説明

粉粒体充填装置及び製袋充填機

【課題】構造が簡単で充填時に粉粒体の飛散を抑制できる。
【解決手段】粉粒体を収容するホッパの先端側にファネルチューブ3を設ける。ファネルチューブ3の内部にオーガスクリュー4を設け、その先端にコーン部材11を設ける。コーン部材11はテーパ部12と逆テーパ部13とで略算盤玉形状に形成した。ファネルチューブ3の外周にはシールドブッシュ16を介してシャッタスリーブ15を着脱可能に設ける。シャッタスリーブ15は進退することで、逆テーパ部13との間の開口部17を開閉する。逆テーパ部13の傾斜角γよりノズル部15bの傾斜角βを大きくした。開口部17の閉塞時にはノズル部15bの先端縁が逆テーパ部13に当接する。開口部17の開放時には粉粒体はノズル部15bによって拡散を抑えられて落下する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉体や粒体等を含む粉粒体を計量して容器や袋等に充填するための粉粒体充填装置と製袋充填機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の粉粒体充填装置として、例えば下記特許文献1、2、3に記載されたものがある。特許文献1に記載された粉体充填装置では、粉体を貯留するホッパ下部にオーガースクリューを内部に有するファネルチューブを設け、ファネルチューブの外周に内接して上下動するスリーブにファネルチューブの開口に対向して円錐コーンを設けている。そしてファネルチューブの外周でスリーブに連結したスプリングによって円錐コーンを開口から離間させて粉体を開口から吐出して容器や袋内に充填し、エアの吸引によってスプリングを圧縮させることで円錐コーンで開口を閉塞させるようにしている。
また、特許文献2では、トナーを容器に充填するためのスリーブのノズルを容器に合わせて縮径させ、しかもノズルを多孔質の素材で構成している。そして、ノズルに対してエアを供給及び排気することでトナーの充填と停止を制御している。
また、特許文献3では、粉粒体を供給する筒状のノズル部内にオーガスクリューを設け、オーガスクリューの下端にテーパ状に広がる円錐コーンを設けている。そしてオーガスクリューを上下動させることで、ノズル部に対して円錐コーンの斜面を昇降させて離間または当接させる。これによって、開口を開閉させて粉粒体の充填と停止を制御している。
【特許文献1】特開平10−278901号公報
【特許文献2】特開2000−335519号公報
【特許文献3】特開2004−18073号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述した従来の粉粒体充填装置のうち特許文献1及び3に記載のものは、ファネルチューブやノズル部の開口と当接または離間して開閉するための円錐コーンの斜面が上方から下方に向けて広がる構造であるため、充填時に粉粒体は円錐コーンの斜面に沿って流れ落ちることになり、粉粒体は傘状に拡散して容器内に詰めこまれる。そのため、容器内部で粉粒体が飛散してしまい、沈殿するまでに時間がかかるという欠点がある。
更に特許文献3の粉粒体充填装置では、オーガスクリューを引き揚げてノズル部の開口を閉塞する際に、ノズル部内に粉粒体が詰まっているために引き揚げ抵抗が大きく、オーガスクリュー上下動のために大掛かりな装置が必要になる欠点がある。
また、特許文献2に記載の粉粒体充填装置では、粉粒体の制御のために空気の給排のための脱気と圧空を必要とするため、コンプレッサや吸気装置等、大がかりな設備を必要とするという欠点がある。
【0004】
本発明は、このような実情に鑑みて、構造が簡単で充填時に粉粒体の飛散を抑制できるようにした粉粒体充填装置及び製袋充填機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による粉粒体充填装置は、粉粒体を収容するホッパの先端側に筒状部を設け、この筒状部の内部にオーガスクリューを配設し、該オーガスクリューの回転によって粉粒体を筒状部の開口から吐出するようにした粉粒体充填装置において、オーガスクリューの先端に設けられていて先端側に向けて拡径するテーパ部及び縮径する逆テーパ部を形成したコーン部材と、筒状部の開口付近に設けられていてコーン部材に対して進退可能な先細状のノズル部とを備え、該ノズル部は進出位置ではコーン部材の逆テーパ部との間に粉粒体を吐出させるための開口部を形成し、後退位置では逆テーパ部に当接して開口部を閉塞させるようにしたことを特徴とする。
