説明

稼働時間管理システム

【課題】所定時間外(端末利用可能時間外)における端末装置の利用を制限すると共に、端末装置の利用者とその管理者との間で、端末利用可能時間の設定変更を円滑に申請・チェック・承認できるための稼働時間管理システムを提供する。
【解決手段】管理サーバ2に利用者5の端末利用可能時間帯を登録しておき、クライアント端末1が管理サーバ2に対して端末利用可能時間22bを照会したときに、現在時刻がその端末利用可能時間帯の範囲外にある時は、クライアント端末1のシャットダウンを実行するとともに、端末利用可能時間帯の変更は、利用者5からの変更受付、管理サーバ2から管理者への変更内容の通知、管理者から管理サーバ2への変更内容の承認といった各手順を、管理サーバ2にて管理する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末装置の稼働時間を管理するため、所定時間外(端末利用可能時間外)における端末装置の利用を制限すると共に、端末装置の利用者とその管理者との間で、端末利用可能時間の設定変更を円滑に申請・チェック・承認できる稼働時間管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
勤務管理の適正化を目的として、コンピュータ(端末装置)を使用する利用者(従業員等)に対しては、従来の勤怠管理システムとあわせて、コンピュータの起動(ログイン)や停止(ログアウト、シャットダウン)の時間を把握するという動きがみられるようになってきた。とくに、フレックスタイム制度や裁量労働制度といった、弾力的な勤務時間設定を認めている企業では、従来の勤怠管理システムで入力された勤務時間と、コンピュータを利用した実績時間との比較を行うことがあり、勤怠状況をチェックするための有効な手法として活用している。
一方、こういったコンピュータの実績時間把握だけでは、管理者(上司等)による利用者の勤怠管理が事後的なものとなってしまい、計画的な勤怠管理を遂行することが困難である。こういった計画的な管理手法の一つとして、利用者のコンピュータに対して電源制御を行うといった方法が考えられる。このような電源制御を行うことで、定時外勤務や残業などといった勤務管理の効率化も期待される。
【0003】
たとえば、特許文献1では、パソコンを自動制御するカレンダー情報を一元管理することを目的に、パソコン内に設けられたタイマーカードとカレンダー情報を交換しタイマーカードにカレンダー情報を登録する手段と、タイマーカードのカレンダー情報によりパソコン内のカレンダー情報を修正する手段と、を備えたパソコンと、タイマーカードと接続し、タイマーカードからの指令に従いパソコンの電源をオン/オフするリレーボックスと、を具備し、タイマーカードは、カレンダー情報を管理するカレンダー機能と、パソコンの電源を予め設定された時刻にオン/オフする制御信号を外部に出力するスケジュール手段と、電源オフ信号を出力するタイミングをパソコンより出力されるコマンドにより行う手段と、パソコンからアラームを出力するコマンドを受けリレーボックスにアラーム出力信号を出力する手段と、パソコンより予め設定された終了予定時刻を記録し、終了予定時刻を越えてもパソコンより電源オフコマンドが来ない場合リレーボックスにアラーム出力信号を出力する手段と、を有すると共に、リレーボックスは、タイマーカードに電源を給電する手段と、タイマーカードからの電源オン/オフ制御信号を受け外部に出力する電源を制御する手段と、タイマーカードよりアラーム出力信号を受け外部にアラーム情報を出力する手段と、を有するパソコン自動制御装置に関する発明が開示されている。
【0004】
また、特許文献2では、計算機を使用しているユーザにシステム停止時刻を予め知らせると共に、システムが停止する前にシステム停止時刻までの残り時間を知らせ、システムが停止する前に実行中の処理を終了さることを目的に、システム停止時刻にシャットダウンを要求する自動シャットダウン装置と、ユーザが設定するシステム停止時刻を自動シャットダウン装置に通知するシステム停止時刻設定手段及び自動シャットダウン装置からのシャットダウン要求を受け、システム停止時刻で自体をシャットダウンするサーバシャットダウン手段を有するサーバ計算機と、このサーバ計算機からシャットダウンの要求を受け、システム停止時刻に自体をシャットダウンするクライアントシャットダウン手段を有する少なくとも1つのクライアント計算機とを備えたものであって、サーバ計算機が、システム停止時刻を通知するシステム停止時刻通知手段と、現在時刻からシステム停止時刻までの残り時間が予め記憶された事前通知時間以下になると、この残り時間を通知する事前通知手段と、システム停止時刻通知手段から通知されたシステム停止時刻及び事前通知手段から通知された残り時間を表示するサーバシステム停止表示手段と、を備えたものであり、クライアント計算機が、システム停止時刻通知手段から通知されたシステム停止時刻及び事前通知手段から通知された残り時間を表示するクライアントシステム停止表示手段を備えた計算機システム自動停止装置に関する発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平07−225629公報(おもに、明細書段落番号0005〜0009、図1)
【特許文献2】特開平09−190234公報(おもに、明細書段落番号0007、0017、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述したような計画的な勤怠管理を遂行するためには、特許文献1および特許文献2で開示された端末装置の電源制御、シャットダウン制御などといった技術を用いることのほか、端末装置の端末利用可能時間をサーバでコントロールするといった方法が有効と考えられる。しかし、利用者(従業員等)の当初の勤務計画と、実際に勤務した勤務実績が異なるという事象は頻繁に発生するものであり、殊に、フレックスタイム制度や裁量労働制度といった、弾力的な勤務時間設定を認めている企業にとっては、こういった傾向は顕著に現れる。したがって、端末利用可能時間を弾力的に変更できるシステムが求められる。
また、端末利用可能時間を変更するにあたっては、管理者(上司等)が、利用者から申請のあった変更内容をチェックし、そのチェックに基づいて承認できるようなシステムにしておくことが望ましい。こういった申請・チェック・承認の一連の処理を大量に扱う職場環境であれば、利用者や管理者にとって、利用負担の小さいシステムとしておくことが求められる。
そこで本発明では、所定時間外(端末利用可能時間外)における端末装置の利用を制限すると共に、端末装置の利用者とその管理者との間で、端末利用可能時間の設定変更を円滑に申請・チェック・承認できるための稼働時間管理システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した課題を解決するため、本発明第1の構成による稼働時間管理システムは、管理サーバと端末装置がネットワーク接続され、前記管理サーバには、前記端末装置の利用者とその利用者に対応する管理者への通知方法が特定された端末利用者情報、および、その利用者に対応する端末利用可能時間帯が特定された端末利用可能時間情報を記憶する記憶部と、前記端末装置の利用者から前記端末利用可能時間情報の変更内容を受付けて、前記端末利用者情報からその利用者に対応する前記管理者への通知方法を参照して、その管理者宛てに前記変更内容を通知する端末利用可能時間変更受付部と、前記管理者から前記変更内容の承認を受付けて、その変更内容に基づいて前記端末利用可能時間情報を更新する端末利用可能時間更新部と、前記端末装置からの照会に応じて、該利用者の前記端末利用可能時間情報を該端末装置へ通知する端末利用可能時間通知部と、を備え、前記端末装置には、該利用者の指示に基づいて、前記端末利用可能時間情報の変更内容を前記管理サーバに通知する端末利用可能時間変更申請部と、前記管理サーバに対して該利用者の前記端末利用可能時間情報を照会する端末利用可能時間照会部と、現在時刻が前記端末利用可能時間帯の範囲外にある時は、自端末装置のシャットダウン処理を行うシャットダウン要求部と、を備えたことを特徴としている。
また、本発明第2の構成による稼働時間管理システムは、管理サーバと端末装置がネットワーク接続され、前記管理サーバには、前記端末装置の利用者とその利用者に対応する管理者への通知方法が特定された端末利用者情報、および、その利用者に対応する端末利用可能時間帯が特定された端末利用可能時間情報を記憶する記憶部と、前記端末装置の利用者から前記端末利用可能時間情報の変更内容を受付けて、前記端末利用者情報からその利用者に対応する前記管理者への通知方法を参照して、その管理者宛てに前記変更内容を通知する端末利用可能時間変更受付部と、前記管理者から前記変更内容の承認を受付けて、その変更内容に基づいて前記端末利用可能時間情報を更新する端末利用可能時間更新部と、前記端末装置からの照会に応じて、該利用者の前記端末利用可能時間情報を参照して、現在時刻が前記端末利用可能時間帯の範囲外にある時は、該端末装置に端末シャットダウン信号を送信する端末利用可能時間通知部と、を備え、前記端末装置には、該利用者の指示に基づいて、前記端末利用可能時間情報の変更内容を前記管理サーバに通知する端末利用可能時間変更申請部と、前記管理サーバに対して該利用者の前記端末利用可能時間情報を照会する端末利用可能時間照会部と、前記管理サーバから通知された前記端末シャットダウン信号に基づいて、自端末装置のシャットダウン処理を行うシャットダウン要求部と、を備えたことを特徴としている。
