説明

穏やかな洗剤混合物

本発明は、(a)蛋白脂肪酸縮合物10〜30重量%と、(b)蛋白質加水分解物1〜12重量%と、(c)アシルアミノ酸3〜20重量%と、(d)アミノ酸1〜12重量%と、防腐剤0〜3重量%を含有する柔軟洗剤混合物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、向上した皮膚化粧品適合性を有し、少なくともアシル化アミノ酸と蛋白脂肪酸縮合物を含む穏やかな洗剤混合物に関する。
【背景技術】
【0002】
アシル化アミノ酸と蛋白脂肪酸縮合物の混合物は、以前から知られている。そして、 DE 10102009 A1 には、アシル化アミノ酸40〜80重量%と蛋白脂肪酸縮合物60〜20重量%(前記の量は水で合計100重量%になる)を含有する界面活性剤混合物が記載されている。しかし、これらの界面活性剤混合物は、極めて高い粘度によって区別され、従って取り扱いが困難である。また、該混合物は水の硬度に敏感である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そこで、本発明が取り組むべき課題は、比較的低粘度を有し、そのため取り扱いが容易で水の硬度に影響されないような再生可能な原料に基づく洗剤混合物を提供することであった。また、該洗剤混合物は、従来の界面活性剤と少なくとも同様の泡立ち性能を有するが、皮膚に穏やかなものであろう。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、
(a)蛋白脂肪酸縮合物10〜30重量%と、
(b)蛋白質加水分解物1〜12重量%と、
(c)アシル化アミノ酸3〜20重量%と、
(d)アミノ酸1〜12重量%と、
(e)防腐剤0〜3重量%
を含有する洗剤混合物に関する。
【0005】
驚くべきことに、上記組成の洗剤混合物は、優れた泡立ち性能にもかかわらず、しかも皮膚に穏やかであることが判明した。加えて、該洗剤混合物は水の硬度の影響を受けない、即ち、水の硬度はその泡立ち性能に殆ど影響を及ぼさない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
特に好適な実施態様において、本発明の洗剤混合物は、(f)中和剤0.1〜10重量%を更に含む。該洗剤混合物のpHを6.5〜8の値に調節すると、最小限の着色と最小限の臭気が保証される。それは、洗剤混合物の成分は、このpH範囲で最適に安定化されるからである。適当な中和剤は、使用濃度で皮膚を刺激しない、化粧品産業で通常使用される任意の酸である。そのような酸の具体例は、クエン酸、グリコール酸、乳酸、酒石酸、グルクロン酸、硫酸及び塩酸である。
【0007】
更に、本発明の洗剤混合物は、(g)塩化ナトリウム又は塩化カリウム若しくは塩化ナトリウムと塩化カリウムの混合物0.1〜15重量%を含有してよい。
本発明の洗剤混合物の物理的特性と性能特性はいずれも、溶媒の存在によって影響され得る。高濃度液体又は低濃度液体の生成物を得るべきかに応じて、洗剤混合物を溶媒で所要粘度に調節してよい。また、溶媒は、化粧品製剤中で保湿又はコンディショニング成分として、同時に作用し得る。有利な実施態様では、本発明の洗剤混合物は、(g)エタノール、イソプロパノール、1,2-プロピレングリコール、トリメチルヘキサノール、グリセロール、エチレングリコール、2-メチルプロパン-1,3-ジオール、1,3-プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ブタン-1,2-ジオール、ブタン-1,4-ジオール、イソペンチルジオール、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、エリスリトール、ペンタエリスリトール、1-メトキシ-2-プロパノール、2-メトキシエタノール、2-エトキシエタノール、2-プロポキシエタノール、2-イソプロポキシエタノール、2-ブトキシエタノール、1-メトキシ-2-プロパノール、1-エトキシ-2-プロパノール、1-プロポキシ-2-プロパノール、1-イソプロポキシ-2-プロパノール、1-ブトキシ-2-プロパノール、1-イソブトキシ-2-プロパノール、メトキシイソプロパノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ヘキシレングリコールからなる群から選択される溶媒0.1〜15重量%を含有する。
【0008】
本発明の洗剤混合物は急速に分解し或いは微生物の寄生を受けやすい天然物質を含有するため、防腐剤を使用するのが有利である。好適な実施態様では、フェノキシエタノール、ホルムアルデヒド溶液、ブロノポール(Bronopol)又はブロニドックス(Bronidox)などのホルムアルデヒドのドナー、パラベン、ペンタンジオール、ソルビン酸、サリチル酸又は安息香酸を用いる。
【0009】
また、本発明の洗剤混合物の成分(a)〜(d)及び(f)は、互いに独立して、アルカリ金属、アルカリ土類金属及び/又はアンモニウムの塩として存在してよい。別の実施態様では、成分(a)〜(d)及び(f)は、互いに独立して、アンモニウム塩として存在し、該アミンは、アンモニア、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、トリイソプロピルアミン、2-アミノブタノール、アミノエチルプロパンジオール、アミノメチルプロパノール、アミノメチルプロパンジオール及び2-アミノ-2-ヒドロキシメチルプロパン-1,3-ジオールからなる群から選択される。欧州では、界面活性剤は主としてそのナトリウム塩として市販されているが、米国及び東南アジアでは、アンモニウム塩及び特にトリエタノールアミン塩が主要である。この理由は、それらのより良い溶解性から、アンモニウム塩及び特にトリエタノールアミン塩が、冷水(10℃〜)中で高い泡立ち性を有することである。これに対して欧州では、シャンプーとシャワーはより高温(30〜40℃)で行われるため、ナトリウム塩もまた使用され得る。
【0010】
好適な実施態様では、本発明の洗剤混合物は、水20〜60重量%を含有する。含水量は、例えば洗剤を高濃度で輸送するか、低濃度溶液としてポンプ循環させるかに応じて、所要どおりに調節し得る。
【0011】
別の実施態様では、本発明の洗剤混合物を、50%過酸化水素溶液0.1〜10重量%で漂白してもよい。
