説明

移動物品の欠陥部等の検出方法、画像処理プログラム並びにデータ処理装置

【課題】 低廉な装置構成により移動物品の欠陥部等を精度よく確実に検出し、しかも検出処理を短時間で行うことのできる移動物品の画像処理用データの前処理方法、画像処理プログラム並びにデータ処理装置を提供する。
【解決手段】
検出手段により連続して入力される移動中の物品からの物理データを所要の読み取り間隔で読み取って単位時間当たりの複数の読み取りデータを記憶手段により順次記憶させる。記憶された物品からの物理データを画素データとして順次分割されたフレームに読み出し、物品の移動速度と読み取り時間間隔とに相関する物品の移動量に対応した抽出幅で各フレームのデータから抽出して各フレームデータからそれぞれ抽出画素データを生成し、抽出された画素データを基礎にこれらを処理して欠陥部等の検出を行う。検出時間短縮と高精度の検出を実現する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子回路組み込み用のセラミック基盤、その他種々の原材料、半製品等について、製品の表面又は内部のクラックあるいは表面異物付着を含む欠陥部等を非接触かつ高い検出精度で、さらに、高効率に検出可能な移動物品の欠陥部等の検出方法、画像処理プログラム並びにデータ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
金属やセラミック製品、その他の製品についての表面あるいは内部クラックの有無等の検査が製品製造中の種々の工程で必要とされる。材料表面検査に関し、特に、シリコンウエハ等の結晶材料について、従来、例えば特開平11−326233号により提案されたものが知られている。
【0003】
【特許文献1】特開平11−326233号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の装置は、移動可能なステージ上に被検物体を搭載し、ステージの移動途中において、照明手段を閃光させ、被検物体の一部分の像を撮像手段により画像データとして取り込み、撮像手段の撮像素子に所定数の画像データを重ねて記録し、所定数の画像データにより画像処理を介して被検物体の欠陥を評価するものである。この特許文献1の装置では、被検体の搬送用ステージの移動により被検体を搬送移動させながら被検物体が所定位置に至ったとき、これに同期して照明手段を閃光し、その際に1つのCCDに所定数の画像データを重ねて記録し、CCDに記録された画像データは、画像処理装置及びコンピュータにおいて画像処理され、結晶欠陥の分布、個数、形状、密度などを算出するようにしているから、高機能のCCD素子が必要とされ、また可視光による検出のための発光源を必要とし、さらに、高価、高機能の光学系や画像処理装置を必要として装置全体が高価となる難点がある。また、例えばウエハ試料上の5箇所の測定位置の表面の状態を1個のCCDに重ねて記録するが、これを画像処理装置で画像処理する場合には、結局、撮像素子の視野範囲全体に記録した画像データの5個の撮像コマすべてについてそれらの重なり部分を含めたデータの処理が必要であり、処理演算時の演算値が大きくなり演算負荷がかかる問題があった。さらに、移動中の物品の撮像のため、被検物体に対する撮像範囲のずれによる5個の撮像コマの重なり部分の処理が必要となり結局、検出精度とともに検査速度全体についてそれほどの時間短縮を実現しにくいという問題があった。
【0005】
本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、その1つの目的は、低廉な装置構成により移動物品の欠陥部等を精度よく確実に検出し、しかも検出処理を短時間で行うことのできる移動物品の欠陥部等の検出方法、画像処理プログラム並びにデータ処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明は、移動中の物品Jを検出手段18により検出し、得られる物理データを画像として処理して物品の欠陥部等の検出を行う移動物品の欠陥部等の検出方法であり、検出手段18により連続して入力される移動中の物品Jからの物理データRを所要の読み取り間隔Hで読み取って単位時間当たりの複数の読み取りデータを記憶手段26により順次記憶させ、記憶された物品からの物理データを画素データとして順次分割されたフレームF1,F2・・・に読み出し、物品の移動速度VJと読み取り時間間隔Hとに相関する物品の移動量に対応した抽出幅Wで各フレームのデータから抽出して各フレームデータからそれぞれ抽出画素データS1,S2,・・・を生成し、抽出された画素データを基礎にこれらを処理して欠陥部等の検出を行う移動物品の欠陥部等の検出方法から構成される。抽出データを物品からの物理データの読み込み順に関連づけ、物品の移動量に対応したデータとして切り出すことにより、重なり部がない状態で連結され、これを繋ぎ合わせて連結すると元の画像フレームデータを復元することができるから、重なり部の検出、補正処理等を要せずして処理の負荷が軽減される。さらに、抽出データは画像フレームの一部を所定幅の行ごとあるいは列ごとに切り出すことで、演算処理が大幅に軽減されて演算速度を向上させる。