【0008】
また、本発明第3の構成による稼働時間管理システムは、第1または第2の構成に加えて、前記管理サーバの記憶部には、前記端末利用者情報として、前記管理者宛ての電子メールアドレスがあわせて記憶され、前記端末利用可能時間変更受付部は、前記変更内容を承認するための統一資源位置指定子を生成して、前記統一資源位置指定子を該管理者宛てに電子メールで通知し、前記端末利用可能時間更新部は、該管理者から前記統一資源位置指定子へのアクセスがあったときに前記変更内容の承認を受付ける、ことを特徴としている。
【0009】
また、本発明第4の構成による稼働時間管理システムは、第1または第2の構成に加えて、前記シャットダウン要求部は、自端末装置のシャットダウン処理を行うに先立って、該端末装置のシャットダウンを該利用者に予告し、その予告から所定時間を経過した後で、該シャットダウン処理を実行させることを特徴としている。
【0010】
また、本発明第5の構成による稼働時間管理システムは、第1または第2の構成に加えて、前記シャットダウン要求部は、所定時間で都度処理を行うことを特徴としている。
【0011】
また、本発明第6の構成による稼働時間管理システムは、第1または第2の構成に加えて、前記管理サーバの記憶部には、該利用者に対応する端末利用実績時間帯が端末利用時間実績情報としてあわせて記憶され、前記端末装置は、自端末装置の起動処理を行った後、または、自端末装置のシャットダウン処理を行う前に、起動処理、または、シャットダウン処理を行う旨のイベントを前記管理サーバに通知するイベント通知部をさらに備え、前記管理サーバは、前記端末装置からのイベント通知に応じて、該端末装置の起動日時、または、シャットダウン日時の情報を該利用者の前記端末利用時間実績情報として記録する端末利用実績記録部をさらに備えることを特徴としている。
【0012】
また、本発明第7の構成による稼働時間管理システムは、第1または第2の構成に加えて、前記端末装置は、該利用者が前記管理サーバとの間でネットワーク接続を行わないこと、および、再接続を行うことを設定するネットワーク切断設定部をさらに備え、前記ネットワーク切断設定部は、前記ネットワーク接続を行わないことを設定した状態にあるときに、前記端末利用可能時間照会部および前記シャットダウン要求部の機能を休止することを特徴としている。
【0013】
また、本発明第8の構成による稼働時間管理システムは、第1または第2の構成に加えて、前記端末装置は、未送信イベント情報を記録するための記憶部と、自端末装置の起動処理を行った後、または、自端末装置のシャットダウン処理を行う前に、起動処理、または、シャットダウン処理を行う旨のイベントを前記管理サーバに通知するイベント通知部と、該利用者が前記管理サーバとの間でネットワーク接続を行わないこと、および、再接続を行うことを設定するネットワーク切断設定部と、をさらに備え、前記ネットワーク切断設定部は、前記ネットワーク接続を行わないことを設定した状態にあるときに、前記端末利用可能時間照会部および前記シャットダウン要求部の機能を休止させ、前記イベント通知部は、前記管理サーバとの間で通信が行えない状況下で前記イベントが発生したときに、前記イベントを前記未送信イベント情報として記録し、前記管理サーバとの間で通信が再開されたときに、前記未送信イベント情報を前記管理サーバに通知するとともに、前記管理サーバの記憶部には、該利用者に対応する端末利用実績時間帯が端末利用時間実績情報としてあわせて記憶され、前記管理サーバは、前記端末装置からのイベント通知に応じて、該端末装置の起動日時、または、シャットダウン日時の情報を該利用者の前記端末利用時間実績情報として記録する端末利用実績記録部をさらに備えることを特徴としている。
【0014】
また、本発明第9の構成による稼働時間管理システムは、第7または第8の構成に加えて、前記ネットワーク切断設定部は、前記ネットワーク接続を行わないことを設定した状態にあるときに、さらに、前記管理サーバとの通信確認を定期的に行い、その通信が成功した場合には、前記再接続を行うことにその設定状況を自動的に切り替えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
本発明第1および第2の構成による稼働時間管理システムによれば、管理サーバに利用者の端末利用可能時間帯を登録しておき、クライアント端末が管理サーバに対して端末利用可能時間を照会したときに、現在時刻がその端末利用可能時間帯の範囲外にある時は、クライアント端末のシャットダウンを実行するとともに、端末利用可能時間帯の変更は、利用者からの変更受付、管理サーバから管理者への変更内容の通知、管理者から管理サーバへの変更内容の承認といった各手順を、管理サーバにて管理する形で行われるので、管理者が所定時間以外における端末装置の利用を的確に把握できると共に、所定時間以外における許可されていない端末装置の利用を制限することができる。
【0016】
本発明第3の構成による稼働時間管理システムによれば、管理サーバにおいて端末利用可能時間を変更するにあたり、管理者が承認を行うための特定のURL(統一資源位置指定子)を生成して、そのURLを管理者宛てに電子メールで通知するとともに、管理者はその電子メールを受信してそのURLにアクセスしたうえで、その端末利用可能時間の変更内容を承認するようにしたので、前述した効果に加えて、管理サーバからの変更内容が管理者に遅滞なく知らされ、かつ、管理者が変更内容の承認を速やかに行うことができる。
【0017】
本発明第4の構成による稼働時間管理システムによれば、シャットダウン要求部が、自端末装置のシャットダウン処理を行うに先立って、該端末装置のシャットダウンを該利用者に予告し、その予告から所定時間を経過した後で、シャットダウン処理を実行するようにしたので、前述した効果に加えて、現在時刻が該利用者の端末利用可能時間帯の範囲外にあるときでも、一時的に端末装置を利用することができ、また、端末利用可能時間の変更を管理サーバに対して申請することができる。
【0018】
本発明第5の構成による稼働時間管理システムによれば、シャットダウン要求部が所定時間で都度処理を行って、管理サーバから端末利用可能時間情報の通知を受け、あるいは、管理サーバから端末シャットダウン信号を受信するので、前述した効果に加えて、該端末装置の時計が実際の時刻と異なるような場合でも、管理サーバ側にある時計により端末利用可能時間を管理することができる。
【0019】
本発明第6の構成による稼働時間管理システムによれば、端末装置の起動イベントまたはシャットダウンイベントを管理サーバに通知し、管理サーバが起動イベントまたはシャットダウンイベントの通知を受けて該利用者の端末利用実績時間帯を記録するようにしたので、前述した効果に加えて、利用者の端末利用実績を的確に把握することができる。
【0020】
本発明第7の構成による稼働時間管理システムによれば、クライアント端末の利用者が「管理サーバと接続しない状態」というものを設定することができ、その設定の状況下では、端末利用可能時間照会部およびシャットダウン要求部の機能を休止させるようにしたので、前述した効果に加えて、該端末装置を外に持ち出すなどといったネットワークに接続されない状況下で、利用者が該端末装置を利用することができる。
【0021】
本発明第8の構成による稼働時間管理システムによれば、管理サーバとの通信が行えないときには、自端末装置に、未送信イベントを記録させ、管理サーバとの間で通信が再開された時にこれらのイベントを管理サーバに送信するようにしたので、ネットワークや管理サーバに障害があったとき、あるいは、端末装置を外に持ち出したときの端末利用時間実績も漏れなく把握することができる。
【0022】
本発明第9の構成による稼働時間管理システムによれば、「管理サーバと接続しない状態」で設定された状況のもとでは、端末装置が管理サーバとの間で通信できるか否かを定期的に確認し、管理サーバとの通信ができる状態にあることを確認した場合には、その設定状況を変更して、端末利用可能時間照会部およびシャットダウン要求部の機能を再開するので、前述した効果に加えて、該端末装置をネットワークに再接続したあとで、利用者が接続に関する設定変更を行わなかった場合でも、該端末装置への管理を自動的に再開させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】稼働時間管理システムの全体像を示す説明図
【図2】端末装置および管理サーバの具体的構成を示す説明図
【図3】端末利用者情報の記録事項の一例を示す説明図
【図4】端末利用可能時間情報の一部を構成する端末利用可能時間第1情報の記録事項の一例を示す説明図
【図5】端末利用可能時間情報の一部を構成する端末利用可能時間第2情報の記録事項の一例を示す説明図
【図6】実施例1にかかる端末利用可能時間照会処理、シャットダウン要求処理、および、端末利用可能時間通知処理の処理内容を示すフローチャート
