説明

空気圧および電気を併用するリニアアクチュエータ

リニアアクチュエータシステムは、実質的に線形の経路に沿ってプローブを移動させることができる。リニアアクチュエータシステムは、ハウジングを有することができ、ハウジング内には磁場を形成する磁石が装着される。電気コイルピストンをハウジング内に摺動可能に装着することができる。コイルピストンは、電流を伝えるためのコイルを有することができ、コイルを通じて流れる電流に応じて磁場内で並進移動するように配置することができる。プローブは、コイルと共に並進移動するようにコイルに取り付けることができる。さらに、空気圧シリンダをピストンに接続することができ、空気圧シリンダは、空気圧シリンダの作動に応じてピストンに力を印加するように構成される。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2007年1月26日に出願された米国仮出願60/897,695による優先権を主張する。この文献の内容は、参照により本明細書に組み入れられる。
【0002】
技術分野
本開示は、リニアアクチュエータに関し、より特に、可動コイルアクチュエータおよび空気圧シリンダの特徴を兼ね備えるリニアアクチュエータに関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
直接式空気圧リニアシリンダは、コンパクトなパッケージにおいて比較的高い力を印加する有効な手段となり得る。例えば、5barのライン圧力で動作する50mm内径のシリンダは、約75KGFのキログラム力を印加できる。
【0004】
しかしながら、そのような装置は欠点を有し得る。不十分な速度制御およびプログラム可能性の欠如は、高速サイクル用途においてクッション付きの端部ストッパへのピストンの強打をもたらす可能性があり、しばしば装置の空気圧に不具合がもたらされる。数百時間でシリンダの不具合が起こる用途は珍しくない。また、加圧下でシールにより引き起こされる比較的高い摩擦は、シリンダを制御するために使用される他の構成要素、例えば空気弁および速度制御装置と相まって、一貫性のない繰り返し可能な動作をもたらし得る。これは+/-10ミリ秒程度となり得る。これは、全て高サイクル臨界応答時間作業において好ましくない結果を生み出す可能性がある。更に、激しい衝撃が騒々しい環境をもたらす可能性がある。
【0005】
一方、直接式リニア電気運動は、利点/不利点解析において殆ど逆を示す可能性がある。電気サーボリニアモータ(Carlsbad, CaliforniaのSMAC, Inc.製のSMACのLA50シリーズまたはMLA50シリーズなど)は、同様のサイズの空気圧シリンダと比べて比較的弱い力発生器となり得る。例えば、力対サイズは、空気圧装置のおそらく20%となり得る。しかしながら、リニアモータのプログラム可能な速度、位置およびプログラム可能な力モードは、一部の空気圧装置と比べたときに多くの利点をもたらす可能性がある。このような利点としては、a)作業面を早く見つけることができ且つその後に作業面上に「ソフトランド(softland)」することができる能力に起因する、1ミリ秒またはそれ以下程度での繰り返し可能性が非常にある動作;およびb)多くの空気圧シリンダよりも長いサイクル寿命が含まれ得る。サイクル寿命は、通常、10倍またはそれ以上空気圧シリンダを超えると期待され得る。また、表面へのソフトな接触により、ノイズを低減することができる。
【0006】
「ソフトランド」を実行できる方法および装置は、例えば、その全体が参照により本明細書に組み入れられる「Soft Landing Method For Probe Assembly」と題されたSMACの米国特許第5,952,589号(特許文献1)に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第5,952,589号
【発明の概要】
【0008】
本発明の幾つかの態様は、前述した空気圧装置およびリニア電気装置の利点の一部または全てを組み合わせることができる新規な方法およびシステムを提供することによって上記必要性および他の必要性に対処できる。そのような装置はこれらの利点の一部または全てを有することができるため、空気圧装置およびリニア電気装置の組み合わせは、特定の用途において、非常に有用となり得る。1つの態様において、装置は、空気圧シリンダの有益なコンパクト力性能とリニアサーボモータのプログラム可能な制御機能とを組み合わせることができ、その結果、高度に繰り返し可能な高力リニアアクチュエータシステムをもたらすことができる。これらのシステムは、長期にわたって持続でき、「ソフトランド」を有することができ、比較的静かに動作できる。
