説明

第1の図形と第2の図形との間の位置関係を決定する方法、そのような方法を用いる装置、そのような方法のプログラム及び自動車運転模擬装置

【課題】2つの図形の位置関係を容易に決定できる方法を提供する。
【解決手段】本明細書に開示する自動車運転模擬装置10は、文字盤図形20の座標データ及び数字図形21a〜21rの座標データを入力する入力部10dと、入力した文字盤図形20の座標データから文字盤図形20の重心Cの第1重心座標を求め、且つ、入力した数字図形21a〜21rの座標データからこれらの数字図形21a〜21rの重心の第2重心座標を求め、且つ、第1重心座標及び第2重心座標に基づいて、文字盤図形20と数字図形21a〜21rとの間の位置関係を決定する演算部10aとを、備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1の図形と第2の図形との間の位置関係を決定する方法、そのような方法を用いる装置、そのような方法のプログラム及び模擬運転装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車の運転・走行の教育・訓練及び研究のために、運転及び走行を模擬する自動車運転模擬装置が用いられている。
【0003】
そして、自動車運転模擬装置は、自動車の運転・走行の教育・訓練等を目的とした講習に用いられる場合がある。
【0004】
また、自動車運転免許の更新の際に、所定の年齢以上のドライバーに対して、講習予備検査が実施されている。講習予備検査では、記憶力や判断力を測定するために、時計描画という検査が行われる。
【0005】
時計描画の検査では、ドライバーが、時計の文字盤の図形を検査用紙に描画する。時計の文字盤の図形には、文字盤枠及び数字及び長針及び短針の図形が含まれる。そして、描画された図形に基づいて、ドライバーの記憶力や判断力が評価される。例えば、文字盤枠図形上の各数字図形の位置関係、若しくは短針図形又は長針図形と数字図形との位置関係が正しいのか否かが評価される。
【0006】
講習予備検査では、検査員がドライバーの描画した検査用紙上の図形を限られた時間で評価しており、2つ以上の図形の位置関係を正確に決定して判断することが困難な場合がある。
【0007】
また、自動車の運転・走行の教育・訓練及び研究のために、従来から使用されている自動車運転模擬装置を用いて、講習予備検査を実施することが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平9−237031号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、本明細書では、2つの図形の位置関係を容易に決定できる方法を提供することを目的とする。
【0010】
また、本明細書では、2つの図形の位置関係を容易に決定できる装置を提供することを目的とする。
【0011】
また、本明細書では、講習予備検査を実施することができる自動車運転模擬装置を提供することを目的とする。
【0012】
更に、本明細書では、2つの図形の位置関係を容易に決定できるプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本明細書に開示する第1の図形と第2の図形との間の位置関係を決定する方法によれば、第1の図形の座標データから上記第1の図形の重心の第1重心座標を求め、第2の図形の座標データから上記第2の図形の重心の第2重心座標を求め、上記第1重心座標及び上記第2重心座標に基づいて、上記第1の図形と上記第2の図形との間の位置関係を決定することをコンピュータが実行する。
【0014】
また、本明細書に開示する装置によれば、第1の図形の座標データ及び第2の図形の座標データを入力する入力部と、入力した上記第1の図形の座標データから上記第1の図形の重心の第1重心座標を求め、且つ、入力した第2の図形の座標データから上記第2の図形の重心の第2重心座標を求め、且つ、上記第1重心座標及び上記第2重心座標に基づいて、上記第1の図形と上記第2の図形との間の位置関係を決定する演算部とを、備える。
【0015】
また、本明細書に開示する自動車運転模擬装置によれば、第1の図形の座標データ及び第2の図形の座標データを入力する入力部と、入力した上記第1の図形の座標データから上記第1の図形の重心の第1重心座標を求め、且つ、入力した第2の図形の座標データから上記第2の図形の重心の第2重心座標を求め、且つ、上記第1重心座標及び上記第2重心座標に基づいて、上記第1の図形と上記第2の図形との間の位置関係を決定する演算部とを、備える。
【0016】
更に、本明細書に開示するプログラムによれば、第1の図形の座標データから上記第1の図形の重心の第1重心座標を求め、第2の図形の座標データから上記第2の図形の重心の第2重心座標を求め、上記第1重心座標及び上記第2重心座標に基づいて、上記第1の図形と上記第2の図形との間の位置関係を決定することをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0017】
上述した本明細書に開示する方法によれば、2つの図形の位置関係を容易に決定できる。
【0018】
上述した本明細書に開示する装置によれば、2つの図形の位置関係を容易に決定できる。
【0019】
また、上述した本明細書に開示する自動車運転模擬装置によれば、2つの図形の位置関係を容易に決定できるので、時計描画の検査を実施できる。
【0020】
