説明

積層コンデンサ

【課題】より一層の低ESL化が図られた積層コンデンサを提供する。
【解決手段】各独立コンデンサ部を構成する第1,第2内部導体層14,15の引出部14a,15aの中心間隔b1,b3を、隣接する独立コンデンサ部にあって最も隣接する第1,第2内部導体層14,15の引出部14a,15aの中心間隔b2よりも狭くすることによって、一方極性の引出部14aから他方極性の引出部15aへの電流経路の長さを短くして該電流経路で生じ得るインダクタンスを低下させ、しかも、一方極性の引出部14aと他方極性の引出部15aを近づけて該引出部14a,15aに逆向きに流れる電流により得られる磁界相殺作用を効果的に行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デカップリングの用途に適した積層コンデンサに関する。
【背景技術】
【0002】
デカップリングに用いられる積層コンデンサには高静電容量と低ESL(等価直列インダクタンス)が求められており、特許文献1及び2にはこの種の積層コンデンサが開示されている。
【0003】
特許文献1の積層コンデンサは、直方体形状の本体と、本体の幅方向両側面それぞれに非接触で4個ずつ設けられた極性が交互に異なる計8個の外部電極とを備えている。本体は、幅方向両側縁にそれぞれ2個ずつ設けられた計4個の引出部を有する第1内部導体層と、幅方向両側縁にそれぞれ2個ずつ設けられた計4個の引出部を第1内部導体層の引出部とは異なる位置に有する第2内部導体層とを、誘電体層を介して交互に積層して一体化した構造を有している。各第1内部導体層の4個の引出部は一方極性の4個の外部電極に接続され、各第2内部導体層の4個の引出部は他方極性の残り4個の外部電極に接続されている。
【0004】
一方、特許文献2の積層コンデンサは、特許文献1の積層コンデンサの各第1内部導体層を幅方向に2分割すると共に各第2内部導体層を幅方向に2分割したような構造を備えている。
【特許文献1】特表2002−508114号公報
【特許文献2】特開2002−151349号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
積層コンデンサの静電容量は基本的には内部導体層の積層数によって調整できるため、特許文献1及び特許文献2の積層コンデンサの何れもデカップリングの用途に適した充分な静電容量を得ることができる。
【0006】
一方、積層コンデンサのESLは該積層コンデンサの全体構造によって決まるものであるが、特許文献1及び特許文献2の積層コンデンサでは誘電体層を介して隣り合う異極性の引出部に流れる電流の向きが逆になるようにすることで各々の引出部に流れる電流により生じる磁界を相殺してESL低減を図っている。
【0007】
特許文献1及び特許文献2の積層コンデンサで採用されているESL低減手法は、一方極性の引出部から他方極性の引出部への電流経路で生じたインダクタンスを磁界相殺作用によって低減するものであるが、一方極性の引出部から他方極性の引出部への電流経路の長さを短くして該電流経路で生じ得るインダクタンスを低下させればより一層のESL低減を図ることができ、また、一方極性の引出部と他方極性の引出部を近づけて磁界相殺作用が効果的に行えるようにすればより一層のESL低減を図ることができる。
【0008】
本発明は前記事情に鑑みて創作されたもので、その目的とするところは、より一層の低ESL化が図られた積層コンデンサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するため、本発明は、直方体形状の本体の側面に一方極性の第1外部電極と他方極性の第2外部電極とを非接触で交互に設けた積層コンデンサであって、本体は、同一平面に非接触で並ぶ複数の第1内部導体層と、同一平面に非接触で並ぶ第1内部導体層と同数の第2内部導体層とを、誘電体層を介して交互に積層して一体化した構造を有していて、誘電体層を介して積層方向で並ぶ第1,第2内部電極層それぞれによって複数の独立コンデンサ部を構成しており、各独立コンデンサ部の第1,第2内部導体層は同じ側縁の異なる位置に1つの引出部を有していて、各独立コンデンサ部の第1内部導体層の引出部は第1外部電極にそれぞれ接続され、且つ、第2内部導体層の引出部は該第1外部電極と隣接する第2外部電極にそれぞれ接続されており、各独立コンデンサ部の第1,第2内部導体層の引出部の中心間隔は、隣接する独立コンデンサ部にあって最も隣接する第1,第2内部導体層の引出部の中心間隔よりも狭い、ことをその特徴とする。
【0010】
