説明

籾摺選別機

【課題】籾摺選別機において玄米揚穀機の取出玄米から塵埃を吸引除去するにあたり、玄米が塵埃と一緒に除去されないようにする。
【解決手段】籾摺部1と吸引唐箕を有する摺落米風選部2と揺動選別板型の混合米選別部3と混合米選別部の選別玄米を取り出す玄米揚穀機5を備えた籾摺選別機において、玄米揚穀機5の玄米取出部に吸塵部36を設け、吸塵部36と摺落米風選部2の吸引唐箕とを吸塵風路37で接続する。そして、吸塵部36の吸塵ボックスには流入する吸塵風量を調節する吸塵風量調節手段を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、籾摺選別機において玄米揚穀機の取り出し玄米から塵埃を除去する塵埃除去装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
籾摺部と、吸引唐箕を有する摺落米風選部と、揺動選別板型の混合米選別部と、混合米選別部の選別玄米を取り出す玄米揚穀機を備えた籾摺選別機において、玄米揚穀機の玄米取出部に吸塵部を設けて玄米から塵埃を除去するものは、公知である(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−95434号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
背景技術のものは、玄米揚穀機の吸塵部と摺落米風選部の吸引唐箕とを吸塵風路により連通し、玄米から塵埃を除去するだけのものである。従って、吸塵部の吸塵風量が吸引唐箕の選別風量の影響を受けて吸塵部の吸塵風量が比例して増減し、また、吸塵風量の増減調節ができないので、塵埃と共に玄米が吸引唐箕から排出されるという不具合が発生することがある。
【0005】
そこで、本発明は、このような不具合を解消しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記問題点を解決するために、この発明は次のような技術的手段を講じた。
請求項1の発明は、籾摺部(1)と、吸引唐箕(13)を有する摺落米風選部(2)と、揺動選別板型の混合米選別部(3)と、混合米選別部(3)の選別玄米を取り出す玄米揚穀機(5)を備えた籾摺選別機において、前記玄米揚穀機(5)の玄米取出部に吸塵部(36)を設け、該吸塵部(36)と前記吸引唐箕(13)とを吸塵風路(37)で接続し、前記吸塵部(36)の吸塵ボックス(36a)には流入する吸塵風量を増減調節する吸塵風量調節手段(38)を設けたことを特徴とする籾摺選別機である。
【0007】
請求項2の発明は、籾摺部(1)と、吸引唐箕(13)を有する摺落米風選部(2)と、揺動選別板型の混合米選別部(3)と、混合米選別部(3)の選別玄米を取り出す玄米揚穀機(5)を備えた籾摺選別機において、前記玄米揚穀機(5)の玄米取出部に吸塵部(36)を設け、該吸塵部(36)と前記吸引唐箕(13)とを吸塵風路(37)で接続し、前記吸塵部(36)の吸塵ボックス(36a)には流入する吸塵風量を増減調節する吸塵風量調節手段(38)を設け、該吸塵風量調節手段(38)の吸塵風量調節用の調節レバー(39)と前記吸引唐箕(13)の唐箕風量調節手段とを連動連結し、前記吸引唐箕(13)の風量を増減調節すると、前記吸塵部(36)の吸塵風量を関連して減増調節することを特徴とする籾摺選別機である。
【0008】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記混合米選別部(3)における揺動選別板(15)の選別玄米を機内循環側あるいは機外取出側に切り換える循環/排出切換弁(52)を設け、該循環/排出切換弁(52)と前記吸塵風量調節手段(38)とを連動連結して、循環/排出切換弁(52)を機外取出側に切り換えると、吸塵風量調節手段(38)を吸塵風量を多くするように、また、循環/排出切換弁(52)を機内循環側に切り換えると、吸塵風量調節手段(38)を吸塵風量を少なくするように調節することを特徴とする籾摺選別機である。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の発明によると、吸引唐箕(13)の選別風量に対して吸塵部(36)の吸塵風量を独立して弱強に調節することができ、玄米揚穀機(5)の取出玄米の飛散を抑制しながら塵埃を除去することができる。
【0010】
