説明

移動用カート

【課題】本体屋根を有する移動用カートにおいて、比較的簡単な構成を用いて、搭乗者が乗降する際に、本体屋根に頭を衝突させにくくすることができ、しかも快適に搭乗できる移動用カートの提供を課題とする。
【解決手段】人が搭乗するための搭乗設備6と、搭乗設備6の上方を覆う屋根パネル8と、屋根パネル8に垂設され、搭乗設備6の側方の上部を覆う側方垂幕19aとを具備することを特徴とする移動用カート1とする。側方垂幕19aによって、雨水が移動用カート1車内に侵入することが防止され、且つ、搭乗者が、屋根パネル8より意識的に頭を低く垂れて乗降するようになるため、頭を屋根パネル8にぶつけにくくなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動用カートに関するものであり、特に、レジャー施設等の特定施設内で人や荷物を搬送するために用いられる移動用カートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、公道とは異なる限られた特定施設内においては、人や荷物の搬送方法のひとつとして、移動用カートが用いられている。ここで、特定施設としては、ゴルフ場やテーマパーク等のレジャー施設、ショッピングモールやアウトレットモール等の大規模商業施設、工場、病院、学校、ホテル、空港、及び港湾が例示できる。また、ここでいう移動用カート(以下、単に「カート」という)とは、これらの特定施設内において、客や職員が移動するため、もしくは荷物を搬送するための車輌であり、公道を走行する乗用車(以下、単に「乗用車」という)とは異なる、簡易な構造を持った車輌を示す。
【0003】
上記背景技術は、一般的になされている事項であり、本願出願人は、出願時において、この背景技術が記載された文献を特に知見していない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前述のようなカートに本体屋根を設けた場合、カートに搭乗している間は、本体屋根によって、搭乗者の頭上に関してある程度の安全が担保されているものの、カートに乗降する際には、逆に注意が必要となる場合があった。すなわち、本体屋根が存在することによって、搭乗者の頭上に本体屋根が存在することとなるため、搭乗者が不用意に乗降すると、本体屋根に頭部を衝突させる恐れがあった。
【0005】
さらに、カートにおいては、搭乗者の側方は開放されていることが一般的であるため、走行中に突然雨が降ってきたような場合は、搭乗者の側方を遮るものが何もなく、車内や搭乗者を著しく濡らしてしまい、不快且つ不便であるという問題もあった。
【0006】
ここで、カートに、搭乗者の側方を覆うサイドドアを設けることも考えられるが、このような構成を用いた場合は、カートの構成が大掛かりで複雑になり、カート作製にかかるコスト及び手間が極めて増大する。さらに、搭乗の際に、サイドドアを開け閉めする必要が生じることで、従来のカートに比して搭乗者の乗降作業も面倒になり、搭乗者に対してストレスを与える恐れもあるため、好適ではない。
【0007】
本発明は、上記実情を鑑みてなされたものであり、本体屋根を有する移動用カートにおいて、比較的簡単な構成を用いて、搭乗者が乗降する際に、本体屋根に頭を衝突させにくくすることができ、しかも快適に搭乗できる移動用カートの提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明の採った主要な手段は、
「人が搭乗するための搭乗設備と、
該搭乗設備の上方を覆う本体屋根と、
該本体屋根に垂設され、前記搭乗設備の側方の上部を覆う側方垂幕とを具備することを特徴とする移動用カート」
である。
【0009】
ここで、「搭乗設備」とは、人がカートに搭乗するための設備全般を示し、座席やステアリングなどが例示できる。
【0010】
上記構成の移動用カートでは、本体屋根に垂設された側方垂幕が備えられている。よって、搭乗者は、カートに搭乗する際、視界を遮る側方垂幕に注意を喚起され、この側方垂幕を避けて、本体屋根より意識的に頭を低く垂れて乗降するようになる。すなわち、ごく自然に本体屋根に頭部をぶつけずに乗り降りするよう誘導されることとなり、搭乗者にとって安全である。
【0011】
