説明

移植ポンプ用の補充キット

【課題】 容易にIDIPのタンクを空にして薬物または他の作用物質をタンク内に補充できるシステムを提供すること。
【解決手段】 移植ポンプを補充するためのキットであって、第1のシリンジと、第2のシリンジと、3つのポート及びアクチュエータを備えた三方ストップコックとを含む。アクチュエータにより、2つのポートのみを選択的に連通させることができる。第1のシリンジが第1のポートに連通し、第2のシリンジが第2のポートに連通し、注入針が第3のポートに連通している。アクチュエータは、第1のシリンジが第2のシリンジに連通し、注入針が第1のシリンジ及び第2のシリンジから遮断された第1の位置と、前記第2のシリンジが注入針に連通し、第1のシリンジが第2のシリンジ及び注入針から遮断された第2の位置との間で選択的に移動可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、補充キットに関する。詳細には、本発明は、高圧下の流体タンクを有する移植ポンプの補充キットに関する。
【背景技術】
【0002】
移植用薬物注入ポンプ(IDIP)は、脊柱の髄腔領域などの患者の特定の部位に鎮痛薬、神経成長因子、及び抗痙性薬などの様々な薬物や他の作用物質を医師が投与する際の強力な医療器具である。またIDIPにより、患者が、通常は車輪付きカートを引きずらなければならない一般的な静脈薬物注入装置の制限を受けなくて済む。
【0003】
IDIPは、通常は患者の腹部に皮下的に外科移植される。IDIPは、薬物や作用物質を蓄える内部タンクを有する。移植後、薬物または作用物質が、ポンプに取り付けられ選択部位まで延びたカテーテルを介して患者の選択部位に送達される。
【0004】
患者に移植される前に、IDIPを適当な薬物または作用物質で満たさなければならない。長期使用の多くの場合では、ポンプが患者の体内に移植された状態で補充を行わなければならない。この補充は通常、患者の皮膚に刺入して皮下のIDIPに接続された皮下針を介して薬物または作用物質を注入して行われる。しかしながら、IDIPに補充する前に、まずタンク内に残っている薬物または作用物質を排出しなければならない。通常は、単に注入針を収集シリンジに接続してタンクを空にする。次いで、収集シリンジを、注入針に接続されたチューブから取り外す。次いで、従来の方法でIDIPに補充する。
【0005】
IDIPにおいて、高圧ガスを圧力チャンバー内に導入して、薬物または作用物質を受容するタンクに圧力を加える。タンクは、通常はタンクの容量が変化できるようにベローズ構造によって画定されている。高圧ガスは、タンク内の薬物または他の作用物質を排出するべくベローズ構造を押圧するベローズ構造に対する加圧手段として作用する。このような「ガス式IDIP」を作動させるために用いる高圧ガスは、通常の体温である約37℃で液相と気相との間で相変態する(すなわち、相が平衡となる)流体である。IDIPでは、高圧ガスは、ベローズ構造に約62kPa〜約248kPa(9psi〜36psi)の圧力を加えるように選択される。
【0006】
上記したように、IDIPが補充される場合、薬物または他の作用物質がシリンジからIDIPに送られ、そこでタンクに導入される。しかしながら、薬物または他の作用物質は、圧力チャンバーの高圧ガスによるタンクへの圧力に打ち勝つ十分な圧力でタンクに導入しなければならない。場合によっては、薬物または他の作用物質は、約248kPa(36psi)よりも高い圧力で導入しなければならない。
【0007】
液圧の原理により、この約248kPa(36psi)の圧力が、シリンジ内のプランジャーの全断面積にかかる。IDIPが補充される場合、通常はIDIPの全タンク容量が補充される。IDIPは通常、20ml、40ml、または50mlのタンク容量を有することができる。例えば、50mlタンクのIDIPを補充するには、薬剤師が、通常は50mlの薬物または他の作用物質を用意し、この容量に適した大きさ、この場合は50mlの薬剤シリンジに導入する。50ml薬剤シリンジはIDIPに直接接続することができる。
【0008】
