説明

移動性管理情報を提供するための、通信システム、装置および方法

移動性管理情報に合わせてユーザ機器にサービスを提供するように構成された通信システム。システムは、ユーザ・プロフィール・データにしたがった少なくとも一つのユーザ機器のための通信セッションの現状を制御することが可能な、セッション・プロトコル・サーバ(S−CSCF)と、ユーザ・プロフィール・データをセッション・プロトコル・サーバ(S−CSCF)に提供する加入者情報データベース(HSS)と、移動性サーバとを有している。移動性サーバは、ユーザ機器と交信するための現状の指示を提供する移動性依存評価報告と、そして評価報告に基づいて移動性管理情報の生成の操作が可能な移動性管理器を有している。移動性サーバはまた、移動性管理器とセッション・プロトコル・サーバ(S−CSCF)との間のコール制御信号データの交信を操作することが可能な、アプリケーション・プログラマーのインターフェースを有している。移動性管理器は、アプリケーション・プログラムから得られる情報のための加入に応じた、移動性管理情報のユーザ機器にサービスを提供するアプリケーション・プログラムの報告を操作することができるようになっており、加入は、コール制御信号データを用いることによってセッション・プロトコル・サーバ(S−CSCF)を介して提供される。移動性サーバをシステムに統合することによって、移動性サーバによって提供された移動性管理情報をシステムが提供する他のサービスに統合することができる。このように、移動性サーバに加入するシステムにおいてアプリケーション・プログラムを展開するモバイル・ユーザは、確立されたシステムコンポーネントによって提供された付加価値と確立されたインターフェースの再使用から恩恵を受けることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システムにおいて移動性管理情報を提供するための移動性サーバに関するものである。
【0002】
本発明はまた、マルチメディア通信サービスを提供するための通信システムに関するものでもある。
【0003】
いくつかの実施例では、通信システムは、インターネット・プロトコル・マルチメディア・サブシステム(IMS)を含んでいる。
【背景技術】
【0004】
発明の背景
3GPPの名で知られる第三世代のパートナーシッププロジェクトは、マルチメディアとコール制御サービス・アーキテクチャーを提供するために、インターネット・プロトコル・マルチメディア・サブシステム(IMS)を開発し、そして標準化した。サービス・アーキテクチャーは、即時応答をすることが可能なUniversal Mobile Telecommunications System(UMTS)によって支援されるものであり、該IMSは、パケットの形でインターネット・プロトコルとデータ通信を行うものである。IMSは、数々の新たなサービスのサービス提供ならびに展開するための土台を提供するものであり、また、該IMSは標準化された収斂プラットホームとして想定されており、それにより、即時応答のマルチメディア・サービスと非即時応答のサービスが、そして人から機械への通信とが統合可能になる。更に、IMSは、マルチメディアセッションの間稼働している、メディアのタイプ変更を可能にする能力を付与する。例えば、ビデオのメディアを、本来は音響のみの通信のために確立された通信セッションの間に追加することができる。
【0005】
同時に出願された欧州特許出願第02293276.8号は、移動性管理器を開示しており、該移動性管理器は、ネットワーク事業者から受信した情報に従った、携帯端末の一つのアクセス・ネットワークから他のアクセス・ネットワークへのハンドオーバーの実行を開始するものであり、そのネットワーク自体、携帯端末ならびにネットワークの方針は執行者から提供されたものである。移動性管理器は、再接続が発生する前または後に、サポート・サービスに携帯端末が再接続されるアクセス・ネットワークの相対的能力に従って、アプリケーション・プログラムから提供されるサービスに適応するように、ネットワーク事業者に便宜を与える。そのために、これにおいて、アプリケーション・サーバと携帯端末と、携帯通信ネットワークの中核に位置する移動性管理器との間の通信プロトコルが開示されている。
【0006】
国際公開第01/58177号パンフレットは、携帯通信ネットワークにおける通信セッションを実行する携帯端末のハンドオーバーを制御する方法を開示している。その方法は、ハンドオーバー必要条件を示すトリガー信号を受信すること、ハンドオーバーに必要な条件を、通信のためのネットワークについての運営方針に照らし、また、通信ネットワークの運営方針についてのハンドオーバー必要条件にしたがって、ハンドオーバー必要条件を制御することを含む。
【特許文献1】国際公開第01/58177号パンフレット
【発明の開示】
【0007】
発明の要約
本発明によれば、アプリケーション・プログラムに移動性管理情報を提供する移動性サーバが与えられている。アプリケーション・プログラムは、ユーザ機器に、インターネット・プロトコル・マルチメディア・サブシステム(IMS)の一環としてのサービスを提供している。移動性サーバは移動性管理器を有するものであり、該管理器は、ユーザ機器と通信するための現状の条件の少なくとも一つの指示を与える移動性依存評価報告、並びにユーザ機器位置の指示の受信、そして評価報告に基づく移動性管理情報の形成の働きをすることが可能である。移動性サーバは、アプリケーション・プログラマーのインターフェースを有するものであり、該インターフェースは、移動性管理機器とIMSの一環を形成するセッション・プロトコル・サーバ(S−CSCF)との間の、コール制御信号データの伝達の働きをすることが可能である。移動性管理機器は、アプリケーション・プログラムからの移動性管理情報の加入に応じて、移動性管理情報のアプリケーション・プログラムを通知する働きをすることが可能であり、移動性管理情報の加入は、コール制御データを用いたセッション・プロトコル・サーバ(S−CSCF)を介して提供される。
【0008】
移動性管理情報は、特定のユーザ、あるいは、移動性サービスに申し込んだ一群のユーザのために提供されてもよい。
【0009】
本発明の実施例は、通信システムのための移動性サーバを提供することが可能であり、該サーバは、インターネット・プロトコル・マルチメディア・サブシステム(IMS)の一環を形成するものであり、ユーザ機器とのマルチメディア通信セッションの確立、制御ならびに終了させるための手段を提供するものである。移動性サーバは、システムによって提供された通信設備にサポートされるユーザ機器に、携帯性を向上させたサービスを許可することが可能な通信システムを提供することができる。移動性サーバは、システムの一環として移動性管理情報を生成するように位置されている。その結果、IMSが、ユーザ機器に移動性依存サービスを提供することが可能となる。このようなマルチメディア・アプリケーションのためのサービスの一例は、モバイルユーザ機器との通信の現状に応じて、セッションの間支援されるメディアのタイプを適合させることを有するものである。
【0010】
以下に続く説明において、移動性依存評価報告という語は、あるモバイルユーザ機器で確認される通信条件の現状を示すアクセス・ネットワーク評価報告や、モバイルユーザ機器の相対位置を示す報告のようなものを含むものとして用いられる。
【0011】
ある実施例において、携帯端末はホーム・エージェントを含んでいてもよく、それによりアクセス・ネットワークの変化がなされ、更新はモバイルユーザ機器によって行われなくてはならないものであり、その結果、IPアドレスの変更がなされる。ホーム・エージェントによって、移動性管理器に報告されるIPアドレスの変更は、ユーザ機器の相対位置の指示をするのに提供することが可能であり、該位置より、地理的条件に依存するサービスが提供されることが可能である。
【0012】
アプリケーション・プログラムは、移動性管理情報に応じて、ユーザ機器にサービスを提供することができるように構成されている。例えば、アプリケーション・プログラムは、二人のユーザの間での通信セッションを提供することができる。アプリケーション・プログラムは、ユーザ機器の通信の現状に応じて、ユーザに異なるタイプの通信メディアを提供することができるように構成されている。例えば、ユーザ機器が無線構内通信網(W−LAN)につながれている場合、それにより比較的広い回線容量を使用することが可能であり、それは、ビデオ通信セッションを支援するのに十分なものである。しかしながら、ユーザ機器のうちの一つが、使用可能なサービスの質の低下を経験しなくてはならない場合、この低下は、アクセス・ネットワーク評価報告の受信を通じて、移動性管理器によって検知されるものであり、該評価報告は、通信条件の現状の指示を提供することが可能であり、使用可能なサービスの質を含むこの例にしたがったものである。アプリケーション・プログラムは、通信セッションを提供するものであり、該セッションは、移動性管理情報のために移動性サーバに加入したものであるが、該アプリケーション・プログラムは、移動性管理情報の一環として、通信条件の変更の報告を受信することになっている。したがって、アプリケーション・プログラムは、ユーザに提供されたメディア・サービスのタイプを、通信条件の変更にしたがって適合させることができる。
【0013】
