説明

箱型顕微鏡装置

【課題】低コスト且つ簡単な構成で、試料容器を交換する際のステージにおける試料容器の位置調整をすることなく最適な位置に試料容器を容易に載置可能であり、簡単且つ迅速に試料容器を交換可能な箱型顕微鏡装置を提供する。
【解決手段】ステージ12と顕微鏡とハウジング20を備え、ハウジング20が固定ハウジング21と、固定ハウジング21に対して開閉移動可能な可動ハウジング22を備える箱型顕微鏡装置であって、ステージ12に載置された試料容器40をステージ12の一定位置に固定する試料容器位置決め手段50と、可動ハウジング22が閉じ方向に移動したときに試料容器位置決め手段50を作動させ、可動ハウジング22が開かれたときに試料容器位置決め手段50によるステージ12に対する試料容器40の位置決めを解除する位置決め解除手段60とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に細胞等の生物試料の観察・計測を目的とした、遮光または試料環境維持のためのハウジングを有する光学顕微鏡装置などの箱型顕微鏡装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
シャーレやマイクロプレートに培養液とともに培養された培養細胞試料等、生物細胞を生かしたままの状態で観察する手段として光学顕微鏡が一般に利用されている。近年、光学顕微鏡は、冷却CCDカメラ等、高感度の撮像手段を組み合わせられて、蛍光標識された培養細胞からの微弱蛍光を検出し、画像データとして記録するようになった。ところで、蛍光標識された培養細胞からの蛍光は極めて微弱であり、この微弱な蛍光を精度よく検出するには、細胞からの蛍光以外の光、すなわち、外乱光が検出されるのを極力抑える必要がある。このため、いくつかの市販されている光学顕微鏡装置は、倒立型顕微鏡全体をハウジングで覆うことにより、少なくとも画像取得時には外部からの光が検出されないような構造になっている。このような箱型の光学顕微鏡装置の1つとしては、例えば、ゼネラルエレクトリックヘルスケア社製の倒立型顕微鏡がある。
【0003】
この光学顕微鏡装置は、倒立型顕微鏡全体をハウジングで覆うとともに、マイクロプレートを載置可能で、且つ、コンピュータで制御されることによってXY方向に移動可能な電動ステージを含んでいる。ハウジングには部分的に扉が設けられており、マイクロプレートが載置された状態で電動ステージがこの扉からハウジング外部の所定位置まで飛び出すようになっている。操作者は、電動ステージがハウジング外部の所定位置にある状態にしてマイクロプレートを交換あるいはセットすることができる。扉は、操作者からの指令により、電動ステージがハウジング外部の所定位置まで飛び出すときに開き、電動ステージがハウジング内に収容されているときには閉じるようになっている。これにより、倒立型顕微鏡全体を遮光でき、また、温度調節器等の生体維持装置との組合せにより試料環境を維持することが可能となっている。
【0004】
ところで、このような箱型電動顕微鏡では、電動ステージにより、観察物を筐体の外部から内部の観察位置まで引き入れる際に、操作者の手や指などの異物が誤って筐体の内部に引き込まれる可能性があるため、安全性を確保することが必要となる。
【0005】
しかるに、結像光学系、観察光学系および電動ステージ等をハウジング内に収容した正立型の箱型顕微鏡においては、扉部の安全機構が知られている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1の顕微鏡装置は、観察物を支持する支持台がハウジング内部に引き込まれるときに、扉部における異物の有無を検出する検出手段を備えている。
【特許文献1】特開2003−5079号公報
【0006】
しかしながら、特許文献1のように電動ステージを扉に押し当てて扉を開状態にする方法は、比較的安価に構成することができるものの、扉と電動ステージとの摩擦の発生を回避できず、繰り返し開閉動作を行うと摩擦による塵填の発生が問題となる。
この間題を回避するために、前記扉を駆動制御することにより、電動ステージに接触することなく開閉されることが必要となるが、コストが高くつくという不都合がある。
【0007】
また、電動ステージは、本来、観察対象である試料の観察範囲をカバーする動作範囲を有すれば足りる。しかし、特許文献1の顕微鏡装置のように、電動ステージがハウジングの外部に飛び出す位置まで動作範囲を広げたのでは、長い直動ガイドが必要となり、コストが高くつくうえに、装置が大型化するという不都合がある。
また、顕微鏡の電動ステージには直動性能において高い精度が要求されるが、直線ガイドが長くなると高い精度を出すための調整が難しくなり、調整時間が長くなって、組立コストも増大する虞がある。
また、この構成は、操作者が対物レンズの補正環の操作や対物レンズの交換をすることができないという欠点があった。
【0008】
しかるに、本件出願人は、ステージの動作範囲を拡大させることなく、装置の大型化を防止し、且つ、ステージの動作精度を向上させることを目的とした箱型電動顕微鏡として、本願の出願時において未公開である、次の特許文献2に記載の光学顕微鏡装置を発案した。
【特許文献2】特願2005−331325号明細書 特許文献2に記載の光学顕微鏡装置101は、例えば、図16に示すように、試料Aを収容したマイクロプレート140を載置する電動ステージ112と透過照明光学系111と結像光学系114とを有する倒立型顕微鏡102と、倒立型顕微鏡102を取り囲むハウジング120を備えている。ハウジング120は、固定ハウジング121と、固定ハウジング121に対して開閉移動可能な可動ハウジング122とからなる。可動ハウジング122は、ベアリングのような図示しない回転機構を介して、回転軸160回りに図16に示した開状態となるように、固定ハウジング121に回転可能に支持されている。また、ハウジング120は、閉状態において、外部からの光を遮断し、倒立型顕微鏡102を遮光状態に保つことができるようになっている。なお、図中、113は落射照明光学系である。 また、透過照明光学系111及び結像光学系114を構成する光学部品のうち、電動ステージ112の上方に配される光学部品は、可動ハウジング122を介して移動可能に設けられている。 そして、可動ハウジング122が固定ハウジング121に対して開かれた位置に配置されたときに、これら一部の光学部品が電動ステージ112の上方から退避し、閉じられた位置に配置されたときに透過照明光学系111の光軸と結像光学系114の光軸が略一致するようになっている。
【0009】
このように構成された図16の光学顕微鏡装置101によれば、電動ステージ112上の試料Aを収容したマイクロプレート140を交換等する際に、固定ハウジング121に対して可動ハウジング122を開くと、電動ステージ112の上方に配置された透過照明光学系における一部の光学部品が可動ハウジング122とともに電動ステージ112の上方から退避させられるので、電動ステージ112の上方に広い空間を確保して、試料の交換や固定等の作業がし易くなる。また、固定ハウジング121に対して可動ハウジング122を閉じると、倒立顕微鏡102がハウジング120に覆われて遮光されるとともに、倒立顕微鏡102を構成する電動ステージ112よりも上方の光学系の光軸と電動ステージ112よりも下方の光学系の光軸とが略一致し、透過照明光学系111からの照明光を利用し結像光学系114を介して顕微鏡観察を行うことが可能となる。
【0010】
また、特許文献2に記載の他の例の光学顕微鏡装置201は、図17に示すように、ハウジング220が、固定ハウジング221の上方に、図示しない直動ガイドを介して水平方向に移動可能な可動ハウジング222を備えて構成されている。固定ハウジング221と可動ハウジング222との間には図示しないクリック機構が設けられ、可動ハウジング222は、固定ハウジング221に対して、開状態と閉状態とをそれぞれ保つことができるようになっている。図中、211は透過照明光学系、212は電動ステージ、213は結像レンズ、214は結像光学系、219はコンデンサレンズである。
【0011】
このように構成された図17の光学顕微鏡装置201によれば、図17(a)に示すように、可動ハウジング222を固定ハウジング221に対して閉位置に配置すると、可動ハウジング222に設けられている透過照明光学系211におけるコンデンサレンズ219の光軸が、対物レンズ213の光軸に略一致し、その位置においてクリック機構の作動により可動ハウジング222が固定された状態に維持され、ハウジング220内部の空間が外光から遮断される。一方、図17(b)に示すように、可動ハウジング222を開状態に移動すると、可動ハウジング222とともに、透過照明光学系211における電動ステージ212の上方に配置された光学部材が退避させられるので、電動ステージ212の上方に広い空間を確保することができ、試料の交換や固定等の作業がし易くなる。さらに、対物レンズの補正環を操作することもできる。
【0012】
そして、図17の光学顕微鏡装置201によれば、固定ハウジング221に対して可動ハウジング222を水平にスライドさせるだけで開閉でき、操作に大きな力を必要としないので操作性がよいという利点がある。
【0013】
これら本件出願人が発案した特許文献2の光学顕微鏡装置によれば、電動ステージの上方に試料の交換作業等のための広い空間を確保するために、電動ステージの動作範囲をハウジングの外部にまで拡大する必要がないため、装置の大型化を防止し、かつ、電動ステージの動作精度を向上させることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