更に、本明細書に開示するプログラムによれば、2つの図形の位置関係を容易に決定できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本明細書に開示する自動車運転模擬装置の一実施形態を示す図である。
【図2】図1に示す自動車運転模擬装置のブロック図である。
【図3】図1に示す自動車運転模擬装置の動作を説明するフローチャートである。
【図4】図3のステップS10の処理を説明するフローチャートである。
【図5】入力された図形を示す図である。
【図6】(A)は第1図形ファイルを説明する図であり、(B)は第2図形ファイルを説明する図である。
【図7】(A)は文字列ファイルの文字列を示す図であり、(B)は文字参照表の構造を示す図であり、(C)は文字参照表を参照して置き換えられた後の文字列ファイルの文字列を示す図である。
【図8】図3のステップS12の処理を説明するフローチャート(その1)である。
【図9】図3のステップS12の処理を説明するフローチャート(その2)である。
【図10】図3のステップS12の処理を説明するフローチャート(その3)である。
【図11A】重心座標表の構造を示す図である。
【図11B】対応表の構造を示す図である。
【図12】図3のステップS16の処理を説明するフローチャート(その1)である。
【図13】図3のステップS16の処理を説明するフローチャート(その2)である。
【図14】図13のステップS78の処理を説明する図である。
【図15】図3のステップS16の処理を説明するフローチャート(その3)である。
【図16】図13のステップS92の処理を説明する図である。
【図17】図3のステップS16の処理を説明するフローチャート(その4)である。
【図18】図3のステップS16の処理を説明するフローチャート(その5)である。
【図19】図13のステップS124及びステップS126の処理を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本明細書で開示する自動車運転模擬装置の好ましい一実施形態を、図面を参照して説明する。但し、本発明の技術範囲はそれらの実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶものである。
【0023】
図1は、本明細書に開示する自動車運転模擬装置の一実施形態を示す図である。図2は、図1に示す自動車運転模擬装置のブロック図である。
【0024】
本実施形態の自動車運転模擬装置10は、ドライバーが模擬の運転席に搭乗し、そのアクセル、ブレーキ、ハンドル等の操作から自動車の運動を計算し、また道路や市街地といった景観データベースが設けられ、この運動の結果から運転席から見える景観の変化を計算し、表示部に映し出すものである。本明細書では、自動車運転模擬装置10を、以下、単に装置10ともいう。
【0025】
また、装置10は、講習予備検査の時計描画検査を実施する機能を有する。
【0026】
装置10は、模擬運転を実行する装置本体11と、時計描画検査の際に図形を描画するためのペン型入力装置12と、ペン型入力装置12の先端の軌跡を読み取って図形の座標データに変換し、座標データを装置本体11に出力するための受信部13とを備える。
【0027】
受信部13は、ペン型入力装置12が出力する電磁波又は超音波等の信号を受信して、ペン型入力装置の先端の位置を読み取り、読み取った位置を座標として、x座標及びy座標を有する点の列からなる座標データを作成する。
【0028】
また、装置10は、時計描画検査の際に図形が描画される領域を提供する入力プレート14と、入力プレート14上に配置された検査用紙15とを備える。
【0029】
ペン型入力装置12は、筆記機能を有しており、時計描画検査を受けるドライバーが、ペン型入力装置12を用いて検査用紙15上に図形を描画すると、受信部13がペン型入力装置の先端の軌跡を読み取ると共に、検査用紙15上にも図形が描画される。従って、高齢のドライバーに対して、通常の筆記具を用いて作業を行っている感覚を与えることができる。
【0030】
装置10は、具体的には、図2に示すような構成要素により形成され得る。
【0031】
即ち、装置10は、模擬運転及び時計描画検査等の所定のプログラムを実行する演算部10aと、所定のプログラム及び入力した図形の座標データ等を記憶する記憶部10bと、演算部10aの演算結果等を表示する表示部10cと、装置10への情報を入力する入力部10dと、プリンタ等を有する出力部10eと、外部のネットワーク等との通信を行う通信部10fとを有する。通信部10fは、周辺機器を装置10に接続するためのインターフェース機能を有していても良い。
【0032】
入力部10dは、上述したペン型入力装置12及び受信部13等の図形入力手段を有する。入力部10dは、時計描画検査の際に使用される方向キー等の入力手段も有する。また、入力部10dは、アクセル、ブレーキ、ハンドル等の模擬運転を実行するための操作手段を有する。
【0033】
表示部10cには、時計描画検査の際には、ドライバーへの指示又はドライバーが入力した図形等が映される。また、表示部10cには、模擬運転の際には、道路や市街地といった景観が映される。
【0034】
記憶部10bには、記憶媒体に記憶される所定のプログラムを記憶部10bにインストールすることにより記憶しても良い。または、記憶部10bには、所定のプログラムがネットワークを介してインストールされて記憶されても良い。
【0035】
装置10は、例えば、サーバ又はパーソナルコンピュータ等のコンピュータ、若しくはステートマシン等を用いて形成され得る。また、装置10は、回路等のハードウェアを用いて構成されても良い。
