説明

粉粒体供給装置及び方法

【課題】収納袋、特に熱硬化性樹脂が収納された小型軽量の収納袋に収納された粉粒体の供給を、粉粒体の飛散を防止して作業性良く簡便に行う。
【解決手段】収納袋110に収納された粉粒体を、供給口140から下方に向けて供給可能な粉粒体供給装置100であって、前記粉粒体を収納した状態で開封した前記収納袋110を自身の中央に配置可能な略環状の第1部材120と、前記供給口140を備えると共に、該第1部材120の内周から折り返された前記収納袋110の縁110Aの略全周を、該第1部材120の反対側から挟持可能な第2部材150と、該第1部材120と第2部材150とを、挟持した収納袋110ごと係止する係止機構130と、を備え、前記第2部材150が、係止された前記第1部材120及び収納袋110と共に上下反転されることにより、前記供給口140を該第2部材150の最下位置に位置決め可能とされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納袋内の粉粒体を供給する技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体素子などの樹脂封止に用いられる熱硬化性樹脂は、粉粒体の態様で、数kg単位で収納袋に収納され、その縁が輪ゴムやテープなどで密閉された状態で納入される。この収納袋から、例えば、一例として特許文献1に示す原料樹脂供給装置に当該粉粒体を投入するためには、収納袋の縁を開封し開口を設けて収納袋を移動させて開口を下方に向け、その開口から粉粒体である樹脂を原料樹脂供給装置に投入していた。
【0003】
【特許文献1】特開2006−142674号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記収納袋を開封した状態のままで、収納袋を移動させて、原料樹脂供給装置に投入する作業をすると、誤ってこぼしたり、樹脂を動かした際に中の粉塵が舞って作業環境を悪化させたりする恐れがある。
【0005】
本発明は、このような問題点を解決するべくなされたものであって、収納袋、特に熱硬化性樹脂が収納された小型軽量の収納袋に収納された粉粒体の供給を、粉粒体の飛散を防止して作業性良く簡便に行うことをその目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、収納袋に収納された粉粒体を、供給口から下方に向けて供給可能な粉粒体供給装置であって、前記粉粒体を収納した状態で開封した前記収納袋を自身の中央に配置可能な略環状の第1部材と、前記供給口を備えると共に、該第1部材の内周から折り返された前記収納袋の縁の略全周を、該第1部材の反対側から挟持可能な第2部材と、該第1部材と第2部材とを、挟持した収納袋ごと係止する係止機構と、を備え、前記第2部材が、係止された前記第1部材及び収納袋と共に上下反転されることにより、前記供給口を該第2部材の最下位置に位置決め可能とされていることで、上記課題を解決するものである。
【0007】
本発明においては、粉粒体供給装置に収納袋を取り付ける際に、収納袋の外周に略環状の第1部材(或は、略環状の第1部材の中央に収納袋)が配置されて、その第1部材の反対側から、収納袋の位置を動かすことなく、第2部材が、折り返された収納袋の縁の略全周を挟持することができる。そして、係止機構で第1部材と第2部材とを、挟持した収納袋ごと、そのまま、係止することで、粉粒体供給装置に収納袋が取り付けられる。このため、収納袋が開封された状態から粉粒体供給装置に取り付けられるまで、収納袋を移動することを最小限にすることができるので、収納袋から外部への粉粒体の飛散を最低限に防ぐことが可能となる。
【0008】
そして、収納袋が粉粒体供給装置に取り付けられた後は、収納袋は第2部材により、(供給口の部分を除いて)密閉された状態となるので、上下反転により、収納袋内の粉粒体は、確実に第2部材側に受け渡される。このため、粉粒体が粉粒体供給装置から外部に漏れることを防止することができ、供給口のみから粉粒体を吐出することができる。このとき、粉粒体供給装置は、主に第1部材と第2部材と係止機構とを備えるものであるので、その構造は極めて簡便に実現できる。
【0009】
更に、第2部材に、粉粒体が前記供給口から下方に向けて供給されることを遮断する開閉機構が備えられている場合には、上下反転されても、供給口からの粉粒体の供給の遮断が自在となる。このため、粉粒体を全部使い切らず、残っている場合でも、開閉機構を動作させることで、不要な粉粒体がこぼれず、粉粒体供給装置の付け替え等の作業が容易である。