ところで、上記特許文献1に記載のような従来の顕微鏡装置及び本件出願人が特許文献2に記載の光学顕微鏡装置など、従来、箱型顕微鏡装置では、試料容器中の試料を観察・測定する場合には、試料容器を電動ステージに載置する際に2次元方向への高精度な位置調整を行う必要があった。位置調整を高精度に行わないと、電動ステージの動作精度が高くても、所望の試料容器を最適な観察・測定位置に移動させることができないからである。
しかし、電動ステージに試料容器を載置する度に高精度な位置調整をしなければならないのでは、操作が煩雑化し、調整者に対し多大な作業負担を与えることとなる。
【0015】
また、従来、箱型顕微鏡装置では、試料容器を電動ステージに対し位置調整した際、調整した位置がずれないように側面を螺子等を用いて固定していた。
しかし、これでは、試料容器を交換する場合には、螺子による試料容器の固定を解除する必要があり、この点に関しても大きな作業負担を与えていた。
さらに、当該試料容器を用いた観察・計測から次の試料容器を用いた観察・計測に切替るまでに多くの時間がかかる結果、観察者に対し作業の中断を強いていた。
【0016】
また、そのような負担を減らすために、試料容器を電動ステージに載置後に電動ステージにおける試料容器の相対的位置計測手段を介して位置を検出し、検出した位置情報に基いて電動ステージの動作量を算出するようにしたのでは、試料容器の位置検出用の検出部材が増加するとともに制御が複雑化して非常なコスト高となる。
【0017】
本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、低コスト且つ簡単な構成で、試料容器を交換する際のステージにおける試料容器の位置調整をすることなく最適な位置に試料容器を容易に載置可能であり、簡単且つ迅速に試料容器を交換可能な箱型顕微鏡装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記目的を達成するため、本発明による箱型顕微鏡装置は、試料容器を載置するステージと透過照明光学系と結像光学系とを有する顕微鏡と、該顕微鏡を取り囲むハウジングとを備え、該ハウジングが、固定ハウジングと、該固定ハウジングに対して開閉移動可能に設けられる可動ハウジングとを備え、前記透過照明光学系または前記結像光学系を構成する光学部品のうち、前記ステージの上方に配される少なくとも一部の光学部品が移動可能に設けられ、前記可動ハウジングが前記固定ハウジングに対して開かれた位置に配置されたときに前記一部の光学部品を他の光学系の光軸から退避させ、閉じられた位置に配置されたときに両光学系の光軸を略一致させる切替機構を備える箱型顕微鏡装置であって、前記ステージに載置された前記試料容器を該ステージの一定位置に固定する試料容器位置決め手段と、前記可動ハウジングが固定ハウジングに対して開かれた位置から閉じ方向に移動したときに前記試料容器位置決め手段を作動させ、前記可動ハウジングが前記固定ハウジングに対して開かれた位置に配置されたときに前記試料容器位置決め手段による前記ステージに対する前記試料容器の位置決めを解除する位置決め解除手段と、を有することを特徴としている。
【0019】
また、本発明の箱型顕微鏡装置においては、前記試料容器位置決め手段が、前記ステージに載置された前記試料容器の側面をX方向及びY方向から当接可能な突き当て部と、前記ステージに載置された前記試料容器における所定の角部を押圧して該試料容器の側面を前記突き当て部に当接させる試料容器押圧手段と、を有するのが好ましい。
【0020】
また、本発明の箱型顕微鏡装置においては、前記試料容器押圧手段が、前記ステージに設けられた軸部と、該軸部に回転可能に支持され、且つ、前記試料容器における所定の角部を押圧可能な押圧部を備えたレバー本体部と、その一端が該レバー本体部に、他端が前記ステージに接続されていて、該レバー本体部に対し前記試料容器における所定の角部を押圧する方向に力を与えるバネとからなるクランプレバーであるのが好ましい。
【0021】
また、本発明の箱型顕微鏡装置においては、前記位置決め解除手段が、前記試料容器押圧手段に設けられた係合部と、前記係合部を押圧して前記試料容器押圧手段による前記試料容器の押圧を解除可能な試料容器押圧解除手段と、前記試料容器押圧解除手段を押圧可能に前記ハウジングの所定部位に設けられ、該試料容器押圧解除手段を押圧することにより、該試料容器押圧解除手段を介した前記試料容器押圧手段による該試料容器の押圧に対する解除を作動させ、前記可動ハウジングが前記固定ハウジングに対して開かれた位置に配置されたときに、該試料容器押圧解除手段を介した前記試料容器押圧手段による該試料容器の押圧に対する解除を完了させる前記試料容器押圧解除手段作動部と、を有するのが好ましい。
【0022】
また、本発明の箱型顕微鏡装置においては、前記試料容器押圧解除手段が、前記固定ハウジングに設けられた軸部と、該軸部に回転可能に支持され、且つ、その一端に前記試料容器押圧手段に設けられた係合部を押圧可能な押圧部を備えたレバー本体部と、その一端が該レバー本体部に、他端が前記固定ハウジングに、夫々接続されていて、該レバー本体部に対し前記試料容器押圧手段に設けられた係合部への押圧を解除する方向に力を与えるバネとからなる解除レバーであり、前記試料容器押圧解除手段作動部が、前記解除レバーの押圧部とは反対側の端部を押圧可能であるのが好ましい。
【0023】
また、本発明の箱型顕微鏡装置においては、前記試料容器押圧解除手段が、前記ステージに設けられた軸部と、該軸部に回転可能に支持され、且つ、その一端に前記試料容器押圧手段に設けられた係合部を押圧可能な押圧部を備えたレバー本体部と、その一端が該レバー本体部に、他端が前記ステージに、夫々接続されていて、該レバー本体部に対し前記試料容器押圧手段に設けられた係合部への押圧を解除する方向に力を与えるバネとからなる解除レバーであり、前記試料容器押圧解除手段作動部が、前記解除レバーの押圧部とは反対側の端部を押圧可能であるのが好ましい。
【0024】
また、本発明の箱型顕微鏡装置においては、前記可動ハウジングが、前記固定ハウジングに対して水平方向に移動可能に取り付けられていてもよい。
【0025】
また、本発明の箱型顕微鏡装置においては、前記可動ハウジングが、前記固定ハウジングに対して斜め方向に平行移動可能に取り付けられていてもよい。
【0026】
また、本発明の箱型顕微鏡装置においては、前記可動ハウジングが、前記固定ハウジングに対して回転軸を中心に回動可能に取り付けられていてもよい。
【0027】
また、本発明の箱型顕微鏡装置においては、前記試料容器押圧解除手段作動部が、前記可動ハウジングに設けられた突起からなるのが好ましい。
【0028】
また、本発明の箱型顕微鏡装置においては、前記試料容器押圧解除手段作動部が、垂直方向に所定長の長さを有して前記可動ハウジングに設けられた板状の突起からなり、前記可動ハウジングが前記固定ハウジングに対して斜め方向に平行移動するときに、前記板状の突起における前記解除レバーの押圧部とは反対側の端部を押圧する部位が、垂直方向に沿って変位するのが好ましい。
【0029】
また、本発明の箱型顕微鏡装置においては、前記試料容器押圧解除手段作動部が、所定長の長さを有し、その一端が前記可動ハウジングに対して回転軸を中心に回動可能に取り付けられるとともに、その他端が前記固定ハウジングに設けられたガイド部材を介して少なくとも水平方向にガイド可能に取り付けられた板状部材からなり、前記可動ハウジングが前記固定ハウジングに対して回転軸を中心に回動するときに、前記板状部材における前記解除レバーの押圧部とは反対側の端部を押圧する部位が、長手方向に沿って変位するのが好ましい。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、低コスト且つ簡単な構成で、試料容器を交換する際のステージにおける試料容器の位置調整をすることなく最適な位置に試料容器を容易に載置可能であり、簡単且つ迅速に試料容器を交換可能な箱型顕微鏡装置が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
実施形態の説明に先立ち、本発明の作用効果について説明する。
本発明の箱型顕微鏡装置は、試料容器を載置するステージと透過照明光学系と結像光学系とを有する顕微鏡と、該顕微鏡を取り囲むハウジングとを備え、該ハウジングが、固定ハウジングと、該固定ハウジングに対して開閉移動可能に設けられる可動ハウジングとを備え、前記透過照明光学系または前記結像光学系を構成する光学部品のうち、前記ステージの上方に配される少なくとも一部の光学部品が移動可能に設けられ、前記可動ハウジングが前記固定ハウジングに対して開かれた位置に配置されたときに前記一部の光学部品を他の光学系の光軸から退避させ、閉じられた位置に配置されたときに両光学系の光軸を略一致させる切替機構を備える箱型顕微鏡装置である。
そして、前記ステージに載置された前記試料容器を該ステージの一定位置に固定する試料容器位置決め手段と、前記可動ハウジングが固定ハウジングに対して開かれた位置から閉じ方向に移動したときに前記試料容器位置決め手段を作動させ、前記可動ハウジングが前記固定ハウジングに対して開かれた位置に配置されたときに前記試料容器位置決め手段による前記ステージに対する前記試料容器の位置決めを解除する位置決め解除手段とを有する。
このように試料容器位置決め手段を設ければ、試料容器を電動ステージに載置する際に従来行っていたような位置調整が不要となる。また、試料容器を電動ステージに載置する度に電動ステージにおける試料容器の相対的位置計測手段を介して位置を検出し、検出した位置情報に基いて電動ステージの動作量を算出する必要もない。さらに、螺子等で試料容器を固定する必要が無く、螺子を外すことなく試料容器を交換できる。