【0036】
次に、上述した本実施形態の装置10の時計描画検査における動作を、図面を参照して、以下に説明する。装置10の各動作は、演算部10aが、記憶部10bに記憶された所定のプログラムを実行することにより実行される。
【0037】
図3は、図1に示す自動車運転模擬装置の時計描画検査における動作を説明するフローチャートである。
【0038】
まず、ステップS10において、装置10は、ドライバーの氏名等の情報を入力する指示を表示部10cに表示する。表示部10cの指示を見たドライバーは、入力部10dを用いて、指示された情報を入力する。装置10は、入力したドライバーの氏名等の情報を記憶部10bに記憶する。
【0039】
そして、装置10は、ドライバーに対して、定められた時間内に時計の文字盤を描画する指示を表示部10cに表示する。具体的には、装置10は、大きな円を描いて時計の文字盤枠図形を検査用紙15上に描画すると共に、時計の全ての数字図形を文字盤枠図形上に描画する指示を表示部10cに表示する。表示部10cの指示を見たドライバーは、ペン型入力装置12を用いて、定められた時間内に検査用紙15上に文字盤枠図形及び数字図形を描画する。装置10は、定めた時間内に描画された図形の座標データのみを入力する。また、ドライバーが描画した図形は、検査用紙15上にも記載される。
【0040】
そして、装置10は、ドライバーに対して、定められた時間内に指定した時間を示す短針図形及び長針図形を文字盤枠図形上に描画する指示を表示部10cに表示する。表示部10cの指示を見たドライバーは、ペン型入力装置12を用いて、定められた時間内に検査用紙15上に指定した時間を示す短針図形及び長針図形を描画する。装置10は、定めた時間内に描画された図形の座標データのみを入力する。また、ドライバーが描画した図形は、検査用紙上にも記載される。
【0041】
装置10は、文字盤枠及び数字及び短針及び長針の図形を入力して、入力した文字盤枠図形及び数字図形の軌跡の座標データを有する第1図形ファイル、及び、数字図形が文字として認識された文字列ファイル、及び、入力した短針及び長針の針図形の軌跡の座標データを有する第2図形ファイルを作成する。作成された第1図形ファイル、及び、文字列ファイル、及び、第2図形ファイルは記憶部10bに記憶される。
【0042】
次に、上述したステップS10の主要な処理を、図4を用いて以下に詳述する。
【0043】
図4は、図3のステップS10の処理を説明するフローチャートである。
【0044】
まず、ステップS20において、装置10は、描画された文字盤枠図形の座標データを入力する。
【0045】
図5は、入力された図形を示す図である。
【0046】
そして、装置10は、描画された文字盤枠図形20の軌跡からなる座標データを入力する。
【0047】
次に、ステップS22において、装置10は、描画された数字図形の座標データを入力する。装置10は、描画された数字図形21a〜21rの軌跡からなる座標データを入力する。
【0048】
ここで、「4」という数字図形は、2つの軌跡により形成されているので、数字図形21f及び数字図形21gにより構成される。「5」及び「7」についても同様である。
【0049】
また、「10」という数字図形は、「1」と「0」という2つの数字図形21o及び数字図形21pにより構成される。「11」及び「12」についても同様である。
【0050】
次に、ステップS24において、装置10は、入力した文字盤枠図形及び数字図形の軌跡の点の列からなる座標データを有する第1図形ファイルを作成する。
【0051】
図6(A)は第1図形ファイルを説明する図である。
【0052】
第1図形ファイルは、D1<x><y>からDm<x><y>までの描画された軌跡の点の列からなる座標データを有する。例えば、D1<x><y>は、1番目に入力された文字盤枠図形20の座標データに対応する。D2<x><y>は、2番目に入力された数字図形21aの座標データに対応する。Dm−1<x><y>は、最後から2番目に入力された数字図形21qの座標データに対応する。Dm<x><y>は、最後に入力された数字図形21rの座標データに対応する。このような処理により、装置10は、第1図形ファイルを作成する。作成された第1図形ファイルは、記憶部10bに記憶される。
【0053】
次に、ステップS26において、装置10は、第1図形ファイルを文字認識して、文字列ファイルを作成する。第1図形ファイルを文字認識する方法としては、特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。本明細書では、文字には、ひらがな、漢字、英字等の文字と、数字及び記号が含まれる。文字列ファイルは、数字図形が数字として認識された文字列を有する。
【0054】
図7(A)は文字列ファイルの文字列を示す図である。
【0055】
文字列は、16個の文字を有している。例えば、文字列において左から1番目の「0」は、1番目に入力された文字盤枠図形20が文字認識された文字である。従って、時計の文字盤の数字に対応する文字は、文字列の左から2番目以降の文字となる。例えば、文字列において左から2番目の「1」は、2番目に入力された数字図形21aが文字認識された文字である。
【0056】
ここで、左から5番目の「Z」と、左から6番目の「ろ」と、右側から4番目の「I」と、右側から1番目の「、」は、数字以外の文字であり、時計の文字盤には、数字として存在しない文字である。これらの文字は、第1図形ファイルを文字認識する際に、誤って認識されたものである。
