説明

立体映像表示装置用シャッタ眼鏡、立体映像表示装置用シャッタ眼鏡を含む立体映像表示システム及び立体映像表示システムの製造方法

【課題】シャッタ眼鏡を用いる立体映像表示システムにおいて、シャッタ眼鏡の厚さを減らすと共に、開口率を高め、かつ応答速度を速くする立体映像表示装置用シャッタ眼鏡、立体映像表示装置用シャッタ眼鏡を含む立体映像表示システム及び立体映像表示システムの製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の一実施形態に係る立体映像表示装置用シャッタ眼鏡は、左眼シャッタと右眼シャッタを含み、前記左眼シャッタ及び前記右眼シャッタのうちの少なくとも一つは、前記左眼シャッタ及び前記右眼シャッタのうちの少なくとも一つの開閉を制御するメムス素子を含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立体映像表示装置用シャッタ眼鏡、立体映像表示装置用シャッタ眼鏡を含む立体映像表示システム及び立体映像表示システムの製造方法に関する。より詳しくは、メムス素子を利用した立体映像表示装置用シャッタ眼鏡、立体映像表示装置用シャッタ眼鏡を含む立体映像表示システム及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、表示装置技術の発展によって3次元(3 dimensional、3D)の映像表示装置が関心を引いており、多様な3次元映像表示方法が研究されている。
【0003】
一般に、3次元映像表示技術は、近距離で立体感を認識する最も大きい要因である両眼視差(binocular parallax)を利用して物体の立体感を表現する。即ち、左眼と右眼にはそれぞれ互いに異なる2次元映像が映されて、左眼に映す映像(以下、“左眼映像(left eye image)”という)と、右眼に映す映像(以下、“右眼映像(right eye image)”という)とが脳に伝えられると、左眼映像と右眼映像は脳で融合されて、奥行感(depth perception)を有する3次元映像として認識される。
【0004】
立体映像表示装置は、両眼視差を利用するもので、シャッタ眼鏡(shutter glasses)、偏光眼鏡(polarized glasses)などの眼鏡を利用する眼鏡式(stereoscopic)方法及び/または眼鏡を利用しないで、表示装置にレンチキュラーレンズ(lenticular lens)、パララックスバリア(parallaxbarrier)などを配置する非眼鏡式(autostereoscopic)方法がある。
【0005】
シャッタ眼鏡方式は、立体映像表示装置で左眼映像と右眼映像が分離されて連続的に出力され、シャッタ眼鏡の左眼シャッタ(left eye shutter)と右眼シャッタ(right eye shutter)が選択的に開閉されることによって、立体映像が表現される方法である。
【0006】
シャッタ眼鏡は、2枚の基板と、その間に挿入された液晶とを利用する方式が開発されているが、その厚さが厚く、重量が重く、使用に不都合な点があり、応答速度が遅い。また、表示装置とシャッタ眼鏡のそれぞれの応答速度の差によって立体映像表示方法が複雑になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】韓国登録特許第577761号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、シャッタ眼鏡を用いる立体映像表示システムにおいて、シャッタ眼鏡の厚さを減らすと共に、開口率を広げ、かつ応答速度を速くする立体映像表示装置用シャッタ眼鏡、立体映像表示装置用シャッタ眼鏡を含む立体映像表示システム及び立体映像表示システムの製造方法を提供することにある。
【0009】
本発明は、上記以外にも、具体的に言及されない他の目的の達成にも使用できる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施形態に係る立体映像表示装置用シャッタ眼鏡は、左眼シャッタと右眼シャッタを含み、前記左眼シャッタ及び前記右眼シャッタのうちの少なくとも一つは、前記左眼シャッタ及び前記右眼シャッタのうちの少なくとも一つの開閉を制御するメムス素子を含む。
【0011】
また、本発明の一実施形態に係る立体映像表示システムは、左眼映像と右眼映像を交互に表示する表示装置と、左眼シャッタ及び右眼シャッタを含むシャッタ眼鏡と、を備え、前記左眼シャッタ及び前記右眼シャッタのうちの少なくとも一つはメムス素子を含む。
【0012】
前記メムス素子は、基板上に形成される制御電極と、前記制御電極と電気的に接続され、開閉されるシャッタとを含んでもよい。
【0013】
前記シャッタの上部面に形成される反射防止膜をさらに含んでもよい。
【0014】
前記シャッタを固定させ、前記シャッタに信号を印加する固定電極をさらに含んでもよい。
【0015】
前記メムス素子は、前記表示装置からの同期信号に応答してシャッタを開閉してもよい。
【0016】
前記シャッタ眼鏡の前記左眼シャッタと前記右眼シャッタを交互に開放してもよい。
【0017】
前記メムス素子は、遮光物質からなり、少なくとも一つの開口部を有する開口板と、前記開口部を通過する光を遮断できるシャッタとを含んでもよい。
【0018】
前記シャッタの位置を制御する制御電極をさらに含んでもよい。
【0019】
前記メムス素子を介在して互いに対向する第1基板及び第2基板をさらに含み、前記第1基板上には、前記制御電極と接続され、前記制御電極に信号を印加する配線が形成され、前記開口板は前記第2基板上に形成されてもよい。
【0020】
前記メムス素子を介在して互いに対向する第1基板及び第2基板をさらに含み、前記第1基板の第1面上には、前記制御電極と接続され、前記制御電極に信号を印加する配線が形成され、前記開口板は、前記第1基板の前記第1面の反対面である第2面上に形成されてもよい。
【0021】
前記シャッタの位置は、信号が前記制御電極に印加されない時の第1位置と、前記信号が前記制御電極に印加される時の第2位置とを含み、前記シャッタ眼鏡は、前記シャッタの位置を前記第1位置に復元させる復元力を有する復元部をさらに含んでもよい。
【0022】
前記シャッタは、互いに反対側に位置する第1端及び第2端と、前記第1端及び前記第2端の間に位置する中間部分とを含み、前記シャッタが閉じられた時、前記第1端及び前記第2端は前記中間部分と同一平面を形成し、前記シャッタが開放された時、前記第1端及び前記第2端は、前記中間部分に向かい、前記基板から遠くなって、アーチ型をなすように変形されてもよい。
【0023】
前記シャッタは、互いに反対側に位置する第1端及び第2端と、前記第1端及び前記第2端の間に位置する中間部分とを含み、前記シャッタが閉じられた時、前記第1端及び前記第2端は前記中間部分と同一平面を形成し、前記シャッタが開放された時、前記第1端及び前記第2端は、前記中間部分に向かい、前記基板から遠くなって、巻かれた形態を有するように変形されてもよい。
【0024】
前記シャッタの一端は、前記制御電極と褶動可能に接続され、前記制御電極に印加される電圧により開放された位置と閉じられた位置との間を褶動してもよい。
【0025】