周知の通り、10mlシリンジなどの比較的小さいシリンジのプランジャーの断面積は、50mlシリンジなどの大きいシリンジの断面積よりも小さい。従って、シリンジ内の薬物または他の作用物質に約248kPa(36psi)の圧力を加えるために必要な力は、プランジャーの断面積に約248kPa(36psi)を乗じて求めることができる。50mlシリンジの場合、この力は約11.4kg(25ポンド)のオーダーである。この力は、一般の人が手で発生させることができる力を越えている。一方、10mlシリンジの断面積は、50mlシリンジの断面積よりも相当小さく、10mlシリンジ内の薬物または他の作用物質に約248kPa(36psi)の圧力を加えるために必要な力は約2.7kg(6ポンド)である。この力は、大抵の人が手で発生させることができる力の範囲内である。
【0009】
この結果、多くの医師が、50mlタンクポンプなどの大きなタンクポンプに補充する場合、1つの大きなシリンジではなく10mlまたは20mlシリンジなどの複数の小さなシリンジに50mlの薬物または他の作用物質を充填するように薬剤師に要求する。このような小さなシリンジを用いると、たとえ圧力チャンバー内に比較的な高い高圧ガス圧力を有するポンプであっても、医師が薬物または他の作用物質をタンクに補充することができる。残念ながら、1つの大きなシリンジの代わりに複数の小さなシリンジを用いると、1回で済む大きなシリンジの場合とは異なり、シリンジ毎にインレットへの取り付け及び取り外しを行わなければならない。取り付けと取り外しの回数が多いため、システム内の感染のリスクや他の問題が起こる可能性が増大する。
【0010】
特許文献1に、薬剤シリンジとシステムの滅菌接続を解除する回数を最小限にしてIDIPのタンク内に医師が薬物または他の作用物質を補充できるシステムを提供することで上記問題の一部を解消した弁付きコネクタが開示されている。しかしながら、このシステムが適切に作動するように補充サイクルの所定の時期に開閉しなければならない補充チューブラインを手で締め付けなければならない。また、このシステムは、コネクタに逆止め弁を含む。この逆止め弁は、第1のシリンジの第1の入口ポートと第2のシリンジの第2の入口ポートが中心内腔に接続された点との間の中心内腔に配置しなければならない。逆止め弁はまた、流体が第1の入口ポートから中心内腔にのみ流れ、第2の入口ポートから第1の入口ポートへは決して流れないように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第6,360,784号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上記説明を考慮すると、医師が容易にIDIPのタンクを空にし、次いで薬物または他の作用物質をタンク内に補充できるシステムを提供するのが理想的である。本発明は、上記した欠点を解消するものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の上記した及び他の目的は、第1のシリンジと、第2のシリンジと、3つのポート及びアクチュエータを備えた三方ストップコックとを含む移植ポンプ補充キットで達成することができる。アクチュエータにより、2つのポートのみを選択的に連通させることができる。第1のシリンジが第1のポートに連通し、第2のシリンジが第2のポートに連通し、注入針が第3のポートに連通している。アクチュエータは、第1のシリンジが第2のシリンジに連通し、注入針が第1のシリンジ及び第2のシリンジから遮断された第1の位置と、前記第2のシリンジが注入針に連通し、第1のシリンジが第2のシリンジ及び注入針から遮断された第2の位置との間で選択的に移動可能である。
【発明の効果】
【0014】
容易にIDIPのタンクを空にして薬物または他の作用物質をタンク内に補充できるシステムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】薬物または作用物質で満たされる第2のシリンジを示す本発明に従った移植ポンプ補充キットの平面図である。
