説明

箱の搬送姿勢変更装置

【課題】搬送装置で搬送中の箱の長手方向の姿勢を同じ方向に変更する。
【解決手段】挟持アームで箱hを挟持しているときに回転テーブル20を下降してローラコンベア22と箱hの底面を乖離させた後に回転テーブルコンベア22の搬送姿勢を搬送コンベア2と交差する姿勢に変更するよう回転テーブル22を回転させ、回転テーブル20を上昇させて回転テーブルコンベア22と箱hの底面を当接させ、回転テーブルコンベア22を搬送コンベア2の搬送方向に沿う姿勢になるように回転テーブルを回転させて箱の搬送姿勢を変更して搬送コンベア2に供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、箱を搬送する箱搬送設備に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には箱に収容した出荷物をパレットに段積して荷受する選果設備が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−104507号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
パレットに段積した箱は段積状態で荷受けコンベアで搬送され、搬送途中で段バラシ装置で一箱毎に分けられて選果部に供給される。
パレット上に段積の長方形状の箱を複数列に載置するときに、パレットの形状から、全て同じ向きに積むのではなく、図7に示すように箱の載置方向を変える場合がある。
【0005】
本発明は、搬送装置で搬送中の箱の長手方向の姿勢を同じ方向に変更することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、平面視で長方形状の箱(h)を搬送する搬送コンベア(2)の搬送途中に、上下方向に昇降動作すると共に縦軸(25)周りに回転する回転テーブル(20)を設け、回転テーブル(20)の上面には箱(h)を載置し且つ搬送できる回転テーブルコンベア(22)を設け、回転テーブルコンベア(22)は回転テーブル(20)と共に回転し、前記搬送コンベア(2)の搬送方向に沿う姿勢か、搬送方向と交差する姿勢に変更する構成とし、回転テーブル(20)の上方には回転テーブルコンベア(22)上の箱(h)の側面を挟持する挟持アーム(24)を設け、挟持アーム(24)で箱(h)を挟持しているときに回転テーブル(20)を下降してローラコンベア(22)と箱(h)の底面を乖離させた後に回転テーブルコンベア(22)の搬送姿勢を搬送コンベア(2)と交差する姿勢に変更するよう回転テーブル(22)を回転させ、回転テーブル(20)を上昇させて回転テーブルコンベア(22)と箱(h)の底面を当接させ、回転テーブルコンベア(22)を搬送コンベア(2)の搬送方向に沿う姿勢になるように回転テーブルを回転させて箱の搬送姿勢を変更して搬送コンベア(2)に供給する制御部を設けたことを特徴とする箱の搬送姿勢変更装置とする。
【0007】
請求項2記載の発明は、回転テーブルコンベア(22)上に搬送される箱(h)のストッパ(23)を設け、回転テーブルコンベア(22)は搬送コンベア(2)と別個に駆動及び停止可能に構成し、ストッパ(23)で箱(h)の搬送を止めると、回転テーブルコンベア(22)が停止し、挟持アーム(24)で箱(h)を挟持し、
前記箱(h)の搬送姿勢を変更すると回転テーブルコンベア(22)を再駆動して箱(h)を搬送コンベア(2)に搬送する構成としたことを特徴とする請求項1記載の箱の搬送姿勢変更装置とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に記載の発明によると、箱の向きを変更できるため、箱の搬送姿勢を一定にして後工程に搬送することができる。
請求項2記載の発明によると回転テーブル(20)に供給された箱を一旦停止させてから、箱の姿勢を変更し、再度回転テーブルコンベア(22)を駆動させることで、箱の姿勢に乱れが少なく、円滑に箱の姿勢を変更させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】正面から見た回転装置を示す図
【図2】荷受けコンベア及び回転装置の平面図
【図3】平面から見た回転装置で荷受用箱を支持する構成を説明する図
【図4】回転装置の平面図
【図5】平面から見た回転テーブルの回転動作を説明する図
【図6】回転装置の別実施例の平面図
【図7】段重ねした荷受用箱hをパレットに載置している状態を示す平面図
【図8】段重ねした荷受用箱hをパレットに載置している状態を示す側面図
