説明

筋緊張性ジストロフィーのためのタンパク質置換治療に関する組成物および方法

開示されるのは、ポリCUGおよびポリCCUG繰り返しRNAおよびこれら繰り返しRNA配列に結合するタンパク質の相互作用に関する組成物および方法である。また開示されるのは、ポリ(CUG)expまたはポリ(CCUG)expRNAのマッスルブラインドとの相互作用を阻害する工程を包含するか、または筋緊張性ジストロフィーにおけるスプライス異常の改善を引き起こすことによりDM1またはDM2を処置する方法である。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンパク質とリガンドとの相互作用を阻害する薬剤をスクリーニングする方法であって、該方法は、以下:
a)該リガンドを基材に捕捉させる工程;
b)標識化タンパク質を該リガンドと混合する工程;
c)薬剤を工程b)の混合物と接触させる工程;
d)該標識のレベルを決定する工程;および
e)コントロールに対して該標識の量を比較する工程
を包含し、該標識レベルの減少は、該相互作用を阻害する薬剤を示す、方法。
【請求項2】
前記タンパク質が、ポリCUGもしくはポリCCUGの繰り返しRNAと相互作用するタンパク質、または、ポリCUGもしくはポリCCUGの繰り返しにより分離されたタンパク質である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ポリCUGもしくはポリCCUGの繰り返しと相互作用するタンパク質、または、前記ポリCUGもしくはポリCCUGの繰り返しにより分離されたタンパク質が、MBNL1、MBNL2またはMBNL3である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記リガンドが、ポリCUGもしくはポリCCUGの繰り返しを含むRNAである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ポリCUGもしくはポリCCUGの繰り返しの隣に、DMPK遺伝子に由来するRNA配列、または、基材への捕捉を可能にする配列が配置されている、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記ポリCUGもしくはポリCCUGの繰り返しリガンドが、前記基材に結合された相補的な核酸に結合させることによって、該基質に結合される、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記相補的な核酸がビオチン化される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ビオチン化核酸が、前記基材に結合されたストレプトアビジンと、ビオチンとの結合によって、該基材に結合される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記相補的な核酸がオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)である、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記基材がポリスチレンプレートである、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記標識が蛍光標識である、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記蛍光のレベルが、蛍光計または蛍光プレートリーダーにより決定される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
タンパク質とリガンドとの相互作用を阻害する薬剤をスクリーニングする方法であって、該方法は、以下:
a)基材に結合したタンパク質を標識化リガンドと混合する工程;
b)薬剤を工程a)の混合物と接触させる工程;
c)該標識のレベルを決定する工程;および
d)コントロールに対して該標識の量を比較する工程
を包含し、該標識レベルの減少は、該相互作用を阻害する薬剤を示す、方法。
【請求項14】
前記リガンドが、ポリCUGもしくはポリCCUGの繰り返しRNAを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記タンパク質が、ポリCUGもしくはポリCCUGの繰り返しRNAが相互作用するタンパク質、または、ポリCUGもしくはポリCCUGの繰り返しによって分離されたタンパク質である、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記ポリCUGもしくはポリCCUGの繰り返しと相互作用するタンパク質、または、前記ポリCUGもしくはポリCCUGの繰り返しにより分離されたタンパク質が、MBNL1、MBNL2またはMBNL3である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記基材がニトロセルロースフィルタである、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記標識が蛍光標識である、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
