説明

立体画像編集装置および立体画像編集方法

【課題】出力後に編集時と異なるサイズとなる立体画像の編集時には、画像製作者が飛び出し量または引き込み量を適切な値に設定できない場合がある。
【解決手段】プリントされる立体画像のサイズに基づいて、プリントされる立体画像のサイズで表現可能な飛び出し量の範囲を表示し、表示される立体画像のサイズに基づいて、表示される立体画像のサイズで表現可能な飛び出し量の範囲を表示したため、プリントされる立体画像で表現可能な飛び出し量の範囲を表示部で確認しながら立体画像を編集することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の画像から生成された立体画像を編集する立体画像編集装置、立体画像編集方法、立体画像編集プログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
人間は、左右の目で異なる角度および異なる距離から対象を見ることにより対象の立体感を認識することが知られている。このとき、対象物の左右の目における見え方に違いが現れるが、この状態を視差があるという。
【0003】
人間が立体感を認識する原理を利用して、平面画像を立体画像として人間に認識させる方法が従来から提案されている。例えば、異なる角度から同一の被写体を撮影して右目用画像と左目用画像とを取得し、右目用画像と左目用画像とを左右に物理的にずらして、右目用画像を右目に、左目用画像を左目に表示させることで、人間は、2枚の平面画像を1枚の立体画像と認識する。右目用画像と左目用画像とをずらすことにより視差を生じさせている。以下、右目用画像と左目用画像とを物理的に左右にずらす長さのことをずれ量という。右目用画像および左目用画像が完全に重なった場合がずれ量0である。人間は、視差の程度により立体感を認識するため、右目用画像と左目用画像とのずれ量を調整することにより、立体画像の立体感(飛び出し量)を調節することができる。
【0004】
右目用画像と左目用画像との表示位置をディスプレイ上で物理的にずらすことで視差を調整する方法が特許文献1に記載されている。
【0005】
しかし、ずれ量を大きくしすぎると、ユーザの目に対する負荷が過大となり、さらにずれ量を大きくすると人間の視認能力の限界を越え立体視出来なくなるという問題がある。ユーザの目に過大な負荷を与えず立体視を可能とするずれ量の最大値は、ユーザが通常の姿勢で立体画像を見る場合には立体画像の横方向の長さ、すなわち、右目用画像と左目用画像とをずらす方向の長さに依存することが知られている。よって、立体画像の表示サイズ(横方向の長さ)が大きいほど、立体視可能なずれ量の最大値は大きい。立体画像においては、右目用画像と左目用画像との視差および右目用画像と左目用画像とをずらすことにより立体視を実現するため、立体画像の表示サイズが決まると、人間が立体視可能なずれ量の最大値が決まり、立体視可能なずれ量の最大値が決まると、ユーザがディスプレイ上で調整可能な飛び出し量の最大値も決まる。つまり、立体画像のサイズが決まると、調整可能な飛び出し量の範囲も決まる。
【0006】
また、特許文献2には、立体画像の飛び出し量は、ディスプレイの解像度、ディスプレイにおける表示可能領域の大きさ等のディスプレイの仕様によっても異なることが開示されている。具体的には、立体画像表示装置の仕様が異なる場合であっても、画像製作者が意図する飛び出し量や引き込み量等を正確に実現できるようにする立体画像補正装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−78615号公報
【特許文献2】特開2010−45584号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
画像製作者が飛び出し量や引き込み量等を調整する場合は、画像編集用のディスプレイに表示された立体画像を確認して飛び出し量または引き込み量を設定することが一般的である。
【0009】
しかしながら、画像製作者が立体画像を編集する場合に表示される立体画像のサイズと、編集後に出力媒体(例えばディスプレイやプリント等)へ出力された立体画像のサイズとは異なる場合がある。例えば、プリントされる立体画像を編集する場合は、表示部に表示された立体画像を確認して飛び出し量調整等の編集を行うが、この場合、編集時にディスプレイ上で立体画像が表示されるサイズと、出力媒体へ出力される立体画像のサイズとは異なる場合がある。
【0010】
立体画像のサイズが大きいほど調整可能な飛び出し量の範囲も増加するため、編集時の立体画像のサイズと出力される立体画像のサイズとが異なる場合は、編集時の立体画像のサイズにおいて調整可能な飛び出し量の範囲と、編集時とは別のディスプレイやプリント等へ出力後の立体画像のサイズにおいて調整可能な飛び出し量の範囲は一致しない。しかし、出力後に編集時と異なるサイズとなる立体画像を編集する場合において、画像製作者が、編集時とは別のディスプレイやプリント等へ出力される立体画像のサイズで調整可能な飛び出し量を考慮して飛び出し量を設定することは困難である。また、編集時の立体画像のサイズより出力される立体画像のサイズの方が大きい場合、画像製作者は、編集時とは別のディスプレイやプリント等へ出力される立体画像の飛び出し量の一部を編集時に確認できないことになる。
【0011】
本発明は、上記事実に鑑みてなされたものであり、編集時とは別のディスプレイやプリント等へ出力される立体画像のサイズを考慮した飛び出し量または引き込み量に設定することができる立体画像編集装置、立体画像編集方法、立体画像編集プログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明に係る立体画像編集装置は、表示部に表示される立体画像を編集し、上記表示部と異なる出力媒体に上記立体画像を出力する立体画像編集装置であって、上記表示部に表示される上記立体画像の第1サイズにおける飛び出し量の調整可能な範囲である第1調整範囲の演算、および上記出力媒体に出力される上記立体画像の第2サイズにおける飛び出し量の調整可能な範囲である第2調整範囲の演算、を行う演算手段と、編集中の上記立体画像の飛び出し量に対し、上記第1調整範囲および上記第2調整範囲に基づく調整を行う調整手段と、を具備する。
【0013】
また、立体画像編集装置は、さらに、上記第1調整範囲および上記第2調整範囲を同時に上記表示部に表示させる表示制御手段を具備する。
【0014】
また、本発明に係る立体画像編集方法は、表示部に表示される立体画像を編集し、上記表示部と異なる出力媒体に上記立体画像を出力する立体画像編集方法であって、上記表示部に表示される上記立体画像の第1サイズにおける飛び出し量の調整可能な範囲である第1調整範囲の演算、および上記出力媒体に出力される上記立体画像の第2サイズにおける飛び出し量の調整可能な範囲である第2調整範囲の演算、を行う演算ステップと、編集中の上記立体画像の飛び出し量に対し、上記第1調整範囲および上記第2調整範囲に基づく調整を行う調整ステップと、を具備する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、立体画像の飛び出し量を適切な飛び出し量にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】立体ディスプレイの原理を示す図である。
【図2】立体ディスプレイの飛び出し量調整の原理を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る立体画像編集装置の機能ブロック図である。
【図4】表示部に表示される編集画面の例を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る立体画像編集装置の動作の一例を表すフローチャートである。
【図6】表示される立体画像のサイズよりプリントされる立体画像のサイズの方が小さい場合のテンプレート画像および立体画像を示す図である。
【図7】プリントされる立体画像では調整不可能な飛び出し量が設定された場合のテンプレート画像および立体画像を示す図である。
【図8】プリントされる立体画像のサイズより表示される立体画像のサイズの方が小さい場合のテンプレート画像および立体画像を示す図である。
【図9】表示される立体画像では調整不可能な飛び出し量が設定された場合のテンプレート画像および立体画像を示す図である。
【図10】表示される立体画像のサイズよりプリントされる立体画像のサイズの方が小さい場合の制御方法の一例を示す図である。
【図11】プリントされる立体画像のサイズより表示される立体画像のサイズの方が小さい場合の制御方法の一例を示す図である。
