説明

管継手及びパッキン

【課題】 管の外径に差異がある場合であっても、同一形で対応できる管継手を提供する。
【解決手段】 管70の外径よりも大径で該管70の端部を挿入可能な孔部を備える本体部1と、該本体部1の孔部の内周面及び該本体部1に挿入される管70の外周面間に介設される環状のパッキン20とを備える管継手において、パッキン20は、周方向に沿って連続する凹部30aを少なくとも一つ備え、しかも、該凹部30aを介して隣接する二面間の距離が変化するように変形することで、径方向の幅寸法が変化するように構成されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば水道管、ガス管といった、管と管とを接続するための管継手、及び例えば接続した管と管との間といった、二つの物体間の隙間を密封するためのパッキンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、水道管、ガス管等の管70を接続するために、図14に示すような管継手が知られている。この管継手は、開口端部の内周面に拡径部11´及び開口端部の外周面にフランジ部15を有する本体部1´と、拡径部11´にて本体部1´の内周面及び管70の外周面間を密封する環状のパッキン20´と、本体部1´側に突出する押圧部51及び本体部1´のフランジ部15と相対するフランジ部52を有する押輪50と、本体部1´のフランジ部15及び押輪50のフランジ部52を締結する締結手段60(ここではボルト61及びナット62)とで構成されている。
【0003】
拡径部11´は、管70の軸方向に対して平行である平行面11a´と、管70の軸方向に対して垂直である垂直面11b´とを備えており、パッキン20´と押輪50とを外挿した管70を本体部1´の開口端部から挿入すると、パッキン20´は、拡径部11´内に収容され、且つ本体部1´と押輪50との間に位置した状態となる。
【0004】
そして、本体部1´のフランジ部15及び押輪50のフランジ部52をボルト61及びナット62で締め付けると、押輪50は、本体部1´側に移動し、それに伴い、押圧部51は、パッキン20´を拡径部11´内に押し込み、その後、パッキン20´の一部が拡径部11´の垂直面11b´に接触すると、押圧部51による押圧力がパッキン20´を管70の軸方向に圧縮する。それと共に、パッキン20´は、その押圧力によって、拡径部11´の平行面11a´及び管70の外周面と接触するまで径方向の幅寸法が拡大し、最終的にその双方の面と密接するため、漏水等を防止することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記のような従来の管継手の場合、管の外径に差異があると、それらの管に対して同一形のものを使用できない場合がある。
【0006】
例えば、ある外径の管70に適した管継手を、その管70より若干小さい外径の管に対して使用した場合である。この場合、拡径部11´の平行面11a´と管70の外周面との間が広くなるため、パッキン20´は、押圧部51による押圧力によって径方向の幅寸法が拡大はするものの、拡径部11´の平行面11a´及び管70の外周面の双方の面と接触するまでには至らない事態が起こり得て、また、そうなると漏水等を引き起こすということで、そのような管継手は使用に耐えられないのである。
【0007】
ここで、管70は、例えば水道管にしても、硬質塩化ビニル管、鋼管、鋳鉄管、石綿セメント管等の種類がある。しかも、これらの管70は、仮に呼び径が同じであっても、材質が違えば、実際の外径が数mm〜十数mmも異なり、さらに、呼び径が大きい場合には、実際の外径が数十mm異なることもある。よって、呼び径が同じでも材質が違うという理由で、実際の外径が多少異なる管を接続する場合、それぞれに適した管継手を準備する必要が従来はあった。
【0008】
本発明は、斯かる実情に鑑み、管の外径に差異がある場合であっても、同一形で対応できる管継手を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る管継手は、管70の外径よりも大径で該管70の端部を挿入可能な孔部を備える本体部1と、該本体部1の孔部の内周面及び該本体部1に挿入される管70の外周面間に介設される環状のパッキン20とを備える管継手において、パッキン20は、周方向に沿って連続する凹部30aを少なくとも一つ備え、しかも、該凹部30aを介して隣接する二面間の距離が変化するように変形することで、径方向の幅寸法が変化するように構成されることを特徴とする。
【0010】
上記管継手によれば、パッキン20の径方向の幅寸法が本体部1の内周面及び管70の外周面間の径方向の距離より小さい場合、パッキン20は、径方向の幅寸法を拡大することで、その双方の面と密接可能となる。反対に、パッキン20の径方向の幅寸法が本体部1の内周面及び管70の外周面間の径方向の距離より大きい場合、パッキン20は、径方向の幅寸法を縮小することで、その双方の面と密接可能となる。
【0011】
つまり、パッキン20は、本体部1の内周面及び管70の外周面間の径方向の距離に応じて径方向に拡縮し、径方向の幅寸法を変化させることによって、その双方の面と密接可能となる。よって、外径に差異がある管を接続する際に、同一の管継手を使用しても、その管継手を構成するパッキン20は、本体部1の内周面及びそれぞれの管70の外周面と密接可能となる。
【0012】