前記シャッタの一端は前記制御電極と前記基板のうちの少なくとも一つに回転可能に取り付けられ、前記シャッタは、前記制御電極に印加される電圧により開放された位置と閉じられた位置との間を回転してもよい。
【0026】
本発明の一実施形態に係る立体映像表示装置用シャッタ眼鏡の製造方法は、左眼シャッタと右眼シャッタを含む立体映像表示装置用シャッタ眼鏡の製造方法であって、前記左眼シャッタ及び前記右眼シャッタのうちの少なくとも一つは、前記左眼シャッタ及び前記右眼シャッタのうちの少なくとも一つの開閉を制御するメムス素子を含む。
【0027】
本発明の一実施形態に係る立体映像表示装置の製造方法は、左眼映像と右眼映像を交互に表示する表示装置を形成し、左眼シャッタ及び右眼シャッタを含むシャッタ眼鏡を形成することを含み、前記左眼シャッタ及び前記右眼シャッタのうちの少なくとも一つはメムス素子を含む。
【0028】
本発明の一実施形態に係る映像表示装置用シャッタ眼鏡は、シャッタ眼鏡のシャッタの開閉を制御するメムス素子を含む。
【発明の効果】
【0029】
本発明の一実施形態によれば、立体映像表示システムに用いられるシャッタ眼鏡のシャッタにメムス素子を用いて形成することにより、シャッタ眼鏡の厚さ及び重量を減らせるので、使用感が良い立体映像表示装置用シャッタ眼鏡、立体映像表示装置用シャッタ眼鏡を含む立体映像表示システム及び立体映像表示システムの製造方法を提供することができる。
【0030】
また、本発明の一実施形態によれば、シャッタ眼鏡の応答速度を速くすることにより表示装置と種々の信号を同期化するのが容易になる立体映像表示装置用シャッタ眼鏡、立体映像表示装置用シャッタ眼鏡を含む立体映像表示システム及び立体映像表示システムの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の一実施形態に係る立体映像表示システムの動作を概略的に示す図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る立体映像表示システムを示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る立体映像表示システムの駆動方法を示すグラフである。
【図4】本発明の他の実施形態に係る立体映像表示システムの駆動方法を示すグラフである。
【図5】本発明の一実施形態に係るシャッタ眼鏡のシャッタが閉じられた状態を示す断面図である。
【図6】本発明の一実施形態に係るシャッタ眼鏡のシャッタが開放された状態を示す断面図である。
【図7】本発明の他の実施形態に係るシャッタ眼鏡のシャッタが開放された状態を示す断面図である。
【図8】本発明の一実施形態に係るシャッタ眼鏡の第1基板を示す配置図である。
【図9】図8に示したシャッタ眼鏡のIX−IX’線に沿った断面図である。
【図10】図8に示したシャッタ眼鏡のIX−IX’線に沿った断面図の他の例である。
【図11】本発明の一実施形態に係るシャッタ眼鏡のシャッタによって開口部が遮断された状態を示す断面図である。
【図12】本発明の一実施形態に係るシャッタ眼鏡のシャッタによって開口部が開放された状態を示す断面図である。
【図13】本発明の他の実施形態に係るシャッタ眼鏡のシャッタによって開口部が遮断された状態を示す断面図である。
【図14】本発明の他の実施形態に係るシャッタ眼鏡のシャッタによって開口部が遮断された状態を示す断面図である。
【図15】本発明の他の実施形態に係るシャッタ眼鏡のシャッタによって開口部が開放された状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
添付した図面を参照して、本発明の実施形態について、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。本発明は種々の異なる形態に実現でき、ここで説明する実施形態に限られない。図面において、本発明を明確に説明するために説明上、不必要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似する構成要素に対しては同一の図面符号を付けた。また、広く知られている公知技術の場合、その具体的な説明は省略する。
【0033】
図面において、種々の層及び領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。明細書の全体にわたって類似する部分に対しては同一の図面符号を付けた。層、膜、領域、基板などの部分が他の部分の“上”にあるという場合、これは他の部分の“すぐ上”にある場合だけでなく、その中間に他の部分がある場合も含む。一方、ある部分が他の部分の“すぐ上”にあるという場合には、中間に他の部分がないことを意味する。
【0034】
以下、本発明の一実施形態に係る立体映像表示システムについて、図1〜図4を参照して詳細に説明する。
【0035】
図1は、本発明の一実施形態に係る立体映像表示システムの動作を概略的に示す図である。図2は、本発明の一実施形態に係る立体映像表示システムを示すブロック図である。
【0036】
図1を参照すると、立体映像表示システムは、映像を表示する表示装置100と、シャッタ部材としてシャッタ眼鏡30とを含む。このように本発明の一実施形態に係るシャッタ部材は、眼鏡型のシャッタ眼鏡30を用いるが、特にこれに限定されず、機械式シャッタ眼鏡(ゴーグル)、光学式シャッタ眼鏡、ヘッドマウントなどを含んでもよい。
【0037】
シャッタ眼鏡30は、表示装置100と同期されて、一定の周期で右眼シャッタ32、32'と左眼シャッタ31、31'が交互に光を遮断する。右眼シャッタは、閉じられた状態の右眼シャッタ32または開放された状態の右眼シャッタ32'としてもよく、左眼シャッタは、開放された状態の左眼シャッタ31または閉じられた状態の左眼シャッタ31'としてもよい。例えば、右眼シャッタが開放された状態の間に左眼シャッタは閉じられた状態であってもよく、反対に、左眼シャッタが開放された状態の間に右眼シャッタは閉じられた状態であってもよい。その他にも、左眼シャッタと右眼シャッタは、全て開放された状態であってもよく、全て閉じられた状態であってもよい。
【0038】
本発明の一実施形態に係るシャッタ部材のシャッタは、マイクロ電子機械システム(micro electromechanical system、MEMS、以下、メムスという)を利用して形成する。メムスは、微細加工技術及びその電子機器システムを称するもので、0.0001マイクロメータ(μm)〜1000マイクロメータ(μm)大きさの電子的、機械的要素が結合された装置である。メムスは、マイクロマシン、マイクロシステムなどとも呼ばれる。メムスは、半導体素子の製造工程と類似する工程によって製作してもよい。具体的にメムスの製造方法は、シリコンなどの基板上に種々の形状のパターンを形成し、化学薬品などで腐食させて、機械構造物を製作する。メムス素子を利用したシャッタ眼鏡30などのシャッタ部材の構造については後述する。
【0039】