【0010】
又、粉粒体が半導体素子の樹脂封止に用いられる熱硬化性樹脂である場合には、粉粒体の入った収納袋の重量は数kgでしかないため、粉粒体供給装置は小型で軽量に実現でき、大掛かりな装置を使用しなくとも、粉粒体供給装置を容易に移動、上下反転、配置換え等を行うことができる。
【0011】
又、第2部材に、第1部材の上下方向の長さよりも長い、第2部材の上下反転前に供給口を収納袋よりも上方に保持する脚部が設けられている場合には、収納袋を挟持した状態で供給口を収納袋よりも上方に保持したまま、粉粒体供給装置を規則的に整然と並べておくことができ、粉塵を気にすることなく、粉粒体供給装置内の余った粉粒体の保管などを容易且つ簡易的に行うことができる。
【0012】
又、脚部の少なくとも1つに、収納袋の一部を把持する把持手段が設けられている場合には、粉粒体供給装置が上下反転されて、粉粒体が供給口から吐出される際に収納袋を脚部側(上側)に保持することができるため、粉粒体の残量に関らず、収納袋の粉粒体を円滑に供給口に導くことができる。
【0013】
又、本発明は、略環状の第1部材が粉粒体の収納袋の外周に配置される工程と、該収納袋の開封された縁が前記第1部材の内周から折り返される工程と、第2部材が、該第2部材に設けられた供給口を上方に保持した状態で、前記折り返された縁の略全周を、前記第1部材の反対側から挟持する工程と、該第1部材と第2部材とが、挟持した収納袋ごと係止される工程と、係止された該第1部材と第2部材とが、挟持した収納袋と共に上下反転されて、前記供給口が前記第2部材の最下位置に位置される工程と、を備えることを特徴とする粉粒体供給方法ともいえる。
【0014】
なお、特開平11−189281号公報において、粉粒体の排出方法及び装置の発明が記載されているが、そこで対象とする粉粒体は、ローラーベアリングでないと運べないような量を想定したものである。即ち、前記公報に記載された内容は、小型でも簡便でもなく装置としては大掛かりであり、本発明が解決しようとする課題にはそぐわないものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明を適用することにより、大掛かりでなく、簡便に粉粒体の飛散を防止することができ、粉粒体の供給や詰め替え、保管などの一連の作業性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の実施形態の一例について詳細に説明する。
【0017】
本発明に係わる第1実施形態について図1〜図6までを用いて説明する。図1は本発明の第1実施形態に係る粉粒体供給装置の(上下反転前の)概略図であり、(A)が側面図、(B)が底面図、図2は第1部材に係る側面図、図3は第2部材に係る側面図、図4は粉粒体供給方法を示すフロー図、図5は(上下反転後の)粉粒体供給状態を示す図(収納袋省略)であり、(A)が側面図、(B)が上面図、図6は別の粉粒体供給装置による(上下反転後の)粉粒体供給状態を示す側面図である。
【0018】
初めに、本実施形態に係る粉粒体供給装置の構成について、図1、図2、図3を用いて説明する。図1(A)に示す如く、粉粒体供給装置100は、第1部材120と、係止機構130と、第2部材150と、を備える。
【0019】
第1部材120は、図1(B)に示す如く略環状の部材であって、粉粒体を収納した状態で開封した収納袋110を、第1部材120の中央に配置することができる。第2部材150は、図1(A)に示す如く、供給口140を備えると共に、第1部材120の内周から折り返された収納袋110の縁110Aの略全周を、第1部材120の反対側から挟持することができる。係止機構130は、第1部材120と第2部材150とを、挟持した収納袋110ごと係止する。各部材の詳細については、後述する。
【0020】
このような部材を備える粉粒体供給装置100は、図1(A)に示す状態から、第2部材150が、係止された第1部材120及び収納袋110と共に上下反転されることにより、供給口140が第2部材150の最下位置に位置決めされて、収納袋100に収納された粉粒体を、供給口140から下方に向けて供給するものである。
【0021】
以下に、各部材等の詳細について、説明する。
【0022】
