説明

立体視画像表示装置

【課題】右目用画像および左目用画像の2枚の画像を用いて立体視画像を表示する立体視画像表示装置において、観察者がモニタを見る位置により立体視画像の立体感が変化しにくくする。
【解決手段】予め同一被写体に対して輻輳角θ=4°および2°で撮影した画像対のデータをデータ記憶部8bに記憶しておく。画像表示の際に、モニタ9の距離測定手段40において、モニタ9の表示面から観察者までの距離を測定する。画像対選択部8cは、測定した距離が70cm未満であった場合には、輻輳角θ=4°で撮影した画像対のデータをデータ記憶部8bからモニタ9に送信させ、距離が70cm以上であった場合には、輻輳角θ=2°で撮影した画像対のデータをデータ記憶部8bからモニタ9に送信させる。モニタ9は、データ記憶部8bから受信した画像対のデータを基に、乳房Mの立体視画像を表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、右目用画像および左目用画像の2枚の画像を用いて立体視画像を表示する立体視画像表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、右目用画像および左目用画像の2枚の画像を組み合わせて表示することにより、視差を利用して立体視できることが知られている。このような立体視できる画像(以下、立体視画像またはステレオ画像という)は、同一の被写体を異なる位置から撮影して取得された互いに視差のある複数の画像に基づいて生成される。
【0003】
そして、このような立体視画像の生成は、デジタルカメラやテレビなどの分野だけでなく、放射線画像撮影の分野においても利用されている。すなわち、被験者に対して互いに異なる方向から放射線を照射し、その被験者を透過した放射線を放射線画像検出器によりそれぞれ検出して互いに視差のある複数の放射線画像を取得し、これらの放射線画像に基づいて立体視画像を生成することが行われている。そして、このように立体視画像を生成することによって奥行感のある放射線画像を観察することができ、より診断に適した放射線画像を観察することができる。(例えば特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−110571号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、立体視画像を観察する場合、立体視画像を表示するモニタから観察者までの距離が長くなるにつれて、立体視画像の立体感(画像中の被写体が表示面からどれだけ飛び出して見えるか、もしくはどれだけ引っ込んで見えるか)が大きくなるという現象が発生する。
【0006】
ここで、この現象について説明する。図5は右目用画像および左目用画像において互いに視差のある被写体の立体感の程度を説明するための図、図6は表示面から観察者までの距離により立体感が変化することを示すグラフである。
【0007】
図5に示すように、表示面から観察者までの距離をDとすると、視差量がΔPの被写体Iの表示面からの飛び出し量ΔDは(1)式のように表される。なお、視差方向が逆転した場合には被写体Iは表示面から引っ込んで見えるようになり、このときの引っ込み量ΔDは(2)式のように表される。
ΔD=ΔP・D/P+ΔP (1)
ΔD=ΔP・D/P−ΔP (2)
【0008】
(1)式から分かる通り、被写体Iの表示面からの飛び出し量ΔDは、表示面から観察者までの距離Dに比例するため、表示面から観察者までの距離が長くなるにつれて、立体視画像の立体感が大きくなることになる。なお、視差方向が逆転した場合、すなわち引っ込み量ΔDについても同様に、表示面から観察者までの距離が長くなるにつれて、立体視画像の立体感が大きくなることになる。
【0009】
このような現象は、写真や映画等の一般的な立体視映像を鑑賞する場合には大きな問題とならないが、放射線画像診断のような医療系の分野において立体視画像を観察する場合には、観察者がモニタを見る位置によって患者の撮影部位の立体感が異なって見えるようになってしまうため、正確な診断を要する場合には好ましくない現象である。
【0010】
本発明は、上記の事情に鑑み、右目用画像および左目用画像の2枚の画像を用いて立体視画像を表示する立体視画像表示装置において、観察者がモニタを見る位置により立体視画像の立体感が変化しにくくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の立体視画像表示装置は、互いに視差のある右目用画像および左目用画像からなる画像対から構成される立体視画像を観察者に立体視可能に表示する表示手段と、表示手段から観察者までの距離を特定する距離特定手段と、同一被写体について異なる輻輳角で撮影された複数の画像対のデータを記憶する画像データ記憶手段と、画像データ記憶手段に記憶されている複数の画像対のデータの中から、前記距離が長くなる程、表示手段に表示する画像対として輻輳角が小さい画像対を選択する画像対選択手段とを備えてなることを特徴とするものである。
