移動状況取得装置
【課題】確実に移動体の移動状況を取得することができ、また、リアルタイムにデータ収集を行わない場合には安価に移動状況を取得し、有効に活用することができる移動状況取得装置を提供する。
【解決手段】送光部12,13からは場所情報が光信号により放射されている。その光信号が床面14で乱反射された反射光を、移動状況取得装置11は受光部21で受光し、情報取得部22により光信号から送られてきた場所情報を取得する。例えば送光部12と移動状況取得装置11との間に遮蔽物がある場合でも、床面14により乱反射した反射光であれば受光することができ、確実に安定して光信号を受光して場所情報を取得することができる。取得した場所情報から、移動体の移動状況を把握することができる。
【解決手段】送光部12,13からは場所情報が光信号により放射されている。その光信号が床面14で乱反射された反射光を、移動状況取得装置11は受光部21で受光し、情報取得部22により光信号から送られてきた場所情報を取得する。例えば送光部12と移動状況取得装置11との間に遮蔽物がある場合でも、床面14により乱反射した反射光であれば受光することができ、確実に安定して光信号を受光して場所情報を取得することができる。取得した場所情報から、移動体の移動状況を把握することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光無線伝送を利用して移動体の位置情報を取得し、該位置情報を基に移動体の移動状況を取得する移動状況取得装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、店舗や病院等で顧客や患者の位置取得を行い所在の確認や行動の把握をする動線調査方法として、監視カメラを利用する方法や、監視員に追尾させる方法等が行われている。しかし、上記従来方法は、プライバシーを侵す、手間やコスト負担が大きい、調査サンプル数が限られるという様々な問題により、限定的に実施されるにとどまっていた。
【0003】
一方、監視員によらず自動的に位置取得を行う方法としては、特許文献1に開示された方法がある。図14は、従来の移動状況を取得するシステムの一例の説明図、図15は、同じく構成の一例を示すブロック図である。図中、110は基地局、120は位置センサユニット、130は携行ユニット、111はコンピュータ、111aは制御部、111bは表示部、112は受信/送信部、113はアンテナ、121は受信部、122は焦電センサ、123は赤外線投光部、131は赤外線受光部、132は送信部である。この従来の方法では、基地局110と、位置センサユニット120と、人体(被験者)の肩等に装着して保持される携行ユニット130から構成される。位置センサユニット120は、建物の天井部に2m程度のピッチをおいて多数個配設される。
【0004】
基地局110は、図15に示すようにコンピュータ111と、電波の受信及び送信を行う受信/送信部112から成る。なお、図14に示したアンテナ113は受信/送信部112に設けられる。コンピュータ111は、制御部111aと表示部111bを備えている。
【0005】
位置センサユニット120は、電波の受信部121と人体を検出する焦電センサ122と赤外線投光部123から成り、携行ユニット130は、赤外線受光部131と電波を送信する送信部132から成る。
【0006】
このような構成のシステムにおいて、床上を歩行する人体(被験者)を焦電センサ122が検出すると、赤外線投光部123は位置IDコードを携行ユニット130に赤外線で発信する。すると携行ユニット130はこの信号を受信し、携行ユニット130は自己IDデータに位置IDコードを付加した合成信号を基地局110へ電波で送信する。
【0007】
基地局110のコンピュータ111は、受信したデータに基づいて人体を認識するとともに、動線(人体の動き)を演算し、必要なデータをメモリに格納するとともに表示部111bに表示する。
【0008】
このような従来の技術によれば、人を介在せずに自動的に位置情報が取得でき、プライバシーの問題は軽減されるが、以下の問題があった。すなわち、人体(被験者)の肩等に装着して保持される携行ユニット30は、著しい装着感を伴う。さらに、赤外線を遮りなく直接受信する構成であることから、姿勢や装着状態を維持することが要求される。そのため、長期間、定常的に稼働するには無理があった。あるいは、頭などの陰になり正常な受信ができない場合が頻発することになる。
【0009】
また、従来の技術では基地局を設けてリアルタイムで情報を基地局へ無線で送信している。しかし、必ずしもリアルタイムで集中管理しなくても、データを後で解析すればよい場合もある。このような用途においては、基地局を設けて位置情報を無線で基地局に送信するといった構成はコスト上昇要因となるという問題があった。
【0010】
【特許文献1】特開平10−293886号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、移動体となる人物や、移動体を利用する利用者など、人に対して負担をかけずに、確実に移動状況を取得することができる移動状況取得装置を提供することを目的とするものである。また、リアルタイムにデータ収集を行わない場合にも対応できるとともに、その場合には安価に移動状況を取得し、また有効に活用することができる移動状況取得装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、少なくとも光信号を受信して移動体の移動状況を取得する移動状況取得装置であって、前記光信号を受光する受光手段と、受光手段で受光した光信号から送られてきた情報を取得する情報取得手段を有し、前記光信号は場所情報を送信しており、前記受光手段は、前記移動体の下部に設けられ、床面による前記光信号の反射光を受光し、前記情報取得手段により前記場所情報を得ることを特徴とするものである。
【0013】
このように本発明では、床面による反射光を受光することから、光信号を発光する送光装置は天井等の上方位置に限られず、例えば床近傍の下方位置、又は上方位置と下方位置の両方に設置することができる。上方位置に設けられる送光装置は照明と兼用することができ、下方位置に設けられる送光装置は発光素子を直線状に複数配置して構成することができる。
【0014】
移動体の移動とともに取得される場所情報は、記憶手段に逐次記憶しておくことができる。このとき、時計手段から時刻情報を取得して、時刻情報とともに場所情報を記憶させるとよい。さらに、一連の場所情報、あるいは時刻情報と場所情報を移動状況として、移動している人や物などの移動体を特定するID情報と関連づけておくことができる。ID情報も光信号により受信し、ID情報の受信により移動状況の取得を開始し、あるいは取得を終了すればよい。移動状況の取得の開始あるいは終了は、ほかにも所定の場所情報を取得することにより行い、特に移動体の収容場所を示す所定の場所情報を取得することにより行うことができる。
【0015】
移動状況をID情報と関連づけておく場合、さらに時刻情報とも関連づけておき、この時刻情報に基づいて、ID情報の送信元が保有する情報と移動状況との関連づけを行うことができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、送光装置からの光信号を床面の反射により受信することにより、移動体への装置の装着負担が少なく、かつ遮蔽物に対する耐性の高い安定した受信が可能となる。また、送光装置を天井位置あるいは床面近傍位置に設置するなど、送光装置の設置にも自由度が増し、柔軟性の高い通信環境が設定できる。さらに、装置内に移動状況を蓄積できることから基地局を設ける必要がなく、安価に、しかも自動的に移動状況を取得することができる。さらにまた、取得した移動状況とID情報や時刻情報と関連づけておくことにより、これらのID情報、時刻情報と外部の情報とをリンクさせることができ、取得した移動情報を有効に活用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1は、本発明の実施の一形態を示す構成図である。図中、11は移動状況取得装置、12,13は送光部、14は床面、21は受光部、22は情報取得部である。送光部12,13は、送信すべき情報により変調された光を放射するものである。送光部は複数設けられ、送信すべき情報としてここでは場所情報を送信する送光部を含むものとする。もちろん場所情報以外の情報を送信する送光部が存在していてもよい。図1に示した例では、送光部12は天井等の上方位置から光を照射する例を示すものであり、例えば照明手段を兼ね、照明光を送信すべき情報によって変調するものであってよい。また、送光部13は床近傍の下方位置から光を照射する例を示すものであり、例えば発光素子を直線状に複数配置して構成するとよい。もちろんフットライトと兼用してもよい。これらの送光部12及び13は、いずれか一方があればよく、もちろん両方を設置してもよい。また、場合によっては送光部12と送光部13の中間的な位置に配置してもよい。
