説明

範囲外のセンサの再キャリブレーション

油圧駆動システムにおいて範囲外で動作しているセンサのキャリブレーションをリセットするための方法が提供される。油圧駆動システムは、ポンプ、リザーバ、複数のワークポート、複数のセンサ、バルブシステム、及び、要求流体量及び感知された圧力に基づいて油圧駆動システムを調整するためのコントローラを含む。この方法は、範囲外で動作しているセンサを検知し、すべてのワークポートをリザーバに開放し、リザーバの圧力にすべてのセンサをリセットし、最大ポンプ圧力の流体をすべてのセンサに供給し、かつ、各センサにおいて最大ポンプ圧力を感知することを含む。さらに、この方法は、すべてのセンサにわたる平均圧力値を決定し、範囲外で動作しているセンサに決定された平均圧力値を割り当て、かつ、リザーバの圧力及び平均圧力値に基づいて範囲外で動作しているセンサのキャリブレーションをリセットすることを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサキャリブレーションに関し、さらに具体的には、油圧駆動システムに対する範囲外のセンサのプリセットまたは自動的な再キャリブレーションに関する。
【背景技術】
【0002】
建設機械のような、積替え装置を動作するために用いられる油圧駆動システムは、対象機械のリフトアームを制御するために、一般にポンプのような圧力源、流体タンク、及び少なくとも一つの流体シリンダーを含む。
【0003】
このような油圧駆動システムの動作を制御するために、作動流体の圧力またはバルブの位置を感知するような様々なセンサを利用することは、当該技術分野で公知である。このような圧力センサは、キャリブレーションを失うか検知範囲から外れた状態になり、感知されたパラメータに正確に一致する信号を生成することが損なわれることが考えられる。このような障害は、重要なデータの損失をもたらし、システムを動作不能にする。
【発明の概要】
【0004】
油圧駆動システムにおける所定の範囲外で動作しているセンサのキャリブレーションをリセットするための方法が、提供される。油圧駆動システムは、要求流量に応じて流体量を供給するように配置されたポンプ、流体を収容するために配置されたリザーバ、及び複数のワークポートを含む。ポンプは、リザーバ及び複数のワークポートに流体連通している。
【0005】
油圧駆動システムは複数のセンサをさらに含み、各センサは各々対応するワークポートの圧力を感知するように配置される。油圧駆動システムは、ポンプ、リザーバ、複数のワークポートとの間の流体を制御するために配置されたバルブシステムをさらに含む。油圧駆動システムは、要求流体量及び感知された圧力に応じてポンプ及びバルブシステムを調整するように配置されたコントローラをさらに含む。
【0006】
この方法は、所定の範囲外で動作しているセンサを検知し、油圧駆動システム内の圧力を軽減し、すべてのワークポートをリザーバに開放し、各センサにおける圧力を感知し、かつ、すべてのセンサをリザーバの圧力にリセットすることを含む。この方法は、最大ポンプ圧力で流体をすべてのセンサに供給し、各センサで最大ポンプ圧力を感知し、かつ、感知された圧力が最大ポンプ圧力の所定の範囲内にあるすべてのセンサにわたって平均圧力値を決定することをさらに含む。
【0007】
さらに、所定の範囲外で動作しているセンサが最大ポンプ圧力に対する許容誤差帯域内にある場合に、この方法は、所定の範囲外で動作しているセンサに決定された平均圧力値を割り当てることを含む。そのうえ、この方法は、リザーバの圧力及び平均圧力値に基づいて所定の範囲外で動作しているセンサのキャリブレーションをリセットすることを含む。
【0008】
この方法は、所定の範囲外で動作しているセンサが最大ポンプ圧力に対する許容誤差帯域内にあるかどうかを識別することをさらに含む。このような場合に、所定の範囲外で動作しているセンサが最大ポンプ圧力に対する許容誤差帯域内にある場合に、所定の範囲外で動作しているセンサに決定された平均圧力値を割り当てることが、遂行される。一方、所定の範囲外で動作しているセンサが最大ポンプ圧力に対する許容誤差帯域内にない場合に、この方法は、異常信号を生成することをさらに含むことができる。
【0009】
この方法により、油圧駆動システム内の圧力を軽減することが、所定の時間で行われることができ、かつ、自動的かまたは油圧駆動システムのオペレータによって手動的のどちらかで遂行されることができる。リザーバへのすべてのワークポートの開放は、順不同に一つずつ行われることができる。最大ポンプ圧力の流体をすべてのセンサに供給することも、同様に一つずつ行われる。
【0010】
上記の方法は、油圧駆動システムを経て動作される機械に適用されることができる。この機械の油圧駆動システムは、上述のように制御された流体量に応答するエネルギ移送を提供するように配置された複数のワークポートを用いる。
【0011】
