移動通信ネットワークにおける測位システムおよび測位方法
【課題】クライアント装置からの測位精度の要求クラスに応じて適切な応答を生成する測位システムを提供する。
【解決手段】クライアント装置101は、要求する測位精度とその要求クラスとを指定してサーバ装置102に対し移動機103の測位要求を送信する。サーバ装置102は、プライバシ設定情報に基づきプライバシチェックを実行後、測位要求を送信し、測位処理の結果を得る。サーバ装置102は、クライアント装置101が要求する測位の精度を確認し、要求精度を満たす測位結果が存在すればその測位結果を応答する。要求精度を満たす測位結果が存在しない場合、サーバ装置102は精度の要求クラスを確認し、第2のクラス(”Best Effort”)のときは、測位精度の最も高い測位結果を選択してクライアント装置101に応答し、第1のクラス(”Assured”)のときはエラーを通知する。
【解決手段】クライアント装置101は、要求する測位精度とその要求クラスとを指定してサーバ装置102に対し移動機103の測位要求を送信する。サーバ装置102は、プライバシ設定情報に基づきプライバシチェックを実行後、測位要求を送信し、測位処理の結果を得る。サーバ装置102は、クライアント装置101が要求する測位の精度を確認し、要求精度を満たす測位結果が存在すればその測位結果を応答する。要求精度を満たす測位結果が存在しない場合、サーバ装置102は精度の要求クラスを確認し、第2のクラス(”Best Effort”)のときは、測位精度の最も高い測位結果を選択してクライアント装置101に応答し、第1のクラス(”Assured”)のときはエラーを通知する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信ネットワークに関し、特に移動端末の地理的位置情報を提供する測位機能を有する測位システムおよび測位方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明に関する現時点での技術水準をより十分に説明する目的で、本願で引用され或いは特定される特許、特許出願、特許公報、科学論文等の全てを、ここに、参照することでそれらの全ての説明を組入れる。
【0003】
移動通信ネットワークにおいて、移動機の位置情報を提供する測位機能は、さまざまな位置情報サービスを可能にする重要な機能である。移動通信ネットワークの世界標準を定めている3GPP(Third Generation Partnership Program)においては、位置情報サービス機能および測位機能の仕様を制定している。これらは、3GPP Technical Specification 23.271v.5.4.0,”Functional stage 2 descriptionof LCS”,2002年9月(以下非特許文献1という)、及び3GPP Technical Specification 25.305 v.5.4.0,”Stage 2 functional specification of User Equipment(UE)positioning in UTRAN”,2002年3月(以下非特許文献2という)に開示されている。非特許文献1においては、ネットワーク外部のクライアント装置が移動機の位置情報を移動通信ネットワークから取得するための手順を規定している。一方、非特許文献2においては移動通信ネットワーク内部における移動機の地理的位置を取得するための手順が規定されている。
【0004】
移動体の地理的位置を示す位置情報に関して、位置情報の価値は精度情報と鮮度情報の2つの情報によって決められる。精度情報は位置情報の正しさを示す情報であり精度が高いほど位置情報で示される地点に移動機が存在する確率が高い。ある確率(例えば95%等)で移動機が存在する範囲を円で示し、その円の中心点を位置情報とし半径を精度情報とする例などが考えられる。鮮度情報はその位置情報の新しさを示す情報であり、鮮度が高いほど位置情報で示される地点に移動機が存在する確率が高い。
【0005】
非特許文献1および非特許文献2に記載の3GPPの位置情報サービスにおいては、外部クライアントは要求する測位精度(Accuracy)を指定することができる。しかし、ネットワーク内部での測位処理の結果、要求された測位精度を満たす位置情報を取得できなかった場合の測位システムの動作は明確になっておらず、外部クライアントに対してエラーを通知する場合も考えられるし、要求された測位精度の最も近い精度の位置情報を通知する場合も考えられる。非特許文献2の7.3.1章においては上記のどちらの可能性も記載されており、この点はインプリもしくはオペレータマターとなっている。
【0006】
現実の位置情報サービスにおいては、要求する測位精度が満たされない場合にどのような振る舞いをするべきかは、外部クライアントが提供する位置情報サービスに依存すると考えられる。例えば、歩行者に対して道案内を行う人ナビゲーションのような位置情報サービスにおいては10m〜数10m程度の測位精度が要求されると考えられるが、オペレータ側での測位処理の結果、要求測位精度が満たされないときに数kmオーダーの測位精度の位置情報を通知されても、外部クライアントにおけるサービスには役に立たない情報であり、そのような情報に対して外部クライアントやユーザーが対価を払う必要があるのは問題であると考えられる。
【0007】
位置情報の要求鮮度に関しては現在の3GPP標準には規定されていないが、今後、要求鮮度が標準化された際には測位精度と同様に要求された鮮度の位置情報を取得できなかった場合の処理が問題になると考えられる。
【0008】
前述の状況下で、測位処理においてクライアントの要求に応じて適切な測位結果を選択し応答する測位システムを実現すること、特に要求する測位精度と測位鮮度に基づいて処理を行う測位システムを実現することが望まれていた。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】3GPP Technical Specification 23.271 v.5.4.0,”Functional stage 2 description of LCS”,2002年9月。
【0010】
【非特許文献2】3GPP Technical Specification 25.305 v.5.4.0,”Stage 2 functional specification of User Equipment(UE)positioning in UTRAN”,2002年3月。
【発明の開示】
【0011】
従って、本発明の目的は、前述した問題のない移動通信ネットワークにおける測位システムを提供することにある。
【0012】
本発明の更なる目的は、測位処理においてクライアントの要求に応じて適切な測位結果を選択し応答する測位システムを提供することにある。
【0013】
本発明の更なる目的は、クライアントの要求する測位精度と測位鮮度に基づいて測位処理を行う測位システムを提供することにある。
【0014】
本発明の更なる目的は、前述した問題のない移動通信ネットワークにおける測位方法を提供することにある。
【0015】
本発明の更なる目的は、測位処理においてクライアントの要求に応じて適切な測位結果を選択し応答する測位方法を提供することにある。
【0016】
本発明の更なる目的は、クライアントの要求する測位精度と測位鮮度に基づいて測位処理を行う測位方法を提供することにある。
【0017】
本発明の更なる目的は、前述した問題のない移動通信ネットワークにおける測位サーバ装置を提供することにある。
【0018】
本発明の更なる目的は、測位処理においてクライアントの要求に応じて適切な測位結果を選択し応答する測位サーバ装置を提供することにある。
【0019】
本発明の更なる目的は、クライアントの要求する測位精度と測位鮮度に基づいて測位処理を行う測位サーバ装置を提供することにある。
【0020】
本発明の更なる目的は、前述した問題のない移動通信ネットワークにおける測位方法を実行するプログラムを提供することにある。
【0021】
本発明の更なる目的は、測位処理においてクライアントの要求に応じて適切な測位結果を選択し応答する測位方法を実行するプログラムを提供することにある。
【0022】
本発明の更なる目的は、クライアントの要求する測位精度と測位鮮度に基づいて測位処理を行う測位方法を実行するプログラムを提供することにある。
【0023】
本発明の移動通信ネットワークにおける測位システムにおいては、上記の課題を解決するために、要求精度の要求クラス情報及び/又は要求鮮度の要求クラス情報を導入し、外部クライアントからの測位要求に対し、これら要求クラス情報に基づいてこの外部クライアントへの位置情報の応答を生成する。これら要求クラス情報は、外部クライアント装置が測位要求と共に測位システムに送信することも考えられるし、測位システム内部にあらかじめ保持しておくことも考えられる。
【0024】
要求精度の要求クラス情報は、要求される精度を必ず満たす測位結果を応答することを条件とする第1のクラスと、要求される精度を満たす測位結果が存在しない場合に最も要求される精度に最も近い測位精度の測位結果を返すことを条件とする第2のクラスとを含む。
【0025】
要求鮮度の要求クラス情報は、要求される鮮度を必ず満たす測位結果を応答することを条件とする第3のクラスと、要求される鮮度を満たす測位結果が存在しない場合に最も要求される鮮度に最も近い測位鮮度の測位結果を返すことを条件とする第4のクラスとを含む。
【0026】
また、要求される精度や鮮度の条件を満たす測位結果が複数存在する場合に、精度と鮮度のどちらを優先するかを決める優先度情報を導入し、この優先度情報を用いて測位結果の選択を行う。
【0027】
また、測位要求に対する応答の生成は、移動通信ネットワークにおけるノード装置内に含まれる測位応答生成機能ユニットで行うことが可能である。このノード装置は、通信ネットワークのいずれかのノードに位置するあらゆる装置を包含し、その典型例としてサーバやゲートウェイ等が挙げられるが特にこれらに限定するものではない。
【0028】
更に、測位対象は、測位の対象となり得るあらゆるものを包含し、その典型例として移動体機や移動体端末等が挙げられるが必ずしもこれらに限定するものではない。
【0029】
また、機能ユニットとは、ある特定の機能を実行する能力を備えたユニットであればよく、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアを包含するあらゆる形態において実現することが可能である。尚、本願明細書並びに図面中の用語「手段」とは、本願においては、機能ユニットに相当するものとする。
【0030】
また、外部クライアントとは、測位応答生成機能ユニットを含むノード装置以外であって、測位要求を行うものあれば何でもよく、特に限定されるものではない。
【0031】
更に、本願において、移動通信ネットワークにおける測位サーバ装置は、外部クライアントからの要求に従い測位応答サービスを提供するものあれば何でもよく、特に限定されるものではない。また、この測位サーバ装置は、移動通信ネットワーク上のいずれの位置に存在してもよく、特定のノード或いはターミナル等に限定するものではない。
【0032】
更に、本願において、用語「クラス」は「レベル」と実質同意義であり、例えば、「第一乃至第四のクラス」は「第一乃至第四のレベル」と代替的に表現することができる。また、「クラス情報」も「レベル情報」と代替的に表現することができる。
【0033】
本発明の第1の利点は、測位処理において要求する測位精度を満たす測位結果のみを受け取るか、要求する測位精度を満たす測位結果がない場合にもできるだけ要求する測位精度に近い測位結果を受け取るか、をクライアント装置が選択可能になることである。
【0034】
本発明の第2の利点は、測位処理において要求する測位鮮度を満たす測位結果のみを受け取るか、要求する測位鮮度を満たす測位結果がない場合にもできるだけ要求する測位鮮度に近い測位結果を受け取るか、をクライアント装置が選択可能になることである。
【0035】
本発明の第一の側面によれば、外部クライアント装置からの測位要求に対して測位対象の位置情報を応答する移動通信ネットワークにおける測位システムであって、前記外部クライアント装置への位置情報の応答を、要求精度情報と要求精度の要求クラス情報とに基づいて生成する測位応答生成機能ユニットを含むノード装置を少なくとも1つ含む移動通信ネットワークにおける測位システムを提供する。
【0036】
前記要求精度の要求クラス情報は、前記外部クライアント装置により要求される測位精度を必ず満たす位置情報を前記外部クライアント装置へ応答するよう前記ノード装置に対し要求することを示す第1のクラスを少なくとも含むよう構成し得る。
【0037】
ここで、前記第1のクラスは、前記外部クライアント装置により要求される測位精度を満たす位置情報が存在しない場合には、前記外部クライアント装置へエラーを応答するよう前記ノード装置に対し要求することを示すものである。
【0038】
更に、前記要求精度の要求クラス情報は、前記外部クライアント装置により要求される測位精度を満たさない場合には、前記要求される測位精度に最も近い位置情報を前記外部クライアント装置へ応答するよう前記ノード装置に対し要求することを示す第2のクラスを少なくとも含むよう構成し得る。
【0039】
前記第2のクラスは、応答可能な位置情報が存在しない場合には、前記外部クライアント装置へエラーを応答するよう前記ノード装置に対し要求することを示すものである。
【0040】
前記要求精度の要求クラス情報は、前記外部クライアント装置により要求される測位精度を必ず満たす位置情報を前記外部クライアント装置へ応答するよう前記ノード装置に対し要求することを示す第1のクラスと、前記外部クライアント装置により要求される測位精度を満たさない場合には、前記要求される測位精度に最も近い位置情報を前記外部クライアント装置へ応答するよう前記ノード装置に対し要求することを示す第2のクラスとの双方を含むよう構成し得る。
【0041】
また、前記測位システムは、前記要求精度の要求クラス情報を保持するための保持機能ユニットを更に含むよう構成し得る。
【0042】
また、前記測位システムは、前記外部クライアントが測位要求と共に送信した前記要求精度の要求クラス情報を受信するための受信機能ユニットを更に含むよう構成し得る。
【0043】
前記要求精度の要求クラス情報を前記外部クライアントが測位要求と共に送信した場合は、前記測位応答生成機能ユニットはその要求クラス情報を使用して前記位置情報の応答を生成し、一方、前記要求精度の要求クラス情報を前記外部クライアントが測位要求と共に送信しなかった場合は、前記測位応答生成機能ユニットは前記移動通信ネットワークにおける前記測位システムの内部に保持している要求精度の要求クラス情報を使用して前記位置情報の応答を生成するよう構成し得る。
【0044】
更に、本発明の第二の側面によれば、外部クライアント装置からの測位要求に対して測位対象の位置情報を応答する移動通信ネットワークにおける測位システムであって、前記外部クライアント装置への位置情報の応答を要求鮮度情報と要求鮮度の要求クラス情報とに基づいて生成する測位応答生成機能ユニットを含むノード装置を少なくとも1つ含む移動通信ネットワークにおける測位システムを提供する。
【0045】
前記要求鮮度の要求クラス情報は、前記外部クライアント装置により要求される測位鮮度を必ず満たす位置情報を前記外部クライアント装置へ応答するよう前記ノード装置に対し要求することを示す第1のクラスを少なくとも含むよう構成し得る。
【0046】
前記第1のクラスは、前記外部クライアント装置により要求される測位鮮度を満たす位置情報が存在しない場合には、前記外部クライアント装置へエラーを応答するよう前記ノード装置に対し要求することを示すよう構成し得る。
【0047】
前記要求精度の要求クラス情報は、前記外部クライアント装置により要求される測位鮮度を満たさない場合には、前記要求される測位鮮度に最も近い位置情報を前記外部クライアント装置へ応答するよう前記ノード装置に対し要求することを示す第2のクラスを少なくとも含むよう構成し得る。
【0048】
前記第2のクラスは、応答可能な位置情報が存在しない場合には、前記外部クライアント装置へエラーを応答するよう前記ノード装置に対し要求することを示すよう構成し得る。
【0049】
前記要求鮮度の要求クラス情報は、前記外部クライアント装置により要求される測位鮮度を必ず満たす位置情報を前記外部クライアント装置へ応答するよう前記ノード装置に対し要求することを示す第1のクラスと、前記外部クライアント装置により要求される測位鮮度を満たさない場合には、前記要求される測位鮮度に最も近い位置情報を前記外部クライアント装置へ応答するよう前記ノード装置に対し要求することを示す第2のクラスの双方を含むよう構成し得る。
【0050】
前記測位システムは、前記要求鮮度の要求クラス情報を保持するための保持機能ユニットを更に含むよう構成し得る。
【0051】
前記測位システムは、前記外部クライアントが測位要求と共に送信した前記要求鮮度の要求クラス情報を受信するための受信機能ユニットを更に含むよう構成し得る。
【0052】
前記要求鮮度の要求クラス情報を前記外部クライアントが測位要求と共に送信した場合は、前記測位応答生成機能ユニットはその要求クラス情報を使用して前記位置情報の応答を生成し、一方、前記要求鮮度の要求クラス情報を前記外部クライアントが測位要求と共に送信しなかった場合は、前記測位応答生成機能ユニットは前記移動通信ネットワークにおける前記測位システムの内部に保持している要求鮮度の要求クラス情報を使用して前記位置情報の応答を生成するよう構成し得る。
【0053】
更に、本発明の第三の側面によれば、外部クライアント装置からの測位要求に対して測位対象の位置情報を応答する移動通信ネットワークにおける測位システムであって、前記外部クライアント装置への位置情報の応答を、要求精度情報と要求精度の要求クラス情報および要求鮮度情報と要求鮮度の要求クラス情報に基づいて生成する測位応答生成機能ユニットを含むノード装置を少なくとも1つ含む移動通信ネットワークにおける測位システムを提供する。
【0054】
前記要求精度の要求クラス情報は、前記外部クライアント装置により要求される測位精度を必ず満たす位置情報を前記外部クライアント装置へ応答するよう前記ノード装置に対し要求することを示す第1のクラスを少なくとも含むよう構成し得る。
【0055】
前記第1のクラスは、前記外部クライアント装置により要求される測位精度を満たす位置情報が存在しない場合には、前記外部クライアント装置へエラーを応答するよう前記ノード装置に対し要求することを示すよう構成し得る。
【0056】
前記要求精度の要求クラス情報は、前記外部クライアント装置により要求される測位精度を満たさない場合には、前記要求される測位精度に最も近い位置情報を前記外部クライアント装置へ応答するよう前記ノード装置に対し要求することを示す第2のクラスを少なくとも含むよう構成し得る。
【0057】
前記第2のクラスは、応答可能な位置情報が存在しない場合には、前記外部クライアント装置へエラーを応答するよう前記ノード装置に対し要求することを示すよう構成し得る。
【0058】
前記要求精度の要求クラス情報は、前記外部クライアント装置により要求される測位精度を必ず満たす位置情報を前記外部クライアント装置へ応答するよう前記ノード装置に対し要求することを示す第1のクラスと、前記外部クライアント装置により要求される測位精度を満たさない場合には、前記要求される測位精度に最も近い位置情報を前記外部クライアント装置へ応答するよう前記ノード装置に対し要求することを示す第2のクラスとの双方を含むよう構成し得る。
【0059】
前記測位システムは、前記要求精度の要求クラス情報を保持するための保持機能ユニットを更に含むよう構成し得る。
【0060】
前記測位システムは、前記外部クライアントが測位要求と共に送信した前記要求精度の要求クラス情報を受信するための受信機能ユニットを更に含むよう構成し得る。
【0061】
前記要求精度の要求クラス情報を前記外部クライアントが測位要求と共に送信した場合は、前記測位応答生成機能ユニットはその要求クラス情報を使用して前記位置情報の応答を生成し、一方、前記要求精度の要求クラス情報を前記外部クライアントが測位要求と共に送信しなかった場合は、前記測位応答生成機能ユニットは前記移動通信ネットワークにおける前記測位システム内部に保持している要求精度の要求クラス情報を使用して前記位置情報の応答を生成するよう構成し得る。
【0062】
前記要求鮮度の要求クラス情報は、前記外部クライアント装置により要求される測位鮮度を必ず満たす位置情報を前記外部クライアント装置へ応答するよう前記ノード装置に対し要求することを示す第3のクラスを少なくとも含むよう構成し得る。
【0063】
前記第3のクラスは、前記外部クライアント装置により要求される測位鮮度を満たす位置情報が存在しない場合には、前記外部クライアント装置へエラーを応答するよう前記ノード装置に対し要求することを示すよう構成し得る。
【0064】
前記要求精度の要求クラス情報は、前記外部クライアント装置により要求される測位鮮度を満たさない場合には、前記要求される測位鮮度に最も近い位置情報を前記外部クライアント装置へ応答するよう前記ノード装置に対し要求することを示すよう構成し得る。
【0065】
前記第4のクラスは、応答可能な位置情報が存在しない場合には、前記外部クライアント装置へエラーを応答するよう前記ノード装置に対し要求することを示すよう構成し得る。
【0066】
前記要求鮮度の要求クラス情報は、前記外部クライアント装置により要求される測位鮮度を必ず満たす位置情報を前記外部クライアント装置へ応答するよう前記ノード装置に対し要求することを示す第3のクラスと、前記外部クライアント装置により要求される測位鮮度を満たさない場合には、前記要求される測位鮮度に最も近い位置情報を前記外部クライアント装置へ応答するよう前記ノード装置に対し要求することを示す第4のクラスの双方を含むよう構成し得る。
【0067】
前記測位システムは、前記要求鮮度の要求クラス情報を保持するための保持機能ユニットを更に含むよう構成し得る。
【0068】
前記測位システムは、前記外部クライアントが測位要求と共に送信した前記要求鮮度の要求クラス情報を受信するための受信機能ユニットを更に含むよう構成し得る。
【0069】
前記要求鮮度の要求クラス情報を前記外部クライアントが測位要求と共に送信した場合は、前記測位応答生成機能ユニットはその要求クラス情報を使用して前記位置情報の応答を生成し、一方、前記要求鮮度の要求クラス情報を前記外部クライアントが測位要求と共に送信しなかった場合は、前記測位応答生成機能ユニットは前記移動通信ネットワークにおける前記測位システムの内部に保持している要求鮮度の要求クラス情報を使用して前記位置情報の応答を生成するよう構成し得る。
【0070】
前記要求精度の要求クラス情報は、前記外部クライアント装置により要求される測位精度を満たさない場合には、前記要求される測位精度に最も近い位置情報を前記外部クライアント装置へ応答するよう前記ノード装置に対し要求することを示す第2のクラスに設定され、前記要求鮮度の要求クラス情報は、前記外部クライアント装置により要求される測位鮮度を満たさない場合には、前記要求される測位鮮度に最も近い位置情報を前記外部クライアント装置へ応答するよう前記ノード装置に対し要求することを示す第4のクラスに設定され、前記外部クライアント装置により要求される測位精度と測位鮮度とを共に満たす位置情報が存在しない場合に、前記ノード装置は測位精度が最も高い位置情報を前記外部クライアント装置へ応答するよう構成し得る。
【0071】
前記要求精度の要求クラス情報は、前記外部クライアント装置により要求される測位精度を満たさない場合には、前記要求される測位精度に最も近い位置情報を前記外部クライアント装置へ応答するよう前記ノード装置に対し要求することを示す第2のクラスに設定され、前記要求鮮度の要求クラス情報は、前記外部クライアント装置により要求される測位鮮度を満たさない場合には、前記要求される測位鮮度に最も近い位置情報を前記外部クライアント装置へ応答するよう前記ノード装置に対し要求することを示す第4のクラスに設定され、前記外部クライアント装置により要求される測位精度と測位鮮度とを共に満たす位置情報が存在しない場合に、前記ノード装置は測位鮮度が最も新しい位置情報を前記外部クライアント装置へ応答するよう構成し得る。
【0072】
前記要求精度の要求クラス情報は、前記外部クライアント装置により要求される測位精度を満たさない場合には、前記要求される測位精度に最も近い位置情報を前記外部クライアント装置へ応答するよう前記ノード装置に対し要求することを示す第2のクラスに設定され、前記要求鮮度の要求クラス情報は、前記外部クライアント装置により要求される測位鮮度を満たさない場合には、前記要求される測位鮮度に最も近い位置情報を前記外部クライアント装置へ応答するよう前記ノード装置に対し要求することを示す第4のクラスに設定され、前記外部クライアント装置により要求される測位精度と測位鮮度とを共に満たす位置情報が存在しない場合に、前記ノード装置は鮮度と精度のどちらを優先するかを示す優先度情報に基づいて位置情報を前記外部クライアント装置へ応答するよう構成し得る。
【0073】
前記移動通信ネットワークにおける前記測位システムにおいて、前記優先度情報が精度を優先するように設定されている場合に、前記ノード装置は精度が最も高い位置情報を前記外部クライアント装置へ応答するよう構成し得る。
【0074】
前記移動通信ネットワークにおける前記測位システムにおいて、前記優先度情報が鮮度を優先するように設定されている場合に、前記ノード装置は鮮度が最も新しい位置情報を前記外部クライアント装置へ応答するよう構成し得る。
【0075】
更に、本発明の第四の側面によれば、外部クライアント装置からの測位要求に対して測位対象の位置情報を応答する移動通信ネットワークにおける測位方法であって、前記外部クライアント装置への位置情報の応答を、要求精度情報と要求精度の要求クラス情報とに基づいて生成する移動通信ネットワークにおける測位方法を提供する。
【0076】
更に、本発明の第五の側面によれば、外部クライアント装置からの測位要求に対して測位対象の位置情報を応答する移動通信ネットワークにおける測位方法であって、前記外部クライアント装置への位置情報の応答を要求鮮度情報と要求鮮度の要求クラス情報とに基づいて生成する移動通信ネットワークにおける測位方法を提供する。
【0077】
更に、本発明の第六の側面によれば、外部クライアント装置からの測位要求に対して測位対象の位置情報を応答する移動通信ネットワークにおける測位方法であって、前記外部クライアント装置への位置情報の応答を要求精度情報と要求精度の要求クラス情報および要求鮮度情報と要求鮮度の要求クラス情報に基づいて生成する移動通信ネットワークにおける測位方法を提供する。
【0078】
更に、本発明の第七の側面によれば、外部クライアント装置からの測位要求に対して測位対象の位置情報を応答する移動通信ネットワークにおける測位サーバ装置であって、前記外部クライアント装置への位置情報の応答を要求精度情報と要求精度の要求クラス情報とに基づいて生成する測位応答生成機能ユニットを含む移動通信ネットワークにおける測位サーバ装置を提供する。
【0079】
前記要求精度の要求クラス情報は、前記外部クライアント装置により要求される測位精度を必ず満たす位置情報を前記外部クライアント装置へ応答するよう前記測位サーバ装置に対し要求することを示す第1のクラスと、前記外部クライアント装置により要求される測位精度を満たさない場合には、前記要求される測位精度に最も近い位置情報を前記外部クライアント装置へ応答するよう前記測位サーバ装置に対し要求することを示す第2のクラスとを含むよう構成し得る。
【0080】
前記測位サーバ装置は、前記外部クライアント装置毎の前記要求精度の要求クラス情報を記憶する記憶機能ユニットを更に含むよう構成し得る。
【0081】
前記外部クライアントが測位要求と共に送信する前記要求精度の要求クラス情報を受信する受信機能ユニットを更に含むよう構成し得る。
【0082】
前記測位サーバ装置は、前記外部クライアント装置毎の前記要求精度の要求クラス情報を記憶する記憶機能ユニットと、前記外部クライアントが測位要求と共に送信した前記要求精度の要求クラス情報を受信する受信機能ユニットと、前記外部クライアントが測位要求と共に送信した前記要求精度の要求クラス情報を前記受信機能ユニットが受信した場合は、前記受信した要求クラス情報を選択し、前記要求精度の要求クラス情報を前記受信機能ユニットが受信しなかった場合は、前記記憶機能ユニットに既に記憶されている前記要求精度の要求クラス情報を選択するマージ機能ユニットとを更に含むよう構成し得る。
【0083】
更に、本発明の第八の側面によれば、外部クライアント装置からの測位要求に対して測位対象の位置情報を応答する移動通信ネットワークにおける測位サーバ装置であって、前記外部クライアント装置への位置情報の応答を要求鮮度情報と要求鮮度の要求クラス情報とに基づいて生成する測位応答生成機能ユニットを含む移動通信ネットワークにおける測位サーバ装置を提供する。
【0084】
前記要求鮮度の要求クラス情報は、前記外部クライアント装置により要求される測位鮮度を必ず満たす位置情報を前記外部クライアント装置へ応答するよう前記測位サーバ装置に対し要求することを示す第1のクラスと、前記外部クライアント装置により要求される測位鮮度を満たさない場合には、前記要求される測位鮮度に最も近い位置情報を前記外部クライアント装置へ応答するよう前記測位サーバ装置に対し要求することを示す第2のクラスとを含むよう構成し得る。
【0085】
前記測位サーバ装置は、前記外部クライアント装置毎の前記要求鮮度の要求クラス情報を記憶する記憶機能ユニットを更に含むよう構成し得る。
【0086】
前記外部クライアントが測位要求と共に送信する前記要求鮮度の要求クラス情報を受信する受信機能ユニットを更に含むよう構成し得る。
【0087】
前記測位サーバ装置は、前記外部クライアント装置毎の前記要求鮮度の要求クラス情報を記憶する記憶機能ユニットと、前記外部クライアントが測位要求と共に送信した前記要求鮮度の要求クラス情報を受信する受信機能ユニットと、前記外部クライアントが測位要求と共に送信した前記要求鮮度の要求クラス情報を前記受信機能ユニットが受信した場合は、前記受信した要求クラス情報を選択し、前記要求鮮度の要求クラス情報を前記受信機能ユニットが受信しなかった場合は前記記憶機能ユニットに既に記憶されている要求鮮度の要求クラス情報を選択するマージ機能ユニットとを更に含むよう構成し得る。
【0088】
更に、本発明の第九の側面によれば、外部クライアント装置からの測位要求に対して測位対象の位置情報を応答する移動通信ネットワークにおける測位サーバ装置により実行されるプログラムであって、前記外部クライアント装置への位置情報の応答を要求精度情報と要求精度の要求クラス情報とに基づいて生成する測位応答生成工程を含むプログラムを提供する。
【0089】
更に、本発明の第十の側面によれば、外部クライアント装置からの測位要求に対して測位対象の位置情報を応答する移動通信ネットワークにおける測位サーバ装置により実行されるプログラムであって、前記外部クライアント装置への位置情報の応答を要求鮮度情報と要求鮮度の要求クラス情報とに基づいて生成する測位応答生成工程を含むプログラムを提供する。
【0090】
本発明のサーバは、移動機を含む移動通信システムのサーバであって、前記移動機の位置情報を要求する測位要求を受信する測位要求処理手段と、前記測位要求に対する応答として、要求測位精度及び要求レベルに従い、前記位置情報及びエラー通知のうちの1つを送信する送信手段を備える。
【0091】
また、前記送信手段が、前記位置情報の精度が前記要求測位精度を満たさず、かつ前記要求レベルが第一のレベルである場合には、前記エラー通知を送信し、前記位置情報の精度が前記要求測位精度を満たさず、かつ前記要求レベルが第二のレベルである場合には、前記位置情報を送信する。
【0092】
また、前記移動通信システムが地域無線網及び前記地域無線網と通信する管理装置を備え、前記測位要求処理手段が、前記管理装置と連携して前記移動機の前記位置情報を取得する測位処理を行う。
【0093】
また、前記測位要求処理手段が、前記管理装置から前記位置情報を受信する。
【0094】
また、前記測位処理が、A−GPS測位処理、Cell−ID測位処理、及びOTDOA測位処理の内のいずれか1つである。
【0095】
また、前記送信手段が、前記測位要求処理手段が前記位置情報の取得に失敗した場合に
、前記エラー通知を送信する。
【0096】
また、前記移動通信システムがクライアント装置を含み、前記測位要求処理手段が、前記クライアント装置から前記測位要求を受信し、前記位置情報及びエラー通知のうちの1つを前記クライアント装置に向かって送信する。
【0097】
また、前記測位要求処理手段が、前記クライアント装置から前記要求測位精度及び前記要求レベルのうちの少なくとも1つを受信する。
【0098】
本発明のクライアント装置は、移動機と、サーバとからなる移動通信システムのクライアント装置であって、前記移動機の位置情報を要求する測位要求を前記サーバに向かって送信する送信手段と、前記測位要求に対する応答として、要求測位精度及び測位精度の要求レベルに従い、前記移動機の位置情報及びエラー通知のうちの1つを前記サーバから受信する受信手段と、を備える。
【0099】
また、前記受信手段が、前記サーバ内の位置情報が前記要求測位精度を満たさず、かつ前記要求レベルが第一のレベルである場合には、前記エラー通知を受信し、前記サーバ内の位置情報が前記要求測位精度を満たさず、かつ前記要求レベルが第二のレベルである場合には、前記サーバが記憶する位置情報を受信する。
【0100】
また、前記移動通信システムが地域無線網及び前記地域無線網と通信する管理装置を備え、前記サーバ内の位置情報が、前記サーバと前記管理装置と連携して行う測位処理によって取得される。
【0101】
また、前記サーバ内の位置情報が、前記サーバによって前記管理装置から受信される。
【0102】
また、前記測位処理が、A−GPS測位処理、Cell−ID測位処理、及びOTDOA測位処理のうちのいずれか1つであるクライアント装置。
【0103】
また、前記サーバと前記管理装置とが前記位置情報の取得を失敗した場合に、前記エラー通知を受信する。
【0104】
また、前記送信手段が、前記要求測位精度及び前記要求レベルのうちの少なくとも一つを前記サーバに向かって送信する。
【0105】
本発明の移動機は、サーバと、地域無線網と、前記地域無線網と通信する管理装置とからなる移動通信システムの移動機であって、前記地域無線網と通信する無線通信手段と、前記サーバからの測位要求に応じて、前記地域無線網、前記管理装置、及び前記サーバと連携して前記移動機の位置情報を取得する測位処理を行う測位処理手段と、を備え、要求測位精度及び測位精度の要求レベルに従い、前記位置情報及びエラー通知のうちの1つが前記サーバから送信される。
【0106】
前記位置情報の精度が前記要求測位精度を満たさず、かつ前記要求レベルが第一のレベルである場合には、前記サーバから前記エラー通知が送信され、前記位置情報の精度が前記要求測位精度を満たさず、かつ前記要求レベルが第二のレベルである場合には、前記サーバから前記位置情報が送信される。
【0107】
また、前記測位処理が、A−GPS測位処理、Cell−ID測位処理、及びOTDOA測位処理のうちのいずれか1つである。
【0108】
また、前記位置情報の取得が失敗した場合に、前記サーバから前記エラー通知が送信される。
【0109】
また、前記移動通信システムが前記サーバ装置と通信するクライアント装置を備え、前記位置情報及びエラー通知のうちの1つが前記サーバから前記クライアント装置に向かって送信される。
【0110】
本発明の移動通信システムは、サーバと、移動機と、地域無線網、前記地域無線網と通信する管理装置とからなる移動通信システムであって、前記サーバは、前記移動機の位置情報を要求する測位要求を受信し、要求測位精度及び測位精度の要求レベルを保持し、前記測位要求に対する応答として、前記要求測位精度及び前記要求レベルに従い、前記位置情報及びエラー通知のうちの1つを送信し、前記サーバと、前記移動機と、前記地域無線網及び前記管理装置とが連携して前記位置情報を取得する測位処理を行う。
【0111】
前記サーバが、前記位置情報の精度が前記要求測位精度を満たさず、かつ前記要求レベルが第一のレベルである場合には、前記エラー通知を送信し、前記位置情報の精度が前記要求測位精度を満たさず、かつ前記要求レベルが第二のレベルである場合には、前記位置情報を送信する。
【0112】
本発明の、移動機と、サーバとからなる移動通信システムにおける制御方法であって、前記移動機の位置情報を要求する測位要求を受信し、要求測位精度及び測位精度の要求レベルを保持し、前記測位要求に対する応答として、前記要求測位精度及び前記要求レベルに従い、前記位置情報及びエラー通知のうちの1つを送信する。
【0113】
本発明の、移動機と、サーバとからなる移動通信システムにおける制御方法であって、前記移動機の位置情報を要求する測位要求を受信し、要求測位精度及び測位精度の要求レベルを保持し、前記測位要求に対する応答として、前記要求測位精度及び前記要求レベルに従い、前記位置情報及びエラー通知のうちの1つを送信する。
【0114】
本発明の、移動機と、サーバと、地域無線網と、前記地域無線網と通信する管理装置とからなる移動通信システムにおける制御方法であって、前記地域無線網と無線通信し、前記サーバからの測位要求に応じて、前記地域無線網と、前記管理装置と、前記サーバと連携して前記移動機の位置情報を取得する測位処理を行い、前記サーバに記憶された要求測位精度及び測位精度の要求レベルに従い、前記位置情報及びエラー通知のうちの1つが前記サーバから送信される。
【0115】
本発明の、サーバと、移動機と、地域無線網と、前記地域無線網と通信する管理装置とからなる移動通信システムにおける制御方法であって、前記移動機の位置情報を要求する測位要求を受信し、要求測位精度及び測位精度の要求レベルを保持し、前記サーバと、前記移動機と、前記地域無線網と、前記管理装置とが連携して前記位置情報を取得する測位処理を行い、前記測位要求に対する応答として、前記要求測位精度及び前記要求レベルに従い、前記位置情報及びエラー通知のうちの1つをサーバから送信する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0116】
(発明の第1の実施の形態)
図1を参照すると、本発明の第1の実施の形態にかかる移動通信ネットワークにおける測位システムは、測位対象となる1以上の移動機103と、移動機103の測位を要求する1以上のクライアント装置101と、クライアント装置101と移動機103との間に介在し、クライアント装置101からの測位要求に対して測位対象の移動機103の位置情報を応答する1以上のサーバ装置102とを含んで構成される。なお、実際の測位システムには、移動機103とサーバ装置102が通信するための装置や移動機103の位置を測定するための装置などが含まれるが、図示は省略してある。尚、移動機103は移動端末で構成し得る。
【0117】
図2を参照すると、クライアント装置101は、サーバ装置102に対して測位要求を送信する送信機能ユニット111と、送信した測位要求に対する応答をサーバ装置102から受信する受信機能ユニット112とを有する。サーバ装置102は、移動機103の測位を行う測位機能ユニット121と、測位された移動機103の過去の測位結果122を記憶する記憶機能ユニット123と、クライアント装置101からの測位要求を受信する測位要求受信機能ユニット124と、測位要求に対する応答をクライアント装置101に送信する応答送出機能ユニット125と、測位要求受信機能ユニット124で受信された測位要求に対する応答を生成する測位応答生成機能ユニット126とを有する。
【0118】
クライアント装置101の送信機能ユニット111から送信される測位要求メッセージには、電話番号や端末ID等の測位対象移動機103を特定するための端末識別子、要求測位精度情報、測位精度の要求クラス情報、要求測位鮮度情報、測位鮮度の要求クラス情報、過去の測位位置を応答に使っても良いかどうかを示す測位種別、自クライアント装置101を一意に識別するクライアント識別子およびその他必要な情報が含まれる。
【0119】
測位精度の要求クラス情報は、要求測位精度情報で指定した測位精度の要求度合いを示す情報であり、本実施の形態においては、要求されている測位精度を必ず満たす測位結果を通知し要求を満たす測位結果が存在しない場合にはエラーを通知することを要求する第1のクラス(”Assured”)、要求されている測位精度を満たすことができなかった場合には要求されている測位精度に最も近い測位結果を通知することを要求する第2のクラス(”Best effort”)の2種類がある。なお、測位精度の要求クラス情報としては第1のクラス(”Assured”)のみを持ち、測位精度の要求クラス情報の指定がなかった場合には第2のクラス(”Best effort”)が指定されたと解釈する方法も考えられる。
【0120】
同様に、測位鮮度の要求クラス情報は、要求測位鮮度情報で指定した測位鮮度の要求度合いを示す情報であり、本実施の形態においては、要求されている測位鮮度を必ず満たす測位結果を通知し要求を満たす測位結果が存在しない場合にはエラーを通知することを要求する第3のクラス(”Assured”)、要求されている測位鮮度を満たすことができなかった場合には要求されている測位鮮度に最も近い測位結果を通知することを要求する第4のクラス(”Best effort”)の2種類がある。なお、測位鮮度の要求クラス情報としては第3のクラス(”Assured”)のみを持ち、測位鮮度の要求クラス情報の指定がなかった場合には第4のクラス(”Best effort”)が指定されたと解釈する方法も考えられる。
【0121】
サーバ装置102の測位機能ユニット121は、測位精度の異なる1以上の測位方式で移動機103の位置を測位し、その測位結果を測位応答生成機能ユニット126に通知すると共に、記憶機能ユニット123に記憶する。記憶機能ユニット123に記憶される個々の測位結果は、測位対象となった移動機103の端末識別子、移動機103の測位された位置、測位時刻、測位精度の各情報を含む。測位応答生成機能ユニット126は、測位要求受信機能ユニット124で受信された測位要求を解析し、過去の位置でも良い測位種別のときは、利用可能な過去の測位結果が記憶機能ユニット123に記憶されていればそれを利用して応答を生成し、利用可能な過去の測位結果が存在しない場合は測位機能ユニット121による測位を起動し、その測位結果から応答を生成する。また、測位要求が過去の位置を使用しない測位種別のときは、測位機能ユニット121による測位を起動し、その測位結果から応答を生成する。何れの場合も、測位応答生成機能ユニット126は、測位要求で指定される要求測位精度情報、測位精度の要求クラス情報、要求測位鮮度情報、測位鮮度の要求クラス情報に応じて応答を生成する。生成された応答は、応答送出機能ユニット125を通じて測位要求元のクライアント装置101に送られる。
