説明

端末装置及びプログラム

【課題】電源オフする前にメモリ性を持った表示部に予定情報を表示させる場合に必要性の高い予定情報を表示できるようにする。
【解決手段】制御部11は、電源オフが指示された際に、スケジュールデータベースDB1、ToDoデータベースDB2を参照し、現在日時から所定時間内に該当する予定日時を含む予定情報を電子ペーパ表示部6に表示させたのち、電源オフ処理に移行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、メモリ性を持った表示部に対して情報を表示する端末装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各種情報を表示する表示部をメモリ性表示素子によって構成し、電源停止時には所定の情報として、電池残量、記憶空き容量、画像情報、電源停止時の時刻、所有者の個人情報、電源停止要因を表示させることによって電源停止状態であってもその表示内容を確認可能とした技術が存在している(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−37705号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述した先行技術にあっては、電源停止に応じてメモリ性表示部に表示される情報がユーザ指定した種類の情報となるため、電源停止時にはユーザにとってその種の情報が必要でないにも拘わらず、その情報を固定的に表示させることになることもあり、かえってその情報の表示が邪魔に感じられることがあった。
ところで、スケジュール情報などのように予定日時を含む予定情報をメモリ性表示部に表示させることも考えられるが、例えば、数週間先などのように、何日も先の情報を表示させることは、表示内容が煩雑化して誤認混同を招き、身間違えや勘違いを誘発するおそれがある。
【0004】
この発明の課題は、電源オフする前にメモリ性を持った表示部に予定情報を表示させる場合に、必要性の高い予定情報に絞って表示できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明は、メモリ性を持った表示部に対して情報を表示する端末装置であって、少なくとも予定日時と予定内容とを対応付けた予定情報を記憶する予定情報記憶手段と、電源オフが指示された際に、現在日時から所定時間内を予定日時とする予定情報が前記予定情報記憶手段に記憶されているか否かを判別する判別手段と、この判別手段によって前記所定時間内を予定日時とする予定情報が記憶されていると判別された場合に、その予定情報を読み出して前記表示部に表示させたのち、電源オフ処理に移行する制御手段と、を具備したことを特徴とする。
更に、コンピュータに対して、上述した請求項1記載の発明に示した主要機能を実現させるためのプログラムを提供する(請求項5記載の発明)。
【0006】
なお、上述した請求項1記載の発明は次のようなものであってもよい。
更に、前記予定情報記憶手段は、各予定情報にその種別を対応付けて記憶し、前記制御手段は、前記所定時間内を予定日時とする予定情報の中から予め決められている種別の予定情報を読み出して前記表示部に表示させる(請求項2記載の発明)。
【0007】
更に、前記予定情報記憶手段は、各予定情報にそのシークレット種別を対応付けて記憶し、前記制御手段は、前記所定時間内を予定日時とする予定情報の中から予め決められているシークレット種別の予定情報以外の予定情報を読み出して前記表示部に表示させる(請求項3記載の発明)。
【0008】
更に、電池残量が所定値以下になったかを判別する残量判別手段を設け、前記制御手段は、前記残量判別手段によって電池残量が所定値以下になったと判別されたことを条件に前記電源オフ処理に移行する(請求項4記載の発明)。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、電源オフする前にメモリ性を持った表示部に予定情報を表示させる場合に、必要性の高い予定情報に絞って表示させることができ、何日も先の予定情報を表示することによる誤認混同などを効果的に防ぐことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図1〜図11を参照して本発明の実施形態を説明する。
この実施形態は、端末装置として携帯電話装置に適用した場合を例示したもので、図1は、この携帯電話装置の外観図である。