【図7】実施例1にかかる端末利用可能時間変更申請処理、端末利用可能時間変更受付処理、および、端末利用可能時間更新処理の処理内容を示すフローチャート
【図8】申請入力画面の構成の一例を示す説明図
【図9】管理者宛てに通知される電子メールの文面の一例を示す説明図
【図10】承認画面の構成の一例を示す説明図
【図11】実施例2にかかる端末利用可能時間照会処理、シャットダウン要求処理、および、端末利用可能時間通知処理の処理内容を示すフローチャート
【図12】端末利用実績時間情報の記録事項の一例を示す説明図
【図13】未送信イベント情報の記録事項の一例を示す説明図
【図14】実施例3にかかるネットワーク切断設定処理、イベント通知処理、および、端末利用実績時間記録処理の処理内容を示すフローチャート
【図15】実施例3にかかるシャットダウン要求処理、および、イベント通知処理の処理内容を示すフローチャート
【図16】実施例3にかかるネットワーク切断設定処理の処理内容を示すフローチャート
【図17】ネットワーク切断設定画面の構成の一例を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の実施形態を実施例1ないし実施例3にて説明する。
【実施例1】
【0025】
実施例1を図1〜図10に基づいて説明する。
図1は、稼働時間管理システムの全体像を示す説明図であり、端末装置1a、1b、…、1z(これらを単に端末装置1として示す場合がある)は、パーソナルコンピュータであり、管理サーバ2およびメールサーバ4と共に、ネットワーク3を介して接続されている。図1では、例として、利用者5が端末装置1aを利用し、利用者5の管理者6は端末装置1zを利用している。また、利用者5および管理者6は、端末装置1からメールサーバ4にアクセスし、電子メールを送受信できるようになっている。
【0026】
図2は、端末装置1および管理サーバ2の具体的構成を示す説明図であり、図2(a)における端末装置1は、計算機本体11と、ディスプレイ11g、キーボード11hなどといった入出力装置で構成されていて、計算機本体11の内部には、CPU(中央演算処理装置)11aと、クロック11bと、メモリ11cと、ネットワーク3との通信を行うための通信インターフェース11dと、ディスプレイ11gに画像信号を送信するグラフィックカード11eと、キーボード11hからの入力信号を受信する入力端子11fと、データを記憶するためのハードディスクを備えており、ハードディスクには、データ記憶領域12と、プログラム記憶領域13が確保されている。データ記憶領域12には、未送信イベント情報12aが記録され、プログラム記憶領域13には、基本ソフト13a、メールソフト13b、ブラウザソフト13cのほか、稼働時間管理クライアントプログラム14が記録されていて、これらのハードウエアとソフトウエアが連関しながら所定の情報処理を行う。未送信イベント情報12aおよび稼働時間管理クライアントプログラム14の詳細については、この後で説明する。
【0027】
図2(b)における管理サーバ2は、CPU(中央演算処理装置)21aと、クロック21bと、メモリ21cと、ネットワーク3との通信を行うための通信インターフェース21dと、データを記憶するためのハードディスクを備えており、ハードディスクには、データ記憶領域22と、プログラム記憶領域23が確保されている。データ記憶領域22には、端末利用者情報22aと、端末利用可能時間情報22bと、端末利用実績時間情報22cが記録され、プログラム記憶領域23には、基本ソフト23a、メールソフト23b、Webサーバソフト23cのほか、稼働時間管理サーバプログラム24が記録されていて、これらのハードウエアとソフトウエアが連関しながら所定の情報処理を行う。端末利用者情報22a、端末利用可能時間情報22b、端末利用実績時間情報22cならびに稼働時間管理サーバプログラム24の詳細については、この後で説明する。
なお、図2では、データ記憶領域12とプログラム記憶領域13について、あるいは、データ記憶領域22とプログラム記憶領域23について、これらを別々のハードディスクとして表示しているが、記憶領域が適切に確保されるのであれば、1つのハードディスクとして構成させても差し支えない。また、管理サーバ2にメールサーバとしての機能を組み込みことで、メールサーバ4の設置を省略することができる。
【0028】
端末利用者情報22aは、端末装置1の利用者とその利用者に対応する管理者への通知方法が記録される。図3は、端末利用者情報22aの記録事項の一例を示す説明図であり、端末装置1の利用者に対して、各々に利用者ID31が割り振られ、各利用者に対して第1管理者ID32a、第2管理者ID32b、第3管理者ID32cというように管理者が定められている。このほか、端末利用者情報22aには、必要に応じて、レコード番号33、利用者氏名34a、部門コード34b、勤務地区コード34c、利用者メールアドレス35、利用者パスワード36などを記録させるようにしてもよい。
レコード番号33は、端末利用者情報22aにおけるテーブル固有の番号であり、利用者の登録に際して1行ずつ追加される。利用者氏名34a、部門コード34b、勤務地区コード34cは、後で説明する端末利用可能時間の変更申請や承認といった処理を行うに際し、利用者を特定し、あるいは、勤務形態を確認するために付加的な情報として用いられる。利用者メールアドレス35は、後で説明する端末利用可能時間の変更申請や承認といった処理を行うに際し、利用者5や管理者6に電子メールを送信する際に参照される。利用者パスワード36は、利用者5が端末装置1を利用する際に、本人確認を行うために用いられ、パスワードから作成されるハッシュ値が記録されている。
【0029】
端末利用者情報22aをこのような構成とすることで、利用者ID31から管理者6のメールアドレスを参照することができる。たとえば、利用者「丁下三郎」の第1管理者のメールアドレスを参照するためには、まず、利用者ID31が「199901」となっているレコード(レコード番号33が「4」)の第1管理者ID32a「197821」を参照し、利用者ID31が「197821」となっているレコード(レコード番号33が「2」)を参照すれば、第1管理者のメールアドレス35が「otsu@xxx.co.jp」となっていることが分かる。
【0030】
端末利用可能時間情報22bは、利用者5に対応する端末利用可能時間帯を特定するための情報が記録される。図4および図5は、端末利用可能時間情報22bの記録事項の一例を示す説明図であり、図4の端末利用可能時間第1情報40と、図5の端末利用可能時間第2情報50の2つのテーブルにて構成している。
図4は、端末利用可能時間第1情報40の記録事項の一例を示す説明図であり、端末装置1の利用者5に対して、各々に利用者ID41(図3の利用者ID31と対応している)が割り振られる。また、各利用者に対して端末利用可能標準時間帯42が定められている。このほか、端末利用可能時間第1情報40には、必要に応じて、レコード番号43、標準就業時間帯44a、深夜勤務時間帯44b、第1休憩時間帯44c、第2休憩時間帯44dなどを記録させるようにしてもよい。
レコード番号43は、端末利用可能時間第1情報40におけるテーブル固有の番号であり、利用者5の登録に際して1行ずつ追加される。標準就業時間帯44a、深夜勤務時間帯44b、第1休憩時間帯44c、第2休憩時間帯44dは、後で説明する端末利用可能時間の変更申請や承認といった処理を行うに際し、勤務形態を確認するために付加的な情報として用いられる。
なお、図4のように、利用者毎に各時間帯を設定する代わりに、図3の勤務地区コード34毎に、これらの各時間帯を設定するようにして、各利用者に対する各時間帯を関連付けるようにしても差し支えない。
【0031】
図5は、端末利用可能時間第2情報50の記録事項の一例を示す説明図であり、申請日時51、利用者ID52(図3の利用者ID31と対応している)、申請対象日53a、その申請対象日にかかる延長時間帯53b、申請理由53cが記録される。そして、その申請に対しては、申請ステータス54a、承認/却下日時54b、承認者ID54c、承認/却下コメント54dが、あわせて記録できるようになっていている。このほか、端末利用可能時間第2情報50には、必要に応じて、レコード番号55、認証コード56を併せて記録させるようにしてもよい。
レコード番号55は、端末利用可能時間第2情報50におけるテーブル固有の番号であり、後で説明する端末利用可能時間の変更申請に際して1行ずつ記録が追加される。認証コード56は、後で説明する端末利用可能時間の承認の処理を行う際に、管理者6の本人確認を行うために用いられる。
【0032】
なお、稼働時間管理システムの運用を開始するにあたっては、システム管理者等が、初期設定として、端末利用者情報22aおよび端末利用可能時間第1情報40を作成しておく。
【0033】
続いて、端末装置1における稼働時間管理クライアントプログラム14、および、管理サーバ2における稼働時間管理サーバプログラム24について、図6および図7のフローチャートに基づいて説明する。