【0009】
幾つかの態様により、リニアアクチュエータシステムは実質的に線形の経路に沿ってプローブを移動させるために使用できる。リニアアクチュエータシステムはハウジングを有することができ、ハウジング内には磁場を形成するための磁石が装着される。電気コイルピストンをハウジング内に摺動可能に装着することができる。コイルピストンは、電流を伝えるためのコイルを有することができ、コイルを通じて流れる電流に応じて磁場内で並進移動するように配置させることができる。プローブは、コイルと並進移動するためにコイルに取り付けることができる。また、空気圧シリンダをコイルピストンに接続することができ、該空気圧シリンダは、空気圧シリンダの作動に応じてコイルピストンに力を印加するように構成される。空気圧シリンダは、コイルピストンならびに空気圧シリンダ内に別個の第1および第2の内部チャンバを画定する壁との両方に接続されるシャフトを有することができる。第1の空気圧バルブを第1の内部チャンバと連通させることができ、第2の空気圧バルブを第2の内部チャンバと連通させることができる。第1および第2の空気圧バルブはそれぞれ、それぞれの第1および第2のエアチャンバ内に空気が流入でき且つ第1および第2のエアチャンバから空気が流出できるようにするべく構成され得る。
【0010】
更に、ハウジング内にセンサを位置させることができる。センサは、ハウジング内におけるコイルピストンの位置を示す信号を生成するように構成され得る。コイルを通じて電流を供給するために電圧源をコイルに動作可能に接続することもでき、空気圧シリンダに空気圧を印加するためにポンプを空気圧シリンダに動作可能に接続することができる。
【0011】
また、センサ、電圧源およびポンプにコンピュータを動作可能に接続することができる。コンピュータは、センサによって生成される信号を受け且つコンピュータに記憶されるコンピュータ可読命令にしたがって電圧源およびポンプを制御するように構成され得る。
【0012】
幾つかの態様により、実質的に線形の経路に沿ってプローブを移動させて作業面と接触させるための方法が提供される。該方法は、プローブを作業面から所定の距離移動させるために、前記経路と実質的に一線上にそろう方向にプローブに第1の作動力を印加する工程を含むことができる。第1の作動力は、プローブに動作可能に接続された電気リニアモータアセンブリによって供給することができる。また、該方法は、所定の力を作業面に印加するために、前記経路と実質的に一線上にそろう方向にプローブに第2の作動力を印加する工程を含むことができる。第2の作動力は、プローブに動作可能に接続された空気圧リニアシリンダによって印加することができる。第1の作動力は、コイルピストンを通じて電流を印加することによって、電圧源を作動させてコイルピストンへ電流を供給することによって加えることができる。第2の作動力は、空気圧リニアシリンダの第1のチャンバに空気圧を供給することによって、ポンプを作動させて第1のチャンバに空気圧を印加することによって、または、バルブを切り換えて第1のチャンバに空気圧を印加することによって印加することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明の前述した態様ならびに本発明の更なる態様をより良く理解するため、以下の図面と併せて以下の態様の詳細な説明を参照すべきである。図中、同様の符番は、図面の全体にわたって対応する部品を示している。
【図1】本発明の様々な態様による、電気および空気圧を併用するリニアアクチュエータ装置の断面図を示す。
【図2】幾つかの態様による、コンピュータ、電圧源およびポンプに接続された、電気および空気圧を併用するリニアアクチュエータ装置のブロック図を示す。
【図3】本発明の様々な態様による、電気および空気圧を併用するリニアアクチュエータの正面斜視図を示す。
【図4】本発明の様々な態様による、電気および空気圧を併用するリニアアクチュエータの背面斜視図を示す。
【図5】幾つかの態様による、電気および空気圧を併用するリニアアクチュエータ装置を動作させるための例示的なプロセスを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
