日】平成11年3月10日(1999.3.10)
【出願人】(390009531)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレ−ション (4,084)
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MASCHINES CORPORATION
【Fターム(参考)】