稼働時間管理クライアントプログラム14は、該利用者の指示に基づいて、端末利用可能時間情報22bの変更内容を管理サーバ2に通知する端末利用可能時間変更申請処理14aと、管理サーバ2に対して該利用者の端末利用可能時間情報22bを照会する端末利用可能時間照会処理14bと、現在時刻が端末利用可能時間帯の範囲外にある時は、自端末装置1のシャットダウン処理を行うシャットダウン要求処理14cと、で構成されている。
【0034】
また、稼働時間管理サーバプログラム24は、端末装置1の利用者5から端末利用可能時間情報22aの変更内容を受付けて、端末利用者情報22aからその利用者に対応する管理者への通知方法を参照して、管理者6宛てにその変更内容を通知する端末利用可能時間変更受付処理24aと、管理者6からその変更内容の承認を受付けて、その変更内容に基づいて端末利用可能時間情報22bを更新する端末利用可能時間更新処理24bと、端末装置1からの照会に応じて、該利用者の端末利用可能時間情報22bを該端末装置へ通知する端末利用可能時間通知処理24cと、で構成されている。
【0035】
なお、管理サーバ2の記憶装置(データ記憶領域22)には、端末利用者情報22aとして、管理者宛ての電子メールアドレスがあわせて記憶され、端末利用可能時間変更受付処理24aは、その変更内容を承認するための統一資源位置指定子(URL)を生成して、統一資源位置指定子を該管理者宛てに電子メールで通知し、端末利用可能時間更新処理24bは、該管理者から統一資源位置指定子へのアクセスがあったときにその変更内容の承認を受付けるようにしておくことが好ましい。
【0036】
また、シャットダウン要求処理14cは、自端末装置のシャットダウン処理を行うに先立って、該端末装置のシャットダウンを該利用者に予告し、その予告から所定時間を経過した後で、該シャットダウン処理を実行させるようにしておくことが好ましい。
【0037】
また、シャットダウン要求処理14cは、所定時間で都度処理を行うようにしておくことが好ましい。
【0038】
図6は、実施例1における端末装置1での端末利用可能時間照会処理14b、シャットダウン要求処理14c、および、管理サーバ2での端末利用可能時間通知処理24cの処理内容を示すフローチャートである。
端末装置1において、端末装置が起動すると、利用者5が利用者IDと(必要に応じて)パスワードを入力し、利用者5の本人認証を行うようにしておくことが好ましい(ステップS1)。認証に続いて、端末利用可能時間照会処理14bが起動し、利用者IDとパスワードを管理サーバ2に通知すると(ステップS2)、管理サーバ2では、端末利用可能時間通知処理24cが起動し、端末利用者情報22aに記録された利用者ID31と(必要に応じて)利用者パスワード36との照合が行われる(ステップS3)。続いて、端末利用可能時間第1情報40から、端末装置1から通知された利用者ID41に該当する端末利用可能標準時間帯42を参照し(ステップS4)、端末利用可能時間第2情報50から、端末装置1から通知された利用者ID52および現在日時と同じ日付となる申請対象日53aに対応するレコードを検索して、対応する延長時間帯53bおよび申請ステータス54aを参照する(ステップS5)。そして、参照した端末利用可能標準時間帯42、延長時間帯53bおよび申請ステータス54aを端末装置1に通知して(ステップS6)、端末利用可能時間通知処理24cが終了する。
【0039】
なお、ステップS3で、端末装置1から通知された利用者IDが端末利用者情報22aに記録された利用者ID31と一致しない(存在しない)場合、あるいは、端末装置1から通知されたパスワード(パスワードから作成されるハッシュ値)が利用者パスワード36と一致しない場合には、ステップS4およびステップS5の処理を省略し、ステップS6では、認証を失敗したことを端末装置1に通知するようにしておくとよい。
【0040】
端末装置1では、ステップS6による管理サーバ2からの応答を受け取ると(ステップS7)、端末利用可能時間照会処理14bを再開し、端末利用可能標準時間帯42、延長時間帯53bおよび申請ステータス54aをもとにして、端末装置1の利用可能残り時間tを算出する(ステップS8)。ここで、申請ステータス54aとして承認された情報が含まれる場合には、端末利用可能標準時間帯42および延長時間帯53bをつなぎ合わせた時間帯と現在日時とを比較して利用可能残り時間tが算出される。また、申請ステータス54aとして承認された情報が含まれない場合には、端末利用可能標準時間帯42と現在日時とを比較して利用可能残り時間tが算出される。なお、端末装置1の時刻情報は、管理サーバ2と一致しないことがあるため、現在日時の情報は、管理サーバ2から受信するように設定しておくことが望ましい。また、管理サーバ2がステップS6にて認証を失敗したことを通知した場合は、端末装置1の利用可能残り時間tを0とする。以後、ステップS2、ステップS7およびステップS8の処理を、単に、端末利用可能時間照会処理14bという。
【0041】
端末装置1では、利用可能残り時間tを周期的に把握するためのタイマー周期を(たとえばT=60分として)あらかじめ設定しておき、ステップS9にて利用可能残り時間tがタイマー周期T以上の場合には、タイマー周期T分のウエイト処理(ステップS10)を行った後、端末利用可能時間照会処理14b(ステップS2以降の処理)を継続させる。また、ステップS9にて、利用可能残り時間tがタイマー周期T未満の場合には、利用可能残り時間t分のウエイト処理(ステップS11)を行った後、シャットダウン要求処理14c(ステップS12以降の処理)に入る。
【0042】
ステップS11のウエイト処理が終わると、端末利用可能時間照会処理14bで照会した端末利用可能時間が到来したことになるので、端末装置1はシャットダウン要求処理14cを行う。実際に端末装置1をシャットダウンさせるに先立ち、ステップS12では端末利用可能時間照会処理14bと同じ処理を行い、利用可能残り時間を再び照会する。ここで、ステップS11のウエイト処理中に、端末利用可能時間第2情報50が更新されていれば、利用可能残り時間tがまだある(t>0)ということになるので、ステップS9にジャンプする(ステップS13)。ステップS11のウエイト処理中に、端末利用可能時間第2情報50が更新されていなければ、ステップS13にて、利用可能残り時間tがない(t≦0)という判断に至り、端末装置1のディスプレイ11g等に、一定時間(予告時間T)経過後にシャットダウンする旨を表示させ(ステップS14)、予告時間T分のウエイト処理(ステップS15)を行った後、ステップS16では端末利用可能時間照会処理14bと同じ処理を再び行い、利用可能残り時間を再び照会する。ここで、ステップS15のウエイト処理中に、端末利用可能時間第2情報50が更新されていれば、利用可能残り時間tがまだある(t>0)ということになるので、ステップS9にジャンプする(ステップS17)。ステップS15のウエイト処理中に、端末利用可能時間第2情報50が更新されていなければ、ステップS17にて利用可能残り時間tがない(t≦0)という判断に至り、基本ソフト13aに対してシャットダウンコマンドを起動させ(ステップS18)、基本ソフト13aが端末装置1をシャットダウンさせる。
【0043】
図7は、実施例1における端末装置1での端末利用可能時間変更申請処理14a、および、管理サーバ2での端末利用可能時間変更受付処理24a、端末利用可能時間更新処理24bの処理内容を示すフローチャートである。端末利用可能時間変更申請処理14aは、端末装置1が通常利用に供されている間、利用者5が任意のタイミングで起動させることができる。
端末装置1において、利用者5が端末利用時間変更申請を行う時には、まず、申請入力画面を起動させ、利用者IDと(必要に応じて)パスワードを管理サーバ2に通知する(ステップS21)。続いて、管理サーバ2の端末利用可能時間変更受付処理24aが起動し、端末利用者情報22aに記録された利用者ID31と(必要に応じて)利用者パスワード36との照合が行われる(ステップS22)。続いて、端末利用者情報22aから、利用者氏名34a、管理者ID32a〜32cとそのID対応する利用者氏名34a、端末利用可能時間第1情報40から、端末装置1から通知された利用者IDに該当する端末利用可能標準時間帯42を参照し、図8に示すような申請入力画面を構成するHTML(HyperText Markup Language)データを生成し、端末装置1に送信する(ステップS23)。続いて、端末装置1は、ブラウザソフト13cを用いて管理サーバ2から送信されたHTMLデータを図8のように画面表示させ、利用者5が申請対象日81、延長時間帯82、申請理由83などといった所定事項を入力する(ステップS24)。
なお、ステップS22で、端末装置1から通知された利用者IDが端末利用者情報22aに記録された利用者ID31と一致しない(存在しない)場合、あるいは、端末装置1から通知されたパスワード(パスワードから作成されるハッシュ値)が利用者パスワード36と一致しない場合には、ステップS23で認証に失敗したことを端末装置1に通知するようにしておくとよい。
【0044】
利用者5が所定事項を入力して申請キー84をクリックすると、申請対象日81、延長時間帯82、申請理由83などといった所定事項が管理サーバ2に送信され(ステップS25)、ステップS21、ステップS24およびステップS25の処理を以って端末利用可能時間変更申請処理14aが完了する。