【図9】姿勢整列装置の平面図
【図10】選果施設の平面図
【図11】側面から見た荷受用箱を段バラシする状態を説明する図。
【図12】段バラシ装置の側面図
【図13】段バラシ装置の正面図
【図14】段バラシ装置の平面図
【図15】待機アームの側面図
【図16】待機アームの正面図
【図17】待機アームの平面図
【図18】段重ねしている荷受用箱を示す図
【図19】箱の姿勢のズレを修正することを示す図
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明について生産者が持参した桃や柿等の果実を等階級毎に選別して箱詰めして出荷する選果集出荷施設に基づいて説明する。
図12に基づいて選果施設全体の概要について説明する。
【0011】
生産者は図7や図8に示すように生産した果実を収容した荷受用箱hをパレットp上に複数段重ねでかつ複数列に載置した状態で荷受場Nのパレット置き場N1に持参する。本実施例では長方形状の荷受用箱hを図7に示すように平面視で横長姿勢に段重ねして載置する荷受用箱h1と縦長姿勢に段重ねして載置する荷受用箱h2とを並べてパレットp上に載置している。
【0012】
2は荷受用箱hを段重ね状態で搬送する荷受けコンベアで、ローラコンベア2aで構成される荷受けコンベア2の搬送途中には、荷受用箱hの横長姿勢と縦長姿勢とを変更する回転装置3を設けている。また、回転装置3の後工程には回転装置3で搬送姿勢を一定にされた段重ねの荷受用箱hを一箱毎もしくは設定段数毎にバラシて後工程に搬送する段バラシ装置4を設けている。そして、荷受けコンベア2は、作業者が荷受用箱h内の果実を取り出し、等階級毎に選別する選別部Mの選別コンベア5に移し変える果実取り出し部Tまで設けている。
【0013】
選別コンベア5の途中には果実の等級又は階級を判定するためのカメラ等の判定装置6を設け、判定装置6より後工程には、等階級毎に果実を取り出す取り出しコンベア7を選別コンベア5と交差する方向に複数本並行して設け、取り出しコンベア7の始端部を選別コンベア5付近に設ける。そして、取り出しコンベア7の終端部に作業者が選別された果実を出荷用箱sに収容するための箱詰め台8を設けている。
【0014】
なお、本実施の形態では、選別コンベア5と取り出しコンベア7と箱詰め台8から構成される選別部Mを三箇所設けており、荷受けコンベア2も途中分岐することでそれぞれの選別部Mに荷受用箱hを搬送する構成としている。また、図示しないが選別部Mの構成を例えば特開2008−55383号公報記載のフリートレイ式の選果施設としても良い。
【0015】
箱詰め台8で箱詰めされた出荷用箱sを搬送する出荷用コンベア9を設ける。出荷用コンベア9は選別コンベア5と並行して設け、かつ、取り出しコンベア7の下方を通過する構成である。各選別部M毎の出荷用コンベア9は搬送途中で順次合流し、一本のコンベアとする構成とし、出荷用コンベア9の搬送終端部には出荷用箱sの姿勢を一定に整列するための姿勢整列装置10を設けている。そして、姿勢変更装置10の後工程に各出荷先毎に出荷用箱sを搬送する出荷ラインコンベア11を設け、出荷ラインコンベア11の搬送始端部に出荷用箱sに印字をするインクジェット装置12を設け、その後出荷ラインコンベア11は出荷場Gに向かって複数ラインに分岐する構成としている。
【0016】
Zは操作室で選果集出荷施設の各装置を制御する中央制御盤(図示せず)を備えている。
次に、図1から図5に基づいて、回転装置3の構成について説明する。
【0017】
横方向に伸縮する伸縮シリンダ21の伸縮動作で縦軸25周りに回転すると共に、テーブルリフター26によって上下方向に昇降する円形の回転テーブル20を荷受けコンベア2の搬送途中に設けている。回転テーブル20の上面にはローラコンベア22を設け、ローラコンベア22は回転テーブルと共に回転することで、荷受けコンベア2の搬送方向に沿う姿勢(図2参照)か、搬送方向と交差する姿勢(図4参照)に変更する構成としている。
【0018】
回転テーブル20の上方には回転テーブル20上に搬送された荷受用箱hを静止するためのストッパ23と、静止した荷受用箱hの側面を挟持する挟持アーム24とを設けている。本実施の形態のストッパ23は回転テーブル20上方の搬送方向左右両側に設け、縦回動軸23aの回動動作によりストッパ板23bが回転テーブル20上に進入する姿勢と、回転テーブル20上から退避する姿勢に変更する構成としている。また、挟持アーム24は挟持板24aを伸縮シリンダ24bで移動させることで荷受用箱hを挟持したり、離したりする構成としている。また、図3に示すように左右の挟持アーム24は平面視で搬送方向前後にずれた位置に設けることで、荷受用箱hを安定した姿勢で挟持できる構成としている。