【0057】
装置10は、このような文字の誤認を訂正するための文字参照表T1を有する。文字参照表T1は、記憶部10bに記憶されている。
【0058】
図7(B)は、文字参照表の構造を示す図である。
【0059】
次に、ステップS28において、装置10は、文字列ファイルの認識された文字を文字参照表T1と比較して、認識された文字が文字参照表T1に含まれている場合には、認識された文字を、文字参照表T1に従った文字に置き換える。
【0060】
文字列ファイルの文字列中に文字参照表T1の検索文字と一致する文字が存在する場合には、文字列中の検索文字と一致する文字が、検索文字に対応する置き換え文字に置き換えられる。
【0061】
図7(C)は、文字参照表を参照して置き換えられた後の文字列ファイルの文字列を示す図である。
【0062】
図7(C)に示す文字列では、置き換えられた文字に下線を付してある。具体的には、「Z」が「2」に、「ろ」が「3」に、「I」が「1」に、「、」が「1」に置き換えられている。このような処理により、装置10は、文字列ファイルを作成する。作成された文字列ファイルは、記憶部10bに記憶される。なお、図7(B)に示す文字参照表T1は一例であり、文字参照表は他の検索文字及び置き換え文字を有していても良い。
【0063】
次に、ステップS30において、装置10は、描画された長針図形及び短針図形の座標データを入力する。装置10は、描画された短針図形22a及び長針図形22bの軌跡からなる座標データを入力する。図5に示すように、短針図形22a及び長針図形22bは、線状の針図形である。図5は、装置10がドライバーに描画するように指定した時間が「8時」であった場合の例である。
【0064】
次に、ステップS32において、装置10は、入力した短針図形及び長針図形の軌跡の座標データを有する第2図形ファイルを作成する。
【0065】
図6(B)は、第2図形ファイルを説明する図である。
【0066】
第2図形ファイルは、E1<x><y>及びE2<x><y>の描画された軌跡の点の列からなる座標データを有する。このような処理により、装置10は、第2図形ファイルを作成する。作成された第2図形ファイルは、記憶部10bに記憶される。
【0067】
次に、図3のフローチャートに戻って、ステップS12において、装置10は、記憶部10bに記憶した第1図形ファイルから、文字盤枠図形20及び数字図形21a〜21rの重心の重心座標を求め、求めた重心座標に基づいて、文字盤図形20と数字図形21a〜21rとの間の位置関係を決定する。
【0068】
次に、上述したステップS12の処理を、図8〜図10を用いて以下に詳述する。
【0069】
まず、図8のステップS40において、装置10は、第1図形ファイルの座標データから、文字盤枠図形及び数字図形の重心の重心座標を求めて、重心座標表T2を作成する。
【0070】
図11Aは、重心座標表の構造を示す図である。
【0071】
装置10は、各図形の重心のx座標を、座標データを形成する各点のx座標の平均値として求め、重心のy座標を、座標データを形成する各点のy座標の平均値として求める。
【0072】
図11Aに示すように、重心座標表T2は、18個の図形及びその重心座標を有する。上述したように、番号1の数字図形は文字盤枠図形であり、時計盤の数字には、番号2以降の数字図形が対応する。
【0073】
次に、ステップS42において、装置10は、重心座標表T2を用いて、文字盤枠図形の重心と数字図形の重心との間の重心間距離を、文字盤枠図形の重心座標及び数字図形の重心座標に基づいて求め、重心間距離が所定の距離よりも短ければ、文字盤枠図形と数字図形との間に関連性が有ると判断する。一方、重心間距離が所定の距離以上である数字図形については、その数字図形と文字盤枠図形との間に関連性が無いと判断して、その数字図形の座標データを、第1図形ファイルから削除する。また、関連がないと判断された数字図形のデータを、重心座標表T2から削除する。このようにして、重心座標表T2が作成される。作成された重心座標表T2は、記憶部10bに記憶される。
【0074】
次に、図9のステップS44において、装置10は、変数Kに、文字列の末尾の数字の順番の番号を代入する。図7(C)に示すように、文字列の末尾の数字は、文字列の左から数えて16番目であるので、ここでは変数Kに16が代入される。また、装置10は、変数Lに、重心座標表T2の末尾の番号を代入する。図11Aに示すように、重心座標表T2の末尾の番号は18であるので、ここでは変数Lに18が代入される。
【0075】
次に、ステップS46からステップS58の間で、文字列の左の2番目から末尾の各数字に対して処理を行う。文字列の左から1番目の文字は、この文字が文字盤枠図形に対応するので、左から1番目の文字はこの処理から除かれている。
【0076】
まず、ステップS48において、装置10は、文字列のK番目の数字を取り出す。Kが16の場合には、文字列から数字「1」が取り出される。
【0077】
次に、ステップS50において、装置10は、取り出した数字が、4又は5又は7であるかを判断する。図11Aに示すように、数字「4又は5又は7」は、2つの数字図形により構成される数字である。取り出した数字が、4又は5又は7ではない場合には、ステップS52に進む。一方、取り出した数字が、4又は5又は7である場合には、ステップS54に進む。
【0078】
ステップS52に進んだ場合には、装置10は、重心座標表T2のL番目の数字図形の重心座標と、取り出した数字とを対応づける。