【0012】
ここで、距離特定手段は、前記距離を測定する測定手段を備え、測定手段により測定された距離を前記距離として特定するものとしてもよいし、前記距離に対応した情報の入力を受け付ける入力手段を備え、入力手段に入力された情報に基づいて距離を特定するものとしてもよい。
【0013】
ここで「距離に対応した情報」とは、距離値そのものであってもよいし、例えば、一人で観察する場合には近距離観察が想定されるため、表示手段から観察者までの距離として近距離範囲が設定された単独観察モード、カンファレンス等で複数人数で表示手段を囲んで観察する場合には遠距離観察が想定されるため、表示手段から観察者までの距離として遠距離範囲が設定された複数観察モード等といった、距離に対応した情報であってもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明の立体視画像表示装置によれば、同一被写体について異なる輻輳角で撮影された複数の画像対のデータを用意しておき、表示手段から観察者までの距離が長くなる程、表示手段に表示する画像対として輻輳角が小さい画像対、すなわち立体視画像の立体感が小さい画像対を選択するようにしたので、観察者がモニタを見る位置により立体視画像の立体感が変化しにくくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の立体視画像表示装置の一実施の形態を用いた乳房用立体視画像撮影表示システムの概略構成図
【図2】上記乳房用立体視画像撮影表示システムのアーム部を図1の右方向から見た図
【図3】上記乳房用立体視画像撮影表示システムのコンピュータ内部の概略構成を示すブロック図
【図4】上記乳房用立体視画像撮影表示システムのモニタの構成図
【図5】右目用画像および左目用画像において互いに視差のある被写体の立体感の程度を説明するための図
【図6】表示面から観察者までの距離により立体感が変化することを示すグラフ
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の立体視画像表示装置の一実施の形態を用いた乳房用立体視画像撮影表示システムについて説明する。まず、本実施の形態の乳房用立体視画像撮影表示システム全体の概略構成について説明する。図1は乳房用立体視画像撮影表示システムの概略構成を示す図、図2は上記乳房用立体視画像撮影表示システムのアーム部を図1の右方向から見た図、図3は上記乳房用立体視画像撮影表示システムのコンピュータ内部の概略構成を示すブロック図、図4は上記乳房用立体視画像撮影表示システムのモニタの構成図である。
【0017】
本実施形態の乳房用立体視画像撮影表示システム1は、図1に示すように、乳房画像撮影装置10と、乳房画像撮影装置10に接続されたコンピュータ8と、コンピュータ8に接続されたモニタ9および入力部7とを備えている。
【0018】
そして、乳房画像撮影装置10は、図1に示すように、基台11と、基台11に対し上下方向(Z方向)に移動可能であり、かつ回転可能な回転軸12と、回転軸12により基台11と連結されたアーム部13を備えている。なお、図2には、図1の右方向から見たアーム部13を示している。
【0019】
アーム部13はアルファベットのCの形をしており、その一端には撮影台14が、その他端には撮影台14と対向するように放射線照射部16が取り付けられている。アーム部13の回転および上下方向の移動は、基台11に組み込まれたアームコントローラ31により制御される。
【0020】
撮影台14の内部には、フラットパネルディテクタ等の放射線画像検出器15と、放射線画像検出器15からの電荷信号の読み出しを制御する検出器コントローラ33が備えられている。また、撮影台14の内部には、放射線画像検出器15から読み出された電荷信号を電圧信号に変換するチャージアンプや、チャージアンプから出力された電圧信号をサンプリングする相関2重サンプリング回路や、電圧信号をデジタル信号に変換するAD変換部などが設けられた回路基板なども設置されている。
【0021】
また、撮影台14はアーム部13に対し回転可能に構成されており、基台11に対してアーム部13が回転したときでも、撮影台14の向きは基台11に対し固定された向きとすることができる。