【0007】
その際、抽出された画素データS1,S2,・・・の各行、各列ごとのデータの平均値を算出して平均値と画素データ中の各画素との差分値を各画素データについて置き換え処理し、それらの差分値の閾値との比較により欠陥部等の有無を判定するとよい。
【0008】
被検体物品Jは、加熱と冷却の異なる熱要素が同時に加えられて所要の温度差領域Reが形成され、検出手段18は該温度差領域から検出する熱エネルギー又は温度を検出して所要の読み取り間隔で読み取るようにするとよい。
【0009】
さらに、検出手段18は、移動中の物品からの熱エネルギー量を検出して熱画像データを生成する赤外線撮像手段であるとよく、特に、鉄系焼結体等の金属製品やセラミック製品等において、検出の実効を得られる。
【0010】
また、物品Jは加熱171又は冷却175されながら平面上を移動する際に冷却用流体又は加熱用流体が表面から吹きつけられて温度差領域Reが形成され、検出手段18の視野範囲185に対応するフレームであって、物品からの物理データから画素データとして順次読み出されたフレーム中の該温度差領域に対応する位置Pを画像フレームFにおける抽出位置として設定するとよい。
【0011】
また、本発明は、求項1ないし5のいずれかに記載の移動物品の欠陥部等の検出方法をコンピュータに実行させる工程を含む画像処理プログラムから構成される。
【0012】
さらに、本発明は、請求項6記載のプログラムがインストールされた記憶部26を有するデータ処理装置12から構成される。
【発明の効果】
【0013】
本発明の移動物品の欠陥部等の検出方法によれば、移動中の物品を検出手段により検出し、得られる物理データを画像として処理して物品の欠陥部等の検出を行う移動物品の欠陥部等の検出方法であり、検出手段により連続して入力される移動中の物品からの物理データを所要の読み取り間隔で読み取って単位時間当たりの複数の読み取りデータを記憶手段により順次記憶させ、記憶された物品からの物理データを画素データとして順次分割されたフレームに読み出し、物品の移動速度と読み取り時間間隔とに相関する物品の移動量に対応した抽出幅で各フレームのデータから抽出して各フレームデータからそれぞれ抽出画素データを生成し、抽出された画素データを基礎にこれらを処理して欠陥部等の検出を行う構成であるから、移動中の物品の移動速度と読み取り時間間隔に関連づけて物品の読み取りデータから抽出データを作成して前処理したデータを画像処理等のデータ処理の基礎とすることにより、欠陥部等の検出を簡単な装置構成でしかも高精度で短時間に実現させ得る。特に、物品の移動速度と読み込み時間を基礎とした物品の移動量に対応した抽出間隔でデータを抽出するから各抽出データの合成時の重なり部分を考慮することなく、それらの抽出データのみについて画像処理を行い、欠陥部等の有無の検出を行えるから、抽出領域部分についての演算により欠陥部等の有無検出を行える結果、演算負荷が極めて軽減され、演算速度を高速化し、検出時間短縮を行える。同時に、画素フレーム全体についての画像処理の場合には特徴抽出、補正処理等により全体に平均化処理をかける場合が多く、この場合に欠陥部等の検出精度を劣化させやすくなるところ、本発明では、個々の検出範囲を限定して検出演算するから、検出精度も大幅に向上させることが可能である。
【0014】
また、抽出された画素データの各行、各列ごとのデータの平均値を算出して平均値と画素データ中の各画素との差分値を各画素データについて置き換え処理し、それらの差分値の閾値との比較により欠陥部等の有無を判定することにより、画素フレーム全体についての平均化処理により欠陥部等の検出精度を劣化させることなく、検出精度の大幅な向上を具体的に実現させることが可能である。
【0015】
また、物品は、加熱と冷却の異なる熱要素が同時に加えられて所要の温度差領域が形成され、検出手段は該温度差領域から検出する熱エネルギー又は温度を検出して所要の読み取り間隔で読み取るものであるから、例えば物品の赤外線量検出等における温度検出あるいは放射エネルギー量により物品の欠陥部等の検出を行うものについて、温度差あるいは放射エネルギー差を強制的に温度差を与えることで発現させ、モニタリング機能を向上させうる。また、その温度差で最も良く欠陥部等を発現しやすい温度域を画像処理工程に生かすことができ、より検出精度向上、処理時間短縮に寄与し得る。
【0016】
また、検出手段は、移動中の物品からの熱エネルギー量を検出して熱画像データを生成する赤外線撮像手段であることにより、物品の赤外線量検出等において温度差を与えることで欠陥部等の有無や位置情報を発現させ、モニタ機能を向上させ、さらにその温度差で最も良く欠陥部等を発現しやすい温度域を画像処理工程に具体的に反映させ処理効率向上を実効化し得る。
【0017】
