説明

管理装置、管理システム及び管理方法

【課題】使用者の行動予定を考慮して第三者に異常通報することを可能とする管理装置、管理システム及び管理方法を提供する。
【解決手段】管理装置としての診断装置2に、現在の日付時刻を計時する計時部14と、使用者のスケジュールデータを記憶するメモリ部17と、前記スケジュールデータに基づき前記使用者が在宅予定であるか否かを判断するスケジュール管理部19と、計時部14と連動して所定の基準時間内における各構成部の使用の有無を監視し、前記基準時間内に各構成部のいずれも不使用であるときはスケジュール管理部19に前記基準時間経過時において前記使用者が在宅予定であるか否かを判断する指示信号を送信し、スケジュール管理部19が在宅予定であると判断したときは他の装置に異常通報の指示信号を送信する異常通報制御部18と、を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は管理装置、管理システム及び管理方法に関し、特に、使用者の行動を日常的に管理する管理装置、管理システム及び管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、在宅の老人や患者が日常的に使用する装置を用いて使用者の安否を監視し、異常検出時に緊急通報するシステムが提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、ベッドや浴槽などの生活用品に対象者の動作によって生じる物理信号を検出する異常検出手段を設置し、不在状態が長時間継続した場合は異常と判定して第三者に通報する安否確認システムが記載されている。
【0004】
また、特許文献2には、使用者が日常的に使用する情報端末装置の使用状況を監視し、継続的に使用されない場合は他の端末に異常を通報する情報端末装置が記載されている。
【0005】
一方、在宅の老人や患者などの健康状態を管理すると共に、使用者の行動を考慮したサービスを提供する健康管理装置も提案されている。
【0006】
例えば、特許文献3には、予め登録されたデータに基づき、使用者の常用薬の服用時間や薬の種類などに関する情報を提示することにより、薬の種類や量を間違えることのないように使用者に注意を促す健康管理装置が記載されている。
【特許文献1】特開2001−236583号
【特許文献2】特開2001−119498号
【特許文献3】特開平11−197116号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1及び特許文献2に記載の発明では、使用者が旅行などの理由で長期不在とした場合でも、装置の不使用状態が長時間継続した場合は一律に異常と判定して第三者に通報を行っていた。このため、真に通報の必要がない場合にも通報が行われる場合があり、通報を受けた第三者は改めて使用者の安否を確認する必要が生じるという問題があった。
【0008】
また、特許文献3に記載の発明では、使用者の常用薬の服用時間などに関する情報を提示するのみで、使用者の行動予定に基づく通報処理の制御は行われていなかった。
【0009】
本発明は上述した点に鑑み、使用者の行動予定を考慮して第三者に異常通報することを可能とする管理装置、管理システム及び管理方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために請求項1に記載の発明は、管理装置であって、現在の日付時刻を計時する計時部と、使用者のスケジュールデータを記憶するメモリ部と、前記スケジュールデータに基づき前記使用者が在宅予定であるか否かを判断するスケジュール管理部と、前記計時部と連動して所定の基準時間内における各構成部の使用の有無を監視し、前記基準時間内に各構成部のいずれも不使用であるときは前記スケジュール管理部に前記基準時間経過時において前記使用者が在宅予定であるか否かを判断する指示信号を送信し、前記スケジュール管理部が在宅予定であると判断したときは異常通報の指示信号を送信する異常通報制御部と、を備えることを特徴とする。
【0011】
請求項1記載の発明によれば、各構成部がいずれも不使用である場合に、管理装置の使用者のスケジュールを考慮して使用者が在宅予定のときのみ異常通報の指示信号を送信することから、使用者が元々外出予定だった場合は異常通報の指示信号が出されず、真に必要な場合のみ異常通報処理が行われる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の管理装置と、前記管理装置と通信可能に接続された携帯端末及び前記使用者以外の第三者が使用する端末装置を備えた管理システムであって、前記管理装置及び前記携帯端末はそれぞれ表示部及び操作部を備え、前記異常通報制御部は前記スケジュール管理部が在宅予定であると判断したときは前記表示部のいずれか一方又は双方にアラート表示をする指示信号を出し、前記操作部のいずれかの操作により異常通報の要求があったときは前記携帯端末及び前記端末装置に異常通報の指示信号を送信することを特徴とする。
【0013】
請求項2記載の発明によれば、使用者が外出中で管理装置から離れていても、携帯端末に応答を求めるアラートを表示することにより、使用者の安否を確認すると共に管理装置の使用を促すことができる。また、管理装置が不使用である場合に、使用者の携帯端末より異常通報の要求を受けてから使用者の携帯端末及び第三者の端末装置に異常通報の指示信号を送信することにより、管理装置が不使用かつ使用者が在宅予定である場合に一律に異常通報の指示信号を送信することが防止され、真に必要な場合のみ異常通報処理が行われる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1記載の管理装置と、前記管理装置と通信可能に接続された携帯端末及び前記使用者以外の第三者が使用する端末装置を備えた管理システムであって、前記管理装置及び前記携帯端末はそれぞれ表示部及び操作部を備え、前記異常通報制御部は前記スケジュール管理部が在宅予定であると判断したときは前記表示部のいずれか一方又は双方にアラート表示をする指示信号を出し、前記操作部のいずれも所定時間操作されないときは、前記携帯端末及び前記端末装置に異常通報の指示信号を送信することを特徴とする。
【0015】
請求項3記載の発明によれば、使用者が外出中で管理装置から離れていても、携帯端末に応答を求めるアラートを表示することにより、使用者の安否を確認すると共に管理装置の使用を促すことができる。また、管理装置が不使用である場合に、使用者の携帯端末に応答を求めるアラートを表示して所定時間が経過してから異常通報の指示信号を送信することにより、管理装置が不使用かつ使用者が在宅予定である場合に一律に異常通報の指示信号を送信することが防止され、真に必要な場合のみ異常通報処理が行われる。また、所定時間の経過により自動的に異常通報の指示信号を送信することから、使用者がトラブルに巻き込まれて異常通報の要求をできない場合にも異常通報処理を行うことが可能となる。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は請求項3記載の管理システムであって、前記携帯端末は前記表示部においてスケジュール設定画面を表示すると共に、前記表示部のスケジュール設定画面で設定されたスケジュールデータを前記管理装置に送信する制御部を備え、前記スケジュール管理部は前記携帯端末から送信されたスケジュールデータによって前記メモリ部に記憶されたスケジュールデータを更新することを特徴とする。