ここで、周方向に沿って連続する凹部30aとは、同じ断面形状が周方向に連続する場合だけでなく、パッキン20の径方向の幅寸法が変化できる程度に例えばリブが周方向の適宜箇所に設けられて、凹部30aが周方向に断続している場合も含む。
【0013】
また、前記管継手は、前記本体部1との間で前記パッキン20を介設すべく、本体部1に挿入される管70に外挿され、本体部1側にパッキン20を押し込む押圧手段50を備えることを採用することができる。このようにすれば、押圧手段50がパッキン20を軸方向に圧縮するため、パッキン20は、その押圧力によって、本体部1の内周面及び管70の外周面と確実に密接することができる。また、特に、パッキン20の径方向の幅寸法が本体部1の内周面及び管70の外周面間の径方向の距離より小さい場合、パッキン20は、押圧手段50の押圧力によって、径方向の幅寸法を拡大し、その双方の面と確実に密接するようになる。
【0014】
また、前記パッキン20は、前記凹部30aを備える環状のパッキン本体30と、凹部30aに沿った断面形状を有してパッキン本体30内に配置される環状の芯体40とを備え、該芯体40は、パッキン本体30の凹部30aを介して隣接する二面間の距離の変化に応じて、変形可能に構成されることを採用することができる。このようにすれば、芯体40が押圧手段50や管70からの外力によって変形したパッキン20は、該芯体40の変形に伴って発生する反力(弾性反発力)により、安定した装着状態、即ち安定した密接状態に好適に維持される。
【0015】
また、前記芯体40は、長手方向の側縁に切込みが複数入れられた帯状の板を長手方向の端部で接合した環状の板であって、幅方向中央部にて屈曲または湾曲されたものからなり、これに応じて前記パッキン本体30は、前記凹部30aが周方向の内周側または外周側を向くように構成されることを採用することができる。このようにすれば、管70を接続した後に通水等すると、パッキン20は、それに伴って発生する周方向の側面側からの水圧によって、さらに拡径部11の平行面11a及び管70の外周面との接触圧を大きくすることができる。なお、芯体40の長手方向の側縁に切り込みを複数入れる理由は、パッキン20が径方向の幅寸法が変化するように変形するのに伴って必然となる、周方向の長さが変化するような芯体40の変形を可能にするためである。即ち、パッキン20が径方向の幅寸法が変化するように変形する際に、同様に、芯体40も、径方向の幅寸法が変化するように変形することができるのである。
【0016】
また、前記芯体40は、周方向の内縁、または内縁及び外縁に切り込みが複数入れられた環状の板であって、幅方向中央部にて屈曲または湾曲されたものからなり、これに応じて前記パッキン本体30は、前記凹部30aが周方向の側面側を向くように構成されることを採用することができる。このようにすれば、パッキン20は、径方向の幅寸法の変化量を大きくすることができる。即ち、パッキン20が対応可能な本体部1の内周面及び管70の外周面間の径方向の距離が広がり、より多くの種類の管70を同一形の管継手でカバーすることができるようになる。なお、芯体40の周方向の内縁及び外縁に切り込みを複数入れる理由は、上記理由と同様である。
【0017】
本発明に係るパッキンは、周方向に沿って連続する凹部30aを少なくとも一つ備える環状のパッキン本体30と、凹部30aに沿った断面形状を有してパッキン本体30内に配置される環状の芯体40とを備え、パッキン本体30は、凹部30aを介して隣接する二面間の距離が変化するように変形することで、径方向の幅寸法が変化するように構成され、芯体40は、パッキン本体30の凹部30aを介して隣接する二面間の距離の変化に応じて、変形可能に構成されることを特徴とする。
【0018】
上記パッキン20によれば、密封する二つの物体間の距離に応じて径方向に拡縮し、径方向の幅寸法を変化させることによって、その双方の物体と密接可能となる。よって、二つの物体間の距離に差異がある場合に、同一のパッキン20を使用しても、その双方の物体と密接可能となる。また、芯体40が外力によって変形したパッキン20は、該芯体40の変形に伴って発生する弾性反発力により、安定した密接状態に好適に維持することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の管継手によれば、管の外径に差異がある場合であっても、同一形で対応できるという優れた効果を奏し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明に係る管継手の実施形態について、添付図面を参照して説明する。図中、図14と同一の符号を付した部分は、同一の構成または要素を表す。
【0021】
<実施形態1>
まず、第1の実施形態(実施形態1)の概略構成を図1に示す。本実施形態に係る管継手は、図1に示すように、一対の管70(一方は図示しない)を接続するために両端からそれぞれ管70を挿入可能な孔部を備える本体部1と、該本体部1の内周面及び管70の外周面間を密封するパッキン20と、該パッキン20を圧縮するためにパッキン20を本体部1側に押し込む押圧手段50(ここでは押輪)と、押輪50を本体部1側に移動させるために本体部1及び押輪50を締結する締結手段60(ここではボルト61及びナット62)とを備える。
【0022】
本体部1は、管70を挿入するために管70の外径よりやや大きい内径を備える挿入部10と、それぞれの開口端部の内周面にパッキン20が押し込められ、且つ挿入部よりも大径の拡径部11と、それぞれの開口端部の外周面にボルト61が挿通される開孔を有するフランジ部15と、中央部に管70の過剰な挿入を防止するために管70の端部と当接可能であり、且つ挿入部よりも小径の縮径部16とを備える。
