説明

粉体搬送装置及び画像形成装置

【課題】印刷速度が高い画像形成装置に適用可能な、被搬送物としての粉体に与える熱ストレスが少なく、製造コストが安い粉体搬送装置、及びこの粉体搬送装置を備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】搬送槽41内にトナー容器40からトナー36を吸引するために、搬送槽41内に負圧を発生させている。さらに、搬送槽41内に負圧を発生させるための吸引ポンプ43を搬送槽41の外部に設けている。また、トナー容器40から搬送槽41内に吸引されたトナー36を、搬送槽41の出口部50から排出するトナー排出制御と、吸引口連結管45内を閉じさせた状態で、負圧室82内に負圧を発生させる負圧発生制御とを同時に開始している。また、粉体収容部から搬送槽に粉体を供給させるトナー供給制御で、出口部開閉装置47により排出管46内を閉じさせた状態で、吸引口連結管45内を開て、負圧室82の負圧を用いて搬送槽41内を負圧にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置等に用いる、トナー等の粉体を現象装置等に搬送するための粉体搬送装置及びこの粉体搬送装置を備えた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置等に用いる、粉体収容部としてのトナー収容容器から現像装置に、粉体としてのトナーを搬送する様々な粉体搬送装置が知れている。また、トナーが熱可塑性の樹脂等を含んでいる場合に、トナー等の粉体の凝集や搬送経路内への固着を抑制するため、トナーへの熱ストレスを少くする、様々な粉体搬送装置も提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、図10で示す、熱ストレスが少ない状態で粉体であるトナーを搬送する粉体搬送装置を用いた画像形成装置の構成が開示されている。ここで、特許文献1で用いられている用語及び符号の多くが、後述する本願の実施の形態で用いる用語及び符号と一致する。そこで、本願の実施の形態で用いる用語及び符号と異なる、特許文献1の用語及び符号については括弧内に記載する。
【0004】
図10に示すように、特許文献1に開示された画像形成装置の粉体搬送装置35(現像剤搬送装置35A)は、粉体であるトナー36を収容する粉体収容部であるトナー容器40を備えている。また、トナー容器40からトナー36が供給される入口部49と、トナー36を現像装置13の収容槽17に排出するための出口部50と、内部の気体を吸引するための吸引口51とが設けられた搬送槽41とを備えている。そして、搬送槽41の内部には、トナー容器40からトナー36が供給されたトナー36を出口部50へ、回転することで搬送する搬送スクリュ(搬送スクリュー)42も備えている。また、吸引口51に連結された吸引口連結管45(連結配管45a)を介して搬送槽41に接続された負圧室(負圧槽)82と、吸引口連結管45内を開閉自在な吸引口開閉手段である吸引口開閉装置(負圧室開閉装置)93とを備えている。また、負圧室82に設けられた負圧室吸引口である貫通孔88に連結された負圧室連結管100(連結配管45b)を介して、負圧室82に接続された気体吸引装置である吸引ポンプ43とを備えている。また、負圧室連結管100内を開閉自在な負圧室開閉手段である負圧室開閉装置(吸引ポンプ開閉装置)96と、出口部50に接続された排出管46を開閉する出口部開閉手段である出口部開閉装置(開閉装置)47を備えている。そして、排出管46の他端側は、現像装置13の収容槽17の供給孔37に接続されている。また、収容槽17の内部には現像剤を撹拌・搬送するの攪拌スクリュ(攪拌スクリュー)18を備えている。また、負圧室82内の圧力を検出する圧力センサ90も備えている。さらに、各装置等を制御する制御装置48も備えている。この制御装置48は、画像形成装置の制御部(不図示)から、現像装置13へのトナー36の補給信号を受信する毎に、次に説明する一連の動作の制御を繰り返すこととなる。
【0005】
この粉体搬送装置35では、次のように粉体搬送装置35内の各部を動作させることで、熱ストレスが少ない状態でトナー36をトナー容器40から現像装置13の収容槽17内に搬送している。制御装置48は、吸引ポンプ43のピストン59をシリンダ本体58の底部61に最も近づけておく。そして、出口部開閉装置47の開閉駆動源71に排出管46内を閉じさせ、吸引口開閉装置93の開閉駆動源95に吸引口連結管45内を閉じさせ、負圧室開閉装置96の開閉駆動源98に負圧室連結管100内を開かせた状態とする。この状態で、吸引ポンプ43のピストン59を底部61から離れる方向に移動させる。すると、負圧室82内の気体が吸引ポンプ43により吸引されて、負圧室82内の圧力が低下して、負圧室82内、すなわち、第1負圧室83及び第2負圧室84に負圧が発生する。そして、圧力センサ90により検出された負圧室82内の圧力が所定値になった時点で、吸引ポンプ43による吸引を停止し、さらに、負圧室開閉装置96の開閉駆動源98に負圧室連結管100内を閉じさせる。そして、搬送槽41内の搬送スクリュ42を軸芯回りに回転させるとともに、吸引口開閉装置93の開閉駆動源95に吸引口連結管45を開かせると、搬送槽41内の気体が負圧室82内の負圧により負圧室82内に吸引される。搬送槽41内の気体が負圧室82内の負圧により負圧室82内に吸引され、搬送槽41内の圧力が低下することで、トナー容器40内の気体とともにトナー36が搬送槽41内に吸引される。
【0006】
そして、所定の時間経過後に、吸引口開閉装置93の開閉駆動源95に吸引口連結管45内を閉じさせる。すると、トナー容器40から搬送槽41へのトナー36の流入が停止するとともに、搬送スクリュ42の回転により搬送槽41内のトナー36が出口部50に向かって移動する。その後、出口部開閉装置47の開閉駆動源71に排出管46内を開かせる。すると、出口部50を通して搬送槽41内のトナー36が搬送槽41外に排出されて、現像装置13の収容槽17内に供給される。このように、この粉体搬送装置35の制御装置48は、負圧室82内に負圧を発生させる動作、搬送槽41内にトナー36を吸引させる動作、出口部50からトナー36を排出する動作という一連の動作の制御を行う。
【0007】
上述したように、図10に示す従来の粉体搬送装置35では、搬送槽41内の気体を吸引して、この搬送槽41内にトナー容器40からトナー36を吸引している。すなわち、搬送槽41内にトナー36を吸引するために、搬送槽41内に負圧を発生させている。さらに、搬送槽41内に負圧を発生させるための吸引ポンプ43を搬送槽41の外部に設けている。したがって、吸引ポンプ43から発生する熱がトナー36に伝わることを防止できるとともに、負圧により搬送槽41内にトナー36を吸引するので、トナー36をすり潰すことなく、搬送槽41内に吸引することができる。よって、粉体であるトナー36に与える熱ストレスを最小限にしながらも、トナー36を搬送することができる。また、吸引ポンプ43により負圧室82内の気体を吸引して負圧室82内に負圧を発生させて、この負圧により搬送槽41内の気体を吸引することができる。したがって、例えば、吸引ポンプなどの機械的な気体吸引装置で直接搬送槽41内の気体を吸引するのに比べて、短時間で効果的に搬送槽41内の気体に負圧を作用させて吸引することができる。よって、吸引ポンプなどの機械的な気体吸引装置で直接搬送槽41内の気体を吸引するのに比べて、吸引時間を短くすることができ、粉体であるトナーの搬送時間を短縮することが可能となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
近年、画像形成装置の印刷速度を上げることに対する、要求が高まってきた。画像形成装置の印刷速度を上げると、単位時間当たりのトナー消費量が増加するため、現像装置への単位時間当たりのトナー供給量を増加させる必要がある。現像装置への単位時間当たりのトナー供給量を増加させる方法として、粉体搬送装置のトナー供給に係る一連の動作に要する動作時間を短くする方法と、トナー供給に係る一連の動作で供給するトナー供給量を増やす方法とが考えられる。
【0009】
しかしながら、特許文献1の粉体搬送装置では、負圧室82内での負圧の発生と、トナー36の搬送槽41内への供給、及び搬送槽41内での出口部50方向への移動と、トナー36の排出の3つの動作とを一連の動作として制御している。この構成では、それぞれの動作に所定の時間を要してしまい、個々の動作時間を、さらに短くすることで、トナー供給に係る一連の動作時間を短くするにも限界があった。また、製造コストを抑えて、トナー供給に係る一連の動作で供給するトナー供給量を増やすことも困難であった。これは、トナー容器から搬送槽内へ吸引するトナー量を増やすためには、負圧室内の負圧値を高くしたり、または負圧室の容量を大きくする必要があり、それに伴い風量が大きく、到達真空度も高い気体吸引装置を用いる必要が生じ、気体吸引装置の製造コストが高くなるためである。これらの理由から、特許文献1の粉体搬送装置の構成を、印刷速度が高い画像形成装置に適用することは困難であった。