携帯電話装置は、例えば、操作部筐体1と表示部筐体2とをヒンジ部3を介して開閉可能に取り付けた折り畳み自在な構成となっており、図1は、操作部筐体1と表示部筐体2とを開いた状態(オープンスタイル)を示している。この操作部筐体1の内面部には、各種のキーなどを備えた操作部4が配置されている。また、表示部筐体2の内面部(前面部)には液晶表示部5が配置され、また、その外面部(背面部)には電子ペーパ表示部6が配置されている。
【0011】
電子ペーパ表示部6は、電力供給が無い状態であって現在の表示情報を長期間保持可能なもので、例えば、3色の液晶シートを3層に重ねて高精細なフルカラーを行うようにしている。なお、この実施形態において、液晶表示部5と電子ペーパ表示部6とは、略同形同大に形成されているほか、液晶表示部5をメイン表示部として機能させ、電子ペーパ表示部6をサブ表示部として機能させるようにしている。
【0012】
図2は、携帯電話装置の基本的な構成要素を示したブロック図である。
携帯電話装置には、通話機能(音声電話機能)、電子メール機能、インターネット接続機能(Webアクセス機能)、テレビ放送受信機能など、各種の機能が備えられている。制御部11は、電力容量が大きいメイン電池(例えば、一次電池、二次電池、燃料電池など)12、あるいは電力容量の小さなバックアップ電池(例えば、リチウムボタン電池、アルカリボタン電池など)13から電源制御部14を介して供給される電力によって動作するもので、記憶部15内の各種のプログラムに応じて携帯電話装置の全体動作を制御する中核的な中央演算処理装置を有する構成となっている。
【0013】
電源制御部14は、電源ON(オン)/OFF(オフ)操作に応じてメイン電池12とバックアップ電池13との切り替えを行うが、その際、電源ON中にはメイン電池12を電源として使用し、電源OFF中にはバックアップ電池13を電源として使用するようにしている。また、電源制御部14は、電池12、13毎に電池残量を検出して制御部11に与えると、制御部11は、メイン電池12の残量と電源オフの閾値とを比較し、電池残量が電源オフの閾値未満であれば、後述する予定情報を電子ペーパ表示部6に書き込んでから電源オフ処理を実行するようにしている。記憶部15は、内部メモリであり、プログラム領域とデータ領域とを有し、このプログラム領域には、後述する図6〜図9に示す動作手順に応じて本実施形態を実現するためのプログラムが格納され、また、そのデータ領域には後述するスケジュールデータベースDB1、ToDoデータベースDB2などが格納されている。
【0014】
無線通信部16は、無線部、ベースバンド部、多重分離部などを備え、例えば、通話機能、電子メール機能、インターネット接続機能の動作時などで最寄りの基地局との間でデータの送受信を行うもので、通話機能の動作時にはベースバンド部の受信側から信号を取り込んで受信ベースバンド信号に復調したのち、電話部17を介して送話スピーカSPから音声出力させ、また、受話マイクMCからの入力音声データを電話部17から取り込み、送信ベースバンド信号に符号化したのち、ベースバンド部の送信側に与えてアンテナから発信出力させる。操作部18は、ダイヤル入力、文字入力、コマンド入力などを行うもので、制御部11は、操作部18からの入力信号に応じた処理を実行する。表示制御部19は、液晶表示部(メイン表示部)5に対する表示動作のほか、電子ペーパ表示部(サブ表示部)6に対する表示動作を制御する。RTC(リアルタイムクロックモジュール)20は、時計部を構成するもので、制御部11は、RTC20から現在日時を取得する。
【0015】
図3は、スケジュールデータベースDB1を説明するための図である。
スケジュールデータベースDB1は、「一連No」に対応付けて複数の予定情報(スケジュール情報)を記憶するデータベースである。この予定情報は「開始日時」、「終了日時」、「内容」の各項目を有し、ユーザ操作によって任意に設定されたもので、「開始日時」、「終了日時」は予定日時を示す年月日・時分情報であり、「内容」は、具体的な予定内容を示す文字情報などである。この予定情報には「重要」、「シークレット」の各項目が対応付けられている。「重要」、「シークレット」は、どのような種別の予定情報であるかを示すもので、「重要」は比較的重要な予定情報であることを示し、「シークレット」は秘密にすべき予定情報であることを示している。なお、図中、「重要」、「シークレット」の項目に丸印を付した予定情報は、重要な予定情報(重要データ)、あるいは秘密にすべき予定情報(シークレットデータ)であることを示している。
