説明

積層電子部品及びその製造方法

【課題】外部電極の剥離強度が高い積層電子部品を提供する。
【解決手段】積層コンデンサ10は、セラミックス14と内部電極16,18が交互に複数積層した積層体12の表面12A,12Bに、外部電極20,22,24,26を形成したものである。前記外部電極20,24は、側面電極30によって内部電極18と接続され、前記外部電極22,26は、側面電極32によって前記内部電極16と接続されている。前記外部電極26は、図1(B)に示すように、セラミックス14に食い込んだ凸部26Aを有するとともに、積層体表面12Bから若干盛り上がった突出部26Bを有している。前記凸部26Aがセラミックス14に食い込んでいるため、外部電極26の剥離強度が高くなり、また、前記突出部26Bによって、側面電極32との良好な電気的接続性が確保される。他の外部電極20,22,24についても同様である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層電子部品及びその製造方法に関し、更に具体的には、外部電極の剥離強度の改善に関するものである。
【背景技術】
【0002】
積層チップコンデンサなどの積層電子部品は、内部用導体(内部電極や内部配線など)を備えた積層体の表面に外部電極を形成した構成となっている。積層コンデンサの場合は、内部電極パターンが形成されたセラミックスのシートを複数積層し、圧着した後に外部電極を作成し焼成する,もしくは、圧着した後に焼成し、その後、外部電極を作成することによって形成されている。このような技術としては、例えば、下記特許文献1の積層セラミック電子部品の製造方法がある。該特許文献1に記載の技術には、電極層が形成されたシートを複数積層した積層グリーン体を、剛体キャリア板と剛性板で挟んで静水圧プレスすることにより、圧力歪みを減少させることが開示されている。
【特許文献1】特開平5−283277号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上述した特許文献1に記載の技術では、圧着した積層グリーン体を切断した後に焼成し、得られたコンデンサ素体の端部に外部電極を形成している。前記端部は、積層中央部よりも厚みが若干小さくなっており、ここに前記外部電極を形成することで、基板実装時の安定性を得ることが可能となっている。しかしながら、前記外部電極は、第6図に示すように、コンデンサ素体とほぼ平面で接触しているため、剥離強度が十分に高いとはいえないという不都合がある。
【0004】
本発明は、以上の点に着目したもので、その目的は、外部電極の剥離強度が高い積層電子部品及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するため、本発明の積層電子部品は、複数のセラミックス層と内部用導体とを有する積層体の表面に、外部電極を設けた積層電子部品であって、前記外部電極が、前記積層体のセラミックス部分に食い込む凸部を有することを特徴とする。主要な形態の一つは、前記外部電極が、前記積層体表面に盛り上がった突出部を有することを特徴とする。
【0006】
本発明の積層電子部品の製造方法は、内部用導体パターンが形成されたセラミックスシートを積層するとともに、積層体表面に外部電極用の導体パターンを凸状に形成する工程,前記積層体を一対の硬板で挟み込み、前記外部電極用の導体パターンの少なくとも一部が、前記積層体のセラミックス部分に食い込む凸部を形成するように圧着する工程,該圧着工程後の積層体を焼成する工程,を含むことを特徴とする。
【0007】
主要な形態の一つは、前記内部用導体パターン及び外部電極用の導体パターンが、前記セラミックスシートの主面上及び積層体の表面上に多数分割形成されているときに、前記圧着工程後の積層体を焼成する前に、個々のチップが前記外部電極用の導体パターンの凸部を含むような位置で、前記積層体を複数のチップに分割する工程,を含むことを特徴とする。他の形態は、前記圧着工程において、前記積層体と硬板との間に、圧力緩和用フィルムを設けて圧着を行うことを特徴とする。
【0008】