本発明の実施例において、その移動性サーバへの加入とその移動性管理情報の通知は、セッション・プロトコル・サーバ(S−CSCF)を通して行われる。その通知と、その加入とをセッション・プロトコル・サーバ(S−CSCF)を介して伝達する利点は、その移動性管理情報を用いるそのアプリケーション・プログラムがそのようなユーザに与えるサービスの価値を、セッション・プロトコル・サーバで与えられる便宜を用いて、高めることができるということである。本発明のある実施態様にしたがって、移動性サーバへの加入ならびに移動性管理情報の報告は、セッション・プロトコル・サーバ(S−CSCF)を通じて提供される。セッション・プロトコル・サーバを介して報告と加入とを伝達する利点は、移動性管理情報を用いるアプリケーション・プログラムによって、セッション・プロトコル・サーバによって提供される手段をユーザに提供されるサービスの価値を向上させるのに用いることが可能であるということである。このような手段の一例としては、移動性管理情報の報告、または移動性サーバの加入が確かになされたときに、補助的機能またはサービスが提供されることが考えられる。例えば、アプリケーションまたは移動性管理器のいずれかから提供されるサービスの更に正確な課金を行うために、これを用いることもできる。
【0014】
ある実施例においては、移動性管理情報にしたがってサービスを提供するのに、コール制御信号データを介してセッション・プロトコル・サーバから受信した、メッセージに応じてアプリケーション・プログラムを操作することが可能である。このような実施例によれば、移動性情報は、セッション・プロトコル・サーバを介して受信されるものであり、それゆえ、該セッション・プロトコル・サーバは、他のサービスを展開する通信セッションの価値を高める手段を提供する。しかしながら、他の実施態様において移動性サーバは、XMLやHTTPのような独自のインターフェースを介して、移動性管理情報をアプリケーション・プログラムに伝達することができる。
【0015】
ある実施例において、報告と加入の信号は、セッション開始プロトコル(SIP)を用いることによって送信されるものであり、これにおいてはセッション・プロトコル・サーバは、SIPサーバである。これらの実施態様にしたがって、移動性サーバのアプリケーション・プログラマーのインターフェースは、SIPインターフェースを介してコール制御信号データと交信するように操作することが可能であり、この場合のコール制御信号は、SIPデータである。
【0016】
本発明のある実施例にしたがって、移動性サーバは、加入情報データベースにアクセスできるものであり、該データベースは、IMSネットワークの一環を形成するものである(IMSネットワーク内の加入者情報データベースは、ホーム加入サーバ(HSS)と呼ばれる)。このように、移動性管理器は生成された移動性管理情報の精度と価値を向上させるためにデータベース内に記憶されている情報に移動性関連情報を用いることができる。例えば、ユーザ・プロフィール・データは、通信に使用可能なユーザ機器の性能を示すものを有していてもよく、それより、より有効性の高い移動性管理情報が生成され、アプリケーション・プログラムに提供される。例えば、ユーザ機器がビデオ情報を表示することができない場合、通信条件の現状によって提供されるサービスの質がビデオ通信を支援することが可能であれば、移動性管理器は、ユーザ機器にサービスの変更を指示しない。他の実施例においては、ユーザ・プロフィール・データは、稼働状態を示すものを有していてもよく、それにより、その移動性管理器は、たとえまだ要求されていなくても、移動性を監視してよい。
【0017】
本発明の態様によれば、移動性管理情報に応じてユーザ機器にサービスを提供する通信システムが提供されている。システムは、ユーザ・プロフィール・データにしたがった少なくとも一つのユーザ機器のための通信セッションの現状を制御することが可能な、セッション・プロトコル・サーバ(S−CSCF)と、ユーザ・プロフィール・データをセッション・プロトコル・サーバ(S−CSCF)に提供する加入者情報データベース(HSS)と、移動性サーバとを有している。移動性サーバは、ユーザ機器と交信するための現状の条件の指示の少なくとも一つを提供する移動性依存評価報告と、ユーザ機器の相対的位置の指示を受信し、そして評価報告に基づいて移動性管理情報の生成の操作が可能な移動性管理器を有している。移動性サーバはまた、移動性管理器とセッション・プロトコル・サーバ(S−CSCF)との間のコール制御信号データの交信を操作することが可能な、アプリケーション・プログラマーのインターフェースを有している。移動性管理器は、アプリケーション・プログラムから得られる情報のための加入に応じた、移動性管理情報のユーザ機器にサービスを提供するアプリケーション・プログラムの報告を操作することができるようになっており、加入は、コール制御信号データを用いることによってセッション・プロトコル・サーバ(S−CSCF)を介して提供される。
【0018】
ある実施態様においては、加入者情報データベースにアクセスができるよう、そして評価報告となるデータを提供するユーザ機器からインターネット・パケットを受信し、そして移動性管理器に評価報告を提供することができるように、アプリケーション・プログラマーのインターフェースを操作することが可能である。したがって、通信システムは、標準化されたコンポーネントを再使用するシステムの一部として移動性管理を統合する、インターネット・プロトコル・マルチメディア・サブシステムとなる。
【0019】
本発明の更に様々な態様と特徴とは、添付の請求の範囲に規定されている。
【0020】
図面の簡略な説明
本発明の実施例を、例としては添付図面のみを参照しつつ、これから説明していく。図面では同様の部分には、対応する参照番号が付されている。
図1は、移動性のユーザ機器と対応するノードとの間の一般的なインターネット・プロトコル(IP)を簡略化して示した概略的なブロック図である。
図2は、独立型のIP移動性管理器とインターネット・プロトコル・マルチメディア・サブシステム(IMS)からなるシステムの一部を構成するコンポーネントを簡略化して示した概略的なブロック図である。
図3は、図2に示されたシステムの部分を更に詳細に示したブロック図である。
図4は、本発明の実施例にしたがった、移動性サーバをIMSと統合するためのシステムの一部を示した概略的なブロック図である。
図5は、図2に示された簡略化されたシステムに対応する実施態様にしたがった、システムの概略的なブロック図である。
図6は、本発明の実施例にしたがった移動性サーバの実施例を提供する、概略的なブロック図である。
図7は、アプリケーション・プログラムから提供されるマルチメディア通信サービスを展開するユーザ機器の操作を示したフローチャートの一例であり、アプリケーション・プログラムは、移動性管理情報のために移動性サーバに加入している。
図8は、アプリケーション・プログラムに移動性管理情報を提供する移動性サーバの操作を示したフローチャートの一例である。
図9は、図7と8のフローチャートにおいて、移動性管理器とS−CSCFとが取りうる他の手順を示したフローチャートである。
図10は、ホーム加入者サーバから移動性サーバへ情報を引き出す過程を示したフローチャートの一例である。
【0021】
実施例の説明
本発明の実施例においては、インターネット・プロトコル・マルチメディア・サブシステム(IMS)ネットワークの内部にインターネット・プロトコル(IP)移動性管理サービスを得ることが可能である。サブシステム内部の移動性管理器から、例えば、ユーザ機器が異種のアクセス・ネットワーク(例えば複数の異なるワイヤレス・アクセス・ネットワーク間での)を渡って巡回している間にもサービスの継続性を維持するような、移動性管理機能が得られる。移動性管理サービスは、正しい解決法を用いることなく、IMSのために標準化された、確立されたインターフェースとプロトコルとを再使用することによって得られる。ネットワークの事業者は、携帯機器の加入者に、実質的にシームレスな移動性によって品質を向上させたIMSサービスを提供することが可能である。
【0022】
一般的には、ユーザ機器UEとそれに対応するノードCNとの間の交信は図1に示されている通りのものである。図1においては、IPパケットを介しての通信は、ユーザ機器UEの移動アクセス・ネットワークANとホーム・ネットワークHNとを介して、ユーザ機器UEとそれに対応するノードCNとの間で行われる。パケットは、ユーザ機器UEとルーター2、4の間で経路に沿って導かれ、該ルーターのうちの一つである4が、ホーム・ネットワークHNにおいて、ホーム・エージェントHAになってもいい。
【0023】
ユーザ機器UEの操作は携帯機器の加入者によって行われてもよく、そしてその結果、IPパケットは、モバイル・アクセス・ネットワークを介してルーター2と交信することになる。ワイヤレス・アクセス・ネットワークは、複数のワイヤレス・アクセス・インターフェースを有していてもよく、該インターフェースを通じて、ユーザ機器はIPパケットを伝達する。ワイヤレス・アクセス・インターフェースの例として、Universal Mobile Telecommunications System(UMTS)、General Packet Radio System(GPRS)、またはワイヤレス・ローカルエリア・ネットワーク(WLAN)などが含まれる。ユーザ機器UEの地理的位置によっては、ワイヤレス・アクセス・インターフェースWLAN、GPRS、UMTSのうちの一つまたは複数が、ユーザ機器UEにおいて有効である可能性もある。したがって、ユーザ機器UEは、希望するサービスを支援するために十分な通信回線容量を供給するような、ユーザの希望のサービスを支援する、最適なワイヤレス・アクセス・インターフェースを選択することができる。他の選択肢として、ワイヤレス・アクセス・ネットワークは、最も費用効率のよいIPデータ・パケット通信を提供するように選択されてもよい。
【0024】
