説明

空気清浄機

【課題】小さい消費電力で効率よく空気を浄化させることができる加湿機能付きの空気清浄機の提供。
【解決手段】空気清浄機1は、羽根車81の回転によって吸込口2から吸込んだ空気を加湿する着脱可能な加湿フィルタ5を備えており、空気清浄機1内において風路は1つである。制御部13は、加湿フィルタ検出部61が検出した加湿フィルタ5の有無に応じてファンモータ82の回転数を制御する。制御部13は、加湿フィルタ検出部61が加湿フィルタ5の無を検出した場合におけるファンモータ82の回転数を、加湿フィルタ検出部61が加湿フィルタ5の有を検出した場合におけるファンモータ82の回転数よりも低い回転数に制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸込口から吸込んだ空気の浄化及び加湿を行う空気清浄機に関する。
【背景技術】
【0002】
人体に有害な物質、例えば、塵埃を含む空気を浄化すると共に加湿する空気清浄機が普及している。このような加湿機能付きの空気清浄機は、通常、塵埃を含む空気を濾過する浄化フィルタ、及び、空気を加湿する加湿フィルタを備えている。
【0003】
加湿機能付きの空気清浄機は、羽根車を回転させるモータを備え、羽根車の回転によって吸込口から吸込んだ空気を浄化フィルタ及び加湿フィルタに通過させ、空気の浄化及び加湿を行う。また、この加湿機能付きの空気清浄機は、空気の加湿を行わずに、空気の浄化のみを行うこともできるように構成されている。
【0004】
空気の浄化のみを行うことが可能な加湿機能付きの空気清浄機として、空気を加湿しない場合に加湿フィルタに吸水を停止させ、乾いた加湿フィルタに空気を通過させる空気清浄機がある。
【0005】
また、他の方法で空気の浄化のみを行うことが可能な加湿機能付きの空気清浄機が特許文献1に開示されている。特許文献1に記載の空気清浄機には、浄化フィルタを通過する風路と、加湿フィルタ及び浄化フィルタを通過する風路とが個別に設けられており、空気を加湿しない場合、加湿フィルタ及び浄化フィルタを通過する風路を遮断し、浄化フィルタのみを通過した空気を吹出口から吹出す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−250448号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、加湿フィルタに吸水を停止させる空気清浄機では、空気の浄化のみを行う場合、乾燥した加湿フィルタに空気を通過させなければならない。空気を加湿フィルタに通過させた場合、空気抵抗によって、空気圧が低下し、圧力損失が生じる。圧力損失が生じた場合、加湿フィルタを通過した空気の風量が低下する。このため、加湿フィルタに吸水を停止させる空気清浄機では、風量の低下分を補うために、モータは高い回転数で羽根車を回転させており、消費電力が大きいという問題がある。
【0008】
また、特許文献1に記載の空気清浄機については、2つの風路が設けられているため、空気を加湿しない場合に空気が通過する風路の面積が小さい。これにより、風路を通過可能な風量が少なく、特許文献1に記載の空気清浄機には効率よく空気を浄化させることができないという問題がある。
【0009】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、小さい消費電力で効率よく空気を浄化させることができる加湿機能付きの空気清浄機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る空気清浄機は、羽根車を回転させるモータを備え、該羽根車の回転によって吸込口から吸込んだ空気を浄化する空気清浄機において、前記吸込口から吸込んだ空気を加湿する着脱可能なフィルタと、前記フィルタの有無を検出するフィルタ検出手段と、該フィルタ検出手段が前記フィルタの無を検出した場合における前記モータの回転数を、前記フィルタ検出手段が前記フィルタの有を検出した場合における前記モータの回転数よりも低い回転数に制御する手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
本発明にあっては、吸込口から吸込んだ空気を加湿するフィルタを着脱することができる。フィルタが無である場合、フィルタによる圧力損失が生じないため、モータは低い回転数で羽根車を回転させることができる。従って、フィルタ検出手段がフィルタの無を検出した場合におけるモータの回転数を、フィルタ検出手段がフィルタの有を検出した場合におけるモータの回転数よりも低い回転数に制御することによって、小さい消費電力で空気が浄化される。
また、複数の風路を必要としないため、効率よく空気を浄化することができる。
【0012】
本発明に係る空気清浄機は、前記フィルタに含ませる水を貯留する水槽と、該水槽が貯留する水の水位を検出する水位検出手段と、前記フィルタ検出手段が前記フィルタの無を検出した場合に前記水位検出手段の動作を停止させる手段とを備えることを特徴とする。
【0013】
本発明にあっては、フィルタ検出手段がフィルタを検出しなかった場合に、水槽に貯留された水の水位を検出する水位検出手段の動作を停止させるので、水位検出手段が水位を検出するために使用する消費電力が削減される。
【0014】
本発明に係る空気清浄機は、前記羽根車の回転によって吹出口から吹出す空気に含めるイオンを発生する発生手段と、該発生手段が発生するイオンの増減の指示を受け付ける受付手段と、該受付手段が受け付けた指示に従って、前記発生手段が発生するイオンを増減する手段とを備えることを特徴とする。
【0015】
本発明にあっては、受付手段は発生手段が発生するイオンの増減の指示を受け付け、受け付けた指示に従って、発生手段が発生するイオンを増減する。これにより、使用者は室内に飛散されるイオンの量を適量に調整することができる。