図1を参照すれば、表示装置100に左眼映像101、102が出力され、シャッタ眼鏡30の左眼シャッタ31は光が透過する開放された状態となり、右眼シャッタ32は光を遮断する閉じられた状態となる。また、表示装置100に右眼映像101'、102'が出力され、シャッタ眼鏡30の右眼シャッタ32'は光が透過する開放された状態となり、左眼シャッタ31'は光を遮断する閉じられた状態となる。したがって、一定の時間は左眼側によってのみ左眼映像が認識され、その後、一定の時間は右眼側によってのみ右眼映像が認識されて、結局、左眼映像と右眼映像との差によって奥行感を有する立体映像が認識される。
【0040】
例えば、左眼側で認識される映像は、N番目フレームF(N)で表示された画像、即ち、四角形の左眼映像101及び三角形の左眼映像102が距離αほど離れている画像である。一方、右眼側で認識される映像は、N+1番目フレームF(N+1)で表示された画像、即ち、四角形の右眼映像101'及び三角形の右眼映像102'が距離βほど離れている画像である。ここで、距離αと距離βは互いに異なる値を有してもよい。このように両目で認識される画像間の離れた距離が異なる場合、これにより四角形と三角形に互いに異なる距離感を有するようになり、四角形の後に三角形が離れていると認識して奥行感を感じる。三角形と四角形とが離れている距離α及び距離βを調節することにより、両物体が離れていると感じる距離(奥行感)を調節する。
【0041】
メムス素子は、応答速度が非常に速く、表示装置の信号に速く応答できるので、表示装置と同期信号とを合わせるのに非常に有用である。
【0042】
本実施形態においては、メムス素子を含むシャッタ眼鏡を含む立体映像表示システムを例として説明したが、メムス素子を含むシャッタ眼鏡は、立体映像でない映像を表示する装置に用いてもよい。
【0043】
次に、図2を参照すると、本発明の一実施形態に係る立体映像表示システムは、映像を表示する表示装置100と、シャッタ部材60と、これらを制御する種々の制御部とを含む。表示装置100は、プラズマ表示装置(plasma display panel、PDP)、液晶表示装置(liquid crystal display)、有機発光表示装置(organic light emitting display)などのような多様な表示装置としてもよい。以下では、液晶表示装置を例に挙げて説明する。
【0044】
本発明の一実施形態に係る表示装置100は、表示パネル(display panel)300と、表示パネル300に接続されたゲート駆動部400及びデータ駆動部500と、データ駆動部500に接続された階調電圧生成部800と、ゲート駆動部400、データ駆動部500及び階調電圧生成部800を制御する信号制御部600と、表示パネル300に光を供給するバックライト部900とを含む。
【0045】
表示パネル300は、等価回路から見れば、複数の表示信号線と、これに接続され、ほぼ行列状に配列された複数の画素PXとを含む。表示信号線は、ゲート信号(“走査信号”ともいう)を伝達する複数のゲート線GL1〜GLnと、データ信号を伝達する複数のデータ線DL1〜DLmとを含む。各画素PXは、ゲート線GL1、…、GLn及びデータ線DL1、…、DLmに接続されている薄膜トランジスタなどのスイッチング素子Qと、これに接続された液晶キャパシタ(liquid crystal capacitor)Clc及びストレージキャパシタ(storage capacitor)Cstとを含んでもよい。液晶キャパシタClcは、データ線DL1、…、DLmからデータ電圧の印加を受ける下部表示パネルの画素電極(図示せず)と、上部表示パネルの対向電極(図示せず)とを二つの端子とし、二つの電極間の液晶層は誘電体として機能する。ストレージキャパシタCstは液晶キャパシタClcの補助的な役割を果たすもので省略してもよい。
【0046】
ゲート駆動部400は、ゲート線GL1〜GLnに接続され、ゲートオン電圧Vonとゲートオフ電圧Voffとの組み合わせからなるゲート信号をゲート線GL1〜GLnに印加する。
【0047】
階調電圧生成部800は、共通電圧Vcomに対し、正の値を有するものと、負の値を有するものとを含む階調基準電圧を生成する。
【0048】
データ駆動部500は、表示パネル300のデータ線DL1〜DLmに接続され、階調電圧生成部800からの階調基準電圧を分圧して全体階調に対する階調電圧を生成し、この中からデータ電圧を選択する。
【0049】
信号制御部600は、ゲート駆動部400及びデータ駆動部500の動作を制御する。
【0050】
バックライト部900は光源を含み、光源の例としては、CCFL(cold cathode fluorescent lamp)のような蛍光ランプ、LED(light emitting diode)などがある。また、バックライト部900には反射板、導光板、輝度向上フィルムなどを追加的に含んでもよい。
【0051】
シャッタ部材60は、表示装置100と同期されて、表示装置100の映像が立体と認識されるようにする。
【0052】
表示装置100及びシャッタ部材60を制御する制御部は、輝度制御部950及びステレオ制御部650を含む。
【0053】
ステレオ制御部650は、外部から映像情報DATAを受信して、入力映像信号IDAT、3Dイネーブル信号3D_En、3Dタイミング信号、3Dシンク信号3D_sync、及び入力映像信号IDATの表示を制御する入力制御信号CONT1を生成する。
【0054】
ステレオ制御部650は、生成した3Dタイミング信号と3Dイネーブル信号3D_Enを輝度制御部950に伝送する。輝度制御部950は、受信した3Dタイミング信号と3Dイネーブル信号3D_Enに基づいてバックライト制御信号を生成して、バックライト部900に伝送する。バックライト部900は、輝度制御部950からのバックライト制御信号によって点灯または消灯する。バックライト制御信号は、所定時間バックライト部を点灯させ、例えば、バックライト部に伝送されるバックライト制御信号は、垂直空白区間(vertical blank period)VBの間または垂直空白区間VB以外の時間の間にバックライト部を発光させること可能になる。垂直空白区間VBについては後述する。
【0055】
ステレオ制御部650は、生成した3Dシンク信号3D_syncをシャッタ部材60に伝送する。シャッタ部材60は、ステレオ制御部650と電気的に接続して、例えば、無線赤外線などの多様な通信方法によって3Dシンク信号3D_syncを伝送する。シャッタ部材60は、3Dシンク信号3D_syncまたは変形された3Dシンク信号3D_syncに反応して作動する。3Dシンク信号3D_syncは、シャッタ部材60がシャッタ眼鏡の場合、シャッタ眼鏡の左眼シャッタまたは右眼シャッタを開放及び/または遮断する信号を全て含んでもよい。シャッタ部材60については後述する。
【0056】
一方、ステレオ制御部650は、入力映像信号IDAT、3Dイネーブル信号3D_En、及び入力制御信号CONT1を信号制御部600に送信する。入力制御信号CONT1は、垂直同期信号Vsync、水平同期信号Hsync、メインクロックMCLK、及びデータイネーブル信号DEなどを含んでもよい。信号制御部600は、入力映像信号IDATと入力制御信号CONT1に基づいて入力映像信号IDATを表示パネル300の動作条件に合うように適切に処理し、ゲート制御信号CONT2、データ制御信号CONT3、及び階調電圧制御信号CONT4などを生成した後、ゲート制御信号CONT2をゲート駆動部400に送信し、データ制御信号CONT3と処理した映像信号DATをデータ駆動部500に送信し、階調電圧制御信号CONT4を階調電圧生成部800に出力する。