請求項2の発明によると、吸引唐箕(13)の選別風量に応じて吸塵部(36)の吸塵風量を関連的に増減調節することができ、玄米揚穀機(5)の取出玄米の飛散を抑制しながら塵埃を良好に除去することができる。
【0011】
請求項3の発明によると、請求項2の発明の前記効果に加えて、循環/排出切換弁(52)を機外取出側から機内循環側に切り換えたときに、玄米揚穀機(5)から少量の玄米が取り出されていても、玄米が吸引唐箕(13)へ吸引されるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】籾摺選別機、粒選別機の切断側面図。
【図2】吸塵部の背面図、操作具の背面図、平面図。
【図3】籾摺選別機の一部省略した側面図。
【図4】混合米選別部における揺動選別板のカバー部の斜視図。
【図5】混合米選別部の側面図、揺動選別板のカバー部の斜視図。
【図6】籾摺選別機の斜視図。
【図7】籾摺選別機上部の背面図、吸塵風路の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面に示すこの発明の実施例について説明する。
まず、図1に基づきこの発明を実施する籾摺選別機の全体構成について説明する。
籾摺選別機は、機体の前側上部に配置した籾摺部1と、籾摺部1の後側に配置した摺落米風選部2と、摺落米風選部2の後側に配置した揺動選別板型の混合米選別部3と、摺落米風選部2の摺落米及び混合米選別部3の選別摺落米を揚穀する混合米揚穀機4と、混合米選別部3の選別玄米を機外に取り出す玄米揚穀機5と、混合米選別部3の選別籾を籾摺部1に揚穀還元する籾揚穀機27とにより構成されている。
【0014】
籾摺部1は籾摺ロール型に構成されていて、籾ホッパ6と、一対の籾摺ロール7,7を内装している籾摺室7aと、籾摺室7aの下方に設けられている振動型の摺落米移送棚8等により構成されている。籾ホッパ6の籾は籾摺ロール7,7で籾摺されて摺落米移送棚8に落下供給され、振動している摺落米移送棚8により後側に移送され、摺落米風選部2の下部に供給される。
【0015】
摺落米風選部2は、摺落米風選箱体9と、摺落米風選箱体9内に上下方向に沿うように構成されている摺落米選別風路10と、摺落米選別風路10における中途後方屈曲部下方に設けられている粃受樋11と、摺落米選別風路10の始端部である下側部に設けられている摺落米受樋12と、摺落米選別風路10の終端部である上側部に配設されている吸引唐箕13と、排塵筒14とにより構成されている。
【0016】
しかして、摺落米選別風路10の下部に供給された摺落米は上方へ流れる吸引選別風により比重選別され、籾・玄米の重い混合米は下部の摺落米受樋12に落下選別される。また、比較的重い粃は摺落米選別風路10の中途部の粃受樋11に落下選別される。また、軽い籾殻は摺落米選別風路10の終端の吸引唐箕13に吸引され、排塵筒14を経て機外へ排出される。
【0017】
次に、揺動選別型の混合米選別部3について説明する。
多段の揺動選別板15には、板面に選別用の凹凸が形成されていて、縦方向の一側を高い供給側、他側を低い排出側とし、縦方向に直交する横方向の一方側を高い揺上側、反対側を低い揺下側として、揺動選別板15の縦横2方向ともに傾斜した構成とし、揺動選別板15を前後揺動アーム28,28、揺動装置(図示省略)により横方向斜め上下に往復揺動される構成である。
【0018】
揺動選別板15の上方には混合米タンク24が配設されていて、摺落米受樋12に風選された混合米が混合米揚穀機4により揚穀されて混合米タンク24に供給される。混合米は次いで分配供給樋16、分配ケース17を経由して揺動選別板15に供給される。
【0019】
揺動選別板15の揺下側の側壁の排出側部分には、籾排出口を切り欠き構成されていて選別籾が揺下側に取り出され、籾還元流路31を経て籾揚穀機27に供給される。
揺動選別板15に供給された混合米は、粒形の大小,比重の大小,摩擦係数の大小等の関係で、比重の重い小形の玄米は揺上側に偏流分布し、玄米に比較して大形で比重の軽い籾は、揺下側に偏流分布し、その中間部には分離されない籾・玄米の混合米が分布されながら選別される。そして、これらの選別穀粒は、揺動選別板15の排出側に設けられている玄米仕切板18及び籾仕切板19で仕切られて取り出される。
【0020】
取り出された選別玄米は、玄米取出樋20,玄米流路21,玄米揚穀機5を経て機外に取り出される。また、取り出された選別混合米は混合米流路23を経て摺落米受樋12に流下し、次いで、混合米揚穀機4で揚穀され、混合米タンク24,分配供給樋16,分配ケース17を経て、揺動選別板15に再度供給され、再選別される。