このため、本発明によれば、低コスト且つ簡単な構成で、試料容器を交換する際のステージにおける試料容器の位置調整をすることなく最適な位置に試料容器を容易に載置可能であり、簡単且つ迅速に試料容器を交換可能な箱型顕微鏡装置が得られる。
【0032】
第一実施形態
図1は本発明の第一実施形態にかかる箱型顕微鏡装置の全体の概略構成を示す説明図、図2は図1の箱型顕微鏡装置の要部として試料容器位置決め手段の基本構成を示す説明図である。図3は第一実施形態の箱型顕微鏡装置を介した観察・測定に用いる試料容器の外観を示す斜視図である。図4は図1の箱型顕微鏡装置の要部として位置決め解除手段の基本構成を示す説明図である。
第一実施形態の箱型顕微鏡装置は、顕微鏡10と、顕微鏡10を収容するハウジング20を備えている。
顕微鏡10は、透過照明光学系11と、電動ステージ12と、落射照明光学系13と、結像光学系14を有している。
【0033】
透過照明光学系11は、電動ステージ12に載置された例えばマイクロプレートからなる試料容器40内の試料に対し鉛直上方から白色光を照射するように構成されている。なお、透過照明光学系11内部の具体的な光学構成は、試料容器40内の試料に対し鉛直上方から白色光を照射することができれば、どのような構成でも適用可能である。
【0034】
電動ステージ12は、試料容器40を載置することができるように構成されている。また、電動ステージ12は、コンピュータ(図示省略)の制御により駆動手段(図示省略)を介して試料容器40における所望の部位(例えば、マイクロプレートにおける所望のウェル)を観察位置に移動させることができるように、X−Y方向にスライド可能に構成されている。
【0035】
落射照明光学系13は、電動ステージ12の下方に配置され、電動ステージ12に載置された試料容器40内の試料に対し鉛直下方から励起光を照射するように構成されている。なお、落射照明光学系13内部の具体的な光学構成は、試料容器40内の試料に対し鉛直下方から励起光を照射することができれば、どのような構成でも適用可能である。
【0036】
結像光学系14は、対物レンズ14aと、結像レンズ14bを有している。図中、14cは結像レンズ14bを介して結像された試料の像を撮像するためのカメラ(例えばCCDカメラ等)である。なお、結像光学系14内部の具体的な光学構成は、対物レンズ14aと、結像レンズ14bを有し、所定の結像位置に試料の像を結像することができれば、どのような構成でも適用可能である。
【0037】
ハウジング20は、固定ハウジング21と、可動ハウジング22とで構成されている。
固定ハウジング21は、電動ステージ12を含めて電動ステージ12より下方に配置される光学要素を保持した状態で固定配置されている。
可動ハウジング22は、電動ステージ12の上方に配置される光学要素(透過照明光学系11)を保持しながら固定ハウジング21に対して開閉方向に移動可能に構成されている。そして、開き方向に所定量移動することによって、固定ハウジング21を開口して電動ステージ12に載置された試料容器40を交換可能にし、閉じ方向に移動して固定ハウジング21と当接させることによって、固定ハウジング21と相俟って顕微鏡10を密閉及び遮光するとともに、透過照明光学系11の光軸と結像光学系14の光軸とを一致させるように構成されている。
【0038】
ここで、第一実施形態の箱型顕微鏡装置は、図2及び図4に示すように、試料容器位置決め手段50と、位置決め解除手段60を有している。
試料容器位置決め手段50は、図2に示すように、電動ステージ12に載置された試料容器40を電動ステージ12の一定位置に固定する手段であり、突き当て部51と、試料容器押圧手段52とを有して構成されている。
試料容器40は、図3に示すように、複数のウェル40dを2次元方向に配列して備え、外形がほぼ矩形形状のマイクロプレートで構成されている。また、試料容器40の一つの角部40c1が、試料容器押圧手段52を介して押圧され易くなるように面取りがされている。
突き当て部51は、電動ステージ12の上面に設けられた枠状部材で構成されている。枠状部材51は、内側面にX方向突き当て部51aと、Y方向突き当て部51bを有している。X方向突き当て部51a及びY方向突き当て部51bは、試料容器40の側面40a,40bをX方向及びY方向から当接可能に構成されている。
また、枠状部材51の内側面の隅部には、切り欠き部51c1,51c2,51c3が形成されている。切り欠き部51c2は、試料容器40の側面40a,40bを突き当て部51a及び突き当て部51bとに当接させたときにおける試料容器40の角部40c2が枠状部材51の隅部に干渉することに伴う試料容器40の位置ずれや破損を防いでいる。さらに、枠状部材51の内側面における隅部の間の所定位置には、一対の切り欠き部51d,51d’が形成されている。切り欠き部51d,51d’は、枠状部材51の内側に配置された試料容器40の一対の側面40b,40b’を把持して取り出せるような大きさに形成されている。
【0039】
試料容器押圧手段52は、クランプレバーで構成されている。
クランプレバー52は、軸部52aと、レバー本体部52bと、バネ52cとで構成されている。
軸部52aは、電動ステージ12における、X方向突き当て部51aとY方向突き当て部51bとが交わる部位の対角線上に位置する隅部の近傍に設けられている。
レバー本体部52bは、軸部52aに回動可能に支持されている。また、レバー本体部52bは、試料容器40の角部40c1を押圧可能な押圧部52b1を備えている。
バネ52cは、その一端52c1がレバー本体部52bに接続され、他端52c2が電動ステージ12に接続されている。そして、バネ52cは、レバー本体部52bに対し、押圧部52b1を介して試料容器の角部40c1を押圧する方向に力を与えるように構成されている。
【0040】
位置決め解除手段60は、図4に示すように、係合部61と、試料容器押圧解除手段62と、試料容器押圧解除手段作動部63とを有している。
係合部61は、試料容器押圧手段52に設けられている。
【0041】
試料容器押圧解除手段62は、軸部62aと、レバー本体部62bと、バネ62cとからなる解除レバーで構成されている。
軸部62aは、固定ハウジング21に設けられている。
レバー本体部62bは、軸部62aに回転可能に支持され、且つ、その一端に試料容器押圧手段52に設けられた係合部61を押圧可能な押圧部62b1を備えている。
バネ62cは、その一端62c1がレバー本体部62bに、他端62c2が固定ハウジング21に、夫々接続されている。また、レバー本体部62bに対し試料容器押圧手段52に設けられた係合部61への押圧を解除する方向に力を与えている。
そして、試料容器押圧解除手段62は、係合部61を押圧することによって試料容器押圧手段52による試料容器40の押圧を解除可能に構成されている。
【0042】
試料容器押圧解除手段作動部63は、試料容器押圧解除手段62である解除レバーの押圧部62b1とは反対側の端部62b2を押圧可能に、ハウジング20(図4では可動ハウジング22)の所定部位に設けられている。そして、試料容器押圧解除手段作動部63は、試料容器押圧解除手段62(より詳しくは端部62b2)を押圧することにより、試料容器押圧解除手段62を介した試料容器押圧手段52による試料容器40の押圧に対する解除を作動させ、可動ハウジング22が固定ハウジング21に対して開かれた位置に配置されたときに、試料容器押圧解除手段62を介した試料容器押圧手段52による試料容器40の押圧に対する解除を完了させるように構成されている。
【0043】
なお、第一実施形態の箱型顕微鏡装置における試料容器押圧解除手段作動部63は、可動ハウジング22を固定ハウジング21に対して、水平方向に移動可能に取り付けた構成、斜め方向に平行移動可能に取り付けた構成、又は回転軸を中心に回動可能に取り付けた構成、のいずれにも適用できる。
可動ハウジング22を固定ハウジング21に対して水平方向に移動可能に取り付けた構成の場合には、試料容器押圧解除手段作動部63は、可動ハウジング22に突起を設けることで構成できる。
また、可動ハウジング22を固定ハウジング21に対して斜め方向に平行移動可能に取り付けた構成の場合には、試料容器押圧解除手段作動部63は、垂直方向に所定長の長さを有する板状の突起を可動ハウジング22に設け、可動ハウジング22が固定ハウジング21に対して斜め方向に平行移動するときに、板状の突起における解除レバーの押圧部62b1とは反対側の端部を押圧する部位が、垂直方向に沿って変位するようにすることで構成できる。
また、可動ハウジング22を固定ハウジング21に対して回転軸を中心に回動可能に取り付けた構成の場合には、試料容器押圧解除手段作動部63は、所定長の長さを有し、その一端が可動ハウジング22に対して回転軸を中心に回動可能に取り付けられるとともに、その他端が固定ハウジング21に設けられたガイド部材(図示省略)を介して少なくとも水平方向にガイド可能に取り付けられた板状部材を用いて、可動ハウジング22が固定ハウジング21に対して回転軸を中心に回動するときに、板状部材における解除レバーの押圧部62b1とは反対側の端部62b2を押圧する部位が、長手方向に沿って変位するようにすることで構成できる。
【0044】
このように構成された第一実施形態の箱型顕微鏡装置では、試料容器の交換は次のようにして行う。