【0057】
信号制御部600からのデータ制御信号CONT3により、データ駆動部500は一行の画素PXに対するデジタル映像信号DATを受信し、階調電圧生成部800から受信した階調基準電圧を各デジタル映像信号DATに対応する階調電圧を選択することにより、デジタル映像信号DATをデータ電圧Vdに変換した後、これをデータ線DL1〜DLmに印加する。
【0058】
ゲート駆動部400は、信号制御部600からのゲート制御信号CONT2により、ゲートオン電圧Vonをゲート線DGL1〜GLnに印加して、ゲート線DGL1〜GLnに接続されたスイッチング素子Qを導通させる。データ線DL1〜DLmに印加されたデータ電圧Vdが、導通したスイッチング素子Qを通じて画素PXに印加される。
【0059】
液晶キャパシタClcを構成する画素電極にデータ電圧Vdが印加されると、共通電圧Vcomの印加を受けた対向電極と画素電極との電圧差は各画素PXの画素電圧として現れ、画素電圧によって二つの電極間の液晶層の液晶分子が傾く。液晶分子の傾きによって液晶層を通過する光の偏光の変化程度が変わり、これによって画素PXは入力映像信号IDATの階調が示す輝度を表示する。
【0060】
1水平周期(“1H”とも記し、水平同期信号Hsync及びデータイネーブル信号DEの一周期と同一である)を単位として、このような過程を繰り返すことにより、全てのゲート線DGL1〜GLnに対して順次にゲートオン電圧Vonを印加し、全ての画素PXにデータ電圧Vdを印加して、1フレーム(frame)の映像を表示する。
【0061】
図1及び図2を参照すると、表示装置100に示された矢印方向は、ほぼ列方向に延びている複数のゲート線DGL1〜GLnにゲートオン電圧Vonが印加される順序を示す。即ち、表示装置100の最初のゲート線GL1から最後のゲート線GLnまでゲートオン電圧Vonを順次印加する。
【0062】
例えば、表示装置100は、左眼映像101、102を次の通り表わしてもよい。順次ゲート線DGL1〜GLnにゲートオン電圧Vonを印加して、ゲート線GL1、…、GLnに接続された薄膜トランジスタを通じて画素電極にデータ電圧Vdが印加されるようにする。この時、印加されるデータ電圧Vdは、左眼映像101、102を表現するためのデータ電圧(以下、左眼データ電圧という)であり、印加された左眼データ電圧はストレージキャパシタCstによって一定時間維持される。同様の方式で右眼映像101'、102'を表現するためのデータ電圧(以下、右眼データ電圧という)が印加され、ストレージキャパシタCstによって一定時間維持される。
【0063】
以下、上述した図1及び図2と共に図3及び図4を参照して、このような立体映像表示システムの駆動方法について説明する。
【0064】
図3は、本発明の一実施形態に係る立体映像表示システムの駆動方法を示すグラフである。図4は、本発明の他の実施形態に係る立体映像表示システムの駆動方法を示すグラフである。
【0065】
まず、図3を参照すると、最初のゲート線GL1から最後のゲート線GLnまでゲートオン電圧Vonが順次印加されて、右眼映像Rが順次ゲート線GL1、…、GLnに接続される複数の画素PXに印加される、または左眼映像Lが順次ゲート線GL1、…、GLnに接続される複数の画素PXに印加される。ここで、右眼映像Rが順次ゲート線GL1、…、GLnに接続されている複数の画素PXに印加される間、右眼シャッタは開放された状態であってもよく、左眼シャッタは閉じられた状態であってもよい。また、左眼映像Lが順次ゲート線GL1、…、GLnに接続されている複数の画素PXに印加される間、左眼シャッタは開放された状態であってもよく、右眼シャッタは閉じられた状態であってもよい。左眼シャッタと右眼シャッタは交互に開放され閉じられる。
【0066】
右眼映像Rの入力区間と左眼映像Lの入力区間との間には所定の階調値を有する映像が表示でき、これを階調挿入(gray insertion)という。例えば、表示装置100に右眼映像Rが表示された後、全体画面にブラック、ホワイト、または所定階調の映像が表示され、次に左眼映像Lが表示される。ここで、所定の階調は、ブラックまたはホワイトに限定されず、多様な階調を有してもよい。所定の階調を有する映像を表示装置100の表示パネル300の全体画面に挿入することによって、右眼映像と左眼映像との間のクロストーク(cross-talk)が防止できる。
【0067】
次に、図4を参照すると、左眼データ電圧L1、L2、…と右眼データ電圧R1、…がデータ線DL1〜DLmに印加される。左眼データ電圧L1が印加され、右眼データ電圧R1が印加される前、または右眼データ電圧R1が印加され、左眼データ電圧L2が印加される前に、データ電圧が印加されない時間があり、これを垂直空白区間VBという。垂直空白区間VBのうちの少なくとも一部時間に、シャッタ眼鏡30の左眼シャッタ31、31'及び右眼シャッタ32、32'のいずれか一つは閉じられた状態に変更され、他の一つは開放状態を維持する。図4において、左眼シャッタ及び右眼シャッタの斜線部分は閉じられた状態を意味する。左眼データ電圧L1、L2、…または右眼データ電圧R1、…が印加される区間でシャッタ眼鏡30の左眼シャッタ31、31'及び右眼シャッタ32、32'は全て閉じられた状態であってもよい。
【0068】
左眼データ電圧L1、L2、…または右眼データ電圧R1、…の入力が完了してから所定時間t1が経過すると、左眼シャッタ31、31'または右眼シャッタ32、32'は閉じられた状態から開放状態に変わる。所定時間t1は表示装置100の応答時間に基づいて決められる。例えば、表示装置100が液晶表示装置の場合、液晶の応答時間により、右眼データ電圧R1の印加が完了した後、図1に示した右眼映像101'、102'が出力されるまで所定時間が必要である。したがって、所定時間t1が経過した後、右眼シャッタ32、32'を開放して完全な右眼映像101'、102'が視認でき、前の映像によるクロストーク現象が防止できる。
【0069】
次に、上述した実施形態と共に図5、図6及び図7を参照して、本発明の一実施形態に係るシャッタ眼鏡について説明する。
【0070】
図5は、本発明の一実施形態に係るシャッタ眼鏡のシャッタが閉じられた状態を示す断面図である。図6は、本発明の一実施形態に係るシャッタ眼鏡のシャッタが開放された状態を示す断面図である。図7は、本発明の他の実施形態に係るシャッタ眼鏡のシャッタが開放された状態を示す断面図である。
【0071】
本発明の一実施形態に係るシャッタ眼鏡は、絶縁基板110の上に形成されるメムス素子(MEMS element)を利用したシャッタ眼鏡としてもよい。メムス素子は、応答速度が非常に速く、表示装置の信号に速く応答できるため、表示装置と同期信号とを合わせるのに有利である。
【0072】
絶縁基板110の上には複数の制御電極170が形成され、その上には例えば、有機絶縁物または無機絶縁物などからなる保護膜180が形成される。制御電極170は透明な導電膜などで形成され、表示装置100からの光を透過する。制御電極170は絶縁基板110の上に形成される配線(図示せず)を通じて信号を印加する。
【0073】
