立体画像表示装置
【課題】簡易な構成で視点数を増大させることができるようにする。
【解決手段】複数の表示部21による画像を投影光学系23、29により多重結像して立体画像を表示する。また表示部21では、フラットパネルディスプレイ22の出射面にレンチキュラレンズ24を配置し、フラットパネルディスプレイ22、レンチキュラレンズ24で多視点画像を表示する。
【解決手段】複数の表示部21による画像を投影光学系23、29により多重結像して立体画像を表示する。また表示部21では、フラットパネルディスプレイ22の出射面にレンチキュラレンズ24を配置し、フラットパネルディスプレイ22、レンチキュラレンズ24で多視点画像を表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロジェクション型の立体画像表示装置に関する。本発明は、複数の表示部で表示した画像を投影光学系により多重結像して立体画像を表示する構成において、各表示部でそれぞれ多視点画像を表示することにより、簡易な構成で視点数を増大させることができるようにする。
【背景技術】
【0002】
従来、調節輻輳矛盾に起因する眼精疲労を防止して自然な立体画像を表示する方法として、超多眼表示、高密度指向性表示の方法が知られている。またこれら超多眼表示、高密度指向性表示の立体画像表示装置として、プロジェクション型とフラットパネル型が提案されている。
【0003】
ここで図7は、プロジェクション型立体画像表示装置の一例を示す斜視図である。この立体画像表示装置1は、液晶表示パネル等による2次元ディスプレイ2の前面に投影レンズ3、開口4を順次配置して1つの投影光学系が構成され、共有レンズ5を介して各投影光学系の出射光を垂直方向拡散板6に結像する。立体画像表示装置1は、これら2次元ディスプレイ2、投影光学系、共有レンズ5により水平方向に連続する各表示方向に対して選択的に対応する2次元画像を表示して立体画像を表示する。
【0004】
このため立体画像表示装置1は、各表示方向に画像を表示するように、2次元ディスプレイ2、投影光学系が水平方向に順次シフトして配置される。なおこの図7の例において、隣接する水平表示方向に係る2次元ディスプレイ2は、垂直方向に異なる位置に配置されるように2次元ディスプレイアレイ7に纏められ、これにより多数の2次元ディスプレイ2を配置することを可能にしている。また矢印により示すように、2次元ディスプレイアレイ7の構成に対応して各投影光学系の投影レンズ3、開口4がそれぞれレンズアレイ8、開口アレイ9に纏められる。垂直方向拡散板6は、垂直方向についてのみ、選択的に拡散性を有する透明板材であり、例えばシート状のレンチキュラレンズにより構成される。
【0005】
これに対して図8は、フラットパネル型立体画像表示装置の一例を示す斜視図である。この立体画像表示装置11は、液晶表示パネル等によるフラットパネルディスプレイ12の前面にシート状のレンチキュラレンズ13が配置される。
【0006】
ここで矢印により部分的に拡大して示すように、フラットパネルディスプレイ12は、カラー画像の1画素を構成する複数の色画素(サブ画素である)が、行方向(水平方向)及び列方向(垂直方向)に順次循環的に配置される。フラットパネルディスプレイ12は、同一色の色画素が、開口部が水平方向に連続するように、行方向及び列方向に順次循環的に配置される。レンチキュラレンズ13は、垂直方向に延長する凸レンズ形状のシリンドリカルレンズ14が水平方向に繰り返されて構成され、各画素からの出射光を対応する視点の方向に選択的に出射する。
【0007】
立体画像表示装置11では、このレンチキュラレンズ13により、フラットパネルディスプレイ12の水平方向に連続する各画素に対して、順次循環的に各視点に対応する水平視差を与えて立体画像を表示する。
【0008】
なおこの図8の構成では、水平方向に順次オフセットして各色画素が垂直方向にN個周期で順次配置され、水平方向に連続する3M個の色画素に1つのシリンドリカルレンズ14が割り当てられる。その結果、立体画像表示装置11では、同一色の色画素が斜め方向に連続するように配置され、これにより水平方向に多数の視点(この図8の例では、MN個の視点)を作成する場合にあっても、水平方向についてのみフラットパネルディスプレイ12に極端に高い解像度が必要にならないように設定できる。なおこのように斜め方向に連続するように各色画素を配置する代わりに、フラットパネルディスプレイ12に対してレンチキュラレンズを斜めに傾けてもよい。なお、本件特許出願人は、本件発明に関連する文献公知発明が記載された刊行物として、以下の技術文献を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2003−140083号公報