上述の特徴と利点、および本発明の他の特徴と利点は、添付した図面と関連して本発明を実施するための以下の最良の形態の詳細な説明から容易に明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、システムの機能を制御するための圧力センサを用いた油圧駆動システムを説明している回路図である。
【0013】
【図2】図2は、範囲外の圧力センサを伴って動作している図1の油圧駆動システムを制御するための方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図面を参照すると、各図にわたって同様の参照番号は同様または類似の構成要素に対応しており、図1は、システムの機能を制御するための圧力センサを用いた油圧駆動システム10を図解する回路図を示す。油圧駆動システム10は、ロード(荷重)を移動させるような所定のタスクを遂行するために、土木機械または建設機械(図に示さず)において一般に用いられる。
【0015】
油圧駆動システム10は、流体通路13を経由してポンプ14のような圧力源に流体連通した流体リザーバ12を含む。圧力源14は、流体通路16を経由して第1圧力センサ18に流体連通する。センサ18は、圧力源14によって供給される流体の圧力Psを感知するために配置される。センサ18の後に、流体は通路20を経由して連通される。通路20は、流体が通路21を経由してオリフィス22に連通される分岐合流点へ流体を連通する。オリフィス22は、第2圧力センサ24に流体連通する。圧力センサ24は、流体通路26を経由して油圧アクチュエータ28へ供給される流体の圧力Pa1を感知するために配置される。
【0016】
油圧アクチュエータ28は、ピストンヘッド30a及びピストンロッド30bを含む移動可能なピストン30を含む。ピストン30は、ピストンヘッド30a側の第1ワークポートまたは圧力チャンバ32、と、ピストンロッド30b側の第2ワークポートまたは圧力チャンバ34とに油圧アクチュエータを区画している。具体的には、圧力センサ24によって感知される圧力Pa1は、第1圧力チャンバ32内部の流体の圧力に相当する。
【0017】
通路21の分岐合流点において、通路20は、オリフィス38に流体を供給する流体通路36にも連通する。オリフィス38は第3圧力センサ40に流体連通する。圧力センサ40は、流体通路42を経由して油圧アクチュエータ28へ供給される流体の圧力Pb1を感知するために配置される。具体的には、圧力センサ40によって感知される圧力Pb1は、第2圧力チャンバ34内部の流体の圧力に相当する。
【0018】
センサ24もまた、流体通路44を経由してオリフィス46に流体連通する。オリフィス46は、流体通路47を経由して第4圧力センサ48に流体連通する。圧力センサ48は、流体通路50を経由してリザーバ12へ戻される流体の圧力Ptを感知するために配置される。オリフィス22及びオリフィス46は、圧力源14、リザーバ12と第1圧力チャンバ32との間の流体量を調整するために構成された別々の制御バルブとするか、または、単一の制御バルブ機構に組み合わせることができる。
【0019】
センサ40もまた、流体通路52を経由してオリフィス54に流体連通する。オリフィス54は、圧力センサ48に流体連通する。オリフィス38及びオリフィス54は、圧力源14、リザーバ12と第2圧力チャンバ34との間の流体量を調整するために構成された別々の制御バルブとするか、または、単一の制御バルブ機構に組み合わせることができる。
【0020】
センサ18の後に、流体は、その流体が通路57を経由してオリフィス58へ連通される分岐合流点へ通路56を経由してさらに連通される。オリフィス58は、第5圧力センサ60に流体連通する。圧力センサ60は、流体通路62を経由して油圧アクチュエータ64へ供給される流体の圧力Pa2を感知するように配置される。
【0021】
油圧アクチュエータ64は、ピストンヘッド66a及びピストンロッド66bを含む移動可能なピストン66を含む。ピストン66は、ピストンヘッド66a側の第1ワークポートまたは圧力チャンバ68、と、ピストンロッド66b側の第2ワークポートまたは圧力チャンバ70とに油圧アクチュエータを区画している。具体的には、圧力センサ60によって感知される圧力Pa2は、第1圧力チャンバ68内部の流体の圧力に相当する。
【0022】
通路57の分岐合流点において、通路56は、オリフィス74に流体を供給する流体通路72にも連通する。オリフィス74は第6圧力センサ76に流体連通する。圧力センサ76は、流体通路78を経由して油圧アクチュエータ64へ供給される流体の圧力Pb2を感知するために配置される。具体的には、圧力センサ76によって感知される圧力Pb2は、第2圧力チャンバ70内部の流体の圧力に相当する。
【0023】
センサ60もまた、流体通路80を経由してオリフィス82に流体連通する。オリフィス82は、流体が流体通路50を経由してリザーバ12に連通される流体通路84を経由して第4圧力センサ48に流体連通する。オリフィス58及びオリフィス82は、圧力源14、リザーバ12と第1圧力チャンバ68との間の流体量を調整するために構成された別々の制御バルブとするか、または、単一の制御バルブ機構に組み合わせることができる。