【0079】
最初の処理では、変数Kが16なので、文字列から取り出した数字は「1」となる。そこで、取り出した数字が「1」の場合を例にして、ステップS52の処理を以下に説明する。また、最初の処理では、変数Lが18なので、図11Aに示すように、重心座標ファイルT2において、18番目の数字図形は「1」であり、その重心座標は(s18,t18)である。
【0080】
そこで、装置10は、取り出した数字「1」と、重心座標(s18,t18)とを対応づける。
【0081】
そして、装置10は、変数L=L−1とする。そして、次に、ステップS56に進む。
【0082】
一方、ステップS50からステップS54に進んだ場合には、装置10は、重心座標表T2のL番目及びL−1番目の2つの数字図形の重心座標を平均した重心座標を求めて、取り出した数字と平均した重心座標とを対応づける。
【0083】
取り出した数字が「4」の場合を例にして、ステップS54の処理を以下に説明する。図7(C)に示すように、文字列において、数字「4」は、左から7番目の文字であり、変数Kは7であり、この時、変数Lは8となる。
【0084】
そこで、装置10は、重心座標表T2の8番目の数字図形の重心座標(s8,t8)及び7番目の数字図形の重心座標(s7,t7)を平均した重心座標を求めて、取り出した数字「4」と平均した重心座標とを対応づける。
【0085】
そして、装置10は、変数L=L−2とする。そして、次に、ステップS56に進む。
【0086】
次に、ステップS56において、装置10は、変数K=K−1とする。
【0087】
このようにして、装置10は、ステップS46からステップS58の間の処理を繰り返して、文字列ファイルの各数字と重心座標とを対応づける。
【0088】
次に、図10のステップS60において、装置10は、文字列ファイルの2つの数字の重心の位置が所定の距離以内である場合には、2つの数字を2桁の数字と認識して、2つの数字の重心の平均座標を求めて、2桁の数字と対応付ける。
【0089】
例えば、図7(C)に示すように、文字列の左から2番目の数字「1」と3番目の数字「2」は、図5に示すように、図形「12」として描画された数字図形に対応する。今、文字列の左から2番目の数字「1」及び3番目の数字「2」に対応する重心座標(s2,t3)と重心座標(s3,t3)の間の距離は、所定の距離以内にある。そこで、2番目の数字「1」及び3番目の数字「2」は2桁の数字「12」と認識されて、2つの数字の重心の平均座標が重心座標として対応付けられる。同様にして、数字「10」、「11」が認識されて、重心座標が対応付けられる。
【0090】
次に、ステップS62において、装置10は、上述したように認識された数字とその重心座標とを対応付けた対応表T3を作成する。
【0091】
図11Bは、対応表の構造を示す図である。
【0092】
図11Bに示すように、対応表T3は、時計の文字盤の数字として「12」から「11」までの12個の数字及びその重心の重心座標と、文字盤枠の重心の重心座標とを有する。このようにして、装置10は、対応表T3を作成する。作成された対応表T3は、記憶部10bに記憶される。
【0093】
次に、図3のフローチャートに戻って、ステップS14において、装置10は、第2図形ファイルから、針図形の重心の重心座標を求め、求めた重心座標に基づいて、文字盤枠図形と針図形との間の位置関係を決定する。装置10は、文字盤枠図形の重心と各針図形の重心との間の重心間距離を、文字盤枠図形の重心座標及び針図形の重心座標に基づいて求め、重心間距離が所定の距離よりも短ければ、文字盤枠図形と針図形との間に関連性が有ると判断する。一方、重心間距離が所定の距離以上である針図形については、その針図形と文字盤枠図形との間に関連性が無いと判断して、その針図形の座標データを、第2図形ファイルから削除する。
【0094】
次に、ステップS16において、装置10は、文字盤枠図形及び数字図形の重心座標と、第2図形ファイルとを用いて評価項目1〜5に対する評価を行う。
【0095】
次に、上述したステップS16の処理を、図12〜図19を用いて以下に詳述する。
【0096】
[評価項目1]
評価項目1では、数字の個数及び1〜12の数字が描画されているかについて評価される。
【0097】
図12は、図3のステップS16の処理を説明するフローチャート(その1)である。
【0098】
まず、ステップS70において、装置10は、対応表T3の数字の個数が12個あるかについて判断する。対応表T3が12個の数字を有していない場合には、数字の個数が誤っていると判断される。
【0099】
次に、ステップS72において、装置10は、対応表T3の数字に1〜12以外の数字があるかについて判断する。対応表T3が1〜12以外の数字を有している場合には、1〜12以外の数字があると判断される。
【0100】
次に、ステップS74において、装置10は、上述した処理に基づいて、評価項目1の内容を評価する。
【0101】
[評価項目2]
評価項目2では、数字図形の順番について評価される。
【0102】
図13は、図3のステップS16の処理を説明するフローチャート(その2)である。図14は、図13のステップS78の処理を説明する図である。
【0103】
ステップS76からステップS82の間で、対応表T3の隣接する数字に対して処理が行われる。
【0104】
まず、ステップS78において、装置10は、文字盤枠図形20の重心Cを始点とし且つ対応表T3のn番目の数字に対応する数字図形の重心を終点とするベクトルAと、文字盤枠図形20の重心Cを始点とし且つ対応表T3のn−1番目の数字に対応する数字図形の重心を終点とするベクトルBとの外積のz成分を求める。