【特許文献2】特開2009−48134号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところでこの種の立体画像表示装置では、視点数(立体視に供する画像数)、解像度を増大させることにより高性能化し、自然な立体表示を実現することができる。プロジェクション型立体画像表示装置では、投影光学系、2次元ディスプレイ2の系統数の増大により視点数を増大させることができ、また2次元ディスプレイ2の解像度の増大により、立体表示に係る解像度を増大させることができる。従ってプロジェクション型では、視点数と解像度とを任意に設定することができる。しかしながらプロジェクション型で視点数を増大させる場合、結局、増大させる視点数の数だけ、投影光学系、2次元ディスプレイ2の数を増大させることが必要になり、これにより構成が複雑になる問題がある。
【0011】
これに対してフラットパネル型立体画像表示装置11では、プロジェクション型に比して構成を簡略化できるものの、視点数と解像度とがトレードオフの関係にあることから、視点数を増大させると解像度が低下することになる。従って解像度を低下させることなく視点数を増大させるためには、結局、フラットパネルディスプレイ12を極めて高精細に作製することが必要になる問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明では、上述の課題に鑑みてなされたものであり、簡易な構成で視点数を増大させることができる立体画像表示装置を提供することにある。すなわち、本発明は、以下の技術的事項から構成される。
(1)請求項1の発明は、
水平方向に連続する各視点に対して選択的に対応する2次元画像を表示して立体画像を表示する立体画像表示装置において、
それぞれ多視点画像を表示する複数の表示部と、
前記複数の表示部からの出射光を入射して出射し、前記多視点画像を多重結像し、前記視点の位置において、前記複数の表示部の視点群が水平方向に順次連続するように設定する投影光学系とを備え、
前記表示部は、
それぞれ水平方向及び垂直方向に画素が順次配置された画像発生源と、
前記画像発生源の出射面に配置されて、前記画像発生源の各画素からの出射光に、順次循環的に対応する水平視差を与えて前記多視点画像を生成するレンチキュラレンズ又はパララックスバリアとを有することを特徴とする立体画像表示装置。
【0013】
(2)請求項2の発明は、
前記投影光学系は、前記表示部にそれぞれ対応する複数の投影レンズと、前記投影レンズの瞳を前記視点の位置に投影するスクリーンレンズと、前記スクリーンレンズの出射光を垂直方向に拡散させる垂直方向拡散板とを有することを特徴とする(1)に記載の立体画像表示装置。
【0014】
(3)請求項3の発明は、
前記表示部は、レンチキュラレンズ又はパララックスバリアと前記投影光学系の間に、プリズムを有することを特徴とする(1)又は(2)に記載の立体画像表示装置。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、簡易な構成で視点数を増大させることができる立体画像表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る立体画像表示装置を示す斜視図である。
【図2】図1の立体画像表示装置を水平方向に断面を取って示す断面図である。
【図3】図1の立体画像表示装置を垂直方向に断面を取って示す断面図である。
【図4】プリズムを用いた立体画像表示装置の例を示す斜視図である。
【図5】図4の立体画像表示装置を水平方向に断面を取って示す断面図である。
【図6】図1の立体画像表示装置のレンズアレイを示す平面図である。
【図7】従来のプロジェクション型立体画像表示装置の一例を示す斜視図である。
【図8】従来のフラットパネル型立体画像表示装置の一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る実施形態の一例について説明する。
【0018】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る立体画像表示装置を示す斜視図であり、図2及び図3は、水平方向及び垂直方向にそれぞれ断面を取って示す立体画像表示装置20の断面図である。この立体画像表示装置20は、複数の表示部21でそれぞれ多視点画像を表示し、この多視点画像をマルチプロジェクション光学系で多重結像する。