他の発明の積層電子部品は、前記いずれかに記載の製造方法によって形成したことを特徴とする。本発明の前記及び他の目的,特徴,利点は、以下の詳細な説明及び添付図面から明瞭になろう。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、複数のセラミックス層と内部用導体とを有する積層体の表面に、該積層体のセラミックス部分に凸部が食い込むように外部電極を設けて積層電子部品を形成することとしたので、外部電極の剥離強度の向上を図ることができる。また、前記外部電極が、前記積層体表面から盛り上がった突出部を有するように形成することで、側面電極との良好な接続性が得られるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、実施例に基づいて詳細に説明する。
【実施例1】
【0011】
最初に、図1〜図6を参照しながら本発明の実施例1を説明する。本実施例は、本発明の積層電子部品として、積層コンデンサを例に挙げて説明したものである。図1(A)は、本実施例の積層コンデンサの断面図,図1(B)は外部電極の断面拡大図である。図2は、本実施例の積層構造を示す図であり、(A)は分解斜視図,(B)は前記(A)を#A−#A線に沿って切断し矢印方向に見た断面図である。図3は、本発明の外部電極の基本的な圧着及び分割工程を示す断面図,図4は、比較例の外部電極の圧着及び分割工程を示す断面図,図5は、本実施例の外部電極の圧着工程を示す断面図である。図6は、本発明及び比較例における外部電極と側面電極の接続例を示す断面図である。
【0012】
図1に示すように、本実施例の積層コンデンサ10は、セラミックス14と内部電極16及び18が交互に複数積層した積層体12の表面12A,12Bに、外部電極20,22,24,26を形成したものである。前記外部電極20及び24は、側面電極30によって前記内部電極18と接続され、前記外部電極22及び26は、側面電極32によって前記内部電極16と接続されている。前記外部電極26は、図1(B)に示すように、セラミックス14に食い込んだ凸部26Aを有するとともに、積層体表面12Bから若干盛り上がった突出部26Bを有している。セラミックス部分に食い込む凸部26Aを有するということは、前記セラミックス14の外部電極塗布部のセラミックス素体が谷状に凹み、そこに外部電極導体が充填された形状であると表現することもできる。前記凸部26Aがセラミックス14に食い込んでいるため、外部電極26の剥離強度が高くなる。また、前記突出部26Bは、前記側面電極32と良好な接続性を維持するために設けられているものであり、側面電極32を用いずに、内部電極18とビアホール接続などを行う場合には、外部電極26の表面が積層体表面12Bと面一となるように形成してもよい。他の外部電極20,22,24についても、前記外部電極26と同様の構成となっている。
【0013】
次に、本実施例の製造方法の一例を説明する。通常、工業的に生産を行う場合には、1個1個のチップを作成せずに、チップが複数個まとめられた成型体を作成してから、後に個片化すると効率がよいため、以下の説明においても、複数個のチップをまとめて作成する方法を例示する。
【0014】
(1)グリーンシートの作成・・・まず、材料100重量部に対して、10〜20重量部のバインダと、同じく10〜40重量部の溶剤を、ボールミル等で混合したスラリーを、市販の塗工装置によってシート状に塗工し、60〜80℃で乾燥させてロール状のグリーンシートを得る。前記材料としては、例えば、チタン酸バリウムが用いられる。また、前記バインダは、ブチラール系やアクリル樹脂系であってもよいし、それ以外の公知のものを用いてもよい。溶剤についても、トルエン,エタノール,イソプロピルアルコール等の公知の溶剤から適宜選択してよい。なお、前記グリーンシートはロール状のままであっても、また、ロールを枚葉状に切り離して個別シート化しても本質は同じであり、同様のプロセスを行うことができる。そこで、本実施例では、理解を容易にするために枚葉法にて以下の説明を行うこととする。
【0015】
(2)内部電極パターンの作成・・・内部電極用導体については、例えば、Ni,Cu,Ag−Pd,Agなど所望の電極・導体材料を用い、スクリーン印刷,転写,インクジェットなどの適宜方法によって、パターン毎に作成し、必要に応じて乾燥などを行う。本実施例では、図2(A)に示すように、内部電極16用の導体パターン16Pをグリーンシート上に形成した内部電極シート14Aと、内部電極18用の導体パターン18Pをグリーンシート上に形成した内部電極シート14Bの2種類のシートを形成する。
【0016】