【0024】
センサ76もまた、流体通路86を経由してオリフィス88に流体連通する。オリフィス88は、圧力センサ48に流体連通する。オリフィス74及びオリフィス88は、圧力源14、リザーバ12と第2圧力チャンバ70との間の流体量を調整するために構成された別々の制御バルブとするか、または、単一の制御バルブ機構に組み合わせることができる。
【0025】
8つのオリフィス22、38、46、54、58、74、82、及び88は、組み合わされて、油圧駆動システム10を通じて流体量を管理するためのバルブシステムを形成する。電子制御ユニット(ECU)のようなコントローラ90は、圧力源14及びオリフィス22、38、46、54、58、74、82、及び88を調整するためにプログラミングされている。当業者によって理解されるように、コントローラ90は、要求流体量に従うことと同様に、コントローラによって算出された圧力Ps、Pa1、Pb1、Pa2、Pb2、及びPt間の圧力差に基づいて、圧力源14及びオリフィス22、38、46、54、58、74、82、及び88を調整する。要求流体量は、建設機械のオペレータからの要求によって、例えば特定のロードを上げるか下げるために、一般に設定される。
【0026】
感知されてコントローラ90へ伝達される圧力データは、アクチュエータ64の2つのチャンバ68及び70のどちらかと同様に、アクチュエータ28の2つのチャンバ32及び34のどちらがロードを受けるかを決定するためにさらに用いられる。例えば、アクチュエータ28を用いてロードを上げるために、油圧駆動システム10は、通路16内で発生する圧力がチャンバ32で見られる圧力を超えるように、チャンバ32へ流体を供給するように調整される。当業者によって知られているように、特定のオリフィスを通る流体変化量によって設定されるロードを上げるための速度は、特定のオリフィスでの制約及びPa1、Pb1、PsとPtとの圧力差を変化させることによって制御される。特定のロードを上げるときに、チャンバ32は、そのロードを動かすために重力に逆らって動作することを必要とされ、つまりそのロードは“受動的”であり、かつこのように、圧力源14に連結する上流のワークポートを動作することがさらに理解される。このような状況において、チャンバ34は、リザーバ12への流体流に連結する下流のワークポートとして動作する。その一方で、ロードを下げるときに、重力はチャンバ32の動作をアシストし、つまり、ロードは“オーバーラン”し、かつこのように、チャンバ34は上流のワークポートとして動作する一方で、下流のワークポートとして動作する。アクチュエータ64は、アクチュエータ28と同様に動作するゆえ、上述に準じて同様に制御される。
【0027】
圧力センサ18、24、40、48、60、及び76の少なくとも一つは、加圧流体の温度を検知するために温度センサ(図に示さず)を含み、このデータをコントローラ90へ供給することができる。このような温度データを有することは、コントローラ90が流体の粘度を算出することを可能にする。当業者によって理解されるように、既知の各特定のオリフィス間の圧力低下と同様に流体粘度を利用して、各オリフィス間の流体量を調整することができる。コントローラ90は、各個別のオリフィス22、38、46、54、58、74、82、及び88の開放、及び、圧力源14によって供給される圧力Psを調整することによって、流体量を調整する。油圧駆動システム10の動作は、圧力源14の最大流体量の容量または性能に依存する。したがって、チャンバ68及びチャンバ70と同様に、チャンバ32及びチャンバ34への流体量は、圧力源の最大容量を超えないことを確実にするために同一の比率によって減らされ、特定のロードを動かすための機械オペレータの要求が満たされる。
【0028】
図1及び上述で開示された機構と組み合わせて図2を参照すると、方法100は、所定の範囲外で動作している圧力センサのキャリブレーションをリセットするために提供される。方法100によると、油圧駆動システム10が全体として動作可能である間に、キャリブレーションのリセットは行われ、機械のオペレータにより生成される流体量要求に対してシステム10によってより正確な応答を促進することが提供される。
【0029】
典型的に、範囲外に陥るセンサ18、24、40、48、60、及び76の一つの圧力センサは、コントローラ90に伝達され、その結果として油圧駆動システム10を制御するために用いられる誤った圧力データをもたらすことになるかもしれない。このような事象は、油圧駆動システム10を制御することの部分的または完全な損失を導いて、圧力調整による制御の損失を伴うため、流体量の制御も同様に損失される。これに反して、方法100は、サービスから機械を持ち去ることなしに範囲外のセンサの再キャリブレーションを可能にし、機械の目的動作は修復される。
【0030】