【0019】
ここでこれら複数の表示部21は、それぞれ画像発生源であるフラットパネルディスプレイ22の前面に、レンチキュラレンズ24を配置して構成される。ここでフラットパネルディスプレイ22、レンチキュラレンズ24は、フラットパネル型立体画像表示装置に使用する各種フラットパネルディスプレイ、レンチキュラレンズを広く適用することができるものの、この実施の形態では、図8について上述したフラットパネルディスプレイ12、レンチキュラレンズ13が適用される。なおフラットパネルディスプレイの代わりに画像発生源として、プロジェクタの表示画像を投影したスクリーンを用いることもできる。またレンチキュラレンズの代わりにパララックスバリアを用いることもできる。
【0020】
立体画像表示装置20は、レンチキュラレンズ24の前面にそれぞれ投影レンズ23が配置され、レンチキュラレンズ24による多視点画像の視点群が、投影レンズ23の瞳面に形成される(図6参照)。なお投影レンズ23内には、視点群以外の光を遮光する開口が設置される。立体画像表示装置20は、これらの投影レンズ23により複数のフラットパネルディスプレイ22でそれぞれ生成した多視点画像を共通スクリーン28に多重結像する。立体画像表示装置20は、投影レンズ23の瞳の開口部分が順次水平方向に密接して連続するように、換言すればフラットパネルディスプレイ22によって共通スクリーン28上に作成される視点群が水平方向に順次連続するように(図6参照)、フラットパネルディスプレイ22及び投影レンズ23が順次水平方向にシフトした変形2次元配置により配置される。またフラットパネルディスプレイ22及び投影レンズ23は、それぞれ2次元ディスプレイアレイ25、レンズアレイ26に纏められて配置される。なお色画素を斜め方向に配置する代わりに、レンチキュラレンズ24を斜めに傾けても良く、この場合には、レンチキュラレンズ24による視点群が斜め方向に形成されるため、投影レンズ23内に設置する開口も斜めに傾ける。
【0021】
共通スクリーン28は、スクリーンレンズ29及び垂直方向拡散板30で構成される。ここでスクリーンレンズ29は、投影レンズ23の瞳をこの立体画像表示装置20の視点位置に結像する。垂直方向拡散板30は、出射光を垂直方向に拡散し、これにより視域を垂直方向に広げ、投影レンズ23の垂直位置に起因する視点位置の相違を解消する。なおこの図1の例では、スクリーンレンズ29を投影レンズ23側に、垂直方向拡散板30を観察者側に配置しているが、逆に配置することも可能である。
【0022】
なおレンチキュラレンズ24による多視点映像の視点を投影レンズ23の瞳面に形成することは、レンチキュラレンズ24をフラットパネルディスプレイ22に対してレンズシフトすることで実現できる。あるいは図1との対比により図4に示すように、レンチキュラレンズ24(又はパララックスバリア)と投影レンズ23の間にプリズムを設置することでも実現できる。この図4の例では、図5に示すように、プリズムにより出射光の光路を折り曲げることになり、レンチキュラレンズ24をフラットパネルディスプレイ22に対してレンズシフトする必要がなくなる。従ってフラットパネルディスプレイ22に対するレンチキュラレンズ24の構成を各部で共通化することができる。
【0023】
以上の構成によれば、複数の表示部で表示した画像を投影光学系により多重結像して立体画像を表示する構成において、各表示部でそれぞれ多視点画像を表示することにより、簡易な構成で視点数を増大させることができる。
【0024】
またこの投影光学系を、複数の投影レンズと、投影レンズの瞳を視点の位置に投影するスクリーンレンズと、スクリーンレンズの出射光を垂直方向に拡散させる垂直方向拡散板とにより構成することにより、プロジェクション型立体画像表示装置の構成を有効に利用して構成を簡略化することができる。
【0025】
なお本発明は、上述の実施の形態に限定されるものでは無く、その趣旨を逸脱しない範囲で、上述の実施の形態に種々の変形を加えた形態とすることができる。
【0026】
具体的に、上述の実施の形態においては、フラットパネルディスプレイ毎に投影レンズを設ける場合について述べたが、本発明はこれに限らず、それぞれのフラットパネルディスプレイに複数の投影レンズを配置し、構成を簡略化してもよい。
【符号の説明】