(3)外部電極パターンの形成・・・積層コンデンサ10の一方の表面(図1の上側)の外部電極20,22については、例えば、Ni,Cu,Ag−Pdなどの所望の電極材料によって、グリーンシート上に導体パターンを形成する。本実施例では、図2(A)に示すように、外部電極20,22用の導体パターン20P,22Pをグリーンシート上に形成した外部電極シート14Dが形成される。一方、積層コンデンサ10の他方の表面(図1の下側)の外部電極24,26については、前記外部電極シート14Dと同じ側に電極層を形成すると、積層の関係上、外部電極として機能しない。
【0017】
このため、
(a)グリーンシートの裏側に導体パターン24P,26Pを形成した外部電極シート14Eを使用する,
(b)積層工程後の積層バー40の裏面に外部電極の導体パターン24P,26Pを形成する,
のいずれかの手法を用いて外部電極パターン24A,26Pを形成する。なお、上側,下側を問わず、外部電極の形成にあたっても、工法によっては必要に応じて乾燥を行う。以上のような内部電極シート14A及び14B、外部電極シート14D,14Eのほか、導体パターンが形成されていないカバーシート14Cが所定枚数用意される。
【0018】
(4)積層・・・次に、図2(A)に示す層構成となるように、一括、もしくは、逐次一層ずつシートを積んでいく。この場合、積層前にグリーンシートのキャリアフィルムであるPETを剥離しておいて一括もしくは逐次で積層を行ってもよいし、逐次一層積層後にPETを剥離していくようにしてもよい。使用したバインダによって、適宜グリーンシートに70℃程度の温度をかけながら、数MPa〜数十MPaの圧力をかけて積層を行っていく。
【0019】
なお、上述したように、最終層については、外部電極の方向の観点から、電極パターン24P,26Pをシート裏面に形成した外部電極シート14Eか、あるいは、カバーシート14Cを積層し、その後すぐに積層バー40の裏面に印刷その他の手法で外部電極の導体パターン24P,26Pを形成するようにしてもよい。このように、上から、外部電極シート14D,所定枚数のカバーシート14C,内部電極層数分の内部電極シート14A及び14B,所定枚数のカバーシート14C,外部電極シート14E(もしくは積層後にひっくり返して導体パターン24P,26Pが印刷されるカバーシート)が順に積層した積層バー40が得られる。
【0020】
(5)圧着,外部電極の加工,切断・・・以上の工程によって形成された積層バー40は、図2(B)の断面に示すように、上下の外部電極用の導体パターン20P,22P,24P,26Pが、積層バー40の表面から盛り上がった凸状となっている。そこで、図3(A)に示すように、前記積層バー40の表裏両面を、SUS板などの硬板50,52に挟み込んだ後、図3(B)に示すように、加熱しながら数分間圧着を行う。前記硬板50,52は、離型処理がしてあると都合がよい。前記圧着は、1軸の油圧プレスであっても外部電極の加工自体は可能であるが、積層バー40の側面からのサポートがないと、積層バー40の伸びなどの原因になるため、通常は、静水圧プレスなどの等方圧のプレスを用いる。温度については、80〜120℃まで、選択したバインダに応じた温度を適宜選択する。
【0021】
以上のような圧着後、積層バー40を図3(C)に点線Lで示す位置で切断すると、図3(D)に示すように、セラミックス14の内部に外部電極20〜26(導体パターン20P〜26P)が凸状に食い込んだ積層チップ56が得られる。積層バー40は、例えば、ダイサー機にダイヤモンドブレードなどの刃を用いて、個々のチップに切断する。仮に、図4(A)に示す比較例の積層バー60(内部の積層構造は省略)のように、表裏両面に導体パターン62P,64Pを設け、図4(B)に示すように硬板50,52で挟み込んで圧着し、図4(C)に点線Lで示すように、導体パターン62P,64Pの中央部で切り離して個別の積層チップ68を得るとする。この場合、図4(D)に示すように、積層チップ68の端面における外部電極62A,62B,64A,64Bの断面形状は、略1/4楕円形状となる。すなわち、図6(A)に示すように、側面電極30,32との接続性は良好であっても、セラミックス66に食い込む凸状部分がなく、緩やかな曲面でセラミックスと接触しているため、外部電極62A,62B,64A,64Bの剥離強度が弱くなってしまう。これに対し、本実施例では、前記積層チップ56の端面における導体パターン20P〜26Pの断面形状は略半円形であり、セラミックス14に食い込む凸部26Aを有しているため、外部電極の剥離強度が高い。
【0022】