【0018】
移動状況取得装置11は、移動体に設けられており、送光部12や13などから送られてくる光信号を受信して、移動体の移動状況を取得する。移動体は、例えば人や動物、あるいは人や動物または他の動力により移動している物体などである。移動状況取得装置11は、少なくとも受光部21及び情報取得部22を含んで構成されている。
【0019】
受光部21は、送光部12や13などが発光し、床面14で乱反射した光信号を受光して電気信号に変換する。床面14からの反射光を受光するため、この受光部21は移動体の下部に設けられる。
【0020】
情報取得部22は、受光部21で受光した光信号から、送られてきた情報を取得する。例えば送光部12,13から送られてきた場所情報を取得することができる。もちろん、このほかの情報についても取得できるようにしておいてよい。
【0021】
図2は、本発明の実施の一形態における動作の概要の説明図である。図中、31は照射範囲、32は反射光、33は遮蔽物、34は影領域である。図2では、送光部12からの光信号を移動状況取得装置11で受光する例を示している。
【0022】
送光部12からの光は所定の指向性で照射され、照射範囲31の領域に光が照射されることになる。この光は床面14に到達し、一般的には乱反射する。本発明では、乱反射した反射光32を移動状況取得装置11の受光部21で受光する。
【0023】
送光部12からの直接光を受光する構成でも、照射範囲31内であれば光信号を受光することができる。しかし、送光部12と受光部21の間に遮蔽物33が存在する場合、影領域34が発生する。この影領域34が受光部21の受光面を覆うと光信号を受けることができなくなる。このように、送光部12からの直接光を受光する方式は、送信と受信の間に小さな遮蔽物が入るだけで通信が不能となる脆弱性がある。
【0024】
本発明のように床面14で乱反射した反射光32を受光する構成では、影領域34が存在していても、その影領域34の外側周辺の床面14で乱反射した反射光32を受光可能であるため、直射光を受光する方式に比較して遮蔽物に対する耐性が格段に向上する。また、影領域34でもそれ以外の照射範囲31であっても、床面14で乱反射した反射光32の光強度の違いは小さく、安定した受信性能が得られる。さらに、受光部21を例えば移動体の下部に設置できることから、その上部を有効に活用することができるとともに、受光部21の設置を意識することなく使用することができる。
【0025】
なお、送光部13のように床面14近傍の下方位置から光を照射する場合についても、基本的には床面14で乱反射した反射光32を受光する。もちろん、直接光が受光されてもよい。送光部13のように床面14近傍の下方位置に設置されている場合、送光部12のように上方位置から光を照射する場合に比べて遮蔽物による影響は少なく、また受光部21までの距離も短くなることが予想されることから、より安定した通信が可能である。状況に応じて送光部を天井又は床近傍に設ければよく、柔軟な伝送環境の設定が可能である。
【0026】
以下、いくつかの応用例について説明する。まず、本発明を介護ハウスなどにおいて被介護者の位置を管理するシステムへ適用した例について示す。図3は、本発明の第1の応用例を示す構成図、図4は、本発明の第1の応用例における移動状況取得装置及びセンター装置の一例を示す構成図である。図中、41は電源線、42は送光部、43は場所情報発生部、44は変調部、45は照明光源、46は照明光、47は被介護者、48は靴、23は送信部、51はセンター装置、52は受信部、53は制御部、54は表示部である。介護ハウスの天井には複数の送光部42が電源線41に接続されて設置されている。送光部42は図1における送光部12に対応するものであり、場所情報発生部43、変調部44及び照明光源45を含んで構成されている。場所情報発生部43は、それぞれの送光部12が設置されている場所を示す場所情報を発生させる。変調部44は、電源線41から供給される電力を場所情報発生部43で発生した場所情報により変調し、一例として搬送周波数38kHzのAM信号として照明光源45に供給される。照明光源45は、例えば発光素子として白色LED等の高速で点滅あるいは光量が制御可能な素子で構成されており、変調部44で変調された光を発光し、放射する。一例として、上記AM信号により強度変調された照明光46が照射される。
【0027】
被介護者47には、介護ハウスで用意した靴48を着用させる。靴48には靴底に移動状況取得装置11が組み込まれており、その受光部21の受光方向を床面に向けてある。被介護者47が照明光46により照射される領域に入り、歩行に伴い、靴48と床面の間に一定の間隔が発生すると床面で反射散乱された照明光46が受光部21に入射する。あるいは、靴48の周囲の床面で反射散乱された照明光46を受光部21で受光するように構成してもよい。
【0028】
移動状況取得装置11は、基本的には図1に示すものであるが、ここでは図4に示すように送信部23を追加している。照明光46が受光部21に入射すると、受光部21により電気信号に変換され、情報取得部22により場所情報が取得される。情報取得部22は、取得した場所情報と靴ごとに付られた靴IDを併せて送信部23に送る。送信部23からは例えば無線LAN等の電波無線などによってセンター装置51に無線信号として場所情報と靴IDを送る。
【0029】
センター装置51は、受信部52、制御部53、表示部54などを含んで構成されている。受信部52は、移動状況取得装置11の送信部23から送られる電波を受信して場所情報と靴IDを制御部53に送る。制御部53には図示しないメモリ手段が設けられておりメモリ手段に受信した場所情報と靴IDが記憶される。また、制御部53は取得した場所情報と靴IDに基づいて、被介護者47の場所などを文字又は画像情報として表示部54に表示させる。
【0030】
この応用例では、本発明の移動状況取得装置11を靴底などに組み込むため、被介護者47は移動状況取得装置11の装着を全く意識することが無くなるため、被介護者47の心理的圧迫は無くなる。また、上述のように場所情報を取得するための光信号を直射による光受信ではなく、床反射により達成することにより、被介護者47の姿勢などに影響されず、安定して場所情報を取得することができる。
【0031】
ここでは靴48に移動状況取得装置11を組み込んだ例を示したが、例えばズボンやベルト、ウエストポーチなど、被介護者47が身につける様々なものに組み込むことができる。
【0032】
被介護者47の身体に移動状況取得装置11を取り付ける以外にも、介護ハウスにおいては、移動状況取得装置11を車イスの下部に設置することができる。図5は、車いすへの装着例の説明図である。図中、49は車いすである。例えば図5に示した例では、車いす49の足置きステップの裏側に、少なくとも移動状況取得装置11の受光部21を設置している。もちろん足置きステップ以外でも、床からの反射光を受光できる場所であれば受光部21を設置可能である。
【0033】
この例において例えば直射光を受光しようとすると、手すりの上部分や後部ハンドル上方部分に受光器を設けざるを得ず、車いす49の使用に邪魔になったり、被介護者や介護者の体による遮蔽が頻繁に発生し、場所情報を取得できなくなる。これに対し、本発明のように床からの反射光を受光する方法では、人体による遮蔽がほぼ解消可能であると共に、受光部21は目立たないところに邪魔にならず設置可能で、装着による不快感を解決できる。
【0034】
車いす以外にも、介護ハウスで用いられる様々な用具に本発明の移動状況取得装置11を組み込むことができ、例えば杖やリハビリテーションのための用具などに組み込んでもよい。さらに、介護ハウス以外にも、病院における患者の管理など、センターで集中的に移動状況を管理する様々な用途に適用可能である。
【0035】
次に、スーパーマーケット店舗における動線調査に応用した例について、以下に説明する。店舗における動線調査を行う場合には、上述の介護ハウスのようにリアルタイムでセンターにより管理する必要がなく、データを収集しておいて後で解析を行えばよい。ここではそのような用途への応用例として説明する。
【0036】