【0027】
1、11、20 立体画像表示装置
2 2次元ディスプレイ
3、23 投影レンズ
4 開口
5 共有レンズ
6、30 垂直方向拡散板
7、25 2次元ディスプレイアレイ
8、26 レンズアレイ
9 開口アレイ
12、22 フラットパネルディスプレイ
13、24 レンチキュラレンズ
14 シリンドリカルレンズ
21 表示部
28 共通スクリーン
29 スクリーンレンズ
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロジェクション型の立体画像表示装置に関する。本発明は、複数の表示部で表示した画像を投影光学系により多重結像して立体画像を表示する構成において、各表示部でそれぞれ多視点画像を表示することにより、簡易な構成で視点数を増大させることができるようにする。
【背景技術】
【0002】
従来、調節輻輳矛盾に起因する眼精疲労を防止して自然な立体画像を表示する方法として、超多眼表示、高密度指向性表示の方法が知られている。またこれら超多眼表示、高密度指向性表示の立体画像表示装置として、プロジェクション型とフラットパネル型が提案されている。
【0003】
ここで図7は、プロジェクション型立体画像表示装置の一例を示す斜視図である。この立体画像表示装置1は、液晶表示パネル等による2次元ディスプレイ2の前面に投影レンズ3、開口4を順次配置して1つの投影光学系が構成され、共有レンズ5を介して各投影光学系の出射光を垂直方向拡散板6に結像する。立体画像表示装置1は、これら2次元ディスプレイ2、投影光学系、共有レンズ5により水平方向に連続する各表示方向に対して選択的に対応する2次元画像を表示して立体画像を表示する。
【0004】
このため立体画像表示装置1は、各表示方向に画像を表示するように、2次元ディスプレイ2、投影光学系が水平方向に順次シフトして配置される。なおこの図7の例において、隣接する水平表示方向に係る2次元ディスプレイ2は、垂直方向に異なる位置に配置されるように2次元ディスプレイアレイ7に纏められ、これにより多数の2次元ディスプレイ2を配置することを可能にしている。また矢印により示すように、2次元ディスプレイアレイ7の構成に対応して各投影光学系の投影レンズ3、開口4がそれぞれレンズアレイ8、開口アレイ9に纏められる。垂直方向拡散板6は、垂直方向についてのみ、選択的に拡散性を有する透明板材であり、例えばシート状のレンチキュラレンズにより構成される。
【0005】
これに対して図8は、フラットパネル型立体画像表示装置の一例を示す斜視図である。この立体画像表示装置11は、液晶表示パネル等によるフラットパネルディスプレイ12の前面にシート状のレンチキュラレンズ13が配置される。
【0006】
ここで矢印により部分的に拡大して示すように、フラットパネルディスプレイ12は、カラー画像の1画素を構成する複数の色画素(サブ画素である)が、行方向(水平方向)及び列方向(垂直方向)に順次循環的に配置される。フラットパネルディスプレイ12は、同一色の色画素が、開口部が水平方向に連続するように、行方向及び列方向に順次循環的に配置される。レンチキュラレンズ13は、垂直方向に延長する凸レンズ形状のシリンドリカルレンズ14が水平方向に繰り返されて構成され、各画素からの出射光を対応する視点の方向に選択的に出射する。
【0007】
立体画像表示装置11では、このレンチキュラレンズ13により、フラットパネルディスプレイ12の水平方向に連続する各画素に対して、順次循環的に各視点に対応する水平視差を与えて立体画像を表示する。
【0008】
なおこの図8の構成では、水平方向に順次オフセットして各色画素が垂直方向にN個周期で順次配置され、水平方向に連続する3M個の色画素に1つのシリンドリカルレンズ14が割り当てられる。その結果、立体画像表示装置11では、同一色の色画素が斜め方向に連続するように配置され、これにより水平方向に多数の視点(この図8の例では、MN個の視点)を作成する場合にあっても、水平方向についてのみフラットパネルディスプレイ12に極端に高い解像度が必要にならないように設定できる。なおこのように斜め方向に連続するように各色画素を配置する代わりに、フラットパネルディスプレイ12に対してレンチキュラレンズを斜めに傾けてもよい。なお、本件特許出願人は、本件発明に関連する文献公知発明が記載された刊行物として、以下の技術文献を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2003−140083号公報