【0010】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、印刷速度が高い画像形成装置に適用可能な、被搬送物としての粉体に与える熱ストレスが少なく、製造コストが安い粉体搬送装置、及びこの粉体搬送装置を備えた画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、粉体を収容した粉体収容部と、前記粉体収容部から前記粉体が供給される入口部と、前記粉体を外部に排出するための出口部と、内部の気体を吸引するための吸引口とが設けられた搬送槽と、前記吸引口に連結された吸引口連結管を介して、前記搬送槽に接続された負圧室と、前記吸引口連結管内を開閉自在な吸引口開閉手段と、前記負圧室に設けられた負圧室吸引口に連結された負圧室連結管を介して、前記負圧室に接続された気体吸引装置と、前記負圧室連結管内を開閉自在な負圧室開閉手段と、前記出口部を開閉する出口部開閉手段と、を備える粉体搬送装置において、前記吸引口開閉手段により前記吸引口連結管内を閉じさせ、かつ、前記負圧室開閉手段により前記負圧室連結管内を開けさせた状態で、前記気体吸引装置を駆動して前記負圧室内の気体の吸引させ、その後、前記負圧室内が予め定めた負圧状態になったら、前記気体吸引装置の駆動を停止させるとともに、前記負圧室開閉手段により前記負圧室連結管内を閉じさせる負圧発生制御と、前記出口部開閉手段により前記出口部を閉じさせた状態で、前記吸引口開閉手段により前記吸引口連結管内を開けさせて、前記粉体収容部から前記搬送槽に前記粉体を供給し、その後、前記搬送槽に所定量の粉体が供給されたら、前記吸引口開閉手段により前記吸引口連結管内を閉じさせる粉体供給制御と、前記出口部開閉手段により前記出口部を開けさせて、前記搬送槽に供給された粉体を前記出口部から排出する粉体排出制御と、を行う制御手段を備え、前記制御手段は、前記負圧発生制御と前記粉体排出制御とを同時に開始することを特徴とするものである。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の粉体搬送装置において、制御手段は、粉体供給制御で、出口部開閉手段により出口部を閉じさせ、吸引口開閉手段により吸引口連結管内を開けさせ、さらに、負圧室開閉手段により負圧室連結管内を開けさせた状態で、気体吸引装置を駆動して負圧室内の気体の吸引させて、粉体収容部から搬送槽に粉体を供給し、その後、前記搬送槽に所定量の前記粉体が供給されたら、前記吸引口開閉手段により前記吸引口連結管内を閉じるとともに、前記気体吸引装置の駆動を停止させ、かつ、前記負圧室開閉手段により前記負圧室連結管内を閉じさせる制御を行うことを特徴とするものである。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1、又は2に記載の粉体搬送装置において、軸芯回りに回転することで搬送槽内の粉体を入口部から出口部に向かって搬送する搬送部材を、搬送槽内に有した回転搬送手段を備え、制御手段は、粉体排出制御で、前記搬送手段の前記搬送部材を回転させる制御を行うことを特徴とするものである。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか一に記載の粉体搬送装置において、搬送槽に設けられた送風口に連結された送風口連結管を介して、前記搬送槽内に気体を送り込む送風手段と、前記送風口連結管を開閉する送風口開閉手段と、を備え、制御手段は、粉体排出制御で、出口部開閉手段により前記出口部を開け、かつ、前記送風口開閉手段により前記送風口連結管を開けさせた状態にした後、前記送風手段により前記搬送槽に気体を送り込ませ、粉体供給制御で、前記出口部開閉手段により前記出口部を閉じ、負圧室開閉手段により負圧室連結管内を閉じ、かつ、前記送風口開閉手段により前記送風口連結管を閉めさせた状態で、吸引口開閉手段により吸引口連結管内を開けさせる制御を行うことを特徴とするものである。
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の粉体搬送装置において、気体吸引装置はダイヤフラム式ポンプの吸入側であり、送風手段は前記ダイヤフラム式ポンプと同一のもので、その排出側であることを特徴とするものである。
また、請求項6に記載の発明は、請求項4に記載の粉体搬送装置において、気体吸引装置はベーン式ポンプの吸入側であり、送風手段は前記ベーン式ポンプと同一のもので、その排出側であることを特徴とするものである。
また、請求項7に記載の画像形成装置の発明は、静電潜像を担持する像担持体と、前記像担持体上の潜像を現像してトナー像化する現像装置と、を少なくとも備えた画像形成装置において、前記現像装置にトナーを供給する手段として、請求項1乃至6のいずれか一に記載の粉体搬送装置を備えていることを特徴とするものである。
本発明は、搬送槽内の気体を吸引して、この搬送槽内に粉体収容部から粉体を吸引している。すなわち、搬送槽内に粉体を吸引するために、搬送槽内に負圧を発生させている。さらに、搬送槽内に負圧を発生させるための気体吸引装置を搬送槽の外部に設けている。したがって、気体吸引装置から発生する熱が粉体に伝わることを防止できるとともに、負圧により搬送槽内に粉体を吸引するので、粉体をすり潰すことなく、搬送槽内に吸引することができる。よって、粉体に与える熱ストレスを最小限にしながらも、粉体を搬送することができる。
さらに、負圧発生制御と粉体排出制御とを同時に開始するので、従来の負圧発生制御と粉体排出制御とを個別に行う構成に比べ、粉体搬送に係る一連の動作時間を短縮できる。また、吸引口連結管内を閉じさせた状態で、負圧室のに負圧を発生させるので、粉体を吸引することなく、負圧室内の気体のみ吸引するので、短時間で負圧室内の負圧を高くすることもできる。また、粉体供給制御では、出口部開閉手段により出口部を閉じさせた状態で、吸引口連結管内を開て、負圧室の負圧を用いて搬送槽内を負圧にするので、短時間で搬送槽内の負圧を高くすることができる。したがって、短時間で搬送槽内に多くの粉体を吸引することができ、搬送槽内に粉体を吸引する時間、及びその準備時間を短縮することで、現像装置等への単位時間当たりの供給量を多くすることができる。
このように、本発明は、従来から公知な発明、例えば特許文献1と同様に、粉体に与える熱ストレスを最小限にしながらも粉体を搬送でき、かつ、短時間で搬送槽内の負圧を高くすることができる。加えて、負圧発生制御と粉体排出制御とを同時に開始するので、負圧室内の負圧の発生、搬送槽内への粉体吸引、搬送槽内の粉体排出という粉体搬送装置の一連の動作時間を短縮できる。したがって、従来から公知な発明に比べ、一連の動作時間を短縮することで、新たな部品を追加したり、製造コストを高くしたりすることがなく、現像装置等への単位時間あたりの供給量を、より増加させることもできる。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、粉体の搬送に搬送槽の負圧を用いることで、粉体に与える熱ストレスを最小限にすることができる。さらに、負圧室内の負圧を高くし、かつ、粉体搬送装置の一連の動作に係る時間を短縮することで、新たな部品を追加したり、製造コストを高くしたりすることがなく、現像装置等への単位時間あたりの供給量を増加させることもできる。よって、印刷速度が高い画像形成装置に適用可能な、被搬送物としての粉体に与える熱ストレスが少なく、製造コストが安い粉体搬送装置、及びこの粉体搬送装置を備えた画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施の形態に係る画像形成装置の概略構成図。
【図2】画像形成部の概略構成図。
【図3】実施例1に係る粉体搬送装置の構成を示す説明図。
【図4】トナー供給制御の別例に係る負圧室内の圧力の経時変化を示す説明図。
【図5】従来の動作制御の場合と、トナー排出制御と負圧発生制御を同時に開始する場合のタイミングチャート。
【図6】トナー供給制御で搬送槽の負圧に、吸引ポンプの吸引力も加える場合と、トナー排出制御と負圧発生制御を同時に開始し、かつ、トナー供給制御で搬送槽の負圧に、吸引ポンプの吸引力も加える場合のタイミングチャート。
【図7】実施例2に係る粉体搬送装置の構成を示す説明図。
【図8】実施例3に係る粉体搬送装置の構成を示す説明図。
【図9】実施例4に係る吸引ポンプの構成を示す説明図。
【図10】従来の粉体搬送装置の一例の構成を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を適用した粉体搬送装置を備えた画像形成装置として、複数の感光体が横方向に配設されたタンデム型のカラー画像形成装置(以下、単に「画像形成装置」という)の一実施の形態について、実施例を挙げて説明する。図1は、本実施の形態に係る画像形成装置の概略構成図、図2は、画像形成部の概略構成図である。図3は、実施例1に係る粉体搬送装置の構成を示す説明図。図4は、トナー供給制御の別例に係る負圧室内の圧力の経時変化を示す説明図である。図5は、従来の動作制御の場合と、トナー排出制御と負圧発生制御を同時に開始する別例とした場合のタイミングチャートである。図6は、トナー供給制御が別例の場合と、トナー排出制御と負圧発生制御を同時に開始し、かつ、トナー供給制御を別例とした場合のタイミングチャートである。図7は、実施例2に係る吸引ポンプの構成を示す説明図、図8は、実施例3に係る粉体搬送装置の構成を示す説明図、図9は、実施例4に係る吸引ポンプの構成を示す説明図である。
【0015】
この画像形成装置は、図1に示すように、その中央に転写紙8を搬送する搬送ベルト15が設けられている。搬送ベルト15上方には、紙搬送方向上流側から順に、黒(K)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、シアン(C)の各色画像を形成する4つの画像形成部であるプロセスカートリッジ7K、7M、7Y、7Cが並べて配置され、これらのタンデム画像形成部が搬送ベルト15に対向している。ここで、色の順序はこの限りではなく、例えば、黒(K)を最下流に配置し、M,Y,C,Kの順に作像することも可能である。
【0016】
この搬送ベルト15は、一方が駆動ローラ、他方が従動ローラとなる支持ローラ26、27に掛け渡された無端状ベルトであり、支持ローラ26、27の回転により図中反時計回り方向に回転移動する。搬送ベルト15の下方には転写紙8が収納された給紙トレイ20、21、22が備えられている。
【0017】
プロセスカートリッジ7K、7M、7Y、7Cは、それぞれ像担持体としてのドラム状の感光体1K、1M、1Y、1Cを有している。各感光体1K、1M、1Y、1Cの周りには、後述する帯電装置2、現像装置13、クリーニング装置6、粉体搬送装置35等をそれぞれ有している。また、各プロセスカートリッジの上方には、露光装置16が各感光体ごとに設けられている。
【0018】
