説明

端子、電子回路部品

【課題】実装面積が少なく、実装の信頼性を向上させることができる端子を提供する。
【解決手段】左右に並列配置される複数のリードピン3aと、当該複数のリードピンを樹脂によって固着した状態で一括して保持する箱状の樹脂部材2とから構成される端子1aであって、前記リードピンは、前記樹脂部材を前後方向に貫通して、前端部3fと後端部3rがそれぞれ樹脂部材の前端面と後端面から突出しているとともに、前記樹脂部材内にて固着されている中間部3mが、当該樹脂部材の外部に露出しないように上下方向に屈曲して前記前端部と前記後端部に連続している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、リードピンが一列に並列配置されてなる端子、および当該端子を実装した電子回路部品に関する。
【背景技術】
【0002】
ICなどのパッケージ構造として、パッケージの片側一列に端子を配置したSIP(Single In-line Package)がある。図6は、基板11の端面にリードピン3cが一列に配列されてなる端子1cを備えた電子回路部品(以下、SIP型モジュール)10cの一例を示す図である。このSIP型モジュール10cは、端子1cが外部に導出された状態でパッケージ内に収納されれば、SIPとなる。もちろん、パッケージ内に収納されずに、そのまま他の基板に実装される場合もあり得る。
【0003】
図示したSIP型モジュール10cは、基板11上に電子部品12と端子1cとなる複数のリードピン3cが実装された構造で、リードピン3cの一方の端部3rがモジュール10cの基板11に穿設されたスルーホール13に挿入された状態で、例えば、フロー方式によって半田付けされている。リードピン3cの他方の端部3fは、外部の電子回路を構成する基板に半田付けなどによって実装される。それによって、当該モジュール10cの電子回路と外部の電子回路とが接続される。
【0004】
また、SIP型モジュール用の端子には、箱状の樹脂部材にリードピンを植設した構造の「ピンヘッダー」と呼ばれる端子もある。図7にこのピンヘッダー1dを備えたSIP型モジュール10dを示した。図7(A)は、SIP型モジュール10dを上前方から見たときの斜視図である。(B)はSIP型モジュール10dの側断面図であり、(A)におけるc−c矢視断面を示している。また、(C)は前方から見たときのピンヘッダー1dの正面図である。この図7に示したように、箱状の樹脂部材2の下端にてリードピン3が前後方向に突出している。そして、リードピン3の下面3ddは、樹脂部材2の下面2dにて露出している。また、図8に、リードピン3eの形状が異なるピンヘッダー1eを備えたSIP型モジュール10eの側断面図を示した。当該ピンヘッダー1eでは、リードピン3eが樹脂部材2の上下方向のほぼ中央を貫通し、後端部3rは、樹脂部材2のこう端面から後方に延長したのち下方にL字状に屈曲し、さらに、基板11面と平行となるように後方に再度L字状に屈曲している。いわゆる「Z曲げ」となっている。そして、後端部3rの先端がモジュール10eの基板11に半田付けされている。なお、以下の非特許文献1には、様々なピンヘッダーについて、その形状や仕様などが記載されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】イリソ電子工業株式会社、”製品紹介 ピンヘッダー”、[online]、[平成22年3月26日検索]、インターネット<URL:http://www.iriso.co.jp/catalog/8/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、従来の端子には、特に、SIP型モジュール用の基板に実装する際に様々な問題があることが判明した。例えば、図6に示したSIP型モジュールにおける端子1cは、スルーホール13を利用してリードピン3cを基板11に実装しているため、基板11の両面にリードピン3cを実装するための領域が必要となる。そのため、他の電子部品12を実装するための面積が基板11の両面で少なくなり、SIP型モジュールの実装密度を向上させることが難しい。
【0007】
図7に示した従来例では、リフロー方式などにより、リードピン3dを基板11に表面実装できるため、基板11の一方の面については他の電子部品12の実装面積を専有することがない。しかし、リードピン3dが樹脂部材2の下方に露出しつつ前後に延長しているため、リードピン3dを実装するための半田14がこのリードピン3dに沿って流動し、樹脂部材2とモジュール基板11との間に入り込み、その半田14が固化すると、基板11上に接着されている樹脂部材2が剥離したり、浮き上がったりする可能性がある。樹脂部材2が浮き上がれば、リードピン3dも浮き上がり実装部分におけいて接触不良が生じる可能性がある。