【0023】
挿入部10は、管70の外径よりやや大きい内径を備えるため、管70を本体部1に挿入した際に、挿入部10の内周面と管70の外周面との間に僅かな隙間を有する。
【0024】
拡径部11は、管70の軸方向に対して平行であり、且つ止水等するためにパッキン20の一部が密接する平行面11aと、管70の軸方向に対して垂直であり、且つパッキン20を押輪50とによって径方向の幅寸法を拡大させるために拘束面となる垂直面11bとを備える。
【0025】
縮径部16は、管70の軸方向に対して平行であり、且つ管70の内周面と略面一である平行面16aと、管70の軸方向に対して垂直であり、且つ管70を本体部1に挿入した際、管70の端部の端面との間に僅かな隙間を有し得る垂直面16bとを備える。したがって、管70の内部は、縮径部16の垂直面16bと管70の端部の端面との間に有する隙間、及び挿入部10の内周面と管70の外周面との間に有する隙間を介して、拡径部11と通じている。
【0026】
パッキン20は、材質がニトリルゴムやエチレンプロピレンゴム等のゴムであるパッキン本体30と、材質が炭素鋼やステンレス鋼等の鉄鋼であり、且つパッキン本体30内に配置される芯体40とを備える。そして、パッキン20は、パッキン本体30で外形を形成し、図2(A)に示すように、全体では環状であり、また、図2(B)に示すように、V字の断面形状であり、内周側に凹部30aと、外周側に凸部30bと、両側面に2つの端部30c、30cとを備える。
【0027】
芯体40は、図3に示すように、長手方向の側縁に切り込みが複数入れられた帯状の板を長手方向の端部で接合し、幅方向中央部にて屈曲したものである。より詳細には、帯状の板の長手方向の側縁に、側縁側ほど拡幅する切り込みを、一方の側縁及び他方の側縁の交互に且つ板の長手方向に適宜間隔を有して連続して設けた形状、つまり、一定幅を有するW字を直線状に連接した形状の板を、幅方向中央部で屈曲し、環状となるように両端を接合したものである。
【0028】
押輪50は、拡径部11の平行面11aとの間、及び管70の外周面との間にそれぞれ僅かな隙間を有して挿入可能であり、且つ管70の径方向に対して平行な面を備える押圧部51と、本体部1のフランジ部15と相対し、且つボルト61が挿通される開孔を有するフランジ部52とを備えている。
【0029】
本実施形態に係る管継手の構成に関する説明は以上のとおりで、次に、この本実施形態に係る管継手の作用について図4を参照して説明する。
【0030】
まず、本実施形態の管継手に管70を装着するために、パッキン20と押輪50とを外挿した管70を本体部1の開口端部から挿入する。このとき、パッキン20は、図4(A)に示すように、拡径部11に収容され、且つ本体部1と押輪50との間に位置した状態となる。なお、パッキン20は、予め拡径部11内に収容しておき、しかも、押輪50を予め本体部1に装着しておき、管70のみを本体部1の開口端部から挿入するようにしてもよい。
【0031】
そして、本体部1のフランジ部15、押輪50のフランジ部52の順で、あるいはその逆の順で、それぞれの開孔にボルト61を挿入し、その後、ナット62をボルト61に取り付け、締め付けると、押輪50のフランジ部52が本体部1のフランジ部15側に移動し、それに伴い、押輪50は、本体部1側に移動し、そして、押圧部51は、拡径部11の垂直面11b側に移動する。したがって、パッキン20は、押圧部51によって、拡径部11内に押し込められ、その後、その一部が拡径部11の垂直面11bに接触するようになる。
【0032】
さらに、ナット62を締め付けると、押圧部51が拡径部11の垂直面11b側に移動を続けるため、パッキン20は、該垂直面11bと押圧部51とに挟まれ、しかも、既に双方の面と接触しているので、図4(B)に示すように、凹部30aを介して隣接する二面間の距離が小さくなるように変形し、径方向の幅寸法が拡大する。そして、パッキン20は、凸部30bが拡径部11の平行面11aに、また、それぞれの端部30c、30cが管70の外周面に、それぞれ接触する。
【0033】
そして、ナット62を締め付けるにつれて、パッキン本体30の圧縮による弾性反発力及び芯体40の変形による弾性反発力は、押圧部51に対して徐々に大きくなる。やがて、それらの力によってナット62を締め付けることができなくなると、管70が管継手に装着され、パッキン20は、変形を完了する。
【0034】
そうすると、パッキン20は、図4(C)に示すように、凸部30bが拡径部11の平行面11aと密接し、本体部1側の端部30cが挿入部10の内周面と管70の外周面との隙間に入り込みながら拡径部11の垂直面11b及び管70の外周面と密接し、押圧部51側の端部30cが押圧部51と管70の外周面との隙間に入り込みながら押圧部51及び管70の外周面と密接する。よって、パッキン20は、本体部1の内周面及び管70の外周面間を密封する。
【0035】
次に、本実施形態に係る同一の管継手に、上記した管70より外径の小さい管71を装着した場合について、図5を参照して説明する。
【0036】
まず、本実施形態の管継手に管71を装着するために、パッキン20と押輪50とを外挿した管71を本体部1の開口端部から挿入する。このとき、パッキン20は、図5(A)に示すように、拡径部11に収容され、且つ本体部1と押輪50との間に位置した状態となる。
【0037】