保護膜180の上には、複数の固定電極235、及びこれと接続されたシャッタ230が順次形成される。
【0074】
シャッタ230は、表示装置100からの光を遮断する物質で形成され、静電気力によって開閉されるのに適した物質で形成される。また、シャッタ230は開放または閉じるように互いに異なる膨張係数を有する複数の層で形成してもよい。例えば、シャッタ230は、モリブデン(Mo)や銅(Cu)などのように伝導性のある金属物質から形成してもよい。
【0075】
固定電極235は、シャッタ230と電気的に接続されシャッタ230に信号を伝達する。シャッタ230は開閉時に固定電極235と接続された部分は固定され、その他の部分が動けるように形成される。本実施形態においては、固定電極235がシャッタ230のほぼ中央部に形成された実施形態を示しているが、一側端に位置してもよい。
【0076】
図5に示すようにシャッタ230が閉じられた場合には、光が上側に透過できず、図6に示すようにシャッタ230が開放された場合には、光が上側に透過する。
【0077】
シャッタ230の開閉は、制御電極170とシャッタ230間の電圧差による静電気力によって押されて上がり(シャッタ開放)、保護膜180に密着するように(シャッタ閉鎖)して行われる。即ち、シャッタ230は、両端が中間部分に向かって上に巻き上がるアーチ型状態に形態を変えるか、または両端が広がって中間部分と同一平面を成してシャッタ230が平坦になる平らな状態に形態を変えることによって動作する。
【0078】
このような静電気力(例えば、印加される電圧の大きさ)によってシャッタ230の開放される程度が調節される。シャッタ230は、静電気力によってよく押されて上がるように適切な厚さに形成するのが好ましく、例えば、2μm以下に形成してもよい。
【0079】
シャッタ230の上部面には反射防止膜15を形成してもよい。反射防止膜15は光を吸収する膜で形成してもよい。本実施形態においては、シャッタ230の表面に金属などの酸化膜を形成して反射防止の効果を得ることができる。酸化膜で反射防止膜を形成する場合、別途の膜を形成する工程が必要ないという長所がある。例えば、酸化膜はシャッタ230を乾式工程によって酸素を利用してアッシング(ashing)する方法と、湿式工程によって硝酸、硫酸または過酸化水素などを利用して表面処理を行う方法などを通じて簡単に形成する。このような方法によってシャッタ230の表面が酸化して表面に酸化膜が形成され、このような酸化膜は反射防止膜15として機能する。
【0080】
図5に示すように、シャッタ230が閉じられた場合、反射防止膜15によって外部から入射した光が反射して外側に放出しないので、映像がぼやけて見えるのを防止して、コントラスト比(contrast ratio、CR)を増加できる。
【0081】
また、図6に示すように、シャッタ230を開けて画像を表示する場合にも、外部から入射した光がシャッタ230に反射されてシャッタ眼鏡を通過した映像の鮮明度が劣るのを防止する。
【0082】
シャッタ230の下部面にも、必要な場合、反射防止膜(図示せず)を形成してもよい。
【0083】
一方、図7に示した本発明の他の実施形態は、シャッタ230が開放された状態を示したが、図示した方式のようにシャッタ230がロール形態に巻かれながら開放される構造を有する。本実施形態でも反射防止膜15はシャッタ230の表面に形成される。
【0084】
このように、立体映像表示システムにおいて、立体映像が認識されるように使用するシャッタ眼鏡のシャッタをメムス素子を利用して形成することにより、シャッタ眼鏡の応答速度が速くなり、表示装置と種々の信号を同期化するのが容易になる。次に、図8、図9及び図10を参照して、本発明の他の実施形態に係るシャッタ眼鏡について説明する。上述した実施形態と同一の構成要素に対しては同一の図面符号を付け、同一の説明は省略する。
【0085】
図8は、本発明の一実施形態に係るシャッタ眼鏡の第1基板を示す配置図である。図9は、図8に示したシャッタ眼鏡のIX−IX’線に沿った断面図である。図10は、図8に示したシャッタ眼鏡のIX−IX’線に沿った断面図の他の例である。
【0086】
本実施形態に係るシャッタ眼鏡もメムス素子を利用したシャッタ眼鏡であって、互いに対向する2つの基板110、210と、2つの基板110、210の間に形成されたメムス素子とを含む。
【0087】
図9を参照すると、透明な絶縁基板110の上に、約d1の高さを有する突起部161が形成され、その上には制御電極175が形成される。制御電極175は、導電性物質を積層した後、フォトエッチング工程によって形成される。突起部161は省略してもよい。
【0088】
また、他の絶縁基板210には、機械的動作によって光の透過を調節し、メムス素子からなる遮光部200(図8参照)が形成される。遮光部200は、絶縁基板210の一面に形成され、開口板(aperture plate)220と、絶縁基板210の他の面に形成されるシャッタ部(shutter unit)を含む。開口板220は絶縁基板210の外側面に形成され、シャッタ部は絶縁基板110と対向する面に形成される。
【0089】
開口板220は、不透明な物質からなり、光が透過する複数の開口部(opening)225を含む。このような開口板220の外側面には外部光の反射を抑制する吸水膜(図示せず)を塗布でき、絶縁基板210と接触する面には光を反射させられる反射膜(図示せず)を塗布する。
【0090】
図8及び図9を参照すると、シャッタ部はシャッタ230、電気的引力または斥力を利用してシャッタ230を移動させられる電極部348、346、336、及び弾性力によってシャッタ230を元の位置に移動させる復元部337で構成される。
【0091】
シャッタ230は、板形状を有する光遮断部232及び複数の開口部233を含んでもよい。開口部233は、開口板220の開口部225と同一の形状及び同一の大きさに形成できる。このようなシャッタ230は、水平移動が円滑に行われるように絶縁基板210からd2の間隔ほど離れていてもよい。
【0092】
電極部348、346、336は、絶縁基板210の上に形成される第1支持台348、第1支持台348に連結される柔軟ビーム346、及び柔軟ビーム346と所定間隔離隔して位置する連結ビーム336で形成される。第1支持台348は制御電極175と接触する。したがって、制御電極175に印加される信号は、第1支持台348を通じて柔軟ビーム346に伝達する。シャッタ230は制御電極175によって絶縁基板110からd1の間隔ほど離れているので、水平移動が円滑に行われる。また2つの基板110、210の間のスペース5は、シャッタ230の移動を円滑にするため、流動性のある気体または油のような流体で満たしてもよい。
【0093】
柔軟ビーム346の一端は第1支持台348に固定され、柔軟ビーム346の他端は第1支持台348から弓形状に曲がって延長され、他端は自由に移動する。
【0094】
連結ビーム336の一端はシャッタ部に連結され、連結ビーム336の他端は絶縁基板210の上に設けられた第2支持台358に固定され、シャッタ230が絶縁基板210から所定間隔離隔して浮遊できるように形成可能である。第2支持台358には所定電圧が印加される。
【0095】