上記の内容からわかるように、ユーザ機器UEによって使用されているワイヤレス・アクセス・インターフェースは、一つの地域から他の地域に移るにつれて、そして時間が経過するにつれて変化してもよい。したがって、アプリケーション・プログラムに、移動性ユーザ機器と交信するための現状の条件および/または移動性ユーザ機器の地理的位置を報告するための準備がなされる。その結果、アプリケーション・プログラムは、一つのアクセス・ネットワークから他のネットワークへの連携の変更の結果としての通信条件または地理的位置の変化にしたがって、提供されたサービスをユーザ機器に適合させてもよい。
【0025】
IPMMとIMS
同時に出願された欧州特許出願第02293276.8号に開示されているように、IP移動性管理器(IPMM)は、携帯端末に、通信の現状条件にしたがって、一つのアクセス・ネットワークから他のアクセス・ネットワークへと連携を変更する指示を与えるように構成されている。通信条件の現状は、目標のワイヤレス・アクセス・ネットワークへのハンドオーバーの結果として変更してもよい。IPMMは、携帯端末にサービスを提供するアプリケーション・プログラムに移動性管理情報を提供するように構成されている。移動性管理情報は、連携の変更から生じる、または、生じるであろう通信条件の現状の指示を有するアプリケーション・プログラムを提供する。変更に反応して、アプリケーション・プログラムは、携帯端末に、現在のアクセス・ネットワークから目指すアクセス・ネットワークへの連携の変更が生じる前または後に、提供されるサービスを適合させる指示を与えることがある。このため、アプリケーション・サーバとモバイル・アクセス・ネットワークの中核ネットワーク部に位置するIP移動性管理器との間の通信プロトコルが開示されている。通信プロトコルは、使用可能なアクセス・ネットワークでの通信の現状を監視し、そして、目標のアクセス・ネットワークの通信条件にしたがって、提供されたサービスを移動性ユーザ機器に適合させる指示を与えることによって、現在のアクセス・ネットワークから目標のアクセス・ネットワークへの連携の変更のためのハンドオーバー要求に対応するように構成されている。一般的に、インターネット・プロトコル・マルチメディア・サブシステム(IMS)に応用されることが考えられるような通信ネットワークの一例が図2に示されている。
【0026】
図2に示されているように、ユーザ機器UEは、ユーザ機器UEの第一のホーム・ネットワークHN−UEから対応するノードの第二のホーム・ネットワークHN-CNへのインターネット・プロトコル(IP)パケットを用いた対応するノードCNと交信している。簡略化されたブロック図に示されているように、信号情報を提供するIPパケットは、実施例ではIMSネットワークにおけるServing Call State Control Function(S−CSCF)にあたる、セッション・プロトコル・サーバ10に伝達される。IPパケットは、矢印12で示されるように、信号データを運ぶのに用いられる。後述されるように、IPパケットは、メッセージをIMSに、そして対応するノードCNに信号として伝えるセッション開始プロトコル(SIP)を運んでいる。ユーザ機器UEと対応するノードCNとの間で交信されるユーザ・データは、二股の矢印14で示されている。それゆえ、図2のブロック図が、図1に示された対応するノードCNとユーザ機器UEとの間のIPパケット通信を表していることが評価される。第一のホーム・ネットワークHN-UEと第二のホーム・ネットワークHN-CNとの間の点線16は、中核ネットワーク部のルーターを経由しての信号IPパケットの通信を表している。
【0027】
様々なサービスおよび/またはその他の機能を与えるために、対応するノードCNにおいてもまた、ユーザ機器UEから伝達されたSIPメッセージに応答するために、Serving Call State Control Function(S−CSCF)20が与えられる。これらの機能は、通信セッションの状態を制御することによって関連づけられてもよい。
【0028】
図2に示されているように、IMSは、S−CSCF10と、SIPアプリケーション・サーバ22と、実施例においてはホーム加入者サーバ(HSS)である加入者情報データベース24を有しており、それらはすべて、インターフェース26、28、30と共に、標準化したコンポーネント〔1〕である。そのようなインターフェースは具体化された標準〔1〕に合わせて作動し、Sh、ISCそしてCxの名称で参照される。
【0029】
IMSは、ユーザ機器UEと対応するノードCNとの間でそうであるように、マルチメディア通信セッションの管理を容易なものにする。通信セッションは、SIPアプリケーション・サーバ22で操作するアプリケーション・プログラムで管理されてもよく、該アプリケーション・プログラムは、SIPメッセージに応答し、マルチメディア通信セッションを制御そして管理するように構成されている。
【0030】
図2でもみられるように、第一のホーム・ネットワークHN-UEの内には移動性管理器32が存在する。移動性管理器32は、同時に出願された欧州特許出願第02293276.8号に開示されているように、データを伝達するための条件の変更により、サービス・タイプの変更が要求されていることを、ユーザにサービスを提供するアプリケーション・プログラムに通知する操作をする。通信条件の変更は、移動性ユーザ機器UEの一つの無線インターフェースから他のものへの変更の結果として生じることも、または、使用される無線インターフェースのうちの一つにおける条件の変更の結果、生じることもある。IPMMは、ユーザ機器UEおよび/または対応するノードCNが、通信セッションの一環として実行されているアプリケーションに、セッションの間に提供されるサービスのタイプを、通信条件の変更を反映するように適合させる指示を与える。図2に示されているように、移動性管理器32とアプリケーション・サーバ22との間の交信は、SIPメッセージが交換されるインターフェース34を介して行われる。しかしながら、図3を参照しつつ以下に説明していくように、図2と3に示した構成には幾つかの欠点がある。これらの欠点が説明されていくにしたがい、本発明の実施例によって提供される、図2と3に示した構成では得られない便宜と利点が評価されることとなる。
【0031】
図3は、図2に示されるIMSの一部を、同様に図2に示されるIP移動性管理システムの一部と共により詳細に示しており、IP移動性管理器がIMSと共に、どのように操作されるかを図示したものである。図3に示されているように、移動性管理器32は、SIPメッセージをインターフェース34を介してインターフェース・プロセッサー32.1で伝達できるように構成されている。移動性管理器32はまた、加入者コンテキスト登録器(SCR)32.3および方針実施器(PE)32.4も有するものである。移動性管理器32はまた、ホーム・エージェント32.2とアクセス・ゲートウェイ・インターフェース32.5も有している。ホーム・エージェント32.2とアクセス・ゲートウェイ・インターフェース32.5は、アクセス・ゲートウェイ36を介したSIPユーザ・エージェントを実行しているユーザ機器UEへの通信を容易なものにする。ユーザ機器UEはまた、アクセス・ネットワーク評価(ANE)報告を生成するIP移動性機能39も実行している。ANE報告は、ユーザ機器にとって使用可能となりうる多くのワイヤレス・アクセス・ネットワークのいずれかを介して通信条件の現状の表示を提供するものである。それゆえ、二股の矢印40に示されるようにユーザ機器UEは、移動性管理器32がマルチメディア・アプリケーションにサービスの変更が必要であるか判断できるように、ANE報告を移動性管理器32に伝達する。図3に示されているように、S−CSCF10はまた、アプリケーション・プログラムがさまざまなサービスの提供をするきっかけとなる開始フィルター基準10.1も有している。SIPアプリケーション・サーバ22は、SIPイベント・モデル・アプリケーション・プログラマーのインターフェース22.1を有している。
【0032】
IMS標準にしたがい、ホーム加入者サーバ(HSS)24は、データベース24.1と、ユーザ・プロフィール・データを保存するのに用いられる部分24.2と、ユーザのための移動性関連情報の保存に用いられる部分24.3を有している。HSSはまた、Shアプリケーション・プログラマーのインターフェース24.4とCxアプリケーション・プログラマーのインターフェース24.5を有しており、それぞれのShインターフェースとCxインターフェースを介した通信を容易なものとしている。
【0033】
HSSデータベースは、HSSには不透明なデータが保存される部分24.2を有する。不透明なデータを保存する部分24.2は、ユーザ・プロフィール・データを有しており、該データは、例えば、S−CSCFによって使用される開始フィルターの基準を提供するものである。HSSデータベースはまた、HSSにとって透明なデータを保存する部分24.3も有している。この透明なデータは、移動性管理器や他のアプリケーション・プログラムによって使用される移動性関連情報を有している。移動性関連情報は、ユーザ機器におけるUE容量、ハードウェア機能や他のユーティリティーの観点で、マルチメディア・サービスの支援に何が使用可能であるかの表示を有していてもよい。
【0034】
独立型のIPMMをIMSと共に使うことの不都合
IMSは、ネットワークから独立し、様々なアクセス・ネットワークとの相互運用性をもたらすように設計されている。このことは、IMS加入者が、IPパケットが、アクセス・ネットワークを介してIMSに伝達されるアクセス・ネットワークから独立してIMSを基礎とするサービスへのアクセスを行えなければならないことを意味する。しかしながら、同レベルの資源を提供しない(WLAN、GPRS、UMTSのような)異質のアクセス・ネットワーク技術をローミングする際に、現在のIMSはサービスを継続することを許可しない。IMSの欠点は、それが現在、アクセス・ネットワーク間の移動性問題の解決法、つまりは、端末が、送信および受信の能力を維持した状態で、複数のネットワーク間を移動する方法を提供できていない点にある。