電動ステージ12を、試料容器の交換が可能となる所定の基準位置に移動させる。次いで、可動ハウジング22を開き方向に移動させる。すると、試料容器押圧解除手段作動部63が矢印A方向に移動する。可動ハウジング22が所定量移動すると、試料容器押圧解除手段作動部63が試料容器押圧解除手段62である解除レバーの端部62b2を押圧し、バネ62cの引っ張る力に抗して、レバー本体部62bを軸部62aを中心として矢印B方向に回転させる。可動ハウジング22が開き位置にまで到達すると、解除レバー62が、押圧部62b1を介して試料容器押圧手段であるクランプレバー52の係合部61を押圧し、バネ52cの引っ張る力に抗して、レバー本体部52bを軸部52aを中心として矢印C方向(試料容器40への押圧方向とは反対側の方向)に回転させる。すると、押圧部52b1が、試料容器40の角部40c1を押圧する位置から離れる。これにより、電動ステージ12における枠状部材51で囲われた部位での試料容器40の着脱が可能になる。試料容器40は、切り欠き部51d,51d’を介して試料容器40の一対の側面40b,40b’を把持して取り出す。
【0045】
次いで、別の試料容器40を枠状部材51で囲われた部位に装着する。装着後、可動ハウジング22を閉じ方向に移動させる。すると、試料容器押圧解除手段作動部63が矢印Aとは反対の方向に移動する。すると、試料容器押圧解除手段作動部63による試料容器押圧解除手段62である解除レバーの端部62b2への押圧が次第に弱められ、やがて解除される。試料容器押圧解除手段作動部63による解除レバーの端部62b2への押圧が解除されると、バネ62cの引っ張る力が働いて、レバー本体部62bが軸部62aを中心として矢印Bとは反対の方向に回転させられる。すると、解除レバー62の押圧部62b1を介した試料容器押圧手段であるクランプレバー52の係合部61への押圧が解除される。すると、バネ52cの引っ張る力が働いて、レバー本体部52bが軸部52aを中心として矢印Cとは反対の方向(矢印D方向)へ回転させられる。すると、押圧部52b1が、試料容器40の角部40c1を押圧する。これにより、試料容器40は、枠状部材51のX方向突き当て部51a及びY方向突き当て部51bに近づく方向に移動させられ、側面40a,40bが突き当て部51a及び51bに当接させられた状態で、電動ステージ12に対する位置が一定位置に固定される。
【0046】
試料容器40を電動ステージ12に固定後、電動ステージ12を所定の基準位置から所定量移動させることによって試料の観察・測定を行う。
試料容器40の交換を行うときには、上述した手順を繰り返す。
【0047】
このため、第一実施形態の箱型顕微鏡装置によれば、簡単な操作で、試料容器40を常に一定位置に固定することができ、位置調整が不要となる。
また、電動ステージ12に対する試料容器40の取付け位置を、常に一定位置に位置決めすることができる。その結果、電動ステージ12を、例えば、電動ステージ12の位置センサで検出された位置を基準にして一定量移動するだけで、試料容器40内の所望の部位を正確な観察・計測位置(即ち、照明光学系と結像光学系とを結ぶ光軸上の所定位置)に配置できる。
【0048】
なお、図3及び図4に示した例では、突き当て部51を構成する枠状部材を、試料容器押圧手段52の作動部位周辺を除き、ほぼ四方の辺で囲むように構成し、切り欠き部51d,51d’を設けて試料容器40の一対の側面40b,40b’を把持して取り出せるようにしたが、図5の変形例に示すように、三方の辺で囲み、切り欠き部51d,51d’を設けない構成としてもよい。このようにした場合には、囲まれていない部位を通して試料容器40を電動ステージ12に対して着脱し易くなる。
また、図3及び図4に示した例では、突き当て部51を構成する枠状部材に、切り欠き部51c2に加えて、切り欠き部51c1,51c3を設けたが、図5の例に示すように、切り欠き部51c1,51c3は設けなくてもよい。
【0049】
また、第一実施形態の箱型顕微鏡装置では、試料容器押圧解除手段62を固定ハウジング21に設けたが、配置スペースがあれば電動ステージ12に設けてもよい。試料容器押圧解除手段62を電動ステージ12に設けた場合には、試料容器押圧手段52と試料容器押圧解除手段62との相対的位置が電動ステージ12の移動量に関係なく一定となる。このため、試料容器押圧解除手段62による試料容器押圧手段52に対する押圧解除の動作精度が高くなる。
【0050】
なお、図2〜図5に示した試料容器40は、ほぼ所定の規格(SBS規格)を満たしているが、一部、角部40c1が試料容器押圧手段52を介して押圧され易くなるように面取りがされている。
試料容器40の角部40c1の面取りの形状は、任意に設計したもの(例えば、曲面、平面)を用いることができる。さらには、試料容器40の角部40c1に面取りを施さないものを用いても良い。
そこで、本実施形態の箱型顕微鏡装置では、角部40c1の形状が異なる試料容器に交換しても、電動ステージ12の突き当て部51a及び51bに試料容器の側面を当接させて固定できる程度の形状、大きさ及び可動ストロークを持つように、試料容器押圧手段52の押圧部52b1を構成するのが好ましい。
【0051】
また、第一実施形態の箱型顕微鏡装置では、可動ハウジングを手動で開閉する構成としたが、駆動手段を介して自動で開閉できるようにしてもよい。
また、第一実施形態の箱型顕微鏡装置では、顕微鏡を、落射照明光学系を有して構成したが、落射照明光学系を有しない構成にも適用可能である。
【0052】
次に、本発明の箱型顕微鏡装置のより具体的な実施例を図面を用いて説明する。
実施例1
図6は本発明の実施例1にかかる箱型顕微鏡装置の全体の概略構成を示す説明図、図7は図6の箱型顕微鏡装置において可動ハウジングが開いた状態を示す説明図である。図8は図6の箱型顕微鏡装置における試料容器押圧解除手段作動部の構成を示す要部説明図であり、(a)は可動ハウジングを閉じたときの試料容器押圧解除手段作動部の状態を概念的に示す側面図、(b)は可動ハウジングを開いたときの試料容器押圧解除手段作動部の状態を概念的に示す側面図、(c)は試料容器押圧解除手段作動部における固定ハウジングへの取付部の構成を示す(a)の部分縦断面図、(d)は試料容器押圧解除手段作動部における可動ハウジングへの取付部の構成を示す(a)の部分縦断面図である。なお、第一実施形態と同じ構成の部材には同じ番号を付してある。
実施例1の箱型顕微鏡装置は、倒立型顕微鏡10と、倒立型顕微鏡10を収容するハウジング20’を備えている。
倒立型顕微鏡10は、透過照明光学系11と、電動ステージ12と、落射照明光学系13と、結像光学系14と、制御部15を有している。
【0053】
透過照明光学系11は、ハロゲンランプ11aと、ハロゲンランプ11aから発せられた白色光を集光するカップリングレンズ11bと、カップリングレンズ11bにより集光された白色光を一端に入射させる光ファイバ11cと、光ファイバ11cにより伝搬され、他端から出射された白色光を集光するコレクタレンズ11dと、コレクタレンズ11dにより集光された白色光を反射して鉛直下方に指向させるミラー11eと、ミラー11eにより反射された白色光を集光するコンデンサレンズ11fとを備えている。光ファイバ11cは、例えば、液体ファイバのような柔軟な光ファイバであって、自由に湾曲できるようになっている。そして、透過照明光学系11は、電動ステージ12に載置された例えばマイクロプレートからなる試料容器40内の試料に対し鉛直上方から白色光を照射するように構成されている。
【0054】
電動ステージ12は、試料Aを載置することができるように構成されている。また、第一実施形態の図2及び図4に示した試料容器位置決め手段50と同様に構成された試料位置決め手段(図6において図示省略)を有し、該試料位置決め手段を介して試料Aを固定することができるようになっている。また、電動ステージ12は、制御部15を構成するコンピュータの制御により駆動手段(図示省略)を介して試料容器40における所望の部位(例えば、マイクロプレートにおける所望のウェル)を観察位置に移動させることができるように、X−Y方向にスライド可能に構成されている。
【0055】
落射照明光学系13は、電動ステージ12の下方に配置され、キセノンランプ13aと、キセノンランプ13aから発せられた光を集光するコレクタレンズ13bと、特定波長の励起光を選択的に透過させる波長選択フィルタ13cと、波長選択フィルタ13cを透過した励起光を反射するダイクロイックミラー13dと、ダイクロイックミラー13dにより反射された励起光を集光して試料Aに照射する対物レンズ14aとを備えている。そして、落射照明光学系13は、電動ステージ12に載置された試料容器40内の試料Aに対し鉛直下方から励起光を照射するように構成されている。
【0056】
結像光学系14は、落射照明光学系13の対物レンズ14aおよびダイクロイックミラー13dを共有するとともに、試料Aにおいて発生し、対物レンズ14aにより集光され、ダイクロイックミラー13dを透過した蛍光を透過する波長選択フィルタ14dと、波長選択フィルタ14bを透過した蛍光を集光する結像レンズ14bと、結像レンズ14bにより集光された蛍光を検出するCCDカメラ14cを備えている。図中、14eはミラーである。
【0057】
ハウジング20’は、下側の固定ハウジング21’と、上側の可動ハウジング22’とで構成されている。
固定ハウジング21’は、電動ステージ12を含めて電動ステージ12より下方に配置される光学要素を保持した状態で固定配置されている。
可動ハウジング22’は、電動ステージ12の上方に配置される光学要素(透過照明光学系11における光ファイバ11cの他端からコンデンサレンズ11fまで)を保持しながら、ベアリングのような図示しない回転機構により、回転軸23回りに、図6に示す閉状態から図7に示すような開状態となるように、固定ハウジング21’に回転可能に支持されている。そして、開き方向に所定量移動することによって、固定ハウジング21’を開口して電動ステージ12に載置された試料容器40を交換可能にし、閉じ方向に移動して固定ハウジング21’と当接させることによって、固定ハウジング21’と相俟って倒立型顕微鏡10を密閉及び遮光するとともに、透過照明光学系11の光軸と結像光学系14の光軸とを一致させるように構成されている。