【特許文献2】特開2009−48134号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところでこの種の立体画像表示装置では、視点数(立体視に供する画像数)、解像度を増大させることにより高性能化し、自然な立体表示を実現することができる。プロジェクション型立体画像表示装置では、投影光学系、2次元ディスプレイ2の系統数の増大により視点数を増大させることができ、また2次元ディスプレイ2の解像度の増大により、立体表示に係る解像度を増大させることができる。従ってプロジェクション型では、視点数と解像度とを任意に設定することができる。しかしながらプロジェクション型で視点数を増大させる場合、結局、増大させる視点数の数だけ、投影光学系、2次元ディスプレイ2の数を増大させることが必要になり、これにより構成が複雑になる問題がある。
【0011】
これに対してフラットパネル型立体画像表示装置11では、プロジェクション型に比して構成を簡略化できるものの、視点数と解像度とがトレードオフの関係にあることから、視点数を増大させると解像度が低下することになる。従って解像度を低下させることなく視点数を増大させるためには、結局、フラットパネルディスプレイ12を極めて高精細に作製することが必要になる問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明では、上述の課題に鑑みてなされたものであり、簡易な構成で視点数を増大させることができる立体画像表示装置を提供することにある。すなわち、本発明は、以下の技術的事項から構成される。
(1)請求項1の発明は、
水平方向に連続する各視点に対して選択的に対応する2次元画像を表示して立体画像を表示する立体画像表示装置において、
それぞれ多視点画像を表示する複数の表示部と、
前記複数の表示部からの出射光を入射して出射し、前記多視点画像を多重結像し、前記視点の位置において、前記複数の表示部の視点群が水平方向に順次連続するように設定する投影光学系とを備え、
前記表示部は、
それぞれ水平方向及び垂直方向に画素が順次配置された画像発生源と、
前記画像発生源の出射面に配置されて、前記画像発生源の各画素からの出射光に、順次循環的に対応する水平視差を与えて前記多視点画像を生成するレンチキュラレンズ又はパララックスバリアとを有することを特徴とする立体画像表示装置。
【0013】
(2)請求項2の発明は、
前記投影光学系は、前記表示部にそれぞれ対応する複数の投影レンズと、前記投影レンズの瞳を前記視点の位置に投影するスクリーンレンズと、前記スクリーンレンズの出射光を垂直方向に拡散させる垂直方向拡散板とを有することを特徴とする(1)に記載の立体画像表示装置。
【0014】
(3)請求項3の発明は、
前記表示部は、レンチキュラレンズ又はパララックスバリアと前記投影光学系の間に、プリズムを有することを特徴とする(1)又は(2)に記載の立体画像表示装置。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、簡易な構成で視点数を増大させることができる立体画像表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る立体画像表示装置を示す斜視図である。
【図2】図1の立体画像表示装置を水平方向に断面を取って示す断面図である。
【図3】図1の立体画像表示装置を垂直方向に断面を取って示す断面図である。
【図4】プリズムを用いた立体画像表示装置の例を示す斜視図である。
【図5】図4の立体画像表示装置を水平方向に断面を取って示す断面図である。
【図6】図1の立体画像表示装置のレンズアレイを示す平面図である。
【図7】従来のプロジェクション型立体画像表示装置の一例を示す斜視図である。
【図8】従来のフラットパネル型立体画像表示装置の一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る実施形態の一例について説明する。
【0018】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る立体画像表示装置を示す斜視図であり、図2及び図3は、水平方向及び垂直方向にそれぞれ断面を取って示す立体画像表示装置20の断面図である。この立体画像表示装置20は、複数の表示部21でそれぞれ多視点画像を表示し、この多視点画像をマルチプロジェクション光学系で多重結像する。
【0019】