【0045】
続いて、管理サーバ2では、ステップS25による端末装置1からの通知を受けて、管理者6が承認を行う際の認証コード56を生成し(ステップS26)、端末利用可能時間第2情報50に新たなレコードを追加し、レコード番号55、申請日時51、利用者ID52、ステップS25で送信された情報に基づく申請対象日53a、延長時間帯53b、申請理由53c、ならびに、ステップS26で生成された認証コード56を記録し、あわせて、申請ステータス54aには、申請中と記録する(ステップS27)。
【0046】
続いて、管理サーバ2では、申請のあった旨を管理者6に通知する(ステップS28)。具体的には、図9に示すような文面で電子メールを作成するため、端末利用者情報22aから利用者の管理者ID(第1管理者ID32a、第2管理者ID32b、第3管理者ID32c)を検索し、続いて、これらのIDを利用者IDとして含むレコードから、メールアドレスを検索することで送信先電子メールアドレス91を特定する。また、管理者6が端末利用可能時間の変更内容について許可を行うためのURL92(統一資源位置指定子)をメールの本文中に記載する。URLの生成については、管理サーバ2を特定するためのサーバ特定情報93のほか、端末利用可能時間第2情報50のレコード番号55と認証コード56を、そのURL中であわせて指定する。このほか、必要に応じて、端末利用者情報22aから参照した利用者氏名34a、端末利用可能時間第1情報40から参照した端末利用可能標準時間帯42、端末利用可能時間第2情報50として記録した申請日時51、利用者ID52、申請対象日53a、延長時間帯53b、申請理由53cなどを記載してもよい。作成された電子メールデータは、メールソフト23bによってメールサーバ4に送信される。
【0047】
管理者6は、メールサーバ4から図9で示すような電子メールを受信し(ステップS29)、管理者6が使用する端末装置1から、電子メールを開いてその文中にあるURL92をクリックすると、そのURLに基づいてブラウザソフト13cが起動し、URL92に含まれるレコード番号55と認証コード56が管理サーバ2に通知される(ステップS30)。
管理サーバ2では、そのURLに基づく呼び出しに応じて、端末利用可能時間更新処理24bを起動させ、URL92と、端末利用可能時間第2情報50に記録されたレコード番号55および認証コード56との照合のほか、端末利用者情報22aに記録された利用者ID31と利用者パスワード36との照合が行われる(ステップS31)。
【0048】
続いて、端末利用可能時間第2情報50から、レコード番号55に対応する利用者ID52、申請対象日53a、延長時間帯53b、申請理由53cを参照し、端末利用可能時間第1情報40から、利用者ID52(利用者ID41)に対応する端末利用可能標準時間帯42を参照し、端末利用者情報22aから、利用者ID52(利用者ID31)に対応する利用者氏名34aを参照し、図10に示すような承認画面を構成するHTMLデータを生成し、端末装置1に送信する(ステップS32)。
端末装置1は、ブラウザソフト13cを用いて管理サーバ2から送信されたHTMLデータを図10のように画面表示させ、管理者6が申請内容を確認し、必要に応じて承認/却下コメント101を記入の上、承認キー102または却下キー103をクリックする(ステップS33)。管理者6のクリックに基づいて、承認/却下の別と、承認/却下コメント101などといった所定事項が管理サーバ2に送信される(ステップS34)。
なお、ステップS29、S30、S33、S34の処理は、管理者6の端末装置1で行うようにしているが、同じ処理をメール受信機能やブラウザ機能のある携帯電話などに行わせるようにしても差し支えない。
【0049】
管理サーバ2は、ステップS34による端末装置1からの通知を受けて、端末利用可能時間第2情報50の該当するレコードについて、申請ステータス54aを「承認」または「却下」に更新し、承認者(管理者6)の利用者IDを承認者ID54cに、日時を承認/却下日時54bに、承認/却下コメント101を54dにそれぞれ記録する(ステップS35)。そして、当該申請が承認または却下された旨を利用者5および他の管理者に電子メール等で通知する(ステップS36)。
【0050】
なお、ステップS31で、端末装置1から通知された利用者IDが端末利用者情報22aに記録された利用者ID31と一致しない(存在しない)場合、あるいは、端末装置1から通知されたパスワード(パスワードから作成されるハッシュ値)が利用者パスワード36と一致しない場合、あるいは、URL92がレコード番号55および認証コード56と一致しない場合には、ステップS32で認証に失敗したことを端末装置1に通知するようにしておくとよい。
【0051】
このように、実施例1に記載した稼働時間管理システムによれば、管理サーバに利用者の端末利用可能時間帯を登録しておき、クライアント端末が管理サーバに対して端末利用可能時間を照会したときに、現在時刻がその端末利用可能時間帯の範囲外にある時は、クライアント端末のシャットダウンを実行するとともに、端末利用可能時間帯の変更は、利用者からの変更受付、管理サーバから管理者への変更内容の通知、管理者から管理サーバへの変更内容の承認といった各手順を、管理サーバにて管理する形で行われるので、管理者が所定時間以外における端末装置の利用を的確に把握できると共に、所定時間以外における許可されていない端末装置の利用を制限することができる。
【0052】
また、管理サーバにおいて端末利用可能時間を変更するにあたり、管理者が承認を行うための特定のURL(統一資源位置指定子)を生成して、そのURLを管理者宛てに電子メールで通知するとともに、管理者はその電子メールを受信してそのURLにアクセスしたうえで、その端末利用可能時間の変更内容を承認するようにしたので、前述した効果に加えて、管理サーバからの変更内容が管理者に遅滞なく知らされ、かつ、管理者が変更内容の承認を速やかに行うことができる。
【0053】
また、シャットダウン要求部が、自端末装置のシャットダウン処理を行うに先立って、該端末装置のシャットダウンを該利用者に予告し、その予告から所定時間を経過した後で、シャットダウン処理を実行するようにしたので、前述した効果に加えて、現在時刻が該利用者の端末利用可能時間帯の範囲外にあるときでも、一時的に端末装置を利用することができ、また、端末利用可能時間の変更を管理サーバに対して申請することができる。
【0054】
また、シャットダウン要求部が所定時間で都度処理を行って、管理サーバから端末利用可能時間情報の通知を受けるので、前述した効果に加えて、該端末装置の時計が実際の時刻と異なるような場合でも、管理サーバ側にある時計により端末利用可能時間を管理することができる。
【実施例2】
【0055】
実施例2を図11に基づいて説明する。
実施例2では、実施例1で説明した端末利用可能時間照会処理14b、シャットダウン要求処理14cならびに端末利用可能時間通知処理24cについて、別の処理形態を表すものである。実施例1では、端末装置1をシャットダウンさせるか否かを端末装置1自身が判断していたが、実施例2では、管理サーバ2が判断する形としている。
すなわち、端末利用可能時間照会処理14b’は、管理サーバ2に対して該利用者の端末利用可能時間情報22bを照会し、端末利用可能時間通知処理24c’は、端末装置からの照会に応じて、該利用者の端末利用可能時間情報22bを参照して、現在時刻が端末利用可能時間帯の範囲外にある時は、端末装置1に端末シャットダウン信号を送信し、シャットダウン要求処理14c’は、管理サーバ2から通知された端末シャットダウン信号に基づいて、自端末装置1のシャットダウン処理を行う。
【0056】
図11は、実施例2における端末装置1での端末利用可能時間照会処理14b’、シャットダウン要求処理14c’、および、管理サーバ2での端末利用可能時間通知処理24c’の処理内容を示すフローチャートである。なお、実施例1の図6と同じ処理については、同じステップ番号を付して、詳細な説明は省略する。
端末装置1において、ステップS1にて利用者5の本人認証を行った後、端末利用可能時間照会処理14b’が起動する。ステップS2にて利用者IDと(必要に応じて)パスワードを管理サーバ2に通知すると、管理サーバ2の端末利用可能時間通知処理24c’が起動し、利用者IDと(必要に応じて)利用者パスワードとの照合(ステップS3)、端末利用可能標準時間帯42の参照(ステップS4)、延長時間帯53bおよび申請ステータス54aの参照(ステップS5)につづいて、端末利用可能標準時間帯42、延長時間帯53bおよび申請ステータス54aをもとにして、端末装置1の利用可能残り時間tを算出する(ステップS41)。ここで、申請ステータス54aとして承認された情報が含まれる場合には、端末利用可能標準時間帯42および延長時間帯53bをつなぎ合わせた時間帯と現在日時とを比較して利用可能残り時間tが算出される。また、申請ステータス54aとして承認された情報が含まれない場合には、端末利用可能標準時間帯42と現在日時とを比較して利用可能残り時間tが算出される。