図6は、店舗における商品陳列棚及び送光部の配置の一例の説明図であり、図6(A)は平面図、図6(B)は斜視図である。図中、61,62は陳列棚、63、64は光照射領域である。店舗における商品陳列棚は、例えば図6に示すように、外周に設置される陳列棚61と内側に並んで配置される棚62により構成されるのが一般的である。
【0037】
このような環境下で、天井等の上方位置から光を照射する送光部12と、床近傍の下方位置から光を照射する送光部13とを使い分けて設置する。送光部12は外周に設置される陳列棚61と、内側に並んで配置される陳列棚62との間に構成される通路床面をカバーする光照射領域63に光を照射するよう配置している。また、送光部13は内側に並んで配置される陳列棚62の例えば中央部などに設置する。
【0038】
図7は、送光部13の具体例を示す斜視図である。図中、71は発光素子、72はケースである。陳列棚62に設置する送光部13は、例えば図7に示すように複数の発光素子71を直線状に棒状のケース72に取り付けた形態のものを用いることができる。このような送光部13を用いることによって、通路内で他の顧客により光が遮られる問題を回避する。送光部13からの光は通路へ向けて放射されるので、反対側の陳列棚に遮蔽された陳列棚間の通路床面をカバーする光照射領域64に照射される。なお、天井などの上方位置から光を照射する送光部12についても、図7に示した構造により構成してもよい。
【0039】
図8は、移動状況取得装置を買い物カートに取り付けた一例の説明図である。図中、81は買い物カートである。店舗における動線調査では、移動状況取得装置を買い物カート81に取り付けておくとよい。この場合、顧客に装着してもらわなくてもよいため、顧客への負担はない。
【0040】
特に本発明では、移動状況取得装置11の受光部21は、例えば買い物カート81の底部などの下部に設けられており、送光部12や送光部13から放射され、床面で乱反射した反射光を受光部21によって受光する。例えば天井に設置された光源からの直接光を受光する方式では、買い物カート81の上部に受光部21を設けなければならず、顧客の体や購入する商品等によって覆われてしまう場合がある。しかし、床面の反射光を受光する本発明の方式では、買い物カート81の下部に受光部21を設けることができるので、受光を妨げられることはほとんどない。
【0041】
顧客は買い物カート81とともに店舗内を移動するに伴い、図6に示した送光部12または送光部13の光照射領域63または64を通過する。その際に、送光部12または送光部13から送られてくる、それぞれの場所情報を逐次受信し、取得することができる。
【0042】
図9は、本発明の第2の応用例における移動状況取得装置の一例を示す構成図である。図中、24はメモリ、25は時計部、26は出力部である。この応用例において用いる移動状況取得装置11としては、図1に示した構成に加えてメモリ24、時計部25、出力部26などを含んでいる。時計部25からは時刻情報が提供される。出力部26はメモリ24に蓄積された場所情報および時刻情報を外部に出力するものであり、その利用については後述する。
【0043】
情報取得部22は、受光部21で受光した光信号から場所情報を取得し、さらに時計部25から時刻情報を取得して、場所情報と時刻情報とを組み合わせてメモリ24に格納する。買い物カート81の移動に伴って、売り場の天井あるいは通路脇に設けられた送光部12あるいは13の光照射領域63または64を通過するごとに、それぞれの場所情報を順次取得し、時刻情報とともにメモリ24に蓄積してゆく。これにより、メモリ24には、場所情報と時刻情報の対が蓄積されてゆくことになる。
【0044】
顧客は買い物を終えるとレジにて料金の支払いを行う。図10は、レジを含む店舗の一例の平面図、図11は、買い物カートのレジ通過時の位置関係の一例の説明図である。図中、82はレジ、83はレジID送信部、84は顧客カードである。この応用例では、レジ82にも送光部13と同様のレジID送信部83を設けている。ただし、レジID送信部83は売り場に設置した送光部12,13とは異なる、特有のレジIDを光信号により送出する。このレジID送信部83は、レジ82が設置された台の通路側下部に設けておく。
【0045】
レジで顧客が精算を行う際、買い物カート81はレジの通路を進むことによりレジID送信部83に近接する。その際に、買い物カート81に取り付けられた移動状況取得装置11の受光部21はレジID送信部83からの光信号を受光し、レジ82に対応する特有なレジIDを取得する。情報取得部22は、取得したレジIDと時計部25から取得した時刻情報とを対応づけてメモリ24に格納する。このレジIDを取得するまでの場所情報と時刻情報の対を、ある1人の顧客が店内を移動した移動状況とする。顧客の買い物はレジ通過により終了すると考えてよく、その点から移動状況のデータの区切りを、レジIDを取得した時刻により設定することができる。
【0046】
ところで、スーパーマーケット等の店舗ではレジ82で買い物の精算を行うに際し、顧客カード84を読み取り、顧客の購入履歴を取得することにより購入状況分析や顧客サービスに活用する顧客カードシステムが広く導入されている。顧客カードには少なくとも顧客ごとに固有な顧客IDが記憶されており、レジで読み込むことにより、各顧客の購入品、購入日時などがカード読取装置を介してホストコンピュータに送られ、蓄積される。
【0047】
上述の通り、移動状況取得装置11にはレジ82を通過の際に取得したレジIDとレジを通過した時刻情報との対がメモリ65に記憶される。このレジIDに対応づけられた時刻情報と顧客カードシステムで取得した購入日時のデータとを照合することにより、レジ通過時刻を基準に移動状況取得装置11で取得した移動状況のデータと顧客カードシステムの取得データとの関連付けを行うことができる。
【0048】
なお、ここでは時刻情報により移動状況のデータと顧客カードシステムの取得データとの関連づけを行っているが、例えば一意に振られるレシート番号などをレジIDの代わりに、あるいはレジIDとともに光信号により送り、移動状況取得装置11で取得して、それまでの移動状況のデータの区切りとしてもよい。この場合、顧客カードシステムとの対応付けもレシート番号などによって一意に行うことができる。
【0049】
また、レジで支払いを行う際、家族連れのように複数人で買い物に訪れる顧客の場合、買い物カートから買い物カゴのみをレジに置き、買い物カートはレジを通過せずに買い物カート置き場に返却されることがある。その場合は、レジIDを取得できず、移動状況のデータを区切ることができずに次の顧客の移動状況が連続して1顧客動線情報として扱われることとなる。そのような事態に対応するため、買い物カート置き場に置き場専用の特別なIDを送信する置き場ID送信部を設置し、その置き場IDを取得したらそれまでの移動状況のデータをひとまとめにするように構成してもよい。さらに、レジ82でのレジIDの取得またはカート置き場におけるIDの取得によって、次の顧客の移動状況の取得を開始するものとしてもよい。
【0050】
移動状況取得装置11内のメモリ24に蓄積された移動状況のデータは、出力部26を介して取り出し、例えば上述のような顧客カードシステムとの連携を図ることができる。例えば出力部26に設けられたコネクタに信号線を接続し、外部との通信を行って移動状況のデータを転送することができる。
【0051】
一方、移動状況取得装置11は買い物カート81に取り付けられることから、動作中に電源線との接続を図ることができず、バッテリにより駆動することになる。従って、顧客の買い物カート81の使用とともにバッテリは消耗してゆくため、所定の間隔でバッテリの充電を行う必要がある。
【0052】
このバッテリの充電とともに、移動状況のデータの転送を行う例を示す。図12は、充電集信装置の一例の説明図である。図中、91は充電集信装置、92は挿入スロット、93はデータコネクタ、94は電源コネクタ、95はバッテリチャージャ、96はハブ、97はSW電源である。例えば店舗の営業時間終了後毎日または1週間ごとなど、所定の期間ごとに買い物カート81から移動状況取得装置11を取り外し、図12(A)に示す充電集信装置91の挿入スロット92に挿入して内蔵バッテリの充電と移動状況のデータの転送を行う。充電集信装置91には多数の挿入スロット92が設けられており、複数の移動状況取得装置11の充電とデータ転送を一括して行うことができる。
【0053】