また、搬送ベルト15のプロセスカートリッジ7K、7M、7Y、7Cと対向する内側には、4つの転写装置5K、5M、5Y、5Cがそれぞれ配設されている。この転写装置5K、5M、5Y、5Cは、図示しない電源から転写バイアスが印加され、プロセスカートリッジ7K、7M、7Y、7Cで各感光体1K、1M、1Y、1C上に形成された各トナー像を搬送ベルト15に搬送される転写紙8上に転写する。また、搬送ベルト15の図中左方には、転写紙8上に転写されたトナー像を定着する定着装置24が設けられている。
【0019】
この画像形成装置では、画像形成時に、例えば、給紙トレイ20に収納された転写紙8のうち、最上位置にある転写紙8が送り出されてレジストローラ23で一旦待機させられる。そして、プロセスカートリッジ7K、7M、7Y、7Cにおける画像形成とタイミングを合わせて送り出され、静電吸着により搬送ベルト15に吸着される。搬送ベルト15に吸着された転写紙8は最初のプロセスカートリッジ7Kに搬送され、転写装置5Kにより感光体1K上に形成された黒のトナー像が転写される。搬送ベルト15に吸着された転写紙8は、次のプロセスカートリッジ7Mに搬送され、転写装置5Mにより感光体1M上に形成されたマゼンタのトナー像が、転写紙8上に既に形成されている黒トナー像に重ねて転写される。さらに、転写紙8は次のプロセスカートリッジ7Yに搬送され、転写装置5Yにより感光体1Y上に形成されたイエローのトナー像が、転写紙8上に既に形成されている黒トナー像、マゼンタトナー像に重ねて転写される。同様にして、次のプロセスカートリッジ7Cでは、シアンのトナー像が重ね転写されて、転写紙8上に4色重ね合わせトナー像であるフルカラーの重ね画像が得られる。こうしてフルカラーの重ね画像が形成された転写紙8は、プロセスカートリッジ7Cを通過した後、搬送ベルト15から剥離されてから定着装置24で一対の定着ローラ間を通過する間に定着された後、排紙トレイ25へ排紙される。
【0020】
次に、プロセスカートリッジ7K、7M、7Y、7Cについて説明する。なお、4つのプロセスカートリッジ7K、7M、7Y、7Cは、それぞれ扱うトナーの色が異なる点の他は、ほぼ同様の構成になっているので、以下、添字を省略して、プロセスカートリッジ7として説明する。
【0021】
図2は、プロセスカートリッジ7の概略構成図である。プロセスカートリッジ7は、ドラム状の感光体1の周りに、帯電装置2、現像装置13、クリーニング装置6、粉体搬送装置35等を備えている。また、本実施の形態のプロセスカートリッジ7は、画像形成装置本体に対して脱着可能に設けられている。
【0022】
感光体1は、広く電写真方式の画像形成装置で用いられているもの特段異なる点はなく、その表面を帯電装置2により一様帯電された後、図2では図示を省略した露光装置16からの書込露光Lにより露光されて静電潜像が形成される。また、図2では、帯電装置2は感光体1と同速度で回転される回転体からなるが、回転体に限らずコロナ放電タイプでもよい。
【0023】
現像装置13は、主に、現像容器14と、現像剤30を現像容器14内で撹拌・搬送する攪拌スクリュ19、18と、現像ローラ28と、現像ローラ28に担持する現像剤30の量を規制する現像剤層厚規制部材9とからなる。
【0024】
現像容器14は、その一部には開口部を形成し、現像ローラ28の一部が露出して感光体1に近接対向するように配置し、感光体1の表面に形成された静電潜像にトナー36を供給して現像を行う現像領域Aを形成する。そして、現像ローラ28に近い側の攪拌スクリュ19と、現像ローラ28から離れた側の攪拌スクリュ18とは、現像容器14内に設けられた隔壁29により、その現像剤収容部が隔てられている。この隔壁29の各搬送部材の両端部近傍の部分には開口が設けられ、撹拌・搬送される現像剤30が、現像ローラ28に近い側の攪拌スクリュ19の現像剤搬送方向下流側から、現像ローラ28から離れた側の攪拌スクリュ18の現像剤搬送方向上流側へ搬送される。また、撹拌・搬送される現像剤30が、現像ローラ28から離れた側の攪拌スクリュ18の現像剤搬送方向下流側から、現像ローラ28に近い側の攪拌スクリュ19の現像剤搬送方向上流側へ搬送される。また、現像ローラ28から離れた側の攪拌スクリュ18が設けられた現像剤収容部の現像剤搬送方向上流側には、供給孔37(図2には、不図示)が設けられ、詳しくは後述する粉体搬送装置から供給されるトナー36を受入れる。
【0025】
現像ローラ28は、現像スリーブ28aと、現像スリーブ28aの内部に設けられた円周方向に複数の磁石MGを配置したマグネットローラ28bとからなる。そして、マグネットローラ28bの周囲を円筒状の現像スリーブ28aが回転軸28cと一体的に回転する構成となっている。また、現像スリーブ28aはアルミ等の非磁性の金属で形成されている。マグネットローラ28bは、各磁石MGが所定の方向を向くように不動部材、例えば、現像容器14に固定されており、その周囲を現像スリーブ28aが回転して、磁石MGにより引き付けた現像剤30を搬送していく。そして、現像容器14の開口部の現像剤30の搬送方向上流側に設けられた現像剤層厚規制部材9により搬送する現像剤30の量を規制されて、表面移動することにより担持した現像剤30を現像領域Aまで搬送する。また、現像スリーブ28aには図示しない電源より現像バイアスが印加されており、感光体1上の静電潜像と、現像ローラ28との間に電位差である現像ポテンシャルが形成される。この現像ポテンシャルにより現像ローラ28上の現像剤30からのトナー36が感光体1の静電潜像に転移することで、静電潜像が現像されてトナー像が形成される。
【0026】
このように構成された現像装置13では、現像ローラ28に近い側の攪拌スクリュ19は、撹拌・搬送する現像剤30を現像ローラ28に供給するとともに、現像に供されなかった現像剤30を回収する。そして、回収された現像剤30は、現像ローラ28に近い側の攪拌スクリュ19と、現像ローラ28から離れた側の攪拌スクリュ18とが設けられた、それぞれの現像剤収容部を循環して撹拌・搬送される。感光体1と現像ローラ28とが対向する現像領域Aを一度通過して回収された現像剤30は、撹拌・搬送されている間に、現像ローラ28から離れた側の現像剤収容部の現像剤搬送方向の上流側で補給されたトナー36と適切に攪拌される。そして、このトナー36が補給された現像剤30は、現像剤収容部内を攪拌スクリュ19、18により撹拌・搬送されることで、必要な帯電量を与えられてから再度現像領域に供給されるため、画像濃度が安定する。
【0027】
その後、感光体1上に形成されたトナー像は、転写装置5と対向する転写領域Bまで移動し、転写装置5により搬送ベルト15が搬送する転写紙8上にトナー像を転写する。また、図2では、転写装置5は回転体からなるが、回転体に限らずコロナ放電タイプでもよい。そして、トナー像転写後の感光体1はクリーニング装置6により転写紙8に転写し切れずに感光体1の表面に残ったトナーをクリーニングされ、次の画像形成工程に備えることとなる。
【0028】
また、本発明は、感光体1上のトナー像を中間転写体(中間転写ベルトなど)にいったん転写し、その後多色トナーを一括して転写紙に転写する中間転写ベルト方式にも適用は可能であり、その場合は転写領域Bで感光体1上のトナーを中間転写体(中間転写ベルト)に転写することになる。
【0029】
次に、本発明の特徴部である粉体搬送装置35の、実施例について説明する。
【0030】
(実施例1)
本実施の形態の画像形成装置に備える粉体搬送装置35の一例である、実施例1について図3を用いて説明する。本実施例の粉体搬送装置35は、図3に示すように、粉体収容部としてのトナー容器40と、搬送槽41と、気体吸引装置としての吸引ポンプ43と、負圧室82とを備えている。また、配管部44と、吸引口連結管45と、負圧室連結管100と、排出管46と、出口部開閉装置47と、吸引口開閉装置93と、負圧室開閉装置96とを備えている。さらに、各装置等を制御する制御装置48も備えている。
【0031】
まず、本実施例に係る粉体搬送装置35の構成から説明する。ここで、本実施例の粉体搬送装置35の制御装置48を除く各装置等の配置は、上方から次のように接続されている。吸引ポンプ43は、負圧室連結管100を介して、負圧室82に接続され、負圧室82は吸引口連結管45を介して搬送槽41に接続されており、搬送槽41の側面にはトナー容器40が配管部44を介して接続されている。そして、搬送槽41は排出管46を介して現像装置13の収容槽17に接続されている。以下、各装置等の配置順に、それぞれの構成を説明する。
【0032】
吸引ポンプ43は、ダイヤフラム式ポンプであり、ポンプ容器112と、ダイヤフラム111と、ポンプ駆動装置60とを備えている。ポンプ容器112の底部には、ポンプ吸引口63と、ポンプ吸引口63に取り付けられた吸引側弁101と、ポンプ排出口102、ポンプ排出口102に取り付けられた排出側弁103とが設けられている。吸引側弁101は、ポンプ容器112のポンプ吸引口63の上部を覆うように一端側をポンプ容器112に固定して設けられ、気体である空気(以下、単に空気という)がポンプ容器112に流入する場合のみ他端側が上方に変形して開く構造となっている。また、排出側弁103は、ポンプ容器112の下部に形成さられたポンプ排出口102の内部の拡幅部分に設けられ、ポンプ容器112のポンプ排出口102の上部の孔を下方から覆うように一端側をポンプ容器112に固定して設けられている。また、空気がポンプ容器112から流出する場合のみ、他端側が下方に変形して開く構造となっている。そして、制御装置48の制御により、吸引ポンプ43を駆動させて、ポンプ駆動装置60によりダイヤフラム111を往復運動させることで、ポンプ吸引口63から空気を吸引し、ポンプ排出口102から空気を吐出することが出来る。ここで、吸引ポンプ43の最大流量は1〜8リットル/分、最大到達真空度は−20〜−80kPaである。また、ダイヤフラム式ポンプは、他の様々な用途にも使用される一般的なポンプであり、かつ上述したように構成部品が少ないため、購入する場合の価格が低く、製造する場合でも製造コストが低い。