詳細な説明
以下の態様の説明では、その一部を形成する添付図面を参照し、添付図面には、本発明を実行できる個別の態様が例示として示されている。他の態様が利用されてもよく、本発明の範囲から逸脱することなく構造的変化がなされてもよいことは理解されたい。
【0015】
与えられた図は、単なる提示であり、一定の縮尺で描かれていない場合がある。その特定の部分が誇張されている場合があり、一方、他の部分が最小限に抑えられている場合がある。図は、当業者によって理解され適切に実行され得る本発明の様々な態様を例示することを目的としている。様々な図の間で共通して示される要素は、描かれた態様における共通のまたは同等の要素を示す。図は、網羅的なものではなく、または本発明を開示された明確な形態に限定することを目的としない。本発明を変更および変形を伴って実行できること、また本発明が特許請求の範囲およびその等価物のみによって限定されることは理解されたい。
【0016】
図1は、本発明の態様の方法を実行するための例示的な装置10の断面図である。一般に、装置10は、エアシリンダアセンブリ(全体的に符番14として示される)に対して取り付けられるリニアモータアセンブリ(全体的に符番12として示される)を含むことができる。リニアモータアセンブリ12は、SMACのLA90シリーズまたはMLA55シリーズアクチュエータで同様に使用されるタイプのものであってもよく、あるいは、この場合もその全体が参照により本明細書に組み入れられる「Soft Landing Method For Probe Assembly」と題された前述の米国特許第5,952,589号に記載されるタイプのものであってもよい。エアシリンダアセンブリ14は、例えばアメリカのSMC Corp.製のSMC CQ2エアシリンダに類似するものであってもよい。
【0017】
更に図1を参照すると、装置10は主ハウジング16を含むことができ、主ハウジングは、該ハウジング16の開口から部分的に延出するプローブ18を有する。プローブ18は、第1のハウジング12の内側でリニアガイド21上に摺動可能に装着され得るコイルピストン20に取り付けることができる。コイルピストン20は、磁石24を部分的に取り囲むコイル22を含むことができる。磁石24は両端部をハウジング16に取り付けることができる。この配置により、コイルピストン20がハウジング16内で摺動できる。また、コイル22に対する電流の印加がコイルピストン20に作用する力を生成できるような様式で(例えば、磁石によって生成される磁束場に対して実質的に垂直に)コイル22の巻き線を方向付けることができる。この力により、コイルピストン12がハウジング16内で移動することができ、それによりプローブシャフト18は、例えば、作業面もしくは物体と接触させられるか、または作業面もしくは物体から退避させられ得る。
【0018】
図1は、取り付けネジ24によって主ハウジング16に装着されるエアシリンダアセンブリ14を示す。しかしながら、幾つかの態様により、エアシリンダアセンブリ14をリニアモータアセンブリ12と一体にして単一のハウジング内に組み込むことができる。エアシリンダアセンブリ14は、エアシリンダアセンブリ14の内部を通じて延びるチャンバ壁26を有することができ、それによりシリンダアセンブリを2つのチャンバ、すなわち第1のチャンバ28および第2のチャンバ30に分けることができる。第1の空気圧バルブ32が第1のチャンバ28内へ延びることができ、第2の空気圧バルブ34が第2のチャンバ30内へ延びることができる。第1および第2の空気圧バルブ32および34のそれぞれは、それぞれのチャンバ28および30内へ空気を注入するかあるいはそれぞれのチャンバ28および30から空気を排出するために使用できる。エアシリンダアセンブリ14は、壁26に取り付けられるシャフト36も含むことができ、それにより壁26の移動がシャフト36の対応する移動を引き起こすことができる。図1に示されるように、シャフト36は、主ハウジング16の開口を貫通して延びてピストン20の端部に接続することができる。シャフト36は、任意の適切な結合機構を介してピストン12に接続することができる。幾つかの態様では、シャフト16をピストン12と螺合させることができる。
【0019】