また、側方垂幕は、搭乗設備の側方の上部を覆う構成であるため、雨水が車内に侵入することをある程度遮断することが可能となる。さらに、搭乗設備の側方の全面ではなく上部を覆う構成であることにより、比較的搭乗者の乗降の邪魔になることもないため、効果的である。
【0012】
上述した手段において、
「前記側方垂幕の下端部は、直線状であることを特徴とする移動用カート」
としてもよい。
【0013】
ここで、「直線状」とは、側方垂幕の下端部が、湾曲や歯型状(所謂ぎざぎざ状)等の屈折をしていないことを示し、例えば、前下端部と後下端部が同じ高さの状態、後下端部から前下端部に向かって直線状に傾斜している状態、前下端部から後下端部に向かって直線状に傾斜している状態、中央部から前下端部及び中央部から後下端部へとへの字形に傾斜している状態などが例示できる。
【0014】
ところで、本体屋根に側方垂幕を垂設した場合、特に雨天走行時、または雨上がりにカートを利用する際は、側方垂幕に雨粒が付着し、この雨粒が側方垂幕から垂れ落ち、搭乗者や搭乗設備が濡れてしまう恐れがある。
【0015】
この問題に鑑み、上記構成の移動用カートでは、側方垂幕の下端部が直線状である構成とする。すなわち、側方垂幕の下端部のうち、搭乗者が乗降する空間に位置する部位に、突起部など雨水が集まりやすい部位を設けず、直線状とする構成のため、搭乗者が乗降する空間に雨水が垂れにくい構成となっている。よって、搭乗者は、乗降の際に、側方垂幕より垂下する雨水で濡れてしまうことが少なく、快適である。
【0016】
また、上記構成によれば、搭乗者が乗降のために側方垂幕を押し上げた場合に、より低い位置、すなわち搭乗者が側方垂幕を押し上げた位置から遠い位置の端部(例えば、側方垂幕の前下端部または後下端部など)へと雨水がスムーズに案内され、途中で垂れ落ち難い。よって、乗降時に側方垂幕を伝って搭乗者へと垂れ落ちる雨水も少なくなり、より濡れにくくなるため快適である。
【0017】
上述した手段において、
「前記側方垂幕の前下端部または後下端部のうち、少なくとも一方は、前記側方垂幕の下端中央部に比べ下側に位置するように傾斜していることを特徴とする移動用カート」
としてもよい。
【0018】
ここで、「中央部に比べ下側に位置するように傾斜」とは、直線状に限らず、例えば円弧状に湾曲した形状も含む。
【0019】
上記構成の移動用カートでは、側方垂幕の下端部のうち前側または後側は、側方垂幕下端部の中央付近に比べて下側に位置している構成である。よって、側方垂幕に付着した雨粒は、より顕著に側方垂幕下端部の前側または後側へと円滑に案内されて集まり、これら端部より垂れ落ちやすくなる。これにより、搭乗者が乗降する空間に、雨水がより落ち難くなり、効果的である。また、搭乗者の搭乗空間近辺、換言すれば、側方垂幕下端部の中央付近が、前下端部または後下端部よりも高くなっていることにより、搭乗者の視界がより広くなるため、開放感が高まり快適である。
【発明の効果】
【0020】
上述した通り、本発明に係る移動用カートによれば、本体屋根を有する移動用カートにおいて、比較的簡単な構成を用いて、搭乗者が乗降する際に、本体屋根に頭を衝突させにくくすることができ、しかも快適に搭乗できる移動用カートを実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明に係る移動用カート(以下、カートと称す)の実施形態としての一例を、以下、図面に従って詳細に説明する。なお、本例では、カートとして、ゴルフ場で使用されるものを例示する。より詳細には、4人乗りで、雨天でも使用可能なように屋根を備え、ゴルフバッグを搭載するスペースとして荷台を備えるものを示すが、本発明に係るカートとは、このような用途に限定されるものではなく、他の種々の特定施設で使用される他のタイプのカートとしても採用することが可能である。
【0022】
まず、本発明のカート1の構成について、図1に基づき説明をする。カート1は、主に、骨組みを構成する車体フレーム2、車体フレーム2に取り付けられ、外観を構成する外装部品3、車体フレーム2に取り付けられ、人が搭乗するための座席4やステアリング5を有する搭乗設備6、搭乗設備6の前方を覆うフロントパネル7、搭乗設備6の上方を覆う屋根パネル8、及び車体フレーム2の後部に取り付けられ、荷物を搭載するための荷台設備9などから構成される。
【0023】