【0022】
放射線画像検出器15は、放射線画像の記録と読出しを繰り返して行うことができるものであり、放射線の照射を直接受けて電荷を発生する、いわゆる直接型の放射線画像検出器を用いてもよいし、放射線を一旦可視光に変換し、その可視光を電荷信号に変換する、いわゆる間接型の放射線画像検出器を用いるようにしてもよい。また、放射線画像信号の読出方式としては、TFT(thin film transistor)スイッチをオン・オフされることによって放射線画像信号が読みだされる、いわゆるTFT読出方式のものや、読取光を照射することによって放射線画像信号が読み出される、いわゆる光読出方式のものを用いることが望ましいが、これに限らずその他のものを用いるようにしてもよい。
【0023】
放射線照射部16の中には放射線源17と、放射線源コントローラ32が収納されている。放射線源コントローラ32は、放射線源17から放射線を照射するタイミングと、放射線源17における放射線発生条件(管電流、管電圧、時間等)を制御するものである。
【0024】
また、アーム部13の中央部には、撮影台14の上方に配置されて乳房Mを押さえつけて圧迫する圧迫板18と、その圧迫板18を支持する支持部20と、支持部20を上下方向(Z方向)に移動させる移動機構19が設けられている。圧迫板18の位置、圧迫圧は、圧迫板コントローラ34により制御される。
【0025】
コンピュータ8は、中央処理装置(CPU)および半導体メモリやハードディスクやSSD等のストレージデバイスなどを備えており、これらのハードウェアによって、図3に示すような制御部8a、データ記憶部8bおよび画像対選択部8cが構成されている。
【0026】
制御部8aは、各種のコントローラ31〜34に対して所定の制御信号を出力し、システム全体の制御を行うものである。具体的な制御方法については後で詳述する。
【0027】
データ記憶部8bは、同一被写体について異なる輻輳角で撮影された複数の画像対のデータ等を記憶するものである。
【0028】
画像対選択部8cは、データ記憶部8bに記憶されている複数の画像対のデータの中から、モニタ9に表示する画像対を選択する機能を有するものである。
【0029】
入力部7は、例えば、キーボードやマウスなどのポインティングデバイスから構成されたものであり、撮影条件や操作指示等の入力を受け付けるためのものである。
【0030】
モニタ9は、コンピュータ8から出力された2つの放射線画像信号(画像対のデータ)を用いて、撮影方向毎の放射線画像をそれぞれ2次元画像として表示することにより、立体視画像を立体視可能に表示するように構成されたものである。
【0031】
立体視画像を表示する構成としては、たとえば、2つの画面を用いて2つの放射線画像信号に基づく放射線画像をそれぞれ表示させて、これらをハーフミラーや偏光グラスなどを用いることで一方の放射線画像は観察者の右目に入射させ、他方の放射線画像は観察者の左目に入射させることによって立体視画像を表示する構成を採用することができる。
【0032】
または、たとえば、2つの放射線画像を所定の視差量だけずらして重ね合わせて表示し、これを偏光グラスで観察することで立体視画像を生成する構成としてもよいし、もしくはパララックスバリア方式およびレンチキュラー方式のように、2つの放射線画像を立体視可能な3D液晶に表示することによって立体視画像を生成する構成としてもよい。
【0033】
また、立体視画像を表示する装置と2次元画像を表示する装置とは別個に構成するようにしてもよいし、同じ画面上で表示できる場合には同じ装置として構成するようにしてもよい。
【0034】
このモニタ9は、モニタ9の表示面から観察者までの距離を測定する距離測定手段40を備えている。この距離測定手段40については、超音波距離センサー、レーザー距離センサー、もしくはステレオカメラにより撮影された画像中の特定の被写体について、画像間の視差により距離を算出するシステム等、どのようなものを用いてもよいが、特にステレオカメラを用いたシステムにおいて、既知の顔認識技術により画像中から観察者の顔(好ましくは目)を検出し、モニタ9の表示面から観察者の顔(好ましくは目)までの距離を算出するようにすれば、本発明の処理に即して正確に距離の測定を行うことができる。
【0035】
次に、本実施形態の乳房用立体視画像撮影表示システムの作用について説明する。
【0036】
まず、撮影の際の動作について説明する。
【0037】
最初に撮影台14の上に乳房Mが設置され、圧迫板18により乳房Mが所定の圧力によって圧迫される。
【0038】
