説明

筐体の接合機構

【課題】 筐体内の除染レベルを常時検証できる接合部の接合機構を提供することを目的とする。
【解決手段】 ガラス窓3(接合部)周縁に配設されるシールを膨縮シール30とした。そして、膨縮シール30の内空部31に、圧縮空気を導入するための空気流通管路50を接続した。さらに、この空気流通管路50に、圧力計53及びマスフローメーター52を装着した。そして、圧力計53により空気流通管路50を通過する空気の圧力を継続的に測定すると共に、マスフローメーター52により流量を継続的に測定するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部が除染された筐体(例えば、アイソレーター装置の装置筐体等)に設けられた接合部(例えば、ガラス窓等)を確実にシールする接合機構に関する。
【背景技術】
【0002】
医薬品等を製造する工場では、除染された空気雰囲気中にて各製品の充填、加工等を効率的に行うために、除染された空間を局所的に構成するようにしている。これを実現するものとしては、アイソレーター装置、ミニエンバイロメント等が例示されうる。
【0003】
ここで、例えばアイソレーター装置にあっては、装置筐体の壁部に、開閉を伴うガラス窓等の接合部を備えていることが一般的である。そして、この接合部の周縁に、パッキン材料となるシールを備えた接合機構を設けている。これにより、接合部を遮閉したときに、空気が当該接合部を介して装置筐体内又は装置筐体外へリーク(漏洩)してしまうことを防止できる(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
さらに詳述すると、空気の漏洩を防止する筐体の接合機構は、接合部の周縁に配設されたシールを、当該シールに対向する当接部に面接触させて相互を密着させる構成である。なお、かかる接合機構にあって、単一のシールを配設しただけの構成では、当該シールが損傷してリークした時に空気が装置筐体内に侵入する、又は装置筐体外へ漏出する場合もあるため、第二のシールを並設して、第一のシールの保証とする構成も提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0005】
ところで、上記構成にあっては、取り扱う製品の性格上、装置筐体内の気密は極めて厳密に管理される必要がある。例えば、無菌用アイソレーターであれば、数個の菌の存在が問題となるし、ハザード用アイソレーターであれば、1μg/m3の紛体の漏洩が問題となる。仮にこのような問題が発生して装置筐体内が汚染された場合は、極めて大きな被害となってしまう。このため、かかる装置筐体にあっては、気密を維持することは不可欠であり、気密を維持するための接合機構の信頼性を向上させる意義は、極めて大きい。そして、このような背景に鑑みるに、上述の接合機構としては、装置筐体内の汚染を防止すべく、装置筐体内の除染レベルを常時検証でき、また、仮に問題が発生した場合には直ちに対処できるものが望ましい。
【0006】
【特許文献1】特開平3−7837号公報
【特許文献2】特開2004−65967号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、接合部の周縁は、閉止した後にリーク量を確認することが困難であり、かつ接合状態の確認、検証が難しい。また、シールの信頼性を向上すべく、多くの締め込み点数、又は大きな締め込み強度を要求すると、構造的な強度の増大と共に、作業性が劣ってしまう問題がある。
【0008】
そこで本発明は、上記問題のうち少なくとも一つを解決することができる筐体の接合機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、内部が除染された筐体の接合部にシールが密接されてなり、該接合部を介して空気が内外へ流通することを阻止する筐体の接合機構において、前記シールが、接合部周縁に配設された、内空部を具備する管状の膨縮シールであって、該内空部に、空気流通路を介して空気源が接続されることにより、該内空部が所定圧に印加されてなると共に、該空気流通路を介して前記空気源から内空部へ空気が導入、又は内空部から外部へ空気が排出されることにより、当該内空部の内部圧力が変動して径方向に膨張又は収縮する構成であり、前記空気流通路を通過する空気の流量及び/又は圧力を継続的に測定する通過空気管理手段を備えたことを特徴とする筐体の接合機構である。ここで、除染とは、化学T期除染、無菌、殺菌、滅菌等が含まれる。また、筐体には、例えばアイソレーター装置の装置筐体、又はチャンバ等がある。また、接合部としては、例えばガラス窓、扉、ハッチ等がある。また、通過空気管理手段は、空気流通路を通過する空気の流量を測定する微小流量計、又は微粒子カウンターにより構成することができる。また、通過空気管理手段は、空気の圧力を測定する圧力計、又は真空計等により構成することができる。また、本発明に係る継続的に測定するとは、連続的な継続測定のほか、間欠的な継続測定を含むものである。また、空気源としては、例えば圧縮空気を供給する圧縮空気源、又は窒素、He,Ar等を供給するガス源が提案される。
【0010】