車体フレーム2は、鋼材を枠状に溶接した溶接構造となっており、表面に錆止め剤や塗料が塗布されている。なお、屋根パネル8及びルーフフレーム14が、本発明の「本体屋根」に該当する。フロントピラー12には、フロントパネル7が取り付けられている。フロントパネル7は、風やゴミなどを遮断して搭乗者の視界を確保するためのものである。また、フロントパネル7の上部及び下部の全幅には、不透明の塗料またはシートが塗布・貼着され、模様44、45が形成されている。バックピラー13は、一端側がベースフレーム11の後部側に、他端側がルーフフレーム14の後部側に溶接されており、車体の後部側を形成すると共にルーフフレーム14を支持している。ルーフフレーム14の上面には、図略のリベットなどによって屋根パネル8が取り付けられている。
【0024】
また、屋根パネル8の左右側面側には、側方垂幕19aが垂設されている。具体的には、図2(図1 A−A断面図)に示すように、屋根パネル8とルーフフレーム14との間に、側方垂幕19aの上端部が配置されると共に、屋根パネル8にリベット40によって固定されている。そして、側方垂幕19aの下端部が屋根パネル8から垂下されるよう構成されている。
【0025】
図1に示すように、側方垂幕19aは、搭乗設備6の側方の上部を覆うものであり、下端部は、直線状を呈している。また、側方垂幕19a下端部の前側41は、側方垂幕19a下端部の中央付近43よりも下側に位置し、中央付近43から前側41に向かって前側に傾斜している。さらに、側方垂幕19a下端部の後側42は、側方垂幕19a下端部の中央付近43よりも下側に位置し、中央付近43から後側42に向かって後側に傾斜している。
【0026】
外装部品3は、フロントカウル15、運転席カウル16、リアカウル17、及びサイドカウル18等の種々の部材によって構成されている。フロントカウル15は、カート1の前部の外観を構成するものである。運転席カウル16は、後述する前部座席20に相当する部位の外観を構成するものであり、リアカウル17は、後述する後部座席21に相当する部位及びカート1の後部の外観を構成するものである。サイドカウル18は、カート1における前後の車輪10間の下部の外観を構成するものである。そして、これらフロントカウル15、運転席カウル16、リアカウル17及びサイドカウル18は、FRPやABS等の各種樹脂、鉄鋼やアルミニウム合金等の各種金属等、適宜の材質より形成されると共に、適宜の色で塗装されている。
【0027】
搭乗設備4は主に、座席4、ステアリング5、及び各種内装パーツから構成される。座席4は、前部座席20と後部座席21とから構成されるものであり、前部座席20は、夫々独立した運転席及び助手席の二つの座席から形成されており、後部座席21は、複数人が着座可能に幅方向に長尺状の一体的な一つの座席から形成されている。ステアリング5は、車輪を操舵してカート1の進行方向を操作するものであり、運転席の前方に備えられている。各種内装パーツは、フロアマット22や、その他図示しないドリンクホルダーや傘立てなど、居住快適性や簡便性を向上させる適宜の部材から構成されている。
【0028】
次に、本実施形態におけるカート1の作用について、図1及び図3に基づき説明をする。図3(a)は、側方垂幕19aをカート1の側面から見た場合における模式図である。
【0029】
図1に示すように、側方垂幕19aは、屋根パネル8から垂設され、搭乗設備6の側方上部を覆っている。よって、搭乗者は、カート1の搭乗設備6に乗り込む際または搭乗設備6から降車する際は、側方垂幕19aが顔面に接触しないように、反射的に頭を垂れて、側方垂幕19aを潜る。これにより、搭乗者の頭部は、不可避的に屋根パネル8より低く位置することとなり、屋根パネル8の角に接触しないような位置まで、自然と誘導される結果となる。
【0030】
カート1の走行時に雨が降ってきた場合は、本屋屋根8だけではなく、側方垂幕19aによっても雨粒が遮断され、搭乗設備6内部に降りこむ雨量が緩和される。さらに、側方垂幕19a上に滴ってきた雨水は、図3(a)の実線矢印に示すように、より低い位置へと滴り落ちようとし、側方垂幕19aの中央付近43から前側41または後側42に向かって円滑に案内され、その大部分が一点鎖線部より垂下する。
【0031】