この積層コンデンサによれば、各独立コンデンサ部の第1,第2内部導体層の引出部の中心間隔を、隣接する独立コンデンサ部にあって最も隣接する第1,第2内部導体層の引出部の中心間隔よりも狭くすることによって、一方極性の引出部から他方極性の引出部の電流経路の長さを短くして該電流経路で生じ得るインダクタンスを低下させることができ、しかも、一方極性の引出部と他方極性の引出部を近づけて該引出部に逆向きに流れる電流により得られる磁界相殺作用を効果的に行うことができ、これにより積層コンデンサのESLをより一層低減することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、より一層の低ESL化が図られた積層コンデンサを提供することができる。
【0012】
本発明の前記目的とそれ以外の目的と、構成特徴と、作用効果は、以下の説明と添付図面によって明らかとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
[第1実施形態]
図1〜図3は本発明(積層コンデンサ)の第1実施形態を示すもので、図1は積層コンデンサの斜視図、図2は図1に示した積層コンデンサの横断面図、図3は図1に示した本体の層構成を示す斜視図である。
【0014】
第1実施形態の積層コンデンサ10は、所定の長さ,幅及び高さを有する直方体形状の本体11と、本体11の幅方向両側面それぞれに非接触で交互に設けられた一方極性の第1外部電極12と他方極性の第2外部電極13とを備えている。
【0015】
第1外部電極12と第2外部電極13は本体11の幅方向両側面それぞれに2個ずつ設けられており、本体11の一側面(図1の右側面)には計4個の第1,第2外部電極12,13が左から第1外部電極12,第2外部電極13,第1外部電極12,第2外部電極13の順に並んでいて、本体11の他側面(図1の左側面)には一側面の第1,第2外部電極12,13と向き合うように計4個の第1,第2外部電極12,13が左から第2外部電極13,第1外部電極12,第2外部電極13,第1外部電極12の順に並んでいる。
【0016】
本体11は、同一平面に非接触で並ぶ2個の第1内部導体層14と、同一平面に非接触で並ぶ第1内部導体層と同数の第2内部導体層15とを、誘電体層DLを介して交互に積層して一体化した構造を有している。各第1内部導体層14と各第2内部導体層15はほぼ同サイズの矩形状を成し、同一平面に非接触で並ぶ2個の第1内部導体層14と同一平面に非接触で並ぶ2個の第2内部導体層15は誘電体層DLを介して積層方向で向き合っている。つまり、本体11には、誘電体層DLを介して積層方向で並ぶ第1,第2内部電極層14,15それぞれによって2個の独立コンデンサ部(符号無し)が長さ方向に間隔をおいて構成されている。
【0017】
各第1内部導体層14はその幅方向一側縁(図3の右側縁)と幅方向他側縁(図3の左側縁)にそれぞれ1個の引出部14aを有し、各第2内部導体層15はその幅方向一側縁(図3の右側縁)と幅方向他側縁(図3の左側縁)にそれぞれ1個の引出部14aを有している。各第1内部導体層14の引出部14aと各第2内部導体層15の引出部15aはほぼ同サイズの矩形状を成し、同一平面に非接触で並ぶ2個の第1内部導体層14の引出部14aの位置と同一平面に非接触で並ぶ2個の第2内部導体層15の引出部15aの位置は長さ方向で異なっていて積層方向では向き合ってはいない。
【0018】
図2に示すように、一方の独立コンデンサ部(図2の左側に構成されるコンデンサ部)を構成する各第1内部電極層14の一側縁(図2の上側縁)の引出部14aは本体11の一側面(図2の上側面)の最も左に位置する第1外部電極12に接続され、他側縁(図2の下側縁)の引出部14aは本体11の他側面(図2の下側面)の左から2番目に位置する第1外部電極12に接続されている。また、一方の独立コンデンサ部(図2の左側に構成されるコンデンサ部)を構成する各第2内部電極層15の一側縁(図2の上側縁)の引出部15aは本体11の一側面(図2の上側面)の左から2番目に位置する第2外部電極13に接続され、他側縁(図2の下側縁)の引出部15aは本体11の他側面(図2の下側面)の最も左に位置する第2外部電極13に接続されている。
【0019】
他方の独立コンデンサ部(図2の右側に構成されるコンデンサ部)を構成する各第1内部電極層14の一側縁(図2の上側縁)の引出部14aは本体11の一側面(図2の上側面)の左から3番目に位置する第1外部電極12に接続され、他側縁(図2の下側縁)の引出部14aは本体11の他側面(図2の下側面)の左から4番目に位置する第1外部電極12に接続されている。また、一方の独立コンデンサ部(図2の右側に構成されるコンデンサ部)を構成する各第2内部電極層15の一側縁(図2の上側縁)の引出部15aは本体11の一側面(図2の上側面)の左から4番目に位置する第2外部電極13に接続され、他側縁(図2の下側縁)の引出部15aは本体11の他側面(図2の下側面)の左から3番目に位置する第2外部電極13に接続されている。