そして、本体部1のフランジ部15、押輪50のフランジ部52の順で、あるいはその逆の順で、それぞれの開孔にボルト61を挿入し、ナット62をボルト61に取り付け、締め付けると、押輪50のフランジ部52が本体部1のフランジ部15側に移動し、それに伴い、押輪50は、本体部1側に移動し、そして、押圧部51は、拡径部11の垂直面11b側に移動する。そして、パッキン20は、押圧部51によって、拡径部11内に押し込められ、その後、その一部が拡径部11の垂直面11bに接触するようになる。
【0038】
さらに、ナット62を締め付けると、押圧部51が拡径部11の垂直面11b側に移動を続けるため、パッキン20は、該垂直面11bと押圧部51とに挟まれ、しかも、既に双方の面と接触しているので、図5(B)に示すように、凹部30aを介して隣接する二面間の距離が小さくなるように変形し、径方向の幅寸法が拡大する。そして、パッキン20は、凸部30bが拡径部11の平行面11aに、また、それぞれの端部30c、30cが管71の外周面に、それぞれ接触する。
【0039】
そして、ナット62を締め付けるにつれて、パッキン本体30の圧縮による弾性反発力及び芯体40の変形による弾性反発力は、押圧部51に対して徐々に大きくなる。やがて、それらの力によってナット62を締め付けることができなくなると、管71が管継手に装着され、パッキン20は、変形を完了する。
【0040】
そうすると、パッキン20は、図5(C)に示すように、凸部30bが拡径部11の平行面11aと密接し、本体部1側の端部30cが挿入部10の内周面と管71の外周面との隙間に入り込みながら拡径部11の垂直面11b及び管71の外周面と密接し、押圧部51側の端部30cが押圧部51と管71の外周面との隙間に入り込みながら押圧部51及び管71の外周面と密接する。そこで、パッキン20は、凹部30aを介して隣接する二面間の距離を小さく変形すればするほど、径方向の幅寸法が拡大される。よって、前記の管70を装着した場合と比較して、パッキン20は、凹部30aを介して隣接する二面間の距離がさらに小さくなるように変形するため、径方向の幅寸法がさらに拡大し、その結果、本体部1の内周面及び管71の外周面間を密封する。
【0041】
以上より、本実施形態に係る管継手は、パッキン20が内周側に凹部30aを備えた構成であるため、従来の管継手よりパッキン20の径方向の幅寸法の変化量を大きくすることができる。よって、外径に差異がある管70、71を接続する際に、同一の管継手を使用しても、その管継手を構成するパッキン20が拡径部11の平行面11a及び管70、71の外周面と密接可能となるため、同一の管継手で漏水等を防止できる。
【0042】
また、本実施形態に係る管継手は、本体部1側に突出し、且つパッキン20に当接する押輪50を備えた構成であるため、パッキン20をその押輪50の押圧力によって変形することができる。よって、パッキン20の径方向の幅寸法が本体部1の内周面及び管70の外周面間の径方向の距離より小さい場合であっても、パッキン20は、押輪50の押圧力によって、径方向の幅寸法を拡大することで、その双方の面と密接可能となる。
【0043】
また、本実施形態に係るパッキン20は、鉄鋼の芯体40がパッキン本体30の内部に配置される構成であるため、凹部30aを介して隣接する二面間の距離が小さくなるように変形すると、芯体40によって弾性反発力が発生する。そして、この弾性反発力がパッキン20から拡径部11の垂直面11b方向と押圧部51方向とに働くため、パッキン20は、この反力により安定した装着状態、即ち安定した密接状態に好適に維持される。
【0044】
また、本実施形態に係るパッキン20は、凹部30aが内周側に備える構成である。そこで、管継手で管70、71を接続した後に通水等すると、それに伴い発生する水圧は、パッキン20に対して、縮径部16の垂直面16bと管70、71の端部との間に有する隙間を介し、挿入部10の内周面と管70、71の外周面との間に有する隙間から働く。そして、パッキン20がその水圧によって変形する場合、パッキン20がさらに径方向に圧縮するように変形するため、凸部30bと拡径部11の平行面11aとの接触圧、及びそれぞれの端部30c、30cと管70、71の外周面との接触圧を大きくする。したがって、本体部1の内周面及び管70、71の外周面間のパッキン20による密封性がさらに向上できる。
【0045】
なお、上記実施形態において、凹部30aがパッキン20の内周側に設けてある場合を例にとって説明したが、図6に示すように、凹部31aがパッキン21の外周側に設けてある場合にも適用できるのは勿論である。この場合について、図6を参照して説明する。
【0046】
この場合の実施形態は、図1に示す管継手の構成とパッキン21が異なり、その他が略同一である。しかし、微小な相違点として、拡径部12の平行面12aは、図1に示す拡径部11の平行面11aと比較して管70の軸方向の距離が大きい。但し、この場合の拡径部12は、図1に示す拡径部11と同様に、拡径部12の管70の軸方向の距離が拡径部12の管70の径方向の距離より大きい。
【0047】
まず、本実施形態の管継手に管70を装着するために、パッキン21と押輪50とを外挿した管70を本体部2の開口端部から挿入する。このとき、パッキン21は、図6(A)に示すように、拡径部12内に収容され、且つ本体部2と押輪50との間に位置した状態となる。
【0048】