続いて、ステップS42にて、利用可能残り時間tが残っている場合(t>0)には、ステップS43に移り、その利用可能残り時間tを端末装置1に通知する。利用可能残り時間tがない場合(t≦0)には、ステップS44に移り、端末装置1にシャットダウン信号を送信する。
これらステップS3〜S5、S41〜S44の処理にて端末利用可能時間通知処理24c’が構成される。
【0057】
続いて、端末利用可能時間照会処理14b’が再開し、ステップS45にてシャットダウン信号または利用可能残り時間tを管理サーバ2から受信して、ステップS2、S45の処理にて構成される端末利用可能時間照会処理14b’が行われる。
【0058】
ステップS45にて、管理サーバ2からシャットダウン信号を受信した場合には、ステップS46を経由してシャットダウン要求処理14c’を起動させ、ステップS45にて、シャットダウン信号を受信しなかった場合には、ステップS46を経由してステップS47に移る。
端末装置1では、利用可能残り時間tを周期的に把握するためのタイマー周期を(たとえばT=60分として)あらかじめ設定しておき、ステップS47にて利用可能残り時間tがタイマー周期T以上の場合には、タイマー周期T分のウエイト処理を行った後、端末利用可能時間照会処理14b’(ステップS2以降の処理)を継続させる。利用可能残り時間tがタイマー周期T未満の場合には、利用可能残り時間t分のウエイト処理を行った後、端末利用可能時間照会処理14b’(ステップS2以降の処理)を継続させる。
【0059】
ステップS46でシャットダウン信号があった場合には、端末利用可能時間照会処理14b’で照会した端末利用可能時間が到来したことになるので、端末装置1はシャットダウン要求処理14c’を行う。実際に端末装置1をシャットダウンさせるに先立ち、シャットダウンの予告を行い(ステップS14)、予告時間T分のウエイト処理(ステップS15)を行った後、ステップS47では端末利用可能時間照会処理14b’と同じ処理を再び行い、シャットダウン信号の有無を再び照会する。ここで、ステップS15のウエイト処理中に、端末利用可能時間第2情報50が更新されていれば、利用可能残り時間tがまだある(t>0)ということになるので、シャットダウン信号は受信されず、ステップS47にジャンプする(ステップS48)。ステップS15のウエイト処理中に、端末利用可能時間第2情報50が更新されていなければ、ステップS48にてシャットダウン信号ありという判断に至り、基本ソフト13aに対してシャットダウンコマンドを起動させ(ステップS18)、基本ソフト13aが端末装置1をシャットダウンさせる。
【0060】
このように、実施例2に記載した稼働時間管理システムによれば、管理サーバに利用者の端末利用可能時間帯を登録しておき、クライアント端末が管理サーバに対して端末利用可能時間を照会したときに、現在時刻がその端末利用可能時間帯の範囲外にある時は、クライアント端末のシャットダウンを実行するとともに、端末利用可能時間帯の変更は、利用者からの変更受付、管理サーバから管理者への変更内容の通知、管理者から管理サーバへの変更内容の承認といった各手順を、管理サーバにて管理する形で行われるので、管理者が所定時間以外における端末装置の利用を的確に把握できると共に、所定時間以外における許可されていない端末装置の利用を制限することができる。
【0061】
また、シャットダウン要求部が所定時間で都度処理を行って、管理サーバから端末シャットダウン信号を受信するので、前述した効果に加えて、該端末装置の時計が実際の時刻と異なるような場合でも、管理サーバ側にある時計により端末利用可能時間を管理することができる。
【実施例3】
【0062】
実施例3を図12〜図17に基づいて説明する。
実施例3では、実施例1で説明した処理に加え、端末装置1をネットワーク3から外した状態で利用する場合、および、端末装置1の利用実績時間を把握するための例を説明する。
すなわち、管理サーバ2の記憶部には、該利用者に対応する端末利用実績時間帯が端末利用時間実績情報22cとしてあわせて記憶され、端末装置1は、自端末装置の起動処理を行った後、または、自端末装置のシャットダウン処理を行う前に、起動処理、または、シャットダウン処理を行う旨のイベントを管理サーバ2に通知するイベント通知処理14eをさらに備え、管理サーバ2は、端末装置1からのイベント通知に応じて、該端末装置の起動日時、または、シャットダウン日時の情報を該利用者の端末利用時間実績情報22cとして記録する端末利用実績記録処理24dをさらに備えるようにした。
また、端末装置1は、該利用者が管理サーバ2との間でネットワーク接続を行わないこと、および、再接続を行うことを設定するネットワーク切断設定処理14dをさらに備え、ネットワーク切断設定処理14dは、ネットワーク接続を行わないことを設定した状態にあるときに、端末利用可能時間照会処理14bおよびシャットダウン要求処理14cの機能を休止するようにした。
また、ネットワーク切断設定処理14dは、ネットワーク接続を行わないことを設定した状態にあるときに、さらに、管理サーバ2との通信確認を定期的に行い、その通信が成功した場合には、再接続を行うことにその設定状況を自動的に切り替えるようにした。
【0063】
また、更なる応用として、端末装置1は、未送信イベント情報12aを記録するための記憶部と、自端末装置の起動処理を行った後、または、自端末装置のシャットダウン処理を行う前に、起動処理、または、シャットダウン処理を行う旨のイベントを管理サーバ2に通知するイベント通知処理14eと、該利用者が管理サーバ2との間でネットワーク接続を行わないこと、および、再接続を行うことを設定するネットワーク切断設定処理14dと、をさらに備え、ネットワーク切断設定処理14dは、ネットワーク接続を行わないことを設定した状態にあるときに、端末利用可能時間照会処理14bおよびシャットダウン要求処理14cの機能を休止させ、イベント通知処理14eは、管理サーバ2との間で通信が行えない状況下でイベントが発生したときに、そのイベントを未送信イベント情報12aとして記録し、管理サーバ2との間で通信が再開されたときに、未送信イベント情報12aを管理サーバ2に通知するとともに、管理サーバ2の記憶部には、該利用者に対応する端末利用実績時間帯が端末利用時間実績情報22cとしてあわせて記憶され、管理サーバ2は、端末装置1からのイベント通知に応じて、該端末装置の起動日時、または、シャットダウン日時の情報を該利用者の端末利用時間実績情報22cとして記録する端末利用実績記録処理24dをさらに備えるようにしてもよい。
【0064】
図12は、端末利用実績時間情報22cの記録事項の一例を示す説明図であり、利用者5に対応する端末利用実績時間帯が記録される。つまり、端末装置1から「起動」、「シャットダウン」、「ネットワーク切断」、「ネットワーク再接続」などといったイベントが通知されると、新たなレコード番号125が付与され、端末装置1を利用している利用者ID121(図3の利用者ID31と対応している)、管理サーバ2におけるイベント受信日時122、端末装置1がイベントを発生させた日時123、イベント内容124が記録されるようになっている。
こういった端末装置1の利用者5毎にイベントの内容とイベント発生日時を記録するようにしているので、利用者5が端末装置1を利用した実績を把握することが可能となる。
【0065】
図13は、未送信イベント情報12aの記録事項の一例を示す説明図であり、後で説明するイベント通知処理14eが、管理サーバ2との間で通信が行えない状況下で起動イベントやシャットダウンイベント等が発生したときに、これらのイベントを記録する。つまり、未送信のイベントが発生すると、新たなレコード番号133が付与され、端末装置1がイベントを発生させた日時131と、管理サーバ2に送信できなかったイベント内容124が「起動」、「シャットダウン」、「ネットワーク切断」、「ネットワーク再接続」のように記録されるようになっている。
【0066】
続いて、端末装置1におけるネットワーク切断設定処理14d、イベント通知処理14e、シャットダウン要求処理14c’’、および、管理サーバ2における端末利用実績時間記録処理24dについて、図14ないし図16のフローチャートに基づいて説明する。
なお、実施例1の図6と同じ処理については、同じステップ番号を付して、詳細な説明は省略する。
図14において、端末装置1がステップS1にて利用者5の本人認証を行った後、未送信イベント情報12aを参照して(ステップS51)、起動イベントと未送信イベント(ステップS51にて未送信イベント情報12aが存在したときに限る)を管理サーバ2に送信する(ステップS52)。管理サーバ2では、ステップS52による送信を受けて端末利用実績時間記録処理24dが起動し、イベント情報を受信し(ステップS53)、端末利用実績時間情報22cにこれらイベント情報を記録する(ステップS54)。このとき、端末利用実績時間情報22cには、送信されたイベントの数に応じて新たなレコード番号125が付与され、送信されたイベントの内容がイベント内容124として記録され、端末装置イベント発生日時123が記録されると共に、利用者ID121と、管理サーバによる受信日時が管理サーバイベント受信日時122として併せて記録される。
【0067】