【0020】
図2に示すように、本体11の一側面(図2の上側面)に設けられた計4個の第1,第2外部電極12,13(2個の第1外部電極12と2個の第2外部電極13)において隣接する第1,第2外部電極12,13の中心間隔a1〜a3は全て等しい。
【0021】
また、各独立コンデンサ部を構成する第1,第2内部導体層14,15の引出部14a,15aの中心間隔b1,b3は、隣接する独立コンデンサ部にあって最も隣接する第1,第2内部導体層14,15の引出部14a,15aの中心間隔b2よりも狭い。しかも、前記中心間隔b1,b3は前記中心間隔a1〜a3よりも狭く、前記中心間隔b2は前記中心間隔a1〜a3よりも広い。
【0022】
寸法線等の図示を省略したが、本体11の他側面側(図2の下側面側)の第1,第2外部電極12,13の中心間隔と第1,第2内部導体層14,15の引出部14a,15aの中心間隔も前記と同じである。
【0023】
前記中心間隔b1,b3を狭くする際の可変範囲は、第1,第2外部電極12,13の幅と引出部14a,15aとの差に依存する。図2には可変範囲の最大値まで前記中心間隔b1,b3を狭くしたものを例示してあるが、必ずしも前記中心間隔b1,b3を可変範囲の最大値まで狭くする必要はない。
【0024】
前述の積層コンデンサ10にあっては、前記中心間隔b1,b3を前記中心間隔b2よりも狭くすることによって、一方極性の引出部14aから他方極性の引出部15aへの電流経路の長さを短くして該電流経路で生じ得るインダクタンスを低下させることができ、しかも、一方極性の引出部14aと他方極性の引出部15aを近づけて該引出部14a,15aに逆向きに流れる電流により得られる磁界相殺作用を効果的に行うことができ、これにより積層コンデンサ10のESLをより一層低減することができる。
【0025】
因みに、実験によれば、各引出部14a,15aの幅が150μmで長さが125μmの積層コンデンサにおいて前記中心間隔a1〜a3を500μmとし前記中心間隔b1,b3を400μmとし前記中心間隔b2を600μmとした場合には、前記中心間隔a1〜a3を500μmとし前記中心間隔b1〜b3を500μmとした場合に比べて5pH前後のESL低下を図ることができたことを付記する。
【0026】
[第2実施形態]
図4〜図6は本発明(積層コンデンサ)の第2実施形態を示すもので、図4は積層コンデンサの斜視図、図5は図4に示した積層コンデンサの横断面図、図6は図4に示した本体の層構成を示す斜視図である。
【0027】
第2実施形態の積層コンデンサ20は、所定の長さ,幅及び高さを有する直方体形状の本体21と、本体21の幅方向両側面それぞれに非接触で交互に設けられた一方極性の第1外部電極22と他方極性の第2外部電極23とを備えている。
【0028】
第1外部電極22と第2外部電極23は本体21の幅方向両側面それぞれに2個ずつ設けられており、本体21の一側面(図4の右側面)には計4個の第1,第2外部電極22,23が左から第1外部電極22,第2外部電極23,第1外部電極22,第2外部電極23の順に並んでいて、本体21の他側面(図4の左側面)には一側面の第1,第2外部電極22,23と向き合うように計4個の第1,第2外部電極22,23が左から第2外部電極23,第1外部電極22,第2外部電極23,第1外部電極22の順に並んでいる。
【0029】
本体21は、同一平面に非接触で並ぶ2個の第1内部導体層24と、同一平面に非接触で並ぶ第1内部導体層と同数の第2内部導体層25とを、誘電体層DLを介して交互に積層して一体化した構造を有している。各第1内部導体層24と各第2内部導体層25はほぼ同サイズの矩形状を成し、同一平面に非接触で並ぶ2個の第1内部導体層24と同一平面に非接触で並ぶ2個の第2内部導体層25は誘電体層DLを介して積層方向で向き合っている。つまり、本体21には、誘電体層DLを介して積層方向で並ぶ第1,第2内部電極層24,25それぞれによって2個の独立コンデンサ部(符号無し)が長さ方向に間隔をおいて構成されている。
【0030】
各第1内部導体層24はその幅方向一側縁(図6の右側縁)と幅方向他側縁(図6の左側縁)にそれぞれ1個の引出部24aを有し、各第2内部導体層25はその幅方向一側縁(図6の右側縁)と幅方向他側縁(図6の左側縁)にそれぞれ1個の引出部24aを有している。各第1内部導体層24の引出部24aと各第2内部導体層25の引出部25aはほぼ同サイズの矩形状を成し、同一平面に非接触で並ぶ2個の第1内部導体層24の引出部24aの位置と同一平面に非接触で並ぶ2個の第2内部導体層25の引出部25aの位置は長さ方向で異なっていて積層方向では向き合ってはいない。