【0008】
図8に示した従来例では、リードピン3eが樹脂部材2の中央を貫通しているため、半田14の流動による樹脂部材2の浮き上がりと、その浮き上がりに起因する接触不良の可能性は少なくなる。しかし、樹脂部材2の中央から導出されているリードピン3eの後端部3rをモジュール基板11面に接触するように屈曲する必要があり、その屈曲に要する長さLが必要となる。そのため、基板11におけるピンヘッダー1eの実装面では、他の電子部品12の実装面積が減少してしまう。
【0009】
本発明は、上述したようなSIPモジュール用端子など、主に、基板上に面実装することを想定した端子における種々の問題を解決するために創作されたものであり、その目的は、実装面積が少なく、実装の信頼性を向上させることができる端子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するための本発明は、左右に並列配置される複数のリードピンと、当該複数のリードピンを樹脂によって固着した状態で一括して保持する箱状の樹脂部材とから構成され、前記リードピンは、前記樹脂部材を前後方向に貫通して、前端部と後端部がそれぞれ樹脂部材の前端面と後端面から突出しているとともに、前記樹脂部材内にて固着されている中間部が、当該樹脂部材の外部に露出しないように上下方向に屈曲して前記前端部と前記後端部に連続している端子としている。
【0011】
前記リードピンの前記前端部と前記後端部が、前記樹脂部材の下方縁部にて突出するとともに、前記中間部は、前記前端部と前記後端部とが一直線上に延長するように前記樹脂部材の内部で屈曲している端子とすることもできる。
【0012】
前記樹脂部材の左右それぞれの側面下方には、左右それぞれの側面と下面とに跨って開口する接着剤塗布用の凹部が形成されていてもよい。さらに、前記樹脂部材の前端面が、左右両端に上下方向に延長しつつ前方に突出する縁部によって溝状に形成されていてもよい。
【0013】
また、本発明は、上記いずれかの端子を実装した電子回路部品にも及んでおり、当該電子回路部品は、前記端子が、前記基板の上面前縁と前記樹脂部材の下面前縁とが一致するように配置された状態で、前記リードピンの後端が当該基板上面に面実装されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
本発明の端子によれば、実装面積が少なく、当該端子が実装される電子回路部品の実装密度を高めることができ、当該電子回路部品の小型化に寄与する。また、実装の信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態に係る端子を実装したSIP型モジュールの外観図である。
【図2】本発明の第1の実施例における端子の構造を示す図である。
【図3】上記SIP型モジュールの製造方法を説明するための図である。
【図4】本発明の第2の実施例における端子の構造を示す図である。
【図5】上記各実施例の端子に形成可能な溝の機能を説明するための図である
【図6】本発明の従来例となる端子を実装したSIP型モジュールの外観図である。
【図7】従来のピンヘッダーを実装したSIP型モジュールの構造を示す図である。
【図8】上記従来のピンヘッダーと一部構造が異なるピンヘッダーを実装したSIP型モジュールの構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
===SIP型モジュール===
上述したように、本発明は、主に、基板の端面に一列にリードピンが配置された構造を有する電子回路部品(SIP型モジュール)における端子やそのSIP型モジュールを対象としている。より具体的には、ピンヘッダータイプの端子(以下、ピンヘッダー)とそのピンヘッダーを実装したSIP型モジュールを主な対象としている。
【0017】
図1に本発明の実施例に係るピンヘッダー1を実装したSIP型モジュール(以下、モジュール)10aを示した。基板11の片面にはピンヘッダー1が実装され、基板11の両面には、このモジュール10aの電子回路を構成する電子部品12が実装されている。
【0018】
ピンヘッダー1は、箱状の樹脂部材(以下、ヘッダーベース)2にリードピン3が一列に植設された構造である。ここで、基板11におけるピンヘッダー1の実装面を上面とし、リードピン3の延長方向を前後方向として、図中に示したように、上下左右前後関係を規定すると、リードピン3の後端部3rはリフロー方式によって基板11の上面に表面実装されている。そして、リードピン3の前端部3fは、モジュール10aを他の基板に実装する際に、スルーホールなどに挿入される部分となる。以下に、ピンヘッダー10の構造が異なるいくつかの実施例を具体的に示す。なお、以下では、基板11の下面の実装部品12については、便宜上、その説明や図示を省略することとする。