続いて、イベントを受信した旨を端末装置1に通知する(ステップS55)。これらのステップS53〜S55にて端末利用実績時間記録処理24dが構成される。
そして、端末装置1では、その応答を受信して(ステップS56)、ステップS57にて送信が成功したか否かを判断し、送信が成功した場合には、未送信イベント情報12aの記録を削除し(ステップS58)、ステップS56による応答がなかった場合には、一定時間後にステップS57による処理を再開させるようにして、ステップS59にて、起動イベントを未送信イベントとして、未送信イベント情報12へ追記する。このとき、未送信イベント情報12aには、新たなレコード番号133が付与され、イベント情報132と合わせて、端末装置1における日時が端末装置イベント発生日時131として記録される。
【0068】
続いて、ステップS60では、後で説明するネットワーク切断設定処理14dでの設定内容を確認し、その設定内容が切断状況にあるときは、その後の処理を中断し、端末利用可能時間照会処理14bや、シャットダウン要求処理14cの処理を中断する。また、接続状況(再接続状況)にあるときは、端末利用可能時間照会処理14b(ステップS61)に入り、利用可能残り時間tを照会する。
【0069】
端末装置1では、利用可能残り時間tを周期的に把握するためのタイマー周期を(たとえばT=60分として)あらかじめ設定しておき、ステップS9にて利用可能残り時間tがタイマー周期T以上の場合には、タイマー周期T分のウエイト処理(ステップS10)を行った後、端末利用可能時間照会処理14b(ステップS61以降の処理)を継続させる。また、ステップS9にて、利用可能残り時間tがタイマー周期T未満の場合には、利用可能残り時間t分のウエイト処理(ステップS11)を行った後、シャットダウン要求処理14c’’(図15の処理)に入る。
【0070】
ステップS11のウエイト処理が終わると、端末利用可能時間照会処理14bで照会した端末利用可能時間が到来したことになるので、続いて、端末装置1は図15に示すシャットダウン要求処理14c’’を行う。実際に端末装置1をシャットダウンさせるに先立ち、ステップS12では端末利用可能時間照会処理14bと同じ処理を行い、利用可能残り時間tを再び照会する。ここで、ステップS11のウエイト処理中に、端末利用可能時間第2情報50が更新されていれば、利用可能残り時間tがまだある(t>0)ということになるので、ステップS9にジャンプする(ステップS13)。ステップS11のウエイト処理中に、端末利用可能時間第2情報50が更新されていなければ、ステップS13にて、利用可能残り時間tがない(t≦0)という判断に至り、端末装置1のディスプレイ11g等に、一定時間(予告時間T)経過後にシャットダウンする旨を表示させ(ステップS14)、予告時間T分のウエイト処理(ステップS15)を行った後、ステップS16では端末利用可能時間照会処理14bと同じ処理を行い、利用可能残り時間tを再び照会する。
【0071】
ここで、ステップS15のウエイト処理中に、端末利用可能時間第2情報50が更新されていれば、利用可能残り時間tがまだある(t>0)ということになるので、ステップS9にジャンプする(ステップS17)。ステップS15のウエイト処理中に、端末利用可能時間第2情報50が更新されていなければ、ステップS17にて利用可能残り時間tがない(t≦0)という判断に至り、シャットダウンイベントを管理サーバ2に送信する(ステップS62)。管理サーバ2では、ステップS62による送信を受けて端末利用実績時間記録処理24dが起動し、管理サーバ2からの応答を受信して(ステップS63)、受信ができた場合にはステップS18に移り(ステップS64)、ステップS63による応答がなかった場合には、一定時間後にステップS64による処理を再開させるようにして、ステップS65にて、起動イベントを未送信イベントとして、未送信イベント情報12へ追記し、ステップS18に移る。
最後に、基本ソフト13aに対してシャットダウンコマンドを起動させ(ステップS18)、基本ソフト13aが端末装置1をシャットダウンさせる。
【0072】
ネットワーク切断設定処理14dは、端末装置1が通常利用に供されている間、利用者5が任意のタイミングで起動させることができる。図16において、ネットワーク切断設定処理14dが起動すると、図17に示すようなネットワーク切断設定画面170を画面表示させる(ステップS71)。
利用者5は、ネットワーク接続設定171のうち「接続」、「切断」のいずれかを選択して、設定キー172をクリックする(ステップS72)と、未送信イベント情報12aを参照して(ステップS73)、ネットワーク設定変更イベントと未送信イベント(ステップS73にて未送信イベント情報12aが存在したときに限る)を管理サーバ2に送信する(ステップS74)。管理サーバ2では、ステップS74による送信を受けて端末利用実績時間記録処理24dによる処理が行われる。続いて、端末装置1では、管理サーバ2からの応答を受信して(ステップS75)、ステップS76にて送信が成功したか否かを判断し、送信が成功した場合には、未送信イベント情報12aの記録を削除し(ステップS77)、ステップS75による応答がなかった場合には、一定時間後にステップS76による処理を再開させるようにして、ステップS78にて、ネットワーク設定変更イベントを未送信イベントとして、未送信イベント情報12aへ追記し、いずれにしても図14のステップS60に移る。
なお、実施例3においては、ネットワーク切断設定処理が、図14の14d、図16の14d’によって構成され、イベント通知処理が図14の14e、図15の14e’、図16の14e’’によって構成される。
【0073】
なお、図による説明は省略するが、ステップS60でネットワーク切断設定処理14dでの設定内容を確認し、その設定内容が「切断状況」にあるときは、端末利用可能時間照会処理14bやシャットダウン要求処理14cの処理を中断するとともに、その後、端末装置1が管理サーバ2へpingを投げるなどして、管理サーバ2との通信状況を定期的(たとえば1時間毎)に確認し、端末装置1と管理サーバ2との間で通信が成功した場合(すなわち、端末装置1が管理サーバ2からの応答を受信した場合)には、利用者5がネットワーク3との再接続を設定したものとみなして、ステップS61に移るようにしてもよい。
【0074】
このように、実施例3に記載した稼働時間管理システムによれば、端末装置の起動イベントまたはシャットダウンイベントを管理サーバに通知し、管理サーバが起動イベントまたはシャットダウンイベントの通知を受けて該利用者の端末利用実績時間帯を記録するようにしたので、前述した効果に加えて、利用者の端末利用実績を的確に把握することができる。
【0075】
また、クライアント端末の利用者が「管理サーバと接続しない状態」というものを設定することができ、その設定の状況下では、端末利用可能時間照会部およびシャットダウン要求部の機能を休止させるようにしたので、前述した効果に加えて、該端末装置を外に持ち出すなどといったネットワークに接続されない状況下で、利用者が該端末装置を利用することができる。
【0076】
また、管理サーバとの通信が行えないときには、自端末装置に、未送信イベントを記録させ、管理サーバとの間で通信が再開された時にこれらのイベントを管理サーバに送信するようにしたので、ネットワークや管理サーバに障害があったとき、あるいは、端末装置を外に持ち出したときの端末利用時間実績も漏れなく把握することができる。
【0077】
また、「管理サーバと接続しない状態」で設定された状況のもとでは、端末装置が管理サーバとの間で通信できるか否かを定期的に確認し、管理サーバとの通信ができる状態にあることを確認した場合には、その設定状況を変更して、端末利用可能時間照会部およびシャットダウン要求部の機能を再開するので、前述した効果に加えて、該端末装置をネットワークに再接続したあとで、利用者が接続に関する設定変更を行わなかった場合でも、該端末装置への管理を自動的に再開させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明は、所定時間外(端末利用可能時間外)における端末装置の利用を制限すると共に、端末装置の利用者とその管理者との間で、端末利用可能時間の設定変更を円滑に申請・チェック・承認を行うことができるので、従業員の勤務時間の管理や、学校等における端末利用時間の管理を目的に利用することができる。
【符号の説明】
【0079】
1、1a、1b、…、1z 端末装置
2 管理サーバ
3 ネットワーク
4 メールサーバ
5 利用者
6 管理者
11 計算機本体
11a、21a CPU
11b、21b クロック
11c、21c メモリ
11d、21d 通信インターフェース
11e グラフィックカード
11f 入力端子
11g ディスプレイ
11h キーボード
12、22 データ記憶領域
12a 未送信イベント情報
13、23 プリグラム記憶領域
13a、23a 基本ソフト
13b、23b メールソフト
13c ブラウザソフト
14 稼働時間管理クライアントプログラム
14a 端末利用可能時間変更申請処理
14b、14b’ 端末利用可能時間照会処理
14c、14c’、14c’’ シャットダウン要求処理