そして、本体部2のフランジ部15、押輪50のフランジ部52の順で、あるいはその逆の順で、それぞれの開孔にボルト61を挿入し、ナット62をボルト61に取り付け、締め付けると、押輪50のフランジ部52が本体部2のフランジ部15側に移動し、それに伴い、押輪50は、本体部2側に移動し、そして、押圧部51は、拡径部12の垂直面12b側に移動する。そして、パッキン21は、押圧部51によって、拡径部12内に押し込められ、その後、その一部が拡径部12の垂直面12bに接触する。
【0049】
さらに、ナット62を締め付けると、押圧部51が拡径部12の垂直面12b側に移動を続けるため、パッキン21は、該垂直面12bと押圧部51とに挟まれ、しかも、既に双方の面と接触しているので、図6(B)に示すように、凹部31aを介して隣接する芯体41の二面間の距離が小さくなるように変形し、径方向の幅寸法が拡大する。そして、パッキン21は、凸部31bが管70の外周面に、また、それぞれの端部31c、31cが拡径部12の平行面12aに、それぞれ接触する。
【0050】
そして、ナット62を締め付けるにつれて、パッキン本体31の圧縮による弾性力及び芯体41の変形による反力は、押圧部51に対して徐々に大きくなる。やがて、それらの力によってナット62を締め付けることができなくなると、管70が管継手に装着され、パッキン21は、変形を完了する。
【0051】
そうすると、パッキン21は、図6(C)に示すように、凸部31bが管70の外周面と密接し、本体部2側の端部31cが拡径部12の平行面12a及び拡径部12の垂直面12bと密接し、押圧部51側の端部31cが押圧部51と拡径部12の平行面12aとの隙間に入り込みながら該平行面12a及び押圧部51と密接する。よって、パッキン21は、本体部2の内周面及び管70の外周面間を密封する。
【0052】
<実施形態2>
次に、第2の実施形態(実施形態2)について説明する。本実施形態は、図1に示す管継手の構成とパッキン22が異なり、その他が略同一である。但し、微小な相違点として、この実施形態2の拡径部13の平行面13aが図1に示す拡径部11の平行面11aと比較して管70の軸方向の距離が小さい。しかも、この実施形態2の拡径部13は、図1に示す拡径部11と異なり、拡径部13の管70の軸方向の距離が拡径部13の管70の径方向の距離より小さい。
【0053】
本実施形態に係るパッキン22は、パッキン本体32で外形を形成し、図7(A)に示すように、全体では環状であり、また、図7(B)に示すように、V字の断面形状であり、側面側に凹部32aと、その反対の側面側に凸部32bと、内周側及び外周側にそれぞれ端部32c、32cとを備える。
【0054】
芯体42は、図8に示すように、周方向の内縁及び外縁に切り込みが複数入れられた環状の板を、幅方向中央部にて屈曲されたものである。より詳細には、環状の板の内縁に内縁側ほど縮幅する切り込みと、外縁に外縁側ほど拡幅する切り込みを、交互に且つ周方向に適宜間隔を有して連続して設けた形状、つまり、一定幅を有するW字を環状に連接した形状の板を、周方向の中央部で屈曲したものである。
【0055】
本実施形態に係る管継手の構成に関する説明は以上のとおりで、次に、この本実施形態の作用を、凹部32aが、側面側として、拡径部13の垂直面13b側を向く配置の場合について、図9を参照して説明する。
【0056】
まず、本実施形態の管継手に管70を装着するために、パッキン22と押輪50とを外挿した管70を本体部3の開口端部から挿入する。このとき、パッキン22は、図9(A)に示すように、拡径部13に収容され、且つ本体部3と押輪50との間に位置した状態となる。
【0057】
そして、本体部3のフランジ部15、押輪50のフランジ部52の順で、あるいはその逆の順で、それぞれの開孔にボルト61を挿入し、その後ナット62をボルト61に取り付け、締め付けると、押輪50のフランジ部52が本体部3のフランジ部15側に移動し、それに伴い、押輪50は、本体部3側に移動し、そして、押圧部51は、拡径部13の垂直面13b側に移動する。そして、パッキン22は、押圧部51によって、拡径部13内に押し込められ、その後パッキン22は、その一部が拡径部13の垂直面13bに接触する。
【0058】
さらに、ナット62を締め付けると、押圧部51が拡径部13の垂直面13b側に移動を続けるため、パッキン22は、該垂直面13bと押圧部51とに挟まれ、しかも、既に双方の面と接触しているので、図9(B)に示すように、凹部32aを介して隣接する二面間の距離が大きくなるように変形し、径方向の幅寸法が拡大する。そして、パッキン22は、凸部32bが押圧部51と接触し、拡径部13の平行面13a側の端部32cが該平行面13a及び拡径部13の垂直面13bと接触し、管70の外周面側の端部32cが拡径部13の垂直面13b及び管70の外周面と接触する。
【0059】
そして、ナット62を締め付けるにつれて、パッキン本体32の圧縮による弾性反発力及び芯体42の変形による弾性反発力は、押圧部51に対して徐々に大きくなる。やがて、それらの力によってナット62を締め付けることができなくなると、管70が管継手に装着され、パッキン22は、変形を完了する。
【0060】
そうすると、パッキン22は、図9(C)に示すように、凸部32bが押圧部51と密接し、拡径部13の平行面13a側の端部32cが該平行面13a及び拡径部13の垂直面13bと密接し、管70の外周面側の端部32cが挿入部10の内周面と管70の外周面との隙間に入り込みながら拡径部13の垂直面13b及び管70の外周面と密接する。よって、パッキン22は、本体部3の内周面及び管70の外周面間を密封する。
【0061】