【0017】
請求項4記載の発明によれば、使用者が外出中で管理装置から離れていても、管理装置に記憶された使用者のスケジュールデータを更新することが可能となり、使用者のスケジュールに即した異常通報の制御を行うことが可能となる。
【0018】
請求項5に記載の発明は、管理方法であって、現在の日付時刻を計時する計時部、使用者のスケジュールデータを記憶するメモリ部及び前記スケジュールデータに基づき前記使用者が在宅予定であるか否かを判断するスケジュール管理部を備えた管理装置を使用し、
前記計時部と連動して所定の基準時間内における各構成部の使用の有無を監視して、前記基準時間内に各構成部のいずれも不使用であるときは前記スケジュール管理部に前記基準時間経過時において前記使用者が在宅予定であるか否かを判断する指示信号を送信し、前記スケジュール管理部が在宅予定であると判断したときは異常通報の指示信号を送信することを特徴とする。
【0019】
請求項5記載の発明によれば、各構成部がいずれも不使用である場合に、管理装置の使用者のスケジュールを考慮して使用者が在宅予定のときに異常通報の指示信号を送信することから、使用者が元々外出予定だった場合は異常通報の指示信号が出されず、真に必要な場合のみ異常通報処理が行われる。
【0020】
請求項6に記載の発明は、請求項5記載の管理方法であって、前記管理装置には携帯端末及び前記使用者以外の第三者が使用する端末装置が通信可能に接続され、前記管理装置及び前記携帯端末はそれぞれ表示部及び操作部を備え、前記異常通報制御部は前記スケジュール管理部が在宅予定であると判断したときは前記表示部のいずれか一方又は双方にアラート表示をする指示信号を出し、前記操作部のいずれかの操作により異常通報の要求があったときは前記携帯端末及び前記端末装置に異常通報の指示信号を送信することを特徴とする。
【0021】
請求項6記載の発明によれば、使用者が外出中で管理装置から離れていても、携帯端末に応答を求めるアラートを表示することにより、使用者の安否を確認すると共に管理装置の使用を促すことができる。また、管理装置が不使用である場合に、使用者の携帯端末より異常通報の要求を受けてから異常通報の指示信号を送信することにより、管理装置が不使用かつ使用者が在宅予定である場合に一律に異常通報の指示信号を送信することが防止され、真に必要な場合のみ異常通報処理が行われる。
【0022】
請求項7に記載の発明は、請求項5記載の管理方法であって、前記管理装置には携帯端末及び前記使用者以外の第三者が使用する端末装置が通信可能に接続され、前記管理装置及び前記携帯端末はそれぞれ表示部及び操作部を備え、前記異常通報制御部は前記スケジュール管理部が在宅予定であると判断したときは前記表示部のいずれか一方又は双方にアラート表示をする指示信号を出し、前記操作部のいずれも所定時間操作されないときは、前記携帯端末及び前記端末装置に異常通報の指示信号を送信することを特徴とする。
【0023】
請求項7記載の発明によれば、使用者が外出中で管理装置から離れていても、携帯端末に応答を求めるアラートを表示することにより、使用者の安否を確認すると共に管理装置の使用を促すことができる。また、管理装置が不使用である場合に、使用者の携帯端末に応答を求めるアラートを表示して所定時間が経過してから異常通報の指示信号を送信することにより、管理装置が不使用かつ使用者が在宅予定である場合に一律に異常通報の指示信号を送信することが防止され、真に必要な場合のみ異常通報処理が行われる。また、所定時間の経過により自動的に異常通報の指示信号を送信することから、使用者がトラブルに巻き込まれて異常通報の要求をできない場合にも異常通報処理を行うことが可能となる。
【0024】
請求項8に記載の発明は、請求項6又は請求項7記載の管理方法であって、前記携帯端末は前記表示部においてスケジュール設定画面を表示すると共に、前記表示部のスケジュール設定画面で設定されたスケジュールデータを前記管理装置に送信する制御部を備え、前記スケジュール管理部は前記携帯端末から送信されたスケジュールデータによって前記メモリ部に記憶されたスケジュールデータを更新することを特徴とする。
【0025】
請求項8記載の発明によれば、使用者が外出中で管理装置から離れていても、管理装置に記憶された使用者のスケジュールデータを更新することが可能となり、使用者のスケジュールに即した異常通報の制御を行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0026】
請求項1又は請求項5記載の発明によれば、管理装置が使用されない場合でも通報が不要な場合は異常通報の指示信号が出されないことから、異常通報を受けた第三者は改めて使用者の安否を確認することなく迅速に対応することが可能となる。
【0027】
請求項2又は請求項6記載の発明によれば、管理装置が不使用かつ使用者が在宅予定である場合にも一律に異常通報の指示信号を送信することが防止され、真に必要な場合のみ異常通報処理が行われることから、異常通報を受けた第三者は改めて使用者の安否を確認する必要がなく、迅速に対応することが可能となる。また、第三者は管理装置から離れた場所で異常通報を受けることが可能となる。
【0028】
請求項3又は請求項7記載の発明によれば、管理装置が不使用かつ使用者が在宅予定である場合にも一律に異常通報の指示信号を送信することが防止され、真に必要な場合のみ異常通報処理が行われることから、異常通報を受けた第三者は改めて使用者の安否を確認する必要がなく、迅速に対応することが可能となる。また、第三者は管理装置から離れた場所で異常通報を受けることが可能となる。更に、使用者がトラブルに巻き込まれて異常通報の要求をできない場合にも異常通報処理を行うことが可能となる。
【0029】
請求項4又は請求項8記載の発明によれば、使用者が外出中でもスケジュールデータの更新により状況の変化に対応した異常通報の制御を行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0031】
本実施形態では、使用者の行動を日常的に管理する管理装置、管理システム及び管理方法を、被写体の各部位を日常的に撮影し、その撮影画像を解析することにより健康診断や美容診断などの診断を行う診断装置2、診断システム1及び診断方法に適用する場合について説明する。
【0032】
図1に示すように、診断システム1には、被写体の画像を取得する診断装置2、取得した画像データを保持・管理するデータ保持・管理装置3及び一つ以上の外部装置4が互いに通信可能なネットワークを介して接続されている。
【0033】
本実施形態におけるネットワークはデータ通信可能である通信網を意味するものであれば特に限定されず、例えばインターネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、電話回線網、ISDN(Integrated Services Digital Network)回線網、CATV(Cable Television)回線、光通信回線などを含めることができる。また、有線のみならず無線によって通信可能な構成としてもよい。