【0016】
図4は、ToDoデータベースDB2を説明するための図である。
ToDoデータベースDB2は、必須行動リストを構成するもので、「一連No」に対応付けて複数の予定情報(ToDo情報)を記憶するデータベースである。この予定情報は「期限日」、「内容」の各項目を有し、ユーザ操作によって任意に設定されたもので、「期限日」は何時まで行動すべきかを示す期限を示した年月日情報であり、「内容」は行動内容を示す文字情報などである。この予定情報には上述した「重要」、「シークレット」の各項目が対応付けられている。そして、図中、「重要」、「シークレット」の項目に丸印を付した予定情報は、重要な予定情報(重要データ)、あるいは秘密にすべき予定情報(シークレットデータ)であることを示している。
【0017】
図5は、スケジュールデータベースDB1やToDoデータベースDB2の予定情報を電子ペーパ表示部6に書き込んで表示させる場合に、電子ペーパ表示部6に表示させる予定情報を絞り込むための絞込み条件を説明するための図である。
すなわち、この実施形態においては、電池残量が電源オフの閾値未満である場合(例えば、電池切れ間近となった場合)や電源オフ操作が行われた場合に、スケジュールデータベースDB1やToDoデータベースDB2内の予定情報を電源オフ状態でも確認可能とするために、その予定情報を電子ペーパ表示部6に書き込んで表示保持させるようにしているが、この電子ペーパ表示部6に表示させる予定情報を絞り込むための絞込み条件(電子ペーパ表示条件)としての「データベースフラグ」、「重要度フラグ」、「シークレットフラグ」を説明するための図である。
【0018】
「データベースフラグ」は、表示対象となるデータベースを指定するためのフラグであり、その値が“0”のときには、スケジュールデータベースDB1及びToDoデータベースDB2の何れの予定情報も表示しないことを示している。また、「データベースフラグ」の値が“1”のときには、スケジュールデータベースDB1の予定情報のみを表示することを示し、“2”のときには、ToDoデータベースDB2の予定情報のみを表示することを示し、“3”のときには、スケジュールデータベースDB1及びToDoデータベースDB2の予定情報を共に表示することを示している。なお、「データベースフラグ」のデフォルト値としては、例えば、“0”が設定されている。
【0019】
「重要度フラグ」は、上述したように重要な予定情報に対応してセットされるフラグであり、その値が“0”のときに、重要か否かに拘わらず、出力対象であるデータベース内の全ての予定情報を読み出して表示することを示し、また、その値が“1” のときには、重要な予定情報のみを表示することを示している。「シークレットフラグ」は、上述したように秘密にすべき予定情報に対応してセットされるフラグで、その値が“0” のときには、シークレットか否かに拘わらず、出力対象であるデータベース内の全ての予定情報を表示することを示し、また、“1 のときには秘密にすべき予定情報のみを表示することを示している。なお、「重要度フラグ」及び「シークレットフラグ」のデフォルト値としては、例えば、“1”がそれぞれ設定されている。
【0020】
次に、この実施形態における携帯電話装置の動作概念を図6〜図9に示すフローチャートを参照して説明する。ここで、これらのフローチャートに記述されている各機能は、読み取り可能なプログラムコードの形態で格納されており、このプムコードにしたがった動作が逐次実行される。また、伝送媒体を介して伝送されてきた上述のプログラムコードに従った動作を逐次実行することもできる。すなわち、記録媒体のほかに、伝送媒体を介して外部供給されたプログラム/データを利用してこの実施形態特有の動作を実行することもできる。
【0021】
図6及び図7は、電源投入に伴って実行開始される携帯電話装置の全体動作を示したフローチャートである。
先ず、制御部11は、電源オン時の初期化処理(起動処理)を行うと共に(ステップA1)、後述する“表示リスト”をクリアする初期化処理を行ったのち(ステップA2)、待ち受け画面を表示させて待ち受け状態となる(ステップA3)。この待ち受け状態において、着信有りを検出すると(ステップA4でYES)、着信メロディなどを発生出力させる着信報知を行うほか、オフフック操作(着信応答操作)に従って(ステップA5でYES)、通話可能状態とする通話処理を行う(ステップA6)。そして、オンフック操作に応答して(ステップA7でYES)、回線接続を遮断したのち(ステップA8)、待ち受け状態に戻る(ステップA3)。