【図12】プリントされる立体画像のサイズより表示される立体画像のサイズの方が小さい場合の制御方法の一例を示す図である。
【図13】プリントされる立体画像のサイズより表示される立体画像のサイズの方が小さい場合の制御方法の一例を示す図である。
【図14】プリントされる立体画像のサイズより表示される立体画像のサイズの方が小さい場合の制御方法の一例を示す図である。
【図15】フォトマップの1ページに含まれる複数の立体画像の飛び出し量を一括で調整する場合の制御方法の一例を示す図である。
【図16】立体画像の一例を示す図である。
【図17】図16に示す立体画像の視差マップを示す図である。
【図18】図16に示す立体画像から飛び出し量が大きい領域を切り取った残りの領域を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明に係る立体画像編集装置、立体画像編集方法、立体画像編集プログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体を添付の好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
本発明を説明するに先立って、立体視を行う立体ディスプレイの原理を説明する。
左右の目に異なる画像を表示することで立体視を行う立体ディスプレイの例について、図1を用いて説明する。図1は、立体ディスプレイの原理を説明するために、上方から見た立体ディスプレイおよび人の視線を描いた図である。立体ディスプレイ10には、右目用画像12および左目用画像14が表示されている。右目用画像12は、点24から観察している右目のみに表示される。左目用画像14は、点22から観察している左目のみに表示される。
【0018】
右目用画像12の画像上に、被写体を表す点16が存在し、左目用画像14にも同一の被写体を表す点18が存在する場合を考える。以下、点16と点18のように、右目用画像と左目用画像とにおいて、同一の被写体を表す点を対応点という。立体ディスプレイ10には、点16と点18との間の距離が図面上で左右方向に物理的にL1だけ離されて、右目用画像12および左目用画像14が表示されている。なお、本来は、立体ディスプレイ10上に右目用画像12および左目用画像14が表示されるため、立体ディスプレイ10、右目用画像12および左目用画像14は、図面上の縦方向のずれはないが、ここでは図を分かりやすくするために、立体ディスプレイ10、右目用画像12および左目用画像14を図面縦方向にずらして描いた。また、右目用画像12および左目用画像14を、図面上で縦方向に厚みを持たせて描いたが、本来は、立体ディスプレイ10上に表示されるため、この厚みはない。
【0019】
このように表示された立体ディスプレイ10を見た人間は、点18を見た左目の視線26と、点16を見た右目の視線28とが交わる点20の位置に、点16および点18が表す被写体が存在するように知覚する。この場合、点16および点18が表す被写体が、立体ディスプレイ10と点20との間の距離D1だけ立体ディスプレイ10から飛び出して見えることになる。つまり、この場合の飛び出し量は、立体ディスプレイ10から点20との間の距離D1となる。立体ディスプレイ10は、右目用画像12と左目用画像14との図面左右方向のずれ量および右目用画像12と左目用画像14との視差により、立体ディスプレイ10から被写体が飛び出していると人間に知覚させる。また、図示しないが、同様の原理を用いることで、立体画像の奥行(引き込み量)を表現し、立体ディスプレイ10より奥に物体が存在すると人間に知覚させることもできる。以下、説明を容易にするため、飛び出し量に絞って説明を行い、引き込み量については省略して説明を行う。人間は、視差により立体感を認識するため、右目用画像と左目用画像のずれ量を調整することにより、視差の程度(視差の量)を調整して、立体画像の飛び出し量を調節することができる。
【0020】
図2は、立体ディスプレイ10において、右目用画像12と左目用画像14とのずれ量を変化させることにより、画像の飛び出し量を変化させた場合を示す図である。右目用画像12を左側(矢印13方向)に移動させ、左目用画像14を右側(矢印15方向)に移動させることで、点16と点18との距離をL2(>L1)として、右目用画像12および左目用画像14を表示したとする。このような場合においては、人間は、点18を見た左目の視線32と、点16を見た右目の視線34とが交わる点30の位置に被写体が存在するように知覚する。立体ディスプレイ10と点30との間の距離はD2(>D1)であるため、この場合の被写体の飛び出し量はD2となる。すなわち、ずれ量を変化させることで、人間が認識する飛び出し量を変化させることができる。
【0021】
立体画像の表示サイズ(横方向の長さ)が大きいほど、立体視可能なずれ量の最大値は大きく、立体視可能なずれ量の最大値が大きいほど立体画像の飛び出し量が大きくなる。そのため、立体画像の飛び出し量を設定する場合は、立体画像のサイズを考慮する必要がある。
【0022】
なお、飛び出し量は、右目用画像と左目用画像との視差の程度に依存するため、1枚の立体画像においても画像の奥行方向の被写体の位置に応じて飛び出し量は異なるものとなる。説明を容易にするため、以降の説明において飛び出し量とは、右目用画像と左目用画像とのずれ量を0とした場合に最もずれている対応点、すなわち最も手前に存在する被写体の対応点の飛び出し量を示すものとする。
【0023】
すなわち、右目用画像および左目用画像は、異なる角度から同一の被写体を撮影して取得されたものであるので、ディスプレイ等の表示媒体上に表示される右目用画像と左目用画像との物理的なずれ量を0とした場合にも撮影された右目用画像および左目用画像には元々視差が存在する。すなわち、右目用画像と左目用画像とのずれ量を0としても、右目用画像と左目用画像とは完全に一致することはなく、同一被写体を表す対応点にはずれがあり、これが元の撮影右目用画像と撮影左目用画像との視差となる。
したがって、右目用画像と左目用画像とを物理的に左右方向にずらして表示する場合、右目用画像と左目用画像とにおける同一被写体を表す対応点のずれの大きさは、物理的なずれ量と、元々撮影右目用画像と撮影左目用画像との存在する視差に基づく対応点のずれの大きさとの和として表わすことができる。上述したように、右目用画像と左目用画像との物理的なずれ量は、視差をもたらすので、このような右目用画像と左目用画像との対応点のずれの大きさ、すなわち対応点間の距離は、人間が感じる視差の大きさであり、視差の程度を表すものとすることができる。なお、この視差の程度を、視差角や視差量等と呼ぶこともできる。
【0024】
一方、上述したように、立体画像の飛び出し量は、右目用画像と左目用画像との対応点間の距離によって決まるものであるので、この対応点間の距離で表わされる視差の程度によって決まるものであるということができる。
また、上述の撮影された右目用画像および左目用画像には、奥行方向に異なる種々の被写体が撮影されている場合があり、奥にある被写体の対応点のずれは小さく、手前にある被写体の対応点のずれは大きいことが知られている。もちろん、右目用画像と左目用画像との物理的なずれ量を0とした場合にも同じである。したがって、厳密な意味では、撮影画像の被写体に応じて被写体の対応点のずれは異なることになる。しかしながら、撮影画像においては、通常、主要被写体は、手前に映っていることが多いため、手前にある被写体を基準とする方が好ましい場合が多い。
そこで、本発明においては、基準として、立体画像の飛び出し量を、右目用画像と左目用画像とのずれ量を0とした場合に最も手前にある被写体の対応点の飛び出し量としているのである。
【0025】
しかし、立体画像のサイズを考慮して飛び出し量を設定することが困難な場合がある。例えば、フォトブックを編集する場合が挙げられる。フォトブックは、注文者により飛び出し量を設定された立体画像をプリントして作成するものであり、3Dに見える画像が配置されたアルバムである。プリントされた立体画像の飛び出し量を調整することは不可能なため、注文者は、表示部に表示される立体画像を確認してプリントされる立体画像の飛び出し量を設定する。この場合、表示部に表示される立体画像のサイズとプリントされる立体画像のサイズとは異なる場合が多い。
【0026】
通常、注文者は、表示部に表示される立体画像において設定した飛び出し量がプリントされる立体画像でも再現されることをイメージしている。しかし、実際には、表示部に表示される立体画像のサイズとプリントされる立体画像のサイズとが異なれば、それぞれの立体画像において調整可能な飛び出し量の範囲は一致しない。そのため、表示部に表示される立体画像において設定した飛び出し量がプリントされる立体画像で調整不可能な場合や、プリントされる立体画像で調整可能な飛び出し量を表示部に表示される立体画像では確認できないという問題が生じる可能性がある。一方、プリントされる立体画像のサイズを考慮して飛び出し量を設定することは注文者には困難である。