【0122】
クライアント装置101からの測位要求に対するサーバ装置102の応答処理は、クライアント装置101からの要求条件やサーバ装置102の具備する能力によって様々な処理が考えられる。以下では、測位精度に基づいて応答を生成する実施例と、測位鮮度に基づいて応答を生成する実施例と、測位精度および測位鮮度に基づいて応答を生成する実施例について、要求クラスに関連する処理を中心に、本実施の形態の動作を説明する。
【0123】
(1)測位精度に基づいて応答を生成する実施例 サーバ装置102は、測位応答生成機能ユニット126により、クライアント装置101からの測位要求が過去の測位結果を応答するのでも構わないとしているかどうかを確認し、過去の測位結果でも構わない場合には測位対象の移動機103の過去の測位結果を記憶機能ユニット123に保持しているかどうかをチェックし、過去の測位結果を保持している場合には過去の測位結果の中にクライアント装置101の要求条件を満たす測位結果が存在するかどうかを判断する。
【0124】
測位対象の移動機103の過去の測位結果が存在する場合に、測位精度に基づいて応答を生成する場合の処理例を図3に示す。サーバ装置102は、測位応答生成機能ユニット126により、まずクライアント装置101からの測位要求に要求精度情報が存在するかどうかを確認する(ステップS101)。要求精度情報が存在しない場合には(ステップS101のNo)、記憶機能ユニット123に記憶された移動機103の過去の測位結果を選択し、応答送出機能ユニット125によりクライアント装置101に応答する(ステップS106)。ステップS106における測位結果の選択方法としては、最も精度の高い測位結果を選択する方法、最も最新の測位結果を選択する方法などが考えられる。
【0125】
要求精度情報が存在する場合には(ステップS101のYes)、測位応答生成機能ユニット126により、要求精度情報を満たすことができる測位結果が過去の測位結果に存在するかどうかを確認する(ステップS102)。要求精度情報を満たす測位結果が存在する場合には(ステップS102のYes)、要求精度情報を満たす測位結果を過去の測位結果から選択し、応答送出機能ユニット125によりクライアント装置101に応答する(ステップS108)。ステップS108における測位結果の選択方法としては、要求精度情報を満たす測位結果の中から、最も精度の高い測位結果を選択する方法や最も最新の測位結果を選択する方法などが考えられる。
【0126】
要求精度情報を満たす測位結果が存在しない場合には(ステップS102のNo)、測位応答生成機能ユニット126により、精度の要求クラス情報が存在するかどうかを確認する(ステップS103)。精度の要求クラス情報が存在しない場合には(ステップS103のNo)、過去の測位結果から応答する測位結果を選択しクライアント装置101に応答する(ステップS106)。ステップS106における測位結果の選択方法としては、最も精度の高い測位結果を選択する方法や最も最新の測位結果を選択する方法などが考えられる。
【0127】
精度の要求クラス情報が存在する場合には(ステップS103のYes)、精度の要求クラスを確認する(ステップS104)。精度の要求クラスが第1のクラス(”Assured”)であった場合には(ステップS104のYes)、測位応答生成機能ユニット126により測位結果の取得のために測位機能ユニット121の測位処理を起動する(ステップS110)。測位機能ユニット121は、測位対象の移動機103の位置を測位し、その結果を測位応答生成機能ユニット126に通知すると共に、同じ移動機103に対する後の測位要求に利用するために記憶機能ユニット123に記憶する。なお、移動機103の測位は1以上の測位方式を使用して行われる。複数の測位方式を使用して測位が実行された場合、複数の測位結果が得られる。
【0128】
精度の要求クラスが第1のクラス(”Assured”)でなかった場合には(ステップS104のNo)、精度の要求クラスが第2のクラス(”Best Effort”)かどうかを確認する(ステップS105)。精度の要求クラスが第2のクラス(”Best Effort”)であった場合には(ステップS105のYes)、測位応答生成機能ユニット126により、最も測位精度の高い測位結果を過去の測位結果から選択し、応答送出機能ユニット125によりクライアント装置101に応答する(ステップS109)。
【0129】
精度の要求クラスが第2のクラス(”Best Effort”)でもなかった場合には(ステップS105のNo)、測位応答生成機能ユニット126は、応答送出機能ユニット125によりクライアント装置101に対してエラーを通知する(ステップS107)。
【0130】
ここで、精度の要求クラス情報が存在しない場合(ステップS103のNo)もしくは精度の要求クラスが第1のクラス(”Assured”)でなかった場合に(ステップS104のNo)、精度の要求クラスが第2のクラス(”Best Effort”)であると判断し、最も測位精度の高い測位結果を過去の測位結果から選択しクライアント装置101に応答する処理(ステップS109)を行うというような実施例も考えられる。
【0131】
図3に示した処理において、過去の測位結果をクライアント装置101に送信するという結果になった場合には、サーバ装置102は選択した過去の測位結果をクライアント装置101に送信して処理を終了し、図3に示した処理において、エラーをクライアント装置101に通知するという結果になった場合には、サーバ装置102はエラーをクライアント装置101に通知して処理を終了する。
【0132】
他方、図3に示した処理において、測位処理を実行するという結果になった場合には、サーバ装置102は、測位機能ユニット121により、測位対象の移動機103の位置を取得する測位処理を行う。この測位処理の結果、測位処理が失敗して移動機103の位置を取得することができなかった場合には、サーバ装置102は、応答送出機能ユニット125によりクライアント装置101にエラーを通知する。また、測位対象の移動機103の測位に成功し、移動機103の測位結果を取得した場合には、サーバ装置102は、測位応答生成機能ユニット126により、取得した測位結果がクライアント装置101の要求条件を満たしているかどうかを判断する。
【0133】
図4は新たな測位処理で取得した測位結果がクライアント装置101の要求条件を満たしているかどうかを判断し、測位精度に基づいて測位結果の選択を行う処理フローの例である。図3の処理とほぼ同様な流れであるが、選択の対象が過去の測位結果でなく今回新たに得られた測位結果であること、精度の要求クラスが第1のクラスであって要求精度を満足する精度の測位結果が得られなかった場合にクライアント装置101にエラーを通知する点など、細部が相違する。以下、図4の流れに沿って動作を説明する。
【0134】
サーバ装置102はまず、測位応答生成機能ユニット126により、クライアント装置101からの測位要求に要求精度情報が存在するかどうかを確認する(ステップS201)。要求精度情報が存在しない場合には(ステップS201のNo)、今回得られた測位結果から測位結果を選択し、応答送出機能ユニット125により、クライアント装置101に応答する(ステップS206)。ステップS206における測位結果の選択方法としては、最も精度の高い測位結果を選択する方法、最も最新の測位結果を選択する方法などが考えられる。
【0135】
要求精度情報が存在する場合には(ステップS201のYes)、サーバ装置102は、測位応答生成機能ユニット126により、要求精度情報を満たすことができる測位結果が存在するかどうかを確認する(ステップS202)。要求精度情報を満たす測位結果が存在する場合には(ステップS202のYes)、要求精度情報を満たす測位結果を選択し、応答送出機能ユニット125によりクライアント装置101に応答する(ステップ208)。ステップS208における測位結果の選択方法としては、要求精度情報を満たす測位結果の中から、最も精度の高い測位結果を選択する方法や最も最新の測位結果を選択する方法などが考えられる。
【0136】
要求精度情報を満たす測位結果が存在しない場合には(ステップS202のNo)、サーバ装置102は、測位応答生成機能ユニット126により、精度の要求クラス情報が存在するかどうかを確認する(ステップS203)。精度の要求クラス情報が存在しない場合には(ステップS203のNo)、測位結果の選択を行って、応答送出機能ユニット125によりクライアント装置101に応答する(ステップS206)。ステップS206における測位結果の選択方法としては、最も精度の高い測位結果を選択する方法や最も最新の測位結果を選択する方法などが考えられる。
【0137】
精度の要求クラス情報が存在する場合には(ステップS203のYes)、測位応答生成機能ユニット126により、精度の要求クラスを確認する(ステップ204)。精度の要求クラスが第1のクラス(”Assured”)であった場合には(ステップS204のYes)、測位応答生成機能ユニット126は、応答送出機能ユニット125によりクライアント装置101に対してエラーを通知する(ステップ207)。
【0138】
精度の要求クラスが第1のクラス(”Assured”)でなかった場合には(ステップS204のNo)、精度の要求クラスが第2のクラス(”Best Effort”)かどうかを確認する(ステップS205)。精度の要求クラスが第2のクラス(”Best Effort”)であった場合には(ステップS205のYes)、測位応答生成機能ユニット126により最も測位精度の高い測位結果を選択し、応答送出機能ユニット125によりクライアント装置101に応答する(ステップ209)。
【0139】
精度の要求クラスが第2のクラス(”Best Effort”)でもなかった場合には(ステップS205のNo)、サーバ装置102は応答送出機能ユニット125によりクライアント装置101に対してエラーを通知する(ステップ207)。
【0140】
ここで、精度の要求クラス情報が存在しない場合(ステップS203のNo)もしくは精度の要求クラスが第1のクラス(”Assured”)でなかった場合に(ステップS204のNo)、精度の要求クラスが第2のクラス(”Best Effort”)であると判断し、最も測位精度の高い測位結果を選択しクライアント装置101に応答する処理(ステップS209)を行うというような実施例も考えられる。
【0141】
以上の動作は、クライアント装置101からの測位要求が過去の測位結果を応答するのでも構わないとしている場合の動作であるが、過去の測位結果の応答を望まない測位要求の場合には、サーバ装置102は、図3の処理は行わず、測位応答生成機能ユニット126から測位機能ユニット121の測位処理を速やかに起動する。そして、この測位処理の結果、測位処理が失敗して移動機103の位置を取得することができなかった場合には、サーバ装置102は、応答送出機能ユニット125によりクライアント装置101にエラーを通知する。また、測位対象の移動機103の測位に成功し、移動機103の測位結果を取得した場合には、サーバ装置102は、図4に示した処理を実行し、取得した測位結果がクライアント装置101の要求条件を満たしているかどうかを判断し、その判断結果に応じた応答をクライアント装置101に通知する。
【0142】
(2)測位鮮度に基づいて応答を生成する実施例 サーバ装置102は、測位応答生成機能ユニット126により、クライアント装置101からの測位要求が過去の測位結果を応答するのでも構わないとしているかどうかを確認し、過去の測位結果でも構わない場合には測位対象の移動機103の過去の測位結果を記憶機能ユニット123に保持しているかどうかをチェックし、過去の測位結果を保持している場合には過去の測位結果の中にクライアント装置101の要求条件を満たす測位結果が存在するかどうかを判断する。
【0143】
測位対象の移動機103の過去の測位結果が存在する場合に、測位鮮度に基づいて応答を生成する場合の処理例を図5に示す。サーバ装置102は、測位応答生成機能ユニット126により、まずクライアント装置101からの測位要求に要求鮮度情報が存在するかどうかを確認する(ステップS301)。要求鮮度情報が存在しない場合には(ステップS301のNo)、記憶機能ユニット123に記憶された移動機103の過去の測位結果を選択し、応答送出機能ユニット125によりクライアント装置101に応答する(ステップS306)。ステップS306における測位結果の選択方法としては、最も精度の高い測位結果を選択する方法、最も最新の測位結果を選択する方法などが考えられる。
【0144】
要求鮮度情報が存在する場合には(ステップS301のYes)、測位応答生成機能ユニット126により、要求鮮度情報を満たすことができる測位結果が過去の測位結果に存在するかどうかを確認する(ステップS302)。要求鮮度情報を満たす測位結果が存在する場合には(ステップS302のYes)、要求鮮度情報を満たす測位結果を過去の測位結果から選択し、応答送出機能ユニット125によりクライアント装置101に応答する(ステップS308)。ステップS308における測位結果の選択方法としては、要求鮮度情報を満たす測位結果の中から、最も精度の高い測位結果を選択する方法や最も最新の測位結果を選択する方法などが考えられる。
【0145】
要求鮮度情報を満たす測位結果が存在しない場合には(ステップS302のNo)、測位応答生成機能ユニット126により、鮮度の要求クラス情報が存在するかどうかを確認する(ステップS303)。鮮度の要求クラス情報が存在しない場合には(ステップS303のNo)、過去の測位結果から応答する測位結果を選択しクライアント装置101に応答する(ステップS306)。ステップS306における測位結果の選択方法としては、最も鮮度の高い測位結果を選択する方法や最も最新の測位結果を選択する方法などが考えられる。
【0146】
鮮度の要求クラス情報が存在する場合には(ステップS303のYes)、鮮度の要求クラスを確認する(ステップS304)。鮮度の要求クラスが第3のクラス(”Assured”)であった場合には(ステップS304のYes)、測位応答生成機能ユニット126により測位結果の取得のために測位機能ユニット121の測位処理を起動する(ステップS310)。測位機能ユニット121は、測位対象の移動機103の位置を測位し、その結果を測位応答生成機能ユニット126に通知すると共に、同じ移動機103に対する後の測位要求に利用するために記憶機能ユニット123に記憶する。なお、移動機103の測位は1以上の測位方式を使用して行われる。複数の測位方式を使用して測位が実行された場合、複数の測位結果が得られる。
【0147】
鮮度の要求クラスが第3のクラス(”Assured”)でなかった場合には(ステップS304のNo)、鮮度の要求クラスが第4のクラス(”Best Effort”)かどうかを確認する(ステップS305)。鮮度の要求クラスが第4のクラス(”Best Effort”)であった場合には(ステップS305のYes)、測位応答生成機能ユニット126により、最も鮮度の新しい測位結果を過去の測位結果から選択し、応答送出機能ユニット125によりクライアント装置101に応答する(ステップS309)。
【0148】
鮮度の要求クラスが第4のクラス(”Best Effort”)でもなかった場合には(ステップS305のNo)、測位応答生成機能ユニット126は、応答送出機能ユニット125によりクライアント装置101に対してエラーを通知する(ステップS307)。
【0149】
ここで、鮮度の要求クラス情報が存在しない場合(ステップS303のNo)もしくは鮮度の要求クラスが第3のクラス(”Assured”)でなかった場合に(ステップS304のNo)、鮮度の要求クラスが第4のクラス(”Best Effort”)であると判断し、最も鮮度の新しい測位結果を過去の測位結果から選択しクライアント装置101に応答する処理(ステップS309)を行うというような実施例も考えられる。
【0150】
図5に示した処理において、過去の測位結果をクライアント装置101に送信するという結果になった場合には、サーバ装置102は選択した過去の測位結果をクライアント装置101に送信して処理を終了し、図5に示した処理において、エラーをクライアント装置101に通知するという結果になった場合には、サーバ装置102はエラーをクライアント装置101に通知して処理を終了する。
【0151】
他方、図5に示した処理において、測位処理を実行するという結果になった場合には、サーバ装置102は、測位機能ユニット121により、測位対象の移動機103の位置を取得する測位処理を行う。この測位処理の結果、測位処理が失敗して移動機103の位置を取得することができなかった場合には、サーバ装置102は、応答送出機能ユニット125によりクライアント装置101にエラーを通知する。また、測位対象の移動機103の測位に成功し、移動機103の測位結果を取得した場合には、サーバ装置102は、測位応答生成機能ユニット126により、取得した測位結果がクライアント装置101の要求条件を満たしているかどうかを判断する。
【0152】
図6は新たな測位処理で取得した測位結果がクライアント装置101の要求条件を満たしているかどうかを判断し、測位鮮度に基づいて測位結果の選択を行う処理フローの例である。図5の処理とほぼ同様な流れであるが、選択の対象が過去の測位結果でなく今回新たに得られた測位結果であること、鮮度の要求クラスが第3のクラスであって要求鮮度を満足する鮮度の測位結果が得られなかった場合にクライアント装置101にエラーを通知する点など、細部が相違する。以下、図6の流れに沿って動作を説明する。
【0153】
サーバ装置102はまず、測位応答生成機能ユニット126により、クライアント装置101からの測位要求に要求鮮度情報が存在するかどうかを確認する(ステップS401)。要求鮮度情報が存在しない場合には(ステップS401のNo)、今回得られた測位結果から測位結果を選択し、応答送出機能ユニット125により、クライアント装置101に応答する(ステップS406)。ステップS406における測位結果の選択方法としては、最も精度の高い測位結果を選択する方法、最も最新の測位結果を選択する方法などが考えられる。
【0154】
要求鮮度情報が存在する場合には(ステップS401のYes)、サーバ装置102は、測位応答生成機能ユニット126により、要求鮮度情報を満たすことができる測位結果が存在するかどうかを確認する(ステップS402)。要求鮮度情報を満たす測位結果が存在する場合には(ステップS402のYes)、要求鮮度情報を満たす測位結果を選択し、応答送出機能ユニット125によりクライアント装置101に応答する(ステップ408)。ステップS408における測位結果の選択方法としては、要求鮮度情報を満たす測位結果の中から、最も精度の高い測位結果を選択する方法や最も最新の測位結果を選択する方法などが考えられる。
【0155】
要求鮮度情報を満たす測位結果が存在しない場合には(ステップS402のNo)、サーバ装置102は、測位応答生成機能ユニット126により、鮮度の要求クラス情報が存在するかどうかを確認する(ステップS403)。鮮度の要求クラス情報が存在しない場合には(ステップS403のNo)、測位結果の選択を行って、応答送出機能ユニット125によりクライアント装置101に応答する(ステップS406)。ステップS406における測位結果の選択方法としては、最も鮮度の新しい測位結果を選択する方法や最も最新の測位結果を選択する方法などが考えられる。
【0156】
鮮度の要求クラス情報が存在する場合には(ステップS403のYes)、測位応答生成機能ユニット126により、鮮度の要求クラスを確認する(ステップ404)。鮮度の要求クラスが第3のクラス(”Assured”)であった場合には(ステップS404のYes)、測位応答生成機能ユニット126は、応答送出機能ユニット125によりクライアント装置101に対してエラーを通知する(ステップ407)。
【0157】
鮮度の要求クラスが第3のクラス(”Assured”)でなかった場合には(ステップS404のNo)、鮮度の要求クラスが第4のクラス(”Best Effort”)かどうかを確認する(ステップS405)。鮮度の要求クラスが第4のクラス(”Best Effort”)であった場合には(ステップS405のYes)、測位応答生成機能ユニット126により最も鮮度の新しい測位結果を選択し、応答送出機能ユニット125によりクライアント装置101に応答する(ステップ409)。
【0158】
鮮度の要求クラスが第4のクラス(”Best Effort”)でもなかった場合には(ステップS405のNo)、サーバ装置102は応答送出機能ユニット125によりクライアント装置101に対してエラーを通知する(ステップ407)。
【0159】
ここで、鮮度の要求クラス情報が存在しない場合(ステップS403のNo)もしくは鮮度の要求クラスが第3のクラス(”Assured”)でなかった場合に(ステップS404のNo)、鮮度の要求クラスが第4のクラス(”Best Effort”)であると判断し、最も鮮度の新しい測位結果を選択しクライアント装置101に応答する処理(ステップS409)を行うというような実施例も考えられる。
【0160】
以上の動作は、クライアント装置101からの測位要求が過去の測位結果を応答するのでも構わないとしている場合の動作であるが、過去の測位結果の応答を望まない測位要求の場合には、サーバ装置102は、図5の処理は行わず、測位応答生成機能ユニット126から測位機能ユニット121の測位処理を速やかに起動する。そして、この測位処理の結果、測位処理が失敗して移動機103の位置を取得することができなかった場合には、サーバ装置102は、応答送出機能ユニット125によりクライアント装置101にエラーを通知する。また、測位対象の移動機103の測位に成功し、移動機103の測位結果を取得した場合には、サーバ装置102は、図6に示した処理を実行し、取得した測位結果がクライアント装置101の要求条件を満たしているかどうかを判断し、その判断結果に応じた応答をクライアント装置101に通知する。
【0161】
(3)測位精度および測位鮮度に基づいて応答を生成する実施例 サーバ装置102は、測位応答生成機能ユニット126により、クライアント装置101からの測位要求が過去の測位結果を応答するのでも構わないとしているかどうかを確認し、過去の測位結果でも構わない場合には測位対象の移動機103の過去の測位結果を記憶機能ユニット123に保持しているかどうかをチェックし、過去の測位結果を保持している場合には過去の測位結果の中にクライアント装置101の要求条件を満たす測位結果が存在するかどうかを判断する。
【0162】
測位対象の移動機103の過去の測位結果が存在する場合に、測位精度および測位鮮度に基づいて応答を生成する場合の処理例を図7乃至図9に示す。サーバ装置102は、測位応答生成機能ユニット126により、まずクライアント装置101からの測位要求に要求精度情報が存在するかどうかを確認する(ステップS501)。要求精度情報が存在しない場合には(ステップS501のNo)、変数iに値2を設定する(ステップS507)。そして、図8の処理へと進む。
【0163】
要求精度情報が存在する場合には(ステップS501のYes)、測位応答生成機能ユニット126により、要求精度情報を満たすことができる測位結果が過去の測位結果に存在するかどうかを確認する(ステップS502)。要求精度情報を満たす測位結果が存在する場合には(ステップS502のYes)、変数iに値1を設定する(ステップS506)。そして、図8の処理へと進む。
【0164】
要求精度情報を満たす測位結果が存在しない場合には(ステップS502のNo)、測位応答生成機能ユニット126により、精度の要求クラス情報が存在するかどうかを確認する(ステップS503)。精度の要求クラス情報が存在しない場合には(ステップS503のNo)、変数iに値2を設定する(ステップS507)。そして、図8の処理へと進む。
【0165】
精度の要求クラス情報が存在する場合には(ステップS503のYes)、精度の要求クラスを確認する(ステップS504)。精度の要求クラスが第1のクラス(”Assured”)であった場合には(ステップS504のYes)、測位応答生成機能ユニット126により測位結果の取得のために測位機能ユニット121の測位処理を起動する(ステップS519)。測位機能ユニット121は、測位対象の移動機103の位置を測位し、その結果を測位応答生成機能ユニット126に通知すると共に、同じ移動機103に対する後の測位要求に利用するために記憶機能ユニット123に記憶する。なお、移動機103の測位は1以上の測位方式を使用して行われる。複数の測位方式を使用して測位が実行された場合、複数の測位結果が得られる。
【0166】
精度の要求クラスが第1のクラス(”Assured”)でなかった場合には(ステップS504のNo)、精度の要求クラスが第2のクラス(”Best Effort”)かどうかを確認する(ステップS505)。精度の要求クラスが第2のクラス(”Best Effort”)であった場合には(ステップS505のYes)、変数iに値3を設定する(ステップS508)。そして、図8の処理へと進む。
【0167】
精度の要求クラスが第2のクラス(”Best Effort”)でもなかった場合には(ステップS505のNo)、測位応答生成機能ユニット126は、応答送出機能ユニット125によりクライアント装置101に対してエラーを通知し(ステップS518)、処理を終える。
【0168】
ここで、精度の要求クラス情報が存在しない場合(ステップS503のNo)もしくは精度の要求クラスが第1のクラス(”Assured”)でなかった場合に(ステップS504のNo)、精度の要求クラスが第2のクラス(”Best Effort”)であると判断し、変数iに値3を設定する処理(ステップS508)を行うというような実施例も考えられる。
【0169】
図8の処理に進んだ場合、以下のような動作が行われる。サーバ装置102は、測位応答生成機能ユニット126により、クライアント装置101からの測位要求に要求鮮度情報が存在するかどうかを確認する(ステップS509)。要求鮮度情報が存在しない場合には(ステップS509のNo)、変数jに値2を設定し(ステップS515)、測位結果選択処理S517へ進む。
【0170】
要求鮮度情報が存在する場合には(ステップS509のYes)、測位応答生成機能ユニット126により、要求鮮度情報を満たすことができる測位結果が過去の測位結果に存在するかどうかを確認する(ステップS510)。要求鮮度情報を満たす測位結果が存在する場合には(ステップS510のYes)、変数jに値1を設定し(ステップS514)、測位結果選択処理S517へ進む。
【0171】
要求鮮度情報を満たす測位結果が存在しない場合には(ステップS510のNo)、測位応答生成機能ユニット126により、鮮度の要求クラス情報が存在するかどうかを確認する(ステップS511)。鮮度の要求クラス情報が存在しない場合には(ステップS511のNo)、変数jに値2を設定し(ステップS515)、測位結果選択処理S517へ進む。
【0172】
鮮度の要求クラス情報が存在する場合には(ステップS511のYes)、鮮度の要求クラスを確認する(ステップS512)。鮮度の要求クラスが第3のクラス(”Assured”)であった場合には(ステップS512のYes)、測位応答生成機能ユニット126により測位結果の取得のために測位機能ユニット121の測位処理を起動する(ステップS519)。測位機能ユニット121は、測位対象の移動機103の位置を測位し、その結果を測位応答生成機能ユニット126に通知すると共に、同じ移動機103に対する後の測位要求に利用するために記憶機能ユニット123に記憶する。なお、移動機103の測位は1以上の測位方式を使用して行われる。複数の測位方式を使用して測位が実行された場合、複数の測位結果が得られる。
【0173】
鮮度の要求クラスが第3のクラス(”Assured”)でなかった場合には(ステップS512のNo)、鮮度の要求クラスが第4のクラス(”Best Effort”)かどうかを確認する(ステップS513)。鮮度の要求クラスが第4のクラス(”Best Effort”)であった場合には(ステップS513のYes)、変数jに値3を設定し(ステップS516)、測位結果選択処理S517へ進む。
【0174】
鮮度の要求クラスが第4のクラス(”Best Effort”)でもなかった場合には(ステップS513のNo)、測位応答生成機能ユニット126は、応答送出機能ユニット125によりクライアント装置101に対してエラーを通知し(ステップS518)、処理を終える。
【0175】
ここで、鮮度の要求クラス情報が存在しない場合(ステップS511のNo)もしくは鮮度の要求クラスが第3のクラス(”Assured”)でなかった場合に(ステップS512のNo)、鮮度の要求クラスが第4のクラス(”Best Effort”)であると判断し、変数jに値3を設定する処理(ステップS516)を行うというような実施例も考えられる。
【0176】
測位結果選択処理S517においては、サーバ装置102は、これまで示した処理結果である変数iと変数jの値の組み合わせに基づいて測位結果の選択を行い、クライアント装置101に送信する。
【0177】
図7乃至図9の処理においては、測位精度に基づく処理(ステップS501からステップS508)を、測位鮮度に基づく処理(ステップ509からステップ516)よりも先に行う実施例を示したが、測位鮮度に基づく処理を先に行う実施例や、両方の処理を並行して処理するような実施例も考えられる。
【0178】
次に、図9のステップS517における測位結果選択処理の詳細を説明する。図10は測位結果選択処理S517で参照する制御テーブルの例を示す。サーバ装置102の測位応答生成機能ユニット126は、このような制御テーブルを備え、変数iと変数jの設定値の組み合わせから制御テーブルを参照して、測位結果の選択処理を決定する。以下、変数iと変数jの設定値の組み合わせに応じてどのような測位結果の選択処理が行われるかを説明する。
【0179】
変数i=1であり変数j=1である場合には、サーバ装置102は、要求されている精度と要求されている鮮度の両方を満たす測位結果を記憶機能ユニット123に記憶されている測位対象移動機103の過去の測位結果から選択してクライアント装置101に通知する(番号5−1)。
【0180】
変数i=1であり変数j=2である場合には、サーバ装置102は、要求されている精度を満たす測位結果を記憶機能ユニット123に記憶されている測位対象移動機103の過去の測位結果から選択してクライアント装置101に通知する(番号5−2)。
【0181】
変数i=1であり変数j=3である場合には、サーバ装置102は、要求されている精度を満たす測位結果の中からできるだけ要求されている鮮度に近い測位結果を、記憶機能ユニット123に記憶されている測位対象移動機103の過去の測位結果から選択してクライアント装置101に通知する(番号5−3)。
【0182】
変数i=2であり変数j=1である場合には、サーバ装置102は、要求されている鮮度を満たす測位結果を記憶機能ユニット123に記憶されている測位対象移動機103の過去の測位結果から選択してクライアント装置101に通知する(番号5−4)。
【0183】
変数i=2であり変数j=2である場合には、サーバ装置102は、任意の測位結果を記憶機能ユニット123に記憶されている測位対象移動機103の過去の測位結果から選択してクライアント装置101に通知する(番号5−5)。
【0184】
変数i=2であり変数j=3である場合には、サーバ装置102は、できるだけ要求されている鮮度に近い測位結果を記憶機能ユニット123に記憶されている測位対象移動機103の過去の測位結果から選択してクライアント装置101に通知する(番号5−6)。
【0185】
変数i=3であり変数j=1である場合には、サーバ装置102は、要求されている鮮度を満たす測位結果の中からできるだけ要求されている精度に近い測位結果を、記憶機能ユニット123に記憶されている測位対象移動機103の過去の測位結果から選択してクライアント装置101に通知する(番号5−7)。
【0186】
変数i=3であり変数j=2である場合には、サーバ装置102は、要求されている精度に近い測位結果を記憶機能ユニット123に記憶されている測位対象移動機103の過去の測位結果から選択してクライアント装置101に通知する(番号5−8)。
【0187】
変数i=3であり変数j=3である場合には、サーバ装置102は、できるだけ要求されている精度および要求されている鮮度に近い測位結果を、記憶機能ユニット123に記憶されている測位対象移動機103の過去の測位結果から選択してクライアント装置101に通知する(番号5−9)。
【0188】
ここで、番号5−1から5−9までの各条件を満たす測位結果が複数ある場合には、任意の測位結果を選択する方法、測位鮮度の新しい測位結果を選択する方法、測位精度の高い測位結果を選択する方法、測位精度と測位鮮度のどちらを優先するかを示す優先度情報に基づいて優先度の高い方の情報を優先して選択する方法などが考えられる。ここで、優先度情報は、測位要求と共にクライアント装置601が送信してきたものを使用する。
【0189】
図7乃至図9に示した処理において、過去の測位結果をクライアント装置101に送信するという結果になった場合には、サーバ装置102は選択した過去の測位結果をクライアント装置101に送信して処理を終了し、図7〜図9に示した処理において、エラーをクライアント装置101に通知するという結果になった場合には、サーバ装置102はエラーをクライアント装置101に通知して処理を終了する。
【0190】
他方、図7乃至図9に示した処理において、測位処理を実行するという結果になった場合には、サーバ装置102は、測位機能ユニット121により、測位対象の移動機103の位置を取得する測位処理を行う。この測位処理の結果、測位処理が失敗して移動機103の位置を取得することができなかった場合には、サーバ装置102は、応答送出機能ユニット125によりクライアント装置101にエラーを通知する。また、測位対象の移動機103の測位に成功し、移動機103の測位結果を取得した場合には、サーバ装置102は、測位応答生成機能ユニット126により、取得した測位結果がクライアント装置101の要求条件を満たしているかどうかを判断する。
【0191】
図11乃至図13は新たな測位処理で取得した測位結果がクライアント装置101の要求条件を満たしているかどうかを判断し、測位精度および測位鮮度に基づいて測位結果の選択を行う処理フローの例である。図7乃至図9の処理とほぼ同様な流れであるが、選択の対象が過去の測位結果でなく今回新たに得られた測位結果であること、精度の要求クラスが第1のクラスであって要求精度を満足する精度の測位結果が得られなかった場合や精度の要求クラスが第3のクラスであって要求鮮度を満足する鮮度の測位結果が得られなかった場合にクライアント装置101にエラーを通知する点など、細部が相違する。以下、図11乃至図13の流れに沿って動作を説明する。
【0192】
サーバ装置102は、測位応答生成機能ユニット126により、まずクライアント装置101からの測位要求に要求精度情報が存在するかどうかを確認する(ステップS601)。要求精度情報が存在しない場合には(ステップS601のNo)、変数iに値2を設定する(ステップS607)。そして、図12の処理へと進む。
【0193】
要求精度情報が存在する場合には(ステップS601のYes)、測位応答生成機能ユニット126により、要求精度情報を満たすことができる測位結果が今回の測位結果に存在するかどうかを確認する(ステップS602)。要求精度情報を満たす測位結果が存在する場合には(ステップS602のYes)、変数iに値1を設定し(ステップS606)、図12の処理へと進む。
【0194】
要求精度情報を満たす測位結果が存在しない場合には(ステップS602のNo)、測位応答生成機能ユニット126により、精度の要求クラス情報が存在するかどうかを確認する(ステップS603)。精度の要求クラス情報が存在しない場合には(ステップS603のNo)、変数iに値2を設定し(ステップS607)、図12の処理へと進む。
【0195】
精度の要求クラス情報が存在する場合には(ステップS603のYes)、精度の要求クラスを確認する(ステップS604)。精度の要求クラスが第1のクラス(”Assured”)であった場合には(ステップS604のYes)、測位応答生成機能ユニット126は応答送出機能ユニット125によりクライアント装置101にエラーを通知し(ステップS618)、処理を終える。
【0196】
精度の要求クラスが第1のクラス(”Assured”)でなかった場合には(ステップS604のNo)、精度の要求クラスが第2のクラス(”Best Effort”)かどうかを確認する(ステップS605)。精度の要求クラスが第2のクラス(”Best Effort”)であった場合には(ステップS605のYes)、変数iに値3を設定する(ステップS608)。そして、図12の処理へと進む。
【0197】
精度の要求クラスが第2のクラス(”Best Effort”)でもなかった場合には(ステップS605のNo)、測位応答生成機能ユニット126は、応答送出機能ユニット125によりクライアント装置101に対してエラーを通知し(ステップS618)、処理を終える。
【0198】
ここで、精度の要求クラス情報が存在しない場合(ステップS603のNo)もしくは精度の要求クラスが第1のクラス(”Assured”)でなかった場合に(ステップS604のNo)、精度の要求クラスが第2のクラス(”Best Effort”)であると判断し、変数iに値3を設定する処理(ステップS608)を行うというような実施例も考えられる。
【0199】
図12の処理に進んだ場合、以下のような動作が行われる。サーバ装置102は、測位応答生成機能ユニット126により、クライアント装置101からの測位要求に要求鮮度情報が存在するかどうかを確認する(ステップS609)。要求鮮度情報が存在しない場合には(ステップS609のNo)、変数jに値2を設定し(ステップS615)、測位結果選択処理S617へ進む。
【0200】
要求鮮度情報が存在する場合には(ステップS609のYes)、測位応答生成機能ユニット126により、要求鮮度情報を満たすことができる測位結果が存在するかどうかを確認する(ステップS610)。要求鮮度情報を満たす測位結果が存在する場合には(ステップS610のYes)、変数jに値1を設定し(ステップS614)、測位結果選択処理S617へ進む。
【0201】
要求鮮度情報を満たす測位結果が存在しない場合には(ステップS610のNo)、測位応答生成機能ユニット126により、鮮度の要求クラス情報が存在するかどうかを確認する(ステップS611)。鮮度の要求クラス情報が存在しない場合には(ステップS611のNo)、変数jに値2を設定し(ステップS615)、測位結果選択処理S617へ進む。
【0202】
鮮度の要求クラス情報が存在する場合には(ステップS611のYes)、鮮度の要求クラスを確認する(ステップS612)。鮮度の要求クラスが第3のクラス(”Assured”)であった場合には(ステップS612のYes)、測位応答生成機能ユニット126は応答送出機能ユニット125によりクライアント装置101にエラーを通知し(ステップS618)、処理を終える。
【0203】
鮮度の要求クラスが第3のクラス(”Assured”)でなかった場合には(ステップS612のNo)、鮮度の要求クラスが第4のクラス(”Best Effort”)かどうかを確認する(ステップS613)。鮮度の要求クラスが第4のクラス(”Best Effort”)であった場合には(ステップS613のYes)、変数jに値3を設定し(ステップS616)、測位結果選択処理S617へ進む。
【0204】
鮮度の要求クラスが第4のクラス(”Best Effort”)でもなかった場合には(ステップS613のNo)、測位応答生成機能ユニット126は、応答送出機能ユニット125によりクライアント装置101に対してエラーを通知し(ステップS618)、処理を終える。
【0205】
ここで、鮮度の要求クラス情報が存在しない場合(ステップS611のNo)もしくは鮮度の要求クラスが第3のクラス(”Assured”)でなかった場合に(ステップS612のNo)、鮮度の要求クラスが第4のクラス(”Best Effort”)であると判断し、変数jに値3を設定する処理(ステップS616)を行うというような実施例も考えられる。
【0206】
測位結果選択処理S617においては、サーバ装置102は、図11および図12に示した処理結果である変数iと変数jの値の組み合わせに基づいて測位結果の選択を行い、クライアント装置101に送信する。
【0207】
図11乃至図13の処理においては、測位精度に基づく処理(ステップS601からステップS608)を、測位鮮度に基づく処理(ステップS609からステップS616)よりも先に行う実施例を示したが、測位鮮度に基づく処理を先に行う実施例や、両方の処理を並行して処理するような実施例も考えられる。
【0208】
図13のステップS617における測位結果選択処理は、図10に示したものと同じ制御テーブルを参照して、測位結果の選択処理を決定する。以下、変数iと変数jの設定値の組み合わせに応じてどのような測位結果の選択処理が行われるかを説明する。
【0209】
変数i=1であり変数j=1である場合には、サーバ装置102は、要求されている精度と要求されている鮮度の両方を満たす測位結果を今回の測位処理で得られた測位対象移動機103の測位結果から選択してクライアント装置101に通知する(番号5−1)。
【0210】
変数i=1であり変数j=2である場合には、サーバ装置102は、要求されている精度を満たす測位結果を今回の測位処理で得られた測位対象移動機103の測位結果から選択してクライアント装置101に通知する(番号5−2)。
【0211】
変数i=1であり変数j=3である場合には、サーバ装置102は、要求されている精度を満たす測位結果の中からできるだけ要求されている鮮度に近い測位結果を、今回の測位処理で得られた測位対象移動機103の測位結果から選択してクライアント装置101に通知する(番号5−3)。
【0212】
変数i=2であり変数j=1である場合には、サーバ装置102は、要求されている鮮度を満たす測位結果を今回の測位処理で得られた測位対象移動機103の測位結果から選択してクライアント装置101に通知する(番号5−4)。
【0213】
変数i=2であり変数j=2である場合には、サーバ装置102は、任意の測位結果を今回の測位処理で得られた測位対象移動機103の測位結果から選択してクライアント装置101に通知する(番号5−5)。
【0214】
