説明

移動通信システムにおけるローミングサービスの提供方法及びシステム

【課題】無線通信システムで別々の移動通信事業者同士にローミングサービスを提供してデータパケットを伝送する方法及びシステムを提供する。
【解決手段】訪問ネットワークのパケットデータ提供ノードにネットワーク識別子を伝送する移動端末と、ネットワーク識別子に基づき移動端末のローミングサービスへの加入の有無をチェックし、ホームネットワークの認証権限課金サーバーに移動端末の認証を要請し、ホームネットワークのパケットデータ提供ノードとトンネリングを設定する訪問ネットワークのパケットデータ提供ノードと、移動端末の認証を行いトンネリング情報を訪問ネットワークのパケットデータ提供ノードに伝送するホームネットワークの認証権限課金サーバーと、パケットデータ提供ノードとトンネリングを設定し、移動端末とデータを送受信するホームネットワークのパケットデータ提供ノードと、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システムにおいてデータパケットを伝送するための方法及びシステムに係り、さらに詳しくは、個別の移動通信事業者同士でローミングサービスを提供してデータパケットを伝送するための方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
通常、無線通信システムとは、端末まで固定的なユソンネットワークを接続して使用できない場合のために開発されたシステムのことである。かかる無線通信システムの代表的なシステムとしては、移動通信システム、無線LAN、ワイブロ(Wibro)、移動アドホック(Mobile AdHoc)などが挙げられる。
【0003】
移動通信は、広域に亘って、加入者が高速にて移動する間にも通話可能にするためのものである。このような移動通信システムの代表的なシステムが、セルラー方式のシステムである。セルラー方式のシステムとは、従来の移動通信システムのサービス地域の制限と加入者の収容溶量の限界を克服するために提案されたものであり、サービス地域を多数の小さな区域、すなわち、セルに区分し、互いに十分に離れている2つのセルに同じ周波数帯域を使用させることにより、空間的に周波数を再利用することをいう。このようなセルラーシステムの中で最初に登場した技術が、AMPS(Advance Mobile Phone System)とTACS(Total Access Communication Services)などのアナログ方式であり、これを第1世代の移動通信と称する。第1世代の移動通信システムだけでは、急増する移動通信サービス加入者を受け入れることが困難になり、技術の発展に伴い、従前の音声サービスに加えて、種々のサービスに対するユーザーの要求が高くなっている。この要求に応えて、第1世代の移動通信よりも進歩したデジタル方式の第2世代の移動通信が登場することになった。第2世代の移動通信システムは、アナログシステムとは異なり、アナログの音声信号をデジタル化して音声符号化を行った後、デジタル変調を行い、800MHz帯の周波数を用いて通信を行う。多元接続方式は、TDMA(Time Division Multiple Access)方式とCDMA(Code Division Multiple Access)方式を使用する。
【0004】
このような第2世代の移動通信システムにおいては、音声サービス及び低速データサービスを提供し、米国のIS−95(CDMA方式)、IS−54(TDMA方式)とヨーロッパのGSM(Global System for Mobile communication)方式がある。また、PCS(Personal Communication Services)システムは、第2.5世代の移動通信システムに分類され、1.8〜2GHz帯域の周波数を使用する。このような第2世代の移動通信システムは、ユーザーに音声サービスを提供すると共に、移動通信システムの効率を高めるための目的で構築されている。しかしながら、インターネットの出現及びユーザーの高速データサービスの要求などは新たな無線プラットフォームの登場を予告することになり、このような方式がIMT−2000(International Mobile Telecommunication-2000)などの第3世代の移動通信である。
【0005】
以下、このような第3世代の通信のうち、同期方式であるCDMA方式について述べる。
【0006】
CDMA20001Xサービスは、既存のIS−95A、IS−95B網から進化したIS−95C網を用いて、既存のIS−95A/B網において支援していた速度である14.4Kbpsや56Kbpsよりも遥かに速い最高144Kbpsにて無線インターネットが利用可能なサービスである。このため、CDMA20001xサービスを通じて、既存の音声及びWAPサービス品質の向上はもとより、各種のマルチメディアサービス(AOD、VODなど)も提供可能になる。IS−95A、IS−95Bは、基地局網の名称である。IS−95B網の場合、無線データの通信速度を64Kbpsまで実現することができ、 CDMA20001Xの網であるIS−95Cの場合、144Kbpsという最大速度を有する。このため、CDMA20001Xの携帯電話があるとしても、その地域にIS−95C網が敷設されていない場合、地域網に依存してIS−95BにもIS−95Aに接続されてしまう。
【0007】
このような移動通信技術の発展にも関わらず、ユーザーは、さらに高い品質のデータサービスを要求することになり、これに応えて登場した技術が、CDMA20001xEV−DOである。CDMA20001XEV(Evolution)−DO(Data Only)は、既存のIS−2000無線プロトコルとは全く異なるパケットデータの送信のための専用プロトコルであり、最大の伝送速度が順方向である場合、2.4Mbpsまで支援可能な方式である。ここには、IS−2000基地局装置とは異なる別の基地局装置が求められるが、残りのシステム及び網の構成要素は共用される。
【0008】
パケットデータの特性から、端末がシステムから提供されるサービスの方が優勢であるため、CDMA20001XEV−DOは、順方向と逆方向のチャンネル速度が異なるような構造を持っている。端末に空間ダイバーシティを使用しない場合、順方向は最大2.4Mbpsまで支援可能であり、逆方向は最大153.6Kbpsまで支援可能な非対称なデータ送信構造を持っている。
【0009】
IS−2000の場合、原則として、音声中心のプロトコルに高速なパケットデータを実装しているため、最大の伝送速度には限界がある。IS−2000リリース0においては、無線区間においてパケットデータを153.6Kbpsまで送信可能であるが、事業者にとっては、無線区間の容量の問題もあって、VOD(Video On Demand)の場合に64Kbpsまで割り当てることが可能であり、無線インターネットは、平均して32Kbps程度である。しかしながら、基本的に、パケットデータサービスを目指すCDMA20001xEV−DOにおいては、無線区間における容量の問題を十分に解決することができる。
【0010】
CDMA20001xEV−DOは、高速パケットの送信だけを目指して最適化されたプロトコルであり、現在のcdma Oneやcdma2000システムと同じ周波数帯域のCDMAチャンネル(1.25MHz)を使用する。特に、CDMA20001xEV−DOは、無線区間において各加入者の伝送速度を動的に割り当て、パケットデータの固有な特性を最大限に活かして、無線区間及びシステムの使用効率を極大化している。
【0011】
このような移動通信技術は、各国ごとに異なる方式により実現され、このため、ある国の移動端末のユーザーが他の国または他の通信技術を使用する移動通信事業者に移動する場合には、ローミングというサービスを提供される必要があった。
【0012】
ローミングとは、陸上の移動電話サービスにおいて、加入地の移動通信網を外れて移動電話を使用することを意味する。すなわち、種々の移動電話事業者が互いに約定をし、これにより、無線ネットワークにおいて、自分が登録されている通信事業者のサービス地域から他の通信事業者のサービス地域に、サービスの中断や接続の断絶なしに移動することが可能になる。