復元部337は、弾性を有するように十字形に形成して、復元部337の一端はシャッタ230に連結され、復元部337の他端は第3支持台338に接触する。復元部337はスプリングの役割を果たすもので、本実施形態では十字形に形成したが、多様なスプリングの形状に形成することができる。
【0096】
第1支持台348を通じて柔軟ビーム346に印加された電圧と、第2支持台358を通じて連結ビーム336に印加された所定電圧による電気力によって、柔軟ビーム346の他端は連結ビーム336を押し出すことにより、連結ビーム336に連結されたシャッタ230を移動させる。この時、復元部337は収縮して復元力を有するようになる。そして、柔軟ビーム346と連結ビーム336との間の電圧差がない場合には、復元部337の復元力によってシャッタ230は元の位置に移動する。
【0097】
このように、シャッタ230を水平移動させることによって開口部233の位置を調節することが可能になる。シャッタ230の開口部233の位置を開口板220の開口部225の位置と一致するように整列することによって、シャッタ眼鏡を開放した状態とすることができる。また、シャッタ230の開口部233の位置を開口部225でない所で移動させることにより、シャッタ眼鏡が閉じられた状態とすることができる。次に、図10を参照すると、本実施形態によるメムス素子を利用したシャッタ眼鏡は、図8及び図9に示した実施形態と大部分同一である。しかし、開口板220が絶縁基板110の下部面に位置して、上部絶縁基板210が省略される。上部絶縁基板210が省略される代わりに、シャッタ部が形成されるスペース5の上部はオーバーコート10によって覆われてもよい。オーバーコート10はPETフィルムなどで形成され、スペース5を密封する役割を果たす。
【0098】
また、本実施形態において、電極部348、346、336は絶縁基板110の上に形成され、突起部161も省略してもよい。
【0099】
このように2つの基板110、210のいずれか一つの基板を省略し、開口板220を一つの基板の一側面に位置させることにより、シャッタ眼鏡の厚さを減らすことができる。
【0100】
次に、図11、図12及び図13を参照して、本発明の他の実施形態に係るシャッタ眼鏡について説明する。上述した実施形態と同一の構成要素に対しては同一の図面符号を付け、同一の説明は省略する。
【0101】
図11は、本発明の一実施形態に係るシャッタ眼鏡のシャッタによって開口部が遮断された状態を示す断面図である。図12は、本発明の一実施形態に係るシャッタ眼鏡のシャッタによって開口部が開放された状態を示す断面図である。図13は、本発明の他の実施形態に係るシャッタ眼鏡のシャッタによって開口部が遮断された状態を示す断面図である。
【0102】
本発明の一実施形態に係るメムスを利用したシャッタ眼鏡は、互いに対向する2つの基板110、210と、2つの基板110、210の間に形成されたメムス素子とを含む。2つの基板110、210の間のスペース5は、流動性のある気体または油のような流体で満たすことができる。
【0103】
メムス素子は、開口板220、シャッタ230、第1制御電極170a、及び第2制御電極170bを含む。
【0104】
開口板220は、基板110と対向する基板210の内側面に形成され、遮光物質で形成される。開口板220は光を透過する複数の開口部225を有する。開口部225は一定の間隔を置いて配置する。
【0105】
第1制御電極170a及び第2制御電極170bは基板110の上に形成される。一つの第1制御電極170a及び一つの第2制御電極170bは、対を成して一定の間隔を置いて配置される。また、第1制御電極170a及び第2制御電極170bは開口板220の開口部225の境界外側に位置される。例えば、第1制御電極170aが開口部225の境界のすぐ外側に位置し、第2制御電極170bが第1制御電極170aのそばに位置される。第1制御電極170a及び第2制御電極170bは電圧の印加を受ける。
【0106】
シャッタ230は、開口板220の開口部225を覆う形状及び面積を有し、光を透過しない物質で形成される。シャッタ230は、第1制御電極170aと第2制御電極170bとの間に位置し、シャッタ230の一端が褶動可能に第1制御電極170aまたは第2制御電極170bと接続して、対応する開口部225を遮断したり開放するように左右に移動したりするように褶動する。即ち、シャッタ230は第1制御電極170aまたは第2制御電極170bに印加される電圧により、開放された位置と閉じられた位置との間を褶動することができる。シャッタ230は、シャッタ230を下部の基板110上に浮遊できるように支持し、シャッタ230が基準位置から左右方向に移動できるようにする支持部(図示せず)に連結される。図8の復元部337と同様に、支持部はシャッタ230が左右に動いた場合、さらに元の位置に復元できるように弾性力を有して、板スプリングや屈折スプリングなどの形態を有する。
【0107】
各シャッタ230は分離されてもよく、二つ以上のシャッタ230が互いに連結されてもよい。シャッタ230は共通電圧Vcomの印加を受ける。
【0108】
一つの開口部225と、これに対応する一つのシャッタ230と、一つのシャッタ230の両側に位置する一対の第1制御電極170a及び第2制御電極170bは、一つのメムス素子を構成する。
【0109】
以下、このようなメムス素子の動作の一例について説明する。
【0110】
まず、図11を参照すると、シャッタ230及び第2制御電極170bに共通電圧Vcomのような所定電圧が印加され、第1制御電極170aには所定電圧と異なる電圧が印加される。第1制御電極170aに印加される電圧は、共通電圧Vcomを基準として正極性であってもよく、負極性であってもよい。このことにより、シャッタ230の電圧と第1制御電極170aの電圧との差によってシャッタ230と第1制御電極170aとの間に引力が作用して、シャッタ230は第1制御電極170a側に動くようになる。したがって、シャッタ230は対応する開口部225を完全に覆うようになって、シャッタ眼鏡の左眼シャッタまたは右眼シャッタは閉じられた状態となる。
【0111】
図12を参照すると、シャッタ230及び第1制御電極170aに共通電圧Vcomなどの所定電圧が印加され、第2制御電極170bに所定電圧と異なる電圧が印加される。第2制御電極170bに印加される電圧は、共通電圧Vcomを基準として正極性であってもよく、負極性であってもよい。このことにより、シャッタ230の電圧と第2制御電極170bとの電圧差によってシャッタ230と第2制御電極170bとの間に引力が作用して、シャッタ230は第2制御電極170b側に動くようになる。したがって、シャッタ230は対応する開口部225が開放されるようになって、シャッタ眼鏡の左眼シャッタまたは右眼シャッタは開放された状態となる。
【0112】
一方、図13に示した実施形態は、図11及び図12に示した実施形態と大部分同一である。しかし、開口板220が絶縁基板110の下部面に位置して、上部の絶縁基板210が省略される。絶縁基板210が省略される代わりに、シャッタ230が形成されるスペース5の上部はオーバーコート10によって覆われる。オーバーコート10はPETフィルムなどで形成され、スペース5を密封する役割を果たす。
【0113】