【0105】
例えば、n番目の数字を「3」とし、n−1番目の数字を「2」とした場合を例にして、ステップS78の処理を、図14を参照して以下に説明する。
【0106】
文字盤枠図形20の重心Cを始点とし且つ数字図形「3」の重心G3を終点とするベクトルAの成分は、対応表T3を参照して、(x3−cx、y3−cy)となる。また、文字盤枠図形20の重心Cを始点とし且つ数字図形「2」の重心G2を終点とするベクトルBの成分は、対応表T3を参照して、(x2−cx、y2−cy)となる。
【0107】
そして、ベクトルAとベクトルBとの外積のz成分は、(A×B)z=(x3−cx)(y2−cy)−(y3−cy)(x2−cx)となる。
【0108】
次に、ステップS80において、装置10は、外積のz成分が正であるかを判断する。文字盤枠20上において、数字図形「2」と数字図形「3」とが正しい順番に描画されている場合には、外積のz成分は正の値となる。従って、ベクトルAとベクトルBとの外積のz成分が、正の値であれば、数字図形「2」と数字図形「3」とが正しい順番に描画されていると判断される。
【0109】
外積のz成分が正である場合には、次に、ステップS82に進んで、ステップS76からステップS82の間の処理を繰り返す。全ての数字図形が正しい順番に描画されている場合には、隣接する数字に対して、全部で13回の処理がなされることになる。
【0110】
そして、ステップS84に進んだ場合には、装置10は、数字図形の順番は正しいと判断する。
【0111】
また、この評価では、例えば、数字図形が「12」、「3」、「6」、「9」の4つしか描画されていなくても、正しい順番に描画されていれば、装置10は、数字図形の順番が正しいと判断する。
【0112】
一方、ステップS80において、装置10が、外積のz成分が正ではないと判断した場合には、次に、ステップS86に進む。
【0113】
ステップ86に進んだ場合には、装置10は、数字図形の順番は間違っていると判断する。数字「12」から「11」の12個の数字の内、1つでも順番が間違っていれば、数字図形の順番は間違っていると判断される。
【0114】
[評価項目3]
評価項目3では、数字図形の位置について評価される。
【0115】
図15は、図3のステップS16の処理を説明するフローチャート(その3)である。図16は、図13のステップS92の処理を説明する図である。
【0116】
ステップS90からステップS100の間で、対応表T3の各数字に対して処理が行われる。
【0117】
まず、ステップS92において、装置10は、数字図形の重心と、文字盤図形20の重心Cと、文字盤枠図形20の重心座標の内の一の座標を正の方向に増加した延長点とがなす角度を求める。
【0118】
例えば、数字図形を「2」とした場合を例にして、ステップS92の処理を、図16を参照して以下に説明する。
【0119】
図16では、文字盤枠図形20の重心座標(cx、cy)の内のx座標を正の方向に増加した点を延長点E(ex、ey)とする。延長点E(ex、ey)は、例えば、ペン型入力装置12の描画領域右端とすることができる。
【0120】
そして、文字盤枠図形20の重心Cを始点とし且つ数字図形「2」の重心G2を終点とするベクトルAの成分は、対応表T3を参照して、(x2−cx、y2−cy)となる。また、文字盤枠図形20の重心Cを始点とし且つ延長点Eを終点とするベクトルBの成分は、(ex−cx、ey−cy)となる。
【0121】
そして、ベクトルAとベクトルBとがなす角度φが、図16に示すように、ベクトルA及びベクトルBの外積及び内積、並びに正接関数及び逆正接関数を用いて求められる。
【0122】
次に、ステップS94において、装置10は、求めた角度φが正しいかを判断する。角度φの判断基準としては、例えば、以下の基準を用いることができる。
【0123】
まず、数字が「1」又は「2」である場合には、角度φが第1象限Q1にあれば、求めた角度φが正しいと判断する。同様に、数字が「4」又は「5」である場合には、角度φが第2象限Q2にあれば、求めた角度φが正しいと判断する。数字が「7」又は「8」である場合には、角度φが第3象限Q3にあれば、求めた角度φが正しいと判断する。数字が「10」又は「11」である場合には、角度φが第4象限Q4にあれば、求めた角度φが正しいと判断する。
【0124】
次に、数字が「12」、「3」、「6」又は「9」である場合には、角度φが所定の角度の範囲内にあれば、求めた角度φを正しいと判断する。例えば、数字が「12」である場合には、角度φが90度±15度以内であれば、求めた角度φを正しいと判断する。同様に、数字が「3」である場合には、角度φが0度±15度以内であれば、求めた角度φを正しいと判断する。数字が「6」である場合には、角度φが270度±15度以内であれば、求めた角度φを正しいと判断する。数字が「9」である場合には、角度φが180度±15度以内であれば、求めた角度φを正しいと判断する。
【0125】
そして、求めた角度φが正しい場合には、次に、ステップS96に進む。一方、求めた角度φが正しくない場合には、次に、ステップS98に進む。
【0126】
ステップS96に進んだ場合には、装置10は、数字図形は正しい位置に配置されていると判断する。
【0127】
一方、ステップS98に進んだ場合には、装置10は、数字図形は間違った位置に配置されていると判断する。
【0128】