次に、入力部7おいて、2つの異なる撮影方向がなす角度(以下、輻輳角θという)および輻輳角θを構成する撮影角度θ'の組み合わせを含む種々の撮影条件が入力された後、撮影開始の指示が入力される。
【0039】
そして、入力部7において撮影開始の指示があると、乳房Mの立体視画像の撮影が行われる。具体的には、まず、制御部8aが、輻輳角θと輻輳角θを構成する撮影角度θ'の情報をアームコントローラ31に出力する。なお、本実施形態においては、このときの輻輳角θの情報としてθ=4°、輻輳角θを構成する撮影角度θ’の組み合わせとしてθ’=±2°の組み合わせが入力されたものとするが、これに限られるものではなく、撮影者は入力部7において任意の輻輳角θを設定可能である。
【0040】
アームコントローラ31において、制御部8aから出力された撮影角度θ’の情報が受け付けられ、アームコントローラ31は、この撮影角度θ’の情報に基づいて、まず右目用の放射線画像を撮影するためにアーム部13を検出面15aに垂直な方向に対して+2°傾く撮影角度θ'となる制御信号を出力する。
【0041】
アームコントローラ31から出力された制御信号に応じてアーム部13が+2°の位置まで回転する。続いて制御部8aは、放射線源コントローラ32および検出器コントローラ33に対して放射線の照射と放射線画像信号の読出しを行うよう制御信号を出力する。この制御信号に応じて、放射線源17から放射線が照射され、乳房Mを撮影角度θ'が+2°の方向から撮影した放射線画像が放射線検出器15によって検出され、検出器コントローラ33によって放射線画像信号が読み出され、コンピュータ8のデータ記憶部8bに記憶される。
【0042】
続いて、まず左目用の放射線画像を撮影するためにアーム部13を検出面15aに垂直な方向に対して−2°傾く撮影角度θ'となる制御信号を出力する。
【0043】
アームコントローラ31から出力された制御信号に応じてアーム部13が−2°の位置まで回転する。続いて制御部8aは、放射線源コントローラ32および検出器コントローラ33に対して放射線の照射と放射線画像信号の読出しを行うよう制御信号を出力する。この制御信号に応じて、放射線源17から放射線が照射され、乳房Mを撮影角度θ'が−2°の方向から撮影した放射線画像が放射線検出器15によって検出され、検出器コントローラ33によって放射線画像信号が読み出され、コンピュータ8のデータ記憶部8bに記憶される。
【0044】
上記の通り、ユーザーに指定された輻輳角での撮影が終了した後、さらにユーザーに指定された輻輳角の半分の輻輳角で追加撮影を行う。本実施の形態においては、輻輳角θの情報としてθ=4°、輻輳角θを構成する撮影角度θ’の組み合わせとしてθ’=±2°の組み合わせが入力されているので、追加の撮影では、輻輳角θ=2°、輻輳角θを構成する撮影角度θ’の組み合わせとしてθ’=±1°の組み合わせで、上記と同様の手順で追加撮影を行う。
【0045】
その結果、データ記憶部8bには、同一被写体について輻輳角θ=4°で撮影した画像対(右目用放射線画像および左目用放射線画像)のデータと、輻輳角θ=2°で撮影した画像対のデータが記憶されることになる。
【0046】
次に、立体視画像表示の際の動作について説明する。
【0047】
上記で説明の通り、立体視画像を観察する場合、立体視画像を表示するモニタ9から観察者までの距離が長くなるにつれて、立体視画像の立体感が大きくなるという現象が発生する。このような現象は、放射線画像診断のような医療系の分野において立体視画像を観察する場合には、観察者がモニタ9を見る位置によって患者の撮影部位の立体感が異なって見えるようになってしまうため、正確な診断を要する場合には好ましくない現象である。
【0048】
従って、本発明ではこのような問題を解消するために、まず、モニタ9の距離測定手段40において、モニタ9の表示面から観察者までの距離を測定する。
【0049】
画像対選択部8cは、上記で測定した距離が70cm未満であった場合には、輻輳角θ=4°で撮影した画像対のデータをデータ記憶部8bからモニタ9に送信させ、上記で測定した距離が70cm以上であった場合には、輻輳角θ=2°で撮影した画像対のデータをデータ記憶部8bからモニタ9に送信させる。なお、ここでの閾値は上記に限るものではなく、モニタ9の大きさや設置環境等を考慮し、適切なものを選択すればよい。
【0050】
モニタ9は、データ記憶部8bから受信した画像対のデータを基に、乳房Mの立体視画像を表示させる。
【0051】