前記収納袋110は、例えば、合成樹脂、あるいは適宜材料により内面がラミネートされた紙等の袋である。粉粒体は、例えば、半導体素子の樹脂封止に用いられる熱硬化性樹脂である。このため、本実施形態での収納袋110の重さは、粉粒体が収納された状態で数kg程度のものである。なお、収納袋110の開封された縁110Aは、第1部材120の内周から折り返されて、第1部材120の外周にまで引き出されている。
【0023】
前記第1部材120は、図2に示す如く、内径がD1で外径がd1で上下方向の長さがh1の筒形状である。第1部材120は、収納袋110の外周に配置される(若しくは、収納袋110を第1部材120の中央に配置可能である)。そして、収納袋110が粉粒体供給装置100に取り付けられる際には、開封された後に、その開口を形成する縁110Aが第1部材120の内周から折り返される。なお、第1部材120の外周には、係止機構130の構成部品の一部が取り付けられている。
【0024】
前記係止機構130には、いわゆるパッチン錠を使用することができる。その構造は、例えば、図1、図2に示す如く、支点部132A、132Bと、支点部132A、132B上に回動可能に設けられたレバー部134A、134Bと、レバー部134A、134B上に更に回動可能に設けられた掛け止め部136A、136Bと、掛け止め部136A、136Bが掛けられる固定部138A、138Bとを備える。このうち、支点部132A、132Bは第1部材120の外周に直径方向で対称な位置に固定されて(図2参照)、固定部138A、138Bは第2部材150のフランジ部154(後述)の外周に直径方向で対称な位置に固定されている(図3参照)。なお、係止機構130は、上記パッチン錠に限定されるものではない。更に、係止機構130は、第1部材120、第2部材150のいずれからも取外すことが可能であってもよい。
【0025】
前記第2部材150は、図3に示す如く、漏斗部152とフランジ部154とを有する。漏斗部152の先端(図3では上側)には、供給口140が設けられている。即ち、漏斗部152は、上下反転して、供給口140が第2部材150の最下位置に位置決めされたときに、収納袋110から落下する粉粒体を受け止めて供給口140へ導くホッパの機能を有している。その供給口140には、開閉機構142が設けられている。開閉機構142は、供給口140を横断(図3では左右方向)するシャッターガイド144と、シャッターガイド144に沿って移動可能なシャッター板146と、を有する。
【0026】
漏斗部152の手前側(図3の下側)に設けられたフランジ部154には、その中央に内径D2の開口155が形成されている。そして、開口155には凹部156が、フランジ部154の外側(図3の下側)に向けて段差S1で一段広い内径D3で形成されている(D2<D3)。フランジ部154の開口155は、収納袋110の粉粒体を漏斗部152に導入するためのものである。ここで第1部材120の外径d1は、フランジ部154の開口155の内径D2よりも大きく、凹部156の内径D3よりも小さい(D2<d1<D3)。そして、第1部材120の外径d1に収納袋110の縁110Aの厚みT(図2参照)を考慮して比較しても、凹部156の内径D3は大きい(d1+2*T<D3)。このため、収納袋110の縁110Aが第1部材120の外周全てに引き出された状態であっても、収納袋110が折り返された際の第1部材120の先端部分121(図2参照)は、フランジ部154の開口155の内側に入り込むことなく、フランジ部154の凹部156に配置が可能である。このため、収納袋110が粉粒体供給装置100に取り付けられる際に、第1部材120の内周から折り返された収納袋110の縁110Aの略全周が、第1部材120の反対側から第2部材150により挟持され、そして、第1部材120と第2部材150とが、挟持した収納袋110ごと係止された場合においても、第1部材120の先端部分121が収納袋110の縁110Aと共に、フランジ部154の凹部156に嵌まり込む状態となる。このため、第1部材120と第2部材150とは、がたつきなく、安定に係止される。
【0027】
なお、フランジ部154の開口155の内径D2は、第1部材120の内径D1とほぼ同一の大きさである。このため、第1部材120を、収納袋110の縁110Aを介してフランジ部154に配置(係止)した際にも大きな段差は存在しない。即ち、供給口140を第2部材150の最下位置に位置決めした場合でも、粉粒体を、フランジ部154の内周面に干渉を受けずに漏斗部152に導くことができる。