本発明の洗剤混合物は、アシルアミノ酸と蛋白脂肪酸縮合物のアシル成分が同一であるという事実によって、更に区別される。好適な実施態様では、アシルアミノ酸及び蛋白脂肪酸縮合物のアシル成分は、8〜18炭素原子のアルキル鎖長を有する。アシル成分は、0、1又は2個の二重結合を含み得る。皮膚を刺激せず優れた洗浄性と泡立ち性を備えた界面活性剤は、とりわけ、これらの鎖長を有するアシル成分によって得られる。
【0012】
特に好適な実施態様では、アシルアミノ酸及び蛋白脂肪酸縮合物のアシル成分はヤシ油脂肪酸に由来する。天然ヤシ油留分を用いても、ヤシ油留分の組成を有する工業用混合物を用いても、どちらでもよい。平均して、ヤシ油脂肪酸はC12-14 脂肪酸約75%とC16-18 脂肪酸約25%から成る。
【0013】
本発明によると、グルタミン酸、サルコシン、リジン、プロリン又は4-ヒドロキシプロリンが、成分(d)として又は成分(c)のアミノ酸として好適である。これらのアミノ酸は、遊離形態およびアシル化形態のどちらにでも優れた性能特性によって区別される。プロリン及びとりわけ4-ヒドロキシプロリンは、アシル化形態で、硬水中での特に高い泡立ち性を有する。
【0014】
小麦又は大豆蛋白質加水分解物、好適には分子量が300〜1,200のもの、又はコラーゲン蛋白質加水分解物、好適には分子量が300〜1,500のものは、成分(b)用及び成分(a)のベースとしてのどちらであっても、好適な蛋白質加水分解物に相当する。蛋白質加水分解物及び蛋白脂肪酸縮合物は、既知の方法、例えば酸又は酵素加水分解によって製造し得る。
【0015】
化粧品製剤
本発明の洗剤混合物は、例えば、ヘアーシャンプー、ヘアーローション、フォームバス、シャワーバス、クリーム、ジェル、ローション、アルコール性及び水性/アルコール性溶液、エマルジョン、ワックス/脂肪化合物、スティック製剤、パウダー又は軟膏のような化粧用及び/又は医薬用製剤の製造用に用い得る。これらの製剤はまた、他の界面活性剤、油成分、乳化剤、真珠光沢ワックス、コンシステンシー調整剤、増粘剤、過脂化剤、安定剤、ポリマー、シリコーン化合物、脂肪、ワックス、レシチン、リン脂質、生体活性物質、抗酸化剤、脱臭剤、フケ防止剤、皮膚形成剤、膨潤剤、ヒドロトロープ、可溶化剤、香油、染料などを、更なる助剤及び添加剤として含有してよい。
【0016】
界面活性剤/乳化剤
本発明の洗剤混合物は、化粧用及び/又は医薬用製剤において、界面活性剤/乳化剤と組合せてよい。
【0017】
非イオン性界面活性剤/乳化剤
非イオン性乳化剤の群には例えば以下のものが含まれる:
(1)炭素原子数8〜40の直鎖脂肪アルコール、炭素原子数12〜40の脂肪酸、およびアルキル基中の炭素原子数8〜15のアルキルフェノールへの、エチレンオキシド2〜50モルおよび/またはプロピレンオキシド0〜20モル付加生成物;
(2)グリセロールへのエチレンオキシド1〜50モル付加生成物の、C12/18脂肪酸モノエステルおよびジエステル;
(3)炭素原子数6〜22の飽和および不飽和脂肪酸の、グリセロールモノエステルおよびジエステル、ソルビタンモノエステルおよびジエステル、並びにそれらのエチレンオキシド付加物;
(4)アルキル基中の炭素原子数8〜22のアルキルモノ−およびオリゴグリコシド、並びにそれらのエトキシル化類似体;
(5)ヒマシ油および/または水素化ヒマシ油へのエチレンオキシド7〜60モル付加生成物;
【0018】
(6)ポリオールエステルおよびとりわけ例えばポリオールポリ-12-ヒドロキシステアレート、ポリグリセロールポリリシノレート、ポリグリセロールジイソステアレートまたはポリグリセロールダイメレートなどのポリグリセロールエステル。上記群のいくつかによる化合物の混合物も適当である;
(7)ヒマシ油および/または水素化ヒマシ油へのエチレンオキシド2〜15モル付加生成物;
(8)直鎖、分枝状、不飽和または飽和のC6−22脂肪酸、リシノール酸および12−ヒドロキシステアリン酸と、グリセロール、ポリグリセロール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、糖アルコール(例えばソルビトール)、アルキルグルコシド(例えばメチルグルコシド、ブチルグルコシド、ラウリルグルコシド)およびポリグルコシド(例えばセルロース)との部分エステル、または例えばステアリン酸グリセリルシトレートおよびステアリン酸グリセリルラクテートなどの混合エステル;
【0019】
(9)羊毛ワックスアルコール;
(10)ポリシロキサン/ポリアルキル/ポリエーテルのコポリマーおよび相当する誘導体;
(11)ペンタエリスリトール、脂肪酸、クエン酸と脂肪アルコールの混合エステル、および/または炭素原子数6〜22の脂肪酸、メチルグルコースおよびポリオール(好ましくはグリセロールまたはポリグリセロール)の混合エステル。
(12)ポリアルキレングリコール。
【0020】
脂肪アルコール、脂肪酸、アルキルフェノール、グリセロール脂肪酸モノエステルおよびジエステル、ソルビタン脂肪酸モノエステルおよびジエステル、またはヒマシ油への、エチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシド付加生成物は、既知の市販生成物である。それらは同族体混合物であって、その平均アルコキシル化度は、付加反応を行う基質とエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドとの量比に対応する。これらの乳化剤はエトキシル化度に応じてw/oまたはo/w乳化剤である。エチレンオキシド1〜100モルとの反応生成物は、特に適当である。
【0021】
そのマイルドさから、ポリオールポリ-12-ヒドロキシステアレートおよびその混合物であって、Cognis Deutschland GmbHから例えば“Dehymuls(登録商標) PGPH”(w/o乳化剤)または“Eumulgin(登録商標) VL 75”(ココグルコシドとの重量比1:1での混合物、o/w乳化剤)または“Dehymuls(登録商標) SBL”(w/o乳化剤)の名称で市販されている。これらの乳化剤のポリオール成分は、ヒドロキシル基を少なくとも2個、好ましくは3〜12個、より好ましくは3〜8個有する、炭素原子数2〜12の物質から誘導し得る。