【0022】
また、待ち受け状態において着信無しの場合には(ステップA4でNO)、電源オフ操作が行われたか(ステップA9)、電池残量が電源オフの閾値未満となったかを調べるが(ステップA10)、その他の操作として、例えば、データベース設定操作が行われたときには(図7のステップA15でYES)、表示対象のデータベースを選択設定する処理に移る。すなわち、このデータベース設定処理は、電子ペーパ表示部6に表示させる予定情報を絞り込むための絞込み条件(電子ペーパ表示条件)である「データベースフラグ」を更新するための処理であり、制御部11は、データベース設定操作に応じてデータベース設定画面を表示させる(ステップA16)。
【0023】
図10(A)は、データベース設定操作に応じて表示されるデータベース設定画面を示した図である。この設定画面には、電源オフ時に表示するデータを選択すべきことを促すメッセージと共に、その選択項目として「1:スケジュールのみ」、「2:ToDoのみ」、「2:スケジュール+ToDo」、「4:なし」が表示される。ここで、スケジュールデータベースDB1、ToDoデータベースDB2のうち、表示対象となるデータベースを任意に選択するために、所望する項目にチェック(図中、丸印)を入れる選択操作を行うと(ステップA17)、制御部11は、選択項目に対応するデータベースに応じて「データベースフラグ」の値を更新する(ステップA18)。これによって「データベースフラグ」の値は、例えば、そのデフォルト値“0”から“1”に更新することができる。
【0024】
また、重要度設定操作が行われたときには(ステップA19でYES)、電子ペーパ表示部6に表示させる予定情報を絞り込むための絞込み条件(電子ペーパ表示条件)である「重要度フラグ」を更新するための処理が行われる。先ず、制御部11は、重要度設定操作に応じて重要度設定画面を表示させる(ステップA20)。
図10(B)は、重要度設定操作に応じて表示される重要度設定画面を示した図である。この設定画面には電源オフ時に表示するデータの重要度を選択すべきことを促すメッセージと共に、その選択項目として「1:重要データのみ」、「2:全てのデータ」が表示される。
【0025】
この重要度設定画面内において、データの重要度に応じて所望する項目にチェック(図中、丸印)を入れる選択操作を行うと(ステップA21)、制御部11は、選択項目に応じて「重要度フラグ」の内容を更新する(ステップA22)。これによって「重要度フラグ」の値は、例えば、そのデフォルト値“1”から“0”に更新することができる。同様に、シークレットデータ設定操作が行われたときには(ステップA23でYES)、電子ペーパ表示部6に表示させる予定情報を絞り込むための絞込み条件(電子ペーパ表示条件)である「シークレットフラグ」を更新するための処理が行われる。
【0026】
先ず、制御部11は、シークレット設定操作に応じてシークレットデータ設定画面を表示させる(ステップA24)。図10(C)は、シークレット設定操作に応じて表示されるシークレットデータ設定画面を示した図である。この設定画面には電源オフ時にシークレットデータを表示するかを問い合わせるためのメッセージと共に、その選択項目として「1:表示する」、「2:表示しない」が表示される。ここで、項目にチェック(図中、丸印)を入れる選択操作を行うと(ステップA25)、制御部11は、選択項目に応じて「シークレットフラグ」の内容を更新する(ステップA26)。これによって「シークレットフラグ」の値は、例えば、そのデフォルト値“1”から“0”に更新することができる。
【0027】
このようなフラグ更新が終わると(ステップA18、A22、A26)、待ち受け状態に戻るが(図6のステップA3)、その他の操作が行われた場合には(図7のステップA27でYES)、その操作に対応した処理として、例えば、発信処理、メール送信処理のほか、データベース登録処理などを行うことができる(ステップA28)。ここで、データベース登録処理は、スケジュールデータベースDB1、ToDoデータベースDB2の中から登録対象のデータベースを選択したのち、選択したデータベースに対して新たな予定情報を追加登録、あるいは既存の予定情報を変更する変更登録を行うが、その際、予定情報の重要性や秘密性を考慮し、「重要」、「シークレット」を必要に応じて当該予定情報に対応付けて登録するようにしている。
【0028】