変数i=2であり変数j=3である場合には、サーバ装置102は、できるだけ要求されている鮮度に近い測位結果を今回の測位処理で得られた測位対象移動機103の測位結果から選択してクライアント装置101に通知する(番号5−6)。
【0215】
変数i=3であり変数j=1である場合には、サーバ装置102は、要求されている鮮度を満たす測位結果の中からできるだけ要求されている精度に近い測位結果を、今回の測位処理で得られた測位対象移動機103の測位結果から選択してクライアント装置401に通知する(番号5−7)。
【0216】
変数i=3であり変数j=2である場合には、サーバ装置102は、要求されている精度に近い測位結果を今回の測位処理で得られた測位対象移動機103の測位結果から選択してクライアント装置101に通知する(番号5−8)。
【0217】
変数i=3であり変数j=3である場合には、サーバ装置102は、できるだけ要求されている精度および要求されている鮮度に近い測位結果を、今回の測位処理で得られた測位対象移動機103の測位結果から選択してクライアント装置401に通知する(番号5−9)。
【0218】
ここで、番号5−1から5−9までの各条件を満たす測位結果が複数ある場合には、図9の測位結果選択処理S517で述べたように、任意の測位結果を選択する方法、測位鮮度の新しい測位結果を選択する方法、測位精度の高い測位結果を選択する方法、測位精度と測位鮮度のどちらを優先するかを示す優先度情報に基づいて優先度の高い方の情報を優先して選択する方法などが考えられる。
【0219】
以上の動作は、クライアント装置101からの測位要求が過去の測位結果を応答するのでも構わないとしている場合の動作であるが、過去の測位結果の応答を望まない測位要求の場合には、サーバ装置102は、図7〜図9の処理は行わず、測位応答生成機能ユニット126から測位機能ユニット121の測位処理を速やかに起動する。そして、この測位処理の結果、測位処理が失敗して移動機103の位置を取得することができなかった場合には、サーバ装置102は、応答送出機能ユニット125によりクライアント装置101にエラーを通知する。また、測位対象の移動機103の測位に成功し、移動機103の測位結果を取得した場合には、サーバ装置102は、図11乃至図13に示した処理を実行し、取得した測位結果がクライアント装置101の要求条件を満たしているかどうかを判断し、その判断結果に応じた応答をクライアント装置101に通知する。
(発明の第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態は、以下説明する点で前述の第1の実施の形態と異なるが、その他の点では第1の実施の形態と同じである。以下相違点につき説明する。
【0220】
図14を参照すると、サーバ装置102は、更に記憶機能ユニット123を有する。クライアント装置101のクライアント識別子に対応付けて、要求測位精度情報、測位精度の要求クラス情報、要求測位鮮度情報、測位鮮度の要求クラス情報、測位精度と測位鮮度のどちらを優先するかを示す優先度情報の各情報を含むクライアント情報127が記憶機能ユニット123に予め登録されている。サーバ装置102の測位応答生成機能ユニット126は、クライアント装置101から受信した測位要求の応答を生成する際に、その測位要求で指定されているクライアント識別子をキーにクライアント情報127を検索し、そのクライアント装置101が事前に登録した要求測位精度情報、測位精度の要求クラス情報、要求測位鮮度情報、測位鮮度の要求クラス情報、優先度情報を使用するように構成した。
【0221】
ここで、要求測位精度情報、測位精度の要求クラス情報、要求測位鮮度情報、測位鮮度の要求クラス情報、優先度情報の全てをクライアント情報127に登録しておく以外に、要求測位精度情報とその要求クラス情報だけ、あるいは要求測位鮮度情報とその要求クラス情報だけ、あるいは要求測位精度情報だけ、あるいは要求測位鮮度情報だけといったように、一部の情報だけを登録しておく変更例も考えられる。この場合、未登録のパラメータは、指定されていないと判断される。
【0222】
本実施の形態によれば、クライアント装置101は、測位要求メッセージに、要求測位精度情報、測位精度の要求クラス情報、要求測位鮮度情報、測位鮮度の要求クラス情報、優先度情報を含める必要がなくなる。
(発明の第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態は、以下説明する点で前述の第1の実施の形態と異なるが、その他の点では第1の実施の形態と同じである。以下相違点につき説明する。
【0223】
図15を参照すると、サーバ装置102は、更に記憶機能ユニット123を有する。クライアント装置101のクライアント識別子に対応付けて、要求測位精度情報、測位精度の要求クラス情報、要求測位鮮度情報、測位鮮度の要求クラス情報、測位精度と測位鮮度のどちらを優先するかを示す優先度情報の各情報を含むクライアント情報127が記憶機能ユニット123に予め登録されている。更に、測位要求受信機能ユニット124と測位応答生成機能ユニット126との間にマージ機能ユニット128が設けられている。
【0224】
マージ機能ユニット128は、クライアント装置101からの測位要求を測位要求受信機能ユニット124から受け取り、その測位要求で要求測位精度情報、測位精度の要求クラス情報、要求測位鮮度情報、測位鮮度の要求クラス情報、優先度情報の全てが指定されているときは、受け取った測位要求をそのまま測位応答生成機能ユニット126に転送する。これら情報の何れか1つでも指定されていない場合、その測位要求で指定されているクライアント識別子をキーにクライアント情報127を検索し、そのクライアント装置101が事前に登録した要求測位精度情報、測位精度の要求クラス情報、要求測位鮮度情報、測位鮮度の要求クラス情報、優先度情報のうち、測位要求で未指定であったパラメータの登録値を、測位要求に追加して測位応答生成機能ユニット126に転送する。
【0225】
ここで、要求測位精度情報、測位精度の要求クラス情報、要求測位鮮度情報、測位鮮度の要求クラス情報、優先度情報の全てのパラメータをクライアント情報127に登録しておくことに代えて、要求測位精度情報とその要求クラス情報だけ、あるいは要求測位鮮度情報とその要求クラス情報だけ、あるいは要求測位精度情報だけ、あるいは要求測位鮮度情報だけといったように、一部のパラメータだけを登録しておく変更例も考えられる。クライアント情報127に登録されていないパラメータが、測位要求でも指定されていない場合には、そのパラメータは存在しないものとして処理される。
【0226】
本実施の形態によれば、クライアント装置101が、測位要求メッセージで、要求測位精度情報、測位精度の要求クラス情報、要求測位鮮度情報、測位鮮度の要求クラス情報、優先度情報を指定した場合には、その指定したものが使用され、測位要求メッセージで指定されていないものは、クライアント情報127に事前に登録されたものが使用される。このため、クライアント装置101は、事前に登録した要求測位精度情報、測位精度の要求クラス情報、要求測位鮮度情報、測位鮮度の要求クラス情報、優先度情報と同じものを使う場合には、測位要求メッセージにそれらの情報を含める必要がなくなる。また、事前に登録したものと異なるパラメータ値を測位要求で指定すれば、測位要求で指定したパラメータ値が優先されるため、登録値とは異なるパラメータ値を使用した測位要求も可能となる。
(発明の第4の実施の形態)
図16を参照すると、本発明の第4の実施の形態に係る移動通信ネットワークは、1以上のクライアント装置601と、移動通信ネットワークにおいてクライアント装置601からの測位要求を受け付けるゲートウェイ装置である1以上のGMLC装置602と、測位対象となる移動機である1以上のUE装置606と、UE装置606と無線通信を行う基地局である1以上のNode−B装置(基地局装置)605と、1以上のNode−B装置605を管理する1以上のRNC装置604と、1以上のRNC装置604およびNode−B装置605から構成される地域無線網(RAN)を管理する1以上のSGSN/MSC装置603と、各UE装置606の接続する地域無線網(RAN)を管理しているSGSN/MSC装置603の情報を保持する移動機データベースである1以上のHLR/HSS装置607などの複数のノード装置を含む。
【0227】
図17を参照すると、クライアント装置601は、GMLC装置602に対して測位要求を送信する送信機能ユニット611と、送信した測位要求に対する応答をGMLC装置602から受信する受信機能ユニット612とを有する。
【0228】
GMLC装置602は、測位対象のUE装置606に対する測位要求をSGSN/MSC装置603に対して送信する測位要求機能ユニット621と、測位されたUE装置606の過去の測位結果622およびUE装置606のプライバシ設定情報623を記憶する記憶機能ユニット624と、クライアント装置101からの測位要求を受信してプライバシチェック等を行う測位要求確認機能ユニット625と、測位要求に対する応答をクライアント装置601に送信する応答送出機能ユニット626と、測位要求確認機能ユニット625で受理された測位要求に対する応答を生成する測位応答生成機能ユニット627とを有する。
【0229】
SGSN/MSC装置603は、GMLC602から測位要求を受信してRNC装置604に転送し、転送した測位要求に対する応答をRNC装置604から受信してGMLC装置602に転送する転送機能ユニット631を有する。
【0230】
RNC604は、SGSN/MSC603から測位要求を受信する測位要求受信機能ユニット641と、UE装置606の測位を行う測位機能ユニット642と、測位機能ユニット642による測位結果をSGSN/MSC603に送信する応答送出機能ユニット643とを有する。
【0231】
RNC604の測位機能ユニット642は、少なくとも1つの測位方式でUE装置606の位置を測定する。代表的な測位方式の例としては、Cell ID測位、OTDOA測位、アシスタント型測位(A−GPS測位)などがあるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
【0232】
クライアント装置601の送信機能ユニット611から送信される測位要求メッセージには、電話番号や端末ID等の測位対象UE装置606を特定するための端末識別子、要求する位置情報の精度情報(要求測位精度情報)、測位精度の要求クラス情報、要求する位置情報の鮮度情報(要求測位鮮度情報)、測位鮮度の要求クラス情報、過去の測位位置を応答に使っても良いかどうかを示す測位種別、自クライアント装置601を一意に識別するクライアント識別子およびその他必要な情報が含まれる。
【0233】
位置情報の精度としては、応答として受け取る位置情報で示される地点を中心としてUE装置が存在する可能性のある地域をカバーする円の半径を位置情報の精度とすることなどが考えられる。位置情報の鮮度としては、何月何日何時何分何秒というような絶対時刻表記で表すことや、何分何秒前というように現在時刻と測位結果を取得した時刻の相対時間で表すことなどが考えられる。
【0234】
測位精度の要求クラス情報は、要求測位精度情報で指定した測位精度の要求度合いを示す情報であり、本実施の形態においては、要求されている測位精度を必ず満たす測位結果を通知し要求を満たす測位結果が存在しない場合にはエラーを通知することを要求する第1のクラス(”Assured”)、要求されている測位精度を満たすことができなかった場合には要求されている測位精度に最も近い測位結果を通知することを要求する第2のクラス(”Best effort”)の2種類がある。なお、測位精度の要求クラス情報としては第1のクラス(”Assured”)のみを有し、測位精度の要求クラス情報の指定がなかった場合には第2のクラス(”Best effort”)が指定されたと解釈する代替方法も考えられる。
【0235】
同様に、測位鮮度の要求クラス情報は、要求測位鮮度情報で指定した測位鮮度の要求度合いを示す情報であり、本実施の形態においては、要求されている測位鮮度を必ず満たす測位結果を通知し要求を満たす測位結果が存在しない場合にはエラーを通知することを要求する第3のクラス(”Assured”)と、要求されている測位鮮度を満たすことができなかった場合には要求されている測位鮮度に最も近い測位結果を通知することを要求する第4のクラス(”Best effort”)との2種類がある。なお、測位鮮度の要求クラス情報としては第3のクラス(”Assured”)のみを有し、測位鮮度の要求クラス情報の指定がなかった場合には第4のクラス(”Best effort”)が指定されたと解釈する代替方法も考えられる。
【0236】
GMLC装置602の記憶機能ユニット624に記憶される測位結果622は、測位対象となったUE装置606の端末識別子、UE装置606の測位された位置、測位時刻、測位精度の各情報を含む。測位応答生成機能ユニット627は、測位要求確認機能ユニット625で受理された測位要求を解析し、過去の位置でも良い測位種別のときは、利用可能な過去の測位結果が記憶機能ユニット624に記憶されていればそれを利用して応答を生成し、利用可能な過去の測位結果が存在しない場合は測位要求機能ユニット621から測位要求を送出し、この測位要求に対する測位結果から応答を生成する。また、測位要求が過去の位置を使用しない測位種別のときは、測位要求機能ユニット621から測位要求を送出し、この測位要求に対する測位結果から応答を生成する。何れの場合も、測位応答生成機能ユニット627は、測位要求で指定される要求測位精度情報、測位精度の要求クラス情報、要求測位鮮度情報、測位鮮度の要求クラス情報に応じて応答を生成する。生成された応答は、応答送出機能ユニット626を通じて測位要求元のクライアント装置601に送られる。
【0237】
図18は、本実施の形態にかかる移動通信ネットワーク内の各ノードにおける処理および各ノード間で送受されるメッセージフローを示している。図18を参照すると、クライアント装置601は、送信機能ユニット611により、測位要求をGMLC装置602に送信する(図18のステップ1)。クライアント装置601からの測位要求を受信したGMLC装置602は、測位要求確認機能ユニット625により、必要に応じて自ノードが保持するクライアント情報を元にクライアント装置601の認証等を行い、クライアント装置601からの測位要求を受け付けるかどうかを判断する。クライアント装置601からの測位要求の受付が許可された場合には、GMLC装置602は、測位要求確認機能ユニット625により、測位対象であるUE装置606のプライバシ設定情報623を記憶機能ユニット624から参照し、UE装置606が測位要求を受け付けるかどうかを判断する(図18のステップ2)。ここで参照されるプライバシ設定情報623としては、要求元のクライアント装置601からの測位要求を受け付けるかどうか、要求されている精度の位置情報をクライアント装置601に渡していいかどうか、要求されている鮮度の位置情報をクライアント装置601に渡していいかどうかを示す情報などが挙げられる。測位要求を受け付けられないと判断した場合には、測位要求確認機能ユニット625は、応答送出機能ユニット626によりクライアント装置601にエラーを通知する。
【0238】
他方、測位要求を受け付けると判断した場合には、GMLC装置602は、測位応答生成機能ユニット627により、クライアント装置601からの測位要求が過去の測位結果を応答するのでも構わないとしているかどうかを確認し、過去の測位結果でも構わない場合には測位対象のUE装置606の過去の測位結果を記憶機能ユニット624に保持しているかどうかをチェックし、過去の測位結果を保持している場合には過去の測位結果の中にクライアント601の要求条件を満たす測位結果が存在するかどうかを判断する(図18のステップ3)。図18のステップ3における処理は、クライアント装置601の要求条件やGMLC装置602の具備する能力によって様々な処理が考えられる。以下では、測位精度に基づいて応答を生成する実施例と、測位鮮度に基づいて応答を生成する実施例と、測位精度および測位鮮度に基づいて応答を生成する実施例に分けて、本実施の形態の動作を説明する。
【0239】
(1)測位精度に基づいて応答を生成する実施例 GMLC装置602が過去の測位結果を使用して、測位精度に基づいて応答を生成する場合の処理には、図3の処理フローを適用することができる。まず、GMLC602は、測位応答生成機能ユニット627により、クライアント装置601からの測位要求に要求精度情報が存在するかどうかを確認する(ステップS101)。要求精度情報が存在しない場合には(ステップS101のNo)、記憶機能ユニット624に記憶されたUE装置606の過去の測位結果を選択し、応答送出機能ユニット626によりクライアント装置601に応答する(ステップS106)。ステップS106における測位結果の選択方法としては、最も精度の高い測位結果を選択する方法、最も最新の測位結果を選択する方法などが考えられる。
【0240】
要求精度情報が存在する場合には(ステップS101のYes)、測位応答生成機能ユニット627により、要求精度情報を満たすことができる測位結果が過去の測位結果に存在するかどうかを確認する(ステップS102)。要求精度情報を満たす測位結果が存在する場合には(ステップS102のYes)、要求精度情報を満たす測位結果を過去の測位結果から選択し、応答送出機能ユニット626によりクライアント装置601に応答する(ステップS108)。ステップS108における測位結果の選択方法としては、要求精度情報を満たす測位結果の中から、最も精度の高い測位結果を選択する方法や最も最新の測位結果を選択する方法などが考えられる。
【0241】
要求精度情報を満たす測位結果が存在しない場合には(ステップS102のNo)、測位応答生成機能ユニット627により、精度の要求クラス情報が存在するかどうかを確認する(ステップS103)。精度の要求クラス情報が存在しない場合には(ステップS103のNo)、過去の測位結果から応答する測位結果を選択しクライアント装置601に応答する(ステップS106)。ステップS106における測位結果の選択方法としては、最も精度の高い測位結果を選択する方法や最も最新の測位結果を選択する方法などが考えられる。
【0242】
精度の要求クラス情報が存在する場合には(ステップS103のYes)、精度の要求クラスを確認する(ステップS104)。精度の要求クラスが第1のクラス(”Assured”)であった場合には(ステップS104のYes)、測位応答生成機能ユニット627により測位結果の取得のために測位処理を起動する(ステップS110) 精度の要求クラスが第1のクラス(”Assured”)でなかった場合には(ステップS104のNo)、精度の要求クラスが第2のクラス(”Best Effort”)かどうかを確認する(ステップS105)。精度の要求クラスが第2のクラス(”Best Effort”)であった場合には(ステップS105のYes)、測位応答生成機能ユニット627により、最も測位精度の高い測位結果を過去の測位結果から選択し、応答送出機能ユニット626によりクライアント装置601に応答する(ステップS109)。
【0243】
精度の要求クラスが第2のクラス(”Best Effort”)でもなかった場合には(ステップS105のNo)、測位応答生成機能ユニット627は、応答送出機能ユニット626によりクライアント装置601に対してエラーを通知する(ステップS107)。
【0244】
ここで、精度の要求クラス情報が存在しない場合(ステップS103のNo)もしくは精度の要求クラスが第1のクラス(”Assured”)でなかった場合に(ステップS104のNo)、精度の要求クラスが第2のクラス(”Best Effort”)であると判断し、最も測位精度の高い測位結果を過去の測位結果から選択しクライアント装置601に応答する処理(ステップS109)を行うというような実施例も考えられる。
【0245】
図3に示した処理において、過去の測位結果をクライアント装置601に送信するという結果になった場合には、GMLC装置602は、選択した過去の測位結果を応答送出機能ユニット626によりクライアント装置601に送信して処理を終了し、図3に示した処理において、エラーをクライアント装置601に通知するという結果になった場合には、GMLC装置602は、応答送出機能ユニット626によりエラーをクライアント装置601に通知して処理を終了する。
【0246】
他方、図3に示した処理において、測位処理を実行するという結果になった場合には、GMLC装置602はHLR/HSS装置607、SGSN/MSC装置603、RNC装置604、Node−B装置605、UE装置606、他ネットワーク内の必要な通信装置と連携してUE装置606の位置を取得する測位処理を行う(図18のステップ4〜10)。この測位処理の過程で、UE装置606の位置を取得することができなかった場合には、GMLC装置602はクライアント装置601にエラーを通知する。図18のステップ10においてUE装置606の測位結果を取得したGMLC装置602は、測位要求機能ユニット621により、取得した測位結果を記憶機能ユニット624に記憶すると共に、測位応答生成機能ユニット627により、取得した測位結果がクライアント装置601の要求条件を満たしているかどうかを判断する(図18のステップ11)。
【0247】
新たな測位処理で取得した測位結果がクライアント装置601の要求条件を満たしているかどうかを判断し、測位精度に基づいて測位結果の選択を行う処理は、図4に示した処理フローを適用することができる。GMLC装置602はまず、測位応答生成機能ユニット627により、クライアント装置601からの測位要求に要求精度情報が存在するかどうかを確認する(ステップS201)。要求精度情報が存在しない場合には(ステップS201のNo)、今回得られた測位結果から測位結果を選択し、応答送出機能ユニット626により、クライアント装置601に応答する(ステップS206)。ステップS206における測位結果の選択方法としては、最も精度の高い測位結果を選択する方法、最も最新の測位結果を選択する方法などが考えられる。
【0248】
要求精度情報が存在する場合には(ステップS201のYes)、GMLC装置602は、測位応答生成機能ユニット627により、要求精度情報を満たすことができる測位結果が存在するかどうかを確認する(ステップS202)。要求精度情報を満たす測位結果が存在する場合には(ステップS202のYes)、要求精度情報を満たす測位結果を選択し、応答送出機能ユニット626によりクライアント装置601に応答する(ステップ208)。ステップS208における測位結果の選択方法としては、要求精度情報を満たす測位結果の中から、最も精度の高い測位結果を選択する方法や最も最新の測位結果を選択する方法などが考えられる。
【0249】
要求精度情報を満たす測位結果が存在しない場合には(ステップS202のNo)、GMLC装置602は、測位応答生成機能ユニット627により、精度の要求クラス情報が存在するかどうかを確認する(ステップS203)。精度の要求クラス情報が存在しない場合には(ステップS203のNo)、測位結果の選択を行って、応答送出機能ユニット626によりクライアント装置601に応答する(ステップS206)。ステップS206における測位結果の選択方法としては、最も精度の高い測位結果を選択する方法や最も最新の測位結果を選択する方法などが考えられる。
【0250】
精度の要求クラス情報が存在する場合には(ステップS203のYes)、測位応答生成機能ユニット627により、精度の要求クラスを確認する(ステップ204)。精度の要求クラスが第1のクラス(”Assured”)であった場合には(ステップS204のYes)、測位応答生成機能ユニット627は、応答送出機能ユニット626によりクライアント装置601に対してエラーを通知する(ステップ207)。精度の要求クラスが第1のクラス(”Assured”)でなかった場合には(ステップS204のNo)、精度の要求クラスが第2のクラス(”Best Effort”)かどうかを確認する(ステップS205)。精度の要求クラスが第2のクラス(”Best Effort”)であった場合には(ステップS205のYes)、測位応答生成機能ユニット627により最も測位精度の高い測位結果を選択し、応答送出機能ユニット626によりクライアント装置601に応答する(ステップ209)。
【0251】
精度の要求クラスが第2のクラス(”Best Effort”)でもなかった場合には(ステップS205のNo)、GMLC装置602は応答送出機能ユニット626によりクライアント装置601に対してエラーを通知する(ステップ207)。
【0252】
ここで、精度の要求クラス情報が存在しない場合(ステップS203のNo)もしくは精度の要求クラスが第1のクラス(”Assured”)でなかった場合に(ステップS204のNo)、精度の要求クラスが第2のクラス(”Best Effort”)であると判断し、最も測位精度の高い測位結果を選択しクライアント装置601に応答する処理(ステップS209)を行うというような変更例も考えられる。
【0253】
以上の動作は、クライアント装置601からの測位要求が過去の測位結果を応答するのでも構わないとしている場合の動作であるが、過去の測位結果の応答を望まない測位要求の場合には、GMLC装置602は、図3の処理は行わず、測位応答生成機能ユニット627により測位要求機能ユニット621を起動して測位処理を速やかに起動する。そして、この測位処理の結果、測位が失敗してUE装置606の位置を取得することができなかった場合には、GMLC装置602は、応答送出機能ユニット626によりクライアント装置601にエラーを通知する。また、測位対象のUE装置606の測位に成功し、UE装置606の測位結果を取得した場合には、GMLC装置602は、図4に示した処理を実行し、取得した測位結果がクライアント装置601の要求条件を満たしているかどうかを判断し、その判断結果に応じた応答をクライアント装置601に通知する。
【0254】
(2)測位鮮度に基づいて応答を生成する実施例 GMLC装置602が過去の測位結果を使用して、測位鮮度に基づいて応答を生成する場合の処理には、図5の処理フローを適用することができる。まず、GMLC装置602は、測位応答生成機能ユニット627により、クライアント装置601からの測位要求に要求鮮度情報が存在するかどうかを確認する(ステップS301)。要求鮮度情報が存在しない場合には(ステップS301のNo)、記憶機能ユニット624に記憶されたUE装置606の過去の測位結果を選択し、応答送出機能ユニット626によりクライアント装置601に応答する(ステップS306)。ステップS306における測位結果の選択方法としては、最も精度の高い測位結果を選択する方法、最も最新の測位結果を選択する方法などが考えられる。
【0255】
要求鮮度情報が存在する場合には(ステップS301のYes)、測位応答生成機能ユニット627により、要求鮮度情報を満たすことができる測位結果が過去の測位結果に存在するかどうかを確認する(ステップS302)。要求鮮度情報を満たす測位結果が存在する場合には(ステップS302のYes)、要求鮮度情報を満たす測位結果を過去の測位結果から選択し、応答送出機能ユニット626によりクライアント装置601に応答する(ステップS308)。ステップS308における測位結果の選択方法としては、要求鮮度情報を満たす測位結果の中から、最も精度の高い測位結果を選択する方法や最も最新の測位結果を選択する方法などが考えられる。
【0256】
要求鮮度情報を満たす測位結果が存在しない場合には(ステップS302のNo)、測位応答生成機能ユニット627により、鮮度の要求クラス情報が存在するかどうかを確認する(ステップS303)。鮮度の要求クラス情報が存在しない場合には(ステップS303のNo)、過去の測位結果から応答する測位結果を選択しクライアント装置601に応答する(ステップS306)。ステップS306における測位結果の選択方法としては、最も鮮度の高い測位結果を選択する方法や最も最新の測位結果を選択する方法などが考えられる。
【0257】
鮮度の要求クラス情報が存在する場合には(ステップS303のYes)、鮮度の要求クラスを確認する(ステップS304)。鮮度の要求クラスが第3のクラス(”Assured”)であった場合には(ステップS304のYes)、測位応答生成機能ユニット627により測位結果の取得のために測位処理を起動する(ステップS310)。
【0258】
鮮度の要求クラスが第3のクラス(”Assured”)でなかった場合には(ステップS304のNo)、鮮度の要求クラスが第4のクラス(”Best Effort”)かどうかを確認する(ステップS305)。鮮度の要求クラスが第4のクラス(”Best Effort”)であった場合には(ステップS305のYes)、測位応答生成機能ユニット627により、最も鮮度の新しい測位結果を過去の測位結果から選択し、応答送出機能ユニット626によりクライアント装置601に応答する(ステップS309)。
【0259】
鮮度の要求クラスが第4のクラス(”Best Effort”)でもなかった場合には(ステップS305のNo)、測位応答生成機能ユニット627は、応答送出機能ユニット626によりクライアント装置601に対してエラーを通知する(ステップS307)。
【0260】
ここで、鮮度の要求クラス情報が存在しない場合(ステップS303のNo)もしくは鮮度の要求クラスが第3のクラス(”Assured”)でなかった場合に(ステップS304のNo)、鮮度の要求クラスが第4のクラス(”Best Effort”)であると判断し、最も鮮度の新しい測位結果を過去の測位結果から選択しクライアント装置601に応答する処理(ステップS309)を行うというような変更例も考えられる。
【0261】
図5に示した処理において、過去の測位結果をクライアント装置601に送信するという結果になった場合には、GMLC装置602は選択した過去の測位結果をクライアント装置601に送信して処理を終了し、図5に示した処理において、エラーをクライアント装置601に通知するという結果になった場合には、GMLC装置602はエラーをクライアント装置601に通知して処理を終了する。
【0262】
他方、図5に示した処理において、測位処理を実行するという結果になった場合には、GMLC装置602はHLR/HSS装置607、SGSN/MSC装置603、RNC装置604、Node−B装置605、UE装置606、他ネットワーク内の必要な通信装置と連携してUE装置606の位置を取得する測位処理を行う(図18のステップ4乃至ステップ10)。この測位処理の過程で、UE装置606の位置を取得することができなかった場合には、GMLC装置602はクライアント装置601にエラーを通知する。図18のステップ10においてUE装置606の測位結果を取得したGMLC装置602は、測位要求機能ユニット621により、取得した測位結果を記憶機能ユニット624に記憶すると共に、測位応答生成機能ユニット627により、取得した測位結果がクライアント装置601の要求条件を満たしているかどうかを判断する(図18のステップ11)。
【0263】
新たな測位処理で取得した測位結果がクライアント装置601の要求条件を満たしているかどうかを判断し、測位鮮度に基づいて測位結果の選択を行う処理は、図6に示した処理フローを適用することができる。GMLC装置602はまず、測位応答生成機能ユニット627により、クライアント装置601からの測位要求に要求鮮度情報が存在するかどうかを確認する(ステップS401)。要求鮮度情報が存在しない場合には(ステップS401のNo)、今回得られた測位結果から測位結果を選択し、応答送出機能ユニット626により、クライアント装置601に応答する(ステップS406)。ステップS406における測位結果の選択方法としては、最も精度の高い測位結果を選択する方法、最も最新の測位結果を選択する方法などが考えられる。
【0264】
要求鮮度情報が存在する場合には(ステップS401のYes)、GMLC装置602は、測位応答生成機能ユニット627により、要求鮮度情報を満たすことができる測位結果が存在するかどうかを確認する(ステップS402)。要求鮮度情報を満たす測位結果が存在する場合には(ステップS402のYes)、要求鮮度情報を満たす測位結果を選択し、応答送出機能ユニット626によりクライアント装置601に応答する(ステップ408)。ステップS408における測位結果の選択方法としては、要求鮮度情報を満たす測位結果の中から、最も精度の高い測位結果を選択する方法や最も最新の測位結果を選択する方法などが考えられる。
【0265】
要求鮮度情報を満たす測位結果が存在しない場合には(ステップS402のNo)、GMLC装置602は、測位応答生成機能ユニット627により、鮮度の要求クラス情報が存在するかどうかを確認する(ステップS403)。鮮度の要求クラス情報が存在しない場合には(ステップS403のNo)、測位結果の選択を行って、応答送出機能ユニット626によりクライアント装置601に応答する(ステップS406)。ステップS406における測位結果の選択方法としては、最も鮮度の新しい測位結果を選択する方法や最も最新の測位結果を選択する方法などが考えられる。
【0266】
鮮度の要求クラス情報が存在する場合には(ステップS403のYes)、測位応答生成機能ユニット627により、鮮度の要求クラスを確認する(ステップ404)。鮮度の要求クラスが第3のクラス(”Assured”)であった場合には(ステップS404のYes)、測位応答生成機能ユニット627は、応答送出機能ユニット626によりクライアント装置601に対してエラーを通知する(ステップ407)。
【0267】
鮮度の要求クラスが第3のクラス(”Assured”)でなかった場合には(ステップS404のNo)、鮮度の要求クラスが第4のクラス(”Best Effort”)かどうかを確認する(ステップS405)。鮮度の要求クラスが第4のクラス(”Best Effort”)であった場合には(ステップS405のYes)、測位応答生成機能ユニット627により最も鮮度の新しい測位結果を選択し、応答送出機能ユニット626によりクライアント装置601に応答する(ステップ409)。
【0268】
鮮度の要求クラスが第4のクラス(”Best Effort”)でもなかった場合には(ステップS405のNo)、GMLC装置602は応答送出機能ユニット626によりクライアント装置601に対してエラーを通知する(ステップ407)。
【0269】
ここで、鮮度の要求クラス情報が存在しない場合(ステップS403のNo)もしくは鮮度の要求クラスが第3のクラス(”Assured”)でなかった場合に(ステップS404のNo)、鮮度の要求クラスが第4のクラス(”Best Effort”)であると判断し、最も鮮度の新しい測位結果を選択しクライアント装置601に応答する処理(ステップS409)を行うというような実施例も考えられる。
【0270】
以上の動作は、クライアント装置601からの測位要求が過去の測位結果を応答するのでも構わないとしている場合の動作であるが、過去の測位結果の応答を望まない測位要求の場合には、GMLC装置602は、図5の処理は行わず、測位応答生成機能ユニット627により測位要求機能ユニット621を起動して測位処理を速やかに起動する。そして、この測位処理の結果、測位処理が失敗してUE装置606の位置を取得することができなかった場合には、GMLC装置602は、応答送出機能ユニット626によりクライアント装置601にエラーを通知する。また、測位対象のUE装置606の測位に成功し、UE装置606の測位結果を取得した場合には、GMLC装置602は、図6に示した処理を実行し、取得した測位結果がクライアント装置601の要求条件を満たしているかどうかを判断し、その判断結果に応じた応答をクライアント装置601に通知する。
【0271】
(3)測位精度および測位鮮度に基づいて応答を生成する実施例 GMLC装置602が過去の測位結果を使用して、測位精度および測位鮮度に基づいて応答を生成する場合の処理には、図7乃至図9の処理フローを適用することができる。まず、GMLC装置602は、測位応答生成機能ユニット627により、クライアント装置601からの測位要求に要求精度情報が存在するかどうかを確認する(ステップS501)。要求精度情報が存在しない場合には(ステップS501のNo)、変数iに値2を設定し(ステップS507)、図8の処理へと進む。
【0272】
要求精度情報が存在する場合には(ステップS501のYes)、測位応答生成機能ユニット627により、要求精度情報を満たすことができる測位結果が過去の測位結果に存在するかどうかを確認する(ステップS502)。要求精度情報を満たす測位結果が存在する場合には(ステップS502のYes)、変数iに値1を設定し(ステップS506)、図8の処理へと進む。
【0273】
要求精度情報を満たす測位結果が存在しない場合には(ステップS502のNo)、測位応答生成機能ユニット627により、精度の要求クラス情報が存在するかどうかを確認する(ステップS503)。精度の要求クラス情報が存在しない場合には(ステップS503のNo)、変数iに値2を設定し(ステップS507)、図8の処理へと進む。
【0274】
精度の要求クラス情報が存在する場合には(ステップS503のYes)、精度の要求クラスを確認する(ステップS504)。精度の要求クラスが第1のクラス(”Assured”)であった場合には(ステップS504のYes)、測位応答生成機能ユニット627により測位結果の取得のために測位要求機能ユニット621を起動して測位処理を速やかに起動する(ステップS519)。
【0275】
精度の要求クラスが第1のクラス(”Assured”)でなかった場合には(ステップS504のNo)、精度の要求クラスが第2のクラス(”Best Effort”)かどうかを確認する(ステップS505)。精度の要求クラスが第2のクラス(”Best Effort”)であった場合には(ステップS505のYes)、変数iに値3を設定し(ステップS508)、図8の処理へと進む。
【0276】
精度の要求クラスが第2のクラス(”Best Effort”)でもなかった場合には(ステップS505のNo)、測位応答生成機能ユニット627は、応答送出機能ユニット626によりクライアント装置601に対してエラーを通知し(ステップS518)、処理を終える。
【0277】
ここで、精度の要求クラス情報が存在しない場合(ステップS503のNo)もしくは精度の要求クラスが第1のクラス(”Assured”)でなかった場合に(ステップS504のNo)、精度の要求クラスが第2のクラス(”Best Effort”)であると判断し、変数iに値3を設定する処理(ステップS508)を行うというような変更例も考えられる。
【0278】
図8の処理に進んだ場合、GMLC装置602は、測位応答生成機能ユニット627により、クライアント装置601からの測位要求に要求鮮度情報が存在するかどうかを確認する(ステップS509)。要求鮮度情報が存在しない場合には(ステップS509のNo)、変数jに値2を設定し(ステップS515)、測位結果選択処理S517へ進む。
【0279】
要求鮮度情報が存在する場合には(ステップS509のYes)、測位応答生成機能ユニット627により、要求鮮度情報を満たすことができる測位結果が過去の測位結果に存在するかどうかを確認する(ステップS510)。要求鮮度情報を満たす測位結果が存在する場合には(ステップS510のYes)、変数jに値1を設定し(ステップS514)、測位結果選択処理S517へ進む。
【0280】
要求鮮度情報を満たす測位結果が存在しない場合には(ステップS510のNo)、測位応答生成機能ユニット627により、鮮度の要求クラス情報が存在するかどうかを確認する(ステップS511)。鮮度の要求クラス情報が存在しない場合には(ステップS511のNo)、変数jに値2を設定し(ステップS515)、測位結果選択処理S517へ進む。
【0281】
鮮度の要求クラス情報が存在する場合には(ステップS511のYes)、鮮度の要求クラスを確認する(ステップS512)。鮮度の要求クラスが第3のクラス(”Assured”)であった場合には(ステップS512のYes)、測位応答生成機能ユニット627により測位結果の取得のために測位要求機能ユニット621を起動して測位処理を速やかに起動する(ステップS519)。
【0282】
鮮度の要求クラスが第3のクラス(”Assured”)でなかった場合には(ステップS512のNo)、鮮度の要求クラスが第4のクラス(”Best Effort”)かどうかを確認する(ステップS513)。鮮度の要求クラスが第4のクラス(”Best Effort”)であった場合には(ステップS513のYes)、変数jに値3を設定し(ステップS516)、測位結果選択処理S517へ進む。
【0283】
鮮度の要求クラスが第4のクラス(”Best Effort”)でもなかった場合には(ステップS513のNo)、測位応答生成機能ユニット627は、応答送出機能ユニット626によりクライアント装置601に対してエラーを通知し(ステップS518)、処理を終える。
【0284】
ここで、鮮度の要求クラス情報が存在しない場合(ステップS511のNo)もしくは鮮度の要求クラスが第3のクラス(”Assured”)でなかった場合に(ステップS512のNo)、鮮度の要求クラスが第4のクラス(”Best Effort”)であると判断し、変数jに値3を設定する処理(ステップS516)を行うというような実施例も考えられる。
【0285】
測位結果選択処理S517においては、GMLC装置602は、これまで示した処理結果である変数iと変数jの値の組み合わせに基づいて測位結果の選択を行い、クライアント装置601に送信する。測位結果選択処理S517で参照する制御テーブルは図10に示したテーブルを適用する。GMLC装置602の測位応答生成機能ユニット627は、このような制御テーブルを備え、変数iと変数jの設定値の組み合わせから制御テーブルを参照して、測位結果の選択処理を決定する。
【0286】
なお、図10の番号5−1から5−9までの各条件を満たす測位結果が複数ある場合には、任意の測位結果を選択する方法、測位鮮度の新しい測位結果を選択する方法、測位精度の高い測位結果を選択する方法、測位精度と測位鮮度のどちらを優先するかを示す優先度情報に基づいて優先度の高い方の情報を優先して選択する方法などが考えられる。ここで、優先度情報は、測位要求と共にクライアント装置601が送信してきたものを使用する。
【0287】
図7乃至図9に示した処理において、過去の測位結果をクライアント装置601に送信するという結果になった場合には、GMLC装置602は選択した過去の測位結果をクライアント装置601に送信して処理を終了し、図7乃至図9に示した処理において、エラーをクライアント装置601に通知するという結果になった場合には、GMLC装置602はエラーをクライアント装置601に通知して処理を終了する。
【0288】