本発明によれば、粉粒体を充填するための開口部について、オーガスクリューに連結されたコーン部材を移動させずにノズル部を進退させることで開閉を行うことができる。しかも、閉塞時においては先細状のノズル部をコーン部材の逆テーパ部に当接させて閉塞するから周囲の粉粒体は落下し易く、テーパ部で当接させるよりも粉粒体の付着が少なく粉切れがよい。しかも、充填時には、先細状のノズル部によって落下する粉粒体の飛散を小さく抑制できて容器や袋内等で沈殿するまでの時間が短い。
【0006】
また、ノズル部の傾斜角βはコーン部材の逆テーパ部の傾斜角γよりも大きくすることが好ましい。
ノズル部の先端縁がコーン部材の逆テーパ部に当接するために円形の線接触をすることになり、粉粒体の付着が少なく粉切れがよい。
また、コーン部材とノズル部は異なるものにそれぞれ交換可能とすることが好ましい。
粉粒体はその種類や特性によって流動性、圧縮性、ブリッジ性等の性状に差異があり、例えば流動性等の良い粉粒体はコーン部材のテーパ部の傾斜角αやノズル部の傾斜角βを大きく設定し、流動性の悪い粉粒体はコーン部材のテーパ部の傾斜角αやノズル部の傾斜角βを小さく設定して流動性を制御したり、開口部の開閉タイミングを変更調整できる。そのため、粉粒体の種類や特性によらず、充填詰まりや粉粒体の後ダレがなく、充填速度を制御して1回当たりの充填量を均等に設定でき、品質劣化や不良品発生を生じない。
【0007】
本発明による製袋充填機は、製袋ガイドと製袋チューブとの間に帯状の包材を挿入して製袋し、請求項1または2に記載の粉粒体充填装置を用いて製袋した袋内に粉粒体を充填するようにした製袋充填機であって、ノズル部は筒状部と製袋チューブとの間に索状部材を通して駆動機構に連結され、該駆動機構によってコーン部材に対してノズル部を進退させるようにしたことを特徴とする。
本発明によっても、製袋した袋内に粉粒体を充填する際に、駆動手段によって索状部材を進退させることでノズル部を進退作動させることができ、しかも袋の製造を邪魔しない。そして、上述した粉粒体充填装置と同様に、ノズル部を進退させることで開閉を行うことができ、充填時に粉粒体を拡散させない。また、閉塞時においては先細状のノズル部をコーン部材の逆テーパ部に当接させるから、粉粒体の付着が少なく粉切れがよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明による粉粒体充填装置及び製袋充填機によれば、オーガスクリューに連結されたコーン部材を移動させることなく、ノズル部を進退させることでコーン部材との開口部の開閉を行うことができて構造を簡単にできる。また、先細状のノズル部をコーン部材の逆テーパ部に当接させて閉塞するから粉粒体の付着が少なく粉切れがよく、しかも、ノズル部が先細状なので充填時の粉粒体の飛散を小さく抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
次に本発明の実施の形態による粉粒体充填装置を図1及び図2により説明する。
図1は粉粒体充填装置の概略構成図、図2は図1に示す粉粒体充填装置の開閉部分の拡大図である。
図1において、本実施の形態による粉粒体充填装置1は、例えば中挽きコーヒー粉等の粉粒体を収容するホッパ2の先端(図中では下端)に例えば略円筒状のファネルチューブ3(筒状部)が連結されている。ホッパ2からファネルチューブ3の先端開口3aにかけて略同軸に、スクリュ翼4aを有するオーガスクリュー4が回転可能に収容されている。オーガスクリュー4の基端側はカップリング5を介してオーガ駆動軸6に連結されている。
またオーガ駆動軸6はサーボモータからなるオーガ軸モータM1に連結されている。オーガ駆動軸6と同軸をなす円環状の支持部7にはアジテータ8が取付けられ、支持部7は図示しないアジテータモータに連結されている。アジテータモータによってアジテータ8を支持部9を介してオーガ駆動軸6とは独立して且つ同軸に旋回させる。これによってアジテータ8はホッパ2内の粉粒体Fを適宜かき混ぜることができて見かけ比重の増大を抑制できる。
【0010】
図1及び図2に示すファネルチューブ3の先端開口3aにおいて、オーガスクリュー4の先端から略算盤玉形状のコーン部材11が先端開口3aから突出している。オーガスクリュー4の回転軸をOとして、このコーン部材11はオーガスクリュー4の先端から回転軸O方向先端側(下方側)に順次拡径する略円錐台形状のテーパ部12と、このテーパ部12の最大外径をなす稜線部12aから更に回転軸O方向に順次縮径する略円錐台形状の逆テーパ部13とで形成されている。