【0035】
IP移動性管理器は、ネットワークの事業者にその管理下にある端末を提供できる能力、つまり、異質なアクセス・ネットワーク技術をローミングすることで、アクセス・ネットワークから他のアクセス・ネットワークへの変更の前にアクセス・ネットワークの容量に端末を適合させるサービスをもたらす。IPMMは、シームレスな移動性を提供するものであり、それは、エンド・ユーザやアプリケーションがそのような変化によって不通になったりしない活発な通信セッションを維持した状態で、端末がアクセス・ネットワーク間を移動するということである。単純なIPMMサービスの欠点は、それが現在正しい枠組みを提供しており、そして複数のサービスの統合ができないことである。
【0036】
図2および3に示されているように、IP移動性管理機能をIPマルチメディア・サブシステム(IMS)内部において使用することが妥当である。図示されているように、これは、事業者のネットワーク内に独立型IP移動性管理構成のコンポーネントを位置することを必要とする。このような独立アーキテクチャーの欠点は、図2および3に示されているように、提供されるサービスを向上させるように、IMS機能と移動性管理器の機能とのいかなる統合も容易にしないということである。実証として、図2および3においては、HSSと加入者コンテキスト登録器(SCR)との間にインターフェースはなく、S−CSCFと移動性管理器との間にもインターフェースはない。このことは、以下の影響をもたらす:
・このような制御を行うインターフェースはないため、事業者は、S−CSCFを介して、移動性管理サービスにおいていかなる中央制御をも有さない。S−CSCFは、IPMMサービスを使用するために回避、つまり、IPMMサービスはIPマルチメディア・サブシステム(IMS)とは独立して提供される。このようなアーキテクチャーの欠点は、このようにIPMMサービスをIMS加入者に提供するには、二つのシステムをそれぞれ独立して管理しなければならないということである。
・IPMMサービスの加入者に関する情報を保存する、ローカルIPMMデータベースは、セントラル・オペレーター・データベースであるHSSと同調していない。その結果、ユーザの加入に関するデータとサービス関連の情報は、二つのデータベース、つまり、グローバル・ユーザ・プロフィールを保存するHSSと、IPMMサービスに関連するユーザ・データを保存するローカルIPMMデータベースとに分けられる。このタイプのアーキテクチャーの欠点は、事業者が、一つではなく二つのデータベースを管理しなくてはならないということである。
・IPMM加入者に関する移動性情報の受信に同意することができるように移動性管理器に接続するための、使用可能なアプリケーション・サーバに提供される、標準的なアクセス・アーキテクチャーは存在しない。
・それどころか、このような行動がとられるには、それぞれのアプリケーション・サーバが移動性管理器に対して独自の接続をしなければならない。このようなアプローチの欠点は、アクセス・インターフェースを通じて、すべてのアプリケーション・サーバが標準的インターフェース有し、IPマルチメディア・サブシステムを通じて移動性管理器に接続する、普遍的な統一方法がないことである。
・現在のところ、特定の加入者のための移動性情報を、「認証を受けていない」IPネットワークで操作する、第三者のアプリケーションとシェアされる安全性保存メカニズムは移動性管理器に実行されていない。
【0037】
IP移動性管理器のコンポーネントを独立型の標準機能として、事業者のネットワークの内部に統合することは、サービス向上を提供するために最適な枠組みを実現することにはならない。またこれは、例えば、ユーザ関連情報が二つのデータベースに分割され、IPMMとIMSを全体として組み合わせる中央からのプロビジョニングが不可能であるように、ネットワークを更に複雑にすることになる。一つの解決方法として、移動性管理器とS−CSCFの間に、そして移動性管理器とHSSの間に、新しいインターフェースを追加することが考えられる。このことは、データベースを同調させること、そしてサービスにおけるS−CSCFからの制御を増大させることを可能にするものである。しかし、その反面、HSSとS−CSCFにおける独自のインターフェースの追加は、アーキテクチャーの変更、ネットワーク構成の向上、異なるIMS販売業者間での相互運用性の問題点が生じる。
【0038】
移動性サーバで増強されたIMS
本発明の実施態様においては、機能としてIMSネットワークの内にIP移動性管理サービスを提供する移動性管理器を組み込むことができる。独自の解決法が不要となるように、確立されたインターフェースとプロトコルとをできる限り再使用し、それにより、複数の異質なアクセス・ネットワーク技術の間をローミングする間にも、サービスの継続性を維持する。これをなしとげるためには、なによりもまず、その機能を向上させ、標準化されたインターフェースを使用することによって、IMSアーキテクチャーにおける移動性サーバとしての役割を果たす、IP移動性管理器を提案する。
【0039】
本発明の一つの実施例が図4に示されている。図4に示されているように、移動性サーバ132は、HSS124とS−CSCF100へのインターフェースを有している。図4に示されている部分は図3に示されている部分に対応しており、関連する参照番号を付されている。しかしながら、図4は移動性サーバ132を示しており、該サーバは、IMSアーキテクチャーの使用において、ユーザ機器によって確認される現状の通信条件にしたがって、マルチメディア・セッションの制御を行うための移動性管理情報を提供するものである。前述したのと同様に、移動性サーバ132は、ユーザ機器UEの一環として操作するIPMM機能139からのアクセス・ネットワーク評価報告を、IP通信層140を介して受信するように構成されている。移動性サーバ132は、Shインターフェース160であるHSS124へのインターフェースを有している。移動性サーバ132はまた、S−CSCFへのISCインターフェース180を有している。他のところでは、図4に示されているIMSシステムにおける要素は、図3に示されている要素と対応しているが、それは、図4に示されているシステムで得られる利点は、そのような要素の間で標準化されたネットワーク要素とインターフェースを再使用し、図4に示されているシステムが既存のIMSネットワーク・アーキテクチャーと互換性をもてるようにするためである。
【0040】
ある実施態様においては、移動性サーバ132とアプリケーション・サーバ122との間にインターフェースが提供されており、それは、移動性サーバ132とアプリケーション・サーバ122との間で直接、情報の伝達をするのに使用することができる。インターフェースは、例えば、SIP、XMLまたはHTTP基準にしたがって情報を運ぶことができる。
【0041】
図4に提案されているアーキテクチャーは、移動性サーバ132を、IMSに統合し、その一方で、既存のIMS構成要素への追加のインターフェースや関連する展開が最小限になるようにするものである。それゆえ、統合はハードウェアからは実質的に独立したものであり、どのような販売者の機器においても作動することになる。IP移動管理サービスを、IMSを作動させるものとして配備しても、必要な仕事が増えることにも、IMS内で新しいサービスを現在展開するよりも多くの投資が必要になることにもならない。
【0042】
IPMMをIMS内に統合することにより、以下のようなIMSメカニズムの幾つかを再使用することができるようになる:
・サービス提供手順;HSSである共通のデータベースからのサービスを提供を容易なものにし、移動管理器内でアプリケーション用のShインターフェースを用いて行う、移動性サーバの、HSSから加入者コンテキスト登録器(SCR)へのデータのダウンロードのメカニズムを可能にする。
・第三者の登録(抹消);S−CSCFの、移動性サーバの制御と、移動性サーバに、IMSに登録されたばかりのユーザの、移動性情報の収集の開始または停止の通告とを可能にする。
・課金方法;転送されたデータ通信量に基づくものだけでなく、事象やセッションにも基づくものの請求も可能にする。
・アプリケーション・サーバ・アクセス;アプリケーション・サーバがS−CSCFを介して移動性サーバへ働きかけ、標準的なアクセス・アーキテクチャーを可能にする。このことは、いかなるアプリケーション・サーバにも、移動性サーバからの、そして移動性サーバへの情報にアクセスする一つの統一された方法を可能なものにする。
・安全性保存のメカニズム;サービスが「認証を受けていない」ネットワークで操作することになった場合に規定されるものであり、移動性サーバが第三者のアプリケーションに安全な方法で移動性情報を提供することを可能にする。
【0043】
IMSは、SIPを主体とする向上されているサービス・アーキテクチャーであり、該アーキテクチャは、実時間とデータ・サービスを組み合わせた、アプリケーションの開発の向上の枠組みを提供するものである。IMSはまた、IETFサービスでは提供されない、一層の課金やサービスの質の向上も提供する。本発明の実施例は、ネットワークで制御された移動性管理を行う際にIPMMと、進歩した柔軟なセッション制御アーキテクチャーをもたらす上でのIMSとの両方の利点を兼ね備えることのできるものである。このことは、事業者に円滑なネットワーク制御のハンドオーバー(シームレスな移動性)とアプリケーションのネットワークのタイプへの適合を提供する、向上された高品質のービスの提供を可能にし、IMS内部のアプリケーションとサービスが向上される。これにより、事業者は、単なるIPMMサービスをその顧客に提供しただけの場合と比較して、更に最適化され、統合され、そして管理が容易になった枠組みが得られることになる。