また、待ち受け状態において制御部11は、電源オフ操作が行われた場合には(ステップA9でYES)、電源オフ処理に移行して電源オフ処理に移行して強制的に電源をオフさせ、また、電池残量が電源オフの閾値未満となったか場合、つまり、電池残量が予め設定された値を下回って電池切れ間近となった場合にも(図6のステップA10でYES)、電源オフ処理に移行するが、その前に予定情報を電子ペーパ表示部6に書き込んで表示させる処理を行う(ステップA11〜A13)。
【0029】
図8及び図9は、表示データ抽出処理(図6のステップA11)を詳述するためのフローチャートである。
先ず、制御部11は、「データベースフラグ」を参照し、その値が“1”あるいは“3”であるか(図8のステップB1)、“2”あるいは“3”であるかを調べ(図9のステップB12)、その値が“0”であれば(ステップB12でNO)、この表示データ抽出処理から抜けるが、「データベースフラグ」の値が“1”あるいは“3”であれば(ステップB1でYES)、つまり、少なくともスケジュールデータベースDB1が表示対象として選択されている場合には、このスケジュールデータベースDB1の予定情報をその先頭アドレスから順次指定するための変数iに、その初期値として“1”をセットしておく(ステップB2)。
【0030】
そして、この変数iでスケジュールデータベースDB1の予定情報をアクセス指定したのち(ステップB3)、予定情報の絞込み処理を行う(ステップB4〜B11)。先ず、指定した予定情報から予定日時として「開始日時」あるいは「終了日時」を読み出し、この予定日時が現在日時からの設定期間内に該当しているかを調べる(ステップB4)。すなわち、RTC20から取得した現在日時に所定時間(例えば、24時間)を加えた日時を算出し、現在日時から当該算出日時内に予定日時が含まれているかを調べる。言い換えれば、現在日時から直近(例えば、24時間以内)の予定であるかを調べ、予定日時が設定期間内に該当せず、直近の予定ではなければ(ステップB4でNO)、この変数iで指定されている予定情報を表示対象外とするために、ステップB10に移り、変数iに“1”を加算してその値を更新したのち、スケジュールデータベースDB1の最大値(最大No)を超えたかを調べるが(ステップB11)、いま、変数iの値は“2”に更新された場合で、その最大No未満であれば、上述したステップB3に戻る。
【0031】
いま、変数iで指定されている予定情報の予定日時が設定期間内に該当し、直近の予定である場合には(ステップB4でYES)、上述した電子ペーパ表示条件としての「データベースフラグ」、「シークレットフラグ」を参照したり、変数iの予定情報に対応付けられている「重要」及び「シークレット」を参照したりして、当該予定情報は表示対象であるか否かを判別し、表示対象であれば、この変数iの予定情報を“表示リスト”に書き込む処理を行う(ステップB5〜B9)。すなわち、「重要度フラグ」が“0”で(ステップB5でNO)、「シークレットフラグ」も“0”の場合には(ステップB7でNO)、重要データであるか、シークレットデータであるかに拘わらず、当該予定情報を無条件に“表示リスト”に書き込む(ステップB9)。
【0032】
また、「重要度フラグ」が“0”で(ステップB5でNO)、「シークレットフラグ」が“1”の場合には(ステップB7でYES)、変数iの予定情報に対応付けられている「シークレット」を参照してシークレットデータであるかを判別し(ステップB8)、シークレットデータでないことを条件に(ステップB8でNO)、当該予定情報を表示対象として“表示リスト”に書き込むが(ステップB9)、シークレットデータであれば(ステップB8でYES)、当該予定情報を表示対象外とするためにステップB10に移り、変数iの値を更新する。
【0033】
一方、「重要度フラグ」が“1”であれば(ステップB5でYES)、変数iの予定情報に対応付けられている「重要」を参照して重要データか否かを調べ(ステップB6)、重要データでなければ(ステップB6でNO)、当該予定情報を表示対象外とするために変数iの値を更新する(ステップB10)。また、重要データであれば(ステップB6でYES)、「シークレットフラグ」が“0”であることを条件(ステップB8でNO)、当該予定情報を“表示リスト”に書き込み(ステップB9)、また、「シークレットフラグ」が“1”で(ステップB7でYES)、シークレットデータであれば(ステップB8でYES)、表示対象外とするために変数iの値を更新するが(ステップB10)、「シークレットフラグ」が“1”であっても(ステップB7でYES)、シークレットデータでなければ(ステップB8でNO)、当該予定情報を“表示リスト”に書き込む(ステップB9)。