また、物品は加熱又は冷却されながら平面上を移動する際に冷却用流体又は加熱用流体が表面から吹きつけられて温度差領域が形成され、検出手段の視野範囲に対応するフレームであって、物品からの物理データから画素データとして順次読み出されたフレーム中の該温度差領域に対応する位置を画像フレームにおける抽出位置として設定することにより、例えば物品の赤外線量検出等における温度検出あるいは放射エネルギー量により物品の欠陥部等の検出を行うものについて、強制的に温度差を与えることで欠陥部等の有無や位置情報を発現させ、モニタリング機能を向上させうる。また、その温度差で最も良く欠陥部等を発現しやすい温度域を画像処理工程に生かすことができ、より検出精度向上、処理時間短縮に寄与し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、添付図面を参照しつつ本発明を実施するための最良の形態について説明する。本発明は、移動中の物品の欠陥部等を画像処理により検出する際に、物品からの物理データを前処理してこの前処理したデータを画像処理することにより、安価な装置構成で高精度かつ検出速度を早くして検出時間短縮を実現する移動物品の欠陥部等の検出方法、画像処理プログラム並びにデータ処理装置であり、その最良の実施形態として例えば、薄板状の鉄系焼結体製品の欠陥部等の検出装置及びその検出方法について説明する。ちなみに、具体的な物品の一つとしての薄板円板の鉄系焼結体製品(例えばフェライト相を有する鋼、鋳鉄製品)は、自動車、産業用機械機器、ロボット、工場施設、測定機器、その他の駆動部分を有する適用箇所についてその駆動による移動量に対応する回転制御部分に多用されており、工業用部品としてのニーズが大きい。
【0019】
図は本発明の実施形態を示しており、図1は物品の欠陥部等の検出装置10の概略構成図であり、本発明の1つの特徴的構成部分の前処理部が適用されている。図2は、図1の検出装置のブロック構成図であり、特に前処理部を含むデータ処理装置12のブロック構成を拡大して示している。本実施形態に係る薄板状の鉄系焼結体製品を被検体物品Jとし、その物品Jの欠陥部等の検出システムにつき、以下説明する。
【0020】
本実施形態における物品Jとしての薄板状鉄系焼結体製品は、例えば板厚3mmで縦、横が50mm×50mm程度のサイズのものが対象となっている。なお、被検体物品のサイズ、形状、材質等については任意のものを設定できる。図1において、物品の欠陥部等の検出装置10は、移動装置14と、移動装置に支持されて搬送される温度差受台16と、温度差受台に載置されて移動装置により搬送移動される被検体物品Jと、物品Jに所要の温度差領域を生じさせるように熱作用を加える熱作用装置17と、赤外線撮像装置18と、データ処理装置12と、表示装置20と、を含む。
【0021】
移動装置14は、略水平面上においてテーブル141,142をX,Y直交方向(図3)に直線移動させるX,Y駆動テーブル装置からなる。移動装置14は物品を例えば嵌合状あるいは吸着支持等により受台16を固定支持して直接には該受台を平面直交方向に移動させる受台の搬送手段であり、必要に応じてX,Y,Z軸を有する3次元方向にも移動させ得る構造であっても良いし、また、円環状に移動する搬送装置であってもよい。移動装置14は、受台16を介して物品Jを所望の方向に搬送移動させる。テーブル141,142の駆動は例えば電気信号により高精度に回転位置、回転量を制御可能なパルスモータ、ステップモータ等により行われる。本実施形態において、移動装置14は後述するデータ処理装置12からの制御信号を受けて図示しないモータ駆動用制御装置を介して駆動される。被検体物品Jの搬送速度は、被検体物品の移動速度VJを決めるものであり、後述するように赤外線量に対応する温度相関データの読み取りあるいは読み込み時間間隔と画素フレーム上での抽出幅設定の際の基礎となる。本実施形態において、テーブルの移動速度は少なくとも被検体物品Jが赤外線カメラの視野範囲に入る直前以降から視野範囲から完全に脱するまでの間は所要の速度で速度を一定に維持しながら移動搬送する。本実施形態において、その際の一定に保持される速度は例えば10mm/s〜50mm/sとされる。
【0022】
温度差受台16は、被検体物品Jを着脱自在に受けて物品Jを一定位置に決めて支持するとともに、その状態で物品Jに対して強制的に所要の熱エネルギー差領域を形成させ、その状態で物品Jを設定された方向に搬送移動させる物品の位置決め機能付きの温度差形成補助手段であり、本実施形態では、例えば直方体状のセラミック製ブロック台165の上面に熱伝導性の良好な例えば金属素材からなる伝熱板166を固定し、その上面に物品Jを着脱自在に嵌着可能な凹部を形成して物品Jを載置させる。物品Jの伝熱板への取り付けについては、例えば伝熱板の一部又は全部を磁石とし物品Jを磁力吸着としたり、または空気吸着により着脱可能に固定する方法も用いることができる。ブロック台165には熱源を有するロッドヒータやパネルヒータ等の加熱器171が挿入されて伝熱板166を加熱しさらに被検体物品を加熱して物品Jの放射熱エネルギー量を増大させる。