【0028】
フランジ部154の外周には、前述の如く、固定部138A、138Bが設けられている。脚部160は、図1(B)に示す如く、3本の円柱であり、フランジ部154の凹部156の外側の半径方向に等間隔で設けられている。その脚部160の上下方向の長さh2は、第1部材120の上下方向の長さh1よりも長い(h2>h1)。このため、係止機構130で第1部材120と第2部材150とを、挟持した収納袋110ごと係止して、上下反転前の状態として、供給口140を収納袋110より上方に保って、粉粒体供給装置100を安定に支えることができる。
【0029】
次に、本実施形態における粉粒体供給方法について説明する。
【0030】
初めに、第1部材120が、収納袋110の外周に配置される(ステップS2)。次に、収納袋110の開封を行う(ステップS4)。なお、前記ステップS2、S4が逆であってもよい。
【0031】
次に、収納袋110の開封された縁110Aが、第1部材120の内周から折り返される(ステップS6)。
【0032】
次に、収納袋110の位置を動かすことなく、第2部材150に設けられた供給口140を上方に保持した状態で、第2部材150が、折り返された収納袋110の縁110Aの略全周を、第1部材120の反対側から挟持する(ステップS8)。
【0033】
そして、係止機構130によって第1部材120と第2部材150とが、挟持した収納袋110ごと係止される(ステップS10)。
【0034】
次に、開閉機構142のシャッター板146が閉じていることを確認して、係止された第1部材120と第2部材150とが、挟持した収納袋110と共に、所定の場所に移動され、上下反転されて、供給口140が第2部材150の最下位置に位置される(ステップS12)。そして、図示せぬ原料樹脂供給装置へ供給口140を接続して開閉機構142のシャッター板146を開ける(図5(A)、(B)の状態;収納袋110は省略)。このとき、図6に示す如く、脚部160の先端それぞれに把持部170を設けて収納袋110を把持した場合には、収納袋110が漏斗部152側に落下することなく、粉粒体を容易に漏斗部152側へ落下させることができる。
【0035】
このように、収納袋110の外周に第1部材120が配置されて、その第1部材120の反対側から、収納袋110の位置を動かすことなく、第2部材150が、折り返された収納袋110の縁110Aの略全周を挟持する。そして、係止機構130で第1部材120と第2部材150とを、挟持した収納袋110ごと、そのまま、係止することで、粉粒体供給装置100、102に収納袋110が取り付けられる。このため、収納袋110が、開封された状態から粉粒体供給装置100、102に取り付けられるまで、収納袋110を移動することを最小限にすることができるので、収納袋110から外部への粉粒体の飛散を最低限に防ぐことが可能である。
【0036】
そして、収納袋110が粉粒体供給装置100、102に取り付けられた後は、収納袋110は第2部材150により、(供給口140の部分を除いて)密閉された状態となるので、上下反転により、収納袋110内の粉粒体は、確実に第2部材150側に受け渡される。このため、粉粒体が粉粒体供給装置100、102から外部に漏れることを防止することができ、供給口140のみから粉粒体を吐出することができる。このとき、粉粒体供給装置100、102は、主に第1部材120と第2部材150と係止機構130とを備えるものであるので、その構造は極めて簡便に実現できる。
【0037】
更に、第2部材150に、粉粒体が供給口140から下方に向けて供給されることを遮断する開閉機構142が備えられているので、上下反転されても、供給口140からの粉粒体の供給の遮断が自在となる。このため、粉粒体が全部使い切らずに残っている場合でも、開閉機構142のシャッター板146を閉じることで、不要な粉粒体がこぼれず、粉粒体供給装置100、102の付け替え等の作業が容易である。そして、開閉機構142により、収納袋110の粉粒体は、まさに密閉された状態を保つことができるので、粉粒体の品質の劣化など防止することができる。
【0038】
又、粉粒体が半導体素子の樹脂封止に用いられる熱硬化性樹脂であるので、粉粒体の入った収納袋110の重量は数kgでしかないため、粉粒体供給装置100、102は小型で軽量に実現でき、大掛かりな装置を使用しなくとも、粉粒体供給装置100、102を容易に移動、上下反転、配置換え等を行うことができる。