図2に示される方法100は、所定の範囲外で動作しているセンサが検知されるフレーム102で始まる。センサ18、24、40、48、60、及び76の一つの範囲外での動作は、予期された圧力測定値に対する所定の許容範囲または限度を外れて感知された圧力値を記録することを経てコントローラ90によって概して検知される。典型的に、ここでいう予期された圧力センサは、線形の連続性を有する増幅率に基づいて動作し、つまり、センサの出力は受信入力に直接に比例する。このように、18、24、40、48、60、及び76のようなセンサの後続のキャリブレーションに対する増幅率を推定するために、2つの値のみが設定される必要がある。推定された増幅率における誤差を制限するために、設定された値の一つは感知する範囲の下端であり、もう一つの値は上端であることが好適である。
【0031】
フレーム102の後に、この方法は、油圧駆動システム10における圧力が大気に開放されるフレーム104に進む。油圧駆動システム10が圧力軽減モード、別名“フロートモード”に入るために、システムは、オペレータに所望動作を確認することを要求する。フレーム104において、油圧駆動システム10における圧力は、システムが実質的に減圧されていることを確実にするために所定時間の間に好適に軽減される。
【0032】
油圧駆動システム10内の圧力を軽減した後に、この方法は、すべてのワークポート32、34、68、及び70が開放されるフレーム106に進む。ワークポート32、34、68、及び70は、オリフィス22、38、46、54、58、74、82、及び、88の一つずつを開放することにより、ただし順不同で、リザーバ12に開放される。フレーム106から、この方法は、各センサの圧力が感知され、コントローラ90によって記憶されるフレーム108に進む。フレーム108の後に、この方法は、すべてのセンサがリザーバ12の圧力にリセットされるフレーム110に進む。様々な機能的要求に依存して、リザーバ12の圧力は、いくらか高い圧力値にセットアップされることができるが、概して1Bar(100kPa)かまたはそれより下に設定される。これより、範囲外のセンサに対する感知範囲の下端値が設定される。
【0033】
フレーム110の後に、この方法は、ポンプ14が供給することのできる最大圧力の流体がすべてのセンサに供給されるフレーム112に進む。最大流体圧力がセンサに供給された後に、この方法は、フレーム114に進む。フレーム114では、最大ポンプ圧力がセンサ18、24、40、48、60、及び76のそれぞれで感知される。フレーム114の後に、この方法はフレーム116に進む。フレーム116では、感知された圧力が最大ポンプ圧力の所定の、つまり許容できる範囲内にあるすべてのセンサにわたる平均圧力値が決定される。
【0034】
感知された最大ポンプ圧力に対するこのような許容範囲は、システムの設計パラメータ及び機能的要求に基づいた油圧駆動システム10の設計開発の間に設定される。感知された最大ポンプ圧力の許容範囲は、概して予期された、つまり既知の最大ポンプ圧力値の僅かな比率の相違内である。さらに、平均圧力値の決定は、感知された値がそれぞれの一定比率の相違内である複数のセンサに基づく。
【0035】
フレーム116の後に、この方法は、決定された平均圧力値が所定の範囲外で動作しているセンサに割り当てられるフレーム118に進む。したがって、範囲外のセンサに対する感知範囲の上限値が、設定される。特定のセンサが最大ポンプ圧力に対する許容誤差帯域内にある場合に、決定された平均圧力値は、範囲外のセンサに割り当てられることができる。この許容誤差帯域は、システムの設計パラメータ及び機能的要求にも基づいた油圧駆動システム10の設計開発の間に、概して設定される。フレーム118の後に、この方法は、所定の範囲外で動作しているセンサのキャリブレーションまたは増幅率が、リザーバの圧力及び最大圧力の平均値に基づいてリセットされるフレーム120に進む。
【0036】
方法100の実施の結果として、センサ18、24、40、48、60、及び76の一つが範囲外で動作しているのにもかかわらず、油圧駆動システム10は、機械を予期された動作に戻すために範囲外のセンサを再キャリブレーションするために制御される。しかし一方で、範囲外のセンサが最大ポンプ圧力値に対する許容誤差帯域内で動作していないことが決定されうる。このような場合には、範囲外のセンサの再キャリブレーションが成功しなかったこと、及び、実際の修理が必要とされることを機械のオペレータに警告するために、異常信号がコントローラ90によって生成される。
【0037】
本発明を実施するための最良の形態を詳細にこれまで説明してきたが、本発明に関連する技術に熟知した者であれば、添付した請求の範囲内で本発明を実施するための様々な代案デザイン及び実施の形態を認識するであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
油圧駆動システム10において所定の範囲外で動作しているセンサのキャリブレーションをリセットするための方法であって、前記油圧駆動システムは、