【0019】
===第1の実施例===
図2に本発明の第1の実施例に係るピンヘッダー1aの構造を示した。図2(A)および(B)は、それぞれ、当該第1の実施例におけるピンヘッダー1aを上前方、および下前方から見たときの斜視図である。(C)は、ピンヘッダーの側断面図であり、(A)におけるa−a矢視断面を示している。ピンヘッダー1aは、前後に延長しつつ左右に並列配置された複数のリードピン3aと、箱状のヘッダーベース2とによって構成され、リードピン3aは、モールド加工などによって、ヘッダーベース2内に一体的に固定されている。
【0020】
第1の実施例におけるピンヘッダー1aでは、リードピン3aの後端部3rがヘッダーベース2の下端から後方に延長し、前端部3fが、ヘッダーベース2のほぼ上下中央位置から前方に延長している。そして、リードピン3aは、ヘッダーベース2内における前端部3fと後端部3rとを連絡する中間部3mでは、上下方向に屈曲している。第1の実施例では、後端部3r側から上方に屈曲した後、前方に屈曲している。この例では、鈍角で2回屈曲する「Z曲げ」状態となっている。したがって、リードピン3aの中間部3mは、ヘッダーベース2内のほぼ上下中央位置にて固定されている。そのため、当該中間部3mでは、十分な量の樹脂が上下に配置されて、リードピン3aは、ヘッダーベース2内で強固に固定されている。
【0021】
また、リードピン3aがヘッダーベース2内で屈曲しているため、図8に示した従来のピンヘッダー1eのように、後端部3rにて屈曲させていた分の長さを短縮することができ、他の電子部品12の実装面積を増加させることができる。したがって、モジュール10aの小型化が容易となる。あるいは、より多くの電子部品12を実装することでき、モジュール10aの高機能化が期待できる。さらに、図7に示した従来のピンヘッダー1dのように、ヘッダーベース2の下面2dにリードピン3aが露出していないため、リードピン3aの後端部3rを基板11上にリフロー方式などによって半田付けした際、その半田がリードピン3aに沿って流動してヘッダーベース2の下面2dに潜り込むことがない。したがって、実装の信頼性が向上する。なお、ヘッダーベース2の後端面で下方から後方に延長する後端部3rと、ヘッダーベース2の前端面から前方に延長する前端部3fとをヘッダーベース2内で上下方向に屈曲させながら連続させて、中間部3mをヘッダーベース2の下面に露出させなければ、リードピン3aの屈曲形状は、例示した「Z曲げ」に限るものではない。
【0022】
===第2の実施例===
上記第1の実施例に係るピンヘッダー1aは、リードピン3をヘッダーベース2内で「Z曲げ」などにして、リードピン3aの中間部3mの下面がヘッダーベース2の下面2dから露出しないようにしていた。それによって、モジュール10aの基板11上に実装する際の信頼性を向上させるとともに、モジュール10aにおける他の部品12の実装密度を向上させることができた。そして、第2の実施例に係るピンヘッダーは、第1の実施例におけるピンヘッダー1aが備える特徴に加え、リードピン3の前端部3fの形状安定性を向上させ、モジュール10a自体が他の基板に実装される際の信頼性を向上させるための特徴を備えている。とくに、第2実施例に係るピンヘッダーは、自身が実装されるモジュール10aの製造時において、リードピン3bが曲がらないような構成を備えている。
【0023】
図3に、モジュール10aの製造方法の一例を示した。図3(A)に示したように、個々のモジュール10aは、一枚の基板(マスター基板)20に複数のモジュール10aに相当する電子部品12やピンヘッダー1を一括して面実装し、その後にマスター基板20を(図中、一点鎖線部分で)切断することで製造される。図3(B)は、(A)における円30内の拡大図であり、この図3(B)に基づいてモジュール10aの製造方法をより具体的に説明すると、マスター基板20には、図中に斜線のハッチングで示した開口部21が格子状に配置され、各モジュール10aの基板11となる部分がこの開口部21によって区画されている。各区画は隣接する開口部21同士を隔てる架橋部22によって連結されている。そして、この架橋部22を切断することで個々のモジュール10aに分離される。
【0024】
そして、上述した製造方法では、第1の実施例におけるピンヘッダー1aは、リードピン3aの前端部3fがモジュール10aの製造過程を通して基板11の上面から浮いた状態となっており、当該前端部3fは、応力が加わると、上下方向へ容易に曲がってしまう。リードピン3aの前端部3fは、モジュール10aを他の基板に実装する際に、スルーホールなどに挿入されるため、当該前端部3fが曲がっていると、その曲がりを事前に修正する必要があり、コストアップの原因となる。不良品として処分されれば、モジュール10aの歩留まりが低下し、大きなコストアップを招く。