【0031】
図5に示すように、一方の独立コンデンサ部(図5の左側に構成されるコンデンサ部)を構成する各第1内部電極層24の一側縁(図5の上側縁)の引出部24aは本体21の一側面(図5の上側面)の最も左に位置する第1外部電極22に接続され、他側縁(図5の下側縁)の引出部24aは本体21の他側面(図5の下側面)の左から2番目に位置する第1外部電極22に接続されている。また、一方の独立コンデンサ部(図5の左側に構成されるコンデンサ部)を構成する各第2内部電極層25の一側縁(図5の上側縁)の引出部25aは本体21の一側面(図5の上側面)の左から2番目に位置する第2外部電極23に接続され、他側縁(図5の下側縁)の引出部25aは本体21の他側面(図5の下側面)の最も左に位置する第2外部電極23に接続されている。
【0032】
他方の独立コンデンサ部(図5の右側に構成されるコンデンサ部)を構成する各第1内部電極層24の一側縁(図5の上側縁)の引出部24aは本体21の一側面(図5の上側面)の左から3番目に位置する第1外部電極22に接続され、他側縁(図5の下側縁)の引出部24aは本体21の他側面(図5の下側面)の左から4番目に位置する第1外部電極22に接続されている。また、一方の独立コンデンサ部(図5の右側に構成されるコンデンサ部)を構成する各第2内部電極層25の一側縁(図5の上側縁)の引出部25aは本体21の一側面(図5の上側面)の左から4番目に位置する第2外部電極23に接続され、他側縁(図5の下側縁)の引出部25aは本体21の他側面(図5の下側面)の左から3番目に位置する第2外部電極23に接続されている。
【0033】
図5に示すように、本体21の一側面(図5の上側面)に設けられた計4個の第1,第2外部電極22,23(2個の第1外部電極22と2個の第2外部電極23)において隣接する第1,第2外部電極22,23の中心間隔a1〜a3のうち、各独立コンデンサ部を構成する第1,第2内部導体層24,25の引出部24a,25aが接続された第1,第2外部電極22,23の中心間隔a1,a3は、隣接する独立コンデンサ部にあって最も隣接する第1,第2内部導体層24,25の引出部24a,25aが接続された第1,第2外部電極23,24の中心間隔a2よりも狭い。
【0034】
また、各独立コンデンサ部を構成する第1,第2内部導体層24,25の引出部24a,25aの中心間隔b1,b3は、隣接する独立コンデンサ部にあって最も隣接する第1,第2内部導体層24,25の引出部24a,25aの中心間隔b2よりも狭い。しかも、前記中心間隔b1,b3は前記中心間隔a1,a3よりも狭く、前記中心間隔b2は前記中心間隔a2よりも広い。
【0035】
寸法線等の図示を省略したが、本体21の他側面側(図5の下側面側)の第1,第2外部電極22,23の中心間隔と第1,第2内部導体層24,25の引出部24a,25aの中心間隔も前記と同じである。
【0036】
前記中心間隔a1〜a3は積層コンデンサ毎に定められている規格値の公差に収まる範囲で可変することができる。また、前記中心間隔b1,b3を狭くする際の可変範囲は、第1,第2外部電極22,23の幅と引出部24a,25aとの差に依存する。図5には可変範囲の最大値まで前記中心間隔b1,b3を狭くしたものを例示してあるが、必ずしも前記中心間隔b1,b3を可変範囲の最大値まで狭くする必要はない。
【0037】
前述の積層コンデンサ20にあっては、前記中心間隔b1,b3を前記中心間隔b3よりも狭くすることによって、一方極性の引出部24aから他方極性の引出部25aへの電流経路の長さを短くして該電流経路で生じ得るインダクタンスを低下させることができ、しかも、一方極性の引出部24aと他方極性の引出部15aを近づけて該引出部24a,25aに逆向きに流れる電流により得られる磁界相殺作用を効果的に行うことができ、これにより積層コンデンサ20のESLをより一層低減することができる。
【0038】
また、前記中心間隔a1,a3を前記中心間隔a2よりも狭くすることによって前記中心間隔b1,b3をより狭くすることができるので、一方極性の引出部24aから他方極性の引出部15aへの電流経路の長さをより短くして該電流経路で生じ得るインダクタンスをより低下させることができ、しかも、一方極性の引出部24aと他方極性の引出部15aをより近づけて該引出部24a,25aに逆向きに流れる電流により得られる磁界相殺作用をより効果的に行うことができ、これにより積層コンデンサ20のESLをより一層低減することができる。
【0039】