以上より、本実施形態に係るパッキン22は、凹部32aをパッキン22の側面側に備える構成であるため、実施形態1のパッキン20、21と比較して、径方向の幅寸法の変化量を大きくすることできる。よって、パッキン22が対応可能な本体部3の内周面と管70の外周面との径方向の距離が広がり、より多くの管70を同一形の管継手でカバーすることができるようになる。
【0062】
また、本実施形態に係るパッキン22は、凹部32aが、側面側として、拡径部13の垂直面13b側を向く配置の構成である。そこで、管継手に管70を接続した後に通水等すると、それに伴い発生する水圧は、パッキン22に対して、縮径部16の垂直面16bと管70の端部との間に有する隙間を介し、挿入部10の内周面と管70の外周面との間に有する隙間から働く。そして、パッキン22がその水圧によって変形する場合、パッキン22がさらに径方向に圧縮するように変形するため、拡径部13の平行面13a側の端部32cと該平行面13aとの接触圧、及び管70の外周面側の端部32cと管70の外周面との接触圧を大きくする。よって、本体部3の内周面及び管70の外周面間のパッキン22による密封性がさらに向上することができる。
【0063】
なお、凹部32aが拡径部13の垂直面13b側を向く配置の場合を例にとって説明したが、凹部32aが押圧部51側を向く配置の場合にも適用できるのは勿論である。
【0064】
しかし、管継手に管70を接続した後に通水等した場合、それに伴い発生する水圧によって、パッキンは、凹部を介して隣接する二面間の距離が小さくなるように変形する。つまり、パッキンが径方向の幅寸法を縮小するように変形するため、拡径部13の平行面13a側の端部と該平行面13aとの接触圧、及び管70の外周面側の端部と管70の外周面との接触圧を小さくする。よって、凹部は、押圧部51側ではなく、拡径部13の垂直面13b側を向くように配置することが好ましい。
【0065】
なお、上記実施形態2において、芯体42が環状の板の内縁及び外縁に切り込みが設けてある場合を例にとって説明したが、図10に示すように、内縁のみに設けてある場合にも適用できるのは勿論である。即ち、本実施形態に係る管継手は、パッキン23の芯体43と上記パッキン22の芯体42と異なり、その他が略同一である。この場合について、以下に説明する。
【0066】
本実施形態に係る芯体43は、図10に示すように、周方向の内縁のみに切り込みが複数入れられた環状の板を、幅方向中央部にて屈曲されたものである。より詳細には、環状の板の内縁に一定幅を有した切り込みが適宜間隔を有して連続して設けられた形状の板を、周方向の中央部で屈曲したものである。
【0067】
ここで、本実施形態に係る芯体43は、上記実施形態2の芯体42と比較すると、外縁に切り込みを有していないため、形状がシンプルであり、そして、環状の板を加工することが比較的容易である。しかし、芯体43は、外縁に切り込みがないため、外縁が周方向に長さを変化することができず、その結果、パッキン23は、変形による径方向の幅寸法の拡縮を、芯体43に切り込みを有している内縁側部分の周方向の長さの変化だけで行うことになる。よって、パッキン23が芯体43に切り込みを有していない外縁側部分の周方向の長さの変化がなくても、拡径部13の平行面13a側の端部33cは、該平行面13aと密接することができるような寸法になっている。
【0068】
本実施形態に係る管継手の構成に関する説明は以上のとおりで、次に、この本実施形態の作用を、凹部33aが側面側として、拡径部13の垂直面13b側を向く配置の場合について、図11を参照して説明する。
【0069】
まず、本実施形態の管継手に管70を装着するために、パッキン23と押輪50とを外挿した管70を本体部3の開口端部から挿入する。このとき、パッキン23の内径が管70の外径より小さいため、人力によってパッキン23の径方向の幅寸法を縮小するように変形した状態で外挿した管70を挿入することになる。そして、図11(A)に示すように、拡径部13に収容される。
【0070】
そして、パッキン23が人力によって拡径部13に押し込まれると、図11(B)に示すように、管70の外周面側の端部33cは、挿入された際と同様の形状を維持し、管70の外周面と接触しながら移動する。また、パッキン23が拡径部13に押し込められると、拡径部13の平行面13a側の端部33cは、平行面13aと密接できる寸法に設定されているため、平行面13aと密接することになる。その際に、平行面13a及び端部33c間の接触圧が大きいため、さらに人力でパッキン23を本体部3側に押し込もうとしても、ある距離で押し込むことが出来なくなる。
【0071】
その後、本体部3のフランジ部15、押輪50のフランジ部52の順で、あるいはその逆の順で、それぞれの開孔にボルト61を挿入し、その後ナット62をボルト61に取り付け、締め付けると、押輪50のフランジ部52が本体部3のフランジ部15側に移動し、それに伴い、押圧部51は、拡径部13の垂直面13b側に移動する。そして、パッキン23は、押圧部51によって、管70の外周面側の端部33cが拡径部13の垂直面13bに接触する。
【0072】
ここで、パッキン23は、芯体43の環状の内縁にのみ切り込みを有している形状であるため、芯体43の外縁側部分の変形を伴うように変形はできない。よって、パッキン23は、内周面側が変形することで径方向の幅寸法を拡縮しつつ、外周面側が変形しないため、パッキンとして高い真円度を維持することができる。
【0073】
さらに、ナット62を締め付けると、パッキン23が圧縮され続け、そのうちに、パッキン本体33の圧縮による弾性反発力及び芯体43の変形による弾性反発力により、ナット62の締め付けに対する抵抗力が大きくなり、締め付けることができなくなると、パッキン23は、変形を完了する。