かかる構成にあって、適正に筐体内の気密状態が確保されるには、膨縮シールが適正に膨張し、接合部周縁で密着状に介装されている必要がある。ここで、上述のように、空気流通路を通過する空気の流量及び/又は圧力を継続的に測定する構成とすることにより、膨縮シールの内部圧力の変動を把握することが可能となる。すなわち、この測定値により、膨縮シールが所定の膨張状態にある等、種々の状態検証が可能となる。そして、その検証により、間接的に、筐体内の気密状態を確認することができる。
【0011】
また、上記構成にあって、通過空気管理手段が、空気流通路を通過する空気の流量を測定する流量測定手段と、空気流通路を通過する空気の圧力を測定する圧力測定手段とで構成されると共に、前記流量測定手段により測定された空気の流量が、所定の流量適正範囲内にあるか否かを判定する流量適正範囲判定手段と、前記圧力測定手段により測定された空気の圧力が、所定の圧力適正範囲内にあるか否かを判定する圧力適正範囲判定手段と、膨縮シールのリークを報知するリーク報知手段と、前記流量適正範囲判定手段が流量適正範囲内でないと判定し、かつ前記圧力適正範囲判定手段が圧力適正範囲内でないと判定した場合のみ、前記リーク報知手段により膨縮シールのリークを報知するリーク報知制御手段とを備えた構成が提案される。
【0012】
かかる構成にあって、適正な流量範囲及び圧力範囲を外れた場合には、膨縮シールの内部圧力が大きく変動したこととなるから、膨縮シールに損傷等の不具合が生じたと推定することが可能となり、筐体内の汚染のおそれを報知する異常警報を直ちに自動で行うことが可能となる。ここで、流量及び圧力が共に異常である場合に限りリークを報知する構成としたのは、次の理由によるものである。すなわち、測定される圧力は、当該空気の温度変化に大きく影響されて不安定であり、測定値の信頼性が低いためである。したがって、測定された流量及び圧力のうち、いずれか一方が定常的に適正値であれば、計測系の誤差と判断することができ、これにより膨縮シールが適正な膨張状態にあり、筐体内は異常がないとすることができる。
【0013】
また、空気流通路に、当該空気流通路の空気流通を遮断する空気流通遮断装置を接続すると共に、当該空気流通路内であって、前記空気流通遮断装置によって空気流通が遮断される空気流通遮断位置と膨縮シールの内空部との間に、空気が内在する空路を形成してなり、通過空気管理手段が、空気流通遮断装置により、膨縮シール内空部へ流入しようとする空気流通を遮断し、かつ、前記空路を流動する空気の流量及び圧力を継続的に測定する構成が提案される。
【0014】
かかる構成にあって、上述のような空路を設けて、空気流通遮断装置により空気流通を遮断すると、互いに連通する膨縮シールの内空部及び当該空路により構成される空所は、外部に対して閉じた系となる。したがって、例えば遮断から所定時間経過すると、当該空所に内在する空気は停滞して、空気流動が低減されることとなる。そして、かかる停滞状態で仮に膨縮シールが破損した場合は、当該空所の空気が破損箇所から漏洩することとなるため、乱れの少ない安定した空気の流動が生ずることとなる。したがって、測定精度が飛躍的に向上することとなる。
【0015】
また、上記構成にあって、膨縮シールと密接する当接部に、当接方向に開口する所定深さの凹溝が形成されてなると共に、該凹溝と膨縮シールとの間に形成された空隙が、当該膨縮シールの内空部に対して陰圧である構成が提案される。
【0016】
かかる構成にあって、仮に膨縮シールが損傷して、その内空部に充填されていた空気が周囲に漏出した場合、この漏出空気が、本発明に係る前記空隙に吸引されることとなる。すなわち、かかる構成は、筐体内の除染レベルを検証するために用いられる膨縮シール内の空気が筐体内外に漏洩してしまうことを阻止でき、保証の役割を果たすこととなる。
【0017】
また、凹溝と膨縮シールとの間に形成された空隙が、筐体の内部及び外部に対して陰圧である構成が提案される。
【0018】
かかる構成にあっては、仮に膨縮シールが損傷した場合、膨縮シールから漏出する漏出空気に加えて、筐体内の空気、及び筐体外の空気も前記空隙に吸引されることとなる。すなわち、かかる構成は、筐体内の空気が筐体外に流出したり、筐体外の空気が筐体内に流入したりすることがないため、さらに高度の保証機能を備えた構成となる。
【0019】
また、膨縮シールのシール肉厚にあって、凹溝の開口部と対向する部分のシール肉厚が、凹溝の開口部と対向しない部分のシール肉厚よりも薄肉である構成が提案される。
【0020】
かかる構成にあって、上述の薄肉部分は、耐久性を考慮すると、膨縮シールのなかでは破断しやすい部分と考えられる。そして、本発明は、その比較的破断しやすい部分を、意図的に、凹溝と対向させた位置に設けたことを特徴としている。すなわち、意図的に薄肉部分を形成し、かつその薄肉部分で膨縮シールが破断することを見越して陰圧の凹溝と薄肉部分とを対向させた構成としている。すなわち、膨縮シールが損傷して(薄肉部分で)、シール内に充填された空気が周囲に漏出した場合に、該漏出空気を速やかに凹溝で吸引できるようにしたものである。かかる構成とすることにより、膨縮シール破断時の漏出空気を凹溝で吸引できずに筐体内が汚染されてしまった、という被害を回避できる。
【0021】
また、膨縮シールの内空部に導入される空気が、除染させた空気である構成としても良い。
【0022】
かかる構成とすることにより、膨縮シール内の空気が筐体内外に漏洩しても、汚染を招くことがない。