そこで、本発明者らは、これらの問題点を解決するために、鋭意研究を重ねた結果、編集時に表示部に表示された立体画像のサイズにおける飛び出し量の調整可能な範囲と、出力媒体に出力される立体画像のサイズにおける飛び出し量の調整可能な範囲を予め演算しておき、編集中の立体画像の飛び出し量に対し、上記の2種の調整範囲に基づく調整を行うことにより、出力媒体に出力される立体画像のサイズを考慮した飛び出し量または引き込み量に設定することができることを知見し、以下に説明する本発明に至った。
【0027】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0028】
(実施の形態1)
図3は、本発明の実施の形態1に係る立体画像編集装置100の主要な構成を示した機能ブロック図である。ここでは、3Dプリント(立体視可能な写真をプリントすることをいう)によりフォトブックを作成する場合を例にとって説明を行う。立体画像編集装置100は、内部メモリ102、メモリスロット104、画像出力部106、飛び出し量調整部108、画像表示制御部110、飛び出し量調整範囲演算部112およびプリントサイズ記憶メモリ113を有する。立体画像編集装置100は、表示部114、ユーザ入力部116および外部メモリ118と電気的に接続されて使用される。なお、立体画像編集装置100は、図示しないが、立体画像編集装置100の全体制御を行うCPU等の制御部を有している。
【0029】
表示部114は、右目用画像および左目用画像を表示画面に立体表示が可能な表示部である。立体表示の方式としては、公知の任意の方式を用いることができる。例えば、パララックスバリア方式(視差バリア方式)、レンチキュラレンズ方式等の視差分割方式や、カラーフィルタ方式、偏光フィルタ方式、液晶シャッタ方式等の専用メガネを用いる画像分離方式などを用いることができる。表示部114は、表示画面への立体表示と平面表示とを切り替えることができる。
【0030】
ユーザ入力部116は、ユーザが入力を行うための機器であり、例えば、マウスやキーボード等である。
【0031】
内部メモリ102は、立体画像の基となる左目用画像および右目用画像を記憶しておくメモリである。なお、内部メモリ102は、左目用画像および右目用画像の画像データに加え、その他の画像データや画像サイズと飛び出し量との変換特性等の立体画像編集装置100の動作に必要なデータやパラメータや特性等の情報等を記憶するものであっても良い。
【0032】
メモリスロット104は、立体画像編集装置100と外部メモリ118とを電気的に接続するスロットである。メモリスロット104に外部メモリ118が接続されると、立体画像編集装置100は、外部メモリ118に記憶されている画像等のデータを読み出すことができる。外部メモリ118も、画像データや上記の種々の情報を記憶するものであっても良い。
【0033】
画像出力部106は、立体画像を外部へ出力する部分であり、立体画像信号を外部の出力デバイス(図示せず)に出力するための出力画像データに変換すると共に、外部の出力デバイスに接続するための外部インターフェース等を有する。画像出力部106は、例えば、プリンタ(図示せず)と接続されることで、プリンタに立体画像を印刷させ、表示装置(ディスプレイ;図示せず)と接続されることで、表示装置に立体画像を表示させる。
【0034】
飛び出し量調整部108は、内部メモリ102または外部メモリ118から出力された右目用画像および左目用画像のずれ量を変化させて、視差の程度を変化させ、立体画像の飛び出し量を調整する。右目用画像と左目用画像とのずれ量の調整は、上述したように、右目用画像と左目用画像とを過不足なく重ねた場合に、最もずれている位置にある対応点(画像において最も手前に映っている被写体の対応点)の間の距離を基準として行う。飛び出し量調整部108は、ユーザにより、ユーザ入力部116を介して入力された立体画像の飛び出し量の設定に応じて、ユーザ入力部116から出力された飛び出し量調整信号(S1)に従い、立体画像の飛び出し量の調整を行う。
【0035】
プリントサイズ記憶メモリ113は、ユーザにより、ユーザ入力部116を介して入力されたプリントサイズの設定に応じて、ユーザ入力部116から出力されるプリントサイズの指定信号(S2)を受信して、プリントされるフォトブックのサイズおよびフォトブック上の立体画像のサイズを記憶する。
【0036】
飛び出し量調整範囲演算部112は、プリントサイズ記憶メモリ113に記憶された、プリントされる立体画像のサイズにおいてユーザが調整可能な飛び出し量の範囲(以下、飛び出し量調整可能範囲という)を演算して、飛び出し量調整部108および画像表示制御部110に出力する。ここで、飛び出し量調整可能範囲とは、立体画像においてユーザが立体視可能な飛び出し量の範囲をいう。飛び出し量調整可能範囲は、立体画像のサイズによって異なる。例えば、右目用画像と左目用画像のずれ量0から、立体画像の横(左右)方向の長さの5%のずれ量によって実現される飛び出し量の値までとして定義することができる。また、飛び出し量調整範囲演算部112は、画像表示制御部110から出力された立体画像の表示サイズにおける飛び出し量調整可能範囲を演算して画像表示制御部110に出力する。
【0037】
画像表示制御部110は、表示部114が要求する形式に画像データを変換して表示部114に出力する。また、画像表示制御部110は、飛び出し量調整範囲演算部112から出力された、表示される立体画像およびプリントされる立体画像の各々における飛び出し量調整可能範囲(S3)を表示部114に表示させる。さらに、画像表示制御部110は、立体画像の表示サイズの変更を行い、変更後の立体画像の表示サイズの情報(S4)を飛び出し量調整範囲演算部112に出力する。さらに、画像表示制御部110は、表示部114の表示画面に立体画像を表示するのに必要な様々な制御、例えば、立体画像のレイアウトや表示画面に表示される様々なGUI(グラフィカル・ユーザインタフェース)の制御、表示画面の制御等を行うものである。
【0038】
立体画像の表示サイズが変更された信号(S4)を受信した飛び出し量調整範囲演算部112は、変更後の立体画像サイズにおける飛び出し量調整可能範囲を演算して画像表示制御部110に出力する。
【0039】
このようにして、立体画像編集装置100は、立体画像がプリントされるサイズにおける飛び出し量調整可能範囲と、立体画像が表示されるサイズにおける飛び出し量調整可能範囲とを表示部114に表示させる。
【0040】
図4は、表示部114に表示される編集画面の一例である。この編集画面は、立体画像をテンプレート画像に配置するフォトブックの作成を行う場合に表示されるものである。
【0041】
表示部114の中央部には、フォトブックを表す本を模したテンプレート画像120が表示されている。ユーザは、ユーザ入力部116のマウス等を使ってテンプレート画像120の領域内に画像を配置することで、フォトブックに配置する画像のレイアウトを決定することができる。図4では、テンプレート画像120の領域内に立体画像132が配置されている。立体画像132は、立体表示されている。
【0042】
表示部114の左下部に設けられた画像表示領域122には、テンプレート画像120に配置するための6枚の立体画像123a〜123fが、立体表示されている。立体画像123a〜123fは、内部メモリ102または外部メモリ118に記憶された画像である。内部メモリ102または外部メモリ118に記憶されている立体画像のデータは、右目用画像、左目用画像およびタグ情報が関連付けされて記憶されている。タグ情報には、右目用画像および左目用画像の飛び出し量が記憶されている。タグ情報としては、右目用画像と左目用画像とのずれ量が記憶されており、表示部114に表示される際に、飛び出し量調整部108において、記憶されているずれ量に応じた飛び出し量を求めるようにしても良い。画像表示領域122に表示される立体画像は、予め記憶された飛び出し量で立体表示されている。
【0043】
ユーザは、ユーザ入力部116のマウス等により、画像表示領域122に表示される画像をテンプレート画像120の領域内にドラッグアンドドロップすることで、フォトブックのレイアウトを決定する。テンプレート画像120内にドロップされた立体画像は、テンプレート画像120の大きさに合ったサイズに自動調整される。この場合、予め定められた画像サイズと飛び出し量との変換特性に従い、立体画像の飛び出し量も自動調整される。画像サイズと飛び出し量との変換特性を、例えば、画像サイズが大きくなるごとに飛び出し量を減少する特性とすることにより、ユーザの目への負担を減少させることができる。