また、ハウジング20’内には、ハウジング20’内の温度を調節するための温度調節器24が配置されている。また、ハウジング20’には、炭酸ガスをハウジング20’内に供給する炭酸ガス供給装置25がダクト26を介して接続されている。さらに、固定ハウジング21’と可動ハウジング22’との間には、両者の開閉状態を検出するためのマイクロスイッチまたはフォトインタラプタ等のセンサ27が設けられている。
【0058】
制御部15は、電動ステージ12、キセノンランプ13a、ハロゲンランプ11a、CCDカメラ14c、温度調節器24、炭酸ガス供給装置25およびセンサ27に接続されている。
【0059】
また、実施例1の箱型顕微鏡装置は、位置決め解除手段を有している。
位置決め解除手段は、係合部と、試料容器押圧解除手段と、試料容器押圧解除手段作動部とを有している(図6において不図示)。係合部及び試料容器押圧解除手段は、図4に示した係合部61及び試料容器押圧解除手段62と同様に構成されている。
試料容器押圧解除手段作動部は、図8に示すように、所定長の長さを有し、その一端63a’が可動ハウジング22に対して回転軸63c’を中心に回動可能に取り付けられるとともに、その他端63b’が固定ハウジング21’に設けられたガイド部材63d’を介して少なくとも水平方向にガイド可能に取り付けられた板状部材63’で構成されており、可動ハウジング22が固定ハウジング21’に対して回転軸23を中心に回動するときに、板状部材63’における解除レバーの押圧部62b1とは反対側の端部62b2を押圧する部位が、長手方向に沿って変位するようになっている。
そして、試料容器押圧解除手段作動部63’は、試料容器押圧解除手段62を押圧することにより、図4に示した試料容器押圧解除手段62を介した試料容器押圧手段52による試料容器40の押圧に対する解除を作動させ、可動ハウジング22が固定ハウジング21’に対して開かれた位置に配置されたときに、試料容器押圧解除手段62を介した試料容器押圧手段52による試料容器40の押圧に対する解除を完了させるようになっている。
その他の構成は第一実施形態の箱型顕微鏡装置とほぼ同様である。
【0060】
このように構成された実施例1の箱型顕微鏡装置を用いて試料の観察を行うには、まず、電動ステージ12を、試料容器の交換が可能となる所定の基準位置に移動させる。次いで、可動ハウジング22’を開き方向に移動させる。
このとき、図8(b)に示すように、試料容器押圧解除手段作動部63’を構成する板状部材の一端63a’が可動ハウジング22’に対して回転軸63c’を中心に矢印E方向に回転するとともに、他端63b’が固定ハウジング21’に設けられたガイド部材63d’を介して矢印F方向にガイドされる。可動ハウジング22’が開き方向に所定量移動すると、試料容器押圧解除手段作動部63’が、板状部材における解除レバーの押圧部62b1とは反対側の端部62b2を押圧する部位を長手方向に沿って変位させながら、試料容器押圧解除手段62である解除レバーの端部62b2を押圧し、図4に示したように、バネ62cの引っ張る力に抗して、レバー本体部62bを軸部62aを中心として矢印B方向に回転させる。可動ハウジング22’が開き位置にまで到達すると、解除レバー62が、押圧部62b1を介して試料容器押圧手段であるクランプレバー52の係合部61を押圧し、バネ52cの引っ張る力に抗して、レバー本体部52bを軸部52aを中心として矢印C方向(試料容器40への押圧方向とは反対側の方向)に回転させる。すると、押圧部52b1が、試料容器40の角部40c1を押圧する位置から離れる。これにより、電動ステージ12における枠状部材51で囲われた部位での試料容器40の着脱が可能になる。
【0061】
可動ハウジング22’は、図示しないクランプ機構により、図7に示されるように、持ち上げられた状態に保持される。このとき、可動ハウジング22’とともに、電動ステージ12の上方に配置されている透過照明光学系11が持ち上げられ、電動ステージ12が、その上方に空間を大きくあけた状態に露出させられる。この状態で、交換対象となる観察済みの試料容器40がステージ12に載置されている場合は、操作者は、図4に示した切り欠き部51d,51d’を介して試料容器40の一対の側面40b,40b’を把持して取り出す。次いで、操作者は、マイクロプレート等の試料容器40内に蛍光標識された培養細胞等の試料Aを収容した状態で、電動ステージ12上に試料容器40を載置する。
【0062】
なお、上記説明では、電動ステージ12を、試料容器40の交換が可能となる所定の基準位置に移動させた後に、可動ハウジング22’を開き方向に移動させたが、可動ハウジング22’が固定ハウジング21’に対して開かれることにより、センサ27によって開状態が検出されるので、その検出信号に基づいて、制御部15が、電動ステージ12を試料容器40の交換が可能となる所定の基準位置に移動させるようにしてもよい。
【0063】
操作者が、試料Aを収容した試料容器40を電動ステージ12上に載置した後、可動ハウジング22’を閉じ方向に移動させる。
このとき、図8に示した試料容器押圧解除手段作動部63’を構成する板状部材の一端63a’が、可動ハウジング22’に対して回転軸63c’を中心に矢印Eとは反対方向に回転するとともに、他端63b’が、固定ハウジング21’に設けられたガイド部材63d’を介して矢印Fとは反対方向にガイドされる。可動ハウジング22’が閉じ方向に所定量移動すると、試料容器押圧解除手段作動部63’が、板状部材における解除レバーの押圧部62b1とは反対側の端部62b2を押圧する部位を長手方向に沿って変位させる。そして、試料容器押圧解除手段作動部63’による試料容器押圧解除手段62である解除レバーの端部62b2への押圧が次第に弱められ、やがて解除される。試料容器押圧解除手段作動部63’による解除レバーの端部62b2への押圧が解除されると、図4に示したバネ62cの引っ張る力が働いて、レバー本体部62bが、軸部62aを中心として矢印Bとは反対の方向に回転させられる。すると、解除レバー62の押圧部62b1を介した試料容器押圧手段であるクランプレバー52の係合部61への押圧が解除される。すると、バネ52cの引っ張る力が働いて、レバー本体部52bが、軸部52aを中心として矢印Cとは反対の方向(矢印D方向)へ回転させられる。すると、押圧部52b1が、試料容器40の角部40c1を押圧する。これにより、試料容器40は、枠状部材51のX方向突き当て部51a及びY方向突き当て部51bに近づく方向に移動させられ、側面40a,40bが突き当て部51a及び51bに当接させられた状態で、電動ステージ12に対する位置が一定位置に固定される。
【0064】
また、可動ハウジング22’が閉じられると、センサ27が閉状態の検出信号を出力する。この状態で、可動ハウジング22’に設けられた透過照明光学系11は、コンデンサレンズ11fの光軸が対物レンズ14aの光軸に一致する位置に配置される。
【0065】
センサ27からの閉状態の検出信号を受けた制御部15は、電動ステージ12を予め定められたプログラムに従って所定位置に駆動制御する。そして、制御部15は、ハロゲンランプ11aまたはキセノンランプ13aを作動させ、かつ、CCDカメラ14cを作動させることにより、自動的に試料Aの画像取得を開始する。電動ステージ12の駆動制御は、例えば、自動的に試料Aを収容するマイクロプレート40の各ウェルの画像を順次撮像していくこととしてもよく、また、対物レンズ14aの図示しない焦準部を制御して合焦動作制御を行うようにしてもよい。
撮像によりCCDカメラ14cにより取得された画像情報は、制御部15において画像処理され、蛍光画像としてモニタに表示されることになる。
【0066】
なお、制御部15は、センサ27からの検出信号を受けて、ハロゲンランプ11aやキセノンランプ13aの点灯及び消灯を制御することができる。具体的には、操作者が可動ハウジング22’を開いたことが検出された場合には、ハロゲンランプ11aやキセノンランプ13aを消灯し、閉じたことが検出された場合には、点灯制御を行う。同様にして、温度調節器24、炭酸ガス供給装置25に対しても、制御部15は、センサ27の検出信号に基づいて制御することができる。
【0067】
実施例1の箱型顕微鏡装置によれば、簡単な操作で、試料容器40を常に一定位置に固定することができ、位置調整が不要となる。
また、電動ステージ12に対する試料容器40の取付け位置を、常に一定位置に位置決めすることができる。その結果、電動ステージ12を、例えば、電動ステージ12の位置センサで検出された位置を基準にして一定量移動するだけで、試料容器40内の所望の部位を正確な観察・計測位置(即ち、照明光学系と結像光学系とを結ぶ光軸上の所定位置)に配置できる。
【0068】
実施例2
図9は本発明の実施例2にかかる箱型顕微鏡装置の全体の概略構成を示す説明図、図10は図9の箱型顕微鏡装置において可動ハウジングの開閉状態を示す説明図であり、(a)は閉じた状態、(b)は開いた状態を示している。図11は図9の箱型顕微鏡装置における試料容器押圧解除手段作動部の構成を示す要部説明図であり、(a)は可動ハウジングを閉じたときの試料容器押圧解除手段作動部の状態を概念的に示す側面図、(b)は可動ハウジングを開いたときの試料容器押圧解除手段作動部の状態を概念的に示す側面図、(c)は試料容器押圧解除手段作動部における(a)の部分縦断面図である。なお、第一実施形態又は実施例1と同じ構成の部材には同じ番号を付してある。
【0069】
実施例2の箱型顕微鏡装置は、ハウジング20”の構造及び位置決め解除手段の構造において実施例1と相違し、その他は実施例1とほぼ同様に構成されている。