【0023】
加熱器171は、被検体物品Jを加熱して物品自体の温度を上昇させ、赤外線放射量を増加させる赤外線放射量増加手段であり、熱放射する加熱用器体に物理的に接触させて行なう直接の熱伝導による加熱のほか、ガス、液体その他の加熱流体を吹き付けて加熱する方法、さらには、電磁波等を介した加熱等の構成としてもよい。この加熱器171は被検体物品Jに所要の温度差領域を形成させるための熱作用装置17の一部であり、後述するように受台に載置されて移動中の物品Jには冷却空気等による冷却作用が行われ、これによって所望の温度差領域が形成される。本実施形態では、データ処理装置12への初期設定入力により設定される加熱温度(例えば80℃〜120℃)で温度調節装置172を介して加熱器171は物品を加熱する。温度差受台16を介して熱作用による温度差領域を形成するには該受台自体を冷却して物品Jに冷熱を加えた状態で、さらに外部から加熱するような構成としても良い。そのための熱作用を生じさせる手段としては上記と同様に、接触等の直接の熱伝導によるほか、ガス、液体その他の流体を吹き付けて熱刺激する方法、さらには、電磁波等を介して熱作用を加える方法を用いても良い。また、温度差受台自体に加熱と冷却を同時に行って所要の温度差領域を形成させるようにしてもよい。
【0024】
また、移動装置14による物品Jの搬送移動中に加熱器171による加熱とともに物品Jに対して冷却作用を行う冷却装置175が設けられている。冷却装置175は、加熱器171による加熱と同時に逆の熱作用を加えるべく、被検体物品Jを冷却する冷却手段であり、本実施形態において、移動装置による移動経路の上方であって赤外線撮像装置の近傍に配置され物品Jに対して垂直方向に冷却用流体を吹出し供給する。冷却装置175は、図示しない送風ファン、吹出しノズル等とともにファン駆動用制御盤176を有しており、データ処理装置12からの制御信号を受けて駆動用制御盤176を介してファン風量を可変として冷却温度を設定できるようになっている。吹出しノズルは、直線スリット状のノズル開口からの流体吹き出し開口とするのが温度差領域の輪郭をまとまりのある形状としやすい点で有利である。本実施形態では冷却用流体は常温空気としているがその他の加圧冷却ガス等を用いても良い。本実施形態では、例えば常温空気(圧縮空気:〜0.2MPa)または冷風(5℃〜15℃)吹き付けによる冷却が用いられる。ノズル開口と被検体物品Jとは例えば1mm〜10mm程度の間隔が空けられており、至近距離でこれらの冷却(加熱)流体を被検体に噴射させることにより、同時加熱、冷却を効果的に行なえるようにしている。なお、このノズル口と物品Jとの間隔は上記に限らず、流体温度、流速、流量等に応じて任意に設定することができる。ノズル開口の向きは、上方から被検体の表面に向けて直角状に吹き降ろすように噴射してもよいが、図9に示すように物品の移動方向の前方上方側から斜め下方に向かい風状に吹き降ろすように設定してもよいし、また、後方上方側から斜め下方に追い風状に吹き降ろすように設定しても良い。これによって、冷却用流体が被検体の表面に吹き付けられた後、被検体の面上を帯状に広がるように噴射させることができる。広がりをもった面状に冷却用流体を下面側から加熱される被検体の上面側に吹き付けることにより、赤外線センサによる線量検出の範囲を広く確保できる。なお、本実施形態の冷却装置のノズル開口は、図10(a)、図10(b)のように、複数の角孔又は丸孔を直線状かつ不連続に配置させた構造としても良い。
【0025】
加熱器171と冷却装置175とにより熱作用装置17が構成される。加熱器171を介した物品Jへの加熱刺激と冷却装置175による冷熱刺激とを同時に加えることにより、特に冷却装置175での冷熱刺激を局所的あるいは細帯状あるいはスリット状に物品Jの表面に当てることによりその冷気の当たる部分の外縁部分にはまとまりをもった範囲の矩形形状に近い温度差領域が形成される。そして、この部分に対応する画素領域を切り出して合成する方法を用いることにより演算負荷を大きく軽減し演算速度を大幅に向上させ得る。
【0026】
赤外線撮像装置18は、被検体物品Jの同時加熱、冷却中に物品から放射される熱エネルギーのうちの赤外線を検出する赤外線検出手段であり、本実施形態では、相反する熱作用が同時に加えられて所要の温度差領域が形成された状態の物品からの赤外線放射量を測定し、その測定データをデータ処理装置12に連続供給する。
【0027】
本実施形態において、赤外線撮像装置18は、物品Jから放射される赤外線エネルギー量により温度分布画像や熱エネルギー分布画像を得る赤外線サーモグラフや赤外線カメラを含む。赤外線撮像装置18は、例えば、InSb(インジウム・アンチモン)、HgCdTe(テルル化カドミウム水銀)等の光起電力、光導電性の量子型センサやサーモパイル、PZT等の焦電素子を用いた熱型センサを用いることができる。本実施形態において、赤外線撮像装置18として例えば赤外線カメラが用いられており、上記のような撮像素子181を有して、物品側から放射される赤外線量に応じたデータをデータ処理部12に供給する。