【0044】
画像表示領域122の右側には、スクロールバー125が設けられている。ユーザは、マウス等を使って、スクロールバー125中に設けられたノブ126の位置を上下にドラッグすることにより、画像表示領域122に表示される画像のスクロールを行う。この操作により、内部メモリ102または外部メモリ118に記憶されていて、画像表示領域122に表示されていない画像が、画像表示領域122に表示される。
【0045】
画像表示領域122の上部には、表示領域128が設けられている。表示領域128には、フォルダの階層構造が表示される。表示領域128に表示されるフォルダの階層構造により、画像表示領域122内に表示されている画像は、どこのフォルダに入っている画像なのかを、ユーザが把握することができる。また、表示領域128に表示されている別のフォルダを選択することにより、別のフォルダに記憶されている画像を画像表示領域122に表示させることができる。
【0046】
また、表示領域128には、画像表示領域122においてマウス等を使ってカーソル124で選択された画像を拡大表示させることもできる。カーソル124の位置は、ユーザがマウス等を使って自由に移動させることができる。画像が拡大表示されることにより、ユーザは、画像の細部の確認を行うことができる。また、ユーザがテンプレート画像120内の画像を選択することで、テンプレート画像120内の画像を表示領域128に拡大表示させることもできる。
【0047】
テンプレート画像120の上部には、フォトブックを構成するページの縮小画像が表示される領域、すなわち縮小ページ表示領域136が表示されている。縮小ページ表示領域136には、見開きの2ページごとにまとまって縮小ページの画像138a〜138dが表示されている。
【0048】
縮小ページ表示領域136の下部には、スクロールバー130が設けられている。ユーザは、スクロールバー130内に設けられたノブ131の位置を、マウス等を使って図面上の左右方向にドラッグすることにより、縮小ページ表示領域136に表示されていないページを縮小ページ表示領域136に表示させることができる。
【0049】
テンプレート画像120の右部には、6つの編集ボタン140a〜140fが設けられている。編集ボタン140a〜140fには、それぞれ編集機能が割り当てられている。ユーザは、マウス等を使って編集ボタンを押すことで、フォトブックに配置された画像の編集を行う。例えば、編集ボタン140bには、画像サイズ変更機能が割り当てられており、ユーザは、マウス等を使って編集ボタン140bを押して画像サイズ変更モードに設定する。その他の編集機能としては、例えば、テンプレート画像120内への文字の合成や、テンプレート画像120内の画像の削除、立体画像の飛び出し量を自動で設定する変換特性の作成等が挙げられる。
【0050】
編集ボタン140aには、画像の飛び出し量調整機能が割り当てられている。図4は、編集ボタン140aを押して飛び出し量調整モードになった場合に表示されるテンプレート画像120の例である。飛び出し量調整モードにおいては、テンプレート画像120中に配置された立体画像132の下部に、ノブ142およびバー144からなる、立体画像132の飛び出し量を設定するスクロールバーが表示される。バー144の長さは、立体画像132の表示サイズにおける飛び出し量調整可能範囲を表す。また、立体画像132の下部には、プリントされる立体画像のサイズにおける飛び出し量調整可能範囲を表す、図中灰色で示す領域143がノブ142およびバー144と重畳表示される。ユーザは、マウス等を使ってノブ142を左右にドラッグすることで立体画像132の飛び出し量の調整を行う。ユーザがノブ142を左右に動かせる範囲は、バー144および領域143の少なくとも一方の範囲内である。つまり、ユーザは、プリントされる立体画像および表示部114に表示される立体画像の双方において調整不可能な飛び出し量には設定できない。また、プリントされる立体画像132のサイズにおける飛び出し量調整可能範囲を表す領域143が表示されているため、立体画像132の飛び出し量がプリントでも調整可能か否かを判別することができる。
【0051】
このような編集画面で立体画像の配置、立体画像のサイズ変更、飛び出し量調整等を行うことにより、ユーザは、フォトブックのレイアウトを決定する。
【0052】
フォトブックの編集を終了すると、立体画像編集装置100に接続されたプリンタ等により、ユーザが設定したレイアウトや飛び出し量によるフォトブックがプリントされる。
【0053】
立体画像の飛び出し量の調整は、飛び出し量調整部108において立体画像を構成する右目用画像および左目用画像のずれ量を調整することで行う。表1は、表示部およびプリントにおける立体画像のサイズに対して許容される最大ずれ量の一例を示した表である。
【0054】
【表1】

【0055】
調整可能なずれ量の最大値は、立体画像の横方向の長さに対する割合で定義することができる。例えば、立体画像の横方向の長さの5%とすると、プリントされる立体画像のサイズが12.5mm×12.5mmの場合は、0.625mmのずれ量まで調整可能となる。また、プリントされる立体画像のサイズが21mm×21mmの場合は、105mmのずれ量まで調整可能となる。表示部114に表示される立体画像のサイズが15mm×15mmの場合は、0.75mmのずれ量まで調整可能である。
【0056】
表1から明らかなように、表示部114に表示される立体画像のサイズが、プリントされる立体画像のサイズより大きい場合は、表示部114に表示される立体画像における飛び出し量調整可能範囲の方が、プリントされる立体画像における飛び出し量調整可能範囲より広い。例えば、表示部114に表示される立体画像の飛び出し量を最大に設定、すなわち、ずれ量を0.75mmに設定しても、プリントされる立体画像では、その飛び出し量は調整不可能となる。そのため、ユーザが表示部114を見て設定した飛び出し量通りにプリントされないという問題が生じる場合がある。
【0057】
表示部114に表示される立体画像のサイズが、プリントされる立体画像のサイズよりも小さい場合は、表示部114に表示される立体画像において調整可能なずれ量の最大値は、プリントされる立体画像において調整可能なずれ量の最大値より小さい。従って、プリントされる立体画像で調整可能な飛び出し量を、表示部114に表示される立体画像では調整不可能な場合がある。そのため、ユーザは、プリントされる立体画像における飛び出し量調整可能範囲のうち、表示部114に表示される立体画像における飛び出し量調整可能範囲外の範囲については、表示部114において確認できないという問題が生じる。
【0058】
そこで、本発明の実施の形態1に係る立体画像編集装置100は、プリントされる立体画像のサイズにおける飛び出し量調整可能範囲と、表示される立体画像のサイズにおける飛び出し量調整可能範囲とを演算することにより、立体画像の飛び出し量をユーザが適切な範囲から設定可能とすることを実現することができる。
【0059】
図5は、立体画像編集装置100の動作および立体画像編集方法の一例を示すフローチャートである。
立体画像編集装置100では、表示部114に表示される立体画像のサイズとプリントされる立体画像のサイズの大小関係に応じて異なる飛び出し量の調整が行われる。
まず、ステップST500でユーザからユーザ入力部116を介して指定されたプリントサイズをプリントサイズ記憶メモリ113から読み込み、飛び出し量調整範囲演算部112がプリントされる立体画像のサイズにおける飛び出し量調整可能範囲を演算する。ステップST502で内部メモリ102等から変換特性を読み込んでテンプレート画像120に配置された立体画像の飛び出し量を飛び出し量調整部108が自動調整し、飛び出し量調整範囲演算部112が表示される立体画像のサイズにおける飛び出し量調整可能範囲を演算する。
【0060】
ステップST504で、ユーザ入力部116からユーザによる飛び出し量の調整が行われ、ステップST506でプリントされる画像のサイズがPC(パーソナルコンピュータ)上での表示サイズより小さいか否かが判定され、プリントされる立体画像のサイズの方が小さい場合は、ステップST508に進む。
【0061】
ステップST508で飛び出し量の調整値が、プリント上の立体画像のサイズにおける飛び出し量調整可能範囲(制限範囲)内かを判別する。
【0062】
ステップST508で、飛び出し量の調整値がプリント上での制限範囲内である場合には、立体画像の編集を終了する。
【0063】