【図2】第2のシリンジで移植ポンプに薬物または作用物質が注入されている移植ポンプ補充キットの平面図である。
【図3】空になるポンプのタンクを示す移植ポンプ補充キットの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の上記した及び他の目的、特徴、及び利点は、添付の図面を参照しながら、以下に示す本発明の特定の実施形態の詳細な説明を読めば明らかになるであろう。全ての図面において、同じ参照符号は同じ構成要素を指す。
【0017】
図1‐図3を参照すると、移植ポンプ12を補充するためのキット10が例示されている。キット10は、第1のシリンジ14、第2のシリンジ16、三方ストップコック18、及びフィルター20を含む。三方ストップコック20は、3つのポート22、24、26と、選択的に2つのみのポート間を連通させるアクチュエータ28を含む。第1のシリンジ14は第1のポート22に連通している。第2のシリンジ16は第2のポート24に連通している。
【0018】
注入針30が第3のポート26に連通している。アクチュエータ28は、図1に示されている第1の位置とアクチュエータが矢印Aの方向に90度回動した図2に示されている第2の位置との間で選択的に移動可能である。第1の位置では、第1のシリンジ14が第2のシリンジ16に連通し、注入針30が第1のシリンジ14及び第2のシリンジ16から遮断される。第2の位置では、第2のシリンジ16が注入針30と連通し、第1のシリンジ14が第2のシリンジ16及び注入針30から遮断される。
【0019】
第1のシリンジ14は50ml〜60mlシリンジであるのが好ましく、第2のシリンジは10mlシリンジであるのが好ましい。
【0020】
図面に例示されているように、第1のシリンジ14は、接続チューブ32によって第1のポート22に連通するのが好ましい。第2のシリンジ16は、第2のポート24に直接連通するのが好ましい。注入針30は、接続チューブ34によって第3のポート26に連通するように配置されるのが好ましい。これら全ての接続は、当分野で周知のルアロック接続によって行うのが好ましい。
【0021】
ポンプ12が移植され使用されている場合は、医師は、薬物が送達された容量を確認するために、補充する前にタンクを空にすべきである。加えて、異なった濃度または異なった薬物を送達しなければならない場合、まずタンクを空にして、次いでタンクを洗浄するのが好ましい。図3を参照すると、タンクを空にするために収集シリンジ40が第2のポート24に接続され、シリコーンストッパー42がシリンジ40の開口端に確実に嵌合している。ストップコックアクチュエータ28が第1の位置にある。注入針30を、従来の方法でポンプのタンク内に挿入することができる。ストッパー42を緩めて、次いでストップコックアクチュエータ28を矢印Aの方向に移動させて第2の位置にする。すると、ポンプ12内の高圧ガスによってタンクにかかる力によりタンクの内容物が収集シリンジ内に収集される。タンクが空になったら、アクチュエータ28を回動させて第1の位置にする。次いで、医師が収集シリンジ40を第2のポート24から取り外し、タンクから除去した流体の量を記録する。
【0022】
場合によっては、医師が、タンクを補充する前に生理食塩水で洗浄した方が良いか決定する。洗浄した方が良い場合は、本発明の三方ストップコックにより、タンクの補充に用いるのと全て同じ構造を用いて、単純な方法でストップコックを用いてタンクを空にするのと同様に、比較的容易に洗浄を行うことができる。タンクを洗浄するには、使用者が、それぞれが5mlの生理食塩水を含む2つの10mlシリンジ(不図示)を用意するのが好ましい。第1の生理食塩水充填シリンジを、ストップコック18の第2のポート24に接続する。ストップコックハンドル28を回動させて第2の位置にする。生理食塩水をゆっくりとタンクに注入する。次いで、使用者がシリンジプランジャーで圧力を加えるのを停止して、生理食塩水をシリンジに逆流させることができる。ストップコックハンドル28を回動させて第1の位置にする。次いで、第1のシリンジを第2のポート24から取り外し、逆流した生理食塩水を適切に廃棄する。次いで、第2の生理食塩水充填シリンジをストップコック18の第2のポート24に接続する。ストップコックハンドル28を回動させて第2の位置にする。次いで、使用者が生理食塩水を第2のシリンジからゆっくりとタンクに注入する。次いで、使用者がシリンジプランジャーで圧力を加えるのを停止して、生理食塩水を第2のシリンジに逆流させることができる。次いで、ストップコックハンドル28を回動させて第1の位置にする。次いで、第2のシリンジを第2のポート24から取り外し、逆流した生理食塩水を適切に廃棄する。