【0021】
また、揺動選別板15の揺下側に偏流分離された選別籾のうち揺下側の側壁に沿って流下したものは、籾排出口から籾還元流路31に取り出されて籾取出樋25に流下する。また、揺下側の側壁よりも揺上側を流下したものは揺動選別板15の排出側端部から籾仕切板19により仕切られて、籾取出樋25に取り出される。このようにして取り出された選別籾は、籾揚穀機27を経て籾摺部1に揚穀還元され、再度の籾摺がなされる。
【0022】
なお、摺落米風選部2で粃受樋11に選別された粃は、籾揚穀機27に送られ、混合米選別部3の選別籾と共に籾摺部1に揚穀還元される。
次に、図1及び図2に基づき玄米揚穀機5の選別玄米からの塵埃除去構成について説明する。
【0023】
玄米揚穀機5は例えば昇降機型に構成されていて、昇降ケース5a内をバケット付きの昇降ベルトが昇降回動して穀粒を揚穀し、この昇降ケース5a上部の穀粒投出口部に吸塵部36を付設し、取出玄米から塵埃を除去するようにしている。
【0024】
吸塵部36は次のように構成している。吸塵ボックス36aの内部には、玄米が前後に方向変換しながらジグザグ状に落下する流下通路36bを構成している。この吸塵ボックス36aの下部に開口部36cを構成し、開口部36cから流入した吸塵選別風が流下通路36bを流下している玄米に対して、交差するように後側から前側に向けて形成されている塵埃選別風路36dに流れて玄米の付着塵埃を除去する。そして、きれいになった玄米は流下通路36bの下部から玄米流下通路36eを経て機外へ取り出される構成である。
【0025】
また、塵埃選別風路36dの終端側を中継吸塵風路41介して吸塵風路37の始端部に接続し、吸塵風路37の中途部を揺動選別板15の上方近傍を通して機体前側に導き、吸塵風路37の終端側を吸引唐箕13の吸入部に接続している。
【0026】
また、図2に示すように、吸塵部36には吸塵風調節手段38を設けている。この吸塵風選別手段38は、吸塵ボックス36aの下部後側の前記開口部36cに網を取り付け、この開口部36cの外側に沿ってスライド自在の閉鎖調節板38aを設けた構成である。
【0027】
しかして、閉鎖調節板38aを上下方向に調節し、塵埃選別風路36dの開口部36cに流入する空気を増減調節し、塵埃選別風量を減増調節する構成である。
また、機体の適所に仕上吸塵調節レバー39を設け、該仕上吸塵調節レバー39と閉鎖調節板38aとを押し引きワイヤ40で連結し、仕上吸塵調節レバー39を操作ガイド溝43に沿って操作し調節するように構成している。
【0028】
従来装置は、吸塵部36と吸引唐箕13とを吸塵風路37により連通するだけの構成である。従って、吸引唐箕13の選別風の増加、減少調節の影響を受けて、吸塵選別風路36dから吸塵風路37に吸引される吸塵風量が比例的に増減し、また、吸塵選別風路36dの吸塵風量の増減調節ができない構成であり、吸塵選別風により塵埃と共に玄米が吸引唐箕13に排出されるという不具合が発生することがあった。
【0029】
しかし、前記構成によると、吸引唐箕13の選別風の強弱調節に対して吸塵部36の吸塵風量を独立して弱強に調節することができ、玄米の飛散を抑制しながら塵埃を除去することができる。
【0030】
また、吸引唐箕13の吸入部には選別風調節板42を設け、選別風調節板42を押し引きワイヤ(図示省略)を介して前記仕上吸塵調節レバー39に連結している。
しかして、仕上吸塵調節レバー39の操作により、吸引唐箕13の選別風量と、吸塵風路37の吸塵風量とを関連的に調節することができる。即ち、吸引唐箕13の選別風量を強く調節すると、開口部36cからの流入空気量を多く調節し、吸塵風路37の吸塵風量を弱く調節することができる。また、吸引唐箕13の選別風量を弱く調節すると、開口部36cからの流入空気量を少なく調節し、吸塵風路37の吸塵風量を強く調節することができる。
【0031】
前記構成によると、吸塵部36により玄米の吸引唐箕13側への飛散を抑制しながら塵埃を良好に除去することができる。
また、図1に示すように、玄米揚穀機5の後方には公知の粒選別機45を配設している。玄米揚穀機5からの玄米を粒選別機45の玄米ホッパ46に受入れて粒選別し、精粒玄米を上部の精粒玄米取出部47から取り出し、選別した糠や穀粒屑を下部の糠取出部48から取り出す。この糠取出部48の流下口に糠吸塵ホース49の始端側を接続し、糠吸塵ホース49の終端側を前記吸塵風路37の始端側に接続している。