最後に、図14及び図15を参照して、本発明の他の実施形態に係るシャッタ眼鏡について説明する。上述した実施形態と同一の構成要素に対しては同一の図面符号を付け、同一の説明は省略する。
【0114】
図14は、本発明の他の実施形態に係るシャッタ眼鏡のシャッタによって開口部が遮断された状態を示す断面図である。図15は、本発明の他の実施形態に係るシャッタ眼鏡のシャッタによって開口部が開放された状態を示す断面図である。
【0115】
本発明の一実施形態に係るメムスを利用したシャッタ眼鏡も、互いに対向する2つの基板110、210と、その間に形成されたメムス素子とを含む。
【0116】
メムス素子は、開口板220、シャッタ230、第1制御電極170c、及び第2制御電極170dを含む。
【0117】
開口板220は、絶縁基板210の上に形成され、複数の開口部225を含む。
【0118】
第1制御電極170c及び第2制御電極170dは、絶縁基板110の上に形成される。第1制御電極170cは、長辺(または延長方向)が下部の基板110の面に平行するように基板110の上に形成され、開口部225と実質的に同一のピッチを有して配列される。第2制御電極170dは、長辺(または延長方向)が基板110の面に垂直するように基板110の上に立てられ、開口部225と実質的に同一のピッチを有して配列される。即ち、第1制御電極170cと第2制御電極170dはほぼ互いに垂直を成して交互に配列される。また、第1制御電極170cは、開口板220の開口部225と対向するが、第2制御電極170dは開口部225が位置しない開口板220と対向される。
【0119】
シャッタ230は、開口板220の開口部225を覆う形状及び面積を有する。シャッタ230は、第1制御電極170cと第2制御電極170dとの間に位置し、第2制御電極170dが下部の基板110と接触する付近を原点(回転軸)にして第1制御電極170cまたは第2制御電極170dの間を回転できる。即ち、シャッタ230は回転できるようにその一端が第2制御電極170d及び基板110のうちの少なくとも一つに付着されて、下部の基板110にヒンジ(hinged)が設けられているように回転し、制御電極170c、170dに印加される電圧によって開放された位置と閉じられた位置との間を回転して、開口部225を覆う程度を変えられる。
【0120】
シャッタ230は、シャッタ230を所定の基準位置を軸として回転できるようにする支持部(図示せず)に連結することができ、支持部はシャッタ230が動いた場合、他の力がなければ、さらに元の位置に復元させられる弾性力を有することができる。
【0121】
一つの開口部225と、これに対応する一つのシャッタ230と、一つのシャッタ230のスイング幅を決める第1制御電極170c及び第2制御電極170d)とは、一つのメムス素子を構成する。
【0122】
以下、本実施形態によるメムス素子の動作について説明する。
【0123】
まず、図14を参照すると、シャッタ230及び第2制御電極170dには共通電圧Vcomなどの所定電圧が印加され、第1制御電極170cには所定電圧と異なる電圧が印加される。第1制御電極170cに印加される電圧は、共通電圧Vcomを基準として、正極性であってもよく、負極性であってもよい。このことにより、シャッタ230の電圧と第1制御電極170cの電圧との差によってシャッタ230と第1制御電極170cとの間に引力が作用して、シャッタ230は第1制御電極170c側に動くようになる。したがって、シャッタ230は下へ回転して第1制御電極170cを殆ど覆うようになり、対応する開口部225を完全に覆って、シャッタ眼鏡のシャッタは閉じられた状態になる。
【0124】
次に、図15を参照すると、シャッタ230及び第1制御電極170cには共通電圧Vcomなどの所定電圧が印加され、第2制御電極170dには所定電圧と異なる電圧が印加される。第2制御電極170dに印加される電圧は、共通電圧Vcomを基準として、正極性であってもよく、負極性であってもよい。このことにより、シャッタ230の電圧と第2制御電極170dの電圧との差によってシャッタ230と第2制御電極170dとの間に引力が作用して、シャッタ230は第2制御電極170d側に動くようになる。したがって、シャッタ230は第2電極170dとほぼ平行に回転し、対応する開口部225が完全に開放されるようになる。このことにより、シャッタ眼鏡のシャッタは開放された状態となる。即ち、制御電極170c、170dとシャッタ230に印加される電圧が反転して、シャッタ230が開放された状態となる。
【0125】
本発明の実施形態に係る立体映像表示システムのシャッタ眼鏡は、上述した種々の実施形態によるメムス素子の構造に限定されず、色々の構造のメムス素子を利用して形成することができる。
【0126】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれらに限定されず、次の請求範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の種々の変形及び改良形態も本発明の権利範囲に属するものである。
【符号の説明】
【0127】
5…スペース、10…オーバーコート、15…反射防止膜、30…シャッタ眼鏡、31、31'…左眼シャッタ、32、32'…右眼シャッタ、100…表示装置、101、102…左眼映像、101'、102'…右眼映像、110、210…基板、170、175、170a、170b…制御電極、180…保護膜、200…遮光部、220…開口板、225、233…開口部、230…シャッタ、235…固定電極、300…表示パネル、336、346、348…電極部、337…復元部、400…ゲート駆動部、500…データ駆動部、600…信号制御部、650…ステレオ制御部、800…階調電圧生成部、900…バックライト部、950…輝度制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
左眼シャッタと右眼シャッタを含み、
前記左眼シャッタ及び前記右眼シャッタのうちの少なくとも一つは、前記左眼シャッタ及び前記右眼シャッタのうちの少なくとも一つの開閉を制御するメムス素子を含むことを特徴とする立体映像表示装置用シャッタ眼鏡。
【請求項2】
前記メムス素子は、
基板上に形成される制御電極と、
前記制御電極と電気的に接続され、開閉されるシャッタと含むことを特徴とする請求項1に記載の立体映像表示装置用シャッタ眼鏡。
【請求項3】
前記シャッタの上部面に形成される反射防止膜をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の立体映像表示装置用シャッタ眼鏡。
【請求項4】
前記シャッタを固定させ、前記シャッタに信号を印加する固定電極をさらに含むことを特徴とする請求項3に記載の立体映像表示装置用シャッタ眼鏡。
【請求項5】
前記メムス素子は、
遮光物質からなり、少なくとも一つの開口部を有する開口板と、
前記開口部を通過する光を遮断するシャッタと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の立体映像表示装置用シャッタ眼鏡。
【請求項6】
前記シャッタの位置を制御する制御電極をさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の立体映像表示装置用シャッタ眼鏡。