【0023】
移植したポンプ12のタンクを初めに充填または補充(以降、全て補充と呼ぶ)するには、使用者が第1のシリンジ14を第1のポート22に接続する。次いで、第2のシリンジ16を第2のポート24に接続する。注入針30を、まだ接続していない場合は、第3のポート26に接続する。注入針30を、移植ポンプのタンクと連通するように移植ポンプ12に配置する。三方ストップコック18を、図1に示されているように、第1のシリンジ14が第2のシリンジ16に連通し、注入針30が第1のシリンジ14及び第2のシリンジ16から遮断された第1の位置にする。第1のシリンジ14のプランジャーを押して、または第2のシリンジ16のプランジャーを引いて、或いはこれら両方の動作を組み合わせて、流体を第1のシリンジ14から第2のシリンジ16に移送する。第1のシリンジ14から第2のシリンジ16に流体を移送し終ったら、三方ストップコックのハンドル28を、図2の矢印Aに示されているように回動させて、図2に例示されているように、第2のシリンジ16が注入針30に連通し、第1のシリンジ14が第2のシリンジ16及び注入針30から遮断された第2の位置にする。第2のシリンジ16のプランジャーを押して、流体を第2のシリンジ16から注入針30を介して移植ポンプのタンク内に注入する。第2のシリンジ16のプランジャーの断面積が第1のシリンジ14のプランジャーの断面積よりも小さいため、使用者が、IDIP内のタンクにかかっている圧力に打ち勝つ第2のシリンジのプランジャーを押すのに必要な力を手で加えることができ、薬物または他の作用物質をタンクに注入することができる。
【0024】
次いで、ストップコック18を回動させて第1の位置に戻し、このサイクルを必要なだけ繰り返して移植ポンプのタンクを補充することができる。
【0025】
上記したように、本発明の好適な実施形態を用いて本発明の基本的な新規の特徴を図面を用いて説明してきたが、当業者であれば、本発明の範囲及び概念から逸脱することなく例示した装置の形態及び細部の様々な省略、置換、及び変更が可能であることを理解できよう。例えば、同様の結果を得るために実質的に同様の方法で実質的に同じ機能を果たす構成要素及び/またはステップの全ての組み合わせが本発明の範囲内である。記載した実施形態の構成要素を別の実施形態に適用することも本発明の範囲内である。また、図面は必ずしも縮尺通りではなく、単に概念を表わすものであることを理解されたい。従って、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ規定されるものである。
【0026】
本発明の実施態様は以下の通りである。
(A)移植ポンプを補充するためのキットであって、
第1のシリンジと、
第2のシリンジと、
3つのポート及びアクチュエータを備えた三方ストップコックであって、前記アクチュエータが、前記ポートの2つのポートのみを選択的に連通させることができ、前記第1のシリンジが前記ポートの第1のポートに選択的に連通し、前記第2のシリンジが前記ポートの第2のポートに選択的に連通する、前記三方ストップコックと、
前記ポートの第3のポートに連通した注入針とを含み、
前記アクチュエータが、前記第1のシリンジが前記第2のシリンジに連通し、前記注入針が前記第1のシリンジ及び前記第2のシリンジから遮断された第1の位置と、前記第2のシリンジが前記注入針に連通し、前記第1のシリンジが前記第2のシリンジ及び前記注入針から遮断された第2の位置との間で選択的に移動可能であることを特徴とするキット。