【0022】
原則として、適当な親油性の乳化助剤は、HLB値が1〜8で、多数の表中にリストされ当業者によく知られた乳化剤である。エトキシル化生成物のHLB値は、次式で計算してもよい。HLB=(100−L):5、ここで、Lは親油性基、すなわち脂肪アルキル基または脂肪アシル基の重量百分率であり、エチレンオキシド付加物中での重量パーセントである。
【0023】
w/o乳化剤の群のうち特に有利なものは、ポリオール、とりわけC3−6ポリオールの部分エステルであり、例えば、ペンタエリスリトールの部分エステルまたは糖エステル、例えば、スクロースジステアレート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンセスキイソステアレート、ソルビタンジイソステアレート、ソルビタントリイソステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタンジオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタンモノエルケート、ソルビタンセスキエルケート、ソルビタンジエルケート、ソルビタントリエルケート、ソルビタンモノリシノレート、ソルビタンセスキリシノレート、ソルビタンジリシノレート、ソルビタントリリシノレート、ソルビタンモノヒドロキシステアレート、ソルビタンセスキヒドロキシステアレート、ソルビタンジヒドロキシステアレート、ソルビタントリヒドロキシステアレート、ソルビタンモノタルタレート、ソルビタンセスキタルタレート、ソルビタンジタルタレート、ソルビタントリタルタレート、ソルビタンモノシトレート、ソルビタンセスキシトレート、ソルビタンジシトレート、ソルビタントリシトレート、ソルビタンモノマレエート、ソルビタンセスキマレエート、ソルビタンジマレエート、ソルビタントリマレエートおよびこれらの工業用混合物である。前記ソルビタンエステルへのエチレンオキシド1〜30、好ましくは5〜10モル付加生成物もまた適当な乳化剤である。
【0024】
水溶性の活性成分および水が混入される場合は、非イオン性o/w乳化剤群(HLB値:8〜18)からの少なくとも1種の乳化剤および/または可溶化剤を使用すべきである。そのような乳化剤の例は、例えばエチレンオキシド単位が10〜20(o/w乳化剤)およびエチレンオキシド単位が20〜40(いわゆる可溶化剤)などの、まず相応じて高エトキシル化度の前記エチレンオキシド付加物である。本発明によれば、特に有利なo/w乳化剤はセテアレス-12およびPEG-20ステアレートである。
【0025】
アルキルオリゴグリコシド群の非イオン性乳化剤は特に皮膚への適合性が良く、そのため本発明の目的にとって、o/w乳化剤として特に適当である。それらは、組成物の感覚特性を最適化することを可能とする。C8−22アルキルモノ-およびオリゴグリコシド、これらの生産および使用は従来技術から既知である。これらは、とりわけグルコースまたはオリゴ糖を炭素原子数8〜22、好ましくは炭素原子数12〜22、とりわけ炭素原子数12〜18、の第1級アルコールと反応させることにより製造される。グリコシド単位に関する限り、環状糖単位が脂肪アルコールにグリコシド結合により結合しているモノグリコシドおよび好ましくは約8までのオリゴマー化度のオリゴマーグリコシドのどちらも適当である。オリゴマー化度は、このような工業用製品に典型的な同族体分布が基礎とする統計的平均値である。Plantacare(登録商標)の名称で入手可能な製品は、平均オリゴマー化度が1〜2のオリゴグルコシド単位へグルコシド結合したC8−16アルキル基を含有する。グルカミンから誘導されるアシルグルカミドも非イオン性乳化剤として適当である。Emulgade(登録商標) PL 68/50の名称でCognis Deutschland GmbHから市販されている製品(アルキルポリグルコシドと脂肪アルコールの1:1混合物)は本発明の目的にとって好ましい。本発明によると、ラウリルグルコシド、ポリグリセリル-2-ジポリヒドロキシステアレート、グリセロールおよび水の混合物(Eumulgin(登録商標) VL 75の名称で市販されている)も本発明にとって有利に使用し得る。
【0026】
該組成物は更に、想定される用途に従って、双性、両性、カチオン性およびアニオン性の界面活性剤を含有してよい。
双性イオン性界面活性剤は、分子中に少なくとも1個の第四級アンモニウム基および少なくとも1個の−COO(−)または−SO(−)基を有する界面活性化合物である。特に適当な双性イオン性界面活性剤は、いわゆるベタイン、例えば、アルキルまたはアシル基中の炭素原子数8〜18の、N−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムグリシネート(例えばヤシ油アルキルジメチルアンモニウムグリシネート)、N−アシルアミノプロピル−N,N−ジメチルアンモニウムグリシネート(例えばヤシ油アシルアミノプロピルジメチルアンモニウムグリシネート)、および2−アルキル−3−カルボキシメチル−3−ヒドロキシエチルイミダゾリン、並びにヤシ油アシルアミノエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルグリシネートである。CTFA名コカミドプロピル・ベタインとして既知の脂肪酸アミド誘導体が、特に好ましい双性イオン性界面活性剤である。
【0027】
両性界面活性剤もまた、特に共界面活性剤として適当である。両性界面活性剤は、C8/18アルキルまたはアシル基に加えて、少なくとも1個の遊離アミノ基および少なくとも1個の−COOH基または−SO3H基を分子中に有する界面活性化合物であり、分子内塩を形成し得る。適当な両性界面活性剤の例は、アルキル基中の炭素原子数約8〜18の、N−アルキルグリシン、N−アルキルプロピオン酸、N−アルキルアミノ酪酸、N−アルキルイミノジプロピオン酸、N−ヒドロキシエチル−N−アルキルアミドプロピルグリシン、N−アルキルタウリン、N−アルキルサルコシン、2−アルキルアミノプロピオン酸およびアルキルアミノ酢酸である。特に好ましい両性界面活性剤は、N−ヤシ油アルキルアミノプロピオネート、ヤシ油アシルアミノエチルアミノプロピオネートである。
【0028】