14d、14d’ ネットワーク切断設定処理
14e、14e’、14e’’ イベント通知処理
22a 端末利用者情報
22b 端末利用可能時間情報
22c 端末利用実績時間情報
23c Webサーバソフト
24 稼働時間管理サーバプログラム
24a 端末利用可能時間変更受付処理
24b 端末利用可能時間更新処理
24c、24c’ 端末利用可能時間通知処理
24d 端末利用実績時間記録処理
31、41、52、121 利用者ID
32a 第1管理者ID
32b 第2管理者ID
32c 第3管理者ID
33、43、55、133 レコード番号
34a 利用者氏名
34b 部門コード
34c 勤務地区コード
35 利用者メールアドレス
36 利用者パスワード
40 端末利用可能時間第1情報
42 端末利用可能標準時間帯
44a 標準就業時間帯
44b 深夜勤務時間帯
44c 第1休憩時間帯
44d 第2休憩時間帯
50 端末利用可能時間第2情報
51 申請日時
53a、81 申請対象日
53b、82 延長時間帯
53c、83 申請理由
54a 申請ステータス
54b 承認/却下日時
54c 管理者ID
54d、101 承認/却下コメント
80 申請入力画面
84 申請キー
90 管理者通知メール
91 送信先メールアドレス
92 URL
100 承認画面
102 承認キー
103 却下キー
122 管理サーバイベント受信日時
123、131 端末装置イベント発生日時
124、132 イベント内容
170 ネットワーク切断設定画面
171 ネットワーク接続設定
172 設定キー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理サーバと端末装置がネットワーク接続され、
前記管理サーバには、
前記端末装置の利用者とその利用者に対応する管理者への通知方法が特定された端末利用者情報、および、その利用者に対応する端末利用可能時間帯が特定された端末利用可能時間情報を記憶する記憶部と、
前記端末装置の利用者から前記端末利用可能時間情報の変更内容を受付けて、前記端末利用者情報からその利用者に対応する前記管理者への通知方法を参照して、その管理者宛てに前記変更内容を通知する端末利用可能時間変更受付部と、
前記管理者から前記変更内容の承認を受付けて、その変更内容に基づいて前記端末利用可能時間情報を更新する端末利用可能時間更新部と、
前記端末装置からの照会に応じて、該利用者の前記端末利用可能時間情報を該端末装置へ通知する端末利用可能時間通知部と、
を備え、
前記端末装置には、
該利用者の指示に基づいて、前記端末利用可能時間情報の変更内容を前記管理サーバに通知する端末利用可能時間変更申請部と、
前記管理サーバに対して該利用者の前記端末利用可能時間情報を照会する端末利用可能時間照会部と、
現在時刻が前記端末利用可能時間帯の範囲外にある時は、自端末装置のシャットダウン処理を行うシャットダウン要求部と、
を備えたことを特徴とする稼働時間管理システム。
【請求項2】
管理サーバと端末装置がネットワーク接続され、
前記管理サーバには、
前記端末装置の利用者とその利用者に対応する管理者への通知方法が特定された端末利用者情報、および、その利用者に対応する端末利用可能時間帯が特定された端末利用可能時間情報を記憶する記憶部と、
前記端末装置の利用者から前記端末利用可能時間情報の変更内容を受付けて、前記端末利用者情報からその利用者に対応する前記管理者への通知方法を参照して、その管理者宛てに前記変更内容を通知する端末利用可能時間変更受付部と、
前記管理者から前記変更内容の承認を受付けて、その変更内容に基づいて前記端末利用可能時間情報を更新する端末利用可能時間更新部と、
前記端末装置からの照会に応じて、該利用者の前記端末利用可能時間情報を参照して、現在時刻が前記端末利用可能時間帯の範囲外にある時は、該端末装置に端末シャットダウン信号を送信する端末利用可能時間通知部と、
を備え、
前記端末装置には、
該利用者の指示に基づいて、前記端末利用可能時間情報の変更内容を前記管理サーバに通知する端末利用可能時間変更申請部と、
前記管理サーバに対して該利用者の前記端末利用可能時間情報を照会する端末利用可能時間照会部と、
前記管理サーバから通知された前記端末シャットダウン信号に基づいて、自端末装置のシャットダウン処理を行うシャットダウン要求部と、
を備えたことを特徴とする稼働時間管理システム。
【請求項3】
前記管理サーバの記憶部には、前記端末利用者情報として、前記管理者宛ての電子メールアドレスがあわせて記憶され、
前記端末利用可能時間変更受付部は、前記変更内容を承認するための統一資源位置指定子を生成して、前記統一資源位置指定子を該管理者宛てに電子メールで通知し、
前記端末利用可能時間更新部は、該管理者から前記統一資源位置指定子へのアクセスがあったときに前記変更内容の承認を受付ける、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の稼働時間管理システム。
【請求項4】
前記シャットダウン要求部は、自端末装置のシャットダウン処理を行うに先立って、該端末装置のシャットダウンを該利用者に予告し、その予告から所定時間を経過した後で、該シャットダウン処理を実行させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の稼働時間管理システム。
【請求項5】
前記シャットダウン要求部は、所定時間で都度処理を行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の稼働時間管理システム。
【請求項6】
前記管理サーバの記憶部には、該利用者に対応する端末利用実績時間帯が端末利用時間実績情報としてあわせて記憶され、
前記端末装置は、自端末装置の起動処理を行った後、または、自端末装置のシャットダウン処理を行う前に、起動処理、または、シャットダウン処理を行う旨のイベントを前記管理サーバに通知するイベント通知部をさらに備え、
前記管理サーバは、前記端末装置からのイベント通知に応じて、該端末装置の起動日時、または、シャットダウン日時の情報を該利用者の前記端末利用時間実績情報として記録する端末利用実績記録部をさらに備える
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の稼働時間管理システム。
【請求項7】
前記端末装置は、
該利用者が前記管理サーバとの間でネットワーク接続を行わないこと、および、再接続を行うことを設定するネットワーク切断設定部をさらに備え、
前記ネットワーク切断設定部は、前記ネットワーク接続を行わないことを設定した状態にあるときに、前記端末利用可能時間照会部および前記シャットダウン要求部の機能を休止する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の稼働時間管理システム。
【請求項8】
前記端末装置は、
未送信イベント情報を記録するための記憶部と、
自端末装置の起動処理を行った後、または、自端末装置のシャットダウン処理を行う前に、起動処理、または、シャットダウン処理を行う旨のイベントを前記管理サーバに通知するイベント通知部と、
該利用者が前記管理サーバとの間でネットワーク接続を行わないこと、および、再接続を行うことを設定するネットワーク切断設定部と、
をさらに備え、
前記ネットワーク切断設定部は、前記ネットワーク接続を行わないことを設定した状態にあるときに、前記端末利用可能時間照会部および前記シャットダウン要求部の機能を休止させ、
前記イベント通知部は、前記管理サーバとの間で通信が行えない状況下で前記イベントが発生したときに、前記イベントを前記未送信イベント情報として記録し、前記管理サーバとの間で通信が再開されたときに、前記未送信イベント情報を前記管理サーバに通知するとともに、
前記管理サーバの記憶部には、該利用者に対応する端末利用実績時間帯が端末利用時間実績情報としてあわせて記憶され、
前記管理サーバは、
前記端末装置からのイベント通知に応じて、該端末装置の起動日時、または、シャットダウン日時の情報を該利用者の前記端末利用時間実績情報として記録する端末利用実績記録部をさらに備える
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の稼働時間管理システム。
【請求項9】
前記ネットワーク切断設定部は、前記ネットワーク接続を行わないことを設定した状態にあるときに、さらに、前記管理サーバとの通信確認を定期的に行い、その通信が成功した場合には、前記再接続を行うことにその設定状況を自動的に切り替えることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の稼働時間管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2010−182170(P2010−182170A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−26146(P2009−26146)
【出願日】平成21年2月6日(2009.2.6)
【出願人】(399076312)安川情報システム株式会社 (77)
【Fターム(参考)】