【0028】
データ処理装置12は、赤外線撮像装置18からのデータを画像化処理して物品のクラック、キズ、塵埃付着等の有無を検出処理する検出手段であり、本実施形態では、例えば赤外線カメラに接続された例えば汎用のパーソナルコンピュータを含むコンピュータから構成されている。画像化された画像データは表示装置20により表示され、作業者において視覚的にクラック等の有無を知ることができる。
【0029】
図2は、データ処理装置12のブロック構成図であり、図において、データ処理装置12は、赤外線撮像装置18からの赤外線量データを画像処理部へ入力させる前にデータを前処理した状態で画像処理するための前処理部22と、前処理部22から前処理済みのデータを受けて画像処理する画像処理部24と、処理プログラム28を記憶する記憶部26と、システムの稼働に先立って条件を設定入力する操作入力部30と、データ処理装置全体の各部に指示、命令して装置全体の各部の機能を制御する制御部32と、を備えている。
【0030】
前処理部22は、赤外線撮像装置18からの赤外線量データを読み取って複数の画像フレームに読み出し、それらのフレームデータから所定の関係で決まる切り出し幅で抽出データを抽出生成し、その抽出データを画像処理部24に供給するデータの前処理取り込み手段であり、本実施形態において、該前処理部22は、読み込みデータ処理部34と、記録部36と、読み出し・抽出処理部38と、を含む。
【0031】
読み込みデータ処理部34は、赤外線カメラ(18)からの赤外線量データを所要の読み込み間隔で読み込んで単位時間当たりの複数の読み込みデータを生成するデータ取り込み手段であり、例えば赤外線撮像素子からの温度データを増幅して量子化処理したデータを所要の時間間隔で順次読み込む。読み込み時間間隔は、コンピュータの処理能力により決まる任意の読み込み間隔でよいが、本実施形態においてはたとえば1/5秒〜1/30秒の間の時間間隔で連続的に行われ、複数の読み込みデータを形成する。読み込まれたデータは、記憶部26において読み込み順序にしたがって、一時記憶保持される。
【0032】
記録部36は、読み込みデータ処理部34により所要の時間間隔で順次読み込まれた量子化データを画素データとして分割された画像フレームに順次読み出し記憶する記憶部位である。
【0033】
読み出し・抽出処理部38は、記録部36に記憶された画素データを順次読み出し、それらの各画像フレームから所定の抽出幅で抽出データを生成するデータの抽出処理部であり、この際、抽出幅は下記のように、物品の移動速度と読み取り時間間隔で設定される読み込み時間とに相関して決定される物品の移動量に対応した抽出幅で切り出し、抽出される。
【0034】
(式1)
被検物体の移動速度(V)×読み込み時間(T)(読み込み時間間隔)=抽出幅(W)(画素数)
【0035】
例えば物体の移動速度を50mm/s(50ミリメートル毎秒)とし、読み込み時間を1/10s(0.1秒)とすると、単位時間(秒)当たりの読み込みフレーム数は10フレームとなり、物体が5mm移動する際に1フレームを取得する。したがって、各画像フレームには5mmづつ進行方向に移動した物品のデータが読み出される。これらの5mmづつ移動したコマ送り状のデータフレームが複数コマについて記録されている。そして、物品の5mmの移動量に対応する縦か横の移動方向に沿う画素数を抽出幅Wとし(図7)、各画像フレームから切り出して抽出する。この際、切り出した抽出幅の範囲以外のデータは廃棄される。これらの抽出データは各フレームの順番を記憶管理されており、これらのデータが画像処理部24に供給される。抽出データは、赤外線カメラからのデータの処理部による読み込み順に関連づけられており、かつ、物品の移動量に対応したデータとして切り出されているから、これを繋ぎ合わせて連結すると元の画像フレームデータを復元することができる。この際、重なり部がない状態で連結されているからその重なり部の特定、補正処理等を要せずして処理の負荷が軽減される。さらに、抽出データは図7のように、画像フレームの一部を所定幅の行ごとあるいは列ごとに切り出したものであり、よって、演算処理が大幅に軽減されて演算速度を向上させることができる。さらに、後述のように、この例えば短冊状の抽出データごとについてクラックの有無等の検出、判定処理を行うことにより検出単位を小さくして検出のための分解能を向上させ、検出精度を向上させることができる。
【0036】
さらに、物品の移動速度と読み込み時間に相関する物品の移動量に応じた抽出幅を設定するようにしたことにより、さらに、赤外線カメラによる実際に移動する物品の検出位置も連係させることができる。すなわち、図6に示すように、赤外線カメラの視野領域185をデータ抽出時の画像フレームに対応させて、相反する熱作用による所定の温度差領域のうち最も良く赤外線データを画像データ化しうる温度差範囲(例えば3℃以上)を設定し、この部分に対応する画像データ中の画素群を抽出領域Reとすることができる。したがって、赤外線による鮮明な画像を得ることができ検出精度の向上に資する。