【0034】
外部装置4とはパソコンなどであり、何らかのコンサルティングや診断が受けられる場所に設置されていることが望ましい。例えば、本実施形態に係る診断システム1で健康に関するデータを得る場合は、病院や健康管理施設などの公共施設に設置しておくことが考えられる。また、美容に関するデータの場合は、コスメティック関係の店や施設・病院などに設置しておくことが考えられる。また、外部装置4をコンサルティング情報が得られるインターネットサイトや、コンサルタントや医師、店員などの携帯端末として構成してもよい。
【0035】
更に、図1に示すように、診断システム1には診断装置2の使用者以外の第三者が使用する一つ以上の端末装置5及び診断装置2の使用者が携帯する携帯端末6が無線通信可能に接続されている。
【0036】
次に、図2に診断システム1の機能的構成を示す。
【0037】
図2に示すように、本実施形態の診断システム1が備える診断装置2は、制御部7を備えている。制御部7はCPU及びRAMから構成されており、CPUはプログラムをRAMに展開し、RAM上のプログラムとの協働により診断装置2の各構成部を制御するようになっている。なお、本実施形態の診断装置2は動画像も扱うため、制御部7はできる限り高速動作・制御が可能なチップにより構成することが望ましい。
【0038】
更に、制御部7には外部通信部8、画像入力部9、光源部10、周辺環境情報取得部11、I/O部12、データ処理部13、計時部14、画像表示部15、ユーザインターフェイス部16、メモリ部17、異常通報制御部18及びスケジュール管理部19が電気的に接続されている。
【0039】
外部通信部8は、有線又は無線の通信手段により、データ保持・管理装置3、外部装置4、端末装置5及び携帯端末6と情報通信ができるように構成されている。なお、本実施形態の診断装置2は画像情報を扱うため、できる限り高速伝送できる通信形態であることが望ましい。
【0040】
画像入力部9は、CCDやCMOSなどの撮像素子によって静止画又は動画を取得することができる1つ又は複数のカメラによって構成されている。例えば、デジタルカメラ、ビデオカメラ、その他携帯電話などに付属のカメラモジュールなどによって構成してもよい。本実施形態では、画像入力部9を画像表示部15の背面に配置しているが、画像表示部15と同じ面に配置してもよい。
【0041】
光源部10は、図1に示すように、画像表示部15の周辺縁部に設けられており、被写体に対して様々な方向から照明光を与えることができ、比較的照明むらの少ない画像を得ることができるようになっている。また、画像表示部15の周辺端部の上部のみ又は左右部のみに光源部10を配置してもよい。なお、画像表示部15に近接しない場所に光源部10を配置することも可能である。
【0042】
また、光源部10が備える光源としては、蛍光ランプ,白熱電球,LED,レーザー,有機ELなどの人工光源などを使用することができる。また、光源の特性、すなわち分光特性、色彩データ、経時的な特性などに関するデータは、データ保持・管理装置3において別途管理され、データ処理において必要な場合にこれらのデータが使用されるようになっている。
【0043】
周辺環境情報取得部11は、環境情報取得手段としての計測計を備え、診断装置2が設置される周辺環境の情報を取得して撮像画像の解析を支援するようになっている。ここで周辺環境とは、環境照明光の強度や特性,気温や水温などの温度,湿度,気圧,などをいう。
【0044】
I/O部12は、バイタル情報取得手段としてのバイタルセンサー(体温計、体重計、体脂肪率計、血圧計、心電計、肌年齢計測計、骨密度計、肺活量計など)やCFカード、SDカード、USBメモリカードなどの可搬型デバイスを扱う機器を接続できるように構成されており、これらの機器から計測データや画像データの入出力を行うようになっている。
【0045】
データ処理部13は、画像入力部9で撮影した被写体の各部位の画像、周辺環境情報取得部11で取得した周辺環境情報、I/O部12から入力された計測データや画像データのデータ処理を行い、画像表示部15における画像データの表示、光源部10が備える光源の調整又はI/O部12の動作制御などに関する制御信号を制御部7に送信するようになっている。なお、画像データのデータ処理などの一部又は全部をデータ保持・管理装置3において行う構成としてもよい。
【0046】
計時部14は、現在の年月日時分秒の日付時刻を計時する内蔵時計として構成されており、計時した日付時刻を制御部7に適宜出力するようになっている。
【0047】
画像表示部15は、CRT,液晶,有機EL,プラズマ又は投影方式などのディスプレイから構成され、画像入力部9から入力された画像データを表示する他、外部通信部8、周辺環境情報取得部11、I/O部12又はユーザインターフェイス部16から入力された情報や、診断装置2の各構成部の状態に関する情報、外部装置4から与えられた情報などを表示するようになっている。なお、画像入力部9を画像表示部15の背面に配置する場合は、画像表示部15は画像撮影に支障なくユーザからはカメラの存在がわからないようなハーフミラー的な構造・材質で構成するのが望ましい。
【0048】
また、画像表示部15は、異常通報制御部18からの指示信号によりアラート表示又は異常通報の表示を行うようになっている。
【0049】
また、画像表示部15は、メニュー画面からの選択により、スケジュール設定画面を表示するようになっている。図3にスケジュール設定画面の一例を示す。このスケジュール設定画面には、行動予定の日付、出発予定時間、帰宅予定時間、場所(行き先)、目的などの各項目が設けられている。ただし、本発明において、場所(行き先)、目的などはスケジュール設定画面における必須の項目ではない。
【0050】
また、図4に示すように、スケジュール設定画面の各項目を選択するとスケジュール内容がリストとして表示され、各スケジュール内容を選択することにより、スケジュールを設定することができるようになっている。なお、図4では、スケジュール設定画面の日付と出発・帰宅予定時間の各項目において月と日、時と分を同時に設定する構成としているが、リストが膨大になるため、これらを別々に設定する構成としてもよい。その場合、「毎週月曜日」「毎月2の日」といった項目は、日の項で設定するようにできる。また、分の項は省略してスケジュールデータから排除してもよい。また、場所の項目については、普段よく行く場所を設定できる手段を設けて、リストから選択できる構成とすることも可能である。
【0051】
また、画像表示部15は、異常通報時間設定画面を表示するようになっている。この異常通報時間設定画面は、「異常通報時間」の項目内に数字を入力すること又は「異常通報時間」の項目のリストから所定の時間を選択することにより、使用者の異常を判断する基準時間を設定することができるようになっている。なお、この異常通報時間設定画面において、「異常通報時間」と共に「使用回数」を設定する構成とし、所定の基準時間内に診断装置2の使用が所定の回数以下である場合には異常と判断することなども可能である。