【0019】
図6は回転装置3の別実施例で、ローラコンベア22の内、テーブルの中心を通過するローラコンベア22を2分割してそれぞれ反対方向に回転するローラコンベア22a,と22bを設けている。
【0020】
次に、図11から図17に基づいて荷受用箱hの段バラシ装置4の構成について説明する。
荷受けコンベア2の搬送途中に荷受けコンベア2とは別の駆動モータ31で駆動する段バラシ用コンベア30を設ける。
【0021】
段バラシ用コンベア30の上方には荷受用箱hの側面を挟持する第一挟持アーム32、第二挟持アーム33を上下に設けている。挟持アーム32と33はそれぞれ伸縮シリンダの伸縮動作で32a,33aで箱を挟持したり、離れたりする構成である。また、第一挟持アーム32及び第二挟持アーム33自体を上下に昇降させる昇降シリンダ34を設けている。
【0022】
段バラシ用コンベア30の後工程の荷受けコンベア2には、荷受けコンベア2の搬送面の下方から荷受用箱hの底面を支持して搬送面の上方に持ち上げる待機アーム35を設定間隔で複数個所(35a〜35d)設けている。
【0023】
次に姿勢整列装置10の構成について説明する。
搬送ローラコンベア9aで構成される出荷用コンベア9の搬送途中に搬送方向左右一側に向かって斜め方向に傾斜して設ける斜めローラコンベア部9bを設け、出荷用箱sをローラコンベアの搬送方向左右一側に寄せる構成としている。出荷用箱sを寄せる側には出荷用箱sの左右一側である第一側面saに当接する案内ガイド40を設けている。斜めローラコンベア部9bの後に直線状に搬送する案内ローラコンベア部9cを設け、案内ガイド40と反対側には出荷コンベア9の搬送方向と同じ方向に回転する案内コンベア42を設けている。案内コンベア42は伸縮シリンダ43の伸縮により縦軸44周りに角度自在に回動する構成で、コンベアの出荷用箱sの左右他側である第二側面sbに当接し、出荷用箱sを案内ガイド40に沿って押し出す構成としている。案内コンベア42と対向する位置には出荷用箱sの第一側面saに当接して出荷用箱sの押し出しを支持する転輪45を設けている。転輪45は案内ガイド40の上方に位置し、遊転する構成としている。
【0024】
48は出荷用箱sに貼付されているバーコード(図示せず)の情報を読み取るバーコードリーダで、案内コンベア42と転輪45とで姿勢を整列した状態で読み取る構成としている。46は出荷用箱sが案内ローラコンベア部9cで出荷用コンベア9の搬送終端部に到達したことを検出する出荷用箱有無検出センサである。そして、47は出荷用箱有無検出センサ46の出荷用箱s有りの検出情報を読み取り出荷用箱sを出荷ラインコンベア11に押し出す押し出しアームである。49は案内ローラコンベア部9cの搬送終端部へ搬送するのを待機するためのストッパである。
【0025】
次に、本実施の形態の選果施設の荷受けから出荷までの作業の流れについて説明する。
生産者は生産した果実を荷受用箱hに収容し、荷受用箱hをパレットpに段重ねで載置した状態で荷受場Nのパレット置き場N1に持参する。パレット置き場N1で荷受用箱運搬装置(図示せず)で段重ね状態のままで、荷受用箱hを常時駆動する荷受けコンベア2に載置して搬送する。縦長姿勢で搬送しているか横長姿勢で搬送しているかを図示しないセンサで予め検出し、荷受用箱hが回転装置3を通過するときに、搬送方向に対して縦長姿勢に搬送される段重ね状態の荷受用箱h2は回転装置3のローラコンベア22でそのまま後工程の荷受けコンベア2に搬送される。搬送方向に対して横長姿勢に搬送される荷受用箱h1は回転装置3上でストッパ23で静止される。荷受用箱h1が静止するとストッパ23が退避する一方、挟持アーム24が荷受用箱h1を挟持する。すると、回転テーブル20が下降し、次いでローラコンベア22の搬送方向が荷受けコンベア2の搬送方向と交差する方向になるように回転する。そして、回転テーブル20は上昇し、ローラコンベア22が荷受用箱h1の底面に当接すると挟持アーム24が退避し、回転テーブル20を回転することで、横長姿勢の荷受用箱h1が縦長姿勢に変更される。そして、ローラコンベア22が駆動して荷受用箱h1を後工程の荷受けコンベア2に送り出す。
【0026】
なお、このとき図6に示す実施例の形態のローラコンベア22だと回転テーブルを回転させるときにローラコンベア22aと22bが互いに逆回転することで荷受用箱kの姿勢がずれ難くなることができるものである。
【0027】