【0016】
本発明に係る空気清浄機は、前記受付手段が増加の指示を受け付けた場合に、前記フィルタ検出手段の動作を停止させる手段を備えることを特徴とする。
【0017】
本発明にあっては、受付手段が増加の指示を受け付けた場合に、フィルタ検出手段の動作を停止する。これにより、フィルタ検出手段がフィルタの有無を検出するために使用する消費電力が削減される。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、複数の風路を必要とせず、空気を加湿するフィルタが着脱可能であり、フィルタの無を検出した場合におけるモータの回転数が、フィルタの有を検出した場合におけるモータの回転数よりも少ない回転数に制御されるので、小さい消費電力で効率よく空気を浄化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る空気清浄機の構成を略示する断面図である。
【図2】操作パネルの外観図である。
【図3】空気清浄機の制御系の要部構成を示すブロック図である。
【図4】自動で設定されるファンモータの回転数を示す図表である。
【図5】手動で設定されるファンモータの回転数を示す図表である。
【図6】省エネルギーモードにおける送風機の消費電力の削減効果を示す図表である。
【図7】ハイパワーモードにおける送風機の風量を示す図表である。
【図8】制御部が実行する動作の手順を示すフローチャートである。
【図9】制御部が実行する動作の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
図1は本発明に係る空気清浄機の構成を略示する断面図である。この空気清浄機1は直方体状をなす。空気清浄機1には、一側面に外部から空気を吸込む吸込口2が設けられており、一方の端面に吹出口3が設けられている。空気清浄機1は、吹出口3が設けられた端面を上面として床に配置される。
【0021】
空気清浄機1は、外部から吸込んだ空気の浄化及び加湿を行い、浄化及び加湿を行った空気にイオンを含ませ、イオンを含む空気を吹出口3から外部に吹出す。また、空気清浄機1は空気を加湿せずに浄化することもできる。
【0022】
空気清浄機1は、吸込口2及び吹出口3に加えて、浄化フィルタ4、加湿フィルタ5、水槽6、電動モータ7、送風機8、イオン発生部9、塵埃検出部10、湿度検出部11、操作パネル12及び制御部13を備えている。
浄化フィルタ4は、板状をなし、その一面が、吸込口2が設けられた側面と平行になるように配されている。送風機8によって吸込口2から吸込まれた空気は最初に浄化フィルタ4を通過する。これにより、浄化フィルタ4は、吸込口2から吸込まれた空気を濾過して、空気に含まれる人体に有害な物質、例えば、塵埃を除去する。浄化フィルタ4によって浄化された空気は加湿フィルタ5を通過する。
【0023】
加湿フィルタ5は、円盤状をなし、盤面が浄化フィルタ4の一面と平行になるように配置されている。加湿フィルタ5の下側に、一面が開放された箱体状の水槽6が、開放された一面が上面となるように配置されており、加湿フィルタ5の一部は水槽6が貯留する水にひたる。加湿フィルタ5の盤面の中心に回転軸51が設けられており、回転軸51は、加湿フィルタ5が回転できるように、水槽6によって支持されている。
【0024】
また、加湿フィルタ5の上側には、加湿フィルタ5を回転させる電動モータ7が配置されている。電動モータ7は、加湿フィルタ5を回転させるためのローラを有しており、加湿フィルタ5が水槽6に装着された場合に、ローラが加湿フィルタ5の側面に接触するように配置されている。電動モータ7はローラを回転させることによって、加湿フィルタ5を回転させる。
【0025】
電動モータ7が、制御部13の指示に従って、回転軸51を中心に加湿フィルタ5を回転させることによって、加湿フィルタ5の周縁部全体が水槽6の水を吸収し、水が加湿フィルタ5の全面に行き渡る。これにより、加湿フィルタ5を通過した空気が加湿される。
【0026】
制御部13は、空気清浄機1が空気を加湿しない場合、電動モータ7への給電を停止することによって、電動モータ7の動作を停止させる。これにより、制御部13は加湿フィルタ5の回転を停止させる。また、使用者は加湿フィルタ5を水槽6から着脱することができ、空気を加湿しない場合に加湿フィルタ5を水槽6から取外すことができる。
【0027】
更に、加湿フィルタ5の一方の盤面に磁気を発する磁石52が設けられている。磁石52が設けられた盤面に対向する水槽6の側面に、磁石52が発する磁気を検出する加湿フィルタ検出部61が設けられている。加湿フィルタ検出部61は磁石52が発する磁気を検出したか否かによって加湿フィルタ5の有無を検出する。
【0028】
加湿フィルタ検出部61は、磁石52が発する磁気を検出した場合、加湿フィルタ5の有を検出した旨を制御部13に通知する。加湿フィルタ検出部61は、加湿フィルタ5が回転し、磁石52が水槽6内を移動している間に、磁石52と対向することができる位置に設けられている。
【0029】
制御部13は、電動モータ7に指示して、加湿フィルタ5が1回転する期間、例えば、70秒間だけ加湿フィルタ5を回転させる。制御部13は、加湿フィルタ5が1回転する期間に加湿フィルタ検出部61が磁石52の磁気を検出した場合には加湿フィルタ5の有を検出し、加湿フィルタ5が1回転する期間に加湿フィルタ検出部61が磁石52の磁気を検出しなかった場合に加湿フィルタ5の無を検出する。
【0030】
水槽6の内側面には、加湿フィルタ検出部61の他に、水槽6に貯留された水の水位を検出する水位検出部62が設けられている。水位検出部62は、水槽6の水の水位を検出し、検出結果を制御部13に通知する。水位検出部62は水槽6の水の水位が所定水位であるか否かを検出する。