第一のタンパク質と、核酸上の第一の認識エレメントとの相互作用を阻害する薬剤をスクリーニングする方法であって、該方法は、以下:
a)該第一のタンパク質、第二のタンパク質、および、第二の認識エレメントに隣接して該第一の認識エレメントを含む核酸、を含む細胞に薬剤を投与する工程であって、該第一のタンパク質は、該第一の認識エレメントに結合し、そして、該第二のタンパク質は該第二の認識エレメントに結合する、工程;ならびに
b)該第一のタンパク質および該第二のタンパク質の共局在化を検出する工程
を包含し、コントロールに対する、該第一のタンパク質および第二のタンパク質の共局在化の減少は、該相互作用を阻害する薬剤を示す、方法。
【請求項20】
前記第一のタンパク質がMBNL1、MBNL2またはMBNL3であり、前記第一の認識エレメントがポリCUG繰り返しRNAである、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記第二のタンパク質がMS2であり、前記第二の認識エレメントが、MS2被膜タンパク質RNA認識エレメントである、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記第一のタンパク質および前記第二のタンパク質のうち少なくとも一方がドナー蛍光色素を含み、そして、該第一のタンパク質および該第二のタンパク質のうち少なくとも一方がアクセプター色素を含み、該第一のタンパク質と該第二のタンパク質とが共局在化している場合に、該ドナー蛍光色素の励起が、該アクセプター色素を励起する蛍光の放出をもたらす、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記第一のタンパク質および前記第二のタンパク質のうち少なくとも一方が分割βガラクトシダーゼタンパク質の第一の半体を含み、そして、該第一のタンパク質および該第二のタンパク質のうち少なくとも一方が該分割βガラクトシダーゼタンパク質の第二の半体を含み、該第一のタンパク質と該第二のタンパク質とが共局在化している場合に、該βガラクトシダーゼ基質の加水分解が、蛍光の発光をもたらす、請求項19に記載の方法。
【請求項24】
前記第一のタンパク質および前記第二のタンパク質のうち少なくとも一方が分割蛍光タンパク質の第一の半体を含み、そして、該第一のタンパク質および該第二のタンパク質のうち少なくとも一方が該分割蛍光タンパク質の第二の半体を含み、該第一のタンパク質と該第二のタンパク質とが共局在化している場合に、該分割蛍光タンパク質の励起が、蛍光の放出をもたらす、請求項19に記載の方法。
【請求項25】
前記分割蛍光タンパク質がVenus蛍光タンパク質(VFP)である、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
スプライス異常を改善する薬剤をスクリーニングする方法であって、該方法は、以下:
a)スプライシング調節因子、過剰発現されたポリCUGもしくはポリCCUGの繰り返しRNA、およびスプライス異常レポーター構築物を含む細胞に薬剤を導入する工程であって、該レポーター構築物は、標識化タンパク質をコードする1以上の遺伝子が隣に配置された、ポリCUGもしくはポリCCUGの繰り返しにより誘発されるスプライス異常に感受性の遺伝子を含む、工程;ならびに
b)該標識化タンパク質のレベルを測定する工程;ならびに
c)標識化タンパク質の割合を比較する工程
を包含し、標識化タンパク質の増加は、スプライス異常を改善する薬剤を示す、方法。
【請求項27】
請求項26に記載の方法であって、ポリCUGもしくはポリCCUGに感受性の前記遺伝子の隣に、第一の標識化タンパク質および第二の標識化タンパク質をコードする遺伝子が配置され、該第一のタンパク質と該第二のタンパク質とが示差的に標識され;そして、該方法がさらに、
d)該第一の標識化タンパク質の該第二の標識化タンパク質に対する割合を比較する工程
を包含し、高い割合は、スプライス異常を改善する薬剤を示す、方法。
【請求項28】
前記第一の標識化タンパク質および第二の標識化タンパク質が、それぞれ、YFPおよびY・CFPである、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
ポリCUGもしくはポリCCUGに感受性の前記遺伝子の隣に、単一の標識化タンパク質をコードする遺伝子が配置され、該標識化タンパク質の増加は、スプライス異常を改善する薬剤を示す、請求項26に記載の方法。
【請求項30】
前記標識化タンパク質がGFPである、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記スプライシング調節因子が、MBNL1、MBNL2、MBNL3、CUG−BPIまたはETR−3である、請求項26に記載の方法。
【請求項32】
前記スプライス異常に感受性の遺伝子が、SERCA1エキソン22またはTNNT3の胎児エキソンである、請求項26に記載の方法。
【請求項33】
前記蛍光のレベルが、蛍光比色法または蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)によって決定される、請求項26に記載の方法。
【請求項34】
スプライス異常を改善する薬剤をスクリーニングする方法であって、該方法は、以下:
a)スプライシング調節因子、過剰発現されたポリCUGもしくはポリCCUGの繰り返しRNA、およびスプライス異常レポーター構築物を含む細胞に薬剤を導入する工程であって、該レポーター構築物は、ルシフェラーゼ遺伝子が隣に配置された、ポリCUGもしくはポリCCUGにより誘発されるスプライス異常に感受性の遺伝子を含む、工程;ならびに
b)該ルシフェラーゼ活性を測定する工程
を包含し、リシフェラーゼ活性の増加は、スプライス異常を改善する薬剤を示す、方法。
【請求項35】
処置を必要とする被験体における筋ジストロフィ(DM)を処置する方法であって、MBNL1のポリCUGexpmRNAとの相互作用を阻害する薬剤を該被験体に投与する工程を包含する、方法。
【請求項36】
前記DMが1型筋ジストロフィである、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記薬剤がモルホリノである、請求項35に記載の方法。
【請求項38】
前記モルホリノがCAG25である、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記モルホリノが配列番号3に示される、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記モルホリノがアンチセンスオリゴヌクレオチド(AON)である、請求項37に記載の方法。
【請求項41】
前記モルホリノが配列番号4または配列番号6に示される、請求項37に記載の方法。
【請求項42】
前記薬剤がPNA−CAGである、請求項35に記載の方法。
【請求項43】
前記PNA−CAGが、2回、3回、4回もしくは5回のCAG繰り返しから構成される、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記薬剤がアミノグリコシド系抗生物質である、請求項35に記載の方法。
【請求項45】
処置を必要とする被験体における筋ジストロフィを処置する方法であって、スプライス異常を矯正する薬剤を該被験体に投与する工程を包含する、方法。
【請求項46】
前記スプライス異常がイオンチャネル疾患をもたらす、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記薬剤がモルホリノである、請求項45に記載の方法。
【請求項48】
前記モルホリノがCAG25である、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記モルホリノが配列番号3に示される、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記モルホリノが塩素イオンチャネルClC−1を標的とする、請求項47に記載の方法。
【請求項51】
前記モルホリノがアンチセンスオリゴヌクレオチド(AON)である、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記モルホリノが配列番号4または配列番号5に示される、請求項50に記載の方法。
【請求項53】
前記薬剤が、ペプチド核酸(PNA)−CAGである、請求項45に記載の方法。
【請求項54】
前記PNA−CAGが、2回、3回、4回もしくは5回のCAG繰り返しから構成される、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記薬剤がアミノグリコシド系抗生物質である、請求項45に記載の方法。
【請求項56】
前記抗生物質がネオマイシンまたはゲンタマイシンである、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
第一のタンパク質、第二のタンパク質、および、第二の認識エレメントに隣接して第一の認識エレメントを含む核酸、を含む細胞であって、該第一のタンパク質は該第一の認識エレメントに結合し、そして、該第二のタンパク質は該第二の認識エレメントに結合し、該第一のタンパク質および該第二のタンパク質のうち少なくとも一方は、分割蛍光タンパク質の第一の半体を含み、そして、該第一のタンパク質および該第二のタンパク質のうち少なくとも一方は、該分割蛍光タンパク質の第二の半体を含み、該第一のタンパク質と該第二のタンパク質とが共局在化している場合、該分割蛍光タンパク質の励起が、蛍光の放出をもたらす、細胞。
【請求項58】
ポリスチレンプレート、ポリCUGexpmRNA、捕捉オリゴデオキシヌクレオチド(ODN)、および、標識されたマッスルブラインドタンパク質を含む、キット。
【請求項59】
前記マッスルブラインドタンパク質が、MBNL1、MBNL2またはMBNL3である、請求項58に記載のキット。
【請求項60】
前記マッスルブラインドタンパク質が蛍光標識される、請求項58に記載のキット。
【請求項61】
ニトロセルロースフィルタプレート、標識化ポリCUGexpmRNA、およびマッスルブラインドタンパク質を含む、キット。
【請求項62】
前記マッスルブラインドタンパク質が、MBNL1、MBNL2またはMBNL3である、請求項61に記載のキット。
【請求項63】
前記ポリCUGexpmRNAが蛍光標識される、請求項61に記載のキット。
【請求項64】
配列番号3に示されるアンチセンスオリゴヌクレオチド。
【請求項65】
配列番号4に示されるアンチセンスオリゴヌクレオチド。
【請求項66】
配列番号5に示されるアンチセンスオリゴヌクレオチド。