【0074】
このとき、パッキン23が凹部33aを介して隣接する二面間の距離が大きくなるように変形するが、パッキン23の内周面側だけが周方向に長さを変化するように変形できるため、パッキン23は、径方向の幅寸法を内径方向にのみ拡大するように変形する。そうすると、パッキン23は、図11(C)に示すように、凸部33bが押圧部51と密接し、管70の外周面側の端部33cが挿入部10の内周面と管70の外周面との隙間に入り込み、さらに拡径部13の垂直面13b及び管70の外周面と密接する。
【0075】
そして、拡径部13の平行面13a側の端部33cは、パッキン23の外周側を変化するように変形できないため、上記実施形態2と異なり垂直面13bと接触しないが、拡径部13に押し込まれて以降、平行面13aとの密接状態を維持する。よって、パッキン23は、本体部3の内周面及び管70の外周面間を密封する。
【0076】
以上より、本実施形態に係るパッキン23の芯体43は、環状の板の内縁のみ切り込みを備える構成であるため、パッキン23の変形に関係なく、拡径部13の平行面13a側の端部33cが該平行面13aと密接できる。さらに、パッキン23は、変形完了後でも高い真円度を維持することができるため、本体部3の内周面及び管70の外周面間を安定した密封状態にすることができる。
【0077】
なお、凹部33aが拡径部13の垂直面13b側を向く配置の場合を例にとって説明したが、凹部33aが押圧部51側を向く配置の場合にも適用できるのは勿論である。
【0078】
しかし、上記実施形態2と同様に、管継手に管70を接続した後に通水等した場合を考慮し、パッキンによる本体部3の内周面及び管70の外周面間の密封性を向上させるため、凹部は、押圧部51側ではなく、拡径部13の垂直面13b側を向くように配置することが好ましい。
【0079】
<その他の実施形態>
なお、本発明の管継手及びパッキンは、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0080】
パッキンは、図1〜図11に図示したものに限らず、図12(A)に示すように、円形に凹部34aを備えた断面形状でもよく、図12(B)に示すように、芯体が屈曲せず、湾曲した断面形状でもよい。また、図12(C)に示すように、パッキン本体36の凹部36aが複数備えた断面形状でもよく、図12(D)に示すように、パッキン本体37の凹部37aと芯体47との数が異なる断面形状でもよい。また、これらのパッキン24、25、26、27は、凹部34a、35a、36a、37aが周方向の内周側、外周側、側面側のどの方向にでも適用できるのは勿論である。
【0081】
また、上記実施形態において、管継手は、押輪のある管継手を例にとって説明したが、図13(A)に示すように、本体部4と、パッキン21とを備え、押輪を有さない管継手や、図13(B)に示すように本体部5と、パッキン21を備え、伸縮管72を装着する管継手に適用できるのは勿論である。
【0082】
また、上記実施形態において、管継手は、開口が二つ両端に有する管継手を例にとって説明したが、開口が両端になくてもよく、また開口が二つではなく、三つ以上有する管継手に適用できるのは勿論である。
【0083】
また、上記実施形態において、パッキンが管継手に使用される場合を例にとって説明したが、図13(C)に示すように、フランジ式接続等の管接続用のパッキン22に適用できるのは勿論である。
【0084】
また、上記実施形態において、パッキンは、押輪で拡径部に押し込まれる場合を例にとって説明したが、人力等の外力によって変形され、しかも、芯体によりその変形が維持された状態で、拡径部内に収容させる場合であってもよい。例えば、パッキンの径方向の幅寸法が本体部の内周面及び管の外周面間の径方向の距離より大きい場合、径方向の幅寸法を縮小し、その双方の面間の距離より小さくすることができる。そのようにすれば、特にパッキンの径方向の幅寸法が本体部の内周面及び管の外周面間の径方向の距離より大きい場合は、パッキンを本体部に円滑に装着させることができる。
【0085】
また、上記実施形態において、パッキン本体の材質は、ゴムを例にとって説明したが、弾性のあるフッ素樹脂等の材質でもよい。
【0086】
また、上記実施形態において、芯体の材質は、鉄鋼を例にとって説明したが、芯体の変形に対して弾性反発力が発生し得る硬質樹脂等の材質でもよい。
【0087】
また、上記実施形態において、押圧部は、管の径方向に平行な面を備えることを例にとって説明したが、管の径方向に対して角度を有した面でもよく、また球面や曲面でもよい。そのようにすれば、押圧部とパッキンとを接触させる面積を大きくすることができ、そしてパッキンにかかる押圧力を分散することができる。
【0088】
また、上記実施形態において、締結手段は、ボルト及びナットを例にとって説明したが、本体部または押輪の一方にねじ部が備えられ、押輪を本体部にねじ込む等の締結手段でもよい。
【0089】
また、上記実施形態において、水道管を例にとって説明したが、ガス管、電線管等の管にも適用できるのは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明の一実施形態に係る管継手を説明する要部拡大断面図であって、管継手に管が装着された状態を示す。
【図2】同実施形態に係るパッキンであって、(A)は、正面図、(B)は、(A)のA−A線における断面図を示す。
【図3】同実施形態に係るパッキンの芯体の展開図及び断面図を示す。