【0033】
負圧室連結管100は、ゴムなどの弾性材料で構成され、円筒状に形成されている。そして、負圧室連結管100の一端は吸引ポンプ43の下部に設けられたポンプ吸引口63の周りに固定され、他端は負圧室82の上部に設けられた貫通孔88の周りに固定されている。このようにして、負圧室連結管100は、吸引ポンプ43と負圧室82とを連結している。また、この負圧室連結管100には、負圧室連結管100内を開閉自在な負圧室開閉手段である負圧室開閉装置96が設けられている。
【0034】
負圧室開閉装置96は、互いに接離(近づいたり離れたりすることをいう)自在に設けられた一対の挟持部材70と、開閉手段としての開閉駆動源98とを備えている。挟持部材70は、互いの間に負圧室連結管100の中央部を位置付けている。負圧室開閉装置96は、一対の挟持部材70を互いに接離させる。挟持部材70は、互いに近づけられると、互いの間に負圧室連結管100を挟んで押しつぶすようにして、この負圧室連結管100内を密閉する。また、挟持部材70は、互いに離れると、負圧室連結管100内を開放する。このようにして、開閉駆動源98は、負圧室連結管100内を開閉する。すなわち、負圧室開閉装置96は、負圧室連結管100内を開閉自在としている。また、吸引口開閉装置93、出口部開閉装置47も負圧室開閉装置96と同様の構成であり、開閉駆動源95は吸引口連結管45内を、開閉駆動源71は排出管46内を、それぞれ開閉自在としている。そして、各開閉手段は、制御装置48の制御により、それぞれの開閉を制御されている。
【0035】
負圧室82は、その上部に負圧室連結管100を介して吸引ポンプ43に接続される貫通孔88と、その下部に吸引口連結管45を介して搬送槽41に接続される貫通孔104を備え、その容量は20〜300ccである。また、負圧室82は、吸引ポンプ43の駆動により負圧を発生された後、負圧室連結管100と吸引口連結管45とを、それぞれの開閉手段により閉じ、再びいずれかの連結管内が開かれるまで、発生した負圧を維持できるように構成されている。
【0036】
吸引口連結管45は、ゴムなどの弾性材料で構成され、円筒状に形成されている。そして、一端が負圧室82の下部に設けられた貫通孔104周りに固定され、他端が搬送槽41に設けられた吸引口51の周りに固定されている。このようにして、吸引口連結管45は、搬送槽41と負圧室82とを連結している。また、この吸引口連結管45には、吸引口連結管45内を開閉自在な負圧室開閉手段である負圧室開閉装置96が設けられている。この負圧室開閉装置96は、上述したように、負圧室開閉装置96と同様に構成されており、制御装置48の制御により、その開閉を制御されている。
【0037】
搬送槽41は、その上部に吸引口連結管45を介して負圧室82に接続される吸引口51と、その一側面の上部に配管部44を介してトナー容器40に接続される入口部49とを備えている。さらに、その下部に排出管46を介して現像装置13の収容槽17に接続される出口部50を備えている。この搬送槽41は、負圧室82内の負圧との圧力差を用いて、その内部を負圧化されて、トナー容器40内に収容されたトナー36を吸引した後、出口部50から現像装置13の収容槽17へトナー36を供給する。
【0038】
配管部44は、ゴムなどの弾性材料で構成され、管状に形成されるとともに、内側にトナー36を流す流路が形成されている。そして、一端が搬送槽41の一側面の上部に設けられた入口部49に固定されており、他端はトナー容器40に一体に形成されている。
【0039】
トナー容器40は、内部の空間が密閉され、その内部に粉体であるトナー36を収容し、その一側面に一体に形成されている配管部44を介して搬送槽41に接続されている。このトナー容器40は、負圧室82内の負圧と搬送槽41内の圧力差を用いて、トナー容器40内に収容されたトナー36を空気とともに吸引することで、トナー36が供給される。そして、出口部50から現像装置13の収容槽17へトナー36を排出する。
【0040】
排出管46は、ゴムなどの弾性材料で構成され、円筒状に形成されている。そして、一端が搬送槽41に設けられた出口部50の周りに固定され、他端が現像装置13の収容槽17に設けられた供給孔37の周りに固定されている。このようにして、排出管46は、搬送槽41と現像装置13の収容槽17とを連結している。また、この排出管46には、排出管46内を開閉自在な出口部開閉手段である出口部開閉装置47が設けられている。この出口部開閉装置47は、上述したように、負圧室開閉装置96と同様に構成されており、制御装置48の制御により、その開閉を制御されている。
【0041】
現像装置13の収容槽17は、この現像装置13内の現像剤を撹拌・搬送する2つの現像剤の収容槽における、トナー補給口である供給孔37が設けられた側の収容槽である。この収容槽17は、その上部の一端に排出管46を介して搬送槽41に接続される供給孔37を設けている。そして、その内部には現像剤を撹拌・搬送するの攪拌スクリュ18を備えている。
【0042】
制御装置48は、周知のRAM、ROM、CPUなどを備えたコンピュータである。この制御装置48は、吸引ポンプ43と、出口部開閉装置47と、吸引口開閉装置93と、負圧室開閉装置96とに接続されている。そして、本発明に係る粉体搬送装置を用いる画像形成装置の制御部(不図示)と相互に制御信号の通信を行い、画像形成装置の制御部の現像装置13へのトナー36の補給信号、各センサの検知結果等に基づき、各装置等の動作を制御して、粉体搬送装置35の制御をつかさどっている。また、本実例では、制御装置48を粉体搬送装置35に備える例について説明するが、これに限定されるものではなく、本発明に係る粉体搬送装置を備える画像形成装置等の制御部で、兼用する構成でもよい。また、その配置位置も、組み付け易さ、メインテナンス性、周辺温度環境等の条件を満たす位置であれば、特に限定されるものではない。
【0043】
次に、本実施例に係る粉体搬送装置35の動作について、制御装置48の制御に基づいて説明する。制御装置48の制御は、主に、次の3つの動作制御に大別することができる。負圧室82内に負圧を発生させる動作制御(以下、負圧発生制御という)、搬送槽41にトナー容器40からトナー36を供給する動作制御(以下、トナー供給制御という)。そして、現像装置13の収容槽17に搬送槽41からトナー36を排出(供給)する動作制御(以下、トナー排出制御という)である。そして、これら一連の動作制御が繰り返し行われることとなる。また、実際の動作制御においては、各動作制御に移行する場合に、待機が生じる場合もある。以下の説明においては、既に、搬送槽41にトナー36が供給されており、画像形成装置の制御部から、現像装置13へのトナー36を補給信号が、制御装置48に通信された以降の動作制御の順に説明する。
【0044】
(トナー排出制御)
トナー供給制御では、制御装置48は、トナー容器40から搬送槽41に供給されたトナー36を、搬送槽41の出口部50から排出させる場合に、次のような制御を行なう。制御装置48は、出口部開閉装置47により排出管46内を開けさせる。この開けさせた排出管46を介して、搬送槽41の出口部50からトナー36を現像装置13の収容槽17へと排出(供給)する。そして、トナー容器40から搬送槽41に供給された搬送槽41内のトナー36が、出口部50から全て排出さるか、現像装置13内のトナー濃度が所定の濃度に達したら、出口部開閉装置47により排出管46内を閉じさせて、負圧発生制御に移行する。
【0045】
また、上述したトナー排出制御の例では、他の動作制御と重複していない。しかし、トナー排出制御は、他の動作制御と重複しない制御に限定されるものではなく、例えば、次のように制御しても良い。
【0046】
別のトナー排出制御の例では、制御装置48は、先に説明したトナー排出制御の例と異なり、トナー排出制御を開始すると同時に、詳しくは後述する負圧発生制御も開始する。具体的には、制御装置48は、出口部開閉装置47により排出管46内を開かせるとともに、吸引口開閉装置93により吸引口連結管45内を閉じさせ、かつ、負圧室開閉装置96により負圧室連結管100内を開けさせる。
【0047】
この状態で、吸引ポンプ43を駆動させる。このように、トナー排出制御と負圧発生制御とを同時に開始することで、トナー36の搬送に係る一連の動作時間を短縮できる。ここで、一連の動作時間とは、一連の動作制御に基づいた粉体搬送装置35のトナー36の搬送に係る動作時間である。このように、一連の動作時間を短縮することで、新たな部品を追加したり、製造コストを高くしたりすることがなく、現像装置13への単位時間あたりのトナー36の供給量を増加させることができる。また、この別例では、トナー排出制御と負圧発生制御のいずれもが完了した時点で、トナー供給制御に移行する。
【0048】
(負圧発生制御)
負圧発生制御では、制御装置48は、負圧室82内を予め定めた負圧状態にする場合に、次のような制御を行なう。制御装置48は、吸引口開閉装置93により吸引口連結管45内を閉じさせ、かつ、負圧室開閉装置96により負圧室連結管100内を開けさせた状態で、吸引ポンプ43を駆動させる。そして、吸引ポンプ43を駆動させることで、負圧室82内の空気を吸引して、負圧室82内に負圧を発生させる。そして、負圧室82内の負圧状態が予め定めた負圧状態、例えば負圧室82内の圧力が−20〜−60kPaになったら、吸引ポンプ43の駆動を停止させ、負圧室開閉装置96により負圧室連結管100内も閉じさせて、トナー供給制御に移行する。ただし、負圧発生制御が完了した後、移行するトナー供給制御が、後述するトナー供給制御の別例のような動作制御である場合には、この限りではない。これは、後述するトナー供給制御の別例では、トナー排出制御により出口部開閉装置47により排出管46内を閉じられた状態で、吸引口連結管45内と負圧室連結管100内を開き、かつ、吸引ポンプ43を駆動させるためである。このため、トナー排出制御により排出管46内を閉じられた状態あれば、負圧室82内を予め定めた負圧状態になった時点で、吸引口連結管45内を閉じず、吸引ポンプ43を駆動したまま、トナー供給制御(別例)に移行する方が好ましい。また、負圧室82内の負圧状態が予め定めた負圧状態になったか否かの判断は、負圧室82内の圧を計測しての判断でも、予め実験等により所定の圧力になる時間を求めておき、この求めた時間を経過したか否かの判断でも良い。