【0013】
世界各国には、多数の移動通信事業者が散在しているが、それぞれ独自のサービス網を構築している。このため、各事業者により、サービスが正常に提供可能な地域と、そうでない地域が存在する。この場合、業者が互いに連携して、どの会社に加入しようが、相互間のサービス網を互いに接続して、どこでも高品質のサービスを利用できるようにすれば、極めて便利であろう。
【0014】
米国には、既に全国的なローミングサービスが提供されている。ヨーロッパの場合、A国の移動加入者がB国に入ると、その地域の移動通信網においてその進入を確認し、その行方をA国の加入地の移動通信網に通知することにより、通話が可能になる。韓国においても、既に移動通信事業者がローミングサービスを開始している。韓国において使用中の移動端末を海外においてもそのまま使用できることも、韓国における移動通信事業者が現地の移動通信会社とローミング契約を結んでいるためである。
【0015】
しかしながら、現在、CDMA20001xEV−DOサービスを提供している事業者と他の事業者との間には、ローミング協約を通じてローミングサービスを提供するところはなく、これに対する技術的な協議がないのが現状である。通常、CDMA20001xネットワークにおいて、ローミングサービスを通じて加入者が無線データサービスを提供されるためには、移動端末にローミング可能に加入者に固有のID値を割り当て、訪問ネットワークにあるパケットデータ提供ノードは、上記移動端末の固有なIDを通じてホームネットワークのパケットデータ提供ノードにパケットをトンネリングするように設定される。この場合、訪問者ネットワークに移動したローミング加入者は、ホームネットワークにおいて用いるIDのほかに、訪問者ネットワークにおいて割り当てた新たなIDを用いて設定することを余儀なくされる。これにより、ホームネットワークにおいて使用していたIDを用いてのサービスには対応できなくなる。
【0016】
すなわち、一部のサービスを提供できなくなる状況が生じうる。さらに、CDMA1xネットワークにおいては、加入者がシンプルIPのユーザーに対してのみローミングサービスを提供して、モバイルIPサービスにおいて動作するテレビ電話サービス、プッシュ−ツゥ−トークに対するサービスは提供できないという欠点を持っている。
【0017】
また、移動端末のユーザーがローミングをすると、訪問ネットワークにおいてローミングした移動端末加入者に共通してプロファイルを管理することになるため、ローミング前の移動通信網から提供していた移動端末のユーザーがどのサービスを使用できるか、どのQoSにてサービスを提供されるか、などの個別的なサービスプロフィールを使用できないという問題点があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明の目的は、CDMA20001xEV−DOネットワークにおいてデータサービスを提供されている加入者が他の移動通信事業者のCDMA20001xEV−DOネットワークに移動した場合、ローミングサービスに加入者がローミングする前に、ホームネットワークから提供されていたデータサービスをそのまま提供されるためのシステム及び方法を提供するところにある。
【0019】
本発明の他の目的は、移動端末がホームネットワークから訪問ネットワークへと移動する場合であっても、ホームネットワークから提供されていたサービスプロファイルを訪問ネットワークにおいてもそのまま提供されるためのシステム及び方法を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上述した本発明の目的を達成するために、本発明の第1の実施の形態によるシステムは、ホームネットワークから訪問ネットワークへと移動した移動端末にデータサービスを提供するための移動通信システムにおいて、上記訪問ネットワークにおけるパケットデータ提供ノードにネットワーク識別子(NAI)を伝送する移動端末と、上記移動端末加入者のプロフィール情報を上記訪問ネットワークに伝送する上記ホームネットワークにおける認証権限課金サーバー(AAA)と、上記ネットワーク識別子に基づいて上記移動端末のローミングサービスへの加入の有無をチェックし、上記移動端末が上記ローミングサービスに加入している場合、上記ホームネットワークにおける認証権限課金サーバー(AAA)に対して上記移動端末加入者のプロフィール情報の送信を要請し、上記加入者プロフィール情報を用いて、上記ホームネットワークから当該加入者に提供していた少なくとも一つのデータサービスを提供する上記訪問ネットワークにおけるパケットデータ提供ノードと、を備える。
【0021】
上述した本発明の目的を達成するために、本発明の第1の実施の形態による方法は、ホームネットワークから訪問ネットワークへと移動した移動端末にデータサービスを提供するための方法において、上記移動端末が上記訪問ネットワークにおけるパケットデータ提供ノードにネットワーク識別子(NAI)を伝送するステップと、上記訪問ネットワークにおけるパケットデータ提供ノードが上記ネットワーク識別子を受け取るステップと、上記訪問ネットワークにおけるパケットデータ提供ノードが、上記移動端末のローミングサービスへの加入の有無をチェックするステップと、上記移動端末がローミングサービスに加入している場合、上記訪問ネットワークにおけるパケットデータ提供ノードが上記ホームネットワークにおける認証権限課金サーバーに対して上記移動端末加入者のプロフィール情報の送信を要請するステップと、上記ホームネットワークにおける認証権限課金サーバーが上記移動端末加入者のプロフィール情報を上記訪問ネットワークに伝送するステップと、上記加入者プロフィール情報を受け取った上記訪問ネットワークにおけるパケットデータ提供ノードが、上記加入者プロフィール情報を用いて、上記移動端末にパケットデータサービスを提供するステップと、を含む。
【0022】
上述した本発明の目的を達成するために、本発明の第2の実施の形態によるシステムは、ホームネットワークから訪問ネットワークへと移動した移動端末にパケットデータサービスを提供する移動通信システムにおいて、パケットデータ提供ノードがローミングサービスを提供するためのシステムにおいて、上記移動端末からネットワーク識別子(NAI)を受け取るための手段と、上記ネットワーク識別子に基づいて、上記移動端末加入者がローミングサービスへの加入者であるかどうかをチェックする手段と、上記移動端末加入者が上記ローミングサービス加入者である場合、上記ホームネットワークにおける認証権限課金サーバー(AAA)に上記移動端末加入者のプロフィール情報の送信を要請する手段と、上記加入者プロフィール情報を用いて、上記ホームネットワークが上記加入者に提供していた少なくとも一つのデータサービスを提供する手段と、を備え、上記認証権限課金サーバー(AAA)が上記移動端末の加入者情報を上記訪問ネットワークに伝送する。
【0023】
上述した本発明の目的を達成するために、本発明の第2の実施の形態による方法は、ホームネットワークから訪問ネットワークへと移動した移動端末に、上記訪問ネットワークにおけるパケットデータ提供ノードがデータサービスを提供するための方法において、上記移動端末からネットワーク識別子(NAI)を受け取るステップと、上記ネットワーク識別子に基づいて、上記移動端末のローミングサービスへの加入の有無をチェックするステップと、上記移動端末がローミングサービスに加入している場合、上記ホームネットワークにおける認証権限課金サーバーに上記移動端末加入者のプロフィール情報を要請するステップと、上記ホームネットワークにおける認証権限課金サーバーから上記加入者プロフィール情報を受け取るステップと、上記受け取った加入者プロフィール情報を用いて、上記移動端末にデータサービスを提供するステップと、を含む。
【0024】