【0052】
また、画像表示部15にアラート(報知)設定画面を設けて、異常通報制御部18が異常通報の指示信号を送信するまでにアラート表示の指示信号を送信する回数を設定できるように構成することも可能である。
【0053】
なお、画像表示部15は、診断装置2の副電源がONとされると、画像入力部9による撮影前のプレビュー画面を表示するようになっており、使用者はこのプレビュー画面に自らの姿を映して見ることにより、診断装置2を単に身だしなみチェックのために使用することも可能となっている。
【0054】
ユーザインターフェイス部16は、キーボード、マウス、トラックボールなどから構成され、ユーザの指示入力を可能とすると共にユーザに診断装置2の状況や要求を制御部39に伝達することを可能としている。
【0055】
ユーザインターフェイス部16は、診断装置2における操作部としての機能を果たすものであり、画像表示部15に表示されたスケジュール設定画面の各項目における各スケジュール内容の選択を可能にすると共に、異常通報時間設定画面の各項目における数字入力又は所定の基準時間の選択を可能としている。
【0056】
また、ユーザインターフェイス部16の操作により表示部15の表示画面に表示されるアラート表示に対してボタンを押下して応答すると、制御部39はその指示信号を通信部40から診断装置2に送信するようになっている。
【0057】
また、本実施形態のユーザインターフェイス部16には、「在宅ボタン」が備えられており、診断装置2の使用者が「在宅ボタン」を押下すると、使用者が在宅である旨を通知する信号が制御部7に出力されるようになっている。これにより、スケジュールデータ上は不在予定時間内であった場合でも、早めに帰宅したときは使用者が「在宅ボタン」を押下することにより、スケジュール管理上も次の出発時間までは「在宅時間」として認識するようスケジュールデータを修正することができるようになっている。
【0058】
なお、ユーザインターフェイス部16はユーザの負担が少ない装置構成とすることが望ましいことから、画像表示部15と一体にしてタッチパネルとしてインターフェイスを構成することもできる。更に、スピーカやマイクなどの音響設備を備えることによりユーザの音声や身振り、ジェスチャ(手話など高度なコミュニケート手段も含む)によってコミュニケートできる構成とすることが望ましい。
【0059】
メモリ部17は、RAM、ROMなどから構成され、データ処理部13において必要なデータをデータ保持・管理装置3などから転送して一時的に蓄えることにより診断装置2を高速かつ安定に動作させるようになっている。
【0060】
本実施形態のメモリ部17は、画像表示部15に表示されたスケジュール設定画面の各項目において選択された各スケジュール内容を、行動予定の日付、出発予定時間、帰宅予定時間、場所(行き先)、目的などの項目の属性をタグ情報として付加したメタデータとしてそれぞれ記憶するようになっている。このように各スケジュールデータにタグ情報を付加することにより、診断装置2以外の他の装置においてもタグ情報を解析して各スケジュール内容を把握することが可能となっている。
【0061】
また、メモリ部17は、携帯端末6から送信されたスケジュールデータにより更新された内容のスケジュールデータを記憶するようになっている。
【0062】
また、メモリ部17は、画像表示部15に表示された異常通報時間設定画面において設定された異常通報時間、あるいはアラート設定画面において設定されたアラート表示の指示信号の回数などを記憶するようになっている。
【0063】
異常通報制御部18は、計時部14と連動して診断装置2の使用状態を監視するようになっている。すなわち、診断装置2の最新の使用時から起算して異常通報時間として設定した一日以内に診断装置2の各構成部の使用があるか否かを判断するようになっている。
本実施形態では、画像入力部9、光源部10又は画像表示部15のいずれかが使用されると各構成部が「使用状態」として制御部7に信号を送信し、この信号を制御部7が異常通報制御部18に送信することにより異常通報制御部18が使用の有無を判断できるようになっている。
【0064】
また、異常通報制御部18は、異常通報時間である一日以内に診断装置2の各構成部のいずれも使用されなかったと判断した場合は、一日が経過する時点において使用者が在宅予定か否かを判断する指示信号をスケジュール管理部19に送信するようになっている。その結果、スケジュール管理部19が在宅予定ではないと判断した場合は異常通報を行わず、異常通報時間である一日が経過する時点から新たに起算して一日以内に診断装置2の使用があるか否かを判断するようになっている。
【0065】
一方、スケジュール管理部19が在宅予定と判断した場合は、診断装置2の使用者の携帯端末6に応答を求めるアラート表示の指示信号を送信するようになっている。そして、使用者から異常通報の要求があった場合は、第三者が携帯する端末装置5、使用者が携帯する携帯端末6及び所定の外部装置4に異常通報の指示信号を送信するようになっている。また、異常通報制御部18がアラート表示の指示信号を出した後、使用者からの応答がない場合は所定時間の経過後に自動的に異常通報の指示信号を送信する構成としてもよい。これにより使用者がトラブルに巻き込まれている場合も第三者への異常通報を行うことができる。
【0066】
また、異常通報制御部18は、一日以内に診断装置2の使用があったと判断した場合には、その使用時から起算して再び一日以内に診断装置2の使用があるか否かを判断するようになっている。
【0067】
スケジュール管理部19は、異常通報制御部18から在宅予定の有無を判断する指示信号を受信すると、メモリ部17に記憶されたスケジュールデータに基づき、異常通報時間である一日が経過する時点でスケジュールが在宅予定になっているか否かを判断して、その判断結果を異常通報制御部18に送信するようになっている。なお、現時点に対して終了時刻が過去のものとなったスケジュールデータの項目は自動的に消去するようになっている。
【0068】
また、スケジュール管理部19は、メモリ部17に記憶されたスケジュールデータに基づき、使用者の外出時刻になる前に、画像表示部15にメッセージを表示することやユーザインターフェイス部16のスピーカから音声を出力することにより、使用者に注意を促すようになっている。
【0069】
また、スケジュール管理部19は、使用者が携帯端末6のスケジュール設定画面において更新したスケジュールデータを外部通信部8が受信すると、そのスケジュールデータを解析してメモリ部17に記憶されたスケジュールデータを更新するようになっている。
【0070】
次に、図2に示すように、本実施形態の診断システム1が備えるデータ保持・管理装置3は制御部20を備えている。制御部20はCPU及びRAMによって構成されており、CPUはプログラムをRAMに展開してRAM上のプログラムとの協働によりデータ保持・管理装置3の各構成部を制御するようになっている。
【0071】
更に、制御部20には外部通信部21、データ保持部22、データ管理部23、データ処理部24、I/O部25、画像表示部26、ユーザインターフェイス部27、システム情報保持部28及びメモリ部29が電気的に接続されている。