ハウジング20”は、下側に配される固定ハウジング21”上に、直動ガイド28によって水平方向に移動可能な可動ハウジング22”を備えている。固定ハウジング21”と可動ハウジング22”との間には、図示しないクリック機構が設けられ、可動ハウジング22”は、固定ハウジング21”に対して、開状態と閉状態とをそれぞれ保持することができるようになっている。
【0070】
光ファイバ11cは、固定ハウジング21”と可動ハウジング22”との間に掛け渡すように配置されている。光ファイバ11cの長さ方向の途中位置は、固定ハウジング21”の天井面を貫通してブッシュ29により固定されている。また、ブッシュ29に対応する可動ハウジング22”の壁面には、開状態から閉状態までの間、可動ハウジング22”がブッシュ29に干渉しないように維持する長孔30が設けられている。
【0071】
位置決め解除手段は、係合部と、試料容器押圧解除手段と、試料容器押圧解除手段作動部とを有している(図9において不図示)。係合部及び試料容器押圧解除手段は、図4に示した係合部61及び試料容器押圧解除手段62と同様に構成されている。
試料容器押圧解除手段作動部は、図11に示すように、可動ハウジング22”に設けられた突起63”で構成されている。
そして、試料容器押圧解除手段作動部63”は、試料容器押圧解除手段62を押圧することにより、図4に示した試料容器押圧解除手段62を介した試料容器押圧手段52による試料容器40の押圧に対する解除を作動させ、可動ハウジング22が固定ハウジング21’に対して開かれた位置に配置されたときに、試料容器押圧解除手段62を介した試料容器押圧手段52による試料容器40の押圧に対する解除を完了させるようになっている。
その他の構成は第一実施形態又は実施例1の箱型顕微鏡装置とほぼ同様である。
【0072】
このように構成された実施例2の箱型顕微鏡装置を用いて試料の観察を行うには、まず、電動ステージ12を、試料容器の交換が可能となる所定の基準位置に移動させる。次いで、可動ハウジング22”を開き方向に移動させる。
このとき、図11(b)に示すように、試料容器押圧解除手段作動部63”を構成する突起が、可動ハウジング22”と一体となって直動ガイド28に沿って矢印G方向に移動する。可動ハウジング22”が開き方向に所定量移動すると、試料容器押圧解除手段作動部63”が、試料容器押圧解除手段62である解除レバーの端部62b2を押圧し、図4に示したように、バネ62cの引っ張る力に抗して、レバー本体部62bを軸部62aを中心として矢印B方向に回転させる。可動ハウジング22”が開き位置にまで到達すると、解除レバー62が、押圧部62b1を介して試料容器押圧手段であるクランプレバー52の係合部61を押圧し、バネ52cの引っ張る力に抗して、レバー本体部52bを軸部52aを中心として矢印C方向(試料容器40への押圧方向とは反対側の方向)に回転させる。すると、押圧部52b1が、試料容器40の角部40c1を押圧する位置から離れる。これにより、電動ステージ12における枠状部材51で囲われた部位での試料容器40の着脱が可能になる。
【0073】
このとき、可動ハウジング22”とともに透過照明光学系11がステージ12上から退避させられる。この状態で、交換対象となる観察済みの試料容器40がステージ12に載置されている場合は、操作者は、図4に示した切り欠き部51d,51d’を介して試料容器40の一対の側面40b,40b’を把持して取り出す。次いで、操作者は、マイクロプレート等の試料容器40内に蛍光標識された培養細胞等の試料Aを収容した状態で、電動ステージ12上に試料容器40を載置する。
【0074】
操作者が、試料Aを収容した試料容器40を電動ステージ12上に載置した後、可動ハウジング22”を閉じ方向に移動させる。
このとき図11(b)に示した試料容器押圧解除手段作動部63”を構成する突起が、可動ハウジング22”と一体となって直動ガイド28に沿って矢印Gとは反対方向に移動する。可動ハウジング22”が閉じ方向に所定量移動すると、試料容器押圧解除手段作動部63”による試料容器押圧解除手段62である解除レバーの端部62b2への押圧が次第に弱められ、やがて解除される。試料容器押圧解除手段作動部63”による解除レバーの端部62b2への押圧が解除されると、図4に示したバネ62cの引っ張る力が働いて、レバー本体部62bが、軸部62aを中心として矢印Bとは反対の方向に回転させられる。すると、解除レバー62の押圧部62b1を介した試料容器押圧手段であるクランプレバー52の係合部61への押圧が解除される。すると、バネ52cの引っ張る力が働いて、レバー本体部52bが、軸部52aを中心として矢印Cとは反対の方向(矢印D方向)へ回転させられる。すると、押圧部52b1が、試料容器40の角部40c1を押圧する。これにより、試料容器40は、枠状部材51のX方向突き当て部51a及びY方向突き当て部51bに近づく方向に移動させられ、側面40a,40bが突き当て部51a及び51bに当接させられた状態で、電動ステージ12に対する位置が一定位置に固定される。
【0075】
また、可動ハウジング22”が閉じられると、センサ27が閉状態の検出信号を出力する。この状態で、可動ハウジング22”に設けられた透過照明光学系11は、コンデンサレンズ11fの光軸が対物レンズ14aの光軸に一致する位置に配置される。
その他の作用は、第一実施形態又は実施例1の箱型顕微鏡装置とほぼ同様である。
【0076】
実施例2の箱型顕微鏡装置によっても、実施例1の箱型顕微鏡装置と同様、簡単な操作で、試料容器40を常に一定位置に固定することができ、位置調整が不要となる。
また、電動ステージ12に対する試料容器40の取付け位置を、常に一定位置に位置決めすることができる。このため、電動ステージ12を、例えば、電動ステージ12の位置センサで検出された位置を基準にして一定量移動するだけで、試料容器40内の所望の部位を正確な観察・計測位置(即ち、照明光学系と結像光学系とを結ぶ光軸上の所定位置)に配置できる。
【0077】
実施例3
図12は本発明の実施例3にかかる箱型顕微鏡装置の全体の概略構成を示す説明図、図13は図12の箱型顕微鏡装置において可動ハウジングの開閉状態を示す説明図であり、(a)は閉じた状態、(b)は開いた状態を示している。図14は図12の箱型顕微鏡装置における可動ハウジングの可動機構を示す説明図であり、(a)側面図、(b)は正面図である。図15は図12の箱型顕微鏡装置における試料容器押圧解除手段作動部の構成を示す要部説明図であり、(a)は可動ハウジングを閉じたときの試料容器押圧解除手段作動部の状態を概念的に示す側面図、(b)は可動ハウジングを開いたときの試料容器押圧解除手段作動部の状態を概念的に示す側面図、(c)は試料容器押圧解除手段作動部における(a)の部分縦断面図である。なお、第一実施形態、実施例1又は実施例2と同じ構成の部材には同じ番号を付してある。
【0078】
実施例3の箱型顕微鏡装置は、ハウジング20”’の構造及び位置決め解除手段の構造において実施例1及び実施例2と相違し、その他は実施例1及び実施例2とほぼ同様に構成されている。
ハウジング20”’は、下側に配される固定ハウジング21”上に可動ハウジング22”’を備えている。
可動ハウジング22”’は、ハロゲンランプ11a、カップリングレンズ11b及び光ファイバ11cを含めて、透過照明光学系11を構成する全ての光学要素を内蔵している。
そして、可動ハウジング22”’は、電動ステージ12の上方に配置される透過照明光学系11を保持しながら固定ハウジング21に対して斜め方向に平行移動可能に構成されている。そして、斜め上方に所定量平行移動することによって、固定ハウジング21を開口して電動ステージ12に載置された試料容器40を交換可能にし、斜め下方に平行移動して固定ハウジング21と当接させることによって、固定ハウジング21と相俟って倒立型顕微鏡10を密閉及び遮光するとともに、コンデンサレンズ11fと対物レンズ14aの光軸とを一致させるように構成されている。
【0079】
可動ハウジング22”’の可動機構は、図14に示すように、スタンド31と、ガイド部材32と、レール33と、モータ34と、歯付きプーリ35と、タイミングベルト36と、アイドラ37を有して構成されている。
スタンド31は、固定ハウジング21”’に固定されている。ガイド部材32は、例えば、THK社製SHS15等の断面がコの字型のガイドブロックからなり、固定ハウジング21”’と可動ハウジング22”’との当接面(図12の例では水平な面となっている。)に対して所定の傾斜角度θをもってスタンド31における一方の側31aに螺子等を介して固定されている。レール33は、上記と同様の所定の傾斜角度θをもって可動ハウジング22”’における一方の内側面22a”’に連結部材33aを介して固定され、且つ、ガイド部材32にガイド可能に嵌合されている。モータ34は、例えば、オリエンタルモーター社製PK229等のパルスモータからなり、スタンド31に設けられている。歯付きプーリ35は、モータ34に設けられている。タイミングベルト36は、例えば、ミスミ社製HTUN280等からなり、上記と同様の所定の傾斜角度θをもって両端36a,36bを移動ハウジング22の内側面22a”’に固定され、且つ、歯付きプーリ35と噛み合わされている。アイドラ37は、歯付きプーリ35とタイミングベルト36との噛み合わせを保持するように、スタンド31に固定されている。
【0080】
また、可動ハウジング22”’の可動機構は、転がり部材38と、第二のレール39を有している。
転がり部材38は、軸部38aの回りを回転可能なコロで構成され、可動ハウジング22”’における他方の内側面22b”’に設けられている。第二のレール39は、上記と同様の所定の傾斜角度θをもってスタンド31における他方の側31bに固定され、且つ、転がり部材38を支持している。