【0023】
また、膨縮シールの配設位置に対して筐体内部寄り位置に、当該筐体の内部及び外部に対して陰圧となる陰圧空気吸入路が設けられてなり、当該接合部周縁を通過する空気が前記陰圧空気吸入路で吸引されてなる構成が提案される。
【0024】
かかる構成にあっては、仮に膨縮シールに異常が発生し、接合部を介して空気が筐体の内部又は外部に流通することがあったとしても、当該空気が、当該陰圧空気吸入路で回収されることとなる。このため、外部から汚染空気が流入することを防ぐことができると共に、内部からの漏れも防止できる。
【0025】
さらに、上記構成にあっては、接合部周縁又はその近傍部から筐体内方へ起立してなるガイド壁が、当該膨縮シールの配設方向に沿って帯状に設けられ、該ガイド壁と接合部との間に形成された間隙を、陰圧空気吸入路とした構成が提案される。
【0026】
ここで、膨縮シールが破断したときの保証として、膨縮シールの配設位置に対して筐体内部寄り位置に、第二のシールを並設する構成が従来提案されている。しかしながら、複数のシールを同時に等しい面圧で当接部に面接触させて接合部を接合するには、高度な接合技術を要し、取り付け作業者が熟練である必要がある。このため、作業性が極めて悪いと共に、経験の少ない作業者によるものであれば清浄度の信頼性が失われることとなる。一方、本発明は、膨縮シールの保証として第二のシールを設けるものでは無く、ガイド壁を用いて膨縮シールの保証機能を持たせたものである。これにより、接合部を接合する際の作業性が向上すると共に、経験の浅い作業者による接合でも信頼性を確保することができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明の筐体の接合機構は、空気流通路を通過する空気の流量及び/又は圧力を継続的に測定する通過空気管理手段を備えた構成としたため、膨縮シールの継続的な状態確認が可能となる。そして、この状態確認により、間接的に、筐体内を常時監視することが可能となり、筐体内の除染レベルを常時検証できる効果がある。
【0028】
また、測定された流量が流量適正範囲内でない、かつ測定された圧力が圧力適正範囲内でないと判定した場合のみ、膨縮シールのリークを報知する構成とした場合は、膨縮シールの内部圧力が異常に大きく変動したことを検知できる。そして、このような検知により、膨縮シールが損傷したと推定でき、直ちに異常警報を発する等の対処を行うことができる。
【0029】
また、空路を流動する空気の流量及び圧力を継続的に測定する構成とした場合は、一旦空気を停滞させて、それから空気の流動を測定することができるため、測定精度が飛躍的に向上する効果がある。
【0030】
また、膨縮シールと当接する当接部に凹溝が形成されてなり、該凹溝と膨縮シールとの間に形成された空隙が、当該膨縮シールの内空部に対して陰圧である構成とした場合は、膨縮シールが損傷して内空部にある空気が漏出した場合に、この漏出空気を凹溝により外部へ導くことが可能となり、筐体内が汚染されてしまうことを阻止できる効果がある。
【0031】
また、凹溝と膨縮シールとの間に形成された空隙が、筐体の内部及び外部に対して陰圧である構成とした場合は、筐体内外の空気も凹溝内に吸引することができ、筐体内の空気が筐体外に流出したり、筐体外の空気が筐体内に流入したりすることを阻止できる効果がある。
【0032】
また、膨縮シールのシール肉厚にあって、凹溝の開口部と対向する部分のシール肉厚が、凹溝の開口部と対向しない部分のシール肉厚よりも薄肉である構成とした場合は、膨縮シールが損傷した場合に、その損傷箇所が凹溝内に位置することとなるため、膨縮シールからの漏出空気を速やかに当該凹溝で吸引できる効果がある。
【0033】
また、膨縮シールの内空部に導入される空気が、除染させた空気である構成とした場合は、膨縮シール内の空気が筐体内外に漏洩しても、汚染の被害を生じさせない効果がある。
【0034】
また、膨縮シールの配設位置に対して筐体内部寄り位置に、陰圧空気吸入路が設けられた構成とした場合は、仮に膨縮シールに異常があって、接合部を介して空気が筐体の内部又は外部に流通することがあったとしても、当該空気を回収して汚染を回避できる効果がある。
【0035】
さらに、膨縮シールの配設方向に沿ってガイド壁が設けられ、該ガイド壁と接合部との間に形成された間隙を、陰圧空気吸入路とした場合は、第二のシールを設ける必要がなくなるため、接合部のメンテナンス等の作業性が向上すると共に、経験の浅い作業者による接合でも信頼性を確保できる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
次に本発明の実施例を添付図面に従って説明する。図1はダブルウォール型のアイソレーター装置1を示している。
アイソレーター装置1は、基台10を備えている。さらに、この基台10の上に、内部が除染された装置筐体2が保持されている。かかる構成にあって、装置筐体2の内部が気密的に遮閉化されることにより、局所的な清浄空間が構成される。なお、前記装置筐体2により、本発明に係る筐体が構成される。
【0037】