ところで、図3(A)〜(D)に示す圧着・切断工程で形成した積層チップ56は、該積層チップ56の表面と外部電極20〜26の表面が面一のため、図6(B)に示すように、側面電極30,32を必要とする構造の場合には、良好な接続を確保するために、回り込み部30A,30B,32A,32Bを設ける必要がある。そこで、本実施例では、前記側面電極30,32との接続性を向上させるために、図5(A-1)及び(A-2)に示すように、前記積層バー40と硬板50,52との間に、圧力緩和用のフィルム70,72を設けて圧着を行うこととしている。前記フィルム70,72は、例えば、PETフィルムなどであって、該フィルム70,72を介して圧着を行うことにより,導体パターン20P〜26Pのつぶし量をコントロールできる。
【0023】
例えば、図5(B-1)及び(B-2),図6(C)に示すように、導体パターン26P(ないし外部電極26)が完全にセラミックス14に食い込まず、セラミックス14の表面から若干盛り上がった突出部26Bを形成するようにつぶし量をコントロールすることにより、外部電極の剥離強度を高く維持したまま、側面電極30,32との電気的接続性が良好な積層チップ58を得ることができる。このような外部電極の形状は、フィルム70,72の硬さや厚みによって調整可能である。なお、本実施例の積層コンデンサ10では、図1(A)及び図6(C)に示すように、側面電極30,32を設ける構成としたが、上下の外部電極20〜26と、内部電極16,18をビアホールなどによって接続し、側面電極30,32が不要な構成の場合には、図6(B)に示す構造であってもよい。
【0024】
(6)側面電極形成・・・次に個々の積層チップ58に、ローラ塗布法などの適宜手法を用いて側面電極30,32を形成する。側面電極30,32は、外部電極20〜26と同じ材料であってもよいし、異なる材料を用いてもよく、必要に応じて乾燥を行う。
【0025】
(7)脱バインダ及び焼成・・・前記側面電極30,32の形成後、使用したバインダの分解温度で一定時間温度を保持して脱バインダを進めたのち、焼成温度まで昇温し、所望の焼結体を得る。使用する材料系によって、温度,雰囲気は変わるが、例えば、チタン酸バリウム系の材料であれば、1300度付近で水素濃度1%未満の弱還元性雰囲気で焼成すればよい。これを実現するための焼成炉,焼成鞘などは適宜選択してよい。焼成後の積層チップ58は、積層コンデンサ10として機能し、必要に応じて端子メッキや特性検査、テーピング等の後工程へ送られる。
【0026】
このように、実施例1によれば、次のような効果がある。
(1)セラミックス14と複数の内部電極16,18が交互に積層した積層体12の表面に、前記セラミックス14に食い込む凸部を有する外部電極20,22,24,26を設けて積層コンデンサ10を形成することとしたので、外部電極20〜26の剥離強度の向上を図ることができる。
(2)前記外部電極20〜26が、前記積層体12の表面から若干盛り上がった突出部を有するように形成したので、外部電極の剥離強度を高く維持しながら、側面電極30,32との接続性の向上を図ることができる。
(3)積層バー40を硬板50,52で圧着する際に、前記積層バー40と硬板50,52の間にPETなどのフィルム70,72を設けて圧力の緩和を図ることとしたので、外部電極形状のコントロールが可能である。
【0027】
なお、本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しないは範囲内において種々変更を加え得ることができる。例えば、以下のものも含まれる。
(1)前記実施例で示した導体パターンは一例であり、必要に応じて適宜変更してよい。例えば、前記実施例1では、外部電極シート14D,14Eを利用することとしたが、外部電極シート14Dを表裏反転して対称性が得られるのであれば、該外部電極シート14Dを外部電極シート14Eの代わりに使用してもよい。このほかにも、外部電極の導体パターンが積層バー40の両面に凸状に形成される方法であれば、他の手法を用いるようにしてもよい。また、前記実施例では、2種類の内部電極シート14A,14Bを用意することとしたが、グリーンシートにVIA加工した上で内部導体を形成することによって、積層インダクタやLCR複合部品などを作成する場合には、2パターン以上のシートを用意して積層体を構成するようにしてよい。
【0028】
(2)前記実施例で示したシートの積層数は一例であり、必要に応じて適宜増減してよい。
(3)前記実施例で示した圧着方法,切断方法も一例であり、同様の効果を奏するものであれば、公知の各種の方法を用いてよい。
(4)前記実施例では、積層体12に側面電極30,32を形成することとしたが、これも一例であり、上下外部電極20〜26にビアホール接続などを行うことにより、側面電極を必要としない構成としてもよい。