ステップST508で、飛び出し量の調整値がプリント上での制限範囲外である場合には、プリント上では設定された飛び出し量とならないと判断し、ステップST510に進んで、設定された飛び出し量はプリント上では調整不可能という警告表示を表示部114に表示させて、立体画像の編集を終了する。
【0064】
ステップST506でプリントされる画像のサイズよりPC上での表示サイズの方が小さいと判定されると、ステップST512へ進む。
【0065】
ステップST512で飛び出し量の調整値が表示画像上での制限範囲内にあるか否か判定し、飛び出し量の調整値が表示部114に表示される立体画像のサイズにおける飛び出し量調整可能範囲(制限範囲)内である場合には、立体画像の編集を終了する。
【0066】
ステップST512で、飛び出し量の調整値が表示部114での制限範囲外である場合は、プリントされると表示部114で表示される以上の飛び出し量となると判断し、ステップST514へ進んで、設定された飛び出し量は表示部114では調整不可という警告表示を表示部114に表示させて、立体画像の編集を終了する。
【0067】
図6は、飛び出し量調整モードに設定した場合のテンプレート画像120および立体画像132を示した図である。図6では、テンプレート画像120およびテンプレート画像120の領域内に配置された立体画像132を、表示部114の表示画面から抜き出して描いてある。以下、特に断りがない場合は、テンプレート画像120およびテンプレート画像120に配置された立体画像を描いた図は、表示部114の表示画面に表示される画像の一部を描いたものである。
【0068】
編集ボタン140aを押すと、テンプレート画像120内に配置された立体画像132の下部に、ノブ142および目盛り付きのバー144からなるスクロールバーが表示される。バー144の長手方向の長さ(以下、単に長さという)は、立体画像132のサイズにおける飛び出し量調整可能範囲を表す。立体画像のサイズが大きいほど飛び出し量調整可能範囲は広くなるため、立体画像のサイズが大きいほどバー144の長さは長くなる。ユーザは、マウス等を使ってノブ142を図面左右方向に動かすことで飛び出し量の調整を行う。ノブ142を左方向に動かすほど、立体画像132の飛び出し量が小さくなり、ノブ142をバー144の左端に移動させると飛び出し量が0となる。この場合、立体画像132は立体表示されず、右目用画像または左目用画像が立体画像132の位置に表示される。ノブ142を右方向に動かすほど、立体画像132の飛び出し量が大きくなり、ノブ142をバー144の右端に移動させると、飛び出し量が最大となる。
【0069】
また、立体画像132の下部には、プリントされる立体画像のサイズにおける飛び出し量調整可能範囲を表す図中灰色の領域143がバー144と重畳表示される。領域143の長手方向の長さ(以下、単に長さという)は、プリントされる立体画像のサイズにおける飛び出し量調整可能範囲を表す。立体画像がプリントされるサイズが異なると領域143の長さも異なり、立体画像がプリントされるサイズが大きいほど領域143の長さも長くなる。
【0070】
プリントされる立体画像のサイズにおける飛び出し量調整可能範囲と、表示される立体画像のサイズにおける飛び出し量調整可能範囲とは一部重なり、どちらも飛び出し量0を設定可能なため、領域143とバー144とは左端が一致した状態で重畳表示される。
【0071】
図6は、表示部114に表示される立体画像132のサイズよりプリントされる立体画像のサイズの方が小さい場合のテンプレート画像120および立体画像132を表す。この場合、表示される立体画像132の方がプリントされる立体画像に比べて飛び出し量調整可能範囲は広い。従って、領域143の長さよりバー144の長さの方が長く表示される。
【0072】
表示部114に表示される立体画像132のサイズよりプリントされる立体画像のサイズの方が小さい場合において、表示部114に表示された立体画像132で調整可能で、プリントされる立体画像では調整不可能な飛び出し量に設定された場合に表示されるテンプレート画像120および立体画像132の例を図7に示す。
【0073】
図7では、ノブ142がバー144上でかつ領域143の外側に移動されている。バー144は、表示部114に表示される立体画像132のサイズにおける飛び出し量調整可能範囲を表し、領域143は、プリントされる立体画像のサイズにおける飛び出し量調整可能範囲を表すため、図7においてノブ142が設定する飛び出し量は、表示部114に表示される立体画像132のサイズでは調整可能かつプリントされる立体画像のサイズで調整不可能なことを表す。
【0074】
この場合、表示部114に表示されている立体画像132の飛び出し量は、プリントされる立体画像では調整不可能のため、警告マーク146を立体画像132の右下に表示する。この警告マーク146は、表示部114に表示されている立体画像の飛び出し量より小さな飛び出し量でプリントされるという警告をユーザに対して行うものである。
【0075】
ここで、表示部114に表示された立体画像132の飛び出し量より小さな飛び出し量でプリントされるとユーザが承知の上でプリントが指示された場合には、プリントされる立体画像のサイズで調整可能な最大の飛び出し量でプリントされる。
【0076】
図8は、表示部114に表示される立体画像132のサイズよりプリントされる立体画像のサイズの方が大きい場合に表示されるテンプレート画像120および立体画像132を表す。この場合、プリントされる立体画像の方が飛び出し量調整可能範囲は広い。従って、バー144の長さより領域143の長さの方が長く表示される。
【0077】
表示部114に表示される立体画像132のサイズよりプリントされる立体画像のサイズの方が大きい場合において、プリントされた立体画像では調整可能で、表示部114に表示された立体画像132で調整不可能な飛び出し量に設定された場合に表示されるテンプレート画像120および立体画像132の例を図9に示す。
【0078】
図9では、ノブ142がバー144の外側かつ領域143内に移動されている。バー144は、表示部に表示される立体画像132のサイズにおける飛び出し量調整可能範囲を表し、領域143は、プリントされる立体画像のサイズにおける飛び出し量調整可能範囲を表すため、図9においてノブ142が設定する飛び出し量は、表示部114に表示される立体画像132のサイズでは調整不可能かつプリントされる立体画像のサイズで調整可能なことを表す。
【0079】
この場合、プリントされる立体画像の飛び出し量は、表示部114に表示されている立体画像132では調整不可能のため、警告マーク148を立体画像132の右下に表示する。この警告マーク148は、表示部114に表示されている立体画像の飛び出し量以上の飛び出し量となってプリントされるという警告、換言すれば、表示部114ではプリントされる立体画像の飛び出し量を表現できていないという警告をユーザに対して行うものである。
【0080】
ここで、表示部114に表示されている立体画像の飛び出し量以上の飛び出し量となってプリントされるとユーザが承知の上でプリントが指示された場合には、ノブ142が位置した飛び出し量でプリントされる。
【0081】
表示部114に表示される立体画像132のサイズよりプリントされる立体画像のサイズの方が小さい場合における別の制御方法を図10に示す。
【0082】
この処理態様では、表示部114に表示される立体画像132のサイズにおける飛び出し量調整可能範囲内かつプリントされる立体画像のサイズにおける飛び出し量調整可能範囲外となる範囲に、ユーザがマウス等でノブ142を移動させても、プリントされる立体画像のサイズにおける飛び出し量調整可能範囲の最大値に自動でノブ142を移動させる制御とする。つまり、ユーザがノブ142をバー144の右端に移動させても、立体画像132は、プリントされる立体画像のサイズにおける飛び出し量調整可能範囲の最大値で表示される。なお、ここではプリントされる立体画像のサイズにおける飛び出し量調整可能範囲の最大値にノブ142を移動させる態様としたが、プリントされる立体画像のサイズにおける飛び出し量調整可能範囲外となる範囲にはノブ142を移動させない態様としても良い。
【0083】
このように、表示される立体画像のサイズよりプリントされる立体画像のサイズの方が小さい場合において、表示部114に表示される立体画像132の飛び出し量を、プリントされる立体画像のサイズにおける飛び出し量調整可能範囲内、すなわち表示される立体画像のサイズにおける飛び出し量調整可能範囲とプリントされる立体画像のサイズにおける飛び出し量調整可能範囲とが共通する範囲内に自動調整する態様とすると、表示部114に表示される立体画像132の飛び出し量が、プリントされる立体画像の飛び出し量と異なることがなくなり、ユーザがプリントされた立体画像を見ても違和感がなくなる。