充電集信装置91は、例えば図12(B)に示すように構成することができる。上述のように移動状況取得装置11は挿入スロット92に挿入する。挿入スロットには充電用の電源コネクタ94と移動状況のデータを転送するためのデータコネクタ93が設けられている。移動状況取得装置11を挿入スロット92に挿入することにより、両コネクタを介して充電集信装置91と接続される。なお、データコネクタ93と電源コネクタ94は1個のコネクタで充電とデータ転送を行うように構成してもよい。
【0054】
各電源コネクタ94はバッテリチャージャ95に接続され、図示しない移動状況取得装置11の内蔵バッテリの充電が行われる。バッテリチャージャ95はSW電源97により電源供給を受ける。また、各データコネクタ93は例えばハブ96に接続され、移動状況取得装置11に格納されていた移動状況のデータはハブ96を介してホストコンピュータなどに転送される。データ転送のためのインタフェースは任意であるが、例えばUSBなどを用いることができる。
【0055】
ホストコンピュータに移動状況のデータを転送した後、転送された移動状況のデータをもとに動線解析を行うことができる。ホストコンピュータに転送された移動状況のデータは、例えばデータベースで管理しておく。そして、解析する状況に合わせて、日付、曜日、時間、移動状況取得装置11の装置番号など、種々の条件での絞り込みを行うことができる。このように移動状況のデータはデータベースから取り出される際に装置番号、日付、時間などをもとに並び替えを行うため、登録時に時系列で並んでいる必要がなく、ホストコンピュータへの移動状況のデータの収集方法について自由度が高くなる。
【0056】
データベースから取り出した移動状況のデータは、レジIDまたは置き場IDの情報をもとに顧客ごとの動線として分けられる。この際、レジIDの通過時間や各売り場の場所情報に関連付けられた商品情報をもとに、移動状況のデータを顧客情報と結びつけることができる。また、購入商品と売り場の場所情報から次の売り場の場所情報までの経過時間をもとに算出した滞留時間を関連付けることで購買情報と動線情報を関連付けて分析することができる。
【0057】
もちろん、複数の動線情報を集計し顧客全体の動線情報として分析を行うことや、店舗レイアウト上に通過回数や移動速度ごとに色分けしプロットすることで直感的にわかりやすい状態で表示することも可能である。
【0058】
上述の例では、取得した場所情報を移動状況取得装置11のメモリ24に蓄積し、定期的に移動状況取得装置11を取り外して充電集信装置91にセットしてデータを読み取り、ホストコンピュータに収集するものとして説明した。この場合、移動状況取得装置11には無線のデータ転送手段を設けずに構成することができる。しかしこれに限らず、移動状況取得装置11に無線の送信手段を設け、この送信手段を通じてメモリ24に蓄積している移動状況のデータを外部に転送するように構成してもよい。
【0059】
図13は、無線によるデータ転送を行う場合の一例を示す構成図である。図中、101、102は無線送受信部である。例えばレジ82のレジID送信部83の近傍にIrDA等の無線送受信部101を設け、また買い物カート81にも同様の無線送受信部102を設けておき、レジ82における精算の際に移動状況のデータをレジ82側に転送する用に構成してもよい。
【0060】
また、上述の例では移動状況取得装置11を買い物カート81に取り付けた例をもとに説明したが、買い物カートだけでなく買い物カゴの底面に取り付けてもよい。
【0061】
本発明は、上述した各応用例に限らず、移動体の位置や移動状況を把握する様々な用途に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の実施の一形態を示す構成図である。
【図2】本発明の実施の一形態における動作の概要の説明図である。
【図3】本発明の第1の応用例を示す構成図である。
【図4】本発明の第1の応用例における移動状況取得装置及びセンター装置の一例を示す構成図である。
【図5】車いすへの装着例の説明図である。
【図6】店舗における商品陳列棚及び送光部の配置の一例の説明図である。
【図7】送光部13の具体例を示す斜視図である。
【図8】移動状況取得装置を買い物カートに取り付けた一例の説明図である。
【図9】本発明の第2の応用例における移動状況取得装置の一例を示す構成図である。
【図10】レジを含む店舗の一例の平面図である。
【図11】買い物カートのレジ通過時の位置関係の一例の説明図である。
【図12】充電集信装置の一例の説明図である。
【図13】無線によるデータ転送を行う場合の一例を示す構成図である。
【図14】従来の移動状況を取得するシステムの一例の説明図である。
【図15】従来の移動状況を取得するシステムの構成の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0063】
11…移動状況取得装置、12,13…送光部、14…床面、21…受光部、22…情報取得部、23…送信部、24…メモリ、25…時計部、26…出力部、31…照射範囲、32…反射光、33…遮蔽物、34…影領域、41…電源線、42…送光部、43…場所情報発生部、44…変調部、45…照明光源、46…照明光、47…被介護者、48…靴、49…車いす、51…センター装置、52…受信部、53…制御部、54…表示部、61,62…陳列棚、63、64…光照射領域、71…発光素子、72…ケース、81…買い物カート、82…レジ、83…レジID送信部、84…顧客カード、91…充電集信装置、92…挿入スロット、93…データコネクタ、94…電源コネクタ、95…バッテリチャージャ、96…ハブ、97…SW電源、101、102…無線送受信部、110…基地局、120…位置センサユニット、130…携行ユニット、111…コンピュータ、111a…制御部、111b…表示部、112…受信/送信部、113…アンテナ、121…受信部、122…焦電センサ、123…赤外線投光部、131…赤外線受光部、132…送信部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、光無線伝送を利用して移動体の位置情報を取得し、該位置情報を基に移動体の移動状況を取得する移動状況取得装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、店舗や病院等で顧客や患者の位置取得を行い所在の確認や行動の把握をする動線調査方法として、監視カメラを利用する方法や、監視員に追尾させる方法等が行われている。しかし、上記従来方法は、プライバシーを侵す、手間やコスト負担が大きい、調査サンプル数が限られるという様々な問題により、限定的に実施されるにとどまっていた。
【0003】
一方、監視員によらず自動的に位置取得を行う方法としては、特許文献1に開示された方法がある。図14は、従来の移動状況を取得するシステムの一例の説明図、図15は、同じく構成の一例を示すブロック図である。図中、110は基地局、120は位置センサユニット、130は携行ユニット、111はコンピュータ、111aは制御部、111bは表示部、112は受信/送信部、113はアンテナ、121は受信部、122は焦電センサ、123は赤外線投光部、131は赤外線受光部、132は送信部である。この従来の方法では、基地局110と、位置センサユニット120と、人体(被験者)の肩等に装着して保持される携行ユニット130から構成される。位置センサユニット120は、建物の天井部に2m程度のピッチをおいて多数個配設される。
【0004】
基地局110は、図15に示すようにコンピュータ111と、電波の受信及び送信を行う受信/送信部112から成る。なお、図14に示したアンテナ113は受信/送信部112に設けられる。コンピュータ111は、制御部111aと表示部111bを備えている。
【0005】
位置センサユニット120は、電波の受信部121と人体を検出する焦電センサ122と赤外線投光部123から成り、携行ユニット130は、赤外線受光部131と電波を送信する送信部132から成る。
【0006】
このような構成のシステムにおいて、床上を歩行する人体(被験者)を焦電センサ122が検出すると、赤外線投光部123は位置IDコードを携行ユニット130に赤外線で発信する。すると携行ユニット130はこの信号を受信し、携行ユニット130は自己IDデータに位置IDコードを付加した合成信号を基地局110へ電波で送信する。
【0007】
基地局110のコンピュータ111は、受信したデータに基づいて人体を認識するとともに、動線(人体の動き)を演算し、必要なデータをメモリに格納するとともに表示部111bに表示する。
【0008】