【0032】
また、吸塵風路37の始端側の中継吸塵風路41の接続部、及び、吸塵風路37の始端側の糠吸塵ホース49の接続部には、吸塵切換弁50を設けている。吸塵切換レバー51の操作により、吸塵切換弁50を二つの接続部を択一的に開閉するように構成している。
【0033】
また、混合米選別部3の選別穀粒取出部には、図1に示すように、循環/排出切換弁52を設けている。循環/排出切換レバー53の操作により、循環/排出切換弁52を機内循環側に切り換えると、揺動選別板15の選別玄米は機内循環し、また、機外取出側に切り換えると、揺動選別板15の選別玄米は機外に取り出される。
【0034】
そして、吸塵切換レバー51と循環/排出切換レバー52を連動ロッド54により連動連結している。しかして、循環/排出切換レバー53により循環/排出切換弁52を機外取出側に切り換えると、吸塵切換弁50により糠吸塵ホース49側を閉鎖し中継吸塵風路41側を開口する。
【0035】
また、循環/排出切換レバー53により循環/排出切換弁52を機内循環側に切り換えると、吸塵切換弁50により糠吸塵ホース49側を開口し、中継吸塵風路41側を閉鎖することができる。
【0036】
前記構成によると、操作の簡単化を図り、玄米揚穀機5から玄米取り出し時には玄米から塵埃を除去し、選別玄米の機内循環時には粒選別機45から糠を除去し、籾摺作業能率を向上させ、粒選別機45の糠除去性能を高めることができる。また、吸塵風路37を共用にすることにより、コストの低減を図ることができる。また、循環切換時に玄米揚穀機5を揚穀される少量の玄米を吸塵部36で吸引することを防止することができる。
【0037】
また、糠吸塵ホース49のパイプ径を中継吸塵風路41のパイプ径よりも小径に構成し、糠吸塵ホッパ49の風速を速くするようにすると、粒選別機45の糠の吸引除去性能を高めることができる。
【0038】
また、籾摺部1の籾供給調節弁56の供給量増減調節に関連して、吸塵風調節手段38を弱強に調節するようにしてもよい。
次に、図3について説明する。
【0039】
混合米選別部3の混合米タンク24を混合米溜り量の増減により上下動するように構成し、籾摺部1の籾供給調節弁56と混合米タンク24とを連動装置57を介して連動連結し、混合米タンク24の混合米量の増減に関連して籾供給調節弁56を減増調節するように構成する。
【0040】
また、吸塵風路37の中途部には風路調節弁58を設け、風路調節弁58と連動装置57とを風路調節ロッド59を介して連結する。なお、66は吸塵ブロワである。
前記構成によると、混合米タンク24の混合米溜り量の増減に関連して籾摺部1の籾摺量が減増調節されると、風路調節弁58を弱強に調節することができる。従って、仕上玄米からの玄米の飛散を抑制しながら塵埃を除去することができる。
【0041】
すなわち、籾供給調節弁56の開度が大きくなると、籾摺部1の籾摺量が増えると仕上玄米量も増加するので、風路調節弁58の開度も大きくして仕上玄米からの塵埃の吸塵能力を向上させる。
【0042】
次に、図4及び図5について説明する。
混合米選別部3の揺動選別板15の上方を揺動上カバー61で被覆し、前記吸塵風路37の中途部を揺動上カバー61の奥側端部側方で且つ揺動選別板15の上方を通して吸引唐箕13の吸入部に連通する。そして、吸塵風路37の揺動選別板15の上方に位置する部分に極細のスリット62,…を構成し、揺動選別板15上の空気を吸引できるようにしている。
【0043】
また、揺動上カバー61の手前側中央部を開閉カバー61aに構成している。また、この開閉カバー61aの奥側部下面に選別ライト63を取り付けている。この開閉カバー61aの奥側部を軸61b回りに開閉自在に軸支し、開閉カバー61aの奥側中央部に凹部61cを構成し、凹部61cの奥側底部を開口開放している。
【0044】
前記構成によると、揺動選別板15上の塵埃をスリット62,…から吸塵風路37に吸引し、機外へ排出することができる。また、選別ライト63への塵埃の付着を抑制し、揺動選別板15上を明るくすることできる。また、開閉カバー61aを開けて揺動選別板15上の被選別穀粒を取り出し、閉鎖状態の開閉カバー61aの凹部61cに落下すると、選別穀粒が拡がり選別ライト63に照らされながら選別状態を確認することができる。また、開閉カバー61aを上方へ回動すると、凹部61cの穀粒を容易に揺動選別板15上に戻すことができる。