他方、図7乃至図9に示した処理において、測位処理を実行するという結果になった場合には、GMLC装置602は、HLR/HSS装置607、SGSN/MSC装置603、RNC装置604、Node−B装置605、UE装置606、他ネットワーク内の必要な通信装置と連携してUE装置606の位置を取得する測位処理を行う(図18のステップ4乃至ステップ10)。具体的には、測位要求機能ユニット621は、UE端末606が接続するSGSN/MSC装置の情報をHLR/HSS装置607に問い合わせる(図18のステップ4)。HLR/HSS装置607は、GMLC装置602からの問い合わせに対して、UE装置606が接続するSGSN/MSC装置603の情報を返信する(図18のステップ5)。HLR/HSS装置607からSGSN/MSC装置603の情報を受け取ることができなかった場合には、GMLC装置602はクライアント装置601にエラーを通知する。HLR/HSS装置607からSGSN/MSC装置603の情報を受け取ったGMLC装置602は、SGSN/MSC装置603に対して測位要求メッセージを送信する(図18のステップ6)。
【0289】
この測位処理により、UE装置606の位置を取得することができなかった場合には、GMLC装置602はクライアント装置601にエラーを通知する。図18のステップ10においてUE装置606の測位結果を取得したGMLC装置602は、測位要求機能ユニット621により、取得した測位結果を記憶機能ユニット624に記憶すると共に、測位応答生成機能ユニット627により、取得した測位結果がクライアント装置601の要求条件を満たしているかどうかを判断する(図18のステップ11)。
【0290】
新たな測位処理で取得した測位結果がクライアント装置601の要求条件を満たしているかどうかを判断し、測位精度および測位鮮度に基づいて測位結果の選択を行う処理は、図11乃至図13に示した処理フローを適用することができる。GMLC装置602はまず、測位応答生成機能ユニット126により、クライアント装置601からの測位要求に要求精度情報が存在するかどうかを確認する(ステップS601)。要求精度情報が存在しない場合には(ステップS601のNo)、変数iに値2を設定し(ステップS607)、図12の処理へと進む。
【0291】
要求精度情報が存在する場合には(ステップS601のYes)、測位応答生成機能ユニット627により、要求精度情報を満たすことができる測位結果が今回の測位結果に存在するかどうかを確認する(ステップS602)。要求精度情報を満たす測位結果が存在する場合には(ステップS602のYes)、変数iに値1を設定し(ステップS606)、図12の処理へと進む。
【0292】
要求精度情報を満たす測位結果が存在しない場合には(ステップS602のNo)、測位応答生成機能ユニット627により、精度の要求クラス情報が存在するかどうかを確認する(ステップS603)。精度の要求クラス情報が存在しない場合には(ステップS603のNo)、変数iに値2を設定し(ステップS607)、図12の処理へと進む。
【0293】
精度の要求クラス情報が存在する場合には(ステップS603のYes)、精度の要求クラスを確認する(ステップS604)。精度の要求クラスが第1のクラス(”Assured”)であった場合には(ステップS604のYes)、測位応答生成機能ユニット627は応答送出機能ユニット626によりクライアント装置601にエラーを通知し(ステップS618)、処理を終える。
【0294】
精度の要求クラスが第1のクラス(”Assured”)でなかった場合には(ステップS604のNo)、精度の要求クラスが第2のクラス(”Best Effort”)かどうかを確認する(ステップS605)。精度の要求クラスが第2のクラス(”Best Effort”)であった場合には(ステップS605のYes)、変数iに値3を設定する(ステップS608)。そして、図12の処理へと進む。
【0295】
精度の要求クラスが第2のクラス(”Best Effort”)でもなかった場合には(ステップS605のNo)、測位応答生成機能ユニット627は、応答送出機能ユニット626によりクライアント装置601に対してエラーを通知し(ステップS618)、処理を終える。
【0296】
ここで、精度の要求クラス情報が存在しない場合(ステップS603のNo)もしくは精度の要求クラスが第1のクラス(”Assured”)でなかった場合に(ステップS604のNo)、精度の要求クラスが第2のクラス(”Best Effort”)であると判断し、変数iに値3を設定する処理(ステップS608)を行うというような実施例も考えられる。
【0297】
図12の処理に進んだ場合、GMLC装置602は、測位応答生成機能ユニット627により、クライアント装置601からの測位要求に要求鮮度情報が存在するかどうかを確認する(ステップS609)。要求鮮度情報が存在しない場合には(ステップS609のNo)、変数jに値2を設定し(ステップS615)、測位結果選択処理S617へ進む。
【0298】
要求鮮度情報が存在する場合には(ステップS609のYes)、測位応答生成機能ユニット627により、要求鮮度情報を満たすことができる測位結果が存在するかどうかを確認する(ステップS610)。要求鮮度情報を満たす測位結果が存在する場合には(ステップS610のYes)、変数jに値1を設定し(ステップS614)、測位結果選択処理S617へ進む。
【0299】
要求鮮度情報を満たす測位結果が存在しない場合には(ステップS610のNo)、測位応答生成機能ユニット627により、鮮度の要求クラス情報が存在するかどうかを確認する(ステップS611)。鮮度の要求クラス情報が存在しない場合には(ステップS611のNo)、変数jに値2を設定し(ステップS615)、測位結果選択処理S617へ進む。
【0300】
鮮度の要求クラス情報が存在する場合には(ステップS611のYes)、鮮度の要求クラスを確認する(ステップS612)。鮮度の要求クラスが第3のクラス(”Assured”)であった場合には(ステップS612のYes)、測位応答生成機能ユニット627は応答送出機能ユニット626によりクライアント装置601にエラーを通知し(ステップS618)、処理を終える。
【0301】
鮮度の要求クラスが第3のクラス(”Assured”)でなかった場合には(ステップS612のNo)、鮮度の要求クラスが第4のクラス(”Best Effort”)かどうかを確認する(ステップS613)。鮮度の要求クラスが第4のクラス(”Best Effort”)であった場合には(ステップS613のYes)、変数jに値3を設定し(ステップS616)、測位結果選択処理S617へ進む。
【0302】
鮮度の要求クラスが第4のクラス(”Best Effort”)でもなかった場合には(ステップS613のNo)、測位応答生成機能ユニット627は、応答送出機能ユニット626によりクライアント装置601に対してエラーを通知し(ステップS618)、処理を終える。
【0303】
ここで、鮮度の要求クラス情報が存在しない場合(ステップS611のNo)もしくは鮮度の要求クラスが第3のクラス(”Assured”)でなかった場合に(ステップS612のNo)、鮮度の要求クラスが第4のクラス(”Best Effort”)であると判断し、変数jに値3を設定する処理(ステップS616)を行うというような実施例も考えられる。
【0304】
測位結果選択処理S617においては、サーバ装置102は、図11および図12に示した処理結果である変数iと変数jの値の組み合わせに基づいて測位結果の選択を行い、クライアント装置601に送信する。測位結果選択処理S617で参照する制御テーブルは図10に示したテーブルを適用する。GMLC装置602の測位応答生成機能ユニット627は、変数iと変数jの設定値の組み合わせから制御テーブルを参照して、測位結果の選択処理を決定する。
【0305】
なお、図10の番号5−1から5−9までの各条件を満たす測位結果が複数ある場合には、任意の測位結果を選択する方法、測位鮮度の新しい測位結果を選択する方法、測位精度の高い測位結果を選択する方法、測位精度と測位鮮度のどちらを優先するかを示す優先度情報に基づいて優先度の高い方の情報を優先して選択する方法などが考えられる。ここで、優先度情報は、測位要求と共にクライアント装置601が送信してきたものを使用する。
【0306】
以上の動作は、クライアント装置601からの測位要求が過去の測位結果を応答するのでも構わないとしている場合の動作であるが、過去の測位結果の応答を望まない測位要求の場合には、GMLC装置602は、図7乃至図9の処理は行わず、測位応答生成機能ユニット627から測位要求機能ユニット621を起動して測位処理を速やかに起動する。そして、この測位処理の結果、測位処理が失敗してUE装置606の位置を取得することができなかった場合には、GMLC装置602は、応答送出機能ユニット626によりクライアント装置601にエラーを通知する。また、測位対象のUE装置606の測位に成功し、UE装置606の測位結果を取得した場合には、GMLC装置602は、図11乃至図13に示した処理を実行し、取得した測位結果がクライアント装置601の要求条件を満たしているかどうかを判断し、その判断結果に応じた応答をクライアント装置601に通知する。
(発明の第5の実施の形態)
本発明の第5の実施の形態は、以下説明する点で前述の第4の実施の形態と異なるが、その他の点では第4の実施の形態と同じである。以下相違点につき説明する。
【0307】
図19を参照すると、本発明の第5の実施の形態に係るGMLC装置602は、記憶機能ユニット624を更に含む。クライアント装置601のクライアント識別子に対応付けて、要求測位精度情報、測位精度の要求クラス情報、要求測位鮮度情報、測位鮮度の要求クラス情報、測位精度と測位鮮度のどちらを優先するかを示す優先度情報の各情報を含むクライアント情報628が記憶機能ユニット624に予め登録される。GMLC装置602の測位応答生成機能ユニット627は、クライアント装置601から受信した測位要求の応答を生成する際に、その測位要求で指定されているクライアント識別子をキーにクライアント情報628を検索し、そのクライアント装置601が事前に登録した要求測位精度情報、測位精度の要求クラス情報、要求測位鮮度情報、測位鮮度の要求クラス情報、優先度情報を使用する。
【0308】
ここで、要求測位精度情報、測位精度の要求クラス情報、要求測位鮮度情報、測位鮮度の要求クラス情報、優先度情報の全てをクライアント情報628に登録しておくことに代えて、要求測位精度情報とその要求クラス情報だけ、あるいは要求測位鮮度情報とその要求クラス情報だけ、あるいは要求測位精度情報だけ、あるいは要求測位鮮度情報だけといったように、一部の情報だけを登録しておく変更例も考えられる。この場合、未登録のパラメータは、指定されていないと判断される。
【0309】
本実施の形態によれば、クライアント装置601は、測位要求メッセージに、要求測位精度情報、測位精度の要求クラス情報、要求測位鮮度情報、測位鮮度の要求クラス情報、優先度情報を含める必要がなくなる。
(発明の第6の実施の形態)
本発明の第6の実施の形態は、以下説明する点で前述の第4の実施の形態と異なるが、その他の点では第4の実施の形態と同じである。以下相違点につき説明する。
【0310】
図20を参照すると、本発明の第6の実施の形態に係るGMLC装置602は、記憶機能ユニット624と、マージ機能ユニット629とを更に含む。クライアント装置601のクライアント識別子に対応付けて、要求測位精度情報、測位精度の要求クラス情報、要求測位鮮度情報、測位鮮度の要求クラス情報、測位精度と測位鮮度のどちらを優先するかを示す優先度情報の各情報を含むクライアント情報628が記憶機能ユニット624に予め登録されている。一方、マージ機能ユニット629は、測位要求確認機能ユニット625と測位応答生成機能ユニット626との間に設けられている。
【0311】
マージ機能ユニット629は、クライアント装置601からの測位要求を測位要求確認機能ユニット625から受け取り、その測位要求で要求測位精度情報、測位精度の要求クラス情報、要求測位鮮度情報、測位鮮度の要求クラス情報、優先度情報の全てが指定されているときは、受け取った測位要求をそのまま測位応答生成機能ユニット627に転送する。これら情報の何れか1つでも指定されていない場合、その測位要求で指定されているクライアント識別子をキーにクライアント情報628を検索し、そのクライアント装置601が事前に登録した要求測位精度情報、測位精度の要求クラス情報、要求測位鮮度情報、測位鮮度の要求クラス情報、優先度情報のうち、測位要求で未指定であったパラメータの登録値を、測位要求に追加して測位応答生成機能ユニット627に転送する。
【0312】
ここで、要求測位精度情報、測位精度の要求クラス情報、要求測位鮮度情報、測位鮮度の要求クラス情報、優先度情報の全てのパラメータをクライアント情報628に登録しておくことに代え、要求測位精度情報とその要求クラス情報だけ、あるいは要求測位鮮度情報とその要求クラス情報だけ、あるいは要求測位精度情報だけ、あるいは要求測位鮮度情報だけといったように、一部のパラメータだけを登録しておく変更例も考えられる。クライアント情報628に登録されていないパラメータが、測位要求でも指定されていない場合には、そのパラメータは存在しないものとして処理される。
【0313】
本実施の形態によれば、クライアント装置601が、測位要求メッセージで、要求測位精度情報、測位精度の要求クラス情報、要求測位鮮度情報、測位鮮度の要求クラス情報、優先度情報を指定した場合には、その指定したものが使用され、測位要求メッセージで指定されていないものは、クライアント情報628に事前に登録されたものが使用される。このため、クライアント装置601は、事前に登録した要求測位精度情報、測位精度の要求クラス情報、要求測位鮮度情報、測位鮮度の要求クラス情報、優先度情報と同じものを使う場合には、測位要求メッセージにそれらの情報を含める必要がなくなる。また、事前に登録したものと異なるパラメータ値を測位要求で指定すれば、測位要求で指定したパラメータ値が優先されるため、登録値とは異なるパラメータ値を使用した測位要求も可能となる。
【0314】
なお、本発明の第4乃至第6の実施の形態においてGMLC装置602が測位結果の選択を行う場合の別な実施例としては、図18のステップ3の処理(過去の測位結果を利用する応答の生成)を省略する実施例や、図18のステップ3の処理を省略しステップ11において過去の測位結果と新たに取得した測位結果の中から適切な測位結果を選択するというような実施例も考えることができる。
(発明の第7の実施の形態)
図21を参照すると、本発明の第7の実施の形態は、GMLC装置602の測位応答生成機能ユニット627では過去の測位結果を利用する応答の生成を行い、新たに測位した結果に基づく応答の生成はRNC装置604に設けた測位応答生成機能ユニット644で行う点で、第4の実施の形態と相違し、その他の点は第4の実施の形態と同じである。
【0315】
図22は、RNC装置604が測位結果の選択を行う場合の、ネットワーク内の各ノードにおける処理および各ノード間で送受されるメッセージフローを示している。図22を参照すると、クライアント装置601は、送信機能ユニット611により、測位要求をGMLC装置602に送信する(図22のステップ1)。クライアント装置601からの測位要求を受信したGMLC装置602は、測位要求確認機能ユニット625により、必要に応じて自ノードが保持するクライアント情報を元にクライアント装置601の認証等を行い、クライアント装置601からの測位要求を受け付けるかどうかを判断する。クライアント装置601からの測位要求の受付が許可された場合には、GMLC装置602は、測位要求確認機能ユニット625により、測位対象であるUE装置606のプライバシ設定情報623を記憶機能ユニット624から参照し、UE装置606が測位要求を受け付けるかどうかを判断する(図22のステップ2)。ここで参照されるプライバシ設定情報623としては、要求元のクライアント装置601からの測位要求を受け付けるかどうか、要求されている精度の位置情報をクライアント装置601に渡していいかどうか、要求されている鮮度の位置情報をクライアント装置601に渡していいかどうかを示す情報などが挙げられる。測位要求を受け付けられないと判断した場合には、測位要求確認機能ユニット625は、応答送出機能ユニット626によりクライアント装置601にエラーを通知する。
【0316】
他方、測位要求を受け付けると判断した場合には、GMLC装置602は、測位応答生成機能ユニット627により、クライアント装置601からの測位要求が過去の測位結果を応答するのでも構わないとしているかどうかを確認し、過去の測位結果でも構わない場合には測位対象のUE装置606の過去の測位結果を記憶機能ユニット624に保持しているかどうかをチェックし、過去の測位結果を保持している場合には過去の測位結果の中にクライアント601の要求条件を満たす測位結果が存在するかどうかを判断する(図22のステップ3)。この判断は、クライアント装置601の要求条件やGMLC装置602の具備する能力によって様々な処理が考えられ、第4の実施の形態と同様に、図3、図5または図7乃至図9の処理フローに従って実行される。
【0317】
図3、図5または図7乃至図9に示した処理において、過去の測位結果をクライアント装置601に送信するという結果になった場合には、GMLC装置602は、図10の制御テーブルの内容に従って選択した過去の測位結果を応答送出機能ユニット626によりクライアント装置601に送信して処理を終了する。一方、図3、図5または図7乃至図9に示した処理において、エラーをクライアント装置601に通知するという結果になった場合には、GMLC装置602は、応答送出機能ユニット626によりエラーをクライアント装置601に通知して処理を終了する。
【0318】
他方、図3、図5または図7乃至図9に示した処理において、測位処理を実行するという結果になった場合には、GMLC装置602は、測位要求機能ユニット621により、測位対象のUE装置606にかかる測位要求メッセージをSGSN/MSC603に送信する。具体的には、測位要求機能ユニット621は、UE端末606が接続するSGSN/MSC装置の情報をHLR/HSS装置607に問い合わせる(図22のステップ4)。HLR/HSS装置607は、GMLC装置602からの問い合わせに対して、UE装置606が接続するSGSN/MSC装置603の情報を返信する(図22のステップ5)。HLR/HSS装置607からSGSN/MSC装置603の情報を受け取ることができなかった場合には、GMLC装置602はクライアント装置601にエラーを通知する。HLR/HSS装置607からSGSN/MSC装置603の情報を受け取ったGMLC装置602は、SGSN/MSC装置603に対して測位要求メッセージを送信する(図22のステップ6)。
【0319】
測位要求メッセージには、クライアント装置601から受信した測位要求に含まれていた、UE装置606の電話番号等の端末識別子や、クライアント装置601のクライアント識別子、測位要求精度情報、精度の要求クラス情報、測位要求鮮度情報、鮮度の要求クラス情報およびその他必要な情報を含めて送信する。GMLC装置602からの測位要求メッセージを受信したSGSN/MSC装置603は、転送機能ユニット631により、RNC装置604に対して測位要求メッセージを転送する(図22のステップ7)。
【0320】
SGSN/MSC装置603からの測位要求メッセージを測位要求受信機能ユニット641で受け取ったRNC装置604は、測位機能ユニット642により、Node−B装置605およびUE装置606と連携して測位処理を実行する(図22のステップ8)。UE装置606の測位に失敗し、位置を取得することができなかった場合には、RNC装置604は、応答送出機能ユニット643により、SGSN/MSC装置603を経由してGMLC装置602にエラーを通知し、GMLC装置602はクライアント装置601にエラーを通知する。
【0321】
他方、UE装置606の測位に成功し、測位結果を取得したRNC装置604は、測位応答生成機能ユニット644により、取得した測位結果がクライアント装置601の要求条件を満たしているかどうかを判断する(図22のステップ8)。図22のステップ9におけるRNC装置604の動作は、測位精度に基づいて判断を行う場合は図4の処理フローを適用することができ、測位鮮度に基づいて判断を行う場合は図6の処理フローを適用することができ、測位精度と測位鮮度の両方に基づいて判断を行う場合は図11乃至図13の処理フローおよび図10の処理テーブルを適用することができる。
【0322】
図22のステップ9において、ステップ8の測位処理で取得した測位結果が要求条件を満たしていると判断された場合には、RNC装置604の測位応答生成機能ユニット644は、取得した測位結果を応答送出機能ユニット643によりSGSN/MSC装置603に送信し(図22のステップ10)、SGSN/MSC装置603は転送機能ユニット631によりGMLC装置602に測位結果を送信し(図22のステップ11)、GMLC装置602は、応答送出機能ユニット626により、クライアント装置601に測位結果を送信し、処理を終了する(図22のステップ12)。
【0323】
また、図22のステップ9において、ステップ8の測位処理で取得した測位結果が要求条件を満たしていないと判断され、エラーを通知すると判断した場合には、RNC装置604の測位応答生成機能ユニット644は、応答送出機能ユニット643によりSGSN/MSC装置603を経由してGMLC装置602にエラーを通知し、GMLC装置602はエラーをクライアント装置601に通知し、処理を終了する。
(発明の第8の実施の形態)
本発明の第8の実施の形態は、以下説明する点で前述の第7の実施の形態と異なるが、その他の点では第7の実施の形態と同じである。以下相違点につき説明する。
【0324】
図23を参照すると、本発明の第8の実施の形態によれば、GMLC装置602の記憶機能ユニット624に、クライアント装置601のクライアント識別子に対応付けて、要求測位精度情報、測位精度の要求クラス情報、要求測位鮮度情報、測位鮮度の要求クラス情報、測位精度と測位鮮度のどちらを優先するかを示す優先度情報の各情報を含むクライアント情報628が予め登録されている。GMLC装置602の測位応答生成機能ユニット627は、クライアント装置601から受信した測位要求の応答を生成する際に、その測位要求で指定されているクライアント識別子をキーにクライアント情報628を検索し、そのクライアント装置601が事前に登録した要求測位精度情報、測位精度の要求クラス情報、要求測位鮮度情報、測位鮮度の要求クラス情報、優先度情報を使用するようにした点と、測位処理を起動する際には、そのクライアント装置601が事前に登録した要求測位精度情報、測位精度の要求クラス情報、要求測位鮮度情報、測位鮮度の要求クラス情報、優先度情報を測位要求メッセージに付加して測位要求機能ユニット621からSGSN/MSC装置603に送出する。
【0325】
ここで、要求測位精度情報、測位精度の要求クラス情報、要求測位鮮度情報、測位鮮度の要求クラス情報、優先度情報の全てをクライアント情報628に登録しておく以外に、要求測位精度情報とその要求クラス情報だけ、あるいは要求測位鮮度情報とその要求クラス情報だけ、あるいは要求測位精度情報だけ、あるいは要求測位鮮度情報だけといったように、一部の情報だけを登録しておく実施例も考えられる。未登録のパラメータは、指定されていないと判断される。
【0326】
本実施の形態によれば、クライアント装置601は、測位要求メッセージに、要求測位精度情報、測位精度の要求クラス情報、要求測位鮮度情報、測位鮮度の要求クラス情報、優先度情報を含める必要がなくなる。
(発明の第9の実施の形態)
本発明の第9の実施の形態は、以下説明する点で前述の第7の実施の形態と異なるが、その他の点では第7の実施の形態と同じである。以下相違点につき説明する。
【0327】
図24を参照すると、本発明の第9の実施の形態に係るGMLC装置602は、記憶機能ユニット624とマージ機能ユニット629とを更に含む。クライアント装置601のクライアント識別子に対応付けて、要求測位精度情報、測位精度の要求クラス情報、要求測位鮮度情報、測位鮮度の要求クラス情報、測位精度と測位鮮度のどちらを優先するかを示す優先度情報の各情報を含むクライアント情報628が記憶機能ユニット624に予め登録されている。マージ機能ユニット629は、測位要求確認機能ユニット625と測位応答生成機能ユニット626との間に設けられている。
【0328】
マージ機能ユニット629は、クライアント装置601からの測位要求を測位要求確認機能ユニット625から受け取り、その測位要求で要求測位精度情報、測位精度の要求クラス情報、要求測位鮮度情報、測位鮮度の要求クラス情報、優先度情報の全てが指定されているときは、受け取った測位要求をそのまま測位応答生成機能ユニット627に転送する。これら情報の何れか1つでも指定されていない場合、その測位要求で指定されているクライアント識別子をキーにクライアント情報628を検索し、そのクライアント装置601が事前に登録した要求測位精度情報、測位精度の要求クラス情報、要求測位鮮度情報、測位鮮度の要求クラス情報、優先度情報のうち、測位要求で未指定であったパラメータの登録値を、測位要求に追加して測位応答生成機能ユニット627に転送する。
【0329】
ここで、要求測位精度情報、測位精度の要求クラス情報、要求測位鮮度情報、測位鮮度の要求クラス情報、優先度情報の全てのパラメータをクライアント情報628に登録しておくことに代え、要求測位精度情報とその要求クラス情報だけ、あるいは要求測位鮮度情報とその要求クラス情報だけ、あるいは要求測位精度情報だけ、あるいは要求測位鮮度情報だけといったように、一部のパラメータだけを登録しておく変更例も考えられる。クライアント情報628に登録されていないパラメータが、測位要求でも指定されていない場合には、そのパラメータは存在しないものとして処理される。
【0330】
また、測位応答生成機能ユニット627は、測位処理を起動する際には、マージ機能ユニット629から渡された測位要求メッセージを測位要求機能ユニット621からSGSN/MSC装置603に送出する。
【0331】
本実施の形態によれば、クライアント装置601が、測位要求メッセージで、要求測位精度情報、測位精度の要求クラス情報、要求測位鮮度情報、測位鮮度の要求クラス情報、優先度情報を指定した場合には、その指定したものが使用され、測位要求メッセージで指定されていないものは、クライアント情報628に事前に登録されたものが使用される。このため、クライアント装置601は、事前に登録した要求測位精度情報、測位精度の要求クラス情報、要求測位鮮度情報、測位鮮度の要求クラス情報、優先度情報と同じものを使う場合には、測位要求メッセージにそれらの情報を含める必要がなくなる。また、事前に登録したものと異なるパラメータ値を測位要求で指定すれば、測位要求で指定したパラメータ値が優先されるため、登録値とは異なるパラメータ値を使用した測位要求も可能となる。
(発明の第10の実施の形態)
本発明の第10の実施の形態は、以下説明する点で前述の第8の実施の形態と異なるが、その他の点では第8の実施の形態と同じである。以下相違点につき説明する。
【0332】
図25を参照すると、本発明の第10の実施の形態によれば、GMLC装置602の記憶機能ユニット624に事前に登録されているクライアント情報628と同様なクライアント情報645を記憶する記憶機能ユニット646をRNC装置604に設けた。
【0333】
RNC装置604の測位応答生成機能ユニット644は、測位機能ユニット642で得られた測位結果が要求条件を満たしているかどうかを判断する際に、測位要求受信機能ユニット641で受信された測位要求に含まれるクライアント識別子をキーにクライアント情報645を検索し、そのクライアント装置601が事前に登録した要求測位精度情報、測位精度の要求クラス情報、要求測位鮮度情報、測位鮮度の要求クラス情報、優先度情報を使用する。
【0334】
本実施の形態によれば、クライアント装置601は、測位要求メッセージに、要求測位精度情報、測位精度の要求クラス情報、要求測位鮮度情報、測位鮮度の要求クラス情報、優先度情報を含める必要がなくなり、また、GMLC装置602は、測位処理を起動する際に要求測位精度情報等を測位要求メッセージに付加して送信する必要がなくなる。
(発明の第11の実施の形態)
本発明の第11の実施の形態は、以下説明する点で前述の第9の実施の形態と異なるが、その他の点では第9の実施の形態と同じである。以下相違点につき説明する。
【0335】
図26を参照すると、本発明の第11の実施の形態によれば、GMLC装置602の記憶機能ユニット624に事前に登録されているクライアント情報628と同様なクライアント情報645を記憶する記憶機能ユニット646をRNC装置604に設けた。更に、GMLC装置602のマージ機能ユニット629と同様なマージ機能ユニット647をRNC装置604に設けた。
【0336】
マージ機能ユニット647は、測位要求受信機能ユニット641で受信された測位要求で要求測位精度情報、測位精度の要求クラス情報、要求測位鮮度情報、測位鮮度の要求クラス情報、優先度情報の全てが指定されているときは、その測位要求をそのまま測位応答生成機能ユニット644に転送する。これら情報の何れか1つでも指定されていない場合、その測位要求で指定されているクライアント識別子をキーにクライアント情報645を検索し、クライアント装置601が事前に登録した要求測位精度情報、測位精度の要求クラス情報、要求測位鮮度情報、測位鮮度の要求クラス情報、優先度情報のうち、測位要求で未指定であったパラメータの登録値を、測位応答生成機能ユニット644に通知する。測位応答生成機能ユニット644は、測位機能ユニット642で得られた測位結果が要求条件を満たしているかどうかを判断する際に、マージ機能ユニット647から通知された要求測位精度情報、測位精度の要求クラス情報、要求測位鮮度情報、測位鮮度の要求クラス情報、優先度情報を使用する。
【0337】
本実施の形態によれば、クライアント装置601が、測位要求メッセージで、要求測位精度情報、測位精度の要求クラス情報、要求測位鮮度情報、測位鮮度の要求クラス情報、優先度情報を指定した場合には、その指定したものが使用され、測位要求メッセージで指定されていないものは、クライアント情報628に事前に登録されたものが使用される。このため、クライアント装置601は、事前に登録した要求測位精度情報、測位精度の要求クラス情報、要求測位鮮度情報、測位鮮度の要求クラス情報、優先度情報と同じものを使う場合には、測位要求メッセージにそれらの情報を含める必要がなくなる。また、事前に登録したものと異なるパラメータ値を測位要求で指定すれば、測位要求で指定したパラメータ値が優先されるため、登録値とは異なるパラメータ値を使用した測位要求も可能となる。さらに、GMLC装置602は、測位処理を起動する際に要求測位精度情報等を測位要求メッセージに付加して送信する必要がなくなり、クライアント装置601から受信した測位要求メッセージをそのまま転送するだけで済む。
【0338】
なお、本発明の第7乃至第11の実施の形態において、図22のステップ3の処理、即ち過去の測位結果を利用する応答の生成、を省略する変更例も考えることができる。
【0339】
以上本発明の実施の形態について説明したが、本発明は以上の実施の形態にのみ限定されず、その他各種の付加変更が可能である。また、本発明にかかる移動通信ネットワークの各ノードは、その有する機能をハードウェア的に実現することは勿論、コンピュータとプログラムとで実現することができる。プログラムは、磁気ディスクや半導体メモリ等のコンピュータ可読記録媒体に記録されてコンピュータに接続され、コンピュータの立ち上げ時などにコンピュータに読み取られ、そのコンピュータの動作を制御することにより、そのコンピュータを前述した各実施の形態における各ノードとして機能させることが可能である。
【0340】
すなわち、図2のサーバ装置102を構成するコンピュータを、測位機能ユニット121、測位要求受信機能ユニット124、応答送出機能ユニット125および測位応答生成機能ユニット126として機能させるることが可能である。
【0341】
また、図14のサーバ装置102を構成するコンピュータを、測位機能ユニット121、測位要求受信機能ユニット124、応答送出機能ユニット125および測位応答生成機能ユニット126として機能させることが可能である。
【0342】
また、図15のサーバ装置102を構成するコンピュータを、測位機能ユニット121、測位要求受信機能ユニット124、応答送出機能ユニット125、測位応答生成機能ユニット126およびマージ機能ユニット128として機能させることが可能である。
【0343】
また、図17のGMLC装置602を構成するコンピュータを、測位要求機能ユニット621、測位要求確認機能ユニット625、応答送出機能ユニット626および測位応答生成機能ユニット627として機能させることが可能である。
【0344】
また、図17のRNC装置604を構成するコンピュータを、測位要求受信機能ユニット641、測位機能ユニット642および応答送出機能ユニット643として機能させることが可能である。
【0345】
また、図19のGMLC装置602を構成するコンピュータを、測位要求機能ユニット621、測位要求確認機能ユニット625、応答送出機能ユニット626および測位応答生成機能ユニット627として機能させることが可能である。
【0346】
また、図19のRNC装置604を構成するコンピュータを、測位要求受信機能ユニット641、測位機能ユニット642および応答送出機能ユニット643として機能させることが可能である。
【0347】
また、図20のGMLC装置602を構成するコンピュータを、測位要求機能ユニット621、測位要求確認機能ユニット625、応答送出機能ユニット626、測位応答生成機能ユニット627およびマージ機能ユニット629として機能させることが可能である。
【0348】
また、図20のRNC装置604を構成するコンピュータを、測位要求受信機能ユニット641、測位機能ユニット642および応答送出機能ユニット643として機能させることが可能である。
【0349】
また、図21のGMLC装置602を構成するコンピュータを、測位要求機能ユニット621、測位要求確認機能ユニット625、応答送出機能ユニット626および測位応答生成機能ユニット627として機能させることが可能である。
【0350】
また、図21のRNC装置604を構成するコンピュータを、測位要求受信機能ユニット641、測位機能ユニット642、測位応答生成機能ユニット644および応答送出機能ユニット643として機能させることが可能である。
【0351】
また、図23のGMLC装置602を構成するコンピュータを、測位要求機能ユニット621、測位要求確認機能ユニット625、応答送出機能ユニット626および測位応答生成機能ユニット627として機能させることが可能である。
【0352】
また、図23のRNC装置604を構成するコンピュータを、測位要求受信機能ユニット641、測位機能ユニット642、測位応答生成機能ユニット644および応答送出機能ユニット643として機能させることが可能である。
【0353】
また、図24のGMLC装置602を構成するコンピュータを、測位要求機能ユニット621、測位要求確認機能ユニット625、応答送出機能ユニット626、測位応答生成機能ユニット627およびマージ機能ユニット639として機能させることが可能である。
【0354】
また、図24のRNC装置604を構成するコンピュータを、測位要求受信機能ユニット641、測位機能ユニット642、測位応答生成機能ユニット644および応答送出機能ユニット643として機能させることが可能である。
【0355】
また、図25のGMLC装置602を構成するコンピュータを、測位要求機能ユニット621、測位要求確認機能ユニット625、応答送出機能ユニット626および測位応答生成機能ユニット627として機能させことが可能である。
【0356】
また、図25のRNC装置604を構成するコンピュータを、側位要求受信機能ユニット641、測位機能ユニット642、測位応答生成機能ユニット644および応答送出機能ユニット643として機能させることが可能である。
【0357】
また、図26のGMLC装置602を構成するコンピュータを、測位要求機能ユニット621、測位要求確認機能ユニット625、応答送出機能ユニット626、測位応答生成機能ユニット627およびマージ機能ユニット639として機能させることが可能である。
【0358】
また、図26のRNC装置604を構成するコンピュータを、測位要求受信機能ユニット641、測位機能ユニット642、測位応答生成機能ユニット644、応答送出機能ユニット643およびマージ機能ユニット647として機能させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0359】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかる移動通信ネットワークの構成図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態にかかる移動通信ネットワークにおける各ノードのブロック図である。
【図3】過去の測位結果を利用し、測位精度に基づいて測位結果の選択を行う場合の処理フローを示す図である。
【図4】新たに測位して得た測位結果を利用し、測位精度に基づいて測位結果の選択を行う場合の処理フローを示す図である。
【図5】過去の測位結果を利用し、測位鮮度に基づいて測位結果の選択を行う場合の処理フローを示す図である。
【図6】新たに測位して得た測位結果を利用し、測位鮮度に基づいて測位結果の選択を行う場合の処理フローを示す図である。
【図7】過去の測位結果を利用し、測位精度および測位鮮度に基づいて測位結果の選択を行う場合の処理フローの一部を示す図である。
【図8】過去の測位結果を利用し、測位精度および測位鮮度に基づいて測位結果の選択を行う場合の処理フローの一部を示す図である。
【図9】過去の測位結果を利用し、測位精度および測位鮮度に基づいて測位結果の選択を行う場合の処理フローの一部を示す図である。
【図10】測位精度と測位精度の双方に基づいて測位結果の選択を行う場合の、測位結果選択処理内容を定義したテーブルの図である。
【図11】新たに測位して得た測位結果を利用し、測位精度および測位鮮度に基づいて測位結果の選択を行う場合の処理フローの一部を示す図である。
【図12】新たに測位して得た測位結果を利用し、測位精度および測位鮮度に基づいて測位結果の選択を行う場合の処理フローの一部を示す図である。
【図13】新たに測位して得た測位結果を利用し、測位精度および測位鮮度に基づいて測位結果の選択を行う場合の処理フローの一部を示す図である。
【図14】本発明の第2の実施の形態にかかる移動通信ネットワークにおける各ノードのブロック図である。
【図15】本発明の第3の実施の形態にかかる移動通信ネットワークにおける各ノードのブロック図である。
【図16】本発明の第4の実施の形態にかかる移動通信ネットワークの構成図である。
【図17】本発明の第4の実施の形態にかかる移動通信ネットワークにおける各ノードのブロック図である。
【図18】本発明の第4の実施の形態にかかる移動通信ネットワークにおける測位処理手順を示す信号フロー図である。
【図19】本発明の第5の実施の形態にかかる移動通信ネットワークにおける各ノードのブロック図である。
【図20】本発明の第6の実施の形態にかかる移動通信ネットワークにおける各ノードのブロック図である。
【図21】本発明の第7の実施の形態にかかる移動通信ネットワークにおける各ノードのブロック図である。
【図22】本発明の第7の実施の形態にかかる移動通信ネットワークにおける測位処理手順を示す信号フロー図である。
【図23】本発明の第8の実施の形態にかかる移動通信ネットワークにおける各ノードのブロック図である。
【図24】本発明の第9の実施の形態にかかる移動通信ネットワークにおける各ノードのブロック図である。
【図25】本発明の第10の実施の形態にかかる移動通信ネットワークにおける各ノードのブロック図である。
【図26】本発明の第11の実施の形態にかかる移動通信ネットワークにおける各ノードのブロック図である。
【符号の説明】
【0360】
101 端末の測位結果を必要とするクライアント装置
102 測位処理を制御するサーバ装置
103 測位対象となる移動機(端末)
601 移動機(UE装置)の測位結果を必要とするクライアント装置
602 測位処理を制御するGMLC装置
603 移動機が接続するRNC装置を管理するSGSN/MSC装置
604 移動機が接続するNode-Bを管理するRNC装置
605 移動機が無線通信により接続するNode-B装置
606 測位対象となる移動機(UE装置)
607 移動機が接続しているSGSN/MSCの情報を保持するHLR/HSS装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信ネットワークに関し、特に移動端末の地理的位置情報を提供する測位機能を有する測位システムおよび測位方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明に関する現時点での技術水準をより十分に説明する目的で、本願で引用され或いは特定される特許、特許出願、特許公報、科学論文等の全てを、ここに、参照することでそれらの全ての説明を組入れる。
【0003】
移動通信ネットワークにおいて、移動機の位置情報を提供する測位機能は、さまざまな位置情報サービスを可能にする重要な機能である。移動通信ネットワークの世界標準を定めている3GPP(Third Generation Partnership Program)においては、位置情報サービス機能および測位機能の仕様を制定している。これらは、3GPP Technical Specification 23.271v.5.4.0,”Functional stage 2 descriptionof LCS”,2002年9月(以下非特許文献1という)、及び3GPP Technical Specification 25.305 v.5.4.0,”Stage 2 functional specification of User Equipment(UE)positioning in UTRAN”,2002年3月(以下非特許文献2という)に開示されている。非特許文献1においては、ネットワーク外部のクライアント装置が移動機の位置情報を移動通信ネットワークから取得するための手順を規定している。一方、非特許文献2においては移動通信ネットワーク内部における移動機の地理的位置を取得するための手順が規定されている。
【0004】