アニオン性界面活性剤は、例えばカルボキシレート基、スルフェート基、スルホネート基またはホスフェート基、および親油性基などの水可溶化アニオン性基により特徴付けられる。皮膚適合性の安全なアニオン性界面活性剤は、該当する便覧から当業者に多数知られ、また市販されている。それらは、とりわけ、直鎖C12−18アルキルまたはアシル基を有する、アルカリ金属、アンモニウムまたはアルカノールアンモニウムの塩の形でのアルキルスルフェート、アルキルエーテルスルフェート、アルキルエーテルカルボキシレート、アシルイセチオネート、アシルタウリン、およびアルカリ金属またはアンモニウム塩の形でのスルホスクシネートである。
【0029】
特に適当なカチオン性界面活性剤は、第四級アンモニウム化合物、好ましくは、ハロゲン化アンモニウム、とりわけ、塩化物および臭化物、例えばアルキルトリメチルアンモニウムクロリド、ジアルキルジメチルアンモニウムクロリドおよびトリアルキルメチルアンモニウムクロリド、例えばセチルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド、ラウリルジメチルアンモニウムクロリド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、およびトリセチルメチルアンモニウムクロリドである。更に、容易に生体分解可能な第四級エステル化合物、例えばジアルキルアンモニウムメソスルフェートおよびメチルヒドロキシアルキルジアルコイルオキシアルキルアンモニウムメソスルフェート(Stepantex(登録商標)およびDehyquart(登録商標)系列の相当製品の名称で市販されている)を、カチオン性界面活性剤として用いてよい。「エステルクォート」は、第四級化脂肪酸トリエタノールアミンエステル塩と一般に理解されている。これらは、本発明の組成物に際立った柔軟性を与え得る。これらは、有機化学の該当する方法によって調製される既知の物質である。
【0030】
油成分
本発明の洗剤混合物に加え、化粧用及び/又は医薬用製剤は、少なくとも1種の油成分を含有してよい。
適当な油成分は、例えば、6〜18個、好ましくは8〜10個の炭素原子を含む脂肪アルコールに基づくゲルベアルコール、直鎖C6〜22脂肪酸と直鎖または分枝状C6〜22脂肪アルコールのエステル、分枝状C6〜13カルボン酸と直鎖または分枝状C6〜22脂肪アルコールのエステル、例えば、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸ミリスチル、ステアリン酸ミリスチル、イソステアリン酸ミリスチル、オレイン酸ミリスチル、ベヘン酸ミリスチル、エルカ酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、パルミチン酸セチル、ステアリン酸セチル、イソステアリン酸セチル、オレイン酸セチル、ベヘン酸セチル、エルカ酸セチル、ミリスチン酸ステアリル、パルミチン酸ステアリル、ステアリン酸ステアリル、イソステアリン酸ステアリル、オレイン酸ステアリル、ベヘン酸ステアリル、エルカ酸ステアリル、ミリスチン酸イソステアリル、パルミチン酸イソステアリル、ステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸イソステアリル、オレイン酸イソステアリル、ベヘン酸イソステアリル、オレイン酸イソステアリル、ミリスチン酸オレイル、パルミチン酸オレイル、ステアリン酸オレイル、イソステアリン酸オレイル、オレイン酸オレイル、ベヘン酸オレイル、エルカ酸オレイル、ミリスチン酸ベヘニル、パルミチン酸ベヘニル、ステアリン酸ベヘニル、イソステアリン酸ベヘニル、オレイン酸ベヘニル、ベヘン酸ベヘニル、エルカ酸ベヘニル、ミリスチン酸エルシル、パルミチン酸エルシル、ステアリン酸エルシル、イソステアリン酸エルシル、オレイン酸エルシル、ベヘン酸エルシルおよびエルカ酸エルシルである。
【0031】
次のものもまた適している。直鎖C6〜22脂肪酸と分枝状アルコール、特に2−エチルヘキサノールとのエステル、C18〜38アルキルヒドロキシカルボン酸と直鎖または分枝状C6〜22脂肪アルコールとのエステル、特にリンゴ酸ジオクチル、直鎖および/または分枝状脂肪酸と多価アルコール(例えばプロピレングリコール、二量体ジオール、三量体トリオール)および/またはゲルベアルコールとのエステル、C6〜10脂肪酸に基づくトリグリセリド、C6〜18脂肪酸に基づく液状モノ/ジ/トリグリセリド混合物、C6〜22脂肪アルコールおよび/またはゲルベアルコールと芳香族カルボン酸、特に安息香酸とのエステル、C2〜12ジカルボン酸と1〜22個の炭素原子を含む直鎖または分枝状アルコール或いは2〜10個の炭素原子および2〜6個の水酸基を含むポリオールとのエステル、植物性油、分枝状第一級アルコール、置換シクロヘキサン、直鎖および分枝状C6〜22脂肪アルコール炭酸エステル、例えば炭酸ジカプリリル(Cetiol(登録商標)CC)、C6〜18好ましくはC8〜10の脂肪アルコールに基づくゲルベ炭酸エステル、安息香酸と直鎖および/または分枝状C6〜22のアルコールのエステル(例えば、Finsolv(登録商標)TN)、1アルキル基あたり6〜22個の炭素原子を含む直鎖または分枝状で対称または非対称のジアルキルエーテル、例えばジカプリリルエーテル(Cetiol(登録商標) OE)、多価アルコールによるエポキシ化脂肪酸エステルの開環生成物、シリコーン油(シクロメチコーン、シリコンメチコーン型など)および/または脂肪族またはナフテン系炭化水素、例えばスクアラン、スクアレンまたはジアルキルシクロヘキサン等である。
【0032】
脂肪およびワックス
油成分、界面活性剤及び乳化剤並びに本発明の洗剤混合物に加え、化粧用及び/又は医薬用製剤は、脂肪及びワックスを含有してよい。脂肪の通常の例はグリセリド、すなわち、高級脂肪酸の混合グリセロールエステルから実質的に成る、固体または液体の植物性または動物性生成物である。適当なワックスはとりわけ、天然ワックス、例えばカンデリラ蝋、カルナウバ蝋、木蝋、エスパルト蝋、コルク蝋、グアルマ蝋(Guarumawachs)、米糠蝋、サトウキビ蝋、オーリキュリ蝋(Ouricurywachs)、モンタン蝋、蜜蝋、シェラック蝋、鯨蝋、ラノリン(羊毛蝋)、尾脂(Buerzelfett)、セレシン、オゾケライト(地蝋)、ワセリン、パラフィン蝋および微結晶ワックス;化学修飾ワックス(硬蝋)、例えばモンタンエステル蝋、サソール蝋、水素化ホホバ蝋、並びに合成ワックス、例えばポリアルキレンワックスおよびポリエチレングリコールワックスである。