そしてテーパ部12は回転軸Oに対して傾斜角αをなしており、逆テーパ部13は回転軸Oに対してαとは逆方向に傾斜角γをなしている。テーパ部12の回転軸O方向長さは逆テーパ部13よりも長く設定されている。しかも、コーン部材11の最大外径をなす円形の稜線部12aはファネルチューブ3の内径よりも小さく設定されている。そのため、オーガスクリュー4によって吐出される粉粒体Fはテーパ部12に沿って流れ、あまり拡散しない。
【0011】
また、開口3a付近のファネルチューブ3の外周面からコーン部材11にかけて、シャッタスリーブ15がシールドブッシュ16を介して後退位置P1と進出位置P2との間で進退可能に設けられている。シャッタスリーブ15はファネルチューブ3の外周面上に位置する略円筒状のスリーブ部15aと開口3aよりも先端側に位置していて傾斜角βをもって次第に縮径するテーパ状または先細形状のノズル部15bとで構成されている。ファネルチューブ3とスリーブ部15aとの間に円筒状のシールドブッシュ16を介在させることで、シャッタスリーブ15の進退に関わらず粉粒体Fを咬み込むことを防止できる。
シャッタスリーブ15について、ノズル部15bは回転軸Oに対する傾斜角βが、逆テーパ部13の傾斜角γより大きく設定されている。そして、図2で二点鎖線で示すようにシャッタスリーブ15がファネルチューブ3の下方に降下した進出位置P2で、ノズル部15bとコーン部材11との間に間隙が形成されて粉粒体Fの開口部17を形成する。また、図2で実線で示すようにシャッタスリーブ15がファネルチューブ3の上方に上昇した後退位置P1で、ノズル部15bはコーン部材11の逆テーパ部13に当接して開口部17を閉塞する。
シャッタスリーブ15の進出位置P2においてノズル部15bを先細状に形成したことで、テーパ部12に沿って流れる粉粒体Fの飛散を抑制することができ、回転軸Oに近い領域で容器Aや袋B内に落下して沈殿するまでの時間が短くなる。
【0012】
シャッタスリーブ15のスリーブ部15aには例えば水平方向に突出するアーム部18が連結され、アーム部18の自由端部18aは粉粒体充填装置1の固定フレーム19に設けた回転軸Oと略平行なガイド溝20に上下動可能に嵌合されている。また、固定フレーム19にはサーボモータからなるスリーブモータM2が取付けられ、その出力軸に連結された雄ねじ部21が下方に垂下してアーム部18に穿孔されたネジ穴18bに螺合している。そのため、スリーブモータM2によって雄ねじ部21を正逆回転させることでアーム部18を介してシャッタスリーブ15を上下方向に進退させることになる。
しかも、オーガ軸モータM1とスリーブモータM2は電気的に制御部23に接続されている。制御部23では、オーガ軸モータM1の回転による粉粒体Fの吐出量を設定すると共に、スリーブモータM2の上下動範囲を上述した進出位置P2と後退位置P1との間の距離Lに制御することも行っている。
【0013】
ここで、充填すべき粉粒体Fはその種類、性状によって流動性やブリッジ性、圧縮性等が異なる。そのため、種類と性状に応じてテーパ部12を流れる際の流動性やブリッジ性や拡散性などに相違があり、これに応じてコーン部材11とシャッタスリーブ15の傾斜角α、γ、βや、開口部17の開口面積を調整する必要がある。そのため、コーン部材11とシャッタスリーブ15を着脱交換可能とし、充填すべき粉粒体Fに応じて複数種類のコーン部材11とシャッタスリーブ15をそれぞれ交換可能としている。これによって選択した粉粒体Fに最適なコーン部材11とシャッタスリーブ15の装着配置が可能になる。
しかも選択したコーン部材11とシャッタスリーブ15に応じて、制御部23によって後退位置P1、進出位置P2、距離Lを調整できる。
【0014】
本実施の形態による粉粒体充填装置1は上述の構成を有しており、次にその作用について説明する。
図1及び図2に示す粉粒体充填装置1において、ホッパ2内に粉粒体Fが収容された状態でオーガスクリュー4の先端に取り付けたコーン部材11に対してシャッタスリーブ15は後退位置P1にあり、ノズル部15bはコーン部材11の逆テーパ部13に円形に線接触してファネルチューブ3との開口部17を閉塞している。
この状態から制御部23から開放信号を出力してスリーブモータM2とオーガ軸モータM1とを駆動させる。すると雄ねじ部21が回転して螺合する雌ねじ部18bを介してアーム部18が降下し、シャッタスリーブ15が後退位置P1から進出位置P2まで距離Lだけ移動する。これによって、コーン部材11の逆テーパ部13からシャッタスリーブ15のノズル部15bが離間し、開口部17を開口する。