装置筐体2の内部には、仕切り板44が鉛直方向に設けられている。そして、この仕切り板44と、装置筐体2の壁部20との間に形成された隙間が、空気が流動可能な周回路40となっている。一方、装置筐体2内の中央にある空間が、作業空間21となっている。また、仕切り板44の下端には、作業空間21と周回路40とを連通させる連通口43が設けられている。
【0038】
前記作業空間21の上部には、ガスを清浄化するためのHEPAフィルタ42が配設されている。さらに、このHEPAフィルタ42の下には、気流を整える整流板45が、架け渡されている。
【0039】
さらに、HEPAフィルタ42上には、空気を一方向に送風可能な送風装置41が設置されている。そして、この送風装置41により送風された空気は、HEPAフィルタ42と整流板45とを介して作業空間21へ流入する。そしてさらに、作業空間21を通過した空気は、前記連通口43を通過して周回路40内に進入し、周回路40内を上昇する。そして、この上昇空気は、送風装置41に到達し、再びこの送風装置41により、作業空間21へ送風される。
【0040】
また、装置筐体2の壁部20には、内外を連通する窓枠4が開口している。そして、この窓枠4に板状のガラス窓3(接合部)が気密状に接合されている。なお、ガラス窓3を介して空気が内外へ流通することを阻止する装置筐体2の接合機構Aについては、本発明の要部であるため、後で詳述する。
【0041】
さらに、このガラス窓3には、作業孔5が形成されている。この作業孔5には、筒状の支持部材9が水平に取り付けられている。さらに、この支持部材9の先端に、作業グローブ8の基端部がOリング11を用いて気密状に取り付けられている。これにより、作業孔5は密閉され、作業者が外から作業グローブ8に手を挿入してガラス窓3を介して内部を確認しながら、種々の作業を行うことができる。
【0042】
次に、図2に従ってガラス窓3を窓枠4に接合するための接合機構Aについて詳述する。なお、接合機構Aは、ガラス窓3を囲繞するように全周にわたって配設されている。したがって、実施例としては、ガラス窓3の上縁部分に係る接合機構Aを一例として説明し、他の部分については説明を省略する。
【0043】
図2に示すように、装置筐体2の壁部20であって、ガラス窓3の上方位置には、外方へ突出した断面L字状のシール保持部材22が配設されている。具体的には、シール保持部材22の基端部は壁面から水平に突出し、先端部が下方に折曲されている。これにより、シール保持部材22と壁部20との間に、ガラス窓3方向に開口する間隙が形成される。そして、この間隙に、公知品の膨縮シール30が、密着状に装填されている。これにより、ガラス窓3の周縁に沿って膨縮シール30が周設されることとなる。
【0044】
前記膨縮シール30について詳述すると、シール部材は、ゴム又は樹脂等の弾性材料で構成されており、管状(チューブ状)である。そして、その内空部31の内部圧力が高まると、径方向に膨張する。一方、内部圧力が低下すると、径方向に収縮する。
【0045】
また、本発明にあっては、膨縮シール30の内空部31に、空気流通管路50が接続されている。また、この空気流通管路50には、圧力計53、マスフローメーター52、開閉バルブ51、及び圧縮機54が装着されている。この空気流通管路50は、圧縮機54が発生させた圧縮空気を膨縮シール30の内空部31に導入するための管路であり、前記圧力計53により通過空気の圧力が継続的に測定されると共に、前記マスフローメーター52により流量が継続的に測定される。なお、この圧力計53、及びマスフローメーター52により、本発明に係る通過空気管理手段が構成される。また、前記圧縮機54により、本発明に係る空気源が構成される。
【0046】
また、内空部31には、排気用空気流通管路70が接続されている。この排気用空気流通管路70は、内空部31にある圧縮空気を外部に排気するための管路である。なお、この排気用空気流通管路70には、排気用開閉バルブ71が装着されている。
【0047】
かかる構成にあって、膨縮シール30の内空部31に圧縮空気が導入されると、内空部31の内部圧力が高まり、所定圧に印加されて当該膨縮シール30が膨張する。なお、空気流通管路50に装着された開閉バルブ51の開閉制御により、導入空気の流量等を調整することができる。一方、排気用空気流通管路70に装着された排気用開閉バルブ71の開閉制御により、内空部31の内部圧力を低下させて膨縮シール30を収縮させることもできる。なお、前記空気流通管路50,70により、本発明に係る空気流通路が構成される。
【0048】
また、膨縮シール30の下部には、断面ほぼ矩形状のガラス窓保持部材23が配設されている。具体的には、このガラス窓保持部材23の上面は、シール保持部材22の先端部22aと膨縮シール30の下面とそれぞれ面接触している。また、ガラス窓保持部材23の右側面は、壁部20に密接している。さらに、ガラス窓保持部材23の下面は、ガラス窓3の厚みと等しい溝幅の保持溝25が形成され、当該保持溝25にガラス窓3の上端縁がはめ込まれている。これにより、ガラス窓保持部材23は、ガラス窓3を保持している。すなわち、かかる構成により、ガラス窓3の周縁に膨縮シール30が配設される接合機構Aが構成されることとなる。
【0049】
また、前記ガラス窓保持部材23の下方であって、窓枠4の前方には、補助部材24が配設されている。この補助部材24は、ガラス窓保持部材23をガラス窓3に密着状に固定するためのものである。
【0050】