(5)前記実施例で示した材料は一例であり、同様の効果を奏するように適宜変更してよい。
(6)前記実施例は、積層コンデンサに本発明を適用したものであるが、本発明は、公知の各種の積層電子部品に適用可能である。例えば、前記実施例では、積層コンデンサを例に挙げたため、積層体中の内部用導体は内部電極に相当するが、積層インダクタに本発明を適用した場合は、前記内部用導体は、螺旋状あるいは線状の導体を意味することになる。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明によれば、複数のセラミックス層と内部用導体とを有する積層体の表面に、該積層体のセラミックス部分に凸部が食い込むように外部電極を設けて、外部電極の剥離強度の向上を図ることとしたので、積層電子部品の用途に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の実施例1の積層コンデンサを示す図であり、(A)は断面図,(B)は外部電極の断面拡大図である。
【図2】前記実施例1の積層構造を示す図であり、(A)は分解斜視図,(B)は前記(A)を#A−#A線に沿って切断し矢印方向に見た断面図である。
【図3】本発明の外部電極の基本的な圧着及び分割工程を示す断面図である。
【図4】比較例の外部電極の圧着及び分割工程を示す断面図である。
【図5】前記実施例1の外部電極の圧着工程を示す断面図である。
【図6】本発明及び比較例における外部電極と側面電極の接続例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0031】
10:積層コンデンサ
12:積層体
12A,12B:表面
14:セラミックス
14A,14B:内部電極シート
14C:カバーシート
14D,14E:外部電極シート
16,18:内部電極
16P,18P:導体パターン
20,22,24,26:外部電極
20P,22P,24P,26P:導体パターン
26A:凸部
26B:突出部
30,32:側面電極
30A,30B,32A,32B:回り込み部
40:積層バー
50,52:硬板
56,58:積層チップ
60:積層バー
62A,62B,64A,64B:外部電極
62P,64P:導体パターン
66:セラミックス
68:積層チップ
70,72:フィルム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のセラミックス層と内部用導体とを有する積層体の表面に、外部電極を設けた積層電子部品であって、
前記外部電極が、前記積層体のセラミックス部分に食い込む凸部を有することを特徴とする積層電子部品。
【請求項2】
前記外部電極が、前記積層体表面に盛り上がった突出部を有することを特徴とする請求項1記載の積層電子部品。
【請求項3】
内部用導体パターンが形成されたセラミックスシートを積層するとともに、積層体表面に外部電極用の導体パターンを凸状に形成する工程,
前記積層体を一対の硬板で挟み込み、前記外部電極用の導体パターンの少なくとも一部が、前記積層体のセラミックス部分に食い込む凸部を形成するように圧着する工程,
該圧着工程後の積層体を焼成する工程,
を含むことを特徴とする積層電子部品の製造方法。
【請求項4】
前記内部用導体パターン及び外部電極用の導体パターンが、前記セラミックスシートの主面上及び積層体の表面上に多数分割形成されているときに、
前記圧着工程後の積層体を焼成する前に、個々のチップが前記外部電極用の導体パターンの凸部を含むような位置で、前記積層体を複数のチップに分割する工程,
を含むことを特徴とする請求項3記載の積層電子部品の製造方法。
【請求項5】
前記圧着工程において、前記積層体と硬板との間に、圧力緩和用フィルムを設けて圧着を行うことを特徴とする請求項3又は4記載の積層電子部品の製造方法。
【請求項6】
請求項3〜5のいずれかに記載の製造方法によって形成したことを特徴とする積層電子部品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−246052(P2009−246052A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−88866(P2008−88866)
【出願日】平成20年3月29日(2008.3.29)
【出願人】(000204284)太陽誘電株式会社 (964)
【Fターム(参考)】