上述した本発明の目的を達成するために、本発明の第3の実施の形態による方法は、ホームネットワークから訪問ネットワークに移動した移動端末にデータサービスを提供するための移動通信システムにおいて、パケットデータ提供ノードがローミングサービスを提供するための方法において、上記訪問ネットワークにおけるパケットデータ提供ノードが、上記移動端末からネットワーク識別子を受け取るステップと、上記訪問ネットワークにおけるパケットデータ提供ノードが、上記ネットワーク識別子に基づいて、上記移動端末のローミングサービスへの加入の有無をチェックするステップと、上記移動端末がローミングサービスに加入している場合、上記訪問ネットワークにおけるパケットデータ提供ノードが上記ホームネットワークにおける認証権限課金サーバー(AAA)に上記移動端末加入者のプロフィール情報の送信を要請するステップと、上記訪問ネットワークにおけるパケットデータ提供ノードが、上記加入者プロフィール情報を用いて、上記ホームネットワークが上記移動端末加入者に提供していた少なくとも一つのサービスを提供するステップと、を含み、上記ホームネットワークにおける認証権限課金サーバーが、上記訪問ネットワークに上記移動端末加入者のプロフィール情報を伝送する。
【発明の効果】
【0025】
CDMA移動通信加入者が他の事業者のネットワーク地域に移動しても、既存のホームネットワークから無線データサービスを提供されたい場合には、ユーザーの変更事項なしに、保有していた情報をそのまま用いて、ホームネットワークから無線データサービスを提供されることが可能になる。移動端末加入者は、他の事業者網に接続されるとしても、課金に関する情報をホームネットワークに伝送することにより、統合的な課金の内訳を受け取ることができる。
【0026】
また、ローミングサービスへの加入者がホームネットワークから訪問ネットワークへとローミングをした場合であっても、ホームネットワークにおけるサービスプロファイルを訪問ネットワークにおいてもそのまま用いることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、添付した図面に基づき、本発明に係る好適な実施の形態を詳細に説明する。図中、同じ構成要素には、できる限り、同じ符号を付していることに留意すべきである。以下においては、具体的な特定の事項が開示されているが、これは、本発明を一層理解し易くするために提供されるものである。本発明を説明するに当たって、関連する公知の機能あるいは構成についての詳細な説明が本発明の要旨を余計に曖昧にすると認められる場合、その詳細な説明を省く。
【0028】
本発明の構成は、大まかに見て、CDMA1xEV−DO無線データ通信の端末の役割を果たすが、データサービスを送受する移動端末(AT)と加入者のデータ情報を受け渡すアクセスネットワークと、加入者の無線データサービスのEDGEポイントに加入者のPPPを設定・接続・管理するパケットデータ提供ノードと、加入者の認証課金権限の情報を管理する認証権限課金サーバー(AAA)と、により構成される。
【0029】
以下、添付図面に基づき、本発明の構成を一層詳述する。
【0030】
図1は、本発明の実施の形態による訪問ネットワークとホームネットワークとの間に設けられているCDMA20001xEV−DOシステムの通常の網構造を示している。図中、ホームネットワーク(Home Network:HN)126は、移動端末100が最初に加入したネットワークを意味し、訪問ネットワーク(Visited Network:VN)124は、移動端末100が新たに移動した後、すなわち、ローミングした後に接続したネットワークを意味する。
【0031】
また、図1中、FA120は、HN126においてローミングした移動端末100が新たに接続した外部網であるVN124における移動端末100の移動性を管理するため、以下では、外部エージェント(Foreingn Agent:FA)と称する。
【0032】
以下、先ず、訪問ネットワーク124について説明する。
【0033】
先ず、移動端末(Access Terminal:AT)100は、パケットの発呼、着呼などを処理するシグナリング手順とパケットの伝達手順、媒体接近制御(MAC)などを定義するIS−856無線接続規格に準拠して、無線リンク及び無線信号を処理する基地局(Access Network Transmission System:ANTS)102に接続し、ANTS102は、呼の処理及び選択機能(Selection Function:SF)、無線リンクプロトコル(Radio Link Protocol:RLP)を処理する基地局制御器(Access Network Controller:ANC)104に接続する。図1に示すように、ANC104は、2以上のANTSに接続可能である。このANC104は、移動端末100に対する認証、IPアドレスの割当て、ルーティング機能を担当するデータコア網(Data Core Network:DCN)のパケットデータ提供ノード(Packet Data Serving Node:PDSN)110とパケット制御部(Packet Control Function:PCF)108を介して接続する。PCF108は、ANC104とPDSN110に接続されてANC104とPDSN110との間におけるユーザートラフィックの伝達機能を行い、移動端末100に対するセッション管理、移動性の管理、上記移動端末100に対する認証などの機能を担当するセッション管理/移動性管理部(Session Control/Mobility Management:SCMM)112が含まれてもいてもよい。図1から明らかなように、SC/MM112がPCF108から分岐されている。
【0034】
SC/MM112は、CDMA20001xEV−DO加入者に対する移動管理の機能を行い、サブネット領域に対するANC104のUATI(Universal Access Terminal Identifier)の割当て要請の処理、AT100に対するIMSI及びセッション情報の伝達を行い、AT100に対するページングの要請が生じた場合には、位置によってページングを行う。
【0035】
また、上記PCF108は、訪問ネットワーク124に接続している移動端末100に対して認証を行うAN(Access Network)−AAA(Authentication Authorization Accounting)114と、SC/MM112やAN−AAA114のシステムを管理するEMS(Element Management System)及びデータコア網のPDSN110に接続される。
【0036】
PDSN110は、移動端末100の無線データサービスのEDGEポイントに移動端末100の点対点プロトコル(Point-to-Point Protocol:PPP)を設定、接続、管理する。そして、PDSN110は、モバイルIPを提供されるために、訪問者ネットワーク124に接続されている移動端末100のモバイルIPセッションを管理するFA120に接続され、上記FA120は、加入者の無線データサービスに対する認証、権限課金を担当するAAA118及びIPネットワーク122に接続する。
【0037】
以上、VN124のNE(Network Element)について説明した。以下では、図1におけるHN126に示されている各NEについて説明する。
【0038】
PDSN142は、モバイルIPを提供されるために、VN124に接続されている移動端末100のモバイルIPセッションを管理するホームエージェント(Home Agent:HA)140に接続され、上記HA140は、インターネット網140に接続される。
【0039】
また、上記HA144は、移動端末100加入者の無線データサービスに対する認証、権限課金を担当する認証課金権限サーバー(Authentication Authorization Accounting:AAA)144及びIPネットワーク122に接続される。
【0040】