動作時には、第1のバルブ32を介して第1のチャンバ28内に空気を注入することができるか、あるいは第1のチャンバ28から空気を出すことができる。第1のチャンバ28内への空気の注入は、第1のチャンバ28内の圧力を増大させることができ、それにより、第1のチャンバ28が拡張する。第1のチャンバ28の拡張により第2のチャンバ30を収縮させることができる。第2のチャンバ30内の空気は、第2のチャンバ30が収縮するにつれて第2のバルブ34から排出させることができる。一方、第1のチャンバ28内の圧力の減少(例えば、第1のチャンバ28から空気を出すことにより、または第2のチャンバ30内に空気を注入することにより)により、第1のチャンバ28を収縮させて第2のチャンバ30を拡張させることができる。第1および第2のチャンバ28および30の拡張および収縮により、壁26を前後にそれぞれ移動させることができることを理解されたい。シャフト36が壁26に接続されているため、壁26の移動により、シャフト16を移動させることができ、それにより、プローブ18を移動させることができる。このように、エアシリンダアセンブリ14は、チャンバ28および30内の空気圧を変えることによってプローブ18を移動させることができる。
【0020】
図2は、コンピュータコントローラ38、電圧源、およびポンプ42に接続された装置10のブロック図である。図2は、センサ44が装置10内に組み込まれていることも示している。一般に、コンピュータ38は、電圧源40によって装置10に印加される電圧とポンプ42によって装置10に印加される空気圧とを制御することにより、プローブ18の移動を制御することができる。また、コンピュータ38は、プローブ18の位置に関する情報をセンサ44を介して得ることができる。幾つかの態様により、コイルピストン20および空気圧エアシリンダシャフト36の移動に対する制御、したがって、プローブ18に対する制御は、ハウジング16に対するコイルピストン20の位置を監視することによって達成することができる。これはセンサ44を使用して行なうことができる。センサ44は、ハウジング16に取り付け固定することができるDynamics Research Corporationによって製造されるモデルSRL 4エンコーダであってもよい。そのようなセンサ(例えばエンコーダ)の使用は、その全体が参照により本明細書に組み入れられる「Actuator with Translational and Rotational Control」と題された米国特許第5,446,323号に更に詳しく記載されている。
【0021】
コンピュータ38は、本明細書において記載される機能性を制御できる。1つのそのようなコンピュータシステムの例が図2に示されている。このコンピュータ38の例に関しては様々な態様が記載される。この説明を読んだ後、他のコンピュータシステムまたはアーキテクチャを使用する本発明の実施方法が当業者に明らかになる。
【0022】
ここで図2を参照すると、コンピュータ38は、例えば、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、およびノート型コンピュータ;ハンドヘルドコンピュータ装置(PDA、携帯電話、パームトップコンピュータなど);メインフレーム、スーパーコンピュータ、もしくはサーバ;または、所与の用途もしくは環境に望ましいあるいは適した任意の他のタイプの特殊用途または汎用のコンピュータ装置であってもよい。コンピュータ38は1つまたは複数のプロセッサを含むことができ、各プロセッサは、例えばマイクロプロセッサ、コントローラ、または他の制御論理などの汎用のあるいは特殊用途の処理エンジンを使用して実施できる。
【0023】
コンピュータ38は、プロセッサによって実行されるべき命令および情報を記憶するためのメインメモリ、好ましくはランダムアクセスメモリ(RAM)または他のダイナミックメモリを含むこともできる。メインメモリは、プロセッサによって実行されるべき命令の実行中に一時的変数または他の中間情報を記憶するために使用されてもよい。コンピュータ38は、同様に、プロセッサのための命令および静的情報を記憶するためにバスに結合される読み出し専用メモリ(「ROM」)または他の静的記憶装置を含むことができる。
【0024】