【0044】
IMSネットワーク要素の簡略な説明
完璧を期すために、本発明の実施例にしたがって、IMSネットワークの要素を簡略に説明する。
【0045】
S−CSCF(Serving CSCF)
サービングを行うCSCFは、3GPPの仕様書[1]、[4]において説明されている三つのCall State Control Function(CSCF)の一つである。[4]にしたがえば、サービングを行うCSCF(S−CSCF)によるセッション制御サービスは、ユーザ機器UEのために行われる。それはまた、「サービスを支援するために、ネットワーク事業者の必要に応じてセッションの状態を」維持したりもする。
【0046】
同一の事業者のネットワーク内において、異なるS−CSCFにはそれぞれ異なる機能性を有する。このような想定においては、選択されたS−CSCFが必要とされる全ての機能性を担っていると仮定する。セッションの最中には、S−CSCFは登録器〔9〕、プロキシ・サーバ〔9〕、ユーザ・エージェント〔9〕として振舞うことがあり、サービスの支援のためにサービス・プラットホームと相互に作用をすることもある。
【0047】
HSS(ホーム加入者サーバ)
ホーム加入者は、事業者のネットワークのマスター・データベースを表している。保存された情報の中に、HSSは、加入者に関する情報とネットワークそのものに関する情報とを保存している。HSSは、(サービス供給、登録、コール準備、コール再検討、コール解除などの)様々な手順や、(更新、問い合わせなどの)様々な目的のために行う場合に、様々なネットワーク要素からアクセスされる。IMSアーキテクチャー内においては、Cx、Dx〔6〕またはShインターフェース〔3〕を用いて、HSSにアクセスするために、DIAMETERプロトコル〔7〕、〔8〕が選択される。
【0048】
SIPアプリケーション・サーバ
SIPアプリケーション・サーバは、サービス・プラットホームとして、つまり、サービスを展開、実行する環境として取られなければならない。コール制御がS−CSCFの層で行われるのに対し、該サーバにおいて、サービス(またはアプリケーション)が実行される。本文献で考慮されるSIPアプリケーション・サーバは、まだ標準化途上であり、SIPインターフェースに非常に近い、ISCインターフェースを支えるなどのような、3GPPの要求の幾つかを満たさなければならない。
【0049】
アクセス・ゲートウェイ
アクセス・ゲートウェイは、一つのアクセス・ネットワークを表す論理的な構成要素である。アクセス・ゲートウェイを通過するすべてのユーザ・データは、任意のアクセス・ネットワークでローミングをするエンド・ユーザに〜方というアドレス(CoA:Care−of−Address)を配分する責任を負っている。
【0050】
移動性サーバ
移動性サーバは、新しい機能で向上されたIPルーターを基礎とするものである。移動性サーバは、移動性管理器だけでなく、方針実施器(PE)と加入者コンテキスト登録器(SCR)の機能的構成要素を有している。
移動性サーバはまた、ホーム・エージェントも実行する。それはShおよびISCインターフェースで向上されている。SCRは、HSSからダウンロードされた移動性関連情報と、例えばユーザ機器から受信したアクセス・ネットワーク評価報告を提供するためのデータベースである。PEは、一つのネットワークから他のネットワークへの受渡しを、確立された条件に基づいて実行するための方針を実施するものである。このような条件は、ネットワークの方針を実施することも、また、ネットワークの事業者によって規定されることも、あるいは部分的にユーザの好みによって特定されることもある。
【0051】
上記に説明した本発明による実施例は、テレビ会議のマルチメディア通信セッションの一例として図解されている。しかしながら、これは一例の応用に過ぎないことが後でわかることになる。他の例においては、ユーザ機器とアプリケーション・サーバとの間のデータ通信は実質的にはないかもしれないが、アプリケーション・プログラムが移動性管理情報に加入し、ユーザ機器専用のアプリケーションを支援しうる。
【0052】
移動性サーバでのIMSインターフェースの簡略な説明
【0053】
・(移動性サーバとそのHSSとの間の)Shインターフェース
Shインターフェースは、事業者内のインターフェースであり、また、DIAMETERプロトコルに基づくものである(DIAMETERもまたHSSとI/S−CSCFとの間のCxインターフェースにおいて用いられている)。(HSSからアプリケーション・サーバ(AS)へのデータのダウンロード、HSSにおけるデータの更新などの)データ取扱手順と加入/通知手順を、Shインターフェースにおいて行うこともできる(HSSは、ASにASが前もって加入していたデータにおける変更を通知する)。
Shインターフェース上の更に多くの情報は、〔2〕および〔3〕においてもみられるものである。
【0054】
上述のした実施態様にしたがえば、Shインターフェースは、移動性サーバにより、HSSと通信するために用いられる。このインターフェースは、HSSに保存されたユーザ関連情報の転送メカニズムを支援、あるいは、ユーザ・データをHSSに「プッシュ」するために用いられる。
【0055】
・(移動性サーバとサービングを行うCSCFとの間の)ISCインターフェース
ISCインターフェースは、〔4〕4.2.4に簡略に規定されており、ISCインターフェースとS−CSCFとの間の関係は、〔1〕6.2に説明されている。
【0056】
機能的には、ISCインターフェースは、S−CSCFと一つまたは複数のサービス・プラットホームとの間にある。サービスを運営するアプリケーション・サーバは、他のネットワーク機器から分離され、標準化の途中にある、(「ISCインターフェース」という)インターフェースによって、多様な販売者からのアプリケーション・サーバをIMSサブシステムの上部で使用することを可能にする。アプリケーション・サーバ・インターフェースのこのような標準化は、アプリケーション・サービス提供者である第三者が、追加のサービスを提供する可能性を提供するものであり、それにより、事業者は、他の手段では不可能であったサービスを提供できることになる。
【0057】
技術的には、ISCインターフェースは、SIPインターフェースである。それをSIP標準〔9〕に可能な限り近い状態に保ち、様々なインターフェースにおいてS−CSCFと共に既に使用されている、一切のSIPの拡張を避けることが望まれる。したがって、IETFアプリケーション・サーバがIMSネットワークと共に相互に作用する方がより望ましい。アプリケーション・サーバは、第三者の登録を支援するように構成され、(ルート・ヘッダーに含まれることになるため争点にすべきではないが)ダイアログ識別器を適切に取り行わなければならず、そして最終的には、加入/通知事象モデルを支援することになることが想定される。
【0058】
・(移動性サーバとあるアプリケーションとの間の)移動性を意識したインターフェース
【0059】
移動性を意識したインターフェースにより、移動性サーバと、SIPアプリケーション・サーバ上で操作するアプリケーションとの間の通信が可能になる。このインターフェースは、SIPメッセージに封入されることになる、独自仕様のXMLに基づくプロトコルを用いている(加入/通知SIP事象モデル)。移動性を意識したインターフェースにより、アプリケーションは関心のある事象を特定の加入者の移動性管理に登録することが可能になる。それによりまた、移動性サーバは、アプリケーション・プログラムに、二つのワイヤレス・アクセス・ネットワークの間でハンドオーバーが行われようとしていることを通知することが可能になる。
【0060】
・(アクセス・ゲートウェイと移動性サーバとの間の)アクセス・ゲートウェイ・インターフェース
【0061】
アクセス・ゲートウェイ・インターフェースは、基礎となる様々なアクセス技術からの無線ネットワーク測定値を照合し、ハンドオーバーの決定を行う。
【0062】
IMSネットワーク内部の他のインターフェース
【0063】
(S−CSCFとそのHSSとの間の)Cxインターフェース
【0064】
Cxインターフェースは、複数のコール状態制御機能の間のインターフェースである(問い合わせとサーバ機能−プロキシCSCFには、HSSとのインターフェースがまったくない)。Cxインターフェースは[5]と[6]に説明されている。
【0065】
・(SIPユーザ・エージェントとS−CSCFとの間の)Gmインターフェース
【0066】
S−CSCFは、Gmインターフェースを介してUEとの信号の相互作用を支援する。ワイヤレス・アクセス・ネットワークに応じて、UEとS−CSCFとの間のネットワーク要素の数は異なる。プロキシコール状態制御機能(P−CSCF)は、IMSネットワーク内のエントリー・ポイントを表すことができる。それゆえ、UEとS−CSCFとの間には、常にP−CSCFがあることになる。読みやすく、簡略にする目的で、自発的に除去されたネットワーク要素も幾つかある。
【0067】
実施例