図1に示す回線網を通じた音声サービス中心の第1世代、第2世代を経て第3世代まで進んできたセルラー移動通信技術の最も顕著な特徴は、加入者に、広範な無線通信環境の下でインターネットに接続できるパケットデータサービスを提供するということである。しかしながら、セルラー移動通信網において高速なパケットデータサービスを支援することには限界があり、同期式の移動通信システムであるCDMA20001xEV−DOシステムにおいては、約2.4Mbpsまでのデータ送信率を提供している。通常、CDMA20001xEV−DO網においては、ANTS102とANC104をアクセス網(Access Network:AN)と統称するため、この明細書中においても、ANTSとANCをANと称する。
【0041】
通常、CDMA20001xEV−DOシステムにおいて、ローミング加入者がHN126から外れて他の事業者のネットワーク124に接続されると、移動端末100は、他の事業者のネットワーク124のAN103から新たな移動端末100の固有値であるUATIを割り当てられ、AN103と移動端末100はトラフィックトンネルを形成することになる。この後、移動端末100のローミング加入者が無線インターネットサービスを行うと、AN103とPDSN110との間にラジオパケット(R−P)リンクが設定され、この後、移動端末100とPDSN110は、PPPを設定する。PPPの設定に際し、移動端末100は、リンク制御プロトコル(Link Control Protocol:LCP)の手順を行う。このとき、移動端末100は、サービスの種別または加入者の形態により、シンプルIPを用いることもでき、モバイルIPを用いることもできる。
【0042】
このため、本発明においては、移動端末が上述したシングルIPとモバイルIPを提供される場合をそれぞれの実施の形態に分けて説明する。
【0043】
図2は、本発明の実施の形態により、移動端末100に訪問ネットワーク124とホームネットワーク126との間にシンプルIPサービス加入者に対するローミングサービスの提供のための呼のフローチャートである。
【0044】
先ず、ステップS200において、移動端末100とAN103との間にトラフィックチャンネルをセットアップし、AN103は、PDSN110とのR−Pのセットアップを行う。ステップS202において、シンプルIPサービスを利用する移動端末100が、リンク制御プロトコル(Link Control Protocol:LCP)の設定のために、LCPの設定要請LCP Configure_reqメッセージをPDSN110に伝送する。
【0045】
ここでは、上記移動端末100がシンプルIPサービスを用いるため、LCPの設定のためにCHAP(Challenge Hand shake Authenication Protocol)/PAP(Password Authentication Protocol)を用いる。このとき、移動端末100は、RFC(Request For Comments)2486に定義されているネットワーク識別子(Network Access Identifier:NAI)をCHAPメッセージに含めて伝送する。上記NAIは、User@Domainの形式であり、ユーザーはユーザー識別子であって、移動端末100におけるHN126から割り当てられたIDであり、domainは、HN126のドメイン名であり、例えば、韓国の場合には、韓国の移動通信事業者であるSKテレコム、KTF(コリア・テレコム・フリーチャンネル)が適用可能である。
【0046】
もし、ユーザー名がjung1であり、ドメインがSKテレコム、KTFである場合におけるNAIの形式の一例を挙げると、下記の通りである。ここで、韓国の移動通信事業者と他の移動通信事業者124との間にローミング協約が既に結ばれていることが前提となるのはいうまでもない。
【0047】
jung1@sktelecom.com
jung1@ktf.com
【0048】
ステップS204において、PDSN110は、上記受け取ったNAI情報を見てユーザー名とドメインを分離し、ドメインを抽出し、上記抽出されたドメインに基づいて、上記移動端末100がローミングサービスへの加入者であるかどうかをチェックする。上記ステップS204において、PDSN110は、もし、訪問ネットワーク124のドメインがchina.comである場合、上記訪問ネットワーク124に接続している上記移動端末100から受け取ったネットワーク識別子に含まれているドメイン(ktf.comまたはsktelecom.com)が上記訪問者ネットワーク124のドメインであるchina.comと異なるため、上記移動端末100がローミングサービスへの加入者であることを認知することになる。
【0049】
上記ステップS204において、上記移動端末100がローミングサービスへの加入者でない場合、ステップS206へ移り、通常の呼の処理手順を行う。このとき、上記VN124は、ホームネットワークであり、上記ローミングサービスへの加入者ではない移動端末に対してホームネットワークの役割を行う。もし、上記ステップS204において、PDSN110は、上記移動端末100がローミングサービスへの加入者である場合、ステップS208へ移り、VN124におけるAAA118を経てHN126におけるAAA144に上記移動端末100に対する認証を要請する。このとき、上記移動端末100がHN126から提供されていたサービスリストが含まれている加入者プロフィール情報も一緒に要請する。
【0050】
ステップS210において、HN126におけるAAA144は、上記移動端末100に対する認証を行い、ステップS212において、HN126におけるAAA144は、VN124におけるPDSN110に、上記移動端末100がHN126から提供されていたサービスリストが含まれている加入者プロフィール情報と、HN126におけるPDSN142とのトンネリングを設定するためのトンネリング情報を伝送する。ステップS214において、VN124におけるPDSN110は、移動端末100にLCP設定応答LCP Configure_resメッセージを伝送し、ステップS216において、VN124におけるPDSN110は、HN126におけるPDSN142とレイヤ2トンネリングプロトコル(Layer 2 Tunneling Protocol:L2TP)、L2F(Layer 2 Forwarding Protocol)、VTP(Virtual Tunneling Protocol)を用いてトンネルを形成する。このとき、パケットデータの保安のために、IPSec(IPセキュリティ)を通じてトンネリング情報を保護することができる。
【0051】
上記ステップS216において、VN124におけるPDSN110とHN126におけるPDSN142がトンネルを形成した後、ステップS218において、VN124におけるPDSN110は、HN126におけるPDSN142にL2TPを用いてPPP情報を伝送する。このとき、HN126におけるPDSN142は、自分が設定したPPP情報と上記受け取ったPPP情報が一致すると、ステップS220に移り、VN124における移動端末100とIPCP(IP Control Protocol)の交渉を行う。もし、上記ステップS218において、HN126におけるPDSN142は、自分が設定したPPP情報と上記受け取ったPPP情報が一致しなければ、さらに、VN124における移動端末100とPPP交渉を行う。
【0052】
上記ステップS220において、HN126におけるPDSN142は、自分が持っているIPプールを用いて、移動端末100に新たなIPを割り当てる。これにより、ステップS222において、PPPの設定が完了し、ステップS224において、移動端末100が伝送したパケットデータは、VN124におけるPDSN110を介してHN126におけるPDSN142まで伝送される。
【0053】
そして、ステップS226において、HN126におけるPDSN142は、HN126におけるAAA144及びVN124におけるAAA118に、データサービスを提供されている移動端末100に対する課金を行うことを要請する。すなわち、上記ステップS226は、移動端末100に対する課金が行われるステップであり、HN126におけるPDSN142がHN126におけるAAA144にVN124を介して接続し、データサービスを提供されている移動端末100に対する課金を行うことを要請し、HN126におけるAAA144は、VN124におけるAAA118に、移動端末100に対する課金を行うことを要請する。