【0072】
外部通信部21は、有線又は無線の通信手段により診断装置2及び外部装置4と情報通信ができるように構成されている。なお、できる限り高速伝送できる通信形態であることが望ましい。
【0073】
データ保持部22は、診断装置2から送信される画像データ、計測データ、生体情報データ、診断装置2の動作状況に関するデータ、環境情報データなどの各種データや、外部装置4から送信されるコンサルティングデータや診断データなどを保持するようになっている。
【0074】
データ管理部23は、データ保持部22が保持する各種データを管理するようになっている。例えば、各個人の画像データに画像の撮影日時、ユーザの名前及びその属性に関するタグ情報を付加して管理することなどが可能である。
【0075】
データ処理部24は、画像解析手段を備えており、診断装置2の外部通信部8からデータ保持・管理装置3に送信された画像データに基づいて画像解析を行い、その解析結果より医療診断などの診断を行うようになっている。
【0076】
I/O部25は、CFカード、SDカード、USBメモリカードなどの可搬型デバイスを扱う機器を接続できるように構成されている。なお、I/O部25にバイタル情報取得手段としてのバイタルセンサーを接続する構成とすることも可能である。
【0077】
画像表示部26は、CRT,液晶,有機EL,プラズマ又は投影方式などのディスプレイから構成され、データ保持・管理装置3の動作状況やユーザインターフェイス部27などによる指示入力の内容を表示するようになっている。
【0078】
また、画像表示部26は、診断装置2の画像表示部15と同様に、表示画面上にスケジュール設定画面及び異常通報時間設定画面を表示するようになっており、これらの画面においてスケジュール又は異常通報時間を設定することができるようになっている。
【0079】
なお、データ保持・管理装置3において画像表示部26は必須の構成部分ではなく、データ保持・管理装置3が有する情報を外部通信部21から診断装置2に送信し、画像表示部15において表示させることも可能である。
【0080】
ユーザインターフェイス部27は、キーボード、マウス、トラックボールなどから構成され、ユーザの指示入力を可能とすると共に、ユーザにデータ保持・管理装置3の状況や要求を伝達することを可能としている。また、ユーザインターフェイス部27は、画像表示部26に表示されたスケジュール設定画面の各項目における各スケジュール内容の選択を可能にすると共に、異常通報時間設定画面の各項目における数字入力又は所定の基準時間の選択を可能としている。
【0081】
なお、ユーザインターフェイス部27はユーザの負担が少ない装置構成とすることが望ましいが、メンテナンスやバックアップなどの複雑な処理が必要になる場合もあるため、本実施形態ではキーボード及びマウスによって構成している。なお、データ保持・管理装置3においてユーザインターフェイス部27は必須の構成部分ではなく、診断装置2が備えるユーザインターフェイス部16における指示入力などを外部通信部8からデータ保持・管理装置3に送信する構成としてもよい。
【0082】
システム情報保持部28は、診断装置2やデータ保持・管理装置3のシステム情報を保持するようになっている。すなわち、診断装置2が備える画像入力部9、光源部10又は画像表示部15や、データ保持・管理装置3が備える画像表示部26など各構成部の特性に関する情報を保持している。
【0083】
メモリ部29は、RAM、ROM、DIMMなどから構成されており、データ処理部24において必要なデータを一時的に蓄えることにより、データ保持・管理装置3を高速かつ安定に動作させるようになっている。また、メモリ部29は、画像表示部26のスケジュール設定画面において設定された各スケジュール内容などを、出発予定時間、帰宅予定時間、場所(行き先)、目的などの項目の属性をタグ情報として付加したメタデータとして記憶するようになっている。
【0084】
次に、診断装置2と無線通信可能に接続された端末装置5は、診断装置2の使用者以外の第三者が携帯する携帯電話機として構成されている。なお、端末装置5は、診断装置2とネットワークにより接続された使用者以外の第三者が使用するパーソナルコンピュータなどであってもよい。図2に示すように、端末装置5はCPU及びRAMによって構成された制御部30を備えており、CPUはプログラムをRAMに展開してRAM上のプログラムとの協働により端末装置5の各構成部を制御するようになっている。
【0085】
更に、制御部30には通信部31、操作部32、表示部33、記憶部34、受話部35、送話部36、音声処理部37及びGPS(Global Positioning System)部38が電気的に接続されている。
【0086】
通信部31は、無線基地局との間で無線通信信号を送受信するアンテナや、RF回路、モデムなどの通信インターフェイスを備えて構成され、受信時には、アンテナを介して受信された受話音声やメール、画像などの各種情報の無線通信信号をRF回路、モデムにより復調して制御部30に出力するようになっている。一方、送信時には、制御部30から入力される送話音声やメール、画像などのデータをRF回路、モデムにより変調しアンテナを介して無線基地局に送信するようになっている。
【0087】
操作部32は、数字キー、カーソルキー、発信キーなどの各種機能キーを備え、押下されたキーに対応する操作信号を制御部30に出力するようになっている。
【0088】
表示部33は、LCDなどにより構成され、診断装置2の異常通報制御部18からの指示信号により異常通報を表示するようになっている。また、制御部30の指示信号に従って表示画面上に各種情報や画像データなどの表示を行うほか、端末装置5の各構成部により実現する各種機能を表示画面上に表示するようになっている。
【0089】
記憶部34は、制御プログラムの他、プログラムで処理されたデータなどを記憶するようになっている。
【0090】
受話部35は、制御部30から入力される受話音声信号を受話音声に変換して出力するようになっており、送話部36は、ユーザの送話音声を送話音声信号に変換して制御部30に出力するようになっている。
【0091】
音声処理部37は、アンプ及びスピーカなどを備え、着信を報知するための着信音や電子メールが受信されたことを報知する報知音を出力するようになっている。また、診断装置2の異常通報制御部18からの異常通報時に音声を発生する構成とすることも可能である。
【0092】
GPS部38は、GPSアンテナにより、複数のGPS衛星から送信されるGPS信号を受信し、この受信したGPS信号に基づいて、端末装置5の絶対的な2次元の現在位置情報(緯度、経度)を検出するようになっている。
【0093】
次に、診断装置2と無線通信可能に接続された携帯端末6は、診断装置2の使用者が携帯する携帯電話機として構成されている。図2に示すように、携帯端末6はCPU及びRAMによって構成された制御部39を備えており、CPUはプログラムをRAMに展開してRAM上のプログラムとの協働により携帯端末6の各構成部を制御するようになっている。
【0094】