【0037】
図8(a)、図8(b)のように移動装置14のテーブルを移動させることにより物品の全ての検出領域について赤外線カメラの視野範囲で読み込ませ、スキャンを順次行なうことができる。
【0038】
画像処理部24は、前処理部22の読み出し・抽出処理部38からの抽出データを受けてこれらをデータ処理し、欠陥部等の有無とその位置を検出するデータ処理手段であり、欠陥部等の位置と欠陥部等を示す輝度を設定した画像化データを生成し、その画像化データを表示部20に出力する。本実施形態では、抽出された画素データの各行、各列ごとのデータの平均値を算出して平均値と画素データ中の各画素との差分値を各画素データについて置き換え処理し、それらの差分値の閾値との比較により欠陥部等の有無を判定する機能も含む。
【0039】
詳細には、この画像処理部24において、例えば図12に示すように、(1)読み出し・抽出処理部38からの抽出データS1(a)について、縦及び横方向の画素を平均した値(平均値1、平均値2・・、平均値I、平均値II・・)を算出する。この場合、平均値は、画素1行又は1列ごとの平均である。また、平均する画素データ数が20を超える場合は、平均する画素データが20以内になるように等分割して平均値を算出する。(2)次に、図13に示すように、平均値算出に利用した各画素データと(1)で求めた平均との差分を算出する。この場合、逆の差を求めてもよい。(3)そして、(2)で得られた数値について適切な閾値を設け、それらの差分との比較により2値化処理によって欠陥部等の有無の判定を行う。そして、各画像データについて同様の処理を行い、処理を行った画像データを元の物品の赤外線データの読み込み順につなぎ合わせることで、製品における欠陥の位置を特定させるようにしている。
【0040】
図2に戻って、記憶部26は、赤外線カメラからの赤外線量データ読み込み、記憶、フレーム読み出し、抽出処理を含むデータの前処理工程と、抽出データの画像処理による温度帯表示の画像表示のための種々の処理を行う画像処理工程と、を実行するための処理プログラム28を格納している。
【0041】
また、操作入力部30は、各種の条件入力設定を行うものであり、例えば移動装置14の移動速度VJ、赤外線撮像装置からの赤外線量データのサンプリング間隔としての読み込み間隔H、カメラの視野範囲に対応する画像データにおける物品表面の温度差領域に対応する抽出位置Pの設定、物品の加熱温度、冷却ファン風速設定等を含む。物品に対する温度差領域の形成に際しては、物品自体の加熱または冷却と同時に外部からの流体等による冷却,加熱の場合には、例えば物品自体の熱作用についてのみを固定した例えば80℃等の温度で固定し、実験的に冷風側の風速、風量、物品に対する吹き出しノズル角度、物品とノズルとの間隔等が決められて実施される場合もあり、そのつどの必要な条件入力のみを行うようにするとよい。
【0042】
制御部32は、操作入力部30からの条件を読み込んで、記憶部26の処理部プログラム28を読み出し前処理工程並びに画像処理工程を実行させる際のそれぞれの部位を統括し、処理全体を司る制御手段であり、演算装置CPUを備えて必要な演算処理を行う。この制御部32は移動物品Jに相反する熱作用を加える際の加熱駆動部(171)と冷却駆動部(175)の温度調節装置やインバータ等に接続されてそれぞれの熱作用機能を制御指示する。
【0043】
次に、本発明の実施形態の物品の検出システムによる検出方法について、図14のフローチャートに基づき説明する。まず、検出実行に先立って、パソコン(12)側の操作入力部での条件入力を行う(S1)。このとき、移動装置14のX,Yテーブルの移動速度VJ、赤外線データの読み込み間隔H、画像フレームでの抽出位置Pの設定、加熱、冷却の熱作用条件等の設定値を入力する。加熱器171、送風機(175)を駆動させ、加熱器171により物品J自体を加熱させ、設定温度(例えば80℃)に加熱する(S2)。冷却装置側の冷却用ファンは固定的に配置された赤外線撮像装置18の配置位置近傍において、赤外線撮像装置の撮像素子の視野範囲185内において一定の吹き付け領域(図6のL)に冷風を突きつけるようにノズル175aの角度が固定的に設定されて視野内で冷却用風を吹きつける。次に、赤外線カメラにより赤外線量データの取込を開始する。同時に、移動装置14のX,Yテーブルを駆動させて加熱された物品を搭載する温度差受台16を赤外線カメラがセットされた検出位置に向けて移動させる(S3)。X,Yテーブルは検出位置までは高速移動し、検出部の赤外線カメラの視野へ物品が入る前、あるいは直前から一定の送り速度(例えば10mm/s〜50mm/s)で搬送する。温度差受台16に載置された物品Jが赤外線カメラの視野範囲内に進入(S4)し始めて同範囲内を通過する際に加熱と物品の直上方(例えばノズル開口が数ミリメートル間隔を開けた上方位置にセットされた状態)位置からの冷風吹きつけ冷却を同時に受けてカメラの視野範囲内において所要の温度差領域Reが形成される。この温度差領域は例えば3℃以上であればデータ取り込み後の画像処理において、欠陥部等の有無を良好な精度で検出可能であることが実証されている。