コンピュータ38は、例えばメディアドライブおよびリムーバブル記憶インタフェースが含まれ得る情報記憶機構を含むこともできる。メディアドライブは、固定記憶媒体またはリムーバブル記憶媒体をサポートするためのドライブ機構または他の機構を含むことができる。例えば、ハードディスクドライブ、フロッピーディスクドライブ、磁気テーブドライブ、光ディスクドライブ、CDもしくはDVDドライブ(RまたはRW)、または、他のリムーバブルメディアドライブもしくは固定メディアドライブ。記憶媒体としては、例えば、ハードディスク、フロッピーディスク、磁気テープ、光ディスク、CDもしくはDVD、または、メディアドライブによって読み取られ且つ書き込まれる他の固定媒体もしくは取り外し可能な媒体を含むことができる。これらの例が示すように、記憶媒体は、特定のコンピュータソフトウェアまたはデータを内部に記憶したコンピュータ使用可能記憶媒体を含むことができる。
【0025】
この文書において、用語「コンピュータプログラム媒体」、「コンピュータ可読媒体」および「コンピュータ使用可能媒体」は、一般に、例えばメモリ、記憶装置、ハードディスクドライブにインストールされたハードディスク、およびチャンネル上の信号などの媒体を示すために使用される。これらの及び他の様々な形態のコンピュータ使用可能媒体は、1つまたは複数の命令の1つまたは複数のシーケンスを実行のためにプロセッサへ運ぶことに関与してもよい。一般に「コンピュータプログラムコード」(コンピュータプログラムまたは他の集まり形態でグループ化されてもよい)と称されるそのような命令は、実行されると、コンピュータ38が本明細書において記載される本発明の特徴または機能を果たすことができるようにする。
【0026】
ソフトウェアを使用して要素が実施される態様において、ソフトウェアは、リムーバブル記憶ドライブ、ハードドライブ、または通信インタフェースを使用して、コンピュータプログラム媒体に記憶されてコンピュータ38にロードされてもよい。制御論理(この例では、ソフトウェア命令またはコンピュータプログラムコード)は、プロセッサによって実行されると、本明細書中において記載される本発明の機能をプロセッサに果たさせることができる。
【0027】
図3および図4は、本発明の幾つかの態様による装置10の斜視図を示している。図1および図3に示されるように、エアシリンダアセンブリ14はハウジング16の後部に取り付けられてもよい。例えば、装置10をコンピュータ38および電圧源40と接続するためにケーブル46を使用することができる。
【0028】
図5に示されるフローチャートを参照して、装置10の例示的な動作について説明する。
【0029】
ステップ500では、装置10を較正することができ、また装置10を制御するために命令をコンピュータ38にプログラミングすることができる。較正は、センサ44によって供給される読取値に関連してプローブ18の位置を特定することを含むことができる。コンピュータ38にプログラミングされる命令は、例えば、リニアモータアセンブリおよびエアシリンダアセンブリによって印加されるべき力の大きさと、そのような力の印加の継続時間とを含むことができる。無論、装置の動作に関する他の命令を同様にコンピュータ38にプログラミングすることができる。
【0030】
ステップ502において、コンピュータ44は、所望の電圧をリニアモータアセンブリ12に印加するために電圧源40を制御することができる。これにより、リニアモータアセンブリ12は、プローブ18を実質的に線形の経路に沿って所定の距離移動させることができる。例えば、プローブ18は、作業面へと延び且つ作業面上に「ソフトランド」することができ、それにより、作業ポイントを定めることができる。このとき、空気圧シリンダシャフト16は、それに印加されるべきいかなる空気圧も有する必要はなく、したがって、ソフトランドプロセス中に力が空気圧シリンダシャフトによって装置10に印加される必要はない。
【0031】
センサ44は、ステップ504において、プローブ18が所定の距離(例えば、作業面まで)移動したことを示すフィードバックをコンピュータ38へ供給することができる。到達すると、コンピュータ38は、ステップ506において、第1のチャンバ28に空気圧を印加するためにポンプ42を作動させることができる。あるいは、エアシリンダアセンブリ14に接続された空気圧バルブを切り換えて空気圧を第1のチャンバ28に印加することができる。空気が第1のチャンバ28内に注入されると、空気圧はチャンバ壁26を前方へ移動させることができる。前方へ移動するチャンバ壁26は、エアシリンダシャフト36を前方へ押し出すことができ、そのため、ピストン20およびプローブ18が前方へ移動する。したがって、例えば、所定の力を作業面に印加することができる。