更に、制御部39には、端末装置5と同様に、通信部40、操作部41、表示部42、記憶部43、受話部44、送話部45、音声処理部46及びGPS部47が電気的に接続されている。以下、携帯端末6の構成部分のうち、第三者が携帯する端末装置5と相違する点について説明する。
【0095】
操作部41は、数字キー、カーソルキー、発信キーなどの各種機能キーを備え、押下されたキーに対応する操作信号を制御部39に出力するようになっている。この操作部41の操作により、表示部42の表示画面に表示されるアラート表示に対してボタンを押下して応答すると、制御部39はその指示信号を通信部40から診断装置2に送信するようになっている。
【0096】
表示部42は、LCDなどにより構成され、診断装置2の異常通報制御部18からの指示信号によりアラート表示又は異常通報の表示を行うようになっている。
【0097】
すなわち、表示部42は、アラート表示として、「どうしましたか?通報しますか?」「スケジュールを更新しますか?」などのメッセージと共に、「YES」又は「NO」を選択するボタンを表示するようになっており、各ボタンの押下によって制御部39に指示信号を送信するようになっている。
【0098】
本実施形態では、「スケジュールを更新しますか?」のメッセージに対して「YES」ボタンを押下すると、表示画面上にスケジュール設定画面を表示するようになっており、使用者がスケジュールデータの更新を行うことができるようになっている。また、スケジュールデータの更新が完了した場合又は「NO」ボタンを押下した場合は、「どうしましたか?通報しますか?」のメッセージを表示し、このメッセージに対して「YES」ボタンを押下すると、異常通報の指示信号が制御部7に送信されるようになっている。また、「NO」ボタンを押下した場合は、使用者に異常がないものとして、診断装置2は最新の使用時から起算して一日経過する時点を新たな「一日」の起算時として使用チェックを継続するようになっている。
【0099】
ここで、表示部42に表示されるスケジュール設定画面は診断装置2の画像表示部15に表示されるスケジュール設定画面と同様の構成になっており、このスケジュール設定画面でスケジュールを設定すると、制御部39はスケジュールデータを通信部40から診断装置2に送信するようになっている。また、診断装置2の外部通信部8においてスケジュールデータが受信されると、スケジュール管理部19がメモリ部17に記憶されたスケジュールデータを更新するようになっている。
【0100】
なお、表示部42に異常通報設定画面を表示して異常通報時間を設定することができる構成としてもよい。
【0101】
また、表示部42は、診断装置2の異常通報制御部18からの指示信号により異常通報を表示するようになっている。
【0102】
また、記憶部43は、表示部42のスケジュール設定画面の各項目で選択された各スケジュール内容を、行動予定の日付、出発予定時間、帰宅予定時間、場所(行き先)、目的などの項目の属性をタグ情報として付加したメタデータとしてそれぞれ記憶するようになっている。このように各スケジュールデータにタグ情報を付加することにより、携帯端末6以外の診断装置2などにおいてもタグ情報を解析して各スケジュール内容を把握することが可能となっている。
【0103】
また、音声処理部46は、診断装置2の異常通報制御部18からの指示信号によりアラート又は異常通報として音声を発生する構成とすることも可能である。
【0104】
次に、上述の診断システム1を使用した本発明の診断方法について、図5のフローチャートを参照して説明する。
【0105】
診断装置2の使用者は、在宅時に診断装置2でスケジュールを設定する(ステップS1)。すなわち、画像表示部15に表示されたスケジュール設定画面で、行動予定の日付、出発予定時間、帰宅予定時間、場所(行き先)、目的などの各項目におけるリストから、ユーザインターフェイス部27の操作によりスケジュール内容を選択し、選択内容を確定することによってスケジュールを設定する。なお、外出先から携帯端末6の表示部42のスケジュール設定画面で操作部41の操作によりスケジュールを設定し、そのスケジュールデータを通信部40から診断装置2に送信することによってスケジュールを設定してもよい。
【0106】
このように画像表示部15のスケジュール設定画面でスケジュールが設定されると、スケジュール管理部19は、そのスケジュールデータを行動予定の日付、出発予定時間、帰宅予定時間などの各項目の属性をタグ情報として付加したメタデータとしてメモリ部17に記憶する。
【0107】
続いて、異常通報設定画面で異常通報時間を設定する(ステップS2)。本実施形態では、異常通報時間を「一日」としている。なお、アラート設定画面において、異常通報制御部18が異常通報の指示信号を送信するまでに画像表示部15又は使用者の携帯端末6の表示部42にアラート表示の指示信号を送信する回数を設定することも可能である。また、同様の設定をデータ保持・管理装置3の画像表示部26及びユーザインターフェイス部27によって行うことも可能である。これらの異常通報時間は、異常通報制御部18がメモリ部17に記憶する。なお、外出先から携帯端末6を使用して異常通報時間を設定してもよい。
【0108】
次に、診断装置2の異常通報制御部18は、計時部14と連動して、診断装置2の最新の使用時から起算して異常通報時間として設定した一日以内に診断装置2の各構成部の使用があるか否かを判断する(ステップS3)。本実施形態では、画像入力部9、光源部10又は画像表示部15のいずれかが使用されると各構成部が「使用状態」として制御部7に信号を送信し、この信号を制御部7が異常通報制御部18に送信するため、異常通報制御部18が使用の有無を判断することができる。
【0109】
続いて、異常通報制御部18は、一日以内に診断装置2の使用があったと判断した場合は、その使用時から起算して、再び一日以内に診断装置2の使用があるか否かを判断する(ステップS3)。
【0110】
一方、一日以内に診断装置2の使用がなかったと判断した場合は、異常通報時間である一日が経過する時点において使用者が在宅予定か否かを判断する指示信号をスケジュール管理部19に送信する(ステップS4)。
【0111】
続いて、スケジュール管理部19は、異常通報制御部18から指示信号を受信すると、異常通報時間である一日が経過する時点において使用者が在宅予定か否かを判断し、その判断結果を異常通報制御部18に送信する。なお、現時点に対して終了時刻が過去のものとなったスケジュールデータの項目は自動的に消去する。
【0112】
次に、異常通報制御部18は、スケジュール管理部19が在宅予定ではないと判断した場合は、異常通報の処理を行わず、異常通報時間である一日が経過する時点から新たに起算して一日以内に診断装置2の使用があるか否かを判断する(ステップS5)。そして、一日以内に診断装置2の使用があったと判断した場合は、再びその使用時から起算して一日以内に診断装置2の使用があるか否かを判断し(ステップS3)、一日以内に診断装置2の使用がなかったと判断した場合は、再びスケジュール管理部19に異常通報時間である一日が経過する時点において使用者が在宅予定か否かを判断する指示信号を送信する(ステップS4)。
【0113】