【請求項67】
前記アンチセンスオリゴヌクレオチドが、ペプチド核酸バックボーンを有する、請求項64〜66のいずれかに記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
【請求項68】
処置を必要とする被験体において筋ジストロフィを処置する方法であって、請求項67に記載のペプチド核酸を該被験体に投与する工程を包含する、方法。
【請求項69】
前記アンチセンスオリゴヌクレオチドがモルホリノである、請求項64〜66のいずれかに記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
【請求項70】
処置を必要とする被験体において筋ジストロフィを処置する方法であって、請求項69に記載のモルホリノを該被験体に投与する工程を包含する、方法。
【請求項71】
タンパク質とリガンドとの相互作用を阻害する薬剤をスクリーニングする方法であって、該方法は、以下:
a)該タンパク質または標識化リガンドに薬剤を接触させる工程;
b)該タンパク質を標識化リガンドと混合する工程;
c)該タンパク質に結合した標識のレベルを決定する工程;および
d)コントロールに対して該標識の量を比較する工程
を包含し、コントロールに対する、該タンパク質に結合した標識レベルの減少は、該相互作用を阻害する薬剤を示す、方法。
【請求項72】
タンパク質とリガンドとの相互作用を阻害する薬剤をスクリーニングする方法であって、該方法は、以下:
a)標識化タンパク質またはリガンドに薬剤を接触させる工程;
b)該タンパク質をリガンドと混合する工程;
c)該標識のレベルを決定する工程;および
d)コントロールに対して該標識の量を比較する工程
を包含し、該タンパク質に結合した標識のレベルの減少は、該相互作用を阻害する薬剤を示す、方法。
【請求項73】
タンパク質とリガンドとの相互作用を阻害する薬剤をスクリーニングする方法であって、該方法は、以下:
a)該タンパク質および標識化リガンドを混合する工程;
b)該タンパク質および標識化リガンドに薬剤を接触させる工程;ならびに
c)コントロールに対して該タンパク質に結合したリガンドの量を比較する工程
を包含し、該タンパク質に結合した標識のレベルの減少は、該相互作用を阻害する薬剤を示す、方法。
【請求項74】
タンパク質とリガンドとの相互作用を阻害する薬剤をスクリーニングする方法であって、該方法は、以下:
a)該タンパク質または標識化リガンドを薬剤に接触させる工程;
b)該薬剤の存在下で、該タンパク質および標識化リガンドを混合する工程;ならびに
c)コントロールに対して該タンパク質に結合したリガンドの量を比較する工程
を包含し、該タンパク質に結合した標識のレベルの減少は、該相互作用を阻害する薬剤を示す、方法。


【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21A】
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【図21B】
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【図21C】
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【図21D】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25A】
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【図25B】
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【図25C】
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【図25D】
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【図25E】
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【図25F】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30A】
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【図30B】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【公表番号】特表2010−504098(P2010−504098A)
【公表日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−529258(P2009−529258)
【出願日】平成19年9月21日(2007.9.21)
【国際出願番号】PCT/US2007/020503
【国際公開番号】WO2008/036406
【国際公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(507245021)ユニバーシティー オブ ロチェスター (9)
【出願人】(500360769)ユニバーシティ オブ フロリダ リサーチ ファウンデーション,インコーポレイティド (16)
【Fターム(参考)】