本発明の実施態様にしたがって、移動性サーバ132を含む、適合されたIMSアーキテクチャーが図5に示されており、該図は他の点では、図2のユーザ機器UEとそれに対応するノードCNとの間の通信のブロック図に対応している。それゆえ、図5は、本発明の実施例にしたがって移動性サーバ132を含むように適合させられたマルチメディア通信セッションを提供するためのIMSアーキテクチャーの配列を示している。それゆえ、そのように適合させられたIMSシステムの残された部分は、図2に示されたものと対応するように機能する。ユーザ機器UEのために第一のホーム・ネットワークの一部を形成するIMSサブシステム内のそのような要素は、対応する操作をし、そしてそれゆえ、更なる説明は不要であろう。
【0068】
図4に示されているように、移動性サーバ132は、アプリケーション・プログラマーのインターフェース132.6を有しており、それは、移動性管理器が、移動性および/または時間に応じて変化する、移動性依存パラメーターのSIPアプリケーション・サーバ122によって実行されるアプリケーション・プログラムを通知することを容易にするためである。
【0069】
図6は、移動性サーバ132の更に詳細に示す図5に示されるIMSアーキテクチャーの、選択的な図解を与えている。図6に示されているように、移動性サーバ132は、図4にも示されている部分のみならず、移動性管理器200も有している。移動性サーバは、PE132.4およびSCR132.3のみならず、ホーム・エージェント132.2を有している。SIPインターフェース132.1は、SIPメッセージで通信するために提供されている。図示されているように、移動性サーバ132は、S−CSCF100と接続するためのIMSサービス制御(ISC)インターフェース180、インターフェース126を介してHSS124と接続するためのShインターフェース・コントローラー204、並びにウエブ・サーバ208と接続するためのHTTPインターフェース・コントローラー206を含む様々なインターフェースを介して移動性依存情報へのアクセスを提供するためのアプリケーション・プログラマーのインターフェース132.6(太線で囲まれて示された部分)を有している。図6にもまた示されているように、移動性サーバ132は、ユーザ機器UE内においてIPMM機能139からIPパケットを受信するためのアクセス・ネットワーク評価(ANE)インターフェース・コントローラー210を有しており、それによりユーザ機器UEに使用可能な通信の現状が示されている。移動性サーバ132はまた、移動性に合わせて変化する通信条件に左右されうるEメール・サーバとEメールのやりとりをするためのSMTPインターフェース・コントローラー212とを有している。
【0070】
IMSネットワーク内部の移動性サーバの全体的な操作
上記に説明した実施例にしたがって、IMSネットワークの一部として統合された移動性サーバを用いたモバイルユーザ機器にマルチメディア・サービスを確立し、提供する過程を、ここで、図7、8および9に示されたフローチャートによって示すことができる。図7に示されたフローチャートは、モバイルユーザ機器が、対応するノードとのSIPメッセージの交換を用いるマルチメディア・サービスを開始する過程に関するものである。このようなマルチメディア・サービスの一例は、テレビ電話会議であり、該会議では、映像情報と音響情報の両方が、モバイルユーザ機器と対応するノードとの間で伝達される必要がある。テレビ会議サービスは、アプリケーション・サーバ122において操作するアプリケーション・プログラムによって提供される。しかしながら、ユーザ機器は移動するため、テレビ会議サービスを提供するアプリケーション・プログラムは、移動性管理情報のために移動性サーバ132に従う必要が生じることになる。移動性管理情報は、例えば、ユーザ機器に使用可能なワイヤレス・アクセス・インターフェースのタイプに合わせて、モバイルユーザ機器に提供されるサービスのタイプに適合させることに用いてもよい。例えば、モバイルユーザ機器が、ワイヤレス・ローカルエリア・ネットワーク(WLAN)を介して通信が行われる位置にある場合は、比較的高容量の通信回線が使用可能である。このように、アプリケーション・プログラムは、モバイル・ユーザ機器に映像と音響のサービスを提供することができる。しかしながら、WLAN経由の通信は使えないが、GPRSアクセス・インターフェースを介した通信が可能な位置にモバイル・ユーザ機器がある場合には、アプリケーション・プログラムが提供できるのは音響サービスだけであり、それゆえ、モバイル・ユーザ機器に提供されるサービスのタイプに応じて適合させることになる。WLANが再び使用可能になれば、移動性管理器は、WLANが提供するこれらの条件に応じて、通信用の条件の状態が変化したことを示す移動性管理情報を直ちに報告することになる。したがって、アプリケーション・プログラムは、WLANによって提供される更に増量された通信回線容量に応じて、映像と音響のサービスを提供するようにサービスを再び適合させる。
【0071】
アプリケーション・プログラムが移動性管理器に加入するきっかけとなる、マルチメディア通信セッションを確立するための、アプリケーション・プログラムと組み合わされたユーザ機器の操作が、図7に示される。図7に示される過程は、以下のようにまとめられる:
【0072】
S2:ユーザ機器UEは、対応するノードがマルチメディア通信セッションに参加するように、対応するノードCNにSIPメッセージを送る。上述したように、マルチメディア通信セッションの一例は、ユーザ機器UEと対応するノードCNとの間に設けられるマルチメディア会議である。
【0073】
S4:SIPメッセージは、IMSネットワークの内でユーザ機器UEを補助する、Serving−Call State Control Function(S−CSCF)によって受信される。
【0074】
S6:対応するノードへ転送される前に、ユーザが加入したサービスを提供するために、リクエストをアプリケーション・プログラムに転送してよいかを判断するために、S−CSCFは開始フィルター基準を適用する。
【0075】
S8:開始フィルター基準を適用することによって、マルチメディア通信サービスを提供するために、S−CSCFは、アプリケーション・サーバ122上のアプリケーション・プログラムにSIPメッセージを転送する。
【0076】
S10:アプリケーション・プログラムは加入メッセージを移動性サーバに送信し、SIPメッセージをアプリケーション・プログラムに転送するS−CSCFに補助される特定のユーザと関連する移動性管理情報を求めて加入する。
【0077】
S12:たとえ、アプリケーション・プログラムがある特定のユーザのために移動性サーバに由来する移動性管理情報を申し込んでも、加入は許可されない可能性がある。加入は、ユーザが携帯機器のユーザではなく移動性管理情報を必要としていない場合か、または、ユーザは移動通信サービスに加入していない(登録していない)ために、許可されない可能性がある。それゆえ、アプリケーション・プログラムは、移動性サーバから、加入がユーザのための移動性管理器に許可されたかどうかの情報をもらう。
【0078】
S14:移動性管理器によって加入が許可された場合には、アプリケーション・プログラムは、一人または複数人のユーザ用の移動性サーバからの移動性管理情報のためにモニタリングを開始し、提供されるサービスの移動性に依存する面を稼働させる。
【0079】
アプリケーション・プログラムが一旦、移動性サーバに加入すると、移動性サーバは、図8のフローチャートに示されるように、移動性管理情報をアプリケーション・プログラムに提供することができる。
【0080】
S16:マルチメディア通信セッションを提供するアプリケーション・プログラムが、一旦展開されると、アプリケーション・プログラムは、SIPメッセージをS−CSCFに送信する。S−CSCFはつぎに、SIPメッセージを対応するノードCNに送信する。対応するノードCNを補助するネットワークにおいて、S−CSCFが関連するアプリケーション・プログラムを展開する可能性もある。
【0081】
上述したように、マルチメディア通信セッションを提供するアプリケーション・プログラムが一旦移動性サーバに加入すると、移動性サーバはユーザ機器の移動性依存パラメーターをモニタリングし、それらをアプリケーション・サーバに報告する。移動性サーバが、S−CSCFと組み合わされてどのような操作をするかは、図8に図解されている。図8は以下のようにまとめられる:
【0082】
S20:アプリケーション・プログラムが移動性管理情報のために移動性サーバに加入した後は、移動性サーバの内の移動性管理器は、ユーザ機器から移動性依存評価報告を受信するように構成されている。移動性依存評価報告はIPパケットとして受信され、通信に使用することが可能な(WLAN、UMTS、GRPS等の)アクセス・ネットワークの現在の種別についての情報を提供するアクセス・ネットワーク評価(ANE)報告を有している。他の選択肢として、アクセス・ネットワークが、同様のアクセス・ネットワークのインターフェースを用いた、体験された通信条件の現状に依存する可変通信帯域幅を提供することが可能な場合は、昨今に体験された通信条件の現状は、ANE報告によって提供される。更に、万一、モバイルユーザ機器が、一つのインターネット・プロトコル(IP)ネットワークから他のものに連携を変更することがあれば、IPアドレスの変更が起こることになる。その結果、移動性管理器132の一部を形成するホーム・エージェント132.2は、ユーザ機器のIPアドレスが変更されたことを示すことになる。移動性管理器200は、アドレス変更を、前もって保存されたIPアドレスの一覧表または、ユーザ機器の地理的位置の表示を生成するIPアドレスの複数の部分に適用することになる。移動性管理器は、UEと結合したデータベースに、ANE報告並びにIPアドレスの変更を保存する。
【0083】