【0025】
図4(A)と(B)に第2の実施例におけるピンヘッダー1bの下前方からの斜視図と側断面図とを示した。リードピン3bの前端部3fと後端部3rが同一直線上となるように、当該リードピン3bの中間部3mがヘッダーベース2内でUターンするように上下方向に屈曲している。第2の実施例では、前端部3fの下面3fd、後端部3rの下面3rd、およびヘッダーベース2の下面2dがともに同一面となるように屈曲している。なお、図4に示した例では、リードピン3bは、縁のある皿を伏せた側断面形状となっている。図4(C)(D)に、このピンヘッダー1bが実装されるモジュール10aの製造時の状態を示した。(C)は、先に示した図3(A)におけるb−b矢視断面に相当する。(D)は、(C)における円31内の拡大図である。当該図4に示したように、第2の実施例におけるピンヘッダー1bを、各モジュール10aの基板11となる区画上に実装する際、リードピンの前端部3fの先端3tをその前方のモジュール10aの基板11やマスター基板20の上面で支持させることができる。すなわち、個々のモジュール10aに分離されるまでの工程で、リードピン3bの先端3tを基板(11,20)の面上に密着させた状態で維持することができる。それによって、例えば、先端3tが何かに引っ掛かってリードピン3bの前端部3fが上方に曲がったり、下方への応力が前端部3fに掛かって当該前端部3fが下方に曲がったりする可能性が極めて低くなる。したがって、モジュール10aの歩留まりが向上しコストダウンが期待できる。
【0026】
なお、リードピン3bの屈曲形状は、リードピン3bの前端部3fの下面3fd、後端部3rの下面3rd、およびヘッダーベース2の下面2dがともに同一面となるように上下方向に屈曲していれば、上述した皿状に限らず、「への(逆V)字」状、「逆U字」状、下方に開口する「コの字」状など、適宜な形状とすることができる。
【0027】
===その他の特徴===
各実施例に係るピンヘッダー(1,1a、1b)の特徴として、主に、リードピン(3,3a,3b)のヘッダーベース2内での屈曲構造について説明した。以下では、本発明の実施例におけるピンヘッダー(1,1a,1b)におけるその他の特徴について説明する。
【0028】
<ヘッダーベースの凹部>
図1、図2、図4に示したように、ピンヘッダー(1,1a,1b)のヘッダーベース2には、左右両端面2sと下面2dとに跨る凹部4が形成されている。この凹部4は、基板11の面上にヘッダーベース2を接着する際に接着剤を塗布する部位であり。例えば、図1に示したように、塗布した接着剤15に余剰分があっても、その余剰分がヘッダーベース2の左右の端面2sの開口から左右外方に逃げるようになっている。そのため、接着剤がヘッダーベース2の下面2dに流動してヘッダーベース2を浮かせてしまうことを防止している。
【0029】
また、図7や図8に示した、従来のピンヘッダー(1d、1e)では、ヘッダーベース2をその下面2dの平面で接着していたため、ヘッダーベース2の浮きを考慮して少量の接着剤しか塗布できなかった。そして、基板11と平面同士で接着していたため大きな接着強度を得ることが難しかった。接着強度が弱ければ、ピンヘッダー(1d、1e)をリフロー半田付けによってモジュール(10d,10e)の基板11に実装する際、溶融状態の半田14上でリードピン(3d,3e)が流動するのを確実に防止できず、実装位置がずれる可能性があった。
【0030】
一方、ヘッダーベース2に凹部4を備えたピンヘッダー(1,1a、1b)では、凹部4の立体的な内壁面に接着剤が塗布されるため、その壁面全体が接着面となり接着面積を拡大することができる。また、凹部4内の空間に十分な量の接着剤を充填させることもできる。すなわち、ヘッダーベース2と基板11とをより大きな強度で接着することができる。
【0031】
<ヘッダーベースの溝構造>
さらに、本発明のピンヘッダー(1,1a,1b)は、ヘッダーベース2の前端面を平面にせず、図1、図2、図4に示したように、前端面の左右両端に上下方向に延長する縁部5が突設されていてもよい。図5に、当該縁部5の機能を説明するための図を示した。当該図は、モジュール10aが他の基板40に実装されている状態を示しており、モジュール10aを上面から見たときの図である。上記縁部5により、ヘッダーベース2の前端面は、リードピン(3,3a,3b)の前端部3f側の植設領域において、左右に幅広で上下に短い溝状となっている。そして、モジュール10aが他の基板40に実装されている状態、すなわち、リードピン(3,3a,3b)の先端部3fが他の基板40に穿設されたスルーホールに挿入され、その先端部3fが他の基板40に半田付けされている状態では、上記縁部5の前端が他の基板40の実装面41に当接する。このとき、ピンヘッダー(1,1a,1b)の溝6の底部6bが他の基板40の面41から離間する。そして、溝6の上面開口を通してこのリードピン(3,3a,3b)への半田50の這い上がり状態を視認することができるようになっている。