ところで、ガラス窓保持部材23の上面であって、膨縮シール30と当接する当接部30aには、上方に(すなわち、膨縮シール30側に)開口する所定深さの凹溝35が設けられている。そして、この凹溝35と膨縮シール30との間に形成された空隙には、陰圧吸入管路55が接続されている。この空隙(後述する陰圧吸入路36)については、後述する。
【0051】
前記陰圧吸入管路55には、開閉バルブ56、圧力計58、マスフローメーター57、及び真空ポンプ59が装着されている。かかる構成にあって、真空ポンプ59が駆動すると、陰圧吸入管路55内が、少なくとも膨縮シール30の内空部31に対して陰圧となり、膨縮シール30と凹溝35との間に形成された空隙を陰圧とする。これにより、膨縮シール30と凹溝35との間の空隙が、少なくとも膨縮シール30の内空部31に対して陰圧な陰圧吸入路36となる。かかる構成とすることにより、仮に膨縮シール30が損傷して、内空部31に充填されていた圧縮空気が周囲に漏出した場合、この漏出空気が、陰圧吸入路36に吸引されることとなる。これにより、膨縮シール30内の圧縮空気が装置筐体2内に漏洩してしまうことを阻止できる。
【0052】
また、本実施例にあっては、凹溝35に連通する陰圧吸入管路55を、外気に対して10〜5000Paに減圧し、陰圧吸入路36を装置筐体2内外に対しても陰圧となるようにしている。かかる構成とすることにより、膨縮シール30が損傷した時に、装置筐体2内の空気、及び装置筐体2外の空気が陰圧吸入路36に吸引されることとなる。これにより、装置筐体2内の空気が外に流出したり、外気が装置筐体2内に流入したりすることを阻止でき、高度の保証機能を備えた構成とすることができる。
【0053】
なお、凹溝35内を陰圧吸入路36とする陰圧吸入管路55に装着された開閉バルブ56の開閉制御により、陰圧吸入路36から排出される空気の流量等を調整することができる。また、圧力計58により当該排出空気の圧力が継続的に測定されると共に、マスフローメーター57によりその流量が継続的に測定される。かかる構成とすることにより、常時、装置筐体2内の状況を監視することができる。すなわち、所定圧力が流出していることを確認することにより凹溝35内が所定の陰圧状態にあることを検証することができ、局所清浄空間の状態確認が可能となる。また、この測定により、限界流量を越えたかどうかが判定可能となり、限界流量を越えた場合には異常発生とするとすることができ、異常警報等を自動的に行うことができる。
【0054】
次に、本発明の要部である、膨縮シール30に導入する圧縮空気の管理について詳述する。
上述のように、空気流通管路50を介して膨縮シール30に導入する圧縮空気は、圧力計53、及びマスフローメーター52により継続的に監視される。すなわち、膨縮シール30の内部圧力の変動が常時把握でき、膨縮シール30が所定の膨張状態にあるか等の状態検証が可能となる。そして、その検証により、間接的に、装置筐体2内の清浄度を確認することができる。例えば、圧力計53及びマスフローメーター52の測定値が、適正な範囲にあれば、膨縮シール30が適正に膨張状態にあると判定でき、除染状態が確保されて装置筐体2内は異常がないとすることができる。一方、圧力計53及びマスフローメーター52の測定値が、共に適正な範囲にないときは、この結果に基づいて異常発生の警告をすることができる。
【0055】
また、接合機構Aが、図3に示すような制御装置73を備え、上述のような空気管理を自動的に行う構成が提案される。図3に示すように、制御装置73は、CPU74を備えている。そして、このCPU74には、記憶装置ROM75と記憶装置RAM76とが接続されている。さらに詳述すると、記憶装置ROM75は、アドレスを指定する情報を一方的に伝えるアドレスバス(図示省略)を介してCPU74に接続している。また、記憶装置RAM76は、データのやり取りを行うデータバス(図示省略)を介してCPU74に接続している。ここで、記憶装置ROM75には、演算処理に用いる制御プログラム等の固定データが記憶保持されている。一方、記憶装置RAM76には、記憶エリア、ソフトタイマを構成するレジスタ領域、及びワークエリア等が設けられている。
【0056】
さらに、制御装置73には、前記圧力計53、及びマスフローメーター52が電気的に接続されている。さらに、制御装置73には、警告音を鳴音することにより膨縮シール30のリークを報知する報知スピーカー72が電気的に接続されている。
【0057】
そして、かかる構成にあって、圧力計53、及びマスフローメーター52は、それぞれ測定データを制御装置73に随時送信する。そして、当該データを受信した制御装置73は、記憶装置RAM76に一旦記憶保持する。また、制御装置73は、所定の警告報知条件が成立した場合に、報知スピーカー72に指令信号を送信する。そして、かかる信号を受信した報知スピーカー72は、当該信号に従って警告音を鳴音する。
【0058】
具体的には、制御装置73は、圧力計53により送信された圧力データと、記憶装置ROM75にあらかじめ記憶保持された圧力適正範囲データとを比較する。また、マスフローメーター52により送信された流量データと、記憶装置ROM75にあらかじめ記憶保持された流量適正範囲データとを比較する。なお、圧力適正範囲、及び流量適正範囲とは、かかる範囲内で圧力又は流量が測定されていれば、膨縮シール30は適正状態にあることを示す数値範囲であって、あらかじめ行われる種々の実験により、定められるものである。