S22:移動性管理器は、ANE報告とIPアドレスの相対的変更を分析し、移動性サーバに加入されたアプリケーション・プログラムと交信するための移動性管理情報を生成する。移動性管理器は、通信用条件に変化があった場合や、またはIPアドレスの変更があった場合に、アプリケーション・プログラムに知らせることも可能である。他の選択肢としては、移動性管理器は、現状の通信用条件または現在のIPアドレスを定期的にアプリケーション・プログラムに知らせることも可能である。
【0084】
S24:移動性管理器は、アプリケーション・プログラムと交信するためのSIP通知メッセージに入れる移動性管理情報を生成する。移動性管理器は、SIP通知メッセージをS−CSCFへと伝達する。
【0085】
S26:S−CSCFは、SIPメッセージをアプリケーション・プログラムへと伝達し、それにより、移動性情報を提供する。
【0086】
図8のフローチャートは、S−CSCFと組み合わされた移動性サーバが、移動性管理情報を提供する操作を図解している。しかしながら、ある実施例においては、IMSネットワークの確立された標準化済のアーキテクチャを通じて、ユーザに価値を付加するために更に多くの手順を導入してもよい。そのような追加された手順の一例は図9に示されている。図9に示された過程は以下のようにまとめられる:
【0087】
S30:手順S14の後、移動性管理器は、Shインターフェースを介してHSSから移動性関連情報を検索するように構成されている。
【0088】
S32:移動性関連情報から、移動性管理器は、移動性に関連する情報を引き出し、情報を加入者コール登録器(SCR)に保存する。そのような関連性のある情報は、移動マルチメディア・サービスを提供するのに合意された請求料金、機器のタイプと、それゆえユーザ機器が担うことのできるサービスと、モバイルユーザ機器が現在通信中であるかどうか、あるいは、移動性管理器が携帯セッションの稼働中に移動性情報を提供すべきであるかの情報を有する。
【0089】
S34:移動性管理器は、移動性管理情報を、SCR内のユーザ関連情報にしたがって適合させる。ユーザ機器で担うことのできるサービスは、アプリケーション・プログラムに提供される移動性管理情報を調整するために用いられることも可能である。
【0090】
S36:任意の選択として、S−CSCFが移動性管理情報を提供するSIPメッセージを受信する場合は、S−CSCFは、一つまたは複数のアプリケーション・プログラムを稼働してもよい。これらのアプリケーション・プログラムは、加入者またはネットワーク事業者に、価値の付加されたサービスを提供してもよい。そのようなサービスには、課金、データ管理そして安全性制御が含まれてもよい。
【0091】
図10のフローチャートに示されている、移動性管理器が事業者によって補給を受ける過程に応じて、ユーザがIPMMサービスのために事業者に加入する。サービス提供中に、ユーザ・プロフィール・データは、移動性関連情報(透明な部分)と共にHSSデータベース(不透明な部分)の中に搭載される。ユーザが、移動性関連情報が必要なサービスをリクエストする場合には、移動性関連情報は、移動性管理器によってHSSからダウンロードされ、移動性管理器が使用するために、SCRに保存される。図10に示されているフローチャートは、以下のようにまとめられる:
【0092】
S40:あるユーザがIPMMサービスに加入すると、それにより、サービスをユーザの移動性に合わせて適合させることができるようになる。事業者は、(開始フィルター基準等の)ユーザ・プロフィール・データと移動性関連情報をHSSデータベースに搭載することによって、IPMMサービスが展開されるように補給を行う。点線250によって示されているように、HSSデータベースに情報が一旦搭載されると、移動性管理器が、SCRの補給または更新をするために、ある特定のユーザのための移動性関連情報を必要とするまでは、補給手順で行われる部分はなくなる。
【0093】
S42:IMSネットワークによってあるユーザが一旦登録されると、移動性サーバは、Shインターフェースを介してHSS上のShAPIと交信して、HSSに移動性関連情報の問い合わせをすることができる。
HSSにあるものから、SCRにおいてユーザのための情報の更新を起動させることは、幾つかの方法で行うことができ、ユーザをIMSネットワークに登録することが一つの例である。HSSがユーザに関連する移動性関連情報の問い合わせを受けるのは、移動性サーバがユーザがIPMMサービスに加入したことを知っているためである。
【0094】
S44:問い合わせに続き、移動性サーバは、Shインターフェースを介してHSSから移動性関連情報を引き出し、情報をSCRに保存し、移動性依存管理情報を提供する際には使えるように準備されている。
【0095】
本発明の範囲を逸脱しないかぎり、以上に説明した本発明の実施例に様々な変更を加えてもよい。セッション開始プロトコルは、インターネット・プロトコル通信セッションを確立するために使用可能なセッション開始プロトコルの一例であり、そして、本発明は他のそのようなプロトコルで応用できることが理解されるであろう。
【0096】
本発明の更に多くの様々な様相と特徴が附属する請求の範囲に規定されている。
【0097】
参照番号
[1]:3GPP TS 23.218:IPマルチメディア・セッション取り扱い−IPマルチメディアコールモデル−ステージ2(リリース5)
[2]:3GPP TS 29328:IPマルチメディア(IM)サブシステムShインターフェース;信号の流れとメッセージの内容(リリース5)
[3]:3GPP TS 29329:IPマルチメディア(IM)サブシステム‐Diameterプロトコルに基づくShインターフェース‐プロトコルの詳細(リリース5)
[4]TS 23.228:IPマルチメディア・サブシステム(IMS);ステージ2(リリース5)
[5]TS 29.228:IPマルチメディア(IM)サブシステム CxとDxインターフェース‐信号の流れとメッセージの内容(リリース5)
[6]TS 29.229:Diameterプロトコルに基づくCxとDxインターフェース‐プロトコルの詳細(リリース5)
[7]RFC 3588‐IETFコメントのリクエスト−Diameter主体のプロトコル‐2003年9月
[8]RFC 3588‐IETFコメントのリクエスト−第三世代パートナーシップ・プロジェクト(3GPP)用のDiameterコマンド・コードリリース5‐2003年9月
[9]RFC 3261‐IETFコメントのリクエスト‐セッション開始プロトコル‐2002年6月
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】移動性のユーザ機器と対応するノードとの間の一般的なインターネット・プロトコルを簡略化して示した概略的なブロック図
【図2】独立型のIP移動性管理器とインターネット・プロトコル・マルチメディア・サブシステムからなるシステムの一部を構成するコンポーネントを簡略化して示した概略的なブロック図
【図3】図2に示されたシステムの部分を更に詳細に示したブロック図
【図4】本発明の実施例にしたがった、移動性サーバをIMSと統合するためのシステムの一部を示した概略的なブロック図
【図5】図2に示された簡略化されたシステムに対応する実施態様にしたがった、システムの概略的なブロック図
【図6】本発明の実施例にしたがった移動性サーバの実施例を提供する、概略的なブロック図
【図7】アプリケーション・プログラムから提供されるマルチメディア通信サービスを展開するユーザ機器の操作を示した一例のフローチャート
【図8】アプリケーション・プログラムに移動性管理情報を提供する移動性サーバの操作を示した一例のフローチャート
【図9】図7と8のフローチャートにおいて、移動性管理器とS−CSCFとが取りうる他の手順を示したフローチャート
【図10】ホーム加入者サーバから移動性サーバへ情報を引き出す過程を示した一例のフローチャート
【符号の説明】
【0099】
2 ルーター
4 ルーター
10 セッション・プロトコル・サーバ(S−CSCF)
10.1 開始フィルター基準
12 矢印
14 矢印
16 点線
20 サービスコールスタートコントロールファンクション
22 SIPアプリケーション・サーバ
22.1 インターフェース
24 加入者情報データベース
24 ホーム加入者サーバ(HSS)
24.1 データベース
24.2 部分
24.3 部分
24.4 インターフェース
24.5 インターフェース
26 インターフェース
28 インターフェース
30 インターフェース
32 移動性管理器
32.1 インターフェース・プロセッサー
32.2 ホーム・エージェント
32.3 加入者コンテキスト登録器(SCR)
32.4 方針実施器(PE)
32.5 アクセス・ゲートウェイ・インターフェース
34 インターフェース・プロセッサー
34 インターフェース
36 アクセス・ゲートウェイ
39 IP移動性機能
40 矢印
100 S−CSCF
122 アプリケーション・サーバ
124 HSS
126 インターフェース
132 移動性サーバ
132.1 SIPインターフェース
132.2 ホーム・エージェント
132.3 SCR
132.4 PE
132.6 インターフェース
139 IPMM機能
140 IP通信層
160 Shインターフェース
180 ISCインターフェース
200 移動性管理器
204 Shインターフェース・コントローラー
206 HTTPインターフェース・コントローラー
208 ウエブ・サーバ
210 アクセス・ネットワーク評価(ANE)インターフェース・コントローラー
212 SMTPインターフェース・コントローラー
250 点線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インターネット・プロトコル・マルチメディア・サブシステム(IMS)の一環としてユーザ機器にサービスを提供するアプリケーション・プログラムに、移動性管理情報を提供する移動性サーバであり、