ここで、仮に、側方垂幕19aが図3(b)に示すような形状であったとすると、雨水は、点線矢印に示すように、より低い位置へと滴り落ちようとするため一点鎖線部の位置へと大部分が集まり、垂下する。このような構成においては、乗車または降車しようとする搭乗者に、一点鎖線部に滞留した雨粒が降りかかり、極めて不快であるため好適ではない。よって、本実施形態(図3(a))のように、側方垂幕19aの下端部は、直線状であると、より効果的である。
【0032】
以上のように、上記のカート1によれば、屋根パネル8に側方垂幕19aが垂設されていることにより、搭乗者は、屋根パネル8の角に接触しないような位置まで自然と誘導され、頭部を屋根パネル8の角にぶつける恐れが軽減されるため、効果的である。
【0033】
また、搭乗設備6の側方の全面ではなく、上部のみを覆う構成であるため、座席4に搭乗する搭乗者の視界を妨げることがないため開放感を損なうこともなく、比較的搭乗者の乗降作業の邪魔にもならないため、効果的である。
【0034】
さらに、搭乗設備6の側方を覆うサイドドアなどを車体フレーム2に溶接させる場合などに比べ、比較的簡単な構成にて搭乗設備6の側方を覆うことができる。これにより、ある程度の雨を遮断することも可能となり、カート1の作成にかかる手間やコストも削減できる。
【0035】
なお、本発明のカート1は、公道以外のレジャー施設など、特定の施設内であれば、特に用途を限定されるものではないが、側方垂幕19aによって、雨だけではなく、不慮の落下物や飛来物に対しても搭乗者を防護することができる点において、こうした飛来物の多い場所、例えばゴルフ場などで使用すると、より好適である。
【0036】
また、搭乗者がカート1に乗降する際、側方垂幕19a中央付近42を押し上げた場合においても、側方垂幕19aの下端部が直線状であることにより、側方垂幕19a上に滴る雨水が円滑に下方(側方垂幕19a下端部の前側41または後側42)へと案内され得る。よって、側方垂幕19aより搭乗者へと伝わる雨水の量を著しく減らすことができる為、快適である。
【0037】
上記のカート1によれば、側方垂幕19a下端部の前側41及び後側42は、中央付近43に対して下側に傾斜して構成されている。よって、側方垂幕19a上に滞留する雨水は、より円滑に下側、すなわち側方垂幕19a下端部の前側41または後側42へと案内されるため、より効果的に搭乗設備6内部を防水できる。
【0038】
また、側方垂幕19a下端部の中央付近43が抉られていることにより、座席4に搭乗する搭乗者の視界がより一層クリアであり、開放感が強まるため効果的である。さらに、中央付近43が抉られていることにより、中央付近43から乗り降りする搭乗者は、側方垂幕19aを押し上げる量が減るため、より容易にカート1に乗降することが可能となっている。
【0039】
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
【0040】
上記の例において、側方垂幕19aは、屋根パネル8に取り付けられる構成としたが、これに限定されるものではなく、ルーフフレーム14に取り付けられる構成としても良い。
【0041】
また、上記の例において、側方垂幕19aの下端部は、地面に対して垂下された形状であるものを例示したが、図2の一点鎖線円内に示すように、上方へ向けて湾曲した形状の側方垂幕19bとしても良い。この構成によれば、側方垂幕19b上の雨水が湾曲部内部に閉じ込められ、下方へと滴り落ち難くなるため、より好適である。
【0042】
また、上記の例において、側方垂幕19aを取り付ける位置は、屋根パネル8の内側であっても良いし、外側であっても良く、特に限定されるものではない。ただし、本実施形態のように、側方垂幕19aを屋根パネル8の内側(カート1の車体内部側)に取り付けることにより、側方垂幕19aと屋根パネル8との重複部分がカート1の外側から隠蔽され、カート1の外観の意匠性が向上されている。さらに、側方垂幕19aと屋根パネル8との重複部分が、ルーフフレーム14と屋根パネル8との間に位置することにより、搭乗設備6に搭乗する搭乗者からも前述の重複部分が隠蔽され、搭乗者から見ても美観に優れる構成となっている。
【0043】