一方、スケジュール管理部19が在宅予定と判断した場合は、異常通報制御部18は診断装置2の画像表示部15及び使用者の携帯端末6の表示部42にアラート表示をする指示信号を送信する(ステップ6)。
【0114】
一方、診断装置2の画像表示部15及び使用者の携帯端末6の表示部42は、表示画面上にアラート表示として「スケジュールを更新しますか?」のメッセージと共に「YES」及び「NO」ボタンを表示する(ステップS7)。そして、使用者が「YES」ボタンを押下すると表示画面上にスケジュール設定画面を表示する(ステップS8)。
【0115】
続いて、使用者が診断装置2のユーザインターフェイス部16又は携帯端末6の操作部41の操作により、診断装置2の画像表示部15又は携帯端末6の表示部42のスケジュール設定画面においてスケジュールを設定すると、診断装置2の制御部7又は携帯端末6の制御部30は、スケジュールデータを各項目の属性をタグ情報として付加したメタデータとして診断装置2のメモリ部17又は携帯端末6の記憶部43に記憶すると共に、そのメタデータを診断装置2のスケジュール管理部19に送信する。一方、スケジュール管理部19は受信したスケジュールデータによりメモリ部17に記憶されたスケジュールデータを更新し、更新後のスケジュールデータによって新たに使用者のスケジュールを判断する(ステップS9)。
【0116】
次に、診断装置2のユーザインターフェイス部16又は携帯端末6の操作部41によって、スケジュールデータの更新を完了するか、「スケジュールを更新しますか?」のメッセージに対して「NO」ボタンを押下すると、診断装置2の画像表示部15又は携帯端末6の表示部42は表示画面上に「どうしましたか?通報しますか?」のメッセージを表示する(ステップS10)。なお、ステップS7〜ステップS9の工程を省略し、ステップS6からステップS10に移行してもよい。
【0117】
そして、使用者が診断装置2のユーザインターフェイス部16又は携帯端末6の操作部41により「YES」ボタンを押下すると、その指示信号が診断装置2の異常通報制御部18に送信され、異常通報制御部18はこの指示信号に基づき端末装置5、携帯端末6及び所定の外部装置4に異常通報の指示信号を送信する(ステップS11)。すると、端末装置5の表示部33及び携帯端末6の表示部42は異常通報を表示すると共に、所定の外部装置4の図示しない表示部も異常通報を表示する。また、端末装置5又は携帯端末6の音声処理部37,46より音声を発生させることも可能である。なお、異常通報制御部18がアラート表示の指示信号を出した後、使用者からの応答がない場合は、所定時間の経過後に自動的に異常通報の指示信号を送信することもできる。
【0118】
また、使用者が診断装置2のユーザインターフェイス部16又は携帯端末6の操作部41により「NO」ボタンを押下した場合は、使用者に異常がないものとして、異常通報制御部18は最新の使用時から起算して一日経過する時点を新たな一日の起算時として使用チェックを継続する(ステップS5)。
【0119】
以上より本実施形態の診断装置2、診断システム1及び診断方法によれば、診断装置2の各構成部のいずれもが不使用である場合に、使用者のスケジュールを考慮して使用者が在宅予定のときのみ異常通報の指示信号を送信することから、使用者が元々外出予定だった場合は異常通報の指示信号が出されず、真に必要な場合のみ異常通報処理が行われる。
【0120】
また、使用者が外出中で診断装置2から離れていても、携帯端末6に応答を求めるアラートを表示することにより、使用者の安否を確認すると共に診断装置2の使用を促すことができる。また、診断装置2が不使用である場合に、使用者の携帯端末6より異常通報の要求を受けてから第三者の端末装置5などに異常通報の指示信号を送信することにより、診断装置2が不使用かつ使用者が在宅予定である場合に一律に異常通報の指示信号を送信することが防止され、真に必要な場合のみ異常通報処理が行われる。
【0121】
また、使用者の携帯端末6にアラート表示の指示信号を出して所定時間が経過してから異常通報の指示信号を送信することにより、使用者がトラブルに巻き込まれて異常通報の要求ができない場合にも異常通報処理を行うことが可能である。
【0122】
また、使用者が外出中で診断装置2から離れていても、診断装置2に記憶された使用者のスケジュールデータを更新することが可能となり、使用者のスケジュールに即した異常通報の制御を行うことが可能となる。
【0123】
なお、本実施形態において示したアラート表示のメッセージは一例にすぎず、他の文言のメッセージを表示することや、音声のみによってアラート又は異常通報を行うことも可能である。また、複数回アラートを表示する場合に、毎回異なるメッセージを表示することも可能である。また、異常通報時のメッセージの表示又は音声の出力も、使用者の異常を通報できる態様であれば任意の方法を選択することができる。
【0124】
また、本実施形態では診断装置2又は携帯端末6のスケジュール設定画面における入力又は診断装置2が備える在宅ボタンの押下によりスケジュールデータの修正が可能であるが、使用者の自宅の玄関などにセンサを設置して使用者の帰宅を検知し、その情報を診断装置2に送信することによってスケジュールデータを修正することも可能である。すなわち、スケジュールデータ上は不在予定時間内でも、使用者が帰宅した場合はスケジュール管理上も次の出発時間まで「在宅時間」として認識するようにスケジュールデータを修正することができる。
【0125】
また、診断装置2のメモリ部17に地図情報を記憶させておき、スケジュール管理部19が携帯端末6のGPS部47から送信された位置情報と組み合わせて使用者の現在位置を把握することにより、スケジュールデータを修正することも可能である。すなわち、スケジュールデータ上は在宅予定時間内でも、GPS部47からの位置情報により使用者が外出していると判断した場合は、スケジュール管理上も次の出発時間まで「外出時間」として認識するようスケジュールデータを修正することができる。更に、使用者の持ち物や衣服に位置情報取得機能を有する部品を取り付けることにより同様の処理を行うことも可能である。
【0126】
更に、スケジュール管理部19は、メモリ部17に記憶された地図情報及び携帯端末6のGPS部47から送信された位置情報によって使用者の行動をモニタリングし、使用者の現在位置とスケジュールデータにおける外出予定時間及び場所(目的地)とを比較することにより、使用者がスケジュールと異なる行動をとった場合には、端末装置5、携帯端末6及び外部装置4に異常通報を行うことも可能である。
【0127】
また、スケジュール管理部19により、使用者が診断装置2の画像表示部15のプレビュー画面を身だしなみチェックとして使用する際に、画像表示部15に「外出時は携帯端末を携帯してください」など注意を喚起するメッセージを表示することによって、使用者による携帯端末6の不携帯を防止することなども可能である。
【0128】
以上詳細に説明したように、本発明の管理装置、管理システム及び管理方法によれば、管理装置が使用されない場合でも通報が不要な場合は異常通報の指示信号が出されないことから、不要な異常通報がなくなり、異常通報を受けた第三者は改めて使用者の安否を確認することなく迅速に対応することが可能となる。
【0129】