このような従来の技術によれば、人を介在せずに自動的に位置情報が取得でき、プライバシーの問題は軽減されるが、以下の問題があった。すなわち、人体(被験者)の肩等に装着して保持される携行ユニット30は、著しい装着感を伴う。さらに、赤外線を遮りなく直接受信する構成であることから、姿勢や装着状態を維持することが要求される。そのため、長期間、定常的に稼働するには無理があった。あるいは、頭などの陰になり正常な受信ができない場合が頻発することになる。
【0009】
また、従来の技術では基地局を設けてリアルタイムで情報を基地局へ無線で送信している。しかし、必ずしもリアルタイムで集中管理しなくても、データを後で解析すればよい場合もある。このような用途においては、基地局を設けて位置情報を無線で基地局に送信するといった構成はコスト上昇要因となるという問題があった。
【0010】
【特許文献1】特開平10−293886号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、移動体となる人物や、移動体を利用する利用者など、人に対して負担をかけずに、確実に移動状況を取得することができる移動状況取得装置を提供することを目的とするものである。また、リアルタイムにデータ収集を行わない場合にも対応できるとともに、その場合には安価に移動状況を取得し、また有効に活用することができる移動状況取得装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、少なくとも光信号を受信して移動体の移動状況を取得する移動状況取得装置であって、前記光信号を受光する受光手段と、受光手段で受光した光信号から送られてきた情報を取得する情報取得手段を有し、前記光信号は場所情報を送信しており、前記受光手段は、前記移動体の下部に設けられ、床面による前記光信号の反射光を受光し、前記情報取得手段により前記場所情報を得ることを特徴とするものである。
【0013】
このように本発明では、床面による反射光を受光することから、光信号を発光する送光装置は天井等の上方位置に限られず、例えば床近傍の下方位置、又は上方位置と下方位置の両方に設置することができる。上方位置に設けられる送光装置は照明と兼用することができ、下方位置に設けられる送光装置は発光素子を直線状に複数配置して構成することができる。
【0014】
移動体の移動とともに取得される場所情報は、記憶手段に逐次記憶しておくことができる。このとき、時計手段から時刻情報を取得して、時刻情報とともに場所情報を記憶させるとよい。さらに、一連の場所情報、あるいは時刻情報と場所情報を移動状況として、移動している人や物などの移動体を特定するID情報と関連づけておくことができる。ID情報も光信号により受信し、ID情報の受信により移動状況の取得を開始し、あるいは取得を終了すればよい。移動状況の取得の開始あるいは終了は、ほかにも所定の場所情報を取得することにより行い、特に移動体の収容場所を示す所定の場所情報を取得することにより行うことができる。
【0015】
移動状況をID情報と関連づけておく場合、さらに時刻情報とも関連づけておき、この時刻情報に基づいて、ID情報の送信元が保有する情報と移動状況との関連づけを行うことができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、送光装置からの光信号を床面の反射により受信することにより、移動体への装置の装着負担が少なく、かつ遮蔽物に対する耐性の高い安定した受信が可能となる。また、送光装置を天井位置あるいは床面近傍位置に設置するなど、送光装置の設置にも自由度が増し、柔軟性の高い通信環境が設定できる。さらに、装置内に移動状況を蓄積できることから基地局を設ける必要がなく、安価に、しかも自動的に移動状況を取得することができる。さらにまた、取得した移動状況とID情報や時刻情報と関連づけておくことにより、これらのID情報、時刻情報と外部の情報とをリンクさせることができ、取得した移動情報を有効に活用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1は、本発明の実施の一形態を示す構成図である。図中、11は移動状況取得装置、12,13は送光部、14は床面、21は受光部、22は情報取得部である。送光部12,13は、送信すべき情報により変調された光を放射するものである。送光部は複数設けられ、送信すべき情報としてここでは場所情報を送信する送光部を含むものとする。もちろん場所情報以外の情報を送信する送光部が存在していてもよい。図1に示した例では、送光部12は天井等の上方位置から光を照射する例を示すものであり、例えば照明手段を兼ね、照明光を送信すべき情報によって変調するものであってよい。また、送光部13は床近傍の下方位置から光を照射する例を示すものであり、例えば発光素子を直線状に複数配置して構成するとよい。もちろんフットライトと兼用してもよい。これらの送光部12及び13は、いずれか一方があればよく、もちろん両方を設置してもよい。また、場合によっては送光部12と送光部13の中間的な位置に配置してもよい。
【0018】
移動状況取得装置11は、移動体に設けられており、送光部12や13などから送られてくる光信号を受信して、移動体の移動状況を取得する。移動体は、例えば人や動物、あるいは人や動物または他の動力により移動している物体などである。移動状況取得装置11は、少なくとも受光部21及び情報取得部22を含んで構成されている。
【0019】
受光部21は、送光部12や13などが発光し、床面14で乱反射した光信号を受光して電気信号に変換する。床面14からの反射光を受光するため、この受光部21は移動体の下部に設けられる。
【0020】
情報取得部22は、受光部21で受光した光信号から、送られてきた情報を取得する。例えば送光部12,13から送られてきた場所情報を取得することができる。もちろん、このほかの情報についても取得できるようにしておいてよい。
【0021】
図2は、本発明の実施の一形態における動作の概要の説明図である。図中、31は照射範囲、32は反射光、33は遮蔽物、34は影領域である。図2では、送光部12からの光信号を移動状況取得装置11で受光する例を示している。
【0022】
送光部12からの光は所定の指向性で照射され、照射範囲31の領域に光が照射されることになる。この光は床面14に到達し、一般的には乱反射する。本発明では、乱反射した反射光32を移動状況取得装置11の受光部21で受光する。
【0023】
送光部12からの直接光を受光する構成でも、照射範囲31内であれば光信号を受光することができる。しかし、送光部12と受光部21の間に遮蔽物33が存在する場合、影領域34が発生する。この影領域34が受光部21の受光面を覆うと光信号を受けることができなくなる。このように、送光部12からの直接光を受光する方式は、送信と受信の間に小さな遮蔽物が入るだけで通信が不能となる脆弱性がある。
【0024】
本発明のように床面14で乱反射した反射光32を受光する構成では、影領域34が存在していても、その影領域34の外側周辺の床面14で乱反射した反射光32を受光可能であるため、直射光を受光する方式に比較して遮蔽物に対する耐性が格段に向上する。また、影領域34でもそれ以外の照射範囲31であっても、床面14で乱反射した反射光32の光強度の違いは小さく、安定した受信性能が得られる。さらに、受光部21を例えば移動体の下部に設置できることから、その上部を有効に活用することができるとともに、受光部21の設置を意識することなく使用することができる。
【0025】
なお、送光部13のように床面14近傍の下方位置から光を照射する場合についても、基本的には床面14で乱反射した反射光32を受光する。もちろん、直接光が受光されてもよい。送光部13のように床面14近傍の下方位置に設置されている場合、送光部12のように上方位置から光を照射する場合に比べて遮蔽物による影響は少なく、また受光部21までの距離も短くなることが予想されることから、より安定した通信が可能である。状況に応じて送光部を天井又は床近傍に設ければよく、柔軟な伝送環境の設定が可能である。
【0026】
以下、いくつかの応用例について説明する。まず、本発明を介護ハウスなどにおいて被介護者の位置を管理するシステムへ適用した例について示す。図3は、本発明の第1の応用例を示す構成図、図4は、本発明の第1の応用例における移動状況取得装置及びセンター装置の一例を示す構成図である。図中、41は電源線、42は送光部、43は場所情報発生部、44は変調部、45は照明光源、46は照明光、47は被介護者、48は靴、23は送信部、51はセンター装置、52は受信部、53は制御部、54は表示部である。介護ハウスの天井には複数の送光部42が電源線41に接続されて設置されている。送光部42は図1における送光部12に対応するものであり、場所情報発生部43、変調部44及び照明光源45を含んで構成されている。場所情報発生部43は、それぞれの送光部12が設置されている場所を示す場所情報を発生させる。変調部44は、電源線41から供給される電力を場所情報発生部43で発生した場所情報により変調し、一例として搬送周波数38kHzのAM信号として照明光源45に供給される。照明光源45は、例えば発光素子として白色LED等の高速で点滅あるいは光量が制御可能な素子で構成されており、変調部44で変調された光を発光し、放射する。一例として、上記AM信号により強度変調された照明光46が照射される。