【0044】
赤外線カメラの視野範囲内において、所定の温度差領域Re部分(図6)を物品Jが通過する際に効率よく赤外線量を素子181が検出する(S5)。実際には、加熱された物品Jが赤外線カメラの視野範囲に入る前であって、ある程度範囲に近づいた状態であっても低レベルの線量は検出するが、温度画像として画像処理される場合には一定レベル以下の赤外線量の場合には物品以外として判定される。赤外線による物品Jのデータはデータ処理装置12の読み込みデータ処理部34において、所要の時間間隔Hで読み込まれ、順次、読み込み順序で記憶部26に一時記憶される(S6)。次に、読み込みデータ処理部34により所要の時間間隔で順次読み込まれた量子化データは、記録部36において記憶部26から読み出され、画素データとして分割された画像フレームに順次書き込まれて記録される(S7)。図9は、この際のデータの画像フレームへの書き込み関係を示しており、所要の時間間隔Hで赤外線情報を読み込んだ順番で記憶されたデータをF1(a)、F1(b)、F1(c)・・・、F2(a)、F2(b)、F2(c)・・・の各フレームに書き出し、それをさらに読み込み順に関連づけて記録させる。次に、それらの各画像フレームから所定の位置Pでかつ所定の抽出幅Wで抽出データを生成する(S8)。抽出された以外のそれらの各画像フレーム内のデータは廃棄される。図10は、各画像フレームからの温度差領域Reに対応する部分を切り出す工程を説明したものであり、物品の移動速度VJと読み取り時間間隔Hで設定される読み込み時間THとの積で決まる物品の移動量に対応した画素数を物品の移動方向に沿う方向に確保し、移動方向と直交方向にフレームを直線状に切り取るように切り出すことにより、例えば図6の赤外線カメラの視野範囲での温度差領域Reに一致させた位置Pで抽出することができる。この切り出し抽出工程を各フレームF1(a)、F1(b)、F1(c)・・・、F2(a)、F2(b)、F2(c)・・・について行い、その際に抽出データSn(α)(n=自然数、α=a,b,c,・・・)を得ることができる。そして、物品Jのすべての表面(上面)について赤外線カメラの視野領域での検出作業を行うように図8のように、必要に応じて複数回の走査をおこない、かつ、これを縦方向と横方向についてそれぞれ行なう。次に、画像処理部24において、図12に示すように、抽出データについて各行、各列ごとに平均値を算出し(S9)、平均との差分値を各画素データに置き換え(S10)(図13)、それらの差分値について予め設定した閾値と比較して閾値を超えるものを欠陥ありと判定する(S11)。そして、各画素フレームを合成して(図11)欠陥部等の位置を特定する(S12)。合成されたデータは色づけ、補正処理等を加えられて表示装置20に出力されて物品を画像表示させる。また、合成されたデータを用いて物品の欠陥部等の有無のみを音、光、振動等により外部に報知するようにしてもよい。
【0045】
以上説明したように、本発明の移動物品の欠陥部等の検出方法を含む画像処理プログラム並びにデータ処理装置は、移動中の物品の移動速度と読み取り時間間隔に関連づけて物品の読み取りデータから抽出データを作成して前処理したデータを画像処理等のデータ処理の基礎とするから欠陥部等の検出を簡単な装置構成でしかも高精度で短時間に実現させ得る。
【0046】
本発明の移動物品の欠陥部等の検出方法、画像処理プログラム並びにデータ処理装置は上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲を逸脱しない範囲の変更も本発明に含まれる。例えば、赤外線撮像装置18は、上記の実施形態では、固定状態とされ、一定の視野範囲で一定の視野領域において被検体を撮像するようにしているが、これに限らず、被検体物品Jに対して相対的に移動しながら被検体から放射される赤外線を検出するようにしてもよい。また、複数の検出位置で対応する撮像装置、データ処理装置を設けて同時に複数の物品の移動を可能とするように移動装置を構成し、同時に複数の欠陥部等検出を行えるようにしてもよい。また、赤外線撮像装置から取り込んだ熱エネルギーデータの前処理後の画像処理方法は、上記の差分処理に限らず、前処理工程での機能を減殺しない任意のデータ処理による欠陥部等検出としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明の移動物品の欠陥部等の検出方法、画像処理プログラム並びにデータ処理装置は、種々の原材料、半製品、製品の表面又は内部のクラックあるいは表面異物付着を含む欠陥部等の検出において、有効に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の実施形態に係る被検体物品の欠陥部等の検出方法を用いたシステム全体の概略構成説明図である。