【0049】
このように、吸引口連結管45内を閉じさせた状態で、負圧室82内に負圧を発生させるので、トナー36を吸引することなく、負圧室82内の空気のみ吸引でき、短時間で負圧室82内の負圧を高くできる。
【0050】
また、上述した負圧発生制御の例では、他の動作制御と重複していない。しかし、負圧発生制御は、他の動作制御と重複しない制御に限定されるものではなく、上述したトナー排出制御の別例ように、トナー排出制御と負圧発生制御とを同時に開始する制御としても良い。
【0051】
別の負圧発生制御の例では、制御装置48は、先に説明した負圧発生制御の例と異なり、負圧発生制御を開始すると同時に、トナー排出制御も開始する。言い換えると、トナー容器40から搬送槽41に供給されたトナー36を、搬送槽41の出口部50から排出するトナー排出制御を開始する際に、同時に負圧発生制御も開始する。具体的には、制御装置48は、出口部開閉装置47により排出管46内を開かせるとともに、吸引口開閉装置93により吸引口連結管45内を閉じさせ、かつ、負圧室開閉装置96により負圧室連結管100内を開けさせる。この状態で、吸引ポンプ43を駆動させる。
【0052】
そして、負圧室82内の負圧状態が予め定めた負圧状態、例えば負圧室82内の圧力が−20〜−60kPaになったら、吸引ポンプ43の駆動を停止させ、負圧室開閉装置96により負圧室連結管100内も閉じさせる。また、トナー排出制御においては、トナー容器40から搬送槽41に供給された搬送槽41内のトナー36が、出口部50から全て排出さるか、現像装置13内のトナー濃度が所定の濃度に達したら、出口部開閉装置47により排出管46内を閉じさせる。また、この別例では、トナー排出制御と負圧発生制御のいずれもが完了した時点で、トナー供給制御に移行する。
【0053】
このように、トナー排出制御と負圧発生制御とを同時に開始することで、先に説明した負圧発生制御の作用・効果に加え、トナー排出制御の別例と同様な作用・効果も奏することができる。
【0054】
また、先に説明した負圧発生制御、又は負圧発生制御の別例においては、トナー排出制御により出口部開閉装置47で排出管46内を閉じられるまで、基本的には吸引口連結管45内と負圧室連結管100内を閉じた状態を維持する。吸引口連結管45内と負圧室連結管100内を閉じた状態を維持することで、負圧室82内への空気の流出入を無くすことができ、後述するトナー供給制御を開始するまで、負圧室82内の負圧状態を維持することができる。
【0055】
ただし、負圧室82内が予め定めた負圧状態になった後に、トナー排出制御により出口部開閉装置47により排出管46内を閉じられるまで、吸引口連結管45内と負圧室連結管100内とを閉じた状態の維持を、必ず要するものではない。つまり、トナー排出制御により出口部開閉装置47で排出管46内を閉じさせるタイミングと、負圧発生制御により負圧室開閉装置96で負圧室連結管100内も閉じさせるタイミングとは順序を問わない。例えば、トナー36の出口部50からの排出が十分であっても、負圧室82内の負圧状態が予め定められた負圧状態になっていない場合等が想定される。
【0056】
(トナー供給制御)
トナー供給制御では、制御装置48は、トナー容器40から搬送槽41にトナー36を供給させる際に、次のような制御を行なう。制御装置48は、出口部開閉装置47により排出管46内を閉じさせた状態で、吸引口開閉装置93により吸引口連結管45内を開けさせる。そして、搬送槽41内に所定量のトナー36が供給されたら、吸引口開閉装置93により吸引口連結管45内を閉じさせる制御を行う。ここで、搬送槽41内に所定量のトナー36が供給されたか否かの判断は、トナー量を検知しての判断でも、予め実験等で定めた時間を経過したか否かでの判断でも良い。また、負圧室82内の、吸引口連結管45内を開た後の圧力を計測し、吸引口連結管45内を開く前に計測した圧力との差が、予め実験等で定めた圧力差よりも上昇したか否かでも良い。
【0057】
このように、搬送槽41内と負圧室82内との負圧との圧力差を用いて、搬送槽41内を負圧化することで、トナー容器40内のトナー36を空気とともに、搬送槽41内に吸引できる。搬送槽41内を負圧化して、この搬送槽41内にトナー容器40から空気とともにトナー36を吸引することで、トナー36が供給されている。すなわち、搬送槽41内にトナー36を吸引するために、搬送槽41内に負圧を発生させている。さらに、搬送槽41内に負圧を発生させるための吸引ポンプ43を搬送槽41の外部に設けている。したがって、吸引ポンプ43から発生する熱がトナー36に伝わることを防止できるとともに、負圧により搬送槽41内にトナー36を吸引するので、トナー36をすり潰すことなく、搬送槽41内に吸引することができる。よって、トナー36に与える熱ストレスを最小限にしながらも、トナー36を搬送することができる。
【0058】
また、出口部開閉装置47により排出管46内を閉じさせた状態で、吸引口連結管45内を開て、負圧室82内の負圧を用いて搬送槽41内に負圧を発生させるので、短時間で搬送槽41内の負圧を高くすることができる。したがって、短時間で搬送槽41内に多くのトナー36を吸引することができ、搬送槽41内にトナー36を吸引する時間、及びその準備時間を短縮でき、現像装置13への単位時間当たりのトナー36の供給量を多くすることができる。そして、本実施例の構成では、1回のトナー供給制御で1〜12gのトナー36を吸引することができた。
【0059】
また、上述したトナー供給制御の例では、負圧室開閉装置96により負圧室連結管100内を閉じさせた状態を維持している。しかし、トナー供給制御においては、負圧室連結管100内を閉じさせた状態を維持して、トナー容器40内のトナー36を搬送槽41内に供給することに限定されるものではなく、例えば、次のように制御しても良い。
【0060】
別のトナー供給制御の例では、制御装置48は、出口部開閉装置47により出口部50を閉じさせた状態で、吸引口開閉装置93により吸引口連結管45内を開けさせる。それと同時に、負圧室開閉装置96により負圧室連結管100内を開けさせ、かつ、吸引ポンプ43を駆動させる。そして、搬送槽41内に所定量のトナー36が供給されたら、吸引ポンプ43の駆動を停止させる制御を行う。また、吸引ポンプ43の駆動を停止させる制御と同時に、吸引口開閉装置93により吸引口連結管45内を、負圧室開閉装置96により負圧室連結管100内を閉じさせる制御も行う。ここで、搬送槽41内に所定量のトナー36が供給されたか否かの判断は、先に説明したトナー供給制御の例と同様であるので、その説明を省略する。
【0061】
このようにトナー供給制御を行うことで、搬送槽41内に負圧を発生させる、搬送槽41内と負圧室82内との圧力差に、吸引ポンプ43による気体吸引力も加えることができる。吸引ポンプ43による気体吸引力を加えることで、先に説明したトナー供給制御に比べ、搬送槽41内の負圧低下による吸引量低下を低減でき、より多くのトナー36を吸引することができる。そして、本実施例の構成では、1回のトナー供給制御で1〜18gのトナー36を吸引することができた。
【0062】
ここで、図4に、トナー吸引時おける、先に説明したトナー供給制御の吸引ポンプ43を駆動しなかった場合と、別例として説明したトナー供給制御の吸引ポンプ43を駆動した場合との搬送槽41内の圧力の経時変化を示す。図4に示すように、吸引ポンプ43を駆動しなかった場合に比べて、吸引ポンプ43を駆動した場合は、トナー吸引時における搬送槽41内の負圧値の低下が低減するため、搬送槽41内へのトナー36の吸引量が5〜50%増加した。
【0063】
このように、トナー容器40から搬送槽41内に吸引するトナー36の供給量をさらに多くすることで、新たな部品を追加したり、製造コストを高くしたりすることがなく、現像装置13への単位時間あたりのトナー36の供給量を増加させることができる。
【0064】
また、負圧発生制御でも上述したように、トナー排出制御により排出管46内を閉じられた状態で、負圧発生制御で負圧室82内を予め定めた負圧状態になった時点で、このトナー供給制御に移行するように構成しても良い。このように構成することで、負圧発生制御の開始時には、負圧室連結管100内は開き、吸引ポンプ43は駆動したまま移行されるので、吸引口開閉装置93により吸引口連結管45内を開けさせるのみとなる。したがって、少なくとも、吸引ポンプ43の駆動開始時における気体吸引圧の立ち上がりに要する時間を短縮することができ、より多くのトナー36を、トナー容器40から搬送槽41に吸引することができる。また、負圧発生制御において、負圧室開閉装置96により負圧室連結管100内も閉じさせるのに要する時間も短縮することができる。
【0065】
(待機)
そして、搬送槽41内に所定量のトナー36が供給され、トナー供給制御が完了した後、現像装置13へトナー36を補給する必要が生じ、トナー排出制御に移行するまで待機を要する場合がある。この待機時には、吸引ポンプ43の駆動が停止させられているとともに、吸引口連結管45内、負圧室連結管100内、及び排出管46内は閉じられた状態が維持されている。
【0066】
ただし、本実施例の粉体搬送装置35では、トナー排出制御に移行するまでに、必ず待機を要するものではない。例えば、1サイクルのトナー36の排出では、現像装置13内のトナー濃度を所定の濃度にできない場合等が挙げられる。このような場合には、トナー供給制御が完了した時点で、待機することなく、トナー排出制御に移行し、連続的に現像装置13へトナー36を補給するため、一連の動作制御を繰り返す。
【0067】