これと同時に、オーガ軸モータM1の駆動によってオーガ駆動軸6を介してオーガスクリュー4が中心軸O周りに回転する。そのため、ファネルチューブ3とオーガスクリュー4のスクリュー翼4aとの間に充填されている粉粒体はオーガスクリュー4の回転に伴うらせん運動を描いて、ファネルチューブ3の開口3aから計量された粉粒体Fが落下する。
【0015】
すると、落下する粉粒体の中心側の一部はコーン部材11のテーパ部12に衝突して傾斜角αのテーパ面に沿って流れ落ちる。テーパ部12で飛散する粉粒体Fはファネルチューブ3内の外周側の粉粒体Fと共にノズル部15bのテーパ状の内周面に衝突してこれに沿って内側に流れる。そのため、開口部17から容器A内に落下する粉粒体Fは周囲に広く傘状に拡散することなくオーガスクリュー4の回転軸Oに近い周辺内を流れて堆積する。
そのため、容器内に充填される粉粒体Fは吐出による飛散が少なく短い時間で容器内に沈殿し堆積する。
【0016】
そして、容器内への粉粒体Fの充填が終了すると、制御部23によってオーガスクリュー4を停止させると共に、スリーブモータM2を逆回転させる。これによって雄ねじ部21とアーム部18を介してシャッタスリーブ15は進出位置P2から後退位置P1まで移動し、ノズル部15bの先端縁が逆テーパ部13の全周に線接触する。
このとき、逆テーパ部13は下端側に向けて縮径する方向に傾斜しているため、そのテーパ面に付着する粉粒体Fは容易に容器内に落下し、付着残りがほとんどない。そのため逆テーパ部13のテーパ面にノズル部15bの先端縁が当接する際に付着する粉粒体Fを咬み込むことはなく、閉塞できる。しかも、逆テーパ部13の傾斜角γよりもノズル部15bの傾斜角βの方が大きく設定されているから、全周に亘って線接触し、閉塞をより確実にできる。
制御部23による作動制御に関して、好ましくはオーガスクリュー4が停止する直前にノズル部15bが逆テーパ部13に当接するように制御する。これによってノズル部15bが逆テーパ部13に当接しながら相対回転するため、粉粒体Fをすり切りできる。
【0017】
上述のように本実施の形態の粉粒体充填装置1によれば、粉粒体Fの吐出充填時には、先細状に傾斜するノズル部15bによって粉粒体Fの周囲への飛散を抑制でき、容器内で短時間で沈殿できる。また、開口部17の閉塞に際してノズル部15bはコーン部材11の逆テーパ部13に円形に線接触するために付着が少なく粉切れが良い上に咬み込みを抑制できる。
更に、コーン部材11とシャッタスリーブ15を交換可能としたので、粉粒体Fの種類や性状に応じて最適なものを取付けでき、制御部23によって開閉タイミングと開閉のための進退距離Lを変更調整できるため、粉粒体Fの充填詰まりや後垂れを防いで、充填量の計量誤差などがなく不良品を発生させないという利点もある。
【0018】
次に本発明の第二の実施の形態について図3により説明する。
図3は本第二の実施の形態による製袋充填機30を示すものであり、この製袋充填機30には上述した第一の実施の形態による粉粒体充填装置1を含んでいるが、アーム部18、雄ねじ部21、スリーブモータM2等からなるシャッタスリーブ15の駆動機構は含まれていない。
本実施の形態による製袋充填機30において、粉粒体充填装置1のファネルチューブ3及びシャッタスリーブ15の外周側に筒状の製袋チューブ31が配設されており、更に製袋チューブ31にはその上部外周側に製袋ガイド32が設けられている。そのため、図示しないロールから繰り出された帯状のフィルム(包材)は製袋ガイド32によって筒状に成形されて、製袋ガイド32と製袋チューブ31との間の略円筒状の空間内に挿入される。
その後のフィルムの製袋のために周知の製袋機構29を採用しているものとする。製袋機構29は(図では省略されている)、製袋ガイド32の下側に、筒状フィルムの幅方向の合わせ目をシールする縦シール、筒状フィルムを下方に繰り出す送りローラ、筒状フィルムを横方向にシールする横シーラ、横シール部の中間を切断して下方側の袋の上端シール部と次の袋の底部シール部に分けるカッタとを備えている。そして、底部をシールされた次の袋Bの上部開口内に粉粒体充填装置1のシャッタスリーブ15を挿入した状態となる。
【0019】
そのため、図3ではシャッタスリーブ15は製袋チューブ31の先端開口よりも下方に突出している。
そして、シャッタスリーブ15のスリーブ15aの基端部(上端部)にはワイヤ33(索状部材)が連結されている。このワイヤ33は製袋チューブ31とその内側のファネルチューブ3との間の空間34を通って製袋チューブ31の上端の更に上側に位置するプーリ35に巻回された後に横方向外側に延びてドラム36に連結されている。ドラム36は例えばサーボモータからなる駆動モータM3の出力軸に連結されて例えば正逆回転可能とされている。これらは駆動手段38を構成する。