【0034】
以下、上述の動作を繰り返すことによって変数iの値がスケジュールデータベースDB1の最大Noを超えると(ステップB11でYES)、図9のフローに移り、「データベースフラグ」を参照し、その値は“2”あるいは“3”であるかを調べ、“1”であれば(ステップB12でNO)、ToDoデータベースDB2は表示対象外であるので、この表示データ抽出処理から抜けるが、「データベースフラグ」の値が“2”あるいは“3”であれば(ステップB12でYES)、ToDoデータベースDB2は表示対象であるから、その予定情報をその先頭アドレスから順次指定するための変数iに、その初期値として“1”をセットしておく(ステップB13)。
【0035】
そして、この変数iでToDoデータベースDB2の予定情報をアクセス指定したのち(ステップB14)、以下、変数iの値がToDoデータベースDB2の最大Noを超えるまで予定情報の絞込み処理を繰り返す(ステップB15〜B22)。なお、予定情報の絞込み処理(ステップB15〜B22)は、図8のステップB4〜B11に対応する同様のステップであるため、その説明は省略するものとする。
【0036】
このような表示データ抽出処理が終わると(図6のステップA11)、“表示リスト”にデータが書き込まれているかを調べ(ステップA12)、データが書き込まれていなければ、電源オフ処理に移行するが(ステップA14)、“表示リスト”にデータが書き込まれていれば(ステップA12でYES)、この“表示リスト”の内容を電子ペーパ表示部6に書き込んで表示させたのちに(ステップA13)、電源オフ処理に移行する(ステップA14)。
【0037】
図11は、“表示リスト”の内容が電子ペーパ表示部6に表示された場合の表示例を示した図で、(A)は、「データベースフラグ」の値が“3”(スケジュール+ToDo)、「重要度フラグ」の値が“0”(全てのデータ)、「シークレットフラグ」の値が“0”(表示する)の場合の表示例を示している。図11(B)は、「データベースフラグ」の値が“1”(スケジュールのみ)、「重要度フラグ」の値が“1”(重要データのみ)、「シークレットフラグ」の値が“1”(表示しない)の場合の表示例を示している。
【0038】
以上のように、この実施形態において制御部11は、電源オフが指示された際に現在日時から所定時間内に該当する予定日時を含む予定情報を電子ペーパ表示部6に表示させたのち、電源オフ処理に移行するようにしたので、電源オフする前に電子ペーパ表示部6に予定情報を表示させる場合に必要性の高い予定情報を表示させることができ、何日も先の予定情報を表示することによる勘違いや誤認混同を防ぐことが可能となる。
【0039】
電源オフ時に電源オフから所定時間内で予め決められた種別(データベース種類、重要度の有無、秘密性の有無に応じた種別)の予定情報のみを表示するようにしたので、必要な情報のみを表示することができるという効果がある。
【0040】
電源オフ時に電源オフから所定時間内のシークレットデータ以外の予定情報を表示するようにしたので、所定時間内であっても人に見られたくないシークレットデータは表示しないようにすることができるという効果がある。
【0041】
電池残量が予め設定された値を下回ることによって強制的に電源をオフする場合でも電子ペーパ表示部6に該当する情報を表示してから電源をオフすることができる。
【0042】
なお、上述した実施形態においては、メモリ性を持った表示部として電子ペーパ表示部6を例示した場合を示したが、低消費電力駆動のメモリ性を持った他の表示部であってもよい。また、強制的な電源オフとして、電池残量が電源オフの閾値未満である場合、電源オフ操作が行われた場合を示したが、ユーザ操作が一定時間行われなかった場合、つまり、予め決められている無操作時間の経過した場合に強制的に電源をオフするようにしてもよい。
【0043】
上述した実施形態においては、表示部筐体2の外面部(背面部)に配置したサブ表示部をメモリ性表示部としたが、表示部筐体2の内面部(前面部)に配置したメイン表示部をメモリ性表示部としてもよく、メモリ性表示部の配置位置は任意である。