【0084】
表示部114に表示される立体画像132のサイズよりプリントされる立体画像のサイズの方が大きい場合における別の制御方法を図11に示す。図11は、表示部114に表示される飛び出し量調整モードにおけるフォトブックの編集画面である。なお、図4と同一の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0085】
図11では、ユーザによりノブ142がバー144の外側かつ領域143内に移動されている。図11において、ノブ142が設定する飛び出し量は、表示部114に表示される立体画像132のサイズでは調整不可能かつプリントされる立体画像のサイズで調整可能なことを表す。
【0086】
このように、表示される立体画像で調整不可能かつプリントされる立体画像で調整可能な飛び出し量がユーザによって設定された場合は、立体画像編集装置100は、図12に示すように、テンプレート画像120内に配置された立体画像132、ノブ142、領域143およびバー144ならびにテンプレート画像120を拡大表示する。この場合、拡大表示する倍率は、それぞれ同一である。
【0087】
立体画像132、ノブ142、領域143、バー144およびテンプレート画像120の拡大表示に伴い、テンプレート画像120の下部に、新たなスクロールバー150およびノブ152が表示される。ノブ152を左右に動かすことで、テンプレート画像120が左右に動き、表示部114に表示されていない部分を表示することができる。
【0088】
立体画像のサイズが大きいほど飛び出し量調整可能範囲は広がるため、立体画像132の拡大表示により、立体画像132における飛び出し量調整可能範囲が広がる。立体画像132のサイズが拡大されて飛び出し量調整可能範囲が広がったことに伴い、バー144の長さも長くなり、拡大された立体画像132のサイズに対応した飛び出し量調整可能範囲を表すものとなる。
【0089】
表示部114に表示される立体画像132は、ノブ142の位置が表す飛び出し量を調整可能な程度まで拡大される。拡大された立体画像132の飛び出し量は、ノブ142の位置が表す飛び出し量に自動で設定される。このように制御することにより、プリントされる立体画像でのみ調整可能だった飛び出し量を、表示部114に表示される立体画像132で確認することが可能となる。これにより、ユーザは、表示部114に表示される立体画像の飛び出し量と、プリントされる立体画像の飛び出し量とに違和感を覚えることがなくなる。
【0090】
図12の場合において、ユーザがノブ142をさらに右側に動かし、バー144の外側かつ領域143内にノブ142を位置させたとする。すなわち、拡大された立体画像132における飛び出し量調整可能範囲外の飛び出し量がユーザによって設定された場合、立体画像編集装置100は、図13に示すように、テンプレート画像120内に配置された立体画像132、ノブ142、領域143およびバー144ならびにテンプレート画像120を表示部114内に全画面表示する。
【0091】
立体画像132、ノブ142、領域143およびバー144ならびにテンプレート画像120を表示部114内に全画面表示する制御とすると、立体画像132のサイズは、図12の場合に比べて更に大きくなり、それに伴い、立体画像132における飛び出し量調整可能範囲も広がる。立体画像132のサイズが拡大されて飛び出し量調整可能範囲が広がったことに伴い、バー144の長さも長くなり、拡大された立体画像132のサイズに対応した飛び出し量調整可能範囲を表すものとなる。
【0092】
図13の場合において、ユーザがノブ142をさらに右側に動かし、バー144の外側かつ領域143内にノブ142を位置させたとする。すなわち、このサイズの立体画像における飛び出し量調整可能範囲外の飛び出し量がユーザによって設定された場合、立体画像編集装置100は、図14に示すように、テンプレート画像120内に配置された立体画像132、ノブ142、領域143およびバー144を表示部114内に全画面表示する。
【0093】
立体画像132、ノブ142、領域143およびバー144を表示部114内に全画面表示する制御とすると、立体画像132のサイズは、図13の場合に比べて更に大きくなり、それに伴い、立体画像132における飛び出し量調整可能範囲が最大に広がる。立体画像132のサイズが拡大されて飛び出し量調整可能範囲が広がったことに伴い、バー144の長さも長くなり、拡大された立体画像132のサイズにおける飛び出し量調整可能範囲を表すものとなる。
【0094】
このように、表示される立体画像のサイズよりプリントされる立体画像のサイズの方が大きい場合において、表示部114に表示される立体画像132では調整不可能で、プリントされる立体画像では調整可能な飛び出し量が設定された場合に立体画像を拡大する制御、すなわち表示される立体画像のサイズにおける飛び出し量調整可能範囲を拡大する制御を行うと、当該設定された飛び出し量を、表示部114に表示される立体画像における飛び出し量調整可能範囲とプリントされる立体画像における飛び出し量調整可能範囲とが共通する範囲内の飛び出し量とすることができ、プリントされる立体画像の飛び出し量を表示部114で確認して飛び出し量の調整を行うことができる。
【0095】
以上説明したように、本発明の実施の形態1に係る立体画像編集装置100によれば、プリントされる立体画像のサイズに基づいて、プリントされる立体画像のサイズにおける飛び出し量調整可能範囲を演算し、表示される立体画像のサイズに基づいて、表示される立体画像のサイズにおける飛び出し量調整可能範囲を演算した。さらに、立体画像編集装置100は、演算した飛び出し量調整可能範囲を表示部114に表示させることとした。これにより、ユーザは、プリントされる立体画像における飛び出し量調整可能範囲を表示部114で確認して立体画像を編集することができる。
【0096】
さらに、立体画像編集装置100は、ユーザが飛び出し量を調整できる範囲を、表示される立体画像における飛び出し量調整可能範囲またはプリントされる立体画像における飛び出し量調整可能範囲内に限定することができる。また、立体画像編集装置100は、表示される立体画像およびプリントされる立体画像の一方においてのみ調整可能な飛び出し量が設定された場合に警告表示を行うことができる。これにより、ユーザは、プリント上の飛び出し量が意図した通りにはならないことを認識することができる。
【0097】
また、プリントされる立体画像のサイズでは調整不可能な飛び出し量には設定不可とすると、ユーザが誤ってプリントされる立体画像で調整不可能な飛び出し量を設定してしまうことがなくなる。
【0098】
また、プリントされる立体画像のサイズでのみ調整可能な飛び出し量がユーザにより設定された場合に、表示部114に表示される立体画像のサイズを拡大することにすると、プリントされる立体画像においてのみ調整可能であった飛び出し量を、表示部114に表示される立体画像でも調整可能となる。これにより、プリントされる立体画像のサイズでのみ調整可能であった飛び出し量をユーザが確認することが可能となる。
【0099】
なお、本実施の形態では、テンプレート画像として、見開きページの画像を例にとって説明したが、テンプレート画像はこれに限られない。例えば、単ページのテンプレート画像であっても良い。
【0100】
また、本実施の形態では、フォトブックのテンプレート内において立体画像のサイズおよび飛び出し量の調整を行う場合を例にとって説明したが、本発明は、必ずしもフォトブックを編集する場合に用いられる必要はなく、また、出力媒体は必ずしもプリントされる媒体である必要はない。本発明は、出力先における立体画像のサイズが、編集時の立体画像のサイズと異なる場合であればどのような場合に用いても良い。例えば、立体画像を編集するディスプレイのサイズと編集後の立体画像が出力されるディスプレイのサイズとが異なり、出力前後で表示される立体画像のサイズが変化する場合に立体画像を編集する場合に用いることができる。具体的には、携帯電話等の携帯端末により立体画像を編集して別の携帯端末に送信する場合に用いることができる。この場合、送信先の携帯端末のディスプレイサイズに関する情報を、通信またはユーザによる入力等の方法で取得して、出力先での飛び出し量調整可能範囲を演算する。また、PC等で3D映画を編集する場合等にも用いることができる。
【0101】