移動体の地理的位置を示す位置情報に関して、位置情報の価値は精度情報と鮮度情報の2つの情報によって決められる。精度情報は位置情報の正しさを示す情報であり精度が高いほど位置情報で示される地点に移動機が存在する確率が高い。ある確率(例えば95%等)で移動機が存在する範囲を円で示し、その円の中心点を位置情報とし半径を精度情報とする例などが考えられる。鮮度情報はその位置情報の新しさを示す情報であり、鮮度が高いほど位置情報で示される地点に移動機が存在する確率が高い。
【0005】
非特許文献1および非特許文献2に記載の3GPPの位置情報サービスにおいては、外部クライアントは要求する測位精度(Accuracy)を指定することができる。しかし、ネットワーク内部での測位処理の結果、要求された測位精度を満たす位置情報を取得できなかった場合の測位システムの動作は明確になっておらず、外部クライアントに対してエラーを通知する場合も考えられるし、要求された測位精度の最も近い精度の位置情報を通知する場合も考えられる。非特許文献2の7.3.1章においては上記のどちらの可能性も記載されており、この点はインプリもしくはオペレータマターとなっている。
【0006】
現実の位置情報サービスにおいては、要求する測位精度が満たされない場合にどのような振る舞いをするべきかは、外部クライアントが提供する位置情報サービスに依存すると考えられる。例えば、歩行者に対して道案内を行う人ナビゲーションのような位置情報サービスにおいては10m〜数10m程度の測位精度が要求されると考えられるが、オペレータ側での測位処理の結果、要求測位精度が満たされないときに数kmオーダーの測位精度の位置情報を通知されても、外部クライアントにおけるサービスには役に立たない情報であり、そのような情報に対して外部クライアントやユーザーが対価を払う必要があるのは問題であると考えられる。
【0007】
位置情報の要求鮮度に関しては現在の3GPP標準には規定されていないが、今後、要求鮮度が標準化された際には測位精度と同様に要求された鮮度の位置情報を取得できなかった場合の処理が問題になると考えられる。
【0008】
前述の状況下で、測位処理においてクライアントの要求に応じて適切な測位結果を選択し応答する測位システムを実現すること、特に要求する測位精度と測位鮮度に基づいて処理を行う測位システムを実現することが望まれていた。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】3GPP Technical Specification 23.271 v.5.4.0,”Functional stage 2 description of LCS”,2002年9月。
【0010】
【非特許文献2】3GPP Technical Specification 25.305 v.5.4.0,”Stage 2 functional specification of User Equipment(UE)positioning in UTRAN”,2002年3月。
【発明の開示】
【0011】
従って、本発明の目的は、前述した問題のない移動通信ネットワークにおける測位システムを提供することにある。
【0012】
本発明の更なる目的は、測位処理においてクライアントの要求に応じて適切な測位結果を選択し応答する測位システムを提供することにある。
【0013】
本発明の更なる目的は、クライアントの要求する測位精度と測位鮮度に基づいて測位処理を行う測位システムを提供することにある。
【0014】
本発明の更なる目的は、前述した問題のない移動通信ネットワークにおける測位方法を提供することにある。
【0015】
本発明の更なる目的は、測位処理においてクライアントの要求に応じて適切な測位結果を選択し応答する測位方法を提供することにある。
【0016】
本発明の更なる目的は、クライアントの要求する測位精度と測位鮮度に基づいて測位処理を行う測位方法を提供することにある。
【0017】
本発明の更なる目的は、前述した問題のない移動通信ネットワークにおける測位サーバ装置を提供することにある。
【0018】
本発明の更なる目的は、測位処理においてクライアントの要求に応じて適切な測位結果を選択し応答する測位サーバ装置を提供することにある。
【0019】
本発明の更なる目的は、クライアントの要求する測位精度と測位鮮度に基づいて測位処理を行う測位サーバ装置を提供することにある。
【0020】
本発明の更なる目的は、前述した問題のない移動通信ネットワークにおける測位方法を実行するプログラムを提供することにある。
【0021】
本発明の更なる目的は、測位処理においてクライアントの要求に応じて適切な測位結果を選択し応答する測位方法を実行するプログラムを提供することにある。
【0022】
本発明の更なる目的は、クライアントの要求する測位精度と測位鮮度に基づいて測位処理を行う測位方法を実行するプログラムを提供することにある。
【0023】
本発明の移動通信ネットワークにおける測位システムにおいては、上記の課題を解決するために、要求精度の要求クラス情報及び/又は要求鮮度の要求クラス情報を導入し、外部クライアントからの測位要求に対し、これら要求クラス情報に基づいてこの外部クライアントへの位置情報の応答を生成する。これら要求クラス情報は、外部クライアント装置が測位要求と共に測位システムに送信することも考えられるし、測位システム内部にあらかじめ保持しておくことも考えられる。
【0024】
要求精度の要求クラス情報は、要求される精度を必ず満たす測位結果を応答することを条件とする第1のクラスと、要求される精度を満たす測位結果が存在しない場合に最も要求される精度に最も近い測位精度の測位結果を返すことを条件とする第2のクラスとを含む。
【0025】
要求鮮度の要求クラス情報は、要求される鮮度を必ず満たす測位結果を応答することを条件とする第3のクラスと、要求される鮮度を満たす測位結果が存在しない場合に最も要求される鮮度に最も近い測位鮮度の測位結果を返すことを条件とする第4のクラスとを含む。
【0026】
また、要求される精度や鮮度の条件を満たす測位結果が複数存在する場合に、精度と鮮度のどちらを優先するかを決める優先度情報を導入し、この優先度情報を用いて測位結果の選択を行う。
【0027】
また、測位要求に対する応答の生成は、移動通信ネットワークにおけるノード装置内に含まれる測位応答生成機能ユニットで行うことが可能である。このノード装置は、通信ネットワークのいずれかのノードに位置するあらゆる装置を包含し、その典型例としてサーバやゲートウェイ等が挙げられるが特にこれらに限定するものではない。
【0028】
更に、測位対象は、測位の対象となり得るあらゆるものを包含し、その典型例として移動体機や移動体端末等が挙げられるが必ずしもこれらに限定するものではない。
【0029】
また、機能ユニットとは、ある特定の機能を実行する能力を備えたユニットであればよく、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアを包含するあらゆる形態において実現することが可能である。尚、本願明細書並びに図面中の用語「手段」とは、本願においては、機能ユニットに相当するものとする。
【0030】
また、外部クライアントとは、測位応答生成機能ユニットを含むノード装置以外であって、測位要求を行うものあれば何でもよく、特に限定されるものではない。
【0031】
更に、本願において、移動通信ネットワークにおける測位サーバ装置は、外部クライアントからの要求に従い測位応答サービスを提供するものあれば何でもよく、特に限定されるものではない。また、この測位サーバ装置は、移動通信ネットワーク上のいずれの位置に存在してもよく、特定のノード或いはターミナル等に限定するものではない。
【0032】
更に、本願において、用語「クラス」は「レベル」と実質同意義であり、例えば、「第一乃至第四のクラス」は「第一乃至第四のレベル」と代替的に表現することができる。また、「クラス情報」も「レベル情報」と代替的に表現することができる。
【0033】
本発明の第1の利点は、測位処理において要求する測位精度を満たす測位結果のみを受け取るか、要求する測位精度を満たす測位結果がない場合にもできるだけ要求する測位精度に近い測位結果を受け取るか、をクライアント装置が選択可能になることである。
【0034】
本発明の第2の利点は、測位処理において要求する測位鮮度を満たす測位結果のみを受け取るか、要求する測位鮮度を満たす測位結果がない場合にもできるだけ要求する測位鮮度に近い測位結果を受け取るか、をクライアント装置が選択可能になることである。
【0035】
本発明の第一の側面によれば、外部クライアント装置からの測位要求に対して測位対象の位置情報を応答する移動通信ネットワークにおける測位システムであって、前記外部クライアント装置への位置情報の応答を、要求精度情報と要求精度の要求クラス情報とに基づいて生成する測位応答生成機能ユニットを含むノード装置を少なくとも1つ含む移動通信ネットワークにおける測位システムを提供する。
【0036】
前記要求精度の要求クラス情報は、前記外部クライアント装置により要求される測位精度を必ず満たす位置情報を前記外部クライアント装置へ応答するよう前記ノード装置に対し要求することを示す第1のクラスを少なくとも含むよう構成し得る。
【0037】
ここで、前記第1のクラスは、前記外部クライアント装置により要求される測位精度を満たす位置情報が存在しない場合には、前記外部クライアント装置へエラーを応答するよう前記ノード装置に対し要求することを示すものである。
【0038】
更に、前記要求精度の要求クラス情報は、前記外部クライアント装置により要求される測位精度を満たさない場合には、前記要求される測位精度に最も近い位置情報を前記外部クライアント装置へ応答するよう前記ノード装置に対し要求することを示す第2のクラスを少なくとも含むよう構成し得る。
【0039】
前記第2のクラスは、応答可能な位置情報が存在しない場合には、前記外部クライアント装置へエラーを応答するよう前記ノード装置に対し要求することを示すものである。
【0040】
前記要求精度の要求クラス情報は、前記外部クライアント装置により要求される測位精度を必ず満たす位置情報を前記外部クライアント装置へ応答するよう前記ノード装置に対し要求することを示す第1のクラスと、前記外部クライアント装置により要求される測位精度を満たさない場合には、前記要求される測位精度に最も近い位置情報を前記外部クライアント装置へ応答するよう前記ノード装置に対し要求することを示す第2のクラスとの双方を含むよう構成し得る。
【0041】
また、前記測位システムは、前記要求精度の要求クラス情報を保持するための保持機能ユニットを更に含むよう構成し得る。
【0042】
また、前記測位システムは、前記外部クライアントが測位要求と共に送信した前記要求精度の要求クラス情報を受信するための受信機能ユニットを更に含むよう構成し得る。
【0043】
前記要求精度の要求クラス情報を前記外部クライアントが測位要求と共に送信した場合は、前記測位応答生成機能ユニットはその要求クラス情報を使用して前記位置情報の応答を生成し、一方、前記要求精度の要求クラス情報を前記外部クライアントが測位要求と共に送信しなかった場合は、前記測位応答生成機能ユニットは前記移動通信ネットワークにおける前記測位システムの内部に保持している要求精度の要求クラス情報を使用して前記位置情報の応答を生成するよう構成し得る。
【0044】
更に、本発明の第二の側面によれば、外部クライアント装置からの測位要求に対して測位対象の位置情報を応答する移動通信ネットワークにおける測位システムであって、前記外部クライアント装置への位置情報の応答を要求鮮度情報と要求鮮度の要求クラス情報とに基づいて生成する測位応答生成機能ユニットを含むノード装置を少なくとも1つ含む移動通信ネットワークにおける測位システムを提供する。
【0045】
前記要求鮮度の要求クラス情報は、前記外部クライアント装置により要求される測位鮮度を必ず満たす位置情報を前記外部クライアント装置へ応答するよう前記ノード装置に対し要求することを示す第1のクラスを少なくとも含むよう構成し得る。
【0046】
前記第1のクラスは、前記外部クライアント装置により要求される測位鮮度を満たす位置情報が存在しない場合には、前記外部クライアント装置へエラーを応答するよう前記ノード装置に対し要求することを示すよう構成し得る。
【0047】
前記要求精度の要求クラス情報は、前記外部クライアント装置により要求される測位鮮度を満たさない場合には、前記要求される測位鮮度に最も近い位置情報を前記外部クライアント装置へ応答するよう前記ノード装置に対し要求することを示す第2のクラスを少なくとも含むよう構成し得る。
【0048】
前記第2のクラスは、応答可能な位置情報が存在しない場合には、前記外部クライアント装置へエラーを応答するよう前記ノード装置に対し要求することを示すよう構成し得る。
【0049】
前記要求鮮度の要求クラス情報は、前記外部クライアント装置により要求される測位鮮度を必ず満たす位置情報を前記外部クライアント装置へ応答するよう前記ノード装置に対し要求することを示す第1のクラスと、前記外部クライアント装置により要求される測位鮮度を満たさない場合には、前記要求される測位鮮度に最も近い位置情報を前記外部クライアント装置へ応答するよう前記ノード装置に対し要求することを示す第2のクラスの双方を含むよう構成し得る。
【0050】
前記測位システムは、前記要求鮮度の要求クラス情報を保持するための保持機能ユニットを更に含むよう構成し得る。
【0051】
前記測位システムは、前記外部クライアントが測位要求と共に送信した前記要求鮮度の要求クラス情報を受信するための受信機能ユニットを更に含むよう構成し得る。
【0052】
前記要求鮮度の要求クラス情報を前記外部クライアントが測位要求と共に送信した場合は、前記測位応答生成機能ユニットはその要求クラス情報を使用して前記位置情報の応答を生成し、一方、前記要求鮮度の要求クラス情報を前記外部クライアントが測位要求と共に送信しなかった場合は、前記測位応答生成機能ユニットは前記移動通信ネットワークにおける前記測位システムの内部に保持している要求鮮度の要求クラス情報を使用して前記位置情報の応答を生成するよう構成し得る。
【0053】
更に、本発明の第三の側面によれば、外部クライアント装置からの測位要求に対して測位対象の位置情報を応答する移動通信ネットワークにおける測位システムであって、前記外部クライアント装置への位置情報の応答を、要求精度情報と要求精度の要求クラス情報および要求鮮度情報と要求鮮度の要求クラス情報に基づいて生成する測位応答生成機能ユニットを含むノード装置を少なくとも1つ含む移動通信ネットワークにおける測位システムを提供する。
【0054】
前記要求精度の要求クラス情報は、前記外部クライアント装置により要求される測位精度を必ず満たす位置情報を前記外部クライアント装置へ応答するよう前記ノード装置に対し要求することを示す第1のクラスを少なくとも含むよう構成し得る。
【0055】
前記第1のクラスは、前記外部クライアント装置により要求される測位精度を満たす位置情報が存在しない場合には、前記外部クライアント装置へエラーを応答するよう前記ノード装置に対し要求することを示すよう構成し得る。
【0056】
前記要求精度の要求クラス情報は、前記外部クライアント装置により要求される測位精度を満たさない場合には、前記要求される測位精度に最も近い位置情報を前記外部クライアント装置へ応答するよう前記ノード装置に対し要求することを示す第2のクラスを少なくとも含むよう構成し得る。
【0057】
前記第2のクラスは、応答可能な位置情報が存在しない場合には、前記外部クライアント装置へエラーを応答するよう前記ノード装置に対し要求することを示すよう構成し得る。
【0058】
前記要求精度の要求クラス情報は、前記外部クライアント装置により要求される測位精度を必ず満たす位置情報を前記外部クライアント装置へ応答するよう前記ノード装置に対し要求することを示す第1のクラスと、前記外部クライアント装置により要求される測位精度を満たさない場合には、前記要求される測位精度に最も近い位置情報を前記外部クライアント装置へ応答するよう前記ノード装置に対し要求することを示す第2のクラスとの双方を含むよう構成し得る。
【0059】
前記測位システムは、前記要求精度の要求クラス情報を保持するための保持機能ユニットを更に含むよう構成し得る。
【0060】
前記測位システムは、前記外部クライアントが測位要求と共に送信した前記要求精度の要求クラス情報を受信するための受信機能ユニットを更に含むよう構成し得る。
【0061】
前記要求精度の要求クラス情報を前記外部クライアントが測位要求と共に送信した場合は、前記測位応答生成機能ユニットはその要求クラス情報を使用して前記位置情報の応答を生成し、一方、前記要求精度の要求クラス情報を前記外部クライアントが測位要求と共に送信しなかった場合は、前記測位応答生成機能ユニットは前記移動通信ネットワークにおける前記測位システム内部に保持している要求精度の要求クラス情報を使用して前記位置情報の応答を生成するよう構成し得る。
【0062】
前記要求鮮度の要求クラス情報は、前記外部クライアント装置により要求される測位鮮度を必ず満たす位置情報を前記外部クライアント装置へ応答するよう前記ノード装置に対し要求することを示す第3のクラスを少なくとも含むよう構成し得る。
【0063】
前記第3のクラスは、前記外部クライアント装置により要求される測位鮮度を満たす位置情報が存在しない場合には、前記外部クライアント装置へエラーを応答するよう前記ノード装置に対し要求することを示すよう構成し得る。
【0064】
前記要求精度の要求クラス情報は、前記外部クライアント装置により要求される測位鮮度を満たさない場合には、前記要求される測位鮮度に最も近い位置情報を前記外部クライアント装置へ応答するよう前記ノード装置に対し要求することを示すよう構成し得る。
【0065】
前記第4のクラスは、応答可能な位置情報が存在しない場合には、前記外部クライアント装置へエラーを応答するよう前記ノード装置に対し要求することを示すよう構成し得る。
【0066】
前記要求鮮度の要求クラス情報は、前記外部クライアント装置により要求される測位鮮度を必ず満たす位置情報を前記外部クライアント装置へ応答するよう前記ノード装置に対し要求することを示す第3のクラスと、前記外部クライアント装置により要求される測位鮮度を満たさない場合には、前記要求される測位鮮度に最も近い位置情報を前記外部クライアント装置へ応答するよう前記ノード装置に対し要求することを示す第4のクラスの双方を含むよう構成し得る。
【0067】
前記測位システムは、前記要求鮮度の要求クラス情報を保持するための保持機能ユニットを更に含むよう構成し得る。
【0068】
前記測位システムは、前記外部クライアントが測位要求と共に送信した前記要求鮮度の要求クラス情報を受信するための受信機能ユニットを更に含むよう構成し得る。
【0069】
前記要求鮮度の要求クラス情報を前記外部クライアントが測位要求と共に送信した場合は、前記測位応答生成機能ユニットはその要求クラス情報を使用して前記位置情報の応答を生成し、一方、前記要求鮮度の要求クラス情報を前記外部クライアントが測位要求と共に送信しなかった場合は、前記測位応答生成機能ユニットは前記移動通信ネットワークにおける前記測位システムの内部に保持している要求鮮度の要求クラス情報を使用して前記位置情報の応答を生成するよう構成し得る。
【0070】
前記要求精度の要求クラス情報は、前記外部クライアント装置により要求される測位精度を満たさない場合には、前記要求される測位精度に最も近い位置情報を前記外部クライアント装置へ応答するよう前記ノード装置に対し要求することを示す第2のクラスに設定され、前記要求鮮度の要求クラス情報は、前記外部クライアント装置により要求される測位鮮度を満たさない場合には、前記要求される測位鮮度に最も近い位置情報を前記外部クライアント装置へ応答するよう前記ノード装置に対し要求することを示す第4のクラスに設定され、前記外部クライアント装置により要求される測位精度と測位鮮度とを共に満たす位置情報が存在しない場合に、前記ノード装置は測位精度が最も高い位置情報を前記外部クライアント装置へ応答するよう構成し得る。
【0071】
前記要求精度の要求クラス情報は、前記外部クライアント装置により要求される測位精度を満たさない場合には、前記要求される測位精度に最も近い位置情報を前記外部クライアント装置へ応答するよう前記ノード装置に対し要求することを示す第2のクラスに設定され、前記要求鮮度の要求クラス情報は、前記外部クライアント装置により要求される測位鮮度を満たさない場合には、前記要求される測位鮮度に最も近い位置情報を前記外部クライアント装置へ応答するよう前記ノード装置に対し要求することを示す第4のクラスに設定され、前記外部クライアント装置により要求される測位精度と測位鮮度とを共に満たす位置情報が存在しない場合に、前記ノード装置は測位鮮度が最も新しい位置情報を前記外部クライアント装置へ応答するよう構成し得る。
【0072】
前記要求精度の要求クラス情報は、前記外部クライアント装置により要求される測位精度を満たさない場合には、前記要求される測位精度に最も近い位置情報を前記外部クライアント装置へ応答するよう前記ノード装置に対し要求することを示す第2のクラスに設定され、前記要求鮮度の要求クラス情報は、前記外部クライアント装置により要求される測位鮮度を満たさない場合には、前記要求される測位鮮度に最も近い位置情報を前記外部クライアント装置へ応答するよう前記ノード装置に対し要求することを示す第4のクラスに設定され、前記外部クライアント装置により要求される測位精度と測位鮮度とを共に満たす位置情報が存在しない場合に、前記ノード装置は鮮度と精度のどちらを優先するかを示す優先度情報に基づいて位置情報を前記外部クライアント装置へ応答するよう構成し得る。
【0073】
前記移動通信ネットワークにおける前記測位システムにおいて、前記優先度情報が精度を優先するように設定されている場合に、前記ノード装置は精度が最も高い位置情報を前記外部クライアント装置へ応答するよう構成し得る。
【0074】
前記移動通信ネットワークにおける前記測位システムにおいて、前記優先度情報が鮮度を優先するように設定されている場合に、前記ノード装置は鮮度が最も新しい位置情報を前記外部クライアント装置へ応答するよう構成し得る。
【0075】
更に、本発明の第四の側面によれば、外部クライアント装置からの測位要求に対して測位対象の位置情報を応答する移動通信ネットワークにおける測位方法であって、前記外部クライアント装置への位置情報の応答を、要求精度情報と要求精度の要求クラス情報とに基づいて生成する移動通信ネットワークにおける測位方法を提供する。
【0076】
更に、本発明の第五の側面によれば、外部クライアント装置からの測位要求に対して測位対象の位置情報を応答する移動通信ネットワークにおける測位方法であって、前記外部クライアント装置への位置情報の応答を要求鮮度情報と要求鮮度の要求クラス情報とに基づいて生成する移動通信ネットワークにおける測位方法を提供する。
【0077】
更に、本発明の第六の側面によれば、外部クライアント装置からの測位要求に対して測位対象の位置情報を応答する移動通信ネットワークにおける測位方法であって、前記外部クライアント装置への位置情報の応答を要求精度情報と要求精度の要求クラス情報および要求鮮度情報と要求鮮度の要求クラス情報に基づいて生成する移動通信ネットワークにおける測位方法を提供する。
【0078】
更に、本発明の第七の側面によれば、外部クライアント装置からの測位要求に対して測位対象の位置情報を応答する移動通信ネットワークにおける測位サーバ装置であって、前記外部クライアント装置への位置情報の応答を要求精度情報と要求精度の要求クラス情報とに基づいて生成する測位応答生成機能ユニットを含む移動通信ネットワークにおける測位サーバ装置を提供する。
【0079】
前記要求精度の要求クラス情報は、前記外部クライアント装置により要求される測位精度を必ず満たす位置情報を前記外部クライアント装置へ応答するよう前記測位サーバ装置に対し要求することを示す第1のクラスと、前記外部クライアント装置により要求される測位精度を満たさない場合には、前記要求される測位精度に最も近い位置情報を前記外部クライアント装置へ応答するよう前記測位サーバ装置に対し要求することを示す第2のクラスとを含むよう構成し得る。
【0080】
前記測位サーバ装置は、前記外部クライアント装置毎の前記要求精度の要求クラス情報を記憶する記憶機能ユニットを更に含むよう構成し得る。
【0081】
前記外部クライアントが測位要求と共に送信する前記要求精度の要求クラス情報を受信する受信機能ユニットを更に含むよう構成し得る。
【0082】
前記測位サーバ装置は、前記外部クライアント装置毎の前記要求精度の要求クラス情報を記憶する記憶機能ユニットと、前記外部クライアントが測位要求と共に送信した前記要求精度の要求クラス情報を受信する受信機能ユニットと、前記外部クライアントが測位要求と共に送信した前記要求精度の要求クラス情報を前記受信機能ユニットが受信した場合は、前記受信した要求クラス情報を選択し、前記要求精度の要求クラス情報を前記受信機能ユニットが受信しなかった場合は、前記記憶機能ユニットに既に記憶されている前記要求精度の要求クラス情報を選択するマージ機能ユニットとを更に含むよう構成し得る。
【0083】
更に、本発明の第八の側面によれば、外部クライアント装置からの測位要求に対して測位対象の位置情報を応答する移動通信ネットワークにおける測位サーバ装置であって、前記外部クライアント装置への位置情報の応答を要求鮮度情報と要求鮮度の要求クラス情報とに基づいて生成する測位応答生成機能ユニットを含む移動通信ネットワークにおける測位サーバ装置を提供する。
【0084】
前記要求鮮度の要求クラス情報は、前記外部クライアント装置により要求される測位鮮度を必ず満たす位置情報を前記外部クライアント装置へ応答するよう前記測位サーバ装置に対し要求することを示す第1のクラスと、前記外部クライアント装置により要求される測位鮮度を満たさない場合には、前記要求される測位鮮度に最も近い位置情報を前記外部クライアント装置へ応答するよう前記測位サーバ装置に対し要求することを示す第2のクラスとを含むよう構成し得る。
【0085】
前記測位サーバ装置は、前記外部クライアント装置毎の前記要求鮮度の要求クラス情報を記憶する記憶機能ユニットを更に含むよう構成し得る。
【0086】
前記外部クライアントが測位要求と共に送信する前記要求鮮度の要求クラス情報を受信する受信機能ユニットを更に含むよう構成し得る。
【0087】
前記測位サーバ装置は、前記外部クライアント装置毎の前記要求鮮度の要求クラス情報を記憶する記憶機能ユニットと、前記外部クライアントが測位要求と共に送信した前記要求鮮度の要求クラス情報を受信する受信機能ユニットと、前記外部クライアントが測位要求と共に送信した前記要求鮮度の要求クラス情報を前記受信機能ユニットが受信した場合は、前記受信した要求クラス情報を選択し、前記要求鮮度の要求クラス情報を前記受信機能ユニットが受信しなかった場合は前記記憶機能ユニットに既に記憶されている要求鮮度の要求クラス情報を選択するマージ機能ユニットとを更に含むよう構成し得る。
【0088】
更に、本発明の第九の側面によれば、外部クライアント装置からの測位要求に対して測位対象の位置情報を応答する移動通信ネットワークにおける測位サーバ装置により実行されるプログラムであって、前記外部クライアント装置への位置情報の応答を要求精度情報と要求精度の要求クラス情報とに基づいて生成する測位応答生成工程を含むプログラムを提供する。
【0089】
更に、本発明の第十の側面によれば、外部クライアント装置からの測位要求に対して測位対象の位置情報を応答する移動通信ネットワークにおける測位サーバ装置により実行されるプログラムであって、前記外部クライアント装置への位置情報の応答を要求鮮度情報と要求鮮度の要求クラス情報とに基づいて生成する測位応答生成工程を含むプログラムを提供する。
【0090】
本発明のサーバは、移動機を含む移動通信システムのサーバであって、前記移動機の位置情報を要求する測位要求を受信する測位要求処理手段と、前記測位要求に対する応答として、要求測位精度及び要求レベルに従い、前記位置情報及びエラー通知のうちの1つを送信する送信手段を備える。
【0091】
また、前記送信手段が、前記位置情報の精度が前記要求測位精度を満たさず、かつ前記要求レベルが第一のレベルである場合には、前記エラー通知を送信し、前記位置情報の精度が前記要求測位精度を満たさず、かつ前記要求レベルが第二のレベルである場合には、前記位置情報を送信する。
【0092】
また、前記移動通信システムが地域無線網及び前記地域無線網と通信する管理装置を備え、前記測位要求処理手段が、前記管理装置と連携して前記移動機の前記位置情報を取得する測位処理を行う。
【0093】
また、前記測位要求処理手段が、前記管理装置から前記位置情報を受信する。
【0094】
また、前記測位処理が、A−GPS測位処理、Cell−ID測位処理、及びOTDOA測位処理の内のいずれか1つである。
【0095】
また、前記送信手段が、前記測位要求処理手段が前記位置情報の取得に失敗した場合に
、前記エラー通知を送信する。
【0096】
また、前記移動通信システムがクライアント装置を含み、前記測位要求処理手段が、前記クライアント装置から前記測位要求を受信し、前記位置情報及びエラー通知のうちの1つを前記クライアント装置に向かって送信する。
【0097】
また、前記測位要求処理手段が、前記クライアント装置から前記要求測位精度及び前記要求レベルのうちの少なくとも1つを受信する。
【0098】
本発明のクライアント装置は、移動機と、サーバとからなる移動通信システムのクライアント装置であって、前記移動機の位置情報を要求する測位要求を前記サーバに向かって送信する送信手段と、前記測位要求に対する応答として、要求測位精度及び測位精度の要求レベルに従い、前記移動機の位置情報及びエラー通知のうちの1つを前記サーバから受信する受信手段と、を備える。
【0099】
また、前記受信手段が、前記サーバ内の位置情報が前記要求測位精度を満たさず、かつ前記要求レベルが第一のレベルである場合には、前記エラー通知を受信し、前記サーバ内の位置情報が前記要求測位精度を満たさず、かつ前記要求レベルが第二のレベルである場合には、前記サーバが記憶する位置情報を受信する。
【0100】
また、前記移動通信システムが地域無線網及び前記地域無線網と通信する管理装置を備え、前記サーバ内の位置情報が、前記サーバと前記管理装置と連携して行う測位処理によって取得される。
【0101】
また、前記サーバ内の位置情報が、前記サーバによって前記管理装置から受信される。
【0102】
また、前記測位処理が、A−GPS測位処理、Cell−ID測位処理、及びOTDOA測位処理のうちのいずれか1つであるクライアント装置。
【0103】
また、前記サーバと前記管理装置とが前記位置情報の取得を失敗した場合に、前記エラー通知を受信する。
【0104】
また、前記送信手段が、前記要求測位精度及び前記要求レベルのうちの少なくとも一つを前記サーバに向かって送信する。
【0105】
本発明の移動機は、サーバと、地域無線網と、前記地域無線網と通信する管理装置とからなる移動通信システムの移動機であって、前記地域無線網と通信する無線通信手段と、前記サーバからの測位要求に応じて、前記地域無線網、前記管理装置、及び前記サーバと連携して前記移動機の位置情報を取得する測位処理を行う測位処理手段と、を備え、要求測位精度及び測位精度の要求レベルに従い、前記位置情報及びエラー通知のうちの1つが前記サーバから送信される。
【0106】
前記位置情報の精度が前記要求測位精度を満たさず、かつ前記要求レベルが第一のレベルである場合には、前記サーバから前記エラー通知が送信され、前記位置情報の精度が前記要求測位精度を満たさず、かつ前記要求レベルが第二のレベルである場合には、前記サーバから前記位置情報が送信される。
【0107】
また、前記測位処理が、A−GPS測位処理、Cell−ID測位処理、及びOTDOA測位処理のうちのいずれか1つである。
【0108】
また、前記位置情報の取得が失敗した場合に、前記サーバから前記エラー通知が送信される。
【0109】
また、前記移動通信システムが前記サーバ装置と通信するクライアント装置を備え、前記位置情報及びエラー通知のうちの1つが前記サーバから前記クライアント装置に向かって送信される。
【0110】
本発明の移動通信システムは、サーバと、移動機と、地域無線網、前記地域無線網と通信する管理装置とからなる移動通信システムであって、前記サーバは、前記移動機の位置情報を要求する測位要求を受信し、要求測位精度及び測位精度の要求レベルを保持し、前記測位要求に対する応答として、前記要求測位精度及び前記要求レベルに従い、前記位置情報及びエラー通知のうちの1つを送信し、前記サーバと、前記移動機と、前記地域無線網及び前記管理装置とが連携して前記位置情報を取得する測位処理を行う。
【0111】
前記サーバが、前記位置情報の精度が前記要求測位精度を満たさず、かつ前記要求レベルが第一のレベルである場合には、前記エラー通知を送信し、前記位置情報の精度が前記要求測位精度を満たさず、かつ前記要求レベルが第二のレベルである場合には、前記位置情報を送信する。
【0112】
本発明の、移動機と、サーバとからなる移動通信システムにおける制御方法であって、前記移動機の位置情報を要求する測位要求を受信し、要求測位精度及び測位精度の要求レベルを保持し、前記測位要求に対する応答として、前記要求測位精度及び前記要求レベルに従い、前記位置情報及びエラー通知のうちの1つを送信する。
【0113】
本発明の、移動機と、サーバとからなる移動通信システムにおける制御方法であって、前記移動機の位置情報を要求する測位要求を受信し、要求測位精度及び測位精度の要求レベルを保持し、前記測位要求に対する応答として、前記要求測位精度及び前記要求レベルに従い、前記位置情報及びエラー通知のうちの1つを送信する。
【0114】
本発明の、移動機と、サーバと、地域無線網と、前記地域無線網と通信する管理装置とからなる移動通信システムにおける制御方法であって、前記地域無線網と無線通信し、前記サーバからの測位要求に応じて、前記地域無線網と、前記管理装置と、前記サーバと連携して前記移動機の位置情報を取得する測位処理を行い、前記サーバに記憶された要求測位精度及び測位精度の要求レベルに従い、前記位置情報及びエラー通知のうちの1つが前記サーバから送信される。
【0115】
本発明の、サーバと、移動機と、地域無線網と、前記地域無線網と通信する管理装置とからなる移動通信システムにおける制御方法であって、前記移動機の位置情報を要求する測位要求を受信し、要求測位精度及び測位精度の要求レベルを保持し、前記サーバと、前記移動機と、前記地域無線網と、前記管理装置とが連携して前記位置情報を取得する測位処理を行い、前記測位要求に対する応答として、前記要求測位精度及び前記要求レベルに従い、前記位置情報及びエラー通知のうちの1つをサーバから送信する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0116】
(発明の第1の実施の形態)
図1を参照すると、本発明の第1の実施の形態にかかる移動通信ネットワークにおける測位システムは、測位対象となる1以上の移動機103と、移動機103の測位を要求する1以上のクライアント装置101と、クライアント装置101と移動機103との間に介在し、クライアント装置101からの測位要求に対して測位対象の移動機103の位置情報を応答する1以上のサーバ装置102とを含んで構成される。なお、実際の測位システムには、移動機103とサーバ装置102が通信するための装置や移動機103の位置を測定するための装置などが含まれるが、図示は省略してある。尚、移動機103は移動端末で構成し得る。
【0117】
図2を参照すると、クライアント装置101は、サーバ装置102に対して測位要求を送信する送信機能ユニット111と、送信した測位要求に対する応答をサーバ装置102から受信する受信機能ユニット112とを有する。サーバ装置102は、移動機103の測位を行う測位機能ユニット121と、測位された移動機103の過去の測位結果122を記憶する記憶機能ユニット123と、クライアント装置101からの測位要求を受信する測位要求受信機能ユニット124と、測位要求に対する応答をクライアント装置101に送信する応答送出機能ユニット125と、測位要求受信機能ユニット124で受信された測位要求に対する応答を生成する測位応答生成機能ユニット126とを有する。
【0118】
クライアント装置101の送信機能ユニット111から送信される測位要求メッセージには、電話番号や端末ID等の測位対象移動機103を特定するための端末識別子、要求測位精度情報、測位精度の要求クラス情報、要求測位鮮度情報、測位鮮度の要求クラス情報、過去の測位位置を応答に使っても良いかどうかを示す測位種別、自クライアント装置101を一意に識別するクライアント識別子およびその他必要な情報が含まれる。
【0119】
測位精度の要求クラス情報は、要求測位精度情報で指定した測位精度の要求度合いを示す情報であり、本実施の形態においては、要求されている測位精度を必ず満たす測位結果を通知し要求を満たす測位結果が存在しない場合にはエラーを通知することを要求する第1のクラス(”Assured”)、要求されている測位精度を満たすことができなかった場合には要求されている測位精度に最も近い測位結果を通知することを要求する第2のクラス(”Best effort”)の2種類がある。なお、測位精度の要求クラス情報としては第1のクラス(”Assured”)のみを持ち、測位精度の要求クラス情報の指定がなかった場合には第2のクラス(”Best effort”)が指定されたと解釈する方法も考えられる。
【0120】
同様に、測位鮮度の要求クラス情報は、要求測位鮮度情報で指定した測位鮮度の要求度合いを示す情報であり、本実施の形態においては、要求されている測位鮮度を必ず満たす測位結果を通知し要求を満たす測位結果が存在しない場合にはエラーを通知することを要求する第3のクラス(”Assured”)、要求されている測位鮮度を満たすことができなかった場合には要求されている測位鮮度に最も近い測位結果を通知することを要求する第4のクラス(”Best effort”)の2種類がある。なお、測位鮮度の要求クラス情報としては第3のクラス(”Assured”)のみを持ち、測位鮮度の要求クラス情報の指定がなかった場合には第4のクラス(”Best effort”)が指定されたと解釈する方法も考えられる。
【0121】
サーバ装置102の測位機能ユニット121は、測位精度の異なる1以上の測位方式で移動機103の位置を測位し、その測位結果を測位応答生成機能ユニット126に通知すると共に、記憶機能ユニット123に記憶する。記憶機能ユニット123に記憶される個々の測位結果は、測位対象となった移動機103の端末識別子、移動機103の測位された位置、測位時刻、測位精度の各情報を含む。測位応答生成機能ユニット126は、測位要求受信機能ユニット124で受信された測位要求を解析し、過去の位置でも良い測位種別のときは、利用可能な過去の測位結果が記憶機能ユニット123に記憶されていればそれを利用して応答を生成し、利用可能な過去の測位結果が存在しない場合は測位機能ユニット121による測位を起動し、その測位結果から応答を生成する。また、測位要求が過去の位置を使用しない測位種別のときは、測位機能ユニット121による測位を起動し、その測位結果から応答を生成する。何れの場合も、測位応答生成機能ユニット126は、測位要求で指定される要求測位精度情報、測位精度の要求クラス情報、要求測位鮮度情報、測位鮮度の要求クラス情報に応じて応答を生成する。生成された応答は、応答送出機能ユニット125を通じて測位要求元のクライアント装置101に送られる。
【0122】
クライアント装置101からの測位要求に対するサーバ装置102の応答処理は、クライアント装置101からの要求条件やサーバ装置102の具備する能力によって様々な処理が考えられる。以下では、測位精度に基づいて応答を生成する実施例と、測位鮮度に基づいて応答を生成する実施例と、測位精度および測位鮮度に基づいて応答を生成する実施例について、要求クラスに関連する処理を中心に、本実施の形態の動作を説明する。
【0123】
(1)測位精度に基づいて応答を生成する実施例 サーバ装置102は、測位応答生成機能ユニット126により、クライアント装置101からの測位要求が過去の測位結果を応答するのでも構わないとしているかどうかを確認し、過去の測位結果でも構わない場合には測位対象の移動機103の過去の測位結果を記憶機能ユニット123に保持しているかどうかをチェックし、過去の測位結果を保持している場合には過去の測位結果の中にクライアント装置101の要求条件を満たす測位結果が存在するかどうかを判断する。
【0124】
測位対象の移動機103の過去の測位結果が存在する場合に、測位精度に基づいて応答を生成する場合の処理例を図3に示す。サーバ装置102は、測位応答生成機能ユニット126により、まずクライアント装置101からの測位要求に要求精度情報が存在するかどうかを確認する(ステップS101)。要求精度情報が存在しない場合には(ステップS101のNo)、記憶機能ユニット123に記憶された移動機103の過去の測位結果を選択し、応答送出機能ユニット125によりクライアント装置101に応答する(ステップS106)。ステップS106における測位結果の選択方法としては、最も精度の高い測位結果を選択する方法、最も最新の測位結果を選択する方法などが考えられる。
【0125】
要求精度情報が存在する場合には(ステップS101のYes)、測位応答生成機能ユニット126により、要求精度情報を満たすことができる測位結果が過去の測位結果に存在するかどうかを確認する(ステップS102)。要求精度情報を満たす測位結果が存在する場合には(ステップS102のYes)、要求精度情報を満たす測位結果を過去の測位結果から選択し、応答送出機能ユニット125によりクライアント装置101に応答する(ステップS108)。ステップS108における測位結果の選択方法としては、要求精度情報を満たす測位結果の中から、最も精度の高い測位結果を選択する方法や最も最新の測位結果を選択する方法などが考えられる。
【0126】
要求精度情報を満たす測位結果が存在しない場合には(ステップS102のNo)、測位応答生成機能ユニット126により、精度の要求クラス情報が存在するかどうかを確認する(ステップS103)。精度の要求クラス情報が存在しない場合には(ステップS103のNo)、過去の測位結果から応答する測位結果を選択しクライアント装置101に応答する(ステップS106)。ステップS106における測位結果の選択方法としては、最も精度の高い測位結果を選択する方法や最も最新の測位結果を選択する方法などが考えられる。
【0127】