ここで、従来の動作制御の例と、上述した本実施例における制御装置48の特徴的な3つの例の各開閉手段の開・閉と、ポンプのON・OFFのタイミングについて、タイミングチャートを用いて、より分かり易く説明する。図5(a)は、従来の動作制御の場合、図5(b)は、トナー排出制御と負圧発生制御を同時に開始する別例の場合のタイミングチャートである。また、図6(a)は、トナー供給制御で搬送槽41内の負圧に、吸引ポンプ43の吸引力も加える別例の場合、図6(b)は、トナー排出制御と負圧発生制御を同時に開始し、かつ、トナー供給制御で搬送槽41内の負圧に、吸引ポンプ43の吸引力も加える別例同士を組み合わせた場合のタイミングチャートである。
【0068】
これらのタイミングチャートでは説明の関係上、従来のトナー排出制御とトナー供給制御が2ステップ分で記載し、他の動作制御と待機については1ステップとして記載している。また、画像形成装置の制御部から、現像装置13へのトナー36を補給信号が、制御装置48に通信されるまでは、各開閉手段は閉じられ、吸引ポンプ43はOFFされた状態から開始されるものとして説明する。
【0069】
従来の動作制御では、図5(a)のタイミングチャートに示すように、まず、現像装置13へのトナー36を補給信号を受信すると、トナー排出制御を開始し、出口部開閉装置47を開ける。2ステップ分経過した後、出口部開閉装置47を閉じた後、負圧発生制御を開始する。負圧発生制御では、負圧室開閉装置96を開けさせ、かつ、吸引ポンプ43をONさせる。そして、1ステップ分経過した後、負圧室開閉装置96を閉じ、かつ、吸引ポンプ43をOFFさせて、トナー供給制御に移行する。トナー供給制御では、吸引口開閉装置93を開けさせ、1ステップ分経過した後、吸引口開閉装置93を閉じさせ、待機に移行する。
【0070】
トナー排出制御と負圧発生制御を同時に開始する別例の場合では、図5(b)のタイミングチャートに示すように、まず、現像装置13へのトナー36を補給信号を受信すると、トナー排出制御と負圧発生制御を同時に開始する。つまり、出口部開閉装置47と負圧室開閉装置96を開けさせ、かつ、吸引ポンプ43をONさせる。そして、1ステップ分経過した後、負圧室開閉装置96を閉じさせ、かつ、吸引ポンプ43をOFFさせる。さらに1ステップ分経過した後、出口部開閉装置47を閉じさせ、トナー供給制御に移行する。トナー供給制御では、吸引口開閉装置93を開けさせ、1ステップ分経過した後、吸引口開閉装置93を閉じさせ、待機に移行する。
【0071】
トナー供給制御で搬送槽41内の負圧に、吸引ポンプ43の吸引力も加える別例の場合では、図6(a)のタイミングチャートに示すように、まず、現像装置13へのトナー36を補給信号を受信する。すると、トナー排出制御を開始し、出口部開閉装置47を開ける。2ステップ分経過した後、出口部開閉装置47を閉じた後、負圧発生制御を開始する。負圧発生制御では、負圧室開閉装置96を開けさせ、かつ、吸引ポンプ43をONさせる。そして、1ステップ分経過した後、トナー供給制御に移行する。トナー供給制御では、吸引口開閉装置93を開けさせ、1ステップ分経過した後、負圧室開閉装置96と吸引口開閉装置93を閉じさせ、かつ、吸引ポンプ43をOFFさせて、待機に移行する。
【0072】
トナー排出制御と負圧発生制御を同時に開始し、かつ、トナー供給制御で搬送槽41内の負圧に、吸引ポンプ43の吸引力も加える別例同士を組み合わせた場合では、図6(b)のタイミングチャートに示すように、まず、現像装置13へのトナー36を補給信号を受信する。すると、トナー排出制御と負圧発生制御を同時に開始する。つまり、出口部開閉装置47と負圧室開閉装置96を開けさせ、かつ、吸引ポンプ43をONさせる。そして、1ステップ分経過した後、負圧室開閉装置96を閉じさせ、かつ、吸引ポンプ43をOFFさせる。さらに1ステップ分経過した後、出口部開閉装置47を閉じさせ、トナー供給制御に移行する。トナー供給制御では、負圧室開閉装置96と吸引口開閉装置93を開けさせ、かつ、吸引ポンプ43をONさせる。そして、1ステップ分経過した後、負圧室開閉装置96と吸引口開閉装置93を閉じさせ、かつ、吸引ポンプ43をOFFさせて、待機に移行する。
【0073】
(実施例2)
次に、本実施の形態の画像形成装置に備える粉体搬送装置35の一例である、実施例2について図7を用いて説明する。本実施例の粉体搬送装置35は、実施例1の構成に加え、軸芯回りに回転することで搬送槽41内のトナー36を入口部49から出口部50に向かって搬送する搬送部材である搬送スクリュ42を、搬送槽41内に有した回転搬送手段を備えている。そして、他の構成は同一であるので、実施例1と同一な構成、作用・効果についての説明は適宜省略して説明する。
【0074】
まず、本実施例の搬送槽41、及び回転搬送手段の構成から説明する。本実施例の搬送槽41は、実施例1の搬送槽と同様に、その上部に吸引口連結管45を介して負圧室82に接続される吸引口51と、その一側面の上部に配管部44を介してトナー容器40に接続される入口部49とを備えている。また、その下部に排出管46を介して現像装置13の収容槽17に接続される出口部50を備えている。そして、回転搬送手段は、図7に示すように、搬送槽41の内部に設けられた搬送部材としての搬送スクリュ42と、搬送槽41の外部に設けられたスクリュ駆動装置115とからなる。そして、制御装置48の制御により、回転搬送手段のスクリュ駆動装置115を回転駆動させることで、搬送槽41内のトナー36を入口部49から出口部50に向かって搬送する。以下に、それぞれの構成について、より詳しく説明する。
【0075】
搬送槽41は、実施例1の搬送槽よりも、トナー容器40が接続されている内壁面に向かう方向、つまり、トナー36の搬送方向に長く形成されている。そして、実施例1の搬送槽とは、吸引口51と出口部50とが設けられている水平方向の位置が異なる。実施例1の搬送槽では、吸引口51と出口部50とは、それぞれ、搬送槽の略中央に設けていた。それに対し、本実施例の搬送槽41では、トナー36の搬送方向上流端から下流端に向けた約2/3の位置に、吸引口51が設けられ、下流端近傍に、出口部50が設けている。また、吸引口51が設けられている側面の高さは、実施例1と同様である。そして、トナー容器40の内壁面の底部の形状は、後述する搬送スクリュ42のらせん状に延在した羽根の最外周部の下方が、搬送スクリュ42の軸芯を中心に、軸芯の鉛直直下から左右約45度の範囲で摺動するように、緩やかな傾斜が設けられている。このトナー容器40の内壁面の最も低い部分の上方に搬送スクリュ42の軸芯が平行に配置されることなる。また、出口部50も、この搬送スクリュ42のらせん状に延在した羽根の最外周部が、トナー容器40の内壁面の底部と摺動する範囲に設けられる。このように、トナー容器40の内壁面の底部を形成することで、トナー容器40から搬送槽41に供給されたトナー36は、搬送スクリュ42の回転により、余すことなく、出口部50へ搬送されることとなる。ただし、上述したトナー容器40の内壁面の底部の形状は、例示にすぎず、トナー容器40から搬送槽41に供給されたトナー36を、搬送スクリュ42の回転により、余すことなく、出口部50へ搬送できる形状であれば良い。
【0076】
搬送スクリュ42は、棒状の軸と、この軸の外表面上から突出し、かつ、らせん状に延在した羽根とを備えている。搬送スクリュ42の軸の一端は、搬送槽41の外部に設けられたスクリュ駆動装置115に接続されている。そして、搬送スクリュ42は、制御装置48の制御により、スクリュ駆動装置115が軸芯回りに回転されることで、入口部49を通って搬送槽41内に供給されたトナー36を入口部49側から出口部50側に向かって搬送する。
【0077】
次に、本実施例に係る粉体搬送装置35の動作について、制御装置48の制御に基づいて説明する。本実施例の制御装置48による動作制御は、実施例1の動作制御と、トナー排出制御の搬送槽41内に回転搬送手段を備えたことに関する制御のみが異なる。他の動作制御は、実施例1の動作制御と同様であるので、その動作制御、及び作用・効果については、適宜省略して説明する。また、実施例1の動作制御と同様に、一連の動作制御は繰り返し行われることとなる。
【0078】
(トナー排出制御)
トナー供給制御では、制御装置48は、トナー容器40から搬送槽41に供給されたトナー36を、搬送槽41の出口部50から排出させる際に、次のような制御を行なう。制御装置48は、出口部開閉装置47により排出管46内を開けさせた状態で、回転搬送手段のスクリュ駆動装置115を回転駆動させる。スクリュ駆動装置115を回転駆動させることで、搬送スクリュ42が回転し、搬送槽41内のトナー36を入口部49から出口部50に向かって搬送される。この回転搬送手段により、入口部49から出口部50に向かって搬送されたトナー36は、出口部50から排出管46を介して、搬送槽41の出口部50からトナー36を現像装置13の収容槽17へと全て排出(供給)される。そして、トナー容器40から搬送槽41に供給された搬送槽41内のトナー36が、出口部50から全て排出さるたら、出口部開閉装置47により排出管46内を閉じさせる。
【0079】
(負圧発生制御)
また、実施例1の負圧発生制御の別例で上述したように、トナー排出制御を開始すると同時に、負圧発生制御も開始する場合も同様も同様な制御が適用できる。具体的には、出口部開閉装置47により排出管46内を開かせるとともに、吸引口開閉装置93により吸引口連結管45内を閉じさせ、かつ、負圧室開閉装置96により負圧室連結管100内を開けさせる。この状態で、吸引ポンプ43を駆動させ、かつ、回転搬送手段のスクリュ駆動装置115を回転駆動させる。スクリュ駆動装置115を回転駆動させることで、搬送スクリュ42が回転し、搬送槽41内のトナー36を入口部49から出口部50に向かって搬送される。
【0080】
そして、負圧室82内の負圧状態が予め定めた負圧状態になったら、吸引ポンプ43の駆動を停止させ、負圧室開閉装置96により負圧室連結管100内も閉じさせる。また、トナー排出制御においては、トナー容器40から搬送槽41に供給された搬送槽41内のトナー36が、出口部50から全て排出されたら、出口部開閉装置47により排出管46内を閉じさせる。