【0027】
被介護者47には、介護ハウスで用意した靴48を着用させる。靴48には靴底に移動状況取得装置11が組み込まれており、その受光部21の受光方向を床面に向けてある。被介護者47が照明光46により照射される領域に入り、歩行に伴い、靴48と床面の間に一定の間隔が発生すると床面で反射散乱された照明光46が受光部21に入射する。あるいは、靴48の周囲の床面で反射散乱された照明光46を受光部21で受光するように構成してもよい。
【0028】
移動状況取得装置11は、基本的には図1に示すものであるが、ここでは図4に示すように送信部23を追加している。照明光46が受光部21に入射すると、受光部21により電気信号に変換され、情報取得部22により場所情報が取得される。情報取得部22は、取得した場所情報と靴ごとに付られた靴IDを併せて送信部23に送る。送信部23からは例えば無線LAN等の電波無線などによってセンター装置51に無線信号として場所情報と靴IDを送る。
【0029】
センター装置51は、受信部52、制御部53、表示部54などを含んで構成されている。受信部52は、移動状況取得装置11の送信部23から送られる電波を受信して場所情報と靴IDを制御部53に送る。制御部53には図示しないメモリ手段が設けられておりメモリ手段に受信した場所情報と靴IDが記憶される。また、制御部53は取得した場所情報と靴IDに基づいて、被介護者47の場所などを文字又は画像情報として表示部54に表示させる。
【0030】
この応用例では、本発明の移動状況取得装置11を靴底などに組み込むため、被介護者47は移動状況取得装置11の装着を全く意識することが無くなるため、被介護者47の心理的圧迫は無くなる。また、上述のように場所情報を取得するための光信号を直射による光受信ではなく、床反射により達成することにより、被介護者47の姿勢などに影響されず、安定して場所情報を取得することができる。
【0031】
ここでは靴48に移動状況取得装置11を組み込んだ例を示したが、例えばズボンやベルト、ウエストポーチなど、被介護者47が身につける様々なものに組み込むことができる。
【0032】
被介護者47の身体に移動状況取得装置11を取り付ける以外にも、介護ハウスにおいては、移動状況取得装置11を車イスの下部に設置することができる。図5は、車いすへの装着例の説明図である。図中、49は車いすである。例えば図5に示した例では、車いす49の足置きステップの裏側に、少なくとも移動状況取得装置11の受光部21を設置している。もちろん足置きステップ以外でも、床からの反射光を受光できる場所であれば受光部21を設置可能である。
【0033】
この例において例えば直射光を受光しようとすると、手すりの上部分や後部ハンドル上方部分に受光器を設けざるを得ず、車いす49の使用に邪魔になったり、被介護者や介護者の体による遮蔽が頻繁に発生し、場所情報を取得できなくなる。これに対し、本発明のように床からの反射光を受光する方法では、人体による遮蔽がほぼ解消可能であると共に、受光部21は目立たないところに邪魔にならず設置可能で、装着による不快感を解決できる。
【0034】
車いす以外にも、介護ハウスで用いられる様々な用具に本発明の移動状況取得装置11を組み込むことができ、例えば杖やリハビリテーションのための用具などに組み込んでもよい。さらに、介護ハウス以外にも、病院における患者の管理など、センターで集中的に移動状況を管理する様々な用途に適用可能である。
【0035】
次に、スーパーマーケット店舗における動線調査に応用した例について、以下に説明する。店舗における動線調査を行う場合には、上述の介護ハウスのようにリアルタイムでセンターにより管理する必要がなく、データを収集しておいて後で解析を行えばよい。ここではそのような用途への応用例として説明する。
【0036】
図6は、店舗における商品陳列棚及び送光部の配置の一例の説明図であり、図6(A)は平面図、図6(B)は斜視図である。図中、61,62は陳列棚、63、64は光照射領域である。店舗における商品陳列棚は、例えば図6に示すように、外周に設置される陳列棚61と内側に並んで配置される棚62により構成されるのが一般的である。
【0037】
このような環境下で、天井等の上方位置から光を照射する送光部12と、床近傍の下方位置から光を照射する送光部13とを使い分けて設置する。送光部12は外周に設置される陳列棚61と、内側に並んで配置される陳列棚62との間に構成される通路床面をカバーする光照射領域63に光を照射するよう配置している。また、送光部13は内側に並んで配置される陳列棚62の例えば中央部などに設置する。
【0038】
図7は、送光部13の具体例を示す斜視図である。図中、71は発光素子、72はケースである。陳列棚62に設置する送光部13は、例えば図7に示すように複数の発光素子71を直線状に棒状のケース72に取り付けた形態のものを用いることができる。このような送光部13を用いることによって、通路内で他の顧客により光が遮られる問題を回避する。送光部13からの光は通路へ向けて放射されるので、反対側の陳列棚に遮蔽された陳列棚間の通路床面をカバーする光照射領域64に照射される。なお、天井などの上方位置から光を照射する送光部12についても、図7に示した構造により構成してもよい。
【0039】
図8は、移動状況取得装置を買い物カートに取り付けた一例の説明図である。図中、81は買い物カートである。店舗における動線調査では、移動状況取得装置を買い物カート81に取り付けておくとよい。この場合、顧客に装着してもらわなくてもよいため、顧客への負担はない。
【0040】
特に本発明では、移動状況取得装置11の受光部21は、例えば買い物カート81の底部などの下部に設けられており、送光部12や送光部13から放射され、床面で乱反射した反射光を受光部21によって受光する。例えば天井に設置された光源からの直接光を受光する方式では、買い物カート81の上部に受光部21を設けなければならず、顧客の体や購入する商品等によって覆われてしまう場合がある。しかし、床面の反射光を受光する本発明の方式では、買い物カート81の下部に受光部21を設けることができるので、受光を妨げられることはほとんどない。
【0041】
顧客は買い物カート81とともに店舗内を移動するに伴い、図6に示した送光部12または送光部13の光照射領域63または64を通過する。その際に、送光部12または送光部13から送られてくる、それぞれの場所情報を逐次受信し、取得することができる。
【0042】
図9は、本発明の第2の応用例における移動状況取得装置の一例を示す構成図である。図中、24はメモリ、25は時計部、26は出力部である。この応用例において用いる移動状況取得装置11としては、図1に示した構成に加えてメモリ24、時計部25、出力部26などを含んでいる。時計部25からは時刻情報が提供される。出力部26はメモリ24に蓄積された場所情報および時刻情報を外部に出力するものであり、その利用については後述する。
【0043】
情報取得部22は、受光部21で受光した光信号から場所情報を取得し、さらに時計部25から時刻情報を取得して、場所情報と時刻情報とを組み合わせてメモリ24に格納する。買い物カート81の移動に伴って、売り場の天井あるいは通路脇に設けられた送光部12あるいは13の光照射領域63または64を通過するごとに、それぞれの場所情報を順次取得し、時刻情報とともにメモリ24に蓄積してゆく。これにより、メモリ24には、場所情報と時刻情報の対が蓄積されてゆくことになる。
【0044】
顧客は買い物を終えるとレジにて料金の支払いを行う。図10は、レジを含む店舗の一例の平面図、図11は、買い物カートのレジ通過時の位置関係の一例の説明図である。図中、82はレジ、83はレジID送信部、84は顧客カードである。この応用例では、レジ82にも送光部13と同様のレジID送信部83を設けている。ただし、レジID送信部83は売り場に設置した送光部12,13とは異なる、特有のレジIDを光信号により送出する。このレジID送信部83は、レジ82が設置された台の通路側下部に設けておく。