また、管理装置が不使用かつ使用者が在宅予定である場合にも一律に異常通報の指示信号を送信することが防止され、真に必要な場合のみ異常通報処理が行われることから、異常通報を受けた第三者は改めて使用者の安否を確認する必要がなく迅速に対応することが可能となる。また、第三者は管理装置から離れた場所で異常通報を受けることが可能となる。
【0130】
更に、所定時間の経過後に異常通報することにより、使用者がトラブルに巻き込まれて異常通報の要求をできない場合にも異常通報処理を行うことが可能となる。
【0131】
また、使用者が外出中でもスケジュールデータの更新により状況の変化に対応した異常通報の制御を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0132】
【図1】本発明の実施形態に係る診断システムの全体構成を示す概略構成図である。
【図2】本発明の実施形態に係る診断システムの機能構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係る表示部の表示画面の一例を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る表示部の表示画面に設けられた項目のリストの一例を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係る診断方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0133】
1 診断システム
2 診断装置
3 データ保持・管理装置
4 外部装置
5 端末装置
6 携帯端末
7 制御部
8 外部通信部
9 画像入力部
10 光源部
11 周辺環境情報取得部
12 I/O部
13 データ処理部
14 計時部
15 画像表示部
16 ユーザインターフェイス部
17 メモリ部
18 異常通報制御部
19 スケジュール管理部
20 制御部
21 外部通信部
26 画像表示部
27 ユーザインターフェイス部
28 システム情報保持部
30 制御部
31 通信部
32 操作部
33 表示部
37 音声処理部
38 GPS部
39 制御部
40 通信部
41 操作部
42 表示部
46 音声処理部
47 GPS部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在の日付時刻を計時する計時部と、
使用者のスケジュールデータを記憶するメモリ部と、
前記スケジュールデータに基づき前記使用者が在宅予定であるか否かを判断するスケジュール管理部と、
前記計時部と連動して所定の基準時間内における各構成部の使用の有無を監視し、前記基準時間内に各構成部のいずれも不使用であるときは前記スケジュール管理部に前記基準時間経過時において前記使用者が在宅予定であるか否かを判断する指示信号を送信し、前記スケジュール管理部が在宅予定であると判断したときは異常通報の指示信号を送信する異常通報制御部と、
を備えることを特徴とする管理装置。
【請求項2】
請求項1記載の管理装置と、前記管理装置と通信可能に接続された携帯端末及び前記使用者以外の第三者が使用する端末装置を備えた管理システムであって、
前記管理装置及び前記携帯端末はそれぞれ表示部及び操作部を備え、
前記異常通報制御部は前記スケジュール管理部が在宅予定であると判断したときは前記表示部のいずれか一方又は双方にアラート表示をする指示信号を出し、前記操作部のいずれかの操作により異常通報の要求があったときは前記携帯端末及び前記端末装置に異常通報の指示信号を送信することを特徴とする管理システム。
【請求項3】
請求項1記載の管理装置と、前記管理装置と通信可能に接続された携帯端末及び前記使用者以外の第三者が使用する端末装置を備えた管理システムであって、
前記管理装置及び前記携帯端末はそれぞれ表示部及び操作部を備え、
前記異常通報制御部は前記スケジュール管理部が在宅予定であると判断したときは前記表示部のいずれか一方又は双方にアラート表示をする指示信号を出し、前記操作部のいずれも所定時間操作されないときは、前記携帯端末及び前記端末装置に異常通報の指示信号を送信することを特徴とする管理システム。
【請求項4】
前記携帯端末は前記表示部においてスケジュール設定画面を表示すると共に、前記表示部のスケジュール設定画面で設定されたスケジュールデータを前記管理装置に送信する制御部を備え、前記スケジュール管理部は前記携帯端末から送信されたスケジュールデータによって前記メモリ部に記憶されたスケジュールデータを更新することを特徴とする請求項2又は請求項3記載の管理システム。
【請求項5】
現在の日付時刻を計時する計時部、使用者のスケジュールデータを記憶するメモリ部及び前記スケジュールデータに基づき前記使用者が在宅予定であるか否かを判断するスケジュール管理部を備えた管理装置を使用し、
前記計時部と連動して所定の基準時間内における各構成部の使用の有無を監視して、前記基準時間内に各構成部のいずれも不使用であるときは前記スケジュール管理部に前記基準時間経過時において前記使用者が在宅予定であるか否かを判断する指示信号を送信し、前記スケジュール管理部が在宅予定であると判断したときは異常通報の指示信号を送信することを特徴とする管理方法。
【請求項6】
前記管理装置には携帯端末及び前記使用者以外の第三者が使用する端末装置が通信可能に接続され、前記管理装置及び前記携帯端末はそれぞれ表示部及び操作部を備え、
前記異常通報制御部は前記スケジュール管理部が在宅予定であると判断したときは前記表示部のいずれか一方又は双方にアラート表示をする指示信号を出し、前記操作部のいずれかの操作により異常通報の要求があったときは前記携帯端末及び前記端末装置に異常通報の指示信号を送信することを特徴とする請求項5記載の管理方法。
【請求項7】
前記管理装置には携帯端末及び前記使用者以外の第三者が使用する端末装置が通信可能に接続され、前記管理装置及び前記携帯端末はそれぞれ表示部及び操作部を備え、
前記異常通報制御部は前記スケジュール管理部が在宅予定であると判断したときは前記表示部のいずれか一方又は双方にアラート表示をする指示信号を出し、前記操作部のいずれも所定時間操作されないときは、前記携帯端末及び前記端末装置に異常通報の指示信号を送信することを特徴とする請求項5記載の管理方法。
【請求項8】
前記携帯端末は前記表示部においてスケジュール設定画面を表示すると共に、前記表示部のスケジュール設定画面で設定されたスケジュールデータを前記管理装置に送信する制御部を備え、前記スケジュール管理部は前記携帯端末から送信されたスケジュールデータによって前記メモリ部に記憶されたスケジュールデータを更新することを特徴とする請求項6又は請求項7記載の管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−26168(P2007−26168A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−208504(P2005−208504)
【出願日】平成17年7月19日(2005.7.19)
【出願人】(000001270)コニカミノルタホールディングス株式会社 (4,463)
【Fターム(参考)】