また、プリントされた立体画像は飛び出し量を調整することが不可能なため、プリントされる立体画像の飛び出し量やサイズ等を設定する場合においては、ディスプレイ等において立体画像を確認することが必須となる。その場合、必ずしもディスプレイに表示される立体画像のサイズとプリントされる立体画像のサイズとは同じにならない。すなわち、プリントされる立体画像における飛び出し量調整可能範囲と異なる飛び出し量調整可能範囲を有する立体画像を見ながら、プリントされる立体画像の飛び出し量を設定する場合が生じる。また、一般ユーザが、プリントされる立体画像のサイズで調整可能か否かを想定して飛び出し量を設定するのは困難である。そのため、プリントされる立体画像の飛び出し量を、ディスプレイ等を見て設定する場合において、本発明は特に好適に用いることができる。
【0102】
また、プリントされる立体画像のサイズより大きいサイズの表示部で立体画像の編集を行う場合は、表示される立体画像のサイズをプリントされる立体画像のサイズと同一とする態様としても良い。プリントされる立体画像のサイズと同サイズに表示すると、プリントされる立体画像における飛び出し量調整可能範囲と、表示部に表示される立体画像における飛び出し量調整可能範囲とが一致する。そのため、ユーザは、プリントされる立体画像のサイズにおける飛び出し量調整可能範囲内でのみ立体画像の飛び出し量を調整することができる。
【0103】
なお、本実施の形態では、プリントされる立体画像の飛び出し量が、表示される立体画像の飛び出し量と異なる場合と、表示される立体画像の飛び出し量が、プリントされる立体画像では調整不可能な場合とに、それぞれ異なる形状の警告マークを表示する態様としたが、必ずしも警告マークの形状を異ならせる必要はない。どちらも同じ警告マークを表示しても良いし、警告マークの色のみを異ならせる態様としてもよい。また、警告マークは本実施の形態で示した形状と別の形状でもよい。
【0104】
なお、本実施の形態では、調整可能なずれ量の最大値を立体画像の横方向の長さに対して5%と定義したが、必ずしも5%となるわけではない。例えば、立体画像を見る人間の目の間隔に応じて立体視可能なずれ量の最大値は異なる。
【0105】
なお、本実施の形態では、図11〜図14において、テンプレート画像120およびテンプレート画像120内に配置された画像を順に拡大する例を示したが、必ずしもこの順に拡大する必要はない。例えば、表示される立体画像で調整不可能な飛び出し量が設定されることに伴い、図11に示す編集画面から図14に示す立体画像の全画面表示に切り替える制御としても良い。
【0106】
なお、本実施の形態では、飛び出し量の調整はスクロールバーによって行うものとしたが、飛び出し量の調整に用いるインターフェースはこれに限られない。例えば、+−のボタン、数値の直接入力、大中小をドロップダウンリストから選択等の態様が考えられる。
【0107】
また、本実施の形態では、プリントされる立体画像における飛び出し量調整可能範囲を図中灰色の領域で示したが、プリントされる立体画像における飛び出し量調整可能範囲の表示方法はこれに限られない。例えば、バー144と同様の目盛り付きバーによって表す態様としても良い。
【0108】
なお、本実施の形態では、画像データを記憶する内部メモリ102とプリントサイズを記憶するプリントサイズ記憶メモリ113とを別のメモリとして説明を行ったが、必ずしも2つのメモリを設ける必要はない。1つのメモリに画像データおよびプリントサイズを記憶しても良い。
【0109】
また、画像表示制御部110は、表示部114に表示される立体画像のサイズにおける飛び出し量調整可能範囲と、プリントされる立体画像のサイズにおける飛び出し量調整可能範囲との共通の調整範囲外の飛び出し量が設定された場合に、表示部114に表示された立体画像のサイズの変更を促す警告を表示部114に表示させてもよい。この場合、共通の調整範囲内に飛び出し量が設定されるような画像サイズを提案することが望ましい。
【0110】
また、画像表示制御部110は、共通の調整範囲外の飛び出し量が設定された場合に、プリントされる立体画像のサイズの変更を促す警告を表示部114に表示させてもよい。この場合、共通の調整範囲内に飛び出し量が設定されるようなプリントサイズを提案することが望ましい。
【0111】
また、画像表示制御部110は、共通の調整範囲外の飛び出し量が設定された場合に、編集中の立体画像の変更を促す警告を表示部114に表示させてもよい。この場合、編集中の立体画像と同じような構図を持ち、編集中の立体画像よりも立体感を出せる他の立体画像をピックアップして提案することが望ましい。
【0112】
また、飛び出し量調整部108は、複数の立体画像の飛び出し量を一括で同じ飛び出し量に調整してもよい。この場合、飛び出し量の調整範囲は、飛び出し量を一括調整する全ての立体画像における飛び出し量調整可能範囲で共通する調整範囲とする、もしくは、共通の調整範囲に制限することが望ましい。例えば、飛び出し量の調整範囲を、サイズが最も小さい立体画像における飛び出し量調整可能範囲に合わせることが考えられる。
【0113】
図15に示すように、例えば、複数のページからなるフォトブックの1ページごとに、そのページに含まれる全ての立体画像160,162,164の飛び出し量を一括で調整するための飛び出し量を設定するスクロールバー166を設ける。この場合、ユーザにより、そのページのスクロールバー166を用いて飛び出し量が設定されると、飛び出し量調整部108は、そのページに含まれる全ての立体画像160,162,164の飛び出し量をユーザにより設定された飛び出し量に一括で調整する。
【0114】
このように、フォトブックのページ単位で飛び出し量を一括調整することにより、同一ページに含まれる複数の立体画像の飛び出し量にまとまりを出すことができ、見やすさを向上させることができる。
【0115】
なお、上記例のように、フォトブックの単一のページに含まれる複数の立体画像の飛び出し量を一括で調整するだけでなく、例えば、フォトブックに含まれる全ての立体画像の飛び出し量、見開きの2ページに含まれる複数の立体画像の飛び出し量、あるいは、単一のページまたは見開きの2ページに配置された複数の立体画像のうち、所定の領域内に含まれる複数の立体画像の飛び出し量を一括で調整することも可能である。
【0116】
上記の所定の領域は、例えば、単一ページまたは見開きの2ページの上半分の領域、下半分の領域等であり、あらかじめ設定された固定の領域であってもよいし、ユーザによりユーザ入力部116を介して入力された任意の領域でもよい。
【0117】
ところで、上記のように、複数の立体画像の飛び出し量を一括で調整する場合に、飛び出し量の調整範囲を、飛び出し量を一括調整する全ての立体画像における飛び出し量調整可能範囲で共通の調整範囲にすると、設定可能な飛び出し量の範囲が制限されてしまうという課題がある。例えば、ある立体画像の飛び出し量を大きく設定したいが、その場合、他の立体画像の飛び出し量の上限を超えてしまうので設定できないなどである。
【0118】
そこで、ある立体画像の飛び出し量調整可能範囲内で飛び出し量の設定を大きくした場合に、飛び出し量が一括調整されることによって、他の立体画像の飛び出し量が、その飛び出し量調整可能範囲を超える場合には、例えば、飛び出し量が飛び出し量調整可能範囲を超える立体画像から、飛び出し量が大きい領域を切り取ることが考えられる。立体画像から飛び出し量が大きい領域を切り取ることにより、その残りの領域、つまり、切り取った後の立体画像の全体の飛び出し量を小さく抑えることができる。
【0119】
図16および図17は、立体画像とその視差マップを示す図である。図17に示す視差マップは、図16に示す立体画像の右目用画像および左目用画像の各対応画素の視差を可視化したものである。視差マップは、例えば、視差が最大の画素を赤色、視差が最小の画素を青色、その中間の視差の画素を赤色〜青色の中間色というように、視差に応じて疑似カラーないしグレースケールで表示される。
【0120】
図16に示す立体画像は、図17に示す視差マップから、その左部の壁の領域における視差が最も大きく、続いて中央部の人物の領域、その背景の領域の順序で視差が次第に小さくなっていることが分かる。立体画像では、撮影距離(撮影装置から被写体までの距離)が短くなるほど視差が大きくなり、視差が大きくなるほど飛び出し量が大きくなる。つまり、図16に示す立体画像では、壁の領域の飛び出し量が最も大きい。
【0121】
そこで、ある立体画像の飛び出し量を大きくするために、飛び出し量の設定を大きくした場合に、飛び出し量が一括調整されることによって図16に示す立体画像の飛び出し量が上限を超えた場合には、図18に点線で囲んで示すように、図16に示す立体画像から、飛び出し量が最も大きい壁の領域を切り取ることにより、その残りの領域、つまり、切り取り後の立体画像全体の飛び出し量を小さく抑えることができる。
【0122】
なお、立体画像の一部を切り取ることに限らず、例えば、表示部114に表示される立体画像のサイズを小さくすることにより立体画像の飛び出し量を小さく抑えることもできる。つまり、表示分114に表示される立体画像のサイズを小さくすることにより視差を小さくすることができ、視差が小さくなることにより立体画像の飛び出し量を小さく抑えることができる。