次に、ステップS100に進んで、ステップS90からステップS100の間の処理を繰り返す。各数字に対して、全部で12回の処理がなされることになる。
【0129】
[評価項目4]
評価項目4では、長針図形及び短針図形について評価される。
【0130】
図17は、図3のステップS16の処理を説明するフローチャート(その4)である。
【0131】
まず、ステップS110において、装置10は、第2図形ファイルを用いて、2つの針図形それぞれの始点座標及び終点座標に基づいて、2つの針図形の長さを求める。
【0132】
次に、ステップS112において、装置10は、2つの針図形の長さが、所定の長さよりも長いかを判断する。例えば、描画された針図形の長さが極端に短い場合には、文字盤の針図形として不適切であると判断する。2つの針図形の長さが、所定の長さよりも長い場合には、次に、ステップS114に進む。一方、2つの針図形の長さの内の何れか一方が、所定の長さよりも長くない場合には、次に、ステップS116に進む。
【0133】
ステップS114に進んだ場合には、装置10は、距離が長い方の針図形を長針図形とし、短い方の針図形を短針図形と判断する。
【0134】
一方、ステップS116に進んだ場合には、装置10は、長針図形及び短針図形の描画された入力は間違っていると判断する。なお、ドライバーが長針図形及び短針図形を検査用紙上に描画する際に、3本以上の針図形を描画する可能性もある。この場合には、第2図形ファイルは、3つ以上の軌跡に対応する座標データを有することになる。そこで、装置10は、第2図形ファイルを用いて、全ての針図形それぞれの始点座標及び終点座標に基づいて、針図形それぞれの長さを求め、所定の長さよりも長く且つ最も長い長さを有する針図形を長針図形とし、所定の長さよりも長く且つ2番目に長い長さを有する針図形を短針図形と判断しても良い。
【0135】
[評価項目5]
評価項目5では、長針図形及び短針図形の向きについて評価される。
【0136】
図18は、図3のステップS16の処理を説明するフローチャート(その5)である。図19は、図13のステップS124及びステップS126の処理を説明する図である。
【0137】
ステップS120からステップS134の間で、長針図形及び短針図形に対して処理が行われる。
【0138】
まず、ステップS122において、装置10は、針図形の始点の座標及び終点の座標の内、文字盤枠図形の重心から離れている点を遠方点として求める。
【0139】
図19に示す例を用いて説明すると、短針図形22aの両端点の内、文字盤枠図形20の重心Cから離れている方の端点が遠方点Fとなる。
【0140】
次に、ステップS124において、装置10は、遠方点と、文字盤図形の重心と、文字盤枠図形の重心座標の内の一の座標を正の方向に増加した延長点とがなす針角度を求める。
【0141】
図19に示す例を用いて説明すると、文字盤枠図形20の重心Cを始点とし且つ遠方点Fを終点とするベクトルAと、文字盤枠図形20の重心Cを始点とし且つ且つ延長点Eを終点とするベクトルCとがなす針角度φを、図16と同様にして、ベクトルA及びベクトルCの外積及び内積等を用いて求める。
【0142】
次に、ステップS126において、装置10は、針図形の先端が指し示すべき数字図形の重心と、文字盤図形の重心と、延長点とがなす基準角度を求める。針図形の先端が指し示すべき数字図形は、装置10が、針図形を描画する際にドライバーに指定した時間に対応する数字図形である。本実施形態では、短針図形の先端が指し示すべき数字図形は「8」であり、長針図形の先端が指し示すべき数字図形は「12」である。
【0143】
図19に示す例を用いて説明すると、文字盤枠図形20の重心Cを始点とし且つ数字図形21mの重心G8を終点とするベクトルBと、文字盤枠図形20の重心Cを始点とし且つ且つ延長点Eを終点とするベクトルCとがなす基準角度θを、図16と同様にして、ベクトルB及びベクトルCの外積及び内積等を用いて求める。
【0144】
次に、ステップS128において、装置10は、針角度φと基準角度θとの差が、所定の範囲内であるかを判断する。針角度φと基準角度θとの差が、所定の範囲内であれば、次に、ステップS130に進む。一方、針角度φと基準角度θとの差が、所定の範囲内でなければ、次に、ステップS132に進む。
【0145】
ステップS130に進んだ場合には、装置10は、針図形は正しい位置に配置されており、針図形の向きが誤っていないと判断する。
【0146】
一方、ステップS132に進んだ場合には、装置10は、針図形は誤った位置に配置されており、針図形の向きが誤っていると判断する。
【0147】
次に、ステップS134に進んで、ステップS120からステップS134の間の処理を繰り返す。
【0148】
次に、図3のフローチャートに戻って、ステップS18において、装置10は、評価項目1〜5に対する評価結果を、出力部10eであるプリンタにも出力する。
【0149】
上述した本実施形態の装置10によれば、2つ以上の図形の位置関係を容易に決定できるので、時計描画検査を正確に短時間で実施できる。
【0150】
また、装置10では、ドライバーが、筆記機能を有するペン型入力装置12を用いて図形を描画するので、通常の筆記具を用いて作業を行っている感覚をドライバーに与えることができる。
【0151】
更に、装置10では、プリンタで出力された時計描画の検査の評価結果が、ドライバーに渡される。従来の講習予備検査では、検査員が、ドライバーに口頭で評価結果を報告していたので、評価結果が良くない場合には、検査員とドライバーとの間に感情的な問題が生じる場合があった。しかし、装置10では、プリンタで出力された評価結果を用いて、ドライバーに結果の報告が行われるので、従来の問題を解消することができる。