その他、携帯電話装置に限らず、例えば、メモリ性を持った表示部に対して情報を表示するPC(パーソナル・コンピュータ)、PDA(パーソナル・デジタル・アシスタンス)、デジタルカメラ、電子腕時計、音楽再生機などの端末装置であっても同様に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】端末装置として適用した携帯電話装置の外観図。
【図2】携帯電話装置の基本的な構成要素を示したブロック図。
【図3】スケジュールデータベースDB1を説明するための図。
【図4】ToDoデータベースDB2を説明するための図。
【図5】スケジュールデータベースDB1やToDoデータベースDB2の予定情報を電子ペーパ表示部6に書き込んで表示させる場合に、電子ペーパ表示部6に表示させる予定情報を絞り込むための絞込み条件を説明するための図。
【図6】電源投入に伴って実行開始される携帯電話装置の全体動作を示したフローチャート。
【図7】図6に続くフローチャート。
【図8】表示データ抽出処理(図6のステップA11)を詳述するためのフローチャート。
【図9】図8に続くフローチャート。
【図10】(A)は、データベース設定操作に応じて表示されるデータベース設定画面を示した図、重要度設定操作に応じて表示される重要度設定画面を示した図、(C)は、シークレット設定操作に応じて表示されるシークレットデータ設定画面を示した図。
【図11】“表示リスト”の内容が電子ペーパ表示部6に表示された場合の表示例を示した図。
【符号の説明】
【0045】
6 電子ペーパ表示部
11 制御部
12 メイン電池
14 電源制御部
15 記憶部
16 無線通信部
18 操作部
19 表示制御部
20 RTC
DB1 スケジュールデータベース
DB2 ToDoデータベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリ性を持った表示部に対して情報を表示する端末装置であって、
少なくとも予定日時と予定内容とを対応付けた予定情報を記憶する予定情報記憶手段と、
電源オフが指示された際に、現在日時から所定時間内を予定日時とする予定情報が前記予定情報記憶手段に記憶されているか否かを判別する判別手段と、
この判別手段によって前記所定時間内を予定日時とする予定情報が記憶されていると判別された場合に、その予定情報を読み出して前記表示部に表示させたのち、電源オフ処理に移行する制御手段と、
を具備したことを特徴とする端末装置。
【請求項2】
更に、前記予定情報記憶手段は、各予定情報にその種別を対応付けて記憶し、
前記制御手段は、前記所定時間内を予定日時とする予定情報の中から予め決められている種別の予定情報を読み出して前記表示部に表示させる、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の端末装置。
【請求項3】
更に、前記予定情報記憶手段は、各予定情報にそのシークレット種別を対応付けて記憶し、
前記制御手段は、前記所定時間内を予定日時とする予定情報の中から予め決められているシークレット種別の予定情報以外の予定情報を読み出して前記表示部に表示させる、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の端末装置。
【請求項4】
更に、電池残量が所定値以下になったかを判別する残量判別手段を設け、
前記制御手段は、前記残量判別手段によって電池残量が所定値以下になったと判別されたことを条件に前記電源オフ処理に移行する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の端末装置。
【請求項5】
コンピュータに対して、
少なくとも予定日時と予定内容とを対応付けた予定情報が記憶されている状態において、電源オフが指示された際に、現在日時から所定時間内を予定日時とする予定情報が記憶されているか否かを判別する機能と、
前記所定時間内を予定日時とする予定情報が記憶されていると判別された場合に、その予定情報を読み出してメモリ性を有する表示部に表示させたのち、電源オフ処理に移行する機能と、
を実現させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−151400(P2009−151400A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−326671(P2007−326671)
【出願日】平成19年12月19日(2007.12.19)
【出願人】(504149100)株式会社カシオ日立モバイルコミュニケーションズ (893)
【Fターム(参考)】