ここでこれら複数の表示部21は、それぞれ画像発生源であるフラットパネルディスプレイ22の前面に、レンチキュラレンズ24を配置して構成される。ここでフラットパネルディスプレイ22、レンチキュラレンズ24は、フラットパネル型立体画像表示装置に使用する各種フラットパネルディスプレイ、レンチキュラレンズを広く適用することができるものの、この実施の形態では、図8について上述したフラットパネルディスプレイ12、レンチキュラレンズ13が適用される。なおフラットパネルディスプレイの代わりに画像発生源として、プロジェクタの表示画像を投影したスクリーンを用いることもできる。またレンチキュラレンズの代わりにパララックスバリアを用いることもできる。
【0020】
立体画像表示装置20は、レンチキュラレンズ24の前面にそれぞれ投影レンズ23が配置され、レンチキュラレンズ24による多視点画像の視点群が、投影レンズ23の瞳面に形成される(図6参照)。なお投影レンズ23内には、視点群以外の光を遮光する開口が設置される。立体画像表示装置20は、これらの投影レンズ23により複数のフラットパネルディスプレイ22でそれぞれ生成した多視点画像を共通スクリーン28に多重結像する。立体画像表示装置20は、投影レンズ23の瞳の開口部分が順次水平方向に密接して連続するように、換言すればフラットパネルディスプレイ22によって共通スクリーン28上に作成される視点群が水平方向に順次連続するように(図6参照)、フラットパネルディスプレイ22及び投影レンズ23が順次水平方向にシフトした変形2次元配置により配置される。またフラットパネルディスプレイ22及び投影レンズ23は、それぞれ2次元ディスプレイアレイ25、レンズアレイ26に纏められて配置される。なお色画素を斜め方向に配置する代わりに、レンチキュラレンズ24を斜めに傾けても良く、この場合には、レンチキュラレンズ24による視点群が斜め方向に形成されるため、投影レンズ23内に設置する開口も斜めに傾ける。
【0021】
共通スクリーン28は、スクリーンレンズ29及び垂直方向拡散板30で構成される。ここでスクリーンレンズ29は、投影レンズ23の瞳をこの立体画像表示装置20の視点位置に結像する。垂直方向拡散板30は、出射光を垂直方向に拡散し、これにより視域を垂直方向に広げ、投影レンズ23の垂直位置に起因する視点位置の相違を解消する。なおこの図1の例では、スクリーンレンズ29を投影レンズ23側に、垂直方向拡散板30を観察者側に配置しているが、逆に配置することも可能である。
【0022】
なおレンチキュラレンズ24による多視点映像の視点を投影レンズ23の瞳面に形成することは、レンチキュラレンズ24をフラットパネルディスプレイ22に対してレンズシフトすることで実現できる。あるいは図1との対比により図4に示すように、レンチキュラレンズ24(又はパララックスバリア)と投影レンズ23の間にプリズムを設置することでも実現できる。この図4の例では、図5に示すように、プリズムにより出射光の光路を折り曲げることになり、レンチキュラレンズ24をフラットパネルディスプレイ22に対してレンズシフトする必要がなくなる。従ってフラットパネルディスプレイ22に対するレンチキュラレンズ24の構成を各部で共通化することができる。
【0023】
以上の構成によれば、複数の表示部で表示した画像を投影光学系により多重結像して立体画像を表示する構成において、各表示部でそれぞれ多視点画像を表示することにより、簡易な構成で視点数を増大させることができる。
【0024】
またこの投影光学系を、複数の投影レンズと、投影レンズの瞳を視点の位置に投影するスクリーンレンズと、スクリーンレンズの出射光を垂直方向に拡散させる垂直方向拡散板とにより構成することにより、プロジェクション型立体画像表示装置の構成を有効に利用して構成を簡略化することができる。
【0025】
なお本発明は、上述の実施の形態に限定されるものでは無く、その趣旨を逸脱しない範囲で、上述の実施の形態に種々の変形を加えた形態とすることができる。
【0026】
具体的に、上述の実施の形態においては、フラットパネルディスプレイ毎に投影レンズを設ける場合について述べたが、本発明はこれに限らず、それぞれのフラットパネルディスプレイに複数の投影レンズを配置し、構成を簡略化してもよい。
【符号の説明】
【0027】
1、11、20 立体画像表示装置
2 2次元ディスプレイ
3、23 投影レンズ
4 開口
5 共有レンズ
6、30 垂直方向拡散板
7、25 2次元ディスプレイアレイ
8、26 レンズアレイ
9 開口アレイ