(1)更に、前記第1のシリンジ及び前記ポートの前記第1のポートに連通したフィルターを含むことを特徴とする実施態様(A)に記載のキット。
(2)前記第1のシリンジが50mlシリンジであり、前記第2のシリンジが10mlシリンジであることを特徴とする実施態様(A)に記載のキット。
(3)更に、前記ポートの前記第2のポートに選択的に連通する収集シリンジを含むことを特徴とする実施態様(A)に記載のキット。
(4)更に、前記収集シリンジの開口端に配置されたストッパーを含むことを特徴とする実施態様(3)に記載のキット。
(B)システムであって、
タンク及び補充ポートを備えた移植ポンプと、
移植ポンプを補充するためのキットとを含み、前記キットが、
第1のシリンジと、
第2のシリンジと、
3つのポート及びアクチュエータを備えた三方ストップコックであって、前記アクチュエータが、前記ポートの2つのポートのみを選択的に連通させることができ、前記第1のシリンジが前記ポートの第1のポートに連通し、前記第2のシリンジが前記ポートの第2のポートに連通する、前記三方ストップコックと、
前記移植ポンプの前記タンクを補充するために前記タンクに連通するように適合された先端部を有する、前記ポートの第3のポートに連通した注入針とを含み、
前記アクチュエータが、前記第1のシリンジが前記第2のシリンジに連通し、前記注入針が前記第1のシリンジ及び前記第2のシリンジから遮断された第1の位置と、前記第2のシリンジが前記注入針に連通し、前記第1のシリンジが前記第2のシリンジ及び前記注入針から遮断された第2の位置との間で選択的に移動可能であることを特徴とするシステム。
(5)更に、前記第1のシリンジ及び前記ポートの前記第1のポートに連通したフィルターを含むことを特徴とする実施態様(B)に記載のシステム。
【0027】
(6)前記第1のシリンジが50mlシリンジであり、前記第2のシリンジが10mlシリンジであることを特徴とする実施態様(B)に記載のシステム。
(7)更に、前記ポートの前記第2のポートに選択的に連通する収集シリンジを含むことを特徴とする実施態様(B)に記載のシステム。
(8)更に、前記収集シリンジの開口端に配置されたストッパーを含むことを特徴とする実施態様(7)に記載のシステム。
(C)流体を第1のシリンジから第2のシリンジ、そして前記第2のシリンジから移植ポンプのタンクに移送するための方法であって、
移植ポンプ補充システムを用意するステップであって、前記システムが、
第1のシリンジと、
第2のシリンジと、
3つのポート及びアクチュエータを備えた三方ストップコックであって、前記アクチュエータが、前記ポートの2つのポートのみを選択的に連通させることができ、前記第1のシリンジが前記ポートの第1のポートに選択的に連通し、前記第2のシリンジが前記ポートの第2のポートに選択的に連通する、前記三方ストップコックと、
前記ポートの第3のポートに連通した注入針とを含む、前記ステップと、
前記第1のシリンジを前記ポートの前記第1のポートに接続するステップと、
前記第2のシリンジを前記ポートの前記第2のポートに接続するステップと、
前記注入針を前記ポートの前記第3のポートに接続するステップと、
前記注入針を、移植ポンプのタンクに連通するように前記移植ポンプに配置するステップと、
前記三方ストップコックを、前記第1のシリンジが前記第2のシリンジに連通し、前記注入針が前記第1のシリンジ及び前記第2のシリンジから遮断された第1の位置に合わせるステップと、
流体を前記第1のシリンジから前記第2のシリンジに移送するステップと、
流体を前記第1のシリンジから前記第2のシリンジに移送した後、前記三方ストップコックを、前記第2のシリンジが前記注入針に連通し、前記第1のシリンジが前記第2のシリンジ及び前記注入針から遮断された第2の位置に合わせるステップと、
前記第2のシリンジのプランジャーを押して、流体を前記第2のシリンジから前記注入針を介して前記移植ポンプの前記タンク内に注入するステップとを含むことを特徴とする方法。