【0054】
ステップS228において、移動端末100とHN126におけるPDSN142との間におけるユーザーデータの送信が終了すると、ステップS230において、VN124におけるPDSN110とHN126におけるPDSN142との間のトンネリングが終了する。そして、ステップS232において、移動端末100のデータサービスが終了しているため、HN126におけるPDSN142は、移動端末100に対する課金を終了することをHN126におけるAAA144及びVN124におけるAAA118に要請する。
【0055】
図3は、本発明の実施の形態により、訪問ネットワーク124におけるPDSN110において、シンプルIPサービス加入者にローミングサービスを提供するための手順図である。
【0056】
先ず、ステップS300において、PDSN110は、AN103とのR−Pセッションを設定し、ステップS302において、移動端末100とのLCPセッションの設定を始める。
【0057】
そして、ステップS304において、PDSN110は、上記移動端末100とのLCPの設定を始めるときに、移動端末100からNAIを受け取ったかどうかをチェックする。上記ステップS304において、PDSN110がNAIを受け取っていると、ステップS306において、PDSN110は、上記移動端末100が伝送したNAIに基づいて、移動端末100がローミングサービスへの加入者であるかどうかをチェックする。このときには、移動端末100が伝送したNAI情報からユーザー名とドメインを分離し、ドメインを見てローミングサービスへの加入者であるかどうかが分かる。具体的には、上述の図2におけるステップS202と同様である。上記ステップS306において、PDSN110は、移動端末100がローミングサービスへの加入者ではなければ、ステップS308に移り、通常の呼の処理を行う。
【0058】
これに対し、上記ステップS306において、PDSN110は、移動端末100がローミングサービスへの加入者であれば、ステップS310に移り、移動端末100のHN126におけるAAA144に、移動端末100に対する認証を要請する。このときには、上記移動端末100に対する加入者プロフィール情報も一緒に要請する。ステップS312において、PDSN110は、HN126におけるAAA144から、上記ステップS310において要請した移動端末100の認証要請に対する応答を受け取る。このとき、HN126におけるAAA144から、移動端末100に関する加入者プロフィール情報も上記認証に対する応答と同様にして受け取る。そして、上記ステップS312において、HN126におけるAAA144は、上記加入者プロフィール情報を送信するとき、VN124におけるPDSN110がHN126におけるPDSN142とのトンネリングを設定するためのトンネリング情報も一緒に伝送する。
【0059】
ステップS314において、PDSN110は、上記ステップS312において受け取ったトンネリング情報に基づいて、HN126におけるPDSN142とのトンネリングを設定する。
【0060】
図2及び図3に示すように、本発明の実施の形態による移動端末100は、VN124に接続しても、HN126から提供されていたサービスをVN124においても提供されることが可能である。
【0061】
図4は、本発明の実施の形態により、訪問ネットワーク124とホームネットワーク126との間において、モバイルIPサービス加入者にローミングサービスを提供するための呼のフローチャートである。
【0062】
先ず、ステップS400において、移動端末100とAN103との間にトラフィックチャンネルをセットアップし、AN103は、PDSN110とのR−Pセットアップを行う。ステップS402において、モバイルIPサービスを利用する移動端末100がリンク制御プロトコル(Link Control Protocol:LCP)の設定のためにLCPの設定要請LCP Configure_reqメッセージをPDSN110に伝送する。ステップS404において、PDSN110は、VN124における移動端末100とIPCP(IP Control Protocol)の交渉を行った後、ステップS406において、PDSN110は、移動端末100とのPPPの設定を完了する。
【0063】
しかしながら、移動端末100の加入者がモバイルIPサービスを利用する場合には、上記ステップS402におけるLCPの設定に際してCHAP/PAPを利用しないため、PDSN110は、移動端末100加入者に関する情報を把握することができない。このため、上記ステップS406において、移動端末100とVN124におけるPDSN110とのPPPの設定が完了した後、ステップS408において、移動端末100は、RFC2002に定義されているモバイルIPの登録要請メッセージをPDSN110に伝送する。
【0064】
ステップS410において、PDSN110は、上記移動端末100が伝送したモバイルIPの登録要請メッセージを受け取り、上記移動端末100がローミングサービスへの加入者であるかどうかをチェックする。このとき、上記ステップS410において、PDSN110がローミングサービスへの加入者であるかどうかをチェックする方法としては、PDSN110が、上記モバイルIPの登録要請メッセージ内のネットワーク識別子(NAI)の拡張フィールドのネットワーク識別子情報、すなわちuser@domain情報からユーザー名とドメインを分離した後、ドメインに基づいてローミング加入者の有無を判断する方法がある。もし、上記ステップS410において、上記移動端末100がローミングサービスへの加入者ではない場合には、PDSN110は、ステップS412に移り、通常のモバイルIPの進行手順を行う。
【0065】
これに対し、移動端末100の加入者がローミングサービスへの加入者であると判断されると、PDSN110は、ステップS414に移り、HN126におけるAAA144に移動端末100に対する認証を要請する。このとき、ステップS414において、PDSN110は、上記移動端末100がHN126から提供されていたサービスリストが含まれている加入者プロフィール情報も一緒に要請する。ステップS416において、HN126におけるAAA144は、上記移動端末100に対する加入者認証を行う。そして、ステップS418において、HN126におけるAAA144は、VN124におけるPDSN110に、上記ステップS414の応答として、上記移動端末100がHN126から提供されていたサービスリストが含まれているサービスプロフィール情報と一緒に、VN124におけるPDSN110とHN126におけるHA140とのトンネルリングのために、移動端末100加入者がVN124にローミングする前のHA140のIPアドレスを伝送する。
【0066】
ステップS420において、VN124におけるPDSN110は、HN126におけるAAA144から受け取った新たなHA140の情報を用い、モバイルIPセッションを設定する。すなわち、上記ステップS420において、VN124におけるPDSN110は、上記HN126におけるHA140に移動端末100に対するモバイルIPの登録要請メッセージを送信し、上記HN126におけるHA140は、上記モバイルIPの登録要請メッセージに対する応答を行う。このとき、上記HA140は、移動端末100に動的に新たなIPアドレスを割り当てるか、あるいは、移動端末100が伝送した移動端末100のIPアドレスに対して確認メッセージを伝送する。
【0067】
上記ステップS420において、移動端末100とHN126におけるPDSN142との間にモバイルIPセッションが設定されると、ステップS422において、移動端末100は、VN124におけるPDSN110とデータパケットを送受信し、VN124におけるPDSN110とHN126におけるHA140は、IPSec(IPセキュリティ)プロトコルを介してデータパケットを伝送することにより、移動端末100がデータサービスを提供されることが可能になる。