【0081】
さらに、可動ハウジング22”’の可動機構は、可動ハウジング22”’の固定ハウジング21”’に対する斜め方向へ平行移動した位置を保持するための位置保持手段として公知のブレーキ部材(図示省略)を備えている。
【0082】
位置決め解除手段は、係合部と、試料容器押圧解除手段と、試料容器押圧解除手段作動部とを有している(図12において不図示)。係合部及び試料容器押圧解除手段は、図4に示した係合部61及び試料容器押圧解除手段62と同様に構成されている。
試料容器押圧解除手段作動部は、図15に示すように、垂直方向に所定長の長さを有して可動ハウジング22”’に設けられた板状の突起63”’で構成されており、可動ハウジング22”’が固定ハウジング21”’に対して斜め方向に平行移動するときに、板状の突起63”’における解除レバーの押圧部62b1とは反対側の端部62b2を押圧する部位が、垂直方向に沿って変位するようになっている。
そして、試料容器押圧解除手段作動部63”’は、試料容器押圧解除手段62を押圧することにより、図4に示した試料容器押圧解除手段62を介した試料容器押圧手段52による試料容器40の押圧に対する解除を作動させ、可動ハウジング22”’が固定ハウジング21”’に対して開かれた位置に配置されたときに、試料容器押圧解除手段62を介した試料容器押圧手段52による試料容器40の押圧に対する解除を完了させるようになっている。
その他の構成は第一実施形態、実施例1又は実施例2の箱型顕微鏡装置とほぼ同様である。
【0083】
このように構成された実施例3の箱型顕微鏡装置を用いて試料の観察を行うには、まず、電動ステージ12を、試料容器の交換が可能となる所定の基準位置に移動させる。次いで、可動ハウジング22”’を開き方向に移動させる。その場合、操作者が手動で開き方向に力を与えると、可動ハウジング22”’は、レール33がガイド部材32にガイドされて固定ハウジング21”’と可動ハウジング22”’との当接面に対して所定の傾斜角度θをもった軸方向に平行移動する。なお、このとき、タイミングベルト36が所定方向に引っ張られ、アイドラ37を経由して歯付きプーリ35が回転する。
また、モータ34を回動すると、歯付きプーリ35が、モータの回動方向に回動し、タイミングベルト36をアイドラ37を経由して所定方向に引っ張る。これにより可動ハウジング22”’が、レール33がガイド部材32にガイドされて固定ハウジング21”’と可動ハウジング22”’との当接面に対して所定の傾斜角度θをもった軸方向に平行移動する。
このとき、可動ハウジング22”’の移動に伴って、転がり部材38が第二のレール39の上を回転しながら、固定ハウジング21”’と可動ハウジング22”’との当接面に対して所定の傾斜角度θをもった軸方向に平行移動する。
【0084】
可動ハウジング22は、開き方向に対しては、電動ステージ12に載置された試料容器40が交換できる所定位置まで移動できる。その所定位置に移動した可動ハウジング22を位置保持手段が保持する。これにより、操作者は、試料容器40を交換できるようになる。
【0085】
このようにして、可動ハウジング22”’を開き方向に移動させるとき、図15(b)に示すように、試料容器押圧解除手段作動部63”’を構成する板状の突起が、可動ハウジング22”’と一体となって矢印H方向に移動する。可動ハウジング22”’が開き方向に所定量移動すると、試料容器押圧解除手段作動部63”’が、板状の突起における解除レバーの押圧部62b1とは反対側の端部62b2を押圧する部位を垂直方向に沿って変位させながら、試料容器押圧解除手段62である解除レバーの端部62b2を押圧し、図4に示したように、バネ62cの引っ張る力に抗して、レバー本体部62bを軸部62aを中心として矢印B方向に回転させる。可動ハウジング22”’が開き位置にまで到達すると、解除レバー62が、押圧部62b1を介して試料容器押圧手段であるクランプレバー52の係合部61を押圧し、バネ52cの引っ張る力に抗して、レバー本体部52bを軸部52aを中心として矢印C方向(試料容器40への押圧方向とは反対側の方向)に回転させる。すると、押圧部52b1が、試料容器40の角部40c1を押圧する位置から離れる。これにより、電動ステージ12における枠状部材51で囲われた部位での試料容器40の着脱が可能になる。
【0086】
操作者が、試料Aを収容した試料容器40を電動ステージ12上に載置した後、可動ハウジング22”’を閉じ方向に移動させる。
このとき、図15(b)に示した試料容器押圧手段63”’を構成する板状の突起が、可動ハウジング22”と一体となって矢印Hとは反対方向に移動する。可動ハウジング22’が閉じ方向に所定量移動すると、試料容器押圧解除手段作動部63”’が、板状の突起における解除レバーの押圧部62b1とは反対側の端部62b2を押圧する部位を垂直方向に沿って変位させる。そして、試料容器押圧解除手段作動部63”’による試料容器押圧解除手段62である解除レバーの端部62b2への押圧が次第に弱められ、やがて解除される。試料容器押圧解除手段作動部63”’による解除レバーの端部62b2への押圧が解除されると、図4に示したバネ62cの引っ張る力が働いて、レバー本体部62bが、軸部62aを中心として矢印Bとは反対の方向に回転させられる。すると、解除レバー62の押圧部62b1を介した試料容器押圧手段であるクランプレバー52の係合部61への押圧が解除される。すると、バネ52cの引っ張る力が働いて、レバー本体部52bが、軸部52aを中心として矢印Cとは反対の方向(矢印D方向)へ回転させられる。すると、押圧部52b1が、試料容器40の角部40c1を押圧する。これにより、試料容器40は、枠状部材51のX方向突き当て部51a及びY方向突き当て部51bに近づく方向に移動させられ、側面40a,40bが突き当て部51a及び51bに当接させられた状態で、電動ステージ12に対する位置が一定位置に固定される。
【0087】
また、可動ハウジング22”’が閉じられると、センサ27が閉状態の検出信号を出力する。この状態で、可動ハウジング22”’に設けられた透過照明光学系11は、コンデンサレンズ11fの光軸が対物レンズ14aの光軸に一致する位置に配置される。
その他の作用は、第一実施形態、実施例1又は実施例2の箱型顕微鏡装置とほぼ同様である。
【0088】
実施例3の箱型顕微鏡装置によっても、実施例1の箱型顕微鏡装置と同様、簡単な操作で、試料容器40を常に一定位置に固定することができ、位置調整が不要となる。
また、電動ステージ12に対する試料容器40の取付け位置を、常に一定位置に位置決めすることができる。このため、電動ステージ12を、例えば、電動ステージ12の位置センサで検出された位置を基準にして一定量移動するだけで、試料容器40内の所望の部位を正確な観察・計測位置(即ち、照明光学系と結像光学系とを結ぶ光軸上の所定位置)に配置できる。
【0089】
なお、図14に示した可動ハウジング22”’の可動機構は、モータ34、プーリ35、タイミングベルト36、アイドラ37等の電動駆動手段を備えることによって、可動ハウジング22”’を電動駆動させることができるように構成されているが、それらの電動駆動手段を備えない、手動のみで駆動させるように構成されたものであってもよい。
【0090】
なお、上記各実施例では、可動ハウジングを手動で開閉する構成としたが、駆動手段を介して自動で開閉できるようにしてもよい。
また、各実施例の箱型顕微鏡装置では、顕微鏡を、落射照明光学系13を有する倒立型顕微鏡で構成したが、落射照明光学系13を有しない構成にも適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明は、箱型顕微鏡装置を用いて細胞等の生物試料を観察・測定する医療、医学、生物学の分野に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本発明の第一実施形態にかかる箱型顕微鏡装置の全体の概略構成を示す説明図である。
【図2】図1の箱型顕微鏡装置の要部として試料容器位置決め手段の基本構成を示す説明図である。
【図3】第一実施形態の箱型顕微鏡装置を介した観察・測定に用いる試料容器の外観を示す斜視図である。
【図4】図1の箱型顕微鏡装置の要部として位置決め解除手段の基本構成を示す説明図である。
【図5】電動ステージの一変形例を示す説明図である。
【図6】本発明の実施例1にかかる箱型顕微鏡装置の全体の概略構成を示す説明図である。
【図7】図6の箱型顕微鏡装置において可動ハウジングが開いた状態を示す説明図である。
【図8】図6の箱型顕微鏡装置における試料容器押圧解除手段作動部の構成を示す要部説明図であり、(a)は可動ハウジングを閉じたときの試料容器押圧解除手段作動部の状態を概念的に示す側面図、(b)は可動ハウジングを開いたときの試料容器押圧解除手段作動部の状態を概念的に示す側面図、(c)は試料容器押圧解除手段作動部における固定ハウジングへの取付部の構成を示す(a)の部分縦断面図、(d)は試料容器押圧解除手段作動部における可動ハウジングへの取付部の構成を示す(a)の部分縦断面図である。
【図9】本発明の実施例2にかかる箱型顕微鏡装置の全体の概略構成を示す説明図である。
【図10】図9の箱型顕微鏡装置において可動ハウジングの開閉状態を示す説明図であり、(a)は閉じた状態、(b)は開いた状態を示している。
【図11】図9の箱型顕微鏡装置における試料容器押圧解除手段作動部の構成を示す要部説明図であり、(a)は可動ハウジングを閉じたときの試料容器押圧解除手段作動部の状態を概念的に示す側面図、(b)は可動ハウジングを開いたときの試料容器押圧解除手段作動部の状態を概念的に示す側面図、(c)は試料容器押圧解除手段作動部における(a)の部分縦断面図である。