【0081】
このように、トナー排出制御、又は負圧発生制御を行うことで、実施例1の作用・効果に加え、次ぎの作用・効果を奏することができる。搬送スクリュ42で搬送槽41内のトナー36を入口部49から出口部50に搬送するので、常に一定の搬送量でトナー36が出口部50に搬送される。常に一定の搬送量でトナー36が出口部50に搬送されることで、出口部50でのトナー36の詰まりがなくなり、トナー36の排出速度が安定化し、搬送槽41内のトナー36を排出するのに要する時間を短縮することができる。よって、現像装置13への単位時間あたりのトナー36の供給量を増加させることが出来る。
【0082】
(実施例3)
次に、本実施の形態の画像形成装置に備える粉体搬送装置35の一例である、、実施例3について図8を用いて説明する。本実施例の粉体搬送装置35は、実施例1又は2の構成に加え、搬送槽41に空気を送り込む送風手段を備えている。そして、他の構成は同一であるので、実施例1又は2と同一な構成、作用・効果についての説明は適宜省略して説明する。また、実施例1又は2のいずれにも適用可能であるが、以下の説明では、実施例2のトナー排出制御と負圧発生制御を同時に開始する制御を行う構成に適用した場合について説明する。
【0083】
まず、本実施例の搬送槽41に空気を送り込む送風手段の構成から説明する。本実施例の、吸引ポンプ43は上述した実施例1又は2の吸引ポンプと同様な構成をしており、搬送槽41に空気を送り込む送風手段は、吸引ポンプ43の排出側から吐出された空気を搬送槽41に送り込むものである。具体的には、吸引ポンプ43と、搬送槽41に設けられる搬送槽送風口108と、ポンプ排出口102と搬送槽送風口108とを連結する送風口連結管107と、送風口開閉手段である送風口開閉装置109とからなる。以下に、吸引ポンプ43の構成を除く、個々の構成について、より詳しく説明する。
【0084】
送風口連結管107は、ゴムなどの弾性材料で構成され、円筒状に形成されている。そして、送風口連結管107の一端は吸引ポンプ43の下部に設けられたポンプ排出口102の周りに固定され、他端は搬送槽41の上部に設けられた搬送槽送風口108の周りに固定されている。このようにして、送風口連結管107は、吸引ポンプ43と搬送槽41とを連結している。また、この送風口連結管107には、送風口連結管107内を開閉自在な送風口開閉手段である送風口開閉装置109が設けられている。
【0085】
送風口開閉装置109は、負圧室開閉装置96と同様の構成で、開閉装置駆動源110は、送風口連結管107内を開閉自在であり、制御装置48の制御により、送風口連結管107内を開閉する。
【0086】
搬送槽41は、その上部に搬送槽送風口108を設けている点を除けば、実施例2の搬送槽と同様に構成されている。本実施例の搬送槽41では、トナー36の搬送方向上流端から下流端に向けた約1/3の位置に、搬送槽送風口108が設けられている。この搬送槽送風口108から、搬送槽送風口108を介して、吸引ポンプ43のポンプ排出口102から吐出された空気が吹き込まれることとなる。
【0087】
次に、本実施例に係る粉体搬送装置35の動作について、制御装置48の制御に基づいて説明する。この説明では、上述したように、トナー排出制御と負圧発生制御を同時に開始する構成を前提としている。そして、この前提に基づく実施例1又は2の動作制御と、本実施例の制御装置48による動作制御とは、トナー排出制御に関する制御のみが異なる。他の動作制御は、トナー排出制御と負圧発生制御を同時に開始する制御を行う構成を前提としているを除けば、実施例1又は2の動作制御と同様であるので、その動作制御、及び作用・効果については、適宜省略して説明する。また、実施例1又は2の動作制御と同様に、一連の動作制御は繰り返し行われることとなる。
【0088】
(トナー排出制御、及び負圧発生制御)
トナー排出制御、及び負圧発生制御では、制御装置48は、上述したように、トナー排出制御の開始と同時に負圧発生制御も開始する制御を行う。具体的には、出口部開閉装置47により排出管46内を開かせるとともに、吸引口開閉装置93により吸引口連結管45内を閉じさせ、かつ、負圧室開閉装置96により負圧室連結管100内を開けさせる。この状態で、吸引ポンプ43を駆動させてポンプ吸引口63から負圧室82内の空気を吸引し、かつ、スクリュ駆動装置115を回転駆動させて搬送スクリュ42によりトナー36を入口部49から出口部50に向かって搬送する。さらに、負圧室82内の空気を吸引し、かつ、トナー36を入口部49から出口部50に向かって搬送すると同時に、送風口開閉装置により送風口連結管107を開けさせてポンプ排出口102から吐出する空気を搬送槽41内に送り込む。
【0089】
そして、負圧室82内の負圧状態が予め定めた負圧状態になったら、吸引ポンプ43の駆動を停止させ、負圧室開閉装置96により負圧室連結管100内を閉じさせ、かつ、送風口開閉装置109により送風口連結管107を閉じさせる。また、トナー容器40から搬送槽41に供給された搬送槽41内のトナー36が、出口部50から全て排出されたら、出口部開閉装置47により排出管46内も閉じさせる。
【0090】
このように、トナー排出制御、及び負圧発生制御を行うことで、実施例1、2のトナー排出制御の開始と同時に負圧発生制御も開始する制御を行う場合の作用・効果に加え、次ぎの作用・効果を奏することができる。吸引ポンプ43を駆動により搬送槽41内に空気を送り込むことで、搬送槽41内に圧力を加え、トナー36を出口部50から排出する速度を上げることで、搬送槽41内のトナー36を排出に要する時間を短縮できる。よって、現像装置13への単位時間あたりのトナー36の供給量を増加させることができる。
【0091】
また、上述した本実施例の説明では、トナー排出制御と負圧発生制御を同時に開始する制御を行う構成を前提に説明したが、トナー排出制御と負圧発生制御を同時に開始する制御を行う構成でない場合にも、次のように構成することで適用可能である。上述した構成に加え、負圧室連結管100の負圧室開閉装置96とポンプ吸引口63との間に大気開放弁を設ける。
【0092】
そして、上述したトナー排出制御に加え、トナー排出制御で搬送槽41に空気を送り込む場合のみ、この大気開放弁を開放する制御を追加して空気の吸気を行い、トナー排出制御うように構成する。
【0093】
(実施例4)
次に、本実施の形態の画像形成装置に備える粉体搬送装置35の一例である、実施例4について図を用いて説明する。本実施例と、実施例1乃至3の粉体搬送装置では、用いる吸引ポンプの形式のみが異なっている。具体的には吸引ポンプ43が、本実施例では、ベーン式ポンプであるのに対し、実施例1乃至3では、ダイヤフラム式ポンプである点のみが異なる。そして、他の構成は、それぞれ同一の構成が適用できるので、実施例1乃至3と同一な構成、作用効果についての説明は適宜省略して説明する。ここで、図9は、本実施例に係るベーン式ポンプの構成を示す説明図である。
【0094】
図9に示すように、本実施例のベーン式ポンプでは、ポンプ容器112と、羽根車114と、ベーン113とを備えている。ポンプ容器112には、ポンプ吸引口63と、ポンプ排出口102とが設けられている。ポンプ容器112の略円柱状の内周面の径は、羽根車114の外周の径よりも大きく形成され、かつ、互いの中心が偏芯するように設けられている。そして、図中、ポンプ容器112の内周の鉛直方向上方の頂点と、羽根車114の外周の鉛直方向上方の頂点とが接するように設けられている。また、ポンプ吸引口63と、ポンプ排出口102とは、それぞれ、ポンプ容器112の内周面から、水平にポンプ容器112の外部に、円柱状の内周部を延出するように形成されている。そして、図中、ポンプ容器112の内周面を時計文字盤に見立てた際の、略10時の位置からポンプ吸引口63が、略2時の位置からポンプ排出口102が、ポンプ容器112の内周面から外部に延出するように形成されている。そして、ポンプ吸引口63は、負圧室連結管100を介して、負圧室82に接続されている。また、実施例3に記載の吸引ホンプに適用する際には、ポンプ排出口102は、送風口連結管107を介して、搬送槽41に接続されることとなる。
【0095】
また、7個のベーン113が、羽根車114内の溝に沿って自在に動くように、嵌め込まれている。各ベーン113は、ポンプ駆動装置(不図示)により羽根車114を回転させると、遠心力でポンプ容器112の内周面まで飛び出す。そして、各ベーン間の容量変化により、ポンプ吸引口63から空気を吸引し、ポンプ排出口102から空気を吐出することができるように構成されている。このように構成されたベーン式ポンプを、上述した実施例1のダイヤフラム式ポンプに替え、吸引ポンプ43として用いることで、上述した実施例1と同様な作用・効果を奏することができる。また、この吸引ポンプ43の最大流量は1〜8リットル/分、最大到達真空度は−20〜−80kPaである。ベーン式ポンプは、他の様々な用途にも使用される一般的なポンプであり、かつ、上述したように構成部品が少ないため、購入する場合の価格が低かったり、製造する場合の製造コストが低い。
【0096】
以上、本実施の形態に係る粉体搬送装置35では、搬送槽41内の空気を吸引して、この搬送槽41内にトナー容器40からトナー36を吸引している。すなわち、搬送槽41内にトナー36を吸引するために、搬送槽41内に負圧を発生させている。さらに、搬送槽41内に負圧を発生させるための吸引ポンプ43を搬送槽41の外部に設けている。したがって、吸引ポンプ43から発生する熱がトナー36に伝わることを防止できるとともに、負圧により搬送槽41内にトナー36を吸引するので、トナー36をすり潰すことなく、搬送槽41内に吸引することができる。よって、トナー36に与える熱ストレスを最小限にしながらも、トナー36を搬送することができる。