【図2】図1のシステムのブロック構成説明図である。
【図3】図1の被検体物品部分の拡大平面説明図である。
【図4】被検体物品への冷却流体吹き付け構成の他のノズル配置例を示す図である。
【図5】被検体物品への冷却流体の種々のノズル口の形状、配列の例を示す図である。
【図6】赤外線カメラの視野イメージを示す説明図である。
【図7】各画像フレームの構成と、同画像フレーム中のデータ抽出範囲を示す説明図である。
【図8】(a)、(b)は、物品側の移動による赤外線カメラ視野範囲での走査方法を示す図である。
【図9】所定間隔でのフレームの読み出しによる複数フレーム構成と、各フレームの読み込み順配列例を示す説明図である。
【図10】各フレームからの抽出位置と抽出範囲をそれぞれのフレームについて行う状態の説明図である。
【図11】画像処理部において、各抽出データの読み込み順での繋ぎ合わせ合成例を示す説明図である。
【図12】画像処理部における合成データ繋ぎ合わせ前の差分処理例を示す説明図である。
【図13】画像処理部における合成データ繋ぎ合わせ前の差分処理例を示す説明図である。
【図14】本発明の実施形態に係る被検体物品の欠陥部等の検出方法を用いたシステム全体の動きを示したフローチャート図である。
【符号の説明】
【0049】
10 物品の欠陥部等の検出装置
12 データ処理装置
14 移動装置
16 温度差受台
17 熱作用装置
18 赤外線撮像装置
20 表示装置
22 前処理部
24 画像処理部
26 記憶部
28 処理プログラム
32 制御部
34 読み込みデータ処理部
36 記録部
38 読み出し・抽出処理部
171 加熱器
175 冷却装置
181 撮像素子
185 赤外線カメラ視野領域
J 被検体物品
VJ 移動速度
Re 温度差領域
W 抽出幅
H 赤外線データの読み込み間隔
P 画像フレームでの抽出位置
R 赤外線


【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動中の物品を検出手段により検出し、得られる物理データを画像として処理して物品の欠陥部等の検出を行う移動物品の欠陥部等の検出方法であり、
検出手段により連続して入力される移動中の物品からの物理データを所要の読み取り間隔で読み取って単位時間当たりの複数の読み取りデータを記憶手段により順次記憶させ、
記憶された物品からの物理データを画素データとして順次分割されたフレームに読み出し、
物品の移動速度と読み取り時間間隔とに相関する物品の移動量に対応した抽出幅で各フレームのデータから抽出して各フレームデータからそれぞれ抽出画素データを生成し、
抽出された画素データを基礎にこれらを処理して欠陥部等の検出を行う移動物品の欠陥部等の検出方法。
【請求項2】
抽出された画素データの各行、各列ごとのデータの平均値を算出して平均値と画素データ中の各画素との差分値を各画素データについて置き換え処理し、それらの差分値の閾値との比較により欠陥部等の有無を判定することを特徴とする請求項1記載の移動物品の欠陥部等の検出方法。
【請求項3】
物品は、加熱と冷却の異なる熱要素が同時に加えられて所要の温度差領域が形成され、
検出手段は該温度差領域から検出する熱エネルギー又は温度を検出して所要の読み取り間隔で読み取るものであることを特徴とする請求項1又は2記載の移動物品の欠陥部等の検出方法。
【請求項4】
検出手段は、移動中の物品からの熱エネルギー量を検出して熱画像データを生成する赤外線撮像手段であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の移動物品の欠陥部等の検出方法。
【請求項5】
物品は加熱又は冷却されながら平面上を移動する際に冷却用流体又は加熱用流体が表面から吹きつけられて温度差領域が形成され、
検出手段の視野範囲に対応するフレームであって、物品からの物理データから画素データとして順次読み出されたフレーム中の該温度差領域に対応する位置を画像フレームにおける抽出位置として設定することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の移動物品の欠陥部等の検出方法。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載の移動物品の欠陥部等の検出方法をコンピュータに実行させる工程を含む画像処理プログラム。
【請求項7】
請求項6記載のプログラムがインストールされた記憶部を有するデータ処理装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−216159(P2008−216159A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−56549(P2007−56549)
【出願日】平成19年3月7日(2007.3.7)
【出願人】(393007916)株式会社九州ノゲデン (10)
【Fターム(参考)】