【0031】
水槽6の水の水位が所定水位よりも低くなった場合、図示しない給水タンクに貯留されている水が水槽6に供給される。これにより、水槽6の水の水位が所定水位に維持される。給水タンクに水が貯留されておらず、水槽6の水の水位が所定水位未満になった場合、水位検出部62は水槽6の水の水位が所定水位でない旨を制御部13に通知する。制御部13は、水槽6の水の水位が所定水位でない旨の通知を受け付けた場合、給水タンクへの水の補給を促すメッセージを後述の表示部14(図3参照)に表示する。
【0032】
送風機8は、吸込口2が設けられた側面に対向する側面に配置され、羽根車81と、羽根車81を回転させるファンモータ82とを有している。ファンモータ82は、羽根車81を回転させることによって、吸込口2から空気を吸込み、吸込んだ空気を浄化フィルタ4及び加湿フィルタ5に通過させ、通過させた空気を吹出口3から吹出す。単位時間あたりのファンモータ82の回転数は制御部13によって制御される。
以下、単に回転数と記載した場合には単位時間あたりの回転数を意味するものとする。
【0033】
なお、加湿フィルタ5が使用者によって取外されている場合、ファンモータ82は、吸込口2から吸込んだ空気を浄化フィルタ4に通過させ、通過させた空気を吹出口3から吹出す。
【0034】
イオン発生部9は、送風機8から吹出口3までの風路を形成する面に配置されている。イオン発生部9への給電は制御部13によって制御されている。イオン発生部9は、給電された場合に、イオンを発生し、発生したイオンを送風機8が吹出口3から吹出す空気に含める。これにより、空気中に浮遊するカビ菌及び大腸菌等の細菌がイオンによって分解されて除去される。制御部13は、イオン発生部9に給電される時間を制御することによって、イオン発生部9が発生するイオンの量を制御する。
【0035】
塵埃検出部10は、浄化フィルタ4の上側に配されており、空気清浄機1が配置された室内の空気中に含まれる塵埃を検出し、検出した結果を制御部13に通知する。
湿度検出部11は、塵埃検出部10と同様に浄化フィルタ4の上側に配されている。湿度検出部11は、空気清浄機1が配置された室内の空気の湿度を検出し、検出した結果を制御部13に通知する。
【0036】
操作パネル12は空気清浄機1の上面の外側に設置されている。操作パネル12は、空気清浄機1における運転の始動及び停止、ファンモータ82の回転数の設定、空気の浄化に加えて加湿を行うか否か、並びに、空気を浄化するモード等に関する指示を受け付け、受け付けた指示を制御部13に通知する。
【0037】
制御部13は、マイクロコンピュータ等で構成されており、空気清浄機1の上面の内側に、操作パネル12と対向するように設けられている。制御部13は、操作パネル12が受け付けた指示、並びに、加湿フィルタ検出部61、塵埃検出部10及び湿度検出部11夫々が検出した結果に基づいて、電動モータ7、ファンモータ82及びイオン発生部9の動作を制御する。制御部13は、ファンモータ82の回転数と、加湿フィルタ検出部61、水位検出部62、電動モータ7、塵埃検出部10及び湿度検出部11への給電とを制御する。
【0038】
図2は操作パネル12の外観図である。操作パネル12は、「運転入/切」ボタン21、「自動運転」ボタン22、「手動運転」ボタン23、「空気清浄」ボタン24、「ハイパワーモード」ボタン25、「省エネルギーモード」ボタン26、及び、「加湿空気清浄」ボタン27を有している。各ボタンの近傍にはランプが設けられている。
【0039】
「運転入/切」ボタン21は、操作パネル12が使用者から空気清浄機1における運転の始動又は停止の指示を受け付けるためのボタンである。空気清浄機1が停止している場合に、使用者が「運転入/切」ボタン21を押すと、操作パネル12は運転の始動の指示を受け付ける。また、空気清浄機1が動作している場合に、使用者が「運転入/切」ボタン21を押すと、操作パネル12は運転の停止の指示を受け付ける。
【0040】
操作パネル12が運転の始動の指示を受け付けた場合、操作パネル12に設けられた複数のランプの内、一又は複数のランプが点灯し、空気清浄機1は、空気の浄化及び加湿、又は、空気の浄化のみを行う。操作パネル12が運転の停止の指示を受け付けた場合、操作パネル12に設けられた複数のランプの内、点灯中の一又は複数のランプを消灯し、空気清浄機1は、空気の浄化及び加湿、又は、空気の浄化を停止する。
【0041】
「自動運転」ボタン22は、ファンモータ82の回転数を自動で設定する旨の指示を受け付けるためのボタンである。使用者が「自動運転」ボタン22を押した場合、操作パネル12はファンモータ82の回転数を自動で設定する旨の指示を受け付ける。このとき、制御部13は、塵埃検出部10及び湿度検出部11夫々が検出した塵埃及び湿度に対応する回転数で羽根車81をファンモータ82に回転させる。
【0042】
ここで、塵埃検出部10及び湿度検出部11夫々が検出した塵埃及び湿度に対応するファンモータ82の回転数は後述の記憶部15(図3参照)に記憶してあり、制御部13は、記憶部15から回転数を読み出して、読み出した回転数で羽根車81をファンモータ82に回転させる。
「自動運転」ボタン22近傍のランプは、ファンモータ82の回転数が自動で設定されている場合に点灯し、ファンモータ82の回転数が手動で設定されている場合に消灯する。
【0043】
「手動運転」ボタン23は、ファンモータ82の回転数を手動で設定する旨の指示、及び、ファンモータ82の回転数の設定モードを受け付けるためのボタンである。使用者が「手動運転」ボタン23を押した場合、ファンモータ82の回転数を手動で設定する旨の指示、及び、ファンモータ82の回転数の設定モードを受け付ける。