【0059】
そして、制御装置73が、送信された圧力データが圧力適正範囲内にあり、又は、送信された流量データが流量適正範囲内にあると判定した場合、例えば、内部圧力が規定の圧力に維持され、流量がゼロである場合は、膨縮シール30は適正な膨張状態にあると判断し、リークの警告を発せず、現状を維持する。
【0060】
一方、制御装置73が、送信された圧力データが圧力適正範囲外にあり、かつ、送信された流量データが流量適正範囲外にあると判定した場合は、膨縮シール30に不具合が生じてリークが発生したと判断できるため、警告報知条件が成立して、報知スピーカー72に指令信号を送信し、警告音を鳴音させる。
【0061】
ここで、測定された流量及び圧力が共に異常である場合に限りリークを報知する構成としたのは、圧力計53により測定される空気流通管路50の空気圧力は、当該空気の温度変化に大きく影響されて不安定であり、測定値の信頼性が低いためである。
【0062】
なお、本実施例に係るマスフローメーター52により、本発明に係る流量測定手段が構成される。また、本実施例に係る圧力計53により、本発明に係る圧力測定手段が構成される。また、本実施例に係る、圧力計53により送信された圧力データと、記憶装置ROM75に記憶保持された圧力適正範囲データとを比較し、測定された圧力が圧力適正範囲内にあるか否かを判定する制御内容を具備する制御装置73により、本発明に係る圧力適正範囲判定手段が構成される。また、本実施例に係るマスフローメーター52により送信された流量データと、記憶装置ROM75に記憶保持された流量適正範囲データとを比較し、測定された流量が流量適正範囲内にあるか否かを判定する制御内容を具備する制御装置73により、本発明に係る流量適正範囲判定手段が構成される。また、本実施例に係る報知スピーカー72により、リーク報知手段が構成される。また、本実施例に係る警告音の鳴音を指令する制御内容を具備する制御装置73により、本発明に係るリーク報知制御手段が構成される。
【0063】
また、空気流通管路50を通過する空気の圧力及び流量を測定する際に、開閉バルブ51を完全に遮断してから測定する構成が提案される。さらに詳述すると、図4に示すように、開閉バルブ51を遮断状態とすると、開閉バルブ51の遮断位置51aと膨縮シール30の内空部31との間に、圧力計53及びマスフローメーター52が接続された空路50aが形成される。すなわち、該空路50aと内空部31とが、接続部50bを介して連通することとなり、外部に対して閉じた空所が構成されることとなる。そして、前記のような空路50aを形成して、例えば五分程このような状態を維持し、空気を停滞させる。そして、その後、空気流通管路50に接続された圧力計53とマスフローメーター52とを用いて、前記空路50aを流動する空気の圧力及び流量を継続的(例えば、一分間隔)に測定する。
【0064】
かかる構成とすることにより、仮に膨縮シール30が破損した場合は、前記空所の空気が破損箇所から漏洩することとなるため、乱れの少ない安定した空気の流動を測定対象とすることができる。
【0065】
なお、本実施例にかかる開閉バルブ51により、本発明に係る空気流通遮断装置が構成される。
【0066】
また、これまでに述べた構成は、圧力計53とマスフローメーター52とが、一本の空気流通管路50に直列に接続された構成であるが、変形例として、図5に示すように、空気流通管路50を、圧力計53のみが接続される圧力測定用管路50cと、マスフローメーター52のみが接続される流量測定用管路50dとで構成し、各管路50c,50dを並列に構成することもできる。かかる構成とすることにより、圧力及び流量を、それぞれ独立して測定することが可能となる。
【0067】
次に、図6に従って、シングルウォール型のアイソレーター装置1aに係る接合機構Bについて説明する。ここで、シングルウォール型の場合は、ガラス窓3側に周回路40が形成されておらず、作業空間21に直接ガラス窓3が臨む構成である。なお、ダブルウォール型のアイソレーター装置1と同じ構成については、同一符号を付して説明を省略する。
【0068】
装置筐体2の壁部20であって、ガラス窓3の上方位置には、外方へ突出した断面L字状のシール保持部材22が配設されている。そして、この間隙に、膨縮シール30と、公知品の固定シール80とが、密着状に並設されている。さらに詳述すると、固定シール80は、断面方形状であって、膨縮シール30に隣接して、壁部20側に装填されている。
【0069】
また、膨縮シール30の内空部31に、空気流通管路50が接続されている。この空気流通管路50には、開閉バルブ51、圧力計53、マスフローメーター52、及び圧縮機54が装着されている。また、前記内空部31には、排気用空気流通管路70が接続されている。また、この排気用空気流通管路70には、排気用開閉バルブ71が装着されている。
【0070】
また、膨縮シール30の下部には、凹溝35が形成されたガラス窓保持部材23が配設されている。そして、凹溝35にある空隙に、開閉バルブ56、圧力計58、マスフローメーター57、及び真空ポンプ59が装着された陰圧吸入管路55が接続されている。また、ガラス窓保持部材23の下面に形成された保持溝25には、補助部材24により挟持されるガラス窓3が嵌挿されている。