【0068】
ステップS424において、VN124におけるPDSN110は、VN124におけるAAA118及びHN142におけるAAA144に課金の開始を要請する。そして、ステップS426において、ユーザーデータの送受信が終了すると、ステップS428において、VN124におけるPDSN110は、VN124におけるAAA118及びHN142におけるAAA144に課金の終了を要請する。上記ステップS424において、課金の開始を要請するステップは、PDSN110がVN124におけるAAA118に課金の開始を要請し、VN124におけるAAA118がHN126におけるAAA144に課金の開始を要請するステップを含む。そして、ステップS428において、課金の終了を要請するステップは、PDSN110がVN124におけるAAA118に課金の終了を要請し、VN124におけるAAA118がHN126におけるAAA144に課金の終了を要請するステップを含む。
【0069】
図5は、本発明の実施の形態により、VN124におけるPDSN110において、モバイルIPサービス加入者にローミングサービスを提供するための手順図である。
【0070】
先ず、ステップS500において、VN124におけるPDSN110は、AN103とのR−Pセッションを設定し、ステップS502において、移動端末100とのLCPセッションを設定する。そして、ステップS504において、移動端末100とIPCPを設定することにより、PPPの設定を完了する。
【0071】
ステップS506において、PDSN110は、移動端末100からモバイルIP登録要請メッセージが受け取っているかどうかをチェックし、モバイルIPの登録要請メッセージを受け取っている場合、ステップS508へ移り、移動端末100がローミングサービスへの加入者であるかどうかをチェックする。上記ステップS508におけるチェックの結果、移動端末100がローミングサービスへの加入者ではなければ、ステップS510へ移り、通常の呼の処理動作を行う。
【0072】
これに対し、上記ステップS508におけるチェックの結果、移動端末100がローミングサービスへの加入者であれば、PDSN110は、ステップS512へ移り、HN126におけるAAA144に移動端末100に対する認証を要請する。このときには、上記移動端末100に関する加入者プロフィール情報も一緒に要請する。そして、上記要請した加入者プロフィール情報と一緒に、HA140のIPアドレスもHN126におけるAAA144から受け取る。ステップS514において、PDSN110は、HN126におけるHA140とのモバイルIPのセッションを設定し、ステップS516において、PDSN110は、IPSecを介して移動端末100及びHN126におけるHA140とのデータの送受信を行い、ステップS518において、VN124におけるAAA118及びHN126におけるAAA144に課金の開始を要請する。
【0073】
本発明の実施の形態においては、CDMA20001xEV−DOシステム同士のローミングについてのみ説明したが、CDMA20001xとCDMA20001xの間、及びCDMA20001xとCDMA20001xEV−DOシステムとの間にも本発明が適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の実施の形態による訪問ネットワークとホームネットワークとの間に設けられているCDMA20001xEV−DOシステムの通常の網構造を示す図。
【図2A】本発明の実施の形態により、移動端末に訪問ネットワークとホームネットワークとの間において、シンプルIPサービス加入者に対するローミングサービスを提供するための呼のフローチャート。
【図2B】本発明の実施の形態により、移動端末に訪問ネットワークとホームネットワークとの間において、シンプルIPサービス加入者に対するローミングサービスを提供するための呼のフローチャート。
【図3】本発明の実施の形態により、訪問ネットワークにおけるPDSNにおいて、シンプルIPサービス加入者にローミングサービスを提供するための手順図。
【図4A】本発明の実施の形態により、訪問ネットワークとホームネットワークとの間において、モバイルIPサービス加入者にローミングサービスを提供するための呼のフローチャート。
【図4B】本発明の実施の形態により、訪問ネットワークとホームネットワークとの間において、モバイルIPサービス加入者にローミングサービスを提供するための呼のフローチャート。
【図5】本発明の実施の形態により、訪問ネットワークにおけるPDSNにおいて、モバイルIPサービス加入者にローミングサービスを提供するための手順図。
【符号の説明】
【0075】
100:移動端末(AT)
102:基地局(ANTS)
108:パケット制御部(PCF)
110:パケットデータ提供ノード(PDSN)
112:セッション管理/移動性管理部(SCMM)
114:アクセスネットワーク−認証権限課金サーバー(AN−AAA)
118:認証権限課金サーバー(AAA)
120:外部エージェント(FA)
122:IPネットワーク
124:訪問ネットワーク(VN)
126:ホームネットワーク(HN)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホームネットワークから訪問ネットワークへと移動した移動端末にデータサービスを提供するための移動通信システムにおいて、
前記訪問ネットワークにおけるパケットデータ提供ノードにネットワーク識別子(NAI)を伝送する移動端末と、
前記移動端末加入者のプロフィール情報を前記訪問ネットワークに伝送する前記ホームネットワークにおける認証権限課金サーバー(AAA)と、
前記ネットワーク識別子に基づいて前記移動端末のローミングサービスへの加入の有無をチェックし、前記移動端末が前記ローミングサービスに加入している場合、前記ホームネットワークにおける認証権限課金サーバー(AAA)に対して前記移動端末加入者のプロフィール情報の送信を要請し、前記加入者プロフィール情報を用いて、前記ホームネットワークから当該加入者に提供していた少なくとも一つのデータサービスを提供する前記訪問ネットワークにおけるパケットデータ提供ノードと、を備えることを特徴とする移動通信システムにおけるローミングサービスの提供システム。
【請求項2】
前記訪問ネットワークにおけるパケットデータ提供ノードは、
前記移動端末が伝送したネットワーク識別子からユーザー名とドメインを分離し、前記分離したドメインを用いて前記移動端末のローミングサービスへの加入の有無を確認することを特徴とする、請求項1に記載の移動通信システムにおけるローミングサービスの提供システム。
【請求項3】
前記ホームネットワークにおける認証権限課金サーバー(AAA)は、
前記訪問ネットワークにおけるパケットデータ提供ノードにトンネリング情報をさらに伝送することを特徴とする、請求項1に記載の移動通信システムにおけるローミングサービスの提供システム。
【請求項4】
前記トンネリング情報は、前記訪問ネットワークにおけるパケットデータ提供ノードがトンネリングを行うための、前記ホームネットワークにおけるパケットデータ提供ノードのIPアドレスであることを特徴とする、請求項3に記載の移動通信システムにおけるローミングサービスの提供システム。
【請求項5】
前記トンネリング情報は、前記訪問ネットワークにおけるパケットデータ提供ノードがトンネリングを行うための、前記ホームネットワークにおけるホームエージェントのIPアドレスであることを特徴とする、請求項3に記載の移動通信システムにおけるローミングサービスの提供システム。
【請求項6】
前記訪問ネットワークにおけるパケットデータ提供ノードは、前記トンネリング情報を用いて前記ホームネットワークにおけるパケットデータ提供ノードとトンネリングを設定して、前記移動端末にパケットデータサービスを提供することを特徴とする、請求項4に記載の移動通信システムにおけるローミングサービスの提供システム。