【0039】
又、第2部材150には、第1部材120の上下方向の長さh1よりも長い、第2部材の上下反転前に供給口140を収納袋110よりも上方に保持する脚部(長さ:h2)が設けられているので、収納袋110を挟持した状態で供給口140を収納袋110よりも上方に保持したまま、粉粒体供給装置100、102を規則的に整然と並べておくことができ、粉塵を気にすることなく、粉粒体供給装置100、102内の余った粉粒体の保管などを容易且つ簡易的に行うことができる。
【0040】
又、前記脚部160には、前記収納袋110の一部を把持する把持手段170が設けられているので、粉粒体供給装置100、102が上下反転されて、粉粒体が供給口140から吐出される際に収納袋110を脚部160側(上側)に保持することができるため、粉粒体の残量に関らず、収納袋110の粉粒体を円滑に供給口140に導くことができる。
【0041】
即ち、本発明は、大掛かりでなく、簡便に粉粒体の飛散を防止することができ、粉粒体の供給や詰め替え、保管など一連の作業性を向上させることができる。
【0042】
本実施形態においては、脚部160には3本の円柱が用いられていたが、本発明はこれに限定されず、脚部がない場合も含む。又、後述するような、例えば缶状の脚部であってもよい。そして、把持部170は脚部160の先端(図6の上側)に用いられていたが、脚部の途中に取り付けられていても構わない。その際に、把持部を複数設ける必要もなく、1つであっても相応の効果を有する。
【0043】
又、本実施形態においては、収納袋110の折り返しされる縁110Aは、第1部材120の外側にまで引き出されていたが、本発明はこれに限定されず、第1部材120の内周から折り返しがなされていればよい。収納袋110の縁110Aが、第1部材120の反対側から第2部材150(のフランジ部154の凹部156)により挟持されることで、粉粒体が外部に漏れず、本発明はその効果を発揮するからである。
【0044】
又、本実施形態においては、粉粒体が、特に好適な半導体素子の樹脂封止に用いられる熱硬化性樹脂であったが、本発明はこれに限定されず、他の粉粒体にも適用可能である。
【0045】
又、本実施形態においては、図1若しくは図6に示される粉粒体供給装置100、102であったが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図7(A)の第2実施形態に示す如く、粉粒体供給装置104において、第1部材120Aが底を有する缶構造の脚部を備えてもよい。この場合には、(粉粒体が多少重くても)粉粒体供給装置104を安定に支えることができる。又、図7(B)の第3実施形態に示す如く、第1部材120Bが単なる円環であっても良い。この場合には、第1部材120Bの上下方向の長さが短いため、粉粒体を入れている収納袋110が多量の粉粒体により極端に下側で膨れている場合においても、容易に収納袋110を粉粒体供給装置106に取り付けることができる。又、図7(C)の第4実施形態に示す如く、段差S2を有するフランジ部154Cに嵌め込まれる第1部材120Cであっても良い。この場合には、極めて簡易的に第1部材120Cを構成することができ、粉粒体が軽量であり収納袋110が小型である場合に特に有効である。このときフランジ部154Cの段差S2で形成された凹部156Cの内径D4は、第1部材120Cの外径d2よりも僅かに大きく、収納袋110の縁110Aを挟み込むことで、より簡素化した係止機構を構成するものである。なお、このときフランジ部154Cと第1部材120Cとの間に磁石を用いて吸着力を高めても良いし、雌ねじと雄ねじを用いて結合を強化することも可能である。
【0046】
上記の実施形態においては、図8(A)に示す如く、円環状の第1部材及び一部の第2部材(の一部)を用いていたが、本発明はこれに限定されるものではない。以下に示す形状(略環状と総称する)であってもよい。例えば、図8(B)に示す如く四角形状によって第1部材及び第2部材(の一部)を構成しても良いし、他の多角形であっても構わない。更に、第1部材、第2部材(の一部)が閉じられている必要はなく、一端が開放された図8(C)に示すクリップバンド構造であってもよい。即ち、第2部材(の一部)がフープ状のばね鋼であり、ばね鋼を拡げてばね材の力で第1部材を締め付けるという構造でもよいし、第1部材がフープ材のばね鋼であり、ばね鋼を狭めてばね材の力で第2部材(の一部)に押し付ける構造をとっても構わない。又、図8(D)に示す如く板バンド構造を第2部材(の一部)に用いても構わない。板バンドは、ハウジング182とねじ184とバンド186とからなり、ハウジング182内でねじ溝とバンド186が噛み合い、バンド186内径が縮小することで内側の第1部材を締め付けることで強固な係止を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の第1実施形態に係る(上下反転前の)粉粒体供給装置の概略図であり、(A)が側面図、(B)が底面図