【0123】
上記実施形態では、フォトブックを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば、カレンダーなどの商材のように、複数のページからなる、あらゆる画像コンテンツに適用することができる。
【0124】
上記実施の形態における各構成は、主に中央演算装置(CPU)とCPUに各種の処理を行わせるためのソフトウェアとによって構成されるが、これらをデジタル回路またはアナログ回路で構成しても良い。なお、ソフトウェアは、図示しない内部メモリに記憶される。
【0125】
また、本発明の実施の形態について説明した立体画像編集装置の各機能に対応してコンピュータを動作させるプログラム、すなわち、本発明の立体画像編集装置の各機能をコンピュータに実現させるプログラム、またはコンピュータを本発明の立体画像編集装置の各手段として機能させるプログラム、もしくは本発明の立体画像編集方法の各ステップを手順としてコンピュータに実行させるプログラムも、本発明の実施の形態の1つである。また、そのようなプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の実施の形態の1つである。
【0126】
なお、以上説明した本発明に係る実施の形態は、本発明の一例を示すものであり、本発明の構成を限定するものではない。本発明に係る立体画像編集装置および立体画像編集方法は、上記実施の形態に限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲で種々変更して実施することが可能である。
例えば、表示部114がタッチパネル等で構成されている場合には、上述したユーザ入力部116のマウス等による操作をユーザの指等で行っても良い。
【産業上の利用可能性】
【0127】
本発明に係る立体画像編集装置および立体画像編集方法は、プリントする立体画像を編集する場合や、立体画像の映画を編集する場合、立体画像を撮影できるデジタルカメラ等にも用いることができる。
【符号の説明】
【0128】
100 立体画像編集装置
106 画像出力部
108 飛び出し量調整部
110 画像表示制御部
112 飛び出し量調整範囲演算部
113 プリントサイズ記憶メモリ
114 表示部
116 ユーザ入力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部に表示される立体画像を編集し、前記表示部と異なる出力媒体に前記立体画像を出力する立体画像編集装置であって、
前記表示部に表示される前記立体画像の第1サイズにおける飛び出し量の調整可能な範囲である第1調整範囲の演算、および前記出力媒体に出力される前記立体画像の第2サイズにおける飛び出し量の調整可能な範囲である第2調整範囲の演算、を行う演算手段と、
編集中の前記立体画像の飛び出し量に対し、前記第1調整範囲および前記第2調整範囲に基づく調整を行う調整手段と、を具備する立体画像編集装置。
【請求項2】
さらに、前記第1調整範囲および前記第2調整範囲を同時に前記表示部に表示させる表示制御手段を具備する請求項1に記載の立体画像編集装置。
【請求項3】
さらに、編集中の前記立体画像の飛び出し量の設定を、前記第1調整範囲または前記第2調整範囲内で入力するための入力手段を具備する請求項2に記載の立体画像編集装置。
【請求項4】
前記調整手段は、
前記第1調整範囲および前記第2調整範囲の共通の調整範囲外の飛び出し量が設定された場合、編集中の前記立体画像の飛び出し量が前記共通の調整範囲内となるように調整する請求項3に記載の立体画像編集装置。
【請求項5】
前記調整手段は、
前記第1サイズと前記第2サイズの大小関係に応じて異なる調整を行う請求項3に記載の立体画像編集装置。
【請求項6】
前記調整手段は、
前記第1調整範囲と前記第2調整範囲との間に不一致がある場合、編集中の前記立体画像の飛び出し量を、前記第1調整範囲および前記第2調整範囲の共通の調整範囲内に調整する請求項5に記載の立体画像編集装置。
【請求項7】
前記調整手段は、
前記第1サイズよりも前記第2サイズが小さい場合、前記飛び出し量の設定の入力範囲を前記第2調整範囲内に限定する請求項5に記載の立体画像編集装置。
【請求項8】
さらに、前記第2サイズよりも前記第1サイズが小さく、前記飛び出し量が前記第1調整範囲および前記第2調整範囲の共通の調整範囲外に設定された場合、前記調整手段によって調整された飛び出し量が前記第1調整範囲内に含まれるように、編集中の前記立体画像のサイズを拡大させる拡大手段を具備する請求項5に記載の立体画像編集装置。
【請求項9】
前記表示制御手段は、
前記第1調整範囲および前記第2調整範囲の共通の調整範囲外の飛び出し量が設定された場合、前記表示部に警告を行わせる請求項3に記載の立体画像編集装置。
【請求項10】
前記表示制御手段は、
前記第1サイズの変更を促す警告を前記表示部に行わせる請求項9に記載の立体画像編集装置。
【請求項11】
前記表示制御手段は、
前記第2サイズの変更を促す警告を前記表示部に行わせる請求項9に記載の立体画像編集装置。
【請求項12】
前記表示制御手段は、
編集中の前記立体画像の変更を促す警告を前記表示部に行わせる請求項9に記載の立体画像編集装置。
【請求項13】
前記調整手段は、複数の前記立体画像の飛び出し量を一括で同じ飛び出し量に調整する請求項1に記載の立体画像編集装置。
【請求項14】
前記調整手段は、サイズが最も小さい立体画像の飛び出し量の調整範囲内での飛び出し量の設定に応じて、複数の前記立体画像の飛び出し量を一括で調整する請求項13に記載の立体画像編集装置。
【請求項15】
前記調整手段は、第1の立体画像の飛び出し量の調整範囲内で前記飛び出し量の設定が大きくされた場合に、第2の立体画像の飛び出し量が、前記第2の立体画像の飛び出し量の調整範囲を超える場合には、前記第2の立体画像から飛び出し量が大きい領域を切り取ることにより、前記第2の立体画像から前記飛び出し量が大きい領域を切り取った領域の飛び出し量を小さく抑える請求項13に記載の立体画像編集装置。
【請求項16】
前記調整手段は、複数のページからなる画像コンテンツの各々の前記ページに配置された複数の前記立体画像の飛び出し量を一括で調整するものである請求項13に記載の立体画像編集装置。
【請求項17】
前記調整手段は、前記画像コンテンツに含まれる全ての前記立体画像の飛び出し量、単一のページに含まれる複数の前記立体画像の飛び出し量、見開きの2ページに含まれる複数の前記立体画像の飛び出し量、および、前記単一のページまたは前記見開きの2ページに配置された複数の前記立体画像のうち、所定の領域内に含まれる複数の前記立体画像の飛び出し量のいずれかを一括で調整する請求項16に記載の立体画像編集装置。
【請求項18】
表示部に表示される立体画像を編集し、前記表示部と異なる出力媒体に前記立体画像を出力する立体画像編集方法であって、
前記表示部に表示される前記立体画像の第1サイズにおける飛び出し量の調整可能な範囲である第1調整範囲の演算、および前記出力媒体に出力される前記立体画像の第2サイズにおける飛び出し量の調整可能な範囲である第2調整範囲の演算、を行う演算ステップと、
編集中の前記立体画像の飛び出し量に対し、前記第1調整範囲および前記第2調整範囲に基づく調整を行う調整ステップと、を具備する立体画像編集方法。
【請求項19】
表示部に表示される立体画像を編集し、前記表示部と異なる出力媒体に前記立体画像を出力する立体画像編集プログラムであって、
前記表示部に表示される前記立体画像の第1サイズにおける飛び出し量の調整可能な範囲である第1調整範囲の演算、および前記出力媒体に出力される前記立体画像の第2サイズにおける飛び出し量の調整可能な範囲である第2調整範囲の演算、を行う演算ステップと、
編集中の前記立体画像の飛び出し量に対し、前記第1調整範囲および前記第2調整範囲に基づく調整を行う調整ステップと、をコンピュータに実行させる立体画像編集プログラム。
【請求項20】
請求項19に記載の各々のステップを前記コンピュータに実行させる立体画像編集プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−95275(P2012−95275A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−178012(P2011−178012)
【出願日】平成23年8月16日(2011.8.16)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】