【0071】
また、窓枠4の直上であって、ガラス窓3の背面位置には、壁部20の端縁に固着され、装置筐体2内方へ膨隆する角パイプ61が、窓枠4及び膨縮シール30に沿って帯状に周設されている。さらに詳述すると、この角パイプ61は、図7に示すように、断面方形状の筒形状をしており、長手方向に沿って、内外に貫通するスリット孔63が間欠的に設けられている。さらに、図6に示すように、角パイプ61の内部60に、バックアップ用陰圧吸入管路65が接続されている。このバックアップ用陰圧吸入管路65には、開閉バルブ66、圧力計68、マスフローメーター67、及び真空ポンプ69が装着されている。
【0072】
なお、角パイプ61は、膨縮シール30の配設位置に対して装置筐体2内部寄り位置に配設されることとなる。また、当該角パイプ61の上端とガラス窓3との間及び当該角パイプ61の上端と補助部材24との間には、それぞれ間隙を設けている。さらに、前記ガラス窓保持部材23は、前記固定シール80とは当接しておらず、この固定シール80の厚み分だけ壁部20から離間して配設されている。すなわち、これまでに述べた構成にあっては、当該ガラス窓保持部材23と壁部20との間、及びガラス窓3と角パイプ61との間には連通状に空隙62が形成されている。
【0073】
かかる構成にあって、真空ポンプ59が駆動すると、バックアップ用陰圧吸入管路65内が、装置筐体2内外に対して減圧され、角パイプ61の内部60を陰圧とするように設定されている。これにより、空隙62が、作業空間21及び外部に対して陰圧なバックアップ用陰圧吸入路62aとなる。かかる構成とすることにより、仮に膨縮シール30が損傷した場合、内空部31に充填されていた圧縮空気、装置筐体2内の空気又は外気が、ガラス窓3の周縁を通過してバックアップ用陰圧吸入路62aに吸引されることとなる。また、バックアップ用陰圧吸入管路65内を通過する空気の流量は、開閉バルブ66により制御可能であり、その通過空気は、圧力計68及びマスフローメーター67により、監視されている。これにより、膨縮シール30損傷時においても、装置筐体2内の空気が外に流出したり、外気が装置筐体2内に流入したりすることを阻止でき、高度の保証機能を備えた構成とすることができる。また、この測定により、限界流量を越えたかどうかが判定可能となり、限界流量を越えた場合には異常発生とするとすることにより、異常警報等を自動的に行うことができる。
【0074】
なお、このバックアップ用陰圧吸入路62aにより、本発明に係る陰圧空気吸入路が構成される。また、角パイプ61により、本発明に係るガイド壁が構成される。また、前記窓枠4の直上であって、ガラス窓3の背面位置により、本発明に係る接合部周縁の近傍部が構成される。
【0075】
なお、これまでに述べた構成にあって、図8に示すような膨縮シール30’を採用しても良い。かかる膨縮シール30’は、シール肉厚が均一ではなく、凹溝35の開口部35aと対向する部分のシール肉厚D2を、他の部分のシール肉厚D1よりも薄肉とした構成である。かかる構成にあって、シール肉厚D2の部分は、他の部分のシール肉厚D1よりも耐久性が低く、最も破断しやすい箇所である。したがって、膨縮シール30が損傷した際は、シール肉厚D1の部分で破断し、当該部分から内空部31の圧縮空気が漏れ出すこととなる。ただし、この破断部は、凹溝35に開口しているため、漏れ出した圧縮空気は、空気流通管路50により速やかに回収される。これにより、装置筐体2内が汚染されることを防止できる
【0076】
また、膨縮シール30に導入する圧縮空気を、除染された圧縮空気とする構成としても良い。
【0077】
なお、膨縮シール30,30’の断面形状、凹溝35の断面形状は、それぞれ適宜変更される。
【0078】
また、図8に示すように、凹溝35は、ガラス窓3の側面(端面)に直接設けても良い。また、凹溝35は、ガラス窓3の板面に設けても良い。これは、シングル、ダブルウォールに係わらず適用することができる。また、角パイプ61は、ガラス窓3の近傍部に限定されず、ガラス窓3の周縁に設けても良い。
【0079】
また、図9は、第一変形例に係る接合機構Aを示すものである。接合機構Aは、図9に示すように、空気流通管路50に、マスフローメーター52、開閉バルブ51、及び圧縮機54が装着された構成としても良い。すなわち、かかる構成は、空気流通管路50を通過する圧縮空気の流量のみを継続的に測定する構成である。かかる構成は、シングル、ダブルウォールに係わらず適用することができる。また、図10は、第二変形例に係る接合機構Bである。接合機構Bは、図10に示すように、空気流通管路50に、圧力計53、開閉バルブ51、及び圧縮機54が装着された構成としても良い。すなわち、かかる構成は、空気流通管路50を通過する圧縮空気の圧力のみを継続的に測定する構成である。かかる構成も、シングル、ダブルウォールに係わらず適用することができる。
【0080】
また、接合機構A,Bは、上記実施例に限定されること無く、適宜変更することが可能である。また、本発明は、筐体の様々な接合部に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】ダブルウォール型のアイソレーター装置1を示す概要側面図である。