【0033】
脂肪のほかに、脂肪様物質、例えばレシチンおよびリン脂質も適当な添加剤である。レシチンは、脂肪酸、グリセロール、リン酸およびコリンからエステル化によって生成するグリセロリン脂質であって、しばしばホスファチジルコリン(PC)とも称される。天然レシチンの例はケファリンで、これはホスファチジン酸としても知られ、1,2−ジアシル−sn−グリセロール−3−リン酸の誘導体である。一方、リン脂質は通例、リン酸とグリセロールとのモノエステルおよび好ましくはジエステル(グリセロールホスフェート)を意味すると理解され、通常脂肪として分類される。スフィンゴシンおよびスフィンゴ脂質も脂肪様物質として適当である。
【0034】
真珠光沢ワックス
化粧用及び/又は医薬用製剤を真珠光沢性にする場合は、該製剤へ真珠光沢ワックスを添加してよい。適当な真珠光沢ワックスの例は、アルキレングリコールエステル、とりわけエチレングリコールジステアレート;脂肪酸アルカノールアミド、とりわけヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド;部分グリセリド、とりわけステアリン酸モノグリセリド;多塩基性の(場合によりヒドロキシ置換した)カルボン酸と、炭素原子数6〜22の脂肪アルコールとのエステル、とりわけ酒石酸の長鎖エステル;脂肪化合物、例えば脂肪アルコール、脂肪ケトン、脂肪アルデヒド、脂肪エーテルおよび脂肪カーボネート(総炭素原子数少なくとも24のもの)、とりわけラウロン(登録商標);ジステアリルエーテル;脂肪酸、例えばステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸またはベヘン酸、炭素原子数12〜22のオレフィンエポキシドの、炭素原子数12〜22の脂肪アルコールおよび/または炭素原子数2〜15/ヒドロキシル基数2〜10のポリオールによる開環生成物、並びにそれらの混合物である。
【0035】
コンシステンシー調整剤および増粘剤
種々の化粧用及び/又は医薬用製剤は、とりわけ異なったコンシステンシーによって区別される。クリーム及び石鹸濃縮物は、例えば、クレンジングミルク又は液状石鹸よりも高い粘度を有する。製剤の粘度は、種々のコンシステンシー調整剤を添加することにより影響を受け得る。
適当なコンシステンシー調整剤は、とりわけ、炭素原子数12〜22(好ましくは16〜18)の脂肪アルコールもしくはヒドロキシ脂肪アルコール、および部分グリセリド、脂肪酸もしくはヒドロキシ脂肪酸である。このような物質は、同鎖長のアルキルオリゴグルコシドおよび/または脂肪酸N−メチルグルカミド、および/またはポリグリセロールポリ−12−ヒドロキシステアレートと組み合せて使用することが好ましい。
【0036】
適当な増粘剤の例は、Aerosil(登録商標)種(親水性シリカ)、多糖、とりわけキサンタンガム、グアー、寒天、アルギネート、チロース(Tylosen)、カルボキシメチルセルロースおよびヒドロキシエチル及びヒドロキシプロピルセルロース、また、比較的高分子量の脂肪酸ポリエチレングリコールモノ−およびジエステル、ポリアクリレート(例えばCarbopols(登録商標)およびPemulen種[Goodrich];Synthalens(登録商標)[Sigma];Keltrol種[Kelco];Sepigel種[Seppic];Salcare種[Allied Colloids])、ポリアクリルアミド、ポリマー、ポリビニルアルコールおよびポリビニルピロリドンである。
【0037】
特に有効であることが判明している他の増粘剤は、ベントナイト、例えばBentone(登録商標) Gel VS-5PC (Rheox)であり、これはシクロペンタシロキサン、ジステアルジモニウム ヘクトライトおよび炭酸プロピレンの混合物である。他の適当な増粘剤は界面活性剤、例えばエトキシル化脂肪酸グリセリド、脂肪酸とポリオール(例えばペンタエリスリトールまたはトリメチロールプロパン)とのエステル、同族体分布の狭い脂肪アルコールエトキシレートまたはアルキルオリゴグルコシド、並びに電解質、例えば塩化ナトリウムおよび塩化アンモニウムである。
【0038】
過脂肪剤
皮膚に対して優しい生成物を得るため、過脂化剤を化粧用及び/又は医薬用製剤へ添加してよい。過脂肪剤は、例えば、ラノリン、レシチン、ポリエトキシル化もしくはアシル化ラノリンおよびレシチン誘導体、ポリオール脂肪酸エステル、モノグリセリド、および脂肪酸アルカノールアミドのような物質から選択してよく、脂肪酸アルカノールアミドは、泡安定剤としても機能する。
【0039】
安定剤
脂肪酸の金属塩、例えばステアリン酸またはリシノール酸のマグネシウム塩、アルミニウム塩および/または亜鉛塩を安定剤として使用してよい。
【0040】
ポリマー
適当なカチオン性ポリマーの例は、カチオン性セルロース誘導体、例えば第四級化ヒドロキシエチルセルロース[Polymer JR 400(登録商標);Amerchol]、カチオン性デンプン、ジアリルアンモニウム塩およびアクリルアミドのコポリマー、第四級化ビニルピロリドン/ビニルイミダゾールポリマー、例えば Luviquat(登録商標)(BASF)、ポリグリコールおよびアミンの縮合生成物、第四級化コラーゲンポリペプチド、例えばラウリルジモニウム・ヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン[Lamequat(登録商標)L;Gruenau]、第四級化小麦ポリペプチド、ポリエチレンイミン、カチオン性シリコーンポリマー、例えばアモジメチコン、アジピン酸およびジメチルアミノヒドロキシプロピルジエチレントリアミンのコポリマー[Cartaretine(登録商標); Sandoz]、アクリル酸とジメチルジアリルアンモニウムクロリドとのコポリマー[Merquat(登録商標)550; Chemviron]、ポリアミノポリアミド、およびその架橋水溶性ポリマー、カチオン性キチン誘導体、例えば第四級化キトサン(場合により、微結晶分布したもの)、ジハロアルキル(例えばジブロモブタン)とビス−ジアルキルアミン(例えばビス−ジメチルアミノ−1,3−プロパン)との縮合生成物、カチオン性グアーガム、例えば Jaguar(登録商標)CBS、Jaguar(登録商標)C−17、Jaguar(登録商標)C−16(Celanese)、並びに第四級化アンモニウム塩ポリマー、例えば Mirapol(登録商標)A−15、Mirapol(登録商標)AD−1、Mirapol(登録商標)AZ−1(Miranol)である。