ユーザ機器と通信するための現状の条件の少なくとも一つの指示を与える移動性依存評価報告、並びにユーザ機器の相対的位置の指示の受信、そして評価報告に基づく移動性管理情報の形成の働きをすることが可能な管理器と、
移動性管理機器とIMSの一環を形成するセッション・プロトコル・サーバ(S−CSCF)との間の、コール制御信号データの伝達の働きをすることが可能なアプリケーション・プログラマーのインターフェースとを有するものであり、これにおいて、移動性管理機器は、アプリケーション・プログラムからの移動性管理情報の加入に応じて、移動性管理情報のアプリケーション・プログラムを通知する働きをすることが可能であり、移動性管理情報の加入は、コール制御データを用いたセッション・プロトコル・サーバ(S−CSCF)を介して提供される。
【請求項2】
移動性管理器は、セッション・プロトコル・サーバ(S−CSCF)を介して伝達されるコール制御信号データを介して、アプリケーション・サーバに移動性管理情報を提供する操作をすることが可能であることを特徴とする、請求項1に記載の移動性サーバ。
【請求項3】
アプリケーション・プログラムは、コール制御信号データを介してセッション・プロトコル・サーバから受信されたメッセージに応じて、操作可能であることを特徴とする、請求項1または2に記載の移動性サーバ。
【請求項4】
アプリケーション・プログラマーのインターフェースは、コール制御信号データを、SIPインターフェースを介して伝達する操作をすることが可能であり、コール制御信号データはSIPデータである、セッション開始プロトコル(SIP)を有することを特徴とする、請求項1から3のいずれか一つに記載の移動性サーバ。
【請求項5】
アプリケーション・プログラマーのインターフェースは、IMSの加入者情報データベース(HSS)へのアクセスを提供するように構成されており、加入者情報データベースは、ユーザ機器用のユーザ・プロフィール・データを提供し、アプリケーション・プログラムは、ユーザ・プロフィール・データが、ユーザ機器がモバイルであることを示す場合には、移動性管理情報のために、移動性管理器に加入するように構成されていることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一つに記載の移動性サーバ。
【請求項6】
アプリケーション・プログラマーのインターフェースは、インターネット・パケットを受信するように構成されており、インターネット・パケットは評価報告を有しており、評価報告を移動性管理器に提供するように構成されていることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一つに記載の移動性サーバ。
【請求項7】
移動性サーバは、インターネット・プロトコル・パケットをユーザ機器から受信するためのホーム・エージェントを有しており、移動性サーバは、ホーム・エージェントに提供されたユーザ機器のためのインターネット・プロトコル・アドレスの変更からユーザ機器の相対的位置を判定する操作をすることが可能であり、相対的位置は、アプリケーション・プログラムに伝達された移動性情報の一部を形成することを特徴とする、請求項6に記載の移動性サーバ。
【請求項8】
移動性サーバは、アクセス・ネットワーク評価報告を提供するインターネット・パケットに応答し、ユーザ機器と通信するための現状の条件を判定し、移動性サーバは、移動性管理情報との通信条件の表示を含むような操作することが可能であることを特徴とする、請求項6に記載の移動性サーバ。
【請求項9】
移動性サーバは、移動ユーザ機器のための関連性のあるユーザ・プロフィール・データに関する情報を保存するための加入者コンテキスト登録器を有しており、ユーザ情報は、移動性管理情報をアプリケーション・プログラムに適合させるために、移動性管理器を用いることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一つに記載の移動性サーバ。
【請求項10】
アプリケーション・プログラムをホスティングするためのアプリケーション・サーバを有し、アプリケーション・プログラムは、移動性サーバによって提供される移動性管理情報にしたがって、ユーザ機器にサービスを提供し、アプリケーション・プログラマーのインターフェースは、アプリケーション・サーバと通信するための機能を有していることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一つに記載の移動性サーバ。
【請求項11】
移動性管理情報に応じてユーザ機器にサービスを提供するためのマルチメディア通信システムであり、サービスは、アプリケーション・プログラムによって提供されるものであり、システムは、
ユーザ・プロフィール・データにしたがった少なくとも一つのユーザ機器のための通信セッションの現状を制御することが可能な、セッション・プロトコル・サーバ(S−CSCF)と、
ユーザ・プロフィール・データをセッション・プロトコル・サーバ(S−CSCF)に提供する加入者情報データベース(HSS)と、
ユーザ機器と交信するための現状の条件の指示の少なくとも一つを提供する移動性依存評価報告と、ユーザ機器の相対的位置の指示を受信し、そして評価報告に基づいて移動性管理情報の生成の操作が可能な移動性管理器を有する移動性サーバと、
移動性管理器とセッション・プロトコル・サーバ(S−CSCF)との間のコール制御信号データの交信を操作することが可能な、アプリケーション・プログラマーのインターフェースとを有しており、これにおいて、移動性管理器は、アプリケーション・プログラムから得られる情報のための加入に応じた、移動性管理情報のユーザ機器にサービスを提供するアプリケーション・プログラムの報告を操作することができるようになっており、加入は、コール制御信号データを用いることによってセッション・プロトコル・サーバ(S−CSCF)を介して提供される。
【請求項12】
加入者情報データベースにアクセスができるよう、そして評価報告となるデータを提供するユーザ機器からインターネット・パケットを受信し、そして移動性管理器に評価報告を提供することができるように、アプリケーション・プログラマーのインターフェースを操作することが可能であることを特徴とする、請求項11に記載の通信システム。
【請求項13】
インターネット・プロトコル・マルチメディア・サブシステム(IMS)においてユーザ機器にサービスを提供するアプリケーション・プログラムに移動性管理情報を提供するための方法であり、該方法は、
移動性サーバで移動性依存評価報告を受信し、評価報告は、ユーザ機器と通信するための現状条件の指示、または、ユーザ機器の相対的地理的位置の指示のうちの少なくとも一つを提供するものであり、
評価報告に基づいて移動性管理情報を生成し、
アプリケーション・プログラムからの情報のための加入に応じて、移動性管理情報のユーザ機器にサービスを提供するアプリケーション・プログラムを報告し、これにおいて、移動性情報のための加入は、アプリケーション・プログラムから移動性サーバに提供され、
それは、インターネット・プロトコル・マルチメディア・サブシステムの一部を形成するセッション・プロトコル・サーバ(S−CSCF)を介して、移動性管理器とアプリケーション・プログラムとの間でコール制御信号データを伝達して行われる。
【請求項14】
移動性管理情報のアプリケーション・プログラムの通知は、
移動性管理情報を、コール制御信号データを用いることによってアプリケーション・サーバに伝達することを有し、コール制御信号データの伝達はセッション・プロトコル・サーバ(S−CSCF)を介して行われることを特徴とする、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
コール制御信号データは、セッション開始プロトコル(SIP)メッセージを有することを特徴とする、請求項13または14に記載の方法。
【請求項16】
移動性サーバは、ホーム・エージェントを有し、
そして移動ユーザ機器の相対的位置の表示は、ホーム・エージェントに通知されたユーザ機器のインターネット・プロトコル・アドレスの変更の表示に基づいて評価報告によって提供され、移動性管理情報の生成は、ホーム・エージェントに提供されたユーザ機器のためのインターネット・プロトコル・アドレスの変更からのユーザ機器の相対的地理的位置を判定することを有し、地理的位置は、アプリケーション・プログラムと交信する移動性情報の一部を形成することを特徴とする、請求項13から15のいずれか一つに記載の方法。
【請求項17】
ユーザ機器と交信するための現状の条件を示すアクセス・ネットワーク評価報告を提供することを有し、移動性サーバが、移動性管理情報との通信条件の表示を有することが操作可能であることを特徴とする、請求項14から16のいずれか一つに記載の方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2007−521773(P2007−521773A)
【公表日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−546093(P2006−546093)
【出願日】平成16年12月21日(2004.12.21)
【国際出願番号】PCT/EP2004/014761
【国際公開番号】WO2005/064883
【国際公開日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【出願人】(591034154)フランス テレコム (290)
【Fターム(参考)】