精度の要求クラス情報が存在する場合には(ステップS103のYes)、精度の要求クラスを確認する(ステップS104)。精度の要求クラスが第1のクラス(”Assured”)であった場合には(ステップS104のYes)、測位応答生成機能ユニット126により測位結果の取得のために測位機能ユニット121の測位処理を起動する(ステップS110)。測位機能ユニット121は、測位対象の移動機103の位置を測位し、その結果を測位応答生成機能ユニット126に通知すると共に、同じ移動機103に対する後の測位要求に利用するために記憶機能ユニット123に記憶する。なお、移動機103の測位は1以上の測位方式を使用して行われる。複数の測位方式を使用して測位が実行された場合、複数の測位結果が得られる。
【0128】
精度の要求クラスが第1のクラス(”Assured”)でなかった場合には(ステップS104のNo)、精度の要求クラスが第2のクラス(”Best Effort”)かどうかを確認する(ステップS105)。精度の要求クラスが第2のクラス(”Best Effort”)であった場合には(ステップS105のYes)、測位応答生成機能ユニット126により、最も測位精度の高い測位結果を過去の測位結果から選択し、応答送出機能ユニット125によりクライアント装置101に応答する(ステップS109)。
【0129】
精度の要求クラスが第2のクラス(”Best Effort”)でもなかった場合には(ステップS105のNo)、測位応答生成機能ユニット126は、応答送出機能ユニット125によりクライアント装置101に対してエラーを通知する(ステップS107)。
【0130】
ここで、精度の要求クラス情報が存在しない場合(ステップS103のNo)もしくは精度の要求クラスが第1のクラス(”Assured”)でなかった場合に(ステップS104のNo)、精度の要求クラスが第2のクラス(”Best Effort”)であると判断し、最も測位精度の高い測位結果を過去の測位結果から選択しクライアント装置101に応答する処理(ステップS109)を行うというような実施例も考えられる。
【0131】
図3に示した処理において、過去の測位結果をクライアント装置101に送信するという結果になった場合には、サーバ装置102は選択した過去の測位結果をクライアント装置101に送信して処理を終了し、図3に示した処理において、エラーをクライアント装置101に通知するという結果になった場合には、サーバ装置102はエラーをクライアント装置101に通知して処理を終了する。
【0132】
他方、図3に示した処理において、測位処理を実行するという結果になった場合には、サーバ装置102は、測位機能ユニット121により、測位対象の移動機103の位置を取得する測位処理を行う。この測位処理の結果、測位処理が失敗して移動機103の位置を取得することができなかった場合には、サーバ装置102は、応答送出機能ユニット125によりクライアント装置101にエラーを通知する。また、測位対象の移動機103の測位に成功し、移動機103の測位結果を取得した場合には、サーバ装置102は、測位応答生成機能ユニット126により、取得した測位結果がクライアント装置101の要求条件を満たしているかどうかを判断する。
【0133】
図4は新たな測位処理で取得した測位結果がクライアント装置101の要求条件を満たしているかどうかを判断し、測位精度に基づいて測位結果の選択を行う処理フローの例である。図3の処理とほぼ同様な流れであるが、選択の対象が過去の測位結果でなく今回新たに得られた測位結果であること、精度の要求クラスが第1のクラスであって要求精度を満足する精度の測位結果が得られなかった場合にクライアント装置101にエラーを通知する点など、細部が相違する。以下、図4の流れに沿って動作を説明する。
【0134】
サーバ装置102はまず、測位応答生成機能ユニット126により、クライアント装置101からの測位要求に要求精度情報が存在するかどうかを確認する(ステップS201)。要求精度情報が存在しない場合には(ステップS201のNo)、今回得られた測位結果から測位結果を選択し、応答送出機能ユニット125により、クライアント装置101に応答する(ステップS206)。ステップS206における測位結果の選択方法としては、最も精度の高い測位結果を選択する方法、最も最新の測位結果を選択する方法などが考えられる。
【0135】
要求精度情報が存在する場合には(ステップS201のYes)、サーバ装置102は、測位応答生成機能ユニット126により、要求精度情報を満たすことができる測位結果が存在するかどうかを確認する(ステップS202)。要求精度情報を満たす測位結果が存在する場合には(ステップS202のYes)、要求精度情報を満たす測位結果を選択し、応答送出機能ユニット125によりクライアント装置101に応答する(ステップ208)。ステップS208における測位結果の選択方法としては、要求精度情報を満たす測位結果の中から、最も精度の高い測位結果を選択する方法や最も最新の測位結果を選択する方法などが考えられる。
【0136】
要求精度情報を満たす測位結果が存在しない場合には(ステップS202のNo)、サーバ装置102は、測位応答生成機能ユニット126により、精度の要求クラス情報が存在するかどうかを確認する(ステップS203)。精度の要求クラス情報が存在しない場合には(ステップS203のNo)、測位結果の選択を行って、応答送出機能ユニット125によりクライアント装置101に応答する(ステップS206)。ステップS206における測位結果の選択方法としては、最も精度の高い測位結果を選択する方法や最も最新の測位結果を選択する方法などが考えられる。
【0137】
精度の要求クラス情報が存在する場合には(ステップS203のYes)、測位応答生成機能ユニット126により、精度の要求クラスを確認する(ステップ204)。精度の要求クラスが第1のクラス(”Assured”)であった場合には(ステップS204のYes)、測位応答生成機能ユニット126は、応答送出機能ユニット125によりクライアント装置101に対してエラーを通知する(ステップ207)。
【0138】
精度の要求クラスが第1のクラス(”Assured”)でなかった場合には(ステップS204のNo)、精度の要求クラスが第2のクラス(”Best Effort”)かどうかを確認する(ステップS205)。精度の要求クラスが第2のクラス(”Best Effort”)であった場合には(ステップS205のYes)、測位応答生成機能ユニット126により最も測位精度の高い測位結果を選択し、応答送出機能ユニット125によりクライアント装置101に応答する(ステップ209)。
【0139】
精度の要求クラスが第2のクラス(”Best Effort”)でもなかった場合には(ステップS205のNo)、サーバ装置102は応答送出機能ユニット125によりクライアント装置101に対してエラーを通知する(ステップ207)。
【0140】
ここで、精度の要求クラス情報が存在しない場合(ステップS203のNo)もしくは精度の要求クラスが第1のクラス(”Assured”)でなかった場合に(ステップS204のNo)、精度の要求クラスが第2のクラス(”Best Effort”)であると判断し、最も測位精度の高い測位結果を選択しクライアント装置101に応答する処理(ステップS209)を行うというような実施例も考えられる。
【0141】
以上の動作は、クライアント装置101からの測位要求が過去の測位結果を応答するのでも構わないとしている場合の動作であるが、過去の測位結果の応答を望まない測位要求の場合には、サーバ装置102は、図3の処理は行わず、測位応答生成機能ユニット126から測位機能ユニット121の測位処理を速やかに起動する。そして、この測位処理の結果、測位処理が失敗して移動機103の位置を取得することができなかった場合には、サーバ装置102は、応答送出機能ユニット125によりクライアント装置101にエラーを通知する。また、測位対象の移動機103の測位に成功し、移動機103の測位結果を取得した場合には、サーバ装置102は、図4に示した処理を実行し、取得した測位結果がクライアント装置101の要求条件を満たしているかどうかを判断し、その判断結果に応じた応答をクライアント装置101に通知する。
【0142】
(2)測位鮮度に基づいて応答を生成する実施例 サーバ装置102は、測位応答生成機能ユニット126により、クライアント装置101からの測位要求が過去の測位結果を応答するのでも構わないとしているかどうかを確認し、過去の測位結果でも構わない場合には測位対象の移動機103の過去の測位結果を記憶機能ユニット123に保持しているかどうかをチェックし、過去の測位結果を保持している場合には過去の測位結果の中にクライアント装置101の要求条件を満たす測位結果が存在するかどうかを判断する。
【0143】
測位対象の移動機103の過去の測位結果が存在する場合に、測位鮮度に基づいて応答を生成する場合の処理例を図5に示す。サーバ装置102は、測位応答生成機能ユニット126により、まずクライアント装置101からの測位要求に要求鮮度情報が存在するかどうかを確認する(ステップS301)。要求鮮度情報が存在しない場合には(ステップS301のNo)、記憶機能ユニット123に記憶された移動機103の過去の測位結果を選択し、応答送出機能ユニット125によりクライアント装置101に応答する(ステップS306)。ステップS306における測位結果の選択方法としては、最も精度の高い測位結果を選択する方法、最も最新の測位結果を選択する方法などが考えられる。
【0144】
要求鮮度情報が存在する場合には(ステップS301のYes)、測位応答生成機能ユニット126により、要求鮮度情報を満たすことができる測位結果が過去の測位結果に存在するかどうかを確認する(ステップS302)。要求鮮度情報を満たす測位結果が存在する場合には(ステップS302のYes)、要求鮮度情報を満たす測位結果を過去の測位結果から選択し、応答送出機能ユニット125によりクライアント装置101に応答する(ステップS308)。ステップS308における測位結果の選択方法としては、要求鮮度情報を満たす測位結果の中から、最も精度の高い測位結果を選択する方法や最も最新の測位結果を選択する方法などが考えられる。
【0145】
要求鮮度情報を満たす測位結果が存在しない場合には(ステップS302のNo)、測位応答生成機能ユニット126により、鮮度の要求クラス情報が存在するかどうかを確認する(ステップS303)。鮮度の要求クラス情報が存在しない場合には(ステップS303のNo)、過去の測位結果から応答する測位結果を選択しクライアント装置101に応答する(ステップS306)。ステップS306における測位結果の選択方法としては、最も鮮度の高い測位結果を選択する方法や最も最新の測位結果を選択する方法などが考えられる。
【0146】
鮮度の要求クラス情報が存在する場合には(ステップS303のYes)、鮮度の要求クラスを確認する(ステップS304)。鮮度の要求クラスが第3のクラス(”Assured”)であった場合には(ステップS304のYes)、測位応答生成機能ユニット126により測位結果の取得のために測位機能ユニット121の測位処理を起動する(ステップS310)。測位機能ユニット121は、測位対象の移動機103の位置を測位し、その結果を測位応答生成機能ユニット126に通知すると共に、同じ移動機103に対する後の測位要求に利用するために記憶機能ユニット123に記憶する。なお、移動機103の測位は1以上の測位方式を使用して行われる。複数の測位方式を使用して測位が実行された場合、複数の測位結果が得られる。
【0147】
鮮度の要求クラスが第3のクラス(”Assured”)でなかった場合には(ステップS304のNo)、鮮度の要求クラスが第4のクラス(”Best Effort”)かどうかを確認する(ステップS305)。鮮度の要求クラスが第4のクラス(”Best Effort”)であった場合には(ステップS305のYes)、測位応答生成機能ユニット126により、最も鮮度の新しい測位結果を過去の測位結果から選択し、応答送出機能ユニット125によりクライアント装置101に応答する(ステップS309)。
【0148】
鮮度の要求クラスが第4のクラス(”Best Effort”)でもなかった場合には(ステップS305のNo)、測位応答生成機能ユニット126は、応答送出機能ユニット125によりクライアント装置101に対してエラーを通知する(ステップS307)。
【0149】
ここで、鮮度の要求クラス情報が存在しない場合(ステップS303のNo)もしくは鮮度の要求クラスが第3のクラス(”Assured”)でなかった場合に(ステップS304のNo)、鮮度の要求クラスが第4のクラス(”Best Effort”)であると判断し、最も鮮度の新しい測位結果を過去の測位結果から選択しクライアント装置101に応答する処理(ステップS309)を行うというような実施例も考えられる。
【0150】
図5に示した処理において、過去の測位結果をクライアント装置101に送信するという結果になった場合には、サーバ装置102は選択した過去の測位結果をクライアント装置101に送信して処理を終了し、図5に示した処理において、エラーをクライアント装置101に通知するという結果になった場合には、サーバ装置102はエラーをクライアント装置101に通知して処理を終了する。
【0151】
他方、図5に示した処理において、測位処理を実行するという結果になった場合には、サーバ装置102は、測位機能ユニット121により、測位対象の移動機103の位置を取得する測位処理を行う。この測位処理の結果、測位処理が失敗して移動機103の位置を取得することができなかった場合には、サーバ装置102は、応答送出機能ユニット125によりクライアント装置101にエラーを通知する。また、測位対象の移動機103の測位に成功し、移動機103の測位結果を取得した場合には、サーバ装置102は、測位応答生成機能ユニット126により、取得した測位結果がクライアント装置101の要求条件を満たしているかどうかを判断する。
【0152】
図6は新たな測位処理で取得した測位結果がクライアント装置101の要求条件を満たしているかどうかを判断し、測位鮮度に基づいて測位結果の選択を行う処理フローの例である。図5の処理とほぼ同様な流れであるが、選択の対象が過去の測位結果でなく今回新たに得られた測位結果であること、鮮度の要求クラスが第3のクラスであって要求鮮度を満足する鮮度の測位結果が得られなかった場合にクライアント装置101にエラーを通知する点など、細部が相違する。以下、図6の流れに沿って動作を説明する。
【0153】
サーバ装置102はまず、測位応答生成機能ユニット126により、クライアント装置101からの測位要求に要求鮮度情報が存在するかどうかを確認する(ステップS401)。要求鮮度情報が存在しない場合には(ステップS401のNo)、今回得られた測位結果から測位結果を選択し、応答送出機能ユニット125により、クライアント装置101に応答する(ステップS406)。ステップS406における測位結果の選択方法としては、最も精度の高い測位結果を選択する方法、最も最新の測位結果を選択する方法などが考えられる。
【0154】
要求鮮度情報が存在する場合には(ステップS401のYes)、サーバ装置102は、測位応答生成機能ユニット126により、要求鮮度情報を満たすことができる測位結果が存在するかどうかを確認する(ステップS402)。要求鮮度情報を満たす測位結果が存在する場合には(ステップS402のYes)、要求鮮度情報を満たす測位結果を選択し、応答送出機能ユニット125によりクライアント装置101に応答する(ステップ408)。ステップS408における測位結果の選択方法としては、要求鮮度情報を満たす測位結果の中から、最も精度の高い測位結果を選択する方法や最も最新の測位結果を選択する方法などが考えられる。
【0155】
要求鮮度情報を満たす測位結果が存在しない場合には(ステップS402のNo)、サーバ装置102は、測位応答生成機能ユニット126により、鮮度の要求クラス情報が存在するかどうかを確認する(ステップS403)。鮮度の要求クラス情報が存在しない場合には(ステップS403のNo)、測位結果の選択を行って、応答送出機能ユニット125によりクライアント装置101に応答する(ステップS406)。ステップS406における測位結果の選択方法としては、最も鮮度の新しい測位結果を選択する方法や最も最新の測位結果を選択する方法などが考えられる。
【0156】
鮮度の要求クラス情報が存在する場合には(ステップS403のYes)、測位応答生成機能ユニット126により、鮮度の要求クラスを確認する(ステップ404)。鮮度の要求クラスが第3のクラス(”Assured”)であった場合には(ステップS404のYes)、測位応答生成機能ユニット126は、応答送出機能ユニット125によりクライアント装置101に対してエラーを通知する(ステップ407)。
【0157】
鮮度の要求クラスが第3のクラス(”Assured”)でなかった場合には(ステップS404のNo)、鮮度の要求クラスが第4のクラス(”Best Effort”)かどうかを確認する(ステップS405)。鮮度の要求クラスが第4のクラス(”Best Effort”)であった場合には(ステップS405のYes)、測位応答生成機能ユニット126により最も鮮度の新しい測位結果を選択し、応答送出機能ユニット125によりクライアント装置101に応答する(ステップ409)。
【0158】
鮮度の要求クラスが第4のクラス(”Best Effort”)でもなかった場合には(ステップS405のNo)、サーバ装置102は応答送出機能ユニット125によりクライアント装置101に対してエラーを通知する(ステップ407)。
【0159】
ここで、鮮度の要求クラス情報が存在しない場合(ステップS403のNo)もしくは鮮度の要求クラスが第3のクラス(”Assured”)でなかった場合に(ステップS404のNo)、鮮度の要求クラスが第4のクラス(”Best Effort”)であると判断し、最も鮮度の新しい測位結果を選択しクライアント装置101に応答する処理(ステップS409)を行うというような実施例も考えられる。
【0160】
以上の動作は、クライアント装置101からの測位要求が過去の測位結果を応答するのでも構わないとしている場合の動作であるが、過去の測位結果の応答を望まない測位要求の場合には、サーバ装置102は、図5の処理は行わず、測位応答生成機能ユニット126から測位機能ユニット121の測位処理を速やかに起動する。そして、この測位処理の結果、測位処理が失敗して移動機103の位置を取得することができなかった場合には、サーバ装置102は、応答送出機能ユニット125によりクライアント装置101にエラーを通知する。また、測位対象の移動機103の測位に成功し、移動機103の測位結果を取得した場合には、サーバ装置102は、図6に示した処理を実行し、取得した測位結果がクライアント装置101の要求条件を満たしているかどうかを判断し、その判断結果に応じた応答をクライアント装置101に通知する。
【0161】
(3)測位精度および測位鮮度に基づいて応答を生成する実施例 サーバ装置102は、測位応答生成機能ユニット126により、クライアント装置101からの測位要求が過去の測位結果を応答するのでも構わないとしているかどうかを確認し、過去の測位結果でも構わない場合には測位対象の移動機103の過去の測位結果を記憶機能ユニット123に保持しているかどうかをチェックし、過去の測位結果を保持している場合には過去の測位結果の中にクライアント装置101の要求条件を満たす測位結果が存在するかどうかを判断する。
【0162】
測位対象の移動機103の過去の測位結果が存在する場合に、測位精度および測位鮮度に基づいて応答を生成する場合の処理例を図7乃至図9に示す。サーバ装置102は、測位応答生成機能ユニット126により、まずクライアント装置101からの測位要求に要求精度情報が存在するかどうかを確認する(ステップS501)。要求精度情報が存在しない場合には(ステップS501のNo)、変数iに値2を設定する(ステップS507)。そして、図8の処理へと進む。
【0163】
要求精度情報が存在する場合には(ステップS501のYes)、測位応答生成機能ユニット126により、要求精度情報を満たすことができる測位結果が過去の測位結果に存在するかどうかを確認する(ステップS502)。要求精度情報を満たす測位結果が存在する場合には(ステップS502のYes)、変数iに値1を設定する(ステップS506)。そして、図8の処理へと進む。
【0164】
要求精度情報を満たす測位結果が存在しない場合には(ステップS502のNo)、測位応答生成機能ユニット126により、精度の要求クラス情報が存在するかどうかを確認する(ステップS503)。精度の要求クラス情報が存在しない場合には(ステップS503のNo)、変数iに値2を設定する(ステップS507)。そして、図8の処理へと進む。
【0165】
精度の要求クラス情報が存在する場合には(ステップS503のYes)、精度の要求クラスを確認する(ステップS504)。精度の要求クラスが第1のクラス(”Assured”)であった場合には(ステップS504のYes)、測位応答生成機能ユニット126により測位結果の取得のために測位機能ユニット121の測位処理を起動する(ステップS519)。測位機能ユニット121は、測位対象の移動機103の位置を測位し、その結果を測位応答生成機能ユニット126に通知すると共に、同じ移動機103に対する後の測位要求に利用するために記憶機能ユニット123に記憶する。なお、移動機103の測位は1以上の測位方式を使用して行われる。複数の測位方式を使用して測位が実行された場合、複数の測位結果が得られる。
【0166】
精度の要求クラスが第1のクラス(”Assured”)でなかった場合には(ステップS504のNo)、精度の要求クラスが第2のクラス(”Best Effort”)かどうかを確認する(ステップS505)。精度の要求クラスが第2のクラス(”Best Effort”)であった場合には(ステップS505のYes)、変数iに値3を設定する(ステップS508)。そして、図8の処理へと進む。
【0167】
精度の要求クラスが第2のクラス(”Best Effort”)でもなかった場合には(ステップS505のNo)、測位応答生成機能ユニット126は、応答送出機能ユニット125によりクライアント装置101に対してエラーを通知し(ステップS518)、処理を終える。
【0168】
ここで、精度の要求クラス情報が存在しない場合(ステップS503のNo)もしくは精度の要求クラスが第1のクラス(”Assured”)でなかった場合に(ステップS504のNo)、精度の要求クラスが第2のクラス(”Best Effort”)であると判断し、変数iに値3を設定する処理(ステップS508)を行うというような実施例も考えられる。
【0169】
図8の処理に進んだ場合、以下のような動作が行われる。サーバ装置102は、測位応答生成機能ユニット126により、クライアント装置101からの測位要求に要求鮮度情報が存在するかどうかを確認する(ステップS509)。要求鮮度情報が存在しない場合には(ステップS509のNo)、変数jに値2を設定し(ステップS515)、測位結果選択処理S517へ進む。
【0170】
要求鮮度情報が存在する場合には(ステップS509のYes)、測位応答生成機能ユニット126により、要求鮮度情報を満たすことができる測位結果が過去の測位結果に存在するかどうかを確認する(ステップS510)。要求鮮度情報を満たす測位結果が存在する場合には(ステップS510のYes)、変数jに値1を設定し(ステップS514)、測位結果選択処理S517へ進む。
【0171】
要求鮮度情報を満たす測位結果が存在しない場合には(ステップS510のNo)、測位応答生成機能ユニット126により、鮮度の要求クラス情報が存在するかどうかを確認する(ステップS511)。鮮度の要求クラス情報が存在しない場合には(ステップS511のNo)、変数jに値2を設定し(ステップS515)、測位結果選択処理S517へ進む。
【0172】
鮮度の要求クラス情報が存在する場合には(ステップS511のYes)、鮮度の要求クラスを確認する(ステップS512)。鮮度の要求クラスが第3のクラス(”Assured”)であった場合には(ステップS512のYes)、測位応答生成機能ユニット126により測位結果の取得のために測位機能ユニット121の測位処理を起動する(ステップS519)。測位機能ユニット121は、測位対象の移動機103の位置を測位し、その結果を測位応答生成機能ユニット126に通知すると共に、同じ移動機103に対する後の測位要求に利用するために記憶機能ユニット123に記憶する。なお、移動機103の測位は1以上の測位方式を使用して行われる。複数の測位方式を使用して測位が実行された場合、複数の測位結果が得られる。
【0173】
鮮度の要求クラスが第3のクラス(”Assured”)でなかった場合には(ステップS512のNo)、鮮度の要求クラスが第4のクラス(”Best Effort”)かどうかを確認する(ステップS513)。鮮度の要求クラスが第4のクラス(”Best Effort”)であった場合には(ステップS513のYes)、変数jに値3を設定し(ステップS516)、測位結果選択処理S517へ進む。
【0174】
鮮度の要求クラスが第4のクラス(”Best Effort”)でもなかった場合には(ステップS513のNo)、測位応答生成機能ユニット126は、応答送出機能ユニット125によりクライアント装置101に対してエラーを通知し(ステップS518)、処理を終える。
【0175】
ここで、鮮度の要求クラス情報が存在しない場合(ステップS511のNo)もしくは鮮度の要求クラスが第3のクラス(”Assured”)でなかった場合に(ステップS512のNo)、鮮度の要求クラスが第4のクラス(”Best Effort”)であると判断し、変数jに値3を設定する処理(ステップS516)を行うというような実施例も考えられる。
【0176】
測位結果選択処理S517においては、サーバ装置102は、これまで示した処理結果である変数iと変数jの値の組み合わせに基づいて測位結果の選択を行い、クライアント装置101に送信する。
【0177】
図7乃至図9の処理においては、測位精度に基づく処理(ステップS501からステップS508)を、測位鮮度に基づく処理(ステップ509からステップ516)よりも先に行う実施例を示したが、測位鮮度に基づく処理を先に行う実施例や、両方の処理を並行して処理するような実施例も考えられる。
【0178】
次に、図9のステップS517における測位結果選択処理の詳細を説明する。図10は測位結果選択処理S517で参照する制御テーブルの例を示す。サーバ装置102の測位応答生成機能ユニット126は、このような制御テーブルを備え、変数iと変数jの設定値の組み合わせから制御テーブルを参照して、測位結果の選択処理を決定する。以下、変数iと変数jの設定値の組み合わせに応じてどのような測位結果の選択処理が行われるかを説明する。
【0179】
変数i=1であり変数j=1である場合には、サーバ装置102は、要求されている精度と要求されている鮮度の両方を満たす測位結果を記憶機能ユニット123に記憶されている測位対象移動機103の過去の測位結果から選択してクライアント装置101に通知する(番号5−1)。
【0180】
変数i=1であり変数j=2である場合には、サーバ装置102は、要求されている精度を満たす測位結果を記憶機能ユニット123に記憶されている測位対象移動機103の過去の測位結果から選択してクライアント装置101に通知する(番号5−2)。
【0181】
変数i=1であり変数j=3である場合には、サーバ装置102は、要求されている精度を満たす測位結果の中からできるだけ要求されている鮮度に近い測位結果を、記憶機能ユニット123に記憶されている測位対象移動機103の過去の測位結果から選択してクライアント装置101に通知する(番号5−3)。
【0182】
変数i=2であり変数j=1である場合には、サーバ装置102は、要求されている鮮度を満たす測位結果を記憶機能ユニット123に記憶されている測位対象移動機103の過去の測位結果から選択してクライアント装置101に通知する(番号5−4)。
【0183】
変数i=2であり変数j=2である場合には、サーバ装置102は、任意の測位結果を記憶機能ユニット123に記憶されている測位対象移動機103の過去の測位結果から選択してクライアント装置101に通知する(番号5−5)。
【0184】
変数i=2であり変数j=3である場合には、サーバ装置102は、できるだけ要求されている鮮度に近い測位結果を記憶機能ユニット123に記憶されている測位対象移動機103の過去の測位結果から選択してクライアント装置101に通知する(番号5−6)。
【0185】
変数i=3であり変数j=1である場合には、サーバ装置102は、要求されている鮮度を満たす測位結果の中からできるだけ要求されている精度に近い測位結果を、記憶機能ユニット123に記憶されている測位対象移動機103の過去の測位結果から選択してクライアント装置101に通知する(番号5−7)。
【0186】
変数i=3であり変数j=2である場合には、サーバ装置102は、要求されている精度に近い測位結果を記憶機能ユニット123に記憶されている測位対象移動機103の過去の測位結果から選択してクライアント装置101に通知する(番号5−8)。
【0187】
変数i=3であり変数j=3である場合には、サーバ装置102は、できるだけ要求されている精度および要求されている鮮度に近い測位結果を、記憶機能ユニット123に記憶されている測位対象移動機103の過去の測位結果から選択してクライアント装置101に通知する(番号5−9)。
【0188】
ここで、番号5−1から5−9までの各条件を満たす測位結果が複数ある場合には、任意の測位結果を選択する方法、測位鮮度の新しい測位結果を選択する方法、測位精度の高い測位結果を選択する方法、測位精度と測位鮮度のどちらを優先するかを示す優先度情報に基づいて優先度の高い方の情報を優先して選択する方法などが考えられる。ここで、優先度情報は、測位要求と共にクライアント装置601が送信してきたものを使用する。
【0189】
図7乃至図9に示した処理において、過去の測位結果をクライアント装置101に送信するという結果になった場合には、サーバ装置102は選択した過去の測位結果をクライアント装置101に送信して処理を終了し、図7〜図9に示した処理において、エラーをクライアント装置101に通知するという結果になった場合には、サーバ装置102はエラーをクライアント装置101に通知して処理を終了する。
【0190】
他方、図7乃至図9に示した処理において、測位処理を実行するという結果になった場合には、サーバ装置102は、測位機能ユニット121により、測位対象の移動機103の位置を取得する測位処理を行う。この測位処理の結果、測位処理が失敗して移動機103の位置を取得することができなかった場合には、サーバ装置102は、応答送出機能ユニット125によりクライアント装置101にエラーを通知する。また、測位対象の移動機103の測位に成功し、移動機103の測位結果を取得した場合には、サーバ装置102は、測位応答生成機能ユニット126により、取得した測位結果がクライアント装置101の要求条件を満たしているかどうかを判断する。
【0191】
図11乃至図13は新たな測位処理で取得した測位結果がクライアント装置101の要求条件を満たしているかどうかを判断し、測位精度および測位鮮度に基づいて測位結果の選択を行う処理フローの例である。図7乃至図9の処理とほぼ同様な流れであるが、選択の対象が過去の測位結果でなく今回新たに得られた測位結果であること、精度の要求クラスが第1のクラスであって要求精度を満足する精度の測位結果が得られなかった場合や精度の要求クラスが第3のクラスであって要求鮮度を満足する鮮度の測位結果が得られなかった場合にクライアント装置101にエラーを通知する点など、細部が相違する。以下、図11乃至図13の流れに沿って動作を説明する。
【0192】
サーバ装置102は、測位応答生成機能ユニット126により、まずクライアント装置101からの測位要求に要求精度情報が存在するかどうかを確認する(ステップS601)。要求精度情報が存在しない場合には(ステップS601のNo)、変数iに値2を設定する(ステップS607)。そして、図12の処理へと進む。
【0193】
要求精度情報が存在する場合には(ステップS601のYes)、測位応答生成機能ユニット126により、要求精度情報を満たすことができる測位結果が今回の測位結果に存在するかどうかを確認する(ステップS602)。要求精度情報を満たす測位結果が存在する場合には(ステップS602のYes)、変数iに値1を設定し(ステップS606)、図12の処理へと進む。
【0194】
要求精度情報を満たす測位結果が存在しない場合には(ステップS602のNo)、測位応答生成機能ユニット126により、精度の要求クラス情報が存在するかどうかを確認する(ステップS603)。精度の要求クラス情報が存在しない場合には(ステップS603のNo)、変数iに値2を設定し(ステップS607)、図12の処理へと進む。
【0195】
精度の要求クラス情報が存在する場合には(ステップS603のYes)、精度の要求クラスを確認する(ステップS604)。精度の要求クラスが第1のクラス(”Assured”)であった場合には(ステップS604のYes)、測位応答生成機能ユニット126は応答送出機能ユニット125によりクライアント装置101にエラーを通知し(ステップS618)、処理を終える。
【0196】
精度の要求クラスが第1のクラス(”Assured”)でなかった場合には(ステップS604のNo)、精度の要求クラスが第2のクラス(”Best Effort”)かどうかを確認する(ステップS605)。精度の要求クラスが第2のクラス(”Best Effort”)であった場合には(ステップS605のYes)、変数iに値3を設定する(ステップS608)。そして、図12の処理へと進む。
【0197】
精度の要求クラスが第2のクラス(”Best Effort”)でもなかった場合には(ステップS605のNo)、測位応答生成機能ユニット126は、応答送出機能ユニット125によりクライアント装置101に対してエラーを通知し(ステップS618)、処理を終える。
【0198】
ここで、精度の要求クラス情報が存在しない場合(ステップS603のNo)もしくは精度の要求クラスが第1のクラス(”Assured”)でなかった場合に(ステップS604のNo)、精度の要求クラスが第2のクラス(”Best Effort”)であると判断し、変数iに値3を設定する処理(ステップS608)を行うというような実施例も考えられる。
【0199】
図12の処理に進んだ場合、以下のような動作が行われる。サーバ装置102は、測位応答生成機能ユニット126により、クライアント装置101からの測位要求に要求鮮度情報が存在するかどうかを確認する(ステップS609)。要求鮮度情報が存在しない場合には(ステップS609のNo)、変数jに値2を設定し(ステップS615)、測位結果選択処理S617へ進む。
【0200】
要求鮮度情報が存在する場合には(ステップS609のYes)、測位応答生成機能ユニット126により、要求鮮度情報を満たすことができる測位結果が存在するかどうかを確認する(ステップS610)。要求鮮度情報を満たす測位結果が存在する場合には(ステップS610のYes)、変数jに値1を設定し(ステップS614)、測位結果選択処理S617へ進む。
【0201】
要求鮮度情報を満たす測位結果が存在しない場合には(ステップS610のNo)、測位応答生成機能ユニット126により、鮮度の要求クラス情報が存在するかどうかを確認する(ステップS611)。鮮度の要求クラス情報が存在しない場合には(ステップS611のNo)、変数jに値2を設定し(ステップS615)、測位結果選択処理S617へ進む。
【0202】
鮮度の要求クラス情報が存在する場合には(ステップS611のYes)、鮮度の要求クラスを確認する(ステップS612)。鮮度の要求クラスが第3のクラス(”Assured”)であった場合には(ステップS612のYes)、測位応答生成機能ユニット126は応答送出機能ユニット125によりクライアント装置101にエラーを通知し(ステップS618)、処理を終える。
【0203】
鮮度の要求クラスが第3のクラス(”Assured”)でなかった場合には(ステップS612のNo)、鮮度の要求クラスが第4のクラス(”Best Effort”)かどうかを確認する(ステップS613)。鮮度の要求クラスが第4のクラス(”Best Effort”)であった場合には(ステップS613のYes)、変数jに値3を設定し(ステップS616)、測位結果選択処理S617へ進む。
【0204】
鮮度の要求クラスが第4のクラス(”Best Effort”)でもなかった場合には(ステップS613のNo)、測位応答生成機能ユニット126は、応答送出機能ユニット125によりクライアント装置101に対してエラーを通知し(ステップS618)、処理を終える。
【0205】
ここで、鮮度の要求クラス情報が存在しない場合(ステップS611のNo)もしくは鮮度の要求クラスが第3のクラス(”Assured”)でなかった場合に(ステップS612のNo)、鮮度の要求クラスが第4のクラス(”Best Effort”)であると判断し、変数jに値3を設定する処理(ステップS616)を行うというような実施例も考えられる。
【0206】
測位結果選択処理S617においては、サーバ装置102は、図11および図12に示した処理結果である変数iと変数jの値の組み合わせに基づいて測位結果の選択を行い、クライアント装置101に送信する。
【0207】
図11乃至図13の処理においては、測位精度に基づく処理(ステップS601からステップS608)を、測位鮮度に基づく処理(ステップS609からステップS616)よりも先に行う実施例を示したが、測位鮮度に基づく処理を先に行う実施例や、両方の処理を並行して処理するような実施例も考えられる。
【0208】
図13のステップS617における測位結果選択処理は、図10に示したものと同じ制御テーブルを参照して、測位結果の選択処理を決定する。以下、変数iと変数jの設定値の組み合わせに応じてどのような測位結果の選択処理が行われるかを説明する。
【0209】
変数i=1であり変数j=1である場合には、サーバ装置102は、要求されている精度と要求されている鮮度の両方を満たす測位結果を今回の測位処理で得られた測位対象移動機103の測位結果から選択してクライアント装置101に通知する(番号5−1)。
【0210】
変数i=1であり変数j=2である場合には、サーバ装置102は、要求されている精度を満たす測位結果を今回の測位処理で得られた測位対象移動機103の測位結果から選択してクライアント装置101に通知する(番号5−2)。
【0211】
変数i=1であり変数j=3である場合には、サーバ装置102は、要求されている精度を満たす測位結果の中からできるだけ要求されている鮮度に近い測位結果を、今回の測位処理で得られた測位対象移動機103の測位結果から選択してクライアント装置101に通知する(番号5−3)。
【0212】
変数i=2であり変数j=1である場合には、サーバ装置102は、要求されている鮮度を満たす測位結果を今回の測位処理で得られた測位対象移動機103の測位結果から選択してクライアント装置101に通知する(番号5−4)。
【0213】
変数i=2であり変数j=2である場合には、サーバ装置102は、任意の測位結果を今回の測位処理で得られた測位対象移動機103の測位結果から選択してクライアント装置101に通知する(番号5−5)。
【0214】
変数i=2であり変数j=3である場合には、サーバ装置102は、できるだけ要求されている鮮度に近い測位結果を今回の測位処理で得られた測位対象移動機103の測位結果から選択してクライアント装置101に通知する(番号5−6)。
【0215】
変数i=3であり変数j=1である場合には、サーバ装置102は、要求されている鮮度を満たす測位結果の中からできるだけ要求されている精度に近い測位結果を、今回の測位処理で得られた測位対象移動機103の測位結果から選択してクライアント装置401に通知する(番号5−7)。
【0216】
変数i=3であり変数j=2である場合には、サーバ装置102は、要求されている精度に近い測位結果を今回の測位処理で得られた測位対象移動機103の測位結果から選択してクライアント装置101に通知する(番号5−8)。
【0217】
変数i=3であり変数j=3である場合には、サーバ装置102は、できるだけ要求されている精度および要求されている鮮度に近い測位結果を、今回の測位処理で得られた測位対象移動機103の測位結果から選択してクライアント装置401に通知する(番号5−9)。
【0218】
ここで、番号5−1から5−9までの各条件を満たす測位結果が複数ある場合には、図9の測位結果選択処理S517で述べたように、任意の測位結果を選択する方法、測位鮮度の新しい測位結果を選択する方法、測位精度の高い測位結果を選択する方法、測位精度と測位鮮度のどちらを優先するかを示す優先度情報に基づいて優先度の高い方の情報を優先して選択する方法などが考えられる。
【0219】
以上の動作は、クライアント装置101からの測位要求が過去の測位結果を応答するのでも構わないとしている場合の動作であるが、過去の測位結果の応答を望まない測位要求の場合には、サーバ装置102は、図7〜図9の処理は行わず、測位応答生成機能ユニット126から測位機能ユニット121の測位処理を速やかに起動する。そして、この測位処理の結果、測位処理が失敗して移動機103の位置を取得することができなかった場合には、サーバ装置102は、応答送出機能ユニット125によりクライアント装置101にエラーを通知する。また、測位対象の移動機103の測位に成功し、移動機103の測位結果を取得した場合には、サーバ装置102は、図11乃至図13に示した処理を実行し、取得した測位結果がクライアント装置101の要求条件を満たしているかどうかを判断し、その判断結果に応じた応答をクライアント装置101に通知する。
(発明の第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態は、以下説明する点で前述の第1の実施の形態と異なるが、その他の点では第1の実施の形態と同じである。以下相違点につき説明する。
【0220】
図14を参照すると、サーバ装置102は、更に記憶機能ユニット123を有する。クライアント装置101のクライアント識別子に対応付けて、要求測位精度情報、測位精度の要求クラス情報、要求測位鮮度情報、測位鮮度の要求クラス情報、測位精度と測位鮮度のどちらを優先するかを示す優先度情報の各情報を含むクライアント情報127が記憶機能ユニット123に予め登録されている。サーバ装置102の測位応答生成機能ユニット126は、クライアント装置101から受信した測位要求の応答を生成する際に、その測位要求で指定されているクライアント識別子をキーにクライアント情報127を検索し、そのクライアント装置101が事前に登録した要求測位精度情報、測位精度の要求クラス情報、要求測位鮮度情報、測位鮮度の要求クラス情報、優先度情報を使用するように構成した。
【0221】