【図4】同実施形態に係る管継手の要部拡大断面図であって、管継手に管が装着されるまでの過程について、(A)は、パッキンが変形する前の状態、(B)は、パッキンが変形を始めた状態、(C)は、パッキンが変形を完了した状態を示す。
【図5】同実施形態に係る管継手の要部拡大断面図であって、管継手に図4の管より外径の小さい管が装着される過程について、(A)は、パッキンが変形する前の状態、(B)は、パッキンが変形を始めた状態、(C)は、パッキンが変形を完了した状態を示す。
【図6】同実施形態の変形例に係る管継手の要部拡大断面図であって、管継手に管が装着されるまでの過程について、(A)は、パッキンが変形する前の状態、(B)は、パッキンが変形を始めた状態、(C)は、パッキンが変形を完了した状態を示す。
【図7】本発明の他の実施形態に係るパッキンであって、(A)は、正面図、(B)は、(A)のB−B線における断面図を示す。
【図8】同実施形態に係るパッキンの芯体の展開図及び断面図を示す。
【図9】同実施形態に係る管継手の要部拡大断面図であって、管継手に管が装着されるまでの過程について、(A)は、パッキンが変形する前の状態、(B)は、パッキンが変形を始めた状態、(C)は、パッキンが変形を完了した状態を示す。
【図10】同実施形態の変更例に係るパッキンの芯体の展開図及び断面図を示す。
【図11】同変更例に係る管継手の要部拡大断面図であって、管継手に管が装着されるまでの過程について、(A)は、パッキンが管を内挿した状態、(B)は、パッキンが本体側に押込められた状態、(C)は、パッキンが変形を完了した状態を示す。
【図12】本発明のさらに他の実施形態に係るパッキンであって、(A)、(B)、(C)及び(D)は、それぞれ断面図を示す。
【図13】本発明のさらに他の実施形態に係るパッキンであって、(A)及び(B)は、それぞれ他のタイプの管継手に、(C)は、他の管接続に使用される場合の断面図を示す。
【図14】従来の管継手の要部拡大断面図を示す。
【符号の説明】
【0091】
1…本体部、10…挿入部、11…拡径部、11a…平行面、11b…垂直面、15…フランジ部、16…縮径部、16a…平行面、16b…垂直面、20…パッキン、30…パッキン本体、30a…凹部、30b…凸部、30c…端部、40…芯体、50…押輪(押圧手段)、51…押圧部、52…フランジ部、60…締結手段、61…ボルト、62…ナット、70…管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管(70)の外径よりも大径で該管(70)の端部を挿入可能な孔部を備える本体部(1)と、該本体部(1)の孔部の内周面及び該本体部(1)に挿入される管(70)の外周面間に介設される環状のパッキン(20)とを備える管継手において、パッキン(20)は、周方向に沿って連続する凹部(30a)を少なくとも一つ備え、しかも、該凹部(30a)を介して隣接する二面間の距離が変化するように変形することで、径方向の幅寸法が変化するように構成されることを特徴とする管継手。
【請求項2】
前記本体部(1)との間で前記パッキン(20)を介設すべく、本体部(1)に挿入される管(70)に外挿され、本体部(1)側にパッキン(20)を押し込む押圧手段(50)を備えることを特徴とする請求項1に記載の管継手。
【請求項3】
前記パッキン(20)は、前記凹部(30a)を備える環状のパッキン本体(30)と、凹部(30a)に沿った断面形状を有してパッキン本体(30)内に配置される環状の芯体(40)とを備え、該芯体(40)は、パッキン本体(30)の、凹部(30a)を介して隣接する二面間の距離の変化に応じて、変形可能に構成されることを特徴とする請求項1または2に記載の管継手。
【請求項4】
前記芯体(40)は、長手方向の側縁に切り込みが複数入れられた帯状の板を長手方向の端部で接合した環状であって、幅方向中央部にて屈曲または湾曲されたものからなり、これに応じて、前記パッキン本体(30)は、前記凹部(30a)が周方向の内周側または外周側を向くように構成されることを特徴とする請求項3に記載の管継手。
【請求項5】
前記芯体(40)は、周方向の内縁、または内縁及び外縁に切り込みが複数入れられた環状の板であって、幅方向中央部にて屈曲または湾曲されたものからなり、これに応じて、前記パッキン本体(30)は、前記凹部(30a)が周方向の側面側を向くように構成されることを特徴とする請求項3に記載の管継手。
【請求項6】
周方向に沿って連続する凹部(30a)を少なくとも一つ備える環状のパッキン本体(30)と、凹部(30a)に沿った断面形状を有してパッキン本体(30)内に配置される環状の芯体(40)とを備え、パッキン本体(30)は、凹部(30a)を介して隣接する二面間の距離が変化するように変形することで、径方向の幅寸法が変化するように構成され、芯体(40)は、パッキン本体(30)の、凹部(30a)を介して隣接する二面間の距離の変化に応じて、変形可能に構成されることを特徴とするパッキン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−82494(P2008−82494A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−265283(P2006−265283)
【出願日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(399130348)株式会社水研 (19)
【Fターム(参考)】