【0044】
「手動運転」ボタン23の近傍に3つのランプがあり、3つのランプ夫々の近傍に「弱」、「中」及び「強」の文字が記載されている。使用者が「手動運転」ボタン23を押した場合、「弱」、「中」及び「強」のいずれかのランプが点灯する。
【0045】
更に、使用者が「手動運転ボタン」23を繰り返し押すことによって、ファンモータ82の回転数の設定モードが「弱」、「中」及び「強」の順に変更される。ファンモータ82の回転数の設定モードに応じて、「弱」、「中」及び「強」のランプのいずれかが点灯する。なお、設定モードが「強」である状態で使用者が「手動運転ボタン」23を押した場合、設定モード「弱」に変更される。
【0046】
記憶部15には、設定モード「弱」、「中」及び「強」夫々に対応するファンモータ82の回転数が記憶してある。制御部13は、操作パネル12が受け付けた設定モードに対応する回転数を記憶部15から読み出し、ファンモータ82に、読み出した回転数で羽根車81を回転させる。
【0047】
操作パネル12がファンモータ82の回転数を自動で設定する旨の指示を受け付けた場合、「自動運転」ボタン22近傍のランプが点灯し、「手動運転」ボタン23近傍の3つのランプはいずれも消灯する。操作パネル12がファンモータ82の回転数を手動で設定する旨の指示を受け付けた場合、「自動運転」ボタン22近傍のランプが消灯し、「手動運転」ボタン23近傍の3つのランプのいずれか1つが点灯する。
【0048】
「空気清浄」ボタン24は、空気の浄化の指示を受け付けるためのボタンである。使用者が「空気清浄」ボタン24を押した場合、操作パネル12は空気の浄化の指示を受け付ける。このとき、制御部13は、電動モータ7に動作を停止させ、ファンモータ82に羽根車81を回転させ、イオン発生部9にイオンを発生させることによって空気の浄化のみを行う。操作パネル12が空気の浄化の指示を受け付けた場合、「空気清浄」ボタン24近傍のランプが点灯する。
【0049】
空気清浄機1が空気の浄化のみを行う運転モードとして、ハイパワーモード及び省エネルギーモードがある。制御部13は、ハイパワーモードで空気を浄化する場合にイオン発生部9に給電される時間を、省エネルギーモードで空気を浄化する場合にイオン発生部9に給電される時間よりも長くする。
【0050】
これにより、空気清浄機1がハイパワーモードで空気を浄化する場合、イオン発生部9が発生するイオンの量が、省エネルギーモードで空気を浄化する場合に発生するイオンの量よりも多くなる。
【0051】
空気清浄機1がハイパワーモード及び省エネルギーモードで空気を浄化する夫々の場合に、イオン発生部9に給電される時間は記憶部15に記憶されてあり、制御部13は、各場合に対応する時間を記憶部15から読み出して、読み出した時間だけイオン発生部9へ給電させる。
【0052】
空気清浄機1が省エネルギーモードで空気を浄化する場合、制御部13は、加湿フィルタ検出部61が検出した加湿フィルタ5の有無に応じて、ファンモータ82の回転数を制御する。
具体的には、制御部13は、加湿フィルタ検出部61が加湿フィルタ5の無を検出した場合におけるファンモータ82の回転数を、加湿フィルタ検出部61が加湿フィルタ5の有を検出した場合におけるファンモータ82の回転数よりも少ない回転数に制御する。
【0053】
加湿フィルタ検出部61が加湿フィルタ5の有及び無を検出した夫々の場合に、ファンモータ82が羽根車81を回転させる回転数は記憶部15に記憶されてあり、制御部13は、各場合に対応する回転数を記憶部15から読み出して、読み出した回転数でファンモータ82に羽根車81を回転させる。
【0054】
「ハイパワーモード」ボタン25は、空気の浄化のみが行われている場合に、イオン発生部9が発生するイオンの増加の指示を受け付けるボタンである。
「省エネルギーモード」ボタン26は、空気の浄化のみが行われている場合に、加湿フィルタ検出部61が検出した加湿フィルタ5の有無に応じてファンモータ82の回転数を制御する旨の指示を受け付けるためのボタンである。
【0055】
ここで、使用者が「省エネルギーモード」ボタン26を押した場合、加湿フィルタ5の有無に応じてファンモータ82の回転数を制御する旨の指示が受け付けられると共に、ハイパワーモードが解除される。操作パネル12は、イオン発生部9から発生するイオンの減少の指示を受け付ける。制御部13は、イオン発生部9に給電される時間を短くして、イオン発生部9が発生するイオンの量を減少させる。
【0056】
空気の浄化のみが行われている場合、「空気清浄」ボタン24近傍のランプが点灯し、使用者によって指示された運転モードに応じて、「ハイパワーモード」ボタン25又は「省エネルギーモード」ボタン26近傍のランプが点灯する。「空気清浄」ボタン24近傍のランプが点灯した場合、「加湿空気清浄」ボタン27近傍のランプが消灯する。
【0057】
「加湿空気清浄」ボタン27は、空気の浄化及び加湿の指示を受け付けるためのボタンである。使用者が「加湿空気清浄」ボタン27を押した場合、操作パネル12は空気の浄化及び加湿の指示を受け付け、制御部13は、電動モータ7に加湿フィルタ5を回転させ、ファンモータ82に羽根車81を回転させ、イオン発生部9にイオンを発生させる。
【0058】
空気の浄化及び加湿を行う場合においてイオン発生部9に印加される時間は、省エネルギーモードで空気を浄化する場合においてイオン発生部9に印加される時間と同じである。即ち、空気の浄化及び加湿を行う場合、及び、省エネルギーモードで空気を浄化する場合にイオン発生部9が発生するイオンの量は同じである。
【0059】
空気の浄化及び加湿が行われている場合、「加湿空気清浄」ボタン27近傍のランプが点灯し、「空気清浄」ボタン24、「ハイパワーモード」ボタン25及び「省エネルギーモード」ボタン26夫々の近傍のランプが消灯する。