【0045】
レジで顧客が精算を行う際、買い物カート81はレジの通路を進むことによりレジID送信部83に近接する。その際に、買い物カート81に取り付けられた移動状況取得装置11の受光部21はレジID送信部83からの光信号を受光し、レジ82に対応する特有なレジIDを取得する。情報取得部22は、取得したレジIDと時計部25から取得した時刻情報とを対応づけてメモリ24に格納する。このレジIDを取得するまでの場所情報と時刻情報の対を、ある1人の顧客が店内を移動した移動状況とする。顧客の買い物はレジ通過により終了すると考えてよく、その点から移動状況のデータの区切りを、レジIDを取得した時刻により設定することができる。
【0046】
ところで、スーパーマーケット等の店舗ではレジ82で買い物の精算を行うに際し、顧客カード84を読み取り、顧客の購入履歴を取得することにより購入状況分析や顧客サービスに活用する顧客カードシステムが広く導入されている。顧客カードには少なくとも顧客ごとに固有な顧客IDが記憶されており、レジで読み込むことにより、各顧客の購入品、購入日時などがカード読取装置を介してホストコンピュータに送られ、蓄積される。
【0047】
上述の通り、移動状況取得装置11にはレジ82を通過の際に取得したレジIDとレジを通過した時刻情報との対がメモリ65に記憶される。このレジIDに対応づけられた時刻情報と顧客カードシステムで取得した購入日時のデータとを照合することにより、レジ通過時刻を基準に移動状況取得装置11で取得した移動状況のデータと顧客カードシステムの取得データとの関連付けを行うことができる。
【0048】
なお、ここでは時刻情報により移動状況のデータと顧客カードシステムの取得データとの関連づけを行っているが、例えば一意に振られるレシート番号などをレジIDの代わりに、あるいはレジIDとともに光信号により送り、移動状況取得装置11で取得して、それまでの移動状況のデータの区切りとしてもよい。この場合、顧客カードシステムとの対応付けもレシート番号などによって一意に行うことができる。
【0049】
また、レジで支払いを行う際、家族連れのように複数人で買い物に訪れる顧客の場合、買い物カートから買い物カゴのみをレジに置き、買い物カートはレジを通過せずに買い物カート置き場に返却されることがある。その場合は、レジIDを取得できず、移動状況のデータを区切ることができずに次の顧客の移動状況が連続して1顧客動線情報として扱われることとなる。そのような事態に対応するため、買い物カート置き場に置き場専用の特別なIDを送信する置き場ID送信部を設置し、その置き場IDを取得したらそれまでの移動状況のデータをひとまとめにするように構成してもよい。さらに、レジ82でのレジIDの取得またはカート置き場におけるIDの取得によって、次の顧客の移動状況の取得を開始するものとしてもよい。
【0050】
移動状況取得装置11内のメモリ24に蓄積された移動状況のデータは、出力部26を介して取り出し、例えば上述のような顧客カードシステムとの連携を図ることができる。例えば出力部26に設けられたコネクタに信号線を接続し、外部との通信を行って移動状況のデータを転送することができる。
【0051】
一方、移動状況取得装置11は買い物カート81に取り付けられることから、動作中に電源線との接続を図ることができず、バッテリにより駆動することになる。従って、顧客の買い物カート81の使用とともにバッテリは消耗してゆくため、所定の間隔でバッテリの充電を行う必要がある。
【0052】
このバッテリの充電とともに、移動状況のデータの転送を行う例を示す。図12は、充電集信装置の一例の説明図である。図中、91は充電集信装置、92は挿入スロット、93はデータコネクタ、94は電源コネクタ、95はバッテリチャージャ、96はハブ、97はSW電源である。例えば店舗の営業時間終了後毎日または1週間ごとなど、所定の期間ごとに買い物カート81から移動状況取得装置11を取り外し、図12(A)に示す充電集信装置91の挿入スロット92に挿入して内蔵バッテリの充電と移動状況のデータの転送を行う。充電集信装置91には多数の挿入スロット92が設けられており、複数の移動状況取得装置11の充電とデータ転送を一括して行うことができる。
【0053】
充電集信装置91は、例えば図12(B)に示すように構成することができる。上述のように移動状況取得装置11は挿入スロット92に挿入する。挿入スロットには充電用の電源コネクタ94と移動状況のデータを転送するためのデータコネクタ93が設けられている。移動状況取得装置11を挿入スロット92に挿入することにより、両コネクタを介して充電集信装置91と接続される。なお、データコネクタ93と電源コネクタ94は1個のコネクタで充電とデータ転送を行うように構成してもよい。
【0054】
各電源コネクタ94はバッテリチャージャ95に接続され、図示しない移動状況取得装置11の内蔵バッテリの充電が行われる。バッテリチャージャ95はSW電源97により電源供給を受ける。また、各データコネクタ93は例えばハブ96に接続され、移動状況取得装置11に格納されていた移動状況のデータはハブ96を介してホストコンピュータなどに転送される。データ転送のためのインタフェースは任意であるが、例えばUSBなどを用いることができる。
【0055】
ホストコンピュータに移動状況のデータを転送した後、転送された移動状況のデータをもとに動線解析を行うことができる。ホストコンピュータに転送された移動状況のデータは、例えばデータベースで管理しておく。そして、解析する状況に合わせて、日付、曜日、時間、移動状況取得装置11の装置番号など、種々の条件での絞り込みを行うことができる。このように移動状況のデータはデータベースから取り出される際に装置番号、日付、時間などをもとに並び替えを行うため、登録時に時系列で並んでいる必要がなく、ホストコンピュータへの移動状況のデータの収集方法について自由度が高くなる。
【0056】
データベースから取り出した移動状況のデータは、レジIDまたは置き場IDの情報をもとに顧客ごとの動線として分けられる。この際、レジIDの通過時間や各売り場の場所情報に関連付けられた商品情報をもとに、移動状況のデータを顧客情報と結びつけることができる。また、購入商品と売り場の場所情報から次の売り場の場所情報までの経過時間をもとに算出した滞留時間を関連付けることで購買情報と動線情報を関連付けて分析することができる。
【0057】
もちろん、複数の動線情報を集計し顧客全体の動線情報として分析を行うことや、店舗レイアウト上に通過回数や移動速度ごとに色分けしプロットすることで直感的にわかりやすい状態で表示することも可能である。
【0058】
上述の例では、取得した場所情報を移動状況取得装置11のメモリ24に蓄積し、定期的に移動状況取得装置11を取り外して充電集信装置91にセットしてデータを読み取り、ホストコンピュータに収集するものとして説明した。この場合、移動状況取得装置11には無線のデータ転送手段を設けずに構成することができる。しかしこれに限らず、移動状況取得装置11に無線の送信手段を設け、この送信手段を通じてメモリ24に蓄積している移動状況のデータを外部に転送するように構成してもよい。
【0059】
図13は、無線によるデータ転送を行う場合の一例を示す構成図である。図中、101、102は無線送受信部である。例えばレジ82のレジID送信部83の近傍にIrDA等の無線送受信部101を設け、また買い物カート81にも同様の無線送受信部102を設けておき、レジ82における精算の際に移動状況のデータをレジ82側に転送する用に構成してもよい。
【0060】
また、上述の例では移動状況取得装置11を買い物カート81に取り付けた例をもとに説明したが、買い物カートだけでなく買い物カゴの底面に取り付けてもよい。
【0061】
本発明は、上述した各応用例に限らず、移動体の位置や移動状況を把握する様々な用途に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の実施の一形態を示す構成図である。
【図2】本発明の実施の一形態における動作の概要の説明図である。
【図3】本発明の第1の応用例を示す構成図である。
【図4】本発明の第1の応用例における移動状況取得装置及びセンター装置の一例を示す構成図である。
【図5】車いすへの装着例の説明図である。
【図6】店舗における商品陳列棚及び送光部の配置の一例の説明図である。
【図7】送光部13の具体例を示す斜視図である。
【図8】移動状況取得装置を買い物カートに取り付けた一例の説明図である。
【図9】本発明の第2の応用例における移動状況取得装置の一例を示す構成図である。