【0045】
次に、図6について説明する。
機体の前側上部に籾摺部1を配置し、籾摺部1の下方に摺落米風選部2を配置し、摺落米風選部2の後側に揺動選別板型の混合米選別部3を配置し、摺落米風選部2の後部一側に混合米揚穀機(図示省略)を配置し、混合米選別部3の後部一側に玄米揚穀機5を配置し、籾摺選別機を構成している。
【0046】
玄米揚穀機5の玄米投げ口に前記吸塵部36を設け、該吸塵部36と、籾摺部1の籾ホッパ6内に設けているサイクロン65との間を吸塵風路37で接続し、吸塵風路37の中途部に吸塵ブロワ66を設け、仕上玄米の塵埃を除去するように構成している。
【0047】
また、混合米選別部3の籾還元流路67、及び、摺落米風選部2の二番還元流路68を、吸塵風路37における吸塵ブロワ66の下手側部位に連通し、これらの穀粒を風速を上げながらサイクロン65に送るように構成しているサイクロン65で分離された穀粒及び塵埃は籾摺部1に還元され、吸塵風は排風ファンで排出される。
【0048】
前記構成によると、仕上玄米の吸塵用の吸塵風路37を経由して混合米選別部3の選別籾及び摺落米風選部2の二番物を籾摺部1に還元することができ、還元スロワを省略し、メンテナンスを容易にしながら、選別玄米の塵埃を除去することができる。
【0049】
次に、図7について説明する。
吸塵風路37を前側吸塵風路37a及び後側吸塵風路37bに分割構成し、後側吸塵風路37bを前側吸塵風路37a及び吸塵ブロワ66から分離できるように着脱可能に構成している。しかして、後側吸塵風路37bを取り外すと、吸塵風路37の清掃作業を容易に行なうことができる。
【符号の説明】
【0050】
1 籾摺部
2 摺落米風選部
3 混合米選別部
4 混合米揚穀機
5 玄米揚穀機
6 籾ホッパ
7 籾摺ロール
15 揺動選別板
13 吸引唐箕
36 吸塵部
36a 吸塵ボックス
37 吸塵風路
38 吸塵風量調節手段
39 調節レバー(仕上吸塵調節レバー)
52 循環/排出切換弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
籾摺部(1)と、吸引唐箕(13)を有する摺落米風選部(2)と、揺動選別板型の混合米選別部(3)と、混合米選別部(3)の選別玄米を取り出す玄米揚穀機(5)を備えた籾摺選別機において、
前記玄米揚穀機(5)の玄米取出部に吸塵部(36)を設け、該吸塵部(36)と前記吸引唐箕(13)とを吸塵風路(37)で接続し、前記吸塵部(36)の吸塵ボックス(36a)には流入する吸塵風量を増減調節する吸塵風量調節手段(38)を設けたことを特徴とする籾摺選別機。
【請求項2】
籾摺部(1)と、吸引唐箕(13)を有する摺落米風選部(2)と、揺動選別板型の混合米選別部(3)と、混合米選別部(3)の選別玄米を取り出す玄米揚穀機(5)を備えた籾摺選別機において、
前記玄米揚穀機(5)の玄米取出部に吸塵部(36)を設け、該吸塵部(36)と前記吸引唐箕(13)とを吸塵風路(37)で接続し、前記吸塵部(36)の吸塵ボックス(36a)には流入する吸塵風量を増減調節する吸塵風量調節手段(38)を設け、該吸塵風量調節手段(38)の吸塵風量調節用の調節レバー(39)と前記吸引唐箕(13)の唐箕風量調節手段とを連動連結し、前記吸引唐箕(13)の風量を増減調節すると、前記吸塵部(36)の吸塵風量を関連して減増調節することを特徴とする籾摺選別機。
【請求項3】
請求項2の発明において、前記混合米選別部(3)における揺動選別板(15)の選別玄米を機内循環側あるいは機外取出側に切り換える循環/排出切換弁(52)を設け、該循環/排出切換弁(52)と前記吸塵風量調節手段(38)とを連動連結して、循環/排出切換弁(52)を機外取出側に切り換えると、吸塵風量調節手段(38)を吸塵風量を多くするように、また、循環/排出切換弁(52)を機内循環側に切り換えると、吸塵風量調節手段(38)を吸塵風量を少なくするように調節することを特徴とする籾摺選別機。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−218263(P2011−218263A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−87896(P2010−87896)
【出願日】平成22年4月6日(2010.4.6)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】