【0060】
なお、ハイパワーモードで空気の浄化のみが行われている状態で、使用者が「加湿空気清浄」ボタン27を押した場合、ハイパワーモードが解除されるので、操作パネル12は、イオン発生部9が発生するイオンの減少の指示を受け付ける。制御部13は、イオン発生部9に給電される時間を短くして、イオン発生部9が発生するイオンの量を減少させる。
【0061】
図3は空気清浄機1の制御系の要部構成を示すブロック図である。制御部13は、操作パネル12、加湿フィルタ検出部61、水位検出部62、塵埃検出部10、湿度検出部11、電動モータ7、ファンモータ82、イオン発生部9、表示部14及び記憶部15に接続している。
【0062】
表示部14は、水位検出部62が水位を検出した結果、水槽6の水の水位が所定水位でない場合に、制御部13の指示に従って、給水タンクへの水の補給を促す旨のメッセージを表示する。
なお、表示部14は、メッセージを表示せずに、例えば、黒で表示されているパネルを赤に変更することによって、給水タンクへの水の補給を促してもよい。
【0063】
記憶部15は、種々の場合において、ファンモータ82の回転数を記憶している。これらの回転数については後述する。
記憶部15は、更に、ハイパワーモードで空気の浄化のみを行う場合にイオン発生部9に給電されるべき時間と、省エネルギーモードで空気の浄化のみを行う場合、又は、空気の浄化及び加湿を行う場合にイオン発生部9に給電されるべき時間とを記憶している。
記憶部15が記憶している内容は制御部13によって適宜読み出される。
【0064】
制御部13は、操作パネル12が使用者から受け付けた種々の指示と、加湿フィルタ検出部61、塵埃検出部10及び湿度検出部11夫々が検出した結果とに応じて、ファンモータ82の回転数、及び、イオン発生部9に給電されるべき時間を記憶部15から読み出す。制御部13は、読み出した回転数で羽根車81をファンモータ82に回転させ、読み出した時間だけイオン発生部9に給電させる。
【0065】
制御部13は、操作パネル12が空気の浄化及び加湿の指示を受け付けた場合、電動モータ7に指示して加湿フィルタ5を回転させる。
制御部13は、ハイパワーモードで空気の浄化のみを行う場合、加湿フィルタ検出部61への給電を停止することによって、加湿フィルタ検出部61の動作を停止させる。
制御部13は、空気の浄化及び加湿が行われている状態で、水槽6の水の水位が所定水位でない場合に、表示部14に、給水タンクへの水の補給を促すメッセージを表示する。
【0066】
また、制御部13は、省エネルギーモードで空気の浄化のみを行っている状態で、加湿フィルタ検出部61が加湿フィルタ5の無を検出した場合に、水位検出部62への給電を停止し、水位検出部62の動作を停止させる。
【0067】
図4は自動で設定されるファンモータ82の回転数を示す図表である。ファンモータ82の回転数の設定が自動である場合、制御部13は、塵埃検出部10及び湿度検出部11夫々に空気の塵埃及び湿度を検出させる。塵埃検出部10が検出した塵埃のレベルは、検出した塵埃の量に応じて、「きれい」、「汚れ:小」、「汚れ:中」、「汚れ:大」及び「汚れ:最大」の5段階である。
【0068】
空気の浄化のみを行う場合、又は、空気の浄化及び加湿を行っていて湿度検出部11が所定湿度以上の湿度を検出した場合、塵埃のレベル「きれい」、「汚れ:小」、「汚れ:中」、「汚れ:大」及び「汚れ:最大」夫々に対応するファンモータ82の回転数は、600、700、800、880及び1000r.p.m.に設定されている。r.p.m.は、rotation per minuteの略称であり、1分間の回転数を示す単位である。
【0069】
空気の浄化及び加湿を行って湿度検出部11が所定湿度未満の湿度を検出した場合、塵埃のレベル「きれい」、「汚れ:小」、「汚れ:中」、「汚れ:大」及び「汚れ:最大」夫々に対応するファンモータ82の回転数は、全て1000r.p.m.に設定されている。記憶部15には、図4に示すファンモータ82の回転数が記憶してある。
【0070】
図5は、手動で設定されるファンモータ82の回転数を示す図表である。ファンモータ82の回転数の設定が手動である場合、ファンモータ82の回転数は使用者によって指示される。
【0071】
空気の浄化のみを行う場合、設定モード「弱」、「中」及び「強」夫々に対応するファンモータ82の回転数は、430、960及び1420r.p.m.に設定されている。
空気の浄化及び加湿を行う場合、設定モード「弱」、「中」及び「強」夫々に対応するファンモータ82の回転数は、500、880及び1000r.p.m.に設定されている。
記憶部15には、図5に示すファンモータ82の回転数が記憶してある。
【0072】
図6は、省エネルギーモードにおける送風機8の消費電力の削減効果を示す図表である。省エネルギーモードで空気が浄化されているので、制御部13は、加湿フィルタ検出部61が検出した加湿フィルタ5の有無に応じてファンモータ82の回転数を制御する。
【0073】
図6には、送風機8について、加湿フィルタ検出部61が加湿フィルタ5の有及び無を検出した夫々の場合におけるファンモータ82の回転数(設定モード)、消費電力及び風量が示されている。図6には、ファンモータ82の回転数が手動で設定される場合における回転数、消費電力及び風量が示されている。
【0074】
加湿フィルタ検出部61が加湿フィルタ5の有を検出した場合において、設定モード「弱」、「中」及び「強」夫々に対応するファンモータ82の回転数は430、960及び1420r.p.m.である。一方、加湿フィルタ検出部61が加湿フィルタ5の無を検出した場合において設定モード「弱」、「中」及び「強」夫々に対応するファンモータ82の回転数は、360、890及び1350r.p.m.である。