【請求項7】
前記訪問ネットワークにおけるパケットデータ提供ノードは、前記トンネリング情報を用いて前記ホームネットワークにおけるホームエージェントとトンネリングを設定して、前記移動端末にパケットデータサービスを提供することを特徴とする、請求項4に記載の移動通信システムにおけるローミングサービスの提供システム。
【請求項8】
前記ホームネットワークにおけるパケットデータ提供ノードは、
前記移動端末とのパケットデータの送受信が始まる場合、前記ホームネットワークにおける認証権限課金サーバー(AAA)と前記訪問ネットワークにおける認証権限課金サーバー(AAA)に課金の開始を要請することを特徴とする、請求項6に記載の移動通信システムにおけるローミングサービスの提供システム。
【請求項9】
前記訪問ネットワークにおけるパケットデータ提供ノードは、
前記移動端末とのパケットデータの送受信が始まる場合、前記訪問ネットワークにおける認証権限課金サーバー(AAA)と前記ホームネットワークにおける認証権限課金サーバー(AAA)に課金の開始を要請することを特徴とする、請求項7に記載の移動通信システムにおけるローミングサービスの提供システム。
【請求項10】
ホームネットワークから訪問ネットワークへと移動した移動端末にデータサービスを提供するための方法において、
前記移動端末が前記訪問ネットワークにおけるパケットデータ提供ノードにネットワーク識別子(NAI)を伝送するステップと、
前記訪問ネットワークにおけるパケットデータ提供ノードが前記ネットワーク識別子を受け取るステップと、
前記訪問ネットワークにおけるパケットデータ提供ノードが、前記移動端末のローミングサービスへの加入の有無をチェックするステップと、
前記移動端末がローミングサービスに加入している場合、前記訪問ネットワークにおけるパケットデータ提供ノードが前記ホームネットワークにおける認証権限課金サーバーに対して前記移動端末加入者のプロフィール情報の送信を要請するステップと、
前記ホームネットワークにおける認証権限課金サーバーが前記移動端末加入者のプロフィール情報を前記訪問ネットワークに伝送するステップと、
前記加入者プロフィール情報を受け取った前記訪問ネットワークにおけるパケットデータ提供ノードが、前記加入者プロフィール情報を用いて、前記移動端末にパケットデータサービスを提供するステップと、を含むことを特徴とする移動通信システムにおけるローミングサービスの提供方法。
【請求項11】
前記訪問ネットワークにおけるパケットデータ提供ノードが、前記ネットワーク識別子に基づいて、前記移動端末のローミングサービスへの加入有無をチェックするステップは、
前記移動端末から前記ネットワーク識別子を受け取るステップと、
前記受け取ったネットワーク識別子からユーザー名とドメインを分離し、前記移動端末のローミングサービスへの加入の有無を確認するステップと、を含むことを特徴とする、請求項10に記載の移動通信システムにおけるローミングサービスの提供方法。
【請求項12】
前記ホームネットワークにおける認証権限課金サーバーが、前記訪問ネットワークにおけるパケットデータ提供ノードにトンネリング情報を伝送するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項11に記載の移動通信システムにおけるローミングサービスの提供方法。
【請求項13】
前記トンネリング情報は、前記訪問ネットワークにおけるパケットデータ提供ノードがトンネリングを行うための、前記ホームネットワークにおけるパケットデータ提供ノードのIPアドレスであることを特徴とする、請求項12に記載の移動通信システムにおけるローミングサービスの提供方法。
【請求項14】
前記トンネリング情報は、前記訪問ネットワークにおけるパケットデータ提供ノードがトンネリングを行うための、前記ホームネットワークにおけるホームエージェントのIPアドレスであることを特徴とする、請求項12に記載の移動通信システムにおけるローミングサービスの提供方法。
【請求項15】
前記訪問ネットワークにおけるパケットデータ提供ノードは、前記トンネリング情報を用いて前記ホームネットワークにおけるパケットデータ提供ノードとトンネリングを設定するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項13に記載の移動通信システムにおけるローミングサービスの提供方法。
【請求項16】
前記訪問ネットワークにおけるパケットデータ提供ノードは、前記トンネリング情報を用いて前記ホームネットワークにおけるホームエージェントとトンネリングを設定するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項14に記載の移動通信システムにおけるローミングサービスの提供方法。
【請求項17】
前記ホームネットワークにおけるパケットデータ提供ノードが、前記移動端末とのパケットデータの送受信が始まる場合、前記ホームネットワークにおける認証権限課金サーバー(AAA)と前記訪問ネットワークにおける認証権限課金サーバー(AAA)に課金の開始を要請するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項15に記載の移動通信システムにおけるローミングサービスの提供方法。
【請求項18】
前記訪問ネットワークにおけるパケットデータ提供ノードが、前記移動端末とのパケットデータの送受信が始まる場合、前記訪問ネットワークにおける認証権限課金サーバー(AAA)と前記ホームネットワークにおける認証権限課金サーバー(AAA)に課金の開始を要請するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項16に記載の移動通信システムにおけるローミングサービスの提供方法。
【請求項19】
ホームネットワークから訪問ネットワークへと移動した移動端末に、前記訪問ネットワークにおけるパケットデータ提供ノードがデータサービスを提供するための方法において、
前記移動端末からネットワーク識別子(NAI)を受け取るステップと、
前記ネットワーク識別子に基づいて、前記移動端末のローミングサービスへの加入の有無をチェックするステップと、
前記移動端末がローミングサービスに加入している場合、前記ホームネットワークにおける認証権限課金サーバーに前記移動端末加入者のプロフィール情報を要請するステップと、
前記ホームネットワークにおける認証権限課金サーバーから前記加入者プロフィール情報を受け取るステップと、
前記受け取った加入者プロフィール情報を用いて、前記移動端末にデータサービスを提供するステップと、を含むことを特徴とする、移動通信システムにおけるローミングサービスの提供方法。
【請求項20】
前記訪問ネットワークにおけるパケットデータ提供ノードは、
前記ホームネットワークにおける認証権限課金サーバーからトンネリング情報を受け取るステップをさらに含むことを特徴とする、請求項19に記載の移動通信システムにおけるローミングサービスの提供方法。
【請求項21】
前記トンネリング情報は、前記訪問ネットワークにおけるパケットデータ提供ノードがトンネリングを行うための、前記ホームネットワークにおけるパケットデータ提供ノードのIPアドレスであることを特徴とする、請求項20に記載の移動通信システムにおけるローミングサービスの提供方法。
【請求項22】
前記トンネリング情報は、前記訪問ネットワークにおけるパケットデータ提供ノードがトンネリングを行うための、前記ホームネットワークにおけるホームエージェントのIPアドレスであることを特徴とする、請求項20に記載の移動通信システムにおけるローミングサービスの提供方法。
【請求項23】
前記訪問ネットワークにおけるパケットデータ提供ノードは、前記トンネリング情報を用いて前記ホームネットワークにおけるパケットデータ提供ノードとトンネリングを設定するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項20に記載の移動通信システムにおけるローミングサービスの提供方法。
【請求項24】