荷受けコンベア2で搬送される段重ね状態の荷受用箱hが段バラシ用コンベア30に供給されると、段バラシ用コンベア30は荷受用箱hを所定位置まで搬送して停止する。この時、常時駆動する荷受けコンベア2が次に搬送してきた荷受用箱hはストッパ36が上昇して段バラシ用コンベア30への供給を待機する状態とする。
【0028】
停止状態の段バラシ用コンベア30上の段重ね状態の荷受用箱hを第一挟持アーム32、又は第二挟持アーム33のいずれかで最下段より一つ上の段の箱を挟持する。本実施の形態の場合、異なる二種類の作物(柿と桃)を扱うことから異なる大きさの箱を用いている。図12に示すように段数の多くなる箱jと段数の少ない箱kそれぞれを挟持するもので、箱jの場合には2段ずつばらす構成としており、低い位置にある第一挟持アーム32が下から三段目の箱jの側面を挟持し、昇降シリンダ34の上昇動作により、三段目より上の段の箱jを持ち上げる。そして、下二段の箱jを段バラシ用コンベア30が駆動して荷受けコンベア2に搬送し、段バラシ用コンベア30は再度停止し、持ち上げている箱jを段バラシ用コンベア30上まで降ろす。そして、第一挟持アーム32は挟持している箱jから離れ、その時点で下から三段目の箱jを挟持して以降全ての箱jが荷受けコンベアに二段ずつ順次搬送される同じ手順が繰り返される。そして、全ての箱jが荷受けコンベア2に搬送されるとストッパ36が退避され待機している次の段重ね状態の荷受用箱hが段バラシ用コンベア30に搬送されて同じ工程が繰り返される。
【0029】
箱kの場合には高い位置にある第二挟持アーム33が下から二段目の箱kを挟持して持ち上げ、最下段の箱kを段バラシ用コンベア30で荷受けコンベア2に搬送し、以後同様に一段ずつ下から順に荷受けコンベア2に搬送する。
【0030】
段バラシ装置4で一段ずつ又は二段ずつ段バラシされた荷受用箱hは荷受けコンベア2で果実取り出し部Tまで搬送され、果実取出し部Tで作業者が荷受用箱h内の果実を取り出し、選別コンベア5上を流れるフリートレイ(図示せず)に果実を載置する。
【0031】
果実を載置したフリートレイは選別コンベア5で搬送され、途中判定装置6で等級又は階級を判定され、判定された等階級の取り出しコンベア7に供給、搬送される。そこで、作業者が箱詰め台8で果実を出荷用箱sに収容し、出荷用箱sを出荷用コンベア9に載置する。
【0032】
出荷用コンベア9の搬送ローラコンベア9aで搬送された出荷用箱sは斜めコンベア部9bでロータコンベアの搬送方向左右一側に向けて寄せられ、案内ガイド40に当接する。そして、斜めコンベア部9bから案内コンベア部9cで案内ガイド40に沿って直線方向に案内された出荷用箱sはストッパ49により待機する。前の出荷用箱sが押し出しアーム47で押し出されると、ストッパ49が下降し、出荷用箱sが案内コンベア42と転輪45とで挟持されながら案内コンベア42と案内ローラコンベア9cの搬送作用により出荷用箱sの姿勢を一定に整列されながら、出荷用コンベア9の搬送終端位置に向かって搬送される。そして、出荷用箱有無検出センサ46が出荷用箱s有りを検出すると、押し出しアーム47が出荷用箱sを出荷ラインコンベア11に押し出す。なお、出荷用コンベア9の搬送終端部ではバーコードリーダ45で出荷用箱sに添付したバーコード(図示せず)の情報を読み込む。
【0033】
出荷ラインコンベア11の搬送始端部ではバーコードリーダ45で読み込んだ情報に基づいてインクジェット装置12で印字する。そして、出荷ラインコンベア11で適宜適切な出荷先のラインに搬送される。
【0034】
この案内コンベア42は回動角度自在にすることで左右幅の大きさの異なる出荷用箱s1,s2,s3の何れにも対応できるものである。
案内コンベア40の用い方として、ストッパ49を上昇させた状態で出荷用箱sを案内コンベア42で押し出して出荷用箱sの姿勢を整列させてから案内コンベア42を退避し、その後ストッパ49を下降して案内ガイド40に沿って案内ローラコンベア9cで搬送終端部に搬送する構成としても良い。
【0035】
また、出荷用箱sを図19に示すように2段毎に搬送する場合に、上段と下段の箱のズレを修正するために用いることができる。例えば、案内コンベア40が上段の箱と下段の箱にまたがって当接することでストッパ49で待機しているときに案内コンベア40と転輪45とで上段の箱と下段の箱の双方に搬送作用を与えることで、上段の箱と下段の箱の前後位置と左右位置をそろえることもできる。あるいは、上段・下段の箱があることを検出する上段センサ50、下段センサ51を設け、上段センサ50が出荷用箱sを検出すると、ストッパ49が上昇すると共に上段の箱に当接する構成とした案内コンベア40が回動して上段の出荷用箱sに当接して上段の箱を押し出して上段と下段とをそろえる構成としても良いる(図19(イ)から(ロ)の状態になる)。