【0032】
また、溝6の底6bと他の基板40の面41との間隙が半田50の這い上がり空間となるので、半田50の這い上がりによってピンヘッダー(1,1a,1b)が後方に付勢されてモジュール10aが他の基板40から浮き上がることも防止できる。したがって、上記縁部5を備えたピンヘッダー(1,1a,1b)によれば、自身が実装されるモジュール10aが他の基板40に半田付けされた際に、その半田付け不良の有無を確認することができるとともに、半田の這い上がり空間を確保してモジュール10a自体の実装の信頼性を向上させることができる。
【0033】
===ピンヘッダーの実装形態===
本発明の実施例におけるピンヘッダー(1,1a,1b)は、リードピン(3,3a,3b)がヘッダーベース2内で屈曲しているとともに、ヘッダーベース2の下面2dから露出していない構造となっている。この構造は、当該ピンヘッダー(1,1a,1b)を面実装する場合に限らず、後端3rを基板11のスルーホールなどに挿入するなどして、基板11に対して垂直に実装する場合でも有効である。例えば、半田が這い上がっても、ヘッダーベース2の下面では、隣接するリードピン(3,3a,3b)同士が確実に隔離されているため、リードピン(3,3a,3b)同士の短絡を防止できる。また、リードピン(3,3a,3b)は、ヘッダーベース2内で屈曲し、その周囲が樹脂で強固に支持されているため、リードピン(3,3a,3b)が抜けにくい。したがって、本発明の実施例におけるピンヘッダー(1,1a,1b)は、面実装用途に限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0034】
この発明は、DC−DCコンバーターや集合抵抗などのSIP型モジュールに利用することが可能である。
【符号の説明】
【0035】
1,1a,1b 本発明の実施例に掛かるSIP型モジュール用端子(ピンヘッダー)
1c〜1e 従来のSIP型モジュール用端子
2 樹脂部材(ヘッダーベース)
3,3a〜3e リードピン
3f リードピンの一方の端部(前端部)
3r リードピンの他方の端部(後端部)
3m リードピンの中間部
4 凹部
5 接着剤
10a,10c〜10e 電子回路部品(SIP型モジュール)
11 基板
12 電子部品
20 マスター基板
40 他の基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右に並列配置される複数のリードピンと、当該複数のリードピンを樹脂によって固着した状態で一括して保持する箱状の樹脂部材とから構成され、前記リードピンは、前記樹脂部材を前後方向に貫通して、前端部と後端部がそれぞれ樹脂部材の前端面と後端面から突出しているとともに、前記樹脂部材内にて固着されている中間部が、当該樹脂部材の外部に露出しないように上下方向に屈曲して前記前端部と前記後端部に連続していることを特徴とする端子。
【請求項2】
請求項1において、前記リードピンの前記前端部と前記後端部は、前記樹脂部材の下方縁部にて突出するとともに、前記中間部は、前記前端部と前記後端部とが一直線上に延長するように前記樹脂部材の内部で屈曲していることを特徴とする端子。
【請求項3】
請求項1または2において、前記樹脂部材の左右それぞれの側面下方には、左右それぞれの側面と下面とに跨って開口する接着剤塗布用の凹部が形成されていることを特徴とする端子。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかにおいて、前記樹脂部材の前端面は、左右両端に上下方向に延長しつつ前方に突出する縁部によって溝状に形成されていることを特徴とする端子
【請求項5】
前後左右方向を面とした基板上に電子部品と請求項1〜4のいずれかに記載の前記端子を実装した電子回路部品であって、
前記端子が、前記基板の上面前縁と前記樹脂部材の下面前縁とが一致するように配置された状態で、前記リードピンの後端が当該基板上面に面実装されている、
ことを特徴とする電子回路部品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−222363(P2011−222363A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−91676(P2010−91676)
【出願日】平成22年4月12日(2010.4.12)
【出願人】(000237721)FDK株式会社 (449)
【Fターム(参考)】