【0032】
所望のプローブ移動が達成された後、ポンプ42をオフにすることができ、または、空気圧バルブを切り換えることができる。それにより、第1のチャンバ28内で圧力が減少され、ステップ508においてリニアモータ12がその退避位置へと戻ることができる。
【0033】
その後、プロセスは、ステップ502へと戻ってステップ502〜508を繰り返すことができる。
【0034】
幾つかの態様において、装置10は、約1ミリ秒またはそれ以下のばらつきで作業面に繰り返し可能に当たることができる。比較的高い力をエアシリンダによって印加することができ、該力をリニアモータピストン/シャフトによって作業面へ伝えることができる。さらに、高速戻り運動を達成できる。エアシリンダに対する衝撃を少なくするかまたは無くすことも可能であり、このことは、エアシリンダの寿命がリニアモータの寿命に近づくことができることを意味する。更に、装置10は、エアシリンダピストンの端部ストッパへの強打を防止するかまたは減らすことができ、その結果、装置10の動作によって引き起こされるノイズが減少される。
【0035】
電気リニアモータ力のプログラム可能性により、必要に応じて開始時の装置10の力の印加を増大させることができる。リニアモータの組み込み位置センサ44は、プローブ18の移動が寸法要件を満たすこと及び大きな空気圧力が停止された後にばらつきが実質的に無いことを検証することもできる。
【0036】
別の態様では、必要とされる力が比較的小さい用途において、エアシリンダの代わりにソレノイドを使用することができる。
【0037】
本明細書において使用される用語「空気(エア)」は、その辞書の意味のその最も広い意味で規定され、加圧ガスを含むことができる。更に、幾つかの態様において、装置は、所望の機能を果たすために液体を使用できる。
【0038】
以上、本発明の様々な態様を説明してきたが、これらの態様が単なる一例として示されており、非限定的に示されていることは理解されたい。同様に、様々な図は、本発明のためのアーキテクチャまたは他の構造の一例を描いている場合があり、これは、本発明に含められ得る機能性および特徴を理解するのに役立つべくなされている。本発明は、図示のアーキテクチャまたは構造の例に限定されることなく、様々な別のアーキテクチャおよび構造を使用して実施することができる。また、本発明が様々な例示的な態様および実施に関して上述されているが、個々の態様の1つまたは複数に記載される様々な特徴および機能性は、それらの適用性においてそれらが記載される特定の態様に限定されることなく、代わりに、本発明の他の態様の1つまたは複数に対して、そのような態様が記載されているか否かにかかわらず且つそのような特徴が記載された態様の一部であるとして示されていようとなかろうと、単独でまたは何らかの組み合わせで適用することができことは理解されたい。したがって、本発明の広さ及び範囲は、いかなる前述の例示的な態様によっても限定されるべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
ハウジング内に装着されて磁場を形成する磁石と、
電流を伝えるためのコイルを有し、該コイルがコイルを通る電流に応じて磁場内で並進移動するように配置されている、前記ハウジングに摺動可能に装着された電気コイルピストンと、
コイルと並進移動するように、コイルに取り付けられたプローブと、
空気圧シリンダの作動に応じてピストンに力を印加するように構成されている、ピストンに接続された空気圧シリンダ
とを含む、リニアアクチュエータシステム。
【請求項2】
空気圧シリンダが、壁に取り付けられるシャフトを含み、該壁が第1および第2の内部チャンバを分けている、請求項1記載のリニアアクチュエータシステム。
【請求項3】
第1の内部チャンバと連通する第1の空気圧バルブと、第2の内部チャンバと連通する第2の空気圧バルブとを更に含み、該第1および第2の空気圧バルブは、それぞれの第1および第2のエアチャンバ内に空気が流入でき且つ第1および第2のエアチャンバから空気が流出できるようにするべく構成されている、請求項2記載のリニアアクチュエータシステム。
【請求項4】
コイルピストンがリニアガイドレールに取り付けられている、請求項1記載のリニアアクチュエータシステム。
【請求項5】