要求流体量に応じて流体量を供給するように配置されたポンプ14と、流体を収容するために配置されたリザーバ12と、前記ポンプ14が前記リザーバ12及び複数のワークポート32、34、68、70に流体連通するような複数のワークポート32、34、68、70と、各センサが前記複数のワークポート32、34、68、70の対応している一つの圧力を感知するように配置されている複数のセンサ18、24、40、48、60、76と、前記ポンプ、前記リザーバ、前記複数のワークポート32、34、68、70との間の流体量を制御するように配置されたバルブシステム22、38、46、54、58、74、82、88と、及び、要求流体量及び感知された圧力に応じて前記ポンプ14及び前記バルブシステム22、38、46、54、58、74、82、88を調整するように配置されたコントローラ90と、を含んでおり、
前記方法は、
所定の範囲外で動作している前記センサを検知し、
前記油圧駆動システム10における圧力を軽減し、
すべてのワークポート32、34、68、70を前記リザーバに開放し、
各センサ18、24、40、48、60、76で圧力を感知し、
すべての前記センサ18、24、40、48、60、76をリザーバ12の圧力にリセットし、
最大ポンプ14圧力の流体をすべての前記センサ18、24、40、48、60、76に供給し、
前記複数のセンサ18、24、40、48、60、76の各々において前記最大ポンプ14圧力を感知し、
感知された圧力が前記最大ポンプ圧力の所定の範囲内にある前記複数のセンサ18、24、40、48、60、76のすべてのセンサにわたる平均圧力値を決定し、
所定の範囲外で動作している前記センサに決定された前記平均圧力値を割り当て、かつ、
前記リザーバ12の圧力及び前記平均圧力値に基づいて所定の範囲外で動作している前記センサのキャリブレーションをリセットすることを特徴とする方法。
【請求項2】
所定の範囲外で動作している前記センサが前記最大ポンプ14圧力に対する許容誤差帯域内にあるかどうかを識別することをさらに含み、所定の範囲外で動作している前記センサが前記最大ポンプ14圧力に対する許容誤差帯域内にある場合に、所定の範囲外で動作している前記センサに決定された前記平均圧力値を割り当てることが、遂行されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
所定の範囲外で動作している前記センサが前記最大ポンプ14圧力に対する許容誤差帯域内にない場合に、異常信号を生成することをさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記油圧駆動システム10内の圧力を軽減することが、前記油圧駆動システムのオペレータによって手動で遂行されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記油圧駆動システム10内の圧力を軽減することが、所定の時間で行われることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記リザーバ12へのすべてのワークポート32、34、68、70の開放は、一つずつ行われることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
最大ポンプ14圧力の流体をすべてのセンサ18、24、40、48、60、76に供給することは、一つずつ行われることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
所定の範囲外で動作しているセンサを有する油圧駆動システム10によって制御される機械の要求動作を修復するための方法であって、前記油圧駆動システムは、
要求流体量に応じて流体量を供給するように配置されたポンプ14と、流体を収容するために配置されたリザーバ12と、前記ポンプ14が前記リザーバ12及び複数のワークポート32、34、68、70に流体連通するような複数のワークポート32、34、68、70と、各センサが前記複数のワークポート32、34、68、70の対応している一つの圧力を感知するように配置されている複数のセンサ18、24、40、48、60、76と、前記ポンプ14、前記リザーバ12、前記複数のワークポート32、34、68、70との間の流体量を制御するように配置されたバルブシステム22、38、46、54、58、74、82、88と、及び、機械を動作させるために、要求流体量及び感知された圧力に応じて前記ポンプ14及び前記バルブシステム22、38、46、54、58、74、82、88を調整するように配置されたコントローラ90と、を含んでおり、
前記方法は、
所定の範囲外で動作している前記センサを検知し、
前記油圧駆動システム10における圧力を軽減し、
すべてのワークポート32、34、68、70を前記リザーバに開放し、
各センサで圧力を感知し、
すべての前記センサをリザーバ12の圧力にリセットし、
最大ポンプ14圧力の流体をすべての前記センサに供給し、
前記複数のセンサ18、24、40、48、60、76の各々において前記最大ポンプ14圧力を感知し、
感知された圧力が前記最大ポンプ14圧力の所定の範囲内にある前記複数のセンサ18、24、40、48、60、76のすべてのセンサにわたる平均圧力値を決定し、