12、22 フラットパネルディスプレイ
13、24 レンチキュラレンズ
14 シリンドリカルレンズ
21 表示部
28 共通スクリーン
29 スクリーンレンズ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平方向に連続する各視点に対して選択的に対応する2次元画像を表示して立体画像を表示する立体画像表示装置において、
それぞれ多視点画像を表示する複数の表示部と、
前記複数の表示部からの出射光を入射して出射し、前記多視点画像を多重結像し、前記視点の位置において、前記複数の表示部の視点群が水平方向に順次連続するように設定する投影光学系とを備え、
前記表示部は、
それぞれ水平方向及び垂直方向に画素が順次配置された画像発生源と、
前記画像発生源の出射面に配置されて、前記画像発生源の各画素からの出射光に、順次循環的に対応する水平視差を与えて前記多視点画像を生成するレンチキュラレンズ又はパララックスバリアとを有する
ことを特徴とする立体画像表示装置。
【請求項2】
前記投影光学系は、
前記表示部にそれぞれ対応する複数の投影レンズと、
前記投影レンズの瞳を前記視点の位置に投影するスクリーンレンズと、
前記スクリーンレンズの出射光を垂直方向に拡散させる垂直方向拡散板とを有する
ことを特徴とする請求項1に記載の立体画像表示装置。
【請求項3】
前記表示部は、レンチキュラレンズ又はパララックスバリアと前記投影光学系の間に、プリズムを有する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の立体画像表示装置。
【請求項1】
水平方向に連続する各視点に対して選択的に対応する2次元画像を表示して立体画像を表示する立体画像表示装置において、
それぞれ多視点画像を表示する複数の表示部と、
前記複数の表示部からの出射光を入射して出射し、前記多視点画像を多重結像し、前記視点の位置において、前記複数の表示部の視点群が水平方向に順次連続するように設定する投影光学系とを備え、
前記表示部は、
それぞれ水平方向及び垂直方向に画素が順次配置された画像発生源と、
前記画像発生源の出射面に配置されて、前記画像発生源の各画素からの出射光に、順次循環的に対応する水平視差を与えて前記多視点画像を生成するレンチキュラレンズ又はパララックスバリアとを有する
ことを特徴とする立体画像表示装置。
【請求項2】
前記投影光学系は、
前記表示部にそれぞれ対応する複数の投影レンズと、
前記投影レンズの瞳を前記視点の位置に投影するスクリーンレンズと、
前記スクリーンレンズの出射光を垂直方向に拡散させる垂直方向拡散板とを有する
ことを特徴とする請求項1に記載の立体画像表示装置。
【請求項3】
前記表示部は、レンチキュラレンズ又はパララックスバリアと前記投影光学系の間に、プリズムを有する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の立体画像表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2011−2824(P2011−2824A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−114936(P2010−114936)
【出願日】平成22年5月19日(2010.5.19)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 社団法人映像情報メディア学会発行、映像情報メディア学会技術報告 Vol.33, No.16 ISSN 1342−6893、立体映像技術ヒューマンインフォメーション(平成21年3月17日発行)に記載。
【出願人】(504132881)国立大学法人東京農工大学 (595)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月19日(2010.5.19)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 社団法人映像情報メディア学会発行、映像情報メディア学会技術報告 Vol.33, No.16 ISSN 1342−6893、立体映像技術ヒューマンインフォメーション(平成21年3月17日発行)に記載。
【出願人】(504132881)国立大学法人東京農工大学 (595)
【Fターム(参考)】
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