前記訪問ネットワークにおけるパケットデータ提供ノードは、前記トンネリング情報を用いて前記ホームネットワークにおけるホームエージェントとトンネリングを設定するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項22に記載の移動通信システムにおけるローミングサービスの提供方法。
【請求項25】
前記ホームネットワークにおけるパケットデータ提供ノードは、
前記移動端末とのパケットデータの送受信が始まる場合、前記ホームネットワークにおける認証権限課金サーバー(AAA)と前記訪問ネットワークにおける認証権限課金サーバー(AAA)に課金の開始を要請するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項23に記載の移動通信システムにおけるローミングサービスの提供方法。
【請求項26】
前記訪問ネットワークにおけるパケットデータ提供ノードは、
前記移動端末とのパケットデータの送受信が始まる場合、前記訪問ネットワークにおける認証権限課金サーバー(AAA)と前記ホームネットワークにおける認証権限課金サーバー(AAA)に課金の開始を要請するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項24に記載の移動通信システムにおけるローミングサービスの提供方法。
【請求項27】
前記訪問ネットワークにおけるパケットデータ提供ノードが、前記ネットワーク識別子に基づいて前記移動端末のローミングサービスへの加入の有無をチェックするステップは、
前記移動端末が伝送したネットワーク識別子からユーザー名とドメインを分離するステップと、
前記ドメインをチェックし、前記移動端末のローミングサービスへの加入の有無を確認するステップと、を含むことを特徴とする、請求項19に記載の移動通信システムにおけるローミングサービスの提供方法。
【請求項28】
ホームネットワークから訪問ネットワークに移動した移動端末にデータサービスを提供するための移動通信システムにおいて、パケットデータ提供ノードがローミングサービスを提供するための方法において、
前記訪問ネットワークにおけるパケットデータ提供ノードが、前記移動端末からネットワーク識別子を受け取るステップと、
前記訪問ネットワークにおけるパケットデータ提供ノードが、前記ネットワーク識別子に基づいて、前記移動端末のローミングサービスへの加入の有無をチェックするステップと、
前記移動端末がローミングサービスに加入している場合、前記訪問ネットワークにおけるパケットデータ提供ノードが前記ホームネットワークにおける認証権限課金サーバー(AAA)に前記移動端末加入者のプロフィール情報の送信を要請するステップと、
前記訪問ネットワークにおけるパケットデータ提供ノードが、前記加入者プロフィール情報を用いて、前記ホームネットワークが前記移動端末加入者に提供していた少なくとも一つのサービスを提供するステップと、を含み、
前記ホームネットワークにおける認証権限課金サーバーが、前記訪問ネットワークに前記移動端末加入者のプロフィール情報を伝送することを特徴とする、移動通信システムにおけるローミングサービスの提供方法。
【請求項29】
前記受け取ったネットワーク識別子からユーザー名とドメインを分離するステップと、
前記分離したドメインを用いて、前記移動端末加入者が前記ローミングサービスへの加入者であるかどうかをチェックするステップと、をさらに含むことを特徴とする、請求項28に記載の移動通信システムにおけるローミングサービスの提供方法。
【請求項30】
前記ホームネットワークにおける認証権限課金サーバーは、前記訪問ネットワークにおけるパケットデータ提供ノードにトンネル情報を伝送し、前記トンネル情報は、前記訪問ネットワークにおけるパケットデータ提供ノードがトンネリングを行うための前記ホームネットワークにおけるパケットデータ提供ノードのIPアドレスと、前記訪問ネットワークにおけるパケットデータ提供ノードがトンネリングを行うための前記ホームネットワークにおけるホームエージェントのIPアドレスと、を含み、
前記訪問ネットワークにおけるパケットデータ提供ノードが前記トンネル情報を用いて前記ホームネットワークにおけるパケットデータ提供ノードとトンネリングを設定するステップと、
前記移動端末にパケットデータサービスを提供するステップと、をさらに含むことを特徴とする、請求項28に記載の移動通信システムにおけるローミングサービスの提供方法。
【請求項31】
前記訪問ネットワークにおけるパケットデータ提供ノードが、前記トンネル情報を用いて前記ホームネットワークにおけるホームエージェントとトンネリングを設定するステップと、
前記移動端末にパケットデータサービスを提供するステップと、をさらに含むことを特徴とする請求項30に記載の移動通信システムにおけるローミングサービスの提供方法。
【請求項32】
前記ホームネットワークにおけるパケットデータ提供ノードが、前記移動端末へのパケットデータサービスの提供を始めるとき、前記ホームネットワークにおける認証権限課金(AAA)サーバーと前記訪問ネットワークにおける認証権限課金サーバーに課金の開始を要請するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項31に記載の移動通信システムにおけるローミングサービスの提供方法。
【請求項33】
前記移動端末へのパケットデータサービスの提供が始まるとき、前記訪問ネットワークにおけるパケットデータ提供ノードが前記訪問ネットワークにおける認証権限課金サーバー(AAA)と前記ホームネットワークにおける認証権限課金サーバー(AAA)に課金の開始を要請するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項32に記載の移動通信システムにおけるローミングサービスの提供方法。
【請求項34】
ホームネットワークから訪問ネットワークへと移動した移動端末にパケットデータサービスを提供する移動通信システムにおいて、パケットデータ提供ノードがローミングサービスを提供するためのシステムにおいて、
前記移動端末からネットワーク識別子(NAI)を受け取るための手段と、
前記ネットワーク識別子に基づいて、前記移動端末加入者がローミングサービスへの加入者であるかどうかをチェックする手段と、
前記移動端末加入者が前記ローミングサービス加入者である場合、前記ホームネットワークにおける認証権限課金サーバー(AAA)に前記移動端末加入者のプロフィール情報の送信を要請する手段と、
前記加入者プロフィール情報を用いて、前記ホームネットワークが前記加入者に提供していた少なくとも一つのデータサービスを提供する手段と、を備え、
前記認証権限課金サーバー(AAA)が前記移動端末の加入者情報を前記訪問ネットワークに伝送することを特徴とする、移動通信システムにおけるローミングサービスの提供システム。
【請求項35】
前記受け取ったネットワーク識別子からユーザー名とドメイン名を分離するための手段と、
前記分離したドメイン名を用いて、前記移動端末加入者が前記ローミングサービスへの加入者であるかどうかをチェックするための手段と、をさらに備えることを特徴とする、請求項34に記載の移動通信システムにおけるローミングサービスの提供システム。

【図1】
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【図4B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4A】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−60651(P2007−60651A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−210383(P2006−210383)
【出願日】平成18年8月1日(2006.8.1)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【Fターム(参考)】