(9)更に、前記第2のシリンジを接続する前記ステップの前に、前記三方ストップコックを前記第1の位置に合わせるステップと、収集シリンジを前記ポートの前記第2のポートに接続するステップと、前記三方ストップコックを前記第2の位置に合わせるステップと、前記タンクの内容物を前記収集シリンジ内に収集するステップとを含むことを特徴とする実施態様(C)に記載の方法。
(10)更に、前記収集するステップの後、前記三方ストップコックを前記第1の位置に合わせるステップと、前記収集シリンジを前記ポートの前記第2のポートから取り外すステップとを含むことを特徴とする実施態様(9)に記載の方法。
【0028】
(11)更に、前記収集シリンジを取り外す前記ステップの後、生理食塩水充填シリンジを前記ポートの前記第2のポートに接続するステップと、前記三方ストップコックを前記第2の位置に合わせるステップと、生理食塩水を前記生理食塩水充填シリンジから前記タンク内に注入するステップと、前記生理食塩水を前記生理食塩水充填シリンジに逆流させるステップと、前記三方ストップコックを前記第1の位置に合わせるステップと、前記生理食塩水充填シリンジを前記ポートの前記第2のポートから取り外すステップとを含むことを特徴とする実施態様(10)に記載の方法。
(12)更に、前記生理食塩水充填シリンジを取り外す前記ステップの後、第2の生理食塩水充填シリンジを前記ポートの前記第2のポートに接続するステップと、前記三方ストップコックを前記第2の位置に合わせるステップと、生理食塩水を前記第2の生理食塩水充填シリンジから前記タンク内に注入するステップと、前記生理食塩水を前記第2の生理食塩水充填シリンジに逆流させるステップと、前記三方ストップコックを前記第1の位置に合わせるステップと、前記第2の生理食塩水充填シリンジを前記ポートの前記第2のポートから取り外すステップとを含むことを特徴とする実施態様(11)に記載の方法。
【符号の説明】
【0029】
10 キット
12 ポンプ
14 第1のシリンジ
16 第2のシリンジ
18 三方ストップコック
20 フィルター
22 第1のポート
24 第2のポート
26 第3のポート
28 アクチュエータ
30 注入針
32、34 接続チューブ
40 収集シリンジ
42 ストッパー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移植ポンプを補充するためのキットであって、
第1のシリンジと、
第2のシリンジと、
3つのポート及びアクチュエータを備えた三方ストップコックであって、前記アクチュエータが、前記ポートの2つのポートのみを選択的に連通させることができ、前記第1のシリンジが前記ポートの第1のポートに選択的に連通し、前記第2のシリンジが前記ポートの第2のポートに選択的に連通する、前記三方ストップコックと、
前記ポートの第3のポートに連通した注入針とを含み、
前記アクチュエータが、前記第1のシリンジが前記第2のシリンジに連通し、前記注入針が前記第1のシリンジ及び前記第2のシリンジから遮断された第1の位置と、前記第2のシリンジが前記注入針に連通し、前記第1のシリンジが前記第2のシリンジ及び前記注入針から遮断された第2の位置との間で選択的に移動可能であることを特徴とするキット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−104443(P2011−104443A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−51797(P2011−51797)
【出願日】平成23年3月9日(2011.3.9)
【分割の表示】特願2004−316519(P2004−316519)の分割
【原出願日】平成16年10月29日(2004.10.29)
【出願人】(500140415)コドマン・アンド・シャートレフ・インコーポレイテッド (34)
【氏名又は名称原語表記】Codman & Shurtleff, Inc.
【住所又は居所原語表記】325 Paramount Drive, Raynham, Massachusetts 02767−0350, U.S.A.
【Fターム(参考)】