【0036】
次に、段バラシ装置4において、段重ねされた荷受用箱hを上段から次の工程に送る構成について説明する。
段重ねされている荷受用箱hは図18に示すように、荷口A、荷口B、荷口C、荷口Dの順番に設定段数(本実施例は4段)ずつ段重ねする。
【0037】
通常ではA1からD3の順になるように段バラシをするが、本実施の形態では最後のD3の箱からA1の箱の順に取り出す構成について説明する。
D3の箱から順に取り出す、すなわち、段重ねの最上段の箱が先頭になるように段バラシをする工程について説明する。
【0038】
前述の段バラシ装置4の作用の説明で段バラシ用コンベア30で段重ね状態の箱k(または箱j)のうち最初に荷受けコンベア2に搬送された最下段の箱kを一番手前の待機アーム35aで持ち上げて待機する。次いで、下から二段目の箱kを二番目の待機アーム35b、三段目の箱kを待機アーム35cで、それぞれ待機させ、最上段の箱kを最初に通過させて、次いで待機アーム35c、35b、35aを順次下降させることで最上段の箱kを先頭に最下段の箱kを最後にする順番で段バラシを行なうことができる。
【0039】
本実施の段バラシ装置4と待機アーム35(35a〜35d)の構成により、最下段の箱を先頭にする段バラシも最上段の箱を先頭にする段バラシも選択して行なうことが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本実施の形態では選果施設について説明しているが、それ以外でも箱に対象物を収容して出荷する物品搬送設備にも広く用いられる。
また、本実施の形態の回転装置2では、段積状態の箱の姿勢を変更する内容を記載しているが、一箱毎に搬送される箱の向きを変更する搬送設備に用いても良い。
【符号の説明】
【0041】
h 箱(荷受用箱)
2 搬送コンベア(荷受けコンベア)
20 回転テーブル
22 回転テーブルコンベア(ローラコンベア)
23 ストッパ
24 挟持アーム
25 縦軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面視で長方形状の箱(h)を搬送する搬送コンベア(2)の搬送途中に、上下方向に昇降動作すると共に縦軸(25)周りに回転する回転テーブル(20)を設け、
回転テーブル(20)の上面には箱(h)を載置し且つ搬送できる回転テーブルコンベア(22)を設け、回転テーブルコンベア(22)は回転テーブル(20)と共に回転し、前記搬送コンベア(2)の搬送方向に沿う姿勢か、搬送方向と交差する姿勢に変更する構成とし、
回転テーブル(20)の上方には回転テーブルコンベア(22)上の箱(h)の側面を挟持する挟持アーム(24)を設け、挟持アーム(24)で箱(h)を挟持しているときに回転テーブル(20)を下降してローラコンベア(22)と箱(h)の底面を乖離させた後に回転テーブルコンベア(22)の搬送姿勢を搬送コンベア(2)と交差する姿勢に変更するよう回転テーブル(22)を回転させ、回転テーブル(20)を上昇させて回転テーブルコンベア(22)と箱(h)の底面を当接させ、回転テーブルコンベア(22)を搬送コンベア(2)の搬送方向に沿う姿勢になるように回転テーブルを回転させて箱の搬送姿勢を変更して搬送コンベア(2)に供給する制御部を設けたことを特徴とする箱の搬送姿勢変更装置。
【請求項2】
回転テーブルコンベア(22)上に搬送される箱(h)のストッパ(23)を設け、回転テーブルコンベア(22)は搬送コンベア(2)と別個に駆動及び停止可能に構成し、ストッパ(23)で箱(h)の搬送を止めると、回転テーブルコンベア(22)が停止し、挟持アーム(24)で箱(h)を挟持し、
前記箱(h)の搬送姿勢を変更すると回転テーブルコンベア(22)を再駆動して箱(h)を搬送コンベア(2)に搬送する構成としたことを特徴とする請求項1記載の箱の搬送姿勢変更装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2010−275044(P2010−275044A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−127734(P2009−127734)
【出願日】平成21年5月27日(2009.5.27)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】