【図2】接合機構Aの縦断面図である。
【図3】制御装置73のブロック回路図である。
【図4】空路50aを示す概要図である。
【図5】圧力測定用管路50cと流量測定用管路50dとを示す概要図である。
【図6】接合機構Bの縦断面図である。
【図7】角パイプ61の外観斜視図である。
【図8】膨縮シール30’の縦断面図である。
【図9】第一変形例に係る接合機構Aの縦断面図である。
【図10】第二変形例に係る接合機構Bの縦断面図である。
【符号の説明】
【0082】
1,1a アイソレーター装置
2 装置筐体
3 ガラス窓(接合部)
30,30’ 膨縮シール
30a 当接部
31 内空部
35 凹溝
35a 開口部
50,70 空気流通管路
50a 空路
51 開閉バルブ
52 マスフローメーター
53 圧力計
61 角パイプ
62a バックアップ用陰圧吸入路
A,B 接合機構
D シール肉厚

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部が除染された筐体の接合部にシールが密接されてなり、該接合部を介して空気が内外へ流通することを阻止する筐体の接合機構において、
前記シールが、接合部周縁に配設された、内空部を具備する管状の膨縮シールであって、該内空部に、空気流通路を介して空気源が接続されることにより、該内空部が所定圧に印加されてなると共に、該空気流通路を介して前記空気源から内空部へ空気が導入、又は内空部から外部へ空気が排出されることにより、当該内空部の内部圧力が変動して径方向に膨張又は収縮する構成であり、
前記空気流通路を通過する空気の流量及び/又は圧力を継続的に測定する通過空気管理手段を備えたことを特徴とする筐体の接合機構。
【請求項2】
通過空気管理手段が、
空気流通路を通過する空気の流量を測定する流量測定手段と、
空気流通路を通過する空気の圧力を測定する圧力測定手段と
で構成されると共に、
前記流量測定手段により測定された空気の流量が、所定の流量適正範囲内にあるか否かを判定する流量適正範囲判定手段と、
前記圧力測定手段により測定された空気の圧力が、所定の圧力適正範囲内にあるか否かを判定する圧力適正範囲判定手段と、
膨縮シールのリークを報知するリーク報知手段と、
前記流量適正範囲判定手段が流量適正範囲内でないと判定し、かつ前記圧力適正範囲判定手段が圧力適正範囲内でないと判定した場合のみ、前記リーク報知手段により膨縮シールのリークを報知するリーク報知制御手段と
を備えたことを特徴とする請求項1記載の筐体の接合機構。
【請求項3】
空気流通路に、当該空気流通路の空気流通を遮断する空気流通遮断装置を接続すると共に、
当該空気流通路内であって、前記空気流通遮断装置によって空気流通が遮断される空気流通遮断位置と膨縮シールの内空部との間に、空気が内在する空路を形成してなり、
通過空気管理手段が、空気流通遮断装置により、膨縮シール内空部へ流入しようとする空気流通を遮断し、かつ、前記空路を流動する空気の流量及び圧力を継続的に測定するものであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の筐体の接合機構。
【請求項4】
膨縮シールと密接する当接部に、当接方向に開口する所定深さの凹溝が形成されてなると共に、該凹溝と膨縮シールとの間に形成された空隙が、当該膨縮シールの内空部に対して陰圧であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の筐体の接合機構。
【請求項5】
凹溝と膨縮シールとの間に形成された空隙が、筐体の内部及び外部に対して陰圧であることを特徴とする請求項4記載の筐体の接合機構。
【請求項6】
膨縮シールのシール肉厚にあって、凹溝の開口部と対向する部分のシール肉厚が、凹溝の開口部と対向しない部分のシール肉厚よりも薄肉であることを特徴とする請求項4又は請求項5記載の筐体の接合機構。
【請求項7】
膨縮シールの内空部に導入される空気が、除染させた空気であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の筐体の接合機構。
【請求項8】
膨縮シールの配設位置に対して筐体内部寄り位置に、当該筐体の内部及び外部に対して陰圧となる陰圧空気吸入路が設けられてなり、当該接合部周縁を通過する空気が前記陰圧空気吸入路で吸引されてなることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の筐体の接合機構。
【請求項9】
接合部周縁又はその近傍部から筐体内方へ起立してなるガイド壁が、当該膨縮シールの配設方向に沿って帯状に設けられ、該ガイド壁と接合部との間に形成された間隙を、陰圧空気吸入路としたことを特徴とする請求項8記載の筐体の接合機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−349139(P2006−349139A)
【公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−179364(P2005−179364)
【出願日】平成17年6月20日(2005.6.20)
【出願人】(599053643)株式会社エアレックス (29)
【Fターム(参考)】