【0041】
適当なアニオン性、双性イオン性、両性およびノニオン性ポリマーは、例えば酢酸ビニル/クロトン酸コポリマー、ビニルピロリドン/アクリル酸ビニルコポリマー、酢酸ビニル/マレイン酸ブチル/アクリル酸イソボルニルコポリマー、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸コポリマーおよびそのエステル、未架橋ポリアクリル酸およびポリオール架橋ポリアクリル酸、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド/アクリレートコポリマー、オクチルアクリルアミド/メタクリル酸メチル/メタクリル酸t−ブチルアミノエチル/メタクリル酸2−ヒドロキシプロピルコポリマー、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、ビニルピロリドン/メタクリル酸ジメチルアミノエチル/ビニルカプロラクタムターポリマー、並びに場合により誘導体化したセルロースエーテル、およびシリコーンである。
【0042】
シリコーン化合物
シリコーン化合物は、毛髪への非常に良好なコンディショニング効果を有するため、ヘアークレンジング製剤において好適に用いられる。従って、本発明の洗剤混合物は、例えばヘアークレンジング製剤において、シリコーン化合物と組み合わせて使用してよい。適当なシリコーン化合物は、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、環状シリコーン、並びにアミノ−、脂肪酸−、アルコール−、ポリエーテル−、エポキシ−、フッ素−、グリコシド−および/またはアルキル−修飾シリコーン化合物(室温で液状または樹脂様であり得るもの)である。他の適当なシリコーン化合物は、ジメチルシロキサン単位数200〜300の平均鎖長を有するジメチコンと水素化シリケートとの混合物であるシメチコンである。
【0043】
フィルム形成剤
フィルム形成剤は、本発明の洗剤混合物と組合せて、更に向上した感覚性能をもたらす。通常のフィルム形成剤は、例えばキトサン、微結晶キトサン、第四級化キトサン、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、アクリル酸系ポリマー、第四級セルロース誘導体、コラーゲン、ヒアルロン酸およびその塩、並びに同様の化合物である。
【0044】
フケ防止剤
本発明の洗剤混合物は、フケ防止剤と共に、ヘアーシャンプーにおいて使用してよい。適当なフケ防止剤は、Pirocton Olamin (1-ヒドロキシ-4-メチル-6-(2,4,4-トリメチルペンチル)-2-(1H)-ピリジノン モノエタノールアミン塩)、Baypival(登録商標)(Climbazole)、Ketoconazol(登録商標)(4-アセチル-1-{4-[2-(2,4-ジクロロフェニル) r-2-(1H-イミダゾール-1-イルメチル)-1,3-ジオキシラン-c-4-イルメトキシフェニル}-ピペラジン、ケトコナゾール、エルビオール、二硫化セレン、コロイド硫黄、硫黄ポリエチレングリコールソルビタンモノオレエート、硫黄リシノールポリエトキシレート、硫黄タール蒸留物、サリチル酸 (またはヘキサクロロフェンとの組み合わせ)、ウンデシレン酸、モノエタノールアミド スルホスクシネート Na塩、Lamepon(登録商標)UD (タンパク質/ウンデシレン酸縮合物)、ジンクピリチオン、アルミニウムピリチオン、およびマグネシウムピリチオン/ジピリチオン マグネシウムスルフェートである。
【0045】
膨潤剤
水相用の適当な膨潤剤は、モンモリロナイト、粘土鉱物、Pemulen、およびアルキル修飾Carbopol種(Goodrich)である。
【0046】
香油および芳香
香油又は芳香を、本発明の洗剤混合物を含有する化粧用及び/又は医薬用製剤へ添加してよい。適当な香油は、天然および合成香料の混合物である。天然香料は、下記植物の抽出物を包含する:花(ユリ、ラベンダー、バラ、ジャスミン、ネロリ、イラン−イラン)、茎および葉(ゼラニウム、パチョリ、プチグレン)、果実(アニス、コリアンダー、キャラウェー、ビャクシン)、果皮(ベルガモット、レモン、オレンジ)、根(ナツメグ、アンゼリカ、セロリ、カルダモン、コスタス、アヤメ、ショウブ)、木(マツ、ビャクダン、グアヤク、シーダー、シタン)、ハーブおよび草(タラゴン、レモングラス、セージ、タイム)、針葉および枝(トウヒ、モミ、マツ、低木マツ)、樹脂およびバルサム(ガルバヌム、エレミ、ベンゾイン、ミルラ、乳香、オポパナクス)。動物性原料、例えばシベットおよびビーバーも使用できる。
【0047】
合成香料化合物は通例、エステル、エーテル、アルデヒド、ケトン、アルコールおよび炭化水素型の生成物である。エステル型香料化合物の例は、ベンジルアセテート、フェノキシエチルイソブチレート、p−t−ブチルシクロヘキシルアセテート、リナリルアセテート、ジメチルベンジルカルビニルアセテート、フェニルエチルアセテート、リナリルベンゾエート、ベンジルホルメート、エチルメチルフェニルグリシネート、アリルシクロヘキシルプロピオネート、スチラリルプロピオネート、ベンジルサリチレートである。エーテルは例えば、ベンジルエチルエーテルを包含し、アルデヒドは例えば、炭素数8〜18の直鎖アルカナール、シトラール、シトロネラル、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、シクラメンアルデヒド、ヒドロキシシトロネラル、リリアールおよびブルゲオナールを包含する。適当なケトンは例えば、イオノン類、α−イソメチルイオノンおよびメチルセドリルケトンを包含する。適当なアルコールは、アネトール、シトロネロール、オイゲノール、イソオイゲノール、ゲラニオール、リナロール、フェニルエチルアルコールおよびテルピネオールである。炭化水素は主として、テルペン類、バルサム類を包含する。しかし、共同で快い香を発する種々の香料化合物の混合物を使用することが好ましい。