また、側方垂幕19aを屋根パネル8の外側に取り付けた場合は、側方垂幕19aと屋根パネル8との隙間に雨水が侵入し、側方垂幕19aの内側(カート1車体内部側)にも雨水が滴る恐れもあるが、本実施形態のように、側方垂幕19aを屋根パネル8の内側に取り付ければ、屋根パネル8によって雨水が良好に遮断され、側方垂幕19aの内側が雨水に晒されることが無い。よって、側方垂幕19aの内側から搭乗者空間へと雨水が垂下することを防止でき、効果的である。
【0044】
また、上記の例において、側方垂幕19aの色としては、特に限定されるものではない。屋根パネル8と同系色の色であっても良いし、異なる色を適用する構成としても良い。側方垂幕19aと屋根パネル8とに同系色の色を適用し、さらにフロントパネル7の上部の模様44にも同系色の色を採用すれば、カート1の上部を構成する別々の部材(ここでは、フロントパネル7、屋根パネル8及び側方垂幕19a)に視覚的な連続感を与え、カート1を見ている者に一体感・高級感を与えることが期待できる。また、フロントパネル7の下部の模様45及び外装部品3の色をさらに同系色とすることで、より統一感を高めることができる。
【0045】
また、上記の例において、側方垂幕19aの色を、屋根パネル8とは異なる色、特に屋根パネル8との色の差が顕著であるもの(例えば補色など)を選択すると、以下の効果があるため、より好適である。すなわち、屋根パネル8との色の差が顕著であることにより、搭乗者が、屋根パネル8とは別の部材が存在することを視覚的に認識しやすくなる。つまり、側方垂幕19aに対する搭乗者の注目度が向上し、搭乗者がより注意深く頭を下げて乗降するように誘導することができるため、より安全である。さらに、フロントパネル7の上部の模様44と屋根パネル8とを同系色にて形成し、側方垂幕19aに模様44及び屋根パネル8とは異なる色を採用することで、搭乗者がより側方垂幕19aを認識しやすくなるため、効果的である。
【0046】
また、上記の例において、側方垂幕19aの材質としては、樹脂シートや布シートなど適宜の材質としたが、特に、柔軟性があり且つある程度の厚みを持った材質(例えば、スポンジや、厚手の布シートなど)を適用すると、仮に搭乗者が屋根パネル8やルーフフレーム14に頭部をぶつけることがあったとしても、側方垂幕19aが緩衝材とし働き、頭部をぶつけた際に衝撃を和らげる効果が期待できるから、好適である。
【0047】
また、上記の例において、側方垂幕19aと荷台側方垂幕27とは別体である構成としたが、これに限定されるものではなく、一体物として形成してもよい。ただし、上記の例のように、別体にて構成すると、乗降の際に搭乗者が側方垂幕19aを押し上げなければならない力が少なくて良いため、軽やかに、ストレス無く乗降でき、好適である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の移動用カートを示す斜視図である。
【図2】移動用カートの本体屋根を示す、図1のA―A断面図である。
【図3】移動用カートの側方垂幕の例を示す、側面模式図である。
【符号の説明】
【0049】
1 カート(移動用カート)
6 搭乗設備
8 屋根パネル(本体屋根)
14 ルーフフレーム(本体屋根)
19a 側方垂幕
19b 側方垂幕

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人が搭乗するための搭乗設備と、
該搭乗設備の上方を覆う本体屋根と、
該本体屋根に垂設され、前記搭乗設備の側方の上部を覆う側方垂幕と
を具備することを特徴とする移動用カート。
【請求項2】
前記側方垂幕の下端部は、直線状であることを特徴とする請求項1に記載の移動用カート。
【請求項3】
前記側方垂幕の前下端部または後下端部のうち、少なくとも一方は、前記側方垂幕の下端中央部に比べ下側に位置するように傾斜していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の移動用カート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−199227(P2006−199227A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−15402(P2005−15402)
【出願日】平成17年1月24日(2005.1.24)
【出願人】(500316630)株式会社ゼロスポーツ (4)
【Fターム(参考)】