因みに、実験によれば、各引出部24a,25aの幅が150μmで長さが125μmの積層コンデンサにおいて前記中心間隔a1,a3を400μmとし前記中心間隔a2を00μmとし前記中心間隔b1,b3を300μmとし前記中心間隔b2を700μmとした場合には、前記中心間隔a1〜a3を500μmとし前記中心間隔b1〜b3を500μmとした場合に比べて6pH前後のESL低下を図ることができたことを付記する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の第1実施形態を示す、積層コンデンサの斜視図
【図2】図1に示した積層コンデンサの横断面図である。
【図3】図1に示した本体の層構成を示す斜視図である。
【図4】本発明の第2実施形態を示す、積層コンデンサの斜視図である。
【図5】図4に示した積層コンデンサの横断面図である。
【図6】図4に示した本体の層構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0041】
10…積層コンデンサ、11…本体、12…第1外部電極、13…第2外部電極、14…第1内部導体層、14a…引出部、15…第2内部導体層、15a…引出部、DL…誘電体層、20…積層コンデンサ、21…本体、22…第1外部電極、23…第2外部電極、24…第1内部導体層、24a…引出部、25…第2内部導体層、25a…引出部、DL…誘電体層。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直方体形状の本体の側面に一方極性の第1外部電極と他方極性の第2外部電極とを非接触で交互に設けた積層コンデンサであって、
本体は、同一平面に非接触で並ぶ複数の第1内部導体層と、同一平面に非接触で並ぶ第1内部導体層と同数の第2内部導体層とを、誘電体層を介して交互に積層して一体化した構造を有していて、誘電体層を介して積層方向で並ぶ第1,第2内部電極層それぞれによって複数の独立コンデンサ部を構成しており、
各独立コンデンサ部の第1,第2内部導体層は同じ側縁の異なる位置に1つの引出部を有していて、各独立コンデンサ部の第1内部導体層の引出部は第1外部電極にそれぞれ接続され、且つ、第2内部導体層の引出部は該第1外部電極と隣接する第2外部電極にそれぞれ接続されており、
各独立コンデンサ部の第1,第2内部導体層の引出部の中心間隔は、隣接する独立コンデンサ部にあって最も隣接する第1,第2内部導体層の引出部の中心間隔よりも狭い、
ことを特徴とする積層コンデンサ。
【請求項2】
第1外部電極と第2外部電極は本体の幅方向両側面それぞれに2個ずつ設けられ、
同一平面に非接触で並ぶ第1内部導体層の数は2で、同一平面に非接触で並ぶ第2内部導体層の数は2で、独立コンデンサ部の数は2であり、
引出部は各独立コンデンサ部の第1,第2内部導体層の幅方向両側縁にそれぞれ1個ずつ設けられていて、各独立コンデンサ部の第1内部導体層の一側縁の引出部は本体の一側面の第1外部電極に接続され、且つ、他側縁の引出部は本体の他側面の第1外部電極に接続され、各独立コンデンサ部の第2内部導体層の一側縁の引出部は本体の一側面の第2外部電極に接続され、且つ、他側縁の引出部は本体の他側面の第2外部電極に接続されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の積層コンデンサ。
【請求項3】
各独立コンデンサ部の第1,第2内部導体層の引出部が接続された第1,第2外部電極の中心間隔は全て等しく、各独立コンデンサ部の第1,第2内部導体層の引出部の中心間隔は該第1,第2外部電極の中心間隔よりも狭い、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の積層コンデンサ。
【請求項4】
各独立コンデンサ部の第1,第2内部導体層の引出部が接続された第1,第2外部電極の中心間隔は、隣接する独立コンデンサ部にあって最も隣接する第1,第2内部導体層の引出部が接続された第1,第2外部電極の中心間隔よりも狭く、
各独立コンデンサ部の第1,第2内部導体層の引出部の中心間隔は、各独立コンデンサ部の第1,第2内部導体層の引出部が接続された第1,第2外部電極の中心間隔よりも狭い、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の積層コンデンサ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2009−21280(P2009−21280A)
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−180785(P2007−180785)
【出願日】平成19年7月10日(2007.7.10)
【出願人】(000204284)太陽誘電株式会社 (964)
【Fターム(参考)】