【請求項7】
前記メムス素子を介在して互いに対向する第1基板及び第2基板をさらに含み、
前記第1基板上には、前記制御電極と接続され、前記制御電極に信号を印加する配線が形成され、
前記開口板は前記第2基板上に形成されることを特徴とする請求項6に記載の立体映像表示装置用シャッタ眼鏡。
【請求項8】
前記メムス素子を介在して互いに対向する第1基板及び第2基板をさらに含み、
前記第1基板の第1面上には、前記制御電極と接続され、前記制御電極に信号を印加する配線が形成され、
前記開口板は、前記第1基板の前記第1面の反対面である第2面上に形成されることを特徴とする請求項6に記載の立体映像表示装置用シャッタ眼鏡。
【請求項9】
前記シャッタの位置は、信号が前記制御電極に印加されない時の第1位置と、前記信号が前記制御電極に印加される時の第2位置とを含み、
前記シャッタ眼鏡は、前記シャッタの位置を前記第1位置に復元させる復元力を有する復元部をさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の立体映像表示装置用シャッタ眼鏡。
【請求項10】
前記シャッタは、互いに反対側に位置する第1端及び第2端と、前記第1端及び前記第2端の間に位置する中間部分とを含み、
前記シャッタが閉じられた時、前記第1端及び前記第2端は前記中間部分と同一平面を形成し、前記シャッタが開放された時、前記第1端及び前記第2端は、前記中間部分に向かい、前記基板から遠くなって、アーチ型をなすように変形されることを特徴とする請求項2に記載の立体映像表示装置用シャッタ眼鏡。
【請求項11】
前記シャッタは、互いに反対側に位置する第1端及び第2端と、その間に位置する中間部分とを含み、
前記シャッタが閉じられた時、前記第1端及び前記第2端は前記中間部分と同一平面を形成し、前記シャッタが開放された時、前記第1端及び前記第2端は、前記中間部分に向かい、前記基板から遠くなって、巻かれた形態をなすように変形される、請求項2に記載の立体映像表示装置用シャッタ眼鏡。
【請求項12】
前記シャッタの一端は前記制御電極と褶動可能に接続され、前記制御電極に印加される電圧により開放された位置と閉じられた位置との間を褶動することを特徴とする請求項2に記載の立体映像表示装置用シャッタ眼鏡。
【請求項13】
前記シャッタの一端は、前記制御電極と前記基板のうちの少なくとも一つに回転可能に取り付けられ、
前記シャッタは、前記制御電極に印加される電圧により開放された位置と閉じられた位置との間を回転することを特徴とする請求項2に記載の立体映像表示装置用シャッタ眼鏡。
【請求項14】
左眼映像と右眼映像を交互に表示する表示装置と、
左眼シャッタ及び右眼シャッタを含むシャッタ眼鏡と、を備え、
前記左眼シャッタ及び前記右眼シャッタのうちの少なくとも一つは、前記左眼シャッタ及び前記右眼シャッタのうちの少なくとも一つの開閉を制御するメムス素子を含むことを特徴とする立体映像表示システム。
【請求項15】
前記メムス素子は、
基板上に形成される制御電極と、
前記制御電極上に形成されて、開閉されるシャッタと、を含むことを特徴とする請求項14に記載の立体映像表示システム。
【請求項16】
前記メムス素子は、前記表示装置からの同期信号に応答してシャッタを開閉することを特徴とする請求項14に記載の立体映像表示システム。
【請求項17】
前記シャッタ眼鏡の前記左眼シャッタと前記右眼シャッタが交互に開放されることを特徴とする請求項16に記載の立体映像表示システム。
【請求項18】
前記メムス素子は、
遮光物質からなり、少なくとも一つの開口部を有する開口板と、
前記開口部を通過する光を遮断するシャッタと、を含むことを特徴とする請求項14に記載の立体映像表示システム。
【請求項19】
前記シャッタの位置を制御する制御電極をさらに含むことを特徴とする請求項18に記載の立体映像表示システム。
【請求項20】
前記メムス素子を介在して互いに対向する第1基板及び第2基板をさらに含み、
前記第1基板上には前記制御電極に信号を印加する配線が形成され、
前記開口板は前記第2基板上に形成されることを特徴とする請求項19に記載の立体映像表示システム。
【請求項21】
前記メムス素子を介在して互いに対向する第1基板及び第2基板をさらに含み、
前記第1基板の第1面上には前記制御電極に信号を印加する配線が形成され、
前記開口板は、前記第1基板の前記第1面の反対面である第2面上に形成されることを特徴とする請求項19に記載の立体映像表示システム。
【請求項22】
前記シャッタは、互いに反対側に位置する第1端及び第2端と、前記第1端及び前記第2端の間に位置する中間部分とを含み、
前記シャッタが閉じられた時、前記第1端及び前記第2端は前記中間部分と同一平面を形成し、前記シャッタが開放された時、前記第1端及び前記第2端は前記中間部分に向かい、前記基板から遠くなって、アーチ型をなすように変形されることを特徴とする請求項15に記載の立体映像表示システム。
【請求項23】
前記シャッタは、互いに反対側に位置する第1端及び第2端と、前記第1端及び前記第2端の間に位置する中間部分とを含み、
前記シャッタが閉じられた時、前記第1端及び前記第2端は前記中間部分と同一平面を形成し、前記シャッタが開放された時、前記第1端及び前記第2端は前記中間部分に向かい、前記基板から遠くなって、巻かれた形態を有するように変形されることを特徴とする請求項15に記載の立体映像表示システム。
【請求項24】
前記シャッタの一端は、前記制御電極と褶動可能に接続され、前記制御電極に印加される電圧により開放された位置と閉じられた位置との間を褶動することを特徴とする請求項15に記載の立体映像表示システム。
【請求項25】
前記シャッタが回転できるように前記シャッタの一端は前記制御電極と前記基板のうちの少なくとも一つに回転可能に取り付けられ、
前記シャッタは、前記制御電極に印加される電圧により開放された位置と閉じられた位置との間を回転することを特徴とする請求項15に記載の立体映像表示システム。
【請求項26】
左眼シャッタと右眼シャッタを含む立体映像表示装置用シャッタ眼鏡の製造方法であって、
前記左眼シャッタ及び前記右眼シャッタのうちの少なくとも一つの中に、前記左眼シャッタ及び前記右眼シャッタのうちの少なくとも一つの開閉を制御するメムス素子を形成する立体映像表示装置用シャッタ眼鏡の製造方法。
【請求項27】
左眼映像と右眼映像を交互に表示する表示装置を形成し、
左眼シャッタと右眼シャッタを含むシャッタ眼鏡を形成することを含み、
前記左眼シャッタ及び前記右眼シャッタのうちの少なくとも一つはメムス素子を含むことを特徴とする立体映像表示システムの製造方法。
【請求項28】
シャッタ眼鏡のシャッタの開閉を制御するメムス素子を含むことを特徴とする立体映像表示装置用シャッタ眼鏡。

【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−257733(P2011−257733A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−33595(P2011−33595)
【出願日】平成23年2月18日(2011.2.18)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】