上記の通り、モニタ9から観察者までの距離が長くなる程、モニタ9に表示する画像対として輻輳角が小さい画像対、すなわち立体視画像の立体感が小さい画像対を選択するようにしたので、観察者がモニタ9を見る位置により立体視画像の立体感が変化しにくくすることができる。
【0052】
なお、上記実施の形態の説明では、追加撮影時において、ユーザーに指定された輻輳角の半分の輻輳角で追加撮影を行っているが、これに限らず、どのような態様としてもよい。
【0053】
また、モニタ9から観察者までの距離の特定は、立体視画像表示時に一度だけ行ってもよいし、立体視画像表示中も定期的(例えば1秒に1回等)に距離の特定を行い、距離が変化した場合には、それに合わせて画像を切り替えるようにしてもよい。
【0054】
また、上記実施の形態の説明では、同一被写体に対して2種類の輻輳角で撮影した画像対を取得しているが、取得する画像対の数については特に限定はなく、どのような態様としてもよい。取得する画像対の数を2つとすれば、余計な撮影の回数が少なく本発明を実現でき、逆に取得する画像対の数を多くする程、モニタ9から観察者までの距離に従って、より滑らかに画像の切り替えを行うことができるが、その分余計な撮影の回数が多くなり患者の被曝量も増加してしまうので、状況により適切な数を選択することができる。
【0055】
また、上記実施の形態の説明では、距離測定手段40を設けてモニタ9の表示面から観察者までの距離の特定を行っているが、これに限らず、入力部7においてユーザーから距離に対応した情報の入力を受け付け、これに基づいて距離の特定を行ってもよい。
【0056】
ここで「距離に対応した情報」とは、距離値そのものであってもよいし、例えば、一人で観察する場合には近距離観察が想定されるため、モニタ9の表示面から観察者までの距離として近距離範囲が設定された単独観察モード、カンファレンス等で複数人数でモニタ9を囲んで観察する場合には遠距離観察が想定されるため、モニタ9の表示面から観察者までの距離として遠距離範囲が設定された複数観察モード等といった、距離に対応した情報であってもよい。
【0057】
また、本発明の立体視画像表示装置の一実施の形態として、乳房用立体視画像撮影表示システムに適用した例を示したが、本発明は乳房用立体視画像撮影表示システムに限定されるものではなく、立体視画像を表示可能な立体視画像表示装置であればどのような装置にも適用することができる。
【0058】
また、上記以外にも、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行なってもよいのは勿論である。
【符号の説明】
【0059】
1 乳房用立体視画像撮影表示システム
7 入力部
8 コンピュータ
8a 制御部
8b データ記憶部
8c 画像対選択部
9 モニタ
10 乳房画像撮影装置
11 基台
12 回転軸
13 アーム部
14 撮影台
15 放射線画像検出器
16 放射線照射部
17 放射線源
18 圧迫板
31 アームコントローラ
32 放射線源コントローラ
33 検出器コントローラ
34 圧迫板コントローラ
40 距離測定手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに視差のある右目用画像および左目用画像からなる画像対から構成される立体視画像を観察者に立体視可能に表示する表示手段と、
該表示手段から前記観察者までの距離を特定する距離特定手段と、
同一被写体について異なる輻輳角で撮影された複数の画像対のデータを記憶する画像データ記憶手段と、
該画像データ記憶手段に記憶されている複数の画像対のデータの中から、前記距離が長くなる程、前記表示手段に表示する画像対として輻輳角が小さい画像対を選択する画像対選択手段とを備えてなることを特徴とする立体視画像表示装置。
【請求項2】
前記距離特定手段が、前記距離を測定する測定手段を備え、該測定手段により測定された距離を前記距離として特定するものであることを特徴とする請求項1記載の立体視画像表示装置。
【請求項3】
前記距離特定手段が、前記距離に対応した情報の入力を受け付ける入力手段を備え、該入力手段に入力された情報に基づいて距離を特定するものであることを特徴とする請求項1記載の立体視画像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−165358(P2012−165358A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−176596(P2011−176596)
【出願日】平成23年8月12日(2011.8.12)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】