さらに、トナー容器40から搬送槽41内に吸引されたトナー36を、搬送槽41の出口部50から排出する際に、同時に、負圧室82内に負圧を発生させる。トナー36の出口部50から排出と同時に、負圧室82内に負圧を発生させるので、従来のトナー36の搬出と負圧室82内の負圧の発生とを同時に行わない構成に比べ、トナー36の搬送に係る一連の動作時間を短縮できる。また、負圧室82内を予め定めた負圧状態にする際に、吸引口連結管45内を閉じさせた状態で、負圧室82内に負圧を発生させるので、トナー36を吸引することなく、負圧室82内の空気のみ吸引でき、短時間で負圧室82内の負圧を高くすることもできる。また、出口部開閉装置47により排出管46内を閉じさせた状態で、吸引口連結管45内を開て、負圧室82の負圧を用いて搬送槽41内を負圧にするので、短時間で搬送槽41内の負圧を高くすることができる。したがって、短時間で搬送槽41内に多くのトナー36を吸引することができ、搬送槽41内にトナー36を吸引する時間、及びその準備時間を短縮することで、現像装置13等への単位時間当たりの供給量を多くすることができる。このように、負圧室82内の負圧を高くできるとともに、負圧室82内の負圧の発生、搬送槽41内へのトナー36の吸引、搬送槽41内のトナー36の排出という粉体搬送装置35の一連の動作時間を短縮できる。そして、負圧室82内の負圧を高くし、かつ、一連の動作時間を短縮することで、新たな部品を追加したり、製造コストを高くしたりすることなく、現像装置13への単位時間あたりのトナー36の供給量を増加させることもできる。
よって、印刷速度が高い画像形成装置に適用可能な、トナーに与える熱ストレスが少なく、製造コストが安い粉体搬送装置を提供することができる。
また、本実施の形態に係る粉体搬送装置35では、粉体収容部から搬送槽に粉体を供給させる際に、搬送槽41内を負圧を発生させる搬送槽41と負圧室82との圧力差に、吸引ポンプ43による気体吸引力も加えることができる。吸引ポンプ43による気体吸引力も加えることで、搬送槽41と負圧室82との圧力差のみにより搬送槽41内に負圧を発生させる場合に比べ、搬送槽41内の負圧低下による吸引量低下を低減でき、より多くのトナー36を吸引することができる。このように、一連の動作で供給するトナー36の供給量を増やすことで、新たな部品を追加したり、製造コストを高くしたりすることなく、現像装置13への単位時間あたりのトナー36の供給量を増加させることもできる。
また、本実施の形態に係る粉体搬送装置35では、トナー容器40から搬送槽41内に吸引されたトナー36を、搬送槽41の出口部50から排出する際に、搬送槽41内に設けた搬送スクリュ42を回転させる。搬送スクリュ42を回転させることで、搬送槽41内のトナー36を入口部49から出口部50に搬送するので、常に一定の搬送量でトナー36が出口部50に搬送される。常に一定の搬送量でトナー36が出口部50に搬送されることで、出口部50でのトナー36の詰まりがなくなり、トナー36の排出速度が安定化し、搬送槽41内のトナー36を排出するのに要する時間を短縮することができる。よって、現像装置13への単位時間あたりのトナー36の供給量を増加させることが出来る。
また、本実施の形態に係る粉体搬送装置35では、トナー容器40から搬送槽41内に吸引されたトナー36を、搬送槽41の出口部50から排出する際に、吸引ポンプ43を駆動により搬送槽41内に空気を送り込む。搬送槽41内に空気を送り込むことで、搬送槽41内に圧力を加え、トナー36を出口部50から排出する速度を上げることで、搬送槽41内のトナー36を排出に要する時間を短縮できる。よって、現像装置13への単位時間あたりのトナー36の供給量を増加させることができる。
また、本実施の形態に係る粉体搬送装置35では、吸引ポンプ43として、ダイヤフラム式ポンプを用いているので、製造コストを低くすることが出来る。
また、本実施の形態に係る粉体搬送装置35では、吸引ポンプ43として、ベーン式ポンプを用いているので、製造コストを低くすることが出来る。
また、本実施の形態に係る画像形成装置では、上述したように構成された粉体搬送装置35を備えることで、上述したように構成された粉体搬送装置35と同様な作用・効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0097】
1 感光体
2 帯電装置
5 転写装置
6 クリーニング装置
7 プロセスカートリッジ
8 転写紙
13 現像装置
15 搬送ベルト
16 露光装置
17 収容槽
18 攪拌スクリュ
20 給紙トレイ
24 定着装置
30 現像剤
35 粉体搬送装置
36 トナー
37 供給孔
40 トナー容器
41 搬送槽
42 搬送スクリュ
43 吸引ポンプ
44 配管部
45 吸引口連結管
46 排出管
47 出口部開閉装置
48 制御装置
49 入口部
50 出口部
51 吸引口
58 シリンダ本体
59 ピストン
60 ポンプ駆動装置
63 ポンプ吸引口
71 開閉駆動源
82 負圧室
93 吸引口開閉装置
95 開閉駆動源
96 負圧室開閉装置
98 開閉駆動源
100 負圧室連結管
101 吸入口側弁
102 ポンプ排出口
103 排出側弁
107 送風口連結管
108 搬送槽送風口
109 送風口開閉装置
110 開閉装置駆動源
111 ダイヤフラム
112 ポンプ容器
113 ベーン
114 羽根車
115 スクリュ駆動装置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0098】
【特許文献1】特開2009−175703号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉体を収容した粉体収容部と、
前記粉体収容部から前記粉体が供給される入口部と、前記粉体を外部に排出するための出口部と、内部の気体を吸引するための吸引口とが設けられた搬送槽と、
前記吸引口に連結された吸引口連結管を介して、前記搬送槽に接続された負圧室と、
前記吸引口連結管内を開閉自在な吸引口開閉手段と、
前記負圧室に設けられた負圧室吸引口に連結された負圧室連結管を介して、前記負圧室に接続された気体吸引装置と、
前記負圧室連結管内を開閉自在な負圧室開閉手段と、
前記出口部を開閉する出口部開閉手段と、
を備える粉体搬送装置において、
前記吸引口開閉手段により前記吸引口連結管内を閉じさせ、かつ、前記負圧室開閉手段により前記負圧室連結管内を開けさせた状態で、前記気体吸引装置を駆動して前記負圧室内の気体の吸引させ、その後、前記負圧室内が予め定めた負圧状態になったら、前記気体吸引装置の駆動を停止させるとともに、前記負圧室開閉手段により前記負圧室連結管内を閉じさせる負圧発生制御と、
前記出口部開閉手段により前記出口部を閉じさせた状態で、前記吸引口開閉手段により前記吸引口連結管内を開けさせて、前記粉体収容部から前記搬送槽に前記粉体を供給し、その後、前記搬送槽に所定量の粉体が供給されたら、前記吸引口開閉手段により前記吸引口連結管内を閉じさせる粉体供給制御と、
前記出口部開閉手段により前記出口部を開けさせて、前記搬送槽に供給された粉体を前記出口部から排出する粉体排出制御と、
を行う制御手段を備え、
前記制御手段は、前記負圧発生制御と前記粉体排出制御とを同時に開始することを特徴とする粉体搬送装置。
【請求項2】
請求項1に記載の粉体搬送装置において、
制御手段は、
粉体供給制御で、出口部開閉手段により出口部を閉じさせ、吸引口開閉手段により吸引口連結管内を開けさせ、さらに、負圧室開閉手段により負圧室連結管内を開けさせた状態で、気体吸引装置を駆動して負圧室内の気体の吸引させて、粉体収容部から搬送槽に粉体を供給し、その後、前記搬送槽に所定量の前記粉体が供給されたら、前記吸引口開閉手段により前記吸引口連結管内を閉じるとともに、前記気体吸引装置の駆動を停止させ、かつ、前記負圧室開閉手段により前記負圧室連結管内を閉じさせる制御を行うことを特徴とする粉体搬送装置。
【請求項3】
請求項1、又は2に記載の粉体搬送装置において、
軸芯回りに回転することで搬送槽内の粉体を入口部から出口部に向かって搬送する搬送部材を、搬送槽内に有した回転搬送手段を備え、
制御手段は、
粉体排出制御で、前記搬送手段の前記搬送部材を回転させる制御を行うことを特徴とする粉体搬送装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一に記載の粉体搬送装置において、
搬送槽に設けられた送風口に連結された送風口連結管を介して、前記搬送槽内に気体を送り込む送風手段と、
前記送風口連結管を開閉する送風口開閉手段と、
を備え、
制御手段は、
粉体排出制御で、出口部開閉手段により前記出口部を開け、かつ、前記送風口開閉手段により前記送風口連結管を開けさせた状態にした後、前記送風手段により前記搬送槽に気体を送り込ませ、
粉体供給制御で、前記出口部開閉手段により前記出口部を閉じ、負圧室開閉手段により負圧室連結管内を閉じ、かつ、前記送風口開閉手段により前記送風口連結管を閉めさせた状態で、吸引口開閉手段により吸引口連結管内を開けさせる制御を行うことを特徴とする粉体搬送装置。
【請求項5】
請求項4に記載の粉体搬送装置において、
気体吸引装置はダイヤフラム式ポンプの吸入側であり、送風手段は前記ダイヤフラム式ポンプと同一のもので、その排出側であることを特徴とする粉体搬送装置。
【請求項6】
請求項4に記載の粉体搬送装置において、
気体吸引装置はベーン式ポンプの吸入側であり、送風手段は前記ベーン式ポンプと同一のもので、その排出側であることを特徴とする粉体搬送装置。
【請求項7】
静電潜像を担持する像担持体と、
前記像担持体上の潜像を現像してトナー像化する現像装置と、
を少なくとも備えた画像形成装置において、
前記現像装置にトナーを供給する手段として、請求項1乃至6のいずれか一に記載の粉体搬送装置を備えていることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−58624(P2012−58624A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−203719(P2010−203719)
【出願日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】