所定の範囲外で動作している前記センサに決定された前記平均圧力値を割り当て、かつ、
前記リザーバ12の圧力及び前記平均圧力値に基づいて所定の範囲外で動作している前記センサのキャリブレーションをリセットし、機械の要求動作が修復されることを特徴とする方法。
【請求項9】
所定の範囲外で動作している前記センサが前記最大ポンプ14圧力に対する許容誤差帯域内にあるかどうかを識別することをさらに含み、所定の範囲外で動作している前記センサが前記最大ポンプ14圧力に対する許容誤差帯域内にある場合に、所定の範囲外で動作している前記センサに決定された前記平均圧力値を割り当てることが、遂行されることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
油圧駆動システム10において所定の範囲外で動作しているセンサのキャリブレーションをリセットするためのシステムであって、前記油圧駆動システムは、
要求流体量に応じて流体量を供給するように配置されたポンプ14、流体を収容するために配置されたリザーバ12と、前記ポンプ14が前記リザーバ12及び複数のワークポート32、34、68、70に流体連通するような複数のワークポート32、34、68、70と、各センサが複数のワークポート32、34、68、70の対応している一つの圧力を感知するように配置されている複数のセンサ18、24、40、48、60、76と、前記ポンプ、前記リザーバ、前記複数のワークポート32、34、68、70との間の流体量を制御するように配置されたバルブシステム22、38、46、54、58、74、82、88と、及び、要求流体量及び感知された圧力に応じて前記ポンプ14及び前記バルブシステム22、38、46、54、58、74、82、88を調整するように配置されたコントローラ90と、を含んでおり、
前記コントローラ90は、
所定の範囲外で動作している前記センサを検知し、
前記油圧駆動システム10における圧力を軽減し、
すべてのワークポート32、34、68、70を前記リザーバ12に開放し、
各センサで圧力を感知し、
すべての前記センサをリザーバ12の圧力にリセットし、
最大ポンプ14圧力の流体をすべての前記センサ18、24、40、48、60、76に供給し、
前記複数のセンサ18、24、40、48、60、76の各々において前記最大ポンプ14圧力を感知し、
感知された圧力が前記最大ポンプ14圧力の所定の範囲内にある前記複数のセンサ18、24、40、48、60、76のすべてのセンサにわたる平均圧力値を決定し、
所定の範囲外で動作している前記センサが前記最大ポンプ14圧力に対する許容誤差帯域内にあるかどうかを識別し、
所定の範囲外で動作している前記センサが前記最大ポンプ14圧力に対する許容誤差帯域内にある条件において、所定の範囲外で動作している前記センサに決定された前記平均圧力値を割り当て、かつ、
前記リザーバ12の圧力及び前記平均圧力値に基づいて所定の範囲外で動作している前記センサのキャリブレーションをリセットすることを特徴とするシステム。
【請求項11】
前記油圧駆動システム10内の圧力を軽減することが、前記油圧駆動システムのオペレータによって手動で遂行されることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記油圧駆動システム10内の圧力を軽減することが、所定の時間で行われることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記リザーバ12へのすべてのワークポート32、34、68、70の開放は、一つずつ行われることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項14】
最大ポンプ14圧力の流体をすべてのセンサ18、24、40、48、60、76に供給することは、一つずつ行われることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項15】
所定の範囲外で動作している前記センサが前記最大ポンプ14圧力に対する許容誤差帯域内にない場合に、異常信号を生成することをさらに含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2013−512370(P2013−512370A)
【公表日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−541592(P2012−541592)
【出願日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際出願番号】PCT/IB2010/003011
【国際公開番号】WO2011/064652
【国際公開日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(390033020)イートン コーポレーション (290)
【氏名又は名称原語表記】EATON CORPORATION
【Fターム(参考)】