ここで、要求測位精度情報、測位精度の要求クラス情報、要求測位鮮度情報、測位鮮度の要求クラス情報、優先度情報の全てをクライアント情報127に登録しておく以外に、要求測位精度情報とその要求クラス情報だけ、あるいは要求測位鮮度情報とその要求クラス情報だけ、あるいは要求測位精度情報だけ、あるいは要求測位鮮度情報だけといったように、一部の情報だけを登録しておく変更例も考えられる。この場合、未登録のパラメータは、指定されていないと判断される。
【0222】
本実施の形態によれば、クライアント装置101は、測位要求メッセージに、要求測位精度情報、測位精度の要求クラス情報、要求測位鮮度情報、測位鮮度の要求クラス情報、優先度情報を含める必要がなくなる。
(発明の第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態は、以下説明する点で前述の第1の実施の形態と異なるが、その他の点では第1の実施の形態と同じである。以下相違点につき説明する。
【0223】
図15を参照すると、サーバ装置102は、更に記憶機能ユニット123を有する。クライアント装置101のクライアント識別子に対応付けて、要求測位精度情報、測位精度の要求クラス情報、要求測位鮮度情報、測位鮮度の要求クラス情報、測位精度と測位鮮度のどちらを優先するかを示す優先度情報の各情報を含むクライアント情報127が記憶機能ユニット123に予め登録されている。更に、測位要求受信機能ユニット124と測位応答生成機能ユニット126との間にマージ機能ユニット128が設けられている。
【0224】
マージ機能ユニット128は、クライアント装置101からの測位要求を測位要求受信機能ユニット124から受け取り、その測位要求で要求測位精度情報、測位精度の要求クラス情報、要求測位鮮度情報、測位鮮度の要求クラス情報、優先度情報の全てが指定されているときは、受け取った測位要求をそのまま測位応答生成機能ユニット126に転送する。これら情報の何れか1つでも指定されていない場合、その測位要求で指定されているクライアント識別子をキーにクライアント情報127を検索し、そのクライアント装置101が事前に登録した要求測位精度情報、測位精度の要求クラス情報、要求測位鮮度情報、測位鮮度の要求クラス情報、優先度情報のうち、測位要求で未指定であったパラメータの登録値を、測位要求に追加して測位応答生成機能ユニット126に転送する。
【0225】
ここで、要求測位精度情報、測位精度の要求クラス情報、要求測位鮮度情報、測位鮮度の要求クラス情報、優先度情報の全てのパラメータをクライアント情報127に登録しておくことに代えて、要求測位精度情報とその要求クラス情報だけ、あるいは要求測位鮮度情報とその要求クラス情報だけ、あるいは要求測位精度情報だけ、あるいは要求測位鮮度情報だけといったように、一部のパラメータだけを登録しておく変更例も考えられる。クライアント情報127に登録されていないパラメータが、測位要求でも指定されていない場合には、そのパラメータは存在しないものとして処理される。
【0226】
本実施の形態によれば、クライアント装置101が、測位要求メッセージで、要求測位精度情報、測位精度の要求クラス情報、要求測位鮮度情報、測位鮮度の要求クラス情報、優先度情報を指定した場合には、その指定したものが使用され、測位要求メッセージで指定されていないものは、クライアント情報127に事前に登録されたものが使用される。このため、クライアント装置101は、事前に登録した要求測位精度情報、測位精度の要求クラス情報、要求測位鮮度情報、測位鮮度の要求クラス情報、優先度情報と同じものを使う場合には、測位要求メッセージにそれらの情報を含める必要がなくなる。また、事前に登録したものと異なるパラメータ値を測位要求で指定すれば、測位要求で指定したパラメータ値が優先されるため、登録値とは異なるパラメータ値を使用した測位要求も可能となる。
(発明の第4の実施の形態)
図16を参照すると、本発明の第4の実施の形態に係る移動通信ネットワークは、1以上のクライアント装置601と、移動通信ネットワークにおいてクライアント装置601からの測位要求を受け付けるゲートウェイ装置である1以上のGMLC装置602と、測位対象となる移動機である1以上のUE装置606と、UE装置606と無線通信を行う基地局である1以上のNode−B装置(基地局装置)605と、1以上のNode−B装置605を管理する1以上のRNC装置604と、1以上のRNC装置604およびNode−B装置605から構成される地域無線網(RAN)を管理する1以上のSGSN/MSC装置603と、各UE装置606の接続する地域無線網(RAN)を管理しているSGSN/MSC装置603の情報を保持する移動機データベースである1以上のHLR/HSS装置607などの複数のノード装置を含む。
【0227】
図17を参照すると、クライアント装置601は、GMLC装置602に対して測位要求を送信する送信機能ユニット611と、送信した測位要求に対する応答をGMLC装置602から受信する受信機能ユニット612とを有する。
【0228】
GMLC装置602は、測位対象のUE装置606に対する測位要求をSGSN/MSC装置603に対して送信する測位要求機能ユニット621と、測位されたUE装置606の過去の測位結果622およびUE装置606のプライバシ設定情報623を記憶する記憶機能ユニット624と、クライアント装置101からの測位要求を受信してプライバシチェック等を行う測位要求確認機能ユニット625と、測位要求に対する応答をクライアント装置601に送信する応答送出機能ユニット626と、測位要求確認機能ユニット625で受理された測位要求に対する応答を生成する測位応答生成機能ユニット627とを有する。
【0229】
SGSN/MSC装置603は、GMLC602から測位要求を受信してRNC装置604に転送し、転送した測位要求に対する応答をRNC装置604から受信してGMLC装置602に転送する転送機能ユニット631を有する。
【0230】
RNC604は、SGSN/MSC603から測位要求を受信する測位要求受信機能ユニット641と、UE装置606の測位を行う測位機能ユニット642と、測位機能ユニット642による測位結果をSGSN/MSC603に送信する応答送出機能ユニット643とを有する。
【0231】
RNC604の測位機能ユニット642は、少なくとも1つの測位方式でUE装置606の位置を測定する。代表的な測位方式の例としては、Cell ID測位、OTDOA測位、アシスタント型測位(A−GPS測位)などがあるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
【0232】
クライアント装置601の送信機能ユニット611から送信される測位要求メッセージには、電話番号や端末ID等の測位対象UE装置606を特定するための端末識別子、要求する位置情報の精度情報(要求測位精度情報)、測位精度の要求クラス情報、要求する位置情報の鮮度情報(要求測位鮮度情報)、測位鮮度の要求クラス情報、過去の測位位置を応答に使っても良いかどうかを示す測位種別、自クライアント装置601を一意に識別するクライアント識別子およびその他必要な情報が含まれる。
【0233】
位置情報の精度としては、応答として受け取る位置情報で示される地点を中心としてUE装置が存在する可能性のある地域をカバーする円の半径を位置情報の精度とすることなどが考えられる。位置情報の鮮度としては、何月何日何時何分何秒というような絶対時刻表記で表すことや、何分何秒前というように現在時刻と測位結果を取得した時刻の相対時間で表すことなどが考えられる。
【0234】
測位精度の要求クラス情報は、要求測位精度情報で指定した測位精度の要求度合いを示す情報であり、本実施の形態においては、要求されている測位精度を必ず満たす測位結果を通知し要求を満たす測位結果が存在しない場合にはエラーを通知することを要求する第1のクラス(”Assured”)、要求されている測位精度を満たすことができなかった場合には要求されている測位精度に最も近い測位結果を通知することを要求する第2のクラス(”Best effort”)の2種類がある。なお、測位精度の要求クラス情報としては第1のクラス(”Assured”)のみを有し、測位精度の要求クラス情報の指定がなかった場合には第2のクラス(”Best effort”)が指定されたと解釈する代替方法も考えられる。
【0235】
同様に、測位鮮度の要求クラス情報は、要求測位鮮度情報で指定した測位鮮度の要求度合いを示す情報であり、本実施の形態においては、要求されている測位鮮度を必ず満たす測位結果を通知し要求を満たす測位結果が存在しない場合にはエラーを通知することを要求する第3のクラス(”Assured”)と、要求されている測位鮮度を満たすことができなかった場合には要求されている測位鮮度に最も近い測位結果を通知することを要求する第4のクラス(”Best effort”)との2種類がある。なお、測位鮮度の要求クラス情報としては第3のクラス(”Assured”)のみを有し、測位鮮度の要求クラス情報の指定がなかった場合には第4のクラス(”Best effort”)が指定されたと解釈する代替方法も考えられる。
【0236】
GMLC装置602の記憶機能ユニット624に記憶される測位結果622は、測位対象となったUE装置606の端末識別子、UE装置606の測位された位置、測位時刻、測位精度の各情報を含む。測位応答生成機能ユニット627は、測位要求確認機能ユニット625で受理された測位要求を解析し、過去の位置でも良い測位種別のときは、利用可能な過去の測位結果が記憶機能ユニット624に記憶されていればそれを利用して応答を生成し、利用可能な過去の測位結果が存在しない場合は測位要求機能ユニット621から測位要求を送出し、この測位要求に対する測位結果から応答を生成する。また、測位要求が過去の位置を使用しない測位種別のときは、測位要求機能ユニット621から測位要求を送出し、この測位要求に対する測位結果から応答を生成する。何れの場合も、測位応答生成機能ユニット627は、測位要求で指定される要求測位精度情報、測位精度の要求クラス情報、要求測位鮮度情報、測位鮮度の要求クラス情報に応じて応答を生成する。生成された応答は、応答送出機能ユニット626を通じて測位要求元のクライアント装置601に送られる。
【0237】
図18は、本実施の形態にかかる移動通信ネットワーク内の各ノードにおける処理および各ノード間で送受されるメッセージフローを示している。図18を参照すると、クライアント装置601は、送信機能ユニット611により、測位要求をGMLC装置602に送信する(図18のステップ1)。クライアント装置601からの測位要求を受信したGMLC装置602は、測位要求確認機能ユニット625により、必要に応じて自ノードが保持するクライアント情報を元にクライアント装置601の認証等を行い、クライアント装置601からの測位要求を受け付けるかどうかを判断する。クライアント装置601からの測位要求の受付が許可された場合には、GMLC装置602は、測位要求確認機能ユニット625により、測位対象であるUE装置606のプライバシ設定情報623を記憶機能ユニット624から参照し、UE装置606が測位要求を受け付けるかどうかを判断する(図18のステップ2)。ここで参照されるプライバシ設定情報623としては、要求元のクライアント装置601からの測位要求を受け付けるかどうか、要求されている精度の位置情報をクライアント装置601に渡していいかどうか、要求されている鮮度の位置情報をクライアント装置601に渡していいかどうかを示す情報などが挙げられる。測位要求を受け付けられないと判断した場合には、測位要求確認機能ユニット625は、応答送出機能ユニット626によりクライアント装置601にエラーを通知する。
【0238】
他方、測位要求を受け付けると判断した場合には、GMLC装置602は、測位応答生成機能ユニット627により、クライアント装置601からの測位要求が過去の測位結果を応答するのでも構わないとしているかどうかを確認し、過去の測位結果でも構わない場合には測位対象のUE装置606の過去の測位結果を記憶機能ユニット624に保持しているかどうかをチェックし、過去の測位結果を保持している場合には過去の測位結果の中にクライアント601の要求条件を満たす測位結果が存在するかどうかを判断する(図18のステップ3)。図18のステップ3における処理は、クライアント装置601の要求条件やGMLC装置602の具備する能力によって様々な処理が考えられる。以下では、測位精度に基づいて応答を生成する実施例と、測位鮮度に基づいて応答を生成する実施例と、測位精度および測位鮮度に基づいて応答を生成する実施例に分けて、本実施の形態の動作を説明する。
【0239】
(1)測位精度に基づいて応答を生成する実施例 GMLC装置602が過去の測位結果を使用して、測位精度に基づいて応答を生成する場合の処理には、図3の処理フローを適用することができる。まず、GMLC602は、測位応答生成機能ユニット627により、クライアント装置601からの測位要求に要求精度情報が存在するかどうかを確認する(ステップS101)。要求精度情報が存在しない場合には(ステップS101のNo)、記憶機能ユニット624に記憶されたUE装置606の過去の測位結果を選択し、応答送出機能ユニット626によりクライアント装置601に応答する(ステップS106)。ステップS106における測位結果の選択方法としては、最も精度の高い測位結果を選択する方法、最も最新の測位結果を選択する方法などが考えられる。
【0240】
要求精度情報が存在する場合には(ステップS101のYes)、測位応答生成機能ユニット627により、要求精度情報を満たすことができる測位結果が過去の測位結果に存在するかどうかを確認する(ステップS102)。要求精度情報を満たす測位結果が存在する場合には(ステップS102のYes)、要求精度情報を満たす測位結果を過去の測位結果から選択し、応答送出機能ユニット626によりクライアント装置601に応答する(ステップS108)。ステップS108における測位結果の選択方法としては、要求精度情報を満たす測位結果の中から、最も精度の高い測位結果を選択する方法や最も最新の測位結果を選択する方法などが考えられる。
【0241】
要求精度情報を満たす測位結果が存在しない場合には(ステップS102のNo)、測位応答生成機能ユニット627により、精度の要求クラス情報が存在するかどうかを確認する(ステップS103)。精度の要求クラス情報が存在しない場合には(ステップS103のNo)、過去の測位結果から応答する測位結果を選択しクライアント装置601に応答する(ステップS106)。ステップS106における測位結果の選択方法としては、最も精度の高い測位結果を選択する方法や最も最新の測位結果を選択する方法などが考えられる。
【0242】
精度の要求クラス情報が存在する場合には(ステップS103のYes)、精度の要求クラスを確認する(ステップS104)。精度の要求クラスが第1のクラス(”Assured”)であった場合には(ステップS104のYes)、測位応答生成機能ユニット627により測位結果の取得のために測位処理を起動する(ステップS110) 精度の要求クラスが第1のクラス(”Assured”)でなかった場合には(ステップS104のNo)、精度の要求クラスが第2のクラス(”Best Effort”)かどうかを確認する(ステップS105)。精度の要求クラスが第2のクラス(”Best Effort”)であった場合には(ステップS105のYes)、測位応答生成機能ユニット627により、最も測位精度の高い測位結果を過去の測位結果から選択し、応答送出機能ユニット626によりクライアント装置601に応答する(ステップS109)。
【0243】
精度の要求クラスが第2のクラス(”Best Effort”)でもなかった場合には(ステップS105のNo)、測位応答生成機能ユニット627は、応答送出機能ユニット626によりクライアント装置601に対してエラーを通知する(ステップS107)。
【0244】
ここで、精度の要求クラス情報が存在しない場合(ステップS103のNo)もしくは精度の要求クラスが第1のクラス(”Assured”)でなかった場合に(ステップS104のNo)、精度の要求クラスが第2のクラス(”Best Effort”)であると判断し、最も測位精度の高い測位結果を過去の測位結果から選択しクライアント装置601に応答する処理(ステップS109)を行うというような実施例も考えられる。
【0245】
図3に示した処理において、過去の測位結果をクライアント装置601に送信するという結果になった場合には、GMLC装置602は、選択した過去の測位結果を応答送出機能ユニット626によりクライアント装置601に送信して処理を終了し、図3に示した処理において、エラーをクライアント装置601に通知するという結果になった場合には、GMLC装置602は、応答送出機能ユニット626によりエラーをクライアント装置601に通知して処理を終了する。
【0246】
他方、図3に示した処理において、測位処理を実行するという結果になった場合には、GMLC装置602はHLR/HSS装置607、SGSN/MSC装置603、RNC装置604、Node−B装置605、UE装置606、他ネットワーク内の必要な通信装置と連携してUE装置606の位置を取得する測位処理を行う(図18のステップ4〜10)。この測位処理の過程で、UE装置606の位置を取得することができなかった場合には、GMLC装置602はクライアント装置601にエラーを通知する。図18のステップ10においてUE装置606の測位結果を取得したGMLC装置602は、測位要求機能ユニット621により、取得した測位結果を記憶機能ユニット624に記憶すると共に、測位応答生成機能ユニット627により、取得した測位結果がクライアント装置601の要求条件を満たしているかどうかを判断する(図18のステップ11)。
【0247】
新たな測位処理で取得した測位結果がクライアント装置601の要求条件を満たしているかどうかを判断し、測位精度に基づいて測位結果の選択を行う処理は、図4に示した処理フローを適用することができる。GMLC装置602はまず、測位応答生成機能ユニット627により、クライアント装置601からの測位要求に要求精度情報が存在するかどうかを確認する(ステップS201)。要求精度情報が存在しない場合には(ステップS201のNo)、今回得られた測位結果から測位結果を選択し、応答送出機能ユニット626により、クライアント装置601に応答する(ステップS206)。ステップS206における測位結果の選択方法としては、最も精度の高い測位結果を選択する方法、最も最新の測位結果を選択する方法などが考えられる。
【0248】
要求精度情報が存在する場合には(ステップS201のYes)、GMLC装置602は、測位応答生成機能ユニット627により、要求精度情報を満たすことができる測位結果が存在するかどうかを確認する(ステップS202)。要求精度情報を満たす測位結果が存在する場合には(ステップS202のYes)、要求精度情報を満たす測位結果を選択し、応答送出機能ユニット626によりクライアント装置601に応答する(ステップ208)。ステップS208における測位結果の選択方法としては、要求精度情報を満たす測位結果の中から、最も精度の高い測位結果を選択する方法や最も最新の測位結果を選択する方法などが考えられる。
【0249】
要求精度情報を満たす測位結果が存在しない場合には(ステップS202のNo)、GMLC装置602は、測位応答生成機能ユニット627により、精度の要求クラス情報が存在するかどうかを確認する(ステップS203)。精度の要求クラス情報が存在しない場合には(ステップS203のNo)、測位結果の選択を行って、応答送出機能ユニット626によりクライアント装置601に応答する(ステップS206)。ステップS206における測位結果の選択方法としては、最も精度の高い測位結果を選択する方法や最も最新の測位結果を選択する方法などが考えられる。
【0250】
精度の要求クラス情報が存在する場合には(ステップS203のYes)、測位応答生成機能ユニット627により、精度の要求クラスを確認する(ステップ204)。精度の要求クラスが第1のクラス(”Assured”)であった場合には(ステップS204のYes)、測位応答生成機能ユニット627は、応答送出機能ユニット626によりクライアント装置601に対してエラーを通知する(ステップ207)。精度の要求クラスが第1のクラス(”Assured”)でなかった場合には(ステップS204のNo)、精度の要求クラスが第2のクラス(”Best Effort”)かどうかを確認する(ステップS205)。精度の要求クラスが第2のクラス(”Best Effort”)であった場合には(ステップS205のYes)、測位応答生成機能ユニット627により最も測位精度の高い測位結果を選択し、応答送出機能ユニット626によりクライアント装置601に応答する(ステップ209)。
【0251】
精度の要求クラスが第2のクラス(”Best Effort”)でもなかった場合には(ステップS205のNo)、GMLC装置602は応答送出機能ユニット626によりクライアント装置601に対してエラーを通知する(ステップ207)。
【0252】
ここで、精度の要求クラス情報が存在しない場合(ステップS203のNo)もしくは精度の要求クラスが第1のクラス(”Assured”)でなかった場合に(ステップS204のNo)、精度の要求クラスが第2のクラス(”Best Effort”)であると判断し、最も測位精度の高い測位結果を選択しクライアント装置601に応答する処理(ステップS209)を行うというような変更例も考えられる。
【0253】
以上の動作は、クライアント装置601からの測位要求が過去の測位結果を応答するのでも構わないとしている場合の動作であるが、過去の測位結果の応答を望まない測位要求の場合には、GMLC装置602は、図3の処理は行わず、測位応答生成機能ユニット627により測位要求機能ユニット621を起動して測位処理を速やかに起動する。そして、この測位処理の結果、測位が失敗してUE装置606の位置を取得することができなかった場合には、GMLC装置602は、応答送出機能ユニット626によりクライアント装置601にエラーを通知する。また、測位対象のUE装置606の測位に成功し、UE装置606の測位結果を取得した場合には、GMLC装置602は、図4に示した処理を実行し、取得した測位結果がクライアント装置601の要求条件を満たしているかどうかを判断し、その判断結果に応じた応答をクライアント装置601に通知する。
【0254】
(2)測位鮮度に基づいて応答を生成する実施例 GMLC装置602が過去の測位結果を使用して、測位鮮度に基づいて応答を生成する場合の処理には、図5の処理フローを適用することができる。まず、GMLC装置602は、測位応答生成機能ユニット627により、クライアント装置601からの測位要求に要求鮮度情報が存在するかどうかを確認する(ステップS301)。要求鮮度情報が存在しない場合には(ステップS301のNo)、記憶機能ユニット624に記憶されたUE装置606の過去の測位結果を選択し、応答送出機能ユニット626によりクライアント装置601に応答する(ステップS306)。ステップS306における測位結果の選択方法としては、最も精度の高い測位結果を選択する方法、最も最新の測位結果を選択する方法などが考えられる。
【0255】
要求鮮度情報が存在する場合には(ステップS301のYes)、測位応答生成機能ユニット627により、要求鮮度情報を満たすことができる測位結果が過去の測位結果に存在するかどうかを確認する(ステップS302)。要求鮮度情報を満たす測位結果が存在する場合には(ステップS302のYes)、要求鮮度情報を満たす測位結果を過去の測位結果から選択し、応答送出機能ユニット626によりクライアント装置601に応答する(ステップS308)。ステップS308における測位結果の選択方法としては、要求鮮度情報を満たす測位結果の中から、最も精度の高い測位結果を選択する方法や最も最新の測位結果を選択する方法などが考えられる。
【0256】
要求鮮度情報を満たす測位結果が存在しない場合には(ステップS302のNo)、測位応答生成機能ユニット627により、鮮度の要求クラス情報が存在するかどうかを確認する(ステップS303)。鮮度の要求クラス情報が存在しない場合には(ステップS303のNo)、過去の測位結果から応答する測位結果を選択しクライアント装置601に応答する(ステップS306)。ステップS306における測位結果の選択方法としては、最も鮮度の高い測位結果を選択する方法や最も最新の測位結果を選択する方法などが考えられる。
【0257】
鮮度の要求クラス情報が存在する場合には(ステップS303のYes)、鮮度の要求クラスを確認する(ステップS304)。鮮度の要求クラスが第3のクラス(”Assured”)であった場合には(ステップS304のYes)、測位応答生成機能ユニット627により測位結果の取得のために測位処理を起動する(ステップS310)。
【0258】
鮮度の要求クラスが第3のクラス(”Assured”)でなかった場合には(ステップS304のNo)、鮮度の要求クラスが第4のクラス(”Best Effort”)かどうかを確認する(ステップS305)。鮮度の要求クラスが第4のクラス(”Best Effort”)であった場合には(ステップS305のYes)、測位応答生成機能ユニット627により、最も鮮度の新しい測位結果を過去の測位結果から選択し、応答送出機能ユニット626によりクライアント装置601に応答する(ステップS309)。
【0259】
鮮度の要求クラスが第4のクラス(”Best Effort”)でもなかった場合には(ステップS305のNo)、測位応答生成機能ユニット627は、応答送出機能ユニット626によりクライアント装置601に対してエラーを通知する(ステップS307)。
【0260】
ここで、鮮度の要求クラス情報が存在しない場合(ステップS303のNo)もしくは鮮度の要求クラスが第3のクラス(”Assured”)でなかった場合に(ステップS304のNo)、鮮度の要求クラスが第4のクラス(”Best Effort”)であると判断し、最も鮮度の新しい測位結果を過去の測位結果から選択しクライアント装置601に応答する処理(ステップS309)を行うというような変更例も考えられる。
【0261】
図5に示した処理において、過去の測位結果をクライアント装置601に送信するという結果になった場合には、GMLC装置602は選択した過去の測位結果をクライアント装置601に送信して処理を終了し、図5に示した処理において、エラーをクライアント装置601に通知するという結果になった場合には、GMLC装置602はエラーをクライアント装置601に通知して処理を終了する。
【0262】
他方、図5に示した処理において、測位処理を実行するという結果になった場合には、GMLC装置602はHLR/HSS装置607、SGSN/MSC装置603、RNC装置604、Node−B装置605、UE装置606、他ネットワーク内の必要な通信装置と連携してUE装置606の位置を取得する測位処理を行う(図18のステップ4乃至ステップ10)。この測位処理の過程で、UE装置606の位置を取得することができなかった場合には、GMLC装置602はクライアント装置601にエラーを通知する。図18のステップ10においてUE装置606の測位結果を取得したGMLC装置602は、測位要求機能ユニット621により、取得した測位結果を記憶機能ユニット624に記憶すると共に、測位応答生成機能ユニット627により、取得した測位結果がクライアント装置601の要求条件を満たしているかどうかを判断する(図18のステップ11)。
【0263】
新たな測位処理で取得した測位結果がクライアント装置601の要求条件を満たしているかどうかを判断し、測位鮮度に基づいて測位結果の選択を行う処理は、図6に示した処理フローを適用することができる。GMLC装置602はまず、測位応答生成機能ユニット627により、クライアント装置601からの測位要求に要求鮮度情報が存在するかどうかを確認する(ステップS401)。要求鮮度情報が存在しない場合には(ステップS401のNo)、今回得られた測位結果から測位結果を選択し、応答送出機能ユニット626により、クライアント装置601に応答する(ステップS406)。ステップS406における測位結果の選択方法としては、最も精度の高い測位結果を選択する方法、最も最新の測位結果を選択する方法などが考えられる。
【0264】
要求鮮度情報が存在する場合には(ステップS401のYes)、GMLC装置602は、測位応答生成機能ユニット627により、要求鮮度情報を満たすことができる測位結果が存在するかどうかを確認する(ステップS402)。要求鮮度情報を満たす測位結果が存在する場合には(ステップS402のYes)、要求鮮度情報を満たす測位結果を選択し、応答送出機能ユニット626によりクライアント装置601に応答する(ステップ408)。ステップS408における測位結果の選択方法としては、要求鮮度情報を満たす測位結果の中から、最も精度の高い測位結果を選択する方法や最も最新の測位結果を選択する方法などが考えられる。
【0265】
要求鮮度情報を満たす測位結果が存在しない場合には(ステップS402のNo)、GMLC装置602は、測位応答生成機能ユニット627により、鮮度の要求クラス情報が存在するかどうかを確認する(ステップS403)。鮮度の要求クラス情報が存在しない場合には(ステップS403のNo)、測位結果の選択を行って、応答送出機能ユニット626によりクライアント装置601に応答する(ステップS406)。ステップS406における測位結果の選択方法としては、最も鮮度の新しい測位結果を選択する方法や最も最新の測位結果を選択する方法などが考えられる。
【0266】
鮮度の要求クラス情報が存在する場合には(ステップS403のYes)、測位応答生成機能ユニット627により、鮮度の要求クラスを確認する(ステップ404)。鮮度の要求クラスが第3のクラス(”Assured”)であった場合には(ステップS404のYes)、測位応答生成機能ユニット627は、応答送出機能ユニット626によりクライアント装置601に対してエラーを通知する(ステップ407)。
【0267】
鮮度の要求クラスが第3のクラス(”Assured”)でなかった場合には(ステップS404のNo)、鮮度の要求クラスが第4のクラス(”Best Effort”)かどうかを確認する(ステップS405)。鮮度の要求クラスが第4のクラス(”Best Effort”)であった場合には(ステップS405のYes)、測位応答生成機能ユニット627により最も鮮度の新しい測位結果を選択し、応答送出機能ユニット626によりクライアント装置601に応答する(ステップ409)。
【0268】
鮮度の要求クラスが第4のクラス(”Best Effort”)でもなかった場合には(ステップS405のNo)、GMLC装置602は応答送出機能ユニット626によりクライアント装置601に対してエラーを通知する(ステップ407)。
【0269】
ここで、鮮度の要求クラス情報が存在しない場合(ステップS403のNo)もしくは鮮度の要求クラスが第3のクラス(”Assured”)でなかった場合に(ステップS404のNo)、鮮度の要求クラスが第4のクラス(”Best Effort”)であると判断し、最も鮮度の新しい測位結果を選択しクライアント装置601に応答する処理(ステップS409)を行うというような実施例も考えられる。
【0270】
以上の動作は、クライアント装置601からの測位要求が過去の測位結果を応答するのでも構わないとしている場合の動作であるが、過去の測位結果の応答を望まない測位要求の場合には、GMLC装置602は、図5の処理は行わず、測位応答生成機能ユニット627により測位要求機能ユニット621を起動して測位処理を速やかに起動する。そして、この測位処理の結果、測位処理が失敗してUE装置606の位置を取得することができなかった場合には、GMLC装置602は、応答送出機能ユニット626によりクライアント装置601にエラーを通知する。また、測位対象のUE装置606の測位に成功し、UE装置606の測位結果を取得した場合には、GMLC装置602は、図6に示した処理を実行し、取得した測位結果がクライアント装置601の要求条件を満たしているかどうかを判断し、その判断結果に応じた応答をクライアント装置601に通知する。
【0271】
(3)測位精度および測位鮮度に基づいて応答を生成する実施例 GMLC装置602が過去の測位結果を使用して、測位精度および測位鮮度に基づいて応答を生成する場合の処理には、図7乃至図9の処理フローを適用することができる。まず、GMLC装置602は、測位応答生成機能ユニット627により、クライアント装置601からの測位要求に要求精度情報が存在するかどうかを確認する(ステップS501)。要求精度情報が存在しない場合には(ステップS501のNo)、変数iに値2を設定し(ステップS507)、図8の処理へと進む。
【0272】
要求精度情報が存在する場合には(ステップS501のYes)、測位応答生成機能ユニット627により、要求精度情報を満たすことができる測位結果が過去の測位結果に存在するかどうかを確認する(ステップS502)。要求精度情報を満たす測位結果が存在する場合には(ステップS502のYes)、変数iに値1を設定し(ステップS506)、図8の処理へと進む。
【0273】
要求精度情報を満たす測位結果が存在しない場合には(ステップS502のNo)、測位応答生成機能ユニット627により、精度の要求クラス情報が存在するかどうかを確認する(ステップS503)。精度の要求クラス情報が存在しない場合には(ステップS503のNo)、変数iに値2を設定し(ステップS507)、図8の処理へと進む。
【0274】
精度の要求クラス情報が存在する場合には(ステップS503のYes)、精度の要求クラスを確認する(ステップS504)。精度の要求クラスが第1のクラス(”Assured”)であった場合には(ステップS504のYes)、測位応答生成機能ユニット627により測位結果の取得のために測位要求機能ユニット621を起動して測位処理を速やかに起動する(ステップS519)。
【0275】
精度の要求クラスが第1のクラス(”Assured”)でなかった場合には(ステップS504のNo)、精度の要求クラスが第2のクラス(”Best Effort”)かどうかを確認する(ステップS505)。精度の要求クラスが第2のクラス(”Best Effort”)であった場合には(ステップS505のYes)、変数iに値3を設定し(ステップS508)、図8の処理へと進む。
【0276】
精度の要求クラスが第2のクラス(”Best Effort”)でもなかった場合には(ステップS505のNo)、測位応答生成機能ユニット627は、応答送出機能ユニット626によりクライアント装置601に対してエラーを通知し(ステップS518)、処理を終える。
【0277】
ここで、精度の要求クラス情報が存在しない場合(ステップS503のNo)もしくは精度の要求クラスが第1のクラス(”Assured”)でなかった場合に(ステップS504のNo)、精度の要求クラスが第2のクラス(”Best Effort”)であると判断し、変数iに値3を設定する処理(ステップS508)を行うというような変更例も考えられる。
【0278】
図8の処理に進んだ場合、GMLC装置602は、測位応答生成機能ユニット627により、クライアント装置601からの測位要求に要求鮮度情報が存在するかどうかを確認する(ステップS509)。要求鮮度情報が存在しない場合には(ステップS509のNo)、変数jに値2を設定し(ステップS515)、測位結果選択処理S517へ進む。
【0279】
要求鮮度情報が存在する場合には(ステップS509のYes)、測位応答生成機能ユニット627により、要求鮮度情報を満たすことができる測位結果が過去の測位結果に存在するかどうかを確認する(ステップS510)。要求鮮度情報を満たす測位結果が存在する場合には(ステップS510のYes)、変数jに値1を設定し(ステップS514)、測位結果選択処理S517へ進む。
【0280】
要求鮮度情報を満たす測位結果が存在しない場合には(ステップS510のNo)、測位応答生成機能ユニット627により、鮮度の要求クラス情報が存在するかどうかを確認する(ステップS511)。鮮度の要求クラス情報が存在しない場合には(ステップS511のNo)、変数jに値2を設定し(ステップS515)、測位結果選択処理S517へ進む。
【0281】
鮮度の要求クラス情報が存在する場合には(ステップS511のYes)、鮮度の要求クラスを確認する(ステップS512)。鮮度の要求クラスが第3のクラス(”Assured”)であった場合には(ステップS512のYes)、測位応答生成機能ユニット627により測位結果の取得のために測位要求機能ユニット621を起動して測位処理を速やかに起動する(ステップS519)。
【0282】
鮮度の要求クラスが第3のクラス(”Assured”)でなかった場合には(ステップS512のNo)、鮮度の要求クラスが第4のクラス(”Best Effort”)かどうかを確認する(ステップS513)。鮮度の要求クラスが第4のクラス(”Best Effort”)であった場合には(ステップS513のYes)、変数jに値3を設定し(ステップS516)、測位結果選択処理S517へ進む。
【0283】
鮮度の要求クラスが第4のクラス(”Best Effort”)でもなかった場合には(ステップS513のNo)、測位応答生成機能ユニット627は、応答送出機能ユニット626によりクライアント装置601に対してエラーを通知し(ステップS518)、処理を終える。
【0284】
ここで、鮮度の要求クラス情報が存在しない場合(ステップS511のNo)もしくは鮮度の要求クラスが第3のクラス(”Assured”)でなかった場合に(ステップS512のNo)、鮮度の要求クラスが第4のクラス(”Best Effort”)であると判断し、変数jに値3を設定する処理(ステップS516)を行うというような実施例も考えられる。
【0285】
測位結果選択処理S517においては、GMLC装置602は、これまで示した処理結果である変数iと変数jの値の組み合わせに基づいて測位結果の選択を行い、クライアント装置601に送信する。測位結果選択処理S517で参照する制御テーブルは図10に示したテーブルを適用する。GMLC装置602の測位応答生成機能ユニット627は、このような制御テーブルを備え、変数iと変数jの設定値の組み合わせから制御テーブルを参照して、測位結果の選択処理を決定する。
【0286】
なお、図10の番号5−1から5−9までの各条件を満たす測位結果が複数ある場合には、任意の測位結果を選択する方法、測位鮮度の新しい測位結果を選択する方法、測位精度の高い測位結果を選択する方法、測位精度と測位鮮度のどちらを優先するかを示す優先度情報に基づいて優先度の高い方の情報を優先して選択する方法などが考えられる。ここで、優先度情報は、測位要求と共にクライアント装置601が送信してきたものを使用する。
【0287】
図7乃至図9に示した処理において、過去の測位結果をクライアント装置601に送信するという結果になった場合には、GMLC装置602は選択した過去の測位結果をクライアント装置601に送信して処理を終了し、図7乃至図9に示した処理において、エラーをクライアント装置601に通知するという結果になった場合には、GMLC装置602はエラーをクライアント装置601に通知して処理を終了する。
【0288】
他方、図7乃至図9に示した処理において、測位処理を実行するという結果になった場合には、GMLC装置602は、HLR/HSS装置607、SGSN/MSC装置603、RNC装置604、Node−B装置605、UE装置606、他ネットワーク内の必要な通信装置と連携してUE装置606の位置を取得する測位処理を行う(図18のステップ4乃至ステップ10)。具体的には、測位要求機能ユニット621は、UE端末606が接続するSGSN/MSC装置の情報をHLR/HSS装置607に問い合わせる(図18のステップ4)。HLR/HSS装置607は、GMLC装置602からの問い合わせに対して、UE装置606が接続するSGSN/MSC装置603の情報を返信する(図18のステップ5)。HLR/HSS装置607からSGSN/MSC装置603の情報を受け取ることができなかった場合には、GMLC装置602はクライアント装置601にエラーを通知する。HLR/HSS装置607からSGSN/MSC装置603の情報を受け取ったGMLC装置602は、SGSN/MSC装置603に対して測位要求メッセージを送信する(図18のステップ6)。
【0289】
この測位処理により、UE装置606の位置を取得することができなかった場合には、GMLC装置602はクライアント装置601にエラーを通知する。図18のステップ10においてUE装置606の測位結果を取得したGMLC装置602は、測位要求機能ユニット621により、取得した測位結果を記憶機能ユニット624に記憶すると共に、測位応答生成機能ユニット627により、取得した測位結果がクライアント装置601の要求条件を満たしているかどうかを判断する(図18のステップ11)。
【0290】
新たな測位処理で取得した測位結果がクライアント装置601の要求条件を満たしているかどうかを判断し、測位精度および測位鮮度に基づいて測位結果の選択を行う処理は、図11乃至図13に示した処理フローを適用することができる。GMLC装置602はまず、測位応答生成機能ユニット126により、クライアント装置601からの測位要求に要求精度情報が存在するかどうかを確認する(ステップS601)。要求精度情報が存在しない場合には(ステップS601のNo)、変数iに値2を設定し(ステップS607)、図12の処理へと進む。
【0291】
要求精度情報が存在する場合には(ステップS601のYes)、測位応答生成機能ユニット627により、要求精度情報を満たすことができる測位結果が今回の測位結果に存在するかどうかを確認する(ステップS602)。要求精度情報を満たす測位結果が存在する場合には(ステップS602のYes)、変数iに値1を設定し(ステップS606)、図12の処理へと進む。
【0292】
要求精度情報を満たす測位結果が存在しない場合には(ステップS602のNo)、測位応答生成機能ユニット627により、精度の要求クラス情報が存在するかどうかを確認する(ステップS603)。精度の要求クラス情報が存在しない場合には(ステップS603のNo)、変数iに値2を設定し(ステップS607)、図12の処理へと進む。
【0293】
精度の要求クラス情報が存在する場合には(ステップS603のYes)、精度の要求クラスを確認する(ステップS604)。精度の要求クラスが第1のクラス(”Assured”)であった場合には(ステップS604のYes)、測位応答生成機能ユニット627は応答送出機能ユニット626によりクライアント装置601にエラーを通知し(ステップS618)、処理を終える。
【0294】
精度の要求クラスが第1のクラス(”Assured”)でなかった場合には(ステップS604のNo)、精度の要求クラスが第2のクラス(”Best Effort”)かどうかを確認する(ステップS605)。精度の要求クラスが第2のクラス(”Best Effort”)であった場合には(ステップS605のYes)、変数iに値3を設定する(ステップS608)。そして、図12の処理へと進む。