【0075】
加湿フィルタ5が無である場合において設定モード「弱」、「中」及び「強」夫々に対応するファンモータ82の回転数は、加湿フィルタ5が有である場合において設定モード「弱」、「中」及び「強」夫々に対応するファンモータ82の回転数よりも低く設定されている。
【0076】
ファンモータ82が一定の回転数で羽根車81を回転している状態で、加湿フィルタ5が有から無になった場合、空気清浄機1内を通過する空気の風量が多くなる。このため、制御部13は、加湿フィルタ5が無である場合、ファンモータ82の回転数を低く設定することができる。
【0077】
加湿フィルタ5が有から無になることによって、図6に示すように、消費電力は、設定モード「弱」では2.80Wから2.40Wに、設定モード「中」では12.72Wから10.20Wに、設定モード「強」では42.07Wから37.90Wに削減されている。
【0078】
更に、加湿フィルタ5が無である場合において、設定モード「弱」、「中」及び「強」夫々に対応する風量は、0.83、2.81及び4.63CMMであり、加湿フィルタ5が有である場合において、設定モード「弱」、「中」及び「強」夫々に対応する風量と略同じである。これにより、加湿フィルタ5が有から無になった場合に、回転数を下げても空気を浄化する能力が低下していないことがわかる。なお、CMMは、Cubic Meter per Minuteの略称であり、1分間あたりの風量を示す単位である。
【0079】
なお、ファンモータ82の回転数が自動で設定される場合についても、加湿フィルタ5が無である場合における回転数は、加湿フィルタ5が有である場合における回転数よりも低く設定され、送風機8の消費電力が削減される。
【0080】
図7はハイパワーモードにおける送風機8の風量を示す図表である。図7には、ファンモータ82が手動で設定される場合における送風機8の風量が示されている。ハイパワーモードで空気が浄化される場合、イオン発生部9が発生するイオンの量が、省エネルギーモードで空気が浄化される場合にイオン発生部9が発生するイオンの量より多い。ハイパワーモードで空気が浄化される場合、加湿フィルタ5の有無に無関係にファンモータ82の回転数は一定である。
【0081】
図7は、設定モード「弱」、「中」及び「強」夫々において、加湿フィルタ5が有である場合における風量と、加湿フィルタ5が無である場合における風量とが示されている。設定モード「弱」、「中」及び「強」夫々に対応するファンモータ82の回転数は430、960及び1420r.p.m.である。
【0082】
加湿フィルタ5が有から無になることによって、風量は、設定モード「弱」では0.83CMMから1.10CMMに、設定モード「中」では2.81CMMから3.10CMMに、設定モード「強」では4.63CMMから4.90CMMに増加している。加湿フィルタ5が無である場合、空気清浄機1はイオンをより遠くまで飛散することができる。
【0083】
なお、ファンモータ82の回転数が自動で設定される場合についても、加湿フィルタ5が無である場合における送風機8の風量は、加湿フィルタ5が有である場合における送風機8の風量よりも多い。
【0084】
図8及び9は、制御部13が実行する動作の手順を示すフローチャートである。
制御部13は、まず、ファンモータ82の回転数の設定が自動であるか否かを判定する(ステップS1)。
【0085】
制御部13は、使用者が「自動運転」ボタン22を押して操作パネル12がファンモータ82の回転数を自動で設定する旨の指示を受け付けている場合に、ファンモータ82の回転数の設定が自動であると判定する。制御部13は、使用者が「手動運転」ボタン23を押して操作パネル12がファンモータ82の回転数を手動で設定する旨の指示を受け付けている場合に、ファンモータ82の回転数の設定が自動ではないと判定する。
【0086】
制御部13は、ファンモータ82の回転数の設定が自動であると判定した場合(ステップS1:YES)、塵埃検出部10に空気の塵埃を検出させる(ステップS2)。続いて、制御部13は、湿度検出部11に空気の湿度を検出させる(ステップS3)。
【0087】
制御部13は、ファンモータ82の回転数の設定が自動ではない、即ち、手動であると判定した場合(ステップS1:NO)、ファンモータ82の回転数の設定モードを、操作パネル12を介して使用者から受け付ける(ステップS4)。
【0088】
制御部13は、ステップS3又はS4を実行した後、空気を加湿するか否かを判定する(ステップS5)。制御部13は、使用者が「加湿空気清浄」ボタン27を押して操作パネル12が空気の浄化及び加湿の指示を受け付けている場合、空気を加湿すると判定する。制御部13は、使用者が「空気清浄」ボタン24を押して操作パネル12が空気の浄化の指示を受け付けている場合、空気を加湿しないと判定する。
【0089】
制御部13は、空気を加湿すると判定した場合(ステップS5:YES)、ファンモータ82の回転数を設定する(ステップS6)。
【0090】
ステップS1において回転数の設定が自動である場合、制御部13は、ステップS2で検出した塵埃のレベル、及び、ステップS3で検出した湿度が所定湿度以上であるか否かに基づいて、ファンモータ82の回転数を記憶部15から読み出す(図4参照)。制御部13は、ファンモータ82の回転数を記憶部15から読み出した回転数に設定する。
【0091】
ステップS1において回転数の設定が自動でない、即ち、手動である場合、制御部13は、ステップS4で受け付けた設定モードに基づいて、ファンモータ82の回転数を記憶部15から読み出す(図5参照)。制御部13は、ファンモータ82の回転数を記憶部15から読み出した回転数に設定する。
【0092】