【図2】同じく粉粒体供給装置の収納袋と第1部材に係る側面図
【図3】同じく粉粒体供給装置の第2部材に係る側面図
【図4】同じく粉粒体供給装置による粉粒体供給方法を示すフロー図
【図5】同じく粉粒体供給装置による(上下反転後の)粉粒体供給状態を示す図(収納袋省略)であり、(A)が側面図、(B)が上面図
【図6】同じく別の粉粒体供給装置による(上下反転後の)粉粒体供給状態を示す側面図
【図7】本発明の第2〜4実施形態に係る(上下反転前の)粉粒体供給装置の側面図
【図8】本発明の第1部材、あるいは第2部材の形状のバリエーションを示すための図
【符号の説明】
【0048】
100、102、104、106、108…粉粒体供給装置
110…収納袋
110A…収納袋の縁
120、120A、120B、120C…第1部材
130、130A、130B、130C…係止機構
138A、138B…固定部
140…供給口
142…開閉機構
146…シャッター板
150…第2部材
152…漏斗部
154、154C…フランジ部
156、156C…凹部
160…脚部
170…把持部
D1…第1部材の内径
D2…フランジ部の開口の内径
D3、D4…凹部の内径
d1、d2…第1部材の外径
S1、S2…凹部の段差

【特許請求の範囲】
【請求項1】
収納袋に収納された粉粒体を、供給口から下方に向けて供給可能な粉粒体供給装置であって、
前記粉粒体を収納した状態で開封した前記収納袋を自身の中央に配置可能な略環状の第1部材と、
前記供給口を備えると共に、該第1部材の内周から折り返された前記収納袋の縁の略全周を、該第1部材の反対側から挟持可能な第2部材と、
該第1部材と第2部材とを、挟持した収納袋ごと係止する係止機構と、を備え、
前記第2部材が、係止された前記第1部材及び収納袋と共に上下反転されることにより、前記供給口を該第2部材の最下位置に位置決め可能とされている
ことを特徴とする粉粒体供給装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記第2部材には、前記粉粒体が前記供給口から下方に向けて供給されることを遮断する開閉機構が備えられていることを特徴とする粉粒体供給装置。
【請求項3】
請求項1又2において、
前記粉粒体が半導体素子の樹脂封止に用いられる熱硬化性樹脂であることを特徴とする粉粒体供給装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかにおいて、
前記第2部材には、前記第1部材の上下方向の長さよりも長い、前記第2部材の上下反転前に前記供給口を前記収納袋よりも上方に保持する脚部が設けられていることを特徴とする粉粒体供給装置。
【請求項5】
請求項4において、
前記脚部の少なくとも1つに、前記収納袋の一部を把持する把持手段を具備したことを特徴とする粉粒体供給装置。
【請求項6】
略環状の第1部材が粉粒体の収納袋の外周に配置される工程と、
該収納袋の開封された縁が前記第1部材の内周から折り返される工程と、
第2部材が、該第2部材に設けられた供給口を上方に保持した状態で、前記折り返された縁の略全周を、前記第1部材の反対側から挟持する工程と、
該第1部材と第2部材とが、挟持した収納袋ごと係止される工程と、
係止された該第1部材と第2部材とが、挟持した収納袋と共に上下反転されて、前記供給口が前記第2部材の最下位置に位置される工程と、
を備えることを特徴とする粉粒体供給方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−208809(P2009−208809A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−52574(P2008−52574)
【出願日】平成20年3月3日(2008.3.3)
【出願人】(000002107)住友重機械工業株式会社 (2,241)
【Fターム(参考)】