【0295】
精度の要求クラスが第2のクラス(”Best Effort”)でもなかった場合には(ステップS605のNo)、測位応答生成機能ユニット627は、応答送出機能ユニット626によりクライアント装置601に対してエラーを通知し(ステップS618)、処理を終える。
【0296】
ここで、精度の要求クラス情報が存在しない場合(ステップS603のNo)もしくは精度の要求クラスが第1のクラス(”Assured”)でなかった場合に(ステップS604のNo)、精度の要求クラスが第2のクラス(”Best Effort”)であると判断し、変数iに値3を設定する処理(ステップS608)を行うというような実施例も考えられる。
【0297】
図12の処理に進んだ場合、GMLC装置602は、測位応答生成機能ユニット627により、クライアント装置601からの測位要求に要求鮮度情報が存在するかどうかを確認する(ステップS609)。要求鮮度情報が存在しない場合には(ステップS609のNo)、変数jに値2を設定し(ステップS615)、測位結果選択処理S617へ進む。
【0298】
要求鮮度情報が存在する場合には(ステップS609のYes)、測位応答生成機能ユニット627により、要求鮮度情報を満たすことができる測位結果が存在するかどうかを確認する(ステップS610)。要求鮮度情報を満たす測位結果が存在する場合には(ステップS610のYes)、変数jに値1を設定し(ステップS614)、測位結果選択処理S617へ進む。
【0299】
要求鮮度情報を満たす測位結果が存在しない場合には(ステップS610のNo)、測位応答生成機能ユニット627により、鮮度の要求クラス情報が存在するかどうかを確認する(ステップS611)。鮮度の要求クラス情報が存在しない場合には(ステップS611のNo)、変数jに値2を設定し(ステップS615)、測位結果選択処理S617へ進む。
【0300】
鮮度の要求クラス情報が存在する場合には(ステップS611のYes)、鮮度の要求クラスを確認する(ステップS612)。鮮度の要求クラスが第3のクラス(”Assured”)であった場合には(ステップS612のYes)、測位応答生成機能ユニット627は応答送出機能ユニット626によりクライアント装置601にエラーを通知し(ステップS618)、処理を終える。
【0301】
鮮度の要求クラスが第3のクラス(”Assured”)でなかった場合には(ステップS612のNo)、鮮度の要求クラスが第4のクラス(”Best Effort”)かどうかを確認する(ステップS613)。鮮度の要求クラスが第4のクラス(”Best Effort”)であった場合には(ステップS613のYes)、変数jに値3を設定し(ステップS616)、測位結果選択処理S617へ進む。
【0302】
鮮度の要求クラスが第4のクラス(”Best Effort”)でもなかった場合には(ステップS613のNo)、測位応答生成機能ユニット627は、応答送出機能ユニット626によりクライアント装置601に対してエラーを通知し(ステップS618)、処理を終える。
【0303】
ここで、鮮度の要求クラス情報が存在しない場合(ステップS611のNo)もしくは鮮度の要求クラスが第3のクラス(”Assured”)でなかった場合に(ステップS612のNo)、鮮度の要求クラスが第4のクラス(”Best Effort”)であると判断し、変数jに値3を設定する処理(ステップS616)を行うというような実施例も考えられる。
【0304】
測位結果選択処理S617においては、サーバ装置102は、図11および図12に示した処理結果である変数iと変数jの値の組み合わせに基づいて測位結果の選択を行い、クライアント装置601に送信する。測位結果選択処理S617で参照する制御テーブルは図10に示したテーブルを適用する。GMLC装置602の測位応答生成機能ユニット627は、変数iと変数jの設定値の組み合わせから制御テーブルを参照して、測位結果の選択処理を決定する。
【0305】
なお、図10の番号5−1から5−9までの各条件を満たす測位結果が複数ある場合には、任意の測位結果を選択する方法、測位鮮度の新しい測位結果を選択する方法、測位精度の高い測位結果を選択する方法、測位精度と測位鮮度のどちらを優先するかを示す優先度情報に基づいて優先度の高い方の情報を優先して選択する方法などが考えられる。ここで、優先度情報は、測位要求と共にクライアント装置601が送信してきたものを使用する。
【0306】
以上の動作は、クライアント装置601からの測位要求が過去の測位結果を応答するのでも構わないとしている場合の動作であるが、過去の測位結果の応答を望まない測位要求の場合には、GMLC装置602は、図7乃至図9の処理は行わず、測位応答生成機能ユニット627から測位要求機能ユニット621を起動して測位処理を速やかに起動する。そして、この測位処理の結果、測位処理が失敗してUE装置606の位置を取得することができなかった場合には、GMLC装置602は、応答送出機能ユニット626によりクライアント装置601にエラーを通知する。また、測位対象のUE装置606の測位に成功し、UE装置606の測位結果を取得した場合には、GMLC装置602は、図11乃至図13に示した処理を実行し、取得した測位結果がクライアント装置601の要求条件を満たしているかどうかを判断し、その判断結果に応じた応答をクライアント装置601に通知する。
(発明の第5の実施の形態)
本発明の第5の実施の形態は、以下説明する点で前述の第4の実施の形態と異なるが、その他の点では第4の実施の形態と同じである。以下相違点につき説明する。
【0307】
図19を参照すると、本発明の第5の実施の形態に係るGMLC装置602は、記憶機能ユニット624を更に含む。クライアント装置601のクライアント識別子に対応付けて、要求測位精度情報、測位精度の要求クラス情報、要求測位鮮度情報、測位鮮度の要求クラス情報、測位精度と測位鮮度のどちらを優先するかを示す優先度情報の各情報を含むクライアント情報628が記憶機能ユニット624に予め登録される。GMLC装置602の測位応答生成機能ユニット627は、クライアント装置601から受信した測位要求の応答を生成する際に、その測位要求で指定されているクライアント識別子をキーにクライアント情報628を検索し、そのクライアント装置601が事前に登録した要求測位精度情報、測位精度の要求クラス情報、要求測位鮮度情報、測位鮮度の要求クラス情報、優先度情報を使用する。
【0308】
ここで、要求測位精度情報、測位精度の要求クラス情報、要求測位鮮度情報、測位鮮度の要求クラス情報、優先度情報の全てをクライアント情報628に登録しておくことに代えて、要求測位精度情報とその要求クラス情報だけ、あるいは要求測位鮮度情報とその要求クラス情報だけ、あるいは要求測位精度情報だけ、あるいは要求測位鮮度情報だけといったように、一部の情報だけを登録しておく変更例も考えられる。この場合、未登録のパラメータは、指定されていないと判断される。
【0309】
本実施の形態によれば、クライアント装置601は、測位要求メッセージに、要求測位精度情報、測位精度の要求クラス情報、要求測位鮮度情報、測位鮮度の要求クラス情報、優先度情報を含める必要がなくなる。
(発明の第6の実施の形態)
本発明の第6の実施の形態は、以下説明する点で前述の第4の実施の形態と異なるが、その他の点では第4の実施の形態と同じである。以下相違点につき説明する。
【0310】
図20を参照すると、本発明の第6の実施の形態に係るGMLC装置602は、記憶機能ユニット624と、マージ機能ユニット629とを更に含む。クライアント装置601のクライアント識別子に対応付けて、要求測位精度情報、測位精度の要求クラス情報、要求測位鮮度情報、測位鮮度の要求クラス情報、測位精度と測位鮮度のどちらを優先するかを示す優先度情報の各情報を含むクライアント情報628が記憶機能ユニット624に予め登録されている。一方、マージ機能ユニット629は、測位要求確認機能ユニット625と測位応答生成機能ユニット626との間に設けられている。
【0311】
マージ機能ユニット629は、クライアント装置601からの測位要求を測位要求確認機能ユニット625から受け取り、その測位要求で要求測位精度情報、測位精度の要求クラス情報、要求測位鮮度情報、測位鮮度の要求クラス情報、優先度情報の全てが指定されているときは、受け取った測位要求をそのまま測位応答生成機能ユニット627に転送する。これら情報の何れか1つでも指定されていない場合、その測位要求で指定されているクライアント識別子をキーにクライアント情報628を検索し、そのクライアント装置601が事前に登録した要求測位精度情報、測位精度の要求クラス情報、要求測位鮮度情報、測位鮮度の要求クラス情報、優先度情報のうち、測位要求で未指定であったパラメータの登録値を、測位要求に追加して測位応答生成機能ユニット627に転送する。
【0312】
ここで、要求測位精度情報、測位精度の要求クラス情報、要求測位鮮度情報、測位鮮度の要求クラス情報、優先度情報の全てのパラメータをクライアント情報628に登録しておくことに代え、要求測位精度情報とその要求クラス情報だけ、あるいは要求測位鮮度情報とその要求クラス情報だけ、あるいは要求測位精度情報だけ、あるいは要求測位鮮度情報だけといったように、一部のパラメータだけを登録しておく変更例も考えられる。クライアント情報628に登録されていないパラメータが、測位要求でも指定されていない場合には、そのパラメータは存在しないものとして処理される。
【0313】
本実施の形態によれば、クライアント装置601が、測位要求メッセージで、要求測位精度情報、測位精度の要求クラス情報、要求測位鮮度情報、測位鮮度の要求クラス情報、優先度情報を指定した場合には、その指定したものが使用され、測位要求メッセージで指定されていないものは、クライアント情報628に事前に登録されたものが使用される。このため、クライアント装置601は、事前に登録した要求測位精度情報、測位精度の要求クラス情報、要求測位鮮度情報、測位鮮度の要求クラス情報、優先度情報と同じものを使う場合には、測位要求メッセージにそれらの情報を含める必要がなくなる。また、事前に登録したものと異なるパラメータ値を測位要求で指定すれば、測位要求で指定したパラメータ値が優先されるため、登録値とは異なるパラメータ値を使用した測位要求も可能となる。
【0314】
なお、本発明の第4乃至第6の実施の形態においてGMLC装置602が測位結果の選択を行う場合の別な実施例としては、図18のステップ3の処理(過去の測位結果を利用する応答の生成)を省略する実施例や、図18のステップ3の処理を省略しステップ11において過去の測位結果と新たに取得した測位結果の中から適切な測位結果を選択するというような実施例も考えることができる。
(発明の第7の実施の形態)
図21を参照すると、本発明の第7の実施の形態は、GMLC装置602の測位応答生成機能ユニット627では過去の測位結果を利用する応答の生成を行い、新たに測位した結果に基づく応答の生成はRNC装置604に設けた測位応答生成機能ユニット644で行う点で、第4の実施の形態と相違し、その他の点は第4の実施の形態と同じである。
【0315】
図22は、RNC装置604が測位結果の選択を行う場合の、ネットワーク内の各ノードにおける処理および各ノード間で送受されるメッセージフローを示している。図22を参照すると、クライアント装置601は、送信機能ユニット611により、測位要求をGMLC装置602に送信する(図22のステップ1)。クライアント装置601からの測位要求を受信したGMLC装置602は、測位要求確認機能ユニット625により、必要に応じて自ノードが保持するクライアント情報を元にクライアント装置601の認証等を行い、クライアント装置601からの測位要求を受け付けるかどうかを判断する。クライアント装置601からの測位要求の受付が許可された場合には、GMLC装置602は、測位要求確認機能ユニット625により、測位対象であるUE装置606のプライバシ設定情報623を記憶機能ユニット624から参照し、UE装置606が測位要求を受け付けるかどうかを判断する(図22のステップ2)。ここで参照されるプライバシ設定情報623としては、要求元のクライアント装置601からの測位要求を受け付けるかどうか、要求されている精度の位置情報をクライアント装置601に渡していいかどうか、要求されている鮮度の位置情報をクライアント装置601に渡していいかどうかを示す情報などが挙げられる。測位要求を受け付けられないと判断した場合には、測位要求確認機能ユニット625は、応答送出機能ユニット626によりクライアント装置601にエラーを通知する。
【0316】
他方、測位要求を受け付けると判断した場合には、GMLC装置602は、測位応答生成機能ユニット627により、クライアント装置601からの測位要求が過去の測位結果を応答するのでも構わないとしているかどうかを確認し、過去の測位結果でも構わない場合には測位対象のUE装置606の過去の測位結果を記憶機能ユニット624に保持しているかどうかをチェックし、過去の測位結果を保持している場合には過去の測位結果の中にクライアント601の要求条件を満たす測位結果が存在するかどうかを判断する(図22のステップ3)。この判断は、クライアント装置601の要求条件やGMLC装置602の具備する能力によって様々な処理が考えられ、第4の実施の形態と同様に、図3、図5または図7乃至図9の処理フローに従って実行される。
【0317】
図3、図5または図7乃至図9に示した処理において、過去の測位結果をクライアント装置601に送信するという結果になった場合には、GMLC装置602は、図10の制御テーブルの内容に従って選択した過去の測位結果を応答送出機能ユニット626によりクライアント装置601に送信して処理を終了する。一方、図3、図5または図7乃至図9に示した処理において、エラーをクライアント装置601に通知するという結果になった場合には、GMLC装置602は、応答送出機能ユニット626によりエラーをクライアント装置601に通知して処理を終了する。
【0318】
他方、図3、図5または図7乃至図9に示した処理において、測位処理を実行するという結果になった場合には、GMLC装置602は、測位要求機能ユニット621により、測位対象のUE装置606にかかる測位要求メッセージをSGSN/MSC603に送信する。具体的には、測位要求機能ユニット621は、UE端末606が接続するSGSN/MSC装置の情報をHLR/HSS装置607に問い合わせる(図22のステップ4)。HLR/HSS装置607は、GMLC装置602からの問い合わせに対して、UE装置606が接続するSGSN/MSC装置603の情報を返信する(図22のステップ5)。HLR/HSS装置607からSGSN/MSC装置603の情報を受け取ることができなかった場合には、GMLC装置602はクライアント装置601にエラーを通知する。HLR/HSS装置607からSGSN/MSC装置603の情報を受け取ったGMLC装置602は、SGSN/MSC装置603に対して測位要求メッセージを送信する(図22のステップ6)。
【0319】
測位要求メッセージには、クライアント装置601から受信した測位要求に含まれていた、UE装置606の電話番号等の端末識別子や、クライアント装置601のクライアント識別子、測位要求精度情報、精度の要求クラス情報、測位要求鮮度情報、鮮度の要求クラス情報およびその他必要な情報を含めて送信する。GMLC装置602からの測位要求メッセージを受信したSGSN/MSC装置603は、転送機能ユニット631により、RNC装置604に対して測位要求メッセージを転送する(図22のステップ7)。
【0320】
SGSN/MSC装置603からの測位要求メッセージを測位要求受信機能ユニット641で受け取ったRNC装置604は、測位機能ユニット642により、Node−B装置605およびUE装置606と連携して測位処理を実行する(図22のステップ8)。UE装置606の測位に失敗し、位置を取得することができなかった場合には、RNC装置604は、応答送出機能ユニット643により、SGSN/MSC装置603を経由してGMLC装置602にエラーを通知し、GMLC装置602はクライアント装置601にエラーを通知する。
【0321】
他方、UE装置606の測位に成功し、測位結果を取得したRNC装置604は、測位応答生成機能ユニット644により、取得した測位結果がクライアント装置601の要求条件を満たしているかどうかを判断する(図22のステップ8)。図22のステップ9におけるRNC装置604の動作は、測位精度に基づいて判断を行う場合は図4の処理フローを適用することができ、測位鮮度に基づいて判断を行う場合は図6の処理フローを適用することができ、測位精度と測位鮮度の両方に基づいて判断を行う場合は図11乃至図13の処理フローおよび図10の処理テーブルを適用することができる。
【0322】
図22のステップ9において、ステップ8の測位処理で取得した測位結果が要求条件を満たしていると判断された場合には、RNC装置604の測位応答生成機能ユニット644は、取得した測位結果を応答送出機能ユニット643によりSGSN/MSC装置603に送信し(図22のステップ10)、SGSN/MSC装置603は転送機能ユニット631によりGMLC装置602に測位結果を送信し(図22のステップ11)、GMLC装置602は、応答送出機能ユニット626により、クライアント装置601に測位結果を送信し、処理を終了する(図22のステップ12)。
【0323】
また、図22のステップ9において、ステップ8の測位処理で取得した測位結果が要求条件を満たしていないと判断され、エラーを通知すると判断した場合には、RNC装置604の測位応答生成機能ユニット644は、応答送出機能ユニット643によりSGSN/MSC装置603を経由してGMLC装置602にエラーを通知し、GMLC装置602はエラーをクライアント装置601に通知し、処理を終了する。
(発明の第8の実施の形態)
本発明の第8の実施の形態は、以下説明する点で前述の第7の実施の形態と異なるが、その他の点では第7の実施の形態と同じである。以下相違点につき説明する。
【0324】
図23を参照すると、本発明の第8の実施の形態によれば、GMLC装置602の記憶機能ユニット624に、クライアント装置601のクライアント識別子に対応付けて、要求測位精度情報、測位精度の要求クラス情報、要求測位鮮度情報、測位鮮度の要求クラス情報、測位精度と測位鮮度のどちらを優先するかを示す優先度情報の各情報を含むクライアント情報628が予め登録されている。GMLC装置602の測位応答生成機能ユニット627は、クライアント装置601から受信した測位要求の応答を生成する際に、その測位要求で指定されているクライアント識別子をキーにクライアント情報628を検索し、そのクライアント装置601が事前に登録した要求測位精度情報、測位精度の要求クラス情報、要求測位鮮度情報、測位鮮度の要求クラス情報、優先度情報を使用するようにした点と、測位処理を起動する際には、そのクライアント装置601が事前に登録した要求測位精度情報、測位精度の要求クラス情報、要求測位鮮度情報、測位鮮度の要求クラス情報、優先度情報を測位要求メッセージに付加して測位要求機能ユニット621からSGSN/MSC装置603に送出する。
【0325】
ここで、要求測位精度情報、測位精度の要求クラス情報、要求測位鮮度情報、測位鮮度の要求クラス情報、優先度情報の全てをクライアント情報628に登録しておく以外に、要求測位精度情報とその要求クラス情報だけ、あるいは要求測位鮮度情報とその要求クラス情報だけ、あるいは要求測位精度情報だけ、あるいは要求測位鮮度情報だけといったように、一部の情報だけを登録しておく実施例も考えられる。未登録のパラメータは、指定されていないと判断される。
【0326】
本実施の形態によれば、クライアント装置601は、測位要求メッセージに、要求測位精度情報、測位精度の要求クラス情報、要求測位鮮度情報、測位鮮度の要求クラス情報、優先度情報を含める必要がなくなる。
(発明の第9の実施の形態)
本発明の第9の実施の形態は、以下説明する点で前述の第7の実施の形態と異なるが、その他の点では第7の実施の形態と同じである。以下相違点につき説明する。
【0327】
図24を参照すると、本発明の第9の実施の形態に係るGMLC装置602は、記憶機能ユニット624とマージ機能ユニット629とを更に含む。クライアント装置601のクライアント識別子に対応付けて、要求測位精度情報、測位精度の要求クラス情報、要求測位鮮度情報、測位鮮度の要求クラス情報、測位精度と測位鮮度のどちらを優先するかを示す優先度情報の各情報を含むクライアント情報628が記憶機能ユニット624に予め登録されている。マージ機能ユニット629は、測位要求確認機能ユニット625と測位応答生成機能ユニット626との間に設けられている。
【0328】
マージ機能ユニット629は、クライアント装置601からの測位要求を測位要求確認機能ユニット625から受け取り、その測位要求で要求測位精度情報、測位精度の要求クラス情報、要求測位鮮度情報、測位鮮度の要求クラス情報、優先度情報の全てが指定されているときは、受け取った測位要求をそのまま測位応答生成機能ユニット627に転送する。これら情報の何れか1つでも指定されていない場合、その測位要求で指定されているクライアント識別子をキーにクライアント情報628を検索し、そのクライアント装置601が事前に登録した要求測位精度情報、測位精度の要求クラス情報、要求測位鮮度情報、測位鮮度の要求クラス情報、優先度情報のうち、測位要求で未指定であったパラメータの登録値を、測位要求に追加して測位応答生成機能ユニット627に転送する。
【0329】
ここで、要求測位精度情報、測位精度の要求クラス情報、要求測位鮮度情報、測位鮮度の要求クラス情報、優先度情報の全てのパラメータをクライアント情報628に登録しておくことに代え、要求測位精度情報とその要求クラス情報だけ、あるいは要求測位鮮度情報とその要求クラス情報だけ、あるいは要求測位精度情報だけ、あるいは要求測位鮮度情報だけといったように、一部のパラメータだけを登録しておく変更例も考えられる。クライアント情報628に登録されていないパラメータが、測位要求でも指定されていない場合には、そのパラメータは存在しないものとして処理される。
【0330】
また、測位応答生成機能ユニット627は、測位処理を起動する際には、マージ機能ユニット629から渡された測位要求メッセージを測位要求機能ユニット621からSGSN/MSC装置603に送出する。
【0331】
本実施の形態によれば、クライアント装置601が、測位要求メッセージで、要求測位精度情報、測位精度の要求クラス情報、要求測位鮮度情報、測位鮮度の要求クラス情報、優先度情報を指定した場合には、その指定したものが使用され、測位要求メッセージで指定されていないものは、クライアント情報628に事前に登録されたものが使用される。このため、クライアント装置601は、事前に登録した要求測位精度情報、測位精度の要求クラス情報、要求測位鮮度情報、測位鮮度の要求クラス情報、優先度情報と同じものを使う場合には、測位要求メッセージにそれらの情報を含める必要がなくなる。また、事前に登録したものと異なるパラメータ値を測位要求で指定すれば、測位要求で指定したパラメータ値が優先されるため、登録値とは異なるパラメータ値を使用した測位要求も可能となる。
(発明の第10の実施の形態)
本発明の第10の実施の形態は、以下説明する点で前述の第8の実施の形態と異なるが、その他の点では第8の実施の形態と同じである。以下相違点につき説明する。
【0332】
図25を参照すると、本発明の第10の実施の形態によれば、GMLC装置602の記憶機能ユニット624に事前に登録されているクライアント情報628と同様なクライアント情報645を記憶する記憶機能ユニット646をRNC装置604に設けた。
【0333】
RNC装置604の測位応答生成機能ユニット644は、測位機能ユニット642で得られた測位結果が要求条件を満たしているかどうかを判断する際に、測位要求受信機能ユニット641で受信された測位要求に含まれるクライアント識別子をキーにクライアント情報645を検索し、そのクライアント装置601が事前に登録した要求測位精度情報、測位精度の要求クラス情報、要求測位鮮度情報、測位鮮度の要求クラス情報、優先度情報を使用する。
【0334】
本実施の形態によれば、クライアント装置601は、測位要求メッセージに、要求測位精度情報、測位精度の要求クラス情報、要求測位鮮度情報、測位鮮度の要求クラス情報、優先度情報を含める必要がなくなり、また、GMLC装置602は、測位処理を起動する際に要求測位精度情報等を測位要求メッセージに付加して送信する必要がなくなる。
(発明の第11の実施の形態)
本発明の第11の実施の形態は、以下説明する点で前述の第9の実施の形態と異なるが、その他の点では第9の実施の形態と同じである。以下相違点につき説明する。
【0335】
図26を参照すると、本発明の第11の実施の形態によれば、GMLC装置602の記憶機能ユニット624に事前に登録されているクライアント情報628と同様なクライアント情報645を記憶する記憶機能ユニット646をRNC装置604に設けた。更に、GMLC装置602のマージ機能ユニット629と同様なマージ機能ユニット647をRNC装置604に設けた。
【0336】
マージ機能ユニット647は、測位要求受信機能ユニット641で受信された測位要求で要求測位精度情報、測位精度の要求クラス情報、要求測位鮮度情報、測位鮮度の要求クラス情報、優先度情報の全てが指定されているときは、その測位要求をそのまま測位応答生成機能ユニット644に転送する。これら情報の何れか1つでも指定されていない場合、その測位要求で指定されているクライアント識別子をキーにクライアント情報645を検索し、クライアント装置601が事前に登録した要求測位精度情報、測位精度の要求クラス情報、要求測位鮮度情報、測位鮮度の要求クラス情報、優先度情報のうち、測位要求で未指定であったパラメータの登録値を、測位応答生成機能ユニット644に通知する。測位応答生成機能ユニット644は、測位機能ユニット642で得られた測位結果が要求条件を満たしているかどうかを判断する際に、マージ機能ユニット647から通知された要求測位精度情報、測位精度の要求クラス情報、要求測位鮮度情報、測位鮮度の要求クラス情報、優先度情報を使用する。
【0337】
本実施の形態によれば、クライアント装置601が、測位要求メッセージで、要求測位精度情報、測位精度の要求クラス情報、要求測位鮮度情報、測位鮮度の要求クラス情報、優先度情報を指定した場合には、その指定したものが使用され、測位要求メッセージで指定されていないものは、クライアント情報628に事前に登録されたものが使用される。このため、クライアント装置601は、事前に登録した要求測位精度情報、測位精度の要求クラス情報、要求測位鮮度情報、測位鮮度の要求クラス情報、優先度情報と同じものを使う場合には、測位要求メッセージにそれらの情報を含める必要がなくなる。また、事前に登録したものと異なるパラメータ値を測位要求で指定すれば、測位要求で指定したパラメータ値が優先されるため、登録値とは異なるパラメータ値を使用した測位要求も可能となる。さらに、GMLC装置602は、測位処理を起動する際に要求測位精度情報等を測位要求メッセージに付加して送信する必要がなくなり、クライアント装置601から受信した測位要求メッセージをそのまま転送するだけで済む。
【0338】
なお、本発明の第7乃至第11の実施の形態において、図22のステップ3の処理、即ち過去の測位結果を利用する応答の生成、を省略する変更例も考えることができる。
【0339】
以上本発明の実施の形態について説明したが、本発明は以上の実施の形態にのみ限定されず、その他各種の付加変更が可能である。また、本発明にかかる移動通信ネットワークの各ノードは、その有する機能をハードウェア的に実現することは勿論、コンピュータとプログラムとで実現することができる。プログラムは、磁気ディスクや半導体メモリ等のコンピュータ可読記録媒体に記録されてコンピュータに接続され、コンピュータの立ち上げ時などにコンピュータに読み取られ、そのコンピュータの動作を制御することにより、そのコンピュータを前述した各実施の形態における各ノードとして機能させることが可能である。
【0340】
すなわち、図2のサーバ装置102を構成するコンピュータを、測位機能ユニット121、測位要求受信機能ユニット124、応答送出機能ユニット125および測位応答生成機能ユニット126として機能させるることが可能である。
【0341】
また、図14のサーバ装置102を構成するコンピュータを、測位機能ユニット121、測位要求受信機能ユニット124、応答送出機能ユニット125および測位応答生成機能ユニット126として機能させることが可能である。
【0342】
また、図15のサーバ装置102を構成するコンピュータを、測位機能ユニット121、測位要求受信機能ユニット124、応答送出機能ユニット125、測位応答生成機能ユニット126およびマージ機能ユニット128として機能させることが可能である。
【0343】
また、図17のGMLC装置602を構成するコンピュータを、測位要求機能ユニット621、測位要求確認機能ユニット625、応答送出機能ユニット626および測位応答生成機能ユニット627として機能させることが可能である。
【0344】
また、図17のRNC装置604を構成するコンピュータを、測位要求受信機能ユニット641、測位機能ユニット642および応答送出機能ユニット643として機能させることが可能である。
【0345】
また、図19のGMLC装置602を構成するコンピュータを、測位要求機能ユニット621、測位要求確認機能ユニット625、応答送出機能ユニット626および測位応答生成機能ユニット627として機能させることが可能である。
【0346】
また、図19のRNC装置604を構成するコンピュータを、測位要求受信機能ユニット641、測位機能ユニット642および応答送出機能ユニット643として機能させることが可能である。
【0347】
また、図20のGMLC装置602を構成するコンピュータを、測位要求機能ユニット621、測位要求確認機能ユニット625、応答送出機能ユニット626、測位応答生成機能ユニット627およびマージ機能ユニット629として機能させることが可能である。
【0348】
また、図20のRNC装置604を構成するコンピュータを、測位要求受信機能ユニット641、測位機能ユニット642および応答送出機能ユニット643として機能させることが可能である。
【0349】
また、図21のGMLC装置602を構成するコンピュータを、測位要求機能ユニット621、測位要求確認機能ユニット625、応答送出機能ユニット626および測位応答生成機能ユニット627として機能させることが可能である。
【0350】
また、図21のRNC装置604を構成するコンピュータを、測位要求受信機能ユニット641、測位機能ユニット642、測位応答生成機能ユニット644および応答送出機能ユニット643として機能させることが可能である。
【0351】
また、図23のGMLC装置602を構成するコンピュータを、測位要求機能ユニット621、測位要求確認機能ユニット625、応答送出機能ユニット626および測位応答生成機能ユニット627として機能させることが可能である。
【0352】
また、図23のRNC装置604を構成するコンピュータを、測位要求受信機能ユニット641、測位機能ユニット642、測位応答生成機能ユニット644および応答送出機能ユニット643として機能させることが可能である。
【0353】
また、図24のGMLC装置602を構成するコンピュータを、測位要求機能ユニット621、測位要求確認機能ユニット625、応答送出機能ユニット626、測位応答生成機能ユニット627およびマージ機能ユニット639として機能させることが可能である。
【0354】
また、図24のRNC装置604を構成するコンピュータを、測位要求受信機能ユニット641、測位機能ユニット642、測位応答生成機能ユニット644および応答送出機能ユニット643として機能させることが可能である。
【0355】
また、図25のGMLC装置602を構成するコンピュータを、測位要求機能ユニット621、測位要求確認機能ユニット625、応答送出機能ユニット626および測位応答生成機能ユニット627として機能させことが可能である。
【0356】
また、図25のRNC装置604を構成するコンピュータを、側位要求受信機能ユニット641、測位機能ユニット642、測位応答生成機能ユニット644および応答送出機能ユニット643として機能させることが可能である。
【0357】
また、図26のGMLC装置602を構成するコンピュータを、測位要求機能ユニット621、測位要求確認機能ユニット625、応答送出機能ユニット626、測位応答生成機能ユニット627およびマージ機能ユニット639として機能させることが可能である。
【0358】
また、図26のRNC装置604を構成するコンピュータを、測位要求受信機能ユニット641、測位機能ユニット642、測位応答生成機能ユニット644、応答送出機能ユニット643およびマージ機能ユニット647として機能させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0359】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかる移動通信ネットワークの構成図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態にかかる移動通信ネットワークにおける各ノードのブロック図である。
【図3】過去の測位結果を利用し、測位精度に基づいて測位結果の選択を行う場合の処理フローを示す図である。
【図4】新たに測位して得た測位結果を利用し、測位精度に基づいて測位結果の選択を行う場合の処理フローを示す図である。
【図5】過去の測位結果を利用し、測位鮮度に基づいて測位結果の選択を行う場合の処理フローを示す図である。
【図6】新たに測位して得た測位結果を利用し、測位鮮度に基づいて測位結果の選択を行う場合の処理フローを示す図である。
【図7】過去の測位結果を利用し、測位精度および測位鮮度に基づいて測位結果の選択を行う場合の処理フローの一部を示す図である。
【図8】過去の測位結果を利用し、測位精度および測位鮮度に基づいて測位結果の選択を行う場合の処理フローの一部を示す図である。
【図9】過去の測位結果を利用し、測位精度および測位鮮度に基づいて測位結果の選択を行う場合の処理フローの一部を示す図である。
【図10】測位精度と測位精度の双方に基づいて測位結果の選択を行う場合の、測位結果選択処理内容を定義したテーブルの図である。
【図11】新たに測位して得た測位結果を利用し、測位精度および測位鮮度に基づいて測位結果の選択を行う場合の処理フローの一部を示す図である。
【図12】新たに測位して得た測位結果を利用し、測位精度および測位鮮度に基づいて測位結果の選択を行う場合の処理フローの一部を示す図である。
【図13】新たに測位して得た測位結果を利用し、測位精度および測位鮮度に基づいて測位結果の選択を行う場合の処理フローの一部を示す図である。
【図14】本発明の第2の実施の形態にかかる移動通信ネットワークにおける各ノードのブロック図である。
【図15】本発明の第3の実施の形態にかかる移動通信ネットワークにおける各ノードのブロック図である。
【図16】本発明の第4の実施の形態にかかる移動通信ネットワークの構成図である。
【図17】本発明の第4の実施の形態にかかる移動通信ネットワークにおける各ノードのブロック図である。
【図18】本発明の第4の実施の形態にかかる移動通信ネットワークにおける測位処理手順を示す信号フロー図である。
【図19】本発明の第5の実施の形態にかかる移動通信ネットワークにおける各ノードのブロック図である。
【図20】本発明の第6の実施の形態にかかる移動通信ネットワークにおける各ノードのブロック図である。
【図21】本発明の第7の実施の形態にかかる移動通信ネットワークにおける各ノードのブロック図である。
【図22】本発明の第7の実施の形態にかかる移動通信ネットワークにおける測位処理手順を示す信号フロー図である。
【図23】本発明の第8の実施の形態にかかる移動通信ネットワークにおける各ノードのブロック図である。
【図24】本発明の第9の実施の形態にかかる移動通信ネットワークにおける各ノードのブロック図である。
【図25】本発明の第10の実施の形態にかかる移動通信ネットワークにおける各ノードのブロック図である。
【図26】本発明の第11の実施の形態にかかる移動通信ネットワークにおける各ノードのブロック図である。
【符号の説明】
【0360】
101 端末の測位結果を必要とするクライアント装置
102 測位処理を制御するサーバ装置
103 測位対象となる移動機(端末)
601 移動機(UE装置)の測位結果を必要とするクライアント装置
602 測位処理を制御するGMLC装置
603 移動機が接続するRNC装置を管理するSGSN/MSC装置
604 移動機が接続するNode-Bを管理するRNC装置
605 移動機が無線通信により接続するNode-B装置
606 測位対象となる移動機(UE装置)
607 移動機が接続しているSGSN/MSCの情報を保持するHLR/HSS装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動機の位置情報を要求する測位要求をクライアント装置から受信する測位要求受信手段と、
前記移動機のプライバシ設定情報を記憶する記憶手段と、
前記測位要求を受信した後、前記プライバシ設定情報に基づきプライバシチェックを実行するチェック手段と、
前記チェック手段の結果に基づき前記測位要求を送信する測位要求送信手段と、
前記測位要求送信手段により送信された前記測位要求に基づく測位処理の結果を受信する測位処理結果受信手段と、
前記測位処理の結果を前記クライアント装置に送信する測位処理結果送信手段と、
を有することを特徴とするゲートウェイ装置。
【請求項2】
前記測位処理の結果は、前記位置情報またはエラー通知であることを特徴とする請求項1記載のゲートウェイ装置。
【請求項3】
前記測位要求は、少なくとも要求測位精度情報と測位精度の要求クラス情報とを含み、
前記測位処理結果送信手段は、前記要求測位精度情報及び前記要求クラス情報に基づき、前記測位処理の結果を送信することを特徴とする請求項1または2記載のゲートウェイ装置。
【請求項4】
前記測位処理結果送信手段は、
前記位置情報の精度が前記要求測位精度情報の精度を満たさず、かつ前記要求クラス情報が第一のクラス”Assured”である場合は前記エラー通知を送信し、
前記位置情報の精度が前記要求測位精度情報の精度を満たさず、かつ前記要求クラス情報が第二のクラス”Best effort”である場合は前記位置情報を送信することを特徴とする請求項3記載のゲートウェイ装置。
【請求項5】
過去の測位処理の結果を保持する保持手段と、
前記クライアント装置から受信する前記測位要求が前記過去の測位処理の結果を許容するか否かを判断する判断手段と、を有し、
前記測位処理結果送信手段は、前記測位要求が前記過去の測位処理の結果を許容する場合に、前記過去の測位処理の結果を前記クライアント装置に送信することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のゲートウェイ装置。
【請求項6】
前記測位処理結果送信手段は、前記保持手段にて保持された前記過去の測位処理の結果のうち、最も精度の高い測位結果または最新の測位結果を送信することを特徴とする請求項5に記載のゲートウェイ装置。
【請求項1】
移動機の位置情報を要求する測位要求をクライアント装置から受信する測位要求受信手段と、
前記移動機のプライバシ設定情報を記憶する記憶手段と、
前記測位要求を受信した後、前記プライバシ設定情報に基づきプライバシチェックを実行するチェック手段と、
前記チェック手段の結果に基づき前記測位要求を送信する測位要求送信手段と、
前記測位要求送信手段により送信された前記測位要求に基づく測位処理の結果を受信する測位処理結果受信手段と、
前記測位処理の結果を前記クライアント装置に送信する測位処理結果送信手段と、
を有することを特徴とするゲートウェイ装置。
【請求項2】
前記測位処理の結果は、前記位置情報またはエラー通知であることを特徴とする請求項1記載のゲートウェイ装置。
【請求項3】
前記測位要求は、少なくとも要求測位精度情報と測位精度の要求クラス情報とを含み、
前記測位処理結果送信手段は、前記要求測位精度情報及び前記要求クラス情報に基づき、前記測位処理の結果を送信することを特徴とする請求項1または2記載のゲートウェイ装置。
【請求項4】
前記測位処理結果送信手段は、
前記位置情報の精度が前記要求測位精度情報の精度を満たさず、かつ前記要求クラス情報が第一のクラス”Assured”である場合は前記エラー通知を送信し、
前記位置情報の精度が前記要求測位精度情報の精度を満たさず、かつ前記要求クラス情報が第二のクラス”Best effort”である場合は前記位置情報を送信することを特徴とする請求項3記載のゲートウェイ装置。
【請求項5】
過去の測位処理の結果を保持する保持手段と、
前記クライアント装置から受信する前記測位要求が前記過去の測位処理の結果を許容するか否かを判断する判断手段と、を有し、
前記測位処理結果送信手段は、前記測位要求が前記過去の測位処理の結果を許容する場合に、前記過去の測位処理の結果を前記クライアント装置に送信することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のゲートウェイ装置。
【請求項6】
前記測位処理結果送信手段は、前記保持手段にて保持された前記過去の測位処理の結果のうち、最も精度の高い測位結果または最新の測位結果を送信することを特徴とする請求項5に記載のゲートウェイ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【公開番号】特開2013−42505(P2013−42505A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−183133(P2012−183133)
【出願日】平成24年8月22日(2012.8.22)
【分割の表示】特願2011−157271(P2011−157271)の分割
【原出願日】平成16年4月5日(2004.4.5)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年8月22日(2012.8.22)
【分割の表示】特願2011−157271(P2011−157271)の分割
【原出願日】平成16年4月5日(2004.4.5)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
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