次に、制御部13は、イオン発生部9が発生しているイオンの量がハイパワーモード対応のイオンの量であるか否かを判定する(ステップS7)。制御部13は、イオン発生部9に給電されている時間がハイパワーモードに対応する時間であるか否かによって、ハイパワーモード対応のイオンの量であるか否かを判定する。
【0093】
制御部13は、イオン発生部9が発生するイオンの量がハイパワーモード対応のイオンの量であると判定した場合(ステップS7:YES)、イオン発生部9が発生するイオンの量を、ハイパワーモードを解除した場合に発生すべきイオンの量に減少させる(ステップS8)。
【0094】
ここで、制御部13は、ハイパワーモードを解除した場合に、イオン発生部9に給電されるべき時間を記憶部15から読み出し、読み出した時間だけイオン発生部9に給電する。
【0095】
制御部13は、イオン発生部9が発生するイオンの量がハイパワーモード対応のイオンの量ではないと判定した場合(ステップS7:NO)、又は、ステップS8を実行した後、水位検出部62に水槽6の水の水位を検出させることによって、水槽6の水の水位が所定水位であるか否かを判定する(ステップS9)。制御部13は、水槽6の水の水位が所定水位でない場合(ステップS9:NO)、表示部14に、給水タンクへの水の補給を促すメッセージを表示する(ステップS10)。
【0096】
制御部13は、水槽6の水の水位が所定水位にあると判定した場合(ステップS9:YES)、又は、ステップS10を実行した後、空気の浄化及び加湿を行う(ステップS11)。制御部13は、電動モータ7に指示して加湿フィルタ5を回転させ、ステップS6で設定した回転数で羽根車81をファンモータ82に回転させ、イオン発生部9にイオンを発生させることによって空気の浄化及び加湿を行う。
【0097】
制御部13は、空気を加湿しないと判定した場合(ステップS5:NO)、ファンモータ82の回転数を設定する(ステップS12)(図9参照)。
【0098】
ステップS1において回転数の設定が自動である場合、制御部13は、ステップS2で検出した塵埃のレベルに基づいて、ファンモータ82の回転数を記憶部15から読み出す(図4参照)。制御部13は、ファンモータ82の回転数を記憶部15から読み出した回転数に設定する。
【0099】
ステップS1において回転数の設定が自動でない、即ち、手動である場合、制御部13は、ステップS4で受け付けた設定モードに基づいて、ファンモータ82の回転数を記憶部15から読み出す(図5参照)。制御部13は、ファンモータ82の回転数を記憶部15から読み出した回転数に設定する。
【0100】
次に、制御部13は、省エネルギーモードで空気を浄化するか否かを判定する(ステップS13)。
【0101】
制御部13は、使用者が「省エネルギーモード」ボタン26を押して、操作パネル12が加湿フィルタ5の有無に応じたファンモータの回転数の制御を行う旨の指示を受け付けている場合、省エネルギーモードで空気を浄化すると判定する。制御部13は、使用者が「ハイパワーモード」ボタン25を押して操作パネル12がイオンの増加の指示を受け付けている場合、省エネルギーモードで空気を浄化しないと判定する。
【0102】
制御部13は、省エネルギーモードで空気を浄化すると判定した場合(ステップS13:YES)、ステップS7と同様にして、イオン発生部9が発生するイオンの量がハイパワーモード対応のイオンの量であるか否かを判定する(ステップS14)。
【0103】
制御部13は、イオン発生部9が発生するイオンの量がハイパワーモード対応のイオンの量であると判定した場合(ステップS14:YES)、ステップS8と同様にして、イオン発生部9が発生するイオンの量を、ハイパワーモードを解除した場合に発生すべきイオンの量に減少させる(ステップS15)。
【0104】
制御部13は、イオン発生部9が発生するイオンの量がハイパワーモード対応のイオンの量ではないと判定した場合(ステップS14:NO)、又は、ステップS15を実行した後、加湿フィルタ5の有を検出したか否かを判定する(ステップS16)。制御部13は、前述したように、電動モータ5に指示して加湿フィルタ5を回転させ、加湿フィルタ5が1回転する期間に加湿フィルタ検出部61が磁石52の磁気を検出したか否かによって、加湿フィルタ5の有を検出したか否かを判定する。
【0105】
制御部13は、加湿フィルタ5の有を検出しなかった場合(ステップS16:NO)、即ち、加湿フィルタ5の無を検出した場合、水位検出部62への給電を停止することによって、水位検出部62の動作を停止させる(ステップS17)。
これにより、水位検出部62が水位を検出するために使用する消費電力を削減することができる。
【0106】
次に、制御部13は、ステップS16で加湿フィルタ5の無が検出されているので、ファンモータ82の回転数を記憶部15から読み出して、ファンモータ82の回転数を低い回転数に変更させる(ステップS18)。例えば、回転数が手動で設定されて、設定された回転数の設定モードが「弱」である場合、制御部13は、ファンモータ82の回転数を430r.p.m.から360r.p.m.に変更する(図6参照)。
【0107】
従って、加湿フィルタ5の無を検出した場合におけるファンモータ82の回転数が、加湿フィルタ5の有を検出した場合におけるファンモータ82の回転数よりも低いため、送風機8の消費電力を小さくすることができる。
【0108】
制御部13は、省エネルギーモードで空気を浄化しない場合(ステップS13:NO)、即ち、ハイパワーモードで空気を浄化する場合、加湿フィルタ検出部61への給電を停止することによって、加湿フィルタ検出部61の動作を停止させる(ステップS19)。
【0109】