【図12】本発明の実施例3にかかる箱型顕微鏡装置の全体の概略構成を示す説明図である。
【図13】図12の箱型顕微鏡装置において可動ハウジングの開閉状態を示す説明図であり、(a)は閉じた状態、(b)は開いた状態を示している。
【図14】図12の箱型顕微鏡装置における可動ハウジングの可動機構を示す説明図であり、(a)側面図、(b)は正面図である。
【図15】図12の箱型顕微鏡装置における試料容器押圧解除手段作動部の構成を示す要部説明図であり、(a)は可動ハウジングを閉じたときの試料容器押圧解除手段作動部の状態を概念的に示す側面図、(b)は可動ハウジングを開いたときの試料容器押圧解除手段作動部の状態を概念的に示す側面図、(c)は試料容器押圧解除手段作動部における(a)の部分縦断面図である。
【図16】従来の箱型顕微鏡装置の一例を示す光軸に沿う断面図である。
【図17】従来の箱型顕微鏡装置の他の例を示す光軸に沿う断面図である。
【符号の説明】
【0093】
10 (倒立型)顕微鏡
11 透過照明光学系
11a ハロゲンランプ
11b カップリングレンズ
11c 光ファイバ
11d コレクタレンズ
11e ミラー
11f コンデンサレンズ
12 電動ステージ
13 落射照明光学系
13a キセノンランプ
13b コレクタレンズ
13c 波長選択フィルタ
13d ダイクロイックミラー
14 結像光学系
14a 対物レンズ
14b 結像レンズ
14c (CCD)カメラ
14d 波長選択フィルタ
14e ミラー
15 制御部
20,20’,20”,20”’ ハウジング
21,21’,21”,21”’ 固定ハウジング
22,22’,22”,22”’ 可動ハウジング
22a”’ 一方の内側面
22b”’ 他方の内側面
23 回転軸
24 温度調節器
25 炭酸ガス供給装置
26 ダクト
27 センサ
28 直動ガイド
29 ブッシュ
30 長孔
31 スタンド
31a 一方の側
32 ガイド部材
33 レール
34 モータ
35 歯付きプーリ
36 タイミングベルト
37 アイドラ
38 転がり部材
39 第二のレール
40 試料容器
40a,40b,40b’ 側面
40c1,40c2 角部
40d ウェル
50 試料容器位置決め手段
51 突き当て部
51c1,51c2,51c3,51d,51d’ 切り欠き部
51a X方向突き当て部
51b Y方向突き当て部
52 試料容器押圧手段(クランプレバー)
52a 軸部
52b レバー本体部
52b1 押圧部
52c バネ
52c1 一端
52c2 他端
60 位置決め解除手段
61 係合部
62 試料容器押圧解除手段(解除レバー)
62a 軸部
62b レバー本体部
62b1 押圧部
62b2 押圧部62b1とは反対側の端部
62c バネ
62c1 一端
62c2 他端
63 試料容器押圧解除手段作動部
63’ 試料容器押圧解除手段作動部(板状部材)
63a’ 一端
63b’ 他端
63c’ 回転軸
63d’ ガイド部材
63” 試料容器押圧解除手段作動部(突起)
63”’ 試料容器押圧解除手段作動部(板状の突起)
101,201 箱型顕微鏡装置
102 倒立型顕微鏡
111,211 透過照明光学系
112,212 電動ステージ
113,213 落射照明光学系
114,214 結像光学系
219 コンデンサレンズ
120,220 ハウジング
121,221 固定ハウジング
122,222 可動ハウジング
140 マイクロプレート
160 回転軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料容器を載置するステージと透過照明光学系と結像光学系とを有する顕微鏡と、該顕微鏡を取り囲むハウジングとを備え、該ハウジングが、固定ハウジングと、該固定ハウジングに対して開閉移動可能に設けられる可動ハウジングとを備え、前記透過照明光学系または前記結像光学系を構成する光学部品のうち、前記ステージの上方に配される少なくとも一部の光学部品が移動可能に設けられ、前記可動ハウジングが前記固定ハウジングに対して開かれた位置に配置されたときに前記一部の光学部品を他の光学系の光軸から退避させ、閉じられた位置に配置されたときに両光学系の光軸を略一致させる切替機構を備える箱型顕微鏡装置であって、
前記ステージに載置された前記試料容器を該ステージの一定位置に固定する試料容器位置決め手段と、
前記可動ハウジングが固定ハウジングに対して開かれた位置から閉じ方向に移動したときに前記試料容器位置決め手段を作動させ、前記可動ハウジングが前記固定ハウジングに対して開かれた位置に配置されたときに前記試料容器位置決め手段による前記ステージに対する前記試料容器の位置決めを解除する位置決め解除手段と、
を有することを特徴とする箱型顕微鏡装置。
【請求項2】
前記試料容器位置決め手段が、
前記ステージに載置された前記試料容器の側面をX方向及びY方向から当接可能な突き当て部と、
前記ステージに載置された前記試料容器における所定の角部を押圧して該試料容器の側面を前記突き当て部に当接させる試料容器押圧手段と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の箱型顕微鏡装置。
【請求項3】
前記試料容器押圧手段が、前記ステージに設けられた軸部と、該軸部に回転可能に支持され、且つ、前記試料容器における所定の角部を押圧可能な押圧部を備えたレバー本体部と、その一端が該レバー本体部に、他端が前記ステージに接続されていて、該レバー本体部に対し前記試料容器における所定の角部を押圧する方向に力を与えるバネとからなるクランプレバーであることを特徴とする請求項2に記載の箱型顕微鏡装置。
【請求項4】
前記位置決め解除手段が、
前記試料容器押圧手段に設けられた係合部と、
前記係合部を押圧して前記試料容器押圧手段による前記試料容器の押圧を解除可能な試料容器押圧解除手段と、
前記試料容器押圧解除手段を押圧可能に前記ハウジングの所定部位に設けられ、該試料容器押圧解除手段を押圧することにより、該試料容器押圧解除手段を介した前記試料容器押圧手段による該試料容器の押圧に対する解除を作動させ、前記可動ハウジングが前記固定ハウジングに対して開かれた位置に配置されたときに、該試料容器押圧解除手段を介した前記試料容器押圧手段による該試料容器の押圧に対する解除を完了させる前記試料容器押圧解除手段作動部と、
を有することを特徴とする請求項2又は3に記載の箱型顕微鏡装置。
【請求項5】
前記試料容器押圧解除手段が、前記固定ハウジングに設けられた軸部と、該軸部に回転可能に支持され、且つ、その一端に前記試料容器押圧手段に設けられた係合部を押圧可能な押圧部を備えたレバー本体部と、その一端が該レバー本体部に、他端が前記固定ハウジングに、夫々接続されていて、該レバー本体部に対し前記試料容器押圧手段に設けられた係合部への押圧を解除する方向に力を与えるバネとからなる解除レバーであり、
前記試料容器押圧解除手段作動部が、前記解除レバーの押圧部とは反対側の端部を押圧可能であることを特徴とする請求項4に記載の箱型顕微鏡装置。
【請求項6】
前記試料容器押圧解除手段が、前記ステージに設けられた軸部と、該軸部に回転可能に支持され、且つ、その一端に前記試料容器押圧手段に設けられた係合部を押圧可能な押圧部を備えたレバー本体部と、その一端が該レバー本体部に、他端が前記ステージに、夫々接続されていて、該レバー本体部に対し前記試料容器押圧手段に設けられた係合部への押圧を解除する方向に力を与えるバネとからなる解除レバーであり、
前記試料容器押圧解除手段作動部が、前記解除レバーの押圧部とは反対側の端部を押圧可能であることを特徴とする請求項4に記載の箱型顕微鏡装置。
【請求項7】
前記可動ハウジングが、前記固定ハウジングに対して水平方向に移動可能に取り付けられている請求項1〜6のいずれかに記載の箱型顕微鏡装置。
【請求項8】
前記可動ハウジングが、前記固定ハウジングに対して斜め方向に平行移動可能に取り付けられている請求項1〜6のいずれかに記載の箱型顕微鏡装置。
【請求項9】
前記可動ハウジングが、前記固定ハウジングに対して回転軸を中心に回動可能に取り付けられている請求項1〜6のいずれかに記載の箱型顕微鏡装置。
【請求項10】
前記試料容器押圧解除手段作動部が、前記可動ハウジングに設けられた突起からなることを特徴とする請求項7に記載の箱型顕微鏡装置。
【請求項11】
前記試料容器押圧解除手段作動部が、垂直方向に所定長の長さを有して前記可動ハウジングに設けられた板状の突起からなり、
前記可動ハウジングが前記固定ハウジングに対して斜め方向に平行移動するときに、前記板状の突起における前記解除レバーの押圧部とは反対側の端部を押圧する部位が、垂直方向に沿って変位することを特徴とする請求項8に記載の箱型顕微鏡装置。
【請求項12】
前記試料容器押圧解除手段作動部が、所定長の長さを有し、その一端が前記可動ハウジングに対して回転軸を中心に回動可能に取り付けられるとともに、その他端が前記固定ハウジングに設けられたガイド部材を介して少なくとも水平方向にガイド可能に取り付けられた板状部材からなり、
前記可動ハウジングが前記固定ハウジングに対して回転軸を中心に回動するときに、前記板状部材における前記解除レバーの押圧部とは反対側の端部を押圧する部位が、長手方向に沿って変位することを特徴とする請求項9に記載の箱型顕微鏡装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2009−3094(P2009−3094A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−162591(P2007−162591)
【出願日】平成19年6月20日(2007.6.20)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】