ハウジング内におけるコイルピストンの位置を示す信号を生成するように構成されている、ハウジング内に位置するセンサと、
コイルを通じて電流を供給するように構成されている、コイルに動作可能に接続された電圧源と、
空気圧シリンダに空気圧を印加するように構成されている、空気圧シリンダに動作可能に接続されたポンプ
とを更に含む、請求項1記載のリニアアクチュエータシステム。
【請求項6】
センサ、電圧源およびポンプに動作可能に接続されたコンピュータを更に含み、該コンピュータは、センサによって生成される信号を受け且つコンピュータに記憶されるコンピュータ可読命令にしたがって電圧源およびポンプを制御するように構成されている、請求項1記載のリニアアクチュエータシステム。
【請求項7】
プローブを作業面から所定の距離移動させるために、経路と実質的に一線上にそろう方向にプローブに第1の作動力を印加する工程であって、前記第1の作動力が、プローブに動作可能に接続された電気リニアモータアセンブリによって供給される工程、
所定の力を作業面に印加するために、経路と実質的に一線上にそろう方向にプローブに第2の作動力を印加する工程であって、前記第2の作動力が、プローブに動作可能に接続された空気圧リニアシリンダによって印加される工程、
を含む、実質的に線形の経路に沿ってプローブを移動させて作業面と接触させるための方法。
【請求項8】
第1の作動力を印加する工程が、コイルピストンを通じて電流を印加する工程を更に含む、請求項7記載の方法。
【請求項9】
電圧源を作動させてコイルピストンへ電流を供給する工程を更に含む、請求項8記載の方法。
【請求項10】
第2の作動力を印加する工程が、空気圧リニアシリンダの第1のチャンバに空気圧を印加する工程を更に含み、このため、プローブに動作可能に接続されたシャフトがプローブに力を印加する、請求項7記載の方法。
【請求項11】
ポンプを作動させて第1のチャンバに空気圧を印加する工程を更に含む、請求項10記載の方法。
【請求項12】
バルブを切り換えて第1のチャンバに空気圧を印加する工程を更に含む、請求項10記載の方法。
【請求項13】
電気リニアモータアセンブリおよび空気圧エアシリンダアセンブリによって印加される力に応じて実質的に線形の経路に沿って往復運動するように構成されたプローブを有するリニアアクチュエータと、
実質的に線形の経路に沿ってプローブの位置を示す信号を生成するように構成されたセンサと、
センサ、電気リニアモータアセンブリおよび空気圧エアシリンダに動作可能に接続されたコンピュータと、
リニアアクチュエータアセンブリを較正するための命令と、
実質的に線形の経路に沿ってプローブの位置を決定するための命令と、
電気モータアセンブリを作動させて電気モータアセンブリがプローブに所定の力を印加するようにさせるための命令と、
空気圧エアシリンダアセンブリを作動させて空気圧エアシリンダアセンブリがプローブに所定の力を印加するようにさせるための命令とを含む、
コンピュータのメモリ内に記憶され、コンピュータの1つまたは複数のプロセッサによって実行されるように構成されたコンピュータ可読媒体
とを含む、リニアアクチュエータシステム。
【請求項14】
実質的に線形の経路に沿って摺動するように構成されたプローブと、
電気手段に印加される電流に応じて第1の力をプローブに印加するための、プローブに結合された電気手段と、
空気圧手段に印加される空気圧に応じて第2の力を印加するための、プローブに結合された空気圧手段
とを含む、リニアアクチュエータシステム。
【請求項15】
電気手段に印加される電流と空気圧手段に印加される空気圧とを制御するためのコンピュータ手段を更に含む、請求項14記載のリニアアクチュエータシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−517505(P2010−517505A)
【公表日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−547446(P2009−547446)
【出願日】平成20年1月25日(2008.1.25)
【国際出願番号】PCT/US2008/052121
【国際公開番号】WO2008/092124
【国際公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
【出願人】(509209041)スマック インコーポレーティッド (2)
【Fターム(参考)】