ハイパワーモードで空気を浄化する場合、空気清浄機1は空気を加湿しない。従って、制御部13は、ハイパワーモードで空気を浄化する場合、加湿フィルタ検出部61の動作を停止することによって加湿フィルタ検出部61が加湿フィルタ5の有無を検出するために使用する消費電力を削減する。
【0110】
次に、制御部13は、ステップS7と同様にして、イオン発生部9が発生するイオンの量がハイパワーモード対応のイオンの量であるか否かを判定する(ステップS20)。
【0111】
制御部13は、イオン発生部9が発生するイオンの量がハイパワーモード対応のイオンの量でないと判定した場合(ステップS20:NO)、イオン発生部9が発生するイオンの量を、ハイパワーモードで空気を浄化する場合に発生すべきイオンの量に増加させる(ステップS21)。
【0112】
ここで、制御部13は、ハイパワーモードで空気を浄化する場合に、イオン発生部9に給電されるべき時間を記憶部15から読み出し、読み出した時間だけ、イオン発生部9に給電する。
【0113】
制御部13は、加湿フィルタ5の有を検出した場合(ステップS16:YES)、イオン発生部9が発生するイオンの量がハイパワーモード対応のイオンの量であると判定した場合(ステップS20:YES)、又は、ステップS18若しくはS21を実行した後、空気の浄化を行う(ステップS22)。制御部13は、電動モータ7の動作を停止させ、ステップS12で設定した回転数、又は、ステップS18で変更した回転数でファンモータ82に羽根車81を回転させ、イオン発生部9にイオンを発生させることによって空気を浄化する。
【0114】
制御部13は、ステップS11又はS22を実行した後、動作を終了する。制御部13は、図8及び図9に示す動作を所定期間毎に繰り返す。
【0115】
本実施の形態にあっては、空気清浄機1には複数の風路を必要とせず、風路は1つであるため、効率よく空気が浄化される。また、使用者はハイパワーモードで空気を浄化するか否か、即ち、イオン発生部9が発生するイオンの量の増減を指示することができるので、使用者は、室内に飛散されるイオンの量を適量に調整することができる。
【0116】
なお、記憶部15が記憶しているファンモータ82の回転数は、図4、図5及び図6に示す回転数に限定されない。吸込口2及び吹出口3夫々の位置は、空気清浄機1の一側面及び上面に限定されない。
【0117】
また、加湿フィルタ5の形状は円盤状に限定されない。加湿フィルタ5を検出する方法は、加湿フィルタ5の盤面に磁石52を設けて磁石52の磁気を検出したか否かで加湿フィルタ5を検出する方法に限定されない。
【0118】
また、ファンモータ82の回転数が手動で設定される場合において、使用者が指示することができる設定モードの数は、「弱」、「中」及び「強」の3つに限定されず、1、2又は4以上であってもよい。
【0119】
また、加湿フィルタ5を回転させる方法は、電動モータ7によって加湿フィルタ5を回転させる方法に限定されない。制御部13が加湿フィルタ5の回転を制御できる方法であればよい。
【0120】
また、制御部13は、ハイパワーモードで空気を浄化する場合に、水位検出部62の動作を停止させてもよい。制御部13は、省エネルギーモードで空気を浄化している状態で、加湿フィルタ5の無を検出した場合に、水位検出部62の動作を停止させなくてもよい。
【0121】
また、制御部13は、ハイパワーモードで空気を浄化する場合に加湿フィルタ検出部61の動作を停止させなくてもよい。また、空気を浄化するモードは省エネルギーモードだけでもよい。
【符号の説明】
【0122】
1 空気清浄機
2 吸込口
5 加湿フィルタ
52 磁石
6 水槽
61 加湿フィルタ検出部
62 水位検出部
81 羽根車
82 ファンモータ
9 イオン発生部
12 操作パネル
13 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
羽根車を回転させるモータを備え、該羽根車の回転によって吸込口から吸込んだ空気を浄化する空気清浄機において、
前記吸込口から吸込んだ空気を加湿する着脱可能なフィルタと、
前記フィルタの有無を検出するフィルタ検出手段と、
該フィルタ検出手段が前記フィルタの無を検出した場合における前記モータの回転数を、前記フィルタ検出手段が前記フィルタの有を検出した場合における前記モータの回転数よりも低い回転数に制御する手段と
を備えることを特徴とする空気清浄機。
【請求項2】
前記フィルタに含ませる水を貯留する水槽と、
該水槽が貯留する水の水位を検出する水位検出手段と、
前記フィルタ検出手段が前記フィルタの無を検出した場合に前記水位検出手段の動作を停止させる手段と
を備えることを特徴とする請求項1に記載の空気清浄機。
【請求項3】
前記羽根車の回転によって吹出口から吹出す空気に含めるイオンを発生する発生手段と、
該発生手段が発生するイオンの増減の指示を受け付ける受付手段と、
該受付手段が受け付けた指示に従って、前記発生手段が発生するイオンを増減する手段と
を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の空気清浄機。
【請求項4】
前記受付手段が増加の指示を受け付けた場合に、前記フィルタ検出手段の動作を停止させる手段
を備えることを特徴とする請求項3に記載の空気清浄機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2013−15302(P2013−15302A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−150218(P2011−150218)
【出願日】平成23年7月6日(2011.7.6)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】