【0048】
他の適当な香油は、芳香成分として用いられることの多い比較的揮発性の低い精油である。その例は、セージ油、カモミール油、丁子油、メリッサ油、ミント油、シナモン葉油、ライム花油、ジュニパーベリー油、ベチベル油、乳香油、ガルバヌム油、ラブダヌム油およびラバンジン油である。下記のものを単独で、または混合物として使用することが好ましい:ベルガモット油、ジヒドロミルセノール、リリアール、ライラール、シトロネロール、フェニルエチルアルコール、α−ヘキシルシンナムアルデヒド、ゲラニオール、ベンジルアセトン、シクラメンアルデヒド、リナロール、Boisambrene Forte、Ambroxan、インドール、ヘジオン(Hedione)、サンデリス(Sandelice)、シトラス油、マンダリン油、オレンジ油、アリルアミルグリコレート、シクロバータル(Cyclovertal)、ラバンジン油、クラリー油、β−ダマスコン、ゼラニウム油バーボン、シクロヘキシルサリチレート、Vertofix Coeur、Iso−E−Super、Fixolide NP、エバニル、イラルデイン(Iraldein)ガンマ、フェニル酢酸、ゲラニルアセテート、ベンジルアセテート、ローズオキシド、ロミラート(Romilat)、イロチル(Irotyl)およびフロラマート(Floramat)。
適当な芳香は、例えば、ペパーミント油、スペアミント油、アニス油、ダイウイキョウ油、キャラウェー油、ユーカリ油、ウイキョウ油、シトラス油、ウィンターグリーン油、丁子油、メントール等である。
【0049】
色素
適当な色素は、化粧品の目的に適当で承認された任意の物質である。例としては、コチニールレッド A (C.I. 16255)、パテントブルー V (C.I. 42051)、インジコチン (C.I. 73015)、クロロフィリン (C.I. 75810)、キノリンイエロー (C.I. 47005)、二酸化チタン (C.I. 77891)、インダンスリーンブルー RS (C.I. 69800) およびマッダーレーキ (C.I. 58000)がある。ルミノールが発光色素として存在してもよい。これらの色素は通例、混合物全体に対して0.001〜0.1重量%の濃度で使用する。
【0050】
助剤および添加剤の全含有率は、ある特定の製剤に対し1〜50重量%であってよく、好ましくは5〜40重量%である。製剤は、標準的な加熱または冷却方法により製造してよく、好ましくは、相反転温度法により製造する。
【実施例】
【0051】
実施例1
分子量が625 Dの56%水性小麦蛋白質加水分解物1,000 kgと、グルタミン酸ナトリウム一水和物265.0 kgを、撹拌反応器中へ導入し、清澄溶液が得られるまで30℃で撹拌した。次いで、冷却しながら、50%水酸化ナトリウム溶液を添加することによって、pHを9.5に調節した。その後、温度が60℃を超えないように、激しく撹拌しながら、脂肪酸クロリド382.0 kgを添加した。同時に、50%水酸化ナトリウム溶液を添加することにより、pHを9.4〜10(40℃で測定)に維持した。50%水酸化ナトリウム溶液の全消費量は304.0 kgであった。1,2-プロピレングリコール30.0 kgを添加した後、生成物をクエン酸によってpH6.7、含水量約52%に調節した。
【0052】
実施例2
分子量が625 Dの56%水性小麦蛋白質加水分解物1,000 kg、イソプロパノール20.0 kg及びグルタミン酸ナトリウム一水和物265.0 kgを、撹拌反応器中へ導入し、清澄溶液が得られるまで30℃で撹拌した。次いで、冷却しながら、50%水酸化ナトリウム溶液を添加することによって、pH9.5に調節した。その後、温度が60℃を超えないように、激しく撹拌しながら、脂肪酸クロリド382.0 kgを添加した。同時に、50%水酸化ナトリウム溶液を添加することにより、pHを9.4〜10(50℃で測定)に維持した。50%水酸化ナトリウム溶液の全消費量は304.0 kgであった。次いで、生成物をクエン酸によってpH6.7、含水量約51%に調節した。
【0053】
実施例3
分子量が625 Dの30%水性小麦蛋白質加水分解物615 kgと、4-ヒドロキシプロリン67.5 kgを、撹拌反応器中へ導入し、清澄溶液が得られるまで30℃で撹拌した。次いで、冷却しながら、50%水酸化ナトリウム溶液を添加することによって、pH9.5に調節した。その後、温度が60℃を超えないように、激しく撹拌しながら、脂肪酸クロリド125.7 kgを添加した。同時に、50%水酸化ナトリウム溶液130 kgを添加することにより、pHを9.4〜10(50℃で測定)に維持した。次いで、生成物をクエン酸によってpH6.7、含水量約51%に調節した。
【0054】
実施例4
分子量が625 Dの30%水性小麦蛋白質加水分解物615 kgと、4-ヒドロキシプロリン67.5 kgを、撹拌反応器中へ導入し、清澄溶液が得られるまで30℃で撹拌した。次いで、冷却しながら、50%水酸化ナトリウム溶液を添加することによって、pH9.5に調節した。その後、温度が60℃を超えないように、激しく撹拌しながら、脂肪酸クロリド125.7 kgを添加した。同時に、50%水酸化カリウム溶液180 kgを添加することにより、pHを9.4〜10(50℃で測定)に維持した。次いで、生成物をクエン酸によってpH6.7、含水量約47%に調節した。
【0055】
実施例5
分子量が625 Dの30%水性小麦蛋白質加水分解物615 kg、イソプロパノール20.0 kg及び5-ピロリドン-2-カルボン酸67.5 kgを、撹拌反応器中へ導入し、清澄溶液が得られるまで30℃で撹拌した。次いで、冷却しながら、50%水酸化ナトリウム溶液を添加することによって、pH9.5に調節した。その後、温度が60℃を超えないように、激しく撹拌しながら、脂肪酸クロリド125.7 kgを添加した。同時に、50%水酸化カリウム溶液130 kgを添加することにより、pHを9.4〜10(50℃で測定)に維持した。次いで、生成物をクエン酸によってpH6.7、含水量約56%に調節した。
【0056】
実施例6
実施例1〜5で製造した穏やかな洗剤混合物は、以下の組成を有する(量は重量%)。
【0057】
【表1】

【0058】
実施例7
洗剤混合物における蛋白質縮合物と蛋白質加水分解物の重量は、以下のようにして決定した:
a)[蛋白質縮合物のモル量]は、[アシル化において用いる脂肪酸クロリドのモル量]−[脂肪酸のモル量(シリル化後、ガスクロマトグラフィーによって測定される重量から計算)]−[アシル化アミノ酸のモル量(クロマトグラフ的に測定した重量から計算)]である。
b)従って、[洗剤混合物における蛋白質加水分解物のモル量]は、[用いる蛋白質加水分解物のモル量]−[a)で測定された蛋白質縮合物モル量]である。
c)[洗剤混合物における蛋白質縮合物と蛋白質加水分解物の重量]は、蛋白質縮合物と蛋白質加水分解物の分子量を乗じたモル量である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)蛋白脂肪酸縮合物10〜30重量%と、
(b)蛋白質加水分解物1〜12重量%と、
(c)アシル化アミノ酸3〜20重量%と、
(d)アミノ酸1〜12重量%と、
(e)防腐剤0〜3重量%
を含有する洗剤混合物。
【請求項2】
(f)中和剤0.1〜10重量%
を更に含有することを特徴とする、請求項1に記載の洗剤混合物。
【請求項3】
(g)塩化ナトリウム又は塩化カリウム若しくは塩化ナトリウムと塩化カリウムの混合物0.1〜15重量%
を更に含有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の洗剤混合物。
【請求項4】
(h)エタノール、イソプロパノール、1,2-プロピレングリコール、トリメチルヘキサノール、グリセロール、エチレングリコール、2-メチルプロパン-1,3-ジオール、1,3-プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ブタン-1,2-ジオール、ブタン-1,4-ジオール、イソペンチルジオール、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、エリスリトール、ペンタエリスリトール、1-メトキシ-2-プロパン-1,2-オール、2-メトキシエタノール、2-エトキシエタノール、2-プロポキシエタノール、2-イソプロポキシエタノール、2-ブトキシエタノール、1-メトキシ-2-プロパノール、1-エトキシ-2-プロパノール、1-プロポキシ-2-プロパノール、1-イソプロポキシ-2-プロパノール、1-ブトキシ-2-プロパノール、1-イソブトキシ-2-プロパノール、メトキシイソプロパノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ヘキシレングリコールからなる群から選択される溶媒0.1〜15重量%
を更に含有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の洗剤混合物。
【請求項5】
成分(a)〜(d)及び(f)は、互いに独立して、そのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩又はアンモニウム塩として存在することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の洗剤混合物。
【請求項6】
成分(a)〜(d)及び(f)は、互いに独立して、アンモニウム塩として存在し、該アミンは、アンモニア、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、トリイソプロピルアミン、2-アミノブタノール、アミノエチルプロパンジオール、アミノメチルプロパノール、アミノメチルプロパンジオール及び2-アミノ-2-ヒドロキシメチルプロパン-1,3-ジオールからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の洗剤混合物。
【請求項7】
20〜60重量%の含水量を有することを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の洗剤混合物。
【請求項8】
アシルアミノ酸と蛋白脂肪酸縮合物のアシル成分は、同一であって、8〜18炭素原子のアルキル鎖長を有することを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の洗剤混合物。
【請求項9】
アシルアミノ酸と蛋白脂肪酸縮合物のアシル成分は、同一であって、ヤシ油脂肪酸に由来することを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の洗剤混合物。
【請求項10】
成分(d)として、グルタミン酸、サルコシン、リジン、プロリン及び4-ヒドロキシプロリンからなる群から選択される化合物を用いることを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の洗剤混合物。
【請求項11】
成分(b)として、分子量が300〜1,200の小麦蛋白質加水分解物を用いることを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載の洗剤混合物。
【請求項12】
成分(b)として、分子量が300〜1,200の大豆蛋白質加水分解物を用いることを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載の洗剤混合物。
【請求項13】
成分(b)として、分子量が300〜1,500のコラーゲン蛋白質加水分解物を用いることを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載の洗剤混合物。

【公表番号】特表2006−510767(P2006−510767A)
【公表日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−561256(P2004−561256)
【出願日】平成15年12月10日(2003.12.10)
【国際出願番号】PCT/EP2003/013976
【国際公開番号】WO2004/056951
【国際公開日】平成16年7月8日(2004.7.8)
【出願人】(505066718)コグニス・アイピー・マネージメント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (191)
【氏名又は名称原語表記】Cognis IP Management GmbH
【Fターム(参考)】