そのため、シャッタスリーブ15を後退位置P1に上昇させるためには、駆動モータM3を駆動させてドラム36でワイヤ33を進出位置P2から距離Lだけ巻き上げる。また、シャッタスリーブ15を後退位置P1から進出位置P2に降下させるには、駆動モータMをワイヤ33の距離Lだけ逆回転させると、シャッタスリーブ15内には粉粒体が充填されているために自重で降下し、ワイヤ33はドラム36から繰り出される。
【0020】
そのため、シャッタスリーブ15を進出位置P2に降下させると共にオーガファネルチューブ4を回転させることで、袋内に粉粒体Fを所定量だけ充填できる。粉粒体Fを袋内に充填する際の作用は上述した第一の形態による粉粒体充填装置1と同一である。そして、充填後に、上述した横シーラで袋Bの上端をシールすることになる。
【0021】
上述のように本実施の形態による製袋充填機30においても第一の形態による粉粒体充填装置1を同様の効果を得られる。
【0022】
なお、上述の実施の形態では、シャッタスリーブ15のノズル部15bの傾斜角βに対して逆テーパ部13の傾斜角γを小さく形成したが、傾斜角βより傾斜角γの方が大きくてもよく、この場合には稜線部12aでノズル部15bが線接触して開口部17を閉塞する。傾斜角β=γの場合、逆テーパ部13とノズル部15bとが面接触することになるため、粉粒体Fを咬み込み易くあまり好ましくない。いずれにしても、ノズル部15bが逆テーパ部13の円錐台(円錐形状でもよい)周面上のいずれかで全周に亘って接触して開口部17を閉塞すればよい。
また、索状部材としてワイヤ33に限定されることなく、チェーン、ロープ等を採用できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第一の実施の形態による粉粒体充填装置の概略構成図である。
【図2】図1に示す粉粒体充填装置の先端側部分の拡大図である。
【図3】第一の実施の形態による粉粒体充填装置を含む製袋充填機の概略構成図である。
【符号の説明】
【0024】
1 粉粒体充填装置
3 ファネルチューブ(筒状部)
4 オーガスクリュー
11 コーン部材
12 テーパ部
13 逆テーパ部
15 シャッタスリーブ
15a スリーブ部
15b ノズル部
17 開口部
36 ドラム
38 駆動手段
M2 スリーブモータ
M3 駆動モータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉粒体を収容するホッパの先端側に筒状部を設け、この筒状部の内部にオーガスクリューを配設し、該オーガスクリューの回転によって粉粒体を筒状部の開口から吐出するようにした粉粒体充填装置において、
前記オーガスクリューの先端に設けられていて先端側に向けて拡径するテーパ部及び縮径する逆テーパ部を形成したコーン部材と、
前記筒状部の開口付近に設けられていて前記コーン部材に対して進退可能な先細状のノズル部とを備え、
該ノズル部は、進出位置では前記コーン部材の逆テーパ部との間に粉粒体を吐出させるための開口部を形成し、後退位置では逆テーパ部に当接して前記開口部を閉塞させるようにしたことを特徴とする粉粒体供給装置。
【請求項2】
前記ノズル部の傾斜角はコーン部材の逆テーパ部の傾斜角よりも大きくしたことを特徴とする請求項1記載の粉粒体充填装置。
【請求項3】
前記コーン部材とノズル部は異なるものにそれぞれ交換可能としたことを特徴とする請求項1または2記載の粉粒体充填装置。
【請求項4】
製袋ガイドと製袋チューブとの間に帯状の包材を挿入して製袋機構によって製袋し、請求項1乃至3のいずれかに記載の粉粒体充填装置を用いて製袋チューブの内側に前記筒状部を配設して製袋した袋内に粉粒体を充填するようにした製袋充填機であって、
前記ノズル部は筒状部と製袋チューブとの空間に索状部材を通して駆動手段に連結され、該駆動手段によって前記コーン部材に対してノズル部を進退させるようにしたことを特徴とする製袋充填機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−131245(P2006−131245A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−320404(P2004−320404)
【出願日】平成16年11月4日(2004.11.4)
【出願人】(000151461)株式会社東京自働機械製作所 (106)
【Fターム(参考)】