【図10】レジを含む店舗の一例の平面図である。
【図11】買い物カートのレジ通過時の位置関係の一例の説明図である。
【図12】充電集信装置の一例の説明図である。
【図13】無線によるデータ転送を行う場合の一例を示す構成図である。
【図14】従来の移動状況を取得するシステムの一例の説明図である。
【図15】従来の移動状況を取得するシステムの構成の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0063】
11…移動状況取得装置、12,13…送光部、14…床面、21…受光部、22…情報取得部、23…送信部、24…メモリ、25…時計部、26…出力部、31…照射範囲、32…反射光、33…遮蔽物、34…影領域、41…電源線、42…送光部、43…場所情報発生部、44…変調部、45…照明光源、46…照明光、47…被介護者、48…靴、49…車いす、51…センター装置、52…受信部、53…制御部、54…表示部、61,62…陳列棚、63、64…光照射領域、71…発光素子、72…ケース、81…買い物カート、82…レジ、83…レジID送信部、84…顧客カード、91…充電集信装置、92…挿入スロット、93…データコネクタ、94…電源コネクタ、95…バッテリチャージャ、96…ハブ、97…SW電源、101、102…無線送受信部、110…基地局、120…位置センサユニット、130…携行ユニット、111…コンピュータ、111a…制御部、111b…表示部、112…受信/送信部、113…アンテナ、121…受信部、122…焦電センサ、123…赤外線投光部、131…赤外線受光部、132…送信部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも光信号を受信して移動体の移動状況を取得する移動状況取得装置であって、前記光信号を受光する受光手段と、受光手段で受光した光信号から送られてきた情報を取得する情報取得手段を有し、前記光信号は場所情報を送信しており、前記受光手段は、前記移動体の下部に設けられ、床面による前記光信号の反射光を受光し、前記情報取得手段により前記場所情報を得ることを特徴とする移動状況取得装置。
【請求項2】
前記光信号は、天井等の上方位置か床近傍の下方位置、又は上方位置と下方位置の両方に設置された送光装置から発光されることを特徴とする請求項1に記載の移動状況取得装置。
【請求項3】
前記送光装置は照明手段を兼ねることを特徴とする請求項2に記載の移動状況取得装置。
【請求項4】
床近傍の下方位置に設置する送光装置は、発光素子を直線状に複数配置して構成されていることを特徴とする請求項2に記載の移動状況取得装置。
【請求項5】
前記情報取得手段は、所定の場所情報を取得することにより前記移動状況の取得の終了または開始を認識することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の移動状況取得装置。
【請求項6】
前記情報取得手段は、前記移動体の収容場所に設置された送光装置の発光光により送信される所定の場所情報を取得することにより前記移動状況の取得の終了または開始を認識することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の移動状況取得装置。
【請求項7】
さらに、前記情報取得手段で取得した前記場所情報を記憶する記憶手段を有することを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の移動状況取得装置。
【請求項8】
さらに時計手段を有し、前記情報取得手段は、前記場所情報を取得した時刻情報を前記時計手段から取得し、該時刻情報を前記場所情報に対応づけて前記記憶手段に記憶させることを特徴とする請求項7に記載の移動状況取得装置。
【請求項9】
前記情報取得手段は、前記光信号から所定のID情報を取得した場合に、前記記憶手段に記憶させた一連の前記場所情報を含む前記移動状況と前記ID情報とを関連づけることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の移動状況取得装置。
【請求項10】
前記情報取得手段は、前記光信号から所定のID情報を取得した場合に、前記記憶手段に記憶させた一連の前記場所情報を含む前記移動状況と前記ID情報と前記時計手段から取得した時刻情報を関連づけ、前記時刻情報に基づいて前記ID情報の送信元が保有する情報と前記移動状況との関連づけを行うことを特徴とする請求項8に記載の移動状況取得装置。
【請求項11】
前記情報取得手段は、前記ID情報を取得したことにより前記移動状況の取得の終了及び次の移動状況の取得の開始を認識することを特徴とする請求項9または請求項10に記載の移動状況取得装置。
【請求項1】
少なくとも光信号を受信して移動体の移動状況を取得する移動状況取得装置であって、前記光信号を受光する受光手段と、受光手段で受光した光信号から送られてきた情報を取得する情報取得手段を有し、前記光信号は場所情報を送信しており、前記受光手段は、前記移動体の下部に設けられ、床面による前記光信号の反射光を受光し、前記情報取得手段により前記場所情報を得ることを特徴とする移動状況取得装置。
【請求項2】
前記光信号は、天井等の上方位置か床近傍の下方位置、又は上方位置と下方位置の両方に設置された送光装置から発光されることを特徴とする請求項1に記載の移動状況取得装置。
【請求項3】
前記送光装置は照明手段を兼ねることを特徴とする請求項2に記載の移動状況取得装置。
【請求項4】
床近傍の下方位置に設置する送光装置は、発光素子を直線状に複数配置して構成されていることを特徴とする請求項2に記載の移動状況取得装置。
【請求項5】
前記情報取得手段は、所定の場所情報を取得することにより前記移動状況の取得の終了または開始を認識することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の移動状況取得装置。
【請求項6】
前記情報取得手段は、前記移動体の収容場所に設置された送光装置の発光光により送信される所定の場所情報を取得することにより前記移動状況の取得の終了または開始を認識することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の移動状況取得装置。
【請求項7】
さらに、前記情報取得手段で取得した前記場所情報を記憶する記憶手段を有することを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の移動状況取得装置。
【請求項8】
さらに時計手段を有し、前記情報取得手段は、前記場所情報を取得した時刻情報を前記時計手段から取得し、該時刻情報を前記場所情報に対応づけて前記記憶手段に記憶させることを特徴とする請求項7に記載の移動状況取得装置。
【請求項9】
前記情報取得手段は、前記光信号から所定のID情報を取得した場合に、前記記憶手段に記憶させた一連の前記場所情報を含む前記移動状況と前記ID情報とを関連づけることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の移動状況取得装置。
【請求項10】
前記情報取得手段は、前記光信号から所定のID情報を取得した場合に、前記記憶手段に記憶させた一連の前記場所情報を含む前記移動状況と前記ID情報と前記時計手段から取得した時刻情報を関連づけ、前記時刻情報に基づいて前記ID情報の送信元が保有する情報と前記移動状況との関連づけを行うことを特徴とする請求項8に記載の移動状況取得装置。
【請求項11】
前記情報取得手段は、前記ID情報を取得したことにより前記移動状況の取得の終了及び次の移動状況の取得の開始を認識することを特徴とする請求項9または請求項10に記載の移動状況取得装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2009−204542(P2009−204542A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−48740(P2008−48740)
【出願日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願人】(305007827)株式会社中川研究所 (26)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願人】(305007827)株式会社中川研究所 (26)
【Fターム(参考)】
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