【0152】
本発明では、上述した実施形態の第1の図形と第2の図形との間の位置関係を決定する方法、そのような方法を用いる装置、そのような方法のプログラム及び自動車運転模擬装置は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更が可能である。
【0153】
例えば、自動車模擬運転装置に対して、時計描画以外の時間の見当識又は手がかり再生という検査項目を実施する機能を持たせて、記憶力や判断力を測定できるようにしても良い。
【符号の説明】
【0154】
10 自動車模擬運転装置
10a 演算部
10b 記憶部
10c 表示部
10d 入力部
10e 出力部
10f 通信部
11 装置本体
12 ペン型入力装置
13 受信部
14 入力プレート
15 検査用紙
20 文字盤枠図形
21a〜21r 数字図形
22a、22b 針図形
T1 文字参照表
T2 重心座標表
T3 対応表

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の図形の座標データから前記第1の図形の重心の第1重心座標を求め、
第2の図形の座標データから前記第2の図形の重心の第2重心座標を求め、
前記第1重心座標及び前記第2重心座標に基づいて、前記第1の図形と前記第2の図形との間の位置関係を決定することをコンピュータが実行する方法。
【請求項2】
前記第1の図形の重心と前記第2の図形の重心との間の重心間距離を、前記第1重心座標及び前記第2重心座標に基づいて求め、
前記重心間距離が所定の距離よりも短ければ、前記第1の図形と前記第2の図形との間に関連性が有ると判断する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第3の図形の座標データから前記第3の図形の重心の第3重心座標を求め、
前記第1の図形の重心を始点とし且つ前記第2の図形の重心を終点とする第1ベクトルと、前記第1の図形の重心を始点とし且つ前記第3の図形の重心を終点とする第2ベクトルとの外積に基づいて、前記第2の図形と前記第3の図形との間の位置関係を決定する請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記第2の図形は文字である請求項1〜3の何れか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記第2の図形を文字認識し、
認識された文字を文字参照テーブルと比較して、認識された文字が前記文字参照表に含まれている場合には、認識された文字を、前記文字参照表に従った文字に置き換える請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第2重心と、前記第1重心と、前記第1重心座標の内の一の座標を正の方向に増加した延長点とがなす角度を求める請求項1〜5の何れか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第2の図形は線であり、前記第2の図形の始点の座標及び前記第2の図形の終点の座標の内、前記第1重心から離れている点を遠方点として求め、
前記遠方点と、前記第1重心と、前記第1重心座標の内の一の座標を正の方向に増加した延長点とがなす角度を求める請求項1又は2に記載の方法。
【請求項8】
ペン型入力装置を用いて、前記第1の図形及び前記第2の図形の座標データを入力する請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記ペン型入力装置は、筆記機能を有する請求項8に記載の方法。
【請求項10】
第1の図形の座標データ及び第2の図形の座標データを入力する入力部と、
入力した前記第1の図形の座標データから前記第1の図形の重心の第1重心座標を求め、且つ、
入力した第2の図形の座標データから前記第2の図形の重心の第2重心座標を求め、且つ、
前記第1重心座標及び前記第2重心座標に基づいて、前記第1の図形と前記第2の図形との間の位置関係を決定する演算部とを、
備える装置。
【請求項11】
第1の図形の座標データ及び第2の図形の座標データを入力する入力部と、
入力した前記第1の図形の座標データから前記第1の図形の重心の第1重心座標を求め、且つ、
入力した第2の図形の座標データから前記第2の図形の重心の第2重心座標を求め、且つ、
前記第1重心座標及び前記第2重心座標に基づいて、前記第1の図形と前記第2の図形との間の位置関係を決定する演算部とを、
備える自動車運転模擬装置。
【請求項12】
第1の図形の座標データから前記第1の図形の重心の第1重心座標を求め、
第2の図形の座標データから前記第2の図形の重心の第2重心座標を求め、
前記第1重心座標及び前記第2重心座標に基づいて、前記第1の図形と前記第2の図形との間の位置関係を決定することをコンピュータに実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−150280(P2012−150280A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−8884(P2011−8884)
【出願日】平成23年1月19日(2011.1.19)
【出願人】(000